JP4131656B2 - 清掃用ウエットシート - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬質表面の清掃、つや出し、保護に好適に用いられる清掃用ウェットシートに関し、更に詳しくはフロアなどの広範囲の清掃対象面に対し、清掃の初期から終期に亘って洗浄剤やつや出し剤が均一に放出される清掃用ウェットシートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液体又は半練りペースト状薬剤を加圧により一部が開封可能な接合部とした樹脂フィルム袋に封入し、袋に接した薬剤含浸層、薬剤通過コントロール層および薬剤通過性塗布層、その反対側に薬剤不通過層を形成して全体を封じてなる使い捨て塗布具、または、前記加圧により一部が開封可能な接合部とした樹脂フィルム袋の替わりに、−部に穴を設けた樹脂フィルム袋の穴に粘着フィルムにてシールした樹脂フィルム袋を用いた使い捨て塗布具が知られている(特許文献1参照)。しかしこの塗布具は、圧力によって開封できるようにされているため、製造中、輸送中或いは保管中の不意の圧力によって開封してしまい、薬剤が漏れるという問題があった。また、この塗布具は、フローリングのような広面積の清掃対象面に対してつや出し剤等を塗布する際の徐放性を達成するように最適化されたものではない。更に、道具に装着して使用するために最適化されたものでもない。
【0003】
薬剤を封入した薬剤封入物と薬剤封入物を被覆しており、剥離することによって薬剤封入物に開孔を形成可能な被覆材と、薬剤を塗布する塗布物質とが順次積層されていることを特徴とする塗布材も知られている(特許文献2参照)。この塗布材は、前述した特許文献1記載の塗布剤が製造中、輸送中、或いは保管中に不意の圧力によって開封してしまい、薬剤が漏れるという問題点を解決することを発明の目的としている。その解決手段として、薬剤封入物として、密閉性に優れ、圧力によって容易に破断しないプラスチックフィルムの袋を用いることが提案されている。また、塗布材を使用するときに薬剤が放出されるように、予め孔をあけた薬剤封入物の開孔を、粘着剤を有する被覆材を粘着して被覆してもよいこと、及び被覆材を剥離すると同時に薬物封入物に開孔を形成できるよう被覆材と薬物封入物とを点状に接合しても良いことが開示されている。しかし、一度開孔を形成した薬剤封入物を粘着剤を有する被覆材で被覆する方法は、特に薬剤量が多い場合、薬剤が漏れる危険性が高く、一方でこの危険性を抑えるために被覆材の接着力を高めると、使用時の被覆材の剥離が困難になる。また、粘着剤を有する被覆材のコストは高く、被覆材を接着、接合する生産性も低くなり、コストおよび生産性の問題も有している。更に、この特許文献2には、この塗布材は被覆剤を剥離することにより形成される開孔の1個あたりの面積が1mm2以下、開孔部の総面積が薬剤封入物の片面の0.002〜0.02%であることにより、少しずつ薬剤を放出することでより使用寿命が長くなると共に、塗布作業の最初から最後まで均一に塗布できると記載されている。しかし、開孔の1個あたりの面積が1mm2以下となるような小孔を用いたのでは、広い面積の清掃対象面に対して放出量を均一にコントロールすることができない。
【0004】
従って、本発明は、洗浄剤又はつやだし剤などの薬剤を多量に封入した収納体を有した清掃用ウエットシートにおいて、製造中、輸送中或いは保管中に薬剤が漏れるという問題がなく、しかも、使用時には収納体に所定の開口を容易に形成することができ、更にはフロアなどの広範囲の清掃対象面に対して、清掃の初期から終期に亘って洗浄剤やつや出し剤が均一に放出される清掃用ウエットシートを提供することを目的とする。
【0005】
【特許文献1】
実開平4−33971号公報
【特許文献2】
特開平10−127549号公報
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、洗浄剤又はつやだし剤が含浸されている液保持シートが、延伸方向に関して機械的強度が高く、延伸方向と直交する方向に機械的強度が低い延伸フィルム層を含む液不透過性シートからなる袋状の収納体に密封されており、且つ該収納体における前記延伸フィルム層を含む前記液不透過性シート側に配され且つ繊維材料からなる液徐放シートを備えた清掃用ウエットシートであって、
記延伸フィルム層を含む前記液不透過性シートには、該延伸フィルム層の延伸方向への引き裂きにより開口を形成するための開封開始用の摘み部が設けられている清掃用ウエットシートを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の清掃用ウエットシート(以下、単にウエットシートともいう)の斜視図が示されている。本実施形態のウエットシート1は、硬質表面、例えばフローリングの清掃やつや出しに好適に用いられる。ウエットシート1は、2つの部材である第1の部材10及び第2の部材20から構成されている。使用前においてはこれらの部材10,20は別体となっている。
【0008】
図2に示すように、第1の部材10は、収納体11と該収納体11内に密封収納された液保持シート12とを備えている。液保持シート12は繊維材料又はフォーム材から構成されており、扁平な袋状をした収納体11内に密封収納されている。液保持シート12は、収納体11よりも若干小さな矩形状をしている。液保持シート12には所定量の洗浄剤やつや出し剤(以下、これらの剤を総称して洗浄剤等ということがある)が含浸されている。
【0009】
収納体11は、何れも一軸延伸フィルム層と金属箔とのラミネートからなる第1の液不透過性シート11a及び第2の液不透過性シート11bから構成されている。両液不透過性シート11a,11bは同種のものである。液不透過性シート11a,11bは同形であり、何れも平面視して縦長の矩形状をしている。収納体11は、互いに重ね合わされた2枚の液不透過性シート11a,11bを、それらの四辺を接合することで袋状に形成されている。一軸延伸フィルム層の延伸方向は、各液不透過性シート11a,11bの長手方向と一致している。
【0010】
図2に示すように、2枚の液不透過性シート11a,11bのうち、第2の部材20に対向する側に位置する第1の液不透過性シート11aには、一軸延伸フィルム層の延伸方向に延びる所定幅の開封誘導領域14が2本形成されている。開封誘導領域14は、複数枚の細幅のシート材料を積層することによって形成されている。これによって開封誘導領域14は、第1の液不透過性シート11aにおける他の領域よりも高坪量且つ高強度になっている。一軸延伸フィルムは、その延伸方向に関しては機械的強度が高いが、延伸方向と直交する方向には機械的強度が低いことが知られている。そして本実施形態においては、前述の通り、一軸延伸フィルムの延伸方向は、第1の液不透過性シート11aの長手方向と一致していることから、第1の液不透過性シート11aは、その長手方向の機械的強度が、幅方向のそれよりも高くなっている。その結果、第1の液不透過性シート11aは開封誘導領域14に沿って容易に引き裂くことができる。
【0011】
開封誘導領域14は、収納体11の長手方向ほぼ全長に亘り形成されている。そして、開封誘導領域14は、その一端部に摘み部15が連接されている。摘み部15は、第1の液不透過性シート11aの一部から形成されている。摘み部15は、第1の液不透過性シート11aに非接合状態となっていることによって形成されている。摘み部15は第1の不透過性シート11aに形成された開封誘導領域14を引き裂くためのきっかけとなる部位である。この摘み部15を手で把持し、開封誘導領域14の他端部に向けて引っ張ることで、開封誘導領域14を含む第1の不透過性シート11aが引き裂かれ、開口13が形成される。
【0012】
ウエットシート1の使用前においては、開封誘導領域14を含む第1の液不透過性シートは引き裂かれておらず、収納体11内に収納されている液保持シート12はその密封状態が保たれている。そしてウエットシート1の使用に先立ち、摘み部15を手で把持し、図3に示すように延伸方向に引き裂いて除去する。これによって第1の液不透過性シート11aには開封誘導領域14の形状に略対応する開口13が形成される。そしてこの開口13を通じて、液保持シート12に含浸されている洗浄剤等が放出可能になる。各開口13の面積は、洗浄剤等の放出の程度を制御する観点から、5〜13,000mm2であることが好ましい。同様の理由により、第1の液不透過性シート11aの面積に対する開口13の面積の総和の割合、つまり開口率は0.1〜50%、特に4〜33%であることが好ましい。
【0013】
このように本実施形態においては、ウエットシート1の使用直前まで液保持シート12の密封状態が保持され、使用に際して開封誘導領域14を延伸方向に引き裂くことで液保持シート12の密封状態が初めて解かれる。その結果、液漏れや液の蒸発を伴うことなく液保持シート12に多量の洗浄剤等を含浸させておくことができる。また、従来技術の項で述べた特許文献2に記載の塗布具と異なり、薬剤を封入した薬剤封入物の開孔を封止するための被覆材が必要ないので、本実施形態のウエットシート1は生産性がよく、また製造経費を低減させることができる。
【0014】
図1に示す第2の部材20は、液徐放シート21と表面シート22とを備えている。図4に示すように両シート21,22は重ね合わされて接合一体化している。液徐放シート21は、収納体11とほぼ同寸の矩形状をしている。表面シート22は、液徐放シート21の長さと同寸となっている。表面シート22は、液徐放シートの長手方向両側部から側方に延出しており、第2の部材20において一対のフラップ23,23を形成している。このフラップ23の使用目的については後述する。液徐放シート21と表面シート22とは、図4に示すように液徐放シート21の長辺が表面シート22と接合することによって一体化している。
【0015】
液徐放シート21は、前述した液保持シート12と同様に繊維材料から構成されている。この場合、液徐放シート21は、液保持シート12よりも通気度が低くなっていることが好ましい。通気度は、繊維間距離が小さいものほど低くなり、また繊維間距離が同一であれば厚みが大きいものほど低くなる。この通気度の詳細については更に後述する。
【0016】
液徐放シート21は表面に多数の凸部を有している。これによって液徐放シート21はその上下面に位置する他のシートとの接触面積が低下する。その結果、清拭初期に生じ易い洗浄剤の過放出を低下させることができ、更に徐放性能を高めることができる。この凸部はシート全体に亘って形成されていることが好ましく、スチールマッチエンボス加工によって好適に形成される。凸部としては、例えばリブ状やドット状の形状のものが用いられる。本実施形態の液徐放シート21は、凸部の間が凹部となっており、シート全体に亘って凹凸付形されている。凹部と凸部とはシートの長手方向及び幅方向それぞれにおいて交互に配されている。凹部の形状は凸部を反転させた形状となっている。
【0017】
スチールマッチエンボス加工によって液徐放シート21に凸部を形成する場合、液徐放シート21の上面又は下面に位置する他のシートとの接触面積が液徐放シート21全体の面積に対して5〜60%となるように、該凸部が形成されることが好ましい(以下、この値を接触面積率という)。凸部の高さは0.2〜10mmであることが好ましく、該凸部の横断面形状は図4に示すように波状であることが好ましい。接触面積率は次に述べる方法で測定される。
【0018】
1)液徐放シートの測定表面にスプレー糊(住友スリーエム株式会社製、商品名「55」)を均一に約0.0006g/cm2スプレーする。
2)平らなプレート上にJIS試験用ダスト7種(関東ローム層、細粒)を薄く均一に散布する。
3)JIS試験用ダスト7種を散布した面に、前記スプレー糊を塗工した液徐放シートの測定表面を重ねる。その上にアクリル製の平板を重ね、更にアクリル製の平板の重さとあわせて500gの荷重となるように重りを置き、5分間荷重をかける。これにより測定用のサンプルを得る。
4)得られたサンプルを画像解析して、プレートに接した面において、JIS試験用ダスト7種で汚れた部分の面積の割合を算出してこれを接触面積率とした。
【0019】
図4に示すように、液徐放シート21と同様に、表面シート22も多数の凸部を有していることが好ましい。この理由は液徐放シート21に凸部を形成する理由と同様である。表面シート22に形成された凸部による接触面積率の値や凸部の形状等は、液徐放シート21に形成された凸部と同様とすることができる。
【0020】
本実施形態のウエットシートを使用するに際しては、図1に示すように、第2の部材20における液徐放シート21が、収納体11における開口13が形成されている側である第1の液不透過性シート11aに対向するように配する。この状態にセットされたウエットシート1を、図5に示す清掃具30に装着して使用する。図5に示す清掃具30は、本実施形態のウエットシート1が装着可能である平坦なヘッド部31、及び該ヘッド部31と自在継手32を介して連結した棒状の柄33から構成されている。ヘッド部31は第1の部材10とほぼ同寸の矩形状をしている。ウエットシート1は、収納体11における第2の液不透過性シート11b(図2参照)が、ヘッド部31の下面に対向するように該ヘッド部31に装着される。このとき、第2の部材20におけるフラップ23,23をヘッド部31の上面側に折り返す。更に該フラップを、ヘッド部31に設けられた放射状のスリットを形成する可撓性の複数の片部34内に押し込む。これによってウエットシート1をヘッド部31に固定する。そして、この状態でフローリング等を清掃する。
【0021】
本実施形態のウエットシート1がこのような構成を有していることによって以下の有利な効果が奏される。先ず、第1の部材10と第2の部材20とが別体になっており、洗浄剤等が含浸された液保持シート12が収納体11内に密封収納されているので、液保持シート12に多量の洗浄剤を含浸させておくことが出来る。液保持シート12が収納体11内に密封収納されていることで、ウエットシート1を清掃具30に装着させるときに手が汚れないという利点もある。勿論、清掃具30も汚れない。しかも使用前の保存状態において洗浄剤等が漏出することも無い。使用に際しては、開口13を通じて放出された洗浄剤等が、低通気度、つまり繊維間距離が小さく毛管力の大きな液徐放シート21に一旦トラップされて、そこから徐々に清掃対象面に放出されるので、その放出量は清掃の初期から終期に亘ってほぼ均一となる。その上、液徐放シート21及び表面シート22が何れも凹凸付形されているので、清掃対象面との接触面積が低減され、これによっても洗浄剤が徐々に放出されるようになる。そして前述の通り液保持シート12には多量の洗浄剤が含浸されているので、フローリングのような広面積の清掃対象面を十分に清掃することができる。
【0022】
次に本実施形態のウエットシート1を構成する各部材について説明する。先ず収納体11を構成する液不透過性シート11a,11bとしては、或る程度柔軟であり液不透過性のものであればその種類に特に制限はない。例えば熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムにアルミニウムなどの金属薄膜を蒸着によってラミネートしたものなどを液不透過性シート11a,11bとして用いることができる。2枚の液不透過性シート11a,11bは同種でもよく或いは異種でもよい。そして、少なくとも液徐放シート21に対向するシートである第1の液不透過性シート11aは、一軸延伸フィルム層を含んでいる必要がある。
【0023】
液保持シート12は繊維集合体またはフォーム材からなる。液保持シート12は、多量の洗浄剤を含浸でき且つ洗浄剤の放出性に優れていることが望ましい。そのような材料としては、繊維材料の場合、嵩高な紙や不織布などの繊維集合体が適しており、特にエアレイド不織布、ニードルパンチ不織布などが好ましい。繊維の具体例としては、天然繊維及び化学繊維の何れか一方又は両方の繊維を使用することができる。天然繊維としては木材パルプ等が挙げられる。化学繊維としては、再生繊維であるレーヨンやアセテート、合成繊維であるポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維、ポリアクリロニトニル系繊維等が挙げられる。フォーム材の場合、化学反応に伴う発生ガスを利用したり、フロンガス等の低融点溶剤注入または空気注入等によって発泡または多孔質化してなるものが挙げられ、具体的にはポリウレタンフォーム、ポリオレフィンフォーム等が用いられる。
【0024】
液保持シート12はその通気度が液徐放シート21よりも高くなっていることが好ましい。具体的には、液保持シート12の通気度は10.0〜50.0m/Pa・s、特に15.0〜40m/Pa・sであることが好ましい。
【0025】
液保持シート12は、洗浄剤等の保持容量を高め、また清掃時における洗浄剤等の放出を良好にする点から、その密度が0.02〜0.2g/cm3、特に0.03〜0.15g/cm3であることが好ましい。また、液保持シート12は、その坪量が20〜400g/m2、特に60〜200g/m2であることが好ましい。坪量がこの範囲であることにより、保持容量を十分に大きなものとすることができ、また液保持シート12の加工性も良好となる。
【0026】
液保持シート12には、出来るだけ多量の洗浄剤等を含浸させることが好ましいが、一般家庭でのフローリングを一枚のウエットシート1で清掃する場合を考えると、含浸前の状態の液保持シート12の重量の300〜3000%、特に500〜2500%程度となる
【0027】
第2の部材20における液徐放シート21は、前述した液保持シート12と同様に繊維材料からなる。液徐放シート21は、繊維材料からなる1枚のシートまたは複数枚のシート積層体からなる。液徐放シート21は、液保持シート12から放出された洗浄剤等を一旦液徐放シート全体に拡散させて、洗浄剤等が液保持シート12から放出される際の速度よりも低速度でこれらを放出させることによって、広い面積の清掃対象面に対して、清拭の初期から終期にいたるまで、所定範囲の洗浄剤を徐々に放出する目的で用いられる。この目的のため、液徐放シート21はその通気度が液保持シート12の通気度より低くなっていることが好ましい。つまり、本発明において通気度は、洗浄剤等の徐放性の尺度となるものである。シートの通気度が徐放性と相関関係にあることは、本発明者らによって初めて見出されたものである。洗浄剤等の放出速度を適切な範囲に調整し得る点から、液徐放シート21の通気度は、0.05〜10m/Pa・s、特に0.1〜7m/Pa・sであることが好ましい。通気度は、カトーテック(株)のKES−F8−AP1(通気性試験機)にて測定される。
【0028】
液徐放シート21としてはパルプ、コットン、レーヨンなどの親水性繊維を主成分とし湿式抄造法で得られた紙、スパンレース不織布などが挙げられる。通気度を制御する因子としては、シートの密度、坪量、積層枚数などがある。パルプを主成分とする湿式抄造紙の場合、叩解度、乾燥前のプレス圧等によって密度を調整することができる。スパンレース不織布の場合、交絡時の水圧等によって密度を調整することができる。
【0029】
液徐放シート21が1枚のシートからなるか、シート積層体からなるかを問わず、液徐放シート21はその坪量が20〜350g/m2、特に40〜200g/m2であることが、十分な徐放性能を発現し得る点、及び洗浄剤等の過剰な含浸を防止する点から好ましい。
【0030】
表面シート22は液透過性のものであり、繊維材料から構成されていることが好ましい。表面シート22は清掃時におけるウェットシート1の清掃面となるものであり、清拭時の操作性の向上、液徐放シート21の保護の目的で用いられる。また、洗浄剤等の放出を更に制御する目的でも用いられる。先に述べた通り、清拭時の操作性を向上させるために、表面シート22はその清掃対象面側に多数の凸部を有している。これによって、清掃対象面との接触面積が低下して、清拭時の摩擦が低下し、清拭操作性を向上させることができる。表面シート22に用いられる構成繊維や、表面シート22に形成される凸部の形状は、特開平9−131288号公報に記載されている内容と同様とすることができる。
【0031】
表面シート22は、その坪量が10〜100g/m2、特に20〜80g/m2であることが、清掃に必要なシート強度を満たすと共に不必要なコストがかからない点から好ましい。
【0032】
次に液保持シート12に含浸される洗浄剤及びつや出し剤について説明する。本発明に用いられる洗浄剤は、土ボコリ、皮脂、油汚れのような乾式清掃では取り切れない汚れを溶解して、拭き取り除去することを目的とした剤である。つや出し剤は、フローリングのつや出し、保護を目的とした剤である。つや出し剤は洗浄機能を併せ持っていてもよい。洗浄剤及びつや出し剤は、25℃における粘度が1〜20mPa・s、特に2〜10mPa・sであることが、良好な拭き延ばし性及び仕上がり性の点から好ましい。洗浄剤は、水を媒体とし、界面活性剤、アルカリ剤、水溶性溶剤を含有することが好ましい。洗浄剤中に含有される不揮発残留成分については、10重量%以下であることが清掃後の仕上がり性の点で好ましく、特に5重量%以下、とりわけ1重量%以下であることが好ましい。つや出し剤としては、洗浄機能を併せ持ち且つ乾燥時間の短いもの、具体的には本出願人の先の出願に係る特開2001−131495号公報に記載のものを用いることが好ましい。
【0033】
洗浄剤に配合される界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の何れもが用いられ、特に洗浄性と仕上がり性の両立の面から、ポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド付加モル数1〜20)アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エーテル、アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)グリコシド(平均糖縮合度1〜5)、ソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エステル、及びアルキル(炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖)グリセリルエーテル等の非イオン活性剤並びにアルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドカルボキシベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン等のアルキル炭素数8〜24の両性界面活性剤が好適に用いられる。界面活性剤は、洗浄剤中に、0.01〜1.0重量%、特に0.05〜0.5重量%含有されることが、洗浄性及び被清掃面の仕上がり性の面で好ましい。
【0034】
洗浄剤に配合されるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、硫酸水素ナトリウム等のアルカリ性の硫酸塩、第1リン酸ナトリウム等のリン酸塩、酢酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の有機アルカリ金属塩、アンモニア、モノ、ジ又はトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のβ−アミノアルカノール並びにモルホリン等が挙げられ、特に感触とpHの緩衝性の点でモノ、ジ又はトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のβ−アミノアルカノール並びにモルホリンが好ましい。アルカリ剤は、洗浄剤中に、0.01〜1重量%、特に0.05〜0.5重量%含有されることが、洗浄性及び感触の面で好ましい。
【0035】
洗浄剤に配合される増粘剤としては、天然多糖類、セルロース系高分子及びデンプン系高分子等の半合成高分子、ビニル系高分子及びポリエチレンオキシド等のその他合成高分子、粘土鉱物等の水溶性高分子が挙げられる。特にベタツキ感、ヌルツキ感の低いポリアクリル酸系増粘剤若しくはアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体系増粘剤又はこれらの混合物が好ましい。これらアクリル酸系増粘剤は、ナトリウム塩の状態で粘性を発現するのが好ましい。増粘剤は、洗浄剤中に、0.01〜2重量%、特に0.02〜1重量%含有されることが、被清掃面の仕上がり性の点で好ましい。
【0036】
洗浄剤に配合される水溶性溶剤としては、1価アルコール、多価アルコール及びその誘導体から選ばれる1種以上のものが好適である。特に仕上がり性の点から蒸気圧267Pa(2mmHg)以上のものが好ましい。例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が好ましい。水溶性溶剤は、洗浄剤中に、1〜50重量%、特に1〜20重量%含有されることが、臭い及び皮膚刺激性の低減の点から好ましい。
【0037】
洗浄剤には、前述の成分に加えて除菌剤を含有させることもできる。これによって、洗浄剤に、洗浄効果に加えて除菌効果を付与することができる。除菌剤としては、過酸化水素、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、第4級アンモニウム塩、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸ナトリウム、天然除菌剤等が挙げられ、特に配合安定性と除菌性能の点から、第4級アンモニウム塩、天然除菌剤のポリリジン等が好ましく用いられる。除菌剤は、洗浄剤中に、0.005〜2重量%、特に0.01〜1重量%含有されることが、除菌効果と皮膚刺激性低減とのバランスの点から好ましい。
【0038】
更に、洗浄剤等には必要に応じ、香料、防黴剤、色素(染料、顔料)、キレート剤、ワックス剤等を含有させることもできる。
【0039】
洗浄剤の媒体である水は、洗浄剤中に、50〜99.9重量%、特に80〜99重量%含有されることが、被清掃面の仕上がり性の点から好ましい。
【0040】
以上本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されるものではない。例えば前記の実施形態においては、液徐放シート21が十分な強度を有する場合には、表面シート22を用いずに、液徐放シート21を清掃面となしてもよい。
【0041】
また前記の実施形態においては、第1の液不透過性シート11aに開封誘導領域が形成されていたが、一軸延伸フィルムの種類によっては該開封誘導領域を形成せず、これに代えて所定幅を有する開封開始用の摘み部を形成してもよい。該摘み部をフィルムの延伸方向へ引っ張るだけで、第1の液不透過性シート11aに開口を形成することができる。
【0042】
また前記の実施形態においては、液徐放シート21及び/又は表面シート22に凸部を形成しなくてもよい。
【0043】
また前記の実施形態においては、開封誘導領域14が複数枚のシートを積層することで形成されていたがこれに代えて、開口部位の両側縁にレーザーや治具等を用いて機械的に引き裂きを誘導する線を付ける方法などがある。これによって例えば、引き裂き性が劣る一軸延伸フィルム層を含む液不透過性シートも、開封誘導領域を形成することで容易に引き裂くことができる。
【0044】
また、前記の実施形態においては、開封誘導領域14の一端部に連設された摘み部15は、第2の液不透過性シート11bと非接合状態であったが、これに代えて、例えば指先で剥離可能な程度に弱接合状態となっていてもよい。
【0045】
本発明のウエットシート1は、特にフローリングの清掃に好適であるが、これ以外の硬質表面、例えば自動車のボディや革靴などの清掃やつや出しに用いることもできる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の清掃用ウエットシートによれば、洗浄剤又はつやだし剤などの多量の薬剤を封入した収納体を有していながら、製造中、輸送中或いは保管中に薬剤が漏れるという問題がなく、しかも、使用時には収納体に所定の開口を容易に形成することができ、フロアなどの広範囲の清掃対象面に対して、清掃の初期から終期に亘ってつや出し剤を均一に放出させることができる。また、本発明の清掃用ウエットシートは生産性が良く、製造経費を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の清掃用ウエットシートを示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】使用前の第1の部材の状態を示す斜視図である。
【図4】図1におけるIV−IV線断面図である。
【図5】図1に示す清掃用ウエットシートの使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 清掃用ウエットシート
10 第1の部材
11 収納体
11a,11b 液不透過性シート
12 液保持シート
13 開口
14 開封誘導領域
20 第2の部材
21 液徐放シート
22 液不透過性シート

Claims (7)

  1. 洗浄剤又はつやだし剤が含浸されている液保持シートが、延伸方向に関して機械的強度が高く、延伸方向と直交する方向に機械的強度が低い延伸フィルム層を含む液不透過性シートからなる袋状の収納体に密封されており、且つ該収納体における前記延伸フィルム層を含む前記液不透過性シート側に配され且つ繊維材料からなる液徐放シートを備えた清掃用ウエットシートであって、
    前記延伸フィルム層を含む前記液不透過性シートには、該延伸フィルム層の延伸方向へ該液不透過性シートを引き裂いて除去することにより開口を形成するための開封開始用の摘み部が設けられている清掃用ウエットシート。
  2. 前記摘み部が、前記延伸フィルム層の一部から形成されている請求項1記載の清掃用ウエットシート。
  3. 前記延伸フィルム層を含む前記液不透過性シートが、該延伸フィルム層の延伸方向に延びる所定幅の開封誘導領域を有している請求項1又は2記載の清掃用ウエットシート。
  4. 前記液徐放シートが、前記液保持シートよりも通気度が低い材料から構成されている請求項1〜3の何れかに記載の清掃用ウエットシート。
  5. 前記液徐放シートの外面に更に繊維材料からなる表面シートを配した請求項1〜4の何れかに記載の清掃用ウエットシート。
  6. 前記液徐放シート及び/又は前記表面シートが凹凸付形されている請求項5記載の清掃用ウエットシート。
  7. 洗浄剤又はつやだし剤が含浸されている液保持シートが、延伸方向に関して機械的強度が高く、延伸方向と直交する方向に機械的強度が低い延伸フィルム層を含む液不透過性シートからなる袋状の収納体に密封されており、且つ該収納体における前記延伸フィルム層を含む前記液不透過性シート側に配され且つ繊維材料からなる液徐放シートを備えた清掃用ウエットシートであって、
    前記延伸フィルム層を含む前記液不透過性シートには、該延伸フィルム層の延伸方向への引き裂きにより開口を形成するための開封開始用の摘み部が設けられており、
    前記液徐放シートの外面に更に繊維材料からなる表面シートを配した清掃用ウエットシート。
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