JP2004210640A - グアナミン化合物及びその難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塩基性触媒の存在下、下記式(2)で表わされる化合物と、ジシアンジアミド又はビグアニド類とを反応させ、下記式(1)で表わされる新規グアナミン化合物を製造する。前記グアナミン化合物又はその塩は、樹脂と組合せて難燃性樹脂組成物として用いるのに有用である。
【化1】
(式中、R1〜R3は水素原子又はアルキル基を示し、Xはヒドロキシ化合物の残基、チオール化合物の残基、酸素原子又はイオウ原子を示す。Yは、ニトリル基又はX1−CO−基を示す。X1は、ヒドロキシル基、塩素原子、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。nは1〜6の整数を示す。)
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なグアナミン化合物又はその塩及びその製造方法、並びに前記グアナミン化合物又はその塩を含有する耐染み出し性に優れた難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの樹脂は、電気・電子部品、機械機構部品、自動車部品などの用途を始め、様々な分野で利用されている。このように、樹脂の利用分野が拡大するにつれ、機械的特性の向上とともに、安全上、難燃性が要求されている。一般に、樹脂を難燃化する方法としては、ハロゲン化合物やアンチモン化合物などを用いた難燃剤を添加する方法などが知られている。しかし、ハロゲン系難燃剤においては、燃焼分解時にダイオキシン系化合物を多量に発生する場合があり、環境上好ましくない。
【0003】
そこで、非ハロゲン系難燃剤として、赤リンやリンエステルなどのリン含有化合物、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、メラミンやグアナミンなどの窒素含有化合物などを用いて樹脂を難燃化する方法が提案されている。しかし、このような非ハロゲン系難燃剤は、有害なハロゲンを含まないものの、ハロゲン系難燃剤と比較して、難燃性が劣るため、多量の難燃剤を必要とする。例えば、特開昭50−105744号公報、特開昭51−54655号公報及び特公昭55−3542号公報などに開示されているように、メラミンのような窒素含有化合物が、種々の樹脂の難燃化に有効であることが知られている。しかし、このような窒素含有化合物を多量に添加すると、成形加工に伴って、窒素含有化合物が金型に付着するモールドデポジットが生じたり、窒素含有化合物が成形品から染み出す(ブリードアウトする)という問題があった。
【0004】
ブリードアウト(染み出し)を改良する方法として、特開昭54−85242号公報には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの樹脂成分と、メラミンのシアヌール酸塩とで構成された難燃性樹脂組成物が開示されている。しかし、メラミンのシアヌール酸塩でも、モールドデポジットの発生を抑制するのは困難である。
【0005】
このように、従来の窒素含有化合物は、樹脂に対して、ある程度の難燃性は付与可能であるが、この窒素含有化合物は、モールドデポジットやブリードアウトが生じるという本質的な課題を有している。従って、樹脂に対して高い難燃性を付与でき、しかもモールドデポジットや難燃剤の染み出しを抑制可能な新規な難燃剤が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、樹脂と混合してもモールドデポジット及び染み出しを抑制でき、難燃剤として有用な新規なグアナミン化合物又はその塩及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、成形加工性に優れるとともに、成形品の外観特性を改善でき、高度に難燃化された非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、環境に対する負荷が小さく、経済性に優れた難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、外観特性に優れるとともに、難燃性が改善された成形体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の新規グアナミン化合物を樹脂と混合して用いると、難燃剤の染み出しを抑制しつつ、種々の樹脂を高いレベルで難燃化できることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の新規グアナミン化合物は、下記式(1)
【0012】
【化3】
【0013】
(式中、R1〜R3は水素原子又はアルキル基を示し、Xはヒドロキシ化合物の残基、チオール化合物の残基、酸素原子又はイオウ原子を示す。nは1〜6の整数を示す。)
で表わされ、その塩も含まれる。R1〜R3は水素原子又はメチル基であってもよく、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の残基、芳香族ポリヒドロキシ化合物の残基、脂肪族ポリチオール残基、酸素原子又はイオウ原子であってもよく、nは2〜4の整数であってもよい。グアナミン化合物の塩は、グアナミン化合物とヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物(イソシアヌール酸など)との塩であってもよい。
【0014】
前記グアナミン化合物は、下記式(2)
【0015】
【化4】
【0016】
(式中、Yは、ニトリル基又はX1−CO−基を示す。X1は、ヒドロキシル基、塩素原子、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。R1〜R3、X及びnは前記に同じ)
で表わされる化合物と、ジシアンジアミド又はビグアニド類とを反応させることにより製造できる。
【0017】
グアナミン化合物とヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物との塩は、前記グアナミン化合物と前記窒素含有環状化合物とを反応させることにより製造できる。
【0018】
本発明には、樹脂と前記グアナミン化合物又はその塩とで構成されている難燃性樹脂組成物も含まれる。グアナミン化合物又はその塩の割合は、樹脂100重量部に対して、0.5〜100重量部程度であってもよい。難燃性樹脂組成物は、さらに、リン含有難燃剤、イオウ含有難燃剤、ケイ素含有難燃剤、アルコール系難燃剤、無機系難燃剤、窒素含有難燃剤などの難燃剤、芳香族樹脂、酸化防止剤、耐熱安定剤、ドリッピング防止剤、離型剤、充填剤などの添加剤を含有してもよい。
【0019】
本発明には、さらに前記難燃性樹脂組成物で形成された成形体も含まれる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[グアナミン化合物又はその塩]
本発明のグアナミン化合物は、下記式(1)で表わされる。
【0021】
【化5】
【0022】
(式中、R1〜R3は水素原子又はアルキル基を示し、Xはヒドロキシ化合物の残基、チオール化合物の残基、酸素原子又はイオウ原子を示す。nは1〜6の整数を示す。)
前記式(1)において、R1〜R3で表わされるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル基などのアルキル基が挙げられる。これらのアルキル基のうち、C1-6アルキル基(例えば、C1-4アルキル基)が好ましい。R1〜R3としては、特に、水素原子又はメチル基(例えば、R1が水素原子又はメチル基、あるいはR2及びR3が水素原子)が好ましい。
【0023】
Xは、活性水素原子を有する化合物、例えば、ヒドロキシ化合物、チオール化合物、水、硫化水素、金属の硫化水素塩(硫化水素ナトリウムなどのアルカリ金属硫化水素塩など)の残基である。
【0024】
Xに関して、前記ヒドロキシ化合物としては、脂肪族ヒドロキシ化合物、脂環族ヒドロキシ化合物[シクロヘキサノールなどの脂環族モノヒドロキシ化合物(C5-8シクロアルカノールなど);シクロヘキサンジオールなどの脂環族ポリヒドロキシ化合物(C5-8シクロアルカンジオールなど);3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカンなどのスピロ環式ヒドロキシ化合物など]、芳香族ヒドロキシ化合物が挙げられる。
【0025】
前記脂肪族ヒドロキシ化合物には、例えば、モノヒドロキシ化合物(メタノール、エタノール、2−シアノエタノールなどのC1-6モノオールなど)、ポリヒドロキシ化合物[ジオール類(例えば、メチレングリコール(ホルマリン)、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール(分子量1000以下のポリオキシアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど)などのアルキレングリコール又は(ポリ)オキシアルキレングリコールなど);トリオール類(トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリンなど);ペンタエリスリトール類(ペンタエリスリトール;ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなど)など]、ポリヒドロキシ化合物の部分エーテル[ポリオールのアルキルエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのC2-4アルキレングリコール又は(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコールのモノC1-6アルキルエーテル;グリセリルα−メチルエーテルなどのトリオールのモノアルキルエーテル;グリセリル−1,3−ジメチルエーテルなどのトリオールジアルキルエーテルなど)、ポリオールのアリールエーテル(例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのC2-4アルキレングリコール又は(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコールのモノC6-14アリールエーテル);ポリオールのアラルキルエーテル(例えば、(ポリ)エチレングリコールモノベンジルエーテルなどのC2-4アルキレングリコール又は(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコールのモノC7-14アラルキルエーテル);前記部分エーテルに対応するポリオールの部分エステル(例えば、エチレングリコールモノアセテートなど)などが含まれる。
【0026】
前記芳香族ヒドロキシ化合物には、芳香族モノヒドロキシ化合物(フェノール、ナフトールなど)、芳香族ポリヒドロキシ化合物[芳香族ジオール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン;ビフェノール、ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなど)のビフェノール類;ビナフトールなど)、芳香族ポリオール(トリヒドロキシベンゼンなど)、ポリフェノール類など]などが含まれる。
【0027】
また、前記ヒドロキシ化合物には、イオウ原子を有するジオール(チオジグリコールなど)、ダイマージオール、糖類(ショ糖、ソルビトール類、マンニトール類、トレハロース類など)、アルカノールアミン類[例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど]、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、高分子(ポリビニルアルコールなど)なども含まれる。
【0028】
Xに関して、チオール化合物としては、前記ヒドロキシ化合物に対応するチオール化合物(メルカプト化合物)、例えば、チオアルコール類(チオメタノールなどの脂肪族モノチオール化合物、エチレンジチオールなどの脂肪族ポリチオール化合物など)、チオフェノール類(チオフェノール、チオナフトールなどの芳香族モノチオール化合物;チオクレゾールなどの芳香族ポリチオール化合物など)などが挙げられる。
【0029】
好ましいXは、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の残基、芳香族ポリヒドロキシ化合物の残基、脂肪族ポリチオール残基、酸素原子又はイオウ原子である。
【0030】
nは、好ましくは2〜4の整数である。なお、Xが脂肪族ヒドロキシ化合物又は脂肪族チオール化合物の残基である場合、nは1〜6、Xが芳香族ヒドロキシ化合物又は芳香族チオール化合物の残基である場合、nは1〜3であるのが好ましく、Xが酸素原子又はイオウ原子である場合、通常、nは1又は2である。
【0031】
前記グアナミン化合物は、塩基性触媒の存在下又は無触媒下、下記式(2)
【0032】
【化6】
【0033】
(式中、Yは、ニトリル基又はX1−CO−基を示す。X1は、ヒドロキシル基、塩素原子、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。R1〜R3、X及びnは前記に同じ)
で表わされる化合物[シアノエチル化体又はその誘導体(カルボキシエチル化体、アルコキシカルボニルエチル化体、アリールオキシカルボニルエチル化体、ハロホルミルエチル化体など)と、ジシアンジアミド又はビグアニド類とを反応させることにより製造できる。
【0034】
前記式(2)のX1−CO−基において、X1で表されるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ基などのC1-6アルコキシ基、好ましくはC1-4アルコキシ基などが挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ、ナフトキシ基などのC6-14アリールオキシ基、好ましくはC6-10アリールオキシ基などが挙げられる。
【0035】
前記シアノエチル化体の調製は、慣用の方法、例えば、前記活性水素原子(ヒドロキシル基やチオール基など)を有する化合物[例えば、前記Xに対応するヒドロキシ化合物、チオール化合物、水(Xが酸素原子の場合)、あるいは硫化水素又は金属の硫化水素塩(Xがイオウ原子の場合)]と下記式(2a)で表わされるニトリルとを反応(以下、単に反応Aと称する場合がある)させることにより得ることができる。
【0036】
【化7】
【0037】
(式中、R1〜R3は前記に同じ)
反応Aの詳細は、例えば、Organic Reactions,Vol.5,7thed.,p79、John Wiley&Sons,Inc.(1967)、Encylopedia of Chemical TechnologyVol.6,2nded.,p634、日本化学会誌,90巻,p704(1969)、特開昭48−22422号公報、特公昭43−6626号公報、特開昭50−142817号公報、特開昭55−4379号公報、特開平4−21664号公報、特開平11-80112号公報、米国特許2401607号、及び米国特許3235553号、並びにこれらの文献に記載されている関連文献に記載の方法などを参照できる。本発明によれば、前記反応Aに関連する文献などに記載されている各種ニトリル(シアノエチル化体)から得られる2−置換グアナミン化合物も本発明の好ましい態様に含まれる。
【0038】
なお、前記ニトリル(2a)としては、入手が容易なアクリロニトリル(R1〜R3がいずれも水素原子の場合)、メタクリロニトリル(R1がメチル基、R2及びR3が水素原子の場合)などを利用するのが有利である。
【0039】
反応Aは、溶媒の存在下で行ってもよい。また、反応Aでは基質の活性水素を有する化合物を溶媒として用いてもよい。溶媒としては、水、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなど)、エーテル系溶媒(ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのジアルキルエーテル;エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどのアルキレングリコールのアルキルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;デカリンなどの脂環族炭化水素類など)、窒素原子含有芳香族系溶媒(ピリジンなど)、ハロゲン系溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチル、塩化エチレン、クロロベンゼン、クロロナフタレンなど)、非プロトン性極性溶媒[ジオキサンなどの環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ニトロ基含有炭化水素類(ニトロメタンなどのニトロアルカン、ニトロベンゼンなど);ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;スルホラン、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスファミドなど)などが挙げられる。
【0040】
反応Aにおいて、シアノエチル基は、前記化合物の活性水素原子の数に応じて導入可能であり、シアノエチル基の導入量は、ニトリル(2a)と前記化合物との割合や反応条件などにより調整してもよい。ニトリル(2a)と活性水素を有する化合物との割合は、特に制限されず、例えば、前者(モル)/後者の活性水素当量=0.5/1〜2/1、好ましくは0.7/1〜1.5/1、さらに好ましくは0.8/1〜1.2/1程度である。
【0041】
新規グアナミン化合物(1)は、(I)塩基性触媒の存在下で、前記シアノエチル化体(前駆体ニトリル)(2)と、ジシアンジアミド又はビグアニド類との反応(以下、単に反応Bと称する場合がある)又は(II)シアノエチル化体の誘導体(カルボキシエチル化体、アルコキシカルボニルエチル化体、アリールオキシカルボニルエチル化体、ハロホルミルエチル化体など)(2)とビグアニド類との反応によりを得る。反応Bは溶媒(前記反応Aの項で例示の溶媒など)の存在下で行ってもよい。
【0042】
反応Bの詳細については、例えば、ジニトリル化合物とジシアンジアミドとを、アルコール系有機溶媒中、塩基性触媒の存在下、高圧で反応させる方法(特開平5−32664号公報)、有機溶媒中、塩基性触媒の存在下で反応させる方法(特公昭44−8676号公報、特開2000−154181号公報、及び米国特許2901464号)、ニトリル化合物とビグアニド類とを、アルコール系有機溶媒中、塩基性触媒の存在下で反応させる方法(米国特許2777848号)並びにこれらの文献に記載されている関連の文献に記載の方法などを参照できる。
【0043】
反応Bで使用する塩基性触媒としては、無機塩基[アルカリ金属(金属カリウム、金属ナトリウムなど)、金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;水酸化銅などの遷移金属水酸化物など)、炭酸塩類(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩など)、アルコキシド(カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド)、有機カルボン酸アルカリ金属塩(酢酸ナトリウムなど)、アンモニアなど]、有機塩基[アルカリ金属アミド(カリウムアミド、ナトリウムアミドなど)、アミン又はアンモニウム類(トリエチルアミンなどのアルキルアミン;N,N−ジメチルアニリンなどの第3級アリールアミン;ピリジンなどの複素環式アミン;4級アンモニウム水酸化物など)など]などが挙げられる。
【0044】
塩基性触媒の割合は、ニトリル(2)のニトリル基1モルに対して、0.01〜3モル、好ましくは0.05〜2モル、さらに好ましくは0.1〜1.5モル程度である。
【0045】
反応Bでは、ニトリル(2)の少なくとも1つのニトリル基をグアナミン環に変換できればよく、ニトリル(2)とジシアンジアミドとの割合は、目的とする生成物に応じて広い範囲から選択できる。ニトリル(2)とジシアンジアミドとの割合は、例えば、前者/後者(モル比)=1/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/6、さらに好ましくは1/1〜1/4(例えば、1/1〜1/2)程度である。特に、ニトリル(2)のニトリル基に対して、1〜1.3倍モル程度のジシアンジアミドを用いるのが好ましい。
【0046】
反応Bにおいて、溶媒を用いる場合、溶媒の量は、特に制限されず、例えば、ニトリル(2)及びジシアンジアミドの総量100重量部に対して、10〜1000重量部(例えば、10〜500重量部)、好ましくは30〜500重量部程度である。
【0047】
反応温度は、特に制限されず、0〜200℃(例えば、20〜200℃)程度の範囲から選択できるが、室温以下では、反応速度が遅くなるため、通常、50〜170℃程度が好ましい。反応は、常圧下であっても十分進行するが、加圧下(例えば、オートクレーブなどを用いて高圧下)で行ってもよい。
【0048】
シアノエチル化体の誘導体(2)は、慣用の方法により製造できる。例えば、シアノエチル化体の加水分解反応によりカルボキシエチル化体を製造する方法、さらにこのカルボキシエチル化体から常法により酸ハロゲン化体、アルコキシカルボニルエチル化体、及びアリールオキシカルボニルエチル化体を製造する方法などが挙げられる。
【0049】
シアノエチル化体の誘導体の製造法は、例えば、特開2001−39956号公報、特開2001−11057号公報、特開平11−279152号公報、米国特許323553号公報に記載されている方法などを参照できる。
【0050】
前記シアノエチル化体の誘導体(2)をビグアニル類(ビグアニル、ビグアニル塩酸塩、ビグアニル硫酸塩、ビグアニル硝酸塩、ビグアニル金属塩など)との反応により新規グアナミン化合物(1)を得ることができる。この製造法は、例えば、米国特許2423071号公報、米国特許2423353号公報、米国特許2425287号公報、英国特許569100号公報に記載されている方法などを参照できる。
【0051】
このようにして得られる新規グアナミン化合物、例えば、Xがヒドロキシ化合物の残基であるグアナミン化合物のうち、脂肪族ヒドロキシ化合物の残基を有するグアナミン化合物としては、β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エトキシメタンなどのモノヒドロキシ化合物の残基を有するグアナミン;ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エトキシ]メタン、ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)イソプロポキシ]メタン、エチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、エチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)イソプロピル]エーテル、ジエチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ジエチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)イソプロピル]エーテル、トリエチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ポリエチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、プロピレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、プロピレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)イソプロピル]エーテル、ジプロピレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ポリプロピレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、1,4−ブチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ポリテトラメチレンエーテルグリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ネオペンチルグリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ヘキサメチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、グリセリントリス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、グリセリンビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、グリセリンモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ジグリセリンテトラキス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ペンタエリスリトールトリス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ペンタエリスリトールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ペンタエリスリトールモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、エチレングリコールメチル[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ジエチレングリコールメチル[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、トリエチレングリコールメチル[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、プロピレングリコールメチル[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ジプロピレングリコールメチル[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、トリプロピレングリコールメチル[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテルなどのポリヒドロキシ化合物の残基を有するグアナミンなどが挙げられる。
【0052】
芳香族ヒドロキシ化合物の残基を有するグアナミン化合物としては、フェノールβ−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチルエーテルなどのモノヒドロキシ化合物の残基を有するグアナミン;ハイドロキノンモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ハイドロキノンビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ハイドロキノンビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)イソプロピル]エーテル、レゾルシノールモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、レゾルシノールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、レゾルシノールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)イソプロピル]エーテル、トリヒドロキシベンゼンモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、トリヒドロキシベンゼンビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、トリヒドロキシベンゼントリス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ビフェノールモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ビフェノールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ビスフェノールAモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ビスフェノールAビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ビスフェノールFモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ビスフェノールFビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、4,4’− ジヒドロキシジフェニルエーテルモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルビス [β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテルなどのポリヒドロキシ化合物の残基を有するグアナミンが挙げられる。
【0053】
また、他のグアナミン化合物の例として、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(2’,4’−ジアミノ− s−トリアジン−6’−イル)エトキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカンなどの脂環族又はスピロ環式ヒドロキシ化合物の残基を有するグアナミン;トリエタノールアミントリス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミンビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテルなどのアルカノールアミン残基を有するグアナミン;トリス[{β−(2’,4’−ジアミノ− s−トリアジン−6’−イル)エトキシ}エチル]イソシアヌレート;チオジグリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテルなどのイオウ原子を有するヒドロキシ化合物の残基を有するグアナミンなども挙げられる。
【0054】
Xが酸素原子(エーテル基)又はイオウ原子(チオエーテル基)を有するグアナミン化合物としては、ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)イソプロピル]エーテル、ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]チオエーテル、ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)イソプロピル]チオエーテルなどが挙げられる。
【0055】
本発明のグアナミン化合物には、グアナミン化合物の塩も含まれる。グアナミン化合物は、通常、グアナミン環のアミノ基を介して、このアミノ基と塩形成可能な化合物と塩を形成している。このような化合物は、アミノ基と塩形成可能であれば特に制限されず、例えば、無機系プロトン酸類、有機系プロトン酸類など:無機/有機(ポリ)リン酸類、無機/有機(ポリ)亜リン酸類、無機/有機次亜リン酸類、無機/有機(ポリ)硫酸類、無機/有機スルホン酸類、無機/有機(ポリ)ホウ酸類などであってもよいが、ヒドロキシル基含有化合物、特に、ヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物であるのが好ましい。
【0056】
前記ヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物には、少なくとも1つのヒドロキシル基と、少なくとも1つの窒素原子を環のヘテロ原子として有するヘテロ環とで構成された化合物が含まれる。前記ヘテロ環としては、複数の窒素原子を環の構成原子として有する5又は6員窒素含有環、特に、トリアジン環が挙げられる。
【0057】
トリアジン化合物としては、1,3,5−トリアジン類、1,2,3−トリアジン類、1,2,4−トリアジン類が挙げられる。ヒドロキシル基を有するトリアジン化合物において、ヒドロキシル基は、トリアジン環の適当な部位(窒素原子及び炭素原子、特に炭素原子)に置換していてもよい。ヒドロキシル基の個数は、特に制限されず、1〜4個、特に1〜3個(例えば、2〜3個)程度である。好ましいヒドロキシル基含有トリアジン化合物は、ヒドロキシル基含有1,3,5−トリアジン類、特にシアヌール酸又はイソシアヌール酸、アンメリン、アンメリドなどのシアヌール酸又はその誘導体などである。
【0058】
グアナミン化合物の塩において、ヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物の割合は、前記グアナミン化合物のグアナミン部位1モルに対して、0.1〜1.2モル、好ましくは0.4〜1モル程度である。グアナミン化合物が複数のグアナミン環を有する場合、各グアナミン環は、同種又は異種のヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物と塩を形成してもよい。
【0059】
イソシアヌール酸との塩を例にとって説明すると、グアナミン化合物の塩としては、前記例示のグアナミン化合物のイソシアヌール酸塩、例えば、ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エトキシ]メタン・イソシアヌール酸塩、エチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル・イソシアヌール酸塩、ハイドロキノンモノ[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル・イソシアヌール酸塩、ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル・イソシアヌール酸塩、ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]チオエーテル・イソシアヌール酸塩などが挙げられる。これらの塩において、イソシアヌール酸の割合は特に限定はないが、グアナミン化合物1モルに対して、例えば、0.2〜2.4モル、好ましくは0.8〜2モル程度であり、0.1〜1.2モル(0.4〜1モル)程度であってもよい。
【0060】
グアナミン化合物の塩は、例えば、グアナミン化合物とヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物などの塩形成化合物とを反応させることにより製造できる。反応は、溶媒中で行ってもよい。溶媒としては、水、前記反応A及び反応Bの反応溶媒の項で例示の有機溶媒、水と前記有機溶媒との混合溶媒などが使用できる。例えば、グアナミン化合物と塩形成化合物(イソシアヌール酸など)とを溶媒中に溶解又は分散させ、必要により加熱し、両者を反応させることによりグアナミン化合物の塩を製造できる。
【0061】
本発明のグアナミン化合物又はその塩は、樹脂と組合せて難燃性樹脂組成物としても有用である。
【0062】
[難燃性樹脂組成物]
グアナミン化合物又はその塩と組合せて用いる樹脂(ベース樹脂)としては、特に制限されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの種々の樹脂が使用できる。
【0063】
前記熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂及びビニル系樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、アミノ樹脂(メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、尿素系樹脂など)、ポリエステル系樹脂(アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂など)、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂、ビニルエステル系樹脂(エポキシ(メタ)アクリレート系樹脂など)、ポリウレタン系樹脂、ジアリルフタレートなどが挙げられる。このような樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの樹脂のうち、成形材料としては、通常、熱可塑性樹脂を用いる場合が多い。
【0064】
(ポリエステル系樹脂)
ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分(例えば、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸など)とジオール成分(エチレングリコール、プロピレングリコールなどの直鎖C2-6アルキレングリコール;ジエチレングリコールなどのポリ(オキシ−C2-4アルキレン)単位を含むグリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)との重縮合、オキシカルボン酸又はラクトン(C3-12ラクトンなど)の重縮合、またはこれらの成分の重縮合などにより得られるホモポリエステル又はコポリエステルである。好ましいポリエステル系樹脂には、通常、飽和ポリエステル系樹脂、特に芳香族飽和ポリエステル系樹脂が含まれる。
【0065】
このようなポリエステル系樹脂には、アルキレンテレフタレート、アルキレンナフタレートなどのアルキレンアリレートを主成分(例えば、50〜100重量%、好ましくは75〜100重量%程度)とするホモポリエステル又はコポリエステル[例えば、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4アルキレンテレフタレート)、ポリアルキレンナフタレート(例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレート)などのホモポリエステル;アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタレート単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含有するコポリエステル]が含まれる。特に好ましいポリエステル系樹脂には、ブチレンテレフタレート単位を主成分として含有するポリブチレンテレフタレート系樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートコポリエステル)、エチレンテレフタレート単位を主成分として含有するポリエチレンテレフタレート系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートコポリエステル)が含まれる。なお、これらのポリエステル系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0066】
また、コポリエステルにおいて、共重合可能な単量体としては、C2-6アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなど)、ポリ(オキシ−C2-4アルキレン)単位を含むグリコール(ジエチレングリコールなど)、脂環族ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)、芳香族ジオール[2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパンなど]C6-12脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸など)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸など)、オキシカルボン酸(オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸など)などが挙げられる。なお、ポリエステル系樹脂は、溶融成形性などを損なわない限り、直鎖状のみならず分岐鎖構造を有していてもよく、架橋されていてもよい。また、液晶ポリエステルであってもよい。
【0067】
ポリエステル系樹脂は、慣用の方法、例えば、エステル交換、直接エステル化法などにより製造できる。
【0068】
(ポリアセタール系樹脂)
ポリアセタール系樹脂には、オキシメチレン基(−CH2O−)を構成単位とするポリアセタールホモポリマー、及びオキシメチレン基以外に他のコモノマー単位を含有するポリアセタールコポリマーが含まれる。コポリマーにおいて、コモノマー単位には、オキシC2-6アルキレン単位(例えば、オキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基などのオキシC2-4アルキレン単位)が含まれる。コモノマー単位の含有量は、ポリアセタール系樹脂全体に対して、例えば、0.01〜30モル%、好ましくは0.03〜20モル%さらに好ましくは、0.03〜15モル%程度の範囲から選択できる。
【0069】
ポリアセタールコポリマーは、二成分で構成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリマーなどであってもよい。ポリアセタールコポリマーは、ランダムコポリマーの他、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーなどであってもよい。また、ポリアセタール樹脂は、線状のみならず分岐構造であってもよく、架橋構造を有していてもよい。さらに、ポリアセタール樹脂の末端は、例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸又はそれらの無水物とのエステル化などにより安定化してもよい。
【0070】
前記ポリアセタール樹脂は、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、トリオキサン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールなどの環状エーテルや環状ホルマールを重合することにより製造できる。
【0071】
(ポリアミド系樹脂)
ポリアミド系樹脂には、ジアミンとジカルボン酸とから誘導されるポリアミド;アミノカルボン酸(アミノヘプタン酸、アミノウンデカン酸などのC4-20アミノカルボン酸など)、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸を併用して得られるポリアミド;ラクタム(ブチロラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタムなどのC4-20ラクタムなど)、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸との併用により誘導されたポリアミドが含まれる。ポリアミドには、少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分により形成されるコポリアミドも含まれる。
【0072】
ジアミンとしては、脂肪族ジアミン(トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのトリ乃至デカメチレンジアミン)、脂環族ジアミン[ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなど]、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミンなど)が挙げられる。これらのジアミンは1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0073】
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸[グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸などのC4-20脂肪族ジカルボン酸;二量体化脂肪酸(ダイマー酸)など]、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸など)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。
【0074】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸および/又はイソフタル酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミンなど)とから得られるポリアミド、芳香族および脂肪族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸とアジピン酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミンなど)とから得られるポリアミド、脂肪族ジカルボン酸(α,ω−C4-12ジカルボン酸など)と芳香族ジアミンとから得られるポリアミド[例えば、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド(MXD6)、スベリン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とパラキシリレンジアミンとから得られるポリアミド(PMD6)、スベリン酸とパラキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とN,N’−ジメチルメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、スベリン酸とN,N’−ジメチルメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸と1,3−フェニレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸と4,4’−ジアミノジフェニルメタンとから得られるポリアミド、アジピン酸とメタキシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンとから得られるコポリアミド、アジピン酸とメタキシリレンジアミン及びN,N’−ジメチルメタキシリレンジアミンとから得られるコポリアミド、4,4’−ジアミノビフェニルとアジピン酸とから得られるポリアミドなど]などが挙げられる。これらのポリアミドは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0075】
好ましいポリアミドには、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12など)、少なくともジアミン成分が脂肪族化合物であるポリアミド(ナイロン6T、ナイロン6T共重合体、ナイロン9Tなど)、芳香族ジアミン(特に、キシリレンジアミン)とα,ω−C6-12脂肪族ジカルボン酸から得られるポリアミド(特に、MXD6)などが含まれる。ポリアミド系樹脂は1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0076】
(ポリカーボネート系樹脂)
ポリカーボネート系樹脂には、ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又はジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとの反応により得られる重合体が含まれる。ジヒドロキシ化合物は、脂環族化合物などであってもよいが、好ましくはビスフェノール化合物である。
【0077】
ビスフェノール化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールFなど)、ビス(ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールADなど)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタンなどのビス(ヒドロキシアリール)C1-6アルカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)C4-10シクロアルカン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド;4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトンなどが挙げられる。
【0078】
好ましいポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノールA型ポリカーボネートが含まれる。ポリカーボネート系樹脂は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0079】
(ポリフェニレンオキシド系樹脂)
ポリフェニレンオキシド系樹脂(ポリフェニレンエーテル系樹脂)には、単独重合体および共重合体が含まれる。単独重合体としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,5−ジエチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)オキシドなどのポリ(モノ又はジC1-6アルキル−フェニレン)オキシドなどが挙げられる。
【0080】
ポリフェニレンオキシドの共重合体としては、前記単独重合体のモノマーユニットを2以上有する共重合体(例えば、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド単位と、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンオキシド単位とを有する共重合体など)、ベンゼン骨格を有するアルデヒド樹脂(ベンゼンホルムアルデヒド樹脂やアルキルベンゼンホルムアルデヒド樹脂など)に、クレゾール、p−tert−ブチルフェノールなどのアルキルフェノールを反応させて得られるアルキルフェノール変性ベンゼンホルムアルデヒド樹脂ブロックと、主体構造としてのポリフェニレンオキシドブロックとで構成された変性ポリフェニレンオキシド共重合体、ポリフェニレンオキシド又はその共重合体にスチレン系モノマー及び/又は不飽和酸無水物がグラフトしている変性グラフト共重合体などが挙げられる。ポリフェニレンオキシド系樹脂は1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0081】
(ポリフェニレンスルフィド系樹脂)
ポリフェニレンスルフィド系樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリビフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホンなどが挙げられる。
【0082】
(ポリウレタン系樹脂)
ポリウレタン系樹脂には、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、例えば、トリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物と、前記グリコール及び/又は前記ジアミンとの反応により得られる重合体、ポリテトラメチレングリコールなどのセグメントを有していてもよいポリウレタンエラストマーなどが含まれる。
【0083】
(オレフィン系樹脂)
オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン(特に、α−C2-10オレフィン)や環状オレフィン[例えば、シクロプロピレン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロプロピン、シクロブチン、シクロペンチン、シクロヘキシン、シクロオクチン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジシクロヘプタジエン、テトラジシクロドデセン、ヘキサシクロヘプタデセン又はこれらの誘導体(アルキル置換体、アルキリデン置換体、アルコキシ置換体、アシル置換体、カルボキシ置換体など)など]の単独又は共重合体、特に、α−C2-3オレフィン系樹脂[例えば、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸金属塩共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(エチレン−エチルアクリレート共重合体など)、プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体など]、環状オレフィン系樹脂(例えば、環状オレフィンの単独重合体、α−C2-10オレフィン−環状オレフィン共重合体など)などが挙げられる。オレフィン系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0084】
(アクリル系樹脂)
アクリル系樹脂には、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、あるいは(メタ)アクリル系単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体(例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが含まれる。好ましいアクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体などが挙げられる。これらのアクリル系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0085】
(スチレン系樹脂)
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン系単量体(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレンなど)の単独又は共重合体;スチレン系単量体とビニル単量体(例えば、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸などのα,β−モノオレフィン性不飽和カルボン酸又は酸無水物あるいはそのエステルなど)との共重合体;スチレン系グラフト共重合体、スチレン系ブロック共重合体などが挙げられる。
【0086】
好ましいスチレン系樹脂としては、ポリスチレン(GPPS)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、ゴム成分にスチレン系単量体が重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリスチレン系グラフト又はブロック共重合体などが含まれる。ポリスチレン系グラフト共重合体としては、ゴム成分に少なくともスチレン系単量体および共重合性単量体がグラフト重合した共重合体(例えば、ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したABS樹脂、アクリルゴムにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したAAS樹脂、塩素化ポリエチレンにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したACS樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体にスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合した重合体、エチレン−プロピレンゴムにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合した重合体、ポリブタジエンにスチレンとメタクリル酸メチルをグラフト重合したMBS樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムにスチレン及びアクリロニトリルがグラフト重合した樹脂などが挙げられる。ブロック共重合体としては、ポリスチレンブロックとジエン又はオレフィンブロックとで構成された共重合体(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体)などが挙げられる。これらのスチレン系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0087】
(ビニル系樹脂)
ビニル系樹脂としては、ビニル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、クロトン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル;塩素含有ビニル単量体(例えば、塩化ビニル);フッ素含有ビニル単量体(例えば、フルオロエチレン、クロロプレンなど);メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどのビニルアミン類など)の単独又は共重合体、あるいは他の共重合可能なモノマーとの共重合体などが含まれる。
【0088】
前記ビニル系樹脂の誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)も使用できる。これらのビニル系樹脂は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0089】
(その他の樹脂)
その他の樹脂としては、脂肪族ポリケトン系樹脂(ケトン樹脂);ポリスルホン(例えば、熱可塑性ポリスルホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4′−ビスフェノールエーテルスルホンなど);ポリエーテルケトン;ポリ(エーテルエーテルケトン);ポリエーテルイミド;熱可塑性ポリイミド;ポリオキシベンジレン;熱可塑性エラストマーなどが例示できる。
【0090】
好ましいベース樹脂としては、液晶ポリエステルであってもよいポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、スチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。さらに好ましくはポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂が挙げられる。
【0091】
本発明の難燃性樹脂組成物において、前記グアナミン化合物又はその塩は、難燃剤として機能する。難燃性樹脂組成物において、前記グアナミン化合物又はその塩の割合は、樹脂100重量部に対して、0.5〜100重量部(例えば、1〜100重量部)、好ましくは1〜90重量部、さらに好ましくは1〜80重量部(例えば、3〜80重量部)程度である。
【0092】
(難燃剤)
本発明の難燃性樹脂組成物は、さらに難燃性を付与するため、他の難燃剤、例えば、リン含有難燃剤、イオウ含有難燃剤、ケイ素含有難燃剤、アルコール系難燃剤、無機系難燃剤、窒素含有難燃剤などを含んでもよい。これらの難燃剤は、一種で又は二種以上組合せて使用できる。
【0093】
(a)リン含有難燃剤
リン含有難燃剤には、有機リン化合物、無機リン化合物(赤リン、リン酸ホウ素など)などが含まれる。
【0094】
前記有機リン化合物には、リン酸エステル、リン酸エステルアミド、ホスホニトリル化合物、有機ホスホン酸化合物(ホスホン酸エステルなど)、有機ホスフィン化合物、ホスフィンオキシド(トリフェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホスフィンオキシドなどの置換基を有していてもよいトリC6-10アリールホスフィンオキシドなど)、(ポリ)リン酸塩(ポリリン酸と有機塩基との塩など)などが含まれる。
【0095】
(リン酸エステル)
リン酸エステルには、モノマー型リン酸エステル(リン酸エステル、亜リン酸エステル、次亜リン酸エステルなど)、ポリマー型リン酸エステルなどが含まれる。
【0096】
モノマー型リン酸エステルとしては、脂肪族リン酸エステル[リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチルなどのリン酸トリC1-10アルキルエステル;前記リン酸トリエステルに対応するリン酸ジC1-10アルキルエステル及びリン酸モノC1-10アルキルエステルなど]、芳香族リン酸エステル[リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシリル、リン酸ジフェニルクレジル、リン酸トリ(イソプロピルフェニル)、リン酸ジフェニルエチルクレジルなどのリン酸トリC6-20アリールエステルなど]、脂肪族−芳香族リン酸エステル(リン酸メチルジフェニル、リン酸フェニルジエチル、スピロ環状芳香族リン酸エステル(ジフェニルペンタエリスリトールジホスフェート、ジクレジルペンタエリスリトールジホスフェート、ジキシリルペンタエリスリトールジホスフェートなど)など)などが挙げられる。
【0097】
また、モノマー型リン酸エステルとしては、酸性リン酸エステル(部分エステル:ペンタエリスリトールジホスフェートなど)の金属塩(Mg、Ca、Ba、Zn、Al塩など)やアミン類塩(アンモニウム、グアニジン、メラミン、メラム、メレム、メロン、グアナミン、ベンゾグアナミンなど)などが含まれる。
【0098】
前記ポリマー型リン酸エステルとしては、縮合リン酸エステルを用いることができる。縮合リン酸エステルには、芳香族環を有する縮合リン酸エステルが挙げられ、例えば、下記式(3)で表される構造単位を有していてもよい。
【0099】
【化8】
【0100】
(式中、R4〜R7は置換基を有していてもよいアリール基を、Z1は二価の芳香族性基を示す。pは1以上の整数を示す)
式(3)において、R4〜R7で示されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのC6-20アリール基が挙げられる。アリール基の置換基としては、メチル基、エチル基などのアルキル基が挙げられる。また、二価の芳香族基としては、アリーレン基(例えば、フェニレン、ナフチレン基などのC6-20アリーレン基など)、ビフェニレン基、ビスフェノール残基(ビスフェノールA残基,ビスフェノールD残基,ビスフェノールAD残基などのビス(ヒドロキシアリール)アルカン残基、ビスフェノールF残基、ビスフェノールS残基など)などが挙げられる。pは好ましくは1〜15の整数である。
【0101】
上記式(3)で表される縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールホスフェート類[レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジクレジルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシリルホスフェート)など]、ハイドロキノンホスフェート類[ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジクレジルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシリルホスフェート)など]、ビフェノールホスフェート類[ビフェノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビフェノールビス(ジクレジルホスフェート)、ビフェノールビス(ジキシリルホスフェート)など]及びビスフェノール−Aホスフェート類[ビスフェノール−Aビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノール−Aビス(ジクレジルホスフェート)、ビスフェノール−Aビス(ジキシリルホスフェート)など]などが挙げられる。
【0102】
(リン酸エステルアミド)
リン酸エステルアミドとしては、例えば、C2-6アルキレンジアミンジイルテトラアリールホスフェート(アリールがフェニル、クレジル、キシリルなどであるピペラジンジイルテトラC6-10アリールホスフェート、エチレンジアミンジイルテトラC6-10アリールホスフェート、N,N’−ジメチルエチレンジアミンジイルテトラC6-10アリールホスフェートなど);置換基を有していてもよいC6-10アリーレンジアミンジイルテトラC6-10アリールホスフェート(アリーレンがフェニレン、キシリレンなどであり、アリールがフェニルクレジル、キシリルなどであるフェニレンジアミンジイルテトラアリールホスフェート、キシリレンジアミンジイルテトラアリールホスフェートなど)、レゾルシノールトリフェニルホスフェートジフェニルアミド、ハイドロキノントリフェニルホスフェートジフェニルアミドなどのベンゼンジオールホスフェートジC6-10アリールアミド;ビスフェノールAトリフェニルホスフェートジブチルアミドなどのビスフェノールホスフェートジC1-6アルキルアミド;ビスフェノールAトリフェニルホスフェートジフェニルアミドなどのビスフェノールホスフェートC6-10アリールアミド;ジフェニルホスフェートジブチルアミドなどのジフェニルホスフェートジC1-6アルキルアミド;ジフェニルホスフェートメチルフェニルアミド、ジフェニルホスフェートジフェニルアミドなどのジフェニルホスフェートC6-10アリールアミド;アリールがフェニル、クレジル、キシリルなどであるピペリジノジC6-10アリールホスフェート及びピペコリノジC6-10アリールホスフェートなどが挙げられる。
【0103】
好ましいリン酸エステルアミドとして、縮合リン酸エステルアミド類が挙げられる。このようなリン酸エステルアミドとしては、例えば、N−(ジアリールオキシホスフィニル)置換アルキレンアミン類[例えば、N,N′−ビス(ジフェノキシホスフィニル)ピペラジン、N,N′−ビス(ジトルイルオキシホスフィニル)ピペラジン、N,N′−ビス(ジキシリルオキシホスフィニル)ピペラジン、N,N′−ビス(ジ又はトリメチルフェニルオキシホスフィニル)ピペラジンなど]、ビス乃至テトラキス[(ジアリールオキシホスフィニル)アミノ]置換芳香族化合物類{例えば、1,3−又は1,4−ビス[(ジフェノキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジトルイルオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジキシリルオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジ又はトリメチルフェニルオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジフェノキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジトルイルオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジキシリルオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジ−トリメチルフェニルオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼンなど}、N−(環状アルキレンジオキシホスフィニル)置換アルキレンアミン類[例えば、N,N′−ビス(ネオペンチレンジオキシホスフィニル)ピペラジンなど]、ビス乃至テトラキス[(環状アルキレンジオキシホスフィニル)アミノ]置換芳香族化合物類{例えば、1,3−又は1,4−ビス[(ネオペンチレンジオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ネオペンチレンジオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼンなど}、N−(環状アリーレンジオキシホスフィニル)置換アルキレンアミン類[例えば、N,N′−ビス(フェニレン−1,2−ジオキシホスフィニル)ピペラジン、1,3−又は1,4−ビス[(ビフェニレン−2,2′−ジオキシホスフィニル)アミノメチル]ピペラジンなど]、ビス乃至テトラキス[(環状アリーレンジオキシホスフィニル)アミノ]置換芳香族化合物類{例えば、1,3−又は1,4−ビス[(フェニレン−1,2−ジオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ビフェニレン−2,2′−ジオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼンなど}、3,9−ビス(N−置換アミノ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]−ウンデカン−3,9−ジオキシド類[例えば、N−置換アミノ基が、ジアルキルアミノ基(ジエチルアミノ基など)、環状アミノ基(ピペリジノ基、ピペコリノ基、ジメチルピペリジノ基、モルホリノ基など)、アリールアミノ基(フェニルアミノ基など)、アルキルアリールアミノ基(メチルフェニルアミノ基など)などであるスピロ環状リン酸エステルアミド]などが含まれる。
【0104】
リン酸エステルアミドは、商品名「リン酸エステルアミド系難燃剤SPシリーズ(例えば、SP−601、SP−670、SP−703、SP−720など)」(四国化成工業(株)製)として入手できる。
【0105】
(ホスホニトリル化合物)
ホスホニトリル化合物としては、例えば、アリールオキシホスファゼン化合物(例えば、フェノキシホスファゼン化合物、トリルオキシホスファゼン化合物、フェノキシトリルオキシホスファゼン化合物)、又はその誘導体(例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビフェノール、ビスフェノール類で変性されたフェノキシホスファゼンなど)などが挙げられる。ホスホニトリル化合物は、直鎖状及び/又は環状のモノマー、オリゴマー、ポリマーいずれであってもよい。
【0106】
(有機ホスホン酸化合物)
有機ホスホン酸(亜リン酸)化合物としては、例えば、芳香族亜リン酸エステル(アリールがフェニル、クレジル、キシリルなどである亜リン酸トリC6-20アリールエステルなど)、脂肪族亜リン酸エステル[アルキルが、メチル、エチル、ブチル、ヘキシルなどである亜リン酸トリC1-10アルキルエステル;前記亜リン酸トリアルキルエステルに対応する亜リン酸ジ又はモノC1-10アルキルエステルなど)、有機亜リン酸エステル[例えば、アルキルが、メチル、エチル、ブチル基などであり、アリールがフェニル、クレジル、キシリルなどであるC1-6アルキルホスホン酸ジC1-6アルキル、C1-6アルキルホスホン酸ジC6-10アリール、C1-6アルキルホスホン酸C1-6アルキルC6-10アリールなどのアルキルホスホン酸ジエステル;前記アルキルホスホン酸ジエステルに対応するC7-15アラルキルホスホン酸ジエステル及びC6-10アリールホスホン酸ジエステル;、環状有機ホスホン酸ジエステル[例えば、4−C1-6アルキル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−オキシド、ペンタエリスリトールビス(C1-6アルキルホスホネート)、ペンタエリスリトールビス(C6-10アリールホスホネート)、ペンタエリスリトールビス(C7-15アラルキルホスホネート)など];C6-20アリールホスホン酸モノエステル(例えば、10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなど);ホスホノカルボン酸エステル(メトキシカルボニルメチルホスホン酸ジメチルなどの前記アルキルホスホン酸ジエステルに対応するC1-4アルコキシカルボニルオキシC1-4アルキルホスホン酸ジエステル)などのホスホノカルボン酸トリエステル]などの各種ホスホン酸エステルが含まれる。また、芳香族亜リン酸(アリールがフェニル、クレジル、キシリルなどである亜リン酸塩など)、脂肪族亜リン酸(アルキルがC1-6アルキルなどである亜リン酸)、含ヒドロキシル基脂肪族亜リン酸(1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸など)、含窒素脂肪族亜リン酸(ニトリロトリス(メチルホスホン酸)など)、環状芳香族亜リン酸(10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなど)の金属塩(Mg塩、Ca塩、Ba塩などのアルカリ土類金属塩、Zn塩、Al塩など)やアミン類塩(アンモニウム、グアニジン、メラミン、メラム、メレム、メロン、グアナミン、ベンゾグアナミン塩など)なども含まれる。
【0107】
(有機ホスフィン酸化合物)
有機ホスフィン酸化合物には、アルキル基(C1-4アルキル基など)又はアリール基(C6-10アリール基など)が置換(一置換又は二置換)していてもよいホスフィン酸エステル(ホスフィン酸メチルなどのホスフィン酸C1-6アルキル、ホスフィン酸フェニルなどのホスフィン酸C6-10アリール、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなどの環状ホスフィン酸エステルなど);アルキル基(C1-4アルキル基など)又はアリール基(C6-10アリール基など)が置換(一置換又は二置換)していてもよいホスフィン酸(ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、メチルブチルホスフィン酸、エチルブチルホスフィン酸などのジC1-4アルキルホスフィン酸;ジフェニルホスフィン酸などのジC6-10アリールホスフィン酸;メチルフェニルホスフィン酸などのC1-4アルキルC6-10アリールホスフィン酸など)の金属塩(Mg塩、Ca塩、Ba塩などのアルカリ土類金属塩、Zn塩、Al塩など)やアミン類塩(アンモニウム、グアニジン、メラミン、メラム、メレム、メロン、グアナミン、ベンゾグアナミン塩など)などが含まれる。また、アルキル基又はアリール基が置換していてもよいホスフィニコカルボン酸(例えば、3−メチルホスフィニコプロピオン酸、3−フェニルホスフィニコプロピオン酸など)の金属塩(Mg塩、Ca塩、Ba塩などのアルカリ土類金属塩、Zn塩、Al塩など)やアミン類塩(アンモニウム、グアニジン、メラミン、メラム、メレム、メロン、グアナミン、ベンゾグアナミン塩など)も含まれる。
【0108】
((ポリ)リン酸塩)
(ポリ)リン酸塩としては、例えば、(ポリ)リン酸とアミン類[アンモニア、尿素化合物(尿素、アルキル置換尿素など)、グアニジン、又はトリアジン化合物(メラミン、メラム、メレムなど)との塩が含まれる。このような(ポリ)リン酸塩としては、ポリリン酸アンモニウム、リン酸尿素、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸メラム、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩などが挙げられる。前記ポリリン酸塩としては、特に表面処理を施したポリリン酸塩も使用できる。が好ましく、例えば、表面が樹脂[例えば、フェノール樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂など熱可塑性樹脂]などにより被覆されたポリリン酸塩などが例示できる。
【0109】
また、(ポリ)リン酸塩には、(ポリ)リン酸(ポリ)亜リン酸又は(ポリ)次亜リン酸と、金属(Mg、Ca、Baなどのアルカリ土類金属、Zn、Alなど)との塩、リン酸ホウ素なども含まれる。このような金属塩としては、例えば、オルトリン酸水素カルシウム、ポリリン酸水素カルシウム、リン酸水素アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、ポリリン酸アルミニウムなどが挙げられ、特に、実質的に無水のリン酸水素カルシウム塩(CaHPO4)が好ましい。
【0110】
(赤リン)
赤リンとしては、通常、安定化処理を施したもの(安定化赤リン)が好ましく用いられる。特に、赤リンの粉砕を行わず、赤リン表面に水や酸素との反応性が高い破砕面を形成させずに微粒子化する方法で得られた赤リン、さらには、赤リンの表面が、樹脂(前記(ポリ)リン酸塩の項で例示の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂など)、金属、金属化合物[例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンなどの金属水酸化物;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化銅、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化スズなどの金属酸化物など]などにより単独で又は2種以上組み合わせて被覆された赤リンが好ましい。
【0111】
安定化赤リンは、商品名「ノーバエクセルシリーズ(例えば、ノーバエクセル140、ノーバエクセルF5など)」などとして燐化学工業(株)などから入手可能である。
【0112】
(b)イオウ含有難燃剤
イオウ含有難燃剤としては、有機スルホン酸(ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ジフェニルスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、フェニルスルホニルベンゼンスルホン酸などのC6-12アリールスルホン酸;スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリフェニレンオキシドなどのスルホン化ポリマー;トリフルオロメタンスルホン酸などのフルオロC1-10アルカンスルホン酸など)、パーフルオロアルカンスルホン酸(パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸などのパーフルオロC1-10アルカンスルホン酸など)と金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Zn、Cu、Mnなど)との塩、スルファミン酸、有機スルファミン酸、及びそれらの塩(前記金属との塩など)、エステル、アミドなどが挙げられる。
【0113】
(c)ケイ素含有難燃剤
ケイ素含有難燃剤には、(ポリ)オルガノシロキサン、ゼオライトなどが含まれる。(ポリ)オリガノシロキサンとしては、ジアルキルシロキサン(例えば、ジメチルシロキサンなど)、アルキルアリールシロキサン(フェニルメチルシロキサンなど)、ジアリールシロキサンなどのモノオルガノシロキサン及びこれらの単独重合体(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサンなど)、又は共重合体などが含まれる。
【0114】
また、(ポリ)オルガノシロキサンとしては、分岐オルガノシロキサン(ポリメチルシルセスキオキサン、ポリメチルフェニルシルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサンなどのポリオルガノシルセスキオキサンなど)[例えば、東芝シリコーン(株)の商品名「XC99−B5664」、信越化学工業(株)の商品名「X−40−9243」、「X−40−9244」、「X−40−9805」、特開2001−40219号公報、特開2000−159995号公報、特開平11−158363号公報、特開平10−182832号公報、特開平10−139964号公報記載の化合物など]、分子末端や主鎖に、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エーテル基などの置換基を有する変性(ポリ)オルガノシロキサン[例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)の商品名「SiパウダーDC4−7051,DC4−7081,DC4−7105,DC1−9641など」など]なども使用できる。
【0115】
ゼオライトとしては、A型、Y型、β型、L型、モルデナイト型、ZSM型(ZSM−5型など)などのNa型、H型、NH4型又は遷移金属置換ゼオライトなどが挙げられる。
【0116】
(d)アルコール系難燃剤
アルコール系難燃剤としては、多価アルコール又はその誘導体(多価アルコールの重合体、多価アルコールの部分エステル化物、置換多価アルコールなど)、糖類(グルコース、ガラクトース、フルクトースなど単糖類;スクロース、マルトース、ラフィノースなどオリゴ糖類;エリトリット、キシリット、ソルビットなどの糖アルコール;セルロース、デンプンなどの多糖類など)、含窒素多価アルコール類[トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートなど]などが挙げられる。
【0117】
前記多価アルコール又はその誘導体としては、C2-8多価アルコール(好ましくはC2-6多価アルコール)又はその重合体(オリゴマーも含む)、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのC2-8アルキレングリコール(好ましくはC2-6アルキレングリコール)など)などのジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン又はこれらの誘導体などのトリオール類、ペンタエリスリトール、ソルビタン又はこれらの誘導体などのテトラオール類;これらの多価アルコールの部分エステル化物(例えば、アルキルエステルなど);これらの多価アルコール類のオリゴマー(例えば、ジペンタエリスリトールなど)、単独又は共重合体(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールの単独又は共重合体、ポリグリセリンなど)などが例示できる。
【0118】
(e)無機系難燃剤
無機系難燃剤のうち、金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化マンガン、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられる。金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ニッケル含有水酸化マグネシウム、水酸化スズ、水酸化ジルコニウムが挙げられる。
【0119】
また、前記無機金属系化合物には、ホウ酸金属塩(例えば、含水ホウ酸亜鉛など)、スズ酸金属塩(例えば、含水スズ酸亜鉛など)、モリブデン酸金属塩(例えば、(含水)モリブデン酸亜鉛など)、タングスデン酸金属塩(例えば、(含水)タングステン酸亜鉛など)、金属硫化物(例えば、硫化亜鉛、硫化モリブデン、硫化タングステンなど)、膨張性黒鉛なども含まれる。
【0120】
(f)窒素含有難燃剤
窒素含有難燃剤としては、アミノトリアジン類又はその塩又は誘導体、尿素類又はその誘導体、アミジン類又はその誘導体、テトラゾール類又はその誘導体、ニトロキシド類又はその誘導体、カルボン酸ヒドラジド類(アジピン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなど)などが挙げられる。
【0121】
前記アミノトリアジン類としては、メラミン、置換メラミン(2−メチルメラミンなどのアルキルメラミン、グアニルメラミンなど)、メラミン縮合物(メラム、メレム、メロンなど)、メラミンの共縮合樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−メラミン樹脂など);グアナミン、置換グアナミン(メチルグアナミン、アセトグアナミンなど)、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、フタログアナミン、CTU−グアナミン、特開2000−154181号公報に開示されているモノ乃至テトラグアナミン化合物などの各種グアナミンなどが挙げられる。アミノトリアジン類の塩としては、例えば、メラミンシアヌレート、グアナミンシアヌレート、アジポグアナミンシアヌレート、特開2000−63365号公報に開示されているモノ又はジグアナミン化合物のシアヌレートなどのアミノトリアジン類のシアヌール酸塩(イソシアヌール酸塩)などが挙げられる。アミノトリアジン類の誘導体としては、メチロール誘導体、アルコキシメチル誘導体などが挙げられ、例えば、モノ乃至ヘキサアルコキシメチルメラミン、モノ乃至テトラメチロールグアナミン、モノ乃至ヘキサアルコキシメチルメラミンなどが例示できる。
【0122】
前記尿素類としては、尿素の多量体(ビウレット、ビウレアなどの二量体など)、アルキレン尿素(エチレン尿素等のC1-10アルキレン尿素など)、ジカルボン酸のウレイド(イソシアヌール酸、トリス(2−シアノエチル)イソシアヌレートなど)、α−オキシ酸のウレイド[ヒダントイン、ジメチルヒダントイン(5,5−ジメチルヒダントインなど)、アラントイン、メチルアラントイン等のヒダントイン類など]、尿酸、アセチレン尿素(グリコールウリル)などが挙げられる。尿素類の誘導体としては、メチロール化体又はアルコキシメチル化体などが挙げられ、たとえば、モノ乃至テトラメチロールアセチレン尿素、モノ乃至テトラアルコキシメチルアセチレン尿素などが例示できる。
【0123】
前記アミジン類には、RC(=NH)NH2(Rは、水素原子、アルキル基、アシル基を示す。)で表わされる構成単位を含むアミジン及びその誘導体が含まれる。アミジン類の構造は、非環状であっても、環状であってもよい。さらに、アミジン類には、前記Rがアミノ基であるグアニジン類(グアニジン又はその誘導体)も含まれ、その構造は、非環状であっても、環状であってもよい。非環状アミジンには、例えば、アミジン、ジシアンジアミド又はこれらの誘導体などが含まれる。好ましいアミジン類は、例えば、アミジン、ジシアンジアミド、グリコシアミン、グアノリン、クレアチン、クレアチニン、又はそれらの誘導体などが含まれる。
【0124】
前記テトラゾール類には、モノテトラゾール及びテトラゾールのアミン塩又は金属塩が含まれる。例えば、5−フェニルテトラゾール、5,5’−ビテトラゾールのアミン塩(例えば、2アンモニウム塩、2グアニジン塩、ピペラジン塩、メラミン塩、グアナミン塩、キシリレンジアミン塩など)、5,5’−ビテトラゾールの金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩など)などが挙げられる。
【0125】
これらのテトラゾール化合物としては、特開平5−51476号公報、特開平6−166678号公報、特開2001−294497号公報などを参照できる。
【0126】
前記ニトロキシド類としては、ニトロキシド化合物[2,2,6,6−テトラメチル−1,4−ジヒドロキシ−ピペリジン、1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジンなど]又はそれのカルボン酸エステル又はエーテル誘導体(特表2002−507238号公報記載のアミン化合物)などが挙げられる。
【0127】
これらの他の難燃剤の割合は、ベース樹脂100重量部に対して、0〜200重量部、好ましくは0.1〜100重量部、さらに好ましくは1〜50重量部程度である。また、他の難燃剤を用いる場合、前記グアナミン化合物と他の難燃剤との総量は、ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜300重量部(例えば、1〜300重量部)、好ましくは10〜300重量部、さらに好ましくは50〜250重量部(例えば、50〜200重量部)程度である。
【0128】
難燃性樹脂組成物は、さらに芳香族樹脂(特に炭化性樹脂)及び特定芳香族化合物(C6-20アリール多置換エタン誘導体、例えば、2,3−ジフェニル−2,3−ジメチルブタンなど)を含んでもよい。芳香族樹脂にはヒドロキシル基及び/又はアミノ基を有する芳香族環を主鎖又は側鎖に有する樹脂(フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、メラミン変性フェノールノボラック樹脂、不飽和環状炭化水素化合物変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂など)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂[例えば、ベンゼンジオール類(レゾルシノール、ハイドロキノンなど)、ビフェノール類(ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルなど)及び/又はビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールFなど)と、ベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸など)からのポリエステル;ポリアリレート系樹脂と他の樹脂(ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなど)とのポリマーアロイ;前記ポリマーアロイをエステル交換反応させたポリマーアロイ、相溶化剤を含むポリマーアロイなど]、芳香族エポキシ樹脂[ビフェノール型エポキシ樹脂(例えば、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールのグリシジルエーテルなど)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(フェノキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールFなどのグリシジルエーテルなど)、ノボラック型エポキシ樹脂、不飽和環状炭化水素化合物変性エポキシ樹脂(例えば、(ジ)シクロペンタジエン型エポキシ樹脂など)、スチルベン型エポキシ樹脂など]、ポリフェニレンオキシド系樹脂[例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、スチレン系樹脂変性ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ−1,3−キシリレンオキシド、ポリ−1,4−キシリレンオキシドなど]、芳香族ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロンMXD6など)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びポリキシリレン系樹脂[例えば、ポリ(α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−キシリレン)、ポリ(α,α,α’,α’−テトラメチル−1,4−キシリレン)など]などが含まれる。芳香族樹脂及び特定芳香族化合物は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0129】
芳香族樹脂及び特定芳香族化合物の割合は、ベース樹脂100重量部に対して、0〜200重量部、好ましくは0.1〜100重量部、さらに好ましくは1〜50重量部程度である。
【0130】
[添加剤]
添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤(耐熱安定剤)、ドリッピング防止剤、離型剤、充填剤等が含まれる。添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0131】
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)等の分岐C3-6アルキルフェノール類など]、リン系酸化防止剤(又はリン系安定剤)[ホスファイト類(例えば、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のビス(C1-9アルキル−アリール)ペンタエリスリトールジホスファイトなど)、ホスフォナイト類(例えば、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイトなど)等]、イオウ系酸化防止剤(又はイオウ系安定剤)(ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなど)、アミン系酸化防止剤(ナフチルアミン、フェニルナフチルアミン、1,4−フェニレンジアミン等のヒンダードアミン類など)等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0132】
(耐熱安定剤)
耐熱安定剤には、有機カルボン酸金属塩[アルカリ金属塩(Li、Na、Kなど)、アルカリ土類金属塩(Mg、Ca、Sr、Baなど)など]、ハイドロタルサイト及びゼオライトなどが含まれる。前記ハイドロタルサイトとしては、特開昭60−1241号公報及び特開平9−59475号公報などに記載されているハイドロタルサイト類、例えば、下記式で表されるハイドロタルサイト化合物などが使用できる。
【0133】
[M2+ 1-xM3+ x(OH)2]x+[An- x/n・mH2O]x-
(式中、M2+はMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+などの二価金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+などの三価金属イオンを示す。An-はCO3 2-、OH-、HPO4 2-、SO4 2-などのn価(特に1価又は2価)のアニオンを示す。xは、0<x<0.5であり、mは、0≦m<1である。)
なお、ハイドロタルサイトは、「DHT−4A」、「DHT−4A−2」、「アルカマイザー」などとして協和化学工業(株)から入手可能である。
【0134】
前記ゼオライトとしては、特に制限されないが、例えば、特開平7−62142号公報に記載されているゼオライト[最小単位セルがアルカリ及び/又はアルカリ土類金属の結晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライト(A型、X型、Y型、L型及びZSM型ゼオライト、モルデン沸石型ゼオライト;チャバザイト、モルデン沸石、ホージャサイトなどの天然ゼオライトなど)など]などが使用できる。
【0135】
なお、A型ゼオライトは、「ゼオラムシリーズ(A−3、A−4、A−5)」、「ゼオスターシリーズ(KA−100P、NA−100P、CA−100P)」などとして、また、X型ゼオライトは、「ゼオラムシリーズ(F−9)」、「ゼオスターシリーズ(NX−100P)」Y型ゼオライトは、「HSZシリーズ(320NAA)」などとして東ソー(株)、日本化学工業(株)から入手可能である。これらの耐熱安定剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0136】
(ドリッピング防止剤)
ドリッピング防止剤としては、フッ素系樹脂及び層状ケイ酸塩などが挙げられる。前記フッ素系樹脂には、フッ素含有モノマーの単独又は共重合体や、フッ素含有モノマーと他の共重合性モノマーとの共重合体等が含まれる。このようなフッ素系樹脂としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体等が例示できる。これらのドリッピング防止剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0137】
(離型剤)
離型剤としては、ワックス類(例えば、ポリエチレンワックス、エチレン共重合体ワックス、ポリプロピレンワックス等のC1-4オレフィン系ワックスなど);長鎖脂肪族化合物、例えば、長鎖脂肪酸塩(例えば、C8-34脂肪酸アルカリ土類金属塩などの長鎖脂肪酸金属塩など)、長鎖脂肪酸エステル(例えば、C8-34脂肪酸アルキルエステルなどの長鎖脂肪酸アルキルエステルなど)、長鎖脂肪酸アミド(例えば、C8-34脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等)等が例示できる。これらの離型剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0138】
(充填剤)
充填剤には、繊維状充填剤、非繊維充填剤(板状充填剤、粉粒状充填剤など)が含まれる。
【0139】
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維、高融点有機質繊維(例えば、脂肪族又は芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂など)などが例示できる。
【0140】
非繊維状充填剤のうち、板状充填剤には、例えば、ガラスフレーク、マイカ、グラファイト、各種金属箔などが例示できる。
【0141】
粉粒状充填剤には、カーボンブラック、炭化ケイ素、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ミルドファイバー(例えば、ミルドガラスファイバーなど)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、ケイ藻土、ウォラストナイトなどのケイ酸塩;酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナなどの金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属の硫酸塩、金属粉末などが含まれる。
【0142】
好ましい繊維状充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維が挙げられ、好ましい非繊維状充填剤としては、粉粒状又は板状充填剤、特に、ガラスビーズ、ミルドファイバー、カオリン、タルク、マイカ、及びガラスフレークが挙げられる。
【0143】
また、特に好ましい充填剤には、高い強度・剛性を有するガラス繊維が含まれる。
【0144】
これらの充填剤は、収束剤又は表面処理剤と組み合わせて使用してもよい。このような収束剤又は表面処理剤としては、官能性化合物が含まれる。前記官能性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、好ましくはエポキシ系化合物、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0145】
各添加剤の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、0.01〜20重量部、好ましくは、0.1〜10重量部程度である。充填剤を用いる場合、難燃性樹脂組成物中の充填剤の割合は、例えば、5〜60重量%程度、好ましくは5〜50重量%程度、さらに好ましくは5〜45重量%程度である。
【0146】
また、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、他の添加剤、例えば、滑剤、可塑剤、難燃助剤、安定剤(紫外線吸収剤、耐候安定剤など)、着色剤(顔料、染料)、帯電防止剤、核剤、衝撃改良剤、摺動剤、分散剤、抗菌剤、発泡剤などを含有していてもよい。
【0147】
[難燃性樹脂組成物の製造方法]
本発明の難燃性樹脂組成物は、粉粒体混合物や溶融混合物であってもよく、樹脂と、前記グアナミン化合物と、必要により他の難燃剤及び/又は添加剤とを慣用の方法で混合することにより調製できる。
【0148】
本発明の樹脂組成物は、溶融混練し、押出成形、射出成形、圧縮成形などの慣用の方法で成形できる。形成された成形体は、難燃性および成形加工性に優れているため、種々の用途に使用できる。例えば、電気・電子部品、機械機構部品、自動車部品などに好適に用いることができる。
【0149】
【発明の効果】
本発明では、新規なグアナミン化合物を用いるので、樹脂と混合しても難燃剤のモールドデポジット及び染み出しを抑制できる。また、前記グアナミン化合物と樹脂とを組合せるので、得られる難燃性樹脂組成物は、成形加工性に優れるとともに、高度に難燃化され、成形品の外観特性を改善できる。さらに非ハロゲン系の難燃剤を用いるので、環境に対する負荷が小さく、経済性にも優れている。
【0150】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0151】
(本発明のグアナミシ化合物Bの調製例)
1.ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル(B−1)の調製例
30重量部の3,3′−オキシジプロピオニトリル、42.7重量部のジシアンジアミド、2.1重量部の水酸化カリウム、27重量部のブタノールを混合して5時間還流加熱した。室温まで冷却し、析出物を濾別して蒸留水で洗浄した後、乾燥してB−1を得た。
【0152】
2.エチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル(B−2)の調製例
50重量部のエチレングリコールビス[β−シアノエチル]エーテル、64.7重量部のジシアンジアミド、6.2重量部の水酸化カリウム、130重量部のエチレングリコールモノメチルエーテルを混合して5時間還流加熱した。室温まで冷却し、析出物を濾別して蒸留水で洗浄した後、乾燥してB−2を得た。
【0153】
3.グリセリントリス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル(B−3)の調製例
30重量部の1,2,3−グリセリントリス[β−シアノエチル]エーテル、31.6重量部のジシアンジアミド、1.9重量部の水酸化カリウム、20重量部のブタノールを混合して4時間還流加熱した。室温まで冷却し、析出物を濾別して蒸留水で洗浄した後、乾燥してB−3を得た。
【0154】
4.ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]チオエーテル(B−4)の調製例
30重量部のβ、β’−チオプロピオニトリル、37.8重量部のジシアンジアミド、1.9重量部の水酸化カリウム、25重量部のブタノールを混合して3時間還流加熱した。室温まで冷却し、析出物を濾別して蒸留水で洗浄した後、乾燥してB−4を得た。
【0155】
5.ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル・イソシアヌル酸塩(B−5)の調製例
30重量部のビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル、13.3重量部のイソシアヌル酸、400重量部の蒸留水を混合して3時間80℃で加熱した。室温まで冷却し、析出物を濾別して蒸留水で洗浄した後、乾燥してB−5を得た。
【0156】
尚、以下の試験により本発明のグアナミン化合物を配合した樹脂組成物の難燃性及びブルーミング性を評価した。
【0157】
(燃焼性試験)
UL94に準拠して、試験片の厚み1.6mmで燃焼性を評価した。
【0158】
実施例及び比較例では以下の成分を用いた。
【0159】
[ベース樹脂A]
A−1:ポリアセタールコポリマー[ジュラコンM90−44、ポリプラスチックス(株)製]
A−2:ポリブチレンテレフタレート[ジュラネックス、固有粘度=0.83、ポリプラスチックス(株)製]
A−3:ポリスチレン[トーヨースチロールG19、東洋スチレン(株)製]
A−4:アクリロニトリル−スチレン共重合体[セビアンJD、ダイセル化学工業(株)製]
A−5:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体[セビアンDP61、ダイセル化学工業(株)製]
A−6:ポリエチレンテレフタレート[ベルペットEFG10、鐘紡(株)製]
A−7:12.5mol%イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートコポリマー[固有粘度=1]
A−8:ポリカーボネート[パンライトL1225、帝人化成(株)製]
A−9:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド[PPEポリマーYPX−100F、三菱ガス化学(株)製]
A−10:ナイロン−6[UBEナイロン6、宇部興産(株)製]。
【0160】
[難燃剤B]
B−1:ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル
B−2:エチレングリコールビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル
B−3:グリセリントリス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテル
B−4:ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]チオエーテル
B−5:ビス[β−(2,4−ジアミノ−s−トリアジン−6−イル)エチル]エーテルのイソシアヌル酸塩
(比較例に用いた化合物)
B−6:イソシアヌル酸。
【0161】
[難燃剤C]
[リン含有難燃剤C1]
C1−1:赤燐[ノーバエクセル140、燐化学工業(株)製]
C1−2:赤燐[ノーバエクセルF5、燐化学工業(株)製]
Cl−3:次亜リン酸カルシウム
C1−4:ポリリン酸アンモニウム[テラージュC60、チッソ(株)製]
C1−5:エチルメチルホスフィン酸アルミニウム
C1−6:レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)[PX200、大八化学工業(株)製]
C1−7:フェノキシホスファゼン[環状3,4量体]
C1−8:1,4−ピペラジンジイルテトラキシリルホスフェート[N,N′−ビス(ジキシリルオキシホスフィニル)ピペラジン]
C1−9:ビスフェノール−Aビス(ジフェニルホスフェート)。
【0162】
[窒素含有難燃剤C2]
C2−1:メラミン
C2−2:ビウレア
C2−3:CTU−グアナミン
C2−4:ポリリン酸メラム[PMP200、日産化学工業(株)製]。
【0163】
[無機系難燃剤C3]
C3−1:水酸化マグネシウム[キスマ5E、協和化学工業(株)製]
C3−2:硼酸亜鉛[FireBrake ZB、ボラックス・ジャパン(株)製]
C3−3:無水リン酸−水素カルシウム:平均粒子径=約30μm[太平化学産業(株)製]
[ケイ素含有難燃剤C4]
C4−1:ゼオライト[ゼオラムA−3、東ソー(株)製]
[硫黄含有難燃剤C5]
C5−1:スルホン化ポリスチレンのナトリウム塩[ライオン(株)製]。
【0164】
[芳香族樹脂D]
D−1:ノボラック型フェノール樹脂[PR−53647、住友デュレズ(株)製]
D−2:ポリp−ビニルフェノール[マルカリンカーMS−1P、丸善石油化学(株)製]
D−3:フェノールアラルキル樹脂[ミレックスXL−225、三井化学(株)製]
D−4:ポリカーボネート[ユーピロンS3000、三菱ガス化学(株)製]
D−5:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド[PPEポリマーYPX−100F、三菱ガス化学(株)製]
D−6:ビスフェノールA型エポキシ樹脂[エピコート1004K、油化シェルエポキシ(株)製]
D−7:ナイロンMXD6[レニー6002、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製]。
【0165】
[酸化防止剤E]
E−1:トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート[イルガノックス245、チバガイギー(株)製]
E−2:ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート][イルガノックス1010、チバガイギー(株)製]。
【0166】
[安定剤F]
F−1:12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム
F−2:ハイドロタルサイト[DHT−4A、協和化学工業(株)製]
F−3:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト[アデカスタブPEP36、アデカアーガス(株)製]
F−4:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト[サンドスタブP−EPQ、サンド(株)製]。
【0167】
[ドリッピング防止剤G]
G−1:ポリテトラフルオロエチレン
[充填剤H]
H−1:直径10μm、長さ3mmのガラスチョップドストランド
H−2:タルク[タルク3A、日本タルク(株)製]。
【0168】
実施例1〜30及び比較例1〜15
前記成分を表1〜表4に示す割合(重量部)で混合し、小型混練機[東洋精機(株)製]により混練して樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物からプレス成形により試験用成形品を作製し、燃焼性を評価した。
【0169】
結果を表1〜表4に示す。
【0170】
【表1】
【0171】
【表2】
【0172】
【表3】
【0173】
【表4】
Claims (12)
- R1〜R3が水素原子又はメチル基であり、Xが脂肪族ポリヒドロキシ化合物の残基、芳香族ポリヒドロキシ化合物の残基、脂肪族ポリチオール残基、酸素原子又はイオウ原子であり、nが2〜4である請求項1記載のグアナミン化合物又はその塩。
- グアナミン化合物とヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物との塩である請求項1記載のグアナミン化合物又はその塩。
- ヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物がイソシアヌール酸である請求項3記載のグアナミン化合物又はその塩。
- 請求項1記載のグアナミン化合物とヒドロキシル基を有する窒素含有環状化合物とを反応させ、前記グアナミン化合物と前記窒素含有環状化合物との塩を製造する方法。
- 樹脂と請求項1記載のグアナミン化合物又はその塩とで構成されている難燃性樹脂組成物。
- グアナミン化合物又はその塩の割合が、樹脂100重量部に対して、0.5〜100重量部である請求項7記載の難燃性樹脂組成物。
- さらに、リン含有難燃剤、イオウ含有難燃剤、ケイ素含有難燃剤、アルコール系難燃剤、無機系難燃剤、及び窒素含有難燃剤から選択された少なくとも一種の難燃剤を含有する請求項7記載の難燃性樹脂組成物。
- さらに、芳香族樹脂を含有する請求項7記載の難燃性樹脂組成物。
- さらに、酸化防止剤、耐熱安定剤、ドリッピング防止剤、離型剤、及び充填剤から選択された少なくとも一種の添加剤を含有する請求項7記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項7記載の難燃性樹脂組成物で形成された成形体。
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