JP2005312711A - 人工大理石用清掃物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 素手で持つことができ、簡単に、広範な人工大理石の表面に均一に所定量の洗浄剤を塗布することができる清掃物品を提供すること。
【解決手段】 人工大理石用清掃物品は、水性洗浄剤を、紙又は不織布からなる基材に、該基材0.1〜30gに対して1〜100g含浸させてなる。水性洗浄剤は、(A)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される少なくとも一種の界面活性剤0.01〜10重量%、並びに(B)キレート剤0.1〜20重量%を含有し、且つpHが3〜7である。
【選択図】 図2
【解決手段】 人工大理石用清掃物品は、水性洗浄剤を、紙又は不織布からなる基材に、該基材0.1〜30gに対して1〜100g含浸させてなる。水性洗浄剤は、(A)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される少なくとも一種の界面活性剤0.01〜10重量%、並びに(B)キレート剤0.1〜20重量%を含有し、且つpHが3〜7である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、人工大理石に付着したシミ汚れ、焦げ付き汚れ、油汚れを除去して本来の光沢を回復するのに適した洗浄剤含浸タイプの人工大理石用清掃物品に関する。
人工大理石は一般に、無機の充填剤を添加したアクリル系樹脂ないしポリエステル系樹脂を硬化させたもので、傷つきやすい材質といえる。そのため、経年とともに表面に細かな傷が生じ、各種の汚れがその傷に入り込んで、食器用洗剤などの中性洗剤では簡単に落ちない汚れが発生してくる。その場合には、研磨剤含有洗浄剤のクレンザーやナイロンスポンジ、メラミンスポンジ等を用いて、人工大理石の表面とともに汚れを研磨して沈着した汚れを除去することは可能である。しかし、人工大理石本来の光沢が徐々に失われてしまう。またその研磨により新たに生じた微細な傷に新たな汚れが沈着してしまうという問題点がある。
一方、住居用の漂白剤組成物である、主として次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系漂白剤や酸素系漂白剤を、人工大理石の沈着した汚れの洗浄に使用することができる。次亜塩素酸ナトリウムを使用した硬質表面用漂白剤は、洗浄性能は優れているが、人工大理石製の調理台の全面に均一に塗布することは難しい。スポンジ等に含ませて塗り拡げる場合も手袋等の使用が必須となり、面倒な作業となる。また目や皮膚に対する安全性の問題があり、不快な塩素臭も強い。更に、使用後に人工大理石の表面にヌメリ感が残ることがあり、そのすすぎに多大な労力を必要とする。
一方、酸素系漂白剤としては、ペルオキソ炭酸ナトリウム、ペルオキソホウ酸ナトリウム、ペルオキソ硫酸ナトリウム等に代表される水に溶解した時点で漂白活性種(OOH-)を生成する酸素系粉末漂白剤がある。このような粉末漂白剤は水に溶解してから洗浄に供する必要があるが、簡便性、手肌への刺激、目に入った時の安全性等を考慮すると問題がある。また、過酸化水素水を用いる場合は、使用時にアルカリ剤と混合する必要があり、前記と同様に簡便性、安全性、すすぎの面で問題がある。
これらとは別に、硬質表面用洗浄剤として、キレート剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン活性剤、水溶性溶剤を含有し、pH4.5〜7.5の浴室用洗浄剤が知られている(特許文献1参照)。しかし、このような洗浄剤をキッチンの調理台に使用されている人工大理石の表面に均一に適量塗布することは難しい。更に、変性した油汚れや焦げ付いた汚れなどについては汚れを研磨したり、掻き取ったりする必要があるため、前記洗浄剤のみでは隅々までのしっかりした洗浄・仕上げが困難である。
従って本発明の目的は、人工大理石表面を傷つけることなく、且つ手袋を必要とせず沈着した汚れを簡単に洗浄でき、更に安全性に優れた人工大理石用清掃物品を提供することにある。
本発明は、(A)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される少なくとも一種の界面活性剤0.01〜10質量%、並びに(B)キレート剤0.1〜20質量%を含有し、且つpHが3〜7である水性洗浄剤を、紙又は不織布からなる基材に、含浸率80〜2000%で、1〜100g含浸させた人工大理石用清掃物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、(A)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される少なくとも一種の界面活性剤0.01〜10質量%、並びに(B)キレート剤0.1〜20質量%を含有し、且つpHが3〜7である水性洗浄剤が貯蔵されている水性洗浄剤貯蔵部と、これに隣接して取り付けられた塗布部とを備え、清掃時に、前記塗布部を通じて前記水性洗浄剤が前記貯蔵部から清掃対象面に施されるようになされている人工大理石用清掃物品を提供するものである。
本発明の人工大理石用清掃物品は、界面活性剤及びキレート剤を含有する弱酸性の水性洗浄剤を含浸したものであるため、手肌への刺激が低い。従って、汚れに気づいた時に素手で清掃物品を持って簡単に、広範な人工大理石の表面に均一に所定量の洗浄剤を塗布することができる。また、しつこい汚れの部分を基材でやや強めに擦ることで、一層優れた洗浄性を得ることができる。洗浄剤が基材に含浸されているか、または水性洗浄剤を貯蔵する貯蔵部と、それに隣接して取り付けられた塗布部とを備えた形態になっているので、細かな場所にも塗布しやすく、凹凸部や隅の部分まで汚れを効果的に除去できる。また液ダレの気になる高い場所や垂直な場所なども、液ダレを気にせずに効果的かつ安全に汚れを除去できる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の人工大理石用清掃物品の第1の実施形態における基材の断面構造の模式図が示されている。
本実施形態の清掃物品は、水性洗浄剤を基材に含浸させてなるものである。水性洗浄剤は水を媒体とし、(A)界面活性剤及び(B)キレート剤を含有している。(A)の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される少なくとも一種である。
陰イオン界面活性剤としては、炭素数が好ましくは10〜18、更に好ましくは10〜16、一層好ましくは10〜15のアルキル基又はアルケニル基と、−SO3M基及び/又は−OSO3M基(M:対イオン)とを分子中に有する陰イオン界面活性剤が好ましい。具体的には前記炭素数を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が好ましい。これらの中でも特に、炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキサイド(以下、EOと表記する)平均付加モル数が好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4、一層好ましくは1〜3であるポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル硫酸エステル、炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、及びこれらの塩から選ばれる一種以上を配合することが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が貯蔵安定性の点から良好である。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド付加モル数1〜20)アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エーテルのようなポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤、アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)グリコシド(平均糖縮合度1〜5)、ソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エステル、及びアルキル(炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖)グリセリルエーテル等が好ましい。
両性界面活性剤としては、アルキル炭素数が8〜24であるカルボキシベタイン型やアミンオキサイド型のものが挙げられる。カルボキシベタイン型のものとしては、例えばアルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドカルボキシベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。アミンオキサイド型のものとしては、アルキルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
特に、しつこいシミ汚れとなる紅茶やお茶の洗浄性が高い点から、ポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤又はアミンオキサイド型若しくはカルボベタイン型の両性界面活性剤が好ましく、とりわけ非イオン界面活性剤であるポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド付加モル数1〜20)アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エーテルが好ましい。
界面活性剤は、洗浄性能の面から0.01重量%以上、仕上り性ないし仕上げ拭きの面から10重量%以下で配合される。好ましくは、0.1〜5重量%、更に好ましくは0.5〜3重量%配合される。
(B)のキレート剤としては、下記(i)〜(ix)のものが挙げられる。なかでも(i)、(iii)、(v)、(vi)、(vii)及び(viii)から選ばれる少なくとも一種が好ましく用いられる。例えば、リン酸、2個以上のホスホン酸基を有する多価ホスホン酸、アミノ酸、アミノポリ酢酸若しくはポリカルボン酸又はこれらの塩が挙げられる。更に、しつこいシミ汚れとなる紅茶やお茶の洗浄性の面から(i)、(iii)及び(vii)から選ばれる少なくとも一種のものが好ましく用いられる。この中でも特に安全性の点から、トリポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、クエン酸、リンゴ酸が好ましい。人工大理石に付着したしみは、日本茶や紅茶等の茶渋が付着して形成される場合が多い。この茶渋に含まれるポリフェノールが変色して、しみの原因となると考えられる。しかし、前記のキレート剤を併用することにより、このようなしみを有効に取り除くことができる。
(i)トリポリリン酸、オルトリン酸、ヘキサリン酸、メタリン酸などのリン酸又はそのアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(ii)フィチン酸等のリン酸系化合物のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(iii)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等の、2個以上のホスホン酸基を有する多価ホスホン酸又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカノールアミン塩
(iv)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(v)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカノールアミン塩
(vi)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチルテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカノールアミン塩
(vii)乳酸、グルコン酸などのモノカルボン酸、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸などのポリカルボン酸等の有機酸又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカノールアミン塩
(viii)ゼオライトAに代表されるアルミノケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(ix)アミノポリ(メチレンホスホン酸)のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、又はポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(ii)フィチン酸等のリン酸系化合物のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(iii)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等の、2個以上のホスホン酸基を有する多価ホスホン酸又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカノールアミン塩
(iv)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(v)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカノールアミン塩
(vi)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチルテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカノールアミン塩
(vii)乳酸、グルコン酸などのモノカルボン酸、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸などのポリカルボン酸等の有機酸又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカノールアミン塩
(viii)ゼオライトAに代表されるアルミノケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(ix)アミノポリ(メチレンホスホン酸)のアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、又はポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩
(B)のキレート剤は、洗浄性能の面から0.1重量%以上、仕上り性ないし仕上げ拭きの面から20重量%以下で配合される。好ましくは、0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%配合される。
水性洗浄剤はそのpHが、洗浄性能の面から弱酸性領域である3〜7に調整される。しつこいシミ汚れとなる紅茶やお茶の洗浄性の面から、好ましくはpH3〜5に調整される。pHは例えば酸やアルカリの添加によって調整される。
前述の(A)及び(B)に加えて水性洗浄剤には、水溶性の有機酸塩又は無機塩が更に含まれることが、シミ汚れ以外に弱酸性領域側で油汚れやこげつき汚れに対する洗浄性を高める点から好ましい。無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び硫酸ナトリウムのような一価の水溶性金属塩、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸亜鉛のような二価の水溶性金属塩、塩化アルミニウム及び塩化鉄のような三価の水溶性金属塩が挙げられる。有機酸塩としては、例えばクエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム及びフマル酸ナトリウムが挙げられる。有機酸塩や無機塩は、水性洗浄剤中に、0.02〜10重量%、特に0.1〜5重量%、とりわけ0.2〜3重量%含有されることが、清掃物品の掻き取り性が向上し、洗浄性が良好になる点から好ましい。
更に水性洗浄剤には、過酸化水素水が更に含まれることが、人工大理石の細かな傷に入ったしつこい汚れを洗浄する観点、及び除菌性を付与する観点から好ましい。過酸化水素水は、過酸化水素換算で1〜10重量%配合されることが好ましい。
水性洗浄剤には、洗浄性、仕上がり性の観点から水溶性溶剤を配合しても良い。例えば、一価アルコール、多価アルコール及びその誘導体から選ばれる一種以上のものが好適である。特に、油汚れの溶解性、仕上がり性、安全性の点から、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン等が好ましい。更に、除菌性能を付与する点からは、これらの中でもエタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール等が好ましい。水溶性溶剤は、水性洗浄剤中に、1〜20重量%、特に3〜10重量%配合されることが、臭い及び皮膚刺激性の低減の点から好ましい。
水性洗浄剤には、前述の成分に加えて除菌剤を含有させることもできる。これによって、水性洗浄剤に、洗浄効果に加えて除菌効果を付与することができる。除菌剤としては、第四級アンモニウム塩、安息香酸ナトリウム及びパラオキシ安息香酸ナトリウム、過酸化水素並びにポリリジンのような天然除菌剤等が挙げられる。特に配合安定性と除菌性能の点から、第四級アンモニウム塩、過酸化水素、天然除菌剤のポリリジン等が好ましく用いられる。除菌剤は、水性洗浄剤中に、0.005〜5重量%、特に0.01〜3重量%含有されることが、除菌効果と皮膚刺激性低減とのバランスの点から好ましい。
更に、水性洗浄剤には必要に応じ、アルカリ剤、香料、防黴剤、色素(染料、顔料)、研磨剤、つや出し剤等を含有させることもできる。
水性洗浄剤の媒体である水は、水性洗浄剤中に、50〜99重量%、特に80〜97重量%配合されることが、人工大理石表面の洗浄性及び仕上がり性の点から好ましい。
水性洗浄剤は、基材一枚当たり1〜100g含浸されている。1g未満では、人工大理石からなる調理台等の全域を清掃することが難しい。100gを超えると、塗布する洗浄剤量が多すぎて、仕上がり性及び清掃時の拭き易さの面から適さない。水性洗浄剤の含浸量は、特に5g〜50g、とりわけ5g〜30gであることが、人工大理石からなる一般的な調理台等に所定量の洗浄剤を均一に塗布する点から好ましい。この含浸量は、人口大理石表面への水性洗浄剤の塗布性および仕上がり性の点から、基材の乾燥重量に対する含浸率が80〜2000%、好ましくは100〜1500%となるような量である。基材の大きさは50〜1000cm2、特に90〜800cm2程度であることが、清掃時の取り扱い性等の点から好ましい。なお、人工大理石からなる一般的な調理台等の面積は、0.5〜3m2程度である。水性洗浄剤の人口大理石表面に対する放出量は、水性洗浄剤が含浸される基材の密度や構造および含浸率によっても変わる。そして、基材が保持しきれない水性洗浄剤の余剰分が、人口大理石表面への放出可能な量であることから、水性洗浄剤が含浸される素材および含浸率を組み合わせることにより、水性洗浄剤の放出量をコントロールすることができる。具体的には清掃物品は、水性洗浄剤が、人工大理石表面100cm2に対して少なくとも0.02g〜1g放出されるように含浸されていることが、シミ汚れの洗浄性の面から好ましい。特に0.05〜0.5g、とりわけ0.08〜0.3g放出されるように含浸されていることが洗浄性、仕上がり性、経済性の面から好ましい。
水性洗浄剤が含浸される基材1は、人工大理石を傷つけない硬度の繊維又は樹脂からなる。樹脂性の繊維または樹脂を用いる場合、その樹脂硬度は、ロックウェル硬さでR150以下が好ましい。また基材は、可撓性を有し、前記洗浄剤が含浸可能なものであり、使用時に十分な強度を有し、繊維くず等の発生の無いものが用いられる。
基材1が繊維からなる場合、該基材としては、繊維状材料から構成される繊維構造体、例えば、各種紙、不織布、織布、編布、パルプシート等が挙げられる。これらの繊維構造体を構成する繊維状材料としては、例えばセルロース系繊維、変性セルロース繊維、合成繊維及びこれらの二種以上の混合物などが挙げられる。セルロース系繊維としては、例えば木材系パルプや綿、麻等の天然繊維、テンセル、ビスコースレーヨンやアセテート等のセルロース系化学繊維が挙げられる。一方、前記合成繊維としては、例えば、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維及びこれらの合成繊維の少なくとも二種を芯鞘型等に複合化した繊維、並びにこれらの合成繊維の少なくとも二種を混合した繊維等が挙げられる。
基材1が樹脂からなる場合、該基材としては、例えば多孔質構造体(例えば、スポンジ状構造体)が挙げられる。この場合、該多孔質構造体の形状としては、例えばシート状や柱状、直方体等が挙げられるがこれに限定されるものではない。多孔質構造体を構成する材料としては、セルロース系樹脂、合成繊維及びこれらの二種以上の混合物などが挙げられる。セルロース系樹脂としては、ビスコースレーヨンやアセテート等が挙げられる。一方、合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などが挙げられる。
特に、基材1への水性洗浄剤の含浸性、清掃物品の使用感、及び操作性の点から、基材1として、紙、不織布又はパルプシートを用いることが好ましい。その場合の基材1は、セルロース繊維のような親水性繊維からなるか、又は親水性繊維を20〜95重量%、熱可塑性繊維を5〜80重量%含んでなることが好ましい。なお、坪量は特に限定されないが、清掃性能および経済性の面から30g/m2〜300g/m2程度が好ましい。
また基材1として、図2及び図3に示すように、少なくとも2枚のシート材2,3から構成されたシートを用いることも好ましい。2枚のシート材2,3は、先に述べた、紙、不織布、織布、パルプシート又は可撓性多孔質構造体の中から任意に組み合わせることができる。2枚のシート材2,3は、ヒートエンボス線6によって熱融着されて一体化している。これらのシート材のうち少なくとも一方、例えば図2におけるシート材2は、人工大理石表面に存する汚れに対して研磨性ないし掻き取り性を有している不織布であることが好ましい。これによってウエット状態の清掃物品による清掃対象面の清拭操作を一層効率的に行うことができる。
シート材2はその表面、つまり基材1におけるこびりつき汚れのかきとり清掃面に、熱可塑性繊維4の先端部が多数存在して、該清掃面が、清掃対象面に存する汚れに対する研磨性ないし掻き取り性を有することが好ましい。これによって、汚れの除去性が一層高まる。先端部の本数は、清掃対象面に存する汚れに対する十分な研磨性ないし掻き取り性が発現するのに十分な数とする。この目的のために、熱可塑性繊維4として、繊度が10〜150dtexのものを用いることが好ましい(以下、この熱可塑性繊維を、太径熱可塑性繊維という)。太径熱可塑性繊維4を用いることで、シート材2の表面に多数の先端部が存在することになり、人工大理石の表面に存する汚れに対する研摩性ないし掻き取り性が高くなる。
太径熱可塑性繊維4の繊度を前記範囲内とすることで、こびりついた汚れ(紅茶等のシミ汚れ、油の焦げ付き汚れ)の掻き取り性が良好となる。掻き取り性を一層高める観点から、太径熱可塑性繊維4は25〜90重量%含まれ、且つ少なくとも太径熱可塑性繊維4同士の交点が熱融着されていることが好ましい。
太径熱可塑性繊維4の繊維長は、シート材2を形成する方法に適した繊維長に設定できる。例えば、シート材2をエアレイ法で形成する場合、繊維長を2〜15mmとすることで、シート材2からの繊維の脱落が防止され、また繊維を均一に分散させることができる。特に、太径熱可塑性繊維4の繊維長が好ましくは3〜8mm、更に好ましくは4〜6mmであると、シート材2からの太径熱可塑性繊維4の脱落等が一層防止され、また一層均一で、汚れの掻き取り性に優れたシート材2を形成することができる。また、前記範囲内の繊維長は、シート材2をエアレイ法で形成する場合に、ウェブ形成の点から好適な繊維長でもある。シート材2を湿式抄紙法で形成する場合には、繊維長を0.1〜20mm、特に0.2〜15mmとすることが好ましい。シート材2をスパンレース法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法により形成する場合には、繊維長は30〜100mm、特に35〜65mmであることが好ましい。
太径熱可塑性繊維4の構成材料としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂などが用いられる。樹脂硬度は、ロックウェル硬さでR40〜R150の範囲が好ましい。特に、汚れの掻き取り性を向上させる点からは、R80〜R150の樹脂を用いることが好ましい。前記の各種原料のうち、2種の樹脂の組み合わせからなる複合繊維(芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維)を用いることもできる。特に太径可塑性繊維として、人工大理石面への傷つき性がなく、且つ掻き取り性に優れているアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、塩化ビニル系繊維、ポリアミド繊維及びポリオレフィン系繊維が好ましく、とりわけポリエステル系繊維又はポリオレフィン系繊維が好ましい。更に、繊維の脱落を防止する面からは、融点の異なる低融点樹脂と高融点繊維とからなり且つ該低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成している熱融着性複合繊維を用いるのが好適である。低融点樹脂/高融点樹脂の組み合わせとしては、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/エチレン・ブテン−1結晶性共重合体、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ナイロン−6/ナイロン−66、低融点ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート等が例示できる。
前記熱融着性複合繊維の形態は、並列型、鞘芯型、偏心鞘芯型、三層以上の多層型、中空並列型、中鞘芯型、異形鞘芯型、海島型等で且つ低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成した構造であれば良い。前記熱融着性複合繊維のうち好ましいものは、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・ブチレン−1結晶性共重合体、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートとの共重合ポリエステルなどの低融点ポリエステルから選ばれる何れか一種の熱可塑性樹脂を低融点樹脂とし、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートを高融点樹脂とする並列型、鞘芯型、偏心鞘芯型の複合繊維である。特に、汚れの掻き取り性が良好になる点から、低融点ポリエステルとポリエチレンテレフタレートとの複合繊維を用いることが好ましい。
太径熱可塑性繊維4として、捲縮性を有しているものを用いることもできる。これによって、清掃物品の厚み感(嵩高性)を向上させることができ、良好な拭き心地が得られる。捲縮形態としては、スパイラル型、ジグザグ型、U字型などがあり、これの何れもが好適に用いられる。
太径熱可塑性繊維4は一種又は二種以上を用いることができる。基材1に二種以上の熱可塑性繊維が含まれている場合には、前記の繊維長及び繊度を満たす太径熱可塑性繊維4が、合計で前記の含有量を満たすように含まれていればよい。
シート材2は、太径熱可塑性繊維4よりも繊維径の小さい熱可塑性繊維を含んでいてもよい。この繊維よって、太径熱可塑性繊維4の結合が一層確実となり、清掃物品の使用中に太径熱可塑性繊維4が脱落することが効果的に防止される。またシート材2は親水性繊維を含んでいてもよい。親水性繊維としてはセルロース系繊維、例えば木材パルプ、麻やコットン等の木材パルプ繊維、レーヨン等の再生繊維を用いることができる。特にセルロース系繊維として、針葉樹由来のパルプ、0.1〜15mm程度の繊維長を有するコットン繊維やレーヨン繊維を用いることが、繊維の脱落防止及び適度なシート強度の発現の点から好ましい。
シート材2をエアレイ法で製造すると、太径熱可塑性繊維4をランダムに三次元配向させることが可能であることから、シート材2の表面に、太径熱可塑性繊維3の先端部を多数存在させることができる。特に、太径熱可塑性繊維4として前記繊維長のものを用いることで、太径熱可塑性繊維4がシート材2の厚み方向に配向し易くなり、汚れの掻き取り性が高くなる。その上、太径熱可塑性繊維4として前記繊度のものを用いることで、太径熱可塑性繊維4の剛性が高くなり、汚れに対する研摩性ないし掻き取り性が一層高くなる。
図2に示す基材1を構成する他方のシート材3は、シート材2とは異なる材料、例えば紙、不織布、織布、編布、パルプシート又は多孔質構造体から構成することができる。例えば、水性洗浄剤の含浸性の観点から他方のシート材3の構成材料を選定することが好ましい。具体的には親水性繊維を含む繊維シートを用いることが好ましい。親水性繊維としては、レーヨン及びキュプラ等の再生セルロース繊維、針葉樹クラフトパルプや広葉樹クラフトパルプのような木材パルプ、木綿パルプ及びワラパルプ等の天然セルロース繊維などの親水性セルロース繊維が挙げられる。他方のシート材3は、親水性セルロース繊維のみから構成されていても良く、或いは他の繊維材料を含んでいてもよい。他の繊維材料としては、例えばポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維などの熱融着性繊維(熱可塑性繊維)を用いることができる。熱融着性繊維が含まれていると、2枚のシート材2,3の積層時の接着性(ヒートシール性)が良好になる。他方のシート材3は例えばエアレイ法、スパンレース法などの各種不織布製造方法あるいは湿式抄紙法によって製造することができる。
基材1の更に別の例を図4に示す。図4に示す基材に関し特に説明しない点については、前述の図1ないし図3に示す基材に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図4において図1ないし図3と同じ部材には同じ符号を付してある。
図4に示す基材1は、太径熱可塑性繊維4と親水性繊維5とから構成される単層のエアレイド不織布である。太径熱可塑性繊維4は、こびりつき汚れに対する研磨性、かきとり性を発揮する。一方、親水性繊維5は、水性洗浄剤の保持性を発揮する。図2に示す基材は、作用の異なるシート材2,3が積層されたものであったが、図4に示す基材1は、単層シートの中に作用の異なる繊維材料が存在したものとなっている。
前述の各基材を備えた清掃物品の使用方法は次の通りである。清掃物品を手で把持し、これに含まれている水性洗浄剤を人工大理石表面に塗布する。水性洗浄剤は弱酸性であるため、手袋を必要とせず、清掃物品を素手で把持しても手肌への刺激が低い。水性洗浄剤は基材に含浸されているので、人工大理石の面積が広い場合であってもその表面に均一に所定量の洗浄剤を塗布することができる。凹凸部や隅の部分といった細かな場所にも塗布しやすい。また液ダレの気になる高い場所や垂直な場所なども、液ダレを気にせずに容易に塗布することができる。水性洗浄剤の塗布後は、濡れた又は乾いたシートで仕上げ拭きをすることで人工大理石表面の汚れが除去される。しつこい汚れがある場合には、当該汚れを基材1でやや強めに擦ることで、汚れを除去できる。
次に、本発明の第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。この実施形態につ関し特に説明しない点については、先に説明した実施形態に関する説明が適宜適用される。
図5に示す実施形態の清掃物品10は、水性洗浄剤が貯蔵されている貯蔵部11と、これに隣接して取り付けられた塗布部12とを備えている。貯蔵部11は、上部に開口部を有する有底筒形の容器から構成されている。塗布部12は貯蔵部11の開口部に取り付けられている。本実施形態の清掃物品10の使用時には、塗布部12を通じて水性洗浄剤が貯蔵部11から清掃対象面である人工大理石に施されるようになっている。
本実施形態の清掃物品10における塗布部12としては、先に説明した実施形態の基材と同様のものを特に制限無く用いることができる。
本実施形態の清掃物品10の使用方法は次の通りである。貯蔵部11に水性洗浄剤が貯蔵されている状態の清掃物品10を手で把持し、塗布部12の側を下に向ける。これによって水性洗浄剤が塗布部12に含浸される。この状態下に塗布部12を清掃対象面である人工大理石に擦り付ける。これによって、塗布部12を通じて水性洗浄剤が貯蔵部11から清掃対象面である人工大理石に施される。この使用方法によれば、水性洗浄剤が手に付着することなく清掃を行うことができる。万一、水性洗浄剤が手に付着した場合であっても、該水性洗浄剤は弱酸性であることから手肌への刺激が少ない。oまた塗布部12の大きさを変えることで、広面積の清掃対象面から、凹凸部や隅部といった細かな部分も清掃することができる。
本発明の清掃物品は、キッチンのカウンタートップに主として使用される人工大理石のシミ汚れ、焦げ付き汚れ、油汚れを除去して本来の光沢を回復するのに適している。更に、シンク、洗面台、浴室などの水垢汚れを除去するのにも適している。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜8及び比較例1〜3〕
(1)基材の製造
図2に示す基材を製造した。セルロース系繊維としてのパルプ繊維(長さ加重平均繊維長2.5mm)と、熱融着性繊維としての芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる芯鞘構造の捲縮タイプ低融点複合繊維(2.2dtex×5mm、鞘部分の融点130℃)とを60/40の重量比で混合して原料を調製した。この原料からエアレイ法によりウェブを形成した。このウェブにおける構成繊維同士の交点を、バインダー(スチレンーブタジエンゴム)によって接着し、坪量70g/m2の第1のエアレイド不織布(乾式/パルプシート)を得た。これとは別に、芯がポリエチレンテレフタレートで鞘が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる繊度56dtexの捲縮タイプ芯鞘型複合繊維(鞘部分の融点110℃)と芯がポリエチレンテレフタレートで鞘が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる繊度2.2dtexの捲縮タイプ芯鞘型複合繊維(鞘部分の融点110℃)とを75/25の重量比で混合して原料を調製した。この繊維原料からエアレイ法により坪量80g/m2のウェブを形成した。このウェブにおける構成繊維同士の交点を熱融着によって接着し、かきとり性に優れた第2のエアレイド不織布を得た。得られた第1のエアレイド不織布の上に第2のエアレイド不織布を積層し、両者をヒートエンボスによって熱融着一体化し、大きさ123mm×155mm、坪量150g/m2の基材を得た。
(1)基材の製造
図2に示す基材を製造した。セルロース系繊維としてのパルプ繊維(長さ加重平均繊維長2.5mm)と、熱融着性繊維としての芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる芯鞘構造の捲縮タイプ低融点複合繊維(2.2dtex×5mm、鞘部分の融点130℃)とを60/40の重量比で混合して原料を調製した。この原料からエアレイ法によりウェブを形成した。このウェブにおける構成繊維同士の交点を、バインダー(スチレンーブタジエンゴム)によって接着し、坪量70g/m2の第1のエアレイド不織布(乾式/パルプシート)を得た。これとは別に、芯がポリエチレンテレフタレートで鞘が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる繊度56dtexの捲縮タイプ芯鞘型複合繊維(鞘部分の融点110℃)と芯がポリエチレンテレフタレートで鞘が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる繊度2.2dtexの捲縮タイプ芯鞘型複合繊維(鞘部分の融点110℃)とを75/25の重量比で混合して原料を調製した。この繊維原料からエアレイ法により坪量80g/m2のウェブを形成した。このウェブにおける構成繊維同士の交点を熱融着によって接着し、かきとり性に優れた第2のエアレイド不織布を得た。得られた第1のエアレイド不織布の上に第2のエアレイド不織布を積層し、両者をヒートエンボスによって熱融着一体化し、大きさ123mm×155mm、坪量150g/m2の基材を得た。
(2)水性洗浄剤の含浸
表1及び表2に示す剤を、同表に示す処方で前記の基材一枚(2.86g)に対して20g(対基材700%)含浸して人工大理石用清掃物品を得た。
表1及び表2に示す剤を、同表に示す処方で前記の基材一枚(2.86g)に対して20g(対基材700%)含浸して人工大理石用清掃物品を得た。
〔実施例9及び10〕
芯がポリエチレンテレフタレートで鞘が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる繊度56dtexの捲縮タイプ芯鞘型複合繊維(鞘部分の融点110℃)と、芯がポリエチレンテレフタレートで鞘が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる繊度2.2dtexの捲縮タイプ芯鞘型複合繊維(鞘部分の融点110℃)とを75/25の重量比で混合して原料を調製した。この繊維原料からエアレイ法により坪量80g/m2のウェブを形成した。このウエブにおける構成繊維同士の交点を熱融着によって接着し、エアレイド不織布を得た。このエアレイド不織布を塗布部として用い、図5に示す清掃物品10における貯蔵部11の上部開口部に取り付けた。貯蔵部11は合成樹脂製の容器からなるものである。貯蔵部11には表1に示す組成の水性洗浄剤が貯蔵されていた。
芯がポリエチレンテレフタレートで鞘が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる繊度56dtexの捲縮タイプ芯鞘型複合繊維(鞘部分の融点110℃)と、芯がポリエチレンテレフタレートで鞘が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる繊度2.2dtexの捲縮タイプ芯鞘型複合繊維(鞘部分の融点110℃)とを75/25の重量比で混合して原料を調製した。この繊維原料からエアレイ法により坪量80g/m2のウェブを形成した。このウエブにおける構成繊維同士の交点を熱融着によって接着し、エアレイド不織布を得た。このエアレイド不織布を塗布部として用い、図5に示す清掃物品10における貯蔵部11の上部開口部に取り付けた。貯蔵部11は合成樹脂製の容器からなるものである。貯蔵部11には表1に示す組成の水性洗浄剤が貯蔵されていた。
〔比較例4〕
金属たわし(日本スチールウール社製のポンスターソープパッド)を比較例4とした。
金属たわし(日本スチールウール社製のポンスターソープパッド)を比較例4とした。
〔比較例5〕
研磨粒子付きスポンジ(住友スリーエム社製のスコッチブライト)を比較例5とした。このスポンジの研磨粒子付き不織布面を清掃面として使用した。
研磨粒子付きスポンジ(住友スリーエム社製のスコッチブライト)を比較例5とした。このスポンジの研磨粒子付き不織布面を清掃面として使用した。
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた人工大理石用清掃物品について、以下の方法で、紅茶汚れの洗浄率を測定し、また変性油汚れ洗浄性を評価した。更に、水性洗浄剤及び清掃物品の人工大理石への損傷防止性を評価した。これらの結果を表1及び表2に示す。
実施例及び比較例で得られた人工大理石用清掃物品について、以下の方法で、紅茶汚れの洗浄率を測定し、また変性油汚れ洗浄性を評価した。更に、水性洗浄剤及び清掃物品の人工大理石への損傷防止性を評価した。これらの結果を表1及び表2に示す。
〔紅茶汚れ洗浄率〕
ポリエステル系人工大理石(色:白)を予めサンドペーパーで研磨した。その上に、紅茶ティーバッグ(日東紅茶製)1袋を150mlのお湯(95℃)で5分間抽出した紅茶液を0.02g/cm2塗布した。塗布部分を70℃で20分乾燥させた。この操作を5回繰り返した後に水洗いした。実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた清掃物品における第2のエアレイド不織布側を用い、含浸された水性洗浄剤を人工大理石表面に塗布し、25℃にて10分間放置後、水洗いした。実施例9で得られた清掃物品ではその塗布部で、水性洗浄剤を人工大理石表面に塗布し、その後は実施例1〜8と同様にした。比較例4及び5は、それぞれ水道水を適量含ませて10回清拭し、水洗いした。初期、紅茶汚れ付着後及び洗浄後それぞれの人工大理石のb値を色彩色差計(ミノルタ製、CR−210)で測定し、以下の式から洗浄率を求めた。
洗浄率(%)=(汚れ付着後のb値−洗浄後のb値)/(汚れ付着後のb値−初期のb値)×100
ポリエステル系人工大理石(色:白)を予めサンドペーパーで研磨した。その上に、紅茶ティーバッグ(日東紅茶製)1袋を150mlのお湯(95℃)で5分間抽出した紅茶液を0.02g/cm2塗布した。塗布部分を70℃で20分乾燥させた。この操作を5回繰り返した後に水洗いした。実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた清掃物品における第2のエアレイド不織布側を用い、含浸された水性洗浄剤を人工大理石表面に塗布し、25℃にて10分間放置後、水洗いした。実施例9で得られた清掃物品ではその塗布部で、水性洗浄剤を人工大理石表面に塗布し、その後は実施例1〜8と同様にした。比較例4及び5は、それぞれ水道水を適量含ませて10回清拭し、水洗いした。初期、紅茶汚れ付着後及び洗浄後それぞれの人工大理石のb値を色彩色差計(ミノルタ製、CR−210)で測定し、以下の式から洗浄率を求めた。
洗浄率(%)=(汚れ付着後のb値−洗浄後のb値)/(汚れ付着後のb値−初期のb値)×100
〔変性油汚れ洗浄性〕
サンドペーパーで表面を擦った鉄製のテストピース(30×80mm)にサラダ油を0.06g均一に塗り、150℃で130分間焼き付けて変性油汚れを作った。この変性油汚れの鉛筆硬度は3Bであった。この変性油汚れを、実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた清掃物品における第2のエアレイド不織布側を用い、30回清拭しその後水洗いした。実施例9で得られた清掃物品では塗布部によって30回清拭しその後水洗いした。比較例4及び5は、それぞれ水道水を適量含ませて30回清拭しその後水洗いした。その後、以下の基準によって変性油汚れ洗浄性を評価した。
○:きれいに落ちている。
○△:一部に汚れが残っている。
△:半分程度汚れが残っている。
×:ほとんど汚れが落ちていない。
サンドペーパーで表面を擦った鉄製のテストピース(30×80mm)にサラダ油を0.06g均一に塗り、150℃で130分間焼き付けて変性油汚れを作った。この変性油汚れの鉛筆硬度は3Bであった。この変性油汚れを、実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた清掃物品における第2のエアレイド不織布側を用い、30回清拭しその後水洗いした。実施例9で得られた清掃物品では塗布部によって30回清拭しその後水洗いした。比較例4及び5は、それぞれ水道水を適量含ませて30回清拭しその後水洗いした。その後、以下の基準によって変性油汚れ洗浄性を評価した。
○:きれいに落ちている。
○△:一部に汚れが残っている。
△:半分程度汚れが残っている。
×:ほとんど汚れが落ちていない。
〔水性洗浄剤の人工大理石への損傷防止性〕
表1及び表2に示す人工大理石プレートを、予めサンドペーパーで研磨し、その上に20×20mmのろ紙(坪量120g/m2)を置いた。ろ紙に、表1及び表2に示す処方の各水性洗浄剤を0.1mlずつ含浸させた。室温で30分放置後、水洗し、乾燥させた。この操作を30回繰り返した。以下の基準によって水性洗浄剤の人工大理石への損傷防止性を評価した。
○:変化なし。
○△:光にかざすと、変化がわかる。
×:明らかに変化がわかる。
表1及び表2に示す人工大理石プレートを、予めサンドペーパーで研磨し、その上に20×20mmのろ紙(坪量120g/m2)を置いた。ろ紙に、表1及び表2に示す処方の各水性洗浄剤を0.1mlずつ含浸させた。室温で30分放置後、水洗し、乾燥させた。この操作を30回繰り返した。以下の基準によって水性洗浄剤の人工大理石への損傷防止性を評価した。
○:変化なし。
○△:光にかざすと、変化がわかる。
×:明らかに変化がわかる。
〔清掃物品の人工大理石への損傷防止性〕
実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた清掃物品における第2のエアレイド不織布側で、表1及び表2に示す人工大理石プレートの表面を20回清拭した。実施例9及び10は塗布部で、また、比較例4は水道水を適量含ませて、比較例5は水道水を適量含ませた後、研磨粒子付き不織布面でそれぞれ表2に示す人工大理石プレートの表面を20回清拭した。その後水洗いして、乾燥させた。以下の基準によって清掃物品の人工大理石への損傷防止性を評価した。
○:変化なし。
△:光にかざすと傷が見える。
×:傷が見える。
実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた清掃物品における第2のエアレイド不織布側で、表1及び表2に示す人工大理石プレートの表面を20回清拭した。実施例9及び10は塗布部で、また、比較例4は水道水を適量含ませて、比較例5は水道水を適量含ませた後、研磨粒子付き不織布面でそれぞれ表2に示す人工大理石プレートの表面を20回清拭した。その後水洗いして、乾燥させた。以下の基準によって清掃物品の人工大理石への損傷防止性を評価した。
○:変化なし。
△:光にかざすと傷が見える。
×:傷が見える。
表1及び表2に示す結果から明らかなように、各実施例の清掃物品(本発明品)を用いて清掃すると人工大理石のシミ汚れや変性油汚れの洗浄率が高くなることが判る。また、水性洗浄剤自身の人工大理石に対する基材損傷性もない。更に各実施例の清掃物品は、人工大理石の表面を傷つけることなく清掃できることが判る。
1 基材
2 シート材
3 シート材
4 太径熱可塑性繊維
5 親水性繊維
6 ヒートエンボス線
2 シート材
3 シート材
4 太径熱可塑性繊維
5 親水性繊維
6 ヒートエンボス線
Claims (10)
- (A)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される少なくとも一種の界面活性剤0.01〜10質量%、並びに(B)キレート剤0.1〜20質量%を含有し、且つpHが3〜7である水性洗浄剤を、紙又は不織布からなる基材に、含浸率80〜2000%で、1〜100g含浸させた人工大理石用清掃物品。
- 前記基材が親水性繊維からなるか、又は親水性繊維を20〜95質量%及び熱可塑性繊維を5〜80質量%含んでなる紙又は不織布からなる請求項1記載の人工大理石用清掃物品。
- 前記基材が少なくとも2枚のシート材から構成され、一方のシート材がポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂からなる繊度10〜150dtexの熱融着性繊維を25〜90重量%含み且つ少なくとも該熱融着繊維同士の交点が熱融着されている不織布からなり、該不織布が人工大理石表面に存する汚れに対して研磨性ないし掻き取り性を有する請求項1又は2記載の人工大理石用清掃物品。
- 前記水性洗浄剤が人工大理石表面100cm2に対して少なくとも0.02g〜1g放出されるように含浸されている請求項1ないし3の何れかに記載の人工大理石用清掃物品。
- 前記水性洗浄剤のpHが3〜5である請求項1ないし4の何れかに記載の人工大理石用清掃物品。
- 前記(A)の界面活性剤が、ポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤又はアミンオキサイド型若しくはカルボベタイン型の両性界面活性剤である請求項1ないし5の何れかに記載の人工大理石用清掃物品。
- 前記(b)のキレート剤が、リン酸、2個以上のホスホン酸基を有する多価ホスホン酸、アミノ酸、アミノポリ酢酸若しくはポリカルボン酸又はこれらの塩である請求項1ないし6の何れかに記載の人工大理石用清掃物品。
- 前記水性洗浄剤が、水溶性の有機酸塩又は無機塩を更に含む請求項1ないし7の何れかに記載の何れかに記載の人工大理石用清掃物品。
- 前記水性洗浄剤が、過酸化水素水を更に含む請求項1ないし8の何れかに記載の人工大理石用清掃物品。
- (A)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される少なくとも一種の界面活性剤0.01〜10質量%、並びに(B)キレート剤0.1〜20質量%を含有し、且つpHが3〜7である水性洗浄剤が貯蔵されている水性洗浄剤貯蔵部と、これに隣接して取り付けられた塗布部とを備え、清掃時に、前記塗布部を通じて前記水性洗浄剤が前記貯蔵部から清掃対象面に施されるようになされている人工大理石用清掃物品。
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