JP4307426B2 - 積層不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、パターンを有し、斜め方向の伸長性に対する幅方向の伸長性の比が大きい不織布に関する。
不織布は種々多様な用途において使用され、用途によっては、ある程度伸長性(僅かな力で伸びやすい性質)を有することが要求される。例えば、不織布を自動車の内装材として使用する場合には、不織布は適度な伸長性を有する必要がある。それは、自動車の内装材は、自動車において露出面を構成する不織布を先に成形型内に入れて型の表面に密着させ、発泡性樹脂をさらに成形型内に入れて発泡硬化させて、不織布と樹脂とを一体化させる方法により製造されることによる。このとき、不織布が硬く、また伸びにくいものであると、複雑な形状を有する成形型内に密着させることができず、所望の形状の内装材を得られないことがある。あるいは、不織布の伸長性が低い場合には、不織布と樹脂とが十分に一体化されず、不織布が「浮く」こともある。また、自動車用の内装材の場合、不織布と発泡体等の基材を一体成形することもあり、その場合も上記と同様に、不織布が伸びにくいものであると、うまく成形することができず、また不織布が「浮く」こともある。
伸長性を有する不織布は、医療用の貼付剤においても使用される。これらの用途において、不織布は、引っ張り気味にしながら皮膚に密着させて使用される。
不織布は横方向において高い伸長性を有し、横方向で不織布を引っ張って、所定の伸長性を確保することが一般的に行われる。いずれの用途に用いる場合にも、さらに高い伸長性を有することが望まれる場合もある。例えば、自動車の内装材の分野では、自動車の内部のデザインが多種多様となるに従い、成形型はますます複雑な形状を有するようになっている。そのため、目付を大きく変化させることなく、伸長性をより大きくした不織布が求められることもある。
しかし、伸長性を高くすると、不織布が僅かな力で不用意に伸びて、所定の位置または部位に当てて伸長させる前に伸長が生じ、所定の位置または部位にぴったりと合わせることができないことがある。即ち、伸長性が高くなると、不織布が却って取り扱いにくくなることがある。かかる不都合を避けるには、不織布を所定の位置または部位に当てるまでの間、不織布の伸びにくい方向で、不織布を把持することが考えられる。不織布の伸びにくい方向は、一般に縦方向であり、この方向で引っ張るように不織布を把持すれば、不用意な伸長はある程度回避できる。しかし、把持の方向が一方向のみであると、把持の際に向きを合わせるのに時間を要し、必ずしも効率的ではない。
不織布の伸長性はまた、不織布を他の物(身体を含む)と摩擦するように使用する場合(例えば、不織布が他の物と摩擦する用途、例えば、ワイピングシート、衛生物品(生理用製品および使い捨てオムツ等)、脇および衣服に当てて使用する汗取りパッド、および医療用貼付剤等として使用する場合)において、不織布の表面に生じる「よれ」(又は捩れもしくはシワ)とも関連する。不織布表面の「よれ」は、不織布の表面を伸長性が高い方向で(例えば横方向と平行な方向で)他の物を移動させて擦るときに生じやすい。通常の不織布では、縦配向が強いため、不織布の表面をその縦方向と平行な方向で物を移動させて擦ったときには「よれ」が生じにくいが、他の方向では「よれ」が生じやすい傾向にあり、柔らかく伸長性の高い不織布はその傾向が顕著であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、高い伸長性を有するが、成形の際の取り扱い性に優れ、あるいは「よれ」が生じにくい等、従来にない伸長特性を有する不織布を提供することを課題とする。
本発明者らは、不織布の成形時の取り扱い性および「よれ」の発生に、不織布の斜め方向の伸長性が影響を及ぼすことを見出した。即ち、横方向の伸長性が比較的大きくても、横方向以外の斜め方向の伸長性を比較的小さくすることによって、上述の課題を解決した不織布が得られることを見出した。
より詳細には、本発明者らは、縦方向のみならず、他の方向でも不織布を把持することができれば、不織布の有用性はより高くなると考え、そのためには、不織布の斜め方向の伸長性を低くすることが有効であることを見出した。また、不織布を他の物と摩擦する用途に使用する場合に、表面が種々の方向で摩擦されても、表面に「よれ」が生じないようにするには、不織布の伸長性に方向性を持たせること(即ち、不織布の伸びやすい方向をより限定する)ことが有効であることを見出した。これは、不織布が縦方向、横方向および斜め方向で均等に擦られると仮定した場合において、「よれ」の生じやすい方向が一方向のみであると、全体として不織布表面における「よれ」は生じにくくなる、という本発明者らが見出した新たな知見に基づく。
上記課題を解決する不織布の構成は以下のとおりである。
本発明は、セルロース系短繊維を50質量%以上含むセルロース系短繊維層の少なくとも一方の表面に表面繊維層が位置する積層構造を有し、繊維同士が交絡することによりセルロース系短繊維層と表面繊維層が一体化されてなり、かつ凹凸が規則的に配置されたパターンを少なくとも一方の表面に有する不織布であって、縦方向に平行な線と45度の角度をなす2方向の10%伸長モジュラスの平均値をMb、横方向の10%伸長モジュラスをMcとしたときに、Mb/Mcが2以上である積層不織布を提供する。ここでいう凹部および凸部とは相対的な意味に置いて使用され、絶対的な基準面をベースとして窪んでいる又は突出していることを意味するものではない。本明細書においては、パターンを構成する部分のうち、厚さの小さい部分を凹部と呼び、厚さの大きい部分を凸部と便宜的に呼ぶ。また、「凹凸が規則的に配置される」とは、凹部および凸部の繰り返しが、少なくとも1つの方向において規則性を有することをいう。また、「縦方向に平行な線」とは、不織布の縦方向(即ち、機械方向)と平行な任意の線を指し、当該線と45度の角度を成す方向とは、不織布から各辺が縦方向または横方向に平行である正方形を切り取ったときに、当該正方形の対角線と平行な方向をいう。
本発明の積層不織布は、セルロース系短繊維層を含む積層構造を有すること、凹凸が規則的に配置されたパターンを有すること、および縦方向に平行な線と45度の角度をなす2つの方向(以下「斜め方向」とも呼ぶ)の10%伸長モジュラスのMbが、横方向の10%伸長モジュラスMcの2倍以上であることを特徴とする。このMb/Mcは、パターンを有しない積層不織布と比較して高い。
また、本発明の積層不織布は、パターンの形状構成を適宜設定することにより、パターンを有しない積層不織布と比較して横方向における伸長性を高くすることができる。例えば、本発明の積層不織布の横方向の10%伸長モジュラス指標は、6×10−3〜15×10−3程度となる。ここで、「10%伸長モジュラス指標」とは、5cm幅の試料を10%伸ばすのに必要な力(N/5cm)を、目付(g/m)で除した値をいう。「10%伸長モジュラス指標」は、目付当たりの10%伸長モジュラス強度とも呼べる。本発明の不織布は、10%伸長モジュラス指標がこのように小さいにもかかわらず、斜め方向の伸長性が横方向の伸長性よりも小さいので、全体として取り扱いやすいという利点を有する。
本発明の積層不織布は、繊維長20mm以下のセルロース系短繊維層および凹凸が表面に規則的に配置されたパターンを有している。かかるパターンを有することにより、本発明の積層不織布は、斜め方向の伸長性が横方向の伸長性よりも小さく、斜め方向の寸法安定性が比較的高いという特性を有する。即ち、本発明の不織布は、横方向で大きく伸ばし得るにもかかわらず、他の方向で比較的伸長しにくいものである。したがって、この不織布は、例えば、自動車の内装材および医療用貼付剤として用いる場合に、把持方向を縦方向だけでなく、斜め方向としても使用することができる。このことは、特に横方向の伸長性が大きくなりやすい本発明の積層不織布を、不用意に伸長させることなく、より多くの方向で把持して取り扱うことを可能にし、当該不織布の取り扱い性を向上させる。
さらに、本発明の積層不織布は、上記の特性を有することにより、他の物(身体を含む)と摩擦する用途に使用する場合に、横方向以外で摩擦力を加えたときに「よれ」が生じにくいという効果を奏する。したがって、本発明の積層不織布は、使用中に、様々な方向で擦られたときでも比較的「よれ」が表面に生じにくく、上記用途に加えて、捩れ及びシワの発生が使い勝手および使用感から見て抑制されるべき用途、例えば、ワイパー、衛生用品の表面材、および脇用汗取りパッド等にも適している。
さらに、いずれの用途に用いる場合にも、本発明の不織布は、パターンにより、良好な意匠効果を発揮する。
本発明の不織布は、表面に凹凸が規則的に配置されたパターンを有する。本発明の不織布は、凹凸が規則的に配置されることにより、不織布全体として(即ち、どの部分を取り出した場合でも)、ほぼ均一な伸長性を有する。凹凸を不規則に配置すると、不織布の伸長性が不均一となり、例えば、ある部分を取り出したときに前述のMb/Mcを満たさないことがある。
本発明の不織布の例を図1〜4に示す。パターンの例を図1〜4に模式的に示す。いずれの図面においても、理解の容易のため、凹部(厚さが小さい部分)にハッチングを付している。パターンを有する不織布においては、概して、繊維の粗な部分が凹部となり、繊維の密な部分が凸部となる。
図1に示す不織布においては、凸部が四角形であり、当該凸部が縦および横方向に略等間隔で並べられ、凸部と凸部との間が凹部となって、格子状のパターンを構成している。図2に示す不織布においては、凸部が円形であり、凸部が密に配置され、凸部と凸部との間が凹部となって、水玉様のパターンを構成している。図3に示す不織布においては、凸部が三角形であり、当該三角形が2つずつ組み合わされて1つの菱形を構成して、ダイヤ柄のパターンを構成している。図4に示す不織布においては、凸部が波形である。図4に示すパターンは、波形(またはS字形)の凸部を斜め方向に積層して成る列を、横方向に並べた構成を有する。波形の凸部の積層方向の傾斜の度合いは、図中、1つの凸部において例えば最も上方に位置する点をつないだ直線が、不織布の縦方向に平行な線となす角度によって例えば決定される。図4に示す不織布において、凹部は各凸部の間に位置していて、全体として左下から右上に向かって延びている。
図示した不織布はいずれも、各凸部が独立していて、各凸部の周囲が凹部によって囲まれており、且つ凹部が連続している(即ち、一続きになっている)パターンを有する。換言すれば、図示した不織布においては、凹部/凸部が海/島のごとく形成されている。あるいは、図示した不織布は、図面において白く表した部分が浮き出ている、浮き出し模様を有するともいえる。このパターンを有する不織布において、凹部は繊維の粗な部分であって、且つ連続しているために、引っ張られたときに比較的伸長しやすい部分となる。したがって、図示したように、凹部/凸部が海/島を形成している本発明の不織布は、横方向の伸長性が比較的高く、また、パターンを有しない不織布と比較して、斜め方向の伸長性も比較的高いという特徴を有する。
図1〜4には、理解の容易のため、縦方向に平行な線L(以下、単に「線L」と呼ぶことがある)を鎖線で示し、線Lと45度を成す2つの方向AおよびB(以下、これらの方向を単に「方向A」、「方向B」と呼ぶことがある)を、一点鎖線および二点鎖線で示している。図1〜図3に例示するパターンにおいて、2つの方向AおよびBに沿って並ぶ凸部および/または凹部は、縦方向に平行な線に関して略対称である。そのため、これらのパターンを有する不織布は、方向AおよびBで略等しい伸長性(具体的には、10%伸長モジュラスおよび引張伸度)を示す。これに対し、図4に例示するパターンにおいて、方向Aにおける凹部および/または凸部の配置は、方向Bにおけるそれとは異なっている。具体的には、連続した凹部が略直線を形成する方向が1つのみであり、かつ該方向が不織布の縦方向から傾斜し、この略直線を形成する凹部と凹部の間で、略同一形状の凸部が斜め方向に並べられて配置されている。このように凹凸が配置されたパターンを有する不織布は、該略直線と平行な方向における伸長性が、該略直線と垂直である方向における伸長性よりも低くなることがわかった。図4に示すパターンにおいて、該略直線の線Lからの傾きは、線Lからの方向Aの傾きに近い。したがって、図4に示す不織布は、図1,2および3に示す不織布と異なり、方向Aにおける伸長性が、方向Bにおける伸長性よりも小さくなる。
このように、パターンを適宜選択することによって、線Lから傾斜した方向と当該方向と垂直な方向との間で伸長性に差を設けることができ、したがって、方向AおよびBにおける伸長性を揃える又は異なるようにすることができる。このこともまた、本発明の重要な特徴である。具体的には、連続した凹部が略直線を形成する方向を1つのみとし、該直線となる方向を線Lから傾斜させ、該傾斜した略直線の凹部と凹部との間に、略同一形状の凸部を斜めに、且つ凹部の連なりが他の方向に延びる直線を形成しないように並べた凹凸配置とすることによって、該傾斜した略直線と平行な方向における伸長性を、該略直線と垂直な方向における伸長性よりも小さくすることが可能となる。そのようにして、線Lから傾斜した方向の伸長性と当該方向と垂直な方向と伸長性との間に差を設ける場合、凹部が形成する略直線と線Lとがなす角度(即ち、該略一直線の凹部の傾斜度合い)は、好ましくは10〜80度であり、より好ましくは20〜70度であり、さらにより好ましくは30〜50度である。また、各凸部は、それの延びる方向(1つの凸部の長さ方向)が、該略直線と45〜90度の角度をなすように、斜め方向に並べることが好ましい。そのような角度にて、一方向においてのみ略直線を形成する凹部、および斜め方向に並べて列をなした凸部を設けると、該略直線の延びる方向における伸長モジュラスが大きくなり(即ち、伸長性が小さくなり)、該略直線と垂直な方向における伸長モジュラスが小さくなる(即ち、伸長性が大きくなる)。凸部が図4に示す様に湾曲している等、その輪郭線によってはその長さ方向が該略直線と形成する角度を求められない場合、各凸部の延びる方向は、連続した凹部により形成される直線と平行な線を対向する2辺とする四角形であって、各凸部に外接する四角形を描き、当該四角形において該対向する2辺をそれぞれ二等分する点を結ぶ線(図4に示す線K)が、連続した凹部により形成される直線となす角度とする。
パターンは、凸部が不織布表面全体の50%〜90%を占めるような寸法および形状を有することが好ましい。凸部の占める割合が少ないと、不織布全体の強度が小さくなることがある。凸部の占める割合が多すぎると、凹凸を有することによる効果が十分に得られないことがある。凸部と凹部は、好ましくは、0.01mm〜0.8mm程度の段差を有する。段差が大すぎると、例えばこの不織布を対象物を拭く用途(例えばワイピングシート)に使用する場合に、拭き取り時に凹部が対象面と接触しにくく、拭き残りが生じることがある。また、凸部は、好ましくは不織布のタテ10cmにつき3〜20個、ヨコ10cmにつき3〜20個の割合で形成されることが好ましい。1つあたりの凸部が小さいと、パターンが不鮮明となり、本発明の効果(斜め方向の寸法安定性向上および「よれ」の発生の防止)が得られないことがある。また、パターンにおいて、凹部の幅は、0.5mm〜5mmであることが好ましく、1〜3mmであることがより好ましい。凹部の幅が一定でない場合には、1つの凸部の輪郭とこれと隣り合う凸部の輪郭とを結ぶ線分のうち、最も短い線分の長さを凹部の幅と規定する。凹部の幅が0.5mm未満であると、凸部間の距離が短くなり、斜め方向の寸法安定性が有意に向上しない。また、凹部の幅が小さいと、パターンを有しない不織布と比較して横方向および斜め方向の伸長性が有意に大きい不織布を得にくい。凹部の幅が5mmを越えると、凸部間の距離が大きくなり、引張強力および10%伸長モジュラスが低下して取り扱い性が悪くなる。
より具体的な寸法の一例を示すと、例えば、図1に示すパターンにおいて、1つの凸部は一辺が3〜6mmの正方形であってよく、各凹部が約1〜3mmの幅を有してよい。図2に示すパターンにおいて、1つの凸部は、直径が約5〜10mmの円形であってよい。図3に示すパターンにおいて、1つの凸部は、底辺および高さがそれぞれ約10mm〜16mmおよび約3mm〜6mmである二等辺三角形であってよく、各凹部が約1mm〜約3mmの幅を有してよい。図4に示すパターンにおいて、各凸部は約1〜5mmの幅(凸部が延びる方向と直交する方向における寸法)、および約20〜40mmの長さ(凸部が延びる方向における凸部の寸法)を有してよく、各凹部は約1〜3mmの幅を有し、連続した凹部により形成される直線は不織布の縦方向と平行な線分Lと、約30〜50度の角度を形成してよい。また、各凸部は、それが延びる方向が、連続した凹部により形成される直線と70〜90度の角度を形成するように、斜め方向に並べてよい。
本発明の積層不織布は、セルロース系短繊維層と、セルロース系短繊維層の少なくとも一方の表面に位置する表面繊維層とを有する。当該表面繊維層は、好ましくはセルロース系短繊維層の両方の表面に位置する。それにより、セルロース短繊維が製造中または使用中に脱落する量を小さくすることができる。セルロース短繊維の両方の表面に表面繊維層が位置する場合には、2つの表面繊維層は同じであってもよく、または繊維の種類および/もしくは目付において異なっていてよい。
図5に本発明の積層不織布の好ましい形態の一例を断面図にて模式的に示す。図示する積層不織布は、セルロース系短繊維層(2)と、その上下に位置する表面繊維層(1、3)とを有する三層構造である。但し、積層不織布の全ての箇所が、必ずしも図示したような三層構造をとっているわけではない。積層不織布においては、例えばセルロース系短繊維層(2)が脱落し及び/又は周囲へ分散する等して、セルロース系短繊維層(2)が表面繊維層(1,3)の間に位置しない箇所が存在することもある。
セルロース系短繊維層(2)は繊維長が20mm以下である、セルロースを原料として作製された繊維をいう。繊維長は、好ましくは10mm以下である。セルロース系短繊維の繊維長が20mmを越えると、特に、後述する水流交絡処理によって本発明の積層不織布を製造するときに、セルロース短繊維が水流の作用を受けても周囲に飛散しにくくなるために、繊維の粗な部分が形成されず、明瞭なパターンを形成することが困難となる。セルロース系繊維は、再生繊維または天然繊維であり、機械パルプ、再生パルプおよび化学パルプもセルロース系繊維に含まれる。再生繊維は、ビスコースレーヨン、キュプラ、および溶剤紡糸セルロース繊維(リヨセル)等である。セルロース系短繊維層(2)は、セルロース系短繊維を50質量%以上含み、好ましくは80質量%以上含み、より好ましくはセルロース系短繊維のみから成る。セルロース系短繊維層(2)においてセルロース系短繊維層の占める割合が小さいと、表面繊維層(1,3)との交絡が不十分となる。
セルロース系短繊維が、再生繊維である場合、その繊度は、0.3〜6dtex程度であることが好ましく、0.5〜5dtex程度であることがより好ましい。再生繊維の繊度が小さすぎると、セルロース系短繊維層が緻密になりすぎて水流交絡処理に付したときに水が通りにくく、繊維ウェブが乱れて、得られる積層不織布の表面状態が悪くなることがあり、大きすぎると、地合ムラが大きくなり、また、繊維同士の交絡が不十分となることがある。
セルロース系短繊維層(2)は、積層不織布の製造に際し(即ち、繊維同士を交絡させる前は)、一般にエアレイウェブまたは湿式不織布として提供される。セルロース系短繊維から成る湿式不織布には紙も含まれる。湿式不織布を使用する場合には、パインダー成分の種類および量が、最終的に得られる不織布のパターンの明瞭性に影響を及ぼすことがあるため、明瞭なパターンを形成するために、これらを適宜選択してよい。
セルロース系短繊維層(2)は、セルロース系短繊維として、紙を製造するために使用されるパルプ繊維を含むパルプ繊維層であることが好ましく、パルプ繊維層はパルプ繊維のみから成ることが好ましい。セルロース系短繊維層(2)が、パルプ繊維と他の繊維とから構成される場合、当該他の繊維はパルプ以外のセルロース系短繊維(例えば、ビスコースレーヨンおよび溶剤紡糸セルロース繊維)または合成繊維(例えば、ポリプロピレン繊維およびポリエステル繊維)等であってよい。
パルプ繊維は、針葉樹木材または広葉樹木材を用いて常套の方法で製造されたものを任意に使用できる。一般的に、パルプ繊維の繊度は、1.0〜4.0dtex程度、繊維長は0.8〜4.5mm程度であるが、この範囲外の繊度および/または繊維長を有するパルプ繊維を使用してもよい。パルプ繊維層は、積層不織布の製造に際し(即ち、繊維同士を交絡させる前は)、上述の形態(即ち、エアレイウェブ、湿式不織布)に加えて、綿状のパルプ(フラッフ(fluff)パルプ)としても提供され得る。パルプ繊維を含む又はこれのみから成る湿式不織布にもまた、紙が含まれる。パルプ繊維を含む又はこれのみから成る紙には、ティッシュ(ティッシュペーパーとも呼ばれる)が含まれる。
セルロース系短繊維層(2)は、表面繊維層(1,3)と交絡一体化させる前の形態が湿式不織布であることが好ましい。湿式不織布は、それ自体が緻密なシートであるため、最終的に得られるシートの地合の向上に寄与する。湿式不織布は、好ましくは、パルプ繊維のみから成り、ティッシュとして提供される紙である。湿式不織布は、波状または皺状に加工された、いわゆるクレープ紙であってもよい。
次に、セルロース系短繊維層の表面に位置する表面繊維層(1,3)について説明する。表面繊維層(1,3)は、セルロース系短繊維層と同じでない限りにおいて、任意の繊維を選択して構成することができる。
例えば、表面繊維層(1,3)は、繊度が0.5dtex以下である極細繊維を10質量%以上含む極細繊維層であることが好ましい。極細繊維層は、積層不織布全体の風合いを柔らかくするとともに、緻密で均一な表面を与える。また、極細繊維は、セルロース系短繊維と良好に絡み合って、不織布に高い引張強度を与える。極細繊維は、例えば、メルトブローン法により形成されたものであってよく、その場合、極細繊維層はメルトブローン不織布となる。本発明においては、極細繊維は、分割型複合繊維の割繊(分割)により形成されたものであることが好ましい。分割型複合繊維を使用すると、高圧水流によって極細繊維が形成されるとともに、極細繊維同士が密に絡み合って、緻密な極細繊維層を得ることができるからである。
分割型複合繊維を使用する場合、分割型複合繊維はセルロース系短繊維層(2)と一体化する前の表面繊維層(1,3)に50質量%以上含まれることが好ましく、80質量%以上含まれることがより好ましい。一体化させた後の表面繊維層において、分割型複合繊維は各構成成分に完全に分割している必要はなく、例えば、構成成分の一部のみが分割していてよく、あるいは、極細繊維が完全に独立した繊維とならず、一本の分割型複合繊維から一本または複数本の極細繊維が枝分かれしていてもよい。このように分割型複合繊維において極細繊維の分割が途中で止まっている場合等には、表面繊維層中の極細繊維の割合を求めることが難しいことがある。このことを考慮して、上記において表面繊維層をセルロース系短繊維層(2)と一体化させる前の分割型複合繊維の割合で特定していることに留意されたい。
本発明で用いられる分割型複合繊維は、繊維断面において構成成分のうち少なくとも1成分が2個以上に区分されてなり、構成成分の少なくとも一部が繊維表面に露出し、その露出部分が繊維の長さ方向に連続的に形成されている繊維断面構造を有する。分割型複合繊維を構成するポリマーの好ましい組み合わせは、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ナイロンなどである。分割型複合繊維を使用する場合、その繊維長は、セルロース系短繊維層と一体化させる前のウェブの形態に応じて、例えば5〜100mmの範囲内で選択される。
あるいは、表面繊維層(1,3)は、繊度が0.5dtexよりも大きい繊維を90質量%以上含む繊維層であってよい。表面繊維層(1,3)が比較的大きい繊度を有する繊維で構成されると、積層不織布は、嵩高であり、かつ手で持ったときにしっかりとした感触を有するものとなる。表面繊維層(1,3)を繊度が0.5dtexよりも大きい繊維で構成する場合、当該繊維の繊度は、好ましくは0.9dtex以上であり、より好ましくは1.4dtex以上である。繊維が例えばコットンのような天然繊維等であって、均一な繊度を有しない場合には、繊度が0.5dtexよりも大きい繊維の占める割合が90質量%以上となるように、適宜、原綿を選択して使用する。また、表面繊維層(1,3)をカードウェブで構成する場合、表面繊維層を構成する繊維は、繊維長が10〜150mmのステープル繊維であることが好ましい。ステープル繊維の繊維長は、より好ましくは20〜120mmであり、さらにより好ましくは30〜100mmである。ステープル繊維の繊維長が10mm未満であると、繊維の脱落が多くなり、また、工程性においても劣る。ステープル繊維の繊維長が200mmを越えると、高圧水流処理による交絡性が低下する。
表面繊維層(1,3)を構成する繊維の材料は、表面繊維層(1,3)が極細繊維を含む層であっても、あるいは繊度が0.5dtexよりも大きい繊維を主として含む層のいずれであっても、特に限定されない。極細繊維を形成する分割型複合繊維については先に例示したとおりである。それ以外に表面繊維層(1,3)を構成する繊維として、具体的には、コットン、シルク、およびウール等の天然繊維、ビスコースレーヨン、キュプラ、および溶剤紡糸セルロース繊維(リヨセル)等の再生繊維、ならびに合成繊維が挙げられる。溶剤紡糸セルロース繊維は、具体的には、レンチングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標)の名称で上市されている。合成繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、およびエチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン6およびナイロン66等のポリアミド系繊維、ならびにアクリル系繊維等を挙げることができる。合成繊維は、熱接着性繊維であってよい。その場合、熱接着性繊維は、低融点成分と高融点成分とから成り、低融点成分が繊維表面の少なくとも一部を占める複合繊維、例えば、芯鞘型複合繊維、偏心芯鞘型複合繊維、または分割型複合繊維であってよい。低融点成分/高融点成分の組み合わせとしては、具体的には、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン/ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体/ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。表面繊維層(1,3)は、ここで例示した繊維から、1または複数選択して構成することができる。
セルロース系短繊維層(2)および表面繊維層(1、3)の目付は、積層不織布の所望の目付により適宜選択される。セルロース系短繊維層(2)の目付は、好ましくは、積層不織布全体の目付の60質量%を越えないように選択され、より好ましくは、50質量%を越えないように選択され、最も好ましくは10〜40質量%となるように選択される。セルロース系短繊維層(2)の占める割合が60質量%を越えると(即ち、表面繊維層(1、3)の占める割合が合わせて40質量%以下であると)、積層不織布全体が紙状となって、風合いが硬くなる。一方、セルロース系短繊維層(2)の占める割合が小さいと(即ち、表面繊維層(1、3)の占める割合が大きいと)、積層不織布において明瞭なパターンが得られにくく、また、所望の物性を得られないことがある。例えば、目付60〜100g/m程度の積層不織布を得るためには、セルロース系短繊維層(2)の目付は、10〜40g/m程度とすることが好ましく、表面繊維層(1,3)の目付はそれぞれ、10〜50g/m程度とすることが好ましい。図5において上側に位置する表面繊維層(1)と下側に位置する表面繊維層(3)の目付は同じであってよく、あるいは互いに異なっていてよい。例えば、一方の目付を他方の目付の2〜3倍程度としてよい。
本発明の積層不織布は、繊維同士が水流交絡処理により交絡して、セルロース系短繊維層(2)と表面繊維層(1、3)とが一体化した構成を有することが好ましい。水流交絡処理により繊維同士が交絡した不織布は、より良好な地合を有し、また、水流交絡処理を適当な支持体を用いて実施すると、パターンを容易に形成することができる。水流交絡処理は、2以上の繊維層を一体化させる方法と組み合わせて使用してよい。積層不織布は、例えば、ニードルパンチ処理と水流交絡処理を組み合わせて製造してよく、あるいは接着剤または熱接着繊維による接着と水流交絡処理とを組み合わせて製造してよい。
本発明の積層不織布の目付は、好ましくは40〜150g/mであり、より好ましくは50〜120g/mであり、さらにより好ましくは、60〜100g/mである。積層不織布の目付が40g/m未満であると、地合が悪くなる傾向にあり、また、パターンが不鮮明となる。積層不織布の目付が150g/mを越えると、水流交絡処理により不織布を製造する際に、そのような目付の繊維ウェブにエネルギーを十分に与えられず、やはり明瞭なパターンを得られないことがある。
本発明の積層不織布は、縦方向に平行な線と45度の角度をなす2方向の10%伸長モジュラスの平均値をMb、横方向の10%伸長モジュラスをMcとしたときに、Mb/Mcが2以上であるという特性を有し、Mb/Mcは、より好ましくは2.5〜4.5の範囲内にある。この特性は、本発明の積層不織布が、横方向の伸長性と斜め方向の伸長性との間で有意差を有することを意味する。
本発明の積層不織布は、パターンを有することにより、同程度の目付を有する同じ構成の積層不織布と比較して、横方向において高い伸長性を示す傾向にある。例えば、図1〜図4に示すパターンを有し、目付が60〜80g/m程度である、本発明の積層不織布は、横方向の10%伸長モジュラス指標が、6×10−3〜15×10−3となる。このように低い10%伸長モジュラス指標は、積層不織布のパターンを柱状水流の噴射により形成する場合に特に認められる。これは、1)セルロース系短繊維層を使用すると、短くて移動しやすいセルロース系短繊維が脱落する又は周囲に飛散する傾向にあり、得られる積層不織布においては、柱状水流の間隔およびウェブを載せる支持体の形状に応じて、セルロース系短繊維が存在しない又は薄くなる部分が発生すること、および2)パターンを構成する凹凸のうち、凹部において、繊維量が少なくなることによると考えられる。即ち、セルロース系短繊維を使用する場合には、繊維同士の絡み合いが緩みやすい部分が比較的形成されやすいことに加えて、当該部分はパターンの形成により更に繊維量の少ない凹部を構成する。したがって、本発明の積層不織布を横方向で引っ張ったときには、繊維量が他の部分と比較して少ない凹部で優先的に繊維交絡が緩んで、当該凹部はより繊維量が少なくなるように広がる。この理由により、本発明の積層不織布シートは、横方向において比較的高い伸長性を有すると考えられる。
次に本発明の積層不織布を製造する方法を説明する。図示した積層不織布を製造するために、2つの表面繊維層の間にセルロース系短繊維層(セルロース系短繊維ウェブ)が位置する積層ウェブを準備する。積層ウェブは、表面繊維層−セルロース系短繊維層−表面繊維層の順に繊維ウェブを積層して作製する。セルロース系短繊維層は、前述したように、好ましくは予め作製された湿式不織布であり、またはエアレイウェブであってよい。あるいは、セルロース系短繊維層をパルプ繊維で形成する場合には、一方の表面繊維層となる繊維ウェブ上にフラッフパルプを撒布することによりパルプ繊維層を作製してよい。
次に、最終的な積層不織布において、表面繊維層となる繊維ウェブを準備する。繊維ウェブの形態は、パラレルウェブ、クロスウェブ、クリスクロスウェブ、セミランダムウェブおよびランダムウェブ等のカードウェブ、エアレイウェブ、湿式抄紙ウェブ、メルトブローンウェブ、ならびにスパンボンドウェブ等から選択されるいずれの形態であってもよい。
セルロース系短繊維ウェブおよびこれと一体化させる繊維ウェブを準備する順序は、特に限定されず、先に表面繊維層となる繊維ウェブを準備してもよい。あるいは同時並行的に両者を準備し、セルロース系短繊維ウェブの準備、表面繊維層となる繊維ウェブの準備および後述する水流交絡処理を1つのラインにて実施してもよい。
パターンを有する不織布は、好ましくは2段階の水流交絡処理を施すことにより形成される。第1の水流交絡処理は、例えば、目付が40〜150g/mある積層ウェブについては、積層ウェブを目の細かい平織の支持体(例えば、80〜100メッシュ)の上に載せて、孔径0.05mm以上0.5mm以下のオリフィスが0.3mm以上1.5mm以下の間隔で設けられたノズルから、水圧1MPa以上10MPa以下の水流を、繊維ウェブの側から1〜5回噴射して実施する。水圧は好ましくは、2MPa以上8MPa以下であり、より好ましくは、2MPa以上7MPa以下である。表面繊維層(1,3)が分割型複合繊維を含む場合、この水流交絡処理により、分割型複合繊維が割繊して極細繊維が形成され、さらに極細繊維同士および極細繊維とセルロース系短繊維層とが交絡する。次に、第2の水流交絡処理を、所望のパターンを付与しうるように開口された支持体を目の細かい平織の支持体(例えば、80〜100メッシュ)の上に載せ、当該開口支持体の上にウェブを載せて、前記孔径を有するオリフィスが前記間隔で設けられたノズルから、水圧1MPa以上10MPa以下の水流を、パターンにより形成される凹凸の段差を大きくすべき面(即ち、パターンがより明瞭に現れるようにすべき面)とは反対の面の側から噴射することにより得られる。好ましい水圧およびより好ましい水圧は、第1の水流交絡処理と同じである。この方法によれば、得られた不織布において、水流を噴射した側の表面が比較的平坦となる。
あるいは、第2の水流交絡処理は、目の細かい平織支持体の上にウェブを載せ、さらにウェブの上に開口支持体を載せ、開口支持体に向けて水流を噴射する方法、または目の細かい平織支持体の上にパターンを形成するための開口プレートを取り付けた支持体の上にウェブを載せ、水流を噴射する方法により、実施することができる。あるいは、第2の水流交絡処理は、金属プレート板に多数の小孔をあけた有孔プレートまたは無孔プレートに、有孔又は無孔の凸部が形成された支持体を用い、当該支持体にウェブを載せて、水流を噴射することにより実施してよい。この凸部が形成された支持体を使用する場合にも、得られた積層不織布において、水流を噴射した側の表面は比較的平坦となる。以上において例示した形態を含む、パターンを付与するために用いられる支持体またはプレートは、一般に、積層不織布において密となる部分および/または凸部となる部分に対応する形状の開口部、または有孔もしくは無孔の凹部が規則的に設けられて構成される。そのような支持体またはプレートそれ自体は、公知の手法により形成されるから、ここではその詳細な説明を省略する。
以下、本発明の内容について実施例を挙げて説明する。
[試料1]
セルロース系短繊維層を構成する不織布として、パルプ繊維100質量%からなる目付17g/mの湿式不織布(ハビックス(株)製)を準備した。
一方、表面繊維層を構成する繊維ウェブとして、繊度2.2dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの8分割型複合繊維100質量%からなる目付約27g/mのセミランダムカードウェブを2層準備した。そして、湿式不織布の両面に分割型複合繊維を含む繊維ウェブが配されるように積層し、この積層ウェブを次の手順で水流交絡処理に付した。まず、90メッシュの平織支持体の上に積層ウェブを置いて、一方の面に、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられたノズルを用いて水圧3MPaの柱状水流を噴射した。このときのウェブの搬送速度は10m/分とした。次いで、90メッシュの平織支持体の上に、図1に示すようなパターンを形成するための支持体(繊維密度が大きい部分(凸部)に対応する開口部を有する支持体)を載せて、当該パターン形成用支持体の上に先に水流交絡処理した積層ウェブを載せた。それから、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられたノズルを用いて繊維ウェブの一方の面に水圧2MPaの柱状水流を噴射した。このときのウェブの搬送速度は10m/分とした。この2段階の水流交絡処理により、分割型複合繊維のうち約60質量%の繊維について、その少なくとも一部が割繊され、その結果、繊度約0.275dtexの極細繊維を含む極細繊維層が形成された。水流交絡処理後、100℃で乾燥させて積層不織布を得た。この積層不織布は、一方の面が図1に示すような格子柄の凹凸パターンを有し、他方の面が比較的平坦であった。より具体的には、格子柄のパターンは、図1に示すように、1つの凸部が一辺の長さが約5mmの正方形であり、凹部の幅が約1mmである、タイル状のパターンであった。
[試料2]
図2に示すようなパターンを形成するための支持体を用いたこと以外は、試料1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従って、積層不織布を得た。この積層不織布は、一方の面が図2に示すような丸柄の凹凸パターンを有し、他方の面が比較的平坦であった。より具体的には、丸柄のパターンは、図2に示すように、直径約7mmである円形の凸部が縦方向に連なった列が互い違いに配列されて成り、凹部の幅が約1mmであるパターンを有していた。
[試料3]
図3に示すようなパターンを形成するための支持体を用いたこと以外は、試料1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従って、積層不織布を得た。この積層不織布は、一方の面が図3に示すようなダイヤ柄の凹凸パターンを有し、他方の面が比較的平坦であった。より具体的には、ダイヤ柄のパターンは、図3に示すように、1つの凸部が底辺×高さが約16mm×約6mmである二等辺三角形の組み合わせにより形成され、凹部の幅が約1.5mmであるパターンであった。
[試料4]
図4に示すようなパターンを形成するための支持体を用いたこと以外は、試料1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従って、積層不織布を得た。この積層不織布は、一方の面が図4に示すような波形の凹凸パターンを有し、他方の面が比較的平坦であった。より具体的には、波形のパターンは、図4に示すように、1つあたりの凸部が約30mmの長さを有し、また、最大で約5mmの幅を有し、凹部が約1mmの幅を有し、図において凹部により形成される直線が不織布の縦方向と平行な線分Lと、約30度の角度を形成し、該直線状の凹部と凹部との間に凸部が、各凸部の延びる方向が該凹部により形成される直線と約74〜77度の角度を有するように、斜め方向に並べられた構成を有していた。
[試料5]
積層ウェブを次の手順で水流交絡処理に付した。まず、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられたノズルを用いて積層ウェブの一方の面に水圧3MPa、6MPaの柱状水流をそれぞれ噴射し、他方の面に水圧5MPaの柱状水流を2回噴射して、繊維同士を交絡させて湿式不織布と分割型複合繊維を含む繊維ウェブとを一体化させた。柱状水流の噴射は積層ウェブを90メッシュの平織支持体の上に載せて、10m/分の速度で搬送して実施した。水流交絡処理以外は、試料1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従って、積層不織布を得た。得られた積層不織布はパターンを有しておらず、両方の表面が全体として平坦であった。
得られた各試料の目付および厚さを表1に示す。ここで、厚さは、厚み測定機(商品名 THICKNESS GAUGE モデル CR−60A (株)大栄科学精器製作所製)を用い、試料1cmあたり3gの荷重を加えた状態で測定した。さらに、試料1〜4について、JIS L 1096 6.12.1 A法(ストリップ法に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅5cm、つかみ間隔10cm、引張速度30±2cm/分の条件で引張試験に付し、伸長率、10%伸長モジュラス強度を測定した。引張試験は、不織布の縦方向(不織布製造ラインの機械の配置方向(不織布の進行方向))および横方向(縦方向と直交する方向)、ならびに縦方向に平行な線分に対して45度をなす2つの斜め方向(図1に示す方向AおよびB)を引張方向として実施した。なお、方向AおよびBは、凹凸を有する面(平坦度に差があるときは、より平坦でない方の面)を、不織布のおもて面として、図1に示すように規定した。各試料の引張強力、引張伸度、10%伸長モジュラス、横方向の10%伸長モジュラスMcを目付で除した値である10%伸長モジュラス指標、2つの斜め方向における10%伸長モジュラスの平均値Mb、およびMbに対する横方向の10%伸長モジュラスMcの比を表1に示す。
Figure 0004307426
さらに、試料1および試料5について、「よれ」の生じやすさを、次の方法に従って評価した。まず、各試料を15cm×15cmの寸法にカットした。この試料(乾燥状態)を、適度に濡らしたガラス面で擦り、「よれ」(又は捩れ)が生じるまでの回数を測定して、「よれ」の生じやすさを測定した。試料1については、両方の表面(凹凸を有する面および比較的平坦である面)をそれぞれガラス面に接触させて擦った。また、「よれ」の生じやすさの評価は、試料をガラス面にあてて擦る方向を、試料の横方向と平行にしたときと、試料の縦方向に平行な線と45度の角度なす方向と平行にしたときについて、測定した。なお、ガラス面を濡らすことは、水を含浸させた不織布で5回拭くことにより実施した。不織布は、アクリル繊維と分割型複合繊維(ポリプロピレン/ポリエステルの16分割型複合繊維)を1:1の割合(質量比)で混合して成るクロスレイ・ウェブ(目付80g/m)を水流交絡処理に付して作成した。水の含浸量は、不織布100質量部に対し、200質量部とした。結果を表2に示す。
Figure 0004307426
縦方向の線分に対して対称なパターンを有する試料1〜3はいずれも、パターンを有しない試料5と比較して、縦方向の強力が大きく、横方向の強力も同程度であるか或いは大きかった。試料4は、縦方向の引張強力は、試料5のそれと比較して大きかったが、横方向の引張強力は試料5よりもやや小さかった。このように、縦方向および横方向における機械的な強度は、パターンを形成することによっては顕著に低下することはなかった。一方、パターンを有する試料1〜4の10%伸長モジュラスおよび10%伸長モジュラス指標は、パターンを有しない試料5のそれの半分程度となり、パターンを形成するように積層不織布を作製すると、横方向の伸長性を大きくし得ることがわかった。
試料1〜4の斜め方向の伸長性はいずれも(但し、試料4の方向Aを除く)、試料5と比較して小さく、斜め方向に伸長させやすいものであった。しかし、Mb/Mcについては、試料5のMb/Mcが2未満であるのに対し、試料1〜4のMb/Mcは2.8よりも大きく、試料1〜4の斜め方向の伸長性は、横方向における伸長性と比較して相当に小さいものであった。例えば、試料1のMcが0.49であることを考慮して、極めて伸長させやすいという前提の下でこれの取り扱いを伴う各種作業条件を設定する際に、斜め方向で把持すれば、Mcの2倍の力で引っ張っても試料1の不織布は10%伸長することはない。したがって、試料1〜3は、横方向の伸長性を基準とすれば、斜め方向の伸長性は相当抑制されるため、1枚の不織布内で比較したときに、一方向(実施例では横方向)でのみ高い伸長性を示すといえる。
これに対し、試料5は、Mcそのものが高くて、横方向への伸長性が試料1〜4よりも小さいことに加えて、斜め方向で把持したときに、横方向の伸長性と斜め方向の伸長性との間にそれほど差異がないという特性を有する。この特性は、斜め方向で不織布を把持したときに不織布を不用意に伸長させることとなり、取り扱い性の点では劣ることがある。
試料4は、斜め方向のうち、一方向において10%伸長モジュラス強度が高かった。これは、試料4において、凹部の連なりが形成する直線が一方向において斜め方向に延び、且つ凸部が斜め方向に並べられた列をなしていて、方向Aに沿った凸部の配置態様が、方向Bに沿った凸部の配置態様と異なることによると考えられる。このようにパターンの凸部の配置態様によって、斜め方向のうち、一方の伸長性をより低く又は高くすることも可能となる。
さらに、試料1の不織布は、凹凸を有する面でガラス面を擦ったときには、擦った方向が横方向であると、「よれ」が生じやすかったが、擦った方向が斜め方向であると「よれ」が生じにくく、「よれ」の発生に方向性のあることが認められた。また、試料1の平坦な面でガラス面を擦ったときには、いずれの方向においても「よれ」の生じにくいものであることがわかった。試料5の不織布は、擦る方向が横方向であるか斜め方向であるかにかかわらず、同程度に「よれ」が生じ、また、種々多様な方向で均等に摩擦されるときには、全体として「よれ」が発生しやすいものであった。
本発明の積層不織布は、横方向の伸長性が、縦方向の伸長性のみならず、斜め方向の伸長性と比較しても相当に小さいので、斜め方向を把持方向として使用すれば、その横方向に大きい伸長性を活かして、種々の用途、例えば、自動車内装材、および医療用貼付剤等として使用するのに適している。また、本発明の積層不織布は、斜め方向での伸長性が比較的低いために、他の物品と接触して摩擦するように使用する場合に、全体として「よれ」が生じにくくなるから、使用中に発生する「よれ」が使い心地及び使い勝手に影響する用途、例えば、上述の用途に加えて、衛生用品の表面材、ワイパー、および脇用汗取りパッド等として使用するのに適している。
本発明の積層不織布の一形態を模式的に示す平面図である。 本発明の積層不織布の一形態を模式的に示す平面図である。 本発明の積層不織布の一形態を模式的に示す平面図である。 本発明の積層不織布の一形態を模式的に示す平面図である。 本発明の積層不織布の一形態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1、3 表面繊維層
2 セルロース系短繊維層

Claims (7)

  1. 繊維長20mm以下のセルロース系短繊維を含むセルロース系短繊維層の少なくとも一方の表面に表面繊維層が位置する積層構造を有し、繊維同士が交絡することによりセルロース系短繊維層と表面繊維層が一体化されてなり、かつ凹凸が規則的に配置されたパターンを少なくとも一方の表面に有する不織布であって、縦方向に平行な線と45度の角度をなす2方向の10%伸長モジュラスの平均値をMb、横方向の10%伸長モジュラスをMcとしたときに、Mb/Mcが2以上である積層不織布。
  2. セルロース系短繊維層が繊維長10mm以下のセルロース系短繊維を含む、請求項1に記載の積層不織布。
  3. Mb/Mcが2.5〜4.5である、請求項1または2に記載の積層不織布。
  4. 横方向の10%伸長モジュラス指標(10%伸長モジュラス指標=10%伸長モジュラス(N/5cm)÷目付(g/m))が6×10−3〜15×10−3である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層不織布。
  5. セルロース系短繊維層がパルプ繊維を30質量%以上含むパルプ繊維層であり、パルプ繊維層の両方の面に表面繊維層が配置され、表面繊維層が、分割型複合繊維の割繊により形成された繊度0.5dtex以下である極細繊維を含み、パルプ繊維層と一体化する前に、分割型複合繊維を50質量%以上含んでいる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層不織布。
  6. パターンの凸部が、上から見たときに、丸、四角形、三角形、および波形から1または複数選択される形状を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層不織布。
  7. セルロース系短繊維層と表面繊維層とが水流交絡処理により一体化されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層不織布。

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