JP2004337740A - 光触媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機基材にも有機基材にも適用することができ、光触媒が基材に強固に固着し、透明感があり、光触媒活性が高く、しかも光触媒それ自体によって分解されない無機材料のみから構成される太陽光の下でも虹色に見えない光触媒体を提供する。
【解決手段】アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物と、ペルオクソチタン酸と、アナターゼ型酸化チタンとを含有し、または、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物と、ペルオクソチタン酸とを含有する保護層と、アナターゼ型酸化チタンを含有する光触媒層とを有する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防汚、脱臭、水中や空気中の汚染物質の分解、黴、細菌等、微生物の繁殖抑制及び藻の生育抑制等に利用される基材表面に設けられたアナターゼ型酸化チタン光触媒を含有する光触媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
建造物外壁の汚れ、窓ガラスの汚れ、自動車の排気ガスによる道路遮音壁や看板の汚れ、室内や車内のたばこ等の悪臭、空気中のNOxやSOx、室内外の細菌や黴等の微生物等の有害物、水中の環境ホルモン様物質等の分解、除去に光触媒が使用されている。
特に、二酸化チタンは広範囲の波長の光の照射により励起されエネルギーを放出すると共に、化学的に安定で、透明又は白色、無害であることから、光触媒として多用されている(例えば、非特許文献1、2参照。)。二酸化チタンの結晶にはルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の三種類があるが、アナターゼ型酸化チタンは光触媒活性が高く、最も一般的に利用されている。
【0003】
このような光触媒を汚れ等の付着を抑制する基材表面に固定する方法としては、基材上に酸化チタンの懸濁液を塗布し焼結して酸化チタンを固着させる方法や、酸化分解耐性のある樹脂をバインダーとして用い、バインダーに分散させた酸化チタンを基材に接合させる方法等が提案されている。具体的には、酸化チタン粒子とフッ素系樹脂との混合物を積層または圧着する方法(例えば、特許文献1参照。)、水ガラス、コロイダルシリカ、ポリオルガノシロキサンなどのケイ素化合物、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩、重リン酸塩、セメント、石灰、セッコウ、ほうろう用フリット、グラスライニング用うわぐすり、プラスターなどの無機系結着剤や、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー等の難分解性有機系結着剤をバインダーとして酸化チタン粒子を接合させる方法(例えば、特許文献2参照。)、酸化チタン等の光触媒とアモルファス型ペルオキソチタン酸ゾルとを混合した液を基体に塗布し、アモルファス型ペルオキソチタン酸ゾルをバインダーとして利用して光触媒を基体上に担持させる方法(例えば、特許文献3参照。)等がある。
【0004】
また、光触媒が固定された基材が有機基材である場合、光の照射により活性化された光触媒の酸化分解作用により生じる表面の劣化を抑制するために、保護層を介して光触媒を基材に接合する方法が提案されている。このような保護層を有する光触媒体として、具体的には、基材上に光触媒を含有しないシリコーン系ポリマー又はフッ素系ポリマーの結着剤からなる第一層を設け、その上層に光触媒を含有する第二層を設けた光触媒体(例えば、特許文献2参照。)や、表面に形成され光触媒層と、樹脂層と、光触媒層と樹脂層との間に形成された中間層とを積層してなる光触媒性被膜であって、中間層がケイ素化合物、リン酸塩、重リン酸塩、過酸化チタン等の無機系結着剤や、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー等の有機系結着剤の難分解性結着剤からなる光触媒性被膜(例えば、特許文献4参照。)や、有機基体上に、有機基体との親和性が高く、かつ乾燥後に親水性を呈する中間被膜と、過酸化チタンを含有するアナターゼ型酸化チタン分散液を塗布してなる酸化チタン膜とが設けられた多層体(例えば、特許文献5参照。)や、半導体金属とアルキルシリケート構造を有する有機物質を含有してなる光半導体金属−有機物質混合体であって、これを基材上に成膜してなる膜表面の水接触角が60°以上である光半導体金属−有機物質混合体(例えば、特許文献6参照。)や、基材の表面を珪酸リチウムで下地処理した表面に、光触媒機能層を形成した部材(例えば、特許文献7参照。)等が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−284851号公報
【特許文献2】
特開平7−171408号公報
【特許文献3】
特開平9−262481号公報
【特許文献4】
特開2001−327872号公報
【特許文献5】
特開2000−280397号公報
【特許文献6】
特開2002−212505号公報
【特許文献7】
特開2000−198947号公報
【非特許文献1】
藤島昭・橋本和仁著「化学と工業」1996年第49巻
【非特許文献2】
垰田博史著「環境管理」1996年第32巻
【0006】
しかしながらこれらの方法はいずれもプライマーの乾燥や、密着のために加熱を必要とし、建築物外壁への適用は実際的ではない。更に、無機酸化物を使用した場合、塗布膜を薄く形成することが困難であり、透明感がなくなるという問題があり、また塗布膜表面に存在する光触媒が経時に伴い減少し、光触媒活性が低下するという問題がある。また、無機酸化物の光触媒を水に分散させるためには強酸性にする必要があり、取扱い及び施工上の問題がある。また、アモルファス型過酸化チタンゾルをバインダーとする場合は、基材との密着性が悪く、特に基材表面が撥水性の場合、光触媒が基材に強固に固着せず剥離しやすいという問題がある。更に、これらの光触媒を含有する塗布膜は、太陽光の下では光の干渉により虹色に見えるという問題があり、特に屋外で使用される透明基材においては干渉光の発生が問題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、無機基材にも有機基材にも塗布により設けることができ、光触媒を強固に固着して脱落を抑制し、透明感があり、光触媒自体による基材の劣化を抑制しつつ、一方において光触媒活性が高く、しかも、太陽光の下でも光の干渉を抑制し、屋外で使用される透明基材にも好適に適用することができる光触媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、基材表面に設けられる光触媒体に、光触媒作用を有するアナターゼ型酸化チタンと共に、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物と、ペルオキソチタン酸とを含有する層を設けるか、あるいは、光触媒作用を有するアナターゼ型酸化チタンを含有する光触媒層を、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物と、ペルオキソチタン酸とを含有する保護層を介して基材に設けることにより、加熱をしなくとも光触媒が強固に固着し、基材が有機基材の場合においても、光触媒それ自体の作用によって基材が劣化されることを抑制することができると共に光触媒活性を高く維持することができ、透明性を有し、しかも、太陽光の下でも虹色の干渉色の発生を抑制することができるとの知見を得て、本発明を完成した。本発明の光触媒体は、屋外の建造物の外壁や、水中の構造物等に適用して防汚、脱臭、水中や空気中に含まれる汚染物質の分解、雑菌や黴の繁殖の防止、藻の生育抑制等に好適に適用することができ、特に、太陽光の下でも干渉色の発生を抑制することができるため、透明基材の汚染抑制材として有用である。
【0009】
すなわち本発明は、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物と、ペルオキソチタン酸と、アナターゼ型酸化チタンとを含有することを特徴とする光触媒体(請求項1)や、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物、及びペルオキソチタン酸を含有する保護層と、アナターゼ型酸化チタンを含有する光触媒層とを有することを特徴とする光触媒体(請求項2)や、光触媒層が、ペルオキソチタン酸を含有することを特徴とする請求項2記載の光触媒体(請求項3)や、光触媒層が、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする請求項2又は3記載の光触媒体(請求項4)や、保護層と光触媒層の2層積層構造体、又は、保護層及び光触媒層を交互に有する3層以上の積層構造体であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載の光触媒体(請求項5)や、全体の厚さが、0.2〜10μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の光触媒体(請求項6)や、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物が、一般式(I)
SiO (I)
[式中、RはC1〜C4のアルコキシ基を表し、x、yは0≦x≦1.2、1.6≦y≦4であり、且つ2x+y=4である数値を表す。]で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の光触媒体(請求項7)や、一般式(I)におけるRが、メトキシ基を表し、xが0.8であることを特徴とする請求項7記載の光触媒体(請求項8)や、光触媒層におけるポリシロキサン化合物のペルオキソチタン酸に対する重量比が、100以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の光触媒体(請求項9)や、光触媒層におけるポリシロキサン化合物のペルオキソチタン酸に対する重量比が、1/10〜10であることを特徴とする請求項9記載の光触媒体(請求項10)
【0010】
また本発明は、保護層におけるポリシロキサン化合物のペルオキソチタン酸に対する重量比が、100以下であることを特徴とする請求項2〜10のいずれか記載の光触媒体(請求項11)や、保護層におけるポリシロキサン化合物のペルオキソチタン酸に対する重量比が、1/10〜20であることを特徴とする請求項11記載の光触媒体(請求項12)や、ペルオキソチタン酸が、ペルオキソチタン酸ゾルであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載の光触媒体(請求項13)や、ペルオキソチタン酸ゾルが、水溶性チタン化合物と塩基性物質との反応による水酸化チタンの生成工程と、水酸化チタンの洗浄工程と、洗浄した水酸化チタンと過酸化水素との反応工程により製造されたことを特徴とする請求項13記載の光触媒体(請求項14)や、水溶性チタン化合物が、四塩化チタンであることを特徴とする請求項14記載の光触媒体(請求項15)や、塩基性物質が、アンモニア水であることを特徴とする請求項14又は15記載の光触媒体(請求項16)や、水酸化チタンの洗浄工程が、水酸化チタンを脱イオン水で洗浄した後、水酸化チタンを水に懸濁させ、この懸濁液に陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を添加し、水酸化チタンと陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂とを直接接触させることにより不純物を除去する工程を含み、アンモニウムイオンの残留濃度が所定の範囲となるように反復して行われることを特徴とする請求項14〜16のいずれか記載の光触媒体(請求項17)や、アンモニウムイオンの残留濃度が、50〜600ppmであることを特徴とする請求項17記載の光触媒体(請求項18)や、アナターゼ型酸化チタンが、アナターゼ型酸化チタンゾルであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか記載の光触媒体(請求項19)や、アナターゼ型酸化チタンゾルが、ペルオキソチタン酸ゾルを80℃以上の温度で加熱して調製されるアナターゼ型酸化チタンの分散液であることを特徴とする請求項19記載の光触媒体(請求項20)に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の光触媒体は、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物と、ペルオキソチタン酸と、アナターゼ型酸化チタンとを含有するものや、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物、及びペルオキソチタン酸を含有する保護層と、アナターゼ型酸化チタンを含有する光触媒層とを有するものであれば、特に限定されるものではないが、かかる光触媒層に更に上記と同様のポリシロキサン化合物や、ペルオキソチタン酸を含有するものが好ましい。
【0012】
本発明の光触媒体に使用されるアルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物は、含有される光触媒体や、光触媒層、保護層に膜強度を付与すると共に汚れ等の防除効果を有し、充分な光触媒作用を得られるように光触媒の含有量の一定量を確保するため、光触媒体や光触媒層の厚さを一定の厚さを有するものとしたとき、光触媒体が設けられる基材がその光触媒作用により劣化を受けず、しかも、透明性を有し、光の干渉色の発生を抑制するために含有される。かかるアルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物は、一般式(I)(式中、RはC1〜C4のアルキル基を表し、x、yは0≦x≦1.2、1.6≦y≦4であり、且つ2x+y=4である数値を表す。)で示される化合物であることが好ましい。一般式(I)で示されるアルコキシシラン化合物は、式中、x=0、y=4で表され、ケイ素原子に4つのアルコキシ基が結合した化合物であり、式中のRが表すC1〜C4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等を挙げることができる。かかるアルコキシ基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基等の置換基を有していてもよく、同一の分子内で4つが同一であっても、異なるものであってもよいが、炭素数が多くなると溶媒に対する溶解性が低下するため、炭素数が少ないものが好ましい。かかるアルコキシ基を有するテトラアルコキシシラン化合物としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロプキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジ−n−プロポキシシラン、ジメトキシ−n−ブトキシシラン等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
また、一般式(I)で示されるアルコキシシロキサン化合物は、ケイ素原子に、シロキサン結合を形成する酸素原子と、アルコキシ基が結合した化合物であり、式中、置換基Rが表すC1〜C4のアルコキシ基としては、上述のアルコキシシラン化合物におけるものと同様のものを例示することができ、かかるアルコキシ基はアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、また、同一分子内において、同一のものに限らず異なるものであってもよい。かかるアルコキシ基を有するアルコキシシロキサン化合物においては、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。置換基RがC1〜C4のアルコキシ基を有するアルコキシシラン化合物や、アルコキシシロキサン化合物は、溶媒に対する溶解性が高く、有機溶媒の使用量を低減することができ、得られる光触媒体が優れた汚染抑制機能を有すると共に、安全性を確保できる。好ましくは、置換基Rがメトキシ基、エトキシ基を有するものを挙げることができ、特にメトキシ基を有するものは有機溶媒に対し易溶性、安定性を有し、少量の溶媒に溶解して容易に重縮合反応を生じると共に、貯蔵時のゲル化が抑制され、顕著な汚染抑制機能を有するため好ましい。
【0014】
また、本発明の光触媒体に使用されるアルコキシシロキサン化合物は、一般式(I)中、シロキサン結合の縮合度を表すxが、0<x≦1.2の範囲であることが好ましく、シロキサン結合を形成する酸素原子を除いたケイ素原子に結合するアルコキシ基の割合を示すyは、2x+y=4との関係から定まり、1.6≦y<4の範囲であることが好ましい。かかるxの値はSi−NMRの測定値に基づき、テトラメチルシランのケミカルシフト値を0ppmとして、ケイ素原子が有するシロキサン結合の数に由来するケミカルシフト値−75〜−120ppmの間に生じる5群のピークQ0〜Q4が、Q0はシロキサン結合の数が0のモノマー、Q1はシロキサン結合の数が1つ、Q2はシロキサンの数が2つ、Q3はシロキサン結合の数が3つ、Q4はシロキサン結合の数が4つの化合物に対応するところから、各ピークQ0、Q1、Q2、Q3、Q4の面積比をA:B:C:D:E(A+B+C+D+E=1)とし、x=A×0+B×0.5+C×1.0+D×1.5+E×2から定められる値である。また、置換基Rとして相異なる2種以上の基を有する場合、ケミカルシフトの同定が容易な方法を適宜選択し、H−NMRあるいは13C−NMRにより各々の置換基の結合量を換算して定めることができる。
【0015】
上記一般式(I)で示されるアルコキシシロキサン化合物として、ジメトキシポリシロキサン、ジエトキシポリシロキサン、ジ−n−プロポキシポリシロキサン、ジイソプロポキシポリシロキサン、ジ−n−ブトキシポリシロキサン、ジイソブトキシポリシロキサン、ジ−sec−ブトキシポリシロキサン、ジ−t−ブトキシポリシロキサン等を挙げることができ、これらのアルコキシシロキサン化合物を示す一般式(I)中、シロキサン結合の縮合度を表すxが0.8であるものが好ましく、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。このうち、ジメトキシポリシロキサン、ジエトキシポリシロキサンが有機溶媒に易溶であり、ゲル化が生じにくいため好ましく、特に、ジメトキシポリシロキサンが好ましい。かかるアルコキシシロキサン化合物としては、市販のもの、例えば、MKCシリケート(商品名:三菱化学(株))等を利用することができ、このうち特にMS51等のシリケート化合物を好適に使用することができる。
【0016】
尚、本発明の光触媒体には、上記一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物や、アルコキシシロキサン化合物の他、他のケイ素化合物が含有されてもよい。かかるケイ素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を挙げることができる。尚、これらのケイ素化合物の含有量は、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物のSiO換算で100重量部に対して20重量部以下、好ましくは10重量部以下である。
【0017】
上記アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物の反応に使用される水は、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物と容易に反応してアルコキシ基の総て又は一部を残してヒドロキシ基と置換したシラノール化合物を生成するものであり、水道水等いずれのものであってもよく、目的、用途によって脱イオン水、超純水を適宜選択して使用することができる。例えば、酸により特に腐食しやすい軟鋼、銅、アルミニウム等の基材や、耐熱性被膜、耐湿性被膜、耐薬品性被膜、耐バリア性被膜、電気絶縁性被膜の電気、電子材料等の基材に適用する場合は脱塩水を用いたり、不純物の混入を排除する必要がある場合は超純水を選択することができる。水の配合量は、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物中のSi量のSiO換算値100重量部に対して、100〜50000重量部、好ましくは500〜10000重量部である。一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物のアルコキシ基を加水分解する理論値よりも大過剰の量の水を配合することにより、加水分解により生成したアルコールを多量の水と共存させ、再度アルコールとポリシロキサン化合物のヒドロキシ基とが反応するのを抑制し、貯蔵時の安定性を向上させ品質保持を図ると共に、有機溶媒の配合量を低くすることができ、引火点、燃焼点を低く抑えることが可能となり、取扱い上有利である。また、この水の配合量がこの範囲であれば、生成物のポリシロキサン化合物の保存時のゲル化を抑制することができ、反応系を光触媒体等の成形用塗布液に利用した場合、保存時に安定で、取扱いが容易であり、有機基材に光触媒体が設けられた場合でも、基材の劣化を抑制することができる。
【0018】
上記アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物の反応に使用される有機溶媒としては特に限定されるものではなく、各種の有機溶剤、例えば、アルコール類、グリコール誘導体、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等の1種、又は2種以上を混合して使用することができる。かかる有機溶媒として、具体的には、アルコール類として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等、グリコール誘導体としては、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等、炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン等、エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル等を例示することができる。これらの溶剤のうち、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類がアルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物の溶媒として好ましく、また、反応系を光触媒層又は保護層を形成するためのコーティング液に直接使用することができるため好ましく、特に、エタノールが、安全性や、生成物のゲル化を抑制する安定性に優れているため好適である。有機溶媒の配合量は、一般式(I)で示されるアルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物のSi量のSiO換算値100重量部に対して、100〜50000重量部、より好ましくは500〜10000重量部である。有機溶媒の添加量がこの範囲であれば、反応物を均一に溶解させることができ、光触媒体における汚染抑制効果が顕著であり好ましい。
【0019】
上記アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応して得られるポリシロキサン化合物は、アルコキシシラン化合物やアルコキシシロキサン化合物の重縮合物であって、アルコキシ基の一部〜総てが加水分解されヒドロキシ基に変換されたシラノール化合物である。かかるポリシロキサン化合物を生成する反応は、上記アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物に上記量の有機溶媒及び水を添加し、適宜触媒を添加して、常温で攪拌、振動等による混合後、放置して行なうことができる。かかる触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、ギ酸、シュウ酸等の有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、有機アミン化合物等のアルカリ触媒、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等の有機アルミニウム化合物、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラ−n−ブトキシド等の有機チタニウム化合物、ジルコニウムテトラキス(セチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)及びジルコニウム(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド等の有機ジルコニウム化合物等の、オルガノシリケート以外の有機金属化合物又は金属アルコキシド化合物、ボロントリ−n−ブトキシド、ホウ酸等のホウ素化合物等を挙げることができる。これらの触媒は、1種又は2種以上組み合わせたものも使用できる。触媒の添加量は、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物のSi量をSiO に換算した100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、より好ましくは0.5〜5重量部である。
【0020】
このようなアルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応して得られるポリシロキサン化合物を1〜10重量%含有する反応系を本発明の光触媒体を調製するコーティング液等に使用することができ、このような反応系として、市販のもの、例えば、シンスイフロー(MS1200及びMS1208)(商品名:大日本色材工業(株))を適用することができる。
【0021】
本発明において使用されるペルオキソチタン酸は、光触媒体、光触媒層や保護層に含有され、これらの光触媒体の調製時に、光触媒として用いられる酸化チタンを含有する液が沈降するのを抑制し、塗膜の密着性を向上させるものである。かかるペルオキソチタン酸は水溶性チタン化合物と塩基性物質との反応による水酸化チタンの生成工程と、水酸化チタンの洗浄工程と、洗浄した水酸化チタンと過酸化水素との反応工程により製造されたペルオキソチタン酸ゾルであることが好ましい。かかるペルオキソチタン酸の製造における水酸化チタンの生成工程は、水溶性チタン化合物として四塩化チタンを用い、塩基性物質としてアンモニア水を用い、水存在下で、1〜40℃、好ましくは、室温で反応させることが好ましい。例えば、50%四塩化チタン水溶液にアンモニア水を滴下し攪拌後放置することにより、常温で反応させて水酸化チタンを沈殿として得ることができる。
【0022】
得られた水酸化チタンの洗浄工程は、生成した沈殿にイオン交換処理を行なった脱イオン水を適量添加して、沈殿に残留するアンモニウムイオン等の不純物を溶解させ上澄みを除去する操作を反復して行なうことができるが、得られた水酸化チタンをイオン交換処理を行なった脱イオン水で洗浄した後、水酸化チタンを水に懸濁させ、この懸濁液に陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂等を添加し、充分に攪拌してイオン交換樹脂を濾別する等、水酸化チタンとイオン交換樹脂とを直接接触させることにより不純物を除去する方法が、不純物の除去を効率よく行なうことができるため好ましい。また、かかるイオン交換樹脂との接触による脱イオン処理は必要に応じて、反復して行ない、アンモニウムイオン濃度が50ppmから600ppmになるように洗浄することが好ましい。
【0023】
洗浄した水酸化チタンと過酸化水素との反応工程は、水酸化チタンに過酸化水素水を添加することにより行なうことができる。上記水溶性チタン化合物と塩基性物質との反応による水酸化チタンの生成工程及びこれに続く洗浄工程により得られた水酸化チタンの性状はゲル状であるが、かかる水酸化チタンゲルに過酸化水素を加えることにより、水酸化チタンゲルのヒドロキシ基の一部がOOH基となり、ペルオキソチタン酸イオンとなって溶解し、水酸化チタンゲルが分解してペルオキソチタン酸ゾルが生成される。かかるペルオキソチタン酸ゾルは、含有される溶液の安定性を高め、長期保存を可能とするため、光触媒体、光触媒層を調製するためのコーティング液におけるペルオキソチタン酸ゾルの含有量が、アナターゼ型酸化チタンに対して、1/9〜7/3重量部の範囲であることが好ましく、また、ポリシロキサン化合物に対して1/100重量部以上であることが好ましく、1/10〜10重量部であることがより好ましい。ペルオキソチタン酸の含有量がこの範囲であれば、ゾル状の塗布液等がゲル化することを抑制することができる。また、保護層を調製するためのコーティング液におけるペルオキソチタン酸ゾルの含有量が、ポリシロキサン化合物に対して、1/100重量部以上であることが好ましく、1/20〜10重量部の範囲であることがより好ましい。
【0024】
本発明に用いられるアナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンと比較して優れた光触媒作用を有し、紫外線等の光が照射されることにより活性化され、酸化還元作用が惹起され、例えば、表面に付着した有機物、無機物の汚れ等が効率よく酸化分解され除去される。かかるアナターゼ型酸化チタンは上記ペルオキソチタン酸ゾルを80℃以上の温度で加熱して得ることができるアナターゼ型酸化チタンゾルであることが好ましく、更に、反応時の危険性をなくし穏やかな条件でアナターゼ型酸化チタンへの結晶化を図るために、90〜200℃の温度で加熱して調製したアナターゼ型酸化チタンゾルであることが好ましい。かかるアナターゼ型酸化チタンゾルの調製における加熱時間は加熱温度と相関関係があり、加熱温度が高いほど加熱時間は短くなり、90〜200℃の温度で加熱する場合、1〜20時間が好ましく、より好ましくは2〜10時間である。
【0025】
本発明の光触媒体は、基材の上に設けられる一層からなる光触媒体であっても、保護層と光触媒層とを有する多層構造体であってもよい。また、かかる保護層とかかる光触媒層の2層積層構造体、又は、保護層及び光触媒層を交互に有する3層以上の積層構造体であってもよい。かかる光触媒体はコーティング液を調製し、コーティング液を基材に塗布する方法等により成形することができる。即ち、一層構造の光触媒体を成形するコーティング液は、上記アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させた反応系を用い、反応生成物であるポリシロキサン化合物に対してアナターゼ型酸化チタンを10重量部以下、好ましくは3/10〜5重量部と、ペルオキソチタン酸をアナターゼ型酸化チタンに対して1/9〜7/3重量部、又は、ポリシロキサン化合物に対して1/100重量部以上、好ましくは、1/10〜10重量部を添加し、1〜40℃、好ましくは室温で、混合攪拌することにより調製することができる。アナターゼ型酸化チタンとポリシロキサン化合物の含有量の割合がこの範囲であると、アナターゼ型酸化チタンがポリシロキサン化合物によって覆われることなく十分に光触媒効果を発揮することができ、アナターゼ型酸化チタンとペルオキソチタン酸の含有量の割合がこの範囲であると、光触媒体が有効な光触媒作用を有し、基材に強固に固着し両者の剥離を抑制することができ、また、透明性を保持することができる。
【0026】
また、多層構造体の光触媒体の光触媒層を成形するコーティング液は、アナターゼ型酸化チタンゾル1〜2重量%水分散液に、ペルオキソチタン酸をアナターゼ型酸化チタンに対して1/9〜7/3重量%を添加し、1〜40℃、好ましくは室温で、混合攪拌することにより調製することができる。また、かかる光触媒層がアルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物を含有する場合のコーティング液は、上記一層構造の光触媒体と同様の組成のコーティング液を適用することができる。ポリシロキサン化合物と、アナターゼ型酸化チタン及びペルオキソチタン酸との含有量の割合がこの範囲であると、アナターゼ型酸化チタンがポリシロキサン化合物によって覆われることなく十分に光触媒効果を発揮することができ、基材に強固に固着し両者の剥離を抑制することができ、透明性を保持することができる。
【0027】
また、多層構造体の光触媒体の保護層を成形するコーティング液は、上記アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させた反応系を用い、ポリシロキサン化合物を、例えば、1〜10重量%含有する水及びアルコール等の有機溶媒に、ペルオキソチタン酸をポリシロキサン化合物に対して1/100重量部以上、好ましくは1/20〜10重量部添加し、1〜40℃、好ましくは室温で、混合攪拌することにより調製することができる。ポリシロキサン化合物とペルオキソチタン酸の含有量がこの範囲内であると、保護層が基材に強固に固着し両者の剥離を抑制でき、透明性を保持でき、干渉色の発生を抑制することができる。
【0028】
このようなコーティング液は、必要に応じて、塗布性能の向上を図るために酸化分解に強い界面活性剤、着色料、顔料、充填剤、タレ防止剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、防臭剤、防藻剤、防黴剤、防菌剤等を添加してもよい。
【0029】
かかるコーティング液を用いて光触媒層や、保護層を基材に成形する方法としては、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ローラーコーティング法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、フローコーティング法等の通常の方法を挙げることができる。具体的には、上記コーティング液を上記コーティング方法により基材表面にコーティングし、自然乾燥あるいは熱風を吹き付ける等の方法で乾燥させ、このコーティングと乾燥を反復し目的の厚さを有する層を成形することができる。多層構造体の場合は、光触媒層用コーティング液と、保護層用コーティング液を順次コーティングし積層体を形成することができる。尚、基材表面はこれらの塗布前に洗剤、アルコール等の溶剤等で十分に洗浄、脱脂することが望ましい。
【0030】
本発明の光触媒体の保護層の厚さは0.1μm〜5.0μmであることが好ましく、0.1〜1.0μmであることが、更に、0.2μm〜0.5μmであることがより好ましい。特に有機基材表面に適用した場合、保護層の厚さがこの範囲であると有機基材を光触媒による酸化分解から保護することができ、光触媒層が基材から剥離するのを抑制することができる。また、本発明の光触媒体の光触媒層の厚さは0.1μm〜5.0μmであることが好ましく、0.1〜1.0μmであることが、更に、0.2μm〜0.8μmであることがより好ましい。光触媒層の厚さがこの範囲であると、光触媒機能を十分に発揮することができ、また、光触媒濃度が一定値以上になると光触媒活性値は一定値となるため、光触媒の無駄な消費を抑制することができる。また、本発明の光触媒体の全体の厚さは、0.2〜10μmであることが好ましく、0.2〜2.0μmであることが、更に、0.4〜1.3μmであることがより好ましい。光触媒体の合計の膜厚がこの範囲であれば、膜の剥離を抑制することができ、また、光触媒の無駄な消費を抑制することができる。
【0031】
本発明の光触媒体が適用される基材はその材質を問わず何れのものであってもよい。かかる基材の材質としては、具体的に、セラミックス、ガラス、コンクリート等の無機材質、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、合成ゴム等の合成高分子や、天然ゴム、天然繊維、木、紙等の天然の有機材質、ステンレス、アルミニウム等の金属類等を挙げることができる。また、種々の塗料で塗装された基材にも適用され得る。
【0032】
本発明の光触媒体が適用される基材は特に制限されず、例えば、ビル、住宅等の外壁及び内壁、ダム、橋梁、道路、防波堤、護岸用設置体等の土木構造物の表面、銅像、石像、墓石、モニュメント、道路標識、信号、照明灯等の表面、車両、船舶、航空機等の外面及び内面、ガスタンク、水道タンク等の外壁面等を挙げることができる。
【0033】
【実施例】
本発明の光触媒体の実施例を示すが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
調製例1
100Lのイオン交換水に約50重量%の四塩化チタン溶液1Lを添加し、これに25重量%のアンモニア水を1L添加して充分攪拌した。静置後、生成した水酸化チタンが沈殿後、上澄み液を排出し、イオン交換水を適量添加して充分攪拌してから静置し、上澄み液を再度排出した。この洗浄操作を繰り返し、アンモニウムイオンを500ppmにした。これに35重量%過酸化水素を2L添加して攪拌したところ、黄色透明のペルオキソチタン酸ゾルを得た。
【0034】
調製例2
調製例1と同様にして四塩化チタンとアンモニア水を反応させた後、水酸化チタンの沈殿をアンモニウムイオンが約1000ppmになるまでイオン交換水で洗浄した。この水酸化チタンの分散液に陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂(商品名:SMNUPB、日本錬水株式会社製)を600g添加し、よく攪拌した後ナイロン製の網でイオン交換樹脂を濾しとった。このときのアンモニウムイオンは200ppmであった。この液に35重量%過酸化水素を2L添加して攪拌した。黄色透明のペルオキソチタン酸ゾルを得た。
【0035】
調製例3
調製例2で得られたペルオキソチタン酸ゾルを約95℃で8時間加熱した。黄色白濁したアナターゼ型酸化チタンの分散液を得た。
【0036】
実施例1
ポリシロキサン化合物(商品名:MS1200、大日本色材工業(株)製)1重量%、エタノール79重量%、水20重量%を含有する溶液を3重量部と、調製例1で得られたペルオキソチタン酸ゾルの1重量%水溶液を7重量部とを混合した混合液を、エタノールで清浄にした透明ポリカーボネート板にスプレーコーティングした。このとき得られた保護層の膜厚は0.2μmであった。更に、この表面に調製例3で得られたアナターゼ型酸化チタンの1.7重量%分散水溶液をスプレーコーティングした。乾燥をはさんで同じ分散水溶液を3回スプレーコーティングした。得られた光触媒体の全体の厚さは0.5μmであった。コーティング後のポリカーボネート板はほとんど透明で、太陽光の下で虹色は見えず、分光光度計による波長550nmの光の全光線透過率は、コーティング前のポリカーボネート板の全光透過率を100%としたとき、92%であった。また1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射後、碁盤目テープ法(JIS規格K5400−1990−8−5−2)で光触媒体の付着性を測定したところ評価点数10点であった。更に、同様の方法で白色タイルにコーティングし、1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射した後のコーティング膜の鉛筆引っかき値試験による鉛筆濃度記号は5H(JIS規格K5400−1990−8−4−2)であった。結果を表1に示す。
【0037】
実施例2
ポリシロキサン化合物(商品名:MS1200、大日本色材工業(株)製)1重量%、エタノール79重量%、水20重量%を含有する溶液を3重量部と、調製例1で得られたペルオキソチタン酸ゾルの1重量%水溶液を7重量部とを混合した混合液を、エタノールで清浄にしたポリカーボネート板にスプレーコーティングした。得られた保護層の膜厚は0.2μmであった。風乾後さらにこの表面にポリシロキサン化合物(商品名:MS1200、大日本色材工業(株)製)1重量%、エタノール79重量%、水20重量%を含有する溶液を3重量部と、調製例3で得られたアナターゼ型酸化チタンの1.7重量%分散水溶液を7重量とを混合した混合液を、乾燥を挟んで4回スプレーコーティングした。光触媒体の全体の厚さは0.5μmであった。コーティング後のポリカーボネート板はほとんど透明で、太陽光の下で虹色は見えず、分光光度計による波長550nmの光の全光線透過率はコーティング前のポリカーボネート板の全光透過率を100%としたとき、92%であった。1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射後、碁盤目テープ法(JIS規格K5400−1990−8−5−2)で光触媒体の付着性を測定したところ評価点数10点であった。また同様の方法で白色タイルにコーティングし、1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射した後のコーティング膜の鉛筆引っかき値試験による鉛筆濃度記号は7H(JIS規格K5400−1990−8−4−2)であった。結果を表1に示す。
【0038】
実施例3
ポリシロキサン化合物(商品名:MS1200、大日本色材工業(株)製)1重量%、エタノール79重量%、水20重量%を含有する溶液を5重量部と、調製例1で得られたペルオキソチタン酸ゾルの1重量%水溶液を7重量部とを混合した混合液を、洗剤で洗浄した後水洗し、続いてエタノールで清浄にしたアルミ塗装板に2回スプレーコーティングした。得られた保護層の膜厚は0.2μmであった。風乾後さらにこの表面にポリシロキサン化合物(商品名:MS1200、大日本色材工業(株)製)1重量%、エタノール79重量%、水20重量%を含有する溶液を5重量部と、調製例3で得られたアナターゼ型酸化チタンの2.0重量%分散水溶液を5重量部とを混合した混合液を、この表面に3回スプレーコーティングした。光触媒体の全体の厚さは0.4μmであった。1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射後、碁盤目テープ法(JIS規格K5400−1990−8−5−2)で光触媒塗布膜の付着性を測定したところ評価点数10点であった。また同様の方法で白色タイルにコーティングし、1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射した後のコーティング膜の鉛筆引っかき値試験による鉛筆濃度記号は9H(JIS規格K5400−1990−8−5−2)であった。結果を表1に示す。
【0039】
実施例4
ポリシロキサン化合物(商品名:MS1200、大日本色材工業(株)製)1重量%、エタノール79重量%、水20重量%を含有する溶液を3重量部と、調製例1で得られたペルオキソチタン酸ゾルの1重量%水溶液を7重量部とを混合した混合液を、エタノールで清浄にした透明ポリカーボネート板にスプレーコーティングした。得られたコーティング膜の厚さは0.2μmであった。更にこの表面に調製例3で得られたアナターゼ型酸化チタンの1.7重量%水分散液7重量部と、調製例2で得られたペルオキソチタン酸の1重量%水溶液3重量部とを混合した混合液を、乾燥をはさんで3回スプレーコーティングした。得られたコーティング膜の厚さは合わせて0.5μmであった。コーティング後のポリカーボネート板はほぼ透明で、太陽光の下で虹色の干渉色は見えなかった。分光光度計による波長550nmの光の全光線透過率はコーティング前のガラス板の全透過率を100%としたとき、94%であった。1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射後、碁盤目テープ法(JIS規格K5400−1990−8−5−2)でコーティング膜の付着性を測定したところ評価点数10点、鉛筆引っかき値は4H(JIS規格K5400−1990−8−5−2)であった。また同様の方法で白色タイルにコーティングし、1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射した後のコーティング膜の鉛筆引っかき値試験による結果を表1に示す。
【0040】
比較例1
コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスST−XS、日産化学(株)製)を20重量%含有のポリエステル樹脂キシレン溶液をポリカーボネート板にディッピング法によりコーティングし、80℃で乾燥して接着層を得た。得られた接着層の厚さは5μmであった。硝酸酸性酸化チタンゾルとシリカゾル(商品名:カタロイドSI−30、触媒化成(株)製)を重量比3:7で混合し、これに非イオン界面活性剤(花王(株)社製)を0.1重量%添加し、上記接着層の上にディッピング法によりコーティングし、80℃で乾燥し光触媒層を得た。得られた光触媒層の厚さは2μmであった。成形後のポリカーボネート板は少し濁っており、分光光度計による波長550nmの光の全光線透過率はコーティング前のポリカーボネート板の全光透過率を100%としたとき、72%であった。太陽光の下で干渉色が見られた。碁盤目テープ法で塗布膜の付着性を測定したところ、評価点数4点であった。また同様の方法で白色タイルに塗布したときの塗布膜の鉛筆引っかき値は2Bであった。結果を表1に示す。
【0041】
比較例2
シリコン10重量%含有のアクリル−シリコン樹脂キシレン溶液にポリメトキシシロキサン(商品名:メチルシリケート51、コルコート(株)製)を20重量%混合した液を、アクリルニトリル樹脂板にディッピング法によりコーティングし、80℃で乾燥して接着層を得た。得られた接着層の厚さは5μmであった。硝酸酸性酸化チタンゾルとシリカゾル(商品名:カタロイドSI−30、触媒化成(株)製)を重量比8:2で混合し、これに非イオン界面活性剤(花王(株)社製)を0.1重量%添加し、上記接着層上にディッピング法によりコーティングし、80℃で乾燥し光触媒層を得た。得られた光触媒層の厚さは5μmであった。成形後のポリカーボネート板は濁っており、分光光度計による波長550nmの光の全光線透過率はコーティング前のポリカーボネート板の全光透過率を100%としたとき、20%であった。太陽光の下で干渉色が見られた。碁盤目テープ法で塗布膜の付着性を測定したところ評価点数2点であった。また同様の方法で白色タイルに塗布したときの塗布膜の鉛筆引っかき値は4Bであった。結果を表1に示す。
【0042】
比較例3
酸化チタン微粉末(商品名:P−25、デグッサ(株)製)10gと熱硬化性シリコーン(商品名:SHC900、ジーイー東芝シリコーン(株)製)3gを充分混合して酸化チタン微粉末を分散させた。この液をガラスに塗布した後、150℃で2分間乾燥させた。光触媒塗布膜の厚さは3μmであった。塗布後の分光光度計による波長550nmの光の全光線透過率は、コーティング前のガラスの全光透過率を100%としたとき、60%であった。太陽光の下で干渉色が見られた。碁盤目テープ法で塗布膜の付着性を測定したところ評価点数10点であった。また同様の方法で白色タイルに塗布したときの塗布膜の鉛筆引っかき値は4Hであった。結果を表1に示す。
【0043】
比較例4
エタノールで清浄にしたアクリルニトリル樹脂板に、調整例1で得られたペルオキソチタン酸ゾルを乾燥を挟んで2回スプレーコーティングした。このとき得られたペルオキソチタン酸の層の厚は0.2μmであった。乾燥後、調整例3で得られたアナターゼ型酸化チタン分散水溶液を、乾燥を挟んで4回スプレーコーティングした。得られた光触媒体の厚さは全体で0.5μmであった。コーティング後のアクリルニトリル樹脂板は、太陽光の下で虹色の塗り斑が見られた。分光光度計による波長550nmの光の全光線透過率はコーティング前のポリカーボネート板の全光透過率を100%としたとき、90%であった。1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射後、碁盤目テープ法で光触媒塗布膜の付着性を測定したところ評価点数2点であった。また同様の方法で白色タイルにコーティングし、1.0mw/cm強度の紫外線を10時間照射した後の光触媒塗布膜の鉛筆引っかき値はHであった。結果を表1に示す。
【0044】
比較例5
エタノールで清浄にした白色タイルにアナターゼ型酸化チタンゾル7重量部とペルオキソチタン酸ゾル3重量部の混合物を4回スプレーコーティングした。コーティング膜の厚さは0.3μmであった。乾燥後、太陽光の下で虹色の干渉色が見られた。結果を表1に示す。
【0045】
比較例6
エタノールで清浄にした白色タイルにアナターゼ型酸化チタンゾル7重量部と、ペルオキソチタン酸ゾル3重量部の混合物を2回スプレーコーティングした。コーティング膜の厚さは0.14μmであった。乾燥後、太陽光の下で干渉色は見られなかった。結果を表1に示す。
【0046】
実施例:光触媒能の検出
実施例1〜3の光触媒体にメチレンブルー0.02%水溶液を、スプレーして着色した。着色濃度は日本分光株式会社製分光光度計V570型を用い、580nmの波長の光の反射率が着色前の光触媒体の反射率の60%になるようにし、このときの反射率を初期反射率とした。これらの表面に1.0mw/cm強度の紫外線を30分間照射した後、580nmの光の反射率を測定して下記の式により濃度変化率を算出した。着色濃度の低減が著しいものほど、光触媒活性が高いことを指標する。結果を表1に示す。
【0047】
【数1】
Figure 2004337740
【0048】
比較例1〜6について、同様に行なった。結果から、光触媒体にアルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物及びペルオキソチタン酸を含有する保護層を有するものは、高い光触活性を有し、太陽光の下でも干渉色が発生しないことがわかった。
【0049】
【表1】
Figure 2004337740
【0050】
【発明の効果】
以上の実施例の結果からも明らかなように、本発明の光触媒体によれば、無機機材にも有機基材にも基材を劣化させず、基材に強固に固着し、膜強度が高く、透明感があり、光触媒活性が高く、しかも光触媒それ自体によって分解されない無機系材料のみから構成される太陽光の下でも干渉色の発生を抑制することができる。

Claims (20)

  1. アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物と、ペルオキソチタン酸と、アナターゼ型酸化チタンとを含有することを特徴とする光触媒体。
  2. アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物、及びペルオキソチタン酸を含有する保護層と、アナターゼ型酸化チタンを含有する光触媒層とを有することを特徴とする光触媒体。
  3. 光触媒層が、ペルオキソチタン酸を含有することを特徴とする請求項2記載の光触媒体。
  4. 光触媒層が、アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物を水及び有機溶媒中で反応させて得られるポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする請求項2又は3記載の光触媒体。
  5. 保護層と光触媒層の2層積層構造体、又は、保護層及び光触媒層を交互に有する3層以上の積層構造体であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載の光触媒体。
  6. 全体の厚さが、0.2〜10μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の光触媒体。
  7. アルコキシシラン化合物及び/又はアルコキシシロキサン化合物が、一般式(I)
    SiO (I)
    [式中、RはC1〜C4のアルコキシ基を表し、x、yは0≦x≦1.2、1.6≦y≦4であり、且つ2x+y=4である数値を表す。]で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の光触媒体。
  8. 一般式(I)におけるRが、メトキシ基を表し、xが0.8であることを特徴とする請求項7記載の光触媒体。
  9. 光触媒層におけるポリシロキサン化合物のペルオキソチタン酸に対する重量比が、100以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の光触媒体。
  10. 光触媒層におけるポリシロキサン化合物のペルオキソチタン酸に対する重量比が、1/10〜10であることを特徴とする請求項9記載の光触媒体。
  11. 保護層におけるポリシロキサン化合物のペルオキソチタン酸に対する重量比が、100以下であることを特徴とする請求項2〜10のいずれか記載の光触媒体。
  12. 保護層におけるポリシロキサン化合物のペルオキソチタン酸に対する重量比が、1/10〜20であることを特徴とする請求項11記載の光触媒体。
  13. ペルオキソチタン酸が、ペルオキソチタン酸ゾルであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載の光触媒体。
  14. ペルオキソチタン酸ゾルが、水溶性チタン化合物と塩基性物質との反応による水酸化チタンの生成工程と、水酸化チタンの洗浄工程と、洗浄した水酸化チタンと過酸化水素との反応工程により製造されたことを特徴とする請求項13記載の光触媒体。
  15. 水溶性チタン化合物が、四塩化チタンであることを特徴とする請求項14記載の光触媒体。
  16. 塩基性物質が、アンモニア水であることを特徴とする請求項14又は15記載の光触媒体。
  17. 水酸化チタンの洗浄工程が、水酸化チタンを脱イオン水で洗浄した後、水酸化チタンを水に懸濁させ、この懸濁液に陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を添加し、水酸化チタンと陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂とを直接接触させることにより不純物を除去する工程を含み、アンモニウムイオンの残留濃度が所定の範囲となるように反復して行われることを特徴とする請求項14〜16のいずれか記載の光触媒体。
  18. アンモニウムイオンの残留濃度が、50〜600ppmであることを特徴とする請求項17記載の光触媒体。
  19. アナターゼ型酸化チタンが、アナターゼ型酸化チタンゾルであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか記載の光触媒体。
  20. アナターゼ型酸化チタンゾルが、ペルオキソチタン酸ゾルを80℃以上の温度で加熱して調製されるアナターゼ型酸化チタンの分散液であることを特徴とする請求項19記載の光触媒体。
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