JP2000303055A - 光触媒性親水性被膜の親水性回復剤 - Google Patents

光触媒性親水性被膜の親水性回復剤

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JP2000303055A
JP2000303055A JP11115525A JP11552599A JP2000303055A JP 2000303055 A JP2000303055 A JP 2000303055A JP 11115525 A JP11115525 A JP 11115525A JP 11552599 A JP11552599 A JP 11552599A JP 2000303055 A JP2000303055 A JP 2000303055A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】汚染物質の付着により光触媒性親水性被膜の親
水性が損なわれたときに汚染物質を除去しかつ十分な紫
外線がなくともただちに親水化し、その後の光触媒作用
による分解生成物の親水性阻害も少ない親水性回復剤の
提供。 【解決手段】親水性回復剤は、非イオン界面活性剤
(A)と、水溶性溶剤(B1)および/又は水(B2)
の溶媒からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒性親水性被
膜に有機物などの親水性を阻害する汚れ物質が付着して
親水性が悪化したときに親水性を回復させる親水性回復
剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒に励起光源を照射すると、水酸ラ
ジカルやス−パ−オキサイドイオン等の活性酸素種を生
成し、それに基づいて有機物の酸化分解、金属イオンの
還元等の酸化還元作用を生じることは周知である(例え
ば、特開昭60−187322号や特開昭60−155
678号)。さらに光触媒性親水性被膜に励起光源を照
射すると、それに応じて被膜表面が親水性を呈するよう
になることも提案されている(PCT/WO96/29
375号)。しかし、光触媒による光酸化作用での分解
以上に汚染物質として有機物が付着した場合やまたは分
解することのできない無機物、シリコーン化合物、フッ
素化合物が付着した場合には親水性が損なわれるという
欠点がある。このように親水性が損なわれたときに雨や
水洗浄により、ある程度付着物が除去され、親水性が回
復することが知られている。しかし、汚染物質が多量な
場合は不十分なことが多く、また、市販の洗浄剤でも汚
染物質は十分に除去できず、界面活性剤などの組成物が
残留し、種類によっては光酸化により疎水性物質とな
り、かえって親水性を阻害する。また、付着した汚染物
質を市販の洗浄剤や研磨剤で擦り落とそうとすると光触
媒性親水性被膜を傷つけ、かえって親水性を損なうとい
う状況である。また、汚染が著しく、光触媒性親水性被
膜に十分な紫外線が届いていない場合には汚染物質を除
去するだけでは親水性はすぐに回復しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、汚染物質の
付着により親水性が損なわれた光触媒性親水性被膜の汚
染物質を容易に除去でき、かつ加水分解により被膜表面
の水酸基を増加させることにより親水性を回復させ、か
つその分解物による親水性阻害が極めて少ない成分で構
成され、かつ十分な紫外線がなくとも界面活性剤により
直ちに親水化し容易に雨で流れ落ちず一時的に親水化さ
せることもできる親水性回復剤組成物の開発にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、光触媒性親水性被膜に付
着した汚染物質を容易に除去し、迅速に親水性を回復さ
せ、分解物による親水性阻害も極めて少ない親水性回復
剤を見出し、更に、本発明親水回復剤を光触媒性親水性
被膜に塗布後透明性が高く、容易に雨で流れ落ちない界
面活性剤による一次的な親水性が得られることを見出
し、本発明に到達した。
【0005】即ち本発明は、汚染物質の付着により親水
性が損なわれた光触媒性親水性被膜に塗布し、汚れを拭
き取るなどにより汚染物質を洗浄して親水性を回復さ
せ、かつ容易に雨で流れ落ちない界面活性剤による一時
的な親水性が得られる親水性回復剤あって、前記親水性
回復剤は界面活性剤(A)、水溶性溶剤(B1)および
水(B2)から選ばれた1種以上の溶媒(B)からなる
ことを特徴とする親水性回復剤である。
【0006】本発明の親水性回復剤には親水性回復効果
をさらに向上させるために塩基性物質(C)を含むこと
ができる。塩基性物質(C)を含みpH7以上にするこ
とにより、洗浄性の向上及び難分解性結着剤としてシリ
カ微粒子またはシリコーン樹脂皮膜などを含んでいる場
合には加水分解促進により表面の水酸基を増加し親水性
回復効果をさらに向上させる。
【0007】本発明の親水性回復剤には親水性回復効果
をさらに向上させるために酸化性物質(D)を含むこと
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における非イオン界面活性
剤(A)としては、多価アルコール型非イオン界面活性
剤(グリセロールの脂肪酸モノエステル、ソルビタンエ
ステル、砂糖の脂肪酸エステルなど)、ポリエチレング
リコール型非イオン界面活性剤(高級アルコールのポリ
オキシアルキレンオキサイド付加物、アルキルフェノー
ルのポリオキシアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸の
ポリオキシアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪族ア
ミンのポリオキシアルキレンオキサイド付加物、プルロ
ニック型非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオ
ン界面活性剤のポリオキシアルキレンオキサイド付加
物、ポリエーテル変性オルガノシロキサンなど)、脂肪
酸アルカノールアミド、パーフルオロアルキルポリオキ
シエチレンエーテル、パーフルオロアルケニルポリオキ
シエチレンエーテルなどが挙げられる。
【0009】非イオン界面活性剤としてはポリエチレン
グリコール型非イオン界面活性剤が特に好ましく、その
中でも高級アルコールのポリオキシエチレンオキサイド
付加物、多価アルコール型非イオン界面活性剤のポリオ
キシエチレンオキサイド付加物及びフッ素系非イオン界
面活性剤のポリオキシエチレンオキサイド付加物が特に
好ましい。本発明の好ましい態様によれば、非イオン界
面活性剤は高級アルコールのポリオキシエチレンオキサ
イド付加物、多価アルコール型非イオン界面活性剤のポ
リオキシエチレンオキサイド付加物及びフッ素系非イオ
ン界面活性剤のポリオキシエチレンオキサイド付加物
(特にパーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエー
テル)を単独で使用するか、あるいは複数を併用するこ
とができる。乾燥時に膜が白濁しないためには常温で液
体のものが好ましく、容易に雨で流れ落ちないために
は、水に対する溶解度が低いものが適しており、好まし
くは溶解度1%以下、特に好ましくは0.1%以下が良
い。
【0010】特にフッ素系非イオン界面活性剤のポリオ
キシエチレンオキサイド付加物は微少量で水の界面張力
を下げるので好適に利用できる。さらにはパーフルオロ
アルケニルポリオキシエチレンエーテル(例えば、「フ
タージェント」(株)ネオス製など)などは親水性付与
効果が大きくまた、光触媒の光励起による親水化発現が
阻害され難いことから特に好適に利用できる。乾燥時に
膜が白濁しないためには常温で液体のものが好ましく、
容易に雨で流れ落ちないためには、水に対する溶解度が
低いものが適しており、好ましくは溶解度1%以下、特
に好ましくは0.1%以下が良い。
【0011】溶媒(B)としては水溶性溶剤(B1)お
よび水(B2)が挙げられる。水溶性溶剤(B1)とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグ
リコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピル
エーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレン
グリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ
イソプロピルエーテル、トリエチレングリコールジメチ
ルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、トリメチ
レングリコールなどのグリコールエーテル類、、メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロビルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブ
チルアルコール、1,3ブタンジオール、2,3ブタン
ジオール、1,4ブタンジオールおよびイソプロピル変
性エチルアルコールなどの変性アルコール、アセトン、
ジメチルケトンなどのケトン類、N-メチルピロリド
ン、1,3−ジメチルイミダゾリジノンなどの脂環式化
合物が挙げられるがこれらに特に限定されるものではな
い。
【0012】塩基性物質(C)にはpHを上げる効果があ
る物で有れば何でも使用できるが例えば次のような物質
が使用できる。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化セ
リウムなどの無機水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸セシウム、炭酸セリウム、炭酸アンモニウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチ
ウム、炭酸水素アンモニウムなどの炭酸塩、その他リン
酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、トリポリリン酸
ナトリウム、ほう酸ナトリウム、四ほう酸ナトリウムな
どの無機塩(カリウム塩やリチウム塩も含む)、クエン
酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、エチレンジア
ミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナ
トリウム、こはく酸ナトリウム、しゅう酸ナトリウム、
酒石酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、マロン酸ナ
トリウム、ピルビン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リ
ンゴ酸二ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ギ酸
ナトリウム、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウ
ム、酪酸ナトリウム、吉草酸ナトリウム、カプロン酸ナ
トリウム、カプリン酸ナトリウムなどの有機酸塩類(カ
リウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩
なども含む)、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミンなどの
アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類
などが挙げられるがこれらに特に限定されるものではな
い。これらは単独もしくは複数組み合わせて用いること
ができる。
【0013】塩基性物質(C)のうち、特にナトリウ
ム、カリウム、リチウムなどの一価無機陽イオンを含ん
だ物質は光触媒性親水性被膜への吸着残留が少なく好ま
しい。
【0014】本発明の親水性回復剤中の各成分比率とし
ては、非イオン界面活性剤(A)0.01質量%以上を
水溶性溶剤(B1)および水(B2)から選ばれた1種
以上の溶媒(B)で希釈されることが好ましい。界面活
性剤(A)が、0.01質量%未満では、界面活性剤に
よる一次的な親水性を付与することができない。
【0015】塩基性物質(C)はpH7以上になるよう
に添加するのが好ましい。より好ましくはpH9以上さ
らに好ましくはpH10.5以上が好適に使用できる。
pH11以上ではアルカリ性が強く人体に有害であるた
め、保護具なしで使用する場合には好ましくない。
【0016】酸化性物質(D)としては過炭酸ナトリウ
ム、過酸化水素水などの過酸化物質、次亜塩素酸ナトリ
ウムなどが挙げられるがこれらに特に限定されるもので
はない。
【0017】本発明の親水性回復剤は、必要により防腐
剤、香料、酸化防止剤、キレート剤、消泡剤などを混合
または併用してもよい。
【0018】本発明による組成物の基材表面への適用方
法は適宜選択されて良いが、例えばスプレーコーティン
グ法、エアロゾルコーティング法、ディップコーティン
グ法、フローコーティング法、スピンコーティング法、
ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗りなどの
方法が好適に利用できる。
【0019】本発明の親水性回復剤の製品形態として
は、ユーザーが簡便に利用すべく、エアゾールスプレ
ー、ハンドスプレーや、塗布用の不織布やスポンジがボ
トルと一体となり、ボトルから前述の不織布などを通じ
て液が浸出する容器形態、などが挙げられる。また、不
織布、スポンジ、布帛、紙などに本組成物を含浸させた
ものを、樹脂やラミネートフィルムにて形成したパック
に封入して製品とすることもできる。
【0020】本発明の親水性回復剤は汚染物質の付着に
より親水性が損なわれた光触媒性親水性被膜に対して使
用でき、防曇用途において対象となる基材としては、ガ
ラス、透明プラスチック、レンズ、プリズム、鏡等の透
明性の基材である。より具体的には、浴室用又は洗面所
用鏡、車両用バックミラ−、歯科用歯鏡、道路鏡のよう
な鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内視鏡
レンズ、照明用レンズ、半導体製造用レンズのようなレ
ンズ;プリズム;建物や監視塔の窓ガラス;自動車、鉄
道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、ロ−プウエイ
のゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗り物
の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水
艇、雪上車、スノ−モ−ビル、オ−トバイ、ロ−プウエ
イのゴンドラ、遊園地のゴンドラのような乗り物の風防
ガラス;防護用又はスポ−ツ用ゴ−グル又はマスク(潜
水用マスクを含む)のシ−ルド;ヘルメットのシ−ル
ド;冷凍食品陳列ケ−スのガラス;計測機器のカバ−ガ
ラス、及びそれら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン
等である。
【0021】降雨による自己浄化が期待できる屋外用途
において対象となる基材としては、例えば、金属、セラ
ミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、
コンクリ−ト、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それ
らの積層体、それらの塗装体等である。より具体的に
は、外壁や屋根のような建物外装;窓枠;自動車、鉄道
車両、航空機、船舶、自転車、オ−トバイのような乗物
の外装及び塗装;窓ガラス;看板、交通標識、防音壁、
ビニ−ルハウス、碍子、乗物用カバ−、テント材、反射
板、雨戸、網戸、太陽電池用カバ−、太陽熱温水器等の
集熱器用カバ−、街灯、舗道、屋外照明、人工滝・人工
噴水用石材・タイル、橋、温室、外壁材、壁間や硝子間
のシ−ラ−、ガ−ドレ−ル、ベランダ、自動販売機、エ
アコン室外機、屋外ベンチ、各種表示装置、シャッタ
−、料金所、料金ボックス、屋根樋、車両用ランプ保護
カバ−、防塵カバ−及び塗装、機械装置や物品の塗装、
広告塔の外装及び塗装、構造部材、及びそれら物品に貼
着可能なフィルム、ワッペン等である。
【0022】水洗による清浄化が期待できる用途に対象
となる基材としては、例えば、金属、セラミックス、ガ
ラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリ−
ト、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それらの積層
体、それらの塗装体等である。より具体的には、上記屋
外用途部材が含まれることは勿論、その他に、建物の内
装材、窓ガラス、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明
器具、台所用品、食器、食器乾燥器、流し、調理レン
ジ、キッチンフ−ド、換気扇、窓レ−ル、窓枠、トンネ
ル内壁、トンネル内照明、及びそれら物品に貼着可能な
フィルム、ワッペン等である。
【0023】乾燥促進が期待できる用途に対象となる基
材としては、例えば、窓サッシ、熱交換器用放熱フィ
ン、舗道、浴室用洗面所用鏡、ビニ−ルハウス天井、洗
面化粧台、自動車ボディ及びそれら物品に貼着可能なフ
ィルム、ワッペン等である。
【0024】光半導体の光励起は、光半導体結晶の伝導
電子帯と価電子帯との間のエネルギ−ギャップよりも大
きなエネルギ−(すなわち短い波長)を有する光を光半
導体に照射して行う。より具体的には、光半導体がアナ
タース型酸化チタンの場合には波長387nm以下、ル
チル酸化チタンの場合には波長413nm以下、酸化錫
の場合には波長344nm以下、酸化亜鉛の場合には波
長387nm以下の光を含有する光線を照射する。上記
光半導体の場合は、紫外線光源により光励起されるの
で、光源としては、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライド
ランプ、水銀ランプのような室内照明、太陽光や、それ
らの光源を低損失のファイバ−で誘導した光源等を利用
できる。複合材表面の親水化に必要な、光半導体を光励
起するために必要な光の照度は、0.0001mW/c
2以上、好ましくは0.001mW/cm2以上、より
好ましくは0.01mW/cm2以上である。
【0025】光触媒性親水性被膜は、 (a)金属酸化物からなる光触媒粒子 (b)シリカ微粒子、シリコーン樹脂皮膜を形成可能な
シリコーン樹脂皮膜前駆体、およびシリカ皮膜を形成可
能なシリカ皮膜前駆体からなる群から選択される少なく
とも一種からなる難分解性結着剤のうち少なくとも
(a)を含むものであり、暗所維持性向上のためには
(b)を含むこともでき、レベリング剤、界面活性剤、
重合硬化触媒、加水分解触媒、抗菌性金属、pH調整
剤、保存安定剤などを含んでいても良い。
【0026】光触媒性金属酸化物としては、アナタ−ゼ
型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸
化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸
化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム
の群から選ばれる1種又は2種以上等が使用できる。こ
の光触媒粒子の平均結晶子径は、好ましくは100nm
以下である。その上限は好ましくは20nm程度以下で
あり、より好ましくは10nm程度以下である。また、
その下限は好ましくは1nm程度以上である。光触媒粒
子の平均結晶子径が上記範囲にあることで、親水化作用
を充分に発揮し、かつ組成物を適用した表面が粒子によ
る可視光の散乱により透明性を失ってしまうことを防止
できる。なお、光触媒粒子の平均結晶子径は、粒子の粉
末X線回折の2θ=25.3°付近の最強ピークの積分
幅からScherrer式によって求めることができ
る。
【0027】難分解性結着剤としては、加水分解性シラ
ン、アルキルシリケ−ト、ポリオルガノシロキサン、コ
ロイダルシリカ、シラノ−ル、ケイ酸リチウム、ケイ酸
カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アンモニウム、水
ガラスなどのシリコン系結着剤、リン酸亜鉛、リン酸ア
ルミニウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム
等のリン酸塩、重リン酸塩、セメント、石灰、セッコ
ウ、長石、釉薬、プラスタ−、ほうろう用フリット、層
状酸化物、粘土、ホウ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケ
イ酸塩、有機チタネ−ト、アルミナ、チタニア、ジルコ
ニア等の無機系結着剤、シリコーン樹脂、アクリルシリ
コーン、フッ素系ポリマ−、フッ素系モノマ−等の有機
系結着剤などが使用できる。これらは単独もしくは複数
組み合わせて用いることができる。難分解性結着剤とし
てコロイダルシリカを用いる場合は、光触媒粒子を効率
よく部材表面に固定化するものと考えられる。好ましい
態様によれば、コロイダルシリカの平均粒径は1〜10
0nmが好ましく、より好ましくは5〜50nmであ
り、最も好ましくは8〜20nmである。コロイダルシ
リカの平均粒径は例えば動的レーザー散乱法によって求
めることができる。本組成物に利用可能なシリカ皮膜を
形成可能なシリカ皮膜前駆体の好ましい例としては、平
均組成式SiXq(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基
またはハロゲン原子であり、qは0<q<4を満足する
数である)で表されるシリケートが挙げられる。また、
シリカ皮膜を形成可能なシリカ皮膜前駆体の別の好まし
い例としては、一般式SiX4 (式中、Xはアルコキシ
基またはハロゲン原子である)で表される四官能加水分
解性シラン誘導体が挙げられる。上記四官能加水分解性
シラン誘導体の好ましい具体例としては、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシ
ラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、シラ
ノール、ジメトキシジエトキシシラン等があげられる。
また、上記シリケートの好ましい具体例としては、上記
四官能加水分解性シラン誘導体の部分加水分解および脱
水縮重合などが挙げられる。また、本組成物に利用可能
なシリコーン皮膜を形成可能なシリコーン皮膜前駆体の
好ましい例としては、平均組成式Rp SiXq
(4-p-q)/2 (式中、Rは、水素原子および有機基の一種
または二種以上の基からなる群から選択される基であ
り、Xはアルコキシ基またはハロゲン原子であり、pは
0<p<2を、qは0<q<4をそれぞれ満足する数で
ある)で表されるシロキサンが挙げられる。また、本組
成物に利用可能なシリコーン皮膜を形成可能なシリコー
ン皮膜前駆体の別の好ましい例としては、一般式Rp
iX4-p (式中、Rは、先に定義したものと同義であ
り、Xはアルコキシ基またはハロゲン原子であり、pは
1または2である)で表される加水分解性シラン誘導体
が挙げられる。ここで、Rが表す有機基とは、アルキル
(より好ましくは炭素数1〜18の非置換アルキル、最
も好ましくは炭素数3〜18のアルキルである)または
アリール(好ましくはフェニルである)を意味する。上
記加水分解性シラン誘導体の好ましい具体例としては、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、
フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシ
シラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキ
シシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロ
ポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、フェニルメ
チルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン、フェニルメチルジプロポキシシラン、フェニルメチ
ルジブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リプロポキシシラン、n−プロピルトリブトキシシラ
ン、γ−グリコキシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が
挙げられる。また、上記シロキサンとしては、上記の加
水分解性シラン誘導体の部分加水分解および脱水縮重
合、または上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエ
トキシジメトシシラン等の部分加水分解物との脱水縮重
合により調製したものを利用することができる。上記前
駆体を後記する方法により部分的に加水分解または脱水
縮重合することにより得られるシリコーン樹脂は、下記
の平均組成式で表されるものである:Rp SiO
(4-p)/2 (式中、Rは、上で定義したものと同義であ
り、Xはアルコキシ基またはハロゲン原子であり、pは
0<p<2を満足する数である)。本組成物に含まれる
上記前駆体の添加量は適宜決定されてよいが、例えば光
触媒粒子1重量部に対して、シリカ換算重量で10重量
部以下が好ましく、より好ましくは5重量部以下であ
り、最も好ましくは1重量部以下であり、また0.05
重量部以上が好ましく、より好ましくは0.1重量部以
上であり、最も好ましくは0.2重量部以上である。
【0028】難分解性結着剤がシリコン系化合物の場
合、光触媒コーティング組成物は、重合硬化触媒を含ん
でなることができる。好ましい重合硬化触媒の例として
は、アルミニウムキレ−ト、アルミニウムアセチルアセ
トナ−ト、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、
アルミニウムイソブトキシド、アルミニウムイソプロポ
キシドのようなアルミニウム化合物;テトライソプロピ
ルチタネ−ト、テトラブチルチタネ−トのようなチタン
化合物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、ナトリウムメチラ−ト、酢酸ナトリウム、ギ酸
ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン
酸カリウム、テトラメチルアンモニウムクロライド、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシドのような塩基性化
合物類;n−ヘキシルアミン、トリブチルアミン、ジア
ザビクロウンデセン、エチレンジアミン、ヘキサンジア
ミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミ
ン、トリエチレンテトラミン、エタノ−ルアミン類、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ンのようなアミン化合物;錫アセチルアセトナ−ト、ジ
ブチル錫オクチレ−トのような錫化合物;コバルトオク
チレ−ト、コバルトアセチルアセトナ−ト、鉄アセチル
アセトナ−トのような含金属化合物類;リン酸、硝酸、
フタル酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸の
ような酸性化合物類などが挙げられる。
【0029】難分解性結着剤がシリコン系化合物の場
合、光触媒コーティング組成物はシランの加水分解触媒
を含むことができる。この触媒の存在によって、上記し
た前駆体としてのシラン化合物の加水分解が促進され
る。好ましい触媒の例としては、pH2〜5の硝酸、硫
酸、塩酸、プロピオン酸、酢酸、マレイン酸、アジピン
酸、フマル酸、フタル酸、吉草酸、クエン酸、乳酸、酪
酸、リンゴ酸、ピクリン酸、ギ酸、炭酸、フェノ−ル等
が挙げられる。
【0030】光触媒コーティング組成物は酸を含むこと
ができる。この酸の添加によって、本組成物が適用され
た表面の極性が増加し、暗所における親水維持性がより
良好になる。本組成物に添加が可能な酸の例としては、
硝酸、硫酸、塩酸、プロピオン酸、酢酸、マレイン酸、
アジピン酸、フマル酸、フタル酸、吉草酸、クエン酸、
乳酸、酪酸、リンゴ酸、ピクリン酸、ギ酸、炭酸、フェ
ノ−ル等が挙げられる。
【0031】光触媒コーティング組成物は、銀、銅、パ
ラジウム、白金、ロジウム、プラチウム、ルテニウム、
金、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、ナトリウム、リチ
ウム、ストロンチウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウム又はそれら金属の化合物の群から選ばれる1種以
上が添加してもよい。銀、銅、亜鉛又はそれら金属の化
合物の群から選ばれる1種以上を添加することで、抗菌
性を付与することができる。パラジウム、白金、ロジウ
ム、プラチウム、ルテニウム、金、コバルト、鉄、ニッ
ケル又はそれら金属の化合物の群から選ばれる1種以上
を添加することで、光半導体の光励起による酸化還元触
媒性能を向上させることができる。
【0032】光触媒コーティング組成物は、屈折率2以
下である物質を含むことができる。屈折率2以下の物質
の添加によって、適用された表面において可視光の反射
を有効に防止できるとの利点が得られる。光触媒コーテ
ィング組成物に添加が可能な屈折率2以下の物質として
は、シリカ(屈折率1.5)、酸化錫(同1.9)、炭
酸カルシウム(同1.6)、水酸化カルシウム(同1.
6)、炭酸マグネシウム(同1.5)、炭酸ストロンチ
ウム(同1.5)、ドロマイト(同1.7)、フッ化カ
ルシウム(同1.4)、フッ化マグネシウム(同1.
4)、アルミナ(同1.6)、ケイ砂(同1.6)、ゼ
オライト(同1.5)、モンモリロナイト(同1.
5)、カオリン(同1.6)、セリサイト(同1.
6)、酸化第二鉄(同1.8)、酸化イットリウム(同
1.9)等が挙げられる。
【0033】上記方法で部材表面に塗膜を形成すると、
部材表面は光触媒の光励起に応じて親水性を呈するよう
になる。ここで、光触媒の光励起により、基材表面が高
度に親水化されるためには、励起光の照度は0.001
mW/cm2以上あればよいが、0.01mW/cm2
上だと好ましく、0.1mW/cm2以上だとより好ま
しい。光触媒性酸化物が、アナタ−ゼ型酸化チタン、ル
チル型酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム
の場合には、光触媒の光励起に用いる光源としては、太
陽光、室内照明、蛍光灯、水銀灯、白熱電灯、キセノン
ランプ、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドラン
プ、BLBランプ等が好適に利用できる。 また、光触
媒性酸化物が酸化錫の場合には、殺菌灯、BLBランプ
等が好適に利用できる。
【0034】部材表面に塗膜により形成される表面層の
膜厚は、0.4μm以下にするのが好ましい。そうすれ
ば、光の乱反射による白濁を防止することができ、表面
層は実質的に透明となる。さらに、表面層の膜厚を、
0.2μm以下にすると一層好ましい。そうすれば、光
の干渉による表面層の発色を防止することができる。ま
た、表面層が薄ければ薄いほどその透明度は向上する。
更に、膜厚を薄くすれば、表面層の耐摩耗性が向上す
る。
【0035】
【実施例1】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。実施
例、比較例中の%は質量%を示す。
【0036】表1に示す各界面活性剤0.1wt%水溶液と
し、本発明の親水性回復剤#1〜#9及び比較例1〜7
を調製した。
【0037】
【表1】
【0038】表1の注 S1 ポリオキシエチレンアルキルエーテル「グランエ
コーM−12」、三洋化成工業(株)製 S2 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノカプ
リレート「CT−221」、日本油脂(株)製 S3 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウ
レート「LT−221」、日本油脂(株)製 S4 ソルビタンモノカプリレート「CP−08R」、
日本油脂(株)製 S5 ソルビタンモノラウレート「LP−20R」、日
本油脂(株)製 S6 ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノラウレ
ート「LT−204」、日本油脂(株)製 S7 パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエー
テル「FT−251」、ネオス(株)製 S8 パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエー
テル「FT−250」、ネオス(株)製 S9 パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテ
ル「メガファックF−142D」、大日本インキ(株)
製 S10 ドデシルスルフォン酸ソーダ、和光純薬工業
(株)製 S11 ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ、和光純
薬工業(株)製 S12 スルフォコハク酸ナトリウム「サンモリンOT
−70」、三洋化成(株)製 S13 アルキルベンゼン硫酸ソーダ「ノニポールS−
40」、三洋化成(株)製 S14 パーフルオロアルケニルベンゼンスルフォン酸
ナトリウム「FT−100」、ネオス(株)製 S15 パーフルオロアルキル基(親水性基、新油性
基)含有オリゴマー「メガファックF−177S」、大
日本インキ(株)製 S16 フルオロアルキルベタイン「FT−400
S」、ネオス(株)製 ポリオキシエチレン(20)などの( )内数値はアル
キレンオキサイドの付加モル数を示す。
【0039】(評価1;親水性付与効果)「ハイドロテ
クト フィルム ENCTAMFB4」東陶機器(株)
製(PETフィルム上にアンダーコートとしてシリコー
ンを膜厚3μmで塗布し、その上にアナタ−ゼ型酸化チ
タン及びシリカ含む層を0.4μm塗布したもの)を暗
所で保管し、大気中の有機物付着により水の接触角を3
0度以上になるようにサンプルを作り接触角を測定し汚
れ付着後接触角とした。その表面に親水性回復剤#1〜
#9及び比較例1〜7をそれぞれフローコートし、室温
(25℃)で30分乾燥させた後、接触角を測定し親水
性付与後接触角とした。その後表面に蒸留水を3回フロ
ーコートし、室温(25℃)で30分乾燥させた後、接
触角を測定し耐水試験後接触角とした。汚れ付着後接触
角、親水性付与後接触角及び耐水試験後接触角を表1に
示す。
【0040】陰イオン界面活性剤を用いた比較例1〜
5、及び両性界面活性剤を用いた比較例7の親水性付与
後接触角は20度以上であり、耐水性試験後には汚れ付
着後と同等以上の接触角になってしまった。比較例6は
非イオン界面活性剤を用いているがオリゴマー型であり
疎水基を多く含むため親水性回復効果は小さかった。一
方、非イオン界面活性剤を用いた親水性回復剤#1〜9
はいずれも親水性付与後接触角は20度以下となり、耐
水性試験後でも汚れ付着後の接触角以下を保った。ポリ
エチレングリコール型非イオン界面活性剤を用いた親水
性回復剤(#1,#2,#3,#7,#8)は親水性付
与後接触角が15度以下となり、親水性付与効果が大き
かった。ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤
でも付加モル数4と少ない#6はやや親水性付与効果が
劣った。またフッ素系非イオン界面活性剤の直鎖パーフ
ルオロアルキル基を持った#9は微少量で界面張力を下
げる働きがあるが疎水基の疎水性が強いためやや親水性
付与効果が劣った。ポリエチレングリコール型非イオン
界面活性剤の中でも疎水基が分岐した不飽和パーフルオ
ロアルキル基を持ったフッ素系非イオン界面活性剤パー
フルオロアルケニルポリオキシエチレンエーテルは少量
で界面張力を下げる能力があり、親水性付与後接触角が
10度以下となり、特に親水性付与効果が大きかった。
水に対する溶解度が0.1%以下の界面活性剤#11は
耐水性も良かった。
【0041】
【表2】
【0042】(評価2;親水性阻害効果)界面活性剤が
光触媒作用によって分解したときに生成する物質による
親水性阻害の影響を見るために、「ハイドロテクト フ
ィルム ENCTAMFB4」東陶機器(株)製にあら
かじめBLBライトを照射し汚染物質を分解除去したも
のをサンプルとして用いた。BLBライトの紫外線強度
は0.5mW/cm2(波長360nm)であった。そ
の表面に親水性回復剤#1〜#9及び比較例1〜7をそ
れぞれフローコートし、室温(25℃)で30分乾燥さ
せた後、接触角を測定し親水性回復剤処理後接触角とし
た。その後上記と同じBLBライトを2時間照射し、接
触角を測定した。親水性回復剤処理後接触角及びBLB
ライト2時間照射後接触角を表2に示す。
【0043】評価1の効果が良かったものの中で#1,
#2,#7及び#8はBLBライト照射後光触媒作用に
より生じた分解生成物の影響による親水性阻害が非常に
少なかった。
【0044】
【実施例2】表3に示す各成分を種々の割合で混合して
親水性回復剤#10〜#12を調製した。
【0045】
【表3】
【0046】表3の注 pHを除いた表中の数字は組成物に対する重量%を示
す。 S1 ポリオキシエチレンアルキルエーテル「グランエ
コーM−12」、三洋化成工業(株)製 S7 パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエー
テル「FT−251」、ネオス(株)製 A1 炭酸ナトリウム H1 エチレングリコール H2 水
【0047】「ハイドロテクト フィルム ENCTA
MFB4」東陶機器(株)製にBLBライトを照射し、
接触角を5度以下とし、処理前接触角とした。BLBラ
イトの紫外線強度は0.5mW/cm2(波長360n
m)であった。その表面を汚れたぞうきんで10往復こ
すり、室温(25℃)で30分乾燥させた後、接触角を
測定し汚れ付着後接触角とした。その後その表面に親水
性回復剤#10〜#12をそれぞれフローコートし、テ
ィッシュペーパーでこすり、室温(25℃)で30分乾
燥させた後、接触角を測定し親水性回復剤処理後接触角
とした。その後表面に蒸留水を3回フローコートし、室
温(25℃)で30分乾燥させた後、接触角を測定し耐
水試験後接触角とした。さらに、表面に蒸留水を3回
フローコートし、室温(25℃)で30分乾燥させた
後、接触角を測定し耐水試験後接触角とした。処理前
接触角、汚れ付着後接触角、親水性付与後接触角、耐水
試験後接触角、耐水試験後接触角を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】組成物#10(pH4),#11(pH
9),#12(pH10.5)においてpHが高いほど
親水性付与後及び耐水試験後の接触角が低く、親水性が
良くなっていた。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、汚染物質の付着により
光触媒性親水性被膜の親水性が損なわれたときに汚染物
質を除去しかつ十分な紫外線がなくともただちに親水化
し、その後の光触媒作用による分解生成物の親水性阻害
も少ない組成物を提供可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AB10 AC10 BA03 BA07 BA15 CA02 DC02Z DC08Z DC14Z DC72Z DD03Y DD08Y DD32Y DE02Y DE07Y DE08Y DE13Y DE35Y 4G069 AA15 BA04A BA04B BA48A CA05 EA08 ED02 4J038 DF022 HA176 HA186 HA216 HA266 HA306 HA416 HA426 HA476 JA11 JA19 JA20 JA25 JA27 JA33 JA43 JB01 JB27 JB32 KA09 MA08 MA09 NA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物などの親水性を阻害する汚れ物質
    が付着して親水性が悪化した光触媒性親水性被膜の親水
    性を回復するための親水性回復剤であって、非イオン系
    界面活性剤(A)と、水溶性溶剤(B1)および/又は
    水(B2)の溶媒(B)と、からなることを特徴とする
    親水性回復剤。
  2. 【請求項2】 (A)がポリエチレングリコール型非イ
    オン性界面活性剤(A1)である請求項1記載の親水性
    回復剤。
  3. 【請求項3】 (A1)が高級アルコールのポリオキシ
    エチレンオキサイド付加物(A2)である請求項1また
    は2に記載の親水性回復剤。
  4. 【請求項4】 (A1)が多価アルコール型非イオン界
    面活性剤のポリオキシエチレンオキサイド付加物(A
    3)である請求項1または2に記載の親水性回復剤。
  5. 【請求項5】 (A1)がフッ素系非イオン界面活性剤
    のポリオキシエチレンオキサイド付加物(A4)である
    請求項1または2に記載の親水性回復剤。
  6. 【請求項6】 (A4)がパーフルオロアルケニルポリ
    オキシエチレンエーテル(A5)である請求項5に記載
    の親水性回復剤。
  7. 【請求項7】 (A4)がパーフルオロアルキルポリオ
    キシエチレンエーテル(A6)である請求項5に記載の
    親水性回復剤。
  8. 【請求項8】 (A1)が(A2)、(A3)、(A
    5)、(A6)のうちの2種以上である請求項1〜7何
    れかに記載の親水性回復剤。
  9. 【請求項9】 塩基性物質(C)を含むことによってp
    H7以上にする請求項1〜8何れかに記載の親水性回復
    剤。
  10. 【請求項10】 (C)が一価無機陽イオンを含む塩基
    性物質(C1)を含有する請求項1〜9何れかに記載の
    親水性回復剤。
  11. 【請求項11】 光触媒性親水性被膜が、酸化チタンを
    含有する被膜である請求項1〜10の何れかに記載の親
    水性回復剤。
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