JP2003225187A - 清掃用シート - Google Patents

清掃用シート

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JP2003225187A
JP2003225187A JP2002190152A JP2002190152A JP2003225187A JP 2003225187 A JP2003225187 A JP 2003225187A JP 2002190152 A JP2002190152 A JP 2002190152A JP 2002190152 A JP2002190152 A JP 2002190152A JP 2003225187 A JP2003225187 A JP 2003225187A
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Japan
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sheet
cleaning
abrasive particles
acid
weight
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JP2002190152A
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English (en)
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Shinya Sato
信也 佐藤
Akemi Yuji
朱実 湯地
Haruo Sakahashi
春夫 坂橋
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 清掃に際して水を必要とせず、また清掃対象
面に傷を付けること無く清掃対象面に付着した汚れを除
去し得る清掃用シートを提供すること。 【解決手段】 本発明の清掃用シートは、液体の保持が
可能な基材シートに水性洗浄剤が含浸されてなる湿式の
シートである。基材シートの少なくとも一面は液透過性
の繊維集合体からなり、該繊維集合体を構成する繊維に
モース硬度が5以下の研磨粒子が保持固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿式の清掃用シート
に関し、更に詳しくはキッチン周り、浴室、洗面台、ト
イレなどの水周りの汚れの清掃に好適に用いられる清掃
用シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】本出願
人は先に特開平10−165344号公報において、硬
質表面用の洗浄剤含浸物品を提案した。この洗浄剤含浸
物品は、炭酸カルシウムなどの固体研磨粒子を含む水性
洗浄剤を、基体に保持固定させることなく含浸させてな
るものである。この洗浄剤含浸物品は、洗浄剤を清掃対
象面に放出させ、放出された洗浄剤中の固体研磨粒子が
清掃対象面から汚れ成分を遊離させるものであり、その
後に拭き取り用シートによって該汚れ成分及び該洗浄剤
を該清掃対象面から拭き取ると共に、該清掃対象面上に
防汚性の保護膜を形成する。この洗浄剤含浸物品によれ
ば、汚れが軽く拭き取れ、拭き取り後に拭きむらが残ら
ず、拭き取り後の防汚性が高くなる。しかし、拭き取り
用シートを用いた二度拭きの必要がある。
【0003】特開平6−125862号公報には、基板
となる紙に、酸化アルミニウム、酸化クロム、シリコン
カーバイド、酸化鉄、二酸化珪素、炭酸カルシウム、ケ
イ酸マグネシウム、ガラスなどの研磨材粒子をバインダ
ーで接着させてなる払拭紙が記載されている。この払拭
紙によれば、清掃後に研磨材粒子が清掃対象面に残るこ
とは防止されるが、研磨材粒子の硬度が比較的高いこと
から、清掃対象面に傷が付きやすい。また、この払拭紙
は乾式のものであることから、頑固にこびりついた油汚
れなどに対する十分な清掃効果が期待できない。
【0004】特開昭62−152427号公報には、不
織布の構成繊維表面に、洗剤を封入した球形多孔質無機
粉体及び研磨材粒子を含む樹脂を被覆固着させたクリー
ナーが記載されている。しかし、このクリーナーにおい
ては、あまり水のない場所を清掃する場合に洗剤が溶け
出してこないので、十分な清掃効果が期待できない。水
で濡らしてから使うのでは手間が増えてしまう。また硬
度の高い研磨材粒子を用いた場合には、清掃対象面を傷
つけてしまう。
【0005】特開平2−21834号公報には、表面に
合成樹脂粉粒体や木粉を点在させた不織布に、植物精油
単体若しくはこれにオレイン酸やリノール酸を混合した
油脂有機溶剤を5〜30%含浸させた油脂拭きとり材が
記載されている。しかし、このような油脂有機溶剤は、
清掃対象面に付着したまま残存してしまうので、その後
に油汚れが付着し易くなってしまう。また、合成樹脂粉
粒体や木粉は硬度が低いので、清掃対象面に強固に付着
した汚れを除去することが容易でない。
【0006】特開平3−139320号公報には、ゼオ
ライト及びキレート剤を含有する熱可塑性樹脂結合剤を
不織布に含浸させて被覆した浴槽用クリーナーが記載さ
れている。しかし、水垢のような硬い汚れに対しては、
キレート剤では十分な洗浄効果が期待できない。また、
研磨材としてゼオライトを用いているのではないので、
研磨効果も期待できない。
【0007】従って、本発明は、清掃に際して新たに水
を供給することを必要とせず、また清掃対象面に傷を付
けること無く清掃対象面に付着した汚れを除去し得る清
掃用シートを提供することを目的とする。また本発明
は、清掃対象面を二度拭きする必要の無い清掃用シート
を提供することを目的とする。
【0008】本発明は、液体の保持が可能な基材シート
に水性洗浄剤が含浸されてなり、該基材シートの少なく
とも一面が液透過性の繊維集合体からなり、該繊維集合
体を構成する繊維にモース硬度が5以下の研磨粒子が保
持固定されている清掃用シートを提供することにより前
記目的を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき説明する。本発明の清掃用シートは、基材
シートに水性洗浄剤が含浸されてなる湿式シートであ
る。清掃用シートを構成する基材シートは、液体の保持
が可能であり且つ少なくとも一面が液透過性の繊維集合
体からなっている。この繊維集合体を構成する繊維に
は、モース硬度が5以下の研磨粒子が保持固定されてい
る。
【0010】基材シートとしては、単層構造のシート及
び多層構造のシートの何れもが用いられる。多層構造の
シートを用いる場合、該シートとしては例えば二層構造
のシートを用いることができる。二層構造のシートは、
液体の保持量が高い液保持層と、研磨粒子が保持固定さ
れている繊維を含む液透過性の繊維集合体の層からなる
研磨層とから構成されていることが好ましい。各層の機
能を分けることで、清掃用シートの性能を高めることが
できる。
【0011】二層構造の基材シートにおける液保持層と
しては、水性液を多量に保持できる繊維であるパルプ、
レーヨン、コットンなどの親水性繊維を含む繊維層が好
ましい。液保持層は親水性繊維のみから構成されていて
もよく、或いは液保持層の湿潤強度を高める目的で、低
吸収性又は非吸水性の繊維であるポリエチレンやポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル類、ポリアミド類、アクリ
ル樹脂などからなる繊維が更に含まれていてもよい。液
保持層における親水性繊維の割合は、50〜90重量
%、特に55〜75重量%であり、低吸収性又は非吸水
性の繊維の割合は10〜50重量%、特に25〜45重
量%であることが、清掃に十分な量の水性洗浄剤を保持
し得る点及び液保持層に十分な強度を付与する点から好
ましい。同様の理由により、液保持層の坪量は、20〜
200g/m2、特に50〜150g/m2であることが
好ましい。液保持層の具体例としては、例えばエアレイ
ド不織布、ウエットレイド不織布、レジンボンド不織
布、ウォーターニードリング不織布などが挙げられる。
【0012】二層構造の基材シートにおける研磨層とし
ては、湿潤強度が高く、研磨粒子の保持固定性が良好な
点から、各種合成繊維から構成される不織布を用いるこ
とが好ましい。合成繊維としては、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレ
フタレートなどのポリエステル類、ポリアミド類、アク
リル樹脂などの合成樹脂から構成される繊維が好ましく
用いられる。これらの繊維は、1〜20dtex、特に2〜1
0dtex程度の太さであることが好ましい。これらの繊維
から構成される不織布としては、スパンボンド不織布な
どのサーマルボンド不織布、レジンボンド不織布、スパ
ンレース不織布などのウオーターニードリング不織布、
エアレイド不織布、ウェットレイド不織布等が好適に用
いられる。これらの不織布は、その坪量(研磨粒子の保
持固定前の坪量)が20〜100g/m2、特に25〜
50g/m2であることが、研磨層に十分な強度を付与
し得る点及び水垢汚れに対して十分な研磨性が発現する
点から好ましい。
【0013】研磨層に研磨粒子を保持固定させるには、
例えばバインダーを用いて研磨粒子を繊維に保持固定す
る方法や、研磨粒子を繊維中に練り込む方法が挙げられ
る。バインダーを用いる場合には、研磨粒子及びバイン
ダーを含む塗布液を用いる。該塗布液における研磨粒子
とバインダーとの比率は、バインダーの硬さや接着性な
どを勘案して、バインダー100重量部に対して研磨粒
子50〜300重量部となるようにすることが好まし
い。該塗布液を、研磨層と液保持層とが積層一体化され
ている基材シートにおける研磨層の表面に施し、次いで
乾燥させることで、研磨層の表面に研磨粒子を保持固定
させることができる。一方、研磨粒子を繊維中に練り込
むには、マスターバッチとして、樹脂に研磨粒子を混練
したものを用い溶融紡糸すればよい。何れの方法を用い
る場合においても、研磨粒子の保持量は50〜250g
/m2、特に100〜150g/m2であることが、十分
な研磨性の発現及び経済性の点から好ましい。
【0014】研磨粒子を繊維に保持固定するために用い
られるバインダーとしては、研磨粒子及び繊維の双方に
強固に付着し、バインダー自体の凝集力が高く、更にフ
レキシブルなものが好ましい。具体的にはフェノール樹
脂、フェノール−アルデヒド樹脂、ブチレート化尿素−
アルデヒド樹脂、エキポシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコー
ル樹脂、エチレン−ビニルアセテート樹脂、アクリル樹
脂、アクリル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル樹
脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル樹脂などが挙げ
られる。バインダーは、エマルション状態のものを用い
ることが、環境負荷が小さくて済むことから好ましい。
【0015】またバインダーとして耐水性のものを用い
ることも好ましい。これによって清掃中における研磨粒
子の脱落を効果的に防止できる。その結果、広面積の清
掃を十分に行うことができ、また十分な研磨効果が持続
する。耐水性のバインダーとしては、エポキシ系接着
剤;アクリル樹脂系接着剤;EVA樹脂、ポリアミド樹
脂、エラストマーなどを用いたホットメルト系接着剤;
ウレタン系接着剤;CR系溶剤型、SBRラテックス型
などのゴム系接着剤;酢酸ビニル樹脂、EVA樹脂、ア
クリル樹脂、合成ゴムを用いたエマルション系接着剤;
シリコーン系接着剤;紫外線硬化型接着剤;可視光硬化
型接着剤などを用いることができる。これらの中でも、
特に加工のし易さや、環境に対する負荷が小さいことか
ら、エマルション系接着剤が好ましく、その中でも特に
アクリル樹脂エマルション系接着剤を用いることが好ま
しい。
【0016】バインダーは、それを構成する樹脂のガラ
ス転移点(Tg)が50℃以下、特に−45〜30℃、
とりわけ−45〜10℃であることが、バインダーによ
る清掃対象面の傷つけ防止、清掃用シートのベタツキ発
生の防止の点から好ましい。ガラス転移点(Tg)は、
例えば粘着ハンドブック第2版(日本粘着テープ工業会
編集、1995年、日本粘着テープ工業会発行)の第1
44頁に記載されている以下の式に従い測定される。
【0017】
【数1】
【0018】研磨粒子が基材シートを構成する繊維に保
持固定されていることに起因して、本発明の清掃用シー
トには、クレンザーを用いた清掃と比べて、清掃後の清
掃対象面に研磨粒子が残存しないという利点がある。従
って、本発明の清掃用シートを用いた清掃では二度拭き
の必要がない。
【0019】液保持層と研磨層とは積層一体化されてい
る。一体化の方法としては、例えば熱融着によって一体
化する方法が挙げられる。また両層がウオーターニード
リング不織布から構成されている場合には、各層を構成
する繊維ウエブを重ね合わせてウオーターニードリング
処理することによって両層を一体化させることができ
る。熱融着によって一体化させる場合には、各層に芯鞘
型複合繊維などの熱融着繊維を含有させることが好まし
い。また熱融着繊維は、湿潤強度を高めるための低吸収
性又は非吸水性の繊維としても用いられる。
【0020】保持層と研磨層とからなる基材シートの坪
量は、40〜300g/m2、特に80〜250g/
2、とりわけ100〜200g/m2であることが、清
掃時の操作性が良好である点及び基材シートに十分な強
度を付与し得る点から好ましい。
【0021】基材シートとして単層構造のシートが用い
られる場合、該シートとしては液体の保持が可能であり
且つ液透過性である繊維シートが用いられる。そして、
該繊維シートを構成する繊維に研磨粒子が保持固定され
ている。単層構造の基材シートは、水性洗浄剤の保持
性、十分な湿潤強度及び研磨粒子の坦持性を具備するこ
とが好ましい。これらの点から基材シートは、水性液を
多量に保持できる繊維であるパルプ、レーヨン、コット
ンのような親水性繊維を含み、且つ低吸収性又は非吸水
性の繊維であるポリエチレンやポリプロピレンなどのポ
リオレフィン類、ポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル類、ポリアミド類、アクリル樹脂などからな
る繊維を含むことが好ましい。これら低吸収性又は非吸
水性の繊維は、前述した二層構造の基材シートにおける
研磨層を構成する繊維と同程度の太さであることが好ま
しい。基材シートにおける親水性繊維の量は20〜80
重量%、特に40〜60重量%であり、低吸収性又は非
吸水性の繊維の量は80〜20重量%、特に60〜40
重量%であることが、水性洗浄剤の保持性、十分な湿潤
強度及び研磨粒子の坦持性の点から好ましい。用いる基
材シートの坪量は、50〜300g/m2、特に80〜
200g/m2であることが好ましい。
【0022】単層構造の基材シートの具体例としては、
スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ヒートロール
不織布などのサーマルボンド不織布、レジンボンド不織
布、スパンレース不織布などのウオーターニードリング
不織布、エアレイド不織布、ウェットレイド不織布等が
挙げられる。研磨粒子が保持固定されている基材シート
の坪量は、前述した二層構造の基材シートの坪量と同様
とすることができる。また研磨粒子を保持固定させる方
法及び保持量も、前述した二層構造の基材シートの場合
と同様とすることができる。但し、単層構造の基材シー
トにおいては、その片面のみならず両面に研磨粒子を保
持固定させてもよい。
【0023】基材シートに保持固定される研磨粒子とし
ては、モース硬度が5以下、好ましくは4.5以下のも
のが用いられる。モース硬度の下限値は、本発明の清掃
用シートの具体的な用途にもよるが、一般に2程度であ
る。モース硬度が5以下の研磨粒子は比較的やわらかい
部類に属するものなので、そのような研磨粒子を用いた
のでは、清掃対象面に強固に付着した汚れを十分に除去
できないと考えるかも知れない。しかし本発明において
は、基材シートに水性洗浄剤を含浸させておくことで、
清掃対象面に強固に付着した汚れが水性洗浄剤によって
軟化され、軟化した汚れが研磨粒子で掻き取られるの
で、研磨粒子のモース硬度が高くなくても汚れを十分に
除去できる。特に、研磨粒子が繊維に保持固定されてい
ることに起因して、クレンザーを用いた清掃と比べて研
磨粒子の転がりが生じないので、これによって汚れの掻
き取り性が高くなる。その上、研磨粒子のモース硬度が
比較的低いので、清掃対象面が傷つけられることが防止
される。
【0024】用いられる研磨粒子は、清掃対象面の素材
に応じて適宜選択すればよい。例えば、ガラスやそれに
近い硬度を有する釉薬を清掃対象面とする場合には、モ
ース硬度5以下のものを用いる。ステンレスで作られて
いるシンクやバスタブなどを清掃対象面とする場合には
モース硬度4以下のものを用いることが好ましい。プラ
スチック材料を清掃対象面とする場合には、使用されて
いるプラスチック材料の硬度未満のものが好ましく用い
られる。
【0025】研磨粒子の具体例としては以下のものが挙
げられる。尚、括弧内の数字はモース硬度を表す。輝石
(5)、アパタイト(5)、オブシディアン(5)、タ
ーコイズ(5)、ネフライト(5)、ヘマタイト
(5)、ラピスラズリ(5)、マンガン(5)、鉄
(4.5)、フローライト(4)、螢石(4)、ゼオラ
イト(4)、白銀(4)、アズライト(3.5)、コー
ラル(珊瑚)(3.5)、ハウライト(3.5)、マラ
カイト(3.5)、ロードクロサイト(3.5)、ニッ
ケル(3.5)、セレスタイト(3)、炭酸カルシウム
(3)、大理石(3)、アルミニウム(3)、アンチモ
ン(3)、銀(3)、銅(3)、メラミン(3)、ユリ
ア樹脂(3)、サーペンティン(2.5)、ジェット
(2.5)、真珠(2.5)、亜鉛(2.5)金(2.
5)、炭酸水素ナトリウム(重曹)(2)、アンバー
(琥珀)(2)、クリソコラ(2)、石膏(2)、雲母
(2)、ジプサム(2)、錫(2)、マグネシウム
(2)、ナイロン(2)、ポリカーボネート(2)、ポ
リエステル(2)、アクリル樹脂(2)、アプリコット
(2)、クルミ(2)、ピーチ(2)、コーン(2)、
鉛(1.5)、タルク(滑石)(1)。特に、鉄、ゼオ
ライト、炭酸カルシウム、メラミン、ユリア樹脂を用い
ることが好ましい。
【0026】研磨粒子は、その粒径が5〜600μm、
特に50〜400μmであることが、十分に高い研磨力
が得られる点から好ましい。粒径は電子顕微鏡による観
察によって測定される。研磨粒子の形状に特に制限はな
い。
【0027】ステンレス、陶器、ホーロー、ガラス、ク
ロムメッキ部分など、研磨によって比較的傷のつきやす
い硬質表面に付着している汚れを、該硬質表面に傷をつ
けずに、少ない回数の研磨操作で除去する観点からは、
研磨粒子として、対象となる硬質表面よりもモース硬度
の低い粒子、好ましくは炭酸カルシウムやゼオライトの
粒子を用い、且つその粒径分布において、325メッシ
ュより大きな粒径のものを全体の50重量%以上、特に
70重量%以上、とりわけ90重量%以上含み且つ28
メッシュより大きな粒径のものを実質的に含まないもの
を用いることが好ましい。なお、「28メッシュより大
きな粒径のものを実質的に含まない」とは、研磨粒子の
粒度分布の調整工程や清掃用シートの製造工程におい
て、28メッシュより大きな粒径の研磨粒子が、本発明
の効果を損なわない範囲において不可避的に混入するこ
とを妨げないことを意味する。
【0028】研磨効果を一層向上させるためには、10
0メッシュより大きな粒径の研磨粒子を全体の10重量
%以上、特に25重量%以上、とりわけ50重量%以上
含有することが好ましい。特に、研磨粒子として炭酸カ
ルシウムやゼオライトを用いた場合には、100メッシ
ュより大きな粒径の粒子は、研磨操作中に外力によって
割れて小さくなりやすい。これによって粒子数が増え、
研磨力が長時間維持される。また割れて生じた粒子に
は、研磨効果の高い多数の角部があることから、これに
よっても研磨力が長時間維持される。
【0029】清掃対象面に傷が生ずることを一層防止す
るためには、32メッシュよりも大きな粒径の研磨粒子
の割合が全体の10重量%未満、特に1重量%未満であ
ることが好ましい。傷付きを更に一層防止するために
は、32メッシュより大きな粒径の研磨粒子を実質的に
含まず且つ42メッシュよりも大きな粒径の研磨粒子の
割合が全体の15重量%未満、特に1重量%未満である
ことが好ましい。
【0030】基材シートに含浸される水性洗浄剤は、水
を媒体とし、洗浄成分である界面活性剤を含有するもの
である。これらの成分に加えて水性洗浄剤は酸性剤を含
有することが、清掃対象面に強固に付着した水垢汚れを
軟化させ易くする点から好ましい。同様の理由により、
水性洗浄剤は酸性剤に加えて又は酸性剤に代えて金属キ
レート剤を含有していることが好ましい。尚、水は50
〜99.9重量%、特に80〜99重量%含有されるこ
とが、清掃対象面の仕上がり性の点から好ましい。
【0031】界面活性剤としては、陰イオン界面活性
剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両
性界面活性剤の何れもが用いられる。特に洗浄性と仕上
がり性の両面から、ポリオキシアルキレン(アルキレン
オキサイド付加モル数1〜20)アルキル(炭素数8〜
22の直鎖または分岐鎖)グリコシド(平均糖縮合度1
〜5)、ソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22の直鎖又は
分岐鎖)エステル、及びアルキル(炭素数6〜22の直
鎖または分岐鎖)グリセリルエーテル等の非イオン界面
活性剤が好適に用いられる。同様の理由により、アルキ
ルカルボキシベタイン、アルキルスルホシベタイン、ア
ルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドカル
ボキシベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アル
キルアミドヒドロキシスルホベタインなどのアルキル炭
素数8〜24の両性界面活性剤も好適に用いられる。界
面活性剤は、水性洗浄剤中に、0.01〜2.0重量
%、特に0.05〜1.0重量%含有されることが、洗
浄性及び清掃対象面の仕上がり性の点で好ましい。
【0032】酸性剤としては、酢酸、モノクロル酢酸、
安息香酸、シュウ酸、トリカルバリル酸、グリコール
酸、乳酸、2−ヒドロキシブタン酸、サリチル酸、マン
デル酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、
グルコン酸、コハク酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、
マレイン酸などが挙げられる。特に、扱いやすさ、環境
負荷が小さいなどの点から、酢酸、乳酸、コハク酸、ク
エン酸、リンゴ酸、マレイン酸を用いることが好まし
い。酸性剤は、水性洗浄剤中に、0.1〜10重量%、
特に0.5〜3重量%含有されることが、十分な清掃効
果の発現及び清掃対象面での残留・析出防止の点から好
ましい。
【0033】金属キレート剤としては、金属イオンをキ
レートする能力を有するものであれば特に制限されな
い。例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミントリ酢酸、ジエチレントリアミン
ペンタ酢酸、ニトリロトリ酢酸、トリエチレンテトラミ
ンヘキサ酢酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1
−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチ
レンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、エチレン
グリコールビス(2−アミノエチルエーテル)テトラ酢
酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、ポリア
クリル酸、イソアミレン−マレイン酸共重合体、グルコ
ン酸、ヒドロキシベンジルイミジノ酢酸、イミジノ酢酸
及びこれらの塩が挙げられる。これらのうち、クエン
酸、酒石酸、リンゴ酸等の多価ヒドロキシカルボン酸類
又はこれらの塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エ
チレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)等の多価
ホスホン酸類又はこれらの塩を用いると、特に優れた洗
浄効果が得られるので好ましい。金属キレート剤は、水
性洗浄剤中に、1〜20重量%、特に3〜10重量%含
有されていることが、十分な清掃効果の発現及び清掃用
シートの保存中における金属キレート剤の析出を防止す
る点から好ましい。
【0034】水性洗浄剤には前記の各成分に加えて、ア
ルカリ剤、増粘剤、水溶性溶剤、除菌剤、香料、防黴
剤、色素(染料、顔料)、ワックス剤等を含有させるこ
ともできる。
【0035】アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等の
炭酸塩、硫酸水素ナトリウム等のアルカリ性の硫酸塩、
第1リン酸ナトリウム等のリン酸塩、ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩、酢酸ナトリウム、コ
ハク酸ナトリウム等の有機アルカリ金属塩挙げられる。
また以下の一般式(1)〜(4)で表されるアミン化合
物も用いることができる。
【0036】
【化1】
【0037】一般式(1)で表される化合物としては、
アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、N−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル
−1−プロパノール等を挙げることができる。一般式
(2)で表される化合物としては、N−(β−アミノエ
チル)エタノールアミン等を挙げることができる。一般
式(3)で表される化合物としては、ジエチレントリア
ミン等を挙げることができる。一般式(4)で表される
化合物としては、モルホリン、N−エチルモルホリン等
を挙げることができる。
【0038】上述した各種アルカリ剤のうち、特に感触
とpHの緩衝性の点で、モノ、ジ又はトリエタノールア
ミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル
−1−プロパノール等のβ−アミノアルカノール並びに
モルホリンが好ましい。アルカリ剤は、水性洗浄剤中
に、0.01〜30重量%、特に0.1〜20重量%、
とりわけ0.5〜10重量%含有されることが、洗浄性
及び感触の面で好ましい。
【0039】増粘剤としては、天然多糖類、セルロース
系高分子及びデンプン系高分子等の半合成高分子、ビニ
ル系高分子及びポリエチレンオキシド等のその他合成高
分子、粘土鉱物等の水溶性高分子が挙げられる。特にベ
タツキ感、ヌルツキ感の低いポリアクリル酸系増粘剤若
しくはアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体系増
粘剤又はこれらの混合物が好ましい。これらアクリル酸
系増粘剤は、ナトリウム塩の状態で粘性を発現するのが
好ましい。増粘剤は、水性洗浄剤中に、0.01〜2重
量%、特に0.02〜1重量%含有されることが、被清
掃面の仕上がり性の点で好ましい。
【0040】水溶性溶剤としては、1価アルコール、多
価アルコール及びその誘導体から選ばれる1種以上のも
のが好適である。特に仕上がり性の点から蒸気圧267
Pa(2mmHg)以上のものが好ましい。例えば、次
の一般式(5)〜(7)で表わされる化合物、炭素数4
〜12の二価アルコール及び炭素数1〜5の一価アルコ
ールから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0041】
【化2】
【0042】一般式(5)で表わされる水溶性溶剤にお
いて、R14、R15がアルキル基である場合の炭素数は1
〜4が特に好ましい。また、式(5)中、エチレンオキ
サイド(E.O.)及びプロピレンオキサイド(P.
O.)の平均付加モル数のm及びnは、それぞれ0〜1
0のものが用いられるが、これらの付加順序は特に限定
されず、ランダム付加したものであってもよい。この化
合物(5)の具体例としては、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオ
キシエチレン(p=1)ポリオキシプロピレン(p=
1)グリコールジメチルエーテル(pは平均付加モル数
を示す)、ポリオキシエチレン(p=3)グリコールフ
ェニルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロ
ソルブ、ベンジルカルビトール等が挙げられる。このう
ち、洗浄力及び使用感の点から、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、ポリオキシエチレングリコールフェニルエー
テルが好ましい。
【0043】また、一般式(6)で表わされる化合物と
しては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンが好適なもの
として例示され、一般式(7)で表わされる化合物とし
ては3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−エトキ
シ−3−メチルブタノール等が好ましい。また、炭素数
4〜12の二価アルコールとしては、イソプレングリコ
ール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオー
ル等が例示される。更に炭素数1〜5の一価アルコール
としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等が例示される。これらの低級アルコールを配合す
ることにより、水性洗浄剤の低温安定性が向上する。
【0044】水溶性溶剤は、水性洗浄剤中に、1〜50
重量%、特に1〜20重量%含有されることが、臭い及
び皮膚刺激性の低減の点から好ましい。
【0045】水性洗浄剤は、基材シートの重量に対して
50〜1000重量%、特に100〜500重量%含浸
されていることが、水性洗浄剤の保持性と放出性とのバ
ランス及び清掃性能の点から好ましい。
【0046】以上詳述したように、本発明の清掃用シー
トは、水性洗浄剤を含有しており且つ研磨粒子が保持固
定されているので、清掃に際して別途水や洗浄剤を用い
る必要がない。更に、水性洗浄剤と研磨粒子との相乗作
用によって、清掃対象面に傷を付けること無く、清掃対
象面に強固に付着した水垢汚れを除去できる。清掃後に
は、清掃対象面に研磨粒子が残存しないので、二度拭き
の手間が省ける。本発明の清掃用シートは、特にキッチ
ン周りにこびついた変性油、焦げ付き及び水垢、並びに
浴室、洗面台、トイレなどの水周りに付着した水垢や石
鹸カスの除去に有効である。
【0047】本発明は前記実施形態に制限されない。例
えば前記実施形態における多層構造の基材シートとし
て、二層構造のものに代えて、液保持層の両面に研磨層
が積層一体化された三層構造の基材シートを用いてもよ
い。
【0048】
【実施例】以下の実施例及び比較例中、特に断らない限
り「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及び「重量
部」を意味する。
【0049】〔実施例1〕325メッシュの篩残分65
%、100メッシュの篩残分5%、60メッシュの篩残
分0%、42メッシュの篩残分0%である炭酸カルシウ
ム(研磨粒子、モース硬度3、G−100/三共製粉
(株)製)100部及びアクリル樹脂エマルジョン(バ
インダー、AD−25/日本エヌエスシー(株)製、T
g=−40℃、固形分50%)100部を混合して塗布
液を調製した。ポリプロピレンのスパンボンド不織布
〔三井化学製のシンテックス(商品名)、坪量30g/
2〕に塗布液を塗布し(塗布量300g/m2)、乾燥
させて研磨層を形成した。研磨層における炭酸カルシウ
ム及びアクリル樹脂の合計量は225g/m2であっ
た。(炭酸カルシウム150g/m2、アクリル樹脂7
5g/m2
【0050】これとは別に、パルプ(長さ加重平均繊維
長2.5mm)60部及びポリエチレン/ポリプロピレ
ンの芯鞘型複合繊維(2dtex、5mm、鞘成分の融点1
30℃)40部を原料とし、エアレイ法によってこれら
の繊維を堆積させてウエブを形成した。このウエブをア
クリロニトリル−ブタジエンゴムからなるバインダーで
固定して、乾式パルプシートからなる坪量80g/m2
の液保持層を得た。パルプ繊維の長さ加重平均繊維長は
カヤーニ繊維長測定器を用いて測定される。微細な特定
繊維長範囲内にある繊維の平均繊維長をli(i=1〜1
44)とし、その本数をNiとすると、全体の長さ加重平
均繊維長はΣNili 2/ΣNiliで表される。
【0051】研磨層と液保持層とを重ね合わせ、熱融着
させて両層を一体化させて二層構造の基材シートを得
た。基材シートの坪量は335g/m2であった。この
基材シートに、該基材シートの重量に対して200%の
水性洗浄剤を含浸させて、清掃用シートを得た。水性洗
浄剤は、界面活性剤としてドデシルグルコシド(縮合度
1.4)を0.2%、水溶性溶剤としてプロピレングリ
コールを5%を含み、残部が水からなるものであった。
【0052】〔実施例2〕レーヨン(2dtex、50m
m)40部及びポリエチレン/ポリエチレンテレフタレ
ートの芯鞘型複合繊維(3dtex、50mm、鞘成分の融
点130℃)60部を原料とし、カード法によってウエ
ブを形成した。このウエブに130℃の熱風を吹き付け
て構成繊維を融着させて、坪量100g/m2のエアス
ルー不織布を得た。
【0053】これとは別に、325メッシュの篩残分8
0%、100メッシュの篩残分50%、60メッシュの
篩残分0%のメラミン樹脂(研磨粒子、モース硬度3)
100重量部及びアクリル樹脂エマルジョン(バインダ
ー、AD−93/日本エヌエスシー(株)製、Tg=−
10℃、固形分45%)50部を混合して塗布液を調製
した。前記エアスルー不織布に塗布液を塗布し(塗布量
200g/m2)、乾燥させて単層構造の基材シートを
得た。基材シートにおけるメラミン樹脂及びアクリル樹
脂の合計量は163g/m2であった。また基材シート
の坪量は263g/m2であった。
【0054】得られた基材シートに、界面活性剤として
ドデシルグルコシド(縮合度1.4)を0.2%、酸性
剤としてクエン酸を3%、水溶性溶剤としてプロピレン
グリコールを5%含み残部が水からなる水性洗浄剤を、
該基材シートの重量に対して250%含浸させて、清掃
用シートを得た。
【0055】〔実施例3〕研磨粒子として325メッシ
ュの篩残分60%、100メッシュの篩残分20%、6
0メッシュの篩残分0%であるゼオライトを用いた。ま
た水性洗浄剤として、ラウリル酸アミドプロピルベタイ
ン(界面活性剤)1.5%、エチレンジアミンテトラ酢
酸ナトリウム(金属キレート剤)2.5%、ブチルジグ
リコール(水溶性溶剤)5%、及び残部が水からなるも
のを用いた。この水性洗浄剤を基材シート重量に対して
250%含浸させた。これら以外は、実施例2と同様に
して清掃用シートを得た。
【0056】〔実施例4〕レーヨン(1.4dtex、40
mm)50部と、ポリプロピレン繊維(2dtex、51m
m)50部とからなるスパンレース不繊布を製造した。
このスパンレース不織布の坪量は100g/m2であっ
た。これとは別に、炭酸カルシウム(1−A/三共製粉
(株)製)100部に対し、耐水性接着剤(A−410
0/日本エヌエスシー製のアクリル樹脂エマルション系
接着剤、Tg=10℃、固形分60%)50部を混合し
塗布液を調製した。炭酸カルシウムは、325メッシュ
の篩残分が99%、100メッシュの篩残分が61.8
%、28メッシュの篩残分が0%、32メッシュの篩残
分が0%、42メッシュの篩残分が0%であった。塗布
液をスパンレース不織布に塗布し乾燥させた。乾燥後の
坪量は317g/m2であった。炭酸カルシウムの量は
167g/m2、接着剤の量は50g/m2であった。こ
れら以外は実施例1と同様にして清掃用シートを得た。
【0057】〔実施例5〕鞘がポリエチレンで、芯がポ
リエステルからなる芯鞘型複合繊維(3dtex、50m
m、鞘成分の融点130℃)60部と、レーヨン(2dt
ex、50mm)40部とを原料としてカードウエブを製
造した。このカードウエブを130℃の熱風で処理し
て、坪量200g/m2のエアスルー不織布を得た。こ
れとは別に、炭酸カルシウム(K−1/三共製粉(株)
製)100部に対し、耐水性接着剤(AA−936/日
本エヌエスシー製のアクリル樹脂エマルション系接着
剤、Tg=4℃、固形分45%)50部を混合し塗布液
を調製した。炭酸カルシウムは、325メッシュの篩残
分が100%、100メッシュの篩残分が94.1%、
28メッシュの篩残分が0%、32メッシュの篩残分が
0%、42メッシュの篩残分が14%であった。塗布液
をエアスルー不織布に塗布し乾燥させた。乾燥後の坪量
は445g/m2であった。炭酸カルシウムの量は20
0g/m2、接着剤の量は45g/m2であった。これら
以外は実施例1と同様にして清掃用シートを得た。
【0058】〔比較例1〕実施例1において水性洗浄剤
を含浸させずに同量の水を含浸させた以外は実施例1と
同様にして清掃用シートを得た。
【0059】〔比較例2〕実施例1において研磨粒子を
保持固定しない以外は実施例1と同様にして清掃用シー
トを得た。
【0060】〔比較例3〕スコッチブライト調理器具用
スポンジ(3M社家庭用ナイロンスポンジ、研磨粒子と
してアルミナを使用)に、実施例1と同様の水性洗浄剤
を100%含浸させた。
【0061】〔性能評価〕実施例及び比較例で得られた
清掃用シートについて、以下の方法でタイル及びステン
レスの水垢汚れの除去性及び傷つき防止性を評価した。
結果を表1に示す。
【0062】〔タイル及びステンレスの水垢汚れの除去
性及び傷つき防止性〕 (1)モデル水垢汚れの調製 (a)タイルの場合 INAX製の半磁器タイルSP−20/25(商品名、
大きさ110mm×110mm)を用意した。2号ケイ
酸ナトリウム(Na2Si03)5重量%水溶液からなる
モデル水垢液1gを、前記タイルの一面全体に塗布し
た。このタイルを100℃の電気乾燥機に入れて30分
間焼き付け、水垢汚れを調製した。 (b)ステンレスの場合 80mm×30mmのSUS304プレートを用意し
た。このプレートを前記モデル水垢液中に1時間浸漬し
た。次いでこのプレートを100℃の電気乾燥機に入れ
て30分間焼き付け、水垢汚れを調製した。 (2)水垢汚れの除去性及び傷つき防止性の評価 実施例及び比較例で得られた清掃用シートを用いて、調
製されたモデル水垢汚れを20回強く擦った。その後の
タイル及びステンレス表面の状態を以下の基準で評価し
た。 (a)水垢汚れの除去性 ◎:簡単に全ての汚れが落ちた。 ○:完全に汚れが落ちた。 △:水垢が薄く残った。 ×:水垢が落ちなかった。 (b)傷つき防止性 ○:傷つきがない。 △:薄く傷がついた。 ×:ひどく傷ついた。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示す結果から明らかなように、実施
例の清掃用シート(本発明品)によれば、タイル及びス
テンレスに傷を付けること無く、水垢汚れを除去できる
ことが判る。これに対して比較例1及び2の清掃用シー
トは、タイル及びステンレスに傷をつけないが、水垢汚
れを除去できないことが判る。比較例3の研磨スポンジ
は、タイル及びステンレスをひどく傷つけることが判
る。
【0065】
【発明の効果】本発明の清掃用シートによれば、清掃に
際して水を必要とせず、また清掃対象面に傷を付けるこ
と無く清掃対象面に付着した汚れを除去することができ
る。また本発明の清掃用シートによれば、清掃対象面を
二度拭きする必要がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/79 D06M 11/00 G 11/83 15/423 (72)発明者 坂橋 春夫 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 3B074 AA02 AB01 AC02 CC03 4L031 BA04 BA19 BA23 BA24 CA00 DA00 4L033 AA02 AA05 AA07 AB07 AC10 AC15 CA18 CA36 DA02 4L047 AA08 AA12 AA14 AA27 AB04 AB06 BA09 BA12 BA24 CA02 CA05 CC16 DA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体の保持が可能な基材シートに水性洗
    浄剤が含浸されてなり、該基材シートの少なくとも一面
    が液透過性の繊維集合体からなり、該繊維集合体を構成
    する繊維にモース硬度が5以下の研磨粒子が保持固定さ
    れている清掃用シート。
  2. 【請求項2】 前記水性洗浄液が界面活性剤及び酸性剤
    を含有している請求項1記載の清掃用シート。
  3. 【請求項3】 前記水性洗浄液が界面活性剤及び金属キ
    レート剤を含有している請求項1記載の清掃用シート。
  4. 【請求項4】 前記基材シートが、単層構造の繊維シー
    トからなるか、又は少なくとも一面が前記繊維集合体か
    らなる多層構造のシートからなる請求項1〜3の何れか
    に記載の清掃用シート。
  5. 【請求項5】 前記研磨粒子がバインダーによって前記
    繊維に保持固定されているか、又は前記研磨粒子が前記
    繊維中に練り込まれている請求項1〜4の何れかに記載
    の清掃用シート。
  6. 【請求項6】 前記バインダーが耐水性のものであり、
    前記研磨粒子は、その粒径分布において、325メッシ
    ュより大きな粒径のものを全体の50重量%以上含み且
    つ28メッシュより大きな粒径のものを実質的に含まな
    いものである請求項5記載の清掃用シート。
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