JP5083767B2 - 有機無機複合体の製造方法及び有機無機複合体並びに高分子複合材料 - Google Patents

有機無機複合体の製造方法及び有機無機複合体並びに高分子複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、層状珪酸塩の層間に正電荷有機化合物をインターカレートした有機無機複合体の製造方法及び有機無機複合体並びに該有機無機複合体含有の高分子複合材料に関する。
粘土鉱物や雲母鉱物に代表される層状珪酸塩は、その構成元素や層電荷によって細かく分類されている。層状珪酸塩の層の基本構造は、主に珪素やアルミニウムの金属に4つのO2−が配位した四面体が六角網状につながってシートを作る四面体シートとアルミニウム、マグネシウム、リチウムなどの3価、2価、1価の金属に6つのOH又はO2−が配位した八面体が稜を共有してつながった八面体シートからなる。この四面体シートと八面体シートが頂点酸素を共有してつながり、四面体シート1枚に八面体シート一枚が結合したものを1:1層といい、八面体シート一枚の両側に四面体シートが結合したものを2:1層と呼んでいる。
2:1層を有する層状珪酸塩は、層電荷の大きさによって分類され、さらに八面体シートにMg2+などの2価の陽イオンが全て入るものを3−八面体型、Al3+のように3価の陽イオンが2箇所入り、1箇所が空所となるものを2−八面体型として分けることができる。それぞれ、八面体シート又は四面体シートで価数の異なる金属との置換によって正電荷が不足すると層全体の電荷は負となる。理想化学組成を基準にしたときの層の電荷(負)の絶対値を層電荷という。そのため層電荷が発生すると電荷バランスをとるために層間に陽イオンが必要になる。
層電荷が0.2〜0.6の範囲の2:1層を有する層状珪酸塩はスメクタイトと呼ばれ、2−八面体型スメクタイトと3−八面体型スメクタイトが存在する。2−八面体型スメクタイトには、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイトなどが知られており、3−八面体型スメクタイトとしてはサポナイト、ヘクトライト、スチブンサイトなどが知られている。スメクタイトは微粒の粘土鉱物であり電荷より発現するイオン交換能、膨潤性、分散性、インターカレーション機能など特異な性質を有している。
層電荷が0.6〜1.0の範囲の2:1層を有する層状珪酸塩は、バーミキュライト類、イライト、セリサイト、海緑石、セラドナイトなどに代表される雲母粘土鉱物類、フロゴパイト、バイオタイト、マスコバイト、パラゴナイトなどに代表される雲母鉱物類などがあり、スメクタイト結晶に比べて、a、b軸方向の結晶性が高く、一枚のシート面積も大きいが、層間には非交換性のカリウムイオンを持つものが多く、スメクタイトの様に水などに対して膨潤性を示すことがない。
また、雲母粘土鉱物や雲母鉱物には珪酸塩層が積層するときに、四面体シートと八面体シートの間の水素結合の方位や八面体シートを挟んだ四面体シートのずれの方位にエネルギー的に等しいが結晶構造の幾何学的に異なるいくつかの方位が存在するので、可能な方位の中のどの方位をとって積層するかによって三次元的に異なる結晶構造が生じることがある。層の積み重なり方の違いによって規則的積層の様式に異なるタイプが生まれてくる。これをポリタイプと呼ぶ(例えば、非特許文献1)。
一方、構造的に層電荷を発現しない2:1層を有する層状珪酸塩としては、三八面体型のタルクと二八面体型のパイロフィライトがある。これらは陽イオン交換能が認められず、スメクタイトのように水中で膨潤、分散することはない。タルクは板状結晶であり、工業的には高分子材料のフィラーなどに用いられている。
1:1層を有する層状珪酸塩は、2−八面体型にカオリナイト、ディッカイト、ナクトライト、ハロイサイトのカオリン鉱物が挙げられ、3−八面体型にクリソタイル、リザルダイトなどの蛇紋石鉱物を挙げることができる。これらは層電荷を持たないが、カオリナイト、ディッカイトでは1:1層が結晶のa軸方向において−a/3ずつずれながら積層している。このとき積層にともなう八面体中の陽イオンの空席の位置の分布によってポリタイプが生じる。ナクトライト、クリソタイル、リザルダイトにも多くのポリタイプが生じる。
これらの層状珪酸塩は、古くから陶磁器、耐火物、鋳物、土木建築用、石油精製(触媒)、紙、医薬品、化粧品、プラスチックへの充填剤など幅広い分野で利用されている。最近ではナノメートルレベルで構造を制御して機能性材料に応用しようとする試みが盛んである。特にスメクタイトなどの膨潤性層状珪酸塩ではその二次元性、層電荷、イオン交換性、そして有機分子との相互作用による自己集積能が巧みに用いられて、層間化合物や高分子−粘土ナノコンポジットなど特殊な工業用途に用いられている。
例えば、スメクタイトに様々なカチオン系色素をインターカレートして有機無機複合体は、その発色作用を利用して熱転写型カラープリンターの発色剤として利用することができる(特許文献1)。また、スメクタイトや膨潤性フッ素雲母に有機カチオンをインターカレートした有機無機複合体を高分子と複合化することでナノメートルレベルの無機ナノシート分散複合系が得られ、材料の耐熱性、剛性、ガスバリヤ性を飛躍的に向上させた層状珪酸塩−高分子ナノコンポジットを得ることができる(非特許文献3)。ナノコンポジットは様々な用途で応用開発が進められている。
一般に前記層状珪酸塩のなかでその層間に有機分子を挿入し、有機無機複合体を形成するのが容易なものとして、粘土鉱物のひとつであるスメクタイトがある。スメクタイトは膨潤性を有し、層間に交換性の陽イオンをもつために様々な有機分子や高分子物質と複合化できるが、土壌における最も小さい無機質微粒子の多結晶体で一次粒子径が2.0μm以下と規定されており(参照:「粘土ハンドブック」第二版日本粘土学会編第1項〜第6項 技報堂出版)、その積層は不整が著しい。
X線回折では底面反射以外はブロードな二次元反射(hkバンド)が見られるだけで規則的な積層による三次元的構造をもたない二次元結晶と考えられている。また、スメクタイトと同様に水などに対して膨潤性を示す合成フッ素雲母はスメクタイトよりはa、b軸方向の層面の結晶度が高く、一枚のシート面積も大きいものの、雲母鉱物、雲母粘土鉱物、バーミキュライト、タルク、パイロフィライト、カオリン鉱物などに比べると微粒子結晶である。
スメクタイトや膨潤性フッ素雲母のような膨潤性層状珪酸塩はイオン交換反応により容易に有機無機複合体を形成するが、前述の非膨潤性層状珪酸塩の内、例えば、雲母粘土鉱物や雲母鉱物では上下2枚の珪酸塩シート表面において酸素六員環にカリウムイオンがはまり込み、その静電的架橋効果で非膨潤性が誘発されている(非特許文献2)。
Crystal structures of clay minerals and their X-ray identification,Edited by G.W. Brindleyand G. Brown, Mineralogical Society, London, 1980. H. van Olphen, Chap. 5 Clay Mineralogy,III.ILLITE (NONEXPANDIND 2:1LAYER CLAYS),In "An Introduction to Clay ColloidChemistry: for clay technologists,geologists, andsoil scientists" 2nd ed, New York: Wiley, (1977) 68-69. Polymer-Clay Nanocomposites, 1st ed, Editedby Pinnavaia, T.J.;Beall,G.W..; Wiley Series in Polymer Science; Wiley: New York, 2000. 特許2770409号公報
層電荷がない2:1層の層状珪酸塩(タルク、パイロフィライト)と1:1層の層状珪酸塩(カオリナイト鉱物、蛇紋石鉱物)では層間に交換すべき陽イオンもなく、珪酸塩シート間が水素結合によってつながっているために、前述の層間にカリウムをもつ層状珪酸塩と同様に、長鎖有機物を層間に挿入させることが困難である。特にタルク、パイロフィライトに有機分子をインターカレートさせた報告は殆どない。
有機無機複合体の高分子複合材料への応用では、優れた機械的性質やガスバリヤ性を求められる分野がある。この場合、分散層のアスペクト比(縦横比)が大きいほど剛性やバリヤ性などの改善効果が大きくなると考えられているため、スメクタイトや膨潤性フッ素雲母よりも大きなアスペクト比の層状化合物を使ったナノコンポジットが求められている。
我々は、これまで試みられていなかった系として結晶粒子の大きな非膨潤性マイカを剥離させてこれまでに報告のない高いアスペクト比のナノコンポジットに関する発明を特許出願した(特願2004−248134)。市場・社会からの多様な要求に応えていくためには、スメクタイト等の膨潤性層状珪酸塩だけでなく、様々なホスト層状物質を利用した技術開発が必要不可欠である。
本発明は、容易な条件では困難とされていた方法であるところの、非膨潤性層状珪酸塩の層間に正電荷有機化合物をインターカレートして有機無機複合体を製造する方法及びその有機無機複合体、並びに該有機無機複合体を利用した層状珪酸塩/高分子ナノコンポジットを提供することである。
本発明者は、かかる課題について鋭意研究を重ねた結果、非膨潤性層状珪酸塩を加熱処理して脱水化することによって正電荷有機化合物を容易に層間にインターカレートして有機無機複合体を形成できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、1200℃以下の脱水温度での加熱処理で脱水化した非膨潤性層状珪酸塩を正電荷有機化合物と接触させて有機無機複合体を製造する方法とその方法で製造された有機無機複合体、並びに該有機無機複合体を含有する高分子複合材料に関する。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[12]に示される構成からなる。
[1]結晶構造中に水酸基を有する含水層状珪酸塩を1200℃以下、かつ該珪酸塩の相転移温度未満で加熱処理して脱水させる工程(I)、この脱水化層状珪酸塩と正電荷有機化合物含有水溶液とを接触させる工程(II)からなることを特徴とする層状珪酸塩の層間に正電荷有機化合物をインターカレートした有機無機複合体を製造する方法。
[2]前記結晶構造中に水酸基を有する含水層状珪酸塩が下記一般式(1):
[(K0.1−b)(M )(Si4-eAl)O10(OH2-f)] (1)
(但し、0.2≦a≦1.0、0≦b≦0.1、0≦c≦3、0≦d≦2、2≦c+d≦3、0≦e<4、0.6≦f≦2であり、
Mは、層間にあるK以外のカチオンであって、Li、Na、Rb、Cs、NH、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Alのうちの少なくとも1つ、
とMは、含水層状珪酸塩の結晶構造を形成しているO2−とOHを配位した八面体内に入る金属であって、Mは、Mg、Fe、Mn、Cu、Ni、Zn、Liのうちの少なくとも1つ、Mは、Al、Fe、Mn、Crのうちの少なくとも1つ)
で表されることを特徴とする[1]の有機無機複合体の製造方法。
[3]結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩がバーミキュライト、雲母、雲母粘土鉱物、脆雲母、緑泥石のいずれかの群に属する層状珪酸塩であることを特徴とする[2]の有機無機複合体の製造方法。
[4]前記結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩が下記一般式(2)又は一般式(3)で表される特徴とする[1]の有機無機複合体の製造方法。
(Mg3−e )(Si4-fAl)O10(OH) (2)
(Al2−g )(Si4-hAl)O10(OH) (3)
(式中のMは、鉄、アルミニウム、マンガン、クロム、ニッケル、亜鉛、コバルト、チタン、カルシウム、ナトリウム、カリウムの金属元素の中から選ばれる一種、
は、Fe2+、Fe3+、Mg、Tiの金属元素の中から選ばれる一種、
e、f、g、hは、0≦e≦2、0≦f≦1、0≦g≦1、0≦h≦1の関係を満たす数である)。
[5]前記結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩がタルク、パイロフィライトのいずれかの群に属する層状珪酸塩であることを特徴とする[4]の有機無機複合体の製造方法。
[6]前記結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩が下記一般式(4)又は一般式(5)で表されることを特徴とする[1]の有機無機複合体の製造方法。
AlSi(OH) (4)
MgSi(OH) (5)
[7]結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩がカオリン鉱物、蛇紋石鉱物に代表される1:1型層状珪酸塩であることを特徴とする[6]の有機無機複合体の製造方法。
[8]前記正電荷有機化合物が、炭素数が8〜150の第一アミン、第二アミン、第三アミン及びそれらの塩、第四級アンモニウム塩、アミン化合物、アミノ酸誘導体、窒素含有複素環化合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]の有機無機複合体の製造方法。
[9]上記[1]の方法で製造された有機無機複合体。
[10]前記有機無機複合体が正電荷有機化合物をインターカレートした層(A)と正電荷有機化合物をインターカレートしていない層(B)とが積層して混合層構造を有することを特徴とする上記[9]の有機無機複合体。
[11]上記[9]の有機無機複合体を高分子材料中に充填剤として0.1〜40質量%添加することを特徴とする高分子複合材料。
[12]前記有機無機複合体の正電荷有機化合物をインターカレートした層が高分子材料中で剥離して層状珪酸塩層が3.0nm以上の粒子間距離を隔てた状態で分散していることを特徴とする上記[11]の高分子複合材料。
本発明の有機無機複合体のホスト物質となる層状珪酸塩はその多くが非膨潤性で比較的粒子のサイズが大きなものである。本発明の製造方法を用いることで、これらのホストに正電荷有機化合物がインターカレートした有機無機複合体を容易に得ることができる。
大きな粒子サイズのマイカでも薄片化が容易になるので、例えば、化粧品用途では溶液中でも沈殿しにくく、隠蔽性、滑り性に優れた乳液用添加剤に応用することができる。また、プラスチックの充填剤として使用すれば、大きなアスペクト比の珪酸塩シートを分散したナノコンポジットを調製することができる。このナノコンポジットは、優れた機械的性質や高いガスバリヤ性が期待できることから、構造材料や様々なバリヤ性部材に有用である。
本発明は、従来、膨潤性が乏しく有機無機複合体を得る事が困難とされていた層状珪酸塩に正電荷有機化合物を容易にインターカレートさせる方法を実現した。本発明で用いる有機無機複合体は、元の層状珪酸塩の選択が自由なので、目的、用途にあわせて層状珪酸塩の選択できる。
例えば、高結晶性の雲母鉱物ベースの有機無機複合体を高分子と複合化すれば、従来のスメクタイト系ナノコンポジットよりもはるかに大きなアスペクト比分散系を得ることができる。これらの材料は優れた機械的性質と高いガスバリヤ性が期待できる。また、1:1層をもつカオリン鉱物に機能性有機分子を複合化すれば、有機無機ヘテロ積層化合物が得られ、その有機分子の持つ機能を制御することができる。
層状珪酸塩の結晶構造には、ケイ素を中心として酸素が四面体になるように並んだケイ酸四面体と、アルミニウムなどを中心として酸素と水素原子(水酸基)あるいは酸素原子単独が八面体を形成する水酸化アルミニウム六面体の二つがあり、本発明の層状珪酸塩結晶の一層は、四面体層2つと八面体層1つからなり、これは2:1型シートと呼ばれる。本発明の、含水層状珪酸塩の結晶構造中にある水酸基とは、構造水とも呼ばれ、(OH)として格子中に存在し、空気中の加熱により、HOとして放出されるものである(「地学辞典」第11版地学団体研究会、地学辞典編集委員会編第362頁 平凡社)。含水層状珪酸塩は、四面体シートの頂点の酸素を八面体シートが共有することによってそれらが結合しており、頂点酸素の六角網面の六角形の中心には酸素がないのでOHがここに入り八面体が作られる。結晶構造中の水酸基はこのように発生し、含水層状珪酸塩の物理的化学的性質の上で重要な働きをしている。
鉱物の結晶構造の基本単位は単位胞であり、単位胞に含まれる元素の総数で表わすとわかりやすい(「粘土科学への招待 粘土の素顔と魅力」須藤談話会編 三共出版)。2:1型層状珪酸塩の場合、1/2単位胞に酸素数は10あるが、そのとき水酸基の数は最大2である。1:1型層状珪酸塩の場合はそれ以外に八面体シート表面もすべてOHとなるため酸素数5に対して水酸基数は4と多い。結晶構造中に水酸基を有する含水層状珪酸塩の例としてはカオリン鉱物、雲母鉱物、雲母粘土鉱物、粘土鉱物及びそれらの混合層鉱物などが例示される。
結晶構造中に水酸基を有する含水層状珪酸塩を脱水化させる工程は、1200℃以下での加熱処理が好ましく、それぞれの含水層状珪酸塩の結晶水の脱水温度近傍が好ましい。1200℃を超えると、相転移によって別の鉱物を形成してしまう虞があるので好ましくない。脱水温度は、層状珪酸塩の組成や結晶性などによってばらつくため個々の含水層状珪酸塩の脱水温度を熱重量測定などによって予め調べておく必要がある。相転移が起こらない範囲で構造水を完全に脱水させた方が好ましく、不十分であると有機分子のインターカレーションの進行が遅延する虞がある。
加熱処理の目安としては、カオリナイト、ナクトライト、ノントロナイト、2−八面体型バーミキュライト、イライト、マスコバイト、パイロフィライトなどの2−八面体型層状珪酸塩の場合、400℃〜800℃の範囲が好ましく、アンチゴライト、3−八面体型バーミキュライト、フロゴパイト、バイオタイト、タルクなどの3−八面体型層状珪酸塩は600℃〜1000℃の範囲が好ましい。いずれの場合も該珪酸塩の相転移温度未満でなければならない。
正電荷有機化合物を非膨潤性の層状珪酸塩の層間にインターカレートさせるイオン交換反応は、脱水化した層状珪酸塩の粉末を正電荷有機化合物水溶液に接触させることによって、該層状珪酸塩が構造水の復水と同時に正電荷有機化合物を層間に取り込み、層間化合物を形成することによりなされる。層状珪酸塩粉末と正電荷有機化合物の接触はよく攪拌して系が均一に混合される状態が好ましく、40℃以上に暖めるとより均一に反応が進むので好ましい。
本発明で使われる結晶構造中に水酸基を有する含層状珪酸塩は、下記一般式(1)で表される。
[(K0.1−b)(M )(Si4-eAl)O10(OH2-f)] (1)
但し、0.2≦a≦1.0、0≦b≦0.1、0≦c≦3、0≦d≦2、2≦c+d≦3、0≦e<4、0.6≦f≦2であり、
Mは、層間にあるK以外のカチオンであって、Li、Na、Rb、Cs、NH、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Alのうちの少なくとも1つ、
とMは、2:1型シート内に形成される八面体、すなわち含水層状珪酸塩の結晶構造を形成しているO2−とOHを配位した八面体内に入る金属であって、Mは、Mg、Fe、Mn、Cu、Ni、Zn、Liのうちの少なくとも1つ、Mは、Al、Fe、Mn、Crのうちの少なくとも1つで表される。
上記一般式で表される結晶構造中に水酸基を有する含水層状珪酸塩としては、具体的に、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチブンサイトに代表されるスメクタイト、マスコバイト、フロゴパイト、バイオタイト、マーガライト、クリントナイトなどの雲母(マイカ)とその変質鉱物である2−八面体型バーミキュライト、3−八面体型バーミキュライトなどのバーミキュライト類、イライト、セリサイト、グロコナイト、セラドナイトなどの雲母粘土鉱物など層電荷が0.2〜1.0の2:1層を有する含水層状珪酸塩が例示される。雲母鉱物、雲母粘土鉱物にはポリタイプが存在する。
スメクタイトのような易イオン交換性の層状珪酸塩の層電荷は層間イオン量の測定で見積もることができる。実測方法としては、膨潤性粘土鉱物に適用されているカチオン交換容量(CEC)の測定法:カラム浸透法(参照:「粘土ハンドブック」第二版日本粘土学会編第576〜577頁 技報堂出版)やメチレンブルー吸着法(日本ベントナイト工業会標準試験法、JBAS−107−91)等の方法が例示される。しかし、層間にカリウムイオンを有する非膨潤性の層状珪酸塩には適用できない。それらの層状化合物の層電荷は化学組成の分析により見積もることになる。具体的には、プラズマ分光(ICP)分析、蛍光X線分析(XRF)、X線マイクロアナライザー(EPMA)などが用いられる。
本発明で使われる層電荷を持たない2:1層型含水層状珪酸塩としては、下記一般式(2)又は(3)で表される。
(Mg3−e )(Si4-fAl)O10(OH) (2)
(Al2−g )(Si4-hAl)O10(OH) (3)
但し、式中のMは、鉄、アルミニウム、マンガン、クロム、ニッケル、亜鉛、コバルト、チタン、カルシウム、ナトリウム、カリウムの金属元素の中から選ばれる一種、
はFe2+、Fe3+、Mg、Tiの金属元素の中から選ばれる一種、
e、f、g、hは、0≦e≦2、0≦f≦1、0≦g≦1、0≦h≦1の関係を満たす数である。
これらの含水層状珪酸塩は層間に何も存在せず、底面酸素面同士がファンデアワールス力で結合しており、底面間隔(珪酸塩の積層方向、c軸周期)は0.92〜0.93nmである。具体的には、タルク、パイロフィライトを挙げることができる。
本発明で使われる層電荷を持たない1:1層型含水層状珪酸塩としては、下記一般式(4)又は(5)で表される。
AlSi(OH) (4)
MgSi(OH) (5)
式(4)で表されるものを2−八面体型の1:1型層状珪酸塩のカオリン鉱物といい、カオリナイト、ディッカイト、ナクトライト、ハロイサイトの4種が挙げられ、式(5)で表されるものを3−八面体型の1:1型層状珪酸塩の蛇紋石鉱物といい、クリソタイル、リザリダイト、アンチゴライトの3種を挙げることができる。カオリナイト、ディッカイト、ナクトライト、クリソタイル、リザリダイトについてはポリタイプが存在する。
本発明の有機−無機複合体は、このような特異な非膨潤性珪酸塩に対して有機カチオンをインターカレートさせることにより得られる。本発明に用いる正電荷有機化合物としては、特にその種類に限定されないが、好ましい例として炭素数が8〜150の第一アミン、第二アミン、第三アミン及びそれらの塩、第四級アンモニウム塩、アミン化合物、アミノ酸誘導体、窒素含有複素環化合物及びそれらの塩が挙げられる。
具体的には、オクチルアミン、ラウリルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アクリルアミン、ベンジルアミン、アニリン等に代表される第一アミン;ジラウリルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジステアリルアミン、N−メチルアニリン等に代表される第二アミン:ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等に代表される第三アミン;テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、ステアリルトリメチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリエチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオン、N−メチルジエタノールラウリルアンモニウムイオン、ジプロパノールモノメチルラウリルアンモニウムイオン、ジメチルモノエタノールラウリルアンモニウムイオン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムイオン、アルキルアミノプロピルアミン四級化物等の第四級アンモニウムが挙げられる。更に、ロイシン、システィン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、6−アミノヘキシルカルボン酸、12−アミノラウリルカルボン酸、N,N−ジメチル−6−アミノヘキシルカルボン酸、N−n−ドデシル−N,N−ジメチル10−アミノデシルカルボン酸、ジメチル−N−12アミノラウリルカルボン酸等のアミノ酸誘導体;ピリジン、ピリミジン、ピロール、イミダゾール、プロリン、γ−ラクタム、ヒスチジン、トリプトファン、メラミン等の窒素含有複素環化合物、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、アイオネンポリマー、ポリ−N−アルキルアクリルアミド4級塩、ポリエチレンアミン4級塩などアミノ基を有するポリマーの4級塩から選ばれたポリマー、また、非イオン性モノマーとの共重合体などのカチオン性高分子などが挙げられる。
本発明の有機無機複合体の製造方法において正電荷有機化合物は、脱水化した層状珪酸塩の復水と同時にインターカレートする。その際、ポリタイプをもつ層状珪酸塩は、積層の方位に規則性を持つために、有機分子のインターカレートもその規則性に反映して段階的になる。
例えば、雲母鉱物や雲母粘土鉱物の場合には、珪酸塩層が積み重なるとき四面体シートの底面酸素と八面体シートのOHとの間の水素結合の方位や、八面体シートを挟んだ四面体シートのずれの方位に、エネルギー的には等しいが結晶構造の幾何学的に異なるいくつかの方位が存在する。従って、可能な方位の中のどの方位を取って積層するかによって三次元的に異なる結晶構造が生じる(ポリタイプが存在する)。
雲母粘土鉱物に多く見られる120°の左右に繰り返す単斜2層構造(2M)の場合、脱水処理後に正電荷有機化合物含有の水溶液と混合する処理(以下「有機処理」)を行うと、正電荷有機化合物は、珪酸塩層間に1層置きにインターカレートして、有機修飾層と未修飾層が交互に規則的に積層した規則型混合層を形成する。更に有機処理を続けると、次に未修飾層に正電荷有機化合物がインターカレートして殆どの層間が有機修飾された有機無機複合体を得ることができる。本発明の有機無機複合体における混合層構造はこのような処理過程の中間段階で得られる。
上記本発明の有機−無機複合体は、高分子材料中に分散させる高分子複合材料の充填剤に供される。高分子材料中の有機無機複合体含有量は0.1〜40質量%であり、好ましくは1.0〜10質量%の範囲である。0.1質量%未満では高分子材料への十分な補強効果、性能向上が得られず、40質量%を超えると有機無機複合体の分散性が損なわれる虞がある。
本発明の高分子複合材料はその高分子マトリックス中で該有機無機複合体の有機修飾層が剥離して3.0nm以上の粒子間距離を隔てて分散していることを特徴としている。更に好ましくは6.0nm以上の粒子間距離を隔てている状態である。この距離は最終的には単層剥離の状態までの大きさとなる。剥離した有機修飾層の粒子間距離が3.0nm未満では良好な分散状態を得ることができないので材料の力学特性やバリヤ性の向上効果が不十分となる。この場合の粒子とは、層間全てが有機修飾されている場合は層状珪酸塩1層であり、有機修飾層と未修飾層からなる混合層の場合は、未修飾層(数枚一組の積層シート)を1粒子として扱う。
本発明の高分子複合材料を構成する高分子材料としては、熱硬化性高分子材料、エネルギー線硬化性高分子材料、熱可塑性高分子材料などが挙げられるが、如何なる高分子材料であってもよく、特に制限はない。
本発明に用いられる熱硬化性高分子材料は、いわゆる熱硬化性樹脂であり、具体的には、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン誘導体(例えば、ヘキサメトキシメラミン、ヘキサブトキシ化メラミン、縮合ヘキサメトキシメラミン等)、尿素化合物(例えば、ジメチロール尿素等)、ビスフェノールA系化合物(例えば、テトラメチロール・ビスフェノールA等)、オキサゾリン化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、これら熱硬化性高分子材料にはその硬化前のオリゴマーのものも含む。すなわち、本発明の熱硬化性高分子材料は硬化前、硬化後のものを総称している。
本発明に用いられる熱硬化性高分子材料としてはエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂としては具体的にビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂などの一分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物が挙げられる。
また、難燃性付与のために、塩素、臭素等のハロゲンや燐等の原子が熱や水によって分解されにくい結合状態でその構造中に導入されたものを使用してもよい。さらに、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂及びテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂等を使用してもよい。これらのエポキシ樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂(ウレタンゴムを含む)あるいはシリコーン樹脂など、未硬化オリゴマー成分が含有される主剤と、その未硬化オリゴマー成分を硬化させるための成分が含有される硬化剤とからなる2液混合型の注型高分子材料、接着剤あるいは塗料を本発明の高分子複合材料として構成することも可能である。この場合、有機無機複合体は主剤及び硬化剤の少なくともいずれかに配合することにより、主剤と硬化剤とを混合して熱硬化処理後に本発明の高分子複合材料を得ることができる。
本発明に用いられるエネルギー線硬化性高分子材料は可視光線、紫外線、電子線、ガンマ線、X線などの活性エネルギー線によって硬化する高分子材料であり、硬化前の感光性プレポリマー状態のもの及び硬化後の高分子材料を総称したものである。本発明に用いられる感光性プレポリマーとしては、アクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有するものが好ましい。
ここでいうアクリル系モノマーは、アクリル酸若しくはメタクリル酸(以下、アクリル酸とメタクリル酸をあわせて「(メタ)アクリル酸」という)又はこれらのアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル等の誘導体である。この様な感光性プレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもエポキシ(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
これらのエネルギー線硬化性高分子材料は一般には光重合開始剤と併用されることが多い。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、4―フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン類、チオキサンテン、2-クロルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2,4−ジメチルチオキサンテン等のチオキサンテン類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のアルキルアントラキノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類などを挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。さらに必要に応じて光増感剤を併用することができる。
なお、エネルギー線硬化性高分子材料とエポキシ樹脂、ウレタン樹脂(ウレタンゴムを含む)あるいはシリコーン樹脂などの熱硬化性高分子材料からなる2液混合型の注型高分子材料を本発明の高分子複合材料として構成することも可能である。この場合、有機−無機複合体はエネルギー線硬化性高分子材料及び熱硬化性高分子材料の少なくともいずれかに配合することにより、最終的な硬化処理を行った後に有機−無機複合体が良好に分散した高分子複合材料が得られる。
本発明に使用される熱可塑性高分子材料としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、スチレン−エチレン−ブテン3元共重合体等のスチレン、アクリロニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン等のハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、芳香族ポリアミド、ポリメタクリルイミド等のポリアミド系樹脂及びその共重合体、ポリエチレンテレフタテート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン樹脂等、そしてポリ乳酸、生分解性脂肪族ポリエステル、ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂等が挙げられる。これらは、単独或いは、複数の組み合わせのポリマーアロイであってもよく、また、繊維状、ウィスカー状、球状等の他の無機フィラーを含有していてもよい。
本発明の有機無機複合体を熱硬化性高分子或いはエネルギー線硬化性高分子と混合する方法としては、具体的には、上記した各成分を混合した後、溶融混練することが可能であり、例えば、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、ロール、単軸もしくは多軸の押出機及びコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造することができる。なお、溶媒等で希釈され、室温での粘度がインク状にまで下げられた未硬化状態の高分子複合材料の場合には三本ロールやビーズミル等の公知の混練方法により製造することもできる。
本発明の有機無機複合体を熱可塑性高分子と溶融混練する方法としては、上述の各成分を混合した後、溶融混練することが好ましく、例えば、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、ロール、単軸もしくは多軸の押出機及びコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造することができる。
(実施例)
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。含水層状珪酸塩として雲母粘土鉱物:天然セリサイト(FSN、三信鉱工(株)製)を使用した。粉末X線回折(XRD)測定を行った結果、層間距離:d001値は1.0nmであった(図1a)。層電荷のない2:1層を有する含水層状珪酸塩としては、パイロフィライトを使用した。層間距離:d001値は0.92nmであった(図2a)。また、層電荷のない1:1層を有する含水層状珪酸塩としては、カオリナイト(KC−1カオリン、(株)勝光山鉱業所製)を使用した。層間距離:d001値は0.7nmであった(図3a)。
〔有機無機複合体1の調製〕
天然セリサイト粉FSNを坩堝に入れて電気炉中で800℃、1時間の脱水処理を行った。脱水化FSN粉末に正電荷有機化合物としてドデシルアミン塩酸塩(東京化成(株)製)を純水に溶解させて0.05M溶液を調製した。このドデシルアミン塩酸塩水溶液6Lに脱水化FSN粉末100gを投入し、攪拌後、60℃で12時間、2日間攪拌し、ろ過、洗浄、乾燥してそれぞれ有機無機複合体1−12H、有機無機複合体1−2dを調製した。
得られた試料のXRD測定の結果を図1に示す。加熱処理後のFSN試料は脱水して底面反射(001)が若干弱くなった(曲線b)。2時間ドデシルアミン処理した粉末試料では、未膨潤層が殆ど消えて、およそ2θ=3.3°に3.3nmのブロードな底面反射が現れる。これは、有機無機複合体1−12Hはドデシルアミンの未修飾層(底面間隔1nm)と有機修飾層(底面間隔2.3nm)の長周期反射でそれらが1層1層交互に積層した規則型混合層であることを示唆している(曲線c)。2日間処理した有機無機複合体1−2dでは2θ=4.8°にシャープな底面反射(d001=2.3nm)が現れはじめる。これは未修飾層にもドデシルアミンがインターカレートして有機修飾層(底面間隔2.3nm)の単独相に移行していることを表している(曲線d)。
〔有機無機複合体2の調製〕
パイロフィライト粉を坩堝に入れて電気炉中で650℃、1時間の脱水処理を行った。脱水化パイロフィライト粉末をドデシルアミン塩酸塩の0.05M水溶液に投入し、70℃で4日間攪拌処理して有機無機複合体2を調製した。
得られた試料のXRD測定の結果を図2に示す。パイロフィライトは2θ=12.1°に非常にシャープな001反射(0.92nm)が現れ(曲線a)、加熱処理後その底面反射は僅かながらブロードに変化した(曲線b)。ドデシルアミン処理した試料では、ピーク強度の弱まった0.92nmの底面反射と2θ=4.2°近傍にブロードな低角反射(2.6nm)が確認され、一部の非膨潤層と有機分子インターカレートした層の混合物になっていることが明らかになった(曲線c)。これは層電荷を持たない2:1型層状珪酸塩でも有機無機複合体が形成できることを示している。
〔有機無機複合体3の調製〕
カオリナイト粉を坩堝に入れて電気炉中で600℃、30分の脱水処理を行った。脱水化カオリナイト粉末をドデシルアミン塩酸塩の0.05M水溶液に投入し、70℃で2日間攪拌処理して有機無機複合体3を調製した。
得られた試料のXRD測定の結果を図3に示す。加熱処理後カオリナイトの底面反射は殆ど消失し(曲線b)、有機処理後の試料:有機無機複合体3は2θ=4°近傍に2.3〜2.6nmの底面反射が現れる(曲線c)。これは、ドデシルアミンがカオリナイト層間にインターカレートしたことを示唆している。
実施例1で有機無機複合体1−12Hをポリアミド−6(ノバミッド1010C2,三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)と混合し、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)のミキサーユニットを用いて260℃で溶融混練して高分子複合材料を調製した。この高分子複合材料中の有機無機複合体1−12Hの含有量は5質量%である。更にこの試料を260℃で加圧プレスして厚さ200μmのフィルム成形体を調製した。
この試料をXRD測定した結果、底面反射はブロードになり、XRD測定した結果、有機複合体の積層構造を示す底面反射(d001値=3.3nm)は消失した。また、この配向試料から約90nmの超薄切片をウルトラミクロトーム(ULTRACUT UCT,ライカ(株))で調製し、透過型電子顕微鏡TEM(JEM1010、日本電子(株))にて100kVの加速電圧で有機無機複合体1−12Hの分散状態を観察した。その結果、数層一組のセリサイトナノシートがポリアミド−6マトリックス中に剥離して分散している状態が確認された(図4)。
(比較例1)
800℃、1時間の加熱処理を行わなかった以外はすべて実施例1と同様の処理を行った。XRD測定の結果、6時間処理した試料では、非常に弱い2.3nmの底面反射と非常に強い1.0nmの底面反射が現れた。また2日間処理した試料では2.3nmの底面反射が若干増えたものの、1.0nmの強い底面反射が残っていて、ドデシルアミン塩酸塩を十分にFSNの層間にインターカレートすることができなかった。
(比較例2)
650℃、1時間の加熱処理を行わなかった以外はすべて実施例2と同様の処理を行った。XRD測定の結果、非常に強い0.93nmの底面反射が現れ、ドデシルアミン塩酸塩がパイロフィライトの層間にインターカレートしていないことが明らかになった。
(比較例3)
600℃、30分の加熱処理を行わなかった以外はすべて実施例3と同様の処理を行った。XRD測定の結果、非常に強い0.7nmの底面反射が現れ、ドデシルアミン塩酸塩がカオリナイトの層間にインターカレートしていないことが明らかになった。
本発明は、結晶構造中に水酸基を有する非膨潤性の含水層状珪酸塩に容易に正電荷有機化合物をインターカレートして有機無機複合体を製造する方法、及びその有機無機複合体並びに該有機無機複合体含有高分子複合材料に関するものである。本発明の有機無機複合体は、ホスト層状珪酸塩を多様に選択できることから、例えば、化粧品、塗料、プラスチックの充填剤など幅広い分野に適用できる。
また、製造過程の制御によって規則型混合層構造をもつ有機無機複合体の製造も可能なため、新たな機能性材料の創製が期待できる。例えば、膨潤層にインターカレートされた機能性分子・物質が数枚一組の珪酸塩層(非膨潤層ユニット)の間に存在することで耐光性・耐熱性に優れる有機無機ハイブリッド材料を得ることができる。このように機能性有機無機ハイブリッド材料のホスト剤としても有用である。
実施例1で得られた試料のXRD測定の結果を示すグラフである。 実施例2で得られた試料のXRD測定の結果を示すグラフである。 実施例3で得られた試料のXRD測定の結果を示すグラフである。 実施例1で得られた有機セリサイト−ポリアミド6複合材料のTEM像を示す図面代用写真である。

Claims (12)

  1. 結晶構造中に水酸基を有する含水層状珪酸塩を1200℃以下、かつ該珪酸塩の相転移温度未満で加熱処理して脱水させる工程(I)、この脱水化層状珪酸塩と正電荷有機化合物含有水溶液とを接触させる工程(II)からなることを特徴とする層状珪酸塩の層間に正電荷有機化合物をインターカレートした有機無機複合体を製造する方法。
  2. 前記結晶構造中に水酸基を有する含水層状珪酸塩が下記一般式(1):
    [(K0.1−b)(M )(Si4-eAl)O10(OH2-f)] (1)
    (但し、0.2≦a≦1.0、0≦b≦0.1、0≦c≦3、0≦d≦2、2≦c+d≦3、0≦e<4、0.6≦f≦2であり、
    Mは、層間にあるK以外のカチオンであって、Li、Na、Rb、Cs、NH、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Alのうちの少なくとも1つ、
    とMは、含水層状珪酸塩の結晶構造を形成しているO2−とOHを配位した八面体内に入る金属であって、Mは、Mg、Fe、Mn、Cu、Ni、Zn、Liのうちの少なくとも1つ、Mは、Al、Fe、Mn、Crのうちの少なくとも1つ)
    で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機無機複合体の製造方法。
  3. 結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩がバーミキュライト、雲母、雲母粘土鉱物、脆雲母、緑泥石のいずれかの群に属する層状珪酸塩であることを特徴とする請求項2に記載の有機無機複合体の製造方法。
  4. 前記結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩が下記一般式(2)又は一般式(3)で表される特徴とする請求項1に記載の有機無機複合体の製造方法。
    (Mg3−e )(Si4-fAl)O10(OH) (2)
    (Al2−g )(Si4-hAl)O10(OH) (3)
    (式中のMは、鉄、アルミニウム、マンガン、クロム、ニッケル、亜鉛、コバルト、チタン、カルシウム、ナトリウム、カリウムの金属元素の中から選ばれる一種、
    は、Fe2+、Fe3+、Mg、Tiの金属元素の中から選ばれる一種、
    e、f、g、hは、0≦e≦2、0≦f≦1、0≦g≦1、0≦h≦1の関係を満たす数である)。
  5. 前記結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩がタルク、パイロフィライトのいずれかの群に属する層状珪酸塩であることを特徴とする請求項4に記載の有機無機複合体の製造方法。
  6. 前記結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩が下記一般式(4)又は一般式(5)で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機無機複合体の製造方法。
    AlSi(OH) (4)
    MgSi(OH) (5)
  7. 結晶構造中に水酸基を有する層状珪酸塩がカオリン鉱物、蛇紋石鉱物に代表される1:1型層状珪酸塩であることを特徴とする請求項6に記載の有機無機複合体の製造方法。
  8. 前記正電荷有機化合物が、炭素数が8〜150の第一アミン、第二アミン、第三アミン及びそれらの塩、第四級アンモニウム塩、アミン化合物、アミノ酸誘導体、窒素含有複素環化合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の有機無機複合体の製造方法。
  9. 請求項1に記載の方法で製造された有機無機複合体。
  10. 前記有機無機複合体が正電荷有機化合物をインターカレートした層(A)と正電荷有機化合物をインターカレートしていない層(B)とが積層して混合層構造を有することを特徴とする請求項9に記載の有機無機複合体。
  11. 請求項9に記載の有機無機複合体を高分子材料中に充填剤として0.1〜40質量%添加することを特徴とする高分子複合材料。
  12. 前記有機無機複合体の正電荷有機化合物をインターカレートした層が高分子材料中で剥離して層状珪酸塩層が3.0nm以上の粒子間距離を隔てた状態で分散していることを特徴とする請求項11に記載の高分子複合材料。
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