JP2001038858A - 積層体および機能性積層体 - Google Patents

積層体および機能性積層体

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JP2001038858A
JP2001038858A JP2000055439A JP2000055439A JP2001038858A JP 2001038858 A JP2001038858 A JP 2001038858A JP 2000055439 A JP2000055439 A JP 2000055439A JP 2000055439 A JP2000055439 A JP 2000055439A JP 2001038858 A JP2001038858 A JP 2001038858A
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Tomoko Toida
知子 樋田
Tadao Yokoi
忠夫 横井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、耐候性、耐ストレス性、耐クラック
性および可撓性に優れる積層体、さらに、防曇性、消臭
性、汚れ防止性および殺菌性能を有する機能性積層体を
提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の積層体は、基材の少なくとも片面
に、少なくとも紫外線吸収性化合物が付加された(メ
タ)アクリル系モノマーAと、光安定性化合物が付加さ
れた(メタ)アクリル系モノマーBと、反応性官能基を
有する重合性不飽和化合物Cの3種のモノマーA、B、
Cが共重合してなる(メタ)アクリル系共重合体を、該
反応基と反応する架橋性化合物Dによって架橋してなる
樹脂を含有してなるプライマー層を有することを特徴と
するものであり、また、本発明の機能性積層体は、かか
る積層体の上に、有機系保護材料と光触媒性能を有する
化合物とからなる光触媒層を設けてなることを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性、耐ストレ
ス性、耐クラック性および可撓性に優れる積層体および
それからなる防曇性、消臭性、汚れ防止性および殺菌性
能を有する機能性積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機高分子を基材とする場合に、基材を
屋外に長期に渡って放置(耐候暴露)しておくと、太陽
光、雨などの水分等による劣化が起こる。このような劣
化現象からの基材の劣化を防ぐために、従来から、基材
に耐候寿命を長くするための、耐候性を付与することが
試みられてきた。例えば、ポリエステルフィルム等のプ
ラスチックフィルムを基材とした場合、紫外線吸収剤を
添加した高分子樹脂を主成分とする塗剤をコーティング
する、あるいは高分子フィルムに紫外線吸収剤を練り込
む等の方法が知られている。ところが、この種の耐候性
フィルムは、耐候寿命が短く、耐候暴露の初期段階に白
化や亀裂が発生し透明性が損なわれる欠点があり、長期
間の耐候暴露によって未だこれらの問題を解決できない
のが実状である。
【0003】また、酸化チタンなどの光触媒性能を有す
る金属酸化物は、紫外線などの放射線の照射によって有
機物を分解させることが知られている。この作用は、該
金属酸化物を添加粒子として入れたプラスチックスや繊
維などの基材を劣化させるため、好ましくない特性とさ
れていたが、近年、表面に付着した有機化合物や細菌を
分解するなどの表面清浄作用あるいは抗菌ならびに除菌
作用などの有用な特性を活用することが考えられてい
る。
【0004】また、国際WO96/29375号公報に
は、光触媒性能を有する光触媒層に紫外線などの放射線
を照射すると光触媒層表面が超親水化し、表面の無機物
からなる汚れを清浄できることが開示されている。
【0005】一方、前記のような光触媒層を有機高分子
化合物からなる基材に積層した場合、光触媒層が下層の
基材を劣化させてしまうという重大な問題がある。この
問題の解決のため、特開平11−91030号公報で
は、光触媒層と有機高分子基材の間にシリコーン系材料
からなる保護層を設けることが提案されているが、該保
護層は無機系材料から構成されているため、積層体の可
撓性が不足し、折り曲げによるクラックが発生しやすい
という問題があった。
【0006】また、有機高分子基材上に直接保護層なら
びに光触媒層を設けた積層体を耐候暴露した場合、太陽
光により有機高分子基材が劣化するという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、耐候性、耐ストレス性、耐クラック
性および可撓性に優れる積層体、さらには、防曇性、消
臭性、汚れ防止性および殺菌性能を有する機能性積層体
を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の積層体は、基材の少なくとも片
面に、少なくとも紫外線吸収性化合物が付加された(メ
タ)アクリル系モノマーAと、光安定性化合物が付加さ
れた(メタ)アクリル系モノマーBと、反応性官能基を
有する重合性不飽和化合物Cの3種のモノマーA、B、
Cが共重合してなる(メタ)アクリル系共重合体を、該
反応基と反応する架橋性化合物Dによって架橋してなる
樹脂を含有してなるプライマー層を有することを特徴と
するものであり、また、本発明の機能性積層体は、かか
る積層体の上に、有機系保護材料と光触媒性能を有する
化合物とからなる光触媒層を設けてなることを特徴とす
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題つまり耐候
性、耐ストレス性、耐クラック性および可撓性に優れる
積層体について、鋭意検討し、基材に、特定なプライマ
ー層を設けてみたところ、かかる課題を一挙に解決する
ことを究明したものである。また、かかる積層体に光触
媒層を設けてみたところ、防曇性、消臭性、汚れ防止性
および殺菌性能に優れた機能性積層体を提供することが
できることを究明したものである。
【0010】本発明の積層体は、基材が透明である場合
は、基材自体に耐候性を付与することができるほか、該
積層体を別の基材に貼るなどして使用することが可能で
ある。例えば基材としてフィルムを使用した場合、窓ガ
ラスに貼るなどして用いることができる。
【0011】本発明の積層体は、従来のものと異なり、
プライマー層が、官能基を有する重合性不飽和化合物C
を主骨格に、紫外線吸収性化合物を付加した(メタ)ア
クリル系モノマーAと、光安定化合物を付加した(メ
タ)アクリル系モノマーBとを共重合させたもの、すな
わち、アクリル系ポリマー中に紫外線吸収剤と光安定剤
を組み込んだ形のハイブリッド型アクリル系ポリマーを
採用するところに特徴を有するものである。すなわち、
該プライマー層の層中で、紫外線吸収剤と光安定性化合
物とが均一に存在するため、個々のモノマーの機能が効
果的に発現する構造となっている。従って、従来のもの
と比べて、屋外暴露による基材の劣化が起こりにくいと
いう効果を奏するものである。
【0012】本発明の積層体は、図1のような断面を有
するものである。図1において、フィルム等の基材1の
表面には、好ましくは膜厚0.5〜15μmのプライマ
ー層2が形成されている。かかる層が形成されることに
より、該基材1は、耐候暴露により劣化することがな
く、耐ストレス性、耐クラック性および可撓性に優れた
積層体を提供することができる。
【0013】かかる基材としては、金属、セラミック
ス、ガラス、鏡、レンズ、プラスチックスをはじめとす
る有機高分子化合物、木、石、セメント、コンクリート
および繊維等を素材とするフィルム、織編物、不織布な
どの布帛類などを使用することができる。また、これら
の積層体や2つ以上の組み合わせで形成された基材も使
用することができる。
【0014】本発明の積層体は、高い透明性を有するの
で、ガラス、鏡、レンズおよびプラスチックスなどの特
に透明性が必要とされる用途において好ましく用いられ
る。
【0015】かかるプラスチック基材としては、具体的
には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
クロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオラ
イド、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体など
フッ素系化合物、ポリメタクリレート、ポリアクリレー
ト、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチ
レンテレフタレートをはじめとするポリエステル、ポリ
カーボネート、ポリイミド、ポリアミド、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、エ
ポキシ樹脂、ポリアセタール、ABS樹脂等幅広く利用
することができるが、中でも光学特性、機械特性の点か
ら、ポリエステルフィルムが基材として特に好ましく用
いられる。 かかるポリエステルフィルムを構成するポ
リエステルとしては、エチレンテレフタレート、エチレ
ン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、
エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタ
ン−4,4′−ジカルボキシレート等から選ばれた少な
くとも1種が使用される。これらの中でも品質、経済性
等を総合的に判断すると、エチレンテレフタレートを主
要構成成分とするポリエチレンテレフタレートが特に好
ましい。また、これらポリエステルには、さらに他のジ
カルボン酸成分やジオール成分が20モル%以下の割合
で共重合されたものを使用することができる。
【0016】本発明は、かかる基材の表面にプライマー
層を形成するものであるが、その場合、表面処理や下塗
り処理を施すことによって、塗布性や表面密着性を改良
することができる。
【0017】以下、基材として、高分子フィルムを用い
た場合を代表させて説明する。
【0018】まず、高分子フィルムの表面処理として
は、公知の方法、たとえば、コロナ放電処理(空気中、
窒素中、炭酸ガス中、希ガス中等)やプラズマ(グロー
放電)処理(高圧、低圧)、フレーム処理、高周波スパ
ッタエッチング処理等、基材表面に高エネルギー粒子を
衝突させる処理方法が採用される。一方、薬液処理とし
ては、金属ナトリウムのアンモニア溶液やナトリウム・
ナフタリン錯体のテトラヒドロフラン溶液に、該フィル
ム基材を浸漬する等のアルカリ溶液処理が使用される。
【0019】また、下塗り処理としては、酸素および/
または窒素を含む原子団を有する有機化合物からなる易
接着剤を塗布することができる。該有機化合物として
は、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、カルボニル基、エーテル基、エポキシ基、イソシ
アネート基、アミド基、ウレタン基、エステル基、尿素
基、シアノ基等を有する有機化合物を使用することがで
きる。かかる有機化合物としては、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ
エステルアクリレート、ポリイミド、ポリウレタン、ポ
リウレタンアクリレート、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリメチルペンテン、ポリオレフィン、ハロゲン
化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリアミドイミド、
ポリビニルアルコール、ケイ酸樹脂等を使用することが
できるが、中でも親水基含有ポリエステル樹脂にアクリ
ル系化合物をグラフト化させた共重合体と架橋性化合物
とからなる組成物を下塗りしたものが、密着性が向上
し、耐湿熱性、耐沸水性などの耐久性に優れており好ま
しく使用される。
【0020】尚、これらの下塗り層の厚みは、好ましく
は0.01〜2g/m2、さらに好ましくは0.1〜1g
/m2であるのがよい。厚みが、0.01g/m2より薄い
と、均一に塗布することがむずかしく、2g/m2を超え
ると、この上に塗工する被覆層の透明性や可撓性等を得
ることがむずかしくなる。
【0021】また、かかる表面処理をする場合、処理強
度は特に限定されないが、目安としては、JIS−K6
768に基づいて測定したフィルムの濡れ指数が、好ま
しくは40mN/m以上、さらに好ましくは45mN/m
以上となるように処理するのがよい。
【0022】かかる高分子フィルム基材の厚みは、特に
限定されるものではないが、機械的強度、熱伝導性、作
業性等の点から、好ましくは10〜500μm、さらに
好ましくは20〜300μmであるのがよい。また、得
られたフィルムを公知の方法で貼り合わせ、さらに厚い
フィルムとすることもできる。
【0023】本発明のプライマー層を構成する(メタ)
アクリル系共重合体とは、アクリル酸系共重合体、メタ
アクリル酸系共重合体等を示し、少なくとも紫外線吸収
性化合物を付加した(メタ)アクリル系モノマーAと、
光安定性化合物を付加した(メタ)アクリルモノマーB
と反応性官能基を有する不飽和化合物Cとの共重合体で
あって、本発明で使用される紫外線吸収性化合物を付加
した(メタ)アクリル系モノマーAは、共重合性、紫外
線吸収能に優れ、耐熱性が良く、着色の少ないものを選
択して使用するのが望ましい。
【0024】かかる紫外線吸収性化合物とは、少なくと
も波長400nm以下の光エネルギーを吸収し、非常に
速いエネルギー変換により無害な熱エネルギー、燐光、
蛍光を放射し、ポリマー中の不純物の光励起、光化学反
応を抑制し、劣化を防止する働きを有する化合物であ
り、具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウ
ム、カーボンブラック等の無機系のものと、ベンゾフェ
ノン系、ベンゾトリアゾール系、修酸アニリド系、シア
ノアクリレート系、トリアジン系、ベンゾエート系等の
有機系の紫外線吸収性化合物が好ましく使用される。
【0025】かかる紫外線吸収性化合物を付加した(メ
タ)アクリル系モノマーAとしては、分子内に共重合が
可能な(メタ)アクリル基を有するベンゾトリアゾール
系化合物およびベンゾフェノン系化合物が好ましく使用
される。ベンゾトリアゾール系化合物としては、例え
ば、2−(2′−ヒドロキシ−3′−第三ブチル−5′
−メチルフェニル)−5−(2″−メタクリロイルオキ
シエチル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)−5−(2″−メタクリロ
イルオキシエチル) ベンゾトリアゾール、2−(2′
ーヒドロキシ−5′−メタクリルオキシエチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−メタクリルオキシエチルフェニル)−5−
クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒド
ロキシ−5′−アクリロイルオキシエチルフェニル)−
2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′−第三ブチル−5′−アクリロイルオキシエチルフ
ェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール等が
挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例え
ば、2−ヒドロキシ−4−メタクリルオキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メ
タクリルオキシ)プロポキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−(2−メタクリルオキシ)エトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−ビニルオキシカルボニ
ルメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中
でもベンゾトリアゾール系の紫外線吸収性化合物がより
好ましく使用される。
【0026】また、光安定性化合物を付加した(メタ)
アクリル系モノマーBとしては、立体障害されたピペリ
ジン環を持つヒンダードアミン系の反応性光安定性化合
物を付加した(メタ)アクリレートで、例えば、1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタク
リレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジルメタクリレート等を使用することができる。
【0027】また、反応性官能基を有する重合性不飽和
化合物Cとしては、次の化学式1に示されるものを使用
することができる。
【0028】
【化1】
【0029】(式中、R:水素又はメチル基、R′:炭
素数1〜18のアルキル基)で示されるアルキルアクリ
レート、アルキルメタクリレート、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ジエチル
アミノエチルビニルエーテル、2−アミノエチルビニル
エーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−ア
ミノブチルビニルエーテル、β−ヒドロキシアクリレー
ト、β−ヒドロキシメタクリレート、β−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、β−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、ポリオキシエチレングリコールモノメタクリレ
ート、ポリエチレンポリテトラメチレンエーテルグリコ
ールモノメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタク
リレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリル
アミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、アシ
ッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−
2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、5
−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシ
ヘキシルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルアク
リレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、メ
トキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、3
−アクリルアミドー2−メチルプロパンスルホン酸、N
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド、ポリオキシエチレングリコールジメタクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、ジブロムネオペンチルグリコ
ールメタクリレート、テトラメチロールメタントリアク
リレート等を使用することができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0030】さらに上記以外に、次のようなモノマー、
例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチ
レン、ブチルビニルエーテル、マレイン酸およびイタコ
ン酸のモノあるいはジアルキルエステル、メチルビニル
ケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビ
ニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル基を有するア
ルコキシシラン、および不飽和結合を有するポリエステ
ル等を共重合成分として使用することもできる。
【0031】中でも、その重合性や塗膜特性等の点で、
アルキルメタクリレート、アルキルアクリレートが好ま
しく、例えば、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート等を使用することができる。さらには、フィルム基
材との密着性の点で、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、メチロール基、エポキシ基、アルコキシメチル基、
アミノ基、アミド基等を含有するアクリルモノマーを好
ましく使用することができる。
【0032】かかる(メタ)アクリル系共重合体中に占
める紫外線吸収性化合物を付加した(メタ)アクリル系
モノマーAの共重合比は、好ましくは10〜70重量
%、より好ましくは20〜40重量%であり、また、光
安定性化合物付加(メタ)アクリル系モノマーBの共重
合比は、好ましくは1〜30重量%で、さらに耐候性、
密着性、耐久性、塗工性等のバランスから、5〜20重
量%がより好ましい。
【0033】かかる(メタ)アクリル系共重合体の数平
均分子量は、特に限定されないが、好ましくは0.4〜
4万で、塗工性、被覆層の柔軟性、耐久性等の点から、
0.6〜2万がより好ましい。
【0034】また、該(メタ)アクリル系共重合体のガ
ラス転移温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜
80℃、より好ましくは20〜70℃、特に好ましくは
30〜60℃であるものが、プライマー層の可撓性、密
着性等の点から好ましい。
【0035】さらに、かかる(メタ)アクリル系共重合
体の反応基としては、水酸基が好ましく、その水酸基価
は、ワニスベースで、好ましくは10〜70、より好ま
しくは20〜50であるものが、塗膜の耐溶剤性、積層
体の密着性、加工性等の点でよい。
【0036】また、酸価は、ワニスベースで、好ましく
は1〜6、より好ましくは1〜3であるものが、上層塗
材との濡れ性、密着性等の点で好ましい。
【0037】かかる(メタ)アクリル系共重合体の重合
方法は、例えばラジカル重合などの方法によって得るこ
とができるが、特に限定されるものではない。
【0038】また、本発明でいう架橋性化合物Dとは、
(メタ)アクリル系共重合体に存在する官能基、例えば
ヒドロキシル基、カルボキシル基、グリシジル基、アミ
ノ基、アミド基、メチロール基等と熱架橋反応し、最終
的には三次元網状構造を有するプライマー層とするため
の架橋性化合物であって、該プライマー層のフィルム基
材との密着性、強靱性、耐溶剤性、耐水性等を向上させ
るために加えるものである。
【0039】かかる架橋性化合物Dとしては、例えば、
イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、尿素系化
合物、エポキシ系化合物、アミノ系化合物、アミド系化
合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、シラン
カップリング剤等を使用することができる。
【0040】本発明では、これらの中でもフィルム基材
との密着性、プライマー層の架橋性、強靱性等の点か
ら、イソシアネート系化合物が好ましく用いられる。か
かるイソシアネート系化合物としては、1分子中にイソ
シアネート基を2個以上持つもので、芳香族系と脂肪族
系の化合物に大別される。芳香族系の化合物としては、
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
ト、ナフタリンジイソシアネート、トリジンジイソシア
ネート、パラフェニレンジイソシアネート等が使用さ
れ、また脂肪族系の化合物としては、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチ
ルキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート等が使用される。本発明では耐候性の点から無黄変
型の脂肪族系化合物がより好ましく使用される。
【0041】なお、メラミン系化合物としては、メラミ
ンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメ
ラミン誘導体に低級アルコールとしてメチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を反
応させてエーテル化した化合物およびそれらの混合物が
好ましく使用される。メチロールメラミン誘導体として
は、例えばモノメチロールメラミン、ジメチロールメラ
ミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラ
ミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメ
ラミン等を使用することができる。
【0042】また、尿素系化合物としては、例えばジメ
チロール尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロー
ルプロピレン尿素、テトラメチロールアセチレン尿素、
4−メトキシ−5−ジメチルプロピレン尿素ジメチロー
ル等を使用することができる。
【0043】さらに、エポキシ系化合物としては、具体
的にはポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエ
ポキシ化合物を使用することができ、ポリエポキシ化合
物としては、例えばソルビトール、ポリグリシジルエー
テル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジル
エーテル、ジエポキシ化合物としては、例えばネオペン
チルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシ
ジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチ
レングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化
合物としては、例えばアリルグリシジルエーテル、2−
エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジ
ルエーテル等を使用することができる。
【0044】また、アミノ化合物としては、例えば、ジ
エチルアミノエチルビニルエーテル、3−アミノプロピ
ルビニルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル、
ジメチルアミノエチルビニルエーテル、これらのアミノ
基をアルキロール化したもの等を使用することができ
る。
【0045】また、アミド化合物としては、例えば、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、n−メチルメタクリ
ルアミド、メチロール化アクリルアミド、メチロール化
メタクリルアミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウレ
イドイソブチルビニルエーテル、ウレイドエチルアクリ
レート等を使用することができる。
【0046】これらの架橋性化合物Dは、単独、場合に
よっては2種以上併用してもよい。添加する架橋性化合
物Dの量は、その種類によって適宜選択して使用するこ
とができるが、プライマー層の固形分100部に対し、
0.01〜50重量部が好ましく、0.2〜30重量部
がより好ましい。
【0047】かかる架橋性化合物Dには、触媒を併用す
ることが、より反応速度が促進されるので好ましく採用
される。例えば、イソシアネート系化合物の触媒として
は、有機金属系とアミン系触媒が好ましく、有機金属系
触媒の主なものにはジブチルチンジラウレートとスタナ
スオクトエート等が、アミン系触媒にはトリエチレンジ
アミン等3級アミン系とアミン塩が好ましく使用され
る。
【0048】架橋性化合物Dを加えた(メタ)アクリル
系共重合体は、フィルム基材に塗布した後、加熱、紫外
線、電子線等によって架橋されるが、通常は加熱による
方法が好ましく採用される。
【0049】かかるプライマー層中には、本発明の効果
を阻害しない範囲内で、他の各種添加剤、例えば、滑
剤、帯電防止剤、耐ブロッキング剤、界面活性剤、柔軟
剤、可塑剤、染料、顔料などが添加されていてもよい。
かかる基材が、高分子フィルムの場合は、無機や有機化
合物からなる架橋微粒子を滑剤として添加すると、高分
子フィルムの滑り性が向上し、加工時の製品の巻姿や平
面性が良くなるので好ましい。
【0050】かかるプライマー層を構成する組成物を、
たとえば溶剤に溶かして構成されたコーティング組成物
をフィルム基材上に通常のコーティング方法によってコ
ーティングした後、該基材とプライマー層との積層体を
製造することができる。
【0051】かかる溶媒としては、特に限定されない
が、沸点が70〜150℃の溶媒が塗工時の作業性、硬
化前後の乾燥性等の点から用いやすい。具体的な例とし
ては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤
を使用することができる。なかでも酢酸エチル、メチル
エチルケトン、トルエンは良溶媒であり、塗工性、塗膜
の透明性、密着性等の面で好ましく使用される。尚、こ
れらの溶剤は単独、場合によっては併用してもよい。
【0052】かくして得られる積層体のプライマー層の
塗膜厚さは、好ましくは0.1〜30μm、特に好まし
くは0.5〜10μmがよく、これより薄いと、積層体
の耐スクラッチ性、耐候性が不足し、これより厚いと、
作業性が悪くなったり、ブロッキングを起こしやすくな
る傾向を示す。
【0053】本発明の積層体においては、長期に渡る耐
候暴露の際の雨、日照り等の急激な天候変化に伴うプラ
イマー層の膨張、収縮の程度ができるだけ小さいことが
好ましい。かかる膨張収縮を繰り返すと、該プライマー
層の内部に歪みが生じ、白化、亀裂が発生するが、かか
る欠点を防御するために、該プライマー層を構成する
(メタ)アクリル系共重合体は、疎水性ポリマーである
ことが好ましい。
【0054】具体的には、JIS K−6768に基づ
いて測定される濡れ指数、つまりプライマー層形成時の
表面の濡れ指数が、38mN/m以下であるという疎水
性ポリマーであることが好ましい。
【0055】また、該プライマー層の架橋が不十分であ
る場合も、上層塗布時にプライマー層が浸食されること
に起因して白化が起こる。官能基としてヒドロキシル基
を有する(メタ)アクリル系共重合体と、架橋性化合物
としてイソシアネート系化合物を用いた場合のプライマ
ー層の架橋の程度(架橋指数)は、フーリエ変換赤外分
光光度計(FT−IR)(日本バイオラットラボラトリ
ー製)を使用し、ATR法で2270cm-1(イソシア
ネート系化合物の−N=C=Oの伸縮振動に由来)およ
び2960cm-1(メチル基のC−H間の伸縮振動)に
おける積層体の吸光度から次式によって算出できる。
【0056】架橋指数=(K1 )/(K2 ) 式中:K1 は2270cm-1における吸光度、K2 は2
960cm-1における吸光度を表す。
【0057】かかる架橋指数が低いほど、未反応のイソ
シアネートは少なく、プライマー層の架橋は進んでいる
ことを意味する。具体的には、架橋指数0.15以下で
あることが好ましい。
【0058】プライマー層は、フィルム基材本来の透明
性を損なわないことが好ましく、該基材を高分子フィル
ムとした場合においては、積層体のJIS K−710
5に基づいて測定される全光線透過率が85%以上であ
ることが好ましい。
【0059】かかる積層体の基材が、高分子フィルムな
どの透明で、可撓性があり、シワが入りやすい材質であ
る場合に、他の担体上に貼り付ける、あるいは剥がす際
に、積層体が折り曲げられるため、シワが発生する可能
性がある。特に、プライマー層の背面側へ折り曲げる
と、プライマー層にクラックが入り、積層体を貼り直し
た場合にシワ部分が白く見え、積層体の外観、特に透明
性が損なわれる。このため、プライマー層はなるべくク
ラックが入りにくいよう形成されることが好ましく、具
体的には(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度
を、好ましくは20〜40℃、さらに好ましくは30〜
35℃の範囲に調節するのが好ましい。かかるガラス転
移温度が低すぎると、可撓性があるもののブロッキング
が起こりやすく、高すぎると、可撓性が不足し、クラッ
クが入りやすくなる。別の方法としては、軟質性の架橋
化合物を使用することによっても、クラック調節するこ
とができる。
【0060】本発明の積層体は、プライマー層を塗設し
た後も、該基材固有の透明性を保持することが好まし
い。具体的には、該基材を高分子フィルムとした場合の
積層体としては、JIS K−7105に基づいて測定
される全光線透過率が85%以上であるものが好まし
い。
【0061】また、該基材が有機高分子などの劣化しや
すい透明材料からなる場合、本発明の積層体としては、
耐候促進試験数サイクル後(2サイクル=耐候寿命2年
相当)においても、透明性、色味を維持することが好ま
しい。具体的には、岩崎電気(株)製の紫外線劣化促進
試験機(アイスーパUVテスター SUV−W131)
を用いた、湿熱サイクル[ライト8時間(メタルハライ
ドランプ、波長295−400nm、UV照度:100
mW/cm2 、 温湿度:60℃×50%RH)⇒デユー
4時間(温湿度:35℃×100%RH結露)の12時
間で照射サイクル1サイクル]において、高分子フィル
ムを基材とした積層体を10サイクル試験した場合で、
JIS K−7105に基づくへーズとして2%以下、
黄色度として1.5%以下であるものが好ましい。
【0062】本発明の機能性積層体は、上述のプライマ
ー層を有する積層体に、さらに光触媒性能を有する化合
物からなる光触媒層を積層して構成されるものである。
かかる光触媒層を積層することによって、防曇性、消臭
性、汚れ防止性および殺菌性能などの機能を付与するこ
とができる。
【0063】かかる光触媒層は、かかる積層体に、有機
系保護材料と光触媒性能を有する化合物とからなる光触
媒層を設けるか、または、該積層体の上に、有機系保護
材料からなる保護層を設け、該保護層上に、さらに光触
媒性能を有する化合物を主成分とする光触媒層を設けた
積層構造体である。
【0064】本発明の機能性積層体は、図2のような断
面を有するものである。図2において、基材1の表面に
は、好ましくは膜厚0.1〜30μmのプライマー層2
が形成されており、さらにその上に膜厚0.1〜30μ
mの有機系保護材料からなる保護層3が形成されてお
り、さらにその上に、好ましくは膜厚0.5〜800n
mの光触媒性能を有する化合物を主成分とする光触媒層
4が積層されているものである。
【0065】かかる保護層は、有機系保護材料から構成
されてなるが、かかる有機系保護材料としては、光触媒
による基材の劣化が起こりにくく、可撓性、耐スクラッ
チ性に優れているという観点から、ケイ素化合物とエポ
キシ化合物を主成分とする構成材料が望ましく使用され
る。
【0066】かかるケイ素化合物としては、下記式で与
えられるシリコン前駆体、およびそれらの加水分解物
や、さらに重縮合したシリコン樹脂などを使用すること
ができる。
【0067】SiX4 (X=C1〜C8のアルコキシ基、ハロゲンで同一又は異
なっていてもよい) さらに下記式で示されるシリコーン前駆体シリコーン樹
脂や、それらの加水分解物や、さらに重縮合したシリコ
ーン樹脂、シリカ粒子、シリカゾル、アクリル変性シリ
コンなどの各種変性シリコン樹脂などを使用することが
できる。
【0068】RnSiX(4-n) (n=1〜3の整数、R=場合によってはアミノ基、ビ
ニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基、アルコ
キシ等有機基と反応する官能基を1種類以上含んでい
る、C1〜C8のアルキル基、アリール基で同一または異
なっていてもよい、X=C1〜C8のアルコキシ基、ハロ
ゲンで同一又は異なっていてもよい) かかるケイ素化合物の中でも、プライマー層との密着
性、可撓性の観点から、下記化学式 2で表されるシリ
コーン前駆体やそれらの加水分解物、さらに重縮合した
化合物が好ましく用いられる。
【0069】
【化2】
【0070】(ただし、R’は、下記化学式3で表され
る基を含む)
【0071】
【化3】
【0072】(ただし、X=C1〜C8のアルコキシ基、
ハロゲンで同一又は異なっていてもよい、n=1〜3の
整数、aは0〜2の整数、bは1〜6の整数) ここで、化学式3で表される基としては、たとえば、下
記化学式4、5で表される化合物などを使用することが
できる。
【0073】
【化4】
【0074】(式中、R”は水素またはメチル基)
【0075】
【化5】
【0076】かかるケイ素化合物の具体的な例として
は、γ-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、
γ-グリシドキシプロピルメチルジアルコキシシラン、
β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコ
キシシランやそれらの加水分解物を使用することができ
るが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
【0077】これらケイ素化合物の加水分解は、水また
は塩酸あるいは硫酸、硝酸などの無機酸、またはプロピ
オン酸、酢酸、アジピン酸、フタル酸などの有機酸等の
酸性水溶液を添加攪拌することによって容易に行なうこ
とができる。通常は、上記ケイ素化合物中に酸性水を一
度に、あるいは徐々に添加することによってケイ素化合
物の加水分解が行なわれる。
【0078】加水分解に際しては、アルコール、アルコ
キシアルコール、酢酸などの有機カルボン酸などが生成
してくるので、無溶媒で加水分解することが可能であ
る。あるいは適当な溶媒にケイ素化合物を混合した後、
加水分解することも可能である。ケイ素化合物が2種以
上の場合はそれぞれ加水分解して混合してもよいし、2
種以上を混合したあと加水分解してもよい。
【0079】本発明の有機系保護材料としては、上述の
ケイ素化合物に加えて、エポキシ化合物が、主として可
撓性を付与するために使用される。かかるエポキシ化合
物としては、たとえば、過酸化法で合成されるポリオレ
フィン系エポキシ樹脂、シクロペンタジエンオキシドあ
るいはヘキサヒドロフタル酸とエピクロルヒドリンから
得られるポリグリシジルエステル、ビスフェノールAや
カテコール、レゾルシノールなどの多価フェノールある
いは(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリ
セロール、ソルビトールなどの多価アルコールとエピク
ロルヒドリンから得られるポリグリシジルエーテル、環
式エポキシ樹脂、エポキシ化植物油、ノボラック型フェ
ノール樹脂とエピクロルヒドリンから得られるエポキシ
ノボラック樹脂、フェノールフタレインとエピクロルヒ
ドリンから得られるエポキシ樹脂、さらにはグリシジル
メタクリレートとメチルメタクリレートなどのアクリレ
ート系モノマーあるいはスチレンなどとの共重合体など
が使用されるが、本発明では必ずしもこれらに限定され
ない。
【0080】かかる有機系保護材料中の主成分の樹脂固
形分1重量部あたり、ケイ素化合物が0.20〜0.8
0重量部であることが望ましく、より好ましくは0.3
0〜0.70重量部、特に好ましくは0.40〜0.6
0重量部がよい。ケイ素化合物がこれより少ないと、耐
スクラッチ性が不足し、光触媒層による保護層の劣化が
起こりやすい。一方、これより多いと可撓性に劣る傾向
を示す。
【0081】本発明において、シラノール基の反応を促
進させるための重合硬化触媒として、アルミニウム錯体
錫錯体、コバルト錯体などの金属錯体、塩化アルミニウ
ムなどのアルミニウム化合物、テトライソプロピルチタ
ネート、テトラブチルチタネートのようなチタン化合
物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、ギ酸ナト
リウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、テトラ
メチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシドのような塩基性化合物類、nーヘキシ
ルアミン、トリブチルアミン、ジアザビクロウンデセ
ン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレン
トリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレン
テトラミン、エタノールアミン類、γーアミノプロピル
トリメトキシシラン、γーアミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γー(2−アミノエチル)−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γー(2−アミノエチル)−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシランのようなアミン化
合物、リン酸、硝酸、フタル酸、p−トルエンスルホン
酸、トリクロル酢酸のような酸性化合物類などを使用す
ることができるが、特に、腐食性や硬化速度の観点から
金属錯体が好ましく使用される。特に下記の一般式で表
されるアルミニウム錯体が好ましく用いられる。
【0082】Al・Ym・Z(3-m) [ただし、YはOL(LはC16のアルキル基)、Zは一般式M1C
OCH2COM2またはM3COCH 2COOM4(M1、M2、M3、M4はいずれ
もC16のアルキル基)で示される化合物に由来する配位
子から選ばれる少なくとも1つであり、mは0〜3の整
数である。] この化合物の具体例として、組成物への溶解性、安定性
および硬化触媒としての効果などの観点から、アルミニ
ウム-iso-プロポキシド、アルミニウムエトキシド、ア
ルミニウム tert-ブトキシド、アルミニウムアセチルア
セトネート、アルミニウムビス-エチルアセトアセテー
ト-モノ-アセチルアセトネート、アルミニウム-ジ-n-ブ
トキシド-モノ-エチルアセトアセテート、アルミニウム
-ジ-iso-プロポキシド-モノ-メチルアセトアセテート、
アルミニウム-ジ-sec-ブトキシド-モノ-エチルアセトア
セテート、アルミニウム-ジ-メトキシド-モノ-メチルア
セトアセテートなどが好ましく使用される。これらは2
種類以上混合して使用することも可能である。
【0083】かかる硬化触媒の添加量は、ケイ素化合物
1重量部あたり0.0001〜0.5重量部が好まし
く、特に好ましくは0.0005〜0.2重量部であ
り、これより少なくては効果不十分となるし、一方、金
属錯体の添加量がこの範囲を超えては、塗膜あるいは機
能性積層体の透明性の低下、耐水性の低下などの欠陥を
生ずる傾向を示す。
【0084】本発明においては、これらのケイ素化合
物、エポキシ化合物を主成分とする有機系保護材料組成
物を、たとえば溶剤に溶かしてコーティング組成物を形
成した後、これを基材にプライマー層を設けた積層体に
通常のコーティング方法によってコーティングした後、
加熱して乾燥、反応させることによって、プライマー層
積層体と有機系保護材料からなる保護層との積層体を製
造することができる。また、必要に応じて放射線等を使
用し、該保護層中の化合物を反応させることもできる。
【0085】また、該保護層は、ケイ素化合物、エポキ
シ化合物および/または重合硬化触媒からなる反応物で
ある有機系保護材料のみに限定されるものではなく、こ
の他にも、たとえば、テトラアルコキシシラン、トリア
ルコキシアルキルシランなどの有機シラン化合物、シリ
カゾルなどの無機化合物、あるいは、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリルアミドなどの樹脂を加えてもよい。
また、滑剤、帯電防止剤、耐ブロッキング剤、レベリン
グ剤、染料、顔料、光増感剤、界面活性剤などの各種添
加剤を必要に応じて加えることができる。特に、シリカ
あるいは架橋ポリスチレンなどの滑剤を加えることによ
って、積層体の滑べりが向上し、製造時の製品の巻き姿
や平面性をよくすることができる。
【0086】かかる保護層の生産性と加工性を向上させ
るために、該保護層に、適宜、カチオン重合開始剤を加
えてもよい。カチオン重合開始剤は、ケイ素化合物のエ
ポキシ基およびエポキシ化合物の反応を促進させる役割
を果たす。かかるカチオン重合開始剤としては、熱およ
び/または放射線により反応を開始するものが使用可能
である。たとえば、シンナミル型、ナフチル型、ベンジ
ル型などのスルホニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニ
ウム塩、ヨードニウム塩などの芳香族オニウム塩などが
好ましく使用される。必要に応じて、2種類以上を混合
したり、助剤を混合したものを使用してもよい。また、
溶媒に溶解させてから使用してもよい。
【0087】かかるカチオン重合開始剤の添加量は、分
子内にエポキシ化合物1重量部あたり好ましくは0.0
001〜0.5重量部、特に好ましくは0.0005〜
0.2重量部がよい。かかるカチオン重合開始剤の添加
量が多すぎると、塗膜の塗れ性、および密着性の低下、
塗膜あるいは機能性積層体の透明性の低下などの欠陥を
生ずる傾向を示す。
【0088】かかる保護層の塗膜厚さは、好ましくは
0.1〜30μm、特に好ましくは0.5〜10μmが
よい。この範囲より薄いと機能性積層体の耐スクラッチ
性が不足し、また該範囲より厚いと可撓性が不足した
り、ブロッキングを起こしやすくなる。
【0089】かかる保護層の形成手段として、熱を用い
る場合、加熱条件は好ましくは10〜300℃である
が、基材が有機高分子化合物の場合、より好ましくは5
0〜170℃がよい。この範囲より低温では、ケイ素化
合物の反応速度が遅いため生産性が悪くなり、一方この
範囲より高温では、保護層前駆体の構成成分の分解・揮
発、副反応が起こるほか、基材の耐熱性が不足したりし
て、機能性積層体の外観が悪くなる場合がある。また、
カチオン重合開始剤が分解するという不具合が生じる。
【0090】また、本発明で用いられる放射線として
は、α線、β線、γ線および紫外線、X線などの電磁
波、電子線を使用することができるが、簡便さ、効率の
面から紫外線照射が望ましい。紫外線照射は、通常、波
長250〜400nmで行なわれ、光源としては、低圧
水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、電子線などが
用いられる。
【0091】本発明の光触媒性能を有する化合物として
は、種々の化合物が使用可能であるが、金属酸化物が主
に好ましく用いられる。具体的にはアナターゼ型酸化チ
タン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタ
ン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タン
グステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等、あ
るいはこれらの2種以上の混合物が好ましく用いられ
る。酸化チタンは、他の酸化物に比べて、酸や塩基、
水、有機溶媒に対する安定性に優れており、中毒性と発
ガン性がなく、安価に入手することができるため、特に
好ましく使用される。
【0092】酸化チタンは、水および/またはアルコー
ルなどの溶媒に高度に分散された、ゾルの状態で使用さ
れるが、酸化チタン超微粒子の二次凝集を防ぐために
は、酸性条件下またはアルカリ性条件下保存しておくこ
とが好ましい。
【0093】かかる光触媒性能を有する化合物は、ケイ
素原子を含む化合物、ジルコニア原子を含む化合物、ア
ルミニウム原子を含む化合物、チタン原子を含む化合物
から選ばれる1種類以上の無機系の各種結着剤と組み合
わされて好ましく用いられ、光触媒層を形成することが
できる。かかる無機系結着剤は光触媒作用による劣化が
起こりにくく、耐候性を有することから好ましく用いら
れ、それぞれの原子のアルコキシドやハロゲン化物、キ
レート化合物などの前駆体および/またはその加水分解
重縮合物の形で用いることができる。
【0094】かかる光触媒層において、ジルコニア原子
を含む結着剤を用いた場合、本発明の保護層との密着性
の観点から特に好ましく、ケイ素原子を含む結着剤を用
いた場合、畜水性の観点から特に好ましい。
【0095】かかるケイ素原子を含む結着剤としては、
下記式で与えられるシリコン前駆体SiX4(X=C1
8のアルコキシ基、ハロゲンで同一又は異なっていて
もよい) およびそれらの加水分解物や、さらに重縮合したシリコ
ン樹脂の他、下記式で与えられるシリコーン前駆体シリ
コーン樹脂 RnSiX(4-n) (n=1〜3の整数、R=場合によってはアミノ基、ビ
ニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基等有機基
と反応する官能基を1種類以上含んでいる、C1〜C8
アルキル基、アリール基で同一または異なっていてもよ
い、X=C1〜C 8のアルコキシ基、ハロゲンで同一又は
異なっていてもよい) およびそれらの加水分解物や、さらに重縮合したシリコ
ーン樹脂、シリカ粒子、シリカゾル、アクリル変性シリ
コンなどの各種変性シリコン樹脂などが使用される。
【0096】また、かかる結着剤には、細菌を死滅させ
ることのできる金属、滑剤、帯電防止剤、耐ブロッキン
グ剤、染料、顔料、光増感剤および界面活性剤などの各
種添加剤を、必要に応じて加えることができる。特に、
界面活性剤の添加により、コーティング組成物の塗布特
性を改善することができる。また、光触媒層の表面に耐
スクラッチ性、耐酸化還元性あるいは抗菌性を有する層
を積層することも可能である。
【0097】以上、本発明のプライマー層積層体の上
に、有機系保護材料からなる保護層を有し、かつ、該保
護層上に、さらに光触媒性能を有する化合物を主成分と
する光触媒層とを設けた例について説明したが、有機系
保護材料と光触媒性能を有する化合物とは、これらを混
合系で使用し、プライマー層積層体の上に積層すること
もできる。
【0098】光励起に用いられる光源としては、光触媒
性能を有する化合物のバンドギャップよりも高いエネル
ギーをもつ光を照射することが必要で、具体的にはアナ
ターゼ型酸化チタンは波長387nm以下、ルチル型酸
化チタンは波長413nm以下、酸化錫は344nm以
下、酸化亜鉛は387nm以下の紫外線で光励起するこ
とができる。具体的には、蛍光灯、白熱電灯、メタルハ
ライドランプおよび水銀ランプのような室内照明、太陽
光が利用可能である。光励起に紫外線を必要とする化合
物は、可視光を吸収しないので、補色成分による発色が
起こらない。従って、透明な基材にコーティングするの
に適している。
【0099】光照射は、一般には0.001mW/cm
2の紫外線で光励起すれば、数日で表面の水との接触角
が約0度になるまで親水化することができる。太陽光に
は照度0.1〜1mW/cm2の紫外線が含まれ、短時
間で表面を超親水化させることが可能である。表面がい
ったん高度に親水化された後は、暗所でも数日間は親水
性が維持される。光照射により再び高度の親水性を回
復、維持することができる。
【0100】機能性積層体の光触媒層の塗膜厚さは、
0.5〜800nmが好ましい。この範囲より厚いと、
光の干渉による塗膜の発色が起き易くなる。一方、この
範囲よりも薄いと層間の密着性が不足したり、光触媒性
能が十分に発現しない場合がある。また、通常、該膜厚
が薄いほど、基材の透明度を維持することができる。
【0101】本発明の機能性積層体は、基材表面に必要
に応じてプライマー層を形成し、次いで、ケイ素化合物
とエポキシ化合物を主成分とする有機系保護材料からな
る保護層を形成し、さらに光触媒層を形成することによ
り得ることができる。必要に応じて基材表面およびプラ
イマー層の形成後および保護層の形成後に、コロナ放電
処理や既知の前処理を行なうことも可能である。
【0102】上記各層は、たとえば、スプレーコーティ
ング、フローコーティング、スピンコーティング、ディ
ップコーティング、ロールコーティング、グラビアコー
ティング、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法で、基材の
表面に形成することができる。必要に応じて、各層塗布
後、高温で養生処理を行なったり、光照射または紫外線
などの放射線照射を行い、反応を進行させたり、直ちに
光触媒を励起したりしてもよい。
【0103】かくして得られる機能性積層体は、光触媒
層の酸化分解能および親水化性能により、汚れ防止、消
臭、脱臭、曇り防止などの機能を有する。また、保護層
は、生産性、加工性に優れ、耐スクラッチ性、耐酸化還
元性、可撓性を有する。かかる機能性積層体は、保護層
および光触媒層の透明性が高く、それらは高い密着性を
示す。
【0104】かかる機能性積層体は、具体的には建築部
材、機械装置、壁、窓ガラスの汚れ防止等に使用するこ
とができる。また、プラスッチックフィルムなどの可撓
性を有する基材からなる機能性積層体を壁や窓ガラス、
レンズ、鏡などの基材に貼り付けるなどして使用すれ
ば、基材固有の色調を害することなく、容易に、基材表
面に汚れ防止、曇り防止、脱臭・消臭機能を付与するこ
とができる。
【0105】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を、さらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるべきもので
はない。実施例中の%は特に断りのない限り重量%を意
味する。
【0106】実施例および比較例における本発明の特性
値は、以下に示す測定方法ならびに評価基準によるもの
である。 (1)ぬれ指数 JIS K−6768に基づく試験法にて積層体を評価
した。 (2)架橋指数 官能基としてヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル
系共重合体と架橋性化合物としてイソシアネート系化合
物を用いた場合のプライマー層の架橋の程度(架橋指
数)はフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(日
本バイオラットラボラトリー製)を使用し、ATR法で
2270cm-1(イソシアネート系化合物の−N=C=
Oの伸縮振動に由来)および2960cm-1(メチル基
のC−H間の伸縮振動)における積層体の吸光度から次
式によって算出した。
【0107】架橋指数=(K1 )/(K2 ) 式中:K1 は2270cm-1における吸光度、K2 は2
960cm-1における吸光度を表す。
【0108】架橋指数が低いほど、プライマー層の架橋
度は進んでいる。
【0109】判定は次の基準に基づいて行った。
【0110】 ○:架橋度指数0.10未満。
【0111】 △: 〃 0.10〜0.20 ×: 〃 0.20以上 (3)全光線透過率 スガ試験機(株)製直読ヘーズコンピューターを用い、
JIS K−7105に基づいて積層体および機能性積
層体について測定した。全光線透過率が低いほど透明性
が良く好ましい。 (4)クラック試験 被覆面の背面側へ積層体を180°折り曲げ、折り曲げ
部分に重量1kgのゴム被覆ローラーを1ストローク転
がした後の屈折部分の被覆面のクラックの入り状態を倍
率25倍のルーペにより観察し、判定した。
【0112】判定は次の基準で行った。
【0113】○:クラックなし。
【0114】△:僅かにクラック発生している。
【0115】×:全面にクラック発生している。 (5)耐MEK性 綿棒にメチルエチルケトン(MEK)を含浸し、ラビン
グテストを行なった。
【0116】10ストロークで積層体の被覆層に変化が
見られないものを○、変化が見られるものを×とした。 (6)カール 10×10cmの大きさに切った機能性積層体をガラス
板上に置いて、両端の浮き上がり状態を観察し、平面か
らの高さを測定した。 (7)耐候促進試験と試験後の評価 紫外線劣化促進試験機(アイスーパーUVテスター S
UV−W131:岩崎電気(株)製)を用いて、下記の
条件で照射サイクルテストを行い、積層体および機能性
積層体の密着性、色味、亀裂、クラック、水泡の発生状
態を評価した。
【0117】ライト8時間(メタハライドランプ、波長
295−400nm、UV照度:100mW/cm2
湿度:60℃×50%RH)⇒デユー4時間(温湿度:
35℃×100%RH結露)の12時間で照射サイクル
1サイクルとし、10サイクル照射前後の下記特性を評
価した。
【0118】(イ)密着性 セロハンテープ剥離により評価した。10mm幅のセロ
ハンテープ(ニチバン(株)製)を被覆層に貼り、45
°方向に剥離した後の被覆層の残存率を目視にて判定し
た。
【0119】 ○:残存率100% △: 〃 50%以上 ×: 〃 50%未満 (ロ)色味
【0120】有機高分子基材は劣化により、黄変する。
積層体の黄変の度合いをカラーコンピューター(スガ試
験機(株)製SMカラーコンピューター)を用い、JI
SK−7105に従ってb値により求めた。黄色度が低
いほど黄変の度合いは小さく好ましい。積層体および機
能性積層体は黄変の度合いを目視によって観察した。
【0121】(ハ)亀裂 光学顕微鏡(日本光学(株)製)を使用し、200倍の
倍率にて積層体および機能性積層体の照射面(被覆層
面)の表面状態を観察し、判定した。
【0122】○:亀裂なし。
【0123】△:僅かに亀裂が発生している。
【0124】×:全面に亀裂が発生している。
【0125】(ニ)ヘーズ 直読ヘーズコンピューター(スガ試験機(株)製)を用
い、JIS K−7105に基づいて測定した。ヘーズ
が低いほど透明性が良く好ましい。
【0126】(ホ)水泡 光学顕微鏡(日本光学(株)製)を使用し、200倍の
倍率にて積層体の照射面(被覆層面)の表面状態を観察
し、判定した。
【0127】○:水泡なし。
【0128】△:僅かに水泡が発生している。
【0129】×:全面に水泡が発生している。 (9)屋外耐候暴露試験と試験後の評価 29×21cmにカットした積層体および機能性積層体
を金属枠に固定し、JIS−A1410に基づき、35
°の傾斜をつけた状態で、3階建て建築物の屋上に3ヶ
月間放置したのち、目視にて汚れ(異物付着)の程度を
評価した。
【0130】 ○:汚れ(異物付着)なし ×:汚れ(異物付着)あり 実施例1 厚さ38μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(東レ
(株)製“ルミラー”T60)の塗設面をコロナ放電処
理し、酢酸エチルを希釈溶媒とし、紫外線吸収性化合物
が付加された(メタ)アクリル系モノマーA(ベンゾト
リアゾール系)と、光安定性化合物が付加された(メ
タ)アクリル系モノマーBと、反応性官能基を有する重
合性不飽和化合物Cの3種のモノマーA,B,Cが共重
合してなる(メタ)アクリル系共重合体(日本触媒
(株)製“ユーダブル”UV−6010;ガラス転移温
度30℃)を固形分重量比で90%、該反応基と反応す
る架橋性化合物Dとして、イソシアネート系化合物(武
田薬品工業(株)製イソシアネート系HDIトリマータ
イプの“タケネート”D−170N)を10%混合した
濃度20%の均一塗剤を、メタリングバーにより塗布
後、熱風循環式オーブンにより140℃で5分間乾燥さ
せ、厚み5μmのプライマー層を設けた。
【0131】得られた積層体の特性は表1のとおりであ
る。 実施例2 実施例1と同じ高分子フィルム基材上に酢酸エチルを希
釈溶媒とし、これに実施例1記載の(メタ)アクリル系
共重合体中の紫外線吸収性化合物が付加された(メタ)
アクリル系モノマーAの添加量を増量し、紫外線の吸収
能を1.6倍にアップした(メタ)アクリル系共重合体
(数平均分子量1万)を固形分重量比で90%、架橋性
化合物Dとして、イソシアネート系化合物(日本化工塗
料(株)製イソシアネート系XDIアダクトタイプのT
D硬化剤)を10%混合した濃度20%の均一塗剤を、
メタリングバーにより塗布後、140℃で5分間乾燥さ
せ、厚み3μmのプライマー層を設けた。
【0132】得られた積層体の特性は表1のとおりであ
る。 実施例3 実施例1と同じ高分子フィルム基材上に酢酸エチルを希
釈溶媒とし、これに実施例2記載の(メタ)アクリル系
共重合体のガラス転移温度を90℃に上げた(メタ)ア
クリル系共重合体を固形分重量比で90%、架橋性化合
物Dとして、実施例1と同一イソシアネート系化合物を
10%混合した濃度20%の均一塗剤を、メタリングバ
ーにより塗布後、140℃で5分間乾燥させ、厚み3μ
mのプライマー層を設けた。
【0133】得られた積層体の特性は表1のとおりであ
る。 実施例4 実施例1と同じ高分子フィルム基材上に酢酸エチルを希
釈溶媒とし、これに実施例2記載の(メタ)アクリル系
共重合体で数平均分子量を0.7万に下げた(メタ)ア
クリル系共重合体を固形分重量比で90%、架橋化合物
Dとして、実施例2と同一イソシアネート系化合物を1
0%混合した濃度20%の均一塗剤を、メタリングバー
により塗布後、140℃で5分間乾燥させ、厚み3μm
のプライマー層を設けた。
【0134】得られた積層体の特性は表1のとおりであ
る。 比較例1 実施例1と同じ高分子フィルム基材上に、トルエン/メ
チルエチルケトン(重量比:50/50)を希釈溶媒と
し、これに紫外線吸収性化合物が付加された(メタ)ア
クリル系モノマーA(ベンゾフェノン系)と反応性官能
基を有する重合性不飽和化合物Cの2種のモノマーが共
重合してなる(メタ)アクリル系共重合体(BASF
(株)製(メタ)アクリル系共重合体−UVA−935
LH;ガラス転移温度75℃)を固形分重量比で90
%、架橋性化合物Dとして、実施例2と同一イソシアネ
ート系化合物を10%混合した濃度20%の均一塗剤
を、メタリングバーにより塗布後、熱風循環式オーブン
により140℃で5分間乾燥させ、厚み3μmのプライ
マー層を設けた。
【0135】得られた積層体の特性は表1のとおりであ
る。 比較例2 実施例1と同じ高分子フィルム基材上に、精製水を希釈
溶媒とし、これに紫外線吸収性化合物が付加された(メ
タ)アクリル系モノマーA(ベンゾフェノン系)と反応
性官能基を有する重合性不飽和化合物Cの2種のモノマ
ーが共重合してなる(メタ)アクリル系共重合体(BA
SF(株)製(メタ)アクリル系共重合体−UVA−3
83MA;ガラス転移温度27℃)を固形分重量比で9
0%、架橋性化合物Dとして、メラミン系化合物(三和
ケミカル(株)製“ニカラック”MW−12LF)を1
0%混合した濃度20%の均一塗剤を、メタリングバー
により塗布後、熱風循環式オーブンにより140℃で5
分間乾燥させ、厚み3μmのプライマー層を設けた。
【0136】得られた積層体の特性は表1のとおりであ
る。 比較例3 実施例1と同じ高分子フィルム基材上に、精製水を希釈
溶媒とし、これに紫外線吸収性化合物が付加された(メ
タ)アクリル系モノマーA(ベンゾトリアゾール系)と
反応性官能基を有する重合性不飽和化合物Cの2種のモ
ノマーが共重合してなる(メタ)アクリル系共重合体
(ガラス転移温度30℃)を固形分重量比で90%、架
橋性化合物Dとして、比較例2と同一メラミン系化合物
を10%混合した濃度20%の均一塗剤を、メタリング
バーにより塗布後、熱風循環式オーブンにより140℃
で5分間乾燥させ、厚み3μmのプライマー層を設け
た。
【0137】得られた積層体の特性は表1のとおりであ
る。 比較例4 実施例1と同じ高分子フィルム基材上に、精製水を希釈
溶媒とし、これに比較例3記載のアクリル系共重合体中
の紫外線吸収性化合物が付加されたアクリル系モノマー
A(ベンゾトリアゾール系)の添加量を上げ、紫外線の
吸収能を1.6倍にアップした(メタ)アクリル系共重
合体(ガラス転移温度45℃)を固形分重量比で90
%、架橋性化合物Dとして、比較例2と同一メラミン系
化合物を10%混合した濃度20%の均一塗剤を、メタ
リングバーにより塗布後、熱風循環式オーブンにより1
40℃で5分間乾燥させ、厚み3μmのプライマー層を
設けた。得られた積層体の特性は表1のとおりである。
【0138】
【表1】
【0139】表1より明らかなように、実施例1〜4の
積層体は、比較例1〜4のものに比して、基材が有機高
分子化合物の場合でも、プライマー層の耐候性が高く、
基材の劣化を防ぐため、耐候性促進試験10サイクル後
において、耐候性試験前と殆ど変わらない密着性、色
味、透明性を維持することが判った。これは、耐候寿命
5年に相当する。 実施例5 γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.0
1N塩酸水溶液で加水分解した加水分解物を、イソプロ
ピルアルコール/n-ブチルアルコール/トルエンの重
量比率が2/1/1である混合溶媒に濃度11%となる
ように溶解させたものを固形分重量比で45%、これに
エポキシ化合物(長瀬産業(株)製"ディナコール"EX-3
14)45%、アルミニウムアセチルアセトネート10%
を加えた濃度20%のコーティング組成物を、実施例1
と同じプライマー層上に、メタリングバーにより塗布
後、熱風循環式オーブンにより、130℃で2分間乾燥
させ、厚み3μmの保護層を設けた。
【0140】さらに、この保護層の上に酸化チタンゾル
(昭和電工(株)製"ナノチタニア"NTB−23;ブル
ッカイト型酸化チタン、pH=9.5)をエタノールで
濃度2.5%に希釈し、ノニオン型界面活性剤(三洋化
成(株)製"サンモリン−11")を全溶液重量に対し、
2%加えた光触媒コーティング組成物を、メタリングバ
ーにより塗布後、熱風循環式オーブンにより130℃で
2分間乾燥させ、厚み0.15μmの光触媒層を設け
た。
【0141】得られた機能性積層体の特性は表2のとお
りである。 実施例6 γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.0
1N塩酸水溶液で加水分解した加水分解物を、イソプロ
ピルアルコール/n-ブチルアルコール/トルエンの重
量比率が2/1/1である混合溶媒に濃度11%となる
ように溶解させたものを固形分重量比で45%、これに
エポキシ化合物(長瀬産業(株)製"ディナコール"EX-3
14)44%、アルミニウムアセチルアセトネート10%
を加えた後、光硬化性カチオン重合開始剤(旭電化工業
(株)製"アデカオプトマーSP-170";スルホニウム塩系
化合物)を1%部加えた濃度20%のコーティング組成
物を、実施例1と同じプライマー層上に、メタリングバ
ーにより塗布後、熱風循環式オーブンにより130℃で
2分間乾燥させ、厚み3μmの保護層を設けた。保護層
の上に実施例5と同様の方法で光触媒層を設けた。
【0142】得られた機能性積層体の特性は表2のとお
りである。 実施例7 実施例6と同じ、プライマー層および保護層の上に、酸
化チタンゾル(多木化学(株)製"タイノック"CZP−
2N33;アナターゼ型酸化チタン、pH=3)をエタ
ノールで濃度2.5%に希釈し、ノニオン型界面活性剤
(三洋化成(株)製"サンモリン−11")を全溶液重量
に対し、2%加えた光触媒コーティング組成物を、メタ
リングバーにより塗布後、熱風循環式オーブンにより1
30℃で2分間乾燥させ、厚み0.15μmの光触媒層
を設けた。
【0143】得られた機能性積層体の特性は表2のとお
りである。 比較例5 テトラエトキシシランを0.01N塩酸水溶液で加水分
解した加水分解物を、イソプロピルアルコール/n-ブ
チルアルコール/トルエンの重量比率が2/1/1であ
る混合溶媒に濃度16%となるように溶解させたもの8
2%に、アルミニウムアセチルアセトネート18%を加
えたコーティング組成物を、実施例1と同じプライマー
層上に、メタリングバーにより塗布後、熱風循環式オー
ブンにより130℃で2分間乾燥させ、厚み3μmの保
護層を設けた。この保護層の上に実施例5と同様の方法
で光触媒層を設けた。
【0144】得られた機能性積層体の特性は表2のとお
りである。 比較例6 実施例1と同じプライマー層上に、実施例6と同様の方
法で保護層を設けたものを比較例6とした。
【0145】得られた積層体の特性は表2のとおりであ
る。 比較例7 実施例1と同じプライマー層上に、実施例5と同様の方
法で直接光触媒層を設けたものを比較例7とした。
【0146】得られた積層体の特性は表2のとおりであ
る。 比較例8 実施例1と同じ高分子フィルム基材上に、実施例6と同
様の方法で直接保護層を設け、保護層の上に実施例1と
同様の方法で光触媒層を設けたものを比較例8とした。
【0147】得られた積層体の特性は表2のとおりであ
る。
【0148】
【表2】
【0149】表2より明らかなように、実施例5〜7の
ものは、比較例5〜8のものに比して、クラックの発
生、カールがなく、耐候性促進試験10サイクル後も特
性を維持し、屋外暴露試験2ヶ月後においても汚れず、
機能性積層体の光触媒作用が持続することが判った。
【0150】
【発明の効果】本発明によれば、5年相当の長期間の耐
候寿命を有し、耐ストレス性、耐クラック性および可撓
性に優れた積層体、さらに、汚れ防止性および消臭、脱
臭、殺菌性能を有する機能性積層体を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明の積層体の1例を示す断面図
である。
【図2】この図は、本発明の機能性積層体の1例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1:基材 2:プライマー層 3:保護層 4:光触媒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17C AA20C AA21C AA25C AA28C AH00C AH03B AH03J AH10B AH10J AK01B AK25B AK36B AK41A AK51B AK53B AK53C AL01B AR00B AR00C AT00A BA02 BA03 BA07 CA30C EJ05B EJ38 EJ55A EJ61A EJ65B GB90 JB06B JC00 JD09B JK07 JK13 JK20 JL06 JL07 JL09 JN30B JN30J YY00 YY00B

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも片面に、少なくとも紫
    外線吸収性化合物が付加された(メタ)アクリル系モノ
    マーAと、光安定性化合物が付加された(メタ)アクリ
    ル系モノマーBと、反応性官能基を有する重合性不飽和
    化合物Cの3種のモノマーA、B、Cが共重合してなる
    (メタ)アクリル系共重合体を、該反応基と反応する架
    橋性化合物Dによって架橋してなる樹脂を含有してなる
    プライマー層を有することを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 該基材が、ポリエステルフィルムである
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 【請求項3】 該基材が、コロナ放電処理、大気圧プラ
    ズマ処理、減圧プラズマ処理、フレーム処理のうちの少
    なくとも一つで表面処理されたポリエステルフィルムで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の積層
    体。
  4. 【請求項4】 該紫外線吸収化合物が、ベンゾトリアゾ
    ール系化合物であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】 該光安定化合物が、ヒンダードアミン系
    化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の積層体。
  6. 【請求項6】 該架橋性化合物Dが、イソシアネート系
    化合物、メラミン系化合物およびエポキシ系化合物から
    選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 【請求項7】 該(メタ)アクリル系共重合体が、疎水
    性ポリマーであることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の積層体。
  8. 【請求項8】 該プライマー層が、JIS K−676
    8に基づいて測定される表面の濡れ指数が38mN/m
    以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の積層体。
  9. 【請求項9】 本文中に定義する該プライマー層の架橋
    指数が0.15以下であることを特徴とする請求項1〜
    8のいずれかに記載の積層体。
  10. 【請求項10】 該積層体が、JIS K−7105に
    基づいて測定される全光線透過率が85%以上であるこ
    とを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の積層
    体。
  11. 【請求項11】 本文中に定義する耐候促進試験で10
    サイクル後のJISK−7105に基づくヘーズが2%
    以下で、かつ、黄色度が1.5%以下であることを特徴
    とする請求項1〜10のいずれかに記載の積層体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜12のいずれかに記載の積
    層体の上に、有機系保護材料と光触媒性能を有する化合
    物とからなる光触媒層を設けてなることを特徴とする機
    能性積層体。
  13. 【請求項13】 該光触媒層が、有機系保護材料からな
    る保護層を介して設けられていることを特徴とする請求
    項12に記載の機能性積層体。
  14. 【請求項14】 該有機系保護材料が、ケイ素化合物と
    エポキシ化合物を主成分とすることを特徴とする請求項
    12または13に記載の機能性積層体。
  15. 【請求項15】 該有機系保護材料が、重合硬化触媒と
    して金属錯体を含むものであることを特徴とする請求項
    12〜14のいずれかに記載の機能性積層体。
  16. 【請求項16】 該金属錯体が、アルミニウム錯体であ
    ることを特徴とする請求項15に記載の機能性積層体。
  17. 【請求項17】 該アルミニウム錯体が、アルミニウム
    アセチルアセトネートであることを特徴とする請求項1
    6に記載の機能性積層体。
  18. 【請求項18】 該ケイ素化合物が、分子内にグリシジ
    ルエーテル基、シラノール基のうちの少なくとも一つを
    含む化合物であることを特徴とする請求項14〜17の
    いずれかに記載の機能性積層体。
  19. 【請求項19】 該有機系保護材料が、熱および/また
    は放射線により作用するカチオン重合性開始剤を含むこ
    とを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載の機
    能性積層体。
  20. 【請求項20】 該光触媒性能を有する化合物が、金属
    酸化物であることを特徴とする請求項12〜19のいず
    れかに記載の機能性積層体。
  21. 【請求項21】 該金属酸化物が、酸化チタン、酸化錫
    および酸化亜鉛から選ばれた少なくとも1種である請求
    項20に記載の機能性積層体。
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