JP2002212505A - 光半導体金属−有機物質混合体、光半導体金属含有組成物、光触媒性被膜の製造法及び光触媒性部材 - Google Patents

光半導体金属−有機物質混合体、光半導体金属含有組成物、光触媒性被膜の製造法及び光触媒性部材

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JP2002212505A
JP2002212505A JP2001014924A JP2001014924A JP2002212505A JP 2002212505 A JP2002212505 A JP 2002212505A JP 2001014924 A JP2001014924 A JP 2001014924A JP 2001014924 A JP2001014924 A JP 2001014924A JP 2002212505 A JP2002212505 A JP 2002212505A
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metal
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JP2001014924A
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English (en)
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Yasushi Kojima
靖 小島
Kazuo Aizu
和郎 会津
Masayoshi Kamitsura
雅義 上面
Shiro Ogata
四郎 緒方
Yoshimitsu Matsui
義光 松井
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TAO INTERNATIONAL KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材へ塗布する際、弾きがなく均一に塗工可
能であり、これらを塗布して成る光触媒性被膜は、比較
的撥水性を示し、干渉色がなく基材が透明な場合には透
明性に優れ、太陽光があたる温暖環境下では、細菌、黴
等の菌類や藻類の発生、また汚染物質の付着による汚れ
を防ぎ、寒冷環境下においては、部材への雪や氷の固着
を防ぐことができる光半導体金属−有機物質混合体を提
供する。 【解決手段】 光半導体金属とアルキルシリケート構造
を有する有機物質を含有してなる光半導体金属−有機物
質混合体であって、これを基材上に成膜してなる膜表面
の水接触角が60°以上である光半導体金属−有機物質
混合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光半導体金属−有
機物質混合体、光半導体金属含有組成物、光触媒性被膜
の製造法及び光触媒性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−314052号公報、特開平
10−296902号公報に記載されているように酸化
チタンなどの光半導体金属に、価電子帯と伝導帯とのエ
ネルギー幅、所謂、禁制帯幅以上のエネルギーを有する
紫外線等の光をあてると、価電子帯中の電子が励起され
て伝導電子と正孔が生成し、この作用により、雰囲気と
の平衡以上の化学吸着水が表面に吸着することが知られ
ている。また、表面の水素結合に基づく表面自由エネル
ギーが増加するので、その増加に応じた量の物理吸着性
の水分子が基材表面に固定され、表面エネルギーの近い
物質は接着し易いことから、付着自由水が表面へ馴染み
易くなり、親水性を呈すると考えられている。
【0003】一方では、特開平10−296902号公
報で解説されているように、チタンアルコキシド、或は
その加水分解物に対して大量にシリコンアルコキシド及
び又はその加水分解物を添加すると、アルコキシド溶液
中で均質性の高いTi−O−Si結合が生じ、酸化チタ
ンの結晶化が抑制され、超親水性を発揮することができ
ない。これに伴って、満足な、光触媒能を発現すること
ができない。
【0004】超親水化技術は、液滴の形成を防ぎ、防曇
性に優れ、また、付着した汚れが、水をかけることで容
易に流れ落ちるとされ注目されているが、例えば、冬期
環境下において、部材への降雪の固着を防ぐ場合や、夜
間結氷した氷を昼間の日光で幾分融けた状態で滑り落と
す場合などには、必ずしも超親水化部材が優れるもので
はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの観
点においてなされたもので、基材へ塗布する際、弾き
がなく均一に塗工可能であり、これらを塗布して成る
光触媒性被膜は、比較的撥水性を示し、干渉色がなく基
材が透明な場合には透明性に優れ、太陽光があたる温
暖環境下では、細菌、黴等の菌類や藻類の発生、また汚
染物質の付着による汚れを防ぎ、寒冷環境下において
は、部材への雪や氷の固着を防ぐことができる光半導体
金属−有機物質混合体、光半導体金属含有組成物、光触
媒性被膜の製造法及び光触媒性部材を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次のものに関す
る。 (1)光半導体金属とアルキルシリケート構造を有する
有機物質を含有してなる光半導体金属−有機物質混合体
であって、これを基材上に成膜してなる膜表面の水接触
角が60°以上である光半導体金属−有機物質混合体。 (2)光半導体金属とアルキルシリケート構造を有する
有機物質を含有してなる光半導体金属−有機物質混合体
であって、これを基材上に成膜してなる膜表面の紫外線
照射後又は照射中の水接触角が40°以上である光半導
体金属−有機物質混合体。 (3)アルキルシリケート構造を有する有機物質の配合
量が光半導体金属1重量部に対し、0.3〜30重量部
である、(1)又は(2)に記載の光半導体金属−有機
物質混合体。 (4)アルキルシリケート構造を有する有機物質がポリ
エーテル構造を有する有機物質である(1)〜(3)の
何れかに記載の光半導体金属−有機物質混合体。 (5)アルキルシリケート構造を有する有機物質がポリ
エチレンオキサイド重合体変性ポリジメチルシロキサン
又はポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイ
ドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサンである
(1)〜(4)の何れかに記載の光半導体金属−有機物
質混合体。 (6)ポリエチレンオキサイド重合体変性ポリジメチル
シロキサン又はポリエチレンオキサイド−ポリプロピレ
ンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキ
サンが、珪素に結合したメチル基と珪素に結合したした
メチレン基のモル比がメチレン基1に対してメチル基2
以上のものである(5)記載の光半導体金属−有機物質
混合体。 (7)ポリエチレンオキサイド重合体変性ポリジメチル
シロキサン又はポリエチレンオキサイド−ポリプロピレ
ンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキ
サンが、一般式(−CH−CH−O−)で表され
る繰り返し単位を3〜300、且つ、一般式(−CH
−(CH)−CH−O−)で表される繰り返し単位
を0〜200有するものである(5)又は(6)記載の
光半導体金属−有機物質混合体。 (8)光半導体金属が酸化チタンである(1)〜(7)
の何れかに記載の光半導体金属−有機物質混合体。 (9)光半導体金属がアナターゼ型酸化チタンを含む酸
化チタンである(8)記載の光半導体金属−有機物質混
合体。 (10)光半導体金属がアモルファス型過酸化チタンを
含む酸化チタンである(8)記載の光半導体金属−有機
物質混合体。 (11)(1)〜(10)の何れかに記載の光半導体金
属−有機物質混合体にさらに溶媒又は分散媒を含有する
光半導体金属含有組成物。 (12)溶媒又は分散媒が、水、有機溶媒又は水−有機
溶媒混合物である(11)記載の光半導体金属含有組成
物。 (13)溶媒又は分散媒中の総量のうち、水が5〜95
重量%、有機溶媒が5〜95重量%である(11)又は
(12)記載の光半導体金属含有組成物。 (14)有機溶媒がアルコール類である(12)又は
(13)記載の光半導体金属含有組成物。 (15)アルコール類がエタノールである(14)記載
の光半導体金属含有組成物。 (16)(11)〜(15)の何れかに記載の光半導体
金属含有組成物を、基材上に塗布、乾燥することを特徴
とする光触媒性被膜の製造法。 (17)基材が有機物質基材である(16)記載の光触
媒性被膜の製造法。 (18)基材が熱可塑性樹脂基材である(17)記載の
光触媒性被膜の製造法。 (19)基材が透明基材である(16)記載の光触媒性
被膜の製造法。 (20)透明基材がガラス基材である(19)記載の光
触媒性被膜の製造法。 (21)(16)〜(20)のいずれかに記載の製造法
により得られる光触媒性被膜を有してなる光触媒性部
材。 (22)(16)〜(20)の何れかに記載の造膜法に
より得られる防氷結、防着雪、異物付着防止、抗菌、防
カビ、防藻、防汚、防臭、水若しくは空気の浄化の何れ
か一つ若しくは、二つ以上の機能を有する光触媒性被膜
を有してなる光触媒性部材。 (23)光触媒性被膜が干渉色を示さない被膜である
(21)記載の光触媒性部材。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に記述
する。まず、本発明に用いられる材料について説明す
る。本発明に用いる光半導体金属は、光照射により価電
子帯の電子を励起させ、伝導帯に移動させることが可能
な半導体金属を指す。このような半導体金属は、半導体
金属の持つ禁制帯幅より光量子のエネルギーの式(式
1、式2)によって計算される波長よりエネルギーの大
きな波長、すなわち、短波長の光を照射することで、電
子が価電子帯から伝導帯へ移動するとともに正孔が価電
子帯に生ずることとなる。 式1:E=hν=h(c/λ) [h:プランク定数(6.63×10-34J・s)、ν:振動数
(1/s)、c:光速度(3×108m/s)、λ:波長
(m)、1(eV)=1.6×10-19(J)] 式2:エネルギーギャップ値E(eV)=1240/λ
(nm)
【0008】これら光半導体金属としては、TiO
の酸化チタン、ZnO、SrTiOP、CdS、Cd
O、CaP、InP、In、CaAs、BaTi
、KNbO、Fe、Ta、W
、NiO、CuO、SiC、SiO、Mo
、InSb、RuO、CeO等が挙げられ、一
種若しくは二種以上使用することができる。その中で
も、化学的に安定であり無害であること、塗料やインキ
・顔料等の下地隠ぺい用などに既に実用化され安定供給
も可能なことより、酸化チタンが好適である。
【0009】また、それらの光半導体金属は複数を組み
合わせて使用することができ、場合によってはPt、A
g、Rh、Nb、Cu、Sn、Al、Zn、Cr、N
i、Sb、Cs、In、Mo、W等の金属及び/又はそ
の酸化物を単独又は数種類含有させることができ、これ
らの物質の添加により光触媒能を向上させることができ
る。これらの物質を添加する場合、その量は上記の光半
導体金属100重量部に対して0.01〜200重量部
とすることが好ましく、0.1〜50重量部とすること
がより好ましく、0.1〜5重量部とすることが特に好
ましい。
【0010】本発明における酸化チタンとは、TiO3
/nH2O、TiO2、TiO等、チタンの酸化物すべて
を指す。そのなかでも、結晶構造はアナターゼ型、ルチ
ル型、また、非晶質のアモルファス型が好適であるが、
それらに限定されるものではない。その中でも、基材へ
の塗布性・密着性、造膜性の観点からアモルファス型過
酸化チタンは好適である。
【0011】なお、ここでアモルファス型過酸化チタン
とは、結晶構造をもたない非晶質(アモルファス)状の
酸化チタンを指し、既に公知の方法により製造すること
ができ、例えば、特開平9−262481号公報の参考
例1及び2、特開平10−235201号公報の参考例
1及び2に記載される方法などにより製造することがで
きる。また、株式会社タオより、商品名TiOCOAT
TK100として市販されているものなどを使用する
こともできる。また、アモルファス型過酸化チタンとア
ナターゼ型酸化チタンを含むもの、例えば、株式会社タ
オより、商品名TiOCOAT TAK70として水系
ゾルとして市販されているものなどを使用することもで
きる。これら酸化チタンの水系ゾルを用いる場合には、
ゾルの均一なゲル転移を助長するため、酸化チタンの平
均粒子径は、好ましくは100nm以下とされ、100
nmをこえるとゾルの均一なゲル転移が阻害される傾向
にある。このため、より好ましくは50nm以下、さら
に好ましくは1〜20nmとされる。
【0012】本発明の光半導体金属−有機物質混合体に
用いる有機物質のアルキルシリケート構造とは、シロキ
サン骨格の珪素原子にアルキル基が付加した構造をさ
す。具体的には、ポリジメチルシロキサンに代表される
シロキサン結合(−Si−O−)を主鎖にとるものが好
適であるがそれらに限定されるものではない。特に分子
中にアルキルシリケート構造と、ポリエーテル構造の双
方を有する有機物質が、光半導体金属−有機物質混合体
を基材上に成膜してなる膜表面の水接触角を60°以上
にするためより好ましい。ポリエーテル構造とは、ポリ
アルキレンオキサイド等の、アルキレン基をエーテル結
合で結合した構造をさす。具体的には、ポリエチレンオ
キサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチ
レンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピ
レンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレンポリテ
トラメチレングリコール共重合体、ポリテトラメチレン
グリコール−ポリプロピレンオキサイド共重合体等の構
造を有するものがあげられる。その中でも、ポリエチレ
ンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重
合体構造はそのブロック度や分子量により、濡れ性を制
御できる観点からもさらに好適であるがそれらに限定さ
れるわけではない。
【0013】特に好ましいものである、分子中にアルキ
ルシリケート構造と、ポリエーテル構造の双方を有する
有機物質としては、具体的には、ポリエーテル変性ポリ
ジメチルシロキサン等のポリエーテル変性ポリシロキサ
ン系塗料用添加剤が使用でき、市販品としてはTSF4
445、TSF4446(以上GE東芝シリコーン
(株)製)、SH200(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン(株)製)、KPシリーズ(信越化学工業(株)
製)等を入手することが可能である。さらに、本発明に
なる光半導体金属−有機物質混合体を基材上に成膜して
なる膜表面の水接触角を60°以上にする意味で、アル
キルシリケート構造を有する有機物質は、ポリエチレン
オキサイド重合体変性ポリジメチルシロキサン又はポリ
エチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロッ
ク共重合体変性ポリジメチルシロキサンが好ましく、ポ
リエチレンオキサイド重合体変性ポリジメチルシロキサ
ン又はポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサ
イドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサンの珪
素に結合したメチル基と珪素に結合したメチレン基のモ
ル比がメチレン基1に対してメチル基2以上であること
がより好ましく、ポリエチレンオキサイド重合体変性ポ
リジメチルシロキサン又はポリエチレンオキサイド−ポ
リプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメ
チルシロキサンが、一般式(−CH−CH−O
−)で表される繰り返し単位を3〜300、且つ、一般
式(−CH−(CH)−CH−O−)で表される
繰り返し単位を0〜200有するものであることがさら
に好ましい。また、ポリエチレンオキサイド−ポリプロ
ピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシ
ロキサンであって、一般式(−CH−CH−O
−)で表される繰り返し単位を10〜300、且つ、一
般式(−CH−(CH)−CH−O−)で表され
る繰り返し単位を1〜200有するものが特に好まし
い。
【0014】光半導体金属とアルキルシリケート構造を
有する有機物質との配合比は、光半導体金属1重量部に
対し、アルキルシリケート構造を有する有機物質が、
0.3〜30重量部であることが好ましく、0.5〜1
0重量部であることがより好ましく、1〜7重量部であ
ることががさらに好ましい。アルキルシリケート構造を
有する有機物質が0.3重量部未満の場合、濡れ性が悪
く基材に塗布できないことがあり、また塗布できたもの
の膜表面の水接触角は小さくなる傾向がある。一方、ア
ルキルシリケート構造を有する有機物質の割合が30重
量部を超える場合、常温での造膜性が悪くなったり、塗
膜の耐久性が劣ったりする傾向にある。またポリエチレ
ンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重
合体変性ポリジメチルシロキサン等の親水性のアルキル
シリケート構造を有する有機物質を用いた場合では、逆
に塗布できたものの膜表面の水接触角が小さくなる傾向
がある。水接触角の測定は塗膜表面の蒸留水接触角を接
触角計を用いて測定することにより行うことができる。
【0015】本発明において、前記光半導体金属とアル
キルシリケート構造を有する有機物質を含有してなる光
半導体金属−有機物質混合体は、コーティング材料とし
て適するように、液体の組成物とすることが好ましい。
【0016】以下この組成物について説明する。光半導
体金属は、それがゾルとして、溶媒又は分散媒中に存在
するものであることが好ましい。ここで、溶媒又は分散
媒としては、光半導体金属−有機物質混合体の希釈が可
能であり、貯蔵時に層分離やゲル化等の現象が起こなら
ないものであることが好ましい。
【0017】溶媒又は分散媒としては、光半導体金属ゾ
ルの分散性に優れる、水、有機溶媒又は水−有機溶媒混
合物が挙げられる。水−有機溶媒混合物を用いた場合の
水/有機溶媒混合割合としては、総量のうち、水が5〜
95重量%、有機溶媒の量が5〜95重量%であること
が貯蔵時に層分離やゲル化等の現象が起こり難く好まし
い。具体的な溶媒又は分散媒としては、光半導体金属ゾ
ルの分散性に優れることから、水、アルコール類又は水
−アルコール類混合物が好適に使用される。ここで、前
記アルコール類とは、常温で液体でかつ水酸基を持つ炭
化水素化合物を指し、その例としては、エタノール、メ
タノール、イソプロパノール、エチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、カルビトール等が挙げられるがそれらに
限定するものではない。上記溶剤の中でも水が安全性、
貯蔵安定性の点から最も適している。上記溶剤の中でも
水が安全性、貯蔵安定性の点から適している。この意味
で中でも、水−エタノールが最も適している。また、溶
媒又は分散媒となる水は、本発明になる光半導体金属含
有組成物の安定性及び造膜性の意味で、イオン等の不純
物を含んでいないことが好ましく、例えばイオン交換水
が好ましく、蒸留水がより好ましい。
【0018】また、光半導体金属ゾルを含む溶媒が水分
散液又は水−アルコール類分散液である場合、前記組成
物に含まれるアルキルシリケート構造を有する有機物質
は、水溶性であることが好ましい。さらに、前記アルキ
ルシリケート構造を有する有機物質は、組成物を様々な
基材に塗布できるようにするために、濡れ性を調整でき
るものであることがさらに好ましい。
【0019】このような、濡れ性を調整でき、水溶性で
ある有機物質としては、前記したポリエーテル変性ポリ
ジメチルシロキサン等のポリエーテル変性ポリシロキサ
ン系塗料用添加剤が挙げられ、これらの例示は、前述の
通りである。
【0020】本発明の光半導体金属含有組成物におい
て、溶媒又は分散媒の量は特に制限されないが、光半導
体金属1重量部に対して20〜2,000重量部となる
ように調整することが基材への塗布性と光半導体金属分
散液の貯蔵安定性より好ましい。
【0021】本発明の光半導体金属含有組成物には、さ
らに必要に応じて、前記アルキルシリケート構造を有す
る有機物質以外の有機物質として、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ケトン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコー
ン樹脂、セルロース等の多糖類及びそれらのシリコー
ン、アミン、エポキシ変性樹脂等の有機物質を添加する
ことができる。また、必要に応じて、前記以外の公知の
界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、カップリング剤、
防腐剤等の添加剤を目的とする特性を損なわない範囲で
添加してもかまわない。
【0022】本発明の光半導体金属含有組成物は、これ
を、基材上に塗布及び乾燥することによって、光触媒性
被膜を形成することができる。塗布方法としては、特に
制限はなく、スプレーコーティング法、ディップコーテ
ィング法、フローコーティング法、スピンコーティング
法、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、
バーコーティング法、超音波コーティング法、スクリー
ン印刷法、刷毛塗り、スポンジ塗り等が適用できるが、
粘度の低い光半導体金属含有組成物の場合、スプレーコ
ーティング法が好ましい。
【0023】本発明の光触媒性被膜を形成する基材とし
ては、特に制限はなく、ガラス、石英板、セラミック
ス、各種金属、これらの複合材などの耐熱性基材があげ
られるが、塗布、乾燥するだけで良好な被膜が形成で
き、焼成(熱をかけて膜等の固体にならしめること又は
熱をかける行為)等をする必要がないため、熱可塑性樹
脂や熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹
脂等の有機物質の基材上に塗布することもできる。前記
熱可塑性樹脂の基材としては、例えば、ポリカーボネー
ト樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹
脂、ポリ塩化ビニール、これらの複合材等の一般的にプ
ラスチック基材と総称される基材があげられる。また、
耐熱性基材とプラスチック基材の複合材を用いることも
できる。
【0024】また、本発明で造膜されてなる被膜は干渉
色を示さないため、濃色の基材や、ガラス、ポリカーボ
ネート、アクリル樹脂等の透明な基材に対し、特に有用
である。耐熱性の基材を用いた場合には、焼成を行って
もよい。
【0025】塗装条件は、本発明の組成物中に含まれる
溶剤が揮発するに十分な条件であればよく、塗布温度と
しては、常温(25℃)で十分である。一般に5〜40
℃で塗布して被膜を形成することができる。ここで、生
産性を考慮した場合、温度を高めることもでき、この場
合、基材がダメージを受けない温度でかつ光触媒金属の
結晶性が変化しない温度として、かつ、水等の常温での
揮発等を考慮すると、20〜250℃が好ましい。湿度
は、本発明の組成物中に含まれる溶剤が水、アルコール
類、水−アルコール類が好適であることからその揮発性
及びスプレーコーティング時の多層コーティングを考慮
すると、20〜60重量%であることが好ましい。ま
た、その塗装膜厚は光触媒現象が基材表面から3μm以
内の被膜内で起こる現象であること、光触媒金属が高価
であり経済性の点からも3μm以下で十分である。通常
0.1〜3μmが好ましく、0.3〜1.5μmがより
好ましい。光触媒性被膜の水接触角を5°以下とする超
親水化技術は、液滴の形成を防ぎ、防曇性に優れ、ま
た、付着した汚れが、水をかけることで容易に流れ落ち
るとされているが、例えば冬期の屋外の低温環境下にお
いて、部材への降雪の固着を防ぐ場合や、夜間結氷した
氷を昼間の日光で幾分融かせて滑り落とす場合などに
は、必ずしも超親水化部材が優れるものではない。降雪
又は結氷がある環境下では、部材に、着雪、着氷がある
と、光触媒に必要な光エネルギーを受けることができな
くなり、防滴、防曇、防汚染性を発揮できなくなる。し
かるに氷雪を着き難くするための防着雪性、防着氷性を
発揮するための水接触角は、酸化チタンコートの場合、
40°以上、好ましくは、60°以上である。先にも述
べたように、光触媒性被膜は、禁制帯幅より前述の光量
子のエネルギーの式によって計算される波長より短波長
の光を照射することで、価電子帯中の電子が励起されて
伝導電子と正孔が生成し、この作用により、雰囲気との
平衡以上の化学吸着水が表面に吸着する。その結果、表
面の水素結合に基づく表面自由エネルギーが増加するの
で、その増加に応じた量の物理吸着性の水分子が基材表
面に固定され、付着自由水が表面に馴染み易くなり、親
水性を呈する。アナターゼ型酸化チタンの禁制帯幅は、
3.2eVとされていることから、計算される波長は、
387.5nmとなり、これより短波長の光、すなわち
近紫外線領域以下の波長の光を照射することで、所謂、
光触媒性を持つ化合物は、水に対する接触角は小さくな
ると考えられる。上述のように、防着雪性、防結氷性を
発揮する好ましい水接触角は、酸化チタンコートの場
合、40°以上、好ましくは60°以上であり、光触媒
性により水接触角が低下することから、防滴、防曇、防
汚染性といった光触媒性と防着雪性、防結氷性を兼ね備
えた水接触角の範囲は、好ましくは40〜150°であ
り、より好ましくは50〜120°であり、さらに好ま
しくは60〜100°である。また光触媒性被膜に紫外
線を照射する場合、光励起反応を起こすことができるよ
うに紫外線を照射するということ以外に特に制限はない
が、紫外線の照射量は、315nm〜405nmの光を
発する20Wのブラックライトブルーを用いて、紫外線
光量計で測定した照度1mW/cmの光を20分以上
照射することで、水接触角は、ほぼ一定となり、その後
1時間以上ほぼ一定となることから、光量1.2J/c
以上を照射し、その後1時間以内に水接触角を測定
したときに、水接触角が40°以上である光触媒性被膜
が望ましい。紫外線源としては、例えば、太陽光、又は
市販のキセノンランプ、ブロムランプ、殺菌ランプ、ブ
ラックライト、ブラックライトブルーなどが用いられる
が、特に限定されない。
【0026】本発明の光触媒性部材は、その表面に上記
の製造法により得られる光触媒性被膜を有してなるもの
である。光触媒性被膜をその表面に形成する部材本体と
しては、特に制限はなく防氷結、防着雪、異物付着防
止、抗菌、防カビ、防藻、防汚、防臭、水若しくは空気
の浄化機能用などとしてその光触媒性被膜を有すること
ができるすべての部材が挙げられる。
【0027】具体的な例としては、例えば、道路壁パネ
ル、反射板、案内表示板等の各種道路部材、建築用内外
装材、車両、船舶、航空機等の内外装材、空調機、清掃
機、冷蔵庫、洗濯機等の家電品、浄水器、浄水場処理槽
等の水処理施設、板ガラス、ガラス繊維、ガラス粉等の
各種ガラス、鏡、照明器具、タイルなどが挙げられる。
さらには、本発明によれば干渉色がない被膜を与えるこ
とも可能であることから、視認性の要求される車輌、船
舶、航空機、建築物の窓部材や、意匠性の要求される車
輌、建築の内外装が好適である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが本発明はこれに限定されるものではない。なお、
以下の記載において%は特に断りのない限り重量%を示
す。
【0029】合成例1(アモルファス型過酸化チタンの
合成) 撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000mlセパ
ラブルフラスコ中に、3mlの四塩化チタンTiCl
の50%溶液(住友シティクス(株)製)を仕込み、冷
却機付き反応浴中で15℃に冷却し、撹拌しながら20
7mlの蒸留水を徐々に加えた。一方、50mlビーカ
ー中に3mlの水酸化アンモニウムNH OHの25%
溶液(高杉製薬(株)製)を入れ、27mlの蒸留水を
さらに加え希釈した。この水酸化アンモニウム溶液を滴
下漏斗に入れ、セパラブルフラスコ中に滴下し撹拌しな
がら中和反応を行った。その際、窒素は20ml/分で
気層中に流し、反応浴中の温度は15℃に保った。反応
中白いゲル状の浮遊物質が生成した。中和反応後pHを
塩酸又はアンモニア水で6.5〜6.8に調整し、撹拌
を中止し、しばらく放置後上澄液を捨てた。これにより
水酸化チタンTi(OH)のゲルが得られた。さらに
このゲルの約4倍の蒸留水をゲルに加え十分に撹拌した
後放置した。
【0030】この上澄液を一部とり、その液に1%硝酸
銀溶液を1滴滴下し、白濁が起こらなくなるまで(上澄
液中の塩素イオンがなくなるまで)水洗を繰り返し、最
後に上澄液を捨てて精製水酸化チタンゲルを得た。この
際、場合によっては遠心分離により脱水処理を行う。
【0031】この淡青味白色の水酸化チタンゲル360
mlを1000mlセパラブルフラスコ中に仕込み、5
℃まで冷却した後、35%過酸化水素水21mlを30
分毎2回に分けて添加し、一晩撹拌した。水酸化チタン
ゲルは徐々に溶解し、黄色透明のアモルファス型過酸化
チタンゾル(T−A)約250mlを得た。なお、上記
の工程において、十分な冷却が行われない場合、メタチ
タン酸等の水に不溶な物質が析出してくることがわかっ
た。このT−Aのアモルファス型過酸化チタン分が1.
7%となるよう調整しT−1とした。T−1はpH6.
0〜7.0、粒子径2〜10nm、濃度約1.7%であ
り、常温で長期間保存しても分離、ゲル化することなく
安定であった。
【0032】合成例2(アナターゼ型酸化チタンの合
成) 合成例2で得たアモルファス型過酸化チタンゾル(T−
A)をさらに、100℃で6時間加熱してアナターゼ型
酸化チタン水系ゾルT−Bを得て、アナターゼ型酸化チ
タン分が1.7重量%となるよう調整しT−2とした。
T−2はpH6.0〜7.0、平均粒子径8〜20nm
であり、常温で長期間保存しても分離、ゲル化すること
なく安定であった。
【0033】合成例3 (ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド
ブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサンの合成
法) 撹拌装置、温度計及び窒素流入管を備えた1000ml
の3つ口フラスコ中に、下記構造式
【0034】
【化1】 で示されるジメタクリルポリエーテル29g、トルエン
350g及び白金含量が20ppmになるようにクロル
白金酸を仕込んだ後、常温で十分撹拌後オイルバスを用
いて80℃まで撹拌しながら昇温した。反応中は窒素を
20ml/分の流量で気層中に流した。ここへ、次式
【0035】
【化2】 で示されるジヒドロポリジメチルシロキサン73gを徐
々に滴下漏斗を用いて添加した。その際、反応液の温度
は80〜100℃に維持した。反応中、反応液を一部サ
ンプリングし、1%硝酸銀溶液を加え白濁が無くなるま
で反応を続けた。
【0036】この反応液を15℃まで冷却し、炭酸水素
ナトリウムを徐々に加えて中和した。この中和液をろ過
した後、ロータリーエバポレータにより、50℃で十分
溶媒を留去した。
【0037】これらの反応、精製により無色透明のポリ
エチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロッ
ク共重合体変性ポリジメチルシロキサン(ポリジメチル
シロキサンとポリエチレンオキサイド−ポリプロピレン
オキサイドブロック共重合体との共重合体)PS−1が
96g得られた。この化合物の重量平均分子量をゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィ法により測定したとこ
ろ、ポリスチレン換算でおよそ40,000であった。
【0038】合成例4 (ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド
ブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサンの合成
法) 撹拌装置、温度計及び窒素流入管を備えた1000ml
の3つ口フラスコ中に、下記構造式
【0039】
【化3】 で示される記載のジメタクリルポリエーテル73g、ト
ルエン350g及び白金含量が20ppmになるように
クロル白金酸を仕込んだ後、常温で十分撹拌後オイルバ
スを用いて80℃まで撹拌しながら昇温した。反応中は
窒素を20ml/分の流量で気層中に流した。ここへ、
次式
【0040】
【化4】 で示されるジヒドロポリジメチルシロキサン26gを徐
々に滴下漏斗を用いて添加した。その際、反応液の温度
は80〜100℃に維持した。反応中、反応液を一部サ
ンプリングし、1%硝酸銀溶液を加え白濁が無くなるま
で反応を続けた。
【0041】この反応液を15℃まで冷却し、炭酸水素
ナトリウムを徐々に加えて中和した。この中和液をろ過
した後、ロータリーエバポレータにより、50℃で十分
溶媒を留去した。
【0042】これらの反応、精製により無色透明のポリ
エチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロッ
ク共重合体変性ポリジメチルシロキサン(ポリジメチル
シロキサンとポリエチレンオキサイド−ポリプロピレン
オキサイドブロック共重合体との共重合体)PS−2が
93g得られた。この化合物の重量平均分子量をゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィ法により測定したとこ
ろ、ポリスチレン換算でおよそ97,000であった。
【0043】実施例1〜6、比較例1〜2 上記合成例1〜4で得られたT−1、T−2及びPS−
1、PS−2を表1及び表2に示す重量比で配合し、均
一になるまで分散し、組成物J−1〜6、H−1〜2を
得た。これらを下記の評価に供した。
【0044】比較例3〜4 比較検討のため、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピ
レンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロ
キサンを配合しない、T−1、T−2のみを、表1及び
表2に示すようにそれぞれ、組成物H−3、H−4と
し、これらを下記の評価に供した。
【0045】評価(1)スプレー塗工性 組成物J−1〜6、H−1〜4を乾燥膜厚約1μmとな
るよう丸吹きガン(アネスト岩田社製RG−2−1、口
径0.4mm)を用い、吹付け空気圧0.098MPa
でエタノールで良く洗浄した後60分室温乾燥した厚さ
1.7mmガラス平板にスプレー塗装した。温度は27
℃、湿度64%であった。この時の、ガラス平板表面で
の組成物の弾き(表面に液滴が出来る現象)の有無を目
視観察し、スプレー塗工性として、結果を表1及び表2
に示した。 評価(2)乾燥性 評価(1)のスプレー塗工性で塗布したガラス平板を、
温度27℃、湿度64%で30分放置した後、塗膜表面
を指で触ってベタツキの有無を乾燥性として評価した。 評価(3)水接触角 評価(1)のスプレー塗工性で塗布したガラス平板を、
室温で2時間放置した後、この塗膜表面の蒸留水接触角
を、FACE社製接触角計CA−X型で測定した。ま
た、塗布した塗膜を、室温で2時間放置した後、さら
に、日本電池社製UV照射機4kW×1型で光量2.4
J/cmを照射した後の、蒸留水接触角も同様に測定
し、結果を表1及び表2に示した。以下の評価(4)〜
(8)までは、評価(1)のスプレー塗工性で塗布した
ガラス平板を、室温で2時間放置した後、さらに日本電
池社製UV照射機4kW×1型で光量2.4J/cm
を照射した後の塗膜表面について評価した。 評価(4)被膜干渉色 UV照射処理したガラス平板試験片の塗膜表面を目視観
察して、ギラツキの有無を被膜干渉色として評価し、結
果を表1及び表2に示した。 評価(5)密着性 UV照射処理したガラス平板試験片の塗膜表面をJIS
K 5400の碁盤目試験法に準じ、基材との密着性
を評価し、結果を表2に示した。 評価(6)染料分解性 UV照射処理したガラス平板試験片の塗膜表面に蒸留水
にて20倍希釈した赤インキ(パイロット(株)製)を
スプレー塗布し、室温で20分乾燥させた後、5cmの
距離から20Wのブラックライトブルー(日本電気
(株)製 FL20SBL−B)を照射して、その赤イ
ンキの色の消失の度合いを観察した。結果を表1及び表
2に示す。 評価(7)抗菌性 UV照射処理したガラス平板試験片を抗技協1998年
度改訂版の方法に従い、抗菌力試験を行った。すなわ
ち、リン酸緩衝液で希釈した1/500NB培地で大腸
菌(Escherichia coli IFO3972)を検体1個に
対し約105個均等に植え、検体より20cmの距離か
ら20Wのブラックライトブルー(日本電気(株)製
FL20SBL−B)を6時間照射し、25℃での検体
上の菌数を計測した。結果を表1及び表2に示す。 評価(8)氷滑走性 室温−1℃に保った恒温室で、UV照射処理した試験片
の塗膜表面に底面が一片3cm正方形、高さが2cmの
直方体の氷を置き、試験片を徐々に起して角度を付け、
氷が滑りだす角度を測定した。結果を表1及び表2に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】上述の評価結果の通り、本発明の光半導体
金属含有組成物は、基材へ塗布する際、弾きがなく均一
に塗工可能であり、また乾燥性に優れる。これらを塗
布、乾燥して成る光触媒性被膜は、比較的撥水性を示
し、干渉色がなく、密着性に優れ、染料分解性、抗菌性
を有することから汚染防止性にも優れる。また、低温で
の氷滑走性に優れることから冬期においては、部材への
雪や氷の固着を防ぐ機能を有する。
【0049】
【発明の効果】本発明の光半導体金属含有組成物は、
基材へ塗布する際、弾きがなく均一に塗工可能であり、
これらを塗布、乾燥して成る光触媒性被膜は、比較的
撥水性を示し、干渉色がなく基材が透明な場合には透明
性に優れ、太陽光があたる温暖下では、細菌、黴等の
菌類や藻類の発生、また汚染物質の付着による汚れを防
ぎ、冬期環境下においては、部材への雪や氷の固着を
防ぐことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03C 17/25 C09D 1/00 17/30 5/00 Z C09D 1/00 171/02 5/00 183/12 171/02 B01D 53/36 H 183/12 ZABJ (72)発明者 小島 靖 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 会津 和郎 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 上面 雅義 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 緒方 四郎 神奈川県川崎市麻生区上麻生3丁目13番1 号ベルクレエ新百合ヶ丘409号 (72)発明者 松井 義光 佐賀県杵島郡山内町宮野91番地の181 Fターム(参考) 4D048 AA22 BA07X BA41X BB03 EA01 4G059 AA01 AA02 AC04 AC11 AC18 AC22 EA04 EA13 EB05 EB06 EB07 FA05 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA48A CA01 CA05 CA17 DA05 EA08 EC22X EC22Y EC26 ED01 ED04 ED08 FA01 FA03 FB23 4J038 DF041 DL031 DL151 HA216 JA18 KA04 KA06 KA12 MA08 MA10 NA01 NA05 NA12 NA20 NA24 PA18 PB07 PC02 PC03 PC08

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光半導体金属とアルキルシリケート構造
    を有する有機物質を含有してなる光半導体金属−有機物
    質混合体であって、これを基材上に成膜してなる膜表面
    の水接触角が60°以上である光半導体金属−有機物質
    混合体。
  2. 【請求項2】 光半導体金属とアルキルシリケート構造
    を有する有機物質を含有してなる光半導体金属−有機物
    質混合体であって、これを基材上に成膜してなる膜表面
    の紫外線照射後又は照射中の水接触角が40°以上であ
    る光半導体金属−有機物質混合体。
  3. 【請求項3】 アルキルシリケート構造を有する有機物
    質の配合量が光半導体金属1重量部に対し、0.3〜3
    0重量部である、請求項1又は2に記載の光半導体金属
    −有機物質混合体。
  4. 【請求項4】 アルキルシリケート構造を有する有機物
    質がポリエーテル構造を有する有機物質である請求項1
    〜3の何れかに記載の光半導体金属−有機物質混合体。
  5. 【請求項5】 アルキルシリケート構造を有する有機物
    質がポリエチレンオキサイド重合体変性ポリジメチルシ
    ロキサン又はポリエチレンオキサイド−ポリプロピレン
    オキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサ
    ンである請求項1〜4の何れかに記載の光半導体金属−
    有機物質混合体。
  6. 【請求項6】 ポリエチレンオキサイド重合体変性ポリ
    ジメチルシロキサン又はポリエチレンオキサイド−ポリ
    プロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチ
    ルシロキサンが、珪素に結合したメチル基と珪素に結合
    したメチレン基のモル比がメチレン基1に対してメチル
    基2以上のものである請求項5記載の光半導体金属−有
    機物質混合体。
  7. 【請求項7】 ポリエチレンオキサイド重合体変性ポリ
    ジメチルシロキサン又はポリエチレンオキサイド−ポリ
    プロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチ
    ルシロキサンが、一般式(−CH−CH−O−)
    で表される繰り返し単位を3〜300、且つ、一般式
    (−CH−(CH)−CH−O−)で表される繰り
    返し単位を0〜200有するものである請求項5又は6
    記載の光半導体金属−有機物質混合体。
  8. 【請求項8】 光半導体金属が酸化チタンである請求項
    1〜7何れかに記載の光半導体金属−有機物質混合体。
  9. 【請求項9】 光半導体金属がアナターゼ型酸化チタン
    を含む酸化チタンである請求項8記載の光半導体金属−
    有機物質混合体。
  10. 【請求項10】 光半導体金属がアモルファス型過酸化
    チタンを含む酸化チタンである請求項8記載の光半導体
    金属−有機物質混合体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10何れか記載の光半導体
    金属−有機物質混合体にさらに溶媒又は分散媒を含有す
    る光半導体金属含有組成物。
  12. 【請求項12】 溶媒又は分散媒が、水、有機溶媒又は
    水−有機溶媒混合物である請求項11記載の光半導体金
    属含有組成物。
  13. 【請求項13】 溶媒又は分散媒中の総量のうち、水が
    5〜95重量%、有機溶媒が5〜95重量%である請求
    項11又は12記載の光半導体金属含有組成物。
  14. 【請求項14】 有機溶媒がアルコール類である請求項
    12又は13記載の光半導体金属含有組成物。
  15. 【請求項15】 アルコール類がエタノールである請求
    項14記載の光半導体金属含有組成物。
  16. 【請求項16】 請求項11〜15の何れかに記載の光
    半導体金属含有組成物を、基材上に塗布、乾燥すること
    を特徴とする光触媒性被膜の製造法。
  17. 【請求項17】 基材が有機物質基材である請求項16
    記載の光触媒性被膜の製造法。
  18. 【請求項18】 基材が熱可塑性樹脂基材である請求項
    17記載の光触媒性被膜の製造法。
  19. 【請求項19】 基材が透明基材である請求項16記載
    の光触媒性被膜の製造法。
  20. 【請求項20】 透明基材がガラス基材である請求項1
    9記載の光触媒性被膜の製造法。
  21. 【請求項21】 請求項16〜20の何れかに記載の製
    造法により得られる光触媒性被膜を有してなる光触媒性
    部材。
  22. 【請求項22】 請求項16〜20の何れかに記載の製
    造法により得られる防氷結、防着雪、異物付着防止、抗
    菌、防カビ、防藻、防汚、防臭、水若しくは空気の浄化
    の何れか一つ若しくは、二つ以上の機能を有する光触媒
    性被膜を有してなる光触媒性部材。
  23. 【請求項23】 光触媒性被膜が干渉色を示さない被膜
    である請求項21又は22記載の光触媒性部材。
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