JP6276921B2 - 不織布ワイパー - Google Patents

不織布ワイパー Download PDF

Info

Publication number
JP6276921B2
JP6276921B2 JP2013031589A JP2013031589A JP6276921B2 JP 6276921 B2 JP6276921 B2 JP 6276921B2 JP 2013031589 A JP2013031589 A JP 2013031589A JP 2013031589 A JP2013031589 A JP 2013031589A JP 6276921 B2 JP6276921 B2 JP 6276921B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
fiber layer
laminated
hydrophilic
hydrophilic fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013031589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014159662A (ja
Inventor
渉 京塚
渉 京塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DaiwaboPolytecCo.,Ltd.
Daiwabo Holdings Co Ltd
Original Assignee
DaiwaboPolytecCo.,Ltd.
Daiwabo Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DaiwaboPolytecCo.,Ltd., Daiwabo Holdings Co Ltd filed Critical DaiwaboPolytecCo.,Ltd.
Priority to JP2013031589A priority Critical patent/JP6276921B2/ja
Publication of JP2014159662A publication Critical patent/JP2014159662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6276921B2 publication Critical patent/JP6276921B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

本発明は、不織布ワイパーに関する。
従来から、不織布からなるワイパーが使用されている。中でも液体洗浄料を含浸させたワイパーは、対人・対物用途で広く使用されている。液体洗浄料を含浸させる場合は、不織布を層構造とし、中央付近の層に、液体を含浸させやすい親水性繊維を配置させた不織布ワイパーがある。例えば、特許文献1では、親水性繊維を50重量%以上含有する親水性繊維層を中層に配置した清拭用不織布が開示されている。
特開2001−190469号公報
しかし、特許文献1に記載の不織布は、拭き取り性を向上させるために、分割型複合繊維からなる極細繊維層を不織布表面に配置しているので、液体を含浸させた状態で拭き取ると、比較的強い拭き取り抵抗感を与えるものであった。また、液体を含浸させるために親水性繊維層を配置させているが、拭き取った際に、拭き取り対象に液体が残りすぎることも課題であった。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、良好な拭き取り性を持ちつつ、拭き取り時の抵抗が低く、拭き取り対象への液残りが少ない不織布ワイパーを提供する。
本発明の不織布ワイパーは、親水性を含む親水性繊維層と、前記親水性繊維層の少なくとも片面に積層された表面繊維層とを含む積層不織布からなる不織布ワイパーであって、前記親水性繊維層の目付が5〜15g/m2であり、前記積層不織布と前記親水性繊維層との目付の比(積層不織布の目付/親水性繊維層の目付)が4.5〜12.0であり、前記親水性繊維層の構成繊維の繊維長が30〜80mmであり、前記積層不織布が凹部を含み、前記凹部の一つの面積が0.10〜0.65mm 2 であり、前記凹部が開孔状になっているものと開孔状になっていないものとが混在していることを特徴とする。
本発明の不織布ワイパーの製造方法は、目付が5〜15g/m2である親水性繊維を含み、構成繊維の繊維長が30〜80mmである親水性繊維層の少なくとも片面に、表面繊維層を積層不織布と前記親水性繊維層との目付の比(積層不織布の目付/親水性繊維層の目付)が4.5〜12.0であるようにして積層し、一体化させて積層不織布を作製すること、前記積層不織布に一つの面積が0.10〜0.65mm 2 であり開孔状になっている凹部と開孔状になっていない凹部とを混在させて形成することを含むことを特徴とする。
本発明の不織布ワイパーは、凹部を含むため、拭き取り時の抵抗感が少なく、また、親水性繊維層の目付が所定の範囲であり、さらに所定の目付の比であるため、液残りを抑えることができる。
図1は、本発明の不織布ワイパーの一例を示す平面図である。
本発明の不織布ワイパーは、親水性繊維層と、親水性繊維層の少なくとも片面に積層された表面繊維層とを含む積層不織布からなる。
親水性繊維層は、親水性繊維を含む。親水性繊維は、水分を繊維表面及び/又は内部に保持する機能を有すればよく、特に、再生セルロース繊維及び/又は天然セルロース繊維であることが好ましい。再生セルロース繊維及び/又は天然セルロース繊維は水分を保持し易く、皮膚に対しても優しい繊維であることによる。再生セルロース繊維としてはビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)、溶剤紡糸レーヨン(リヨセル、テンセル)などがあり、天然セルロース繊維としてはパルプ、コットン、麻などがある。これらの繊維は公定水分率が8%以上の吸水性がある。これらの繊維は1種類、または2種類以上用いることができる。特にビスコースレーヨンはリヨセルに比べて水分率が高く、吸水性が高いため好ましい。
親水性繊維の繊維断面形状は、円形断面や異形断面、例えば三角などの多角形、Y形、W形、十字型、星形、菊花形、扁平形、多葉形などを任意に選択できる。ビスコースレーヨンは繊維断面が菊花状であるものがあり、繊維として複数の溝を有するものであるため、毛細管現象による液体の吸液性・保持性が高く、少ない繊維量で多くの液体を保持できるため好ましい。
親水性繊維層における親水性繊維の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、さらにより好ましくは親水性繊維層が実質的に親水性繊維からなることである。親水性繊維層は液体を保持させる層であり、親水性繊維の含有量が所望の範囲内にあると、液体保持という機能を奏することができ、好ましい。また、積層不織布における親水性繊維の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましく、15質量%以下であることがさらにより好ましい。また、積層不織布における親水性繊維の含有量は10質量%以上であることが好ましい。積層不織布における親水性繊維の含有量が上記範囲にあると、含浸させる液体の量を必要最小限にすることができるため好ましい。
親水性繊維層に含まれる構成繊維の繊維長は、親水性繊維層の形態に応じて適宜選択すると良いが、例えば20〜80mmであることが好ましく、30〜60mmであることがより好ましい。繊維長が20mmより小さいと、繊維が脱落しやすくなることがある。繊維長が80mmを超えると、カード通過性が低下する場合がある。また、繊維長が短いと、親水性繊維層の密度が大きくなる傾向にあり、液体の保持性が少なくなることがある。また、繊維長が短いと、親水性繊維層と表面繊維層との積層一体化の際や凹部を形成する際に水流交絡を行う場合、水流によって繊維長が短い繊維が動きやすく、積層不織布の表面部分に存在する割合が多くなるため、それが親水性繊維の場合、液残りが発生する場合がある。
親水性繊維の繊度は、0.5〜4.0dtexが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0dtexである。親水性繊維の繊度が大きすぎると、単位重量あたりの繊維本数が少なくなり、液体の保持性が低下する傾向にある。また、親水性繊維の繊度が小さすぎると、カード通過性が低下することがある。
親水性繊維層は、カードウェブからなることが好ましい。カードウェブであれば、繊維間空隙をある程度確保でき、目付が少なくても不織布ワイパーとして必要とされる液体含浸量を確保できるため、また、液体の放出性が向上するため好ましい。カードウェブとしては、パラレルウェブ、クロスウェブ、クリスクロスウェブ、セミランダムウェブ、およびランダムウェブなどの任意の形態でよい。抄紙の場合、不織布の嵩が低く、目付に対する液体の含浸量が低くなる場合がある。
親水性繊維層は、目付が15g/m2以下である。好ましくは13g/m2以下であり、より好ましくは11g/m2以下である。また、目付は5g/m2以上であり、好ましくは7g/m2以上である。本発明の不織布ワイパーは親水性繊維層の目付がこの範囲であるため、含浸させる液体の量を必要最小限にすることができる。
表面繊維層は、拭き取りの対象に合わせて適宜変更すると良い。例えば、コットン、麻、ウール、パルプに代表される天然繊維、ビスコースレーヨン、溶剤紡糸レーヨン、銅アンモニアレーヨンに代表される再生繊維、アセテートに代表される半合成繊維、ポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン、アクリル系に代表される合成繊維などを使用できる。特に、表面繊維層として疎水性繊維を使用すると、拭き取りが軽くなるため好ましい。疎水性である繊維を用いる場合は、表面繊維層における含有量が50質量%以上であると好ましく、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、さらにより好ましくは表面繊維層が実質的に疎水性繊維からなることである。疎水性繊維としては、上述したポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン、アクリル系などの合成繊維が使用でき、これらの繊維の公定水分率は5%以下である。特にポリエステルやポリオレフィン系の合成繊維であれば、公定水分率が1%以下であり、好ましい。また、繊維断面として、単一繊維、芯鞘形複合繊維、分割型複合繊維、多層型複合繊維、海島型複合繊維など任意に使用できる。断面形状についても、円形断面や異形断面、例えば三角などの多角形、Y形、W形、十字型、星形、菊花形、扁平形、多葉形などを任意に選択できる。
表面繊維層は分割型複合繊維を含むこと、また、分割型複合繊維から分割した極細繊維を含むことが好ましい。分割型複合繊維を用いると、分割型複合繊維から分割した極細繊維が含まれるため、汚れの拭き取り性が向上するため好ましい。極細繊維が含まれると、繊維と拭き取り対象面との接触面積が大きくなるため、拭き取り時の抵抗感が増大するが、後述する凹部を含むことで拭き取り時の抵抗感を低減させることが出来るため、拭き取り性と拭き取り時の軽さの両立が可能となる。分割型複合繊維を用いる場合は、表面繊維層における含有量が50質量%以上であると好ましく、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、さらにより好ましくは表面繊維層が実質的に分割型複合繊維からなることである。また、分割型複合繊維から分割した極細繊維は、表面繊維層において、10質量%以上含まれると好ましく、20質量%以上含まれるとより好ましく、30質量%以上含まれるとさらに好ましい。
分割型複合繊維の繊度は、0.5〜4.0dtexであることが好ましく、1.0〜3.0dtexあることがより好ましい。分割型複合繊維は全てを分割できない可能性もあるため、上記範囲であると、分割しきれなかった場合でも、拭き取り性を著しく損なわないため好ましい。また、分割型複合繊維から分割した極細繊維の繊度は0.6dtex以下であることが好ましく、また、0.01dtex以上であることが好ましい。
分割型複合繊維の2成分の組み合わせとしては、例えば、ナイロンとポリエステル、ポリエステルとポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体とポリプロピレン、ポリエチレンとポリエステル、ポリエチレンとポリプロピレンの組み合わせ等が挙げられる。特に、ポリエチレンとポリエステル(ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートなど)を用いると、分割性の点や、不織布の風合い向上の点で好ましい。
表面繊維層は、目付が10〜50g/m2であると好ましい。より好ましくは、20〜40g/m2である。表面繊維層の目付が大きいと、親水性繊維層に主に保持されている液体が不織布表面に現れにくくなる場合がある。また、表面繊維層の目付が小さいと、親水性繊維層に主に保持されている液体が不織布表面に現れやすくなり、液残りが起きやすくなる。
表面繊維層は、親水性繊維層の少なくとも片面に積層されていればよいが、親水性繊維層の両面に積層されていることが好ましい。表面繊維層が親水性繊維層の両面に積層されると、ワイパーとして使用する際に両面を拭き取り面として使用できるため、また、含浸した液体が必要以上に手などに付着しにくくなるため好ましい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で他の層が積層していてもよい。
積層不織布は、目付が30〜115g/m2であると好ましい。より好ましくは、40〜100g/m2であり、さらに好ましくは50〜80g/m2である。積層不織布の目付が上記範囲であると、拭き取り時にヨレが生じにくく、また、拭き取り対象の形に応じて変形し、細かい凹凸などの拭き取りにも適するため好ましい。
積層不織布は、厚み(3g荷重時)が0.60〜1.50mmであると好ましい。より好ましくは0.70〜1.00mmであり、さらに好ましくは0.80〜0.90mmである。積層不織布の厚みが上記範囲であると、拭き取り時にヨレが生じにくく、また、拭き取り対象の形に応じて変形し、細かい凹凸などの拭き取りにも適するため好ましい。
積層不織布は、密度が0.060〜0.120g/cm3であると好ましい。より好ましくは0.070〜0.100g/cm3であり、さらに好ましくは0.080〜0.090g/cm3である。なお、この密度は、後述した方法で測定した値である。不織布の密度が上記範囲であると、不織布に保持できる液体の量を適切にすることができるため好ましい。
積層不織布と親水性繊維層との目付の比(積層不織布の目付/親水性繊維層の目付)は、4.5以上である。好ましくは5.0以上であり、より好ましくは5.5以上である。目付の比が4.5以上であると、余分な液体を含浸しなくなるため、拭き取り対象に液が残りにくくなる。また、目付の比が4.5以上であると、親水性繊維層に含まれる親水性繊維が積層不織布の表面に露出しにくくなり、拭き取り対象に液が残りにくくなる。また、目付の比が4.5以上であると、不織布の厚さ方向において、親水性繊維層と積層不織布の表面との距離が大きくなるため、液体の放出が徐放性の傾向になり、余分な液体を放出しないことにより、液残りが低減される傾向になる。また、目付の比は12.0以下であり、好ましくは10.0以下である。目付の比が大きすぎると、液体の含浸量が不十分になる傾向にある。
積層不織布は、凹部を含む。凹部は、凹部を含まない部分よりも厚みが相対的に低くなっているため、凹部を含むことにより、無地のみからなる不織布(平坦な不織布)と比べ、拭き取り対象との接触面積が小さくなるため、拭き取り時の抵抗感を少なくすることができ、拭き取り感が軽くなる。積層不織布における凹部の面積率は0.5〜7.0%であることが好ましく、0.7〜5.0%であることがさらに好ましく、1.0〜3.0%であることがさらに好ましい。凹部の面積率が上記範囲であることにより、汚れの拭き取り性と拭き取りの軽さの両方を高くすることが可能であるため好ましい。
凹部はどのように存在してもよく、形状は、円形状、多角形状などの形状や、ストライプ状に凹部と非凹部とが交互に並んだ形状など適宜設定できる。凹部としては開孔状になっているものも含む。凹部として、開孔状になっているものと、開孔状になっていないものとが混在していると、それぞれの効果を奏することができるため好ましい。また、凹部の配置も特に限定されないが、例えば、ドット模様、杉綾模様、ジグザグ模様、格子模様、千鳥模様などの配置が挙げられる。また、凹部の配置としては、一定数の凹部が存在する部分(凹部形成部)と、凹部が存在しない部分(非凹部形成部)とに分かれて、規則的に配置されてもよい。例えば、不織布の表面において、円形状、多角形状の凹部形成部が配置されているものや、不織布の一方向に沿って、凹部形成部と非凹部形成部(平坦部)とが交互に並んだストライプ状など、適宜選択できる。ストライプ状としては、直線状や、図1に示すようなストライプ状が蛇行している波形ストライプ状でもよい。本発明の不織布ワイパーは、凹部以外の部分における拭き取り性が高いため、凹部形成部が波形ストライプ状の場合、非凹部形成部の形状も波形ストライプ状になるため、拭き取り方向が不織布の縦・横・斜めのあらゆる方向である場合でも良好な拭き取り性を示す。直線ストライプ状の場合は、ストライプの長手方向を拭き取り方向とした場合、拭き取り対象において凹部形成部が接触する部分は、非凹部形成部が接触しなくなるため、拭き取り性は波形ストライプ状の方が優位である。凹部形成部における凹部の配置については、上記同様、ドット模様、杉綾模様、ジグザグ模様、格子模様、千鳥模様など、適宜設定するとよい。
凹部の形状が円形状や多角形状などの形状である場合、凹部1つの面積は0.10〜2.0mm2であることが好ましく、0.20〜1.0mm2であることがより好ましく、0.25〜0.65mm2であることがさらに好ましい。凹部1つあたりの面積が大きいと、拭き取り後の拭き取り対象に残る水滴が大きくなる傾向にあるため、液残りが悪くなる傾向にある。また、凹部が凹部形成部として存在する場合、相互に最も近接した凹部の中心間の距離が1.0〜3.0mmであることが好ましく、1.5〜2.5mmであることがより好ましい。
凹部が凹部形成部と非凹部形成部のように存在する場合、積層不織布における凹部形成部の面積率が3〜25%であると好ましい。より好ましい面積率は4〜15%であり、さらに好ましい面積率は5〜10%である。面積率が3%より小さいと、凹部形成部によって拭き取り対象との接触面積を十分に小さくすることができず、拭き取り時の抵抗感を少なくすることができない。面積率が25%より大きいと、拭き取り対象との接触面積は小さくできるが、拭き取り性が落ちるため良くない。
凹部形成部における、凹部の面積率は、5〜50%であることが好ましく、7〜30%であることがより好ましく、10〜25%であることがさらに好ましい。凹部の面積率が大きいと、液残りや拭き取り性が下がる傾向にある。また、凹部の面積率が小さいと、拭き取りの軽さが下がる傾向にある。
凹部形成部がストライプ状に形成される場合、ストライプの幅、つまり、凹部形成部または非凹部形成部における、ストライプの長手方向と直交する方向の長さについては、凹部形成部の幅が、1〜20mmであることが好ましく、より好ましくは2〜10mmである。例えばストライプが不織布のMD方向と平行方向に沿っている場合は、CD方向における幅が上記範囲であると良い。また、非凹部形成部の幅は、20〜150mmであることが好ましく、より好ましくは50〜110mmである。非凹部形成部の幅と凹部形成部の幅との比(非凹部形成部の幅/凹部形成部の幅)は、5〜20であることが好ましく、より好ましくは、10〜16である。凹部形成部の幅や、非凹部形成部の幅と凹部形成部の幅との比については、上述したように拭き取り対象との接触面積に影響し、凹部形成部の幅が大きすぎると拭き取り性が低下し、また、小さすぎると拭き取り時の抵抗感が増加するため好ましくない。
凹部形成部の形状が波形ストライプ状である場合、波の波長は50〜200mmであることが好ましく、より好ましくは70〜150mmであり、さらに好ましくは90〜130mmである。また、波の振幅、この場合は波の進行方向と直交する方向における波の幅であり、前記直交方向における波の極大点と極小点との間の距離であって、この振幅が、5〜100mmであることが好ましく、より好ましくは10〜50mmであり、さらに好ましくは15〜30mmである。通常不織布ワイパーとして使用する際、不織布の上に手を、特に人差し指から小指までの指部分を載せて拭き取るが、この指部分の面積は約6cm四方の正方形に相当し、波長や振幅が大きすぎると、波の極大点(極小点)がこの正方形に入る確率が大きく下がるため、凹部形成部による拭き取りの軽さを向上するという効果を奏しにくくなる。また、波長や振幅が小さすぎると、波の極大点(極小点)がこの正方形に含まれる数が多くなるため、凹部形成部の面積率が大きくなり、拭き取り性が低下する。
本発明の積層不織布は、親水性繊維層と表面繊維層とを含むものであり、これらの繊維層を一体化する方法は特に限定されるものではないが、好ましい方法としては、各々の繊維層の繊維同士を交絡させて一体化させる方法が好ましい。繊維同士を交絡させる手段としては、ニードルパンチング法、水流交絡法、水蒸気流(スチームジェット)交絡法等があげられるが、水流交絡法により行われると、予め脱落しやすい繊維を除くことができるため、また、不織布の柔らかさと強度をワイパーとして適度にできるため、より好ましい。繊維として分割型複合繊維を用いる場合は特に水流交絡法や水蒸気流交絡法のように、分割処理を行える方法が好ましい。また、凹部を形成させる方法としても、ニードルパンチング法、水流交絡法、水蒸気流(スチームジェット)交絡法等が好ましく、特に水流交絡法が好ましい。凹部を例えば熱エンボスで形成する場合、繊維密度が大きくなり、その部分において液体の放出性や拭き取り性が低下するため好ましくない。
交絡を水流交絡法により行う場合、水流交絡処理条件は不織布の目付け並びに搬送支持体の速度等に応じて適宜設定することができる。例えば、孔径0.05〜0.5mmのオリフィスが、0.2〜1.5mmの間隔で設けられたノズルから、水圧1〜20MPaの水流を、繊維ウェブの表裏面側からそれぞれ1〜4回ずつ噴射すると良い。より好ましくは水圧2〜10MPaである。水圧が1MPa未満であると、繊維同士の交絡が不十分となり、得られた不織布において毛羽抜けが生じやすくなる場合がある。水圧が20MPaを越えると、繊維同士の交絡が強固になりすぎて、繊維の自由度が低下し、風合いが硬くなる場合や、不織布の地合いが悪くなる場合がある。
水流交絡法により凹部を形成する方法としては、凹部を形成可能な特定の模様を有する支持体を用いれば良い。支持体の形態について、特に制限はないが、モノフィラメント又は金属線が織成されて形成されたパターンネットや、突起物が設けられたロール等、汎用されているものを任意に使用できる。具体的には、平織り、杉綾織り、綾織り、スパイラル織り等のパターンネットや、開口プレート、開口ロール等が挙げられる。
凹部をストライプ状に形成する場合、凹部を水流交絡法により形成することができる。具体的には、支持体としてストライプ状の模様を形成可能な支持体を用いて形成する方法、1つ以上のオリフィスからなるオリフィス群が所定間隔に設けられているノズルを用いる方法等が挙げられる。なお、どちらの方法でも、支持体として凹部形成部を形成可能な支持体を用いることにより、凹部を凹部形成部として形成することが可能である。例えば、オリフィス群を有するノズルを用いる方法においては、支持体として、凹部を形成可能な支持体を用いることで、水流交絡された箇所が凹部形成部となり、水流交絡されていない箇所が非凹部形成部となる。
凹部を波形ストライプ状に形成する場合、具体的な方法としては、上記と同じく支持体として波形ストライプ状の模様を形成可能な支持体を用いて形成する方法、1つ以上のオリフィスからなるオリフィス群が所定間隔に設けられているノズルを用い、そのノズルを振動させて形成する方法(振動させる方向は、不織布の搬送方向とは異なる方向)、前記所定間隔でオリフィス群が設けられているノズルを用い、ノズルは振動させず、搬送支持体を振動させて形成する方法(振動させる方向は、不織布の搬送方向とは異なる方向)、加圧水流を所定形状の穴あき部材を介して不織布に噴射し、この際に、前記穴あき部材を振動させて形成する方法(振動させる方向は、不織布の搬送方向とは異なる方向)等が挙げられる。凹部を凹部形成部として形成する場合は、上記と同様に、支持体として凹部形成部を形成可能な支持体を用いるとよい。例えば、オリフィス群を有するノズルを用いる方法や、穴あき部材を用いる方法においては、支持体として、凹部を形成可能な支持体を用いることで、水流交絡された箇所が凹部形成部となり、水流交絡されていない箇所が非凹部形成部となる。
本発明の不織布ワイパーは、対物・対人用で用いられるが、特に対物用で好適である。特に、洗浄液を含浸させて拭き取るウェットワイパー用途に好適である。洗浄液などの液体の含浸量は、不織布100質量部に対して液体の含浸量が100〜400質量部であることが好ましく、150〜300質量部であることがより好ましい。拭き取り対象としては、様々な用途に用いられるが、具体的には、眼鏡、OA機器、家具、自動車などのガラス製品、セラミック製品、プラスチック製品、金属製品、磁気記憶媒体などの磁性体面、半導体面、精密ガラスレンズなどの精密機器類、自動車のボディなどの塗装面、浴室、トイレ、台所、床、陶器、ホーロー、銅製品など、各種拭き取りに好適である。また、対人用としても、皮脂、汗、化粧品、その他汚れの付着した肌などの拭き取りにも好適である。
以下、本発明の内容について実施例を挙げて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で得られた不織布の各物性は、以下の通り測定した。
(1)不織布全体の厚み
不織布の厚み測定機(商品名“THICKNESS GAUGE”、モデル:CR−60A、株式会社大栄科学精器製作所製)を用い、JIS L 1096に準じて試料1cm2あたり3gの荷重を加えた状態で測定した。
(2)破断強力、破断伸度
JIS L 1096に準じ、幅5cm、長さ15cmの試料片をチャックの間隔が10cmとなるように把持し、定速伸長型引張試験機(商品名“テンシロン UCT−1T”、オリエンテック株式会社製)を用いて引張速度30cm/minで試料片を伸長し、破断時の荷重値及び伸長率をそれぞれ破断強力、破断伸度として測定した。
(3)10%伸長時応力、20%伸長時応力
破断強力測定時の10%伸長時又は20%伸長時における荷重値、すなわち、測定開始地点から1cm又は2cm伸長させたときの荷重値(チャック間の間隔(10cm)が11cm又は12cmになったときの荷重値)を10%伸長時応力又は20%伸長時応力として測定した。
(4)目付
JIS L 1096に準じ、試験片を採取し、それぞれの質量を量り、1m2当たりの質量(g/m2)を求めた。
(5)密度
乾燥時の厚みと目付けから、密度を計算した。
(6)拭き取り試験
不織布(35cm×26cm)に対し、蒸留水130質量%含浸させ、4つ折りにして、汚れが堆積した車のボディ表面を拭き取った。下記基準に従って、評価を行った。
[拭き取り軽さ]
1:重くて作業しづらい
2:少し重いが作業には問題ない
3:軽いが少し抵抗感あり
4:軽くて楽に拭ける
[液残り性]
1:拭いた後の水滴が大きく、なかなか乾かない
2:拭いた後の水滴がやや大きく、乾くのに少し時間がかかる
3:拭いた後の水滴が小さく、すぐに乾く
4:拭いた後の水滴が微小で、すぐに乾く
[拭き取り性]
1:きれいに拭き取れない
2:5〜6回できれいに拭き取れる
3:3〜4回できれいに拭き取れる
4:1〜2回できれいに拭き取れる
(7)平均凹部面積
凹部について、定規を用いて楕円に見立てた場合の長径と短径を測定し、楕円として面積を求めた。凹部10点の平均値を求め、平均凹部面積とした。
(実施例1)
(表面層の作製)
第1成分をポリエチレンテレフタレート(融点253℃)とし、第2成分を高密度ポリエチレン(融点128℃)とした放射状に8分割された断面形状を有する分割型複合繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm、商品名“DFS(SH)”、ダイワボウポリテック(株)製)を100質量%用い、ローラー型パラレルカードを用いてカードして、目付けが30g/m2のカードウェブを作製した。
(中層の作製)
ビスコースレーヨン繊維(繊度1.7dtex、繊維長40mm、商品名“CD”、ダイワボウレーヨン(株)製)を100質量%用い、ローラー型パラレルカードを用いてカードして、目付けが10g/m2のカードウェブを作製した。
(積層不織布の作製)
得られた表面層のカードウェブを2枚、中層のカードウェブを1枚用意し、表面層、中層、表面層の順番で積層し、ネット上に載置し、速度4m/minで進行させながら、カードウェブの表面に対して、ノズルに孔径0.13mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられている水供給器を用いて、水圧2.5MPaの柱状水流を噴射した後、裏面に対して、同様の水供給器を用いて、水圧2.0MPaの柱状水流を噴射した。カードウェブの表面とオリフィスとの距離は15mmとした。ネットは、経糸の線径が0.132mm、緯糸の線径が0.132mm、メッシュ数が90メッシュの平織りPETネットを用いた。
次に、水流交絡処理をされた不織布の上にアクリル樹脂製の穴あき部材を配置させ、穴あき部材の穴に水流を通過させて、不織布を部分的に水流交絡処理した。この際に、穴あき部材を不織布の幅方向(CD方向)に振動させた。水流交絡処理をした後の不織布は乾燥させ、約70g/m2の不織布を得た。乾燥温度は、雰囲気温度が110℃の乾燥機内で乾燥をした。この水流交絡を行う際は、ネットの進行速度を4m/minとし、水圧は4.0MPaとした。ネットは、経糸の線径が0.132mm、緯糸の線径が0.132mm、メッシュ数が25メッシュの平織りネットを用い、水流交絡された部分が開孔模様になるようにした。穴あき部材は、MD方向の長さが14.5mm、CD方向の長さが70mm、厚さが5mmのアクリル製の板で、CD方向の幅が6mmの大きさである四角形の穴を有し、隣り合う穴の間隔が82mmである穴あき部材を用い、不織布と穴あき部材との距離は15mm、ノズルと穴あき部材との距離は1mm、不織布の表面とオリフィスとの距離は21mmとした。穴あき部材の振動は、CD方向に幅20mmの範囲で振動させ、その振動速度は0.8m/minとした。得られた不織布は、表面層の分割型複合繊維が割繊されて極細繊維が発現しており、凹部は開孔しているものと開孔していないものとが混在しており、一定数の凹部が存在する部分(凹部形成部)と凹部が存在しない部分(非凹部形成部)とが、図1に示す蛇行がMD方向に沿って存在する波形ストライプ状に存在しているものであった。非凹部形成部(無地部)の幅82mm、凹部形成部の幅6mm(1つあたりの平均凹部面積0.35mm2、相互に最も接近した凹部の中心間の距離1.5mm)、波形ストライプの蛇行の1周期当たりの長さ(波長)100mm、振幅20mmであった。凹部形成部の積層不織布における面積率は6.8%だった。凹部形成部における凹部の面積率は17%であった。したがって、不織布表面全体における凹部の面積率は、1.2%だった。なお、積層不織布と中層(親水性繊維層)との目付の比は7.0だった。
(実施例2)
実施例1において、波長を120mmとした以外は、実施例1と同様にして不織布を作製した。
(実施例3)
実施例1において、波長を140mmとした以外は、実施例1と同様にして不織布を作製した。
参考例1
実施例1において、無地部の幅を50mm、波長を140mmとし、また、1つあたりの平均凹部面積を0.70mm2、凹部形成部における凹部の面積率を28%とした以外は、実施例1と同様にして不織布を作製した。凹部形成部の面積率は10.7%であり、不織布表面全体における凹部の面積率は3.0%だった。
参考例2
参考例1において、波長を100mmとした以外は、参考例1と同様にして不織布を作製した。
参考例3
参考例1において、無地部の幅を53mm、凹部形成部の幅を3mmとした以外は、参考例1と同様にして不織布を作製した。凹部形成部の面積率は5.4%であり、不織布表面全体における凹部の面積率は1.5%だった。
参考例4
参考例1において、無地部の幅を20mm、凹部形成部の幅を6mmとした以外は、参考例1と同様にして不織布を作製した。凹部形成部の面積率は23.1%であり、不織布表面全体における凹部の面積率は6.5%だった。
(比較例1)
(表面層の作製)
実施例1で使用した分割型複合繊維を100質量%用い、ローラー型パラレルカードを用いてカードして、目付けが26.5g/m2のカードウェブを作製した。
(積層不織布の作製)
表面層のカードウェブを2枚用意し、中層として、パルプ繊維100質量%からなるティッシュ(目付17g/m2、ハビックス(株)製)を用意し、表面層、中層、表面層の順番で積層し、ネット上に載置し、速度4m/minで進行させながら、カードウェブの表面に対して、ノズルに孔径0.13mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられている水供給器を用いて、水圧2.5MPaの柱状水流を噴射した後、裏面に対して、同様の水供給器を用いて、水圧2.0MPaの柱状水流を噴射した。カードウェブの表面とオリフィスとの距離は15mmとした。ネットは、経糸の線径が0.132mm、緯糸の線径が0.132mm、メッシュ数が90メッシュの平織りPETネットを用いた。水流交絡処理をした後の不織布は乾燥させ、約70g/m2の不織布を得た。乾燥温度は、雰囲気温度が110℃の乾燥機内で乾燥をした。なお、積層不織布と中層(親水性繊維層)との目付の比は4.1だった。
(比較例2)
(表面層の作製)
第1成分をポリプロピレン(融点165℃)とし、第2成分を高密度ポリエチレン(融点128℃)とした放射状に16分割された断面形状を有する分割型複合繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm、商品名“DF−7”、ダイワボウポリテック(株)製)を80質量%と、単一型ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度1.6dtex、繊維長51mm、商品名“T−471”、東レ(株)製)を20質量%とを混綿し、ローラー型パラレルカードを用いてカードして、目付けが25g/m2のカードウェブを作製した。
(中層の作製)
ビスコースレーヨン繊維(繊度1.7dtex、繊維長40mm、商品名“CD”、ダイワボウレーヨン(株)製)を100質量%用い、ローラー型パラレルカードを用いてカードして、目付けが20g/m2のカードウェブを作製した。
(積層不織布の作製)
得られた表面層のカードウェブを2枚、中層のカードウェブを1枚用意し、表面層、中層、表面層の順番で積層し、ネット上に載置し、速度4m/minで進行させながら、カードウェブの表面に対して、ノズルに孔径0.13mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられている水供給器を用いて、水圧2.5MPaの柱状水流を噴射した後、裏面に対して、同様の水供給器を用いて、水圧2.0MPaの柱状水流を噴射した。カードウェブの表面とオリフィスとの距離は15mmとした。ネットは、経糸の線径が0.132mm、緯糸の線径が0.132mm、メッシュ数が90メッシュの平織りPETネットを用いた。水流交絡処理をした後の不織布は乾燥させ、約70g/m2の不織布を得た。乾燥温度は、雰囲気温度が110℃の乾燥機内で乾燥をした。なお、積層不織布と中層(親水性繊維層)との目付の比は3.5だった。
(比較例3)
(表面層の作製)
実施例1で用いた分割型複合繊維を70質量%と、第1成分をポリエチレンテレフタレート(融点253℃)とし、第2成分をナイロン6(融点225℃)とした放射状に16分割された断面形状を有する分割型複合繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm、商品名“DF−5”ダイワボウポリテック(株)製)を30質量%とを混綿し、ローラー型パラレルカードを用いてカードして、目付けが30g/m2のカードウェブを作製した。
(中層の作製)
比較例2と同様にしてカードウェブを作製した。
(積層不織布の作製)
得られた表面層のカードウェブを2枚、中層のカードウェブを1枚用意し、表面層、中層、表面層の順番で積層し、ネット上に載置し、速度4m/minで進行させながら、カードウェブの表面に対して、ノズルに孔径0.13mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられている水供給器を用いて、水圧2.5MPaの柱状水流を噴射した後、裏面に対して、同様の水供給器を用いて、水圧2.0MPaの柱状水流を噴射した。カードウェブの表面とオリフィスとの距離は15mmとした。ネットは、経糸の線径が0.132mm、緯糸の線径が0.132mm、メッシュ数が90メッシュの平織りPETネットを用いた。水流交絡処理をした後の不織布は乾燥させ、約80g/m2の不織布を得た。乾燥温度は、雰囲気温度が110℃の乾燥機内で乾燥をした。なお、積層不織布と中層(親水性繊維層)との目付の比は4.0だった。
得られた実施例、参考例及び比較例の不織布の物性を下記表1に、拭き取り試験の結果を下記表2に示す。
Figure 0006276921
Figure 0006276921
表2の結果から、実施例1〜3、参考例1〜4の不織布は、凹部を含むため、拭き取りが軽く、楽に拭き取れるものであった。特に、参考例4の不織布が、凹部を最も広く含むため、最も拭き取りが軽かった。これは、拭き取り対象との接触面積が、凹部(凹部形成部)の方が無地部分よりも小さいため、抵抗がより小さくなったと考えられる。一方、比較例1の不織布は、凹部を一切含まないため、実施例1〜3、参考例1〜4の不織布と比べ、拭き取り時に抵抗を感じるものであった。また、参考例1参考例2を比較すると、波形ストライプの波長が小さい方が、拭き取りは軽い結果となった。
また、拭き取り性について見ると、実施例1〜3、参考例1〜3の不織布が良い結果であり、一方で参考例4の不織布は拭き取り性が少し劣る結果であった。これは、参考例4の不織布が、他の不織布に比べて無地部分の割合が少ないことが原因と考えられる。つまり凹部においては、拭き取り対象に接触しないため、汚れを拭き取りにくく、参考例4の不織布では無地部分の割合が少ない、すなわち凹部(凹部形成部)の割合が多いため、拭き取り性が劣る結果となったと考えられる。しかし、一部の比較的大きい汚れの塊については、凹部で捕集されていたため、比較例1〜3の不織布に比べてそういった汚れの拭き取りについては優位であった。
また、液残りについて見ると、実施例1〜3の不織布が良い結果であった。参考例1〜4の不織布は実施例1〜3の不織布よりも劣る結果であり、これは、参考例1〜4の不織布が、凹部(開孔)が明瞭に形成されており、参考例1〜4の不織布の1つ当たりの凹部の面積が大きくなったため、拭き取り後に拭き取り対象に残る水滴も大きくなる傾向にあったことが影響していると考えられる。また、比較例2と比較例3の不織布は、凹部がないにもかかわらず、液残りが劣る結果であり、これは、中層の目付が比較的大きく、積層不織布における中層の目付比率が大きくなり、不織布の厚さ方向において、親水性繊維層である中層と積層不織布の表面との距離が小さくなるため、余分に液体を放出されたことが原因と考えられる。
本発明の不織布は、液体洗浄料などを含浸させて使用する対人または対物用の不織布ワイパーなどに好適である。
1 不織布ワイパー
2 凹部形成部
3 非凹部形成部
4 凹部

Claims (11)

  1. 親水性繊維を含む親水性繊維層と、前記親水性繊維層の少なくとも片面に積層された表面繊維層とを含む積層不織布からなる不織布ワイパーであって、前記親水性繊維層の目付が5〜15g/m2であり、前記積層不織布と前記親水性繊維層との目付の比(積層不織布の目付/親水性繊維層の目付)が4.5〜12.0であり、前記親水性繊維層の構成繊維の繊維長が30〜80mmであり、前記積層不織布が凹部を含み、前記凹部の一つの面積が0.10〜0.65mm 2 であり、前記凹部が開孔状になっているものと開孔状になっていないものとが混在している不織布ワイパー。
  2. 前記積層不織布における親水性繊維の含有量が10〜40質量%である、請求項1に記載の不織布ワイパー。
  3. 前記表面繊維層が分割型複合繊維から分割した極細繊維を含む、請求項1又は2に記載の不織布ワイパー。
  4. 前記表面繊維層が疎水性の繊維を含む、請求項1〜のいずれかに記載の不織布ワイパー。
  5. 前記表面繊維層が、前記親水性繊維層の両面に積層されている、請求項1〜のいずれかに記載の不織布ワイパー。
  6. 前記凹部が、一定数の凹部が存在する凹部形成部と凹部が存在しない非凹部形成部とに分かれて配置されている、請求項1〜のいずれかに記載の不織布ワイパー。
  7. 前記凹部形成部と前記非凹部形成部とがストライプ状である、請求項に記載の不織布ワイパー。
  8. 前記凹部形成部と前記非凹部形成部とが波形ストライプ状である、請求項又はに記載の不織布ワイパー。
  9. 前記積層不織布における凹部の面積率が0.5〜7.0%である、請求項1〜のいずれかに記載の不織布ワイパー。
  10. 目付が5〜15g/m2である親水性繊維を含み、構成繊維の繊維長が30〜80mmである親水性繊維層の少なくとも片面に、表面繊維層を積層不織布と前記親水性繊維層との目付の比(積層不織布の目付/親水性繊維層の目付)が4.5〜12.0であるようにして積層し、一体化させて積層不織布を作製すること、前記積層不織布に一つの面積が0.10〜0.65mm 2 であり開孔状になっている凹部と開孔状になっていない凹部とを混在させて形成することを含む、不織布ワイパーの製造方法。
  11. 前記親水性繊維層をカードによって作製する、請求項10に記載の不織布ワイパーの製造方法。
JP2013031589A 2013-02-20 2013-02-20 不織布ワイパー Active JP6276921B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013031589A JP6276921B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 不織布ワイパー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013031589A JP6276921B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 不織布ワイパー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014159662A JP2014159662A (ja) 2014-09-04
JP6276921B2 true JP6276921B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=51611522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013031589A Active JP6276921B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 不織布ワイパー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6276921B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018184042A1 (en) 2017-04-03 2018-10-11 Lenzing Ag A nonwoven web designed for use in an industrial cleaning wipe
JP7199811B2 (ja) * 2018-01-26 2023-01-06 大王製紙株式会社 メガネクリーナー
JP2021062559A (ja) * 2019-10-15 2021-04-22 株式会社カナエテクノス 積層シート、外用貼付剤、包装構造

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4307426B2 (ja) * 2005-08-10 2009-08-05 大和紡績株式会社 積層不織布
JP4852659B2 (ja) * 2009-12-02 2012-01-11 ダイワボウホールディングス株式会社 不織布及びその製造方法、並びに拭き取り材
JP6037555B2 (ja) * 2012-12-12 2016-12-07 株式会社ソフト99コーポレーション ウェットシート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014159662A (ja) 2014-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6080319B2 (ja) 不織布およびその製造方法、並びに拭き取り材
JP4548814B2 (ja) 不織布
JP3559533B2 (ja) 絡合不織布とこれを用いた清拭シートおよび湿潤性シート
JP4852659B2 (ja) 不織布及びその製造方法、並びに拭き取り材
TWI473591B (zh) Nonwoven and its manufacturing method, and wiping material
JP4976675B2 (ja) ワイパー用不織布
JP5094153B2 (ja) ウエットシート用シート基材
JP6726422B2 (ja) ウェットワイピングシート用不織布および対人用ウェットワイピングシート
JPWO2015194563A1 (ja) 吸水性積層体及びその製造方法
JP4474216B2 (ja) キッチン用タオルおよびその製造方法
JP4648724B2 (ja) 不織布およびその製造方法
JP6276921B2 (ja) 不織布ワイパー
JP4307426B2 (ja) 積層不織布
JP5237623B2 (ja) ウエットシート用シート基材
WO2017164195A1 (ja) 模様付き不織布およびその製造方法
JP2011117095A (ja) 不織布及びそれを用いた拭き取り材
JP5628564B2 (ja) 不織布およびその製造方法、並びに拭き取り材
JP7112636B2 (ja) 吸収性物品用シート及び吸収性物品
JP2013144864A (ja) ウエットシート用シート基材
CN112041496B (zh) 无纺布及其制造方法
CN112788975A (zh) 擦拭片材
CN112261897B (zh) 擦拭片材
TWI839394B (zh) 擦拭片材
JP7260081B2 (ja) 積層不織布およびその製造方法、ならびにワイパー
JP2021025193A (ja) 不織布及びその製造方法、ならびにワイパー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161129

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170328

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171004

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20171107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6276921

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350