JP4489486B2 - 洗顔用シート - Google Patents
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Description
不織布からなる洗顔用シートであって、
洗浄のために皮膚に接触される洗浄層と、微細な泡を形成するための泡立て層とを有し、
泡立て層は、洗浄層の構成繊維より細い繊維または洗浄層の構成繊維より細い部分を有する繊維を含むことを特徴とする洗顔用シート。
上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、微細な泡を形成するためには、微細な孔を有する必要があり、このためには、極細繊維等の細い繊維を用いる必要があるとの知見を得た。しかし、この研究過程で、細い繊維を用いて形成した不織布は、皮脂の除去効果が高く、肌への刺激が強くなることが判明した、このため洗顔用シートとしては、単に繊維を細くするだけでは不十分であるとの知見を得た。本発明はこれらの知見に基づいてなされたものであり、洗浄のために皮膚に接触される洗浄層と、微細な泡を形成するための泡立て層とを有する積層構造の不織布シートとなし、泡立て層については、洗浄層の構成繊維より細い繊維または洗浄層の構成繊維より細い部分を有する繊維を含むようにすることによって、泡立て層による泡微細化効果と洗浄層による肌刺激の抑止効果とを両立したものである。よって、本発明によれば、肌への刺激少なく微細な泡を多量に形成できる。
前記洗浄層により表面層および裏面層が構成され、これら表面層および裏面層の間に前記泡立て層が挟まれた三層以上の多層構造を有する、請求項1記載の洗顔用シート。
かかる三層構造を有することにより、洗顔シートの表裏両面を洗顔に使用できるため好ましい。
前記洗浄層は繊度が1dtex以上の繊維からなり、且つ米坪が8g/m2以上であり、
前記泡立て層は、繊度が1.9dtex以下の条件を満たし且つ洗浄層の構成繊維より細い繊維、または繊度が1.9dtex以下の条件を満たす部分であって且つ洗浄層の構成繊維より細い部分を有する繊維を含み、且つ米坪が18g/m2以上である、
請求項1または2記載の洗顔用シート。
このような各層の繊維の繊度・米坪を採用することにより、泡立て層に微細な空隙を多数有することになり、微細な泡が多量に形成されるようになる。また、洗浄層は太い繊維および十分な厚さにより、シートを皮膚に擦り付ける力に対しても十分に泡立て層と皮膚との接触を防止でき、また泡立て層で形成された泡を良く透過し、洗浄層表面に多量の泡を導出できる。
なお、本発明にいう繊度とは、JIS L 1015に規定される正量繊度の測定法(A法)に準じて測定される値(5回平均値)を意味する。
シート全体としての米坪が26g/m2以上であり、かつシート全体としての厚さが0.1〜5.0mmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗顔用シート。
このようなシート全体としての米坪および厚さを有する不織布シートとすることにより、多量の泡立ち及び泡保持が可能となる。また、洗顔に用い得る十分な強さとなる、十分な厚さを有することにより使用し易いものとなる等の利点ももたらされる。なお、本発明における「シート全体としての厚さ」の測定は、JIS P 8111の条件下で、尾崎製作所ダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK G型」を用いて測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料シートを試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。なお、測定は1枚で行い、10回の平均値とする。
前記洗浄層が、天然繊維、再生繊維、および合成繊維の少なくとも一種の繊維から構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗顔用シート。
本発明の洗浄層では、かかる繊維が好適に用いられる。
前記泡立て層が、分割繊維、分割繊維以外の極細繊維および多分枝状繊維の少なくとも一種の繊維から構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗顔用シート。
微細な泡を形成するためには泡立て層に多数の微細空隙を密に有することが重要であり、このような不織布層を形成するには本項記載のような極細繊維や極細部分を有する多分枝上繊維を用いるのが好ましい。
前記洗浄層が綿またはレーヨン繊維からなり、前記泡立て層が分割繊維からなり、スパンレース法により分割繊維の割繊及び交絡がなされた、請求項1〜4のいずれか1項記載の洗顔用シート。
洗浄層に綿繊維またはレーヨン繊維を用いることにより肌触りが良くなるとともに、分割繊維を用い、スパンレース法により分割繊維の割繊及び交絡を行うことにより極めて微細な多数の空隙が密に形成されるため、極めて微細な泡を形成できるようになる。
前記泡立て層が多分枝状ポリオレフィン繊維からなり、この多分枝状ポリオレフィン繊維の融点未満の温度で加熱処理により交絡された請求項1〜5のいずれか1項記載の洗顔用シート。
泡立て層としては多分枝状ポリオレフィン繊維が現状では最も好ましい選択肢である。しかし、サーマルボンド法等の加熱交絡処理を用いて交絡する場合、その温度が高いと、極細の枝部分が溶解し、せっかくの微細空隙が大きくなってしまう。そこで、本項記載のように、交絡処理温度を、多分枝状ポリオレフィン繊維の融点未満とすることにより、多分枝状ポリオレフィン繊維とサーマルボンド法という一つの好適な組み合わせにおいても、泡立て層に微細空隙を形成できるようになる。
(積層構造について)
本発明は、洗浄のために皮膚に接触される洗浄層と、微細な泡を形成するための泡立て層とを有する限り、つまり二層以上である限り、三層構造であっても、それ以上の層を有する構造であっても良い。好ましい形態は、図1に示すような、洗浄層2,2により表面層および裏面層が構成され、これら洗浄層間に泡立て層3が挟まれた三層構造の洗顔用シート1である。
洗浄層2に用いられる繊維は、天然、合成、半合成を問わず、特に限定さなく使用できるが、天然繊維、再生繊維、および複合繊維の少なくとも一種の繊維から構成されているのが好ましい。天然繊維としては、肌触りの良さから綿が好適であるが、麻、パルプ繊維等の他の植物性繊維や、絹等の各種動物性繊維も用いることができる。再生繊維としては、レーヨン、ポリノジック、キュプラなどを用いることができる。アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタンなどの合成繊維も用いることができる。
泡立て層3に用いられる繊維は、洗浄層2よりも細い若しくは細い部分を有する繊維であれば特に限定無く用いることができるが、洗浄層2に好適な繊維よりも細いものとなるとその種類がある程度限られることや、細い繊維程、微細な泡を形成し安くなることを考慮すると、分割繊維等の極細繊維および多分枝状繊維を用いるのが好ましい。極細繊維としては、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、叩解法(フィブリル化しやすいようしたフィルムを叩解により細化させる方法)、混合紡糸法、タック紡糸法、発泡シート化法(バースト法;ポリマー中に発泡剤やガスを入れて膨らませ、噴出させることにより極細繊維群を得る)、遠心紡糸法(ポリマーを遠心力により吹き飛ばして作る方法)、組成変性法(炭化するなど、組成変性時の物質の散逸により細くする方法)等により製造されるものを用いることができる。また、極めて細く、異形断面の繊維が得られる点で分割繊維(本明細書中では、外力や化学物質などによって複数本に分割された繊維をいう)が好適である。
本発明の洗顔用シートは、上記層構造を有している限り、製造方法についてもレジンボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、メルトブローン法、スティッチボンド法、スパンレース法、エアーレイド法、湿式法等、特に限定なく使用できる。
洗浄層2表面には、汚れ掻き取り性や意匠性の向上を目的として、エンボス加工により凹凸を施すことができる。
Claims (8)
- 不織布からなる洗顔用シートであって、
洗浄のために皮膚に接触される洗浄層と、微細な泡を形成するための泡立て層とを有し、
泡立て層は、洗浄層の構成繊維より細い繊維または洗浄層の構成繊維より細い部分を有する繊維を含むことを特徴とする洗顔用シート。 - 前記洗浄層により表面層および裏面層が構成され、これら表面層および裏面層の間に前記泡立て層が挟まれた三層以上の多層構造を有する、請求項1記載の洗顔用シート。
- 前記洗浄層は繊度が1dtex以上の繊維からなり、且つ米坪が8g/m2以上であり、
前記泡立て層は、繊度が1.9dtex以下の条件を満たし且つ洗浄層の構成繊維より細い繊維、または繊度が1.9dtex以下の条件を満たす部分であって且つ洗浄層の構成繊維より細い部分を有する繊維を含み、且つ米坪が18g/m2以上である、
請求項1または2記載の洗顔用シート。 - シート全体としての米坪が26g/m2以上であり、かつシート全体としての厚さが0.1〜5.0mmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗顔用シート。
- 前記洗浄層が、天然繊維、再生繊維、および合成繊維の少なくとも一種の繊維から構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗顔用シート。
- 前記泡立て層が、分割繊維、分割繊維以外の極細繊維および多分枝状繊維の少なくとも一種の繊維から構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗顔用シート。
- 前記洗浄層が綿またはレーヨン繊維からなり、前記泡立て層が分割繊維からなり、スパンレース法により分割繊維の割繊及び交絡がなされた、請求項1〜4のいずれか1項記載の洗顔用シート。
- 前記泡立て層が多分枝状ポリオレフィン繊維からなり、この多分枝状ポリオレフィン繊維の融点未満の温度で加熱処理により交絡された請求項1〜5のいずれか1項記載の洗顔用シート。
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