JP2006131917A - 光触媒性親水性コーティング組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】光触媒作用及びそれに基づく効果を損うことなく、優れたレベリング効果を発揮しうるコーティング組成物の提供。
【解決手段】光触媒性親水性コーティング組成物において、光触媒性金属酸化物粒子と難分解性結着剤と溶媒とフッ素系界面活性剤とを含有させる。
【選択図】なし

Description

発明の属する技術分野
本発明は、光励起により酸化還元作用を生じ、それにより抗菌、脱臭、防汚、環境浄化等の効果を発揮する、或いは光励起に応じた表面親水化作用(光触媒性親水化作用)を生じ、それにより防曇、防滴、水による清浄化向上、降雨によるセルフクリ−ニング等の効果を発揮する光触媒性親水性コーティング組成物に関する。
従来の技術
光触媒に励起光源を照射すると、水酸ラジカルやス−パ−オキサイドイオン等の活性酸素種を生成し、それに基づいて有機物の酸化分解、金属イオンの還元等の酸化還元作用を生じることは周知である(例えば、特開昭60−187322号や特開昭60−155678号)。
さらに光触媒被膜に励起光源を照射すると、それに応じて被膜表面が親水性を呈するようになることも本発明者らにより提案されている(特登第2756474号)。
また基材に光触媒粒子に室温で固着させるための塗料組成物として、光触媒粒子と難分解性結着剤と溶媒からなる塗料組成物も提案されている(特開平7−171408号)。
光触媒粒子と難分解性結着剤と溶媒からなるコーティング組成物を窓ガラス、車のボディ、看板等の大型品に塗布する場合、高沸点溶媒または界面活性剤からなるレベリング剤の添加によりコーティング液が均一に濡れ、良好な塗膜が得られることが知られている。ところが界面活性剤を添加した場合、光触媒の光励起に応じた親水化作用が一時的に阻害されることが知られている。(WO/JP98/03607)
そこで本発明は、光触媒作用及びそれに基づく効果を損うことなく、優れたレベリング効果を発揮しうるコーティング組成物を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段、及び作用
本発明者らは、フッ素系界面活性剤を添加することで、光触媒の光励起に応じた親水化作用の阻害を抑制することができるとの知見を得た。
本発明は上記課題を解決すべく、光触媒性金属酸化物粒子含有コーティング組成物にフッ素系界面活性剤を含有させることを特徴とする。
発明の実施の形態
次に、本発明の構成要素について説明する。
光触媒性金属酸化物としては、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウムの群から選ばれる1種又は2種以上等が使用できる。なかでも、アナタース型二酸化チタンが好ましい。
光触媒性金属酸化物粒子の平均粒子径は1〜100nmが好ましく、より好ましくは1〜50nmである。粒子径が上記範囲にあることで、親水化作用を十分に発揮し、かつ組成物を適用した表面が粒子による可視光の散乱により透明性を失ってしまうことを防止できる。特に、光触媒性親水性被膜に高度な透明性や平滑性、耐久性が要求される場合、平均粒子径が10nm以下の光触媒性金属酸化物を用いることが好ましい。また、本発明の組成物に長期保存安定性が求められる場合には、平均粒子系が10nm以上の光触媒性金属酸化物微粒子を用いることが好ましい。
難分解性結着剤としては、加水分解性シラン、アルキルシリケ−ト、ポリオルガノシロキサン、コロイダルシリカ、シラノ−ル、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウム、水ガラスなどのシリコン系結着剤、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等のリン酸塩、重リン酸塩、セメント、石灰、セッコウ、長石、釉薬、プラスタ−、ほうろう用フリット、層状酸化物、粘土、ホウ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、有機チタネ−ト、過酸化チタン、アルミナ、チタニア、有機ジルコニウム化合物、ジルコニア等の無機系結着剤、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン、フッ素系ポリマ−、フッ素系モノマ−等の有機系結着剤などが使用できる。
ここで加水分解性シランとしては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、n−プロピルブトキシシラン、イソプロピルブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等の加水分解性オルガノシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等のテトラアルコキシシランなどが使用できる。
アルキルシリケ−トとしては、メチルシリケ−ト、エチルシリケ−ト、プロピルシリケ−ト、ブチルシリケ−トなどが使用できる。
ポリオルガノシロキサンとしては、上記加水分解性シラン、アルキルシリケ−ト、それらの(部分)加水分解物、加水分解・縮合物などが使用できる。
セメントとしては、早強セメント、普通セメント、中庸熱セメント、耐硫酸塩セメント、ホワイトセメント、油井セメント、地熱井セメントなどのポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高硫酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメントなどの混合セメント、アルミナセメントなどを使用できる。
プラスタ−としては、セッコウプラスタ−、石灰プラスタ−、ドロマイトプラスタ−などを使用できる。
フッ素系ポリマ−としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレンコポリマ−、エチレン−ポリ四フッ化エチレンコポリマ−、エチレン−塩化三フッ化エチレンコポリマ−、四フッ化エチレン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テルコポリマ−などの結晶性フッ素樹脂、パ−フルオロシクロポリマ−、ビニルエ−テル−フルオロオレフィンコポリマ−、ビニルエステル−フルオロオレフィンコポリマ−などの非結晶性フッ素樹脂、各種のフッ素ゴムなどを使用できる。
これらの難分解性結着剤と光触媒性金属酸化物との割合は、光触媒性金属酸化物/難分解性結着剤(重量比)で、90/10〜20/80であることが好ましい。難分解性結着剤が10%未満では、基材および光触媒性金属酸化物粒子同士の接着強度が弱くなり、指触や振動で容易に脱落してしまう。一方、難分解性結着剤が80%を超えると、光触媒性金属酸化物粒子表面を覆う割合が多くなり、光触媒機能が小さくなってしまい、実用性が乏しくなる。
上記割合は使用目的に応じて適宜調整される。ガラスのように、光触媒の光酸化作用による劣化が起きにくい基材には、光触媒性金属酸化物が90%であっても差し支えないが、塗装面や樹脂表面に本発明の組成物を適用する場合には、光触媒性金属酸化物を20〜50%にするか、後述するようにアンダーコート層を設けて光酸化による基材表面の劣化を抑えることが好ましい。また、光触媒性親水性被膜に高度な膜強度や平滑性が要求される場合にも、光触媒性金属酸化物が20〜50%の範囲にあることが好ましい。
本発明の組成物に利用できる溶媒は、コーティング剤の金属酸化物粒子と難分解性結着剤とが分散するものであれば特に制限されない。例えば、水、アルコール類、エーテル類、アセトン、2−ブタノン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族、芳香族、脂環式の炭化水素、石油類等の一般的な溶媒が挙げられ、これらを単独、もしくは混合して用いることができる。特に水及び/又は水溶性溶媒が好ましい。
水溶性溶媒としては、メタノ−ル、エタノ−ル、変性エタノール、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジプチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、トリメチレングリコール、N−メチルピロリドン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、ジアセトンアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール類やエーテル類、および、ケトン類などが挙げられる。水溶性溶媒は、沸点120℃以上の水溶性溶媒(a)と、沸点120℃未満の水溶性溶媒(b)とを混合してレベリング性を向上することができる。
本発明の組成物中の(a)の含有量は、20重量%以下のものが好ましい。20重量%を超えると、均一な薄膜は得られるが、塗布後の乾燥に時間がかり、液だれがおきやすいので好ましくない。
本発明による組成物における溶媒の量は、上記した光触媒粒子および難分解性結着剤重量の合計量の濃度(以下、「固形分濃度」ということがある)を組成物中で0.01〜5重量%以下の範囲に置くものとされる。固形分濃度が5重量%を超えると、組成物が適用された表面が白濁した外観を有しまたは干渉縞を有してしまうことがあり望ましくない。より好ましい上限値は3重量%、さらに好ましい上限値は1重量%である。また、固形分濃度が0.01重量%未満であると、十分な親水性表面を効率良く形成することができなくなるおそれがある。より好ましい下限値は0.05重量%であり、最も好ましくは0.1重量%である。本発明による組成物にあっては、固形分濃度が上記範囲にあるように溶媒量が決定されてなる。
フッ素系界面活性剤としては、
パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー(例えば、「メガファック」大日本インキ化学工業(株)製など)、パーフルオロアルケニルオキシベンゼンスルホン酸塩、パーフルオロアルケニルオキシベンゼンスルホニルサルコシンナトリウム、パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルケニルオキシベンゼンスルホンアルキルアンモニウムヨージド、パーフルオロアルケニルオキシベンズアミドアルキルアンモニウムヨージド、パーフルオロアルケニルオキシアラルキルベタイン、パーフルオロアルケニルオキシアラルキルホスホン酸、ジグリセリンテトラキス(パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエーテル)(例えば、「フタージェント」(株)ネオス製など)などが挙げられる。これらのフッ素系界面活性剤は、1種類を単独で使用しても、複数を併用しても良い。
フッ素系界面活性剤は、コーティング時の液のレベリング性向上に優れた効果を発揮するだけでなく、さらには、フッ素系以外の界面活性剤よりも光触媒の光励起による親水化発現が阻害され難いことから、好適に利用できる。
本発明の組成物は、フッ素系界面活性剤とフッ素系以外の界面活性剤とを組み合わせて利用することも可能である。フッ素系以外の界面活性剤としては、
多価アルコール型非イオン界面活性剤(グリセロールの脂肪酸モノエステル、ソルビタンエステル、砂糖の脂肪酸エステルなど)、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤(高級アルコールのポリオキシアルキレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのポリオキシアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸のポリオキシアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンのポリオキシアルキレンオキサイド付加物、プルロニック型非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤のポリオキシアルキレンオキサイド付加物、ポリエーテル変性オルガノシロキサンなど)、脂肪酸アルカノールアミドなどの非イオン性界面活性剤、
脂肪酸塩(脂肪酸石けんなど)、硫酸エステル塩(α−オレフィン硫酸エステル塩、高級アルコール硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、硫酸化油、高級アルコールAOAの硫酸エステル塩、アルキルフェノールAOAの硫酸エステル塩など)、スルホン酸塩(α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、α−スルホン化脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、イゲポンA型、エアロゾルOT型、ポリスチレンスルホン酸塩など)、リン酸エステル塩(高級アルコールのリン酸エステル塩、高級アルコールAOAのリン酸エステル塩など)などのアニオン性界面活性剤、
アミン塩型カチオン界面活性剤(高級脂肪族アミンの塩酸塩など)、第4級アンモニウム塩型界面活性剤(アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩など)などのカチオン性界面活性剤、
アミノ酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど)、ベタイン型両性界面活性剤(ラウリルジメチルベタインなど)、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤、リン酸エステル塩型両性界面活性剤などの両性界面活性剤、が挙げられる。
これらのうち、非イオン性界面活性剤の利用は、コーティング組成物の安定性を低下させ難いので好ましい。
本発明における界面活性剤の含有量は、組成物に対して0.0005〜2重量%程度が好ましい。
界面活性剤濃度が0.0005重量%未満では、十分なレベリング性が得られないので好ましくない。
また、界面活性剤が2重量%を超えると、塗布・乾燥後の表面にべたつきが生じるばかりではなく、光触媒性親水性被膜形成後、被膜の耐久性の低下や、親水性が発現するまでの時間が長くなり、好ましくない。
より好ましい界面活性剤の濃度は、0.001〜2重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.05〜1.0重量%である。
本発明による組成物は酸を含むことができる。この酸の添加によって、本発明による組成物が適用された表面の極性が増加し、暗所における親水維持性がより良好になる。
本発明による組成物に添加が可能な酸の例としては、硝酸、硫酸、塩酸、ほう酸、プロピオン酸、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸、フタル酸、吉草酸、クエン酸、乳酸、酪酸、リンゴ酸、ピクリン酸、ギ酸、炭酸、フェノ−ル等が挙げられる。
難分解性結着剤がシリコン系化合物の場合、本発明による組成物はシランの加水分解触媒を含むことができる。この触媒の存在によって、後記する本発明による組成物の適用方法において、シラン化合物の加水分解が促進される。好ましい触媒の例としては、pH2〜5の上記の酸が挙げられる。
難分解性結着剤がシリコン系化合物の場合、本発明による組成物は、重合硬化触媒を含んでなることができる。好ましい重合硬化触媒の例としては、アルミニウムキレ−ト、アルミニウムアセチルアセトナ−ト、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムイソブトキシド、アルミニウムイソプロポキシドのようなアルミニウム化合物;テトライソプロピルチタネ−ト、テトラブチルチタネ−ト、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタニウムのようなチタン化合物;硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、テトラ−n―ブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキシ−エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ−ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシートリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムのようなジルコニウム化合物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラ−ト、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような塩基性化合物類;n−ヘキシルアミン、トリブチルアミン、ジアザビクロウンデセン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、エタノ−ルアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシランのようなアミン化合物;錫アセチルアセトナ−ト、ジブチル錫オクチレ−トのような錫化合物;コバルトオクチレ−ト、コバルトアセチルアセトナ−ト、鉄アセチルアセトナ−トのような含金属化合物類;リン酸、硝酸、フタル酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸のような酸性化合物類などが挙げられる。
本発明による組成物は、ブリキ容器や樹脂ライニング金属等からなる容器に保管する場合、さらに金属部材上に適用される場合には、弱酸性、中性又は塩基性であるのが好ましい。とりわけ上記のように酸が添加された場合には、pH調整剤の添加が好ましい。
難分解性結着剤がシリコン系化合物や、有機チタネート、有機ジルコニウム化合物などの場合、キレート剤として、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類、1,3−ブタンジオール等のジオール類の添加は、保存安定性を向上するために有効である。
本発明による組成物は、噴射剤とともに、ブリキ容器、ライニング金属容器、あるいは樹脂容器に封入してエアゾールスプレーとすることができる。本発明に利用できる噴射剤としては、LPG、ジメチルエーテル、窒素ガス、空気、炭酸ガス、等が挙げられる。これらの噴射剤は、単独、あるいは複数を併用することができる。また、噴射剤はコーティング組成物に混合しても良いし、二重容器に本発明の組成物と噴射剤とを隔離して封入しても良い。
本発明による組成物は、難分解性結着剤以外に無機酸化物を添加できる。無機酸化物としてはセリア、ジルコニア、アルミナ、無定型酸化チタン、酸化錫、マグネシア、カルシア、イットリア、酸化マンガン、クロミア、酸化バナジウム、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、ハフニア、酸化ストロンチウム、酸化銀の群から選ばれる1種以上等が挙げられる。
これら無機酸化物は充填剤として被膜の強度を向上させる。さらに、このうちジルコニアを添加すると耐水性が向上する。またアルミナ、セリア、イットリアを添加すると暗所親水維持性が向上する。また酸化ルテニウム、酸化銅を添加すると酸化還元力が向上する。また、酸化銀、酸化銅を添加すると抗菌性が向上する。
本発明による組成物は、光触媒性金属酸化物粒子や前記無機酸化物を基材表面に固着させるための有機系結着剤を添加することができる。有機系結着剤としては、水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、寒天、デキストリン、デンプン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ゼラチン、リグニンスルフォン酸塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテート鹸化物、アクリル酸エステル系重合体、イソブチルマレイン酸共重合物、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、等が使用できる。
本発明による組成物は、銀、銅、パラジウム、白金、ロジウム、プラチウム、ルテニウム、金、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、ナトリウム、リチウム、ストロンチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又はそれら金属の化合物の群から選ばれる1種以上が添加してもよい。
銀、銅、亜鉛又はそれら金属の化合物の群から選ばれる1種以上を添加することで、抗菌性を付与することができる。
パラジウム、白金、ロジウム、プラチウム、ルテニウム、金、コバルト、鉄、ニッケル又はそれら金属の化合物の群から選ばれる1種以上を添加することで、光半導体の光励起による酸化還元触媒性能を向上させることができる。
ナトリウム、リチウム、ストロンチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又はそれら金属の化合物の群から選ばれる1種以上を添加することで、光半導体の光励起に応じた親水化性能を向上させることができる。
本発明による組成物は、層状酸化物、アパタイト、ゼオライト、活性炭、金属酸化物ゲル、金属水酸化物ゲル、ヒドロキシアパタイト、リン酸金属塩の群から選ばれる1種以上を添加してもよい。そうすることで、メチルメルカプタン、アンモニア、アルデヒド類等の悪臭やエチレン等の青果の鮮度喪失物質やNOx、SOx等の有害気体等の分解反応において、本発明の部材表面への吸着性が増加し、光半導体の酸化還元触媒機能による上記物質の分解が一層促進される。
本発明による組成物は、屈折率2以下である物質を含むことができる。屈折率2以下の物質の添加によって、適用された表面において可視光の反射を有効に防止できるとの利点が得られる。
本発明による組成物に添加が可能な屈折率2以下の物質としては、シリカ(屈折率1.5)、酸化錫(同1.9)、炭酸カルシウム(同1.6)、水酸化カルシウム(同1.6)、炭酸マグネシウム(同1.5)、炭酸ストロンチウム(同1.5)、ドロマイト(同1.7)、フッ化カルシウム(同1.4)、フッ化マグネシウム(同1.4)、アルミナ(同1.6)、ケイ砂(同1.6)、ゼオライト(同1.5)、モンモリロナイト(同1.5)、カオリン(同1.6)、セリサイト(同1.6)、酸化第二鉄(同1.8)、酸化イットリウム(同1.9)などが挙げられる。
本発明による組成物は、さらに必要に応じて、顔料、染料、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、香料などを添加することが可能である。
本発明による組成物の基材表面への適用方法は適宜選択されてよいが、例えばスプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗りなどの方法が好適に利用できる。
本発明のコーティング組成物の製品形態としては、ユーザーが簡便に利用すべく、エアゾールスプレー、ハンドスプレーや、塗布用の不織布やスポンジがボトルと一体となり、ボトルから前述の不織布などを通じて液が浸出する容器形態、などが挙げられる。また、不織布、スポンジ、布帛、紙などに本組成物を含浸させたものを、樹脂やラミネートフィルムにて形成したパックに封入して製品とすることもできる。
本発明による組成物は、その表面を親水性又は防曇性としたい基材の表面に適用され、その後乾燥または硬化されて薄膜とされる。乾燥または硬化は、加熱、室温放置、紫外線照射等によって実施することができる。
良好な光触媒性親水性被膜の形成のためには、本発明による組成物が適用される基材表面は清浄であることが好ましい。特に乗物筐体や建築物の窓ガラスや外壁等、既設の基材の場合、予め洗浄剤の使用など、公知の方法にて洗浄することが望ましい。
本発明による組成物を適用する前に、基材表面にアンダーコート層を設けることができる。アンダーコート層を設けることにより、本発明による組成物に対する濡れ性を改善し、基材表面に均一に適用することができ、その結果、良好な光触媒性親水性被膜を形成することができる。また、アンダーコート層は基材と光触媒性親水性被膜とを強固に密着させる効果を有する。さらに、光触媒性親水性被膜に含まれる光触媒は、光励起によって酸化作用を奏することがあり、この酸化作用は場合によって基材表面を侵してしまうことがある。例えば、塗装面や樹脂が基材である場合、光触媒の酸化作用によって表面の劣化を引き起こしてしまう恐れがある。アンダーコート層は、光触媒性親水性被膜と基材との間にあって、光触媒の酸化作用によって部材表面が侵されてしまうのを防止する。
アンダーコート層は、前記難分解性結着剤および/または無機酸化物微粒子を少なくとも含んでなるものが好適に利用できる。
なお、基材が塗装面や樹脂であっても、アンダーコート層は必須ではない。前述したように、本発明の組成物中において、固形分中の光触媒性金属酸化物含有率を20〜50%にすることで、光酸化作用を抑制することが可能である。
本発明のコーティング組成物を被覆使用できる基材としては、防曇用途においては、ガラス、透明プラスチック、レンズ、プリズム、鏡等の透明性の基材である。
より具体的には、浴室用又は洗面所用鏡、車両用バックミラ−、歯科用歯鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内視鏡レンズ、照明用レンズ、半導体製造用レンズのようなレンズ;プリズム;建物や監視塔の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、ロ−プウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗り物の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、スノ−モ−ビル、オ−トバイ、ロ−プウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラのような乗り物の風防ガラス;防護用又はスポ−ツ用ゴ−グル又はマスク(潜水用マスクを含む)のシ−ルド;ヘルメットのシ−ルド;冷凍食品陳列ケ−スのガラス;計測機器のカバ−ガラス、及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等である。
本発明のコーティング組成物を被覆使用できる基材としては、降雨による自己浄化が期待できる屋外用途においては、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの塗装体等である。
より具体的には、外壁や屋根のような建物外装;窓枠;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オ−トバイのような乗物の外装及び塗装;窓ガラス;看板、交通標識、防音壁、ビニ−ルハウス、碍子、乗物用カバ−、テント材、反射板、雨戸、網戸、太陽電池用カバ−、太陽熱温水器等の集熱器用カバ−、街灯、舗道、屋外照明、人工滝・人工噴水用石材・タイル、橋、温室、外壁材、壁間や硝子間のシ−ラ−、ガ−ドレ−ル、ベランダ、自動販売機、エアコン室外機、屋外ベンチ、各種表示装置、シャッタ−、料金所、料金ボックス、屋根樋、車両用ランプ保護カバ−、防塵カバ−及び塗装、機械装置や物品の塗装、広告塔の外装及び塗装、構造部材、及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等である。
本発明のコーティング組成物を被覆使用できる基材としては、水洗による清浄化が期待できる用途においては、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの塗装体等である。
より具体的には、上記屋外用途部材が含まれることは勿論、その他に、建物の内装材、窓ガラス、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、台所用品、食器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフ−ド、換気扇、窓レ−ル、窓枠、トンネル内壁、トンネル内照明、及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等である。
本発明のコーティング組成物を被覆使用できる基材としては、乾燥促進が期待できる用途においては、例えば、窓サッシ、熱交換器用放熱フィン、舗道、浴室用洗面所用鏡、ビニ−ルハウス天井、洗面化粧台、自動車ボディ及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等である。
本発明のコーティング組成物を被覆使用する用途は上記以外にも着雪防止、気泡付着防止等広範囲に存在する。
着雪防止性は特に表面粗さ1μm以下の表面層を設けると顕著に優れた特性が得られ、例えば、雪国用屋根材、アンテナ、送電線及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等を含む基材に適用可能である。
部材表面に塗膜により形成される表面層の膜厚は、0.4μm以下にするのが好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止することができ、表面層は実質的に透明となる。
さらに表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ましい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止することができる。
また表面層が薄ければ薄いほどその透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層の耐摩耗性が向上する。
光半導体の光励起は、光半導体結晶の伝導電子帯と価電子帯との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−(すなわち短い波長)を有する光を光半導体に照射して行う。
より具体的には、光半導体がアナタース型酸化チタンの場合には波長387nm以下、ルチル酸化チタンの場合には波長413nm以下、酸化錫の場合には波長344nm以下、酸化亜鉛の場合には波長387nm以下の光を含有する光線を照射する。
上記光半導体の場合は、紫外線光源により光励起されるので、光源としては、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明、太陽光や、それらの光源を低損失のファイバ−で誘導した光源等を利用できる。
複合材表面の親水化に必要な、光半導体を光励起するために必要な光の照度は、0.0001mW/cm以上、好ましくは0.001mW/cm以上、より好ましくは0.01mW/cm以上である。
発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
表1に示す各成分を種々の割合で混合してコーティング組成物#1〜#13を調製した。
Figure 2006131917
表1の注
表中の数字は組成物に対する重量%を示す。
PC 光触媒性親水性コーティング剤
「ハイドロテクトボディーコートトップコート液ENB10B」TOTO製(アナタース型二酸化チタンおよび無定型シリカ計10重量%、2−プロパノール、水、メタノール、および硝酸が計90重量%、二酸化チタン/シリカ重量比=30/70)
H1 エチレングリコール1重量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル1重量部混合物
H2 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
H3 ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル
S1 ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、三洋化成工業(株)製
S2 フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキル基(親水性基、親油性基)含有オリゴマー、「メガファックF−177」大日本インキ化学工業(株)製
S3 ノニオン性界面活性剤;「ノニポールソフトSS−120」ポリオキシエチレンアルキルエーテル、三洋化成工業(株)製
S4 ノニオン性界面活性剤;「ディスパノールLS−100」、日本油脂(株)製
NPA 1−プロパノール
(評価1;塗布性評価)
自動車用アクリルメラミン系塗装鋼板(色:黒、サイズ:70mm×150mm)の表面に、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(表1のS1;三洋化成工業(株)製)0.3重量%、エチレングリコール1.0重量%、ジエチレングリコール1.5重量%、2−プロパノール10重量%、イオン交換水86.95重量%からなる下地処理剤を12.5g/mスプレー塗布し、室温(25℃)で15分乾燥させた後、表1に記載の組成物を25g/mスプレー塗布した。スプレー直後の組成物のレベリング性、および、乾燥後の表面状態を表1に示す。
レベリング性:
○ 良好
△ むらが認められる
× 不良
光触媒性親水性コーティング組成物に高沸点溶媒、または、高沸点溶媒および界面活性剤を添加すると、良好な外観が得られた。塗膜外観の優れたものは、#9、#10、#11の組成物だった。
(評価2;親水特性評価)
評価1において、比較的塗膜の外観が良好だった、#9、#10、#11の組成物を塗布した塗装鋼板を太陽光に曝露した。比較として、#2、#8についても同時に曝露した。塗膜表面の水との接触角の経時変化を図1に示す。
#8、#9の界面活性剤(ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン)に比べ、#10、#11のフッ素系界面活性剤は親水性阻害の期間が短く、光触媒性親水性コーティング組成物に好適に利用可能であることが判明した。
(実施例2)
表2に示す各成分を種々の割合で混合してコーティング組成物#14〜#22を調製した。
Figure 2006131917
表2の注
表中の数字は組成物に対する重量%を示す。
PC 光触媒性親水性コーティング剤
「ハイドロテクトボディーコートトップコート液ENB10B1」TOTO製(アナタース型二酸化チタンおよび無定型シリカ計10重量%、2−プロパノール、水、メタノール、および硝酸が計90重量%、二酸化チタン/シリカ重量比=30/70)
H1 エチレングリコール1重量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル1重量部混合物
H4 プロピレングリコールモノメチルエーテル
H5 ジエチレングリコールモノブチルエーテル
S5 フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキル基(親水性基、親油性基)含有オリゴマー、「メガファックF−177S」大日本インキ化学工業(株)製
NPA 1−プロパノール
(評価;塗布性評価)
予めスポンジに水および市販の中性洗剤を含ませてこすり洗い、すすぎ、乾燥させた自動車用アクリルメラミン系塗装鋼板(色:黒、サイズ:70mm×150mm)の表面に、表2に記載の組成物を25g/mスプレー塗布した。スプレー直後の組成物のレベリング性、および、乾燥後の表面状態を表2に示す。
レベリング性:
○ 良好
△ むらが認められる
× 不良
コーティング組成物の塗布前に、基材への下地処理を行わなかった系においても、フッ素系界面活性剤を添加したサンプルは良好な塗膜外観が得られた。#20については、高沸点溶媒の添加量が多すぎたため、液の蒸発が遅くなり、液だれしやすい傾向にあった。
(実施例3)
表3に示す各成分を種々の割合で混合してコーティング組成物#23〜#26を調製した。
Figure 2006131917
表3の注
表中の数字は組成物に対する重量%を示す。
PC1 光触媒コーティング剤
「ST−K01」石原産業(株)製(アナタース型二酸化チタンおよび無定型シリカ計10重量%、2−プロパノール、水、メタノール、および硝酸が計90重量%、二酸化チタン/シリカ重量比=80/20)1重量部および「ST−K03」石原産業(株)製(アナタース型二酸化チタンおよび無定型シリカ計10重量%、2−プロパノール、水、メタノール、および硝酸が計90重量%、二酸化チタン/シリカ重量比=50/50)1重量部の混合物
S3 ノニオン性界面活性剤;「グランエコー M−12」ポリオキシエチレンアルキルエーテル、三洋化成工業(株)製
S6 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、和光純薬工業(株)製
S7 フッ素系界面活性剤;「フタージェントFT−251」ポリオキシエチレンパーフルオロアルケニルエーテル、(株)ネオス製NPA1−プロパノール
(評価;親水特性評価)
予めスポンジに水および市販の中性洗剤(「ママレモン」ライオン(株)製)を含ませてこすり洗い、すすぎ、乾燥させたソーダライムガラス(サイズ:100mm×100mm×1.5mm)の表面に、表3に記載の組成物をフローコートによって塗布した。コーティング処理を施したガラスを、室温で30分放置した後、BLBランプにて紫外線を照射し、塗膜の水との接触角を経時的に測定した。紫外線強度は100μW/cm(360nm)だった。
塗膜表面の水との接触角の経時変化を図2に示す。
界面活性剤を添加した3試料のうち、フッ素系界面活性剤を使用した#25の塗膜は接触角の上昇が最も少なかった。
(実施例4)
表4に示す各成分を種々の割合で混合してコーティング組成物#27〜#32を調製した。
Figure 2006131917
表4の注
表中の数字は組成物に対する重量%を示す。
PC2 酸化チタンゾル
「S5−300B」アナタース型二酸化チタンゾル(水ゾル、pH=11、二酸化チタン=15.5重量%)Millenium社製
B 珪酸カリウム溶液;「1K珪酸カリ」(SiO=27〜29重量%、KO=21〜23重量%)日本化学工業(株)製
S3 ノニオン性界面活性剤;「グランエコーM−12」ポリオキシエチレンアルキルエーテル、三洋化成工業(株)製
S6 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、和光純薬工業(株)製S7フッ素系界面活性剤;「フタージェントFT−251」ポリオキシエチレンパーフルオロアルケニルエーテル、(株)ネオス製
S8 フッ素系界面活性剤;「メガファックF−142D」ポリオキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル、大日本インキ化学工業(株)製
S9 ポリエチレングリコール20000、和光純薬工業(株)製
(評価;親水特性評価)
実施例3と同様の方法で塗膜を形成し、親水性を評価した。
塗膜表面の水との接触角の経時変化を図3に示す。
バインダー成分としてアルカリ金属ケイ酸塩を用い、かつ分散媒が水である点が実施例3とは異なる点であるが、本実施例においてもフッ素系界面活性剤を使用した組成物の塗膜は、接触角の上昇が少なかった。
[発明の効果]
本発明によれば、光触媒作用及びそれに基づく効果を損うことなく、優れたレベリング効果を発揮しうるコーティング組成物を提供可能となる。
#2、#8〜#11の光触媒性親水性コーティング組成物を用いて作製した光触媒性親水性被膜の表面の、水との接触角経時変化を調べたグラフである。 #23〜#26の光触媒性親水性コーティング組成物を用いて作製した光触媒性親水性被膜の表面の、水との接触角経時変化を調べたグラフである。 #27〜#32の光触媒性親水性コーティング組成物を用いて作製した光触媒性親水性被膜の表面の、水との接触角経時変化を調べたグラフである。

Claims (11)

  1. 光触媒性金属酸化物粒子と、難分解性結着剤と、溶媒と、フッ素系界面活性剤とを含有してなり、光触媒性金属酸化物粒子および難分解性結着剤の含有量が、合計量で0.01〜5重量%であることを特徴とする、光触媒性親水性コーティング組成物。
  2. 前記溶媒は、水および/または水溶性溶媒である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記水溶性溶媒は沸点120℃未満の水溶性溶媒と、沸点120℃以上の水溶性溶媒の混合溶媒である、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記金属酸化物はアナタース型二酸化チタンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記難分解性結着剤はシリコン系結着剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記フッ素系界面活性剤を0.0005〜2重量%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物と、噴射剤とを含んでなる、光触媒性親水性エアゾールスプレー組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物を部材表面に適用する工程と、該組成物を乾燥または硬化させる工程とを含む、部材の表面を親水化する方法。
  9. 前記部材が自動車ボディー、塗装面、樹脂製品、ガラス、石材のいずれかである、請求項8に記載の方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物が表面に適用された部材。
  11. 前記部材が自動車ボディー、塗装面、樹脂製品、ガラス、石材のいずれかである、請求項10に記載の部材。
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