JP2002160333A - 難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents

難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シート及びその製造方法

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JP2002160333A JP2000358306A JP2000358306A JP2002160333A JP 2002160333 A JP2002160333 A JP 2002160333A JP 2000358306 A JP2000358306 A JP 2000358306A JP 2000358306 A JP2000358306 A JP 2000358306A JP 2002160333 A JP2002160333 A JP 2002160333A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃耐光性高周波融着性の高いポリオレフィ
ン系樹脂シートの提供。 【解決手段】 基布の両面に形成された前記ポリオレフ
ィン系樹脂被覆層が、(1)100重量部のポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドと(2)5〜100重量部の、ハロ
ゲン置換有機系化合物と必要により無機系化合物とを含
む難燃化剤と(3)0.005〜3.5重量部の耐光安
定剤とを含み、前記樹脂ブレンド(1)が(a)メタロ
セン触媒の存在下で、エチレン−α−オレフィン共重合
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる主成分と(b)
エチレン−酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリル酸
(エステル)共重合体樹脂の1種以上からなるブレンド
成分とを含みこのブレンド成分中の酢酸ビニル及び(メ
タ)アクリル酸(エステル)の合計含有量が前記ポリオ
レフィン系樹脂ブレンドの重量に対して5〜30重量%
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃化耐光性ポリ
オレフィン系樹脂シート及びその製造方法に関するもの
であり、特に建築物、構築物などに好適に用いられる繊
維布帛含有難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シート及
びその製造方法に関する。更に詳しく述べるならば、本
発明は、耐光性、難燃性,接合部強度に優れ、かつ高周
波融着が可能であって、テント用膜材、シート倉庫用膜
材、建築現場用養生シート、建築現場用遮音シートなど
の用途に好適な難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シー
ト及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テント用膜材、シート倉庫用膜材、建築
現場用養生シート、及び建築現場用遮音シートなど、特
に建築物、構築物などの部材として使用される産業資材
シートは、建築物や構築物の一部と見なされるため、消
防法に規定される防炎性能を有することが必要とされて
いる。現在これらの用途に使用されている防炎性能を有
する産業資材シートとしては、繊維織物にポリ塩化ビニ
ル樹脂を表面被覆したシート製品がその主流を占めてい
る。しかし最近食品用途や日用雑貨、玩具などの建築物
以外の用途では、ポリ塩化ビニル樹脂製品中に可塑剤と
して含まれるフタル酸エステル類に対してホルモン攪乱
物質の疑いがあることが論議され、またフタル酸エステ
ル類を含有するポリ塩化ビニル樹脂製品は燃焼時にダイ
オキシン誘導体を発生する危険の可能性に対して強い関
心が持たれている。特にダイオキシン問題に関しては、
ポリ塩化ビニル樹脂製品のみならず合成樹脂加工製品全
般に対して、野焼きなどの廃棄処理が禁止され、また火
炎に関しては避難安全性の観点からこれら合成樹脂加工
品全般の有毒な燃焼ガス発生の抑制が社会的な要求とな
っている。このような社会的背景から使い捨ての用途で
は、極力ポリ塩化ビニル樹脂製品の使用量を削減する方
策が種々展開され、例えばそれに代えてポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂を使
用した製品が広く普及し始めている。
【0003】この様な社会的要求が強まる中で、特に例
えばテント、シート倉庫、建築現場養生シート、建築現
場用遮音シートなどの建築物、構築物向けの用途に適し
た膜材として、合成繊維織物を芯材として用い、その表
面にポリ塩化ビニル樹脂被覆層を形成した繊維織物補強
シートが使用されている。これらの繊維織物補強シート
は、塩化ビニル樹脂組成物層を繊維織物にコーティング
あるいは、ラミネートして形成させた帆布やターポリン
などを包含する。ポリ塩化ビニル樹脂は、それ自体が高
度な難燃性を有しているため、これらの建築用の帆布や
ターポリンはポリ塩化ビニル樹脂に三酸化アンチモンや
水酸化アルミニウムなどの難燃剤を5〜20重量部の少
ない使用量で添加して消防法に定められている防炎規格
(消防法施工規則第4条:JIS規格L−1091)に
合格することが可能である。しかし、これらの帆布やタ
ーポリンの被覆用樹脂をポリオレフィン系樹脂に置き換
えた場合、ポリオレフィン系樹脂自体が易燃性であり、
更に可燃性の合成繊維織物を含むことにより、高度の難
燃性が容易に得られないという問題点を生ずる。
【0004】一般にポリオレフィン系樹脂の難燃化は、
ポリオレフィン系樹脂に市販の難燃剤や難燃性樹脂を添
加することにより可能である。例えば難燃剤として有機
塩素化物及び有機臭素化物などのハロゲン化物、リン酸
エステル、亜リン酸エステル及び赤リンなどの含リン化
合物並びに、金属水酸化物などが使用されているが、近
年燃焼時にハロゲン化水素ガスが生成することを避ける
目的で、特に水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム
などの金属水酸化物、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、
二酸化チタンなどの金属酸化物が選ばれて使用されてい
る(特開昭63−20348号公報、特開昭63−61
055号公報、特開昭63−128038号公報、特開
昭63−154760号公報、特開平3−20342号
公報など)。しかし、これらの方法の場合、ポリオレフ
ィン系樹脂に充分な難燃性を付与するためには、金属水
酸化物及び、金属酸化物を100〜300重量部という
多量に添加することが必要であり、その結果ポリオレフ
ィン樹脂組成物の加工性を著しく損ね、同時に加工品の
機械的強度を大きく低下させるなどの問題を抱えてい
る。特にシート状の加工製品の場合には、軟質ポリ塩化
ビニル樹脂製シートに較べて風合いが硬くなるばかりで
なく、折り曲げによる疲労劣化や、表面キズ付きなど実
用上の耐久性に大きな問題がある。
【0005】そこで、赤リンや加熱膨張性黒鉛などを難
燃化助剤として、上記の金属水酸化物、又は金属酸化物
と併用することが提案されている(特開平1−4632
号公報、特開平6−184330号公報、特開平6−7
3251号公報、特開平6−25476号公報、特開平
8−302202号公報)。これらの難燃化助剤の併用
により、確かに金属水酸化物、又は金属酸化物の添加量
をある程度減らして難燃化されたポリオレフィン系樹脂
組成物を得ることが可能であるが、それでもなお金属水
酸化物、金属酸化物などの添加量を50重量部以上にす
ることを必要とし、依然ポリオレフィン系樹脂組成物の
機械的物性低下を効果的に回避できるレベルには至って
いない。また、赤リン自体の有する赤褐色着色性や加熱
膨張性黒鉛自体の有する黒色着色性は、成型物着色性の
自由度に大きく影響するため、彩色性、調色性を要求さ
れるテントなどの用途に対しては到底使用できるもので
はない。
【0006】一方、電線やケーブルなどの用途では、絶
縁材、外部被覆材としてポリオレフィン系樹脂に有機塩
素化物、有機臭素化物などのハロゲン化物を配合して難
燃化する方法が以前から用いられている(特開昭51−
132254号公報、特開昭56−136862号公
報、特開昭61−254646号公報、特開昭62−2
25541号公報)。これらの方法では確かにハロゲン
化物の少ない添加量によって、難燃化されたポリオレフ
ィン系樹脂組成物を得ることが可能であるが、この組成
物には燃焼時に火垂れを生じ易いという欠点がある。ま
たこれらのハロゲン化物は耐光性に劣るため、ハロゲン
化物含有ポリオレフィン系樹脂組成物には、短期間の屋
外使用でも変色し易いという欠点がある。この耐光性の
悪さは地下埋設の電線用途や黒色に着色された製品に対
しては問題とならないが、屋外で使用するシート、特に
色彩性が重要視されるテントなどの用途に対しては好ま
しいものではない。またこれらのハロゲン化物は経時的
にポリオレフィン系樹脂表面にブルーム(粉ふき)を発
生するというトラブルが多いことが問題となっている。
【0007】また、これらのハロゲン化物を配合して難
燃化したポリオレフィン系樹脂組成物から成型したフィ
ルムを合成繊維織物と積層させた積層シートをテント、
シート倉庫、建築現場養生シート、及び建築現場用遮音
シートなどの用途に使用した場合、ポリオレフィン系樹
脂の誘電損率が低過ぎるために、ポリ塩化ビニル樹脂製
のシートの縫製に使用する高周波融着機が使用できない
という不都合がある。このため、これらのシートの縫製
には特別な熱融着機を必要とするが、しかしこの場合に
は、ハロゲン化物を、消防法に定められている防炎規格
(消防法施工規則第4条:JIS規格L−1091)に
適合する量で配合することと、ポリオレフィン系樹脂フ
ィルムの強度を低下させ、それと同時に、合成繊維織物
に対する密着性も悪くするために、この重ね合わせ接合
部において、糸抜け破壊を生じ易いという欠点を有する
ものであった。またポリオレフィン系樹脂に、これらの
ハロゲン化物を配合したコンパウンドを混練する時に
は、これに従来方法の一括混練法を適用すると、ハロゲ
ン化物粉体がバンバリーミキサー、ニーダーなどの混練
機の中に沈降、凝集して残留し、このためポリオレフィ
ン系樹脂に対して、所定量のハロゲン化物を分散するこ
とが困難となり、従ってこのために消防法に定められる
防炎規格に安定して合格できないという不都合を生ず
る。
【0008】従ってポリオレフィン系樹脂に有機塩素化
物、有機臭素化物などのハロゲン化物、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステル、赤リンなどの含リン化合物、金
属水酸化物などを配合させることによって難燃化して得
られる防炎シート製品は存在するにしても、十分な難燃
性を有し、かつ機械的強度、接合部強度、耐摩耗性、加
工性などに優れ、しかも耐光性と高周波融着性にも優れ
たポリオレフィン系樹脂製の帆布シートやターポリンシ
ートは、未だ開発されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
難燃化ポリオレフィン系樹脂シートでは成し得なかった
高度の難燃性と耐光性を有し、かつ高周波融着性にも優
れ、さらに加工性に優れ、例えばテント、シート倉庫、
建築現場養生シート、建築現場用遮音シートなどの産業
資材用シートに好適な、難燃化され、さらに耐光性が改
良されたポリオレフィン系樹脂シート及びその製造方法
を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の難燃化耐光性ポ
リオレフィン系樹脂シートは、繊維布帛からなる基布
と、前記基布の両面に形成されたポリオレフィン系樹脂
被覆層とを含み、前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が、
(1)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブレンド
と、(2)5〜100重量部の、少なくとも1種のハロ
ゲン置換有機系化合物を含む難燃化剤と、及び(3)
0.005〜3.5重量部の耐光安定剤とを含み、前記
ポリオレフィン系樹脂ブレンドが、(a)メタロセン触
媒の存在下で、エチレンとα−オレフィンとを共重合し
て得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる主成
分と、及び(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及
びエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体
樹脂から選ばれた少なくとも1種からなるブレンド成分
とを含み、かつ前記ブレンド成分中に含まれる共重合し
た酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の合
計含有重量が、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドの重
量に対して、5〜30重量%である、ことを特徴とする
ものである。本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートにおいて、前記難燃化剤が、前記少なくとも1
種のハロゲン置換有機系化合物に加えて、さらに少なく
とも1種の無機系化合物を含有し、前記ハロゲン置換有
機系化合物と前記無機系化合物との合計重量が、前記ポ
リオレフィン系樹脂ブレンド100重量部に対して、5
〜100重量部であることが好ましい。本発明の難燃化
耐光性ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ポリ
オレフィン系樹脂被覆層が、前記ポリオレフィン系樹脂
ブレンド、その100重量部に対して5〜50重量部の
少なくとも1種のリン含有化合物を、さらに含むことが
好ましい。本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂
シートにおいて、前記基布用繊維布帛が、合成非晶質シ
リカ、コロイダルシリカ、及びシランカップリング剤よ
り選ばれた1種以上のケイ素化合物を含有する組成物に
よって下処理されていることが好ましい。本発明の難燃
化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記難
燃化剤用ハロゲン置換有機系化合物が、臭素置換有機系
化合物、臭素化高分子化合物、及び塩素化高分子化合物
から選ばれることが好ましい。本発明の難燃化耐光性ポ
リオレフィン系樹脂シートにおいて、前記難燃化剤用無
機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸
化物、及び金属複合水酸化物から選ばれることが好まし
い。本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シート
において、前記リン含有化合物が、赤リン、無機リン酸
塩、有機リン酸塩、リン酸エステル、ポリリン酸アンモ
ニウム、及びリン−窒素含有複合物から選ばれることが
好ましい。本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂
シートにおいて、前記耐光安定剤が、少なくとも1種の
ポリオレフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤を含むもの
であってもよい。本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン
系樹脂シートにおいて、前記耐光安定剤が少なくとも1
種のハロゲン置換有機系化合物用耐光安定剤を含むもの
であってもよい。本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン
系樹脂シートにおいて、前記耐光安定剤が、少なくとも
1種のポリオレフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤と、
少なくとも1種のハロゲン置換有機系化合物用耐光安定
剤との混合物であることが好ましい。本発明の難燃化耐
光性ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ポリオ
レフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤が、ベンゾトリア
ゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアク
リレート系化合物、サリシレート系化合物、及びヒンダ
ードアミン系化合物から選ばれることが好ましい。本発
明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートにおい
て、前記のハロゲン置換有機系化合物用耐光安定剤が、
有機錫系化合物、亜鉛系金属複合化合物、金属石けん、
エポキシ化油脂、ハイドロタルサイト、及びゼオライト
から選ばれた1種以上を含むことが好ましい。本発明の
難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前
記基布用繊維布帛が、フィラメント糸条からなり、5〜
40%の空隙率を有することが好ましい。本発明の難燃
化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記メ
タロセン系触媒が、シクロペンタジエニル誘導体または
インデニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、ア
ルキルアルミノキサンとを含むことが好ましい。本発明
の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法
は、下記工程: (A)(a)メタロセン触媒の存在下でエチレンとα−
オレフィンとを共重合して得られた直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂からなる主成分と、(b)エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸
(エステル)共重合体から選ばれて少なくとも1種から
なるブレンド成分と、を含むポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドのペレットを、前記ブレンド成分中に含まれる共重
合した酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)
の合計含有量が、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドの
重量に対して5〜30重量%になるように調製し、
(B)前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドと、その10
0重量部に対し、5重量部をこえる含有量の、少なくと
も1種のハロゲン置換有機系化合物を含有する難燃化剤
とを含む、難燃化剤含有ペレットを調製し、(C)前記
難燃化剤含有ペレットとは別に、前記ポリオレフィン系
樹脂ブレンドに、その100重量部に対し0.05重量
部をこえる配合量の耐光安定剤を配合して耐光安定剤含
有ペレットを調製し、(D)前記難燃化剤含有ペレット
と、前記耐光安定剤含有ペレットとを配合し、前記ポリ
オレフィン系樹脂ブレンド合計重量100重量部に対し
前記難燃化剤の配合量が5〜100重量になり、前記耐
光安定剤の配合量が0.005〜3.5重量部になるよ
うに、調整して、コンパウンドを調製し、(E)前記コ
ンパウンドからフィルムを作製し、(F)前記フィルム
を、繊維布帛からなる基布の両面に積層結着することを
含むことを特徴とするものである。本発明の製造方法に
おいて、前記コンパウンドの調製工程(D)において、
ポリオレフィン系樹脂ブレンド、エチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸(エス
テル)共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種のペレ
ットをさらに配合してもよい。本発明の製造方法におい
て、前記難燃化剤含有ペレット調製工程(B)におい
て、前記ハロゲン置換有機系化合物含有難燃化剤が、前
記ハロゲン置換有機系化合物に加えて、さらに無機系化
合物を含み、前記ハロゲン置換有機系化合物と無機系化
合物との合計重量を、前記難燃化剤含有ペレット中の前
記ポリオレフィン系樹脂ブレンド100重量部に対し5
重量部をこえ、かつ前記コンパウンド調製工程(D)に
おいて、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドの合計重量
100重量部に対し、5〜100重量部であるように調
整することが好ましい。本発明の製造方法において、前
記難燃化剤含有ペレットの調整工程(B)において、
(1)前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドと前記ハロゲ
ン置換有機系化合物とを含むハロゲン化置換有機系化合
物含有ペレット、及び(2)前記ポリオレフィン系樹脂
ブレンドと少なくとも1種の無機系化合物とを含む無機
系化合物含有ペレット、の混合物を調製し、但し、前記
ハロゲン置換有機系化合物と前記無機系化合物との合計
重量を、前記難燃化剤含有ペレット中の前記ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドの合計重量100重量部に対し5重
量部をこえ、かつ、前記コンパウンド中において、前記
ポリオレフィン系樹脂の合計重量100重量部に対し5
〜100重量部であるように調整することが好ましい。
本発明の製造方法において、前記コンパウンド調製工程
(D)において、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド
に、その100重量に対し、5重量部をこえる配合量の
リン含有化合物を含有させたリン含有化合物含有ペレッ
トを、さらに配合し、得られるコンパウンド中のリン含
有化合物の含有量が、ポリオレフィン系樹脂ブレンドの
合計重量100重量部に対し5〜50重量部になるよう
に調整することが好ましい。本発明の製造方法におい
て、前記難燃化剤含有ペレットに、前記難燃化剤に加え
て、さらに、リン含有化合物を含有させ、このリン含有
化合物の配合量を、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド
100重量部に対して、5重量部をこえ、前記コンパウ
ンド中の前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドの合計重量
100重量部に対し、5〜10重量部であるように調整
することが好ましい。本発明の製造方法において、前記
基布用繊維布帛が、合成非晶質シリカ、コロイダルシリ
カ、及びシランカップリング剤より選ばれた1種以上の
ケイ素化合物を含有する組成物によって下処理されてい
ることが好ましい。本発明の製造方法において、前記難
燃化剤用ハロゲン置換有機系化合物が、臭素置換有機系
化合物、臭素化高分子化合物、及び塩素化高分子化合物
から選ばれることが好ましい。本発明の製造方法におい
て、前記難燃化剤用無機系化合物が、金属酸化物、金属
水酸化物、金属複合酸化物、及び金属複合水酸化物から
選ばれることが好ましい。本発明の製造方法において、
前記リン含有化合物が、赤リン、無機リン酸塩、有機リ
ン酸塩、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、及
びリン−窒素含有複合物から選ばれることが好ましい。
本発明の製造方法において、前記耐光安定剤が少なくと
も1種のポリオレフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤を
含むものであってもよい。本発明の製造方法において、
前記耐光安定剤が少なくとも1種のハロゲン置換有機系
化合物用耐光安定剤を含むものであってもよい。本発明
の製造方法において、前記耐光安定剤が少なくとも1種
のポリオレフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤と、少な
くとも1種のハロゲン置換有機系化合物用耐光安定剤と
の混合物であることが好ましい。本発明の製造方法にお
いて、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤
が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化
合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化
合物、ヒンダードアミン系化合物から選ばれることが好
ましい。本発明の製造方法において、前記ハロゲン置換
有機系化合物用耐光安定剤が、有機錫系化合物、亜鉛系
金属複合化合物、金属石けん、エポキシ化油脂、ハイド
ロタルサイト、ゼオライトから選ばれた1種以上を含む
ことが好ましい。本発明の製造方法において、前記基布
用繊維布帛が、フィラメント糸条からなり、5〜40%
の空隙率を有することが好ましい。本発明の製造方法に
おいて、前記メタロセン系触媒が、シクロペンタジエニ
ル誘導体またはインデニル誘導体を含有する有機遷移金
属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含むことが好
ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の難燃化耐光性ポリオレフ
ィン系樹脂シートは、繊維布帛からなる基布と、前記基
布の両面に形成されたポリオレフィン系樹脂被覆層とを
含むものであって、前記ポリオレフィン系樹脂被覆層
は、(1)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブレン
ドと、(2)5〜100重量部の、少なくとも1種のハ
ロゲン置換有機系化合物を含む難燃化剤と、及び(3)
0.005〜3.5重量部の耐光安定剤とを含み、前記
ポリオレフィン系樹脂ブレンドは、(a)メタロセン触
媒の存在下で、エチレンとα−オレフィンとを共重合し
て得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる主成
分と、及び(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及
びエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体
樹脂から選ばれた少なくとも1種からなるブレンド成分
とを含み、かつ前記ブレンド成分中に含まれる共重合し
た酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の合
計含有重量が、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドの重
量に対して、5〜30重量%である。また本発明の難燃
化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記難
燃化剤が、前記少なくとも1種のハロゲン置換有機系化
合物に加えて、さらに少なくとも1種の無機系化合物を
含有していてもよく、前記ハロゲン置換有機系化合物と
前記無機系化合物との合計重量が、前記ポリオレフィン
系樹脂ブレンド100重量部に対して、5〜100重量
部であってもよい。
【0012】また本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン
系樹脂シートにおいて、前記ポリオレフィン系樹脂被覆
層が、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド、その100
重量部に対して5〜50重量部の少なくとも1種のリン
含有化合物を、さらに含んでいてもよい。
【0013】また本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン
系樹脂シートにおいて、前記基布用繊維布帛が、合成非
晶質シリカ、コロイダルシリカ、及びシランカップリン
グ剤より選ばれた1種以上のケイ素化合物を含有する組
成物によって下処理されていてもよい。
【0014】ここで(メタ)アクリル酸(エステル)と
は、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステ
ル、及びメタアクリル酸エステルを包含するものであ
る。
【0015】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートにおいて、そのポリオレフィン系樹脂被覆層に
使用されるポリオレフィン系樹脂ブレンドは、(a)メ
タロセン系触媒の存在下でエチレンと、好ましくは炭素
数3〜18のα−オレフィンとを共重合して得られる1
種以上のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂からな
る直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を生成分として含むも
のである。エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、
エチレンモノマーと、好ましくは炭素数3〜18のα−
オレフィンモノマーとをメタロセン系均一触媒の存在
下、気相法、スラリー液相法、または高圧法によって重
合することにより得られる。α−オレフィンとしては、
例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネ
ン−1、デセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン
−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1などが用い
られるが、炭素数4〜10のα−オレフィンが特に好ま
しく用いられる。また、これらのα−オレフィンの1種
または2種以上と、エチレンモノマーとを共重合して得
られるエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂が用いら
れる。
【0016】これらのエチレン−α−オレフィン共重合
体樹脂は、1種のみならず、2種以上のエチレン−α−
オレフィン共重合体樹脂をブレンドして用いることもで
き、これらのエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂及
び、ブレンド併用組成物のメルトインデックスは、0.
3〜20g/10min であることが本発明に好適であ
る。メルトインデックスが、0.3g/10min 未満で
あると、ハロゲン置換有機系化合物、又はハロゲン置換
有機系化合物と無機系化合物との混合物との樹脂混練及
び成形加工が極めて困難になることがあり、またそれが
20g/10minよりも高いと、得られる難燃化耐光性
ポリオレフィン系樹脂膜材の強度及び耐熱性が不十分に
なることがあり、また粘着性を増してブロッキングを生
ずることがある。
【0017】本発明に使用するエチレン−α−オレフィ
ン共重合体樹脂の重合に使用できるメタロセン系触媒と
しては、シクロペンタジエニル誘導体、またはインデニ
ル誘導体を含有する有機遷移金属化合物が好ましく使用
できる。シクロペンタジエニル誘導体、またはインデニ
ル誘導体を含有する有機遷移金属化合物の遷移金属は、
原子周期律表第IVB族から選ばれる、例えばジルコニウ
ム、チタニウム、ハフニウムであることが好ましい。
【0018】シクロペンタジエニル誘導体を含有する有
機遷移金属化合物の具体例としては、ビス(n−プロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
ビス(1−メチル−3−n−プロピルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、1−メチル−1エチ
リデン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビ
ス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハ
フニウムジクロライドなどが例示できる。
【0019】インデニル誘導体を含有する有機遷移金属
化合物の具体例としてはエチレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、1,2−エチレ
ンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、
ジメチルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジ
クロライド、などが例示できる。
【0020】前者のシクロペンタジエニル誘導体を含有
するメタロセン系触媒を用いると、得られる共重合体樹
脂のシンジオタクシティが高く、また後者のインデニル
誘導体を含有するメタロセン系触媒を用いると、得られ
る共重合体樹脂のアイソタクシティが高い。従って、こ
れらのメタロセン系触媒を使い分けることによって、得
られるエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂の立体規
則性をコントロールすることができる。
【0021】また本発明に使用するエチレン−α−オレ
フィン共重合体樹脂の重合においては、メタロセン系触
媒の助触媒としてアルキルアルミノキサンを併用するこ
とにより重合の活性効率を向上させることができる。上
記アルキルアルミノキサンとしてはメチルアルミノキサ
ン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン
などが例示できる。例えば、アルキルアルミノキサンと
しては、トリメチルアルミニウム、又はトリエチルアル
ミニウムなどの有機アルミニウムと水との縮合によって
得られる−(Al(CH3)−O−)n−縮合物が使用で
きる。アルキルアルミノキサンの、メタロセン系触媒に
対する金属原子数比(アルミニウム原子/メタロセン系
触媒の遷移金属原子)は100〜1000であることが
好ましい。また重合系内に使用されるメタロセン系触媒
の量は、重合容積1リットルに対して1×10-8〜1×
10-3グラム原子の量で使用されることが好ましい。ま
た、必要に応じて、重合活性を高める目的で、従来公知
のプロトン酸、ルイス酸、ルイス酸性化合物を併用して
もよい。プロトン酸、ルイス酸、ルイス酸性化合物の種
類には特に限定はないが、ホウ素系化合物が好ましく使
用される。
【0022】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層に使用できるエ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及び、エチレン−(メ
タ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂(b)の製造
には、ラジカル重合法を用いることができる。エチレン
モノマーとラジカル重合し得るモノマーとしては、酢酸
ビニル、又は、アクリル酸、又はメタアクリル酸などの
不飽和カルボン酸、又はそのエステル化物が挙げられ
る。不飽和カルボン酸のエステル化物としては、例えば
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
これらのモノマーは、1種のみならず2種以上用いるこ
とができる。また具体的には、エチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂としては、エチレンモノマーと酢酸ビニルモ
ノマーとの重合によって得られるもの、エチレン−(メ
タ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂としては、エ
チレンモノマーとアクリル酸モノマーとの重合によって
得られるエチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン
モノマーとアクリル酸エステルモノマーとの重合によっ
て得られるエチレン−アクリル酸エステル共重合体樹
脂、エチレンモノマーとメタアクリル酸モノマーとの重
合によって得られるエチレン−メタアクリル酸共重合体
樹脂、エチレンモノマーとメタアクリル酸エステルモノ
マーとの重合によって得られるエチレン−メタアクリル
酸エステル共重合体樹脂など、及びこれらの2種類以上
の混合物が挙げられる。
【0023】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層にブレンド成分
として含まれるポリオレフィン系共重合体樹脂は、好ま
しくは、酢酸ビニル成分含有量が5〜60重量%のエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂、(メタ)アクリル酸(エ
ステル)成分含有量が5〜60重量%のエチレン−(メ
タ)アクリル酸(エステル)共重合樹脂、及びエチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂と(メタ)アクリル酸(エステ
ル)共重合樹脂との、好ましくは重量比100:1〜
1:100の、混合物から選ばれ、共重合している酢酸
ビニル成分と(メタ)アクリル酸(エステル)成分の合
計量はポリオレフィン系樹脂ブレンドの重量に対して5
〜60重量%であることが好ましい。これらのブレンド
成分(ポリオレフィン系共重合体樹脂)のメルトインデ
ックスは、0.3〜20g/10min であることが本発
明に好適である。メルトインデックスが、0.3g/1
0min 未満であると、ハロゲン置換有機系化合物、又は
ハロゲン置換有機系化合物と無機系化合物との混合物と
の樹脂混練性及び成形加工性が不良になることがあり、
またそれが20g/10min よりも高いと、得られる難
燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートの強度及び耐熱
性が不十分になることがあり、また、粘着性を増してブ
ロッキングを生ずることがある。
【0024】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層において、前記
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂主成分と、上記
ポリオレフィン系共重合体樹脂ブレンド成分重量比は1
00:10〜100:100であることが好ましく、こ
のポリオレフィン系樹脂ブレンド重量に対する、ブレン
ド成分中の酢酸ビニルと、(メタ)アクリル酸(エステ
ル)との合計含有量が5〜30重量%であることが好ま
しい。主成分とブレンド成分との重量比が100:10
未満、すなわち主成分100重量部に対しブレンド成分
が10重量部未満であると、得られるポリオレフィン系
樹脂シートの高周波融着性及び、難燃性、柔軟性が不十
分となることがあり、またそれが100:100を越え
ると、すなわち主成分100重量部に対し、ブレンド成
分が100重量部を越えると、得られるポリオレフィン
系樹脂シートの被膜樹脂強度が不十分となり、擦り傷が
付き易くなることがある。また同時にポリオレフィン系
樹脂ブレンドに含まれる、共重合した酢酸ビニル及び
(メタ)アクリル酸(エステル)の合計含有量が5重量
%未満であると、得られるポリオレフィン系樹脂被覆層
の高周波融着性、及び難燃性、柔軟性が不十分となるこ
とがあり、また、それが30重量%を越えると、得られ
るポリオレフィン系樹脂シートの被膜樹脂強度が不十分
となり擦り傷が付き易くなることがあり、また耐熱クリ
ープ性が不十分となることがある。
【0025】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層に含まれる主成
分用エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂と、ブレン
ド成分用ポリオレフィン系共重合体樹脂とのブレンドの
密度は、0.913〜0.938g/cm3 であることが
好ましく、特に0.916〜0.933g/cm3 の範囲
であることがより好ましい。この密度が0.938g/
cm3 を越えると、得られる樹脂ブレンドの結晶化度が大
きくなり、かつ風合いが硬くなり、またハロゲン置換有
機系化合物及び、耐光安定剤がポリオレフィン系樹脂シ
ートの表面にブルームして外観を曇らせることがある。
また前記密度が0.913g/cm3 未満では、得られる
被覆層の耐ブルーム性は良好となるが、フィルム強度と
耐熱性が低下して十分な摩耗強度が得られないことがあ
り、また高周波融着性が不十分になることがある。
【0026】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層には、追加成分
として、他のメタロセン系触媒ポリオレフィン系樹脂と
して含まれていてもよく、それはメタロセン触媒の存在
下、プロピレンモノマーの自己重合によって得られるア
イソタクティックポリプロピレン樹脂、あるいはシンジ
オタクティックポリプロピレン樹脂を包含する。これら
の追加成分は、得られる樹脂被覆層の耐衝撃強度改善及
び樹脂摩耗強度の改善などの目的で用いられ、その含有
量は、樹脂被覆層合計重量の5〜10重量%程度である
ことが好ましい。
【0027】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層に含まれる難燃
化剤用ハロゲン置換有機系化合物としては、臭素置換有
機系化合物、臭素化高分子化合物、塩素化高分子化合物
が挙げられる。
【0028】臭素置換有機系化合物としては、ヘキサブ
ロモビフェニル、デカブロモジフェニル、ペンタブロモ
エチルベンゼン、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘ
キサブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェ
ニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、
ペンタブロモシクロヘキサン、ビストリブロモフェノキ
シエタン、トリブロモフェノール、エチレンビスペンタ
ブロモジフェニル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロ
モシクロドデカン、オクタブロモナフタリン、テトラブ
ロモビスフェノールA、及びその誘導体、例えば、テト
ラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエ
ーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,
3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフ
ェノールA−ビス(ブロモエチルエーテル)、テトラブ
ロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテルなど、テ
トラブロモビスフェノールS及びその誘導体、例えば、
テトラブロモビスフェノールS−ビス(ヒドロキシエチ
ルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス
(2,3−ジブロモプロピルエーテル)など、臭素含有
無機フタル酸誘導体、例えば、テトラブロモ無水フタル
酸、テトラブロモフタルイミド、エチレンビステトラブ
ロモフタルイミド、及びエチレンビスペンタブロモフタ
ルイミドなど、エチレンビス(5,6−ジブロモノルボ
ルネル−2,3−ジカルボキシイミド)、トリス−
(2,3−ジブロモプロピル−1)−イソシアヌレー
ト、ヘキサブロモシクロペンタジエンのディールスアル
ダー付加物、トリブロモフェニルグリシジルエーテル、
トリブロモフェニルアクリレート、エチレンビストリブ
ロモフェニルエーテル、エチレンビスペンタブロモフェ
ニル、エチレンビスペンタブロモフェニルエーテル、テ
トラデカブロモジフェノキシベンゼン、1,2−ビス
(トリブロモフェノキシ)エタン、トリス(2,3−ジ
ブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリス(2,
4,6−トリブロモフェノキシ)イソシアヌレートなど
が挙げられる。
【0029】またトリス(2,3−ジブロモプロピル)
ホスフェート、トリス(2,4,6−トリブロモフェニ
ル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)
ホスフェートなどの臭素置換リン酸エステル類なども使
用できる。
【0030】臭素化高分子化合物としては、臭素化ポリ
スチレン、臭素化ポリフェニレンオキサイド、臭素化エ
ポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリウレ
タン、臭素化ポリエステル、TBAポリカーボネートオ
リゴマーなどが挙げられる。
【0031】また塩素化高分子化合物としてはポリエチ
レンを塩素化して得られる塩素含有率25〜45重量%
の低塩素化ポリエチレン及び、塩素含有率60重量%以
上の高塩素化ポリエチレンが挙げられるが、特に塩素含
有率が30〜45重量%であり、結晶度が25%以下で
ある低塩素化ポリエチレンが好ましく使用できる。また
塩素化ポリエチレンとしてエチレン−α−オレフィン共
重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチ
レン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂を
塩素化して得られる塩素化エチレン系樹脂を使用するこ
ともできる。塩素化ポリプロピレンとしてはポリプロピ
レンを塩素化して得られる塩素含有量30〜45重量%
の低塩素化ポリプロピレン及び、塩素含有量65重量%
以上の高塩素化ポリプロピレンが挙げられるが、特に高
塩素化ポリプロピレンが好ましく使用できる。
【0032】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層に含まれる難燃
化剤用無機系化合物としては、金属酸化物、金属水酸化
物、金属複合酸化物、金属複合水酸化物などが挙げられ
る。これらは具体的に、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸
化ジルコニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの金属水
酸化物、ドロマイト、ハイドロタルサイト、ヒドロキシ
スズ酸亜鉛、酸化スズの水和物、ホウ砂などの金属複合
水酸化物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化
バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジル
コニウム、酸化モリブデン、酸化アンチモンなどの金属
酸化物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリ
ウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、ジルコ
ニウム−アンチモンなどの金属複合酸化物などが挙げら
れる。
【0033】これらの無機系化合物の粒径は、化合物の
種類によって異なるが例えば平均粒径が、20μm以
下、好ましくは10μm以下であるものが加工性、分散
性のうえで好ましい。更に本発明に使用される無機系化
合物は、ステアリン酸、オレイン酸、パルチミン酸、な
どの脂肪酸またはその金属塩、パラフィンワックス、ポ
リエチレンワックス、またはこれらの変性物、有機ボラ
ン、有機チタネート、シランカップリング剤などで表面
被覆もしくは表面処理、改質された物を使用するのが好
ましい。これらの無機系化合物は、1種のみ用いられて
もよく、または2種以上併用してもよい。
【0034】特に本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン
系樹脂シートにおいて、これら上記難燃化剤用ハロゲン
置換有機系化合物の1種以上を、ポリオレフィン系樹脂
ブレンド100重量部に対して5〜100重量部、好ま
しくは10〜50重量部を配合、あるいは上記難燃化剤
用ハロゲン置換有機系化合物の1種以上と無機系化合物
の1種以上の混合物を、ポリオレフィン系樹脂ブレンド
100重量部に対し5〜100重量部、好ましくは10
〜60重量部配合することが好ましい。難燃化剤用ハロ
ゲン置換有機系化合物と無機系化合物との併用比率に特
に限定はないが、ハロゲン置換有機系化合物の含有する
ハロゲン含有率に応じて、ハロゲン置換有機系化合物:
無機系化合物の重量比が好ましくは5:1〜1:1、よ
り好ましくは3:1〜2:1で用いられる。上記ハロゲ
ン置換有機系化合物と併用する無機系化合物としては三
酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどの酸化アンチモ
ンを用いることが特に好ましい。
【0035】また、本発明の難燃化耐光性ポリオレフィ
ン系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層には、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンド100重量部に対しリン系
化合物5〜50重量部をさらに含有していてもよい。リ
ン系化合物としては、赤リン、無機リン酸塩、有機リン
酸塩、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリ
リン酸メラミン、及びリン−窒素含有複合物が挙げられ
る。赤リンとしては、黄リンを不活性ガス雰囲気下、2
50〜350℃の加熱によって赤リンに転化され、平均
粒子径が5〜25μmの粉末状の赤リンが使用できる。
また、本発明に使用する赤リンとしては、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛の
無機系化合物、あるいは、ホルマリン樹脂、フェノール
樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂の熱硬化
性樹脂から選ばれた1種以上により表面被覆され、平均
粒子径が5〜25μmの粉末状の赤リン粒子を使用する
ことが好ましい。特に中でも酸化チタンによって表面被
覆された白色処理赤リン類が、本発明の難燃化耐光性ポ
リオレフィン系樹脂シートの着色性の面で好ましく使用
できる。
【0036】本発明において、リン酸とは、リン酸、亜
リン酸、及び次亜リン酸を包含し、また無機リン酸塩と
してはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸の金属塩が挙げら
れる。リン酸と塩を形成する金属としてはNa,K,L
i,Ca,Ba,Mg,Al,Znなどが挙げられる。
有機リン酸塩としては、(亜)リン酸モノアルキルエス
テルの金属塩、(亜)リン酸ジアルキルエステルの金属
塩が挙げられる。有機リン酸塩を形成する金属としては
ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウ
ム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などが挙げられ
る。
【0037】リン酸エステルとしては、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホス
フェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホス
フェート、トリヘキシルホスフェート、ジメチルエチル
ホスフェート、メチルジブチルホスフェートなどの鎖状
アルキルリン酸エステル化合物類、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、ジフェニルオクチ
ルホスフェート、p−ペンジルフェニルホスフェート、
ヒドキシフェニルジフェニルホスフェートなどの芳香族
リン酸エステル化合物類、及びこれら化合物のオリゴマ
ー状縮合体類などを用いることができる。オリゴマー状
縮合体類としては、例えば、ビスフェノールAビス(ジ
フェニルホスフェート)、ビスフェノールAテトラフェ
ニルジホスフェート、ビスフェノールAテトラクレジル
ジホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジフェニル
ホスフェート)、レゾルシノールジホスフェート、レゾ
ルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、トリオキ
シベンゼントリホスフェートなどのオリゴマー状芳香族
リン酸エステル縮合体類を用いることができる。
【0038】ポリリン酸アンモニウム系化合物として
は、オルソリン酸アンモニウムと含窒素化合物との縮合
物からなる縮合系リン酸塩化合物を用いることができ
る。縮合系リン酸塩化合物としては、ポリリン酸アンモ
ニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム、ポリリ
ン酸メラミンなどが使用できる。ポリリン酸アンモニウ
ムは、重合度が200以上のものが好ましく用いられ、
更にポリリン酸アンモニウムの表面が、メラミン系樹
脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂などの
熱硬化樹脂で表面被覆処理されて水に難溶化されたもの
が好ましく用いられる。ポリリン酸アンモニウムの重合
度が200未満であると、このポリリン酸アンモニウム
は水溶性であって、水に溶出してしまい、その結果難燃
化効果の持続性が失われる。このため降雨に晒される用
途には不適切である。本発明の難燃化耐光性ポリオレフ
ィン系樹脂シートに使用できる縮合リン化合物として
は、メラミン樹脂で表面被覆処理された重合度600〜
1200のポリリン酸アンモニウムが好ましく使用でき
る。
【0039】本発明に用いられるリン−窒素化合として
は、メラミン、硫酸メラミン、トリメチロールメラミ
ン、シアヌル酸トリメチルエステル、シアヌル酸トリエ
チルエステル、アンメリン、アンメリド、及び2,4,
6−トリオキシシアニジンなどのシアヌル酸誘導体とポ
リリン酸との複合物、またイソアンメリン、イソメラミ
ン、イソアンメリド、トリメチルカルボジイミド、トリ
エチルカルボジイミド、及びトリカルボイミドなどの
(イソ)シアヌル酸誘導体とポリリン酸との複合物、ジ
シアンジアミド、ジシアンジアミジシン、グアニジン、
スルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジン、及びジグ
アニドなどのシアナミド誘導体とポリリン酸との複合
物、尿素、ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメ
チル尿素、N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素
などの尿素誘導体とポリリン酸との複合物、チオ尿素、
硫酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウムなどの
硫黄系化合物とポリリン酸との複合物が挙げられる。
【0040】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層には、耐光安定
剤として、(A):ポリオレフィン系樹脂ブレンドに作
用する耐光安定剤、及び(B):ハロゲン置換有機系化
合物に作用する耐光安定剤の1種以上を、ポリオレフィ
ン系樹脂ブレンド100重量部に対し、0.05〜3.
5重量部含有している。ポリオレフィン系樹脂ブレンド
用耐光安定剤(A)としては、ベンゾトリアゾール系化
合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系
化合物、サリシレート系化合物、ヒンダードアミン系化
合物が挙げられる。前記ベンゾトリアゾール系化合物と
しては、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブ
チル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジt
ert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert
−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(4’−オクトキシ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−
ビス(α,α−ジメチルベンジル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(2−
フェニルイソプロピル)ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−3’−(3'',4'',5'',6''
−テトラヒドロフタロイド−メチル)−5’−メチルフ
ェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス
〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル〕、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
フェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール
(分子量300)との縮合物などが挙げられる。
【0041】また前記ベンゾフェノン系化合物として
は、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフ
ェノン、2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノンなどが挙げられる。さらに前記シアノアクリレ
ート系化合物としてはエチル−2−シアノ−3,3−ジ
フェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シア
ノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどが挙げられ
る。さらに前記サリシレート系化合物としてはフェニル
サリシレート、4−t−ブチル−フェニルサリシレー
ト、4−t−オクチル−フェニルサリシレート、ビスフ
ェノールA−ジサリシレートなどが挙げられる。
【0042】さらに前記ヒンダードアミン系化合物とし
てはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキ
シ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチル
エチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4
−ヒドロキシフェニル〕メチル]ブチルマロネート、コ
ハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチル−1−ピペリジンエタノールの縮合物、N,
N’,N'',N''' −テトラキス[4,6−ビス〔ブチ
ル(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−4−イル)アミノ〕トリアジン−2−イル]−
4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、2,2,
4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ
ジスピロ[5.1.11.2]−ヘネイコサン−21−
オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキソ−
7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.1
1.2]−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエ
ステル/テトラデシルエステル、2,2,4,4−テト
ラメチル−7−オキサ−3,10−ジアザ−20(2,
3−エポキシプロピル)ジスピロ[5.1.11.2]
−ヘネイコサン−21−オンの重縮合物、プロパンジオ
ン酸[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペラジニ
ル)エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド−
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペラジニル)、ポリ[〔6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]、
ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミン
の重縮合物などが挙げられる。
【0043】ポリオレフィン系樹脂ブレンドに作用する
耐光安定剤(A)としては、上記化合物の単一種又は、
2種以上を組み合わせて使用することもできる。特にこ
れらの化合物の融点が150℃以下のものがポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドとの混練時、分散性の面で好まし
く、またヒンダードアミン系化合物を用いるときは、ピ
ペリジル基のN位水素が、メチル基などのアルキル基で
置換されたもの、及びメトキシ基などのアルコキシ基で
置換されたものを用いると、それと併用するハロゲン置
換有機系化合物の種類に拘わらず、耐光安定性がより向
上するため特に好ましい。これらの耐光安定剤(A)の
添加剤は、ポリオレフィン系樹脂ブレンド100重量部
に対して0.05〜2.0重量部であることが好まし
い。添加量が0.05未満であると、得られる樹脂被覆
層の耐光性が不満足なものになることがあり、またそれ
が2.0重量部を越えると、得られる樹脂被覆層の耐光
性は十分なものとなるが、添加量の増量に見合う耐光性
の向上が得られず、反対に耐光安定剤がブルームトラブ
ルを引き起こすことがある。
【0044】ハロゲン置換有機系化合物に作用する耐光
安定剤(B)としては、有機錫系化合物、亜鉛系金属複
合化合物、金属石ケン、エポキシ化油脂、ハイドロタル
サイト、ゼオライトが挙げられる。前記有機錫系化合物
としては、ブチル錫マレート系、ジブチル錫マレート
系、ブチル錫ラウレート系、ジブチル錫ラウレート系、
ジブチル錫マレートラウレート系、ジブチル錫ジマレー
ト系、ジブチル錫ジラウレート系、ジオクチル錫マレー
ト系、及びジオクチル錫ラウレート系の化合物、ブチル
錫マレートポリマー、オクチル錫マレートポリマーなど
のアルキル錫マレートポリマー、アルキル錫ラウレート
化合物、メチル錫メルカプト系、ブチル錫メルカプト、
ジオクチル錫メルカプト、モノ・ジ・オクチル錫メルカ
プト、オクチル錫メルカプトマレート、オクチル錫メル
カプトラウレート、亜鉛−マグネシウム含有オクチル錫
メルカプトなどのアルキル錫メルカプト化合物、その他
のブチル錫チオプロピオン酸塩、ジブチル錫チオプロピ
オン酸塩、オクチル錫ジチオプロピオン酸塩、ジオクチ
ル錫ジチオプロピオン酸塩などの(ジ)アルキル錫
(ジ)チオプロピオン酸塩などが挙げられる。
【0045】前記亜鉛系金属複合化合物としては亜鉛を
含む複数の金属を、リシノール酸、オレイン酸、2−エ
チルヘキソエン酸、C8 〜C12混合酸、ナフテン酸、樹
脂酸などの有機酸、及びフェノール、安息香酸、サリチ
ル酸などの芳香族酸及びこれらの誘導体などにより金属
石けん化して得られる化合物、例えば、カルシウム−亜
鉛複合系、バリウム−亜鉛複合系、マグネシウム−亜鉛
複合系、バリウム−マグネシウム−亜鉛複合系の化合物
が挙げられる。前記金属石けんとしてはステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸バリウム、ス
テアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ストロンチウ
ム、ステアリン酸ナトリウムなどが挙げられる。また前
記エポキシ化油脂としては大豆油、アマニ油、サフラワ
ー油、ひまわり油などのオレイン酸、オレイン酸、リノ
ール酸を含有する乾性油または半乾性油を過酸でエポキ
シ化して得られるエポキシ化植物油化合物、オレイン
酸、トール油脂肪酸、ヌカ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ア
マニ油脂肪酸などをアルコールでエステル化したものを
エポキシ化して得られるエポキシ化脂肪酸エステル化合
物、その他エポキシ化脂環化合物、ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、エポキシ化ブタジエンなどが挙げ
られる。
【0046】前記ハイドロタルサイトとしては〔M1-x
M’x (OH)2 Ax/n・mH2O〕で示される化合
物が挙げられる。(式中Mは、Mg,Mn,Fe,C
o,Ni,Cu,Znから選ばれ、M’は、Al,F
e,Cr,Co,Inから選ばれ、Aは、H,F,C
l,Br,NO2 ,CO3 ,SO4 ,Fe(CN)6
CH 2 COOから選ばれる)ハイドロタルサイトとして
はM=Mg,M’=Al,A=CO3 であるブルーサイ
ト型ハイドロタルサイトが好ましい。ブルーサイト型ハ
イドロタルサイトの結晶構造はプラス荷電のMg(O
H)2 層とCO3 アニオン及び層間水からなるマイナス
荷電の中間層が交互である多層構造を有している。これ
らの平均粒子径は0.1〜1.0μmであることが好ま
しく、さらにそのBET比表面積が5〜25m2 /gで
あることが好ましい。また〔M1-x M’x(OH)2
x/n・Ax/nmH2 O〕で示されるハイドロタルサ
イトを使用することもできる。またゼオライトとしては
結晶構造が〔M2 /nO・Al2 3 ・xSiO2 ・y
2 O〕で示されるA型ゼオライトが挙げられる。
【0047】ポリオレフィン系樹脂ブレンドに作用する
耐光安定剤(B)としては、上記化合物から選ばれた単
一種、或は2種以上を組み合わせて使用することもでき
る。これらの耐光安定剤(B)の添加量は、ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンド100重量部に対して0.05〜
2.0重量部であることが好ましい。その添加量が0.
05未満であると、得られる樹脂被覆層の耐光性が不十
分になることがあり、またそれが2.0重量部を越える
と、得られる樹脂被覆層の耐光性は十分なものとなる
が、添加量の増量に見合う耐光性の向上が得られず、反
対に耐光安定剤のブルーム、ブリードなどのトラブルを
引き起こすことがある。本発明の難燃化耐光性ポリオレ
フィン系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層には
耐光安定剤として、(A):ポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドに作用する耐光安定剤と、(B):ハロゲン置換有
機系化合物に作用する耐光安定剤から選ばれた2種以上
とが含まれていることが好ましく、耐光安定剤(A)及
び(B)の合計配合量は、ポリオレフィン系樹脂ブレン
ド100重量部に対し、0.05〜3.5重量部である
ことが好ましい。添加量が0.05未満であると、得ら
れる樹脂被覆層の耐光性が不十分であり、またそれが
3.5重量部を越えると、耐光性は十分なものとなる
が、添加量の増量に見合う耐光性の向上が得られず、耐
光安定剤のブルーム、ブリードなどのトラブルの原因と
なる。また、耐光安定剤(A)及び(B)の併用比には
特に限定はないが、一般に2:1〜1:2(重量比)で
用いられることが好ましい。
【0048】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層には、有機系顔
料及び/又は無機系顔料によって着色(白色を含む)さ
れていてもよい。有機系顔料としては従来公知のものが
使用でき、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔
料、染付けレーキ顔料、アントラキノン系顔料類、チオ
インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キ
ナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、キノフタロン系顔料など、その他ニトロソ
顔料、アリザリンレーキ顔料、金属錯塩アゾメチン顔
料、アニリン系顔料などが例示できる。
【0049】また無機系顔料としては例えば、酸化亜鉛
(亜鉛華)、酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)、
三酸化アンチモン、酸化鉄、酸化鉛、酸化クロム、酸化
ジルコニウム、スピネル型(XY24 )構造酸化物、
ルチル型〔Ti(XY)O2〕構造酸化物などの金属酸
化物、硫化亜鉛と硫酸バリウムの複合物(リトポン)、
硫化カルシウム、硫化亜鉛などの金属硫化物、硫酸バリ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛などの金属硫酸化物、炭
酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸
鉛と水酸化鉛の複合物(鉛白)などの金属炭酸化物、水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム(アルミナホワ
イト)、水酸化アルミニウムと硫酸カルシウムの複合物
(サチン白)、水酸化アルミニウムと硫酸バリウムの複
合物(グロスホワイト)などの金属水酸化物、クロム酸
鉛(黄鉛)、クロム酸バリウムなどのクロム酸金属塩、
その他カーボンブラック、チタンブラック、アセチレン
ブラック、黒鉛、ホワイトカーボン、ケイ藻土、タル
ク、クレー、アルミニウム粉末、着色アルミニウム粉
末、金属蒸着フィルムの破砕体、銀白色雲母チタン、着
色雲母チタン、二色性干渉雲母チタンなどが例示でき
る。これらの顔料は単一種でも、或は2種以上を組み合
わせて使用でき、添加量に制限はない。また、表裏のポ
リオレフィン系樹脂被覆層の色相、濃度、彩度などが異
なった組み合わせであってもよい。
【0050】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートの製造方法は、下記工程: (A)(a)メタロセン触媒の存在下でエチレンとα−
オレフィンとを共重合して得られた直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂からなる主成分と、(b)エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸
(エステル)共重合体から選ばれて少なくとも1種から
なるブレンド成分と、を含むポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドのペレットを、前記ブレンド成分中に含まれる共重
合した酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)
の合計含有量が、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドの
重量に対して5〜30重量%になるように調製し、
(B)前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドと、その10
0重量%に対し、5重量部をこえる含有量の、少なくと
も1種のハロゲン置換有機系化合物を含有する難燃化剤
とを含む、難燃化剤含有ペレットを調製し、(C)前記
難燃化剤含有ペレットとは別に、前記ポリオレフィン系
樹脂ブレンドに、その100重量部に対し0.05重量
部をこえる配合量の耐光安定剤を配合して耐光安定剤含
有ペレットを調製し、(D)前記難燃化剤含有ペレット
と、前記耐光安定剤含有ペレットとを配合し、前記ポリ
オレフィン系樹脂ブレンド合計重量100重量部に対し
前記難燃化剤の配合量が5〜100重量になり、前記耐
光安定剤の配合量が0.005〜3.5重量部になるよ
うに、調整して、コンパウンドを調製し、(E)前記コ
ンパウンドからフィルムを作製し、(F)前記フィルム
を、繊維布帛からなる基布の両面に積層結着すること、
を含むことを特徴とするものである。本発明の製造方法
の前記コンパウンドの調製工程(D)において、ポリオ
レフィン系樹脂ブレンド、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)
共重合体樹脂の少なくとも1種のペレットをさらに配合
してもよい。また、本発明の製造方法の前記難燃化剤含
有ペレット調製工程(B)において、前記ハロゲン置換
有機系化合物含有難燃化剤が、前記ハロゲン置換有機系
化合物に加えて、さらに無機系化合物を含み、前記ハロ
ゲン置換有機系化合物と無機系化合物との合計重量を、
前記難燃化剤含有ペレット中の前記ポリオレフィン系樹
脂ブレンド100重量部に対し5重量部をこえ、かつ前
記コンパウンド調製工程(D)において、前記ポリオレ
フィン系樹脂ブレンドの合計重量100重量部に対し、
5〜100重量部であるように調整することが好まし
い。本発明の製造方法の前記難燃化剤含有ペレットの調
整工程(B)において、(1)前記ポリオレフィン系樹
脂ブレンドと前記ハロゲン置換有機系化合物とを含むハ
ロゲン化置換有機系化合物含有ペレット、及び(2)前
記ポリオレフィン系樹脂ブレンドと少なくとも1種の無
機系化合物とを含む無機系化合物含有ペレット、の混合
物を調製し、但し、前記ハロゲン置換有機系化合物と前
記無機系化合物との合計重量を、前記難燃化剤含有ペレ
ット中の前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドの合計重量
100重量部に対し5重量部をこえ、かつ、前記コンパ
ウンド中において、前記ポリオレフィン系樹脂の合計重
量100重量部に対し5〜100重量部であるように調
整することが好ましい。また本発明の製造方法の前記コ
ンパウンド調製工程(D)において、前記ポリオレフィ
ン系樹脂ブレンドに、その100重量に対し、5重量部
をこえる配合量のリン含有化合物を含有させたリン含有
化合物含有ペレットを、さらに配合し、得られるコンパ
ウンド中のリン含有化合物の含有量が、ポリオレフィン
系樹脂ブレンドの合計重量100重量部に対し5〜50
重量部になるように調整することが好ましい。さらに本
発明の製造方法において、前記難燃化剤含有ペレット
に、前記難燃化剤に加えて、さらに、リン含有化合物を
含有させ、このリン含有化合物の配合量を、前記ポリオ
レフィン系樹脂ブレンド100重量部に対して、5重量
部をこえ、前記コンパウンド中の前記ポリオレフィン系
樹脂ブレンドの合計重量100重量部に対し、5〜10
重量部であるように調整することが好ましい。
【0051】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムは、
従来公知のフィルム形成加工方法、例えばT−ダイス押
出法、インフレーション法、カレンダー法などによって
製造することができる。ポリオレフィン系樹脂ブレンド
のコンパウンドは、例えば、バンバリーミキサー、又は
ニーダーで溶融混練し、この混練物をカレンダー成型す
る方法によって、また二軸混練機などを用いて溶融混練
後、この混練物を単軸押出機、二軸押出機などで溶融混
練造粒し、得られたペレットをT−ダイス押出成型、イ
ンフレーション成型などの方法によってフィルム成型す
ることができる。本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン
系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルム
は、ハロゲン置換有機系化合物含有難燃化剤、高濃度で
含有させたポリオレフィン系樹脂ブレンドのペレット、
またはハロゲン置換有機系化合物、及び無機系化合物を
別々に高濃度で含有させたポリオレフィン系樹脂ブレン
ドのペレットを予め製造しておき、これをポリオレフィ
ン系樹脂被覆層用フィルムを形成するためのコンパウン
ド組成樹脂の一部として配合してバンバリーミキサー、
ニーダーなどで溶融混練し、この混練物をカレンダー法
に供してフィルム成型することができる。この方法は、
ハロゲン置換有機系化合物、及び無機系化合物の定量分
散を確実にするために好ましい。従来の一括混練法では
これらハロゲン置換有機系化合物、及び無機系化合物粉
体がバンバリーミキサー、ニーダーなど混練機の中に沈
降、凝集して残留してしまうことがあり、このためポリ
オレフィン系樹脂ブレンドに対してハロゲン置換有機系
化合物、及び無機系化合物の定量分散が不完全となっ
て、この結果消防法に定められる防炎規格(消防法施工
規則第4条:JIS規格L−1091)に不適合となる
ことがある。またこのポリオレフィン系樹脂被覆層用フ
ィルムを形成するためのコンパウンド組成樹脂には、さ
らにリン含有化合物を含有させていてもよく、このリン
含有化合物は、ポリオレフィン系樹脂ブレンド中に、リ
ン含有化合物単体を高濃度で含有させたペレット、ある
いはハロゲン置換有機系化合物含有難燃化剤と一括して
高濃度に含有させたペレットであることが好ましい。上
記これらのペレットには、難燃化剤以外に有機系顔料、
無機系顔料などの着色剤、及び耐光安定剤などを含ませ
て、溶融混練し、ペレットに造粒されていてもよい。
【0052】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートのポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムは、
上記コンパウンドを用いてT−ダイス押出法、インフレ
ーション法、カレンダー法などの加工技術によって製造
することができるが、特に有機系顔料、無機系顔料など
によって着色されたフィルムの製造、あるいは色替え作
業の多い加工には、カレンダー法を用いると、コンパウ
ンドロスが少なく簡便であるという利点が得られる。本
発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートのポリ
オレフィン系樹脂被覆層用フィルムのカレンダー法によ
る成形においては、100〜200℃の温度範囲で行わ
れることが好ましく、成型時の加工性とフィルム外観を
向上させる目的で、リン酸エステル系、脂肪族アミド
系、及び/又はモンタン酸系の滑剤を添加してもよい。
カレンダー加工により得られるポリオレフィン系樹脂被
覆層用フィルムの厚さは、80〜500μm、特に13
0〜300μmであることが好ましい。フィルムの厚さ
がこの範囲よりも薄いと、成型加工が困難であり、かつ
繊維布帛にラミネートした時に繊維布帛の織交点部でフ
ィルムの頭切れを起こし、防水性を損なうことがあり、
さらに、シートの耐久性が不十分になることがある。本
発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートの厚さ
に制限はないが、厚さ80〜500μmのポリオレフィ
ン系樹脂被覆層用フィルム1〜4枚を繊維布帛基布にラ
ミネートすることが好ましい。特に厚さ130〜300
μmのフィルム2枚を用いて、繊維布帛基布の両面にポ
リオレフィン系樹脂被覆層が形成されることが好まし
い。
【0053】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートの基布として使用できる繊維布帛は、織布、編
布のいずれでもよく、織布としては平織、綾織、繻子織
などが挙げられるが、特に平織織布を用いると、得られ
るポリオレフィン系樹脂シートの経・緯物性バランスに
優れている。繊維布帛の経糸・緯糸用糸条は、合成繊
維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維またはこれらの2
種以上から成る混用繊維のいずれであってもよいが、加
工性と汎用性とにすぐれているポリプロピレン繊維、ポ
リエチレン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、芳
香族ポリエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミ
ド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維などの糸条が
好ましく使用される。また、これらの繊維糸条は、マル
チフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、モノフィラメン
ト糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれ
の形状でも使用できるが、マルチフィラメント糸条が最
も好ましい。また無機繊維としてはガラス繊維、シリカ
繊維、アルミナ繊維、炭素繊維などのマルチフィラメン
ト糸条が使用できる。本発明の高周波融着性ポリオレフ
ィン系樹脂シートの基布として使用される繊維織布とし
ては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレ
ン繊維、ビニロン繊維、及びこれらの混用繊維からなる
マルチフィラメント繊維糸条による平織織布であること
が好ましい。
【0054】マルチフィラメント糸条の紡糸法として
は、上記ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンなど
の熱可塑性樹脂を溶融温度(融点)以上の温度に加熱し
て流動性の粘重な溶融液化し、これを特定の口径(0.
2〜0.6mmφ程度)の細孔を多数有する紡糸口金を通
過させて空気、窒素、水などの不活性冷却媒体中に押出
して急激に冷却固化させて長繊維紡糸原糸とする従来公
知の溶融紡糸法及び設備を用いて製造する方法が挙げら
れる。この未延伸の長繊維紡糸原糸は80〜100℃の
加熱延伸、または常温近傍の冷延伸によって3.0〜
5.0倍に延伸し、繊維のミクロ構造を配列、結晶化さ
せて繊維に強度を持たせることができる。この延伸工程
は紡糸工程に組み込まれていてもよく、また、延伸工程
とマルチフィラメントの撚糸工程が同時に行われること
が好ましい。更に必要に応じて熱処理又は/及び2段延
伸がなされていてもよい。これらの溶融紡糸速度は、使
用する熱可塑性樹脂の種類と設備により紡糸速度が各々
異なるため、特に規定はないが、例えばポリエステル樹
脂から溶融紡糸する場合の紡糸速度としては、1000
〜10000m/min 、特に2000〜6000m/mi
n の速度で紡糸されたものが好ましく使用できる。
【0055】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートの繊維布帛に使用されるマルチフィラメント糸
条としては138.9〜2222.2dtex(125〜2
000デニール)のもの、特に277.8〜1111.
1dtex(250〜1000デニール)のマルチフィラメ
ント糸条が使用できる。マルチフィラメント糸条が13
8.9dtex(125デニール)未満では得られるシート
の引裂強力が不十分になることがあり、またそれが22
22.2dtex(2000デニール)を超えると、得られ
るシートの破断強力及び引裂強力は向上するが、糸の径
が太くなりそれに伴って、シートが厚くなると同時に、
繊維布帛の織交点の凹凸が大きくなり、平滑性が低下
し、好ましくない。また本発明の高周波融着性ポリオレ
フィン系樹脂シートに基布として使用する繊維布帛は目
抜け平織であることが好ましい。繊維布帛の経糸及び緯
糸の打込み本数に特に限定はないが、138.9〜22
22.2dtex(125〜2000デニール)のマルチフ
ィラメント糸条を、経糸・緯糸1インチ当たり8〜38
本打込んで得られる織布、例えば555.6dtex(50
0デニール)のマルチフィラメント糸条の場合1インチ
当たり14〜24本の打ち込み本数で得られる平織織
布、1111.1dtex(1000デニール)のマルチフ
ィラメント糸条の場合1インチ当たり12〜22本程度
の打込みで得られる平織織布が例示できる。
【0056】また、これらの繊維布帛の空隙率(目抜
け)は、5〜30%であることが好ましい。空隙率は繊
維布帛の単位面積中に、繊維糸条が占める面積を百分率
を求め、これを100から差し引いた値として求めるこ
とができる。空隙率は経方向10cm×緯方向10cmを単
位面積として求めることが好ましい。基布用繊維布帛の
空隙率が5%未満であると糸密度が高すぎて、得られる
シートのフレキシブル性が不十分になることがあり、ま
た繊維布帛の表裏面に形成される2枚のポリオレフィン
系樹脂被覆層相互のブリッジ融着性が不十分になり、動
的耐久性が不十分になることがある。また、空隙率が3
0%を越えると、フレキシブル性とフィルムのブリッジ
融着性は向上するが、経緯方向の繊維糸条の含有量が少
なくなりすぎて得られるシートの寸法及び形状安定性が
不十分になることがあり、シートの引裂き強度が不十分
になって、実用性が不満足なものとなることがある。
【0057】また、本発明の難燃化耐光性ポリオレフィ
ン系樹脂シートに基布として使用する繊維布帛には、ケ
イ素化合物含有処理剤によって前処理された繊維布帛を
使用してもよい。ケイ素化合物含有処理剤としては、合
成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、シランカップリン
グ剤から選ばれた1種以上からなる組成物、及び合成非
晶質シリカ、コロイダルシリカ、シランカップリング剤
から選ばれた1種以上と熱可塑性樹脂とからなる組成物
が挙げられる。これらのケイ素化合物のうち、合成非晶
質シリカとしては、1000℃以上の高温加熱または焼
成による乾式法によって生成するシリカ粒子表面の吸着
水及び、水酸基の含有量の少ない無水シリカ、ケイ酸ナ
トリウムと鉱酸からシリカゲルを生成させ、シリカゲル
中の水分をアルコールのような有機溶媒で置換したオル
ガノゾルを乾燥させるエアロゲル法によって得られるシ
リカ、及びケイ酸ナトリウムと鉱酸及び、塩類を水溶液
中で反応させる湿式法により得られるシリカなどが使用
できる。これらのシリカの、平均粒子径は1〜20μm
程度であることが好ましい。前記繊維布帛の下処理は、
例えばケイ素化合物含有処理剤を水中に均一分散させ、
SiO2 含有濃度を10〜30重量%に調製し、この処
理浴中に基布用繊維布帛を浸漬し、浴から引上げると同
時にニップロールを通過させて余分な処理液を除去し、
水分を乾燥させればよい。また繊維布帛に対するケイ素
化合物の付着率には特に限定はないが、付着率が3〜1
0重量%であることが好ましい。この時、合成非晶質シ
リカとシランカップリング剤とを併用することが好まし
い。
【0058】コロイダルシリカとしては、ケイ酸ナトリ
ウム溶液を陽イオン交換することによって得られ、BE
T平均粒子径が10〜50nmの水分散媒コロイド状のシ
リカゾル(SiO2 )、または、有機系溶剤を分散媒と
するBET平均粒子径10〜50nmのコロイド状シリカ
ゾル(SiO2 )が使用できる。前記繊維布帛の下処理
は、SiO2 含有濃度5〜30重量%のコロイダルシリ
カ浴中に繊維布帛を浸漬し、浴から引上げると同時にニ
ップロールを通過させ、余分なコロイダルシリカを除去
し、水分または有機系溶剤を乾燥させて行うことができ
る。また繊維布帛に対する付着率としては特に限定はな
いが、付着率が3〜10重量%であることが好ましい。
この時コロイダルシリカとシリンカップリング剤とを併
用することが好ましい。
【0059】シリンカップリング剤としては、一般式:
XR−Si(Y)3 で表される分子中に2個以上の異な
った反応基を有する化合物で、例えば、X=アミノ基、
ビニル基、エポキシ基、クロル基、メルカプト基など、
R=アルキル鎖、Y=メトキシ基、エトキシ基などであ
る。またこれらの加水分解物、及びアルコキシシラン化
合物との共加水分解化合物なども使用できる。具体的に
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γク
ロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、特にエポ
キシ系シランカップリング剤を使用することが好まし
い。
【0060】シランカップリング剤は1〜5重量%濃度
で使用され、蟻酸、酢酸などの酸を用いてpH3〜5の条
件に調整されることが好ましい。前記繊維布帛の下処理
はシランカップリング剤水溶液浴中に繊維布帛を浸漬
し、浴から引上げると同時にニップロールを通過させ、
余分なシランカップリング剤水溶液を除去し、水分を乾
燥させて行うことができる。この時、合成非晶質シリカ
またはコロイダルシリカとを併用することが好ましく、
繊維布帛に対する付着率には特に限定はないが、付着率
が3〜10重量%であることが好ましい。
【0061】上記基布用繊維布用の下処理剤として、ケ
イ素化合物と共に用いられる熱可塑性樹脂としては、熱
可塑性樹脂のエマルジョン、ディスパージョンなどの水
分散体の形態、または有機系溶剤中に可溶化させた形態
が使用でき、アイオノマー樹脂、アルリル系樹脂、酢酸
ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂及びこれらの変性体樹脂などが使用できる。特
にメタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、無水イタコン酸、無水マレイン酸、N−メチ
ルマレイミドなどによって変性されたエチレン系共重合
体樹脂、及びアクリル系共重合体樹脂を用いることが好
ましい。また必要に応じてフェノール系樹脂、メラミン
系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポ
キシ系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂、アリルフタ
レート系樹脂などの熱硬化性樹脂をブレンドしてもよ
い。前記繊維布帛の下処理はこれらの熱可塑性樹脂エマ
ルジョンまたはディスパージョンと、前記ケイ素化合物
とを混合した水系処理液浴中に繊維布帛を浸漬し、浴か
ら引上げると同時にニップロールを通過させ、余分な下
処理液を除去し、水分を乾燥させることにより行うこと
ができる。また溶剤系熱可塑性樹脂の場合も同様の方法
によって下処理を行うことができる。熱可塑性樹脂固形
分とケイ素化合物の固形分重量比に特に制限はないが、
一般に熱可塑性樹脂:ケイ素化合物(合成非晶質シリ
カ)/10〜50:90〜50重量%程度であることが
好ましい。
【0062】これらケイ素化合物含有処理剤によって下
処理された基布用繊維布帛には、前記合成非晶質シリカ
を3〜25重量%含有するポリオレフィン系樹脂被覆層
用フィルムを積層することが好ましい。本発明におい
て、上記熱可塑性樹脂:ケイ素化合物混合比が10〜5
0:90〜50重量%であるケイ素化合物含有処理剤が
少なくともシランカップリング剤を含み、かつ、ポリオ
レフィン系樹脂ブレンド被覆層用フィルム層が、前記合
成非晶質シリカを3〜25重量%含有することが好まし
い。
【0063】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートは、上記繊維織布からなる基布の両面に、ポリ
オレフィン系樹脂被覆層用フィルムが積層されている。
積層の方法としては、ポリオレフィン系樹脂被覆層用フ
ィルムと繊維布帛との間に接着剤層を設けてもよいし、
接着剤なしで積層融着してもよい。本発明の難燃化耐光
性ポリオレフィン系樹脂シートに用いる積層方法におい
て、ポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの成型加工
と、同時に繊維布帛の各面上に熱ラミネートするカレン
ダートッピング法、またはT−ダイス押出ラミネート法
が用いられてもよく、あるいはカレンダー法、T−ダイ
ス押出法、インフレーション法などによりポリオレフィ
ン系樹脂被覆層用フィルムを一旦成型加工した後に、ラ
ミネーターを使用して2枚のポリオレフィン系樹脂被覆
層用フィルムを一度に熱圧着して繊維布帛との積層を行
う方法などが挙げられる、本発明の難燃化耐光性ポリオ
レフィン系樹脂シートの製造には、カレンダー法によっ
て成型加工されたポリオレフィン系樹脂被覆層用フィル
ムと繊維布帛との熱圧着による製造方法が、効率的かつ
経済的であり、好ましく用いられる。このとき、基布用
繊維布帛の目抜け空隙部を介在して表と裏の2枚のポリ
オレフィン系樹脂ブレンドフィルムが熱溶融ブリッジす
るから、特別な接着剤の塗布及び余分な工程を必要とせ
ずに良好な密着性と耐久性が得られる。
【0064】本発明の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
脂シートの接合は、高周波ウエルダーによる融着によっ
て接合を容易に行うことができる。高周波ウエルダー接
合法としては、具体的には、2枚以上の本発明のポリオ
レフィン系樹脂シートまたは、本発明のポリオレフィン
系樹脂シートと熱融着しうる他の熱可塑性樹脂成型物の
一部とを重ね合わせ、2ケ所の電極(一方の電極は、ウ
エルドバーである)間に置き、接合する部分にウエルド
バーを加圧しながら電極に高周波(1〜200MHz )で
発振する電位差を印加し、ウエルドバーで加圧、印加し
た部分に発生する熱可塑性樹脂の分子摩擦熱により、こ
れらの重ね合わせ部分を熱融着して接着、シールする。
この場合、熱可塑性樹脂の誘電損率すなわち、誘電率
(ε)と誘電正接(tanδ)との積量(ε.tan
δ)が、高周波により発振する内部分子摩擦熱の大きさ
に関係している。誘電正接は、熱可塑性樹脂により吸収
された高周波電磁放射線エネルギーが熱に変換される部
分の関数であり、誘電損率は少なくとも0.01以上で
あることが好ましい。高周波ウエルダー融着機としては
市販の機種、例えば、山本ビニター(株)のYC−70
00FT,YF−7000など、精電舎電子工業(株)
のKM−5000TA,KA−7000TEなど、クイ
ンライト電子精工(株)のLW−4000W,LW−4
060Sなどが使用できる。
【0065】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの例の範囲に限定されるもの
ではない。
【0066】下記実施例、及び比較例において本発明の
ポリオレフィン系樹脂シートの防炎性の評価、耐光性の
評価、加工性の評価、及び高周波ウエルダー融着性の評
価、接合部強度の評価などを下記試験方法により行っ
た。
【0067】(I)ポリオレフィン系樹脂シートの防炎
性の評価 消防法施工規則第4条(JIS規格L−1091:A−
2法区分3:2分加熱)に従い試験し、下記の判定基準
により評価した。 ○:炭化面積40cm2 以下、残炎時間5秒以下、残じん
時間20秒以下、炭化距離20cm以下である。 ×:炭化面積、残炎時間、残じん時間、炭化距離の項目
の1項目以上が規格数値を超えている。
【0068】(II)ポリオレフィン系樹脂シートの耐光
性の評価 サンシャインカーボンウエザーメーターによる耐光促進
試験(JIS規格L−0842)を500時間行い、促
進前の試料を基準とし、試料の表面の変退色度合を、色
差ΔE(JIS規格Z−8729)として数値化し、以
下の判定基準にて変色性の評価を行った。 ΔE=0〜2.9:○=変色がなく良好。初期の状態を
維持している。 ΔE=3〜7.9:△=多少変色があるが、実用上問題
がない。 ΔE=8〜 :×=変色が、著しく目立ち実用が困
難である。 また、0.3mm厚フィルム500時間耐光促進試験後の
残存強度を測定し、その強度保持率を求めた。(JIS
規格K−6301)
【0069】(III) 高周波ウエルダー融着性の評価 2枚のポリオレフィン系樹脂シートの端末を4cm幅で直
線状に重ね合わせ、4cm×30cmのウエルドバー(歯
形:凸部は等間隔4cm幅直線状賦型9本/25.4mm、
凸部高さ0.5mm:凹部は等間隔4cm幅直線状賦型9本
/25.4mm、凹部深さ0.5mm)を装着した高周波ウ
エルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000
型:出力7KW)を用いて、前記ポリオレフィン系樹脂シ
ートの重ね合わせ部に高周波融着接合を施した。また融
着接合部を含む3cm幅の試料を採取し、融着接合部の剪
断試験(JIS規格l−1096)を行い、接合部の破
壊状態を以下の判定基準によって評価した。 <高周波融着性> ○:融着が容易である。 ※ウエルダー融着条件:融着時間5秒、冷却時間5秒 陽極電流0.8A、ウエルドバー温度40〜50℃ △:融着条件を強く、かつ長くすることで融着可能であ
る。 ※ウエルダー融着条件:融着時間10秒、冷却時間5秒 陽極電流1.0A、ウエルドバー温度40〜60℃ ×:融着条件を強く、かつ長く設定しても融着しない。 ※ウエルダー融着条件:融着時間10秒、冷却時間5秒 陽極電流1.3A、ウエルドバー温度40〜60℃
【0070】(IV)接合部強度の評価 (III)のウエルダー融着シートより、幅4cmの重ね合わ
せ部を含み、試験片幅3cm、試験片長30cmの試験片を
採取し、引張試験機(東洋精機製作所(株)製:ストロ
グラフV10型)を使用して試験片が破壊するまで引張
した。 ○:接合部以外で破壊した。 △:接合部で一部糸抜け破壊した。 ×:接合部の糸抜け破壊した。
【0071】(V)加工性の評価 ロール間ギャップを1mmに設定し、加熱温度140℃に
設定された6インチ径の2本ロール(テストロール)
に、供試ポリオレフィン系樹脂コンパウンド100gを
投入し、コンパウンドの混練を5分間行った。次に混練
で得られた1mm厚のシートを用いてJIS規格K−72
31に規定される限界酸素指数を測定した。 ○:混練が容易で5分以内に完了した。得られたコンパ
ウンドの限界酸素指数は設計値の±2%未満であった。 △:5分以内では完全な混練が困難で、ロールの下に粉
体がこぼれ落ちていた。得られたコンパウンドの限界酸
素指数は設計値の±2〜5%であった。 ×:5分以内では完全な混練が困難で、ロールの下に粉
体がこぼれ落ちていた。得られたコンパウンドの限界酸
素指数は設計値の±5%であった。
【0072】(VI)シートの耐摩耗性 JIS規格L−1096:摩耗強さ試験C法(テーパ形
法:摩耗輪CS−18:荷重1kg)により摩耗減量を求
め、下記の判定基準により評価した。 ○:摩耗減量30mg以下 △:摩耗減量31〜99mg ×:摩耗減量100mg以上
【0073】(VII) シートの耐ブルーム(ブリード)
性の評価 (V)のシートから10cm×10cmサイズの試料を採取
し、これを0℃の冷蔵庫中に24時間静置し、次に40
℃に設定したギアーオーブン中に24時間静置した。こ
れを1サイクルとして、0℃→40℃→0℃→40℃→
0℃の環境温度変化を連続させて5サイクル目の試料の
表面を目視観察した。 ○:ブルームが確認されない(外観がたもたれている) △:わずかにブルームが認められる(外観が曇ってい
る) ×:ブルームが著しい(表面が白くなっている)
【0074】実施例1 メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(1)(商標:カーネルKF3
60:MFR2.0:密度0.898:日本ポリケム
(株)製)30重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂(1)(商標:エバテートK2010:MFR
3.0:VA含有量25重量%:住友化学工業(株)
製)40重量部からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド
70重量部に、臭素置換有機化合物(1)(商標SAY
TEX8010:エチレンビスペンタブロモジフェニ
ル:臭素含有率82重量%:アルベマール浅野(株)
製)35重量部を配合し、得られた樹脂コンパウンドを
2軸押出し機(サーモ・プラスティックス工業(株):
TPP−20F:ホットカットペレタイジング装置)を
用いて臭素置換有機化合物(1)を33.3重量%濃度
で含有する3.5mm角立方体状のペレットを造粒した。
【0075】次に得られた臭素置換有機化合物(1)含
有のペレット105重量部に対し、メタロセン系触媒の
存在下の重合により得られた直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂(1)(商標:カーネルKF360:MFR2.
0:密度0.898:日本ポリケム(株)製)30重量
部と、耐光安定剤(A−1)(商標:バイオソープ51
0:2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール:共同薬品(株)製)0.5重
量部と、耐光安定剤(A−2)(商標:チヌビン76
5:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート:チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製)0.5重量部と、耐光安定剤(B−1)
(商標:KS−1010A−1:ジオクチル錫マレート
ポリマー:共同薬品(株)製)1.0重量部と、リン酸
エステル系滑剤(商標:LTP−2:川研ファインケミ
カル(株)製)1.0重量部と、着色顔料含有樹脂ペレ
ット〔(有機系顔料カラードペレット:商標:HCM1
617ブルー:シアニンブルー(α)含有率20重量
%:大日精化工業(株)製)1重量部と無機系顔料カラ
ードペレット:商標:HCM2060ホワイト:二酸化
チタン(R)60重量%:大日精化工業(株)製)2重
量部〕3重量部と、を配合した。
【0076】得られたコンパウンドを温度150℃設定
されたテストロール(西村製作所(株):6インチ径2
本ロール)で5分間混練した後、テストロールのロール
間隔を0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ
0.17mmの、酢酸ビニル成分を10重量%含有し、L
OI値32.4のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィル
ムを得た。次にこのフィルムを、ポリエステル平織織布
(277.8dtex(250デニール)ポリエステルマル
チフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸
21本/2.54cm、空隙率20%、質量55g/m
2 )の両面に、140℃に設定された熱ロールと圧着ロ
ール対を有するラミネーターを用いて貼り合わせた。厚
さ0.45mm、質量465g/m2 のポリオレフィン系
樹脂シートが得られた。
【0077】実施例2 メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:エボリューSP
2020:MFR1.7:密度0.917:三井化学
(株)製)20重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂(2)(商標:エバフレックスP1905、MF
R2.5、VA含有量19重量%、三井デュポンポリケ
ミカル(株)製)50重量部からなるポリオレフィン系
樹脂ブレンド70重量部に対し、臭素置換有機化合物
(1)(商標:SAYTEX8010、エチレンビスペ
ンタブロモジフェニル、臭素含有率82重量%、アルベ
マール浅野(株)製)35重量部を配合してコンパウン
ドを調製し、このコンパウンドを2軸押出し機(実施例
1と同一)を用いて、前記臭素置換有機化合物(1)を
33.3重量%濃度で含有する、3.5mm角立方体状ペ
レットを造粒した。
【0078】次に得られた臭素置換有機化合物(1)含
有ペレット105重量部に、メタロセン系触媒の存在下
の重合により得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(2)(商標:エボリューSP2020:MFR1.
7:密度0.917:三井化学(株)製)30重量部
と、耐光安定剤(A−1)(商標:バイオソープ51
0:2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール:共同薬品(株)製)0.5重
量部と、耐光安定剤(A−2)(商標:チヌビン76
5:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート:チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製)0.5重量部と、耐光安定剤(B−1)
(商標:KS−1010A−1、ジオクチル錫マレート
ポリマー、共同製品(株)製)1.0重量部と、リン酸
エステル系滑剤(商標:LTP−2、川研ファインケミ
カル(株)製)1.0重量部と、着色顔料ペレット
〔(有機系顔料カラードペレット、商標:HCM161
7ブルー、シアニンブルー(α)含有率20重量%:大
日精化工業(株)製)1重量部+無機系顔料カラードペ
レット、商標HCM2060ホワイト、二酸化チタン
(R)60重量%、大日精化工業(株)製〕2重量部〕
3重量部と、を配合した。
【0079】得られたコンパウンドを、温度150℃設
定されたテストロール(実施例1と同一)で5分間混練
した後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整
し、カレンダー圧延により、厚さ0.17mmの、酢酸ビ
ニル成分を10重量%含有し、LOI値32.3のポリ
オレフィン系樹脂被覆層用フィルムを形成した。次にこ
のフィルムを、ポリプロピレン平織織布(377.8dt
ex(340デニール)ポリプロピレンマルチフィラメン
ト、糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.
54cm、空隙率18%、質量65g/m2 )の両面に1
40℃に設定したラミネーターで熱圧着して貼り合わ
せ、厚さ0.46mm、質量480g/m2のポリオレフ
ィン系樹脂シートを製造した。
【0080】実施例3 メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた前記直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂(1)30重量部と、前記
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(1)40重量部と
からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に対
し、臭素置換有機化合物(1)(商標:SAYTEX8
010、エチレンビスペンタブロモジフェニル、臭素含
有率82重量%、アルベマール浅野(株)製)25重量
部と、無機系化合物(商標:パトックスL、三酸化アン
チモン、日本精鉱(株)製)10重量部と、を配合し、
得られたコンパウンドを2軸押出し機(実施例1と同
一)を用いて前記臭素置換有機化合物(1)と前記無機
系化合物とを合計量33.3重量%濃度で含有する3.
5mm角立方体状のペレットを造粒した。
【0081】次に得られたペレット105重量部に対
し、メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた前
記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(1)30重量部と、
前記耐光安定剤(A−1)0.5重量部と、耐光安定剤
(A−3)(商標:チヌビン114、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[〔3,
5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ
フェニル〕メチル]ブチルマロネート、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)0.5重量部と、前記耐
光安定剤(B−1)1.0重量部と、リン酸エステル系
滑剤(実施例1と同一)1.0重量部と、着色顔料ペレ
ット(顔料カラードペレット:実施例1と同一)3重量
部とを配合した。
【0082】得られたコンパウンドを温度150℃設定
されたテストロール(実施例1と同一)で5分間混練し
た後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整
し、カレンダー圧延により厚さ0.17mmの、酢酸ビニ
ル成分を10重量%含有し、LOI値35.6のポリオ
レフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られた
フィルムを、ポリエステル平織織布(277.8dtex
(250デニール)ポリエステルマルチフィラメント、
糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54
cm、空隙率17%、質量55g/m2 )の両面に、温度
140℃に設定された熱ロールと圧着ロール対を有する
ラミネーターを用いて貼り合わせ、厚さ0.45mm、質
量465g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを作製
した。
【0083】実施例4 メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた前記直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)20重量部と、前記
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(2)50重量部か
らなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に対
し、臭素置換有機化合物(1)(商標:SAYTEX8
010、エチレンビスペンタブロモジフェニル、臭素含
有率82重量%、アルベマール浅野(株)製)25重量
部と無機系化合物(商標:パトックスL、三酸化アンチ
モン、日本精鉱(株)製)10重量部とを配合したコン
パウンドを、2軸押出し機(実施例1と同一)を用い
て、臭素置換有機化合物(1)と無機系化合物とを3
3.3重量%の合計濃度で含有する、3.5mm角立方体
状のペレットを造粒した。
【0084】次に得られたペレット105重量部に対
し、メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた前
記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)30重量部と、
前記耐光安定剤(A−1)0.5重量部と、耐光安定剤
(A−3)(商標:チヌビン114、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[〔3,
5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ
フェニル〕メチル]ブチルマロネート、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)0.5重量部と、前記耐
光安定剤(B−1)1.0重量部と、リン酸エステル系
滑剤(実施例1と同一)1.0重量部と、着色顔料ペレ
ット(顔料カラードペレット:実施例1と同一)3重量
部とを配合した。
【0085】得られたコンパウンドを温度150℃設定
されたテストロール(実施例1と同一)で5分間混練し
た後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整
し、カレンダー圧延により、厚さ0.17mmの、酢酸ビ
ニル成分を10重量%含有する、LOI値が35.5の
ポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得
られたフィルムを、ポリプロピレン平織織布(377.
8dtex(340デニール)ポリプロピレンマルチフィラ
メント、糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/
2.54cm、空隙率18%、質量65g/m2 )の両面
に、温度140℃に設定されたラミネーターを用いて熱
圧着して貼り合わせ、厚さ0.46mm、質量480g/
2 のポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0086】実施例5 メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた前記直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂(1)50重量部と、前記
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(1)20重量部と
からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に、
臭素置換有機化合物(2)(商標:SAYTEX−BT
−93、エチレンビステトラブロモフタルイミド、臭素
含有率67重量%、アルベマール浅野(株)製)35重
量部を配合して得られたコンパウンドを2軸押出し機
(実施例1と同一)を用いて、臭素置換有機化合物
(2)を33.3重量%の濃度で含有する3.5mm角立
方体状のペレットを造粒した。
【0087】次に得られたペレット105重量部に、エ
チレン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂(商標:
アクリフトWH206、MFR2.0、MMA含有量2
0重量%、住友化学工業(株)製)30重量と、前記耐
光安定剤(A−1)0.5重量部と、前記耐光安定剤
(A−2)0.5重量部とを、耐光安定剤(B−2)
(商標:アルカマイザーI、合成ハイドロタルサイト:
協和化学工業(株)製)1.0重量部と、リン酸エステ
ル系滑剤(実施例1と同一)1.0重量部と、着色顔料
カラーペレット(顔料カラードペレット:実施例1と同
一)3重量部とを配合した。
【0088】得られたコンパウンドを、温度150℃設
定されたテストロール(実施例1と同一)で5分間混練
した後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整
し、カレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル
成分とメチルメタアクリレート成分の合計含有量が11
重量%であり、かつLOI値30.2のポリオレフィン
系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られたフィルム
をポリエステル平織織布(555.6dtex(500デニ
ール)ポリエステルマルチフィラメント、糸密度経糸2
0本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm、空隙率1
9%、質量75g/m2 )の両面に140℃に設定した
熱ロールと圧着ロール対を有するラミネーターで貼り合
わせ、厚さ0.46mm、質量485g/m2 のポリオレ
フィン系樹脂シートを作製した。
【0089】実施例6 メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた前記直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂(1)50重量部と、前記
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(1)20重量部と
からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に、
臭素置換有機化合物(2)(商標:SAYTEX−BT
−93、エチレンビステトラブロモフタルイミド、臭素
含有率67重量%、アルベマール浅野(株)製)25重
量部と、無機系化合物(商標:パトックスL、三酸化ア
ンチモン、日本精鉱(株)製)10重量部とを配合し、
得られたコンパウンドを2軸押出し機(実施例1と同
一)を用いて臭素置換有機化合物(2)と無機系化合物
とが33.3重量%の合計濃度で含有する、3.5mm角
立方体状のペレットを造粒した。
【0090】次に得られたペレット105重量部に対
し、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂
(商標:アクリフトWH206、MFR2.0、MMA
含有量20重量%、住友化学工業(株)製)30重量
と、前記耐光安定剤(A−1)0.5重量部と、前記耐
光安定剤(A−2)0.5重量部と、耐光安定剤(B−
2)(商標:アルカマイザーI、合成ハイドロタルサイ
ト、協和化学工業(株)製)1.0重量部と、リン酸エ
ステル系滑剤(実施例1と同一)1.0重量部と、着色
顔料ペレットとして(顔料カラードペレット、実施例1
と同一)3重量部とを配合した。
【0091】得られたコンパウンドを、温度150℃に
設定されたテストロール(実施例1と同一)で5分間混
練した後、テストロールのロール間隔を0.20mmに調
整し、カレンダー圧延により、厚さ0.20mmの、酢酸
ビニル成分とメチルメタアクリレート成分の合計含有量
が11重量%の、LOI値が33.1の、ポリオレフィ
ン系樹脂被覆層用フィルムを作製した。次に得られたフ
ィルムをポリエステル平織織布(833.3dtex(75
0デニール)ポリエステルマルチフィラメント、糸密度
経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm、空
隙率22%、質量95g/m2 )の両面に140℃に設
定した熱ロールと圧着ロール対を有するラミネーターで
貼り合わせ、厚さ0.50mm、質量535g/m2 のポ
リオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0092】実施例7 メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた前記直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂(1)50重量部と、前記
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(1)20重量部か
らなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に対
し、臭素置換有機化合物(1)(商標:SAYTEX8
010、エチレンビスペンタブロモジフェニル、臭素含
有率82重量%、アルベマール浅野(株)製)10重量
部と、無機系化合物(商標:パトックスL、三酸化アン
チモン、日本精鉱(株)製)5重量部と、リン含有化合
物(1)(商標:ノーバエクセルST300、赤リン、
燐化学工業(株)製)5重量部とを配合し、得られたコ
ンパウンドを2軸押出し機(実施例1と同一)を用い
て、臭素置換有機化合物(1)と無機系化合物とリン含
有化合物(1)との合計含有量が22.2重量%の3.
5mm角立方体状のペレットを造粒した。
【0093】次に得られたペレット90重量部に、エチ
レン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂(商標:ア
クリフトWH206、MFR2.0、MMA含有量20
重量%、住友化学工業(株)製)30重量と、前記耐光
安定剤(A−1)0.5重量部と、前記耐光安定剤(A
−3)0.5重量部と、耐光安定剤(B−2)1.0重
量部と、前記リン酸エステル系滑剤(実施例1と同一)
1.0重量部と、着色顔料ペレット〔(有機系顔料カラ
ードペレット、商標:HCM1717ブラック、カーボ
ン含有率10重量%、大日精化工業(株)製)2重量部
+無機系顔料カラードペレット、商標:HCM2060
ホワイト、二酸化チタン(R)60重量%、大日精化工
業(株)製〕2重量部〕4重量部とを配合した。
【0094】得られたコンパウンドを温度150℃に設
定されたテストロール(実施例1と同一)で5分間混練
した後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整
し、カレンダー圧延により、厚さ0.17mmの、酢酸ビ
ニル成分をメチルメタアクリレート成分の合計含有量が
11重量%の、LOI値が36.3の、ポリオレフィン
系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られたフィルム
をポリエステル平織織布(500デニールポリエステル
マルチフィラメント、糸密度経糸20本/2.54cm×
緯糸21本/2.54cm、空隙率19%、質量75g/
2 )の両面に140℃に設定した熱ロールと圧着ロー
ル対を有するラミネーターで貼り合わせ、厚さ0.46
mm、質量485g/m2 のポリオレフィン系樹脂シート
を得た。
【0095】実施例8 メタロセン系触媒の存在下の重合により得られた前記直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂(1)50重量部と、前記
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(1)20重量部と
からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に、
臭素置換有機化合物(1)(商標:SAYTEX801
0、エチレンビスペンタブロモジフェニル、臭素含有率
82重量%、アルベマール浅野(株)製)10重量部
と、無機系化合物(商標:パトックスL、三酸化アンチ
モン、日本精鉱(株)製)5重量部と、リン含有化合物
(2)(商標:テラージュC60、マイクロカプセル化
ポリリン酸アンモニウム、チッソ(株)製)10重量部
とを配合した。得られたコンパウンドを2軸押出し機
(実施例1と同一)を用いて、臭素置換有機化合物
(1)と無機系化合物とリン含有化合物(2)との合計
含有量が30重量%濃度の、3.5mm角立方体状の、ペ
レットを造粒した。
【0096】次に得られたペレット100重量部に対
し、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂
(商標:アクリフトWH206、MFR2.0、MMA
含有量20重量%、住友化学工業(株))30重量と、
前記耐光安定剤(A−1)0.5重量部と、前記耐光安
定剤(A−3)0.5重量部と、前記耐光安定剤(B−
2)1.0重量部と、前記リン酸エステル系滑剤(実施
例1と同一)1.0重量部と、着色顔料ペレット(顔料
カラードペレット:実施例1と同一)3重量部とを配合
した。
【0097】得られたコンパウンドを温度150℃に設
定されたテストロール(実施例1と同一)で5分間混練
した後、テストロールのロール間隔を0.20mmに調整
し、カレンダー圧延により、厚さ0.20mmの、酢酸ビ
ニル成分をメチルメタアクリレート成分の合計含有量が
11重量%の、LOI値が32.7の、ポリオレフィン
系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られたフィルム
をポリエステル平織織布(833.3dtex(750デニ
ール)ポリエステルマルチフィラメント、糸密度経糸1
9本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm、空隙率2
2%、質量95g/m2 )の両面に、温度140℃に設
定された熱ロールと圧着ロール対を有するラミネーター
で貼り合わせ、厚さ0.50mm、質量535g/m2
ポリオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0098】実施例1〜8の試験結果を表1に示す。
【0099】
【表1】
【0100】実施例1〜8の効果 実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シートは、
何れも消防法に適合する防炎性を有し、しかもポリ塩化
ビニル樹脂専用の従来の高周波ウエルダー機を用いて融
着接合を容易にすることができた(陽極電流値が0.8
A、融着時間5秒、冷却時間5秒、ウエルドバー温度4
0〜50℃条件)。また、これら接合部の剪断破壊の状
態は一部糸抜け破壊を伴って本体破壊までには至らなか
ったが、本体破壊強度の85%以上を有しているため、
実用的には全く問題のないものであった。また更に、耐
熱クリープ性試験を評価したところ、実施例1〜実施例
8のポリオレフィン系樹脂シートは何れも60℃×25
kgf 荷重×24時間の耐熱クリープ試験に合格した。ま
た実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シートは
耐光性にも優れていて、サンシャインカーボンウエザー
メーターによる500時間の促進試験での変色は色差Δ
E値が全て3以下であった。また耐光促進500時間後
のフィルム残存強度保持率は全て90%以上であり、さ
らにこれらのシートは全て風合いが柔らかく、軟質ポリ
塩化ビニル樹脂製のシートの風合いに遜色のないもの
で、しかも耐摩耗性にも優れたものであるため、従って
これら実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シー
トは屋外で使用するに適したものであることが確認され
た。特にこれら実施例1〜実施例8のポリオレフィン系
樹脂シートは、製造時の加工性に優れていて、ハロゲン
置換有機系化合物及び、無機系化合物、さらにはリン含
有化合物などの混練性が効率的かつ、正確に行われるた
め得られたシートの防炎性にバラツキがなく、防炎性に
信頼がおけるものであることが確認された。
【0101】実施例9 実施例1のポリエステル平織織布(277.8dtex(2
50デニール)ポリエステルマルチフィラメント:糸密
度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:
空隙率17%:質量55g/m2 )に下記下処理(1)
を施したことを除き、その他は実施例1と同一の配合及
び、手順に従って厚さ0.45mm、質量468g/m2
のポリオレフィン系樹脂シートを作製した。 <下処理剤組成(1)> 商標:ニップシールE200、日本シリカ工業(株)製、 合成非晶質シリカ、含水率6重量%、平均粒子径3μm 10重量部 商標:アクアテックスE−1800、中央理化工業(株)製、 エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルジョン (固形分40重量%) 50重量部 希釈剤:蒸留水 150重量部 上記下処理剤(1)の浴中に、前記ポリエステル平織織
布を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで
絞り(wet付着質量30g/m2 )、次に100℃の
熱風炉中2分間の乾燥を施した。下処理によって得られ
たポリエステル平織織布の質量は58g/m2 であっ
た。(合成非晶質シリカ:熱可塑性樹脂重量比=10:
20)
【0102】実施例10 実施例2のポリプロピレン平織織布(377.8dtex
(340デニール)ポリプロピレンマルチフィラメン
ト:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.
54cm:空隙率18%:質量65g/m2 )を、実施例
9と同一の下処理液(1)に浸漬し、織布を引き上げる
と同時にニップロールで絞り(wet付着質量30g/
2 )、次に100℃の熱風炉中2分間の乾燥を施し
た。下処理によって得られたポリプロピレン平織織布の
質量は68g/m2 であった(合成非晶質シリカ:熱可
塑性樹脂重量比=10:20)。上記下処理(1)を施
したことを除き、その他は実施例2と同一の配合及び、
手順に従って厚さ0.46mm、質量483g/m2 のポ
リオレフィン系樹脂シートを作製した。
【0103】実施例11 実施例3のポリエステル平織織布(277.8dtex(2
50デニール)ポリエステルマルチフィラメント、糸密
度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm、
空隙率17%、質量55g/m2 )に下記下処理液
(2)を施したことを除きその他は実施例3と同一の配
合及び、手順に従って厚さ0.45mm、質量468g/
2 のポリオレフィン系樹脂シートを作製した。 <下処理剤組成(2)> 商標:スノーテックスC、日本シリカ工業(株)製、 無水ケイ酸含有率20重量%、平均粒子径10〜20nm 100重量部 商標:KBM303、信越化学工業(株)製、 エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部 希釈剤:蒸留水 50重量部 上記下処理剤(2)の浴中にポリエステル平織織布を浸
漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り
(wet付着質量30g/m2 )、次に100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を施した。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は58g/m2 であった(無
水ケイ酸:シランカップリング剤重量比=20:3)。
【0104】実施例12 実施例4のポリプロピレン平織織布(377.8dtex
(340デニール)ポリプロピレンマルチフィラメン
ト、糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.
54cm、空隙率18%、質量65g/m2 )を実施例1
1と同一の下処理液(2)に浸漬し、織布を引き上げる
と同時にニップロールで絞り(wet付着質量30g/
2 )、次に100℃の熱風炉中2分間の乾燥を施し
た。下処理によって得られたポリプロピレン平織織布の
質量は68g/m2 であった(無水ケイ酸:シランカッ
プリング剤重量比=20:3)。下処理(2)を施した
ことを除き、その他は実施例4と同一の配合及び、手順
に従って厚さ0.46mm、質量483g/m2 のポリオ
レフィン系樹脂シートを作製した。
【0105】実施例13 実施例5のポリエステル平織織布(555.6dtex(5
00デニール)ポリエステルマルチフィラメント、糸密
度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm、
空隙率19%、質量75g/m2 、帝人(株))に、下
記下処理(3)を施したことを除き、その他は実施例5
と同一の配合及び、手順に従って厚さ0.46mm、質量
488g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを作製し
た。 <下処理剤組成(3)> 商標:ニップシールE200、日本シリカ工業(株)製、 合成非晶質シリカ、含水率6重量%、平均粒子径3μm 10重量部 商標:KBM303、信越化学工業(株)、 エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部 希釈剤:蒸留水 150重量部 上記下処理剤(3)の浴中に、ポリエステル平織織布を
浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り
(wet付着質量30g/m2 )、次に100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を施した。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は、78g/m2 であった。
(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤重量比=1
0:3)
【0106】実施例14 実施例6のポリエステル平織織布(833.3dtex(7
50デニール)ポリエステルマルチフィラメント、糸密
度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm、
空隙率22%、質量95g/m2 )を、実施例13と同
一の下処理液(3)に浸漬し、織布を引き上げると同時
にニップロールで絞り(wet付着質量30g/m
2 )、次に100℃の熱風炉中2分間の乾燥を施した。
下処理によって得られたポリエステル平織織布の質量は
98g/m2 であった(合成非晶質シリカ:シランカッ
プリング剤重量比=10:3)。下処理(3)を施した
ことを除き、その他は実施例6と同一の配合及び、手順
に従って厚さ0.50mm、質量538g/m2 のポリオ
レフィン系樹脂シートを作製した。
【0107】実施例15 実施例7のポリエステル平織織布(555.6dtex(5
00デニール)ポリエステルマルチフィラメント、糸密
度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm、
空隙率19%、質量75g/m2 、帝人(株))に、下
記下処理(4)を施したことを除き、その他は実施例7
と同一の配合及び、手順に従って厚さ0.46mm、質量
488g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを作製し
た。 <下処理剤組成(4)> 商標:ニップシールE200、日本シリカ工業(株)、 合成非晶質シリカ、含水率6重量%、平均粒子径3μm 10重量部 商標:KBM303、信越化学工業(株)、 エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部 商標:アクアテックスE−1800、中央理化工業(株)、 エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルジョン (固形分40重量%) 50重量部 希釈剤:蒸留水 150重量部 上記下処理剤(4)の浴中にポリエステル平織織布を浸
漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り
(wet付着質量30g/m2 )、次に100℃の熱風
炉中2分間の乾燥を施した。下処理によって得られたポ
リエステル平織織布の質量は78g/m2 であった。
(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤:熱可塑性
樹脂重量比=10:3:20)
【0108】実施例16 実施例8のポリエステル平織織布(833.3dtex(7
50デニール)ポリエステルマルチフィラメント、糸密
度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm、
空隙率22%、質量95g/m2 )を、実施例15と同
一の下処理液(4)に浸漬し、織布を引き上げると同時
にニップロールで絞り(wet付着質量30g/m
2 )、次に100℃の熱風炉中2分間の乾燥を施した。
下処理によって得られたポリエステル平織織布の質量は
98g/m2 であった(合成非晶質シリカ:シランカッ
プリング剤:熱可塑性樹脂重量比=10:3:20)。
下処理(4)を施したことを除き、その他は実施例8と
同一の配合及び、手順に従って厚さ0.50mm、質量5
38g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを作製し
た。
【0109】実施例9〜16の試験結果を表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】実施例9〜16の効果 実施例9〜実施例16のポリオレフィン系樹脂シートは
何れも消防法に適合する防炎性を有し、しかもポリ塩化
ビニル樹脂専用の従来の高周波ウエルダー機による融着
接合が容易に可能であった(陽極電流値が0.8A、融
着時間5秒、冷却時間5秒、ウエルドバー温度40〜5
0℃条件)。また、これらのシートは繊維布帛にケイ素
化合物を含有する下処理を施したことによって接合部の
剪断破壊が本体破壊する程に安定して向上した。特にこ
れらのケイ素化合物を含有する下処理は従来の接着剤に
よる接着処理の問題であった風合い硬化の問題や、引裂
強度低下の問題のない実施例1〜実施例8のポリオレフ
ィン系樹脂シートの接合部糸抜け破壊を改善可能な処理
であった。また更に、耐熱クリープ性試験を評価したと
ころ、実施例9〜実施例16のポリオレフィン系樹脂シ
ートは何れも60℃×25kgf 荷重×24時間の耐熱ク
リープ試験に合格した。また実施例9〜実施例16のポ
リオレフィン系樹脂シートは耐光性にも優れていて、サ
ンシャインカーボンウエザーメーターによる500時間
の促進試験での変色は色差ΔE値が全て3以下であっ
た。また耐光促進500時間後のフィルム残存強度保持
率は全て90%以上であり、さらにこれらのシートは全
て風合いが柔らかく、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製のシー
トの風合いに遜色のないもので、しかも耐摩耗性にも優
れたものであるため、従ってこれら実施例9〜実施例1
6のポリオレフィン系樹脂シートは屋外で使用するに適
したものであると判断された。特にこれら実施例9〜実
施例16のポリオレフィン系樹脂シートは、製造時の加
工性に優れていて、ハロゲン置換有機系化合物及び、無
機系化合物、さらにはリン含有化合物などの混練性が効
率的かつ、正確に行われるため得られたシートの防炎性
にバラツキがなく、防炎性に信頼がおけるものであっ
た。
【0112】比較例1 実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作
製した。但し、実施例1のメタロセン系触媒の存在下の
重合により得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(1)(商標、カーネルKF360、MFR2.0、密
度0.898、日本ポリケム(株)製)60重量部を、
チーグラー・ナッタ系触媒の存在下重合された直鎖状低
密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセンα・FZ20
3−0、MFR2.0、密度0.932、住友化学工業
(株)製)90重量部に変更し、またエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂(1)(商標:エバテートK201
0、MFR3.0、VA含有量25重量%、住友化学工
業(株)製)40重量部を10重量部に変更し、さらに
耐光安定剤(A−1)(商標バイオソープ510、2−
(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、共同薬品(株)製)の配合量を0.5
重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(A−
2)(商標:チヌビン765、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)の配合量を
0.5重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤
(B−1)(商標:KS−1010A−1、ジオクチル
錫マレートポリマー、共同薬品(株)製)の配合量を
1.0重量部から1.5重量部にそれぞれ変更した。ま
た比較例1では上記配合コンパウンドを一括投入により
150℃に設定したテストロール(西村製作所(株):
6インチ径2本ロール)で5分間混練(5分間で練りき
れない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこ
のコンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17
mmの、酢酸ビニル成分を2.5重量%含有し、LOI値
が28.8のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを
得た。このフィルムを実施例1と同様の手順に従ってポ
リエステル平織織布(277.8dtex(250デニー
ル)ポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20
本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率17
%:質量55g/m2 )の両面に積層された、厚さ0.
45mm、質量465g/m2 のポリオレフィン系樹脂シ
ートを作製した。
【0113】比較例2 実施例2と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作
製した。但し、実施例2のメタロセン系触媒の存在下重
合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:
エボリューSP2020、MFR1.7、密度0.91
7、三井化学(株)製)50重量部を90重量部に変更
し、またエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(2)(商
標:エバフレックスP1905、MFR2.5、VA含
有量19重量%、三井デュポンポリケミカル(株)製)
50重量部を10重量部に変更し、またさらに、耐光安
定剤(A−1)(商標:バイオソープ510、2−
(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、共同薬品(株)製)の配合量を0.5
重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(A−
2)(商標:チヌビン765、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)の配合量を
0.5重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤
(B−1)(商標:KS−1010A−1、ジオクチル
錫マレートポリマー、共同薬品(株)製)の配合量を
1.0重量部から1.5重量部にそれぞれ変更した。ま
た比較例2では上記配合コンパウンドを一括投入により
150℃に設定されたテストロール(西村製作所
(株):6インチ径2本ロール)で5分間混練(5分間
で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)し
た。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚
さ0.17mmの、酢酸ビニル成分を2重量%含有し、L
OI値が29.2のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィ
ルムを得た。このフィルムを実施例2と同様の手順に従
ってポリプロピレン平織織布(377.8dtex(340
デニール)ポリプロピレンマルチフィラメント:糸密度
経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm、空
隙率18%、質量65g/m2 )の両面に積層した、厚
さ0.46mm、質量480g/m2 のポリオレフィン系
樹脂シートを得た。
【0114】比較例3 実施例3と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作
製した。但し、実施例3のメタロセン系触媒の存在下の
重合により製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(1)(商標:カーネルKF360、MFR2.0、密
度0.898、日本ポリケム(株)製)60重量部を、
チーグラー・ナッタ系触媒の存在下の重合により製造さ
れた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセン
α・FZ203−0、MFR2.0、密度0.932、
住友化学工業(株)製)10重量部に変更し、またエチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂(1)(商標:エバテー
トK2010、MFR3.0、VA含有量25重量%、
住友化学工業(株)製)40重量部を90重量部に変更
し、またさらに耐光安定剤(A−1)(商標バイオソー
プ510、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール、共同薬品(株)製)、
耐光安定剤(A−3)(商標:チヌビン114、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4
−ヒドロキシフェニル〕メチル]ブチルマロネート、チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、耐光安定
剤(B−1)(商標:KS−1010A−1、ジオクチ
ル錫マレートポリマー、共同薬品(株)製)の3種の配
合を全て省略した。また比較例3では上記配合コンパウ
ンドを一括投入により150℃に設定したテストロール
で5分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系
から除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレ
ンダー圧延により厚さ0.17mmの、酢酸ビニル成分を
22重量%含有し、LOI値が32.3の、ポリオレフ
ィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。このフィルムを、
実施例1と同様の手順に従ってポリエステル平織織布
(277.8dtex(250デニール)ポリエステルマル
チフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸
21本/2.54cm:空隙率17%:質量55g/m
2 )の両面に積層した、厚さ0.45mm、質量465g
/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0115】比較例4 実施例4のメタロセン系触媒の存在下の重合により製造
された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)(商標:エ
ボリューSP2020、MFR1.7、密度0.91
7、三井化学(株)製)50重量部を10重量部に変更
し、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(2)(商標:
エバフレックスP1905、MFR2.5、VA含有量
19重量%、三井デュポンポリケミカル(株)製)50
重量部を90重量部に変更し、またさらに耐光安定剤
(A−1)(商標:バイオソープ510、2−(2’−
ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、共同薬品(株)製)、耐光安定剤(A−3)
(商標:チヌビン114、ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)[〔3,5−ビス
(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニ
ル〕メチル]ブチルマロネート、チバ・スペシャルティ
・ケミカルズ(株)製)、耐光安定剤(B−1)(商
標:KS−1010A−1、ジオクチル錫マレートポリ
マー、共同薬品(株)製)の3種の配合を全て省略し
た。また比較例4では上記配合コンパウンドを一括投入
により150℃に設定したテストロールで5分間混練
(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とし
た)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延に
より厚さ0.17mmの、酢酸ビニル成分を18重量%含
有し、LOI値が32.7の、ポリオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルムを作製した。このフィルムを、実施例2
と同様の手順に従って、ポリプロピレン平織織布(37
7.8dtex(340デニール)ポリプロピレンマルチフ
ィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20
本/2.54cm:空隙率18%:質量65g/m2 )の
両面に積層した、厚さ0.46mm、質量480g/m2
のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0116】比較例5 実施例5と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作
製した。但し、実施例5のメタロセン系触媒の存在下の
重合により製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(1)(商標:カーネルKF360、MFR2.0、密
度0.898、日本ポリケム(株)製)50重量部を、
チーグラー・ナッタ系触媒の存在下の重合により製造さ
れた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセン
α・FZ203−0、MFR2.0、密度0.932、
住友化学工業(株)製)50重量部に変更し、またポリ
オレフィン系樹脂ブレンドの配合組成において、耐光安
定剤(A−1)(商標バイオソープ510、2−(2’
−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、共同薬品(株)製)の配合量を0.5重量部
から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(A−2)(商
標:チヌビン765、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)セバケート、チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ(株)製)、耐光安定剤(B−
2)(商標:アルカマイザーI、合成ハイドロタルサイ
ト、協和化学工業(株)製)の2種の配合を省略した。
また比較例5では、上記配合コンパウンドを一括投入に
より150℃に設定したテストロールで5分間混練(5
分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)
した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延によ
り、厚さ0.17mmの、酢酸ビニル成分を11重量%含
有し、LOI値が27.0の、ポリオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルムを得た。このフィルムを、実施例5と同
様の手順に従ってポリエステル平織織布(555.6dt
ex(500デニール)ポリエステルマルチフィラメン
ト、糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.
54cm、空隙率19%、質量75g/m2 )の両面に積
層した、厚さ0.45mm、質量485g/m2 のポリオ
レフィン系樹脂シートを得た。
【0117】比較例6 実施例6と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作
製した。但し、実施例6のメタロセン系触媒の存在下の
重合により製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(1)(商標:カーネルKF360、MFR2.0、密
度0.898、日本ポリケム(株)製)50重量部を、
チーグラー・ナッタ系触媒の存在下の重合により製造さ
れた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセン
α・FZ203−0、MFR2.0、密度0.932、
住友化学工業(株)製)50重量部に変更し、ポリオレ
フィン系樹脂ブレンドの配合組成において、耐光安定剤
(A−1)(商標バイオソープ510、2−(2’−ヒ
ドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、共同薬品(株)製)の配合量を0.5重量部から
1.5重量部に変更し、耐光安定剤(A−2)(商標:
チヌビン765、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ(株)製)、耐光安定剤(B−2)
(商標:アルカマイザーI、合成ハイドロタルサイト、
協和化学工業(株)製)の2種の配合を省略した。また
比較例6では、上記配合コンパウンドを一括投入により
150℃に設定したテストロールで5分間混練(5分間
で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)し
た。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚
さ0.20mmの、酢酸ビニル成分を11重量%含有し、
LOI値が29.8の、ポリオレフィン系樹脂被覆層用
フィルムを得た。このフィルムを、実施例6と同様の手
順に従って、ポリエステル平織織布(833.3dtex
(750デニール)ポリエステルマルチフィラメント、
糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54
cm、空隙率22%、質量95g/m2 )の両面に積層し
た、厚さ0.50mm、質量535g/m2 のポリオレフ
ィン系樹脂シートを得た。
【0118】比較例7 実施例7と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作
製した。但し、実施例7のメタロセン系触媒の存在下の
重合により製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(1)(商標:カーネルKF360、MFR2.0、密
度0.898、日本ポリケム(株)製)50重量部を、
チーグラー・ナッタ系触媒の存在下の重合により製造さ
れた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセン
α・FZ203−0、MFR2.0、密度0.932、
住友化学工業(株)製)50重量部に変更し、またポリ
オレフィン系樹脂ブレンドの配合組成において、耐光安
定剤(A−1)(商標バイオソープ510、2−(2’
−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、共同薬品(株)製)の配合量を0.5重量部
から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(A−3)(商
標:チヌビン114、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)[〔3,5−ビス(1,1
−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチ
ル]ブチルマロネート、チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製)、及び耐光安定剤(B−2)(商標:ア
ルカマイザーI、合成ハイドロタルサイト、協和化学工
業(株))の3種の配合を省略した。また比較例7で
は、上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に
設定したテストロールで5分間混練(5分間で練りきれ
ない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこの
コンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17mm
の、酢酸ビニル成分を11重量%含み、LOI値が3
2.9のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得
た。このフィルムを、実施例7と同様の手順に従って、
ポリエステル平織織布(555.6dtex(500デニー
ル)ポリエステルマルチフィラメント、糸密度経糸20
本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm、空隙率19
%、質量75g/m2 )の両面に積層した、厚さ0.4
6mm、質量485g/m2 のポリオレフィン系樹脂シー
トを得た。
【0119】比較例8 実施例8と同様にしてポリオレフィン系樹脂シートを作
製した。但し、実施例8のメタロセン系触媒の存在下の
重合により製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(1)(商標:カーネルKF360、MFR2.0、密
度0.898、日本ポリケム(株)製)50重量部を、
チーグラー・ナッタ系触媒の存在下の重合により製造さ
れた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセン
α・FZ203−0、MFR2.0、密度0.932、
住友化学工業(株)製)50重量部に変更し、またポリ
オレフィン系樹脂ブレンドの配合組成において、耐光安
定剤(A−1)(商標バイオソープ510、2−(2’
−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、共同薬品(株)製)の配合量を0.5重量部
から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(A−3)(商
標:チヌビン114、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)[〔3,5−ビス(1,1
−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチ
ル]ブチルマロネート、チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製)、及び耐光安定剤(B−2)(商標:ア
ルカマイザーI、合成ハイドロタルサイト、協和化学工
業(株))2種の配合を省略した。また比較例7では、
上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定
されたテストロールで5分間混練(5分間で練りきれな
い配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコ
ンパウンドからカレンダー圧延により、厚さ0.20mm
の、酢酸ビニル成分を11重量%含有し、LOI値が2
8.6のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを得
た。このフィルムを、実施例8と同様の手順に従って、
ポリエステル平織織布(833.3dtex(750デニー
ル)ポリエステルマルチフィラメント、糸密度経糸19
本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm、空隙率22
%、質量95g/m2 )の両面に積層した、厚さ0.5
0mm、質量535g/m2 のポリオレフィン系樹脂シー
トを得た。
【0120】比較例1〜8の試験結果を表3に示す。
【0121】
【表3】
【0122】比較例1〜8の結果 比較例1ではポリオレフィン系樹脂ブレンド組成に用い
たメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポ
リエチレン樹脂を、チーグラー・ナッタ触媒(Z−N触
媒)の存在下で重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹
脂に置き換え、しかもその配合比率を90重量%に増量
したため、高周波ウエルダー融着性が不十分となった。
また比較例2ではメタロセン系触媒の存在下重合された
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の配合比率を90重量%
に増量したため、高周波ウエルダー融着性が不十分とな
った。また比較例1、比較例2では、耐光安定剤(A−
1),(A−2),(B−1)の配合量を増量したた
め、製造から3日目にはシートの表面にこれら耐光安定
剤がブルーム(粉ふき)していた。(試験VII によって
も確認された。)また比較例3、比較例4ではエチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂の配合比率を90重量%に増
量したため、耐摩耗性が不良なものとなった。特に耐光
安定剤(A−1),(A−2),(B−1)の配合を全
て省いた比較例3〜比較例8においては、耐光性が悪
く、サンシャインカーボンアーク促進試験500時間で
シートの表面が褐色に変化していた。この変色はΔE値
で8.4〜11.5であり、実施例1〜実施例16での
ΔE値1.7〜2.6に比較すると格段に劣るものであ
った。また同時にフィルムの強度保持率は64〜77%
に低下していた。(実施例1〜実施例16での強度保持
率は92〜96%であった。)
【0123】また比較例5〜比較例8においては、実施
例5〜実施例8のポリエチレン成分をチーグラー・ナッ
タ触媒(Z−N触媒)の存在下で重合された直鎖状低密
度ポリエチレン樹脂に置き換えたことで、ハロゲン置換
有機系化合物、無機系化合物、及びリン含有化合物など
がブルームするトラブルの発生が確認された。また比較
例1〜比較例8ではシートの製造方法、特にポリオレフ
ィン樹脂とハロゲン置換有機系化合物、無機系化合物、
及びリン含有化合物との混練方法を一括混練としたため
に、極めて混練効率が悪く、しかも混練設定時間の5分
間以内にハロゲン置換有機系化合物、無機系化合物、及
びリン含有化合物などの化合物を樹脂中に完全に練り混
むことができず、テストロールのロール下にはこれらの
化合物が多量にこぼれ落ちた状態であった。従って規定
量のハロゲン置換有機系化合物、無機系化合物、及びリ
ン含有化合物を含まない比較例1〜比較例8のシートの
防炎性試験は不安定で一部不適合となる例が存在した。
また確認のためロール下にこぼれ落ちたこれらの化合物
を回収して再度テストロール混練を続けたが、それでも
尚ロール下にはこれらの化合物がこぼれ落ちていた。こ
の動作を繰り返すことによってやがてこれらの化合物を
樹脂中に混練することができたが、この動作の繰り返し
の間にこれらの化合物が飛散して大きなロスを生じる結
果となった。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、優れた耐光性と優れた
難燃性を有し、かつ高周波融着可能であるポリオレフィ
ン系樹脂製シート及び、高周波融着部の破壊強度と耐熱
クリープ性に優れたポリオレフィン系樹脂シートを容易
に得ることができる。本発明の方法及び製造方法により
得られるポリオレフィン系樹脂製シートは、テント用膜
材、シート倉庫用膜材、建築現場用養生シート、建築現
場用遮音シートなど、従来軟質ポリ塩化ビニル樹脂製品
が使用されてきた用途に適して用いることができ、しか
も屋外で長期間使用が可能な新規の産業資材用シートと
して極めて有用な難燃性シートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES 4J128 C08K 3/00 C08K 3/00 4L031 5/00 5/00 4L033 5/49 5/49 C08L 23/08 C08L 23/08 D06M 11/79 D06M 13/513 13/513 11/12 Fターム(参考) 4F070 AA13 AC01 AC13 AC14 AC20 AC33 AC55 AC76 AC88 AC89 AE03 AE07 AE09 FA17 FB07 4F071 AA15 AA18 AA28 AA32 AA33 AA76 AB18 AB21 AC03 AC10 AC12 AC15 AC19 AE05 AE07 AF13 AF47 AF53 AF57 AH03 AH19 BA01 BB04 BC01 4F100 AA01B AA01C AA04B AA04C AA20A AC04B AC04C AC10B AC10C AH02B AH02C AH05B AH05C AH06A AH07B AH07C AH08B AH08C AH10B AH10C AK01B AK01C AK03B AK03C AK42 AK63B AK63C AK68B AK68C AK70B AK70C BA03 BA06 BA10B BA10C CA07B CA07C CA08B CA08C DG01A DG04A DG11A EC03 GB90 JH01 YY00B YY00C 4J002 BB03W BB05W BB06X BB07X BB08X BB24Y BC11Y CD05Z CD12Y CD18Z CF12Y CG03Y CH07Y CK02Y DA058 DE067 DE077 DE087 DE097 DE107 DE127 DE147 DE187 DE237 DE267 DE287 DE289 DH038 DH048 DK007 EB136 EE039 EF106 EG019 EG029 EG039 EN028 ER006 ET009 EU179 EW046 EW048 EW068 EZ019 FB087 FB097 FB167 FD049 FD13Y FD136 FD137 GC00 GF00 GL00 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC02A AC10A AC20A AC22A AC28A BA00A BA01B BB00A BB01B BC25B BC26B EB02 EB03 EB04 EB05 EB07 EB09 EB10 FA02 FA04 4J128 AA01 AB00 AB01 AC01 AC02 AC10 AC20 AC22 AC28 EB02 EB03 EB04 EB05 4L031 AA14 AA18 AB32 BA20 BA33 DA16 DA18 4L033 AA05 AA07 AB05 AC05 AC15 BA96 DA06

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛からなる基布と、前記基布の両
    面に形成されたポリオレフィン系樹脂被覆層とを含み、 前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が、 (1)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブレンド
    と、 (2)5〜100重量部の、少なくとも1種のハロゲン
    置換有機系化合物を含む難燃化剤と、及び(3)0.0
    05〜3.5重量部の耐光安定剤とを含み、 前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドが、 (a)メタロセン触媒の存在下で、エチレンとα−オレ
    フィンとを共重合して得られた直鎖状低密度ポリエチレ
    ン樹脂からなる主成分と、及び(b)エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸
    (エステル)共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種
    からなるブレンド成分とを含み、かつ前記ブレンド成分
    中に含まれる共重合した酢酸ビニル及び(メタ)アクリ
    ル酸(エステル)の合計含有重量が、前記ポリオレフィ
    ン系樹脂ブレンドの重量に対して、5〜30重量%であ
    る、ことを特徴とする難燃化耐光性ポリオレフィン系樹
    脂シート。
  2. 【請求項2】 前記難燃化剤が、前記少なくとも1種の
    ハロゲン置換有機系化合物に加えて、さらに少なくとも
    1種の無機系化合物を含有し、前記ハロゲン置換有機系
    化合物と前記無機系化合物との合計重量が、前記ポリオ
    レフィン系樹脂ブレンド100重量部に対して、5〜1
    00重量部である、請求項1に記載の難燃化耐光性ポリ
    オレフィン系樹脂シート。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が、前
    記ポリオレフィン系樹脂ブレンド、その100重量部に
    対して5〜50重量部の少なくとも1種のリン含有化合
    物を、さらに含む、請求項1又は2に記載の難燃化耐光
    性ポリオレフィン系樹脂シート。
  4. 【請求項4】 前記基布用繊維布帛が、合成非晶質シリ
    カ、コロイダルシリカ、及びシランカップリング剤より
    選ばれた1種以上のケイ素化合物を含有する組成物によ
    って下処理されている、請求項1又は請求項3に記載の
    難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シート。
  5. 【請求項5】 前記難燃化剤用ハロゲン置換有機系化合
    物が、臭素置換有機系化合物、臭素化高分子化合物、及
    び塩素化高分子化合物から選ばれる、請求項1に記載の
    難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シート。
  6. 【請求項6】 前記難燃化剤用無機系化合物が、金属酸
    化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、及び金属複合水
    酸化物から選ばれる、請求項2に記載の難燃化耐光性ポ
    リオレフィン系樹脂シート。
  7. 【請求項7】 前記リン含有化合物が、赤リン、無機リ
    ン酸塩、有機リン酸塩、リン酸エステル、ポリリン酸ア
    ンモニウム、及びリン−窒素含有複合物から選ばれる、
    請求項3に記載の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シ
    ート。
  8. 【請求項8】 前記耐光安定剤が、少なくとも1種のポ
    リオレフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤を含む、請求
    項1に記載の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シー
    ト。
  9. 【請求項9】 前記耐光安定剤が少なくとも1種のハロ
    ゲン置換有機系化合物用耐光安定剤を含む、請求項1に
    記載の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シート。
  10. 【請求項10】 前記耐光安定剤が、少なくとも1種の
    ポリオレフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤と、少なく
    とも1種のハロゲン置換有機系化合物用耐光安定剤との
    混合物である、請求項1に記載の難燃化耐光性ポリオレ
    フィン系樹脂シート。
  11. 【請求項11】 前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド用
    耐光安定剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフ
    ェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシ
    レート系化合物、及びヒンダードアミン系化合物から選
    ばれる、請求項8又は10に記載の難燃化耐光性ポリオ
    レフィン系樹脂シート。
  12. 【請求項12】 前記のハロゲン置換有機系化合物用耐
    光安定剤が、有機錫系化合物、亜鉛系金属複合化合物、
    金属石けん、エポキシ化油脂、ハイドロタルサイト、及
    びゼオライトから選ばれた1種以上を含む、請求項9、
    又は請求項10に記載の難燃化耐光性ポリオレフィン系
    樹脂シート。
  13. 【請求項13】 前記基布用繊維布帛が、フィラメント
    糸条からなり、5〜40%の空隙率を有する、請求項1
    〜12のいずれか1項に記載の難燃化耐光性ポリオレフ
    ィン系樹脂シート。
  14. 【請求項14】 前記メタロセン系触媒が、シクロペン
    タジエニル誘導体またはインデニル誘導体を含有する有
    機遷移金属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含
    む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の難燃化耐光
    性ポリオレフィン系樹脂シート。
  15. 【請求項15】 下記工程: (A)(a)メタロセン触媒の存在下でエチレンとα−
    オレフィンとを共重合して得られた直鎖状低密度ポリエ
    チレン樹脂からなる主成分と、 (b)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及びエチレン
    −(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体から選ばれ
    て少なくとも1種からなるブレンド成分と、を含むポリ
    オレフィン系樹脂ブレンドのペレットを、 前記ブレンド成分中に含まれる共重合した酢酸ビニル及
    び(メタ)アクリル酸(エステル)の合計含有量が、前
    記ポリオレフィン系樹脂ブレンドの重量に対して5〜3
    0重量%になるように調製し、(B)前記ポリオレフィ
    ン系樹脂ブレンドと、その100重量部に対し、5重量
    部をこえる含有量の、少なくとも1種のハロゲン置換有
    機系化合物を含有する難燃化剤とを含む、難燃化剤含有
    ペレットを調製し、(C)前記難燃化剤含有ペレットと
    は別に、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドに、その1
    00重量部に対し0.05重量部をこえる配合量の耐光
    安定剤を配合して耐光安定剤含有ペレットを調製し、
    (D)前記難燃化剤含有ペレットと、前記耐光安定剤含
    有ペレットとを配合し、前記ポリオレフィン系樹脂ブレ
    ンド合計重量100重量部に対し前記難燃化剤の配合量
    が5〜100重量になり、前記耐光安定剤の配合量が
    0.005〜3.5重量部になるように調整して、コン
    パウンドを調製し、(E)前記コンパウンドからフィル
    ムを作製し、(F)前記フィルムを、繊維布帛からなる
    基布の両面に積層結着することを含むことを特徴とする
    難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記コンパウンドの調製工程(D)に
    おいて、ポリオレフィン系樹脂ブレンド、エチレン−酢
    酸ビニル共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル
    酸(エステル)から選ばれた少なくとも1種のペレット
    をさらに配合する、請求項15に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記難燃化剤含有ペレット調製工程
    (B)において、前記ハロゲン置換有機系化合物含有難
    燃化剤が、前記ハロゲン置換有機系化合物に加えて、さ
    らに無機系化合物を含み、前記ハロゲン置換有機系化合
    物と無機系化合物との合計重量を、前記難燃化剤含有ペ
    レット中の前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド100重
    量部に対し5重量部をこえ、 かつ前記コンパウンド調製工程(D)において、前記ポ
    リオレフィン系樹脂ブレンドの合計重量100重量部に
    対し、5〜100重量部であるように調整する、請求項
    15または16に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記難燃化剤含有ペレットの調整工程
    (B)において、(1)前記ポリオレフィン系樹脂ブレ
    ンドと前記ハロゲン置換有機系化合物とを含むハロゲン
    化置換有機系化合物含有ペレット、及び(2)前記ポリ
    オレフィン系樹脂ブレンドと少なくとも1種の無機系化
    合物とを含む、無機系化合物含有ペレット、の混合物を
    調製し、但し、前記ハロゲン置換有機系化合物と前記無
    機系化合物との合計重量を、前記難燃化剤含有ペレット
    中の前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドの合計重量10
    0重量部に対し5重量部をこえ、かつ、前記コンパウン
    ド中において、前記ポリオレフィン系樹脂の合計重量1
    00重量部に対し5〜100重量部であるように調整す
    る、請求項15又は16に記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記コンパウンド調製工程(D)にお
    いて、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドに、その10
    0重量に対し、5重量部をこえる配合量のリン含有化合
    物を含有させたリン含有化合物含有ペレットを、さらに
    配合し、得られるコンパウンド中のリン含有化合物の含
    有量が、ポリオレフィン系樹脂ブレンドの合計重量10
    0重量部に対し5〜50重量部になるように調整する、
    請求項15又は16に記載の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記難燃化剤含有ペレットに、前記難
    燃化剤に加えて、さらに、リン含有化合物を含有させ、
    このリン含有化合物の配合量を、前記ポリオレフィン系
    樹脂ブレンド100重量部に対して、5重量部をこえ、
    前記コンパウンド中の前記ポリオレフィン系樹脂ブレン
    ドの合計重量100重量部に対し、5〜10重量部であ
    るように調整する、請求項15又は16に記載の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記基布用繊維布帛が、合成非晶質シ
    リカ、コロイダルシリカ、及びシランカップリング剤よ
    り選ばれた1種以上のケイ素化合物を含有する組成物に
    よって下処理されている、請求項15又は16に記載の
    製造方法。
  22. 【請求項22】 前記難燃化剤用ハロゲン置換有機系化
    合物が、臭素置換有機系化合物、臭素化高分子化合物、
    及び塩素化高分子化合物から選ばれる、請求項15に記
    載の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記難燃化剤用無機系化合物が、金属
    酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、及び金属複合
    水酸化物から選ばれる、請求項17又は18に記載の製
    造方法。
  24. 【請求項24】 前記リン含有化合物が、赤リン、無機
    リン酸塩、有機リン酸塩、リン酸エステル、ポリリン酸
    アンモニウム、及びリン−窒素含有複合物から選ばれ
    る、請求項19又は20に記載の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記耐光安定剤が少なくとも1種のポ
    リオレフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤を含む、請求
    項15に記載の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記耐光安定剤が少なくとも1種のハ
    ロゲン置換有機系化合物用耐光安定剤を含む、請求項1
    5に記載の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記耐光安定剤が少なくとも1種のポ
    リオレフィン系樹脂ブレンド用耐光安定剤と、少なくと
    も1種のハロゲン置換有機系化合物用耐光安定剤との混
    合物である、請求項15に記載の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド用
    耐光安定剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフ
    ェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシ
    レート系化合物、ヒンダードアミン系化合物から選ばれ
    る、請求項25、又は27に記載の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記ハロゲン置換有機系化合物用耐光
    安定剤が、有機錫系化合物、亜鉛系金属複合化合物、金
    属石けん、エポキシ化油脂、ハイドロタルサイト、ゼオ
    ライトから選ばれた1種以上を含む、請求項26又は2
    7に記載の難燃化耐光性ポリオレフィン系樹脂シート。
  30. 【請求項30】 前記基布用繊維布帛が、フィラメント
    糸条からなり、5〜40%の空隙率を有する、請求項1
    5〜29のいずれか1項に記載の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記メタロセン系触媒が、シクロペン
    タジエニル誘導体またはインデニル誘導体を含有する有
    機遷移金属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含
    む、請求項15〜30のいずれか1項に記載の製造方
    法。
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