JP2010275440A - 親水性回復剤および親水性回復方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機物が付着して親水性が低下した親水性表面から無機物を除去して該親水性表面の親水性を回復させるための親水性回復剤、および該親水性回復剤を使用して親水性表面の親水性を回復させる方法を提供する。
【解決手段】キレート錯体を形成するクエン酸等の配位子を溶解した水溶液にポリエチレングリコール、キサンタンガム等の増粘剤を混合してゲル状の親水性回復剤を作製する。この親水性回復剤を親水性が低下した親水性表面に塗布し、適宜の時間放置後に該親水性回復剤を除去して前記親水性表面の親水性を回復させる。
【選択図】図1
【解決手段】キレート錯体を形成するクエン酸等の配位子を溶解した水溶液にポリエチレングリコール、キサンタンガム等の増粘剤を混合してゲル状の親水性回復剤を作製する。この親水性回復剤を親水性が低下した親水性表面に塗布し、適宜の時間放置後に該親水性回復剤を除去して前記親水性表面の親水性を回復させる。
【選択図】図1
Description
この発明は無機物が付着して親水性が低下した親水膜等の親水性表面から無機物を除去して該親水性表面の親水性を回復させるための親水性回復剤、および該親水性回復剤を使用して親水性表面の親水性を回復させる方法に関する。
表面を親水性にして防曇性を付与した車両用ミラー等の防曇素子として特許文献1,2に記載のものがあった。特許文献1記載の防曇素子は基材表面に多孔質SiO2等の親水性酸化膜を成膜したものである。特許文献2記載の防曇素子は基材表面にTiO2等の光触媒膜を成膜し、その上に多孔質SiO2等の親水性酸化膜を成膜したものである。
防曇素子は使用しているうちに親水性表面に有機物や無機物が付着して次第に親水性が低下してくる。特に表面が多孔質状に形成された親水性表面の場合は有機物や無機物が付着し易い。有機物汚れであれば特許文献2に記載の光触媒機能や特許文献3等に記載の界面活性剤を利用して除去することができるが、無機物汚れは光触媒機能や界面活性剤では除去することができない。特に表面が多孔質状に形成された親水性表面の場合は無機物汚れが多孔質内に入り込むため除去が容易でない。また無機物汚れを強酸や研磨等で除去しようとすれば親水性表面が損傷する。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、無機物が付着して親水性が低下した親水性表面から無機物を除去して該親水性表面の親水性を回復させるための親水性回復剤、および該親水性回復剤を使用して親水性表面の親水性を回復させる方法を提供しようとするものである。
この発明の親水性回復剤はキレート錯体を形成する配位子を溶解した水溶液に増粘剤を混合することで得られるゲルで構成されるものである。この親水性回復剤によればキレート錯体を形成する配位子によるキレート効果により、親水性表面に付着した無機物を除去して該親水性表面の親水性を回復させることができる。特にこの発明の親水性回復剤はゲルで構成されているため、良好な無機物除去効果が得られる。すなわち親水性が低下した親水性表面は撥水性になっているため、親水性回復剤が非ゲル状の水溶液であると、該表面に塗布しても島状に凝集し、さらに一部は親水性表面から流れ落ちてしまうことがあるため、親水性表面に付着した無機物を均一に除去することができない。また親水性回復剤が非ゲル状の水溶液であると、塗布して放置している間に揮発しやすくなり、無機物除去効果が低下する。これに対しこの発明の親水性回復剤はゲルで構成されているため、親水性表面の親水性が低下して撥水性になっていても島状に凝集しにくくなり、親水性表面に付着した無機物を均一に除去することができる。またゲル状であるので揮発しにくく、所期の無機物除去効果が得られる。したがってこの発明の親水性回復剤によれば、被処理部材の親水性表面にだけ親水性回復剤を留まらせて親水性回復処理を行うことができ、親水性回復剤水溶液に浸漬できない被処理部材についても作業性よく親水性回復処理を行うことができる。
この発明の親水性回復剤において前記キレート錯体を形成する配位子は、例えばアスコルビン酸、イミノニ酢酸、エチレンジアミン、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)、クエン酸、グルコン酸、ニトリロ三酢酸、HIDS(ヒドロキシイミノジコハク酸)、りんご酸、りん酸から選ばれた少なくとも一種の配位子とすることができる。特にアスコルビン酸、EDTA、クエン酸、グルコン酸、りんご酸は、人体に無害であり、なおかつ様々な親水材料に対しても無害である。さらに塗料材料や樹脂に直接塗布しても無害である。また前記増粘剤は例えばポリエチレングリコール、ペクチン、キサンタンガム、片栗粉、寒天、カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、タマリンドシードガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、プルラン、ウェランガム、グァーガム酵素分解物、サバクヨモギシードガム、ジェランガム、デキストラン、トロロアオイ、レバンから選ばれた少なくとも一種の増粘剤とすることができる。以上の増粘剤は、人体に対しても、様々な親水性材料に対しても無害であり、さらに塗料材料や樹脂に直接塗布しても無害である。
この発明の親水性回復剤において、前記キレート錯体を形成する配位子の濃度は、親水性回復剤の全量に対して例えば5〜50重量%とすることができる。すなわち5重量%より少ないと無機物除去効果が十分に発揮できなくなり、50重量%より多いと十分に溶解しなくなる可能性がある。該濃度はより好ましくは15〜40重量%とすることができる。
この発明の親水性回復剤の粘度は例えば、25℃で1〜160cPとすることができる。すなわち1cPより低いと被処理親水性表面から垂れ落ちやすくなり、160cPより高いと、増粘剤の量が増えることにより、キレート錯体を形成する配位子が、親水性表面上の無機物に効果的に作用しにくくなり、無機物除去効果が低減してしまう。
この発明の親水性回復方法は、この発明の親水性回復剤を親水性が低下した親水性無機酸化膜等の親水性表面に塗布し、適宜の時間経過後に親水性回復剤を除去して親水性表面の親水性を回復させるものである。この親水性回復方法は、親水性回復剤を塗布した表面をプラスチックフィルムで被覆して前記適宜の時間を経過させることもできる。プラスチックフィルムで被覆することにより、親水性回復剤の凝集および揮発をより効果的に抑制して親水性表面全体で均一な親水性回復効果を得ることができる。
この発明の親水性回復方法は、親水性表面が光触媒による有機物分解機能を有するものである場合は、前記親水性回復剤を除去した後に、該親水性表面に紫外線を適宜の時間照射して有機物分解処理を行い、該有機物分解処理後に親水性回復状況を観測し、親水性が目標とする状態に回復していない場合は該目標とする状態に回復するまで、前記親水性回復剤の塗布、適宜の時間経過後の親水性回復剤の除去、紫外線照射、親水性回復状況の観測の一連の工程を繰り返すことができる。これによれば無機物の付着強度や付着量に応じた回数分処理を繰り返すことにより、無機物の付着強度が強い場合や付着量が多い場合であっても親水性を回復させることができる。また無機物の付着強度が弱い場合や付着量が少ない場合は少ない回数(例えば1回)で親水性を回復させることができるので、短時間で親水性回復処理を完了させることができる。
《実施の形態1》
この発明の実施の形態1を説明する。
〈親水性回復剤を調製するために用意する材料〉
・クエン酸(キレート錯体を形成する配位子):30wt%
・ポリエチレングリコール(増粘剤):30wt%
・水:40wt%
この発明の実施の形態1を説明する。
〈親水性回復剤を調製するために用意する材料〉
・クエン酸(キレート錯体を形成する配位子):30wt%
・ポリエチレングリコール(増粘剤):30wt%
・水:40wt%
〈親水性回復剤の調製処理〉
水とポリエチレングリコールを混合し、これにクエン酸を溶解させてゲル状の親水性回復剤を調製した。調製されたゲルは25℃における粘度が10〜15cPであった。なお先に水にクエン酸を溶解し、後でポリエチレングリコールを混合してもよい。
水とポリエチレングリコールを混合し、これにクエン酸を溶解させてゲル状の親水性回復剤を調製した。調製されたゲルは25℃における粘度が10〜15cPであった。なお先に水にクエン酸を溶解し、後でポリエチレングリコールを混合してもよい。
〈親水性回復処理〉
上記調製した親水性回復剤を、表面に無機物汚れが付着した車両用親水ミラーの該表面に塗布して、該無機物汚れをクエン酸のキレート効果により除去する。図1は表面に無機物汚れ20(カルシウム等)が付着した車両用親水ミラー10に上記調製した親水性回復剤22を塗布し、さらにその上にプラスチックフィルム24を被覆した状態の断面構造を模式的に示す。このミラー10はドアミラー等のアウターミラーにおける鏡面体部分を構成するものである。ミラー10はガラス基材12の裏面に金属反射膜14を成膜し、表面側に光触媒膜としてTiO2光触媒膜16、親水膜として多孔質SiO2親水性酸化膜18を順次成膜して構成されている。ミラー10の表面に汚れが付着していない状態では、親水性酸化膜18の親水性により、ミラー10の表面に付着した水は水滴を形成せずに薄い膜状に広がるので、雨天時の視認性が確保される。ミラー10の表面に有機物汚れや無機物汚れ20が付着すると親水性が低下する。このうち有機物汚れについては光触媒膜16の光触媒作用により分解除去することができる。これに対し無機物汚れ20は光触媒膜16の光触媒作用によっては除去することができない。そこで親水性回復剤を使用して無機物汚れ20を除去し、親水性を回復させる処理を行う。この場合、ミラー10を親水性回復剤の水溶液に浸漬して親水性回復処理を行うと、該ミラー10の裏面側に配置されている粘着テープ、ヒータ等の部材を損傷させる恐れがある。そこで、ここではゲル状の親水性回復剤22を使用して、該親水性回復剤22をミラー10の表面に塗布して親水性回復処理を行う。また親水性回復剤22の粘度が低い場合には、ミラー10をドアミラー本体に装着した垂直の姿勢のままで親水性回復処理を行うと、ミラー10の表面に親水性回復剤22を塗布して放置中に親水性回復剤22が次第に下方に垂れてくる場合がある。そこでこのような場合にはミラー10をドアミラー本体から外して水平の姿勢で親水性回復処理を行うのが望ましい。
上記調製した親水性回復剤を、表面に無機物汚れが付着した車両用親水ミラーの該表面に塗布して、該無機物汚れをクエン酸のキレート効果により除去する。図1は表面に無機物汚れ20(カルシウム等)が付着した車両用親水ミラー10に上記調製した親水性回復剤22を塗布し、さらにその上にプラスチックフィルム24を被覆した状態の断面構造を模式的に示す。このミラー10はドアミラー等のアウターミラーにおける鏡面体部分を構成するものである。ミラー10はガラス基材12の裏面に金属反射膜14を成膜し、表面側に光触媒膜としてTiO2光触媒膜16、親水膜として多孔質SiO2親水性酸化膜18を順次成膜して構成されている。ミラー10の表面に汚れが付着していない状態では、親水性酸化膜18の親水性により、ミラー10の表面に付着した水は水滴を形成せずに薄い膜状に広がるので、雨天時の視認性が確保される。ミラー10の表面に有機物汚れや無機物汚れ20が付着すると親水性が低下する。このうち有機物汚れについては光触媒膜16の光触媒作用により分解除去することができる。これに対し無機物汚れ20は光触媒膜16の光触媒作用によっては除去することができない。そこで親水性回復剤を使用して無機物汚れ20を除去し、親水性を回復させる処理を行う。この場合、ミラー10を親水性回復剤の水溶液に浸漬して親水性回復処理を行うと、該ミラー10の裏面側に配置されている粘着テープ、ヒータ等の部材を損傷させる恐れがある。そこで、ここではゲル状の親水性回復剤22を使用して、該親水性回復剤22をミラー10の表面に塗布して親水性回復処理を行う。また親水性回復剤22の粘度が低い場合には、ミラー10をドアミラー本体に装着した垂直の姿勢のままで親水性回復処理を行うと、ミラー10の表面に親水性回復剤22を塗布して放置中に親水性回復剤22が次第に下方に垂れてくる場合がある。そこでこのような場合にはミラー10をドアミラー本体から外して水平の姿勢で親水性回復処理を行うのが望ましい。
親水性回復処理の作業手順を説明する。
(1)図1に示すように、親水性回復剤22をミラー10の表面全面に塗布して、該表面全面を親水性回復剤22で覆う。
(2)必要に応じて図1に示すように、塗布した親水性回復剤22の上からミラー10の全面に食品用ラッピングフィルム等のプラスチックフィルム24を被覆する。これにより次の放置工程で親水性回復剤22が島状に凝集し、一部は親水性表面から流れ落ちることで、無機物汚れ除去にムラが生じたり、親水性回復剤22が揮発して無機物汚れ除去効果が低下するのをより効果的に抑制することができる。
(3)ミラー10を水平台に載置して適宜の時間(例えば20分間)放置する。この放置中にクエン酸が無機物汚れと結合してクエン酸カルシウム等のキレート錯体を形成し(キレート効果)、該無機物汚れをミラー10の表面から除去する。
(4)プラスチックフィルム24を剥がし、ミラー10の表面の親水性回復剤22を水で洗い流して除去する。
(5)水で洗い流しただけでは親水性回復剤22に含まれる増粘剤成分により親水性回復剤22が十分に除去しきれない場合は、紫外線ランプまたは太陽光を利用して紫外線をミラー10の表面に照射して光触媒作用により増粘財成分を分解し、親水性回復剤22を十分に除去する。
(6)ミラー10の表面に水を付着させて親水性回復状況を目視によりまたは接触角計により観測する。
(7)親水性が所定の目標状態に回復していれば(例えば水滴接触角が所定の目標値以下に達する等)、親水性回復処理を終了する。一方、親水性が該目標状態に回復していない場合は、該目標状態に回復するまで前記(1)〜(6)の工程を複数回(複数サイクル)繰り返す。
(1)図1に示すように、親水性回復剤22をミラー10の表面全面に塗布して、該表面全面を親水性回復剤22で覆う。
(2)必要に応じて図1に示すように、塗布した親水性回復剤22の上からミラー10の全面に食品用ラッピングフィルム等のプラスチックフィルム24を被覆する。これにより次の放置工程で親水性回復剤22が島状に凝集し、一部は親水性表面から流れ落ちることで、無機物汚れ除去にムラが生じたり、親水性回復剤22が揮発して無機物汚れ除去効果が低下するのをより効果的に抑制することができる。
(3)ミラー10を水平台に載置して適宜の時間(例えば20分間)放置する。この放置中にクエン酸が無機物汚れと結合してクエン酸カルシウム等のキレート錯体を形成し(キレート効果)、該無機物汚れをミラー10の表面から除去する。
(4)プラスチックフィルム24を剥がし、ミラー10の表面の親水性回復剤22を水で洗い流して除去する。
(5)水で洗い流しただけでは親水性回復剤22に含まれる増粘剤成分により親水性回復剤22が十分に除去しきれない場合は、紫外線ランプまたは太陽光を利用して紫外線をミラー10の表面に照射して光触媒作用により増粘財成分を分解し、親水性回復剤22を十分に除去する。
(6)ミラー10の表面に水を付着させて親水性回復状況を目視によりまたは接触角計により観測する。
(7)親水性が所定の目標状態に回復していれば(例えば水滴接触角が所定の目標値以下に達する等)、親水性回復処理を終了する。一方、親水性が該目標状態に回復していない場合は、該目標状態に回復するまで前記(1)〜(6)の工程を複数回(複数サイクル)繰り返す。
《実施の形態1の親水性回復剤および親水性回復処理を利用した親水性回復実験》
〈実験1:無機物除去効果確認実験〉
図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10に無機物を故意に付着させたサンプルを作製し、実施の形態1の親水性回復剤を使用して前記親水性回復処理を工程(1)〜(5)まで1回(1サイクル)実施し(工程(3)の放置時間は20分、工程(5)の紫外線照射時間は紫外線ランプによる照射(照射強度:約1.0mW/cm2)を6時間にそれぞれ設定)、その際に工程(1)の前(無機物を故意に付着させたままの状態)と工程(5)の後(紫外線照射を終了した状態)について無機物の付着状況をそれぞれ測定した。無機物の付着状況は元素分析(X線光電子分光法)により測定した。実験結果を図2に示す。図2では試験サンプル表面の無機物の存在比率として(Ca+Al+Na+Mg)/Siの値を示した。ここでSiはミラー10の最表面を構成する多孔質SiO2親水性酸化膜18に由来するもので、測定ばらつきを補正するための内部標準として用いた。図2によれば、Siに対するCa+Al+Na+Mgの存在比率が親水性回復処理前は30%以上であったのに対し、親水性回復処理後はほぼ0%に低下しており、付着した無機物がほとんど除去されていることがわかる。
〈実験1:無機物除去効果確認実験〉
図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10に無機物を故意に付着させたサンプルを作製し、実施の形態1の親水性回復剤を使用して前記親水性回復処理を工程(1)〜(5)まで1回(1サイクル)実施し(工程(3)の放置時間は20分、工程(5)の紫外線照射時間は紫外線ランプによる照射(照射強度:約1.0mW/cm2)を6時間にそれぞれ設定)、その際に工程(1)の前(無機物を故意に付着させたままの状態)と工程(5)の後(紫外線照射を終了した状態)について無機物の付着状況をそれぞれ測定した。無機物の付着状況は元素分析(X線光電子分光法)により測定した。実験結果を図2に示す。図2では試験サンプル表面の無機物の存在比率として(Ca+Al+Na+Mg)/Siの値を示した。ここでSiはミラー10の最表面を構成する多孔質SiO2親水性酸化膜18に由来するもので、測定ばらつきを補正するための内部標準として用いた。図2によれば、Siに対するCa+Al+Na+Mgの存在比率が親水性回復処理前は30%以上であったのに対し、親水性回復処理後はほぼ0%に低下しており、付着した無機物がほとんど除去されていることがわかる。
〈実験2:親水性の回復効果確認実験〉
図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10に無機物を故意に付着させたサンプルを複数個作製し、前記親水性回復処理を実施し(工程(3)の放置時間は20分、工程(5)の紫外線照射時間は紫外線ランプによる照射(照射強度:約1.0mW/cm2)を6時間にそれぞれ設定)、親水性の回復効果を確認した。この実験では接触角計で水滴接触角を計測することにより親水性の回復状態を確認し、水滴接触角が10度以下を親水性が回復した状態とみなした。サンプルによっては無機物の付着が強固で前記親水性回復処理を1回実施しただけでは水滴接触角が目標値の10度以下に達しないものがあり、そのようなサンプルについては水滴接触角が10度以下になるまで前記親水性回復処理を繰り返し実施した。また、1つのサンプルについては前記親水性回復処理を実施せずに工程(5)の紫外線照射のみ行い、親水性の回復効果を確認した。
図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10に無機物を故意に付着させたサンプルを複数個作製し、前記親水性回復処理を実施し(工程(3)の放置時間は20分、工程(5)の紫外線照射時間は紫外線ランプによる照射(照射強度:約1.0mW/cm2)を6時間にそれぞれ設定)、親水性の回復効果を確認した。この実験では接触角計で水滴接触角を計測することにより親水性の回復状態を確認し、水滴接触角が10度以下を親水性が回復した状態とみなした。サンプルによっては無機物の付着が強固で前記親水性回復処理を1回実施しただけでは水滴接触角が目標値の10度以下に達しないものがあり、そのようなサンプルについては水滴接触角が10度以下になるまで前記親水性回復処理を繰り返し実施した。また、1つのサンプルについては前記親水性回復処理を実施せずに工程(5)の紫外線照射のみ行い、親水性の回復効果を確認した。
実験結果を図3に示す。測定結果Aは前記親水性回復処理を実施せずに紫外線照射(紫外線ランプで6時間)のみ行ったサンプルのものである。これによれば、紫外線を照射しただけでは無機物が分解除去されないことがわかる。測定結果Bは前記親水性回復処理を1回実施して水滴接触角が10度以下に達して親水性が回復したサンプルのものである。測定結果Cは前記親水性回復処理を3回実施して水滴接触角が10度以下に達して親水性が回復したサンプルのものである。以上によれば、前記親水性回復処理を1回または複数回実施することにより親水性が回復することがわかる。
〈実験3:有機物除去・低減効果確認実験〉
実施の形態1の親水性回復剤が有機物汚れに対しても除去・低減効果があるかどうかについて確認した。実験は図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10(水滴接触角5度以下)に有機物としてオレイン酸を故意に付着させた(無機物の故意の付着はなし)2個のサンプルを作製した。そのうちの1個のサンプルAについてはそのまま水滴接触角を測定した。残りの1個のサンプルBについては実施の形態1の親水性回復剤を塗布して20分放置し、該放置後にミラー10の表面を水で十分にすすぎ、水滴接触角を測定した。続いて両サンプルA,Bに同時に紫外線を照射して、30分置きに水滴接触角を測定した。
実施の形態1の親水性回復剤が有機物汚れに対しても除去・低減効果があるかどうかについて確認した。実験は図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10(水滴接触角5度以下)に有機物としてオレイン酸を故意に付着させた(無機物の故意の付着はなし)2個のサンプルを作製した。そのうちの1個のサンプルAについてはそのまま水滴接触角を測定した。残りの1個のサンプルBについては実施の形態1の親水性回復剤を塗布して20分放置し、該放置後にミラー10の表面を水で十分にすすぎ、水滴接触角を測定した。続いて両サンプルA,Bに同時に紫外線を照射して、30分置きに水滴接触角を測定した。
実験結果を図4に示す。図4において「初期」とはオレイン酸を故意に付着させたときをいう。サンプルBについては該初期から紫外線照射開始時までの間に、前述の親水性回復剤を塗布して20分放置しさらに水ですすぐ処理を行っている(図6、図8の実験結果についても同じ)。図4によれば親水性回復剤による処理を行ったサンプルBの方が親水性回復剤による処理を行わなかったサンプルAよりも短時間の紫外線照射で親水性が回復している。このことから、実施の形態1の親水性回復剤は有機物汚れに対しても除去・低減効果があり親水性を早期に回復させる効果があることがわかる。
《実施の形態2》
この発明の実施の形態2を説明する。これはキレート錯体を形成する配位子として、実施の形態1で使用したクエン酸に代えてりんご酸を使用したものである。
〈親水性回復剤を調製するために用意する材料〉
・りんご酸(キレート錯体を形成する配位子):30wt%
・ポリエチレングリコール(増粘剤):30wt%
・水:40wt%
この発明の実施の形態2を説明する。これはキレート錯体を形成する配位子として、実施の形態1で使用したクエン酸に代えてりんご酸を使用したものである。
〈親水性回復剤を調製するために用意する材料〉
・りんご酸(キレート錯体を形成する配位子):30wt%
・ポリエチレングリコール(増粘剤):30wt%
・水:40wt%
〈親水性回復剤の調製処理〉
水とポリエチレングリコールを混合し、これにりんご酸を溶解させてゲル状の親水性回復剤を調製した。調製されたゲルは25℃における粘度が10〜15cPであった。なお先に水にりんご酸を溶解し、後でポリエチレングリコールを混合してもよい。
水とポリエチレングリコールを混合し、これにりんご酸を溶解させてゲル状の親水性回復剤を調製した。調製されたゲルは25℃における粘度が10〜15cPであった。なお先に水にりんご酸を溶解し、後でポリエチレングリコールを混合してもよい。
〈親水性回復処理〉
上記調製した親水性回復剤を使用して、親水性表面に無機物汚れが付着して親水性が低下した車両用親水ミラー等の親水性表面を有する部材について、前記実施の形態1と同様の工程で親水性回復処理を実施して該親水性表面の親水性を回復させることができる。
上記調製した親水性回復剤を使用して、親水性表面に無機物汚れが付着して親水性が低下した車両用親水ミラー等の親水性表面を有する部材について、前記実施の形態1と同様の工程で親水性回復処理を実施して該親水性表面の親水性を回復させることができる。
《実施の形態2の親水性回復剤および親水性回復処理を利用した親水性回復実験》
〈実験4:親水性の回復効果確認実験〉
図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10に無機物を故意に付着させた複数のサンプルを作製し、実施の形態2の親水性回復剤を使用して、実施の形態1で説明した前記親水性回復処理を実施し(工程(3)の放置時間は20分、工程(5)の紫外線照射時間は紫外線ランプによる照射(照射強度:約1.0mW/cm2)を6時間にそれぞれ設定)、親水性の回復効果を確認した。この実験では接触角計で水滴接触角を計測することにより親水性の回復状態を確認し、水滴接触角が10度以下を親水性が回復した状態とみなした。サンプルによっては無機物の付着が強固で前記親水性回復処理を1回実施しただけでは水滴接触角が目標値の10度以下に達しないものがあり、そのようなサンプルについては水滴接触角が10度以下になるまで前記親水性回復処理を繰り返し実施した。また、1つのサンプルについては前記親水性回復処理を実施せずに工程(5)の紫外線照射のみ行い、親水性の回復効果を確認した。
〈実験4:親水性の回復効果確認実験〉
図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10に無機物を故意に付着させた複数のサンプルを作製し、実施の形態2の親水性回復剤を使用して、実施の形態1で説明した前記親水性回復処理を実施し(工程(3)の放置時間は20分、工程(5)の紫外線照射時間は紫外線ランプによる照射(照射強度:約1.0mW/cm2)を6時間にそれぞれ設定)、親水性の回復効果を確認した。この実験では接触角計で水滴接触角を計測することにより親水性の回復状態を確認し、水滴接触角が10度以下を親水性が回復した状態とみなした。サンプルによっては無機物の付着が強固で前記親水性回復処理を1回実施しただけでは水滴接触角が目標値の10度以下に達しないものがあり、そのようなサンプルについては水滴接触角が10度以下になるまで前記親水性回復処理を繰り返し実施した。また、1つのサンプルについては前記親水性回復処理を実施せずに工程(5)の紫外線照射のみ行い、親水性の回復効果を確認した。
実験結果を図5に示す。測定結果Aは前記親水性回復処理を実施せずに紫外線照射(紫外線ランプで6時間)のみ行ったサンプルのものである。これによれば、紫外線を照射しただけでは無機物が分解除去されないことがわかる。測定結果Bは前記親水性回復処理を1回実施して水滴接触角が10度以下に達して親水性が回復したサンプルのものである。測定結果Cは前記親水性回復処理を4回実施して水滴接触角が10度以下に達して親水性が回復したサンプルのものである。以上によれば、前記親水性回復処理を1回または複数回実施することにより親水性が回復することがわかる。
〈実験5:有機物除去・低減効果確認実験〉
実施の形態2の親水性回復剤が有機物汚れに対しても除去・低減効果があるかどうかについて確認した。実験は図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10(水滴接触角5度以下)に有機物としてオレイン酸を故意に付着させた(無機物の故意の付着はなし)2個のサンプルを作製した。そのうちの1個のサンプルAについてはそのまま水滴接触角を測定した。残りの1個のサンプルBについては実施の形態2の親水性回復剤を塗布して20分放置し、該放置後にミラー10の表面を水で十分にすすぎ、水滴接触角を測定した。続いて両サンプルA,Bに同時に紫外線を照射して、30分置きに水滴接触角を測定した。
実施の形態2の親水性回復剤が有機物汚れに対しても除去・低減効果があるかどうかについて確認した。実験は図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10(水滴接触角5度以下)に有機物としてオレイン酸を故意に付着させた(無機物の故意の付着はなし)2個のサンプルを作製した。そのうちの1個のサンプルAについてはそのまま水滴接触角を測定した。残りの1個のサンプルBについては実施の形態2の親水性回復剤を塗布して20分放置し、該放置後にミラー10の表面を水で十分にすすぎ、水滴接触角を測定した。続いて両サンプルA,Bに同時に紫外線を照射して、30分置きに水滴接触角を測定した。
実験結果を図6に示す。これによれば親水性回復剤による処理を行ったサンプルBの方が親水性回復剤による処理を行わなかったサンプルAよりも短時間の紫外線照射で親水性が回復している。このことから、実施の形態2の親水性回復剤は有機物汚れに対しても除去・低減効果があり親水性を早期に回復させる効果があることがわかる。
《実施の形態3》
この発明の実施の形態3を説明する。これは増粘剤として、実施の形態1で使用したポリエチレングリコールに代えてキサンタンガムを使用したものである。
〈親水性回復剤を調製するために用意する材料〉
・クエン酸(キレート錯体を形成する配位子):30wt%
・キサンタンガム(増粘剤):0.3wt%
・水:70wt%
この発明の実施の形態3を説明する。これは増粘剤として、実施の形態1で使用したポリエチレングリコールに代えてキサンタンガムを使用したものである。
〈親水性回復剤を調製するために用意する材料〉
・クエン酸(キレート錯体を形成する配位子):30wt%
・キサンタンガム(増粘剤):0.3wt%
・水:70wt%
〈親水性回復剤の調製処理〉
水にクエン酸を溶解してクエン酸水溶液を作製した。このクエン酸水溶液を加熱し、これにキサンタンガムを混合してゲル状の親水性回復剤を調製した。調製されたゲルは25℃における粘度が75〜85cPであった。
水にクエン酸を溶解してクエン酸水溶液を作製した。このクエン酸水溶液を加熱し、これにキサンタンガムを混合してゲル状の親水性回復剤を調製した。調製されたゲルは25℃における粘度が75〜85cPであった。
〈親水性回復処理〉
上記調製した親水性回復剤を使用して、親水性表面に無機物汚れが付着して親水性が低下した車両用親水ミラー等の親水性表面を有する部材について、前記実施の形態1と同様の工程で親水性回復処理を実施して該親水性表面の親水性を回復させることができる。
上記調製した親水性回復剤を使用して、親水性表面に無機物汚れが付着して親水性が低下した車両用親水ミラー等の親水性表面を有する部材について、前記実施の形態1と同様の工程で親水性回復処理を実施して該親水性表面の親水性を回復させることができる。
《実施の形態3の親水性回復剤および親水性回復処理を利用した親水性回復実験》
〈実験6:親水性の回復効果確認実験〉
図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10に無機物を故意に付着させた複数のサンプルを作製し、実施の形態3の親水性回復剤を使用して、実施の形態1で説明した前記親水性回復処理を実施し(工程(3)の放置時間は20分、工程(5)の紫外線照射時間は紫外線ランプによる照射(照射強度:約1.0mW/cm2)を6時間にそれぞれ設定)、親水性の回復効果を確認した。この実験では接触角計で水滴接触角を計測することにより親水性の回復状態を確認し、水滴接触角が10度以下を親水性が回復した状態とみなした。サンプルによっては無機物の付着が強固で前記親水性回復処理を1回実施しただけでは水滴接触角が目標値の10度以下に達しないものがあり、そのようなサンプルについては水滴接触角が10度以下になるまで前記親水性回復処理を繰り返し実施した。また、1つのサンプルについては前記親水性回復処理を実施せずに工程(5)の紫外線照射のみ行い、親水性の回復効果を確認した。
〈実験6:親水性の回復効果確認実験〉
図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10に無機物を故意に付着させた複数のサンプルを作製し、実施の形態3の親水性回復剤を使用して、実施の形態1で説明した前記親水性回復処理を実施し(工程(3)の放置時間は20分、工程(5)の紫外線照射時間は紫外線ランプによる照射(照射強度:約1.0mW/cm2)を6時間にそれぞれ設定)、親水性の回復効果を確認した。この実験では接触角計で水滴接触角を計測することにより親水性の回復状態を確認し、水滴接触角が10度以下を親水性が回復した状態とみなした。サンプルによっては無機物の付着が強固で前記親水性回復処理を1回実施しただけでは水滴接触角が目標値の10度以下に達しないものがあり、そのようなサンプルについては水滴接触角が10度以下になるまで前記親水性回復処理を繰り返し実施した。また、1つのサンプルについては前記親水性回復処理を実施せずに工程(5)の紫外線照射のみ行い、親水性の回復効果を確認した。
実験結果を図7に示す。測定結果Aは前記親水性回復処理を実施せずに紫外線照射(紫外線ランプで6時間)のみ行ったサンプルのものである。これによれば、紫外線を照射しただけでは無機物が分解除去されないことがわかる。測定結果Bは前記親水性回復処理を1回実施して水滴接触角が10度以下に達して親水性が回復したサンプルのものである。測定結果Cは前記親水性回復処理を3回実施して水滴接触角が10度以下に達して親水性が回復したサンプルのものである。以上によれば、前記親水性回復処理を1回または複数回実施することにより親水性が回復することがわかる。
〈実験7:有機物除去・低減効果確認実験〉
実施の形態3の親水性回復剤が有機物汚れに対しても除去・低減効果があるかどうかについて確認した。実験は図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10(水滴接触角5度以下)に有機物としてオレイン酸を故意に付着させた(無機物の故意の付着はなし)2個のサンプルを作製した。そのうちの1個のサンプルAについてはそのまま水滴接触角を測定した。残りの1個のサンプルBについては実施の形態3の親水性回復剤を塗布して20分放置し、該放置後にミラー10の表面を水で十分にすすぎ、水滴接触角を測定した。続いて両サンプルA,Bに同時に紫外線を照射して、30分置きに水滴接触角を測定した。
実施の形態3の親水性回復剤が有機物汚れに対しても除去・低減効果があるかどうかについて確認した。実験は図1に示す断面構造を有する車両用ミラー10(水滴接触角5度以下)に有機物としてオレイン酸を故意に付着させた(無機物の故意の付着はなし)2個のサンプルを作製した。そのうちの1個のサンプルAについてはそのまま水滴接触角を測定した。残りの1個のサンプルBについては実施の形態3の親水性回復剤を塗布して20分放置し、該放置後にミラー10の表面を水で十分にすすぎ、水滴接触角を測定した。続いて両サンプルA,Bに同時に紫外線を照射して、30分置きに水滴接触角を測定した。
実験結果を図8に示す。これによれば親水性回復剤による処理を行ったサンプルBの方が親水性回復剤による処理を行わなかったサンプルAよりも短時間の紫外線照射で親水性が回復している。このことから、実施の形態3の親水性回復剤は有機物汚れに対しても除去・低減効果があり親水性を早期に回復させる効果があることがわかる。
なおキレート錯体を形成する配位子および増粘剤は、上記実施の形態1,2,3で使用した以外の材料を使用することもできる。またこの発明は基材に親水膜が成膜されて親水性表面を構成している部材のみならず、基材そのものが親水性表面を構成している部材にも適用することができる。またこの発明は車両用親水ミラーのみならず、親水性表面を有する各種部材の親水性回復処理にも適用することができる。
10…車両用親水ミラー、12…ガラス基材、14…金属反射膜、16…TiO2光触媒膜、18…多孔質SiO2親水性酸化膜、20…無機物汚れ、22…親水性回復剤、24…プラスチックフィルム
Claims (10)
- キレート錯体を形成する配位子を溶解した水溶液に増粘剤を混合することで得られるゲルで構成される親水性回復剤。
- 前記キレート錯体を形成する配位子がアスコルビン酸、イミノニ酢酸、エチレンジアミン、EDTA、クエン酸、グルコン酸、ニトリロ三酢酸、HIDS、りんご酸、りん酸から選ばれた少なくとも一種の配位子である請求項1記載の親水性回復剤。
- 前記増粘剤がポリエチレングリコール、ペクチン、キサンタンガム、片栗粉、寒天、カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、タマリンドシードガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、プルラン、ウェランガム、グァーガム酵素分解物、サバクヨモギシードガム、ジェランガム、デキストラン、トロロアオイ、レバンから選ばれた少なくとも一種の増粘剤である請求項1または2記載の親水性回復剤。
- 前記キレート錯体を形成する配位子の濃度が、親水性回復剤の組成物全量に対して5〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%である請求項1から3のいずれか1つに記載の親水性回復剤。
- 25℃における粘度が1〜160cPである請求項1から4のいずれか1つに記載の親水性回復剤。
- 光触媒機能および親水性を有する親水性表面の親水性回復用である請求項1から5のいずれか1つに記載の親水性回復剤。
- 車両用親水ミラー用である請求項1から6のいずれか1つに記載の親水性回復剤。
- 請求項1から7のいずれか1つに記載の親水性回復剤を親水性が低下した親水性表面に塗布し、適宜の時間経過後に前記親水性回復剤を除去して前記親水性表面の親水性を回復させる方法。
- 前記親水性回復剤を塗布した表面をプラスチックフィルムで被覆して前記適宜の時間を経過させる請求項8記載の方法。
- 前記親水性表面が光触媒による有機物分解機能を有するものであり、前記親水性回復剤を除去した後に、該親水性表面に紫外線を適宜の時間照射して有機物分解処理を行い、該有機物分解処理後に親水性回復状況を観測し、親水性が目標とする状態に回復していない場合は該目標とする状態に回復するまで、前記親水性回復剤の塗布、適宜の時間経過後の親水性回復剤の除去、紫外線照射、親水性回復状況の観測の一連の工程を繰り返す請求項8または9記載の方法。
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140401 |