JPH11100526A - 光触媒性親水性部材、及び光触媒性親水性コ−ティング組成物 - Google Patents

光触媒性親水性部材、及び光触媒性親水性コ−ティング組成物

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JPH11100526A
JPH11100526A JP9281305A JP28130597A JPH11100526A JP H11100526 A JPH11100526 A JP H11100526A JP 9281305 A JP9281305 A JP 9281305A JP 28130597 A JP28130597 A JP 28130597A JP H11100526 A JPH11100526 A JP H11100526A
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JP
Japan
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titanium oxide
type titanium
brookite
photocatalyst
photoexcitation
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Application number
JP9281305A
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English (en)
Inventor
Yumiko Katsukawa
由美子 勝川
Makoto Hayakawa
信 早川
Mitsuhide Shimobukikoshi
光秀 下吹越
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 暗所における親水維持性にも優れる光触媒性
親水性部材の提供。 【解決手段】 基体表面にブルッカイト型酸化チタン粒
子を含む層が形成されており、前記光触媒の光励起に応
じて前記層表面は親水性を呈することを特徴とする光触
媒性親水性部材、及びブルッカイト型酸化チタン粒子と
溶媒とを含んでなる、基体表面を光触媒の光励起に応じ
て親水性にするための光触媒性親水性コ−ティング組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暗所親水維持性に
も優れた光触媒性親水性部材、及び塗膜形成時に暗所親
水維持性にも優れた性質を有することを可能とする光触
媒性親水性コ−ティング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、先に、半導体光触媒の光励
起作用により物品の表面を高度に親水化する方法を提案
した(WO96/29375号)。この方法に従えば、
物品の表面はアナタ−ゼ型酸化チタンのような半導体光
触媒のコ−ティングによって被覆される。このアナタ−
ゼ型酸化チタンからなる光触媒性コ−ティングに紫外線
を照射することにより光触媒を充分な照度で充分な時間
にわたり光励起すると、光触媒性コ−ティングの表面は
水との接触角が約0度になる程度に高度に親水化され
る。WO96/29375号に開示されているように、
このように高度に親水化可能な光触媒性コ−ティング
は、防曇、降雨による浄化、水洗による浄化、乾燥促進
その他種々の目的で種々の物品に適用することができ
る。例えば、車両の風防ガラス、ドアミラ−、建物の窓
ガラス、眼鏡のレンズ、或いは鏡のような透明物品を光
触媒性コ−ティングで被覆した場合には、光触媒の光励
起に伴いコ−ティングの表面は高度に親水化され、その
結果、物品が凝縮湿分や湯気で曇ったり、付着水滴で翳
ったりするのが防止される。或いは屋外に配置された建
物や物品が光触媒性コ−ティングで被覆されている場合
には、親水化された表面に付着した疎水性の煤塵や汚染
物は降雨の都度雨水により洗い流され表面は浄化され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、暗所親水
維持性にも優れた光触媒性親水性部材、及び塗膜形成時
に暗所親水維持性にも優れた性質を有することを可能と
する光触媒性親水性コ−ティング組成物を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基体表面に、ブルッカイト型酸化チタン粒
子を含む層が形成されており、前記光触媒の光励起に応
じて前記層表面は親水性を呈することを特徴とする光触
媒性親水性部材;及びブルッカイト型酸化チタン粒子と
溶媒とを含んでなる、基体表面を光触媒の光励起に応じ
て親水性にするための光触媒性親水性コ−ティング組成
物を提供する。ブルッカイト型酸化チタン粒子を含むこ
とにより、暗所においても親水維持性が向上する。これ
は、ブルッカイト型酸化チタンにおいては結晶歪みがア
ナタ−ゼ型酸化チタンやルチル型酸化チタンより大きい
ことにより、表面に大きな極性を有するためと考えられ
る。
【0005】本発明の好ましい態様においては、基体表
面に、ブルッカイト型酸化チタン粒子とシリカを含む層
が形成されており、前記光触媒の光励起に応じて前記層
表面は親水性を呈することを特徴とする光触媒性親水性
部材にする。また、ブルッカイト型酸化チタン粒子とシ
リカ粒子と溶媒とを含んでなる、基体表面を光触媒の光
励起に応じて親水性にするための光触媒性親水性コ−テ
ィング組成物;又は、ブルッカイト型酸化チタン粒子と
シリカの前駆体と溶媒とを含んでなる、基体表面を光触
媒の光励起に応じて親水性にするための光触媒性親水性
コ−ティング組成物にする。この構成において、シリカ
は暗所親水維持性を増加させつつ、光触媒性金属酸化物
粒子同士、金属酸化物粒子同士、光触媒性金属酸化物粒
子と金属酸化物粒子間、光触媒性金属酸化物粒子と基
材、及び金属酸化物粒子と基材とを強固に結着する働き
を有する。
【0006】本発明の好ましい態様においては、基体表
面に、ブルッカイト型酸化チタン粒子と、シリコン原子
に結合した有機基の少なくとも一部が水酸基に置換され
たシリコ−ンを含む層が形成されており、前記光触媒の
光励起に応じて前記層表面は親水性を呈することを特徴
とする光触媒性親水性部材;又は、ブルッカイト型酸化
チタン粒子とシリコ−ンの前駆体と溶媒とを含んでな
る、基体表面を光触媒の光励起に応じて親水性にするた
めの光触媒性親水性コ−ティング組成物にする。この構
成において、シリコ−ンは光触媒性金属酸化物粒子同
士、金属酸化物粒子同士、光触媒性金属酸化物粒子と金
属酸化物粒子間、光触媒性金属酸化物粒子と基材、及び
金属酸化物粒子と基材とを強固に結着する働きを有する
とともに、光触媒の光励起等によりシリコン原子に結合
した有機基の少なくとも一部が水酸基に置換されると、
暗所親水維持性を増加させる効果を有する。
【0007】本発明の好ましい態様においては、前記ブ
ルッカイト型酸化チタン粒子は板状にする。ブルッカイ
ト型酸化チタン粒子を板状にすることにより、薄膜形成
時に板状粒子が図1に示すように配列し、優れた耐摩耗
性が発揮されるようになる。また図1に示すように配列
した層表面は、暗所における親水維持性がさらによい。
その1つの原因としては、配列した粒子間の保水力が挙
げられる。
【0008】本発明の好ましい態様においては、板状の
ブルッカイト型酸化チタン粒子の大きさは、板面方向に
は1nm2〜10000nm2、板厚方向には0.5〜1
0nm程度であるようにする。この程度の大きさである
ことにより、ブルッカイト型酸化チタン粒子同士のファ
ンデルワ−ルス力によっても固着性が増加するようにな
るとともに、層の透明性確保、光触媒の酸化還元活性の
確保による抗菌、有機物分解効果の併用にも役立つ。
【0009】本発明の好ましい態様においては、板状の
ブルッカイト型酸化チタン粒子は、図1に示すように板
面が表面に露出するように配向されているようにする。
このように配向することにより優れた耐摩耗性が発揮さ
れるようになる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、ブルッ
カイト型酸化チタン粒子を含む層の厚さは、1〜200
nm程度であるようにする。この程度の厚さにおいて、
板状の光触媒性金属酸化物粒子は図1に示すように配向
する傾向が顕著になる。またこの程度の膜厚では膜の透
明性が確保される。
【0011】本発明の好ましい態様においては、前記光
触媒の光励起に応じて前記層表面は水との接触角に換算
して20゜以下の親水性を呈するようにする。水との接
触角が20゜以下にされることにより、有機物付着汚れ
を降雨又は水洗で洗い流せる傾向が顕著になる。また、
透明材や鏡等の表面に水滴が付着されたまま維持されて
しまうことがなくなる傾向が顕著になる。
【0012】本発明の好ましい態様においては、前記光
触媒の光励起に応じて前記層表面は水との接触角に換算
して10゜以下の親水性を呈するようにする。水との接
触角が10゜以下にされることにより、凝結水が可視光
の波長の1/2以上の大きさの水滴に成長することによ
る曇りの発生を防止する傾向が顕著になる。
【0013】本発明の好ましい態様においては、前記光
触媒の光励起に応じて前記層表面は水との接触角に換算
して5゜以下の親水性を呈するようにする。水との接触
角が5゜以下にされることにより、有機物付着汚れのみ
でなく、粘土質の土壌汚れも降雨又は水洗で洗い流せる
傾向が顕著になる。
【0014】本発明の好ましい態様においては、ブルッ
カイト型酸化チタン粒子とシリカ粒子と水溶媒とを含ん
でなる、基体表面を光触媒の光励起に応じて親水性にす
るための光触媒性親水性コ−ティング組成物にする。水
溶媒にすることにより、ブルッカイト型酸化チタン粒子
の溶媒への分散性が向上しコ−ティング液のポットライ
フが向上する。また結着剤成分にシリカ粒子を用いるこ
とにより、結着剤成分の加水分解反応の過度の進行によ
るコ−ティング液のポットライフ低下が防止される。ま
たメインテナンス剤やスプレ−剤として使用する場合に
安全である。
【0015】本発明の好ましい態様においては、ブルッ
カイト型酸化チタン粒子とシリカ粒子と水溶媒とを含
み、さらに非加水分解性の硬化性樹脂の前駆体が含有さ
れているようにする。非加水分解性の硬化性樹脂の前駆
体が添加されることにより、コ−ティング液のポットラ
イフを損うことなく、光触媒性金属酸化物粒子同士及び
光触媒性金属酸化物粒子と基材とをより強固に結着する
ことができる。
【0016】本発明の好ましい態様においては、光触媒
性親水性コ−ティング組成物中の固形分濃度は0.01
〜10重量%であるようにする。固形分濃度を0.01
〜10重量%であるようにすることにより、板状の光触
媒性金属酸化物粒子を含む層の厚さは、容易に1〜20
0nm程度になり、また板状のブルッカイト型酸化チタ
ン粒子の場合は図1に示すように配向する傾向が顕著に
なる。またこの程度の膜厚では膜の透明性が確保され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、ブルッカイト型
酸化チタン粒子は光半導体であり、その結晶の伝導帯と
価電子帯との間のエネルギ−ギャップである3.2eV
よりも大きなエネルギ−(すなわち390nmよりも短
い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中
の電子の励起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔を生
成し、4価のチタンは3価になり、それに伴い表面に酸
素空孔を生じる。その酸素空孔に水が化学吸着し、さら
に物理吸着することで、表面は高度に親水化されるに至
る。
【0018】本明細書における「板状」とは面方向に広
く、厚み方向の薄い形状の総称と定義する。面は平滑面
のみでなく、多少の凹凸状、曲面状のものも含む。面の
形状も限定されず、円、楕円、六角形、四角形等の多角
形など何でもよい。板状粒子の大きさは、板面方向には
1nm2〜10000nm2程度、より好ましくは5n
m2〜1000nm2程度が良く、板厚は0.5〜10
nm程度、より好ましくは1〜5nm程度にする。板状
粒子の大きさは電子顕微鏡観察により測定できる。
【0019】本発明に係るコ−ティング組成物はシリカ
微粒子を含んでなることができる。シリカ微粒子は光触
媒粒子を効率よく部材表面に固定化するものと考えられ
る。本発明の好ましい態様によれば、シリカ微粒子の平
均粒径は1〜100nmが好ましく、より好ましくは5
〜50nmであり、最も好ましくは8〜20nmであ
る。シリカ微粒子の平均粒径は例えば動的レ−ザ−散乱
法によって求めることができる。
【0020】本発明に係るコ−ティング組成物はシリカ
被膜を形成可能なシリカ被膜前駆体の好ましい例として
は、平均組成式SiXq(4-q)/2(式中、Xはアルコキ
シ基、又は、ハロゲン原子であり、qは0<q<4を満
足する数である)で表されるシリケ−トが挙げられる。
【0021】また、シリカ被膜を形成可能なシリカ被膜
前駆体の別の好ましい例としては、一般式SiX4(式
中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子である)で
表される4官能加水分解性シラン誘導体が挙げられる。
【0022】上記4官能加水分解性シラン誘導体の好ま
しい具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキ
シシラン、ジエトキシジメトキシシラン、シラノ−ル、
テトラクロロシラン、テトラブロモシラン等が挙げられ
る。また、上記シリケ−トの好ましい具体例としては、
上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分加水分解物及
び脱水縮重合物などが挙げられる。
【0023】また、本発明による組成物に利用可能なシ
リコ−ン被膜を形成可能なシリコ−ン被膜前駆体の好ま
しい例としては、平均組成式RpSiXq
(4-p-q)/2(式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2
種以上の基からなる群から選択される基であり、Xはア
ルコキシ基またはハロゲン原子であり、pは0<p<2
を、qは0<q<4をそれぞれ満足する数である)で表
されるシロキサンが挙げられる。
【0024】また、本発明による組成物に利用可能なシ
リコ−ン被膜を形成可能なシリコ−ン被膜前駆体の別の
好ましい例としては、一般式RpSiX4-p(式中、Rは
一価の有機基の1種若しくは2種以上からなる基であ
り、Xはアルコキシ基又はハロゲン原子であり、pは1
または2である)で表される加水分解性シラン誘導体が
挙げられる。
【0025】上記加水分解性シラン誘導体の好ましい具
体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチル
トリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、
エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポ
キシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエ
チルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ
エチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラ
ン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチル
ジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポキシシラ
ン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プロピルト
リメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、
n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリ
ブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン等が挙げられる。
【0026】また上記シロキサンとしては、上記の加水
分解性シラン誘導体の部分加水分解物及び脱水縮重合
物、又は上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解物
と、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエト
キシジメトキシシラン等の部分加水分解物との脱水縮重
合等により調製したものを利用できる。
【0027】上記前駆体を加水分解又は脱水縮重合する
ことにより得られるシリコ−ン樹脂は、下記の平均組成
式で表されるものである。RpSiO(4-p)/2(式中、R
は一価の有機基の1種若しくは2種以上の基からなる群
から選択される基であり、Xはアルコキシ基またはハロ
ゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数であ
る)。
【0028】本発明による組成物に含まれる上記前駆体
の添加量は適宜決定されてよいが、例えば光触媒粒子1
重量部に対して、シリカ換算重量で10重量部以下が好
ましく、より好ましくは5重量部以下であり、最も好ま
しくは1重量部以下である。また、0.05重量部以上
が好ましく、より好ましくは0.1重量部以上であり最
も好ましくは0.2重量部以上である。
【0029】本発明による組成物に含まれる溶媒は、上
記光触媒粒子及び上記前駆体を安定に分散させ、最終的
に親水化表面が得られる限り限定されないが、例えば、
水若しくは有機溶媒またはそれらの混合溶媒がその例と
して挙げられる。特に水若しくはアルコ−ル又はそれら
の混合溶媒が好ましい。
【0030】本発明の溶媒にアルコ−ルを用いる場合、
例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、
イソプロパノ−ル、t−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、
n−ブタノ−ル、2−メチルプロパノ−ル、ペンタノ−
ル、エチレングリコ−ル、モノアセトンアルコ−ル、ジ
アセトンアルコ−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ
−テル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノ
ン、ジプロピレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
トリプロピレングリコ−ル、1−エトキシ−2−プロパ
ノ−ル、1−ブトキシ−2−プロパノ−ル、1−プロポ
キシ−2−プロパノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメ
チルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルモノメチルエ−
テル、ジプロピレングリコ−ルモノエチルエ−テル、ト
リプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル等が好適に
利用できる。
【0031】本発明による組成物における溶媒の量は、
上記した光触媒粒子及び前駆体のシリカ換算重量の合計
(以下、「固形分濃度」ということがある)量の濃度を
組成物中で0.01〜5重量%以下の範囲に置くのが好
ましい。ここで、固形分濃度は、簡便には、組成物を4
00〜500℃の温度で、3時間加熱し、液体成分を蒸
発させかつシリコ−ン中のオルガノ基を酸化させた後に
残る固形成分の重量を組成物の重量で除したものの百分
率として表すことができる。固形分濃度が5重量%を超
えると、組成物が適用された表面が白濁した外観を有し
又は干渉縞を有してしまうので、ペイント用途ならばよ
いが、透明薄膜を形成する必要のある用途には好ましく
ない。より好ましい上限値は1重量%である。また、固
形分濃度が0.01重量%未満であると、十分な親水性
表面を効率良く形成することができなくなるおそれがあ
る。より好ましい下限値は0.05重量%であり、最も
好ましくは0.1重量%である。
【0032】本発明の好ましい態様においては、板状の
光触媒性金属酸化物粒子とシリカ粒子と水溶媒の他に非
加水分解性の硬化性樹脂の前駆体を含むようにコ−ティ
ング組成物を構成する。硬化性樹脂としては、ポリアク
リレ−ト、ポリメタクリレ−ト、ポリエチレンテレフタ
レ−ト、アクリルシリコン、シリコ−ン、ポリエステ
ル、ポリビニルクロライド、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリカルボネ−ト等何でもよい
が、特に耐候性に優れるアクリルシリコン、シリコ−ン
が好ましい。
【0033】本発明による組成物は、上記の外に任意の
成分を含むことができる。本発明の好ましい態様によれ
ば、本発明による組成物は、屈折率2以下である物質を
含むことができる。屈折率2以下の物質の添加によっ
て、適用された表面において可視光の反射を有効に防止
できるとの利点が得られる。本発明による組成物に添加
が可能な屈折率2以下の物質としては、シリカ(屈折率
1.5)、酸化錫(同1.9)、炭酸カルシウム(同
1.6)、水酸化カルシウム(同1.6)、炭酸マグネ
シウム(同1.5)、炭酸ストロンチウム(同1.
5)、ドロマイト(同1.7)、フッ化カルシウム(同
1.4)、フッ化マグネシウム(同1.4)、アルミナ
(同1.6)、ケイ砂(同1.6)、ゼオライト(同
1.5)、モンモリロナイト(同1.5)、カオリン
(同1.6)、セリサイト(同1.6)、酸化第二鉄
(同1.8)、酸化イットリウム(同1.9)等が挙げ
られる。
【0034】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よる組成物は、界面活性剤をさらに含むことができる。
界面活性剤は、光触媒粒子1重量部に対して、10重量
部未満、より好ましくは、0.1〜2重量部程度添加さ
れるのが好ましい。本発明による組成物に添加が可能な
界面活性剤の例としては、スルホン酸ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエ−テルアンモニウム塩、スルホン
酸ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テルナトリ
ウム塩、脂肪酸カリセッケン、脂肪酸ナトリウムセッケ
ン、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルサ
ルフェ−ト、アルキルエ−テルサルフェ−ト、アルキル
サルフェ−トソ−ダ塩、アルキルエ−テルサルフェ−ト
ソ−ダ塩、ポリオキシエチレンアルキルエ−テルサルフ
ェ−ト、ポリオキシエチレンアルキルエ−テルサルフェ
−トソ−ダ塩、アルキルサルフェ−トTEA塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエ−テルサルフェ−トTEA塩、
2−エチルヘキシルアルキル硫酸エステルナトリウム
塩、アシルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルメ
チルタウリン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、
ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウ
ム、ポリカルボン酸、オレオイルザルコシン、アミドエ
−テルサルフェ−ト、ラウロイルザルコシネ−ト、スル
ホFAエステルナトリウム塩等のアニオン性界面活性
剤;ポリオキシエチレンラウリルエ−テル、ポリオキシ
エチレントリデシルエ−テル、ポリオキシエチレンアセ
チルエ−テル、ポリオキシエチレンステアリルエ−テ
ル、ポリオキシエチレンオレイルエ−テル、ポリオキシ
エチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノ−ルエ
−テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ−テル、ポリオ
キシエチレンラウラ−ト、ポリオキシエチレンステアレ
−ト、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル、
ポリオキシエチレンオレエ−ト、ソルビタンアルキルエ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステ
ル、ポリエ−テル変性シリコ−ン、ポリエステル変性シ
リコ−ン、ソルビタンラウラ−ト、ソルビタンステアレ
−ト、ソルビタンパルミテ−ト、ソルビタンセスキオレ
エ−ト、ソルビタンオレエ−ト、ポリオキシエチレンソ
ルビタンラウラ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンス
テアレ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテ−
ト、ポリオキシエチレンソルビタンオレエ−ト、グリセ
ロ−ルステアレ−ト、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
アルキルアルキロ−ルアミド、ラウリン酸ジエタノ−ル
アミド、オレイン酸ジエタノ−ルアミド、オキシエチレ
ンドデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエ
チレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンアルキ
ルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンオキシプロ
ピレンブロックポリマ−、ポリオキシエチレンステアレ
−ト等のノニオン性界面活性剤;ジメチルアルキルベタ
イン、アルキルグリシン、アミドベタイン、イミダゾリ
ン等の両性界面活性剤;オクタデシルジメチルベンジル
アンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルア
ンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジル
アンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニ
ウムクロライド、1−ヒドロキシ−2−アルキルイミダ
ゾリン4級塩、アルキルイソキノリニウムブロマイド、
高分子アミン、オクタデシルトリメチルアンモニウムク
ロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキ
サデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニル
トリメチルアンモニウムクロライド、アルキルイミダゾ
リン4級塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライ
ド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢
酸塩、アルキルプロピレンジアミン酢酸塩、ジデシルジ
メチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性
剤等が挙げられる。
【0035】本発明の好ましい態様においては、本発明
による組成物は酸を含むことができる。この酸の添加に
よって、本発明による組成物が適用された表面の極性が
増加し、暗所における親水維持性がより良好になる。本
発明による組成物に添加が可能な酸の例としては、硝
酸、硫酸、塩酸、プロピオン酸、酢酸、マレイン酸、ア
ジピン酸、フマル酸、フタル酸、吉草酸、クエン酸、乳
酸、酪酸、リンゴ酸、ピクリン酸、ギ酸、炭酸、フェノ
−ル等が挙げられる。
【0036】本発明の好ましい態様においては、本発明
による組成物はシランの加水分解触媒を含むことができ
る。この触媒の存在によって、後記する本発明による組
成物の適用方法において、上記した前駆体としてのシラ
ン化合物の加水分解が促進される。好ましい触媒の例と
しては、pH2〜5の硝酸、硫酸、塩酸、プロピオン
酸、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸、フタル
酸、吉草酸、クエン酸、乳酸、酪酸、リンゴ酸、ピクリ
ン酸、ギ酸、炭酸、フェノ−ル等が挙げられる。
【0037】本発明の好ましい態様においては、本発明
による組成物は、重合硬化触媒を含んでなることができ
る。好ましい重合硬化触媒の例としては、アルミニウム
キレ−ト、アルミニウムアセチルアセトナ−ト、過塩素
酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムイソ
ブトキシド、アルミニウムイソプロポキシドのようなア
ルミニウム化合物;テトライソプロピルチタネ−ト、テ
トラブチルチタネ−トのようなチタン化合物;水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウ
ムメチラ−ト、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸
カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、テト
ラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシドのような塩基性化合物類;n−ヘキ
シルアミン、トリブチルアミン、ジアザビクロウンデセ
ン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレン
トリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレン
テトラミン、エタノ−ルアミン類、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシランのようなアミン化
合物;錫アセチルアセトナ−ト、ジブチル錫オクチレ−
トのような錫化合物;コバルトオクチレ−ト、コバルト
アセチルアセトナ−ト、鉄アセチルアセトナ−トのよう
な含金属化合物類;リン酸、硝酸、フタル酸、p−トル
エンスルホン酸、トリクロル酢酸のような酸性化合物類
などが挙げられる。
【0038】本発明の好ましい態様においては、本発明
による組成物は、部材の表面に適用されたとき平滑な表
面を形成できるよう、レベリング剤を含んでなることが
できる。レベリング剤の添加は、とりわけ大型の物品に
本発明による組成物を適用する場合に有利である。エチ
レングリコ−ル、モノアセトンアルコ−ル、ジアセトン
アルコ−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、
4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジプロ
ピレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリプロピ
レングリコ−ル、1−エトキシ−2−プロパノ−ル、1
−ブトキシ−2−プロパノ−ル、1−プロポキシ−2−
プロパノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テ
ル、ジプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプ
ロピレングリコ−ルモノエチルエ−テル、トリプロピレ
ングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジアセトンアルコ−
ル、セロソルブ等が好適に利用できる。
【0039】本発明の好ましい態様においては、本発明
による組成物は、Ag、Cu、Zn等の抗菌性金属及び
その化合物を添加することができる。前記金属を添加し
た場合、塗膜により形成される表面層は、表面に付着し
た細菌や黴を暗所でも死滅させることができ、さらに適
用後にあっても表面における黴、藻、苔のような微生物
の成長を抑制することができる。
【0040】本発明の好ましい態様においては、本発明
による組成物は、Pt、Pd、Ru、 Rh、Ir、O
sのような白金族金属及びその化合物を添加することが
できる。前記金属を添加した場合、塗膜により形成され
る表面層は、光触媒の酸化還元活性を増強でき、有機物
汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解性を向上させるこ
とができる。
【0041】本発明による組成物は、ブリキ容器やライ
ニング金属からなる容器に保管する場合、さらに金属部
材上に適用される場合には、弱酸性、中性又は塩基性で
あるのが好ましい。とりわけ上記のように酸が添加され
た場合には、pH調整剤の添加が好ましい。
【0042】本発明による組成物は、含まれる固形成分
の分散性を向上させ、また保存性を向上させるために、
酸又は塩基を適宜含むことができる。さらに、場合によ
り、顔料、染料、保存安定剤、噴射剤等を添加すること
が可能である。
【0043】本発明による組成物は、その表面を親水性
又は防曇性としたい部材の表面に適用され、その後乾燥
又は硬化されて薄膜とされる。
【0044】部材表面に塗膜により形成される表面層の
膜厚は、0.4μm以下にするのが好ましい。そうすれ
ば、光の乱反射による白濁を防止することができ、表面
層は実質的に透明となる。さらに表面層の膜厚を、0.
2μm以下にすると一層好ましい。そうすれば、光の干
渉による表面層の発色を防止することができる。また表
面層が薄ければ薄いほどその透明度は向上する。更に、
膜厚を薄くすれば、表面層の耐摩耗性が向上する。この
ような薄膜を形成するためには、本発明による組成物を
部材表面に0.0001〜20mg/cm2程度適用す
るのが好ましく、より好ましくは0.0005〜1mg
/cm2程度の範囲である。
【0045】本発明による組成物の部材表面への適用方
法は適宜選択されてよいが、例えばスプレ−コ−ティン
グ法、ディップコ−ティング法、フロ−コ−ティング
法、スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティング法、刷
毛塗り、スポンジ塗り等の方法が好適に利用できる。
【0046】表面に適用された後組成物は乾燥又は硬化
され、薄膜とされる。乾燥又は硬化の過程でシリカ前駆
体又はシリコ−ン前駆体はシリカ又はシリコ−ンとな
る。ここで乾燥は自然乾燥又は加熱による乾燥のいずれ
であってもよく、さらに前駆体がシリカ又はシリコ−ン
になる限りにおいて紫外線照射等による重合反応を生じ
させてもよい。
【0047】上記方法で部材表面に薄膜を形成すると、
部材表面は光半導体であるブルッカイト型酸化チタンの
光励起に応じて親水性を呈するようになる。ここで、光
半導体の光励起により、基材表面が高度に親水化される
ためには、励起光の照度は0.001mW/cm2以上
あればよいが、0.01mW/cm2以上だと好まし
く、0.1mW/cm2以上だとより好ましい。光源と
しては、太陽光、室内照明、蛍光灯、水銀灯、白熱電
灯、キセノンランプ、高圧ナトリウムランプ、メタルハ
ライドランプ、BLBランプ、殺菌灯等が好適に利用で
きる。但し膜厚0.1μm以下の薄膜にした場合には、
薄膜においても吸収性のよい250〜350nm程度
(好ましくは300〜350nm程度)の短波長光が多
く含まれるのが好ましい。
【0048】本発明が適用可能な基材としては、防曇、
防滴効果を期待する場合には透明な部材であり、その材
質はガラス、プラスチック等が好適に利用できる。適用
可能な基材を用途でいえば、車両用後方確認ミラ−、浴
室用鏡、洗面所用鏡、歯科用鏡、道路鏡のような鏡;眼
鏡レンズ、光学レンズ、照明用レンズ、半導体用レン
ズ、複写機用レンズ、車両用後方確認カメラレンズのよ
うなレンズ;プリズム;建物や監視塔の窓ガラス;自動
車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、ロ−プ
ウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような
乗物の窓ガラス;自動車、オ−トバイ、鉄道車両、航空
機、船舶、潜水艇、雪上車、スノ−モ−ビル、ロ−プウ
エイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗
物の風防ガラス;防護用ゴ−グル、スポ−ツ用ゴ−グ
ル、防護用マスクのシ−ルド、スポ−ツ用マスクのシ−
ルド、ヘルメットのシ−ルド、冷凍食品陳列ケ−スのガ
ラス、中華饅頭等の保温食品の陳列ケ−スのガラス;計
測機器のカバ−、車両用後方確認カメラレンズのカバ
−、レ−ザ−歯科治療器等の集束レンズ、車間距離セン
サ−等のレ−ザ−光検知用センサ−のカバ−、赤外線セ
ンサ−のカバ−;カメラ用フィルタ−、及び上記物品表
面に貼着させるためのフィルム、シ−ト、シ−ル、ワッ
ペン等が挙げられる。
【0049】本発明が適用可能な基材としては、表面清
浄化効果を期待する場合にはその材質は、例えば、金
属、セラミック、ガラス、プラスチック、木、石、セメ
ント、コンクリ−ト、繊維、布帛、それらの組合せ、そ
れらの積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を用
途でいえば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラ
ス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の
外装、防塵カバ−及び塗装、交通標識、各種表示装置、
広告塔、道路用遮音壁、鉄道用遮音壁、橋梁、ガ−ドレ
−ルの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太
陽電池カバ−、太陽熱温水器集熱カバ−、ビニ−ルハウ
ス、車両用照明灯のカバ−、住宅設備、便器、浴槽、洗
面台、照明器具、照明カバ−、台所用品、食器、食器洗
浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフ−
ド、換気扇、及び上記物品表面に貼着させるためのフィ
ルム、シ−ト、シ−ル、ワッペン等が挙げられる。
【0050】本発明が適用可能な基材としては、乾燥促
進効果を期待する場合には、その材質は、例えば、金
属、セラミック、ガラス、プラスチック、木、石、セメ
ント、コンクリ−ト、繊維、布帛、それらの組合せ、そ
れらの積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を用
途でいえば、自動車車体、窓、舗道及び上記物品表面に
貼着させるためのフィルム、シ−ト、シ−ル、ワッペン
等が挙げられる。
【0051】部材表面が上記高度の親水性を呈し、かつ
その状態を維持するようになれば、上記防曇効果、表面
清浄化効果の他、帯電防止効果(ほこり付着防止効
果)、断熱効果、水中での気泡付着防止効果、熱交換器
における効率向上効果、生体親和性向上効果等が発揮さ
れるようになる。
【0052】本発明が適用可能な基材としては、帯電防
止効果を期待する場合には、その材質は、例えば、金
属、セラミック、ガラス、プラスチック、木、石、セメ
ント、コンクリ−ト、繊維、布帛、それらの組合せ、そ
れらの積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を用
途でいえば、ブラウン管、磁気記録メディア、光記録メ
ディア、光磁気記録メディア、オ−ディオテ−プ、ビデ
オテ−プ、アナログレコ−ド、家庭用電気製品のハウジ
ングや部品や外装及び塗装、OA機器製品のハウジング
や部品や外装及び塗装、建材、建物外装、建物内装、窓
枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装
置や物品の外装、防塵カバ−及び塗装、及び上記物品表
面に貼着させるためのフィルム、シ−ト、シ−ル、ワッ
ペン等が挙げられる。
【0053】
【実施例】
実施例.(ブルッカイト型酸化チタン) まず、2種のアナタ−ゼ型酸化チタンゾルを準備した。
1つは酸化チタンゾルAであり、もう1つは酸化チタン
ゾルBである。図2、図3に酸化チタンゾルA及びB中
の酸化チタン粒子の粉末X線回折結果を示す。図3に示
す酸化チタンゾルB中の酸化チタン粒子にはブルッカイ
ト固有の2θ=31゜付近にピ−クがなく、アナタ−ゼ
型酸化チタンのみからなることがわかる。それに対し、
図2に示す酸化チタンゾルA中の酸化チタン粒子にはブ
ルッカイト固有の2θ=31゜付近にピ−クが存在し、
アナタ−ゼ型酸化チタンとブルッカイト型酸化チタンの
両者からなることがわかる。また、酸化チタンゾルA及
びB中の酸化チタン粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)
により観察したところ、ゾルB中の酸化チタン粒子は粒
径3〜20nm程度の酸化チタン粒子が10〜100n
m程度に凝集した粒子であるのに対し、ゾルA中の酸化
チタン粒子は100nm2〜10000nm2程度の面積
を有する板状粒子からなることがわかる。板厚方向は
0.5〜10nm程度と推察される。
【0054】エチルシリケ−ト(5量体)1.5gと、
メタノ−ル11.18gと、エチルシリケ−トの加水分
解触媒として2%硝酸を2.33gを混合し、30℃で
5時間放置することによりエチルシリケ−ト加水分解物
を得た。次いで、A、B夫々の酸化チタンゾル(固形分
濃度10重量%、溶媒は水、pHは2〜5)と、上記エ
チルシリケ−ト加水分解物6.25gと、イソプロパノ
−ル27.9gと混合し、30℃で2時間撹拌すること
により混合液を得た。さらにイソプロパノ−ル/ジアセ
トンアルコ−ル(レベリング剤)の9/1混合液(重量
比)で上記混合液を希釈し、コ−ティング液#A1試料
及び#B1試料を得た。得られたコ−ティング液#A1
試料及び#B1試料のTiO2/SiO2比は80/20
(重量比)、固形分濃度は0.5重量%である。
【0055】コ−ティング液#A1試料、#B1試料を
ガラス基板に塗布し、約16時間室温(約25℃)暗所
に放置して被覆物試料#A2試料及び#B2試料を得
た。被覆物試料#A2試料及び#B2試料の作製直後の
水との接触角はいずれも2゜程度であった。ここで水と
の接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X15
0)を用い、マイクロシリンジから試料表面に水滴を滴
下した後30秒後に測定した。#A2試料及び#B2試
料について、耐摩耗性、暗所親水維持性、及び紫外線照
射による親水回復性を調べた。耐摩耗性についてはプラ
スチック消しゴムによりコ−ティング膜の剥がれる摺動
回数で評価した。暗所親水維持性については、暗所放置
600時間後における水との接触角を測定することによ
り評価した。紫外線照射による親水回復性については、
暗所に1200時間放置した試料表面にBLBランプを
用い、照度0.5mW/cm2の紫外線を8時間照射し
た後の水との接触角を測定することにより評価した。
【0056】耐摩耗性については、#B2試料について
は4回摺動でコ−ティング膜が剥がれたのに対し、#A
2試料については100回摺動してもコ−ティング膜は
剥がれなかった。暗所親水維持性については、#B2試
料については13゜程度まで上昇していたのに対し、#
A2試料については3゜と高度の親水性を維持した。紫
外線照射による親水回復性については、#A2試料、#
B2試料いずれも0゜まで親水性が回復した。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、光触媒の光励起作用に
応じて親水性を呈する部材において、暗所における親水
維持性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光触媒性親水性部材における一実施
態様を示す図。
【図2】 本発明の実施例に係る酸化チタン粒子の粉末
X線回折図。
【図3】 本発明の比較例に係る酸化チタン粒子の粉末
X線回折図。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面に、ブルッカイト型酸化チタン
    粒子を含む層が形成されており、前記光触媒の光励起に
    応じて前記層表面は親水性を呈することを特徴とする光
    触媒性親水性部材。
  2. 【請求項2】 基体表面に、ブルッカイト型酸化チタン
    粒子とシリカを含む層が形成されており、前記光触媒の
    光励起に応じて前記層表面は親水性を呈することを特徴
    とする光触媒性親水性部材。
  3. 【請求項3】 基体表面に、ブルッカイト型酸化チタン
    粒子と、シリコン原子に結合した有機基の少なくとも一
    部が水酸基に置換されたシリコ−ンを含む層が形成され
    ており、前記光触媒の光励起に応じて前記層表面は親水
    性を呈することを特徴とする光触媒性親水性部材。
  4. 【請求項4】 前記ブルッカイト型酸化チタン粒子は板
    状であることを特徴とする請求項1〜3に記載の光触媒
    性親水性部材。
  5. 【請求項5】 前記ブルッカイト型酸化チタン粒子は板
    状であり、板面方向には1nm2〜10000nm2、板
    厚方向には0.5〜10nm程度であることを特徴とす
    る請求項1〜3に記載の光触媒性親水性部材。
  6. 【請求項6】 前記板状のブルッカイト型酸化チタン粒
    子は、板面が表面に露出するように配向されていること
    を特徴とする請求項4、5に記載の光触媒性親水性部
    材。
  7. 【請求項7】 前記ブルッカイト型酸化チタン粒子を含
    む層の厚さは、1〜200nm程度であることを特徴と
    する請求項1〜6に記載の光触媒性親水性部材。
  8. 【請求項8】 前記光触媒の光励起に応じて前記層又は
    前記第二層表面は水との接触角に換算して20゜以下の
    親水性を呈することを特徴とする請求項1〜7に記載の
    光触媒性親水性部材。
  9. 【請求項9】 前記光触媒の光励起に応じて前記層又は
    前記第二層表面は水との接触角に換算して10゜以下の
    親水性を呈することを特徴とする請求項1〜7に記載の
    光触媒性親水性部材。
  10. 【請求項10】 前記光触媒の光励起に応じて前記層又
    は前記第二層表面は水との接触角に換算して5゜以下の
    親水性を呈することを特徴とする請求項1〜7に記載の
    光触媒性親水性部材。
  11. 【請求項11】 ブルッカイト型酸化チタン粒子と溶媒
    とを含んでなる、基体表面を光触媒の光励起に応じて親
    水性にするための光触媒性親水性コ−ティング組成物。
  12. 【請求項12】 ブルッカイト型酸化チタン粒子とシリ
    カ粒子と溶媒とを含んでなる、基体表面を光触媒の光励
    起に応じて親水性にするための光触媒性親水性コ−ティ
    ング組成物。
  13. 【請求項13】 ブルッカイト型酸化チタン粒子とシリ
    カの前駆体と溶媒とを含んでなる、基体表面を光触媒の
    光励起に応じて親水性にするための光触媒性親水性コ−
    ティング組成物。
  14. 【請求項14】 ブルッカイト型酸化チタン粒子とシリ
    コ−ンの前駆体と溶媒とを含んでなる、基体表面を光触
    媒の光励起に応じて親水性にするための光触媒性親水性
    コ−ティング組成物。
  15. 【請求項15】 ブルッカイト型酸化チタン粒子とシリ
    カ粒子と水溶媒とを含んでなる、基体表面を光触媒の光
    励起に応じて親水性にするための光触媒性親水性コ−テ
    ィング組成物。
  16. 【請求項16】 さらに非加水分解性の硬化性樹脂の前
    駆体が含有されていることを特徴とする請求項15に記
    載の光触媒性親水性コ−ティング組成物。
  17. 【請求項17】 前記ブルッカイト型酸化チタン粒子は
    板状であることを特徴とする請求項11〜16に記載の
    光触媒性親水性コ−ティング組成物。
  18. 【請求項18】 前記ブルッカイト型酸化チタン粒子は
    板状であり、その大きさは、板面方向には1nm2〜1
    0000nm2、板厚方向には0.5〜10nm程度で
    あることを特徴とする請求項11〜16に記載の光触媒
    性親水性コ−ティング組成物。
  19. 【請求項19】 前記光触媒性親水性コ−ティング組成
    物中の固形分濃度は0.01〜10重量%であることを
    特徴とする請求項11〜18に記載の光触媒性親水性コ
    −ティング組成物。
  20. 【請求項20】 基体表面を光触媒の光励起に応じて水
    との接触角に換算して20゜以下の親水性にすることの
    可能な請求項11〜19に記載の光触媒性親水性コ−テ
    ィング組成物。
  21. 【請求項21】 基体表面を光触媒の光励起に応じて水
    との接触角に換算して10゜以下の親水性にすることの
    可能な請求項11〜19に記載の光触媒性親水性コ−テ
    ィング組成物。
  22. 【請求項22】 基体表面を光触媒の光励起に応じて水
    との接触角に換算して5゜以下の親水性にすることの可
    能な請求項11〜19に記載の光触媒性親水性コ−ティ
    ング組成物。
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