JPH05156557A - 複合不織布 - Google Patents
複合不織布Info
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- JPH05156557A JPH05156557A JP3350808A JP35080891A JPH05156557A JP H05156557 A JPH05156557 A JP H05156557A JP 3350808 A JP3350808 A JP 3350808A JP 35080891 A JP35080891 A JP 35080891A JP H05156557 A JPH05156557 A JP H05156557A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 疎水性繊維不織布層の厚みが小さいにも拘ら
ず液滴の撥水性と不透過性を有し、かつ押し圧が作用す
ると適度な液透過性を備えた疎水性繊維不織布層と、吸
水性と保水性を備えた親水性繊維不織布層とからなる複
合不織布を提供する。 【構成】 第１成分(4) と第２成分(5) がともにポリオ
レフィン系樹脂である分割型複合繊維(1) のステープル
を目付が１０〜７０ｇ／ｍ2 ウェブとなし、このウェブ
を親水性繊維ウェブの片面または表裏両面に重ね合わ
せ、分割型複合繊維のウェブ側から高圧水流処理を施し
て分割型複合繊維を極細化するとともに重ね合わせたウ
ェブを一体化し、親水性不織布層の片面又は表裏両面に
上記ポリオレフィン系極細繊維からなる疎水性不織布層
を備えた複合不織布となした。
ず液滴の撥水性と不透過性を有し、かつ押し圧が作用す
ると適度な液透過性を備えた疎水性繊維不織布層と、吸
水性と保水性を備えた親水性繊維不織布層とからなる複
合不織布を提供する。 【構成】 第１成分(4) と第２成分(5) がともにポリオ
レフィン系樹脂である分割型複合繊維(1) のステープル
を目付が１０〜７０ｇ／ｍ2 ウェブとなし、このウェブ
を親水性繊維ウェブの片面または表裏両面に重ね合わ
せ、分割型複合繊維のウェブ側から高圧水流処理を施し
て分割型複合繊維を極細化するとともに重ね合わせたウ
ェブを一体化し、親水性不織布層の片面又は表裏両面に
上記ポリオレフィン系極細繊維からなる疎水性不織布層
を備えた複合不織布となした。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、建物の結露吸収材、汗
取りパッド、調湿材、水を使用する冷風扇のフィルター
あるいはワイパー等に好適な複合不織布に関するもので
ある。
取りパッド、調湿材、水を使用する冷風扇のフィルター
あるいはワイパー等に好適な複合不織布に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】従来から例えばワイパー（清拭布）の機
能向上をを目的として、種々な不織布が提案されてい
る。例えば親水性繊維と疎水性繊維を混綿して一体化し
たワイパーが特公昭５４−２３５０７号公報や実公昭４
８−４３２３０号公報に記載されており、近年には疎水
性繊維を熱接着複合繊維とした吸水性不織布が特公昭６
３−３９７０３号公報において提案され、また親水性重
合体を不織布に含浸させたものが特公平１−３５８４１
号公報に、そして吸水性物質を混在させた不織布が特公
平３−２５５３６号公報にそれぞれ吸水性の良好な不織
布として記載されている。
能向上をを目的として、種々な不織布が提案されてい
る。例えば親水性繊維と疎水性繊維を混綿して一体化し
たワイパーが特公昭５４−２３５０７号公報や実公昭４
８−４３２３０号公報に記載されており、近年には疎水
性繊維を熱接着複合繊維とした吸水性不織布が特公昭６
３−３９７０３号公報において提案され、また親水性重
合体を不織布に含浸させたものが特公平１−３５８４１
号公報に、そして吸水性物質を混在させた不織布が特公
平３−２５５３６号公報にそれぞれ吸水性の良好な不織
布として記載されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来の親水性不織布
は、パルプからなる不織布、親水性繊維素材と接着性繊
維を混合した不織布あるいは親水性物質を付着もしくは
混合した不織布であり、いずれも不織布の表裏面に親水
性繊維などの親水性物質が露出しているため、親水性繊
維や親水性物質が例えば水を含有すると表裏面が共に湿
潤状態となり、人もしくは物に接触した場合、含浸液が
接触した物に移行して被接触物を濡らしてしまうことに
なり、建物の結露吸収材や調湿材などの用途には不向き
であった。この不都合は不織布の片面を防水性に優れた
シート材料を使用することによって改善することができ
るが、親水性繊維不織布側に吸収した水分の蒸散性に乏
しく、吸収能が飽和するという短所が現れる。また上記
防水性シートを疎水性繊維不織布で構成した場合にはこ
の短所が幾分緩和されるが、蒸散性と防水性とを兼ね備
えた不織布となすには不織布の目付を大きくする必要が
あり、厚みが増加して取り扱い性が悪くなる。本発明
は、上記した疎水性繊維不織布層の厚みが小さいにも拘
らず、液滴の不透過性を有し、適度なの蒸散性を備えた
複合不織布を提供するものである。
は、パルプからなる不織布、親水性繊維素材と接着性繊
維を混合した不織布あるいは親水性物質を付着もしくは
混合した不織布であり、いずれも不織布の表裏面に親水
性繊維などの親水性物質が露出しているため、親水性繊
維や親水性物質が例えば水を含有すると表裏面が共に湿
潤状態となり、人もしくは物に接触した場合、含浸液が
接触した物に移行して被接触物を濡らしてしまうことに
なり、建物の結露吸収材や調湿材などの用途には不向き
であった。この不都合は不織布の片面を防水性に優れた
シート材料を使用することによって改善することができ
るが、親水性繊維不織布側に吸収した水分の蒸散性に乏
しく、吸収能が飽和するという短所が現れる。また上記
防水性シートを疎水性繊維不織布で構成した場合にはこ
の短所が幾分緩和されるが、蒸散性と防水性とを兼ね備
えた不織布となすには不織布の目付を大きくする必要が
あり、厚みが増加して取り扱い性が悪くなる。本発明
は、上記した疎水性繊維不織布層の厚みが小さいにも拘
らず、液滴の不透過性を有し、適度なの蒸散性を備えた
複合不織布を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、疎水性繊
維のなかでもポリオレフィン繊維が撥水性に優れている
ことを知見し、親水性繊維不織布層と疎水性繊維不織布
層とからなる複合不織布において、疎水性繊維不織布層
に繊細なポリオレフィン系繊維を使用することによって
上記課題を解決した。したがって本発明の複合不織布
は、レーヨン、綿などのセルロース繊維等からなる親水
性繊維不織布層の少なくとも一方の面に、０．５デニー
ル以下のポリオレフィン系繊維のみでなる目付１０〜７
０ｇ／ｍ2 疎水性繊維不織布層が一体化されていること
を特徴としているものである。
維のなかでもポリオレフィン繊維が撥水性に優れている
ことを知見し、親水性繊維不織布層と疎水性繊維不織布
層とからなる複合不織布において、疎水性繊維不織布層
に繊細なポリオレフィン系繊維を使用することによって
上記課題を解決した。したがって本発明の複合不織布
は、レーヨン、綿などのセルロース繊維等からなる親水
性繊維不織布層の少なくとも一方の面に、０．５デニー
ル以下のポリオレフィン系繊維のみでなる目付１０〜７
０ｇ／ｍ2 疎水性繊維不織布層が一体化されていること
を特徴としているものである。
【０００５】ポリオレフィン系繊維としては、ポリプロ
ピレン（ＰＰ）、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、ポ
リ４−メチルペンテン−１（ＰＭＰ）などが挙げられる
が、本発明においては上記疎水性繊維不織布層が、０．
５デニール以下のこれらのポリオレフィン系樹脂繊維で
構成されていることが肝要である。０．５デニール以下
ポリオレフィン系繊維は、上記したポリオレフィン系樹
脂の２種の組み合わせからなる分割型複合繊維を紡糸
し、カードウェブとなしたのち、高圧水流処理して分割
し極細化することによってえることができ、またこの処
理によって得られた不織布が最も好ましい。
ピレン（ＰＰ）、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、ポ
リ４−メチルペンテン−１（ＰＭＰ）などが挙げられる
が、本発明においては上記疎水性繊維不織布層が、０．
５デニール以下のこれらのポリオレフィン系樹脂繊維で
構成されていることが肝要である。０．５デニール以下
ポリオレフィン系繊維は、上記したポリオレフィン系樹
脂の２種の組み合わせからなる分割型複合繊維を紡糸
し、カードウェブとなしたのち、高圧水流処理して分割
し極細化することによってえることができ、またこの処
理によって得られた不織布が最も好ましい。
【０００６】上記分割型複合繊維としては、ポリプロピ
レン（ＰＰ）と高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、ＰＰ
とポリ４−メチルペンテン−１（ＰＭＰ）、ＰＭＰとＨ
ＤＰＥをそれぞれ交互に放射状に介在させた分割型複合
繊維が好ましく適用できる。とりわけ、ＨＤＰＥにポリ
メチル水素シロキサンのアルケン（Ｃ10〜Ｃ50）および
プロピレン付加物（ＮＲ−Ｂ）などのオルガノポリシロ
キサン（ＯＳ）を数重量％練り込んだ樹脂（以下この樹
脂を撥水性ＨＤＰＥという）を複合成分の１つに配した
分割型複合繊維が好適である。
レン（ＰＰ）と高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、ＰＰ
とポリ４−メチルペンテン−１（ＰＭＰ）、ＰＭＰとＨ
ＤＰＥをそれぞれ交互に放射状に介在させた分割型複合
繊維が好ましく適用できる。とりわけ、ＨＤＰＥにポリ
メチル水素シロキサンのアルケン（Ｃ10〜Ｃ50）および
プロピレン付加物（ＮＲ−Ｂ）などのオルガノポリシロ
キサン（ＯＳ）を数重量％練り込んだ樹脂（以下この樹
脂を撥水性ＨＤＰＥという）を複合成分の１つに配した
分割型複合繊維が好適である。
【０００７】親水性繊維不織布層には、吸水性に優れた
セルロース繊維および／または親水性に優れた３デニー
ル以下のポリアミド繊維の使用が好都合であり、これら
の親水性繊維を少なくとも60重量％含有させて親水性繊
維不織布層を形成すると、保水性および捕水性が具備さ
れ、また吸水時に嵩高さを維持する。
セルロース繊維および／または親水性に優れた３デニー
ル以下のポリアミド繊維の使用が好都合であり、これら
の親水性繊維を少なくとも60重量％含有させて親水性繊
維不織布層を形成すると、保水性および捕水性が具備さ
れ、また吸水時に嵩高さを維持する。
【０００８】セルロース繊維としては、レーヨン繊維、
特に吸水性を向上させた高吸水性レーヨン、脱脂木綿お
よびパルプなどが好適であり、ポリアミド繊維として
は、ナイロン６繊維およびナイロン４，６繊維などがよ
い。吸水時のセルロース繊維のヘタリを防止するため、
このポリアミド繊維を５〜10重量％混入するのが最も好
ましい。
特に吸水性を向上させた高吸水性レーヨン、脱脂木綿お
よびパルプなどが好適であり、ポリアミド繊維として
は、ナイロン６繊維およびナイロン４，６繊維などがよ
い。吸水時のセルロース繊維のヘタリを防止するため、
このポリアミド繊維を５〜10重量％混入するのが最も好
ましい。
【０００９】本発明の親水性繊維不織布層と疎水性繊維
不織布層とからなる複合不織布は、両繊維層を20kg/cm2
以上の圧力水で繊維間を絡ませて一体化する方法により
接合されている。疎水性繊維層に分割性繊維を用いた場
合は、両繊維層をその疎水性繊維層側より100kg/cm2 以
上の圧力水で分割処理すると分割型複合繊維の分割極細
化と層間の接合とを同時に行うことができ好都合であ
る。
不織布層とからなる複合不織布は、両繊維層を20kg/cm2
以上の圧力水で繊維間を絡ませて一体化する方法により
接合されている。疎水性繊維層に分割性繊維を用いた場
合は、両繊維層をその疎水性繊維層側より100kg/cm2 以
上の圧力水で分割処理すると分割型複合繊維の分割極細
化と層間の接合とを同時に行うことができ好都合であ
る。
【００１０】なお疎水性繊維不織布層は、難透水性を保
持するためには少なくとも15g/m2の目付であることが好
ましく、また水蒸気の透過性を具備させるためには目付
は150g/m2 以内とすべきである。親水性繊維不織布層の
目付には特に限定はなく、所望する保液量に応じて目付
を増減するとよい。
持するためには少なくとも15g/m2の目付であることが好
ましく、また水蒸気の透過性を具備させるためには目付
は150g/m2 以内とすべきである。親水性繊維不織布層の
目付には特に限定はなく、所望する保液量に応じて目付
を増減するとよい。
【００１１】また、親水性繊維層の表裏両面に上記目付
の疎水性繊維層を重ね合わせ、表面側および裏面側から
高圧水流処理して得られた３層構造の複合不織布は、布
巾やワイパー用として好適となる。
の疎水性繊維層を重ね合わせ、表面側および裏面側から
高圧水流処理して得られた３層構造の複合不織布は、布
巾やワイパー用として好適となる。
【００１２】
【作用】複合不織布の親水性繊維不織布層は、水滴の吸
収や吸収させた水の保持作用をし、また疎水性繊維不織
布層は親水性繊維層からの水の自由な透過を防止する。
従って一方の面が親水性繊維不織布層、他方の面が疎水
性繊維不織布層の複合不織布を例えば結露が生じる建物
の壁にその親水性繊維不織布層側を貼り付けて使用する
と、親水性繊維不織布層が結露水を吸収し、疎水性繊維
不織布層が結露面近傍の物体の濡れるのを防止するとと
もに親水性繊維不織布層に吸収された水の蒸発を許容
し、壁と疎水性繊維不織布層との間に水が滞留するのを
防止する。
収や吸収させた水の保持作用をし、また疎水性繊維不織
布層は親水性繊維層からの水の自由な透過を防止する。
従って一方の面が親水性繊維不織布層、他方の面が疎水
性繊維不織布層の複合不織布を例えば結露が生じる建物
の壁にその親水性繊維不織布層側を貼り付けて使用する
と、親水性繊維不織布層が結露水を吸収し、疎水性繊維
不織布層が結露面近傍の物体の濡れるのを防止するとと
もに親水性繊維不織布層に吸収された水の蒸発を許容
し、壁と疎水性繊維不織布層との間に水が滞留するのを
防止する。
【００１３】また表裏が疎水性繊維不織布層であり中間
が親水性繊維不織布層である３層構造の複合不織布にお
いては、例えば洗浄液中でニップしながら繊維間の空気
と洗浄含浸液とを交換させて洗浄液を含浸させると、表
裏の疎水性繊維不織布層は液漏れを阻止して洗浄液の液
だれをなくし、親水性繊維不織布層は多量の洗浄液を含
浸保持する。そして使用時、手で押し圧をかけながら物
体を拭くと、保持された洗浄液が疎水性繊維不織布層を
通して物体側に適量移行し、洗浄液中の洗剤によって効
率よく清拭することができる。また含浸液を含まない３
層構造の複合不織布でもって濡れた物体を強い押し圧を
かけながら拭くと、物体表面の水分は疎水性繊維不織布
層を通過して親水性繊維不織布層に吸収され、物体から
速やかに湿気を取り去る。そして複合不織布を絞れば吸
収した水を親水性繊維不織布層から疎水性繊維不織布層
を通過させて排出するという拭き取り作用を奏する。
が親水性繊維不織布層である３層構造の複合不織布にお
いては、例えば洗浄液中でニップしながら繊維間の空気
と洗浄含浸液とを交換させて洗浄液を含浸させると、表
裏の疎水性繊維不織布層は液漏れを阻止して洗浄液の液
だれをなくし、親水性繊維不織布層は多量の洗浄液を含
浸保持する。そして使用時、手で押し圧をかけながら物
体を拭くと、保持された洗浄液が疎水性繊維不織布層を
通して物体側に適量移行し、洗浄液中の洗剤によって効
率よく清拭することができる。また含浸液を含まない３
層構造の複合不織布でもって濡れた物体を強い押し圧を
かけながら拭くと、物体表面の水分は疎水性繊維不織布
層を通過して親水性繊維不織布層に吸収され、物体から
速やかに湿気を取り去る。そして複合不織布を絞れば吸
収した水を親水性繊維不織布層から疎水性繊維不織布層
を通過させて排出するという拭き取り作用を奏する。
【００１４】
［実施例１〜４、比較例１〜３］ 本発明の実施例およ
び比較例に用いる疎水性繊維を「表１」の条件で溶融紡
糸し、延伸して易水溶性繊維処理剤を付与しながらスタ
ッファボックスで捲縮を付与後、ネットコンベアー式熱
風貫通型乾燥機で乾燥後、51mmにカットしてステープル
繊維とし、疎水性繊維層として用いた。図１、図２およ
び図３は上記疎水性繊維の断面を示し、(1) は分割型複
合繊維、(2) は芯鞘型複合繊維、(3) は不完全芯鞘型複
合繊維、そして(4) は第１成分、(5) は第２成分であ
る。
び比較例に用いる疎水性繊維を「表１」の条件で溶融紡
糸し、延伸して易水溶性繊維処理剤を付与しながらスタ
ッファボックスで捲縮を付与後、ネットコンベアー式熱
風貫通型乾燥機で乾燥後、51mmにカットしてステープル
繊維とし、疎水性繊維層として用いた。図１、図２およ
び図３は上記疎水性繊維の断面を示し、(1) は分割型複
合繊維、(2) は芯鞘型複合繊維、(3) は不完全芯鞘型複
合繊維、そして(4) は第１成分、(5) は第２成分であ
る。
【００１５】また親水性繊維層の繊維としてレギュラー
レーヨン（ＲＲ）、ナイロン６（Ｎｙ６）および揉みほ
ぐしたレーヨン用ＳＰパルプ（ＳＰ）を用いた。
レーヨン（ＲＲ）、ナイロン６（Ｎｙ６）および揉みほ
ぐしたレーヨン用ＳＰパルプ（ＳＰ）を用いた。
【００１６】これらのステープル繊維を各々ローラーカ
ードを用いそれぞれ30g/m2または40g/m2目付の疎水性繊
維ウェブと親水性繊維ウェブとなし、疎水性繊維ウェブ
を上側に、そして親水性繊維のウェブを下側にして重ね
たのち軽くニードルパンチした。次いで120kg/cm2 の圧
力水でスパンレース加工して繊維を絡ませて上下のウェ
ブを一体化し、100 ℃で乾燥して一方の面が疎水性繊維
不織布層、他方の面が親水性繊維不織布層の複合不織布
となした。
ードを用いそれぞれ30g/m2または40g/m2目付の疎水性繊
維ウェブと親水性繊維ウェブとなし、疎水性繊維ウェブ
を上側に、そして親水性繊維のウェブを下側にして重ね
たのち軽くニードルパンチした。次いで120kg/cm2 の圧
力水でスパンレース加工して繊維を絡ませて上下のウェ
ブを一体化し、100 ℃で乾燥して一方の面が疎水性繊維
不織布層、他方の面が親水性繊維不織布層の複合不織布
となした。
【００１７】そして上記各複合不織布からサンプル片を
作り、各サンプルの上側を疎水性繊維不織布層とし、各
サンプルに液滴透過試験を行って疎水性および吸水性を
評価した。その結果を「表２」および「表３」に示す。
作り、各サンプルの上側を疎水性繊維不織布層とし、各
サンプルに液滴透過試験を行って疎水性および吸水性を
評価した。その結果を「表２」および「表３」に示す。
【００１８】
【表１】
【００１９】
【表２】
【００２０】
【表３】
【００２１】なお液滴透過試験は次のようにして行っ
た。15cm角の５Ａ濾紙３枚の上に16cm角の不織布サンプ
ルを完全に密着するように四方を固定して設置し、その
中心の１ｍ上方に設けた孔径約１mmの穴を持つ液体滴下
器より0.2 ％コンゴーレッドで着色した蒸留水液10mlを
連続滴下した後、濾紙に吸水された試験液の着色の有無
を調べて透過液の有無を評価した。
た。15cm角の５Ａ濾紙３枚の上に16cm角の不織布サンプ
ルを完全に密着するように四方を固定して設置し、その
中心の１ｍ上方に設けた孔径約１mmの穴を持つ液体滴下
器より0.2 ％コンゴーレッドで着色した蒸留水液10mlを
連続滴下した後、濾紙に吸水された試験液の着色の有無
を調べて透過液の有無を評価した。
【００２２】［実施例５］ 実施例１の疎水性繊維と実
施例２の親水性繊維を用いてそれぞれ目付30g/m2のウェ
ブとなし、表裏を疎水性繊維不織布層、中間を親水性繊
維不織布層とした三層構造の複合不織布となし、方形に
切り取ってサンプル不織布を作製した。そして床面に水
をこぼし、その水をこのサンプル不織布でもって力を加
えながら拭き取ったところ、水は疎水性繊維不織布層か
ら親水性繊維不織布層に押し込まれ、きれいに拭き取る
ことができた。拭き取った水は内部の親水性繊維不織布
層に保持され、疎水性繊維不織布層の湿りは極く僅かで
あり、表面のベトツキ感はなかった。
施例２の親水性繊維を用いてそれぞれ目付30g/m2のウェ
ブとなし、表裏を疎水性繊維不織布層、中間を親水性繊
維不織布層とした三層構造の複合不織布となし、方形に
切り取ってサンプル不織布を作製した。そして床面に水
をこぼし、その水をこのサンプル不織布でもって力を加
えながら拭き取ったところ、水は疎水性繊維不織布層か
ら親水性繊維不織布層に押し込まれ、きれいに拭き取る
ことができた。拭き取った水は内部の親水性繊維不織布
層に保持され、疎水性繊維不織布層の湿りは極く僅かで
あり、表面のベトツキ感はなかった。
【００２３】また上記サンプル不織布を、家庭用合成洗
剤であるアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムと脂
肪酸アルカノールアミドを希釈し５重量％の有効成分と
した水溶液に浸漬し、よく揉んで気泡を追い出した後、
ニップロールで絞り、親水性繊維不織布層内の含水率が
約８０％のワイパーとなした。このワイパーで油で汚れ
た家庭用ガスレンジを力強く拭いたところ、親水性繊維
層の上記水溶液が疎水性繊維不織布層から適度に滲み出
て、油汚れを円滑に拭き取ることができた。
剤であるアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムと脂
肪酸アルカノールアミドを希釈し５重量％の有効成分と
した水溶液に浸漬し、よく揉んで気泡を追い出した後、
ニップロールで絞り、親水性繊維不織布層内の含水率が
約８０％のワイパーとなした。このワイパーで油で汚れ
た家庭用ガスレンジを力強く拭いたところ、親水性繊維
層の上記水溶液が疎水性繊維不織布層から適度に滲み出
て、油汚れを円滑に拭き取ることができた。
【００２４】
【発明の効果】本発明の複合不織布は、従来の親水性繊
維および／または疎水性繊維からなる不織布と異なり、
レーヨン、綿などのセルロース繊維等からなる親水性繊
維不織布層の少なくとも一方の面に、０．５デニール以
下のポリオレフィン系極細繊維のみでなる目付１０〜７
０ｇ／ｍ2 疎水性繊維不織布層が一体化されてなるもの
であり、０．５デニール以下のポリオレフィン系極細繊
維の疎水性繊維不織布層が具備する撥水性によって無加
圧状態において優れた水遮断性を発揮する。そのうえ疎
水性繊維層の目付が小さいため適度な通気性を備え、吸
収した親水性繊維層の水を蒸散させることができるか
ら、建物の結露吸収材、汗取りパッド、調湿材、水を使
用する冷風扇のフィルター等に好適となる。
維および／または疎水性繊維からなる不織布と異なり、
レーヨン、綿などのセルロース繊維等からなる親水性繊
維不織布層の少なくとも一方の面に、０．５デニール以
下のポリオレフィン系極細繊維のみでなる目付１０〜７
０ｇ／ｍ2 疎水性繊維不織布層が一体化されてなるもの
であり、０．５デニール以下のポリオレフィン系極細繊
維の疎水性繊維不織布層が具備する撥水性によって無加
圧状態において優れた水遮断性を発揮する。そのうえ疎
水性繊維層の目付が小さいため適度な通気性を備え、吸
収した親水性繊維層の水を蒸散させることができるか
ら、建物の結露吸収材、汗取りパッド、調湿材、水を使
用する冷風扇のフィルター等に好適となる。
【００２５】また親水性繊維不織布層の表裏面を疎水性
繊維不織布層となした３層構造の複合不織布は、濡れた
物体を強い押し圧をかけながら拭くと、物体表面の水分
は疎水性繊維不織布層を通過して親水性繊維不織布層に
吸収され、物体から速やかに湿気を取り去り、しかも拭
き取り面には殆ど濡れが残らない。そして複合不織布を
絞れば吸収した水を親水性繊維不織布層から疎水性繊維
不織布層を通過させて排出するという拭き取り作用を奏
する。
繊維不織布層となした３層構造の複合不織布は、濡れた
物体を強い押し圧をかけながら拭くと、物体表面の水分
は疎水性繊維不織布層を通過して親水性繊維不織布層に
吸収され、物体から速やかに湿気を取り去り、しかも拭
き取り面には殆ど濡れが残らない。そして複合不織布を
絞れば吸収した水を親水性繊維不織布層から疎水性繊維
不織布層を通過させて排出するという拭き取り作用を奏
する。
【００２６】さらに洗浄液中でニップしながら繊維間の
空気と洗浄含浸液とを交換させて洗浄液を含浸させる
と、表裏の疎水性繊維不織布層は親水性繊維不織布層か
らの液漏れを防止して洗浄液の液だれをなくし、親水性
繊維不織布層には多量の洗浄液を含浸保持させることが
できる。したがって使用時、手で押し圧をかけながら物
体を拭くと、保持された洗浄液が疎水性繊維不織布層を
通して物体側に適量移行し、洗浄液中の洗剤によって効
率よく清拭することができる。
空気と洗浄含浸液とを交換させて洗浄液を含浸させる
と、表裏の疎水性繊維不織布層は親水性繊維不織布層か
らの液漏れを防止して洗浄液の液だれをなくし、親水性
繊維不織布層には多量の洗浄液を含浸保持させることが
できる。したがって使用時、手で押し圧をかけながら物
体を拭くと、保持された洗浄液が疎水性繊維不織布層を
通して物体側に適量移行し、洗浄液中の洗剤によって効
率よく清拭することができる。
【図１】本発明の複合不織布に使用する分割性複合繊維
の一例を示した繊維断面図である。
の一例を示した繊維断面図である。
【図２】本発明の複合不織布に使用した複合繊維の例を
示した繊維断面図である。
示した繊維断面図である。
【図３】複合不織布に使用した複合繊維の他の例を示し
た繊維断面図である。
た繊維断面図である。
１ 分割性複合繊維 ２ 複合繊維 ３ 複合繊維 ４ 第一成分 ５ 第二成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｄ０１Ｆ 6/46 Ｄ 7199−3Ｂ (72)発明者 高井 庸輔 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウ・クリエイト株式会社播磨研究所内
Claims (3)
- 【請求項１】 レーヨン、綿などのセルロース繊維等か
らなる親水性繊維不織布層の少なくとも一方の面に、
０．５デニール以下のポリオレフィン系極細繊維のみで
なる目付１０〜７０ｇ／ｍ2 疎水性繊維不織布層が一体
化されていることを特徴とする複合不織布。 - 【請求項２】 上記親水性繊維不織布層と疎水性不織布
層とが高圧水流処理によって一体化されていることを特
徴とする「請求項１」記載の複合不織布。 - 【請求項３】 疎水性繊維不織布層を構成している０．
５デニール以下のポリオレフィン系繊維が、ポリプロピ
レン樹脂と、高密度ポリエチレンに数重量％のポリメチ
ル水素シロキサンのアルケン（Ｃ10〜Ｃ50）およびプロ
ピレン付加物（ＮＲ−Ｂ）などのオルガノポリシロキサ
ン（ＯＳ）を練り込んだ樹脂とからなる分割型複合繊維
であることを特徴とする「請求項１」記載の複合不織
布。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3350808A JPH05156557A (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 複合不織布 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3350808A JPH05156557A (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 複合不織布 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05156557A true JPH05156557A (ja) | 1993-06-22 |
Family
ID=18413016
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3350808A Pending JPH05156557A (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 複合不織布 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05156557A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000351961A (ja) * | 1999-06-09 | 2000-12-19 | Soft 99 Corporation:Kk | 自動車塗膜の洗浄、撥水、艶出しウエットクロス |
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| JP2006026001A (ja) * | 2004-07-14 | 2006-02-02 | Livedo Corporation | 皮膚洗浄用不織布 |
| JP2007046198A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Daiwabo Co Ltd | 積層不織布 |
| JP2007154380A (ja) * | 2005-12-07 | 2007-06-21 | Kao Corp | 繊維シートの製造方法 |
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| US11110013B2 (en) * | 2014-09-10 | 2021-09-07 | The Procter & Gamble Company | Nonwoven webs with hydrophobic and hydrophilic layers |
-
1991
- 1991-12-10 JP JP3350808A patent/JPH05156557A/ja active Pending
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