JP5835578B2 - 不織繊維シートおよびそれからなるワイパー - Google Patents
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Description
本発明の不織繊維集合体の表面を構成する繊維の数平均繊維径は0.5μm〜10.0μmの極細繊維であることがワイパーとして使用した場合において拭取り性能の観点から必要である。数平均繊維径が0.5μm未満になると、後述する標準偏差1.0〜5.0で繊維径を分布させた場合、繊維径の細い繊維の短繊維強度が低くなり、後述するスパンレース法の処理において繊維が破断することがある。一方、数平均繊維径が10.0μmより大きくなると、拭取り性能が低下すると共に、標準偏差1.0〜5.0で繊維径を分布させた際、対人用ワイパーとして使用した場合に刺激を感じる様になるので好ましくない。1.0μm〜8.0μmであることが好ましく、2.0μm〜7.0μmであることがより好ましい。
なお、ここでいう拭取り面とは、前記不織繊維集合体の表面によって擦られながら拭取りが行われるこの表面のことを言う。これは例えば用途が対人用ワイパーの場合、人の肌などを意味する。本発明の不織繊維シートをワイパー用途として用いる場合、拭取り対象は、拭取り面に存在し不織繊維構造体の表面によって拭取ろうとしている対象物であり、例えば用途が対人用ワイパーの場合、人の肌の表面に存在する皮脂、汗、角質、汚れなどを意味し、例えば用途がメイク落しワイパーの場合、肌に塗られた口紅、ファンデーション、マスカラ等の化粧品を意味する。
また、本発明の不織繊維シートにおいて、不織繊維集合体の少なくとも表面の繊維は、メルトブローン法で形成し、不織繊維構造体全体がメルトブローン法で形成した繊維であってもよい。
また本発明の不織繊維シートは不織繊維集合体とした後に他素材と複合して、表面材として用いてもよい。
さらに本発明の不織繊維シートは不織繊維集合体とした後にツール(スポンジパフ等)にセットして、表面材として用いてもよい。
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」に準拠して、不織繊維シートを幅25cm×長さ25cmのサイズに切断し測定し、この値から目付を算出した。
目付=測定重量/測定面積 (g/m2)
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」を準拠して、不織繊維シートを押え圧;12g/cm2、押え板;1インチφの測定器で厚さを測定し、この値と目付の値とから見掛け密度を算出した。
見掛け密度=目付/厚み (g/cm3)
不織繊維シートから試験片(縦×横=5cm×5cm)を採取し、試験片の表面における中央部(対角線の交点を中心とする部分)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して1000倍の倍率で写真撮影した。得られた写真の中央部(対角線の交点)を中心として写真上に半径30cmの円を描き、その円内から無作為に100本の繊維を選定し、長さ方向の中央部又はそれに近い箇所での繊維径をノギスにより測定し、その平均値を採って平均繊維径(数平均繊維径)とした。なお、測定に当たっては、写真に撮影されている繊維が繊維シートの最表面に位置する繊維であるか、又は内側に位置する繊維であるかを区別せずに、SEM写真に写っている繊維のすべてを対象として平均繊維径を求めた。
走査型電子顕微鏡を用いて不織繊維構造を観察した。電子顕微鏡写真より無作為に選択した100本の繊維径を測定し、数平均繊維径及び標準偏差を求めた。さらに、変動率を下記式に従って算出した。
変動率(%)=標準偏差/数平均繊維径×100
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布表面を150倍に拡大した写真を撮影した。撮影した不織布表面写真に写っている繊維の中で、一定面積中に存在する半円状の(ループ)を形成している繊維についてカウントしループ数とした。更にそのループに沿って円を描いたときの円の半径を求め、これを曲率半径とした。また、この曲率半径の平均を平均曲率半径とした。
年齢が20代、30代、40代、50代、60代の女性を各2人ずつ、合計10人を被験者とした。実施例、比較例に記載する方法で得た不織繊維シートを5cm角に切り出し、イオン交換水を含浸させ、頬、瞼、唇、腕、手の甲の皮膚を擦って肌への刺激を評価した。
<判定基準>
〇: 肌に不快な刺激を感じない。
△: 肌に僅かに不快な刺激を感じる。
×: 肌に強く不快な刺激を感じる。
図2に示す平面拭取り試験機のステージ上に人の皮膚をイメージしたバイオスキンプレート《白色》(195×130×5mm(株式会社ビューラックス製))をセットし拭取り表面とした。
そのプレート(拭取り表面)に口紅(メーカー名:ディシラ 商品名:ルージュ ラディアンス 品番〔色〕:RD3)を一定圧力で3往復塗りつけ拭取り対象とした。
拭取り性能を測定するシートを5cm×5cm角に切り出し、イオン交換水を170%含水させ試験片とした。
試験片をバイオスキンプレート(拭取り表面)に静置し、指を模したφ12mm、長さ5cmのアルミ管を3本載せ、更に荷重(200g)の分銅を載せて固定し、600mm/secのスピードでCD方向にシートを替えながら3回繰り返し拭き取りを行った。
その前後の色差L値(ホワイト)について色差計(コニカミノルタセンシング株式会社製 CR−410)で測定した。
拭取り前の色差L値をa0とし、拭取り後の色差L値をa1とし、このL値の差(a1−a0)を拭取り効果Aとし、判定に用いた。
拭取り効果 A =(a1−a0)
<判定基準>
拭き取り性が良い 〇: 15<A
拭き取り性がやや悪い △: 15≧A≧10
拭き取り性がかなり悪い ×: 10>A
(1)エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(MFR(190℃、2.16kg)=12g/10分)100質量部に、公知のメルトブローン製造設備を使用し、直径が0.3mmで0.8mmのピッチで長さ1mあたり1300個の孔を有するノズルを用い、紡糸温度250℃、エア温度260℃、エア圧力0.4MPa、単孔吐出量0.2g/孔・分の条件でメルトブローン紡糸を行い、回転するネットコンベアを支持体として捕集し、約100g/m2のメルトブローン不織布シートを製造した。
(2)このメルトブローン不織布シートを開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して速度20m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流を噴射して片面の交絡処理を行った。この交絡処理に当たっては、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用し(隣接するノズル間の距離20cm)、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPaとして行った。さらにもう片面を細かい網目を有する全体に平坦な支持体(72メッシュ 開口率20% 平織りポリエステルネット)に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を5.0MPaとして行った。さらに80℃の熱風で乾燥して、目付けが98.3g/m2の不織繊維シートを得た。
(3)得られた不織繊維シートの最終水流処理面を不織繊維シートの観察面とし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織繊維シートの表面及び断面を観察したところ、表面の繊維は全て丸断面(長径/短径=1.05/1)の形状を有し、平均繊維径は6.0μmであり、繊維径の標準偏差は、1.6であり、変動率は27%であった。表面に形成されたループは、平均曲率半径が21.2μmで、曲率半径が80μm以下のループ数は2890個/cm2であった。
得られた不織繊維シートに水を含浸させ、刺激評価をした結果、被験者10人の全員が肌を刺激する感触がなく良好と評価した。この結果から肌への刺激は少なく、ワイパーに適すと判定した。
拭取り性能評価による拭取り効果Aは17.5で、拭き取り性は○と判定した。
(1)ポリブチレンテレフタレート樹脂(MFR(235℃、2.16kg)=90g/10分)100質量部を用いて、公知のメルトブローン製造設備を使用し、直径が0.3mmで0.8mmのピッチで長さ1mあたり1,300個の孔を有するノズルを用い、紡糸温度280℃、エア温度290℃、エア圧力0.4MPa、単孔吐出量0.3g/孔・分の条件でメルトブローン紡糸を行い、回転するネットコンベアを支持体として捕集し、約45g/m2のメルトブローン不織布シートを製造した。
(2)このメルトブローン不織布シートを開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して速度20m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流を噴射して片面の交絡処理を行った。この交絡処理に当たっては、穴径0.15mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用し(隣接するノズル間の距離20cm)、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPaとして行った。さらにもう片面を同様に、開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.15mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPaとして行った。さらに親水剤を公知のスプレー法にて塗布し、130℃の熱風で乾燥して目付けが45.8g/m2の不織繊維シートを得た。
(3)得られた不織繊維シートの最終水流処理面を不織繊維シートの観察面とし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織繊維シートの表面及び断面を観察したところ、表面の繊維は全て丸断面(長径/短径=1.03/1)の形状を有し、平均繊維径は3.0μmであり、繊維径の標準偏差は、2.3であり、変動率は76%であった。表面に形成されたループは、平均曲率半径が25.7μmで、曲率半径が80μm以下のループ数は4895個/cm2であった。
得られた不織繊維シートに水を含浸させ、刺激評価をした結果、被験者10人の全員が肌を刺激する感触がなく良好と評価した。この結果から肌への刺激は少なく、ワイパーに適すと判定した。
拭取り性能評価による拭取り効果Aは19.3で、拭き取り性は○と判定した。
(1)ポリアミド樹脂(JIS K 6920 に準拠し、96%硫酸に1.0g/100ml溶解させた際の相対粘度が2.0であるナイロン6)100質量部を用いて、公知のメルトブローン製造設備を使用し、直径が0.3mmで0.8mmのピッチで長さ1mあたり1,300個の孔を有するノズルを用い、紡糸温度280℃、エア温度290℃、エア圧力0.4MPa、単孔吐出量0.3g/孔・分の条件でメルトブローン紡糸を行い、回転するネットコンベアを支持体として捕集し、約25g/m2のメルトブローン不織布シートを製造した。
(2)このメルトブローン不織布シートを細かい網目を有する全体に平坦な支持体(86メッシュ 開口率14% 綾織りポリエステルネット)に載置して速度20m/分で連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.08mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を2.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPaとして行った。さらにもう片面も同様に細かい網目を有する全体に平坦な支持体(86メッシュ 開口率14% 綾織りポリエステルネット)に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.08mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPaとして行った。さらに80℃の熱風で乾燥して、目付けが25.4g/m2の不織繊維シートを得た。
(3)得られた不織繊維シートの最終水流処理面を不織繊維シートの観察面とし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織繊維シートの表面及び断面を観察したところ、表面の繊維は全て丸断面(長径/短径=1.06/1)の形状を有し、平均繊維径は3.3μmであり、繊維径の標準偏差は、1.8であり、変動率は53%であった。表面に形成されたループは、平均曲率半径が28.9μmで、曲率半径が80μm以下のループ数は2395個/cm2であった。
得られた不織繊維シートに水を含浸させ、刺激評価をした結果、被験者10人の全員が肌を刺激する感触がなく良好と評価した。この結果から肌への刺激は少なく、ワイパーに適すと判定した。
拭取り性能評価による拭取り効果Aは18.8で、拭き取り性は○と判定した。
(1)ポリアミド樹脂(JIS K 6920 に準拠し、96%硫酸に1.0g/100ml溶解させた際の相対粘度が2.0であるナイロン6)100質量部を用いて、公知のメルトブローン製造設備を使用し、直径が0.3mmで0.8mmのピッチで長さ1mあたり1,300個の孔を有するノズルを用い、紡糸温度280℃、エア温度290℃、エア圧力0.4MPa、単孔吐出量0.3g/孔・分の条件でメルトブローン紡糸を行い、回転するネットコンベアを支持体として捕集し、約250g/m2のメルトブローン不織布シートを製造した。
(2)このメルトブローン不織布シートを開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して速度10m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流を噴射して片面の交絡処理を行った。この交絡処理に当たっては、穴径0.15mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用し(隣接するノズル間の距離20cm)、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を5.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を6.0MPaとして行った。さらにもう片面を同様に、開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.15mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を7.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を10.0MPaとして行った。さらにもう一度シート面を反転させて、同様に、開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.15mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を7.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を10.0MPaとして行った。その後80℃の熱風で乾燥して、目付けが251.5g/m2の不織繊維シートを得た。
(3)得られた不織繊維シートの最終水流処理面を不織繊維シートの観察面とし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織繊維シートの表面及び断面を観察したところ、表面の繊維は全て丸断面(長径/短径=1.01/1)の形状を有し、平均繊維径は3.2μmであり、繊維径の標準偏差は、2.0であり、変動率は63%であった。表面に形成されたループは、平均曲率半径が27.2μmで、曲率半径が80μm以下のループ数は2532個/cm2であった。
得られた不織繊維シートに水を含浸させ、刺激評価をした結果、被験者10人の全員が肌を刺激する感触がなく良好と評価した。この結果から肌への刺激は少なく、ワイパーに適すと判定した。
拭取り性能評価による拭取り効果Aは18.1で、拭き取り性は○と判定した。
(1)ポリプロピレン樹脂(MFR(230℃、2.16kg)=1100g/10分)100質量部を用いて、公知のメルトブローン製造設備を使用し、直径が0.3mmで0.8mmのピッチで長さ1mあたり1,300個の孔を有するノズルを用い、紡糸温度260℃、エア温度270℃、エア圧力0.4MPa、単孔吐出量0.2g/孔・分の条件でメルトブローン紡糸を行い、回転するネットコンベアを支持体として捕集し、約45g/m2のメルトブローン不織布シートを製造した。
(2)このメルトブローン不織布シートを開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して速度20m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流を噴射して片面の交絡処理を行った。この交絡処理に当たっては、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用し(隣接するノズル間の距離20cm)、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPaとして行った。さらにもう片面を細かい網目を有する全体に平坦な支持体(72メッシュ 開口率20% 平織りポリエステルネット)に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を5.0MPaとして行った。さらに90℃の熱風で乾燥して、目付けが45.5g/m2の不織繊維シートを得た。
(3)得られた不織繊維シートの最終水流処理面を不織繊維シートの観察面とし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織繊維シートの表面及び断面を観察したところ、表面の繊維は全て丸断面(長径/短径=1.03/1)の形状を有し、平均繊維径は2.3μmであり、繊維径の標準偏差は、1.0であり、変動率は42%であった。表面に形成されたループは、平均曲率半径が19.7μmで、曲率半径が80μm以下のループ数は4400個/cm2であった。刺激評価を行うために得られた不織繊維シートに水を含浸させようとしたが、疎水性であることから十分な含浸ができなかった。被験者10人の全員が肌を刺激する感触がないと評価した。
拭取り性能評価による拭取り効果Aは9.1で、拭き取り性は×と判定した。
(1)コットン繊維(丸三産業(株)製 平均繊維径14μm)を100質量部解繊した後、公知のカード法によりセミランダムカードウェブを作製し、このカードウェブを開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して速度20m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流を噴射して片面の交絡処理を行った。この交絡処理に当たっては、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用し(隣接するノズル間の距離20cm)、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPaとして行った。さらにもう片面を細かい網目を有する全体に平坦な支持体(72メッシュ 開口率20% 平織りポリエステルネット)に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を5.0MPaとして行った。さらに130℃の熱風で乾燥して、目付けが55.4g/m2の不織繊維シートを得た。
(2)得られた不織繊維シートの最終水流処理面を不織繊維シートの観察面とし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織繊維シートの表面及び断面を観察したところ、表面の繊維は全て扁平(長径/短径=2.33/1)な断面形状を有し、平均繊維径は14.2μmであり、繊維径の標準偏差は、3.1であり、変動率は22%であった。表面に形成されたループは、平均曲率半径が56.1μmで、曲率半径が80μm以下のループ数は381個/cm2であった。
このシートに水を含浸させ、刺激評価をした結果、被験者10人のうち2人が○と評価し、6人が△と評価し、2人が×と評価した。この結果から肌に不快な刺激を感じることがあり、ワイパーに最適ではないと判定した。
拭取り性能評価による拭取り効果Aは4.8で、拭き取り性は×と判定した。
(1)レーヨン繊維(オーミケンシ(株)製「ホープ」、平均繊維径12μm、繊維長40mm)を100質量部解繊した後、公知のカード法によりセミランダムカードウェブを作製し、このカードウェブを細かい網目を有する全体に平坦な支持体(86メッシュ 開口率14% 綾織りポリエステルネット)に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.08mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を2.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPaとして行った。さらにもう片面も同様に細かい網目を有する全体に平坦な支持体(86メッシュ 開口率14% 綾織りポリエステルネット)に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.08mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPaとして行った。さらに130℃の熱風で乾燥して、目付けが50.1g/m2の不織繊維シートを得た。
(2)得られた不織繊維シートの最終水流処理面を不織繊維シートの観察面とし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織繊維シートの表面及び断面を観察したところ、表面の繊維は全て菊花断面の形状を有し、平均繊維径は12.4μmであり、繊維径の標準偏差は、0.8であり、変動率は6%であった。表面に形成されたループは、平均曲率半径が71.4μmで、曲率半径が80μm以下のループ数は488個/cm2であった。
このシートに水を含浸させ、刺激評価をした結果、被験者10人のうち3人が○と評価し、6人が△と評価し、1人が×と評価した。この結果から肌に不快な刺激を感じることがあり、ワイパーに最適ではないと判定した。
拭取り性能評価による拭取り効果Aは9.2で、拭き取り性は×と判定した。
(1)分割繊維(ポリアミドとポリエステルからなる層状積層断面分割繊維、(株)クラレ製「WRAMP」平均繊維径17μm、繊維長51mm)を100質量部解繊した後、公知のカード法によりセミランダムカードウェブを作製し、このカードウェブを開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して速度10m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流を噴射して片面の交絡処理を行った。この交絡処理に当たっては、穴径0.15mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用し(隣接するノズル間の距離20cm)、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を5.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を6.0MPaとして行った。さらにもう片面を細かい網目を有する全体に平坦な支持体(72メッシュ 開口率20% 平織りポリエステルネット)に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.15mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を7.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を10.0MPaとして行った。さらに120℃の熱風で乾燥して、目付けが132.2g/m2の不織繊維シートを得た。
(2)得られた不織繊維シートの最終水流処理面を不織繊維シートの観察面とし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織繊維シートの表面及び断面を観察したところ、表面の繊維は、丸断面の形状をしているものと、分割して扁平な断面形状をしているものとが混在し、平均繊維径は丸断面の形状をしているものが17.2μmであり、分割して扁平な断面形状をしているものの長辺の平均は7.2μmであり、短辺の平均は1.3μmであった。繊維径の標準偏差は、丸断面の形状をしているものが0.92であり、分割して扁平な断面形状をしているものの長辺が0.84で、短辺が0.34であった。変動率は丸断面の形状をしているものが5%であり、分割して扁平な断面形状をしているものの長辺が12%で、短辺が26%であった。表面に形成されたループは、平均曲率半径が51.4μmで、曲率半径が80μm以下のループ数は5107個/cm2であった。
得られた不織繊維シートに水を含浸させ、刺激評価をした結果、このシートに水を含浸させ、刺激評価をした結果、被験者10人のうち2人が△と評価し、8人が×と評価した。この結果から肌に不快な刺激を感じる可能性が高く、ワイパーに最適ではないと判定した。
拭取り性能評価による拭取り効果 A は16.9で、拭き取り性は○と判定した。
実施例、比較例の結果を表1に示す。
さらに本発明の不織繊維集合体からなるシートの表面を構成する繊維は、エチレン−ビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂といった親水性と親油性とを兼備する樹脂または、親水性と親油性を付与した樹脂からなることから、メイク落しワイパーとして用いた場合、口紅、ファンデーション、マスカラ等の化粧品や皮脂、汗とよく馴染み、好適に拭き取ることができる。
Claims (11)
- メルトブローン不織布からなる単層の不織繊維集合体で構成され、かつ該不織繊維集合体の表面が数平均繊維径0.5μm〜10.0μmの丸断面形状を有する極細繊維からなり、さらに該不織繊維集合体の表面において、極細繊維の一部がループ形状を有していることを特徴とする不織繊維シート。
- 不織繊維集合体の厚さが、0.23〜1.87mmである、請求項1記載の不織繊維シート。
- 不織繊維集合体表面を構成する極細繊維が、数平均繊維径の標準偏差1.0〜5.0で分布していることを特徴とする、請求項1または2記載の不織繊維シート。
- 不織繊維集合体表面を構成する極細繊維の一部が曲率半径80μm以下のループ形状を有し、かつこのループが1000個/cm2以上存在する請求項1〜3のいずれかに記載の不織繊維シート。
- 不織繊維集合体表面を構成する極細繊維が、親水性と親油性とを兼備する樹脂からなる請求項1〜4のいずれかに記載の不織繊維シート。
- 不織繊維集合体表面を構成する極細繊維が、エチレン−ビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂のいずれかからなる請求項5記載の不織繊維シート。
- 不織繊維集合体表面に有するループ形状がスパンレース法によって形成された請求項1〜6のいずれかに記載の不織繊維シート。
- 水圧の異なる2段のノズルを用いたスパンレース処理工程を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の不織繊維シートの製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の不織繊維シートからなるワイパー。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の不織繊維シートからなる対人ワイパー。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の不織繊維シートからなるメイク落しワイパー。
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