JP4873836B2 - 化粧用基材及びこれを用いた皮膚洗浄用シート - Google Patents

化粧用基材及びこれを用いた皮膚洗浄用シート Download PDF

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本発明は化粧液を皮膚に塗布したり、メーク汚れや皮脂汚れを取る際に使用される、いわゆるパフ等の化粧用基材、及びこれと同様の目的で薬液が含浸された状態で使用される皮膚洗浄用シートに関する。更に詳しくは、メーク汚れや皮脂汚れの拭き取り性が非常に良好で、化粧液の拡散性が良好で、皮膚への基材からの汚染が少なく、湿潤状態における形態安定性に優れ、皮膚への物理刺激性が低い化粧用基材及び皮膚洗浄用シートに関する。
化粧水や乳液を肌に塗布する際には、脱脂綿やコットンスパレース不織布等で製造されたいわゆるパフにこれらの化粧液を含ませて塗布することが多い。また、口紅、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ等のメークアップ化粧料を落とす際には、クレンジング液等の化粧液をパフ等に含浸したり、メークレンジング液等の化粧液が含浸された脱脂綿や脱脂綿シート、コットンスパンレース不職布等からなる皮膚洗浄用シートを使用することが多い。
これらの化粧用基材および化粧用基材に薬液が含浸されてなる皮膚洗浄用シートには上述のように脱脂綿や脱脂綿シート、コットンスパンレース不織布のような短繊維が一般的に使用されている。これは綿がセルロース繊維で液含浸性が良好であること、天然繊維で肌への刺激が少ないと考えられていること、短繊維のため膨らみがあり柔らかな触感があることなどを理由とする。しかし、これらの基材は短繊維であるため、多量の油分、固体油を含有する化粧液を含浸した状態では、短繊維が脱落して皮膚へ付着し再汚染したり、化粧液を含浸しない状態では繊維径が太いため化粧落とし効果が充分でないなどの問題点があった。
また、化粧用基材の表面材がポリエステルやナイロンの合成繊維であると保液性が綿等に比べて低いことや肌への刺激性が懸念される等の問題があった。
これらの問題点を解決するために再生セルロース長繊維不織布からなる化粧綿が特許文献1に開示されている。再生セルロース長繊維不織布は、例えば銅アンモニア法レーヨンやビスコース法レーヨンにより製造された不織布で通常繊維径が10〜16μm程度のものである。銅アンモニアレーヨン法による再生セルロース連続長繊維不織布は、繊維自体の自己接着と高圧水流による繊維交絡により不織布が形成され、融着繊維等を使用することがないので脱脂綿と同様に皮膚への刺激性が非常に低い素材であり、かつ、長繊維で構成されているため繊維の脱落による皮膚への再汚染も非常に少ないという特徴がある。しかし、メークの拭き取り性は脱脂綿等とほとんど変わらず、より簡単にメーク落としを行いたいという要求を満足できるものではなく、また、化粧液に含浸すると湿潤時の伸度が大きいため形態安定性に問題があった。
また、単繊維繊度が0.5dtex以下の極細繊維が不織布表面積の20%以上を占める不織布からなる化粧用ワイパーが特許文献2に開示されている。しかし、この化粧用ワイパーでは、極細繊維としてポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等の合成繊維が用いられているため、保液性や肌への刺激性について改善されているものの、まだセルロース系繊維に比べると劣っていた。
実開昭61−71007号公報 特開2003−95868号公報
本発明は、メーク汚れや皮脂汚れの拭き取り性が非常に良好で、化粧液の拡散性が良好で、皮膚への基材からの汚染が少なく、保液性及び湿潤状態における形態安定性に優れ、皮膚への物理刺激性が低いパフ等の化粧用基材及び薬液が含浸された皮膚洗浄用シートを提供することにある。
本発明者等は上記問題に鑑み、セルロース長繊維不織布の特徴を活かしながら湿潤時の形態安定性を向上させる方法を検討し、繊維径の小さいセルロース長繊維からなる不織布を用いる場合に、湿潤時でも形態安定性が向上すること、また、繊維径を低下させることにより拭き取り性が向上するとともに滑らかな触感が得られることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)繊維径の異なる再生セルロース長繊維不織布を水流交絡して得た複合不織布からなる化粧用基材であって、該不織布の少なくとも表面を構成する繊維本数の60%以上が繊維径2.9〜7.1μmの再生セルロース長繊維であり、該複合不織布全体の湿潤形態保持率が80%以上であることを特徴とする化粧用基材。
(2)前記複合不織布の開孔部の平均面積が0.1〜2mm 2 であり、開孔部の面積率が3〜25%であることを特徴とする(1)に記載の化粧用基材。
)(1)または(2)に記載の化粧用基材に薬液が含浸されてなることを特徴とする
皮膚洗浄用シート。
本発明の化粧用基材は、メーク汚れや皮脂汚れの拭き取り性が極めて良好で、化粧液の拡散性が良好で、皮膚への基材からの汚染が少なく、保液性及び湿潤状態における形態安定性に優れ、皮膚への物理刺激性が低いという効果を有する。
本発明について以下具体的に説明する。
本発明でいうセルロース長繊維不織布とは、例えば銅アンモニア法レーヨン原液を流下緊張紡糸法によりネット上に連続で紡糸し、繊維自体の自己接着と水流交絡にて接着、交絡させた再生セルロース連続長繊維不織布や、特表2002−521585号公報に開示される方法等で製造されたリヨセル等の精製セルロース長繊維不織布等のことをいう。
セルロース長繊維不織布は、構成する繊維が長繊維であるため繊維の脱落が少なく表面材として使用した場合、綿等の短繊維不織布に比べて人体への繊維付着による汚染が少ない。また、従来の合成繊維不織布に比べ、保液性及び物理刺激性に優れるため好ましい。
また、セルロース長繊維不織布が再生セルロース連続長繊維不織布である場合、不織布形成時に接着用の樹脂等のバインダーを使用しないため、安全性に優れたものであるので好ましい。また、自己接着により形態安定性が高いので好ましい。
本発明の化粧用基材は、表面がセルロース長繊維不織布であって、不織布の少なくとも表面を構成する繊維本数の60%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは100%が繊維径2.9〜7.1μmのセルロース長繊維からなることを特徴とする。ここでいう繊維径とは、不織布表面の電子顕微鏡写真で単繊維が約1cm程度になる倍率で観察した時に焦点があった繊維の直径のことをいう。本発明では、不織布表面の任意の200点で繊維の直径を測定して、その存在比率が60%以上である、すなわち120点以上が繊維径2.9〜7.1μmの繊維で構成されていることをいう。不織布の少なくとも表面を形成するセルロース長繊維本数の60%以上が繊維径2.9〜7.1μmであることにより、同一目付で繊維径が7.1μmを超えるものに比べて、不織布を構成する繊維の交絡点や自己接着点の数が増加するので湿潤時の形態安定性が飛躍的に向上する。また、再生セルロース連続長繊維不織布の場合、繊維径が小さくなることにより単糸の精練性が向上し、更に乱反射により白色度が増加し、化粧用基材としての清潔感が向上する。これに加えて表面積が増加し、拭き取り面との接触面積も増加することから拭き取り性能も飛躍的に増加する。また、繊維径がこの範囲にあることにより毛細管現象で輸水性能も向上する。
繊維径2.9〜7.1μmのセルロース長繊維不織布を得るには、例えば銅アンモニア法レーヨン原液を用いて再生セルロース長繊維不織布を得る際に、原液を紡糸する紡口の直径を従来のものより小さくすると共に、原液の粘度や原液温度を調整したり、凝固速度をコントロールし、更に延伸倍率を従来よりも高く取ることで好適に得られる。
不織布の少なくとも表面を構成する繊維のうち、繊維径2.9〜7.1μmの繊維本数が60%未満であると湿潤時の形態安定性と白色度が減少するばかりでなく、拭き取り性も低下することがある。
本発明の化粧用基材におけるセルロース長繊維不織布は、湿潤形態保持率が80%以上であることが好ましく、更に好ましくは90%以上である。ここでいう湿潤形態保持率とは以下の方法で測定される。不織布の機械軸方向に縦長となるように5cm×12cmにサンプルを準備し、上下1cmの部分の中央部に印をつけて測定部を作成する。サンプル重量W1の10倍量の純水をサンプルに均一に付与する。サンプルの上下1cmをサンプル保持板に挟み固定する。1mあたりのサンプル重量W1の30重量%の荷重(サンプル保持板はW1の10重量%とし、荷重はこれを加えたもとする)をかけて30秒間吊り下げた後除重し(下部のサンプル保持板も外す)、30秒後に測定部の長さLを測定する。初期サンプル長は10cm(サンプル保持板間の長さ)として湿潤形態保持率を次式で計算する。
湿潤形態保持率(%)=(10−(L−10))/10×100
湿潤形態保持率は化粧液を含浸させた湿潤状態におけるメーク拭き取り時の取扱い性と大きく相関する。湿潤形態保持率が80%未満では湿潤状態におけるメーク拭き取り時に表面材がヨレて取扱い性が低下したり、表面材が破れて中綿等が体表面に接触したりして拭き取り面を再汚染することがある。
本発明の化粧用基材における、表面を構成するセルロース長繊維不織布は、好ましくは目付が7〜30g/m、更に好ましくは10〜25g/mである。目付が7g/m未満では湿潤時の強度が低下し拭き取りに手間がかかることがある。目付が30g/mを超えると柔軟性が低下し、拭き取り時に違和感を生じたり、肌との密着性が低下して拭き取り性が低下することがある。
本発明の化粧用基材における、表面を構成するセルロース長繊維不織布の厚みは、化粧液等をクッション層や吸収材層へ速やかに移行させる観点から0.1〜0.4mmが好ましい。0.1mm未満であると湿潤時の強度に問題を生じることがある。0.4mmを超えると化粧液等の吸収速度が遅くなることがあり、化粧液等が表面を流れ手や周辺を汚染することがある。
本発明の化粧用基材は液拡散面積が好ましくは400mm以上で、かつ、液拡散状態係数が好ましくは0.65〜1.35、更に好ましくは0.75〜1.25である。
ここでいう液拡散面積とは以下の方法で測定したものをいう。
20cm四方の試料を準備し、直径12cmの円筒に試料表面にしわが入らない状態で輪ゴムやテープ等で固定する。蒸留水1Lにシャチハタスタンプインキ水性染料系S−1(赤)を10ml入れ、評価液を作成する。評価液を先端口径0.7mmのビューレットに注入する。ビューレットとカメラをセットする。カメラは固定式、ビューレットは高さ固定の横移動式で、カメラ位置は試料表面から10cm上方に、ビューレットは試料表面から5cm上方にセットする。評価液を1滴(0.01ml)サンプル上に落とし、同時にビューレットを横に移動させ、10秒後の拡散状態の写真撮影を行う。この際、試料表面にJIS規格の金尺を置き、写真に写るようにして実際の拡散面積に換算できるようにする。写真から画像処理等で拡散面積を求める。
拡散面積は繊維径と繊維間の空隙とに関連する。繊維径が本発明の範囲にあることにより、この範囲を超えるものより毛管現象により拡散面積が向上する。拡散面積が400mm以上であれば、少量の化粧液でも表面に大きく広がるため化粧液の効率が向上する。繊維径がこの範囲を下回ると拡散面積は向上するものの、単繊維の強度が低下し拭き取り時に繊維が切断し、拭き取り面へ残留する繊維量が増加するので実使用に耐えないものとなる。
また、液拡散状態係数は前述の液拡散面積測定時の写真を用いて測定する。通常、液は楕円形に拡散するのでこの楕円の長径aと短径bを測定する。液拡散状態係数cは以下の方法で算出される。
液拡散状態係数c=b/a
液拡散状態係数は液が滴下された時の拡散状態を示す係数であり、どの方向にも同じ状態で拡散すると円状になり、この場合液拡散状態係数は1となる。クレンジング用基材の液拡散状態は、形状によって製造方法や使用方向を変えなくても済む観点から等方性がある方が好ましいと考えられるため、液拡散状態係数は0.65〜1.35が好ましく、より好ましくは0.75〜1.25である。液拡散性は基材を構成する繊維の配向状態を調整することによってコントロールすることが可能である。長繊維不織布の場合、製法上の特性から機械軸(MD)方向に繊維が多く配向する傾向にあるが、例えば繊維をネット上に振り落とす際に機械軸と垂直(CD)方向に振動を与えることにより繊維の配向状態を制御することが可能である。
本発明の化粧用基材の表面を構成するセルロース長繊維不織布は、メーク落としの効果を向上させたり、化粧液等をクッション層や吸収材層へ速やかに移行させる観点や意匠の観点から、開孔部のあるメッシュ調や開孔部による模様や凹凸による模様が形成されていてもよい。開孔部の形状は特に限定されないが、強度や柔軟性の観点から開孔部の平均面積は0.1〜2mmが好ましく、更に好ましくは0.2〜1mmである。開孔部の平均面積が0.1mm未満では通液速度が低下することがある。開孔部の平均面積が2mmを超えると開孔部によるメークの掻き取り効果が減少し、メーク落としの効果が開孔部があるものに比べて低下することがある。また、表面材全体に占める開孔部の面積率は3〜25%が好ましく、更に好ましくは10〜20%である。表面材全体に占める開孔部の面積率が3%未満の場合は通液効果が減少することがある。表面材全体に占める開孔部の面積率が25%を超えると湿潤時の強度が低下し、ヨレ等の形態保持性に問題が生じることがある。
開孔部がある場合にはクッション層や吸収材層の繊維等が表面に出ないようにセルロース長繊維不織布を2枚重ねて表面層としたり、他の不織布がセルロース長繊維不織布とクッション層や吸収材層の間に入っていてもよい。
本発明のセルロース長繊維不織布は、前記条件を満足していれば複合されていてもよい。例えば、保液性を向上させるため、繊維径の異なるセルロース長繊維不織布を水流交絡等で複合してもよい。この場合、繊維径の異なる繊維が表面に出ることがあるが、前記条件の範囲内であれば効果に影響はない。
本発明の化粧用基材は、少なくとも表面を構成する繊維本数の60%以上が繊維径2.9〜7.1μmのセルロース長繊維であるセルロース長繊維不織布のみからなるものであっても良く、更なる強度保持、形態保持、熱接着性の付与のため、熱可塑性の不織布や繊維等が拭き取り面でない面に複合されていてもよい。
本発明の化粧用基材は、単独でパフ等として用いることもでき、例えば表面材として本発明の化粧用基材を用い、これに挟まれるような構造で短繊維やクリンプ等のついた捲縮繊維などが中綿として用いられてパフが形成されていてもよい。中綿はバルキー性やソフトさ、化粧液等を保液するのに有効である。このようなパフは上記のように基材及び中綿を配置し、熱接着や圧着することで得ることができる。熱接着する場合には、ヒートシール性のある低融点の微粉末を拭き取り面の裏面に散布固定したり、中綿に熱融着性の繊維を用いればよい。何れの形態においても拭き取り面が本発明の化粧用基材で構成されていれば汚れ落としの効果やメーク落としの効果、湿潤時の形態保持性が従来品よりも格段に向上する。
また、本発明の化粧用基材は化粧用落とし用の薬液が含浸された状態で供給される、いわゆるウエットのメーク落とし商品、皮膚洗浄用シートの基材としても最適である。
皮膚洗浄用シートには、薬液を充分に保持する機能と拭取り性と拭取り時の形態保持性が要求されるが、本発明の化粧用基材は前述の理由で上記の機能性を全て満足する極めて有効な基材である。
本発明の化粧用基材からなる皮膚洗浄用シートに含浸される薬液は、通常のメーク落としのウエット商品に使用される薬液を用いればよい。例えば、薬液には化粧落とし用の活性剤、例えばGラウリン酸PEG−12等の親油性乳化剤や、保湿剤、抗菌剤、防腐剤、香料などが水やアルコール水溶液に含まれていてもよい。
また、皮膚洗浄用シートは100〜400質量%の薬液が含浸された状態で供給されることが好ましい。より好ましくは150〜350質量%の薬液が含浸された状態である。含浸される薬液量が100質量%未満であると保存中に薬液が蒸発し、ウエット状態を保つことができなかったり、清拭時の拭き取り効果が低下することがある。含浸される薬液量が400質量%を越えると、使用時に薬液が垂れて服等を汚したり、薬液のコストが高くなり経済的な問題を生じることがある。
本発明を実施例に基づいて説明する。
尚、実施例中の評価は以下の方法で行った。
(1)拭き取り性
鏡の上に口紅を塗り、更にティッシュ等で塗り広げて出来る限り均一な油膜を作成する。標準品としてカネボウ合繊株式会社製クリーンルーム用ワイピングクロス「ザヴィーナミニマックス(商品名)」と日本薬局方綿ガーゼを用意する。基材1枚を取り、親指と人差し指と中指で保持し、人差し指の腹で油膜を1回拭き取る。同程度の力で各基材を用いて拭き取りを実施し、拭き取り性を官能評価し下記のように級判定を行う。各基材について5回の評価を行い、平均値を結果とした。
10級:油膜がほぼ完全に拭き取れる(「ザヴィーナミニマックス(商品名)」で拭き取った状態に相当)。
5級:油膜はそこそこ拭き取れているが筋状の拭き残しがある。
1級:油膜は殆ど拭き取れず、伸ばされた感じである(日本薬局方ガーゼで拭き取った状態に相当)。
尚、1〜10級の間は相対的に見て中間の級を補間する。6級以上であれば合格とする。
(2)液拡散面積及び液拡散状態係数
前述の方法で測定、算出した。
(3)湿潤形態保持率
前述の方法で測定した。
(4)脱落繊維
試料を300mlの純水に浸し、15分間超音波を当てた後にワイパーを取り出す。この液を黒色に着色された濾紙を用いて濾過し、濾紙上に残されたファイバー状のワイパーからの脱落物を測定する。長さが100μm以上のものを数えて、試料1m2当たりに換算して記録する。
参考実施例1]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、直径0.3mmの原液吐出孔が180.9個/cm2である紡口を用い、流下緊張下で連続してネット上に5層重ねで紡糸してシートを形成させ、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させて再生セルロース連続長繊維不織布を得た。得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、目付18.7g/m2、厚み0.13mm、平均単繊維径が3.2μm、貫通孔の平均面積0.253mm2、シート表面に占める貫通孔の面積率が15.3%であり、繊維径2.9〜7.1μmの単繊維が表面に占める割合は100%であった。
得られた再生セルロース連続長繊維不織布からなる化粧用基材の性能評価結果を表1に示す。表からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は化粧用基材として極めて良好なものであった。
参考実施例2]
原液の吐出量を増加させた以外は参考実施例1と同様の方法で再生セルロース連続長繊維不織布を得た。得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、目付29.3g/m2、厚み0.22mm、平均単繊維径が6.8μm、貫通孔の平均面積0.295mm2、シート表面に占める貫通孔の面積率が14.9%であり、繊維径2.9〜7.1μmの単繊維が表面に占める割合は100%であった。
得られた再生セルロース連続長繊維不織布からなる化粧用基材の性能評価結果を表1に示す。表からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は化粧用基材として極めて良好なものであった。
[実施例3]
参考実施例1において、積層するシートの1層目と5層目は直径0.3mmの原液吐出孔が180.9個/cm2である紡口を用い、2〜4層目は直径0.6mmの原液吐出孔が45.3個/cm2である紡口を用い、紡糸されたシートを積層するネットのスピードを遅くした以外は参考実施例1と同様の方法で再生セルロース連続長繊維不織布を得た。得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、目付28.9g/m2、厚み0.23mm、平均単繊度が3.2μmと11.8μmの2種類であり、貫通孔の平均面積0.283mm2、シート表面に占める貫通孔の面積率が19.4%であり、繊維径2.9〜7.1μmの単繊維が表面に占める割合は73%であった。
得られた再生セルロース連続長繊維不織布からなる化粧用基材の性能評価結果を表1に示す。表からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は化粧用基材として極めて良好なものであった。
[比較例1]
参考実施例1において直径0.6mmの原液吐出孔が45.3個/cm2である紡口を用いた以外は参考実施例1と同様の方法で再生セルロース連続長繊維不織布を得た。得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、目付18.5g/m2、厚み0.13mm、平均単繊維径が11.8μ、貫通孔の平均面積0.215mm2、シート表面に占める貫通孔の面積率が19.0%であり、繊維径2.9〜7.1μmの単繊維が表面に占める割合は0%であった。
得られた再生セルロース連続長繊維不織布からなる化粧用基材の性能評価結果を表1に示す。表からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は化粧用基材として実施例に比べて湿潤時の形態保持性と拭き取り性が劣るものであった。
参考実施例4]
Gラウリン酸PEG−12をベースとする、市販のメイク落としに用いられているものと同様の薬液を、参考実施例1で得た再生セルロース連続長繊維不織布に250重量%含浸させ皮膚洗浄用シートを得た。
得られた皮膚洗浄用シートを用いて化粧をした20歳代の女性10名にメイク落としの効果を従来のコットン系ウエブ使用の洗浄シートと比較したところ、全員がメイク落としの効果が向上すると共に、基材から肌への繊維の脱落が大幅に減少したとの官能評価であった。
本発明の化粧用基材は、メーク汚れや皮脂汚れの拭き取り性が極めて良好で、化粧液の拡散性が良好で、皮膚への基材からの汚染が少なく、保液性及び湿潤状態における形態安定性に優れ、皮膚への物理刺激性が低いパフ等の化粧用基材と極めて有効である。また、薬液が含浸された皮膚洗浄用シートとしても同様の理由で極めて有効である。

Claims (3)

  1. 繊維径の異なる再生セルロース長繊維不織布を水流交絡して得た複合不織布からなる化粧用基材であって、該不織布の少なくとも表面を構成する繊維本数の60%以上が繊維径2.9〜7.1μmの再生セルロース長繊維であり、該複合不織布全体の湿潤形態保持率が80%以上であることを特徴とする化粧用基材。
  2. 前記複合不織布の開孔部の平均面積が0.1〜2mm 2 であり、開孔部の面積率が3〜25%であることを特徴とする請求項1に記載の化粧用基材。
  3. 請求項1または2に記載の化粧用基材に薬液が含浸されてなることを特徴とする皮膚洗浄用シート。
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