JP3972023B2 - 清掃用シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は清掃用シートに関し、特にキッチン周り、洗面所や浴室等の水周りの汚れの清掃に好適に用いられる清掃用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
キッチン周り、洗面所、浴室等の水回りの汚れを除去する物品として、例えば金属たわしやスポンジ等が知られている。しかし、金属たわしやスポンジを用いる場合、洗浄液を金属たわし、スポンジに含ませる必要があると共に、金属たわしやスポンジは保水性に乏しいため、清掃をした際に清掃面に多量の液残りが生ずる。
また、金属たわしやスポンジは隙間等の狭い部分の洗浄には適していない。
【0003】
このような問題を解決するため、キッチン周り、洗面所、浴室等を清掃するための清掃シートが開発されている。このような清掃シートとして、特開2000−345454号公報(特許文献1)には、坪量、厚み、引き裂き強度を特定の範囲とした不織布が開示されている。該公報に開示された不織布は洗浄スポンジとして用いることができることが開示されている。また、特開2001−70215号公報(特許文献2)には、坪量、厚み、引き裂き強度を特定の範囲とした不織布からなるスポンジ様洗浄用シートが開示されている。上記特許文献1及び特許文献2に記載の不織布、及び不織布からなるスポンジ様洗浄用シートは、手で容易に且つ自在な大きさにカットすることのできるものであることが開示されている。
【0004】
また、特開2003−61885号公報(特許文献3)には、特定の繊維長及び繊度を有する熱可塑性樹脂及びセルロース系繊維を含み、表面に前記熱可塑性樹枝の先端部が多数存在する清掃用シートが開示されている。
上記特許文献3に記載の清掃用シートは、研磨粒子を用いなくても汚れに対する十分な研磨性ないし掻き取り性を有するものであることが記載されている。
【0005】
しかし、上記特許文献1〜3に記載の清掃用シート等は、金属たわしやスポンジ等と比べ、こびりついた汚れを掻き取る能力は低い。また、シート自体が薄く形成されているため、洗浄液の含浸量が少ないため、汚れを溶かし込む能力が低いものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−345454号公報
【特許文献2】
特開2001−70215号公報
【特許文献2】
特開2003−61885号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、隙間等の狭い部分の洗浄にも適しており、こびりついた汚れを除去し得る、優れた洗浄性能を有する清掃用シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、水性液を保持し得る保水層に、清掃対象面に存する汚れに対する掻き取り性を有する表層を積層して形成された清掃用シートが上記目的を達成し得るという知見を得、本発明を完成させた。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、水性液を保持し得る保水層と、この保水層の片面又は両面に積層された表層を形成し、この表層は、清掃対象面に存する汚れに対する掻き取り性を有して、上記保水層と表層とが一体化されている清掃用シートを提供するものである。
【0009】
前記保水層は、好ましくはセルロース系繊維を20〜80質量%含み、前記表層が、繊維長が2〜15mmで且つ繊度が5〜30dtexの熱可塑性繊維を50〜100質量%含む。
前記保水層の坪量は、好ましくは50〜700g/mであり、前記表層の坪量は、好ましくは20〜300g/mである。
前記保水層には、水性洗浄剤が含浸されていることが好ましく、水性洗浄剤が1,000〜10,000g/m含浸されていることが好ましい。
前記清掃用シートは、厚みが好ましくは3〜20mmであり、坪量が200〜1,000g/mである。
前記清掃用シートは、前記保水層の両面に表層が積層され、前記保水層の両面に積層された表層の厚みが、前記保水層よりも薄く形成されていることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい実施体型に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の清掃用シートの実施形態における断面構造の模式図が示されている。
【0011】
図1に示す実施形態の清掃用シート1は、エアレイ法によって形成された清掃用シートである。清掃用シート1は、水性液を保持し得る保水層2の両面に、清掃対象面に存する汚れに対する掻き取り性を有する表層3が積層され、保水層2と表層3とが一体化されている。
【0012】
保水層2は、セルロース系繊維を20〜80質量%含んで構成されていることが好ましい。セルロース系繊維の含有量は、更に好ましくは30〜70質量%である。保水層2中のセルロース系繊維の含有量が上記範囲内であると、保水層2の保水能力が向上し、水性洗浄剤を保持する能力が向上し、汚れを溶かし込む能力が向上し、優れた洗浄性能を有する清掃用シートとなる。また、セルロース系繊維の含有量が上記範囲内であると、水性洗浄剤が均一に含浸されやすくなる。
【0013】
セルロース系繊維は、その繊維長が0.1〜15mmであることが、エアレイ法による均一なウェブを作製できる点から好ましい。エアレイ法以外の方法で清掃用シートを作製する場合には、セルロース系繊維の繊維長に特に制限はない。セルロース系繊維として木材パルプが用いられる場合、木材パルプは一般に繊維長の分布が広いことから、平均繊維長が1〜4mm程度の長さのものが好適に用いられる。
用いられるセルロース系繊維の繊度については特に制限はなく、その種類に応じて適切な繊度のものが用いられる。
【0014】
セルロース系繊維としては、例えば木材パルプ、麻や綿等の木材パルプ繊維、レーヨン等の再生繊維が挙げられる。特にセルロース系繊維として、針葉樹由来のパルプ、0.1〜15mm程度の繊維長を有するコットン繊維やレーヨン繊維を用いることが、適度なシート強度を得ることができる点から好ましい。
セルロース系繊維は、単独で用いてよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。2種以上のセルロース系繊維を用いる場合には、合計で前記の含有量を満たすように用いればよい。
【0015】
保水層2は、セルロース系繊維以外に、熱可塑性繊維を含んで構成されることが好ましく、熱可塑性繊維の含有量は、好ましくは20〜80質量%であり、更に好ましくは30〜70質量%である。熱可塑性繊維としては、繊維長が2〜15mmで且つ繊度が5〜30dtexのものが好ましく用いられる。繊維長が2mm未満であると、保水層2からの繊維の脱落等が起きやすなる場合があり、一方15mmを超えると、エアレイ法によるウェブ形成時に、熱可塑性繊維がスクリーンを通過する前に熱可塑性繊維同士が絡んでしまい、均一なウェブの形成が困難になる場合がある。
【0016】
熱可塑性繊維としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、各種金属、ガラス等を原料とする繊維が挙げられる。前記の各種原料のうち、2種の樹脂の組み合わせからなる複合繊維(芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維)を用いてもよい。繊維の脱落を防止する面からは、融点の異なる低融点樹脂と高融点繊維とからなり且つ該低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成している熱融着性複合繊維を用いることが好ましい。低融点樹脂/高融点樹脂の組み合わせとしては、例えば高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/エチレン・ブテン−1結晶性共重合体、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ナイロン−6/ナイロン−66、低融点ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0017】
前記熱融着性複合繊維の形態としては、例えば並列型、鞘芯型、偏心鞘芯型、三層以上の多層型、中空並列型、中鞘芯型、異形鞘芯型、海島型等で且つ低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成した構造が挙げられる。前記熱融着性複合繊維のうち好ましいものは、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・ブチレン−1結晶性共重合体、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートとの共重合ポリエステルなどの低融点ポリエステルから選ばれる何れか1種の熱可塑性樹脂を低融点樹脂とし、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートを高融点樹脂とする並列型、鞘芯型、偏心鞘芯型の複合繊維である。特に、汚れの掻き取り性が良好になる点から、低融点ポリエステルとポリエチレンテレフタレートとの複合繊維を用いることが好ましい。
【0018】
熱可塑性繊維として、捲縮性を有しているものを用いてもよい。捲縮性を有するものを用いることによって、清掃用シート1の厚み感(嵩高性)を向上させることができ、良好な拭き心地が得られる。捲縮形態としては、スパイラル型、ジグザグ型、U字型などがあり、これの何れもが好適に用いられる。
【0019】
熱可塑性繊維は単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。2種以上の熱可塑性繊維が含まれている場合には、合計で前記の含有量を満たすように含まれていればよい。
【0020】
保水層2の保水能力は、好ましくは1,000〜10,000g/mであり、更に好ましくは3,000〜7,000g/mである。保水層2の保水能力が上記範囲以下であると、水性洗浄剤を含浸させて清掃に使用した際に、液残りが生ずる場合がある。また、これ以上であると、含浸させる薬液量が大量に必要となる場合がある。
【0021】
保水層2の坪量は好ましくは50〜700g/mであり、更に好ましくは100〜400g/mである。保水層2の坪量が50g/m未満であると、前述の液残りが生じる場合があり、一方、700g/mを超えると薬液量が大量に必要となる場合がある。
【0022】
表層3、3’は、清掃対称面に存する汚れに対する掻き取り性を有している。
表層3、3’は、繊維長が2〜15mmで且つ繊度が5〜30dexの熱可塑性繊維を含んで構成されていることが好ましい。
表層3、3’はエアレイ法によって製造されており、表面が硬化されており、これにより、清掃対象面に存する汚れに対する掻き取り性が向上している。
【0023】
熱可塑性繊維としては、上述した、保水層2を構成するものと同様のものを用いることができる。なお、表層3、3’を構成する熱可塑性繊維としては、清掃対象面(ステンレス、タイル、ホーロー、人口大理石等)への傷つき性が少なく、且つ掻き取り性に優れているアクリル系繊維、ポリエステル系繊維、塩化ビニル系繊維、ポリアミド繊維及びポリオレフィン系繊維を用いることが好ましい。
【0024】
表層3、3’を構成する繊維としては、上述した熱可塑性繊維以外のものを含んでいてもよい。このような繊維としては、例えば、上述した熱可塑性繊維よりも太い熱可塑性繊維でもよく、上述した保水層2を構成するセルロース系繊維でもよい。
【0025】
上記熱可塑性繊維は、表層3、3’中に50〜100質量%含有されることが好ましく、60〜100質量%含有されることが更に好ましい。また、その他の繊維は表層3、3’中に含まれる場合、その含有量は50質量%未満であることが好ましく、0〜40質量%であることが更に好ましい。
上記熱可塑性繊維の含有量が50質量%未満であると、清掃対象面に存する汚れに対する掻き取り性が低下する場合がある。
【0026】
表層3、3’の坪量は好ましくは20〜300g/mであり、更に好ましくは50〜200g/mである。表層3、3’の坪量が20g/m未満であると、清掃対象面に対する汚れに対する掻き取り性が低下する場合があり、一方、300g/mを超えると表面に保水層の薬液が到達せず、汚れ落ち性が低下する場合がある。
【0027】
図1に示す清掃用シート1は、厚みが好ましくは3〜20mmであり、更に好ましくは5〜10mmである。厚みが3mm未満であると手でつかんだ場合に折れ曲がり易くなり、清掃時の使い勝手が悪くなる場合があり、一方、20mmを超えると、清掃面の局面に沿わないため、隙間等の狭い部分の清掃をするのが困難になる場合がある。また、厚みが上記範囲内であると、片手で簡単に持つことができ、清掃時に手に力を入れやすい大きさとなる。
【0028】
また、清掃用シート1の形状に特に制限はなく、長方形、正方形、円形、楕円形等であってもよいが、清掃時の使いやすさの点から、長方形であることが好ましい。長方形の場合、長辺が4〜20cm程度であり、短辺が3〜15cm程度であることが好ましい。
【0029】
図1に示す清掃用シート1の坪量は、好ましくは200〜1,000g/mであり、更に好ましくは400〜800g/mである。坪量が200g/m未満であると汚れを掻き取るための線維密度が不足する場合があり、一方、1,000g/mを超えると手に持てない厚みとなる場合がある。
【0030】
また、図1に示す清掃用シート1においては、表層3、3’の厚みが保水層2よりも薄く形成されている。表層3、3’の厚みを保水層2よりも薄く形成することにより、清掃時に清掃用シート1を押すことにより、保水層2に含浸した水性洗浄剤が適度に放出され、表層3、3’から液体洗浄液が放出され、清掃対象面に存する汚れを溶かし込みやすくなり、汚れを容易に落とすことができる。
保水層2と、表層3、3’との厚みの関係は、保水層2の厚みをa、表層3の厚みをb、表層3’の厚みをcとした場合、下記式の関係を満たすことが好ましい。
a+b+c>2a
a、b及びcの関係が上記式を満たす場合、表層3、3’から液体洗浄液が放出されやすくなる。
なお、表層3の厚みと表層3’の厚みとは必ずしも同じである必要はなく、いずれか一方が他方よりも厚くてもよい。
【0031】
清掃用シート1の柔軟性は100g/cmの加重下で復元率が20%以上であることが好ましく、30%以上であることが更に好ましい。柔軟性が上記範囲であることにより、清掃時に保水層2に含浸された水性洗浄剤が放出されやすくなり、また使い勝手が良好なものとなると共に、狭い部分等の清掃が容易になる。
【0032】
清掃用シート1は、保水層2を構成するセルロース繊維およびその他の繊維をエアレイ法によって堆積してウェブを形成する。次いで、表層3’を構成する熱可塑性繊維の上に形成されたウェブを積層し、該ウェブの上に表層3を構成する熱可塑性繊維を積層し、エアレイ法によって体積してウェブを形成し、形成されたウェブにおける構成繊維同士の交点を結合させて形成される。構成繊維の結合手段に特に制限はないが、例えば融着やバインダーによる接着が好ましい。バインダーとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリアクリレート等が用いられる。エアレイ法により製造された清掃用シート1においては、表層3、表層3’の構成繊維として、上述した繊度の熱可塑性繊維を用いることにより、表層3、表層3’の硬度が上昇し、汚れに対する研磨性又は掻き取り性が向上する。
【0033】
清掃用シート1は、手で持って清掃する時の操作性を良好にするために、エンボス加工により凹凸構造を形成してもよい。
【0034】
図1に示す清掃用シート1においては、保水層2に水性洗浄剤が含浸されており、その含浸量は保水層(2)100質量部に対して、水性洗浄剤100〜2000質量部であることが好ましい。水性洗浄剤の含浸量が保水層1000質量部に対して100質量部未満であると、清掃対象面に存する汚れを溶かし込む能力が低下し、清掃用シート1の洗浄性能が劣る場合がある。一方、2000質量部を超えて含浸させても、効果の向上が認められない場合があり、液のこりが生ずる場合がある。
【0035】
保水層2に含浸される水性洗浄剤としては、水を媒体とし、界面活性剤、アルカリ剤、電解質及び水溶性溶剤を含有するものが好ましい。アルカリ剤、電解質及び水溶性溶剤を含有するものが好ましい。水性洗浄剤中に含有される不揮発残留成分については、10質量%以下であることが清掃後の仕上がり性の面で好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。
【0036】
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の何れもが用いられるが、特に洗浄性及び仕上がり性の両立の面から、ポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド付加モル数1〜20)アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エーテル、アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)グリコシド(平均糖縮合度1〜5)、ソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エステル、及びアルキル(炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖)グリセリルエーテル等の非イオン活性剤並びにアルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドカルボキシベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン等のアルキル炭素数8〜24の両性界面活性剤が好適に用いられる。界面活性剤は、水性洗浄剤中に、0.01〜2.0質量%、特に0.05〜1.0質量%含有されることが、洗浄性及び被清掃面の仕上がり性の面で好ましい。
【0037】
アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等の炭酸塩、硫酸水素ナトリウム等のアルカリ性の硫酸塩、第1リン酸ナトリウム等のリン酸塩、酢酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の有機アルカリ金属塩、アンモニア、モノ、ジ又はトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のβ−アミノアルカノール並びにモルホリン等が挙げられ、特に感触とpHの緩衝性の点でモノ、ジ又はトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のβ−アミノアルカノール並びにモルホリンが好ましい。アルカリ剤の含有量は、水性洗浄剤中に、1質量%以下、特に0.5質量%以下であることが、ヌルツキを防止して感触を良好にする点から好ましい。アルカリ剤は、油汚れを膨潤させて、清掃対象面を滑り易くさせる場合があるので、その配合量は少ないほど好ましく、含有させなくてもよい。
【0038】
電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び硫酸ナトリウム等の一価の水溶性金属塩、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸亜鉛等の二価の水溶性金属塩、塩化アルミニウム及び塩化鉄等の三価の水溶性金属塩、並びにクエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム及びフマル酸ナトリウム等の水溶性有機酸塩が挙げられる。電解質は、水性洗浄剤中に、0.01〜10質量%、特に0.04〜5質量%、とりわけ0.08〜3重量%含有されることが、清掃用シート1の掻き取り性が向上し、仕上がり性が良好になる点から好ましい。
【0039】
水溶性溶剤としては、1価アルコール、多価アルコール及びその誘導体から選ばれる1種以上のものが好適である。特に、油汚れの溶解性、仕上がり性、安全性の点から、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン等が好ましい。更に、除菌性能を付与する点からは、上記の中でもエタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール等が好ましい。水溶性溶剤は、水性洗浄剤中に、1〜50質量%、特に1〜20質量%含有されることが、臭い及び皮膚刺激性の低減の点から好ましい。
【0040】
水性洗浄剤には、上記成分に加えて除菌剤を含有させることもできる。除菌剤を含有させることによって、水性洗浄剤に、洗浄効果に加えて除菌効果を付与することができる。除菌剤としては、例えば過酸化水素、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、第4級アンモニウム塩、安息香酸ナトリウム及びパラオキシ安息香酸ナトリウム、並びにポリリジンのような天然除菌剤等が挙げられる。上記除菌剤の中でも、特に配合安定性と除菌性能の点から、第4級アンモニウム塩、天然除菌剤のポリリジン等が好ましく用いられる。除菌剤は、水性洗浄剤中に、0.005〜2質量%、特に0.01〜1質量%含有されることが、除菌効果と皮膚刺激性低減とのバランスの点から好ましい。
【0041】
更に、水性洗浄剤には必要に応じ、香料、防黴剤、色素(染料、顔料)、キレート剤、研磨剤、漂白剤等を含有させてもよい。
【0042】
水性洗浄剤の媒体である水は、水性洗浄剤中に、50〜99.9質量%、特に80〜99質量%含有されることが、被清掃面の洗浄性及び仕上がり性の点から好ましい。
【0043】
本実施形態の清掃用シート1における汚れの除去機構について説明する。清掃用シート1の表層3、3’のいずれか一方の面を清掃対象面に押し当て、こすりつける。これによって、清掃用シート1の保水層2に含浸されている水性洗浄剤が清掃対象面に放出され、清掃対象面に存する汚れを膨潤、溶解ないし浮きあがらせる。これと共に、清掃用シート1の表層3、3’の表面により清掃対象面に存する汚れを研磨ないし掻き取る。除去された汚れは、水性洗浄剤に溶け込むか、又は水性洗浄剤中に分散し、水性洗浄剤と共に清掃用シート1の保水層2、又は表層3、3’に吸収される。
【0044】
本発明の清掃用シートは、上記実施形態に制限されない。図1に示す実施形態においては、表層は保水層2の両面に形成されているが、表層は一方の面のみに形成されたものであってもよい。また、保水層2と表層3、3’との間に、他の層を設けてもよく、または表層3の上に保水層と表層とを設け、5層構造としてもよい。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、%は、特に断りのない限り質量%を表す
本実施例では、以下の方法で清掃用シートの評価を行った。
(1)保水能力
清掃用シートを5分間、水に浸し、金網の上で30秒間水切りを行った後に保水量を測定した。
【0046】
(2)柔軟性(クッション性、復元力)
清掃用シートに対し、100g重/cmまで圧力をかけた時の仕事量を求め、圧力を緩めた時の復元する仕事量を求め、前者を後者で割った値(百分率)を柔軟性の評価として用いた。
【0047】
(3)洗浄能力
清掃用シートの保水層に水性洗浄剤を含浸させ、この清掃用シートを用いてレンジの油汚れの清掃を行い、下記評価基準に従って評価を行った。なお、洗浄能力の評価は5名で行った。
○:ほぼ完全に汚れが落ちた(汚れの残った面積が5%以下である。)。
△:汚れがある程度落ちた(汚れの残った面積が5%を超え30%以下である。)。
×:ほとんど汚れが落ちない(汚れの残った面積が30%を超えた。)。
【0048】
実施例1
保水層を構成する線維として、ポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維(繊度:1.7dtex)とパルプ繊維とを等量用い、表層を構成する繊維としてポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維(繊度:11dtex)を用い、図1に示す清掃用シートをエアレイ法により、不織布層を熱風で熱融着させて作製した。なお、シートの大きさは70×110mmで、厚みが12mmになるように作成した。なお、保水層の坪量は400g/mであり、表層の坪量は150g/mであった。また、保水層の厚みは8mmであり、表層の厚みは、それぞれ3mm及び1mmであった。
得られた清掃用シートについて、上述した評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0049】
比較例1
繊維としてパルプを用い、坪量が55g/mの清掃用シートをエアレイ法により作製した。得られた清掃用シートの大きさは200×300mmであり、厚みは0.5mmであった。
得られた清掃用シートについて、上述した評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0050】
比較例2
保水層を構成する繊維としてパルプ50%、ポリエステル(繊度:1dtex)30%、ポリオレフィン(繊度:3dtex)20%を用い、実施例1と同様に操作を行い、大きさが200×300mm、厚みが0.4mmの清掃用シートを作成した。なお、保水層の坪量は80g/mであり、表層の坪量は65g/mであった。
得られた清掃用シートについて、上述した評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003972023
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の清掃用シートは、こびりついた汚れを除去し得る、優れた洗浄性能を有する清掃用シートである。本発明の清掃用シートは、柔軟性に優れており、隙間等の狭い部分の洗浄にも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の清掃用シートの実施形態における断面構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 清掃用シート
2 保水層
3 表層
3’ 表層

Claims (4)

  1. 水性液を保持し得る保水層と、この保水層の両面に積層された表層を形成し、
    上記保水層と表層とが一体化されている、水回りの清掃に用いられる清掃用シートであって、
    上記保水層がセルロース系繊維を20〜80質量%含み、坪量が100〜400g/mであり、
    上記表層が、繊維長が2〜15mmで且つ繊度が5〜30dtexの熱可塑性繊維を含み、
    上記保水層の保水能力が、3,000〜7,000g/mであり、
    100g/cmの加重下での復元率が20%以上であり、
    アルカリ剤を含有する水性洗浄剤が1,000〜10,000g/m含浸されている、水回りの清掃に用いられる清掃用シート。
  2. 前記表層の坪量が20〜300g/mである、請求項1又は2に記載の水回りの清掃に用いられる清掃用シート。
  3. 前記保水層の両面に表層が積層され、前記保水層の両面に積層された表層の厚みが、前記保水層よりも薄く形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水回りの清掃に用いられる清掃用シート。
  4. エアレイ法によって製造された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水回りの清掃に用いられる清掃用シート。
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