JP2003025516A - 環境汚れ防止性の高い積層シート - Google Patents

環境汚れ防止性の高い積層シート

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JP2003025516A JP2001211139A JP2001211139A JP2003025516A JP 2003025516 A JP2003025516 A JP 2003025516A JP 2001211139 A JP2001211139 A JP 2001211139A JP 2001211139 A JP2001211139 A JP 2001211139A JP 2003025516 A JP2003025516 A JP 2003025516A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基布を被覆するハロゲン非含有樹脂層と、光
触媒含有最外表面層を有し、環境汚れが少なく、長期間
にわたる屋外使用に耐える積層シートの提供。 【解決手段】 繊維布帛基布層上に、ハロゲン非含有樹
脂からなる下地層を介して、又は介さずに形成され、ポ
リウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、酢酸ビニ
ル系共重合体樹脂の1種以上からなる樹脂層と、その上
に順次に形成された中間保護層(好ましくはケイ素化合
物と、熱可塑性及び/又は熱(光)硬化性樹脂を含む)
と、光触媒含有最外表面層とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維布帛を含む基
布の表面に樹脂を被覆して構成され、中大型テント、テ
ント倉庫、屋形テント、トラック用幌、荷台カバーな
ど、主に屋外で用いられる産業資材に有用な積層シート
に関するものである。さらに詳しく述べるならば、本発
明は、これらの産業資材用積層シートの長期屋外使用に
おいて、その表面に経時的に発生する環境汚れの付着を
抑制し、長期間にわたりその美観を維持させることがで
きる積層シートに関するものである。すなわち本発明
は、繊維布帛を含む基布と、その表面に形成された(ポ
リ塩化ビニル樹脂及び、可塑剤を含まない)非塩ビ系樹
脂を含む被覆層とこの樹脂層上に形成された光触媒層と
を有するもので、環境汚れの付着がなく、又は少なく、
しかも、経時的な物性低下が少ない積層シートに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】柔軟かつ強靭で、耐久性、加工性、及び
低コスト性に優れた合成樹脂材料としてポリ塩化ビニル
樹脂が知られており、この塩化ビニル樹脂は、玩具、文
具、雑貨、建材、化粧板、壁紙、床材、防水シートなど
様々な用途に使用されている。中でも繊維布帛を基材と
して含む軟質ポリ塩化ビニル樹脂シートは優れた引張強
力と、応力に対する優れた寸法安定性を有しており、こ
のため、中大型テント、テント倉庫、養生シート、ルー
フィングなどの建築物部材、トラック幌、看板用シー
ト、フレキシブルコンテナ、野積みシートなどの各種産
業用途においてその実用化が広く普及している。最近、
これらのポリ塩化ビニル樹脂シートの表面に光触媒物質
を塗布し、光触媒の有する強い酸化還元作用によって大
気中に浮遊する汚染物質や煤塵などの付着汚れ、すなわ
ち環境汚れ物質を分解して美観を維持する自己浄化機能
を付与したテント用積層シートが提案されている。この
光触媒物質を表面に担持しているシートは、確かに優れ
た自己浄化機能を発現するが、しかし、光触媒物質は環
境汚れを分解するだけでなく、下地基材を形成している
ポリ塩化ビニル樹脂及び、このポリ塩化ビニル樹脂に配
合されている可塑剤及び有機系顔料などの配合剤に対し
ても前記と同様に作用するため、屋外使用では、早い段
階から基材樹脂が劣化し始め、軟質ポリ塩化ビニル樹脂
シートの物性が低下したり、または変色するなどの問題
があった。
【0003】そこで、ポリ塩化ビニル樹脂シートと光触
媒物質担持層との中間に難分解性の樹脂層を設けて下地
基材を形成しているポリ塩化ビニル樹脂を光触媒の強い
酸化還元作用から保護するという手段が考案され、その
実用化が検討されている。この手段によれば光触媒によ
る下地基材を形成するポリ塩化ビニル樹脂の分解及び劣
化を抑制することが可能となる。しかし、通常のポリ塩
化ビニル樹脂製品において、ポリ塩化ビニル樹脂中に配
合された液状可塑剤は、屋外使用1〜5年の間に、季
節、環境に応じて樹脂層内を拡散移動し、徐々にシート
表面に滲み出たり、再び樹脂層内に戻ったりする挙動を
繰り返すことが知られている。この現象は、光触媒層を
形成したポリ塩化ビニル樹脂シートにおいても同様に発
現し、液状可塑剤は、経時的に難分解樹脂層中に拡散し
て光触媒層中に滲み出てくる。このため、光触媒層中に
滲入した移行した可塑剤は光触媒によって逐次分解さ
れ、可塑剤の表面移行と分解を長期間繰り返すことによ
ってポリ塩化ビニル樹脂シートは徐々に可塑剤を失い、
やがて引張強度、引裂強度、摩耗強さなどの物性値を低
下させるため、設計初期に設定したほどの長期使用に耐
えないのが実情である。
【0004】また、通常産業資材シートは、屋外で長期
間にわたり日光及び風雨に曝露されて使用されるため、
汚染物質が付着したり、また、樹脂が紫外線、酸性雨な
どにより劣化を引き起こし、このため、使用後にリサイ
クルされることはなく廃棄処分されることが多い。特
に、ポリ塩化ビニル樹脂製品を不用意に焼却処理するこ
とは、ダイオキシン発生の懸念から好ましい事ではな
く、また、埋め立て処理の場合は、軟質ポリ塩化ビニル
樹脂に含まれる可塑剤及び金属安定剤など、特にホルモ
ン攪乱物質などが地下水系に拡散汚染することが懸念さ
れ論議されている。このため、使用後の廃棄処分におい
て環境的負荷が少ない産業資材シートの開発が望まれ、
また何よりも、屋外での汚れが少なく、しかも物性低下
の心配のない中大型テント、テント倉庫、屋形テント、
トラック幌、野積みシートなどの用途に好適に用いるこ
とができるフレキシブルな産業資材用シートの開発が切
望されている。
【0005】前述の中大型テント、テント倉庫、屋形テ
ント、トラック幌などに用いられる産業資材シートは、
繊維織物基布を軟質ポリ塩化ビニル樹脂によって樹脂被
覆して得られるものであるが、軟質ポリ塩化ビニル樹脂
の代わりに、ハロゲン非含有樹脂、例えば、ポリウレタ
ン樹脂に置き換えた場合、反発弾性が大きく取扱い性に
劣り、しかも屋外使用時に汚れ易く、さらに光変色し易
いなどの欠点がある。また、ポリ塩化ビニル樹脂を例え
ば、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂などのポ
リオレフィン系樹脂により置き換えた場合には、得られ
るシートの風合いが板の様に硬く、柔軟性に劣り、しか
も高周波融着性が不十分であり、取扱い性と縫製作業性
が悪いなどの欠点がある。また、例えば、ポリ塩化ビニ
ル樹脂をエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、又はエチ
レン−アクリル酸系共重合体樹脂などのエチレン系共重
合体樹脂により置き換えた場合には、比較的柔軟で、高
周波融着性の高いシートを得ることができるが、これら
の樹脂は軟質ポリ塩化ビニルよりも樹脂強度と耐摩耗強
さに劣るなど、耐久性が不十分なため、これらのエチレ
ン系共重合体樹脂を用いた積層シートを産業資材シート
に使用することが困難である。また、ポリ塩化ビニル樹
脂を、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂などにより置き換えた場合には、得られる積層
シートの風合いが板の様に硬く、これを産業資材シート
に使用することができるものではない。さらにポリ塩化
ビニル樹脂を例えば、シリコーン樹脂により置き換えた
場合には、屋外使用時に汚れ易く、しかも樹脂強度と耐
摩耗強さに劣るため実用性が低いという問題がある。上
記の様に、ハロゲン非含有樹脂では、その柔軟性、耐久
性、高周波融着性などにおいて、軟質ポリ塩化ビニル樹
脂と同等レベルの良好なバランスを得ることが困難であ
る。従って、これらのハロゲン非含有樹脂から得られた
シート表面に光触媒物質を担持し、自己浄化機能を有す
る産業資材シートを提案しても実用性に欠けるだけでな
く、これらのハロゲン非含有樹脂では、防炎性が軟質ポ
リ塩化ビニル樹脂よりも著く劣り、むしろ易燃性である
ため、前述の中大型テント、テント倉庫などの用途に用
いることができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基布を被覆
するハロゲン非含有樹脂層と光触媒含有最外表面層を有
する積層シートにおいて、両層が強固に密着し、環境汚
れ防止性が高く柔軟性、耐久性、高周波融着性にすぐ
れ、長期間の屋外使用によって特性劣化のない、又は少
ない積層シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく研究、検討を重ねた結果、(1)繊維布帛基布
の表面を特定の非塩ビ系樹脂組成からなる樹脂層を被覆
形成し、この少なくとも一面上に、中間保護層を設け、
さらに、この中間保護層の全面上に光触媒を含有する最
外表面層を形成することによって得られる非塩ビ系積層
シート、または、(2)繊維布帛基布と、その少なくと
も一面上に被覆形成された下地層と、この下地層上に形
成された樹脂層とを含み、(A)下地層が、特定組成の
非塩ビ系樹脂から形成され、また、(B)樹脂層が、特
定組成の非塩ビ系樹脂から形成され、この樹脂層の少な
くとも一面上に、中間保護層を設け、さらに、この中間
保護層の全面上に光触媒を含有する最外表面層を形成す
ることによって得られる非塩ビ系積層シートが柔軟性に
優れ、しかも屋外でシートの環境汚れが極めて少ない状
態に維持することができ、さらにこの非塩ビ系樹脂積層
シート自体の最外表面層に含まれる光触媒による最外表
面層以外の層の劣化が極めて少ないことを見い出して本
発明を完成するに至った。
【0008】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
は、繊維布帛を含む基布層と、その少なくとも一面上に
形成された樹脂層とを含み、前記樹脂層が、ポリウレタ
ン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、及び酢酸ビニル系
共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる熱可
塑性樹脂を含み、前記樹脂層の少なくとも一面上に、光
触媒を含有する最外表面層が形成され,前記樹脂層と前
記最外表面層との間に、前記樹脂層を、前記光触媒の作
用から保護するための中間保護層が形成されていること
を特徴とするものである。本発明の積層シートにおい
て、前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂
と、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体
樹脂から選ばれた少なくとも1種の共重合体樹脂とから
なる樹脂ブレンドからなり、前記ポリウレタン樹脂の含
有量が、前記樹脂層用樹脂ブレンド重量に対し、30〜
90重量%であることが好ましい。本発明の積層シート
において、前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレタン
系樹脂のみからなるものであってもよい。本発明の積層
シートにおいて、前記基布層と前記樹脂層との間に形成
された下地層をさらに含み、この下地層がポリウレタン
系樹脂、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重
合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性
樹脂を含むものが好ましい。本発明の積層シートにおい
て、前記下地層の、前記ポリウレタン系樹脂の含有量
が、前記下地層用熱可塑性樹脂重量の10〜50重量%
であることが好ましい。本発明の積層シートにおいて、
前記下地層用熱可塑性樹脂が、アクリル系共重合体樹脂
及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも
1種からなるものであってもよい。本発明の積層シート
において、前記下地層及び前記樹脂層の各々を形成する
熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂からなるものであ
ってもよい。本発明の積層シートにおいて、前記樹脂層
が、表面被覆されたハロゲン非含有化合物粒子を、前記
樹脂層重量に対して10〜100重量%の含有量で含む
ことが好ましい。本発明の積層シートにおいて、前記下
地層及び前記樹脂層のそれぞれが、表面被覆されたハロ
ゲン非含有化合物粒子を、前記下地層及び前記樹脂層の
それぞれの重量の10〜100重量%の含有量で含むこ
とが好ましい。本発明の積層シートにおいて、前記ハロ
ゲン非含有化合物粒子が、リン含有化合物、窒素含有化
合物、及び無機系化合物から選ばれた1種以上からなる
ことが好ましい。本発明の積層シートにおいて、前記リ
ン含有化合物が、赤リン、(金属)リン酸塩、(金属)
有機リン酸塩、及びポリリン酸アンモニウムから選ばれ
ることが好ましい。本発明の積層シートにおいて、前記
窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート系化合物、
(イソ)シアヌル酸系化合物、及びグアニジン系化合
物、尿素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から選ば
れることが好ましい。本発明の積層シートにおいて、前
記無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、金属複
合酸化物、及び金属複合水酸化物から選ばれることが好
ましい。本発明の積層シートにおいて、前記ハロゲン非
含有化合物粒子の表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿
素樹脂、トリアジン樹脂、ジアリルフタレート樹脂から
選ばれた1種以上からなる熱硬化性樹脂を含み、その重
量が、ハロゲン非含有化合物の重量に対し2〜15重量
%であることが好ましい。本発明の積層シートにおい
て、前記樹脂層が、70〜99重量%の無機系顔料と1
〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色さ
れていてもよい。本発明の積層シートにおいて、前記下
地層と前記樹脂層とのそれぞれが、70〜99重量%の
無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔
料により着色されていてもよい。本発明の積層シートに
おいて、前記樹脂層が、有機系顔料を含まない着色剤に
より着色されていてもよい。本発明の積層シートにおい
て、前記下地層と前記樹脂層とのそれぞれが有機系顔料
を含まない着色剤により着色されていてもよい。本発明
の積層シートにおいて、前記樹脂層が、イソシアネート
化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オ
キサゾリン化合物、シランカップリング化合物、有機チ
タネート化合物から選ばれた少なくとも1種からなる架
橋剤を、樹脂層の重量に対して0.3〜8重量%の含有
量で含むことが好ましい。本発明の積層シートにおい
て、前記下地層及び前記樹脂層の、それぞれがイソシア
ネート化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合
物、オキサゾリン化合物、シランカップリング化合物、
有機チタネート化合物から選ばれた少なくとも1種から
なる架橋剤を、その重量の0.3〜8重量%の含有量で
含むことが好ましい。本発明の積層シートにおいて、前
記中間保護層がケイ素化合物5〜35重量%を含有する
熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂からなるこ
とが好ましい。本発明の積層シートにおいて、前記中間
保護層用ケイ素化合物が、ポリシロキサン、コロイダル
シリカ、及びシリカから選ばれることが好ましい。本発
明の積層シートにおいて、前記中間保護層に含まれる熱
可塑性樹脂及び熱(光)硬化性樹脂が、シリコーン系樹
脂、フッソ系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、
フォスファーゼン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を
含むことが好ましい。本発明の積層シートにおいて、前
記中間保護層が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜
30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色され
ていてもよい。本発明の積層シートにおいて、前記中間
保護層が、有機系顔料を含まない着色剤により着色され
ていてもよい。本発明の積層シートにおいて、前記光触
媒を含有する最外表面層が、その重量に対し、光触媒1
0〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸
化物ゲル25〜90重量%と、ケイ素化合物1〜20重
量%とからなる混合物を含有することが好ましい。本発
明の積層シートにおいて、前記光触媒を含有する最外表
面層が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量
%の有機系顔料とからなる顔料により着色されていても
よい。本発明の積層シートにおいて、前記光触媒を含有
する最外表面層が、有機系顔料を含まない着色剤により
着色されていてもよい。本発明の積層シートにおいて、
前記光触媒が、酸化チタン(TiO2)、過酸化チタン
(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫
(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTi
3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(B
23)及び酸化鉄(Fe23)から選ばれた少なくと
も1種からなる光触媒成分及び前記光触媒成分を担持す
る多孔質微粒子により形成されていることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記樹脂層が、前記熱可
塑性樹脂を含む樹脂エマルジョン、又は樹脂ディスパー
ジョンを基布上、又はその上に形成された下地層上に塗
布し、乾燥し、それによって形成された被膜を、前記樹
脂層の軟化温度よりも20℃以上高い温度において、か
つ、0.1Mpa以上の押圧力下において、熱ロールに
よって連続熱圧延して得られたものであることが好まし
い。本発明の積層シートにおいて、前記下地層及び前記
樹脂層のそれぞれが、前記下地層用又は樹脂層用熱可塑
性樹脂の樹脂エマルジョン又は樹脂ディスパージョン
を、基布上又はその上に形成された下地層上に塗布し、
乾燥し、それによって形成された下地層用又は樹脂層用
被膜を、下地層又は樹脂層の軟化温度よりも20℃以上
高い温度において、かつ、0.1Mpa以上の押圧力下
において、熱ロールにより連続熱圧延して形成されたも
のであることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の環境汚れ防止性の高い積
層シートは、繊維布帛を含む基布層と、その少なくとも
一面上に形成された樹脂層とを含み、前記樹脂層が、ポ
リウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、及び酢酸
ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種から
なる熱可塑性樹脂を含み、前記樹脂層の少なくとも一面
上に、光触媒を含有する最外表面層が形成され,前記樹
脂層と前記最外表面層との間に、前記樹脂層を、前記光
触媒の作用から保護するための中間保護層が形成されて
いることを特徴とするものである。前記樹脂層用熱可塑
性樹脂は、ポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体
樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なく
とも1種の共重合体樹脂とからなる樹脂ブレンドからな
り、前記ポリウレタン樹脂の含有量が、前記樹脂層用樹
脂ブレンド重量に対し、30〜90重量%であること、
又は、前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹
脂のみからなることが好ましい。
【0010】本発明の積層シートは、前記基布層と前記
樹脂層との間に形成された下地層をさらに含んでいても
よく、この下地層がポリウレタン系樹脂、アクリル系共
重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた
少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を含むものであっ
てもよい。前記下地層において、前記ポリウレタン系樹
脂の含有量が、前記下地層用熱可塑性樹脂重量の10〜
50重量%であることが好ましく、或は、前記下地層用
熱可塑性樹脂が、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニ
ル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる
ものであることが好ましい。前記下地層及び/又は前記
樹脂層が、表面被覆されたハロゲン非含有化合物粒子
を、前記下地層及び/又は前記樹脂層の重量の10〜1
00重量%の含有量で含むことが好ましい。前記下地層
及び/又は前記樹脂層が、70〜99重量%の無機系顔
料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により
着色されていてもよく、或は前記下地層及び/又は前記
樹脂層が有機系顔料を含まない着色料により着色されて
いてもよい。前記下地層及び/又は前記樹脂層がイソシ
アネート化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化
合物、オキサゾリン化合物、シランカップリング化合
物、有機チタネート化合物から選ばれた少なくとも1種
からなる架橋剤を、その重量の0.3〜8重量%の含有
量で含むことが好ましい。前記中間保護層は、ケイ素化
合物5〜35重量%を含有する熱可塑性樹脂及び/又は
熱(光)硬化性樹脂からなることが好ましく、前記光触
媒を含有する最外表面層が、その重量に対し、光触媒1
0〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸
化物ゲル25〜90重量%と、ケイ素化合物1〜20重
量%とからなる混合物を含有することが好ましい。
【0011】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の積層構造を図1〜3により説明する。図1に示された
積層シートの断面図において、基布層の表裏両面上に樹
脂層2a,2bが形成されており、表面側樹脂層2aの
上に中間保護層3が形成されており、その上に、光触媒
含有最外表面層4が形成されている。
【0012】図2に示された他の態様の積層シートの断
面図において、図1の積層構造に加えて、基布層1の表
面と、表面側樹脂層2aとの間に表面側下地層5aがさ
らに形成されている。図3に示された更に他の態様の積
層シートの断面図において、図2の積層構造に加えて、
基布層1の裏面と、裏面側樹脂層2bとの間に裏面側下
地層5bがさらに形成されている。
【0013】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、及び/又は樹脂層に用いられるポリウレタン
系樹脂としては、ジイソシアネート化合物と、分子構造
内にヒドロキシル基を2個以上有するポリオール化合物
と、必要によりさらにイソシアネート基と反応する官能
基を含有する化合物との付加重合反応によって得られる
ものがあげられる。前記ジイソシアネートとしては、芳
香族、脂肪族、脂環式(水素添加物を包含する)のジイ
ソシアネート化合物を包含する。これらのジイソシアネ
ート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、フェ
ニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネ
ート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3′
−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、
o−,m−、またはp−キシリレンジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、及びイソホロンジイソシアネートなどが挙げ
られる。
【0014】ヒドロキシル基を2個以上有するポリオー
ル化合物としては、分子量300〜10000、好まし
くは、500〜5000を有し、かつジイソシアネート
化合物と反応し得るものである。これらの化合物として
は、例えば、炭素数2〜8のグリコール類、例えば、エ
チレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ヘキセングリコール、及びプロピレ
ングリコールの1員と、炭素数4〜10の飽和脂肪族ジ
カルボン酸、例えばアジピン酸、コハク酸、グルタル
酸、スペリン酸、及びセバシン酸など、もしくは、芳香
族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、及び
テレフタル酸などの1員とを縮合反応させて得られる。
縮合体ジオール類;アルキレングリコールとラクトン基
との共重合によって得られるポリエステルグリコール
類、例えば、ポリラクトンジオール、ポリエナントラク
トンジオールなど;また、炭素数2〜4のアルキレンオ
キサイドとアルキレングリコールとの縮合体;炭素数2
〜4のポリアルキレルグリコール類;テトラヒドロフラ
ンの開環重合などによって得られるポリアルキレンエー
テルグリコール類;更にジヒドロキシポリエステルアミ
ド類;ジヒドロキシポリアセタール類;ジヒドロキシポ
リアルキレン類;ジヒドロキシポリカーボネート類など
も同様に用いることができる。
【0015】更に、前記ジオールの他に分子鎖長の調節
剤として、イソシアネート基と反応する官能基を有する
化合物、例えば、炭素数2〜6の飽和脂肪族のグリコー
ル類、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、1,3−プロピレングリコール、ブタン
1,2−ジオール、ブタン1,3−ジオール、ブタン
1,4−ジオール、ブタン2,3−ジオール及びブタン
2,4−ジオール、及び1,6−ヘキサンジオールなど
を適宜使用することができる。
【0016】ポリウレタン系樹脂は、上記化合物を理論
等量に基づき用いて公知の方法によって重合して製造す
ることができる。中でも、特にジオール化合物として、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール類を用いて重合したエーテル型ポリウレタン
樹脂類;ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4−
ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペ
ート)、又はポリ−ε−カプロラクトン類を用いて重合
したエステル型ポリウレタン樹脂類;ポリ(ヘキサメチ
レンカーボネート)類を用いて重合したカーボネート型
ポリウレタン樹脂類などが好適に用いられる。
【0017】また、本発明において、下地層、及び/又
は樹脂層の形成に使用するポリウレタン系樹脂として
は、無黄変ポリウレタン樹脂を使用することが耐光性の
面で好ましく、無黄変ポリウレタン樹脂は、上記ジイソ
シアネート化合物の中から特に脂肪族、脂環式(水素添
加物を包含する)ジイソシアネートを選んで重合するこ
とによって製造することができる。
【0018】本発明の積層シートにおいて、下地層、及
び樹脂層の形成に用いるポリウレタン系樹脂としては、
上記ジイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基を2個
以上有するポリオールとの反応によって得られ、分子量
100000〜200000程度の、かつ分子の両末端
にヒドロキシル基を有するポリウレタン樹脂を用いるこ
とが好ましい。このポリウレタン系樹脂は、その熱可塑
性を利用して熱混練及び圧延によって樹脂層、及び/又
は下地層を形成するのに適しており、また、有機系溶剤
中に10〜40重量%の固形分濃度で溶解し、さらに樹
脂層、及び/又は下地層の強度と耐熱性を改善させる目
的で、ジイソシアネートまたは、分子内に3個以上のイ
ソシアネート基を含有するポリイソシアネート化合物を
添加し、この溶液を塗布、乾燥することによって樹脂
層、及び/又は下地層を形成してもよい。また、ジイソ
シアネート化合物と、2個以上のヒドロキシル基を有す
るポリオールとの反応によって得られる分子量1000
00〜200000程度の、かつ分子の両末端にイソシ
アネート基を有する湿気硬化型ポリウレタン樹脂など
も、これを有機系溶剤中に溶解させて、前記と同様に使
用できる。
【0019】また、ポリウレタン系樹脂は、上記ジイソ
シアネート化合物、ジオール化合物などの原料を乳化剤
の存在下、水中で乳化重合を行うことで得られるポリウ
レタン系樹脂エマルジョンとして用いられてもよく、あ
るいは、上記ポリウレタン系樹脂を水中に強制的に分散
・懸濁させたポリウレタン系樹脂ディスパージョンなど
として使用することもできる。これらのポリウレタン系
樹脂は、エステル型ポリウレタン樹脂、エーテル型ポリ
ウレタン樹脂、カーボネート型ポリウレタン樹脂、カプ
ロラクトン型ポリウレタン樹脂、アクリル型ポリウレタ
ン樹脂などの何れであってもよく、これらのエマルジョ
ン、及びディスパージョンの混合物として用いられても
よい。更に、これらの樹脂の分子構造中に水酸基、カル
ボン酸基、及び/又は4級アンモニウム塩基などを導入
し、水中における分散安定性を改良した官能基含有変性
ポリウレタン樹脂エマルジョンなどであってもよい。ま
た、ポリウレタン系樹脂エマルジョンは、コア−/シェ
ル異相構造を有するハイブリッドエマルジョンであって
もよい。これらのコア−シェル型エマルジョンとして
は、例えば、コアポリマーとして酢酸ビニル系共重合樹
脂または、アクリル酸エステル系共重合樹脂を用い、シ
ェルポリマーとしてポリウレタン系樹脂を用いてコアと
シェルとを一体化したものなどが使用できる。特に樹脂
層、及び/又は下地層の強度と耐熱性を改善させる目的
で、これらのポリウレタン系樹脂エマルジョン、及びデ
ィスパージョンにブロックイソシアネートまたは、親水
性基を含有するポリイソシアネート化合物を添加し、こ
の溶液を塗布、乾燥することによって樹脂層、及び/又
は下地層を形成してもよい。
【0020】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、及び/又は樹脂層に用いるアクリル系共重合
体樹脂としては、エチレン−(メタ)アクリル酸(エス
テル)共重合体樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸
(エステル)共重合体樹脂が挙げられる。(メタ)アク
リル酸エステルとは、アクリル酸、メタアクリル酸、ア
クリル酸エステル及びメタアクリル酸エステルを意味す
る。エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合
体樹脂は、エチレンモノマーと、それと共重合し得るア
クリル系モノマーとのラジカル共重合によって製造され
た共重合体樹脂であって、アクリル系モノマーとしては
具体的に、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタアクリル酸エステルを包含し、これらのア
クリル系モノマーは2種以上を併用してエチレンと共重
合することもできる。エチレン−(メタ)アクリル酸
(エステル)共重合体樹脂において、アクリル酸、メタ
アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エス
テルなどのアクリル系モノマーの成分含有量は6〜35
重量%であることが好ましく、15〜30重量%である
ことがより好ましい。また、これらのアクリル系共重合
体樹脂が、乳化剤の存在下、水中で重合を行うことで得
られる樹脂エマルジョンの場合、共重合するアクリル系
モノマーの成分量は60〜95重量%、好ましくは70
〜90重量%であることが好ましい。また、オレフィン
−α,β−不飽和カルボン酸共重合体をベース樹脂とし
て、そのカルボキシル基の5〜90%を金属イオンで中
和したアイオノマー樹脂などを用いてもよく、例えば、
エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合樹脂
系アイオノマー樹脂ディスパージョンなども使用でき
る。このアイオノマー樹脂を中和する金属イオンとして
は、Zn++、及びNa+ の金属イオンを用いることが特
に好ましい。
【0021】また、スチレン−(メタ)アクリル酸(エ
ステル)共重合体樹脂は、スチレンモノマーと、それと
共重合し得るアクリル系モノマーとのラジカル共重合に
よって製造された共重合体樹脂である。アクリル系モノ
マーとしては具体的に、アクリル酸、メタアクリル酸、
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどで、
これらのアクリル系モノマーは2種以上を併用しスチレ
ンと共重合することもできる、さらに前記、スチレン及
びアクリル系モノマーに加えて、第3成分として、例え
ば、アクリル酸及びメタクリル酸のα,β−不飽和酸、
マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸などの不飽和基
含有二価カルボン酸、及びそれらのアルキルエステル
類;α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビ
ニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などのシアン化ビニル化合物類;並びに無水マレイン
酸、マレイミド、及びN−置換マレイミドなどの1種以
上を共重合して得られた多元共重合体であってもよい。
これらのアクリル系共重合体樹脂は、水中で重合を行う
ことにより、樹脂エマルジョン、または水分散体(ディ
スパージョン)として得られる。このとき共重合するア
クリル系モノマーの成分含有量は40〜95重量%であ
ることが好ましく、60〜85重量%であることがさら
に好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとして、主に
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グ
リシジルなど、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル
類が用いられる。
【0022】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、及び/又は樹脂層に用いる酢酸ビニル系共重
合体樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重
合体樹脂が挙げられる。エチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂は、エチレンモノマーと、酢酸ビニルモノマーとを
ラジカル共重合して得られる共重合体樹脂である。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂において、酢酸ビニルモ
ノマーの成分含有量は6〜35重量%であることが好ま
しく、15〜30重量%であることがより好ましい。ま
た、これらの酢酸ビニル系共重合体樹脂が、乳化剤の存
在下、水中で重合を行うことで得られる樹脂エマルジョ
ンの場合、共重合する酢酸ビニル成分の含有量は60〜
95重量%であることが好ましく、70〜90重量%で
あることがより好ましい。また、酢酸ビニル−(メタ)
アクリル酸(エステル)共重合体樹脂は、酢酸ビニルモ
ノマーと、それと共重合し得るアクリル系モノマーとの
ラジカル共重合によって製造された共重合体樹脂であ
る。アクリル系モノマーとしては具体的に、アクリル
酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリ
ル酸エステルなどを包含し、これらのアクリル系モノマ
ーは2種以上を併用しエチレンと共重合することもでき
る。酢酸ビニル系共重合体樹脂が、乳化剤の存在下、水
中で重合を行うことで得られる樹脂エマルジョンの場
合、共重合する酢酸ビニル成分の含有量は30〜80重
量%であることが好ましく、40〜70重量%であるこ
とがより好ましい。また、酢酸ビニル成分の含有量が1
0〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を
水中に強制分散させて得られたディスパージョンを用い
てもよい。
【0023】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、及び/又は樹脂層を形成する熱可塑性樹脂
は、上記ポリウレタン系樹脂のみから構成されていても
よく、あるいは上記アクリル系共重合体樹脂のみ、また
は、上記酢酸ビニル系共重合体樹脂のみで構成されてい
てもよいが、本発明において、下地層、及び/又は樹脂
層は、上記ポリウレタン系樹脂と、上記アクリル系共重
合体樹脂及び/又は、上記酢酸ビニル系共重合体樹脂と
のブレンドによって構成されることが好ましい。
【0024】(i)本発明の積層シートにおいて、繊維
布帛を含む基布層の少なくとも一面上に樹脂層が直接形
成されている場合、この樹脂層用熱可塑性樹脂を構成す
るポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂及び
/又は、酢酸ビニル系共重合体樹脂とのブレンドにおい
て、樹脂ブレンドの重量に対し、ポリウレタン系樹脂の
含有量が、30〜90重量%であることが好ましく、特
に50〜80重量%であることがより好ましい。ブレン
ド中のポリウレタン系樹脂の含有量が30重量%未満で
あると、得られるシートの耐摩耗性及び耐寒性が不十分
になり実用上支障をきたすことがある。また、それが9
0重量%を越えると、使用環境によっては表面にベタつ
きを生ずることがある。
【0025】(ii)本発明の積層シートが、繊維布帛を
含む基布層上に、その少なくとも一面上に形成された下
地層を介して樹脂層が形成されている場合、下地層に含
まれる熱可塑性樹脂は、ポリウレタン系樹脂、アクリル
系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系樹脂の少なくとも1種
からなるものである。(a)下地層に用いられる熱可塑
性樹脂がポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹
脂、及び/又は酢酸ビニル系共重合体樹脂との樹脂ブレ
ンドである場合、樹脂ブレンドの重量に対し、ポリウレ
タン系樹脂の含有量が、10〜50重量%であることが
好ましく、特に20〜40重量%含有されることがより
好ましい。またこの場合、(b)樹脂層用熱可塑性樹脂
がポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂、及
び/又は酢酸ビニル系共重合体樹脂との樹脂ブレンドか
らなり、樹脂ブレンドの重量に対し、ポリウレタン系樹
脂の含有量が、30〜90重量%であることが好ましく
特に50〜80重量%含有することがより好ましい。
【0026】前記下地層用樹脂ブレンド(a)におい
て、ポリウレタン系樹脂の含有量が10重量%未満であ
ると、得られる積層シートの耐寒性及び、耐屈曲性が不
十分になり実用に支障をきたすことがあり、また、それ
が50重量%を越えると、得られる積層シートの風合い
に反発弾性が増すため、積層シートの厚さによっては、
取り扱い性が不良になることがある。前記樹脂層用樹脂
ブレンド(b)において、ポリウレタン系樹脂の含有量
が30重量%未満であると、得られる積層シートの耐摩
耗性が不十分となることがあり、また、それが90重量
%を越えると、使用環境によっては表面にベタつきを生
ずることがある。本発明において、上記ポリウレタン系
樹脂、アクリル系共重合体樹脂、及び酢酸ビニル系共重
合体樹脂の2種以上の樹脂ブレンドは、各樹脂の熱溶融
・混練によって調製されてもよく、また、各樹脂を有機
溶剤に溶解させて調製してもよく、またさらに、各樹脂
のエマルジョンをブレンドして調製してもよい。樹脂ブ
レンド及び、各樹脂単体の軟化温度は65〜140℃で
あることが好ましい。
【0027】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、及び/又は樹脂層を形成する熱可塑性樹脂
(樹脂ブレンド、または、樹脂単体)には、イソシアネ
ート化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合
物、オキサゾリン化合物、シランカップリング化合物、
有機チタネート化合物から選ばれた少なくとも1種から
なる架橋剤を、熱可塑性樹脂の重量に対して0.3〜8
重量%の含有量で含有されることが好ましい。前記架橋
剤の含有率が0.3重量%未満であると、得られる積層
シートの耐水性と耐熱性とが不十分となることがあり、
また、それが8重量%を越えても耐水性と耐熱性の改善
効果は飽和し、むしろ高周波融着性が低下し、風合いを
硬くするなどの弊害が発生することがある。また、前記
下地用及び樹脂層用熱可塑性樹脂(樹脂ブレンド又は樹
脂単体)の軟化温度は65〜140℃であることが好ま
しい。
【0028】前記架橋剤として用いられるイソシアネー
ト化合物は、脂肪族ジイソシアネート類、例えば、ヘキ
サメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソ
シアネートなど;脂環式ジイソシアネート類、例えば、
イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシア
ネートなど;芳香族ジイソシアネート類;例えば、トリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネートなど;ポリイソシア
ネート類、例えば、HDIのイソシアヌレート3量体、
HDIのトリメチロールプロパン・アダクト3量体、H
DIのビウレット3量体など;及び、前記イソシアネー
ト化合物のイソシアネート基をフェノール化合物類、オ
キシム化合物類、アルコール化合物類、またはラクタム
化合物類などのブロック化剤で保護したもの;及びこれ
らのエマルジョン、さらに、前記ポリイソシアネート化
合物の一部に長鎖アルキレンジオール基を導入して親水
性を付与したイソシアネート変性体などを包含する。
【0029】前記架橋剤として用いられるカルボジイミ
ド化合物としては、有機ジイソシアネート化合物を、ホ
スホレン化合物、又は金属カルボニル錯体化合物、など
を触媒として、カルボジイミドに転換することによって
得られる化合物、例えば、ジプロピルカルボジイミド、
ジヘキシルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、ジ−p−トルオイルカルボジイミド、及びトリ
イソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなどが挙げら
れるが、これらの中でも、特にポリカルボジイミドなど
の多官能化合物を用いることが好ましい。
【0030】前記架橋剤として用いられるアジリジン化
合物としては、例えば、ジフェニルメタン−ビス−4,
4′−N,N′−ジエチレンウレア及び、このエマルジ
ョン、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリ
ス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕などが
挙げられる。
【0031】前記架橋剤として用いられるオキサゾリン
化合物としては、オキサゾール−4−カルボン酸の脱炭
酸反応により得られるオキサゾールを原料として用い、
これから誘導される化合物、例えば、2−オキサゾリ
ン、4−メチル−2−オキサゾリン、2,2′−ビス
(2−オキサゾリン)、並びにスチレン樹脂またはアク
リル系樹脂などのポリマーを幹としてオキサゾリル基を
グラフトして得られる多官能オキサゾリンポリマー、及
びそのエマルジョンなどが挙げられる。
【0032】前記架橋剤として用いられるシランカップ
リング化合物としては、一般式:XR−Si(Y)3
表され、かつ分子中に2個以上の互に異なる反応基を有
する化合物で、例えば、X=アミノ基、ビニル基、エポ
キシ基、クロル基、又はメルカプト基など(R=アルキ
ル鎖)、Y=メトキシ基、又はエトキシ基などの化合
物;前記一般式の化合物の加水分解生成物、及びそれと
アルコキシシラン化合物との共加水分解生成化合物など
を包含する。具体的に述べるならば有機シラン化合物と
しては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、及びパーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラ
ンなどが挙げられる。
【0033】前記架橋剤として用いられる有機チタネー
ト化合物としては、テトラエトキシチタン、テトラ−i
−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テ
トラ−i−プロポキシチタンポリマー、テトラ−n−ブ
トキシチタンポリマーなどのチタニウムアルコキシド化
合物;トリ−n−ブトキシチタン・ステアレート、イソ
プロポキシチタン・トリステアレートなどのチタニウム
アシレート化合物;ジ−i−プロポキシチタン・ビスア
セチルアセトナト、ジ−i−プロポキシチタン・ビスエ
チルアセトアセタトなどのチタニウムキレート化合物;
並びにイソプロポキシチタン・トリイソステアレート、
イソプロポキシチタン・ジメタクリレート・イソステア
レート、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホス
フェート、ビスジオクチルホスフェート・エチレングリ
コラトチタン、及びジ−n−ブトキシ・ビストリエタノ
ールアミナトチタンなどのチタンカップリング剤が挙げ
られる。
【0034】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
において、その下地層、及び/又は樹脂層を、無機系顔
料を用いて着色して、積層シートによる光隠蔽性を改善
することが好ましい。具体的に本発明に使用できる無機
系顔料としては、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン(ル
チル型、アナターゼ型)、三酸化アンチモン、酸化鉄
(鉄黒、べんがら)、黄色酸化鉄、フエロシアン化鉄
(紺青)、紺青と黄鉛との混合物(ジンクグリーン)、
酸化鉛(鉛丹)、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化
コバルトと酸化アルミニウムの複合物(コバルトブル
ー)、酸化コバルトと酸化錫と酸化マグネシウムとの複
合物(セルリアンブルー)、酸化コバルトと酸化リチウ
ムと五酸化リンの複合物(コバルトバイオレット)、酸
化コバルトと酸化亜鉛と酸化マグネシウムとの複合物
(コバルトグリーン)、リン酸コバルト(コバルトバイ
オレット)、リン酸マンガン(マンガン紫)などの金属
酸化物;硫化亜鉛と硫酸バリウムの複合物(リトポ
ン)、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化亜
鉛、硫化亜鉛カドミウム、硫化カドミウム(カドミウム
イエロー)、硫化カドミウムと硫化水銀との複合物(カ
ドミウムマーキュリーレッド)、硫化水銀(銀朱)、硫
化カドミウムとセレニウム−カドミウムの複合物(カド
ミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエロ
ー)、硫化アンチモンと三酸化アンチモンの複合物(ア
ンチモン朱)、などの金属硫化物;硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、硫酸鉛、塩基性硫酸鉛などの金属硫酸塩;
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭
酸鉛と水酸化鉛の複合物(鉛白)などの金属炭酸塩;水
酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、水酸化アルミ
ニウムと硫酸カルシウムの複合物(サチン白)、水酸化
アルミニウムと硫酸バリウムの複合物(グロスホワイ
ト)、クロム酸水和物(ビリジアン)などの金属水酸化
物;クロム酸鉛(黄鉛)、クロム酸亜鉛(亜鉛黄)、ク
ロム酸バリウム、クロム酸鉛と酸化鉛の複合物(赤口黄
鉛)、クロム酸鉛とモリブデン酸鉛と硫酸鉛との複合物
(クロムバーミリオン)などのクロム酸金属塩;モリブ
デン酸鉛と硫酸鉛の複合物(モリブデンレッド)、紺青
と黄鉛との混合物(クロムグリーン)、スピネル型(X
24 )構造酸化物〔但し、XY=Co−Al,Co
−Al−Cr,Co−Mg−Sn,Co−Ni−Ti,
Co−Zn−Ni−Ti,Co−Zn−Cr−Ti,Z
n−Cr−Ti,Zn−Cr−Fe,Co−Zn−Cr
−Fe,Co−Ni−Cr−FE−Si,Co−Mn−
Cr−Fe,Cu−Mn−Cr,Mn−Feなど〕;ル
チル型〔Ti(X′Y′)O2 〕構造酸化物〔但し、
X′Y′=Pb−Sb,Ni−Sb(チタンイエロ
ー),Ni−W,Fe−Mo,Cr−Sbなど〕;カー
ボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、
黒鉛、シリカ、ホワイトカーボン、ケイ藻土、タルク、
クレーなど;並びにアルミニウム粉、ブロンズ粉、ニッ
ケル粉、ステンレス粉などの金属顔料及びパール顔料な
どを包含し、これらの無機系顔料を、使用目的(所望の
色及び用途など)に応じて、その単1種又は2種以上の
組み合わせを用いることができる。また、これらの無機
系顔料を、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリ
ア樹脂、フェノール樹脂、及び/又はエポキシ樹脂など
の熱硬化性樹脂中に配合充填したものを微粉化して得ら
れる熱硬化性樹脂被覆顔料を使用してもよい。
【0035】これらの無機系顔料の添加量に関しては、
シートの厚さと、所望の色相に応じて適宜に設定すれば
よく、特に制限はないが、下地層、または樹脂層を形成
する樹脂配合組成物100重量部に対し、0.1〜30
重量部、好ましくは、0.5〜20.0重量部であるこ
とが好ましい。無機系顔料の添加量が0.1重量部未満
では、下地層と樹脂層の着色度が不十分になり所望の隠
蔽性が得られないことがあり、また、それが30重量部
を超えると下地層と樹脂層の成形加工性が不十分にな
り、さらに下地層と樹脂層の各々の樹脂強力と樹脂摩擦
強力が不十分になることがある。これらの無機系顔料と
しては、使用時の分散性を向上させるために、分散剤処
理された加工顔料を使用することが好ましい。
【0036】また本発明の環境汚れ抑制シートの下地
層、または樹脂層の着色には、調色の必要性から、無機
系顔料と有機系顔料とを併用することもできる。本発明
の環境汚れ防止性の高い積層シートにおいて、光触媒効
果による有機系顔料の分解変退色を最小限に抑制するた
めには、無機系及び有機系顔料を、無機系顔料70〜9
9重量%:有機系顔料1〜30重量%の併用比率で用い
られることが好ましい。より好ましくは無機系顔料85
〜99重量%:有機系顔料1〜15重量%の併用比率で
用いられる。無機系顔料と有機系顔料との混合顔料の添
加量に関しては、シートの厚さと、所望色相及び濃さに
応じて適宜に設定することができるので、特に制限はな
い。混合顔料の添加量は、下地層、または樹脂層を形成
する配合組成物100重量部に対し、0.1〜30重量
部であることが好ましく、0.5〜20重量部であるこ
とがより好ましい。混合顔料の添加量が、0.1重量部
未満では、下地層、及び樹脂層の着色度が不十分になり
その隠蔽性が不十分になることがあり、またそれが30
重量部を超えると、下地層と樹脂層の成形加工性が不十
分になりまた、下地層と樹脂層の樹脂強力、及び樹脂摩
耗強力が不十分になることがある。本発明においては、
積層シートに所望の光隠蔽性を与えるために、特に無機
系顔料として、少くともその一部分として酸化チタン
(TiO2 )を使用することが好ましい。酸化チタンと
しては、チタン鉱石を硫酸と反応させて硫酸チタニルと
し、これを加水分解して得た含水酸化チタンを焼成して
得られるルチル型酸化チタン、及びアナタース型酸化チ
タン、またはチタン鉱石を還元剤と共に塩素を反応さ
せ、得られた四塩化チタンを酸素と反応させて得られる
ルチル型酸化チタンなどが挙げられる。本発明に使用す
る酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタンが、耐候性
の観点で好ましく、その粒子径としては0.05〜0.
5μmであることが好ましく、平均粒子径が0.2〜
0.35μmの酸化チタンが光隠蔽性に優れ、本発明の
積層シートに好適である。
【0037】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、または樹脂層の着色に使用できる有機系顔料
としては、アゾ系顔料、より詳しく述べるならば、不溶
性モノアゾ顔料として、β−ナフトール系、ナフトール
AS系、アセト酢酸アリールアミド系の有機系顔料、例
えば、ファストイエローG、ジニトロアニリンオレン
ジ、トルイジンレッド、ナフトールバイオレットB、ベ
ンズイミダゾロンブラウンHFRなど;不溶性ジスアゾ
顔料として、アセト酢酸アリールアミド系、ピラゾロン
系の有機系顔料、例えば、ジスアゾイエローAAA、ジ
スアゾオレンジPMP、ピラゾロンレッドB、ジアニシ
ジンブルーなど;アゾレーキ顔料として、β−ナフトー
ル系、β−オキシナフトエ酸系の有機系顔料、例えば、
タートラジンイエローレーキ、ペルシアンオレンジ、レ
ーキレッドCなど;縮合アゾ顔料として、例えば、縮合
アゾイエローGR、縮合アゾオレンジ4R、縮合アゾレ
ッドBR、縮合アゾブラウン5Rなど;金属錯塩アゾ顔
料として、例えば、ニッケルアゾイエロー、銅アゾブラ
ウンなど;フタロシアニン顔料、詳しくは、銅フタロシ
アニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシ
アニン、銅フタロシアニンレーキなど、例えば、フタロ
シアニンブルー、フタロシアニングリーンなど;染付け
レーキ顔料、詳しくは、酸性染料レーキ顔料として、例
えば、キノリンイエローレーキ、フロキシンBレーキ、
ピーコックブルーレーキなど;塩基性染料レーキ顔料と
して、例えば、チオフラビンレーキ、ローダミン6Gレ
ーキ、メチルバイオレットレーキ、ビクトリアピュアブ
ルーBOレーキ、ブリリアントグリーンレーキ、ビスマ
ルクブラウンRレーキなど;縮合多環系顔料、詳しく
は、アントラキノン系顔料として、例えば、フラバント
ロンイエロー、ピラントロンオレンジ、ジアントラキノ
ニルレッド、ジクロロイソピオラントロンバイオレッ
ト、インダントロンブルー、ピオラントロングリーン、
ヘリオフアストブラウンRなど;チオインジゴ系顔料と
して、例えば、チオインジゴボルドー、チオインジゴマ
ゼンタ、チオインジゴブラウンなど;ペリノン系顔料と
して、例えば、ペリノンオレンジ、ペリノンレッドな
ど;ペリレン系顔料として、例えば、ペリレンスカーレ
ット、ペリレンボルドーなど;キナクリドン系顔料とし
て、例えば、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼン
タなど;ジオキサジン系顔料として、例えば、ジオキサ
ジンバイオレット;イソインドリノン系顔料として、例
えば、イソインドリノンイエロー3RLT、イソインド
リノンオレンジRLT、イソインドリノンレッド2BL
Tなど;キノフタロン系顔料として、例えば、キノフタ
ロンイエローなど;イソインドリン系顔料として、例え
ば、イソインドリンイエローなど;その他の有機系顔料
としてニトロソ顔料、例えば、ニッケルニトロソイエロ
ー、ピグメントグリーンBなど;アリザリンレーキ顔料
として、例えば、マダーレーキ、アリザリンマルーンな
ど;金属錯塩アゾメチン顔料として、例えば、銅アゾメ
チンイエローなど;アニリン系顔料として例えば、アニ
リンブラックなどが挙げられる。上記の有機系顔料の1
種または、2種以上を前記無機系顔料と組み合わせて使
用する事ができるが、本発明の環境汚れ防止性の高い積
層シートをハロゲン非含有性にするという観点からは、
これらの有機系顔料は、その化学構造においてハロゲン
原子を含有しないものから選ばれることが好ましい。ま
た、これらの有機系顔料をメラミン樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
などの熱硬化性樹脂中に配合充填したものを微粉化して
得られた熱硬化性樹脂被覆顔料を使用しても良い。ま
た、上記無機系顔料、または有機系顔料は、その使用時
の分散性を向上させるために、分散剤処理された加工顔
料として使用されることが好ましい。エマルジョン樹脂
の着色には、上記有機系顔料及び、無機系顔料を、非イ
オン系またはアニオン系の界面活性剤を分散剤として水
に分散させた水性分散体顔料または、親水性樹脂で顔料
の表面処理コートを施した水易分散顔料などを使用する
ことが好ましく、樹脂への練り混み用には、上記有機系
顔料または、無機系顔料をポリオレフィン系樹脂、ワッ
クス、分散剤などと一括してマスターバッチ、カラード
ペレットなどの形態に調整された加工顔料を使用する事
が好ましい。
【0038】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、または樹脂層には、必要に応じて、種々の添
加剤を配合して用いることができる。特に下地層及び樹
脂層の耐久性を向上させる目的で、これらに、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、及び/又は光安定剤などを適量添加
することが好ましい。紫外線吸収剤としてはベンゾフェ
ノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル
酸系化合物及び、アニリド系化合物を含む紫外線吸収剤
が挙げられ、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール
系化合物、アミン系化合物、及びフォスファイト系化合
物の酸化防止剤が挙げられる。また光安定剤としてはヒ
ンダードアミン系化合物の光安定剤が挙げられる。その
他フィルム成型時の加工性を向上させる目的でリン酸エ
ステル系化合物、脂肪族アミド系化合物、モンタン酸系
化合物などの滑剤を添加することもできる。
【0039】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、または樹脂層に、ハロゲン非含有化合物粒子
を添加して、これに防炎性を付与することが産業資材と
しての用途上好ましく、さらに、消防法に定められる防
炎試験に適合することが好ましい。また、ハロゲン非含
有化合物粒子は熱硬化性樹脂などによって表面被覆され
ていることが好ましく、特にハロゲン非含有化合物が無
機系化合物である場合には、酸性雨に対する耐性を向上
させるという観点で好ましく、また、特にハロゲン非含
有化合物が有機系化合物である場合には、光触媒による
その分解・劣化に対する耐性を向上させるという観点か
ら好ましい。ハロゲン非含有化合物としては、リン含有
化合物、窒素含有化合物、無機系化合物のいずれか1種
以上であることが好ましく、下地層、または樹脂層を形
成する樹脂組成物100重量部に対し、ハロゲン非含有
化合物を10〜100重量部配合することが好ましい。
この時、下地層及び樹脂層用熱可塑性樹脂(樹脂ブレン
ド及び、樹脂単体)の軟化温度は75〜180℃である
ことが好ましい。
【0040】前記防炎用リン含有化合物としては、赤リ
ン、(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリ
ン酸アンモニウムが挙げられる。赤リンとしては、黄リ
ンを不活性ガス雰囲気下、250〜350℃の加熱によ
って赤リンに転化された平均粒子径5〜25μmの粉末
状の赤リンが使用できる。また、本発明に使用する赤リ
ンとしては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン
樹脂、及びジアリルフタレート樹脂の熱硬化性樹脂から
選ばれた1種以上により表面被覆され、平均粒子径5〜
25μmの粒子状の赤リンを使用することが好ましい。
金属リン酸塩としてはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸な
どの金属塩が挙げられる。リン酸と塩を形成する金属と
してはNa,K,Li,Ca,Ba,Mg,Al,Zn
などが挙げられる。有機リン酸塩としては、(亜)リン
酸モノアルキルエステルの金属塩、(亜)リン酸ジアル
キルエステルの金属塩が挙げられる。有機リン酸と塩を
形成する金属としてはNa,K,Li,Ca,Ba,M
g,Al,Znなどが挙げられる。ポリリン酸アンモニ
ウム系化合物としては、オルソリン酸アンモニウムと含
窒素化合物との縮合物である縮合系リン酸塩化合物を用
いることができる。縮合系リン酸塩化合物としては、ポ
リリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモ
ニウム、ポリリン酸メラミンなどが使用できる。ポリリ
ン酸アンモニウム(NH4 PO3)n としては、重合度n
が200以上のものが好ましく用いられる。ポリリン酸
アンモニウムの重合度nが200未満であると、ポリリ
ン酸アンモニウムが水溶性となり、水に溶出してしまう
ことで難燃化効果の持続性が失われるなどして降雨に晒
される用途には不適切となる。本発明に使用する縮合リ
ン化合物としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジ
ン樹脂などの窒素含有熱可塑性樹脂で表面被覆処理され
た重合度nが600〜1200のポリリン酸アンモニウ
ムが好ましい。
【0041】前記防炎用窒素含有化合物としては、(イ
ソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合
物、グアニジン系化合物、尿素系化合物及びこれらの誘
導体化合物から選ばれた1種以上であることが好まし
い。具体的に窒素含有化合物としては、トリメチルシア
ヌレート、トリエチルシアヌレートなどのシアヌレート
誘導体;及びこれらの(イソ)シアヌレート誘導体とメ
ラミン系化合物との複合物、トリメチルイソシアヌレー
ト、トリエチルイソシアヌレートなどのイソシアヌレー
ト誘導体、メラミン(シアヌル酸アミド)、グアナミ
ン、ベンゾグアナミン、硫酸メラミン、トリメチロール
メラミン、シアヌル酸トリメチルエステル、シアヌル酸
トリエチルエステル、シアヌル酸モノアミド、シアヌル
酸ジアミド、及び1,3,5−トリアジン、2,4,6
−トリオキシ−1,3,5−トリアジンなどのシアヌル
酸誘導体;またイソシアヌル酸モノイミド、イソシアヌ
ル酸ジイミド、イソシアヌル酸トリイミド、トリメチル
ジシアナミド、トリエチルジシアナミド、トリカルボイ
ミド、及びジシアナミドの3量体(メロン)などのイソ
シアヌル酸誘導体;またジシアンジアミド、ジシアンジ
アミジシン、グアニジン、スルファミン酸グアニジン、
燐酸グアニジン、及びジグアニドなどのグアニジン誘導
体;尿素、チオ尿素、ジメチロール尿素、ジアセチル尿
素、トリメチル尿素、N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グ
アニル尿素などの尿素系化合物、及びこれらの窒素含有
化合物の複合物が挙げられる。またこれらの窒素含有化
合物とポリリン酸との複合物、例えばポリリン酸とメラ
ミンの複合物、ポリリン酸とメラミンの2量体との複合
物などが挙げられる。その他の窒素含有化合物として、
ピロール類、インドール類、オキサゾール類、オキサジ
ン類、チアジン類、ピリダジン類などの複素環式化合物
なども使用することができる。
【0042】前記防炎用無機系化合物としては、金属酸
化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、金属複合水酸化
物などが挙げられる。これらは具体的に、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化モリブデ
ン、酸化アンチモンなどの金属酸化物、及びホウ酸亜
鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アル
ミニウム、チタン酸カリウム、ジルコニウム−アンチモ
ンなどの金属複合酸化物などが挙げられる。また水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、塩基性炭酸
マグネシウムなどの金属水酸化物、及びドロマイト、ハ
イドロタルサイト、ヒドロキシスズ酸亜鉛、酸化スズの
水和物、ホウ砂などの金属複合水酸化物、これらの無機
系化合物の粒径は、化合物の種類によって異なるが例え
ば平均粒径が、20μm以下、好ましくは10μm以下
であるものが加工性、分散性のうえで好ましく、またこ
れらの無機系化合物は、1種または2種以上併用するこ
ともできる。
【0043】これら前記ハロゲン非含有化合物粒子の表
面被覆は、熱硬化性樹脂から選ばれた1種以上を用い、
上記ハロゲン非含有化合物重量の好ましくは2〜15重
量%、より好ましくは3〜10重量%の被覆率で、前記
ハロゲン非含有化合物粒子表面上に形成されることが好
ましい。被覆率が2重量%未満であると、光触媒によっ
て上記ハロゲン非含有化合物のうち、特に有機系化合物
が分解・劣化し、得られるシートの防炎性が損なわれる
ことがあり、また、上記ハロゲン非含有化合物のうち、
特に無機系化合物が酸性雨によって腐蝕され、得られる
シートの防炎性が不十分となることがある。また熱硬化
性樹脂による被覆率が15重量%を越えると、ハロゲン
非含有化合物の表面被覆処理工程で、ハロゲン非含有化
合物粒子が凝集し、本発明の下地層、または樹脂層を形
成する組成物中への分散性を不十分にするのみならず、
得られる積層シートの機械的強度が不十分になることが
ある。
【0044】前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆
に使用できる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、及びジアリルフタレー
ト樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、フェ
ノール類、またはアルコール類とエピクロルヒドリン
(ECH)との重縮合によって得られるグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、例えばビスフェノールAとECH
との重縮合によって得られるビスフェノールA型エポキ
シ樹脂が挙げられる。特にフェノール誘導体としてフェ
ノールノボラックを使用した多官能グリシジルエーテル
型エポキシ樹脂などが3次元編目構造を生成するため好
ましく使用できる。その他、カルボン酸類とECHとの
重縮合によって得られるグリシジルエステル型エポキシ
樹脂、アミン類または、シアヌル酸類、または、ヒダン
トイン類などとECHとの重縮合によって得られるグリ
シジルアミン型エポキシ樹脂、及び脂環式エポキシ樹脂
などが挙げられる。またこれらのエポキシ樹脂にはポリ
アミン、変性ポリアミン、酸無水物、イソシアネート、
ポリメルカプタン及び有機酸などの重付加型硬化剤、3
級アミン、イミダゾール、ルイス酸、ブレンステッド酸
塩などの触媒型硬化剤、レゾール型フェノール樹脂、メ
チロール基含有尿素樹脂、メチロール基含有メラミン樹
脂などの縮合型硬化剤などを併用してさらに樹脂を硬化
させることができる。また、これらの熱硬化性樹脂の硬
化反応は、紫外線照射による光硬化によって行なわれた
ものであってもよい。
【0045】前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆
用不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和二塩基酸を
含む二塩基酸と二価アルコールとの重縮合によって得ら
れ、不飽和結合をビニルモノマーで架橋したものが挙げ
られる。不飽和二塩基酸としては無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸などが挙げられ、二塩基酸としては無
水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、無水ヘット酸などが挙げられる。ま
た多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,
6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、トリエチレングリコールなどが挙げ
られる。また架橋用のビニルモノマーとしてはスチレ
ン、ビニルトルエン、フタル酸ジアリル、シアヌル酸ト
リアリル、メタクリル酸メチルなどが挙げられる。その
他、不飽和ポリエステル樹脂としてビニルエステル樹脂
を使用することもできる。
【0046】前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆
用フェノール樹脂としては、フェノールまたは、フェノ
ール誘導体とホルムアルデヒドとの酸性触媒存在下での
縮合によって得られるノボラック型樹脂をヘキサメチレ
ンテトラミンのような架橋剤と共に加熱して硬化させた
もの、あるいはフェノールまたは、フェノール誘導体と
ホルムアルデヒドとの塩基性触媒存在下での縮合によっ
て得られるレゾール型樹脂を酸触媒または加熱によって
硬化させたものが挙げられる。フェノール誘導体として
は(o−,m−,p−)クレゾール、(2,3−,2,
4−,2,5−,2,6−,3,4−,3,5−)キシ
レノール、レゾルシノールなどが挙げられ、フェノール
と併用することで得られるフェノール樹脂の特性をコン
トロールすることができる。
【0047】前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆
用メラミン樹脂としては、メラミンまたは、メラミン誘
導体とホルムアルデヒドとの付加によって得られるメチ
ロール化メラミンを縮合したものが用いられ尿素樹脂と
しては、尿素または、尿素誘導体とホルムアルデヒドと
の付加によって得られるメチロール化ユリアを縮合した
ものが用いられトリアジン樹脂としては、グアナミンま
たは、グアナミン誘導体とホルムアルデヒドとの付加に
よって得られるメチロール化グアナミンを縮合したもの
などが用いられる。また前記メチロール化において、メ
ラミン、尿素、グアナミン及び、これらの誘導体を2種
以上用いて付加させて共縮合樹脂させた物であってもよ
い。
【0048】前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆
用ジアリルフタレートとしては、アリルクロライドと無
水フタル酸との付加体であるジアリルオルソフタレート
または、アリルクロライドとイソフタル酸との付加体で
あるジアリルイソフタレートを線上にラジカル重合させ
たプレポリマーを、熱硬化、または紫外線硬化させたも
のが挙げられる。
【0049】更に本発明に使用するハロゲン非含有化合
物の表面被覆中には、金属アルコキシド化合物、有機シ
ラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフルオロ
基含有化合物、シリコーン系化合物から選ばれた1種以
上からなる添加剤を含有させることが好ましく、これら
の添加剤は上記熱硬化性樹脂の重量に対し、1〜30重
量%含有することが好ましい。上記添加剤が表面被覆層
中に均一分散して含まれる場合には、熱硬化性樹脂重量
に対する含有量は1〜10重量%であることが好まし
く、またハロゲン非含有化合物の表面を上記添加剤で表
面処理したものに、熱硬化性樹脂で表面処理被覆したも
の、あるいはハロゲン非含有化合物の表面を熱硬化性樹
脂で表面処理被覆したものにさらに上記添加剤による表
面処理を施したものなどの場合には、熱硬化性樹脂重量
に対する上記添加剤の含有量は、10〜30重量%であ
ることが好ましい。
【0050】前記添加剤用金属アルコキシド化合物とし
ては、一般式M(OH)n の金属水酸化物の水酸基を、
アルコキシ基(OR:例えば−OCH3 ,−OC2
5 ,−OC37 ,−OC49 などで置換した有機金
属化合物(M(OR)n )が用いられる。金属Mとして
は、Ba,Y,Cu,Zr,Nb,Ta,In,Sn,
Fe,Si,Ga,Sr,W,Mn,Co,Zn,N
i,Al,La,Tiなどが挙げられる。これら金属ア
ルコキシド化合物は具体的に、ジエトキシバリウム、ジ
−i−プロポキシバリウム、ジ−n−ブトキシバリウ
ム、トリエトキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシ
アルミニウム、トリ−n−ブトキシアルムニウム、テト
ラエトキシシリコン、テトラ−i−プロポキシシリコ
ン、テトラ−n−ブトキシシリコンなどである。これら
の金属アルコキシドは、公知のゾル−ゲル法、または、
加水分解沈殿法によって加水分解させ、重縮合して用い
ることができる。
【0051】前記添加剤用有機シラン化合物としては、
一般式:XR−Si(Y)3 で表される分子中に2個以
上の互に異る反応基を有するシランカップリング剤で、
例えば、X=アミノ基、ビニル基、エポキシ基、クロル
基、メルカプト基など(R=アルキル鎖)、Y=メトキ
シ基、エトキシ基などの化合物である。またこれらの化
合物の加水分解生成物、及び上記化合物とアルコキシシ
ラン化合物との共加水分解生成物なども使用できる。具
体的に有機シラン化合物としては、ビニルトリクロルシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチ
ルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらの有機
シラン化合物は、表面被覆に用いられる熱硬化性樹脂の
重量に対して1〜5重量%の濃度で使用し、加水分解さ
せて使用することができる。また有機シラン化合物とし
て、変性ジメチルポリシロキサンなども使用することが
できる。
【0052】前記添加剤用有機チタネート化合物として
は、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチ
タン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−i−プロ
ポキシチタンポリマー、テトラ−n−ブトキシチタンポ
リマーなどのチタニウムアルコキシド化合物、トリ−n
−ブトキシチタン・ステアレート、イソプロポキシチタ
ン・トリステアレートなどのチタニウムアシレート化合
物、ジ−i−プロポキシチタン・ビスアセチルアセトナ
ト、ジ−i−プロポキシチタン・ビスエチルアセトアセ
タトなどのチタニウムキレート化合物、イソプロポキシ
チタン・トリイソステアレート、イソプロポキシチタン
・ジメタクリレート・イソステアレート、イソプロポキ
シチタン・トリスジオクチルホスフェート、ビスジオク
チルホスフェート・エチレングリコラトチタン、ジ−n
−ブトキシ・ビストリエタノールアミナトチタンなどの
チタンカップリング剤が挙げられる。有機チタネート化
合物は、表面被覆に用いられる熱硬化性樹脂の重量に対
して1〜3重量%の濃度で使用し、加水分解させて使用
することができる。
【0053】前記添加剤用アルキルフルオロ基含有化合
物としては、フッ素系化合物としては炭素数が4〜2
0、好ましくは6〜12のパーフルオロアルキル基(C
n2n +1)と親水性基とを有する化合物で、水溶液中で
の表面張力が10〜15 dyn/cmの化合物を用いること
が好ましい。これらのフッ素系化合物としては例えば、
フルオロアルキル(C4 〜C10)カルボン酸、N−パー
フルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウ
ム、3−〔フルオロアルキル(C6 〜C11)オキシ〕−
1−アルキル(C3 〜C4 )スルホン酸ナトリウム、3
−〔ω−フルオロアルカノイル(C6 〜C8 )−N−エ
チルアミノ〕−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N
−〔3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロ
ピル〕−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンア
ンモニウムベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20
カルボン酸、パーフルオロアルキル(C7 〜C13)カル
ボン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノール
アミド、パーフルオロアルキル(C4 〜C12)スルホン
酸塩(Li,K,Na)、N−プロピル−N−(2−ヒ
ドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミ
ド、パーフルオロアルキル(C6 〜C10)スルホンアミ
ドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロア
ルキル(C6 〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン
塩(K)、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスル
ホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロ
アルキル(C6 〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙
げられる。これらのフッ素系化合物はエマルジョン化さ
れたものであってもよい。上記ハロゲン非含有化合物粒
子の表面被覆層中に含まれたフッ素系化合物は100℃
前後の予備乾燥が行われた後、150〜180℃で熱処
理されることが好ましく、このようにすると、パーフル
オロ基の配向が整列されその効果が向上する。
【0054】前記添加剤用シリコーン系化合物として
は、メチルクロロシラン、メチルポリシロキサン、メチ
ルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、
メチルハイドロジエンポリシロキサン、アルキル変性ポ
リシロキサン類、フッ素変性ポリシロキサン類、ポリエ
ーテル変性ポリシロキサン類、アルコール変性ポリシロ
キサン類、アミノ変性ポリシロキサン類、エポキシ変性
ポリシロキサン類、フェノール変性ポリシロキサン類、
カルボキシ変性ポリシロキサン類、メルカプト変性ポリ
シロキサン類などが挙げられる。これらのシリコーン化
合物のうち、変性ポリシロキサンとしては、その変性部
位が側鎖変性体であるもの、両末端変性体であるもの、
及び片末端変性体であるものなどが挙げられる。また特
にメチルハイドロジエンポリシロキサンまたは、メチル
ハイドロジエンポリシロキサンと、水酸基両末端ジメチ
ルポリシロキサンとの併用物が好ましく使用できる。ま
たメチルハイドロジエンポリシロキサン分子間にシロキ
サン(Si−O−Si)架橋生成を促進させる触媒とし
て2−エチルヘキシル酸または酢酸などの有機酸の金属
塩を使用しても良く、上記ハロゲン非含有化合物に対す
る固着性を高めるためにアミノプラスト系樹脂を併用す
ることもできる。上記ハロゲン非含有化合物に処理され
たシリコーン系化合物は100℃前後の予備乾燥が行わ
れた後、150〜180℃で熱処理されることがシロキ
サン架橋の形成を促進するため好ましい。
【0055】前記リン含有化合物、前記窒素含有化合
物、及び前記無機系化合物などのハロゲン非含有化合物
の表面被覆に使用する熱硬化性樹脂としては、前記熱硬
化性樹脂、即ちエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリア
ジン樹脂、ジアリルフタレート樹脂から選ばれた何れで
あってもよいが、特にメラミン樹脂、尿素樹脂、トリア
ジン樹脂による表面被覆処理が簡便で好ましい。前記リ
ン含有化合物としては、特にポリリン酸アルミニウム、
又はポリリン酸メラミンを用いることが好ましく、これ
らをメラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂などの熱
硬化性樹脂で表面被覆したものが特に好ましい。また前
記窒素含有化合物としては特に(イソ)シアヌル酸誘導
体、(イソ)シアヌレート誘導体などを用いることが好
ましく、これらをメラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン
樹脂などの熱硬化性樹脂で表面被覆したものが好まし
い。またこれらの表面被覆層にはアルキルフルオロ基含
有化合物、シリコーン系化合物などの添加化合物を含む
ことが好ましく、これらの表面被覆層には更に耐光安定
剤を含むことが好ましい。上記ハロゲン非含有化合物は
本発明の積層シートの下地層、または樹脂層を形成する
前記樹脂組成物100重量部に対し、表面被覆されたハ
ロゲン非含有化合物を10〜100重量部の配合量で配
合して使用することが好ましい。またこの時、ハロゲン
非含有化合物粒子の凝集を防止して樹脂中への分散性を
向上させる目的で、これらのハロゲン非含有化合物に
は、オレイン酸、ラウリル酸、ミスチリン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸、及
びこれらの高級脂肪酸の金属塩による表面改質処理がさ
らに施されていても良い。
【0056】また、ハロゲン非含有化合物粒子が無機系
化合物から形成されたものである場合、熱硬化性樹脂に
併用される金属アルコキシド化合物、有機シラン化合
物、有機チタネート化合物、アルキルフルオロ基含有化
合物、及びシリコーン系化合物などの添加化合物のう
ち、特に金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、
有機チタネート化合物を用いることが好ましい。この金
属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネ
ート化合物から選ばれた1種以上の添加化合物は、前記
熱硬化性樹脂中に均一に分散して表面被覆層を形成して
も良く、あるいは、この金属アルコキシド化合物、有機
シラン化合物、有機チタネート化合物から選ばれた1種
以上の添加化合物によって無機系化合物の表面を処理
し、その上に熱硬化性樹脂による表面被覆を行ってもよ
い。無機系化合物としては、特に水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウムなどを用いることが好ましく、これ
らの表面被覆層には更に耐光安定剤を含むことが好まし
い。ハロゲン非含有化合物は、本発明の下地層、または
樹脂層を形成する前記樹脂組成物100重量部に対し、
表面被覆されたハロゲン非含有化合物を10〜100重
量部配合して使用することが好ましい。またこの時、ハ
ロゲン非含有化合物粒子の凝集を防止して樹脂中への分
散性を向上させる目的で、これらのハロゲン非含有化合
物には、オレイン酸、ラウリル酸、ミスチリン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪
酸、及びこれらの高級脂肪酸の金属塩による表面改質処
理がさらに施されていてもよい。
【0057】本発明に使用するハロゲン非含有化合物粒
子の表面被覆層の形成方法は、用いられるハロゲン非含
有化合物の粒子と、用いられる上記熱硬化性樹脂の性状
及び、形態に応じて、気相法、液相法、マイクロカプセ
ル法、オートクレープ法、スプレー法、及びメカノケミ
カル法などの公知の方法から適宜選択して用いることが
できる。ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆には、ハ
ロゲン非含有化合物粉体を熱硬化性樹脂溶液中に分散・
接触させて行う方法が簡便で好適である。この時、熱硬
化性樹脂溶液としては、有機溶剤中に溶解させたもの、
またはエマルジョンであるもの、更には、熱硬化性樹脂
前駆体を有機溶剤中に溶解させたもの、または熱硬化性
樹脂前駆体の水溶液の何れであってもよい。またこの
時、金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機
チタネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物、及
びシリコーン系化合物などの化合物のうち、特に金属ア
ルコキシド化合物、有機シラン化合物、及び有機チタネ
ート化合物から選ばれた1種以上からなる添加化合物
と、さらに耐光安定剤を併用して用いることができる。
【0058】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、または樹脂層の形成において、ポリウレタン
系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂と酢酸ビニル系共重
合体樹脂とから選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑
性樹脂のうち、その2種以上からなる樹脂ブレンドを用
いるときは、この2種以上の樹脂の熱溶融・混練によっ
て調製されてもよく、また、2種以上の樹脂を有機溶剤
に溶解させて混合してもよく、またさらに、2種以上の
樹脂のエマルジョンをブレンドしてもよい。このうち2
種以上の樹脂、又は単一種の樹脂を熱溶融・混練して下
地層、または樹脂層の形成を行う場合、例えば、上記、
有機系顔料、無機系顔料などの着色剤、及びハロゲン非
含有化合物などを造粒機で予備配合したコンパウンドを
用いてT−ダイ法、インフレーション法、カレンダー法
など公知のフィルム、シート加工技術によって製造する
ことができる。特に有機系顔料、無機系顔料などによっ
て着色された下地層、及び樹脂層の製造には、カレンダ
ー法により100〜200℃の温度範囲で成型加工を行
うことがコンパウンドの色替えロスが少なく製造効率の
面で好ましい。また、下地層と樹脂層の形成を、2種以
上の樹脂を有機溶剤に溶解して混合する方法、2種以上
の樹脂のエマルジョンのブレンドで行う方法において、
これら溶剤系樹脂溶液、または水系樹脂エマルジョンを
繊維布帛を含む基布の表面に塗布して、有機溶剤、また
は水分を乾燥させて被膜形成を行うコーティング法、あ
るいは、基布を溶剤系樹脂溶液浴、または水系樹脂エマ
ルジョン浴中に浸漬し、これを引き上げると同時にマン
グルロールで圧搾して余分な樹脂液を除去した後、有機
溶剤、または水分を乾燥させて被膜形成を行うディッピ
ィング法、及びディッピィング法の繰り返し、またはデ
ィッピィング法とコーティング法との組み合わせ法など
によって、実施することができる。本発明の環境汚れ防
止性の高い積層シートの下地層、または樹脂層の形成
は、2種以上の樹脂のエマルジョンのブレンドを用い、
ディッピィング法とコーティング法とを組み合わせて行
うことが、簡便で好ましい。上記の下地層及び/又は樹
脂層の形成方法は、それぞれの層に単一種の樹脂を用い
る場合にも同様に適用することができる。得られる積層
シート中の樹脂付着量としては、下地層と樹脂層の質量
を加算して、100〜600g/m2 であることが好ま
しく、150〜450g/m2であることがより好まし
い。樹脂の付着量が100g/m2 未満であると、得ら
れるシートの防水性と高周波融着性が不十分となること
があり、また、600g/m2 を越えるとシートが過度
に厚くなり、取り扱い性が不良になることがある。ま
た、下地層、及び樹脂の厚さは、それぞれ60〜300
μm、特に100〜200μmであることが好ましい。
厚さが60μmよりも薄いと得られるシートの耐摩耗性
と防水性とが不十分となることがあり、また、厚さが3
00μmよりも厚いと得られる積層シートが過度に重く
なり、取り扱い性や施工性が不良になることがある。
【0059】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の下地層、または樹脂層の形成を、樹脂エマルジョンま
たは樹脂ディスパージョンの塗布、乾燥によって実施す
る場合、下地層、または樹脂層には、それぞれの樹脂の
軟化温度よりも20℃以上高い温度、好ましくは30〜
100℃高い温度に設定した熱ロールによって、0.1
Mpa 以上、好ましくは0.3〜1.0Mpa の押圧下で連
続熱圧延することが、それによって、下地層、及び樹脂
層内部に残留する微細気泡を除去して防水性と耐屈曲性
を向上させるという観点で好ましい。押圧条件が0.1
Mpa 未満であると、得られる下地層及び樹脂層中の微細
気泡を除去することが困難となり、得られる積層シート
の防水性が不十分となることがある。熱ロールの表面形
状に特に制限はないが、鏡面ロール、または、表面粗さ
Rz(JIS B−0601)が5〜100μmの梨地
ロールであることが好ましい。この熱圧着による気泡除
去工程は、樹脂溶液、樹脂エマルジョンまたは樹脂ディ
スパージョンの塗布、乾燥工程に引き続いて施すことが
好ましい。下地層及び樹脂層の軟化温度の測定法に関し
て、特に規定はないが、例えば、ビカット軟化温度(J
IS K6760)または、DSC融点(JIS K7
121)などで評価することが有効である。
【0060】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の基布に使用できる繊維布帛としては、織布、編布、不
織布のいずれでもよく、織布としては、特に織組織に限
定はないが、平織織物を用いると、得られる積層シート
の縦緯方向の物性のバランスが良好であるため好まし
い。編布としてはラッセル編の緯糸挿入トリコットが好
ましく、不織布としては長繊維を用いた不織布が好まし
く、特にスパンボンド不織布などが使用できる。また、
繊維布帛の縦糸・緯糸は合成繊維、天然繊維、半合成繊
維、無機繊維またはこれらの2種以上から成る混合繊維
のいずれによって製織されてもよいが、加工性、汎用性
を考慮して、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、
ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリア
ミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、またはこ
れらの混合繊維などの合成繊維のマルチフィラメント糸
条、短繊維紡績(スパン)糸条、スプリットヤーン、テ
ープヤーンなどのいずれか糸条を選択すればよい。なか
でも引張強力、引裂強力、耐熱クリープ特性などに優れ
ているポリエステル繊維、ポリアミド繊維、これらの混
合繊維や、混用繊維などを用いて形成されるマルチフィ
ラメント平織繊維布帛または、スパン平織繊維布帛を用
いることが好ましい。これらの織布の製織は、シャット
ル織機、シャットルレス織機(レピア方式、グリッパ方
式、ウオータージェット方式、エアジェット方式)など
の従来公知の織機を用いて製織することができる。上記
の繊維布帛には公知の繊維処理加工、例えば、精練処
理、漂白処理、染色処理、柔軟化処理、糊剤処理、撥水
処理、防水処理、防カビ処理、防炎処理、毛焼き処理、
カレンダー処理、バインダー樹脂処理などを併用して処
理されたものを使用することもできる。
【0061】本発明に使用される繊維布帛は短繊維紡績
糸からなる布帛であることが好ましく、短繊維紡績糸条
を製造するには、上記ポリプロピレン、ビニロン、ポリ
エステルなどの熱可塑性樹脂をその溶融温度(融点)以
上の温度に加熱して、流動性のある粘重な溶融液とし、
これを特定の口径(0.2〜0.6mmφ程度)の細孔を
多数有する紡糸口金を通過させて空気、窒素、水などの
不活性冷却媒体中に繊維状に押出して1000〜100
00m/min 、特に2000〜6000m/min の速度
で紡糸して長繊維紡糸束(トウ)を作製し、これを2〜
6cmの長さに切断してステープル繊維を作製する。次に
このステープル繊維を開繊し、ダブリングドラフトを掛
けながら200〜700m/min の速度で練条してスラ
イバを形成し、これを引き伸ばして繊維平行度を一定に
揃えてロービング(粗糸)を形成し、このロービングに
所定の番手太さにドラフトと撚りを掛けてトウ紡績する
ことが好ましく、得られたトウ紡績糸条が本発明に有効
に使用される。この糸条に撚糸を施すには、単糸または
2本以上の単糸の引き揃えをS(右)撚もしくはZ
(左)撚に撚って加撚された片撚糸、単糸または2本以
上の単糸の引き揃えに下撚りを施した加撚糸を2本以上
引き揃えて、これに上撚りを掛けた諸撚糸、その他強撚
糸などが挙げられる。これらの撚糸の撚り回数は、通常
の片撚糸、及び諸撚糸において500〜2000回/
m、強撚糸では2000回以上/mであることが好まし
い。また、糸の番手と撚数との関係を表す比例定数の撚
係数の範囲として、撚係数1.3〜3.0程度の甘撚
り、撚係数3.0〜4.5程度の普通撚り、撚係数4.
5〜5.5程度の強撚糸が挙げられ、特に撚り係数3.
0〜4.5の範囲の普通撚り糸を用いることが好まし
い。これらの短繊維紡績糸条は、シャットル織機、シャ
ットルレス織機(レピア方式、グリッパ方式、ウオータ
ージェット方式、エアジェット方式)など、従来公知の
紡績法及び設備を用いて製造することができる。
【0062】短繊維紡績糸条の番手としては、591dt
ex(10番手)、295dtex(20番手)、197dtex
(30番手)、148dtex(40番手)、97dtex(6
0番手)の範囲のもの、特に591dtex(10番手)、
422dtex(14番手)、370dtex(16番手)、2
95dtex(20番手)、246dtex(24番手)、19
7dtex(30番手)などの範囲の短繊維紡績糸条が好ま
しく使用できる。(これらの番手数は10の倍数に限定
されるものではなく所定値に設定できる。)短繊維紡績
糸条が97dtex(60番手)より小さいと得られる帆布
の引裂強力に劣り、また591dtex(10番手)より大
きいと破断強力及び引裂強力は向上するが、糸の径が太
くなるに伴って、得られる積層シートが厚くなると同時
に、繊維布帛の織交点の凹凸が大きくなり平滑性が不十
分になることがある。これらの短繊維紡績糸条として、
単糸及び、双糸、さらには単糸3本以上の撚糸、または
これらの2本合糸、あるいは2本合撚糸などの糸条を経
糸及び緯糸として用い、これを25.4mm(1インチ)
間に30〜160本打込んで得られるスパン平織織布を
用いることが好ましい。特に好ましくは295dtex(2
0番手)単糸、または295dtex(20番手)双糸を用
いて25.4mm(1インチ)間に経糸50〜70本、緯
糸40〜60本の織密度で打込んで得られるスパン平織
織布が好適に用いることができる。その他、マルチフィ
ラメント糸条を内層(芯)として外層(鞘)に短繊維糸
条を巻き付けて紡績したコアスパン糸条から得られるス
パン平織織布を使用することも好ましい。また、短繊維
紡績布(スパン)の空隙率(目抜け)は、0〜8%のも
のが好適である。空隙率が8%を越えると、得られる織
物中の経緯方向の繊維糸条の充填量が少なくなりすぎて
得られる積層シートが不十分な寸法安定性を示すことが
あり、積層シートの引裂き強度及び突起物に対する耐貫
通性が不十分になり、このためその実用性が不十分にな
ることがある。
【0063】本発明の積層シートに使用する繊維布帛と
しては、マルチフィラメント糸条からなる織布を用いる
こともできる。マルチフィラメント糸条からなる織布の
経糸及び緯糸の打込み密度に特に限定はないが、55〜
2222dtexの糸条を経糸及び緯糸として25.4mm
(1インチ)間に10〜80本打込んで得られる織布が
好適に使用できる。例えば277dtexのマルチフィラメ
ント糸条を25.4mm(1インチ)間に20〜40本、
又は555〜1111dtexのマルチフィラメント糸条を
25.4mm(1インチ)間1.5〜35本、又は166
6dtexのマルチフィラメント糸条を25.4mm(1イン
チ)間10〜25本程度の打込み組織で得られる目抜け
平織り織布、または非目抜け平織り織布が本発明に好適
に用いられる。これらのマルチフィラメント糸条は無撚
であってもよく、又は撚りが掛けられたものであっても
よい。これらの織布の目付量は、50〜500g/m2
のものが適している。また、マルチフィラメント織布の
空隙率(目抜け)は、0〜30%のものが好ましく用い
られる。空隙率が30%を越えると、得られる織物中の
経緯方向の繊維糸条の充填量が少なくなりすぎて、得ら
れるシートの寸法安定性が不十分になり、また、シート
の引裂き強度と突起物に対する耐貫通性が不十分にな
り、このため、シートの実用性に問題を生ずることがあ
る。空隙率は繊維布帛の単位面積中に占める繊維糸条の
見掛け合計面積を百分率として求め、100から差し引
いた値として求めることができる。空隙率を求める際の
繊維布帛の単位面積として経方向10cm×緯方向10cm
を用いることが好ましい。
【0064】本発明に使用する短繊維紡績糸条、または
マルチフィラメント糸条としては、汎用性から特にポリ
エステル繊維を用いることが好ましく、ポリエステル繊
維としては、具体的に、テレフタル酸とエチレングリコ
ールとの重縮合によって得られるポリエチレンテレフタ
レート(PET)、テレフタル酸とブチレングリコール
との重縮合によって得られるポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)などが挙げられ、中でもポリエチレンテレ
フタレート樹脂から紡糸されるポリエステル繊維が繊維
強力及び、溶融紡糸性の観点で好ましく使用できる。ま
た、ポリエチレンテレフタレートには上記モノマー以外
にイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、ジエチレングリコールなどの共重合モノマーを5重
量%程度含んでいるものであってもよい。
【0065】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
において、樹脂層は、上記繊維布帛を含む基布の片面に
形成されてもよいし、両面に形成されてもよいが、屋外
用途に用いられたときの積層シートの耐久性を考慮する
と基布の両面に、樹脂層が形成されることが好ましく、
必要に応じて上記基布の片面、または両面と樹脂層との
間に下地層を設けてもよい。樹脂層及び、下地層の形成
の方法として、下地層及び樹脂層形成樹脂又は樹脂組成
物が予じめカレンダー法、T−ダイ法、インフレーショ
ン法などによりフィルム成型されているものである場
合、フィルムと基布層との間に接着剤層を設けて接着し
てもよいし、接着剤なしにフィルムを熱溶融させてブリ
ッジ形成をしてもよい。基布とフィルムとの積層方法
は、フィルムの成型加工と同時に基布上に熱ラミネート
積層するカレンダートッピング法、及びT−ダイラミネ
ート法などでもよく、あるいはフィルムを成型加工した
後に、これをラミネーターへ熱圧着により基布上に積層
接合する方法などが挙げられるが、本発明の環境汚れ防
止性の高い積層シートの製造には、カレンダー法によっ
て成型加工されたフィルムと基布との熱圧着による方法
が効率的かつ経済的にすぐれている。このとき基布用繊
維布帛の編織組織は目抜け編織組織であると、目抜け空
隙部分を貫通して表と裏のフィルムが熱溶融ブリッジす
ることができるので、特別な接着剤を必要とせずに積層
シートを製造することができる。また、樹脂層及び下地
層の形成をエマルジョン樹脂、またはディスパージョン
樹脂によって行う場合には、これらの水系コーティング
剤を基布の表面に均一、かつ均質に塗布できる様なコー
ティング方式を用いることが好ましく、例えば、グラビ
アコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート
法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコ
ート法、キスコート法、フローコート法などが好適であ
り、必要に応じてディッピング法を併用することもでき
る。基布と、樹脂層、必要によりさらに下地層からなる
シート基材の厚さには、特に限定はなく、その構成によ
って適宜設計できる。例えば、短繊維紡績布(スパン)
からなる基布の両面に直接樹脂層を形成する場合、シー
ト基材の厚さは200〜1000μmであることが好ま
しく、300〜800μmであることがより好ましい。
マルチフィラメント織布からなる基布の両面に直接樹脂
層を形成する場合、シート基材の厚さは200〜100
0μmであることが好ましく、300〜800であるこ
とがより好ましい。
【0066】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の中間保護層の形成に、ケイ素化合物とともに使用でき
る熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂として
は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン系樹
脂、エポキシ系樹脂、フォスファーゼン系樹脂が挙げら
れ、これらの熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹
脂は有機系溶剤に溶解されたとき、適度の粘性を有する
ことが好ましい。シリコーン系樹脂としては、アルキル
基、アルケニル基、アリル基、又は水素を1〜3個結合
したクロロシランまたはアルコキシシランを、単独で、
又は複数種を無溶剤系中でまたは有機系溶剤系中で加水
分解して重合した直鎖シリコーン樹脂、共重合シリコー
ン樹脂、シリコーンゴムなどを包含し、特に共重合シリ
コーン樹脂としてSi−OH基、Si−OMe基を有す
る2官能以上の変性シリコーン(例えば、シラノール基
あるいはアルコキシ基を有するメチルメチルフェニルシ
リコーン樹脂)とアルコール性水酸基含有樹脂とをアル
キルチタネート触媒の存在下で反応させて得られるシリ
コーン変性体類、例えばアクリル変性シリコーン樹脂、
アクリル−ウレタン変性シリコーン樹脂、ウレタン変性
シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン−フッ素共重
合体樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ポリエステル
変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、
及びフェノール変性シリコーン樹脂が挙げられる。ま
た、シロキサン架橋可能なシリコーン変性共重合体、シ
ロキサン架橋可能なシリコーン変性オリゴマー、イソシ
アネート架橋可能なシリコーン変性共重合体、及びイソ
シアネート架橋可能なシリコーン変性オリゴマーなどを
使用することもできる。本発明においては、前記共重合
シリコーン樹脂中のシリコーン変性成分の含有率は表面
処理層に占める固形分に換算して20〜75重量%であ
ることが好ましい。
【0067】前記中間保護層の形成に使用できるフッ素
系樹脂としては、ビニルエーテル−フルオロオレフィン
共重合体樹脂、ビニルエステル−フルオロオレフィン共
重合体樹脂、及びこれらのフッ素系樹脂とイソシアネー
ト化合物の併用組成物などが挙げられる。
【0068】前記中間保護層の形成に使用できるメラミ
ン系樹脂としては、シアヌルアミド、シアヌル酸トリア
ミド、シアヌル酸アミド、2,4,6−トリアミノ−
1,3,5−トリアジン及びこれらの誘導体から選ばれ
た1種以上のメラミン化合物とホルマリンを反応させ、
メチロール化メラミンの初期縮合物をブタノールで変性
しブチル化メチロールメラミンとして有機系溶剤に可溶
化させたもの、及びブチル化メチロールメラミンをアル
キッド樹脂とともに有機系溶剤に溶解させたものなどが
挙げられる。
【0069】前記中間保護層の形成に使用できるエポキ
シ系樹脂としては、エピクロルヒドリンと多価フェノー
ル類との開環付加反応によって得られるもの、汎用的に
はエピクロルヒドリンとビスフェノールA、またはレゾ
ールとの反応によって得られる重縮合物が使用できる。
またこれらのエポキシ樹脂をアミン類、有機酸、酸無水
物及びポリイソシアネート化合物などの硬化剤と共に有
機系溶剤中に溶解して使用でき、さらにアルキッド樹
脂、メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂などと併用す
ることもできる。
【0070】前記中間保護層の形成に使用できるフォス
ファーゼン系樹脂としては、(PNCl2)n (n=1,
2,3,4)などの塩化ホスファーゼン、及び直鎖状塩
化ホスファーゼンオリゴマー、または(PNCl2)n
(n=2,3,4)の4員環、6員環、8員環の環状塩
化ホスファーゼンを原料として塩素をアクリル酸化合物
に置換した反応性ホスファーゼン化合物の紫外線硬化物
が挙げられる。ホスファーゼン化合物に付加して置換さ
れるアクリレート化合物としては、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエ
チルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなど
が挙げられる。
【0071】前記中間保護層の形成に用いられる表面処
理剤用有機系溶剤の種類、組成には特に制限はないが、
例えば、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアル
コール系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系
溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂
環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶
剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶
剤、その他テトラヒドロフランなどの1種以上を選択し
て適宜使用することができる。
【0072】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の中間保護層を形成するために用いられるケイ素化合物
としては、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、シリカ
が挙げられる。ポリシロキサンとしては、ゾルゲル法に
よりアルコキシシラン化合物を加水分解、重縮合して得
られるものが好ましく、例えばアルコキシシランとし
て、一般式:Yn SiX4-n (n=1〜3)で表される
ケイ素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物、
共加水分解化合物が適している。前記一般式において、
Yは、例えば、アルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基である
ことができ、Xは例えば、ハロゲン、メトキシル基、エ
トキシル基、またはアセチル基であることができる。ケ
イ素化合物としては具体的には、アルキル基置換トリク
ロルシラン、アルキル基置換トリブロムシラン、アルキ
ル基置換トリメトキシシラン、アルキル基置換トリエト
キシシラン、アルキル基置換トリイソプロポキシシラ
ン、アルキル基置換トリ−t−ブトキシシランなどが挙
げられ、アルキル基としては、それぞれメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、n−ヘキシル基、n−デシル
基、n−オクタデシル基、フェニル基である。また、具
体的には、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基
をトリフルオロプロピル基に変えたもの、上記アルキル
置換シラン化合物のアルキル基をビニル基に変えたも
の、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をγ−
メタアクリロキシプロピル基に変えたもの、上記アルキ
ル置換シラン化合物のアルキル基をγ−アミノプロピル
基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアル
キル基をγ−メルカプトプロピル基に変えたものなどが
挙げられる。
【0073】前記中間保護層用コロイダルシリカとして
はケイ酸ナトリウム溶液を陽イオン交換に供することに
よって得られる水分散媒中のシリカゾル(SiO2 )が
挙げられるが、本発明の環境汚れ防止性の高い積層シー
トの中間保護層に使用するコロイダルシリカとしては、
有機系溶剤としてメタノール、イソプロパノール、n−
ブタノールなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンな
どの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ンなどのアミド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルな
どのエステル系溶剤、その他テトラヒドロフランなどの
1種以上から選ばれた有機系溶剤の何れか1種以上を用
い、これを分散媒とする、BET平均粒子径が10〜2
0nmのものが適している。また、シリカ(SiO2 )と
しては、ケイ酸ナトリウムと鉱酸(硫酸)及び塩類を水
溶液中で反応させる湿式法によって得られる合成非晶質
シリカが挙げられる。合成非晶質シリカは、表面のシラ
ノール基(Si−OH基)に水素結合で結合する水分
と、シラノール基自体が含有する水酸基として存在する
水分を結合水分として有する含水シリカである。非晶質
含水シリカの平均凝集粒径としては、平均凝集粒径(コ
ールカウンター法)が1〜20μm非晶質含水シリカを
用いることが好ましく、より好ましい平均凝集粒径は2
〜10μmであり、含水率としては3〜15重量%のも
のを用いることが好ましく、特に5〜10重量%の含水
シリカを用いることがより好ましい。これらのシリカ粒
子をシランカップリング剤で表面処理して用いることも
できる。
【0074】中間保護層形成用に含まれるケイ素化合物
の配合量としては、上記ポリシロキサン、上記コロイダ
ルシリカ及び、上記シリカから選ばれた1種以上を、前
記中間保護層の合計重量に対して5〜35重量%配合す
ることが好ましい。中間保護層中のケイ素化合物の含有
量が5重量%未満であると、中間保護層と光触媒を含む
最外表面層との密着性が不十分になることがあり、また
それが35重量%を越えると、中間保護層と光触媒を含
む最外表面層との密着性は向上するが、中間保護層と樹
脂層表面との密着性を不十分にすることがあり、また中
間保護層の摩耗強度を不良にすることがあるために産業
資材用シートに適さないものとなることがある。
【0075】中間保護層を形成するための、ケイ素化合
物と、前記熱可塑性樹脂及び/又は前記熱(光)硬化性
樹脂とを含有するコーティング組成物の塗布の方法に
は、特別の限定はないが、前記のコーティング組成物を
樹脂層の表面に、均一、かつ均質に塗布できる様なコー
ティング方式を用いることが望ましく、例えば、グラビ
アコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート
法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコ
ート法、キスコート法、フローコート法などが好適であ
る。表面保護層の厚さには特別の制限はないが、上記コ
ーティング方式のいずれか、もしくは、組み合わせを用
いて、固形分付着量が好ましくは2〜20g/m2 、よ
り好ましくは3〜10g/m2 になるように形成する。
固形分付着量が2g/m2 よりも少ないと、本発明の環
境汚れ防止性の高い積層シートの防汚性、及び耐久性が
十分に得られないことがあり、また、それが20g/m
2 を超えると、得られる中間保護層の屈曲強さが不十分
になることがあり、着色した樹脂層の色彩を隠蔽してし
まうため、好ましくない。中間保護層の塗布量を2〜5
g/m2 に設定するには、上記中間保護層用コーティン
グ組成物の有機系溶剤量を多く設定することによってコ
ントロールできる。中間保護層の厚さは、上記コーティ
ング法の何れかによって、0.5μm以上の厚さに形成
させることが好ましい。
【0076】光触媒を含有する最外表面層は、光触媒を
10〜70重量%と、必要により金属酸化物ゲル及び/
又は金属水酸化物ゲル25〜90重量%と、ケイ素化合
物1〜20重量%とを含有する。光触媒を含有する最外
表面層を形成するには、光触媒、及び必要により金属酸
化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル、及びケイ素化合
物を含有するコーティング組成物を上記中間保護層の表
面に塗布、乾燥する。光触媒を含有する最外表面層中に
含まれる金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル
は、光触媒を最外表面層内に固着し、また最外表面層を
中間保護層面と強固に密着させる。さらにこれらの金属
酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルは多孔質であっ
て大きな表面積を有し、このため汚れ物質と光触媒との
接触を促進して光触媒活性を有効に発現させることがで
きる。光触媒を含有する最外表面層中に含まれる金属酸
化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルの含有量は、25
〜90重量%であることが好ましい。含有量が25重量
%未満では、最外表面層と中間保護層との密着性が不十
分となることがあり、またそれが90重量%を越えると
最外表面層内の光触媒の含有量が少なくなり、このため
光触媒活性が十分に発現し得ないことがある。さらに金
属酸化物ゲル及び/又は金属酸化物ゲルの乾燥物の比表
面積は、100m2 /g以上であることが好ましく、こ
のようにすると、最外表面層と中間保護層との密着性が
向上し光触媒活性発現効率が向上する。
【0077】前記金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化
物ゲルとしては、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、
ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラ
ム、タングステン、錫の金属から選ばれた1種または2
種以上の金属の酸化物ゲル、もしくは水酸化物ゲルであ
ることが好ましく、具体的にはシリカゾル、アルミナゾ
ル、ジルコニアゾル、酸化ニオブゾルなどが例示でき
る。また、これらの混合ゲルとして、共沈法で得られる
複合酸化物ゲルが使用できる。これらの金属酸化物ゲル
及び/又は金属水酸化物ゲルと光触媒との混合するに
は、これらのゲルの状態になる前のゾルの状態にあるよ
うに混合するか、もしくはゾルを調製する前の原料の段
階で混合することが好ましい。金属酸化物ゲル及び/又
は金属水酸化物ゲルを調製するには、金属塩を加水分解
する方法、中和分解する方法、イオン交換する方法など
があるが、ゲルの中に光触媒を均一に分散することが可
能であれば何れの方法でも使用できる。本発明の環境汚
れ防止性の高い積層シートの、光触媒を含有する最外表
面層に用いられる酸化物ゾルとしては、特にジルコニウ
ム及び、アルミニウムの酸化物ゾルが耐久性の面で好ま
しく使用できる。
【0078】光触媒としては、TiO2 ,ZnO,Sr
TiO3 ,CdS,GaP,InP,GaAs,BaT
iO3 ,K2 NbO3 ,Fe23 ,Ta25 ,WO
3 ,SnO2 ,Bi23 ,NiO,Cu2 O,Si
C,SiO2 ,MoS2 ,InPb,RuO2 ,CeO
2 などを例示することができ、またこれらの光触媒にP
t,Rh,RuO2 ,Nb,Cu,Sn,NiOなどの
金属及び金属酸化物を添加した公知のものが全て使用で
きる。これらの光触媒のうち、酸化チタン(TiO
2 )、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化錫(SnO2 )、チタン酸ストロンチ
ウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO3 )、
酸化ビスマス(Bi23 )、酸化鉄(Fe23 )及
びこれら光触媒成分を担持する多孔性粒子から選ばれた
金属酸化物を使用することが好ましい。特に酸化チタン
はバンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で、
汎用性の金属酸化物であることから、本発明に使用する
ことが好ましい。光触媒として用いられる酸化チタン
は、硫酸チタニル、塩化チタン、チタンアルコキシドな
どのチタン化合物を熱加水分解して得られる酸化チタン
ゾル、及び酸化チタンゾルのアルカル中和物として得ら
れる酸化チタンなど、また水酸化チタン及び、チタン酸
化物の超微粒子を過酸化水素などの過酸化物でペルオキ
ソ化して水中に分散したアナターゼ型ペルオキソチタン
酸分散液であることが好ましい。酸化チタンはアナター
ゼ型とルチル型の何れも使用できるが、アナターゼ型の
酸化チタンが光触媒活性が高く実用性においてすぐれて
いる。具体的には、平均結晶径5〜20nmの塩酸解膠型
のアナターゼ型チタニアゾル及び、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾルなどが好ましく使用できる。光触媒
の粒径が小さい程光触媒活性に優れているため、好まし
くは平均粒子径50nm以下、より好ましくは20nm以下
の光触媒が用いられる。また、酸化チタンには含水酸化
チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン
酸、水酸化チタンなども包含される。光触媒を含有する
最外表面層中の光触媒の含有量は、多くなるほど光触媒
活性が高くなるが、中間保護層との接着性の観点から7
0重量%以下であることが好ましく、10重量%以上で
あることがより好ましい。光触媒の配合量が10重量%
未満になると光触媒活性が不十分となることがあり、ま
た光触媒の配合量が70重量%を越えると光触媒活性は
高くなるが、中間保護層面との密着性が不十分になるこ
とがあり、最外表面層の表面摩耗強さを不十分にするこ
とがあるため、屋外耐久性が不十分になることがある。
【0079】光触媒を含有する最外表面層に使用するケ
イ素化合物としてはポリシロキサンが有用であり、これ
はゾルゲル法によりアルコキシシラン化合物を加水分
解、重縮合して得られるものが好ましく使用できる。こ
れらのアルコキシシラン化合物としては、本発明の環境
汚れ抑制シートの表面保護層に使用できるアルコキシシ
ラン化合物として例示したものが使用できる。これらの
ケイ素化合物は光触媒を含有する最外表面層の重量に対
して1〜20重量%の含有量で含有されることが好まし
い。
【0080】光触媒を含有する最外表面層用コーティン
グ組成物の塗布の方法には、格別の限定はないが、これ
らの光触媒を含有するコーティング組成物を、中間保護
層上に、均一、かつ均質に塗布できる様なコーティング
方式を用いることが望ましく、例えば、グラビアコート
法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ロー
ルコート法、リバースロールコート法、バーコート法、
キスコート法、フローコート法などが好適である。最外
表面層の厚さは上記コーティング方法のいずれか一方
式、もしくは、2方式以上の組み合わせによって、0.
1〜10μmの厚さに形成する事が好ましい。光触媒を
含有する最外表面層の厚さが0.1μmよりも薄いと、
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの防汚性、及
び耐久性が不十分になることがあり、また、それが10
μmを超えると、着色樹脂層の色彩を隠蔽し、見栄えを
悪くすることがある。
【0081】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シート
の接合(重ね合わせ接着)は、その光触媒を含む最外表
面層が形成されていない部分に対して、高周波ウエルダ
ー機を用いる高周波融着を施すことによって容易に接合
することができる。高周波融着法としては、2ヶ所の電
極(一方の電極は、ウエルドバーである)間にシートを
置き、ウエルドバーで加圧しながら高周波(1〜200
MHz )で発振する電位差を印加することでシートの樹脂
層を分子摩擦熱で溶融させて接着するものである。ま
た、別の接合方法として、積層シートの光触媒を含む最
外表面層が形成されていない部分において、超音波振動
子から発生する超音波エネルギー(16〜30KHz )の
振幅を増幅させ、膜材の境界面に発生する摩擦熱を利用
して融着を行う超音波ウエルダー融着法、またはヒータ
ーの電気制御によって、20〜700℃に無段階設定さ
れた熱風を、ノズルを通じて膜材間に吹き込み、膜材の
表面を瞬時に溶融させ、直後膜材を圧着して接着を行う
熱風融着法、あるいは熱可塑性樹脂の溶融温度以上にヒ
ーター内蔵加熱された金型(こて)を用いて被着体を圧
着し接着する熱板融着法などによっても接合が可能であ
る。
【0082】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例によって
限定されるものではない。下記実施例、及び比較例にお
いて光触媒を含有する最外表面層及び、中間保護層と樹
脂層との密着性の評価、及び防汚性、耐久性などは下記
試験方法により評価された。
【0083】(I)光触媒を含有する最外表面層が形成
された中間保護層と樹脂層との密着性:積層シートの光
触媒を含有する最外表面層の表面に、セロハン粘着テー
プ(商標:セロテープ:ニチバン(株))を貼り、セロ
ハン粘着テープの上から数回強く擦りつけてセロハン粘
着テープを最外表面層の表面に十分に密着させた後、セ
ロハン粘着テープの一端の一部分を剥がし、この部分を
把持して、積層シートからセロハン粘着テープを引き剥
がして、セロハン粘着テープ面への最外表面層、または
中間保護層の剥離度合い(積層シートからの最外層、ま
たは中間保護層の剥がれ度合い)を、以下の判定基準に
よって評価し表示した。 ○:最外表面層、及び中間保護層が全く剥ぎ取られなか
った。(密着良好である。) △:最外表面層、または中間保護層が部分的(半分以
下)に剥ぎ取られた。 ×:最外表面層、または中間保護層が半分以上剥ぎ取ら
れた。(密着していない。)
【0084】(II)光触媒を含有する最外表面層が形成
された中間保護層と樹脂層との密着性:(耐屈曲性) 光触媒を含有する最外表面層が形成されている積層シー
トの摩耗強さをJISL−1096(6.17摩耗強
さ)B法:スコット形法により評価した。光触媒を含有
する最外表面層を有する積層シートの供試体より3cm×
10cmサイズの試験片を採取し、(株)東洋精機製作所
製スコット型試験機を用いて揉み荷重0.5kgf で10
0回の屈曲揉み試験を行った。この試験による光触媒を
含有する最外表面層とシート基材との密着性の耐久度合
いを以下の基準で判定した。 ○:光触媒を含有する最外表面層は積層シート中に密着
していて脱落しなかった。(異常なし) △:光触媒を含有する最外表面層の一部(半分以下)
が、積層シートから脱落した。 ×:光触媒を含有する最外表面層の半分以上が、積層シ
ートから脱落した。
【0085】(III )屋外曝露試験による防汚性評価 光触媒を含有する最外表面層を形成した積層シートから
幅20cm×長さ2mの試料を採取し、光触媒含有最外表
面層面を表側にして、南向きに傾斜30°方向又は垂直
方向に設置された曝露台上に、それぞれ1mずつ連続し
て展張して屋外曝露試験を行い、曝露6ヶ月後、12ヶ
月後、18ヶ月後の積層シートの汚れ度合いを観察し、
試料の表面の汚れ度合いを、色差ΔE(JIS Z−8
729)として数値化し、下記の判定基準により防汚性
の評価を行った。屋外曝露試験は埼玉県草加市内におい
て、4月より開始した。 ΔE=0〜2.9 :◎=汚れがなく良好。初期の状態
を維持していた。 ΔE=3〜5.9 :○=多少汚れがあったが、実用上
問題ない程度であった。 ΔE=6〜11.9:△=汚れが、目立った。 ΔE=12〜 :×=汚れがはげしく、実用に適さ
ないものであった。
【0086】(IV)耐光促進試験による積層シートの耐
劣化性の評価 積層シートの光触媒含有最外表面層の表面に対してサン
シャインカーボンウエザーメーターによる耐光促進試験
(JIS L−0842)を500時間、1000時
間、2000時間施し、試験前の試料を基準として試料
の表面の変退色の度合いを、色差ΔE(JIS Z−8
729)として数値化し、下記の判定基準により耐変色
性を評価し表示した。 ΔE=0〜2.9 :◎=変色がなく良好。初期の状態
を維持していた。 ΔE=3〜5.9 :○=多少変色があるが、実用上問
題ない程度であった。 ΔE=6〜11.9:△=変色が、目立った。 ΔE=12〜 :×=変色がはげしく、実用に適さ
ないものであった。
【0087】(V)屋外曝露試験による積層シートの耐
劣化性の評価 (III )の屋外曝露試験6ヶ月後、12ヶ月後、36ヶ
月後の積層シートより10×20cmサイズの試料を経糸
方向及び、緯糸方向に採取し、JIS L−1096:
引裂強さA−1法(シングルタング法)に従って、それ
ぞれの引裂強度を測定し、曝露前の引裂強度に対する保
持率を求めた。
【0088】(VI)防炎性の評価 (III )の屋外曝露試験12ヶ月後の積層シートより、
試料を採取し、消防法施工規則第4条(JIS L−1
091:A−2法区分3:2分加熱)に従って試験し、
下記の判定基準により評価し表示した。 ○:炭化面積40cm2 以下、残炎時間5秒以下、残じん
時間20秒以下、炭化距離20cm以下であった。 ×:炭化面積、残炎時間、残じん時間、炭化距離の項目
の1項目以上が規格数値を超えていた。
【0089】(VII )手揉み漏水の評価 20cm×20cmの供試積層シートの中央部を強く擦り付
けながらタテ及びヨコの一方向に50回手揉みし、次に
シートのタテ、ヨコを置き換えて、さらに50回手揉み
した。この供試シートを漏斗状にして、透明なビーカー
の上に乗せ、丸めたシート中に赤インクで着色した水5
0ccを注ぎ、着色水の透過状況を24時間観察した。 ○:ビーカーの中に、赤インクで着色した水滴痕、また
は水たまりが認められなかった。 ×:ビーカーの中に、赤インクで着色した水滴痕、また
は水たまりが認められた。
【0090】実施例1 ポリウレタン系樹脂(1)(商標:アデカボンタイター
HUX−561:ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂
エマルジョン:固形分濃度40重量%:旭電化工業
(株))188重量部と、酢酸ビニル系共重合体樹脂
(1)(商標:パンフレックスOM5500:エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン:固形分濃度5
5重量%:(株)クラレ)45重量部とのブレンド(軟
化温度124℃)に、紫外線吸収剤(商標:バイオソー
プ510:共同薬品(株))0.3重量部と、酸化防止
剤(商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ(株))0.2重量部と、着色剤とし
て水性の無機系顔料(I−1)(商標:ディスパーカラ
ー、ホワイトハイコンクEX:ルチル型酸化チタン:固
形分濃度55重量%:トウペ(株))9.1重量部と、
水性の無機系顔料(I−2)(商標:ディスパーカラ
ー、オキサイドエロー:酸化鉄:固形分濃度35重量
%:トウペ(株))2.8重量部とを配合し、撹拌して
アイボリー色の水性樹脂溶液を調製した。
【0091】別に、5号ポリエステル繊維平織スパン基
布(ポリエステル短繊維紡績糸条:糸密度経糸20番手
・双糸51本/2.54cm×緯糸20番手・双糸48本
/2.54cm:質量250g/m2 )に下記下処理を施
した。 〈ポリエステル繊維平織スパン基布の下処理液組成〉(1)下処理液組成 商標:NKガードNDN−22:日華化学工業(株):フッ素系 高分子化合物 3重量部 希釈剤:水 100重量部(2)下処理工程 上記下処理剤浴中にポリエステル繊維平織スパン基布を
ディップし、引上げると同時に高硬度ゴムのニップロー
ルで余分な下処理剤を絞り落とし、120℃の熱風乾燥
炉で2分間乾燥させた後、180℃のヒートセッターで
1分間熱処理して下処理基布を作製した。
【0092】前記下処理された基布を、前記水性樹脂溶
液バス中にディップ(浸漬)し、樹脂含浸したスパン基
布を引き上げると同時にマングルロールでニップ(圧
搾)し、樹脂を含浸した後、100℃の熱風乾燥炉で2
分間乾燥し、直後140℃の熱ロール(押圧0.2Mpa
)を通過させ、樹脂被覆シートに熱プレスを施した。
次に、再び前記水性樹脂溶液バス中に樹脂被覆シートを
ディップし、さらに樹脂を付着させた後、これにドクタ
ーナイフで樹脂コーティングを施し、樹脂を均一に表面
被覆させた。この樹脂被覆シートを100℃の熱風乾燥
炉で2分間乾燥し、その直後に160℃の熱ロール(押
圧0.2Mpa )を通過させ、樹脂被覆シートに熱プレス
を施し、厚さ0.44mm、質量460g/m2 の樹脂被
覆シートを作製した。
【0093】次ぎにこの樹脂被覆シートの片面に、下記
組成を有するフッ素系樹脂(1)をキシレン溶液に溶解
して調製された中間処理液を120メッシュスクリーン
線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g
/m2 の固形分付着量になるように塗布し、80℃の熱
風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去し、中間保護層
を形成した。 〈中間保護層を形成するフッ素系樹脂(1)液の組成〉 商標:ルミフロンLF200C:旭硝子(株):フルオロオレ フィンビニルエーテル共重合体(固形分60wt%: 溶剤=キシレン) 100重量部 商標:タケネートD−170N:武田薬品工業(株): ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体 (固形分100wt%) 10重量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30wt%) 30重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 10重量部 希釈剤:トルエン 200重量部 〔註〕この中間処理層に含有されるケイ素化合物の含有量は17重量%であっ た。
【0094】前記中間保護層被覆シートの中間保護層上
に、光触媒を含有する最外表面層を形成するために、下
記組成のコート液を140メッシュスクリーン線のグラ
ビアロールを装着したコーターを用いて、1g/m2
固形分付着量になるように均一に塗布し、80℃の熱風
乾燥炉を2分間通過させて溶媒の乾燥を施して、光触媒
を含有する最外表面層(実施例1)を形成し、厚さ0.
44mm、質量464g/m2 の積層シートを作製した。 〈光触媒を含有する最外層を形成するコート液の組成〉 1).光触媒として、酸化チタン含有量10重量%に相当する酸化チタンゾル( 硝酸酸性:結晶粒子径10nm)を分散させた水−エタノール(50/50重量比 )溶液: 100重量部 2).金属酸化物ゾルとして、酸化ケイ素含有量10重量%に相当するシリカゾ ル(商標:カタロイドSI−30:触媒化成(株))を分散させた水−エタノー ル(50/50重量比)溶液: 100重量部 3).ケイ素化合物として、シランカップリング剤(商標:SZ6300:東レ ・ダウコーニングシリコーン(株)):ビニルトリメトキシシラン 2重量部 〔註〕前記光触媒を含有する最外表面層に含有される光触媒の含有量は45重 量%であった。
【0095】実施例2 実施例1と同様にして積層シートを作製した。但し、実
施例1において、樹脂層形成用に用いられた酢酸ビニル
系共重合体樹脂(1)(商標:パンフレックスOM55
00:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョ
ン)45重量部の代りに、アクリル系共重合体樹脂
(1)(商標:ニッポールLX−851C:アクリル酸
エステル−アクリル酸エステル共重合体樹脂:固形分濃
度45重量%:日本ゼオン(株))56重量部を用い、
得られた樹脂被覆シートの厚さは0.44mmであり、そ
の質量は460g/m2 であり、かつ、中間保護層を下
記のようにして形成した。
【0096】前記樹脂被覆シートの片面に、下記組成を
有するシリコーン系樹脂(1)を、MEK/トルエン混
合溶剤に溶解して調製した中間保護層用コート液を12
0メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコ
ーターを用いて、3g/m2の固形分付着量になるよう
に塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤
を除去し、中間保護層を形成した。 〈表面保護層を形成するシリコーン系樹脂(1)コート液の組成〉 商標:ネオシリカ#4000クリアー:イサム塗料(株): アクリルシリコーン共重合体(固形分50wt%: 溶剤=MEK/トルエン) 100重量部 商標:SZ6079:東レ・ダウコーニングシリコーン(株): ヘキサメチルジシラザン 5重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 10重量部 希釈剤:MEK/トルエン(重量比:50/50) 200重量部 ※この表面処理層に含有されるケイ素化合物量は17重量%である。
【0097】光触媒を含有する最外表面層の形成には、
実施例1と同一のコート液を用いて、前記中間保護層上
に1g/m2 の固形分付着量になるように均一塗布し、
光触媒を含有する最外表面層を形成した。厚さ0.44
mm、質量464g/m2 の積層シートが得られた。
【0098】実施例3 実施例1と同様にして積層シートを作製した。但し、樹
脂被覆シートの作製において実施例1で用いられた樹脂
ブレンド〔ポリウレタン系共重合体樹脂(1)188重
量部と酢酸ビニル系共重合体樹脂(1)45重量部〕
に、さらに、下記組成の表面被覆ハロゲン非含有化合物
粒子3種すなわち水酸化マグネシウム5重量部、ポリリ
ン酸アンモニウム10重量部、メラミン・シアヌレート
20重量部からなる粒子配合物合計35重量部を配合し
た。また、実施例1の水性の顔料着色組成(無機系顔料
I−1及び、無機系顔料I−2)のうち、水性の無機系
顔料(I−2)(商標:ディスパーカラー、オキサイド
エロー:酸化鉄)2.8重量部の代りに、水性の有機系
顔料(III −1)(商標:ディスパーカラー、ダービー
ブルーEX:シアニンブルー:固形分濃度10重量%:
トウペ(株))5.0重量部を用いた。ライトブルーに
着色された、厚さ0.44mm、質量485g/m2 の樹
脂被覆シートを得た。
【0099】〈表面被覆ハロゲン非含有化合物粒子配合
物〉 1).表面被覆無機系化合物(水酸化マグネシウム)粒
子 i).蒸留水400重量部とメタノール100重量部と
の合計500部量に、有機シラン化合物(商標:SH6
040:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラ
ン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)3重量部を添加して、30分間
撹拌した後、水酸化マグネシウム(商標:マグシーズN
−3:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))1
00重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過
して120℃で2時間乾燥し、水酸化マグネシウム粒子
100.6gを得た。 ii).次に蒸留水500重量部に、メラミン樹脂(商
標:ポリフィックスLF11:変性メラミン:固形分5
5重量%:昭和高分子(株)20重量部と、耐光安定剤
(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学
(株))0.5重量部を加えて撹拌し、前記i)で得た
水酸化マグネシウム粒子100.6gを加えて10分間
撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表
面被覆層を有する水酸化マグネシウム粒子104.58
gを得た。水酸化マグネシウム粒子に対する表面被覆層
の被覆重量率は4.38%であり、メラミン樹脂に対す
る有機シラン化合物の含有量は13.1重量%であっ
た。 2).表面被覆リン含有化合物(ポリリン酸アンモニウ
ム)粒子 蒸留水500重量部に、ベンゾグアナミン樹脂(商標:
ポリフィックスPG−251:変性ベンゾグアナミン:
固形分54重量%:昭和高分子(株))20重量部と、
耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華
化学(株))0.5重量部とを添加して、5分間撹拌し
た後、ポリリン酸アンモニウム粒子(商標:エクソリッ
トAP422:(NH4 PO3)n 、n=1000:リン
含有量31〜32重量%:平均粒度分布40μm以下:
クラリアント・ジャパン(株))100重量部を加え、
更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時
間乾燥し、表面被覆層を有するポリリン酸アンモニウム
粒子104.65gを得た。ポリリン酸アンモニウムに
対する表面被覆層の被覆重量率は4.44%であった。 3).表面被覆窒素含有化合物(メラミン・シアヌレー
ト)粒子 蒸留水500重量部に、エポキシ樹脂(商標:デナキャ
ストEM−101:変性ビスフェノールA型エポキシエ
マルジョン:エポキシ当量520:固形分濃度50重量
%:ナガセ化成(株))20重量部と、触媒としてトリ
エタノールアミン0.5重量部、耐光安定剤(商標:サ
ンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重
量部とを添加して、5分間撹拌した後、メラミン・シア
ヌレート粒子(商標:MC−610:平均粒子径1〜5
μm:日産化学(株))100重量部を加え、更に30
分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥
し、表面被覆層を有するメラミン・シアヌレート粒子1
04.78gを得た。メラミン・シアヌレートに対する
表面被覆層の被覆重量率は4.56%であった。
【0100】次にこの樹脂被覆シートの片面に下記組成
からなるエポキシ系樹脂をトルエン/MEK混合溶剤に
溶解して調製した中間保護層用コート液を120メッシ
ュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを
用いて、3g/m2 の固形分付着量になるように塗布
し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去
し、中間保護層を形成した。 〈表面保護層を形成するエポキシ系樹脂コート液の組成〉 商標:セルトップ#056:ダイセル化学工業(株):エポキシ シリコーン系共重合体(固形分50wt%:溶剤=キシレ ン/酢酸イソブチル/MEK) 100重量部 商標:SZ6079:東レ・ダウコーニングシリコーン(株): ヘキサメチルジシラザン 5重量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30wt%) 15重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 10重量部 希釈剤:トルエン/MEK(重量比:50/50) 200重量部 〔註〕この中間保護層に含有されるケイ素化合物の含有量は17重量%であっ た。
【0101】前記中間保護層上に光触媒を含有する最外
表面層を、形成するために実施例1と同一のコート液を
中間保護層上に1g/m2 の固形分付着量になるように
均一塗布し、最外表面層を形成した。厚さ0.44mm、
質量489g/m2 の積層シートを得た。
【0102】実施例4 実施例3と同様にして積層シートを作製した。但し、実
施例3の樹脂層の形成において、酢酸ビニル系共重合体
樹脂(1)(商標:パンフレックスOM5500:エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン)45重量
部の代りに、アクリル系共重合体樹脂(1)(商標:ニ
ッポールLX−851C:アクリル酸エステル−アクリ
ル酸エステル共重合体樹脂:固形分濃度45重量%:日
本ゼオン(株))56重量部を用いた。ライトブルーに
着色された、厚さ0.44mm、質量485g/m2 の樹
脂被覆シートを作製した。次にこの樹脂被覆シートの片
面に、実施例1と同一のフッ素系樹脂(1)コート液を
用いて表面保護層を形成し、次いでその上に実施例1と
同一の光触媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.44
mm、質量489g/m2 の積層シートを得た。
【0103】実施例5 実施例3と同様にして積層シートを作製した。但し、実
施例3の樹脂層形成用樹脂液から酢酸ビニル系共重合体
樹脂(1)(商標:パンフレックスOM5500:エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン)を省き、
かつポリウレタン系樹脂(1)(商標:アデカボンタイ
ターHUX−561:旭電化工業(株))の添加量18
8重量部を250重量部に変更した。また、水性の有機
系顔料(III −1)(商標:ディスパーカラー、ダービ
ーブルーEX:トウペ(株))の配合も省略し、水性の
無機系顔料(I−1)のみにより白色に着色した。厚さ
0.44mm、質量485g/m2 の樹脂被覆シートを得
た。次にこの樹脂被覆シートの片面に、実施例2と同一
のシリコーン系樹脂(1)コート液を用いて中間保護層
を形成し、その上に実施例1と同一の光触媒含有最外表
面層を形成した。厚さ0.44mm、質量489g/m2
の積層シートを得た。
【0104】実施例6 ポリウレタン系樹脂(2)(商標:エステン5464
0:ポリエーテル系ポリウレタン樹脂:硬度85A:協
和発酵工業(株))75重量部と、酢酸ビニル系共重合
体樹脂(2)(商標:エバテートP−2505:エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂:酢酸ビニル含有率25重
量%:MFR 2g/10min :三井デュポン・ポリケ
ミカル(株))25重量部とのブレンド(軟化温度13
8℃)に、滑剤(商標:Licowax−E:モンタン
酸エステル系:クラリアント・ジャパン(株))0.5
重量部と、紫外線吸収剤(商標:バイオソープ510:
共同薬品(株))0.3重量部と、酸化防止剤(商標:
イルガノックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ(株))0.2重量部と、実施例3と同一の表面
被覆ハロゲン非含有化合物粒子3種、(水酸化マグネシ
ウム5重量部、ポリリン酸アンモニウム10重量部、メ
ラミン・シアヌレート20重量部)合計35重量部と、
着色剤として無機系顔料(II−1)(9050Wホワイ
ト:ルチル型酸化チタン濃度70重量%:日弘ビックス
(株))7.1重量部と、無機系顔料(II−2)(93
31Yイエロー:酸化鉄濃度60重量%:日弘ビックス
(株))1.7重量部とを配合し、得られたコンパウン
ドを160℃に設定したミキシングロールで5分間混練
した後、カレンダー圧延により厚さ0.16mmの、酢酸
ビニル成分を6.2重量%含有する、LOI値33.4
の樹脂ブレンドフィルムを作製した。
【0105】別に7号ポリエステル繊維平織スパン基布
(ポリエステル短繊維紡績糸条:糸密度経糸14番手・
単糸56本/2.54cm×緯糸14番手・単糸44本/
2.54cm:質量180g/m2 )に下記組成の下地層
用処理液による処理を施した。 〈ポリエステル繊維平織スパン基布の下地処理液組成〉 商標:NKガードNDN−22:日華化学工業(株):フッ素系 高分子化合物 3重量部 希釈剤:水 100重量部 上記下地処理液浴中に前記ポリエステル繊維平織スパン
基布をディップし、引上げると同時に高硬度ゴムのニッ
プロールで余分な下地処理液を絞り落とし、120℃の
熱風乾燥炉で2分間乾燥させた後、180℃のヒートセ
ッターで1分間熱処理した。
【0106】前記下地層処理シートの両面上に、前記ア
イボリー色の樹脂ブレンドフィルムを160℃で(押圧
0.2Mpa )積層し、厚さ0.53mm、質量533g/
2の樹脂被覆シートを得た。
【0107】次にこの樹脂被覆シートの片面に、下記組
成を有するフッ素系樹脂(2)をトルエン/MEK混合
溶剤に溶解させて調製した中間保護層用処理液を、12
0メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコ
ーターを用いて3g/m2 の固形分付着量になるように
塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を
除去し、中間保護層を形成した。 〈中間保護層形成用フッ素系樹脂(2)コート液の組成〉 商標:ペルフロン5300:日本油脂(株):4フッ化エチレン −ビニルエーテル共重合体(固形分45wt%:溶剤=酢 酸ブチル) 100重量部 商標:タケネートD−170N:武田薬品工業(株): ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体 (固形分100wt%) 8重量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30wt%) 30重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 10重量部 希釈剤:シクロヘキサノン/MEK(30/70:重量比) 200重量部 〔註〕この中間保護層に含有されるケイ素化合物の含有量は21重量%であっ た。
【0108】次に光触媒を含有する最外表面層の形成に
は、実施例1と同一のコート液を1g/m2 の固形分付
着量になるように中間保護層上に均一塗布し、光触媒を
含有する最外表面層を形成した。厚さ0.53mm、質量
537g/m2 の積層シートを得た。
【0109】実施例7 実施例6と同様にして積層シートを作製した。但し、樹
脂層形成用樹脂液において、酢酸ビニル系共重合体樹脂
(2)(商標:エバテートP−2505:エチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂:三井デュポン・ポリケミカル
(株))25重量部の代りに、アクリル系共重合体樹脂
(2)(商標:アクリフトWH−206:エチレン−メ
チルメタアクリレート共重合体樹脂:メチルメタアクリ
レート20重量%:MFR 2.0g/min :住友化学
工業(株))25重量部を用いた。また、実施例6の無
機系顔料(II−1)(9050Wホワイト:日弘ビック
ス(株))7.1重量部の代りに、有機系顔料(III −
2)(9611Lブルー:フタロシアニンブルー濃度3
0重量%:日弘ビックス(株))3.3重量部を用い
た。厚さ0.53mm、質量533g/m2 のライトブル
ーに着色した樹脂被覆シートを得た。
【0110】この樹脂被覆シートの片面に、下記組成を
有するシリコーン系樹脂(2)を、MEK/トルエン混
合溶剤に溶解して調製された中間保護層用コート液を1
20メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着した
コーターを用いて、3g/m 2 の固形分付着量になるよ
うに塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶
剤を除去し、中間保護層を形成した。 〈中間保護層を形成するシリコーン系樹脂(2)コート液の組成〉 商標:ダイアロマーFF422:大日精化工業(株): ウレタン変性シリコーン−フッ素共重合体 (固形分30wt%:溶剤=MEK) 100重量部 商標:ダンゾールSP50KF:大日精化工業(株): シリコーンポリオール 10重量部 商標:タケネートD−170N:武田薬品工業(株): ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体 (固形分100wt%) 8重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 10重量部 希釈剤:MEK/トルエン(重量比:50/50) 200重量部 〔註〕この中間処理層に含有されるケイ素化合物の含有量は28重量%であっ た。
【0111】光触媒を含有する最外表面層の形成のため
に、前記中間保護層上に、実施例1と同一のコート液を
1g/m2 の固形分付着量になるように均一塗布し、光
触媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.53mm、質量
537g/m2 の積層シートを得た。
【0112】実施例8 実施例6と同様にして積層シートを作製した。但し、樹
脂層の形成において、酢酸ビニル系共重合体樹脂(2)
(商標:エバテートP−2505:エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂:三井デュポン・ポリケミカル(株))
25重量部を省き、ポリウレタン系樹脂(2)(商標:
エステン54640:協和発酵工業(株))の添加量7
5重量部を100重量部に変更した。また、無機系顔料
(III −2)(9611Lブルー:日弘ビックス
(株))の配合も省略し、無機系顔料(II−1)のみに
より、白色に着色した。厚さ0.53mm、質量533g
/m2 の樹脂被覆シートを得た。
【0113】この樹脂被覆シートの片面に、下記組成を
有するフォスファーゼン系樹脂コート液を用いて中間保
護層を形成し、この中間保護層上に実施例1と同一の光
触媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.53mm、質量
537g/m2 の積層シートを得た。 〈中間保護層を形成するフォスファーゼン系樹脂コート液の組成〉 商標:ACE−40:出光石油化学(株):メタアクリル酸2− ヒドロキシエチル置換P−N6員環フォスファーゼン (3PC−6HEMA) 100重量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30wt%) 30重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 20重量部 希釈剤:MEK/トルエン(重量比:50/50) 200重量部 〔註〕この中間処理層に含有されるケイ素化合物の含有量は16重量%であっ た。
【0114】表1に実施例1〜8の各々の樹脂層の組成
を示し、表2に実施例1〜8の各々の樹脂層形成方法、
樹脂層の付着量、基布用繊維布帛の構成、中間保護層及
びその積層シートの性能試験結果を示す。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】実施例1〜実施例8の積層シートの性能 表1及び2に示されているように、実施例1〜8で得ら
れた光触媒担持積層シートの性能を前記試験(I)〜
(VII )より評価した。得られた積層シートの片面に形
成され、それぞれフッ素系樹脂(1)ベースの中間保護
層(実施例1,4)、フッ素系樹脂(2)ベースの中間
保護層(実施例6)、シリコーン系樹脂(1)ベースの
中間保護層(実施例2,5)、シリコーン系樹脂(2)
ベースの中間保護層(実施例7)、エポキシ系樹脂ベー
スの中間保護層(実施例3)、フォスファーゼン系樹脂
ベースの中間保護層(実施例8)は、基布上の樹脂層及
び、光触媒を含有する最外表面層とよく密着し、セロハ
ン粘着テープ剥離試験(試験I)において、剥離や脱落
を発生しなかった。また、スコット形法屈曲揉み試験
(試験II)では、光触媒を含有する最外表面層と中間保
護層との界面、または、樹脂層と中間保護層との界面に
おける剥離や、脱落も発生しなかった。さらに実施例1
〜5の積層シートを手揉みし、その漏水性を調べたとこ
ろ(試験VII )、熱プレス効果によって漏水は認められ
なかった。実施例1〜8の積層シートを36ヶ月間屋外
曝露して6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後の積層シートの
汚れ度合いを目視観察及び、色差測定により評価した結
果、いずれの積層シートも曝露汚れが逐次経時的に分解
し、降雨によって洗い流されることによって長期間初期
状態の美観を保持していた(試験III )。また、耐光促
進試験(試験IV)500〜2000時間の結果も良好で
2000時間促進試験後でも、積層シートに著しい色褪
せ及び極端な変色は認められず、美麗な色相外観を維持
していた。また更に、屋外曝露36ヶ月の積層シートの
引裂強度保持率(試験V)はすべて80%以上であり、
特に、実施例3〜8のハロゲン非含有化合物粒子とし
て、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物な
どの粒子を配合した積層シートは、テント膜材の用途に
必要な防炎性(JIS L−1091:A−2法区分
3:試験VI)を有し、しかも、屋外曝露後、12ヶ月後
にも、その性能を保持しているものであった。従って本
発明の積層シートは上記試験(I)〜(VII )の結果よ
り、従来のポリ塩化ビニル樹脂製積層シートの代替に好
適に使用することができ、尚且つ、カラフルな色相美観
を長時間維持することが可能で、産業資材用シートとし
て優れた耐久性を有するものである。
【0118】実施例9 1)下地層の形成 ポリウレタン系樹脂(1)(商標:アデカボンタイター
HUX−561:ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂
エマルジョン:固形分濃度40重量%:旭電化工業
(株))62重量部と、酢酸ビニル系共重合体樹脂
(1)(商標:パンフレックスOM5500:エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン:固形分濃度5
5重量%:(株)クラレ)136重量部とのブレンド
(軟化温度102℃)に、紫外線吸収剤(商標:バイオ
ソープ510:共同薬品(株))を0.3重量部、酸化
防止剤(商標:イルガノックス1010:チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ(株))を0.2重量部、着色剤
として水性の無機系顔料(I−1)(商標:ディスパー
カラー、ホワイトハイコンクEX:ルチル型酸化チタ
ン:固形分濃度55重量%:トウペ(株))9.1重量
部と水性の無機系顔料(I−2)(商標:ディスパーカ
ラー、オキサイドエロー:酸化鉄:固形分濃度35重量
%:トウペ(株))2.8重量部を配合・撹拌し、下地
層用のアイボリー色の水性下地層樹脂溶液を得た。次
に、この水性樹脂溶液バス中に、下記下処理を施した5
号ポリエステル繊維平織スパン基布(ポリエステル短繊
維紡績糸条:糸密度経糸20番手・双糸51本/2.5
4cm×緯糸20番手・双糸48本/2.54cm:質量2
50g/m2 )をディップ(浸漬)し、樹脂含浸したス
パン基布を引き上げると同時にマングルロールでニップ
(圧搾)し、樹脂を含浸した後、100℃の熱風乾燥炉
で2分間乾燥し、直後140℃の熱ロール(押圧0.2
Mpa )を通過させ、樹脂被覆基材に熱プレスを施した。
次に、再び水性樹脂溶液バス中に樹脂被覆基材をディッ
プし、さらに樹脂を付着させた後、今度はドクターナイ
フで樹脂コーティングを行い、樹脂を均一に表面被覆さ
せた。この基材を100℃の熱風乾燥炉で2分間乾燥
し、直後160℃の熱ロール(押圧0.2MPa )を通過
させ、樹脂被覆基材に熱プレスを施し、厚さ0.40m
m、質量375g/m2の下地層被覆シートを得た。
【0119】 〈ポリエステル繊維平織スパン基布の下処理〉 商標:NKガードNDN−22:日華化学工業(株):フッ素系 高分子化合物 3重量部 希釈剤:水 100重量部 上記下処理剤浴中にポリエステル繊維平織スパン基布を
ディップし、引上げると同時に高硬度ゴムのニップロー
ルで余分な下処理剤を絞り落とし、120℃の熱風乾燥
炉で2分間乾燥させた後、180℃のヒートセッターで
1分間熱処理して下処理された基布を作製した。
【0120】2)樹脂層の形成 実施例1と同一の水性樹脂溶液を樹脂層形成用に用い、
この樹脂液バス中に、前記1)で得た下地層被覆シート
をディップし、樹脂液を付着させた後、これにドクター
ナイフで樹脂コーティングを施し、樹脂を均一に表面被
覆させた。このシートを100℃の熱風乾燥炉で2分間
乾燥し、直後160℃の熱ロール(押圧0.2Mpa )を
通過させ、樹脂層被覆シートに熱プレスを施し、厚さ
0.44mm、質量460g/m2 の下地層と樹脂層との
2層樹脂被覆シートを得た。(以下これを樹脂被覆シー
トと記す)
【0121】この樹脂被覆シートの片面に、実施例1と
同一のフッ素系樹脂(1)をキシレン溶剤に溶解して調
製した中間保護層用コート液を120メッシュスクリー
ン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて3g
/m2 の固形分付着量になるように塗布し、80℃の熱
風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去し、中間保護層
を形成した。次いで実施例1と同一の光触媒含有最外表
面層を形成した。厚さ0.44mm、質量464g/m2
の積層シートを得た。
【0122】実施例10 1)下地層の形成 実施例9と同様にして基布上に下地層を形成した。但
し、酢酸ビニル系共重合体樹脂(1)(商標:パンフレ
ックスOM5500:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂エマルジョン)136重量部の代りに、アクリル系共
重合体樹脂(1)(商標:ニッポールLX−851C:
アクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体樹
脂:固形分濃度45重量%:日本ゼオン(株))167
重量部を用いた。厚さ0.40mm、質量375g/m2
の中間層被覆シートを得た。
【0123】2)樹脂層の形成 実施例2と同一の水性樹脂溶液を用いて樹脂層を形成し
た。すなわち、この樹脂溶液バス中に、前記1)で得た
下地層被覆シートをディップし、実施例9と同様の方法
で、厚さ0.44mm、質量460g/m2 の樹脂被覆シ
ートを得た。
【0124】この樹脂被覆シートの片面上に、実施例2
と同一のシリコーン系樹脂(1)をキシレン溶液に溶解
して調製した中間保護層用コート液を120メッシュス
クリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用い
て3g/m2 の固形分付着量になるように塗布し、80
℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去し、中間
保護層を形成した。この中間保護層上に実施例1と同様
の光触媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.44mm、
質量464g/m2 の積層シートを得た。
【0125】実施例11 1)下地層の形成 実施例9と同様にして下地層被覆シートを作製した。但
し、実施例9に記載の樹脂ブレンド〔ポリウレタン系共
重合体樹脂(1)62重量部と酢酸ビニル系共重合体樹
脂(1)136重量部〕に対し、実施例3と同一の表面
被覆ハロゲン非含有化合物粒子3種、(水酸化マグネシ
ウム5重量部、ポリリン酸アンモニウム10重量部、メ
ラミン・シアヌレート20重量部)合計35重量部を配
合した。また、実施例9の水性の顔料着色組成(無機系
顔料I−1及び、無機系顔料I−2)のうち、水性の無
機系顔料(I−2)(商標:ディスパーカラー、オキサ
イドエロー:酸化鉄)2.8重量部の代りに、水性の有
機系顔料(III −1)(商標:ディスパーカラー、ダー
ビーブルーEX:シアニンブルー:固形分濃度10重量
%:トウペ(株))5.0重量部を用いた。ライトブル
ーに着色された、厚さ0.40mm、質量388g/m2
の中間層被覆シートを得た。
【0126】2)樹脂層の形成 実施例3と同一の水性樹脂溶液を樹脂層形成用に用い、
この樹脂溶液バス中に、前記1)で得た下地層被覆シー
トをディップし、実施例9と同様の方法で、厚さ0.4
4mm、質量480g/m2 の樹脂被覆シートを得た。
【0127】この樹脂被覆シートの片面に、実施例3と
同一の、エポキシ系樹脂をキシレン溶剤に溶解して調製
した中間保護層用コート液を120メッシュスクリーン
線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g
/m2 の固形分付着量になるように塗布し、80℃の熱
風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去し、中間保護層
を形成した。この中間保護層上に、実施例1と同一のコ
ート液を用いて光触媒含有最外表面層を形成した。厚さ
0.44mm、質量484g/m2 の積層シートを得た。
【0128】実施例12 1)下地層の形成 実施例11と同様にして下地層被覆シートを作製した。
但し、実施例11に記載の酢酸ビニル系共重合体樹脂
(1)(商標:パンフレックスOM5500:エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン)136重量部
の代りに、アクリル系共重合体樹脂(1)(商標:ニッ
ポールLX−851C:アクリル酸エステル−アクリル
酸エステル共重合体樹脂:固形分濃度45重量%:日本
ゼオン(株))167重量部を用いた。ライトブルーに
着色した、厚さ0.40mm、質量388g/m2 の下地
層被覆シートを得た。
【0129】2)樹脂層の形成 実施例4と同一の水性樹脂溶液を用いて樹脂層を形成し
た。すなわちこの樹脂溶液バス中に前記1)で得た下地
層被覆シートをディップし、実施例9と同様の方法で、
厚さ0.44mm、質量480g/m2 の樹脂被覆シート
を得た。
【0130】この樹脂被覆シートの片面に、実施例1と
同一のフッ素系樹脂(1)をキシレン溶剤に溶解して調
製した中間保護層用コート液を120メッシュスクリー
ン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて3g
/m2 の固形分付着量になるように塗布し、80℃の熱
風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去して中間保護層
を形成した。この中間保護層上に、実施例1に記載の光
触媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.44mm、質量
484g/m2 の積層シートを得た。
【0131】実施例13 1)下地層の形成 実施例11と同様にして下地層を形成した。但し、実施
例11に記載の下地層用樹脂溶液において、酢酸ビニル
系共重合体樹脂(1)(商標:パンフレックスOM55
00:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョ
ン)を省き、ポリウレタン系樹脂(1)(商標:アデカ
ボンタイターHUX−561:旭電化工業(株))の添
加量62重量部を250重量部に変更した。また、水性
の有機系顔料(III −1)(商標:ディスパーカラー、
ダービーブルーEX:トウペ(株))の配合を省略し、
水性の無機系顔料(I−1)のみにより白色に着色し
た。厚さ0.40mm、質量388g/m2 の下地層被覆
シートを得た。
【0132】2)樹脂層の形成 実施例5と同一の水性樹脂溶液を樹脂層形成用に用い、
この樹脂溶液バス中に、前記1)で得た下地層被覆シー
トをディップし、実施例9と同様の方法で、厚さ0.4
4mm、質量480g/m2 の樹脂被覆基材を得た。
【0133】この樹脂被覆シートの片面に、実施例1と
同一のシリコーン系樹脂(1)をキシレン溶剤に溶解し
て調製したコート液を120メッシュスクリーン線のグ
ラビアロールを装着したコーターを用いて3g/m2
固形分付着量になるように塗布し、80℃の熱風乾燥炉
を3分間通過させて溶剤を除去し、中間保護層を形成し
た。この中間保護層上に、実施例1と同一の光触媒含有
最外表面層を形成した。厚さ0.44mm、質量484g
/m2 の積層シートを得た。
【0134】実施例14 1)下地層の形成 ポリウレタン系樹脂(3)(商標:レザミンP606
5:エステル系ポリウレタン樹脂:硬度65A:大日精
化工業(株))25重量部と、酢酸ビニル系共重合体樹
脂(2)(商標:エバテートP−2505:エチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂:酢酸ビニル含有率25重量
%:MFR 2g/10min :三井デュポン・ポリケミ
カル(株))75重量部との樹脂ブレンド(軟化温度9
2℃)に、滑剤(商標:Licowax−E:モンタン
酸エステル系:クラリアント・ジャパン(株))0.5
重量部と、紫外線吸収剤(商標:バイオソープ510:
共同薬品(株))0.3重量部と、酸化防止剤(商標:
イルガノックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ(株))0.2重量部と、実施例3と同一の表面
被覆ハロゲン非含有化合物粒子3種、(水酸化マグネシ
ウム5重量部、ポリリン酸アンモニウム10重量部、メ
ラミン・シアヌレート20重量部)合計35重量部を
と、着色剤として無機系顔料(II−1)(9050Wホ
ワイト:ルチル型酸化チタン濃度70重量%:日弘ビッ
クス(株))7.1重量部と無機系顔料(II−2)(9
331Yイエロー:酸化鉄濃度60重量%:日弘ビック
ス(株))1.7重量部とを配合し、得られたコンパウ
ンドを145℃に設定したミキシングロールで5分間混
練した後、カレンダー圧延により、厚さ0.16mmの、
酢酸ビニル成分を18.7重量%含有する、LOI値2
7.2の樹脂ブレンドフィルムを作製した。このアイボ
リー色の下地層用樹脂ブレンドフィルムを、ラミネータ
ーを用いて下記下処理を施した7号ポリエステル繊維平
織スパン基布(ポリエステル短繊維紡績糸条:糸密度経
糸14番手・単糸56本/2.54cm×緯糸14番手・
単糸44本/2.54cm:質量180g/m2 )の片面
に、140℃で(押圧0.2Mpa )積層した。厚さ0.
38mm、質量360g/m2 の下地層被覆シートを得
た。
【0135】 〈ポリエステル繊維平織スパン基布の下処理〉 商標:NKガードNDN−22:日華化学工業(株):フッ素系 高分子化合物 3重量部 希釈剤:水 100重量部 上記下処理剤浴中にポリエステル繊維平織スパン基布を
ディップし、引上げると同時に高硬度ゴムのニップロー
ルで余分な下処理剤を絞り落とし、120℃の熱風乾燥
炉で2分間乾燥させた後、180℃のヒートセッターで
1分間熱処理した。
【0136】2)樹脂層の形成 実施例6と同一の樹脂コンパウンドから得られた厚さ
0.16mmのフィルムを樹脂層形成用フィルムとして用
いた。このフィルムを前記1)で得た下地層被覆シート
の両面に、実施例6と同様の方法で積層し、厚さ0.7
0mm、質量713g/m2 の樹脂被覆シートを得た。
【0137】この樹脂被覆シートの片面に、実施例6と
同一のフッ素系樹脂(2)をキシレン溶剤に溶解して調
製したコート液を120メッシュスクリーン線のグラビ
アロールを装着したコーターを用いて3g/m2 の固形
分付着量になるように塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3
分間通過させて溶剤を除去し、中間保護層を形成した。
この中間保護層上に実施例1と同一の光触媒含有最外表
面層を形成した。厚さ0.70mm、質量716g/m2
の積層シートを得た。
【0138】実施例15 1)下地層の形成 実施例14と同様にして下地層被覆シートを作製した。
但し、実施例14の下地層用樹脂溶液において、酢酸ビ
ニル系共重合体樹脂(2)(商標:エバテートP−25
05:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂:三井デュポ
ン・ポリケミカル(株))75重量部の代りに、アクリ
ル系共重合体樹脂(2)(商標:アクリフトWH−20
6:エチレン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂:
メチルメタアクリレート20重量%:MFR 2.0g
/min :住友化学工業(株))75重量部を用いまた、
実施例14の無機系顔料(II−1)(9050Wホワイ
ト:日弘ビックス(株))7.1重量部の代りに、無機
系顔料(III −2)(9611Lブルー:フタロシアニ
ンブルー濃度30重量%:日弘ビックス(株))3.3
重量部を用いた。厚さ0.38mm、質量360g/m2
の、ライトブルーに着色した下地層を片面に有する下地
層被覆シートを得た。
【0139】2)樹脂層の形成 実施例7と同一の樹脂コンパウンドから得られた厚さ
0.16mmのフィルムを、樹脂層形成用に用い、このフ
ィルムを、前記1)で得られた片面に下地層を有する下
地層被覆シートの両面に、実施例14と同様の方法で積
層し、厚さ0.70mm、質量713g/m2 の樹脂被覆
シートを得た。
【0140】この樹脂被覆シートの下地層/樹脂層被覆
された片面に、実施例7と同一のシリコーン系樹脂
(2)をキシレン溶剤に溶解して調製したコート液を1
20メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着した
コーターを用いて3g/m2 の固形分付着量になるよう
に塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤
を除去し、中間保護層を形成した。この中間保護層上
に、実施例1と同一の光触媒含有最外表面層を形成し
た。厚さ0.70mm、質量716g/m2 の積層シート
を得た。
【0141】実施例16 1)下地層の形成 実施例14と同様にして下地層被覆シートを作製した。
但し、実施例14の下地層用樹脂溶液において、酢酸ビ
ニル系共重合体樹脂(2)(商標:エバテートP−25
05:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂:三井デュポ
ン・ポリケミカル(株))75重量部を省き、かつポリ
ウレタン系樹脂(3)(商標:レザミンP6065:大
日精化工業(株))の配合量75重量部を100重量部
に変更した。また、有機系顔料(III −2)(9611
Lブルー:日弘ビックス(株))の配合も省略し、無機
系顔料(II−1)のみにより、白色に着色した。厚さ
0.38mm、質量360g/m2 の、片面に下地層を有
する下地層被覆シートを得た。
【0142】2)樹脂層の形成 実施例8と同一の樹脂コンパウンドから得られた厚さ
0.16mmのフィルムを、前記1)で得られた片面に下
地層を有する下地層被覆シートの両面に、実施例14と
同様の方法で積層し、厚さ0.70mm、質量713g/
2 の樹脂被覆シートを得た。
【0143】この樹脂被覆シートの下地層/樹脂層被覆
された片面に、実施例8と同一のフォスファーゼン系樹
脂をキシレン溶剤に溶解して調製したコート液を120
メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコー
ターを用いて3g/m2 の固形分付着量になるように塗
布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除
去し、中間保護層を形成した。この中間保護層上に、実
施例1と同一の光触媒含有最外表面層を形成した。厚さ
0.70mm、質量716g/m2 の積層シートを得た。
【0144】表3に、実施例9〜16の各々の樹脂層の
組成を示す。表4に、実施例9〜16の各々の下地層の
組成を示す。表5に、実施例9〜16の各々の下地層形
成方法、樹脂層の形成方法、基布用繊維布帛の構成、中
間保護層及び組成、最外表面層の光触媒及び試験結果な
どを示す。
【0145】
【表3】
【表4】
【0146】
【表5】
【0147】実施例9〜実施例16の積層シートの性能 表3〜5に示されているように実施例9〜16で得られ
た光触媒担持積層シートの性能を前記試験(I)〜(VI
I )より評価した結果、得られた積層シートの片面に形
成された、それぞれフッ素系樹脂(1)ベースの中間保
護層(実施例9,12)、フッ素系樹脂(2)ベースの
中間保護層(実施例14)、シリコーン系樹脂(1)ベ
ースの中間保護層(実施例10,13)、シリコーン系
樹脂(2)ベースの中間保護層(実施例15)、エポキ
シ系樹脂ベースの中間保護層(実施例11)、フォスフ
ァーゼン系樹脂ベースの中間保護層(実施例16)は、
樹脂層及び、光触媒含有最外表面層と強固に密着し、セ
ロハン粘着テープ剥離試験(試験I)において、剥離又
は脱落を生ずることはなかった。また、スコット形法屈
曲揉み試験(試験II)では、光触媒含有最外表面層と中
間保護層との界面、または、樹脂層と中間保護層との界
面における剥離又は脱落もなかった。さらに実施例9〜
13のシートを手揉みし、その漏水性を調べたところ
(試験VII )、熱プレス効果によって漏水は認められな
かった。実施例9〜16の積層シートを36ヶ月間屋外
曝露して6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの汚れ
度合いを目視観察及び、色差測定により評価した結果、
いずれの積層シートも曝露汚れが逐次経時的に分解し、
降雨によって洗い流されることによって長期間にわたり
初期状態の美観を保持していた(試験III )。また、耐
光促進試験(試験IV)500〜2000時間の結果も良
好で、2000時間促進試験後でも積層シートの著しい
色褪せ及び極端な変色は認められず、美麗な色相外観を
維持していた。また更に、屋外曝露36ヶ月後の積層シ
ートの引裂強度保持率(試験V)はすべて80%以上で
あり、特に、実施例3〜8のハロゲン非含有化合物粒子
として、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合
物などの粒子を配合した積層シートは、テント膜材用途
に必要な防炎性(JIS L−1091:A−2法区分
3:試験VI)を有し、しかも、屋外曝露後、12ヶ月後
にも、その性能を保持しているものであった。従って本
発明のシートは上記(I)〜(VII )の試験結果より、
従来のポリ塩化ビニル樹脂製シートの代替に適して使用
することができ、尚且つ、カラフルな色相美観を長期間
維持可能で、産業資材用シートとして優れた耐久性を有
するものである。
【0148】比較例1 実施例1の樹脂層を下記配合のポリ塩化ビニル樹脂層に
変更したことを除き、その他は実施例1と同様にして中
間保護層と、光触媒含有最外表面層とを有する積層シー
トを作製した。樹脂層の形成には、下記配合物からなる
ポリ塩化ビニル樹脂オルガノゾル中に、実施例1で使用
したものと同一の5号ポリエステル繊維平織スパン基布
(ポリエステル短繊維紡績糸条:糸密度経糸20番手・
双糸51本/2.54cm×緯糸20番手・双糸48本/
2.54cm:質量250g/m2)をディップ(浸漬)
し、樹脂含浸されたスパン基布を引き上げると同時にマ
ングルロールでニップ(圧搾)し、樹脂含浸シートを1
60℃の熱風乾燥炉で2分間加熱して樹脂をゲル化さ
せ、次に、ポリ塩化ビニル樹脂オルガノゾル中に前記樹
脂被覆基材を再度ディップしてさらに樹脂を付着させた
後、今度はドクターナイフで樹脂コーティングを施し、
樹脂を均一に表面被覆させ、160℃の熱風乾燥炉で2
分間加熱して樹脂をゲル化した。グレー色に着色され、
厚さ0.44mm、質量490g/m2 の樹脂被覆シート
を得た。このシートの表面上に、実施例1と同一の光触
媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.44mm、質量4
94g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂シートを得た。
【0149】 〈ポリ塩化ビニル樹脂層の配合〉 商標:ゼストP21:新第一塩ビ(株):ペーストPVC (重合度P=1600) 100重量部 商標:サンソサイザーDOP:新日本理化(株):可塑剤 100重量部 商標:アデカサイザーO−130P:旭電化工業(株): エポキシ化大豆油 4重量部 商標:パトックスL:日本精鉱(株):三酸化アンチモン 15重量部 商標:アデカスタブAC−169:旭電化工業(株): Ba−Zn系安定剤 2重量部 ビニルトナー(下記):日弘ビックス(株) 10重量部 商標:チヌビンP:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株): UV吸収剤 0.2重量部 希釈剤:トルエン 20重量部 〈ビニルトナー組成〉 酸化チタン(ルチル)(無機系顔料) 10重量% 黄色酸化鉄 (無機系顔料) 13重量% カーボンブラック (無機系顔料) 2重量% ポリアゾレッド (有機系顔料) 10重量% シアニンブルー (有機系顔料) 10重量% DOP(可塑剤) 53重量% 分散剤 2重量% 〔註〕無機系顔料:有機系顔料=55:45(重量比)
【0150】比較例2 実施例2の樹脂層を下記配合のポリ塩化ビニル樹脂層に
変更したことを除き、その他は実施例2と同様にして中
間保護層と、光触媒含有最外表面層とを形成し、厚さ
0.44mm、質量494g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂
シートを得た。樹脂層の形成には、下記配合物からなる
ポリ塩化ビニル樹脂オルガノゾルを用いて、比較例1と
同様にして、オレンジ色に着色された、厚さ0.44m
m、質量490g/m2 の塩化ビニル樹脂被覆シートを
得た。
【0151】 〈ポリ塩化ビニル樹脂層の配合〉 商標:ゼストP21:新第一塩ビ(株):ペーストPVC (重合度P=1600) 100重量部 商標:サンソサイザーDOP:新日本理化(株):可塑剤 80重量部 商標:アデカサイザーO−130P:旭電化工業(株): エポキシ化大豆油 4重量部 商標:パトックスL:日本精鉱(株):三酸化アンチモン 15重量部 商標:アデカスタブAC−169:旭電化工業(株): Ba−Zn系安定剤 2重量部 ビニルトナー(下記):日弘ビックス(株) 10重量部 商標:チヌビンP:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株): UV吸収剤 0.2重量部 希釈剤:トルエン 20重量部 〈ビニルトナー組成〉 酸化チタン(ルチル) (無機系顔料) 10重量% イソインドリノンイエロー(有機系顔料) 23重量% キナクリドンレッド (有機系顔料) 7重量% DOP(可塑剤) 58重量% 分散剤 2重量% 〔註〕無機系顔料:有機系顔料=25:75(重量比)
【0152】比較例3 実施例3の樹脂層を下記配合のポリ塩化ビニル樹脂層に
変更したことを除き、その他は実施例3と同様にして中
間保護層と、光触媒含有最外表面層とを形成し、厚さ
0.44mm、質量494g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂
シートを得た。樹脂層の形成には、下記配合物からなる
ポリ塩化ビニル樹脂オルガノゾルを用いて、比較例1と
同様に行い、若草色に着色された、厚さ0.44mm、質
量490g/m2 の塩化ビニル樹脂被覆シートを得た。
【0153】 〈ポリ塩化ビニル樹脂層の配合〉 商標:ゼストP21:新第一塩ビ(株):ペーストPVC (重合度P=1600) 100重量部 商標:サンソサイザーDOP:新日本理化(株):可塑剤 70重量部 商標:PN220:旭電化工業(株):アジピン酸系ポリ エステル可塑剤 20重量部 商標:アデカサイザーO−130P:旭電化工業(株): エポキシ化大豆油 4重量部 商標:パトックスL:日本精鉱(株):三酸化アンチモン 15重量部 商標:アデカスタブAC−169:旭電化工業(株): Ba−Zn系安定剤 2重量部 ビニルトナー(下記):日弘ビックス(株) 10重量部 商標:チヌビンP:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株): UV吸収剤 0.2重量部 希釈剤:トルエン 20重量部 〈ビニルトナー組成〉 酸化チタン(ルチル) (無機系顔料) 15重量% イソインドリノンイエロー(有機系顔料) 20重量% 群青 (有機系顔料) 5重量% DOP(可塑剤) 58重量% 分散剤 2重量% 〔註〕無機系顔料:有機系顔料=37.5:62.5(重量比)
【0154】比較例4 実施例4の樹脂層を下記配合のポリ塩化ビニル樹脂層に
変更したことを除きその他は実施例4と同様にして中間
保護層と、光触媒含有最外表面層とを形成し、厚さ0.
44mm、質量494g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂シー
トを得た。樹脂層の形成には、下記配合物からなるポリ
塩化ビニル樹脂オルガノゾルを用いて、比較例1と同様
に行い、赤紫色に着色した、厚さ0.44mm、質量49
0g/m 2 の塩化ビニル樹脂被覆シートを得た。
【0155】 〈ポリ塩化ビニル樹脂層の配合〉 商標:ゼストP21:新第一塩ビ(株):ペーストPVC (重合度P=1600) 100重量部 商標:サンソサイザーDOP:新日本理化(株):可塑剤 40重量部 商標:PN220:旭電化工業(株):アジピン酸系ポリ エステル可塑剤 40重量部 商標:アデカサイザーO−130P:旭電化工業(株): エポキシ化大豆油 4重量部 商標:パトックスL:日本精鉱(株):三酸化アンチモン 15重量部 商標:アデカスタブAC−169:旭電化工業(株): Ba−Zn系安定剤 2重量部 ビニルトナー(下記):日弘ビックス(株) 10重量部 商標:チヌビンP:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株): UV吸収剤 0.2重量部 希釈剤:トルエン 20重量部 〈ビニルトナー組成〉 酸化チタン(ルチル) (無機系顔料) 25重量% ジオキサジンバイオレット(有機系顔料) 10重量% ポリアゾレッド (有機系顔料) 5重量% DOP(可塑剤) 58重量% 分散剤 2重量% 〔註〕無機系顔料:有機系顔料=62.5:37.5(重量比)
【0156】比較例1〜4の各々の樹脂被覆層の形成、
基布の構成、中間保護層の組成、最外表面層の組成及び
試験結果を表6に示す。
【0157】
【表6】
【0158】比較例1〜比較例4の樹脂被覆シートの性
能 表6から明らかなように比較例1〜4で得られたポリ塩
化ビニル樹脂被覆シートの性能を上記試験(I)〜(VI
I )の結果より評価したところ、シートの表面側に形成
された、それぞれの中間保護層は、ポリ塩化ビニル樹脂
層と、光触媒含有最外表面層に強固に密着し、36ヶ月
間の屋外曝露においても、環境汚れの少ないものであっ
たが、耐光促進試験(試験IV)2000時間の結果で
は、シート樹脂層の色褪せと変色が認められ、しかもシ
ートの表面には微細な亀裂が多数発生していた。さら
に、比較例1〜4の塩化ビニル樹脂被覆シートはすべて
経時的に可塑剤が光触媒含有最外表面層にまで移行し
て、可塑剤と安定剤が光触媒作用によって分解されてし
まうために、塩化ビニル樹脂含有層の劣化が進み、その
結果、シートの引裂強度が極度に悪くなっていた。従っ
て比較例1〜4の塩化ビニル樹脂被覆シートは、屋外使
用の産業資材用シートとして、色相美観と耐久性の長期
維持が不十分であり、実用性に劣るものであった。
【0159】比較例5 実施例1の樹脂層の組成においてポリウレタン系樹脂
(1)(商標:アデカボンタイターHUX−561:旭
電化工業(株))188重量部の代りに、酢酸ビニル系
共重合体樹脂(1)(商標:パンフレックスOM550
0:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン:
(株)クラレ)182重量部を用いた。また、樹脂層形
成後の熱プレス工程を省略した。これ以外は実施例1と
同様にして、厚さ0.44mm、質量464g/m2 の積
層シートを得た。
【0160】比較例6 実施例2の樹脂層の組成においてポリウレタン系樹脂
(1)(商標:アデカボンタイターHUX−561:旭
電化工業(株))188重量部の代りに、アクリル系共
重合体樹脂(1)(商標:ニッポールLX−851C:
アクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体樹
脂:日本ゼオン(株))222重量部を用いた。また、
樹脂層形成後の熱プレス工程を省略した。これ以外は実
施例2と同様にして、厚さ0.44mm、質量464g/
2 の積層シートを得た。
【0161】比較例7 実施例3の配合からポリウレタン系樹脂(1)(商標:
アデカボンタイターHUX−561:旭電化工業
(株))188重量部を省き、酢酸ビニル系共重合体樹
脂(1)(商標:パンフレックスOM5500:エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン:(株)クラ
レ)を182重量部に変更した。また、ハロゲン非含有
化合物は、表面被覆を省略したものを配合し、さらに無
機系顔料(I−1)(商標:ディスパーカラー、ホワイ
トハイコンクEX:ルチル型酸化チタン:トウペ
(株))9.1重量部も省略した。また、さらに樹脂層
形成後の熱プレス工程も省略した。これ以外は実施例3
と同様にして、厚さ0.44mm、質量487g/m2
積層シートを得た。
【0162】比較例8 実施例4の樹脂層の組成において、ポリウレタン系樹脂
(1)(商標:アデカボンタイターHUX−561:旭
電化工業(株))188重量部の代りに、アクリル系共
重合体樹脂(1)(商標:ニッポールLX−851C:
アクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体樹
脂:日本ゼオン(株))222重量部を用いた。また、
ハロゲン非含有化合物は、表面被覆を省略したものを用
い、さらに無機系顔料(I−1)(商標:ディスパーカ
ラー、ホワイトハイコンクEX:ルチル型酸化チタン:
トウペ(株))の配合量を9.1重量部から1.82重
量部に変更した。また、さらに樹脂層形成後の熱プレス
工程も省略した。これ以外は実施例4と同様にして、厚
さ0.44mm、質量487g/m2 の積層シートを得
た。
【0163】比較例9 実施例6の樹脂層の組成において、ポリウレタン系樹脂
(2)(商標:エステン54640:協和発酵工業
(株))75重量部の代りに、酢酸ビニル系共重合体樹
脂(2)(商標:エバテートP−2505:エチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂:三井デュポン・ポリケミカル
(株))100重量部を用い、ハロゲン非含有化合物3
種の粒子から(水酸化マグネシウム5重量部、ポリリン
酸アンモニウム10重量部、メラミン・シアヌレート2
0重量部)表面被覆を省略したもの合計35重量部を配
合した。上記事項以外は、実施例6と同様にして、厚さ
0.53mm、質量525g/m2 の積層シートを得た。
【0164】比較例10 実施例7の樹脂層の組成において、ポリウレタン系樹脂
(2)(商標:エステン54640:協和発酵工業
(株))75重量部の代りに、アクリル系共重合体樹脂
(2)(商標:アクリフトWH−206:エチレン−メ
チルメタアクリレート共重合体樹脂:住友化学工業
(株))100重量部を用いた。また、無機系顔料(II
−1)(9050Wホワイト:ルチル型酸化チタン濃度
70重量%:日弘ビックス(株))の配合量を7.1重
量部から1.42重量部に変更した。またハロゲン非含
有化合物3種から(水酸化マグネシウム5重量部、ポリ
リン酸アンモニウム10重量部、メラミン・シアヌレー
ト20重量部)表面被覆を省略したもの合計35重量部
を用いた。上記事項以外は実施例6と同様にして、厚さ
0.53mm、質量525g/m2 の積層シートを得た。
【0165】比較例5〜10の各々の樹脂層の組成を表
7に示し、また表8に樹脂層の形成方法、基布用繊維基
布の構成、中間保護層及び最外表面層の組成、及び試験
結果を示す。
【0166】
【表7】
【0167】
【表8】
【0168】比較例5〜比較例10の積層シートの性能 表7及び8から明らかなように、比較例5〜10の、ポ
リウレタン樹脂成分を省略して得た積層シートの性能を
上記試験(I)〜(VII )より評価した結果、積層シー
トの表面側に形成された中間保護層と樹脂層との密着性
が不十分であるため、光触媒含有最外表面層は、中間保
護層とともに脱落した(試験I,II)。また、これらシ
ートの屋外曝露(試験III )では、曝露初期においては
環境汚れの少ないものであったが、6ヶ月を経過した頃
から中間保護層の脱落が進行し、12ヶ月後には、大部
分の最外表面層(光触媒)が風化して消失した。このた
め、12ヶ月後にはシートの環境汚れが急激に目立つも
のとなった。また、比較例7,8,10のように着色顔
料中の無機系顔料の含有率が70重量%に満たない積層
シートでは、シート樹脂層の色褪せと変色が顕著に認め
られた(試験IV)。また、屋外曝露シートの引裂強度保
持率は、曝露12ヶ月後に大部分の最外表面層(光触
媒)が風化して消失したため、大きな低下は認められな
かった。また、比較例5〜8では、樹脂層の形成時に熱
プレス工程を省略したため、樹脂層内に微細気泡が残留
し、これが手揉みによって破壊されて連続気泡痕とな
り、積層シートの耐漏水性が不十分となった。また、比
較例7〜10ではハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆
を省略したため、特に無機系化合物は降雨(特に酸性
雨)によって腐蝕を受け、また特に有機系化合物は光触
媒によって分解・劣化を受け、その結果、付与した防炎
性が損なわれるものとなるなど、実用性に劣るものであ
った。
【0169】
【発明の効果】上記、実施例及び、比較例により明らか
にされているように、本発明の環境汚れ防止性の高い積
層シートは、ポリ塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含まない
非塩化ビニル系樹脂によって構成されているが、性能、
耐久性ともに優れている従来のポリ塩化ビニル樹脂製シ
ートに匹敵する性能を有し、特に、光触媒を含む最外表
面層を有する本発明の積層シートにおいては、塩化ビニ
ル樹脂被覆シートよりも格段にカラフルな色相美観を長
期間にわたって維持可能であり、かつ優れた耐久性を有
するものである。従って本発明の環境汚れ防止性の高い
積層シートは、大型テント、軒出テント、テントハウ
ス、バックリット看板など、従来ポリ塩化ビニル樹脂製
シートが使われていた分野に使用可能であり、しかもハ
ロゲン非含有において高い防炎性を可能とするため、火
災時に有毒ガスを発生させる心配がないなど、極めて有
用性の高いシートである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの積
層構造の一例を示す断面説明図。
【図2】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの積
層構造の他の例を示す断面説明図。
【図3】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの積
層構造の更に他の例を示す断面説明図。
【符号の説明】
1…基布層 2s,2b…樹脂層 3…中間保護層 4…光触媒含有最外表面層 5a,5b…下地層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月17日(2001.7.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DH23 FA26 GA24 HD11 4F100 AA04B AA04C AA17B AA17C AA17D AA20E AA21D AA23D AA25D AA28D AA33B AA33C AA33D AH03B AH03C AH06E AH08B AH08C AK01B AK01C AK01E AK17E AK22B AK22C AK22E AK22J AK25B AK25C AK25E AK25J AK33D AK36D AK36E AK43D AK44D AK51B AK51C AK51E AK52E AK53D AK53E AK68B AK68C AK68E AK70B AK70C AK70E AK71B AK71C AK71E AK80D AL01B AL01C AL01E BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10D CA02B CA02C CA02E CA13D CA13E DE01B DE01C DG11A EH46 EJ19 GB07 GB32 JB13E JB16B JB16C JB16E JC00 JL00 JL06 JL08D YY00B YY00C YY00D YY00E 4G069 AA03 BA03A BA03B BA04A BA04B BA22A BA22B BA38 BA48A BB04A BB06A BC12A BC22A BC25A BC35A BC50A BC60A BC66A BE08A BE08B BE09A BE09B CA01 CA11 EA09 ED03 EE01 EE06 FC08

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布帛を含む基布層と、その少なくと
    も一面上に形成された樹脂層とを含み、前記樹脂層が、
    ポリウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、及び酢
    酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種か
    らなる熱可塑性樹脂を含み、前記樹脂層の少なくとも一
    面上に、光触媒を含有する最外表面層が形成され,前記
    樹脂層と前記最外表面層との間に、前記樹脂層を、前記
    光触媒の作用から保護するための中間保護層が形成され
    ていることを特徴とする環境汚れ防止性の高い積層シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレ
    タン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル
    系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種の共重合体
    樹脂とからなる樹脂ブレンドからなり、前記ポリウレタ
    ン樹脂の含有量が、前記樹脂層用樹脂ブレンド重量に対
    し、30〜90重量%である、請求項1に記載の積層シ
    ート。
  3. 【請求項3】 前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレ
    タン系樹脂のみからなる、請求項1に記載の積層シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記基布層と前記樹脂層との間に形成さ
    れた下地層をさらに含み、この下地層がポリウレタン系
    樹脂、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合
    体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹
    脂を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シ
    ート。
  5. 【請求項5】 前記下地層において、前記ポリウレタン
    系樹脂の含有量が、前記下地層用熱可塑性樹脂重量の1
    0〜50重量%である、請求項4に記載の積層シート。
  6. 【請求項6】 前記下地層用熱可塑性樹脂が、アクリル
    系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ば
    れた少なくとも1種からなる、請求項4に記載の積層シ
    ート。
  7. 【請求項7】 前記下地層及び前記樹脂層の各々を形成
    する熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂からなる、請
    求項4に記載の積層シート。
  8. 【請求項8】 前記樹脂層が、表面被覆されたハロゲン
    非含有化合物粒子を、前記樹脂層重量に対して10〜1
    00重量%の含有量で含む、請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の積層シート。
  9. 【請求項9】 前記下地層及び前記樹脂層のそれぞれ
    が、表面被覆されたハロゲン非含有化合物粒子を、前記
    下地層及び前記樹脂層のそれぞれの重量の10〜100
    重量%の含有量で含む、請求項4〜7のいずれか1項に
    記載の積層シート。
  10. 【請求項10】 前記ハロゲン非含有化合物粒子が、リ
    ン含有化合物、窒素含有化合物、及び無機系化合物から
    選ばれた1種以上からなる、請求項8又は9に記載の積
    層シート。
  11. 【請求項11】 前記リン含有化合物が、赤リン、(金
    属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、及びポリリン酸
    アンモニウムから選ばれる、請求項10に記載の積層シ
    ート。
  12. 【請求項12】 前記窒素含有化合物が、(イソ)シア
    ヌレート系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、及び
    グアニジン系化合物、尿素系化合物、及びこれらの誘導
    体化合物から選ばれる、請求項10に記載の積層シー
    ト。
  13. 【請求項13】 前記無機系化合物が、金属酸化物、金
    属水酸化物、金属複合酸化物、及び金属複合水酸化物か
    ら選ばれる、請求項10に記載の積層シート。
  14. 【請求項14】 前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面
    被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フ
    ェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹
    脂、ジアリルフタレート樹脂から選ばれた1種以上から
    なる熱硬化性樹脂を含み、その重量が、ハロゲン非含有
    化合物の重量に対し2〜15重量%である、請求項8〜
    13のいずれか1項に記載の積層シート。
  15. 【請求項15】 前記樹脂層が、70〜99重量%の無
    機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料
    により着色されている、請求項1〜14のいずれか1項
    に記載の積層シート。
  16. 【請求項16】 前記下地層と前記樹脂層とのそれぞれ
    が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の
    有機系顔料とからなる顔料により着色されている、請求
    項4〜7のいずれか1項に記載の積層シート。
  17. 【請求項17】 前記樹脂層が、有機系顔料を含まない
    着色剤により着色されている、請求項1〜14のいずれ
    か1項に記載の積層シート。
  18. 【請求項18】 前記下地層と前記樹脂層とのそれぞれ
    が有機系顔料を含まない着色剤により着色されている、
    請求項4〜7のいずれか1項に記載の積層シート。
  19. 【請求項19】 前記樹脂層が、イソシアネート化合
    物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサ
    ゾリン化合物、シランカップリング化合物、有機チタネ
    ート化合物から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤
    を、樹脂層の重量に対して0.3〜8重量%の含有量で
    含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の積層シー
    ト。
  20. 【請求項20】 前記下地層及び前記樹脂層の、それぞ
    れがイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、ア
    ジリジン化合物、オキサゾリン化合物、シランカップリ
    ング化合物、有機チタネート化合物から選ばれた少なく
    とも1種からなる架橋剤を、その重量の0.3〜8重量
    %の含有量で含む、請求項4〜7のいずれか1項に記載
    の積層シート。
  21. 【請求項21】 前記中間保護層がケイ素化合物5〜3
    5重量%を含有する熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬
    化性樹脂からなる、請求項1〜20のいずれか1項に記
    載の積層シート。
  22. 【請求項22】 前記中間保護層用ケイ素化合物が、ポ
    リシロキサン、コロイダルシリカ、及びシリカから選ば
    れる、請求項21に記載の積層シート。
  23. 【請求項23】 前記中間保護層に含まれる熱可塑性樹
    脂及び熱(光)硬化性樹脂が、シリコーン系樹脂、フッ
    ソ系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フォスフ
    ァーゼン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含む請求
    項21に記載の積層シート。
  24. 【請求項24】 前記中間保護層が、70〜99重量%
    の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる
    顔料により着色されている、請求項1〜23のいずれか
    1項に記載の積層シート。
  25. 【請求項25】 前記中間保護層が、有機系顔料を含ま
    ない着色剤により着色されている、請求項1〜23のい
    ずれか1項に記載の積層シート。
  26. 【請求項26】 前記光触媒を含有する最外表面層が、
    その重量に対し、光触媒10〜70重量%と、金属酸化
    物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル25〜90重量%
    と、ケイ素化合物1〜20重量%とからなる混合物を含
    有する、請求項1〜25のいずれか1項に記載の積層シ
    ート。
  27. 【請求項27】 前記光触媒を含有する最外表面層が、
    70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機
    系顔料とからなる顔料により着色されている、請求項1
    〜26のいずれか1項に記載の積層シート。
  28. 【請求項28】 前記光触媒を含有する最外表面層が、
    有機系顔料を含まない着色剤により着色されている、請
    求項1〜26のいずれか1項に記載の積層シート。
  29. 【請求項29】 前記光触媒が、酸化チタン(Ti
    2)、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜
    鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、チタン酸ストロン
    チウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、
    酸化ビスマス(Bi23)及び酸化鉄(Fe23)から
    選ばれた少なくとも1種からなる光触媒成分及び前記光
    触媒成分を担持する多孔質微粒子により形成されてい
    る、請求項1〜28のいずれか1項に記載の積層シー
    ト。
  30. 【請求項30】 前記樹脂層が、前記熱可塑性樹脂を含
    む樹脂エマルジョン、又は樹脂ディスパージョンを基布
    上、又はその上に形成された下地層上に塗布し、乾燥
    し、それによって形成された被膜を、前記樹脂層の軟化
    温度よりも20℃以上高い温度において、かつ、0.1
    Mpa以上の押圧力下において、熱ロールによって連続
    熱圧延して得られたものである、請求項1〜29のいず
    れか1項に記載の積層シート。
  31. 【請求項31】 前記下地層及び前記樹脂層のそれぞれ
    が、前記下地層用又は樹脂層用熱可塑性樹脂の樹脂エマ
    ルジョン又は樹脂ディスパージョンを、基布上又はその
    上に形成された下地層上に塗布し、乾燥し、それによっ
    て形成された下地層用又は樹脂層用被膜を、下地層又は
    樹脂層の軟化温度よりも20℃以上高い温度において、
    かつ、0.1Mpa以上の押圧力下において、熱ロール
    により連続熱圧延して形成されたものである、請求項4
    〜7、9、16、18、及び20のいずれか1項に記載
    の積層シート。
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