JP2007270011A - 層状ケイ酸塩化合物および該層状ケイ酸塩化合物を含有する樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】配合量が少なくても高い難燃性を発現できる層状ケイ酸塩化合物およびその層状ケイ酸塩化合物を含有する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】難燃剤骨格を有する有機化剤で層状ケイ酸塩を有機化した層状ケイ酸塩化合物を、樹脂中に分散させる。こうすることで、樹脂中に、層状ケイ酸塩化合物を層剥離状態で分散させることができる。有機化剤としては、第4級アンモニウム化合物または第4級フォスフォニウム化合物が好適である。樹脂が分子内にフラン環を有する場合、特にポリアルキレンフランジカルボキシレートである場合に大きい効果が得られる。層状ケイ酸塩化合物の含有量は1質量%以上50質量%以下が好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】難燃剤骨格を有する有機化剤で層状ケイ酸塩を有機化した層状ケイ酸塩化合物を、樹脂中に分散させる。こうすることで、樹脂中に、層状ケイ酸塩化合物を層剥離状態で分散させることができる。有機化剤としては、第4級アンモニウム化合物または第4級フォスフォニウム化合物が好適である。樹脂が分子内にフラン環を有する場合、特にポリアルキレンフランジカルボキシレートである場合に大きい効果が得られる。層状ケイ酸塩化合物の含有量は1質量%以上50質量%以下が好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、配合量が少なくても高い難燃性を発現できる層状ケイ酸塩化合物およびその層状ケイ酸塩化合物を含有する樹脂組成物に関する。
特定の電気機器に使用されるプラスチックには難燃性が要求される。一方殆どの有機高分子化合物は難燃性を満たしていないため、上記要求を満たすために難燃剤を添加して使用されている。特に、高度な難燃性を達成するためには樹脂組成物中に高い混合比で難燃剤を配合する必要があるが、難燃剤を多く配合すると本来の樹脂物性を犠牲にせざるを得ない。また、中には難燃剤によっては環境負荷の懸念があるものも存在する。そこで、できるだけ少ない配合量で高い難燃性を有する樹脂組成物が待望されている。
難燃剤を高い混合比で配合しなければならない理由の一つとして、樹脂中での難燃剤の分散状態にある。巨視的には均一に配合されているかに見える難燃性樹脂化合物でも、微視的にみれば樹脂中で難燃剤が凝集し、偏在している。このため、樹脂の燃焼を抑制するためには必要以上に多くの難燃剤を樹脂に配合する必要が生じ、結果的に樹脂特性を低下させることとなっている。この偏在現象は、難燃剤を配合する再の混練のプロセスをいかに工夫しても抑制することはできなかった。
層状ケイ酸塩を樹脂中にナノオーダーで分散させた所謂ナノコンポジット材料が難燃性の向上をもたらすことが開示されている(特許文献1)。
特開2004−292689公報
しかしながら、特許文献1に記載されているナノコンポジット材料を成形部品として使用するためには、更に高度の難燃化が必要であった。
本発明は、配合量が少なくても高い難燃性を発現できる層状ケイ酸塩化合物およびその層状ケイ酸塩化合物を含有する樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、難燃剤骨格を有する有機化剤で層状ケイ酸塩を有機化した層状ケイ酸塩化合物である。
また本発明は、樹脂と、前記の層状ケイ酸塩化合物とを含有することを特徴とする樹脂組成物である。
また本発明は、分子内にフラン環を有する樹脂と、難燃剤骨格を有する有機化剤で有機化された層状ケイ酸塩化合物とを混練して、該樹脂中に該層状ケイ酸塩化合物を分散させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法である。
また本発明は、前記の樹脂組成物を成形した成形物である。
本発明によれば、配合量が少なくても高い難燃性を発現できる層状ケイ酸塩化合物およびその層状ケイ酸塩化合物を含有する樹脂組成物を提供できる。本発明の樹脂組成物は、機械的強度、耐熱性など良好な物性を有し、かつリサイクルにも有効である。
本発明では、層状ケイ酸塩化合物のナノ分散性を利用している。すなわち、有機処理を施された層状ケイ酸塩化合物が樹脂との混練中にせん断応力で剥離しながら非常に微視的に分散していく現象を利用している。
層状ケイ酸塩を樹脂中に微視的に分散させた樹脂組成物は、いわゆるポリマーナノコンポジットとして知られている。例えば、有機化層状ケイ酸塩化合物を樹脂に少量添加し、高せん断応力下で混錬することによって得られる。有機化層状ケイ酸塩化合物としては、層状ケイ酸塩の一種であるモンモリロナイトの層間物質であるナトリウムイオンを長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム化合物で置換したものが挙げられる。この方法では、積層構造を有する有機化層状ケイ酸塩化合物が各層間で剥離し、単一または数枚の層構造を有する層状ケイ酸塩をナノオーダーで樹脂中に分散することができる。また、この様にして得られるポリマーナノコンポジットでは、混合前の樹脂に対して、剛性、耐熱性が大きく向上することが知られている。
そこで、難燃剤骨格を結合させた有機化剤を用いれば、この様なナノ分散の特使を生かして難燃剤骨格を結合させた有機化剤をナノオーダーで樹脂中に分散することが可能であると考えた。すなわち、本発明の層状ケイ酸塩化合物は、難燃剤骨格を有する有機化剤で層状ケイ酸塩を有機化して得られるものである。このように、層状ケイ酸塩に難燃剤骨格を有する有機化剤を担持させ、層状ケイ酸塩のナノオーダーでの分散性を利用して難燃剤骨格を有する有機化剤を樹脂中にナノオーダーで分散することが可能となった。この結果、樹脂中への難燃剤の添加量を著しく低減でき、樹脂の環境対応性が向上しまた、同時に難燃剤の多量添加に伴う物性低下も抑制でき、樹脂のリサイクル性も向上する。
層状ケイ酸塩とは、層間にナトリウムイオンなどの交換性金属カチオンを有する層状のケイ酸塩鉱物を意味する。ケイ酸塩鉱物は天然物であってもよく、合成物であってもよい。層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト、膨潤性の合成マイカ、イモゴライト、バーミキュライト、ハロイサイトなど一般的なナノコンポジット材料を使用することができる。中でも、モンモリロナイト、合成マイカは好適である。これらの層状ケイ酸塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
層状ケイ酸塩としては、イオン交換容量が60〜150meq/100g程度のものを好適に使用できる。
層状ケイ酸塩を有機化するための有機化剤としては、難燃剤骨格を有する第4級アンモニウム化合物または難燃剤骨格を有する第4級フォスフォニウム化合物が好ましく用いられる。難燃剤骨格としては、反応性を有する難燃剤由来の骨格であることが好ましい。反応性を有する難燃剤であれば、アミン化合物やフォスフィン化合物等と反応させることで、容易に難燃剤骨格を有する有機化剤を得ることができる。反応性を有する難燃剤としては、例えば、式(1)で示される9,10−Dihydro−9−Oxa−10−Phosphaphenantrene−10−Oxide等のリン酸エステル系難燃剤が好適である。式(1)で示されるリン酸エステル系難燃剤と、式(6)で示されるトリメチルアミンと反応では、式(7)で示される難燃剤骨格を有する第4級アンモニウム化合物が得られる。
難燃剤としては、例えば、以下に示す構造を有する三光株式会社製の難燃剤(名称は商品名)が挙げられる。これらの難燃剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン等が挙げられる。中でも、トリメチルアミンが好ましい。これらのアミン化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
フォスフィン化合物としては、例えば、トリメチルフォスフィン、ジブチルドデシルフォスフィン、ジブチルヘキサデシルフォスフィン等が挙げられる。中でも、トリメチルフォスフィン、ジブチルドデシルフォスフィンが好ましい。これらのフォスフィン化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
反応性を有する難燃剤と、アミン化合物やフォスフィン化合物等との反応は、他の化合物を介して行うこともできる。例えば、デシル(メタ)アクリル酸クロライド等の酸クロライド化合物を使用することで、より容易に難燃剤骨格を有する有機化剤を得ることができる。
ここで、層状ケイ酸塩の有機化反応の一例について説明する。まず、層状ケイ酸塩を温水(例えば30〜90℃)中に膨潤させつつ分散させる。これに難燃剤骨格を有する有機化剤を徐々に加え、20時間から30時間ほど放置する。この懸濁液をろ過し、得られた固体を温水等で繰返し洗浄し、残存するナトリウムイオン等の交換性金属カチオンと有機化剤を除去する。最後にオーブン中で乾燥させ、粉末状の層状ケイ酸塩化合物を得ることができる。
有機化反応で使用する有機化剤の量は、層状ケイ酸塩の層間に存在するナトリウムイオンなどの交換性金属カチオンを置換可能な量とすることが好ましい。通常は、層状ケイ酸塩100質量部に対して、有機化剤を5〜200ミリ質量部程度使用する。
このような層状ケイ酸塩化合物は、樹脂中に添加して樹脂組成物とすることができる。こうすることで、樹脂組成物に層状ケイ酸塩化合物をナノスケールで分散させることができ、高い難燃性を付与することができる。この方法によれば、本来は樹脂との相溶性が好ましくなかった難燃剤であっても、その骨格を有する有機化剤により有機化された層状ケイ酸塩化合物により均一に分散させることが可能となる。
使用する樹脂には特に制限がなく、一般的な樹脂を使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンフランジカルボキシレート、ポリ乳酸、ポリカプロン酸などのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート;ポリアミド6、ポリアミド66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシプロピルセルロース、ポリヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリネオプレン等のエラストマー;更にABS樹脂等とこれらの樹脂のポリマーアロイ;などを使用することができる。中でも、層状ケイ酸塩化合物を分散させることで大きい効果が得られることから、分子内にフラン環を有する樹脂が好ましく、ポリブチレンフランジカルボキシレート等のポリアルキレンフランジカルボキシレートがより好ましい。ポリアルキレンフランジカルボキシレートにおけるアルキレン部分の炭素数は2〜4が好ましい。これらの樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
樹脂組成物に含まれる層状ケイ酸塩化合物は、1〜50質量%であることが好ましい。1質量%以上とすることで、より高い難燃性を付与できる。50質量%以下とすることで、樹脂の機械的強度や耐熱性等の物性低下の抑制効果が大きい。2〜10質量%であることがより好ましく、2〜5質量%がさらに好ましい。
ここで、2軸混錬機で層状ケイ酸塩化合物を樹脂中に分散する樹脂組成物の調製方法の一例について説明する。まず、樹脂をその樹脂の融点以上で温調された2軸混錬機に投入し、その後定量フィーダーを用いて、層状ケイ酸塩化合物を添加しつつ混練する。混錬機中のスクリューによって生じるせん断応力で、層状ケイ酸塩化合物は徐々に剥離し樹脂中に分散する。この時、層状ケイ酸塩化合物に結合した難燃剤骨格を有する有機化剤も層状ケイ酸塩化合物と共に分散していくため、結果的に樹脂中に難燃剤骨格を有する有機化剤がナノオーダーで分散する。混練された樹脂組成物はその後ペレタイザーでペレット化することもできる。
ペレットをミクロトームを用いて薄片状にスライスし、透過型電子顕微鏡で層状ケイ酸塩化合物の分散状態を確認することができる。図1にその模式図を示すように、層状ケイ酸塩化合物が層剥離した層状の薄片1が樹脂相2中にナノオーダーで分散していることが確認できる。
この様にして得られたペレットを射出成形機を用いて成形し、UL94規格に基づき、難燃性試験を行うことで、難燃性を確認することができる。本発明の樹脂組成物は、V0または5Vの難燃性を発現することができる。また、難燃性をさらに向上させる必要がある場合は、ポリテトラフルオロエチレン等のドリップ防止剤等を、本発明の樹脂組成物にさらに添加しても構わない。
〔合成例1〕
式(1)で示されるリン酸エステル系難燃剤(9,10−Dihydro−9−Oxa−10−Phosphaphenantrene−10−Oxide)と式(2)で示されるデシルアクリル酸クロライドとを縮合反応させ、式(3)で示される化合物を得た。なお、式(1)で示されるリン酸エステル系難燃剤としては、三光(株)製のHCA(商品名)を用いた。次いで、式(3)で示される化合物にトリメチルアミンを反応させ、式(4)で示される難燃剤骨格を有する第4級アンモニウム化合物を得た。
式(1)で示されるリン酸エステル系難燃剤(9,10−Dihydro−9−Oxa−10−Phosphaphenantrene−10−Oxide)と式(2)で示されるデシルアクリル酸クロライドとを縮合反応させ、式(3)で示される化合物を得た。なお、式(1)で示されるリン酸エステル系難燃剤としては、三光(株)製のHCA(商品名)を用いた。次いで、式(3)で示される化合物にトリメチルアミンを反応させ、式(4)で示される難燃剤骨格を有する第4級アンモニウム化合物を得た。
〔合成例2〕
トリメチルアミンの代わりにトリメチルフォスフィンを用いたこと以外は、合成例1と同様の方法で式(5)で示される難燃剤骨格を有する第4級フォスフォニウム化合物を得た。
トリメチルアミンの代わりにトリメチルフォスフィンを用いたこと以外は、合成例1と同様の方法で式(5)で示される難燃剤骨格を有する第4級フォスフォニウム化合物を得た。
〔実施例1〕
60℃の温水100質量部に、層状ケイ酸塩粘土鉱物であるモンモリロナイト(クニミネ工業社製、商品名:クニピアF、イオン交換容量:109meq/100g)1質量部を攪拌しながら膨潤させつつ分散させた。その後、合成例1で得られた式(4)で示される第4級アンモニウム化合物47ミリ質量部を徐々に添加し、24時間放置することでモンモリロナイト中のナトリウムイオンを第4級アンモニウム化合物の第4級アンモニウムイオンで置換した。沈殿物をろ別し、超純水で洗浄を繰返してナトリウムイオンを除去したのち乾燥することで、有機化モンモリロナイトの粉末を得た。
60℃の温水100質量部に、層状ケイ酸塩粘土鉱物であるモンモリロナイト(クニミネ工業社製、商品名:クニピアF、イオン交換容量:109meq/100g)1質量部を攪拌しながら膨潤させつつ分散させた。その後、合成例1で得られた式(4)で示される第4級アンモニウム化合物47ミリ質量部を徐々に添加し、24時間放置することでモンモリロナイト中のナトリウムイオンを第4級アンモニウム化合物の第4級アンモニウムイオンで置換した。沈殿物をろ別し、超純水で洗浄を繰返してナトリウムイオンを除去したのち乾燥することで、有機化モンモリロナイトの粉末を得た。
〔実施例2〕
合成例1で得られた式(4)で示される第4級アンモニウム化合物の代わりに、合成例2で得られた式(5)で示される第4級フォスフォニウム化合物を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で有機化モンモリロナイトの粉末を得た。
合成例1で得られた式(4)で示される第4級アンモニウム化合物の代わりに、合成例2で得られた式(5)で示される第4級フォスフォニウム化合物を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で有機化モンモリロナイトの粉末を得た。
〔実施例3〕
2軸混練機を用いて、ポリブチレンフランジカルボキシレートに実施例1で得られた有機化モンモリロナイト粉末を3質量%の濃度になるように添加して混練し、ペレット化した樹脂組成物を得た。なお、2軸混練機は、パーカーコーポレーション社製のHK−25D(41D)(商品名)を用い、混練条件としては、温度190℃、2軸同方向回転、回転数500rpm、混練時間1分とした。
2軸混練機を用いて、ポリブチレンフランジカルボキシレートに実施例1で得られた有機化モンモリロナイト粉末を3質量%の濃度になるように添加して混練し、ペレット化した樹脂組成物を得た。なお、2軸混練機は、パーカーコーポレーション社製のHK−25D(41D)(商品名)を用い、混練条件としては、温度190℃、2軸同方向回転、回転数500rpm、混練時間1分とした。
得られた樹脂組成物について、X線回折計測により、有機化モンモリロナイトのモンモリロナイト積層構造由来の回折ピークが消失していることを確認した。また、透過型電子顕微鏡により、樹脂中に有機化モンモリロナイトが層剥離状態で分散していることを確認した。
〔実施例4〕
実施例1で得られた有機化モンモリロナイト粉末の代わりに、実施例2で得られた有機化モンモリロナイト粉末を用いたこと以外は、実施例3と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。
実施例1で得られた有機化モンモリロナイト粉末の代わりに、実施例2で得られた有機化モンモリロナイト粉末を用いたこと以外は、実施例3と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、X線回折計測により、有機化モンモリロナイトのモンモリロナイト積層構造由来の回折ピークが消失していることを確認した。また、透過型電子顕微鏡により、樹脂中に有機化モンモリロナイトが層剥離状態で分散していることを確認した。
〔実施例5〕
温度条件250℃で混練したこと以外は、実施例3と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。
温度条件250℃で混練したこと以外は、実施例3と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、X線回折計測により、有機化モンモリロナイトのモンモリロナイト積層構造由来の回折ピークが消失していることを確認した。また、透過型電子顕微鏡により、樹脂中に有機化モンモリロナイトが層剥離状態で分散していることを確認した。
〔実施例6〕
温度条件250℃で混練したこと以外は、実施例4と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。
温度条件250℃で混練したこと以外は、実施例4と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、X線回折計測により、有機化モンモリロナイトのモンモリロナイト積層構造由来の回折ピークが消失していることを確認した。また、透過型電子顕微鏡により、樹脂中に有機化モンモリロナイトが層剥離状態で分散していることを確認した。
〔比較例1〕
実施例1で得られた有機化モンモリロナイト粉末の代わりに、市販の有機化モンモリロナイト粉末及び式(1)で示されるリン酸エステル系難燃剤をそれぞれ3質量%の濃度で用いたこと以外は、実施例3と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。なお、市販の有機化モンモリロナイト粉末としては、有機化剤としてトリメチルステアリルアンモニウムを用いた有機化モンモリロナイト粉末であるクニミネ工業社製の親有機化クニピア_T(商品名)を用いた。
実施例1で得られた有機化モンモリロナイト粉末の代わりに、市販の有機化モンモリロナイト粉末及び式(1)で示されるリン酸エステル系難燃剤をそれぞれ3質量%の濃度で用いたこと以外は、実施例3と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。なお、市販の有機化モンモリロナイト粉末としては、有機化剤としてトリメチルステアリルアンモニウムを用いた有機化モンモリロナイト粉末であるクニミネ工業社製の親有機化クニピア_T(商品名)を用いた。
得られた樹脂組成物について、X線回折計測により、有機化モンモリロナイトのモンモリロナイト積層構造由来の回折ピークが消失していることを確認した。また、透過型電子顕微鏡により、樹脂中に有機化モンモリロナイトが層剥離状態で分散していることを確認した。
〔比較例2〕
温度条件250℃で混練したこと以外は、比較例1と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。
温度条件250℃で混練したこと以外は、比較例1と同様の方法でペレット化した樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、X線回折計測により、有機化モンモリロナイトのモンモリロナイト積層構造由来の回折ピークが消失していることを確認した。また、透過型電子顕微鏡により、樹脂中に有機化モンモリロナイトが層剥離状態で分散していることを確認した。
〔難燃性試験〕
実施例3〜6、比較例1及び2で得られた樹脂組成物を、物性評価用金型を用いて各樹脂組成物に適正な温度条件で射出成形して、難燃性試験用試験片を作製した。得られた試験片についてUL94法で難燃性を評価し、表1の結果を得た。
実施例3〜6、比較例1及び2で得られた樹脂組成物を、物性評価用金型を用いて各樹脂組成物に適正な温度条件で射出成形して、難燃性試験用試験片を作製した。得られた試験片についてUL94法で難燃性を評価し、表1の結果を得た。
以上のように、本発明の樹脂組成物を成形した成型品は、難燃性がV0または5Vであることが確認できた。
また、本発明の樹脂組成物を用いて、射出成形機でプリンターや複写機の筐体を実際に成形し、製品として使用可能であることを確認した。さらに、この筐体部品のリサイクルを想定して、破砕し、再成形したところ、難燃性など問題なく同じ成形品として使用可能であることを確認した。
本発明は、プラスチック等の樹脂を用いた成形部品や、シート状材料など樹脂組成物を使用する広い産業分野、特に難燃性を要求される用途において大変有用である。
1 層状ケイ酸塩化合物
2 樹脂相
2 樹脂相
Claims (10)
- 難燃剤骨格を有する有機化剤で層状ケイ酸塩を有機化した層状ケイ酸塩化合物。
- 前記有機化剤が、第4級アンモニウム化合物であることを特徴とする請求項1記載の層状ケイ酸塩化合物。
- 前記有機化剤が、第4級フォスフォニウム化合物であることを特徴とする請求項1記載の層状ケイ酸塩化合物。
- 樹脂と、請求項1乃至3のいずれかに記載の層状ケイ酸塩化合物とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
- 前記樹脂が分子内にフラン環を有することを特徴とする請求項4記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂がポリアルキレンフランジカルボキシレートであることを特徴とする請求項5記載の樹脂組成物。
- 前記層状ケイ酸塩化合物を1質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂中に、前記層状ケイ酸塩化合物が層剥離状態で分散していることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 分子内にフラン環を有する樹脂と、難燃剤骨格を有する有機化剤で有機化された層状ケイ酸塩化合物とを混練して、該樹脂中に該層状ケイ酸塩化合物を分散させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
- 請求項4乃至8のいずれかに記載の樹脂組成物を成形した成形物。
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