JP4976675B2 - ワイパー用不織布 - Google Patents

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本発明は、拭き取り性、吸液性、適度に柔軟な風合い、強度に優れたワイパー用不織布に関するものである。
近年、生活環境の変化及び産業の発展や技術の高度化に伴い、汚れに対する除去要求は高まっている。汚れとは、固体表面に水性又は油性の液体付着及び固体粒子の付着などがあり、特に固体粒子には非常に細かいダスト、埃から髪の毛、綿ボコリやパン屑まで幅広いものがある。これらの汚れを除去すべく、従来から、雑巾、布巾、紙ウェスなどが用いられていたワイパー分野においても、多様化、高度化が進み、多種のワイパーが上市され、ワイパー用不織布もその機能を生かして、種々のタイプが提案され販売されている。
これらの種々のタイプの中で、極細繊維からなるワイパー用不織布は、構成する繊維の比表面積が大きく、極細繊維が細かい微細塵埃や油膜を除去し、これを極細繊維相互間に捕捉する性能に優れているため、好ましく使用されており、例えば、分割型繊維を用いて不織ウェブを形成した後、この分割型繊維を分割させる事によって、極細繊維を生成させたものが知られている。これらの極細繊維からなるワイパー用不織布には、物理的手段によって容易に割繊が可能である分割型繊維が中心となって用いられているが、ワイパー用不織布への要求機能である拭き取り性、吸液性、適度に柔軟な風合い、強度の全てを満足させるものは未だないのが現状である。
極細繊維からなる不織布として、海島型混合紡糸繊維又は海島型複合繊維からなる長繊維不織布を溶剤処理する事により該繊維の海成分を抽出除去して得る方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。しかしながら、このような方法では、抽出設備及び抽出工程が必要なため、コスト面、生産性、環境等の面で様々な問題がある。また、重量平均分子量/数平均分子量の比が少なくとも5であるポリプロピレン系樹脂を含有するポリマーと、ポリエチレン系樹脂を含有するポリマーからなる中空タイプの分割型複合繊維を分割する事により得られた繊度0.5デシテックス以下の極細繊維を含有する極細繊維不織布ワイパー(例えば、特許文献2参照)が開示されているが、ポリオレフィン系の極細繊維であるために、吸液性に劣るという問題や、分割後の極細繊維の繊維径が十分に小さくないため、拭き取り性に劣るという問題がある。
2成分以上の熱可塑性樹脂からなる多分割型複合繊維を含む不織布であり、多分割型複合繊維の一部が不織布内で分割されてフィブリル化している事を特徴とする不織布(例えば、特許文献3参照)が開示されているが、これは、基本的にはエアレイド不織布に関するものであり、また、フィブリル化した部分が未分割の部分や完全分割された部分との熱接着に関与する事で、より細かい3次元の網目構造が不織布内部に形成される事を特徴としているため、強度的には優れるが、不織布表面が多くのフィブリル化繊維によって被覆されていないため、拭き取り性能に劣る問題がある。また、ポリビニルアルコール系易分割繊維とパルプからなり、両者の質量比が一定の割合である湿式抄造不織布に高圧水流を付与して、繊維の分割を行った不織布(例えば、特許文献4参照)が開示されているが、ポリビニルアルコール系分割繊維とパルプからなるので、吸液性に優れてはいるが、パルプを20〜70質量%含有しているため、ペーパーライクな風合いとなるという問題点がある。
また、繊維断面に不特定な形状の開口を多数有し、また、各開口が繊維の長さ方向に沿って筋状の空隙を形成する特殊な繊維構造を有するアクリル系割繊繊維とその一部が分割された微細繊維、熱溶融性繊維からなるアクリル系繊維の不織布(例えば、特許文献5参照)が開示されているが、このアクリル系割繊繊維は、原繊維が不織布に製造される工程で、高圧の柱状水流噴射により微細な繊維に分割されるため、柱状水流噴射の圧力が低いと、十分に割繊が行われず、拭き取り性能が劣るという問題があり、一方、柱状水流噴射の圧力が高いと、割繊は進行するが、不織布ウェブに破壊が生じるという問題がある。
また、従来より不織布表面に開孔処理を施す事により、拭き取り性に優れた開孔不織布が提案されている。不織布の柔軟性を考慮し構成繊維同士が熱接着されていない開孔不織布(例えば特許文献6参照)が開示されているが、ウェットタイプとして、界面活性剤や保湿剤等を含浸し使用した場合、不織布自体のコシが弱く作業性が悪い為、拭き取り性に劣るという問題がある。更に、開孔列と非開孔列が規則的に繰り返された開孔パターンを有する開孔不織布(例えば特許文献7参照)が開示されているが、非開孔列部においては汚れを不織布内部に取り込む事が難しく、不織布表面における拭き取り性能が不均一となり、汚れの量が多い場合には拭き残しが発生するなど使用範囲が限定されるという問題点がある。
特開昭62−97957号公報 特開2002−220740号公報 特開2002−61060号公報 特開平10−53994号公報 特開平5−321106号公報 特開2000−17554号公報 特開2000−45161号公報
従って、本発明の目的は、拭き取り性、吸液性、適度に柔軟な風合い、強度に優れたワイパー用不織布を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の本発明を見出した。
すなわち、本願の第1の発明は、剪断力を加えて、幹部から離脱した繊維径1.0μm以下にフィブリル化したリヨセル繊維(A)、剪断力を加えて、繊維径2.0μm以上の幹部から繊維径1.0μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維(B)の方と繊維径1.0〜30.0μmの1種以上の有機繊維(C)を含有し、単層又は多層からなるこれらの各繊維同士が、高圧柱状水流により3次元的に絡合された事を特徴とするワイパー用不織布に関するものである。
本願の第2の発明は、第1の発明において、リヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が、不織布に対して2〜70質量%であり、有機繊維(C)の含有量が、不織布に対して30〜98質量%であり、(A)と(B)と(C)の総含有量が、80〜100質量%となる事を特徴とするワイパー用不織布に関するものである。
本願の第3の発明は、第1又は第2の発明において、有機繊維の一部又は全てが熱融着性バインダー繊維である事を特徴とするワイパー用不織布に関するものである。
本願の第4の発明は、第1〜3の発明において、拭き取り層と支持体層とからなる2層構造不織布であって、拭き取り層構成不織布に対してリヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が2〜70質量%であり、支持体層構成不織布に対して有機繊維(C)が30〜100質量%である事を特徴とするワイパー用不織布に関するものである。
本願の第5の発明は、第1〜3の発明において、2層の拭き取り層とその中間の支持体層とからなる3層構造不織布であって、拭き取り層構成不織布に対してリヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が2〜70質量%であり、支持体層構成不織布に対して有機繊維(C)が30〜100質量%である事を特徴とするワイパー用不織布に関するものである。
本願の第6の発明は、第1〜5の発明において、高圧柱状水流により、不織布を形成する繊維同士が三次元的に絡合一体化されると共に、該不織布に開孔部及び開孔パターンが形成されている事を特徴とする、ワイパー用不織布に関するものである。
本願の第7の発明は、第6の発明において、該不織布の開孔面積率が3〜50%である事を特徴とするワイパー用不織布に関するものである。
本発明のワイパー用不織布は、剪断力を加えて、幹部から離脱した繊維径1.0μm以下にフィブリル化したリヨセル繊維(A)、剪断力を加えて、繊維径2.0μm以上の幹部から繊維径1.0μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維(B)の方と繊維径1.0〜30.0μmの1種以上の有機繊維(C)から構成されてなるもので、拭き取り性、吸液性、適度に柔軟な風合い、強度に優れたワイパー用不織布である。
以下、本発明のワイパー用不織布について、詳細に説明する。
本発明のワイパー用不織布に用いる「リヨセル」とは、ISO規格及び日本JIS規格に定める繊維用語で「セルロース誘導体を経ずに、直接、有機溶剤に溶解させて紡糸して得られるセルロース繊維」とされている。リヨセル繊維の特徴としては、湿潤強度に優れている事、フィブリル化し易い事、及びセルロース繊維由来の水素結合によりシート化した時の強度が得易い事、等が挙げられる。
リヨセル繊維は、通常のパルプ繊維と同様に、ビーター、PFIミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、また、顔料等の分散や粉砕に使用するボールミル、ダイノミル等の叩解、分散設備でフィブリル化可能である。リヨセル繊維はセルロース繊維が原料である事から、フィブリル化した後も水素結合による強度向上が望めるという特徴を有している。更に、本発明のワイパー用不織布を用いて、液体をワイパー用不織布に含浸もしくは、清掃対象物面に液体を垂らして、拭き取りを行う場合、リヨセル繊維は若干膨潤する事により、ワイパー用不織布表面と清掃対象物面との間のクッション的役割を果たす事になり、拭き取り時のハンドリング性を向上させ、ひいては拭き取り性能が良好になる。
本発明のワイパー用不織布に用いられるリヨセル繊維の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形のみならず偏平、三角、Y型、T型、U型、星型、ドッグボーン型など、いわゆる異形断面形状をとるもの、中空状のもの、枝別れ状のものであっても良いが、フィブリル化の容易さの点から、円形もしくは、楕円形のものが最も好ましい。また、フィブリル化後の繊維の断面形状に特に制限はないが、円形、楕円形のみならず扁平、筋状、米字、三角などの異形断面形状をとるものが挙げられる。
フィブリル化リヨセル繊維の特徴を最大限に発揮させ、ワイパー用不織布の拭き取り性、吸液性、強度等の性能をバランス良く発現させるためには、最適なフィブリル化条件を見出す事が重要である。剪断力を加えて、幹部から離脱した繊維径1.0μm以下にフィブリル化したリヨセル繊維(A)、及び、剪断力を加えて、繊維径2.0μm以上の幹部から繊維径1.0μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維(B)の2つのフィブリル化状態のリヨセル繊維の方を含有する必要がある。
リヨセル繊維は、叩解する事でフィブリル化が進行しワイパー用不織布に適した素材となりうるが、最適な叩解条件の見極めが重要となる。(A)及び(B)が適正に存在するフィブリル化状態を確認するためには、フィブリル化した繊維を水等で十分希釈した後に乾燥させて顕微鏡か、好ましくは電子顕微鏡で観察する事が好ましい。しかし、最適叩解化条件が決定した後はその都度観察しなくても良い。
本発明のワイパー用不織布において、拭き取り性能、吸液性、強度をバランス良く発現するためには、(A)幹部から離脱した繊維径1.0μm以下のフィブリル化繊維は、アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000、好ましくは、100〜50000である。また、(B)幹部から枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維において、幹部のアスペクト比は、10〜50000、好ましくは50〜30000である。また、枝部のアスペクト比は、10〜100000、好ましくは100〜50000である。これらのフィブリル化状態は、上述の顕微鏡観察によって、確認する事ができる。
フィブリル化したリヨセル繊維(A)、(B)の一方のみで不織布を形成した場合、拭き取り性能及び吸液性に関しては比較的良好なワイパー用不織布が得られるが、その一方で、強度面が大きく劣ったり、風合いが柔らかすぎてコシがなくなり、拭き作業性に劣るため、好ましくない。そこで、強度とコシを発現させるために、不織布の骨材として有機繊維(C)を配合する事が好ましい。本発明のワイパー用不織布に用いる有機繊維(C)の繊維径は、1.0〜30.0μmが好ましく、更に好ましくは3.0〜25.0μmである。1.0μmより細い繊維を用いた場合、十分な強度が得られないため、好ましくなく、一方、30.0μmを超えて太い繊維を用いた場合、拭き取り性能を低下させるので、好ましくない。また、有機繊維(C)の繊維長は、繊維同士が絡み合う長さであれば良く、特に制限はない。絡み合いの度合いは、アスペクト比(繊維長/繊維径)に影響を受ける。アスペクト比は混合する対象によってもその最適なる大きさは異なる。本発明のように、フィブリル化リヨセル繊維と混合する場合は、700〜2000の範囲が好ましい。700未満の場合、繊維が屈曲しにくいために繊維間の絡み合いが弱くなり、不織布に十分な強度が発現しない傾向がある。一方、2000を超えて大きい場合、例えば、湿式抄造法によりウェブを製造した際に、均一な地合いのウェブが得られにくく、拭き取り性にムラが生じる事がある。
本発明のワイパー用不織布において、フィブリル化リヨセル繊維(A)と(B)の配合比率は特に限定しないが、フィブリル化リヨセル繊維(A)及び(B)の不織布に対する総含有量は2〜70質量%が好ましく、更に好ましくは10〜60質量%である。また、有機繊維(C)の不織布に対する含有量は30〜98質量%が好ましく、更に好ましくは40〜90質量%である。フィブリル化リヨセル繊維(A)及び(B)の総含有量が2質量%未満では、フィブリル化リヨセル繊維が不織布表面に均一に分布できない事から拭き取り性能を高める事ができない事がある。一方、70質量%を超えると、強度が低下するだけでなく、油性汚れに対する拭き取り性能が低下する事がある。フィブリル化リヨセル繊維はセルロース繊維であるので、親油性が合成繊維に比べて劣っており、必要以上にフィブリル化繊維を含有せしめると、油性汚れの拭き取り性能を低下させてしまう。有機繊維(C)の不織布に対する含有量が30質量%未満では、油性汚れに対する拭き取り性能び十分な強度が得られない事があり、一方、98質量%を超えると拭き取り性能が大きく低下する事がある。
また、本発明のワイパー用不織布に対するフィブリル化リヨセル繊維(A)、(B)と有機繊維(C)の総含有量は、80〜100質量%が好ましく、更に好ましくは90〜100質量%である。80質量%未満では、フィブリル化リヨセル繊維(A)、(B)及び骨材である有機繊維(C)の総含有量が減少することにより、十分な拭き取り性能やしなやかな風合いを発現することができないばかりでなく、十分な強度を発現できない事がある。
有機繊維(C)には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びこれらのコポリマー等のポリエステル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリル、モダクリル等のアクリル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ウレタン繊維等の合成繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維等の半合成繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジックレーヨン、リヨセル等の再生セルロース系繊維、コラーゲン、アルギン酸、キチン質などを溶液にしたものを紡糸した再生繊維が好ましい。これらの繊維を構成するポリマーは、ホモポリマー、変性ポリマー、ブレンド、共重合体などの形でも利用できる。上記の繊維の他に、植物繊維として、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプや藁パルプ、竹パルプ、ケナフパルプなどの木本類、草本類を含むものも利用できる。更に、古紙、損紙などから得られるパルプ繊維等も含まれる。当然ではあるが、これら複数の材質からなる複合繊維を用いても良い。また、断面形状がT型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も拭き取り性確保のために含有できる。
本発明のワイパー用不織布のように、リヨセル繊維(A)及び(B)のフィブリル化繊維と繊維径1.0〜30.0μmで1種以上の有機繊維(C)を含有した不織布は、リヨセル繊維が繊維径1.0μm以上の有機繊維に程良く絡み合い、不織布表面に良好なネットワーク構造を形成する事により、緻密さによる拭き取り性能を保持しつつ、適当な空間によって、大きめのダストの捕集や、吸液性を確保する事ができる。1.0μm以上の有機繊維が繊維径の異なる2種類以上の繊維等を含んだ場合、ネットワーク構造に更に空間が生まれるので、より好ましい。
本発明のワイパー用不織布において、繊維径が1.0〜30.0μmの有機繊維(C)は、熱融着性バインダー繊維であっても良い。熱融着性バインダー繊維を含有させて、バインダー繊維の溶融温度以上に不織布の温度を上げる工程を製造工程に組み入れる事で、ワイパー用不織布の機械的強度が向上する。また、熱融着性バインダー繊維としては、単繊維のほか、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)などの複合繊維が挙げられる。複合繊維は、不織布表面に皮膜を形成しにくいので、不織布表面のフィブリル化リヨセル繊維が露出した状態を保持したまま、機械的強度を向上させる事ができる。熱融着性バインダー繊維としては、例えば、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせが挙げられる。また、ポリエチレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、ワイパー用不織布の乾燥工程で皮膜を形成し易いが、特性を阻害しない範囲であれば使用する事ができる。
本発明のワイパー用不織布の目付けは、10〜150g/m2の範囲が好ましい。10g/m2より軽いと、強度、吸液性が十分でなくなる事がある。一方、150g/m2を超えると、風合いが硬くなり、適度な柔軟性に劣る事がある。
本発明のワイパー用不織布は、本発明の範囲を阻害しない範囲であれば、その層構成に特に限定はない。すなわち、単層構造からなる不織布であっても良いし、2層、3層といった多層構造であっても良い。2層構造とした場合、各層の繊維配合を変える事により、拭き取り性、吸液性に優れた拭き取り層と強度、コシに優れた支持体層とに機能を分ける事が可能となり、より効果的なワイパー用不織布を得る事ができる。この場合、拭き取り層を構成している不織布に対して、フィブリル化したリヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が2〜70質量%である事が好ましく、更に好ましくは10〜60質量%である。リヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が2質量%未満では、フィブリル化したリヨセル繊維が不織布表面に均一に分布できない事から拭き取り性能を高める事ができない事があり、一方、70質量%を超えると、強度と油性汚れに対する拭き取り性能が低下する傾向がある。また、支持体層を構成している不織布に対して、有機繊維(C)が30〜100質量%である事が好ましく、更に好ましくは、50〜100質量%である。有機繊維(C)の含有量が30質量%未満では、十分な強度、コシが得られない事がある。
同様に、3層構造とした場合、2層の拭き取り層の中間に支持体層を設ける事で、不織布両面が拭き取り性、吸液性に優れ、かつ、十分な強度、コシを有する、より効果的なワイパー用不織布を得る事ができる。この場合、拭き取り層を構成している不織布に対して、フィブリル化したリヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が2〜70質量%である事が好ましく、更に好ましくは10〜60質量%である。リヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が2質量%未満では、フィブリル化したリヨセル繊維が不織布表面に均一に分布できない事から拭き取り性能を高める事ができない事があり、一方、70質量%を超えると、強度と油性汚れに対する拭き取り性能が低下する事がある。また、支持体層を構成している不織布に対して、有機繊維(C)が30〜100質量%である事が好ましく、更に好ましくは、50〜100質量%である。有機繊維(C)の含有量が30質量%未満では、十分な強度、コシが得られない事がある。
次に、本発明のワイパー用不織布の製造法について説明を行う。本発明の不織布は、リヨセル繊維をフィブリル化する工程、ウェブを製造する工程、繊維を3次元絡合する工程、水分を除去(乾燥)する工程により製造される。ウェブを製造した後、高圧柱状水流により繊維を3次元的に絡合させる事で、繊維同士の絡み合いによって、不織布に強度を発現させる事ができる。そのため、熱融着性バインダー繊維を使用しなくとも、あるいは、少量使用するだけで、不織布に十分な強度を与える事ができるので、適度に柔軟な風合いのワイパー用不織布を得る事ができる。
前述した様に、リヨセル繊維をフィブリル化する工程は、リヨセル繊維を水中に均一に懸濁し、ビーター、PFIミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、また、ボールミル、ダイノミル等の叩解、分散設備で適当な叩解条件の下、フィブリル化を行う。
ウェブを製造する工程は従来公知の方法が用いられるが、本発明のワイパー用不織布の製造方法としては、湿式抄造法により湿式抄造ウェブを形成する方法が最適である。リヨセル繊維をフィブリル化するためには、繊維を水中に懸濁した状態で、ビーター、PFIミルなどの設備で叩解、分散処理を行う事から、湿式抄造法の場合、水中に懸濁、分散したフィブリル化リヨセル繊維をそのままの状態で使用できるからである。フィブリル化したリヨセル繊維(A)、(B)の方と有機繊維(C)を水中に投入し、パルパー等の回転式の装置で混合し、分散を行い、濃度0.1〜3.0%程度の繊維懸濁液を調製する。次いで、懸濁液を用い、長網、短網、円網等のワイヤーを少なくとも一つ有する抄紙機で抄造し、ウェブを得る。
次に、このようにして得られたウェブを、多孔質支持体上に載せ、高圧柱状水流を噴射し、繊維を絡合させ絡合ウェブを得る。多孔質支持体とはワイヤーあるいはパンチングプレート等が好ましく、ワイヤーを例にとると60〜150メッシュ相当のものが好ましい。高圧水流を噴射するノズルの径は10〜500μmの範囲が好ましく、ノズルの間隔は10〜1500μmが好ましい。これらのノズルは搬送されるウェブの、幅方向に亘り、少なくとも1回以上くまなく水流で加工できる範囲が必要である。絡合に用いる水圧は、0.5×106〜20×106Paの範囲で用いる事が好ましい。更に好ましくは4×106〜15×106Paである。0.5×106Paより小さいと、絡合が不十分で、十分な強度が発現しない事がある。20×106Paより大きいと、フィブリル化リヨセル繊維が飛散したり、絡合が余りに強くなりすぎて、適度に柔軟な風合いが損なわれる事がある。加工速度は3〜100m/分の範囲が好ましい。
ところで、前記した多孔質支持体上にて高圧柱状水流で絡合処理を行う際に、多孔質支持体とは別の開孔形成用支持体上で、単層又は多層からなる繊維ウェブを載置し、高圧柱状水流を噴射する事によって、繊維層を絡合させると共に、開孔部及び開孔パターンを形成させる事が出来る。開孔部及び開孔パターンを有するワイパー用不織布を用いた場合、開孔部と非開孔部の境界部による掻き取り効果及び開孔部による汚れの取り込み効果により、拭き取り性が更に向上すると共に、保液性、吸水性に優れたワイパー用不織布を得る事が出来る。
本発明におけるワイパー用不織布の開孔部及び開孔パターンの形状は特に限定されず円状、楕円状、格子状、菱形状等いずれであっても良く、汎用されている開孔形成用支持体より任意に選定する事が出来る。開孔の配列についても特に限定されず、格子状、千鳥状等で配列していればいずれであっても良いが、規則的に配列している方がより好ましい。規則的に配列していないと、柔軟性・拭き取り性・通気性にばらつきが生じ、安定した品質のワイパー用不織布を得る事が困難となる事がある。
本発明において、単位面積あたりの開孔部の総面積を単位面積で除することによって得られるワイパー用不織布の開孔面積率は、特に限定されないが3〜50%である事が好ましい。より好ましくは10〜45%である。3%より少ないと開孔部による汚れの取り込み効果が十分に発現されない事があり、50%より大きいと非開孔部の占める割合が少なくなり、不織布自体の強度を維持出来ないばかりでなく、十分な吸水性を維持出来ない事がある。
また、開孔一つあたりの面積は、特に限定されないが0.1〜8.0mm2が好ましい。より好ましくは0.5〜4.5mm2である。0.1mm2より小さいと開孔部による汚れの取り込み効果が十分に発現されない事が有り、8.0mm2より大きいと拭き取った汚れが裏抜けするばかりでなく、非開孔部の占める割合が少なくなり、不織布自体の強度を維持出来ない事がある。
開孔部及び開孔パターンを形成するための手法としては、前記の高圧柱状水流による手法や、突起物により突き刺す手法、真空吸引による手法等のいずれであっても良いが、得られる不織布の柔軟性を考慮した場合に、高圧柱状水流による手法が最も好ましい。開孔形成用支持体上で繊維ウェブに高圧水柱流を施す事により、開孔形成用支持体の縦糸と横糸の交差点部では高圧柱状水流が通過する事が出来ないので、この交差点部上のフィブリル化したリヨセル繊維(A)と(B)及び有機繊維(C)は下方へ押し流され、そこに開孔部が形成され、開孔部が連続する事により開孔パターンとなる。
開孔形成用支持体としては、プラスチック又は金属線を織成して形成したパターンネットあるいはコンベアーベルト等を用いる事が出来る。また、前記パターンネットを巻いた水透過性のドラム等いずれを用いても良いが、取り扱いのし易さ及びコスト面を考慮するとパターンネットが好ましい。パターンネットを例にとると、平織り、綾織り、すだれ織り等各種の織り構造のネットを用いる事ができ、開孔部形状、開孔パターン、開孔面積、開孔面積率は、開孔形成用支持体の形態により決定される。
高圧柱状水流の噴射は、予め多孔質支持体上で予備的に絡合させた後、開孔形成用支持体上で高圧柱状水流を噴射して開孔処理を実施しても良い。予備的に絡合させた方が繊維同士の絡合がより強固となる。多孔質支持体上での予備絡合に必要な高圧柱状水流の噴射圧は、0.5×106Pa〜15×106Paの範囲で用いる事が好ましい。より好ましくは、4×106Pa〜11×106Paである。0.5×106Paより小さいと、絡合が不十分で、十分な強度の発現が困難となる事があり、15×106Paより大きいと、絡合が余りに強くなりすぎて、開孔形成用支持体上での開孔処理時に、開孔部及び開孔パターンが形成されにくくなるばかりでなく、柔軟な風合いが損なわれる事がある。
開孔部及び開孔パターンの形成は、開孔形成用支持体上で高圧柱状水流により施される。開孔形成用支持体上での開孔処理に必要な高圧柱状水流の噴射圧は、6×106Pa〜20×106Paの範囲で用いる事が好ましい。より好ましくは、10×106Pa〜16×106Paである。6×106Paより小さいと、十分な開孔を得るのが困難となる事があり、20×106Paより大きいと、繊維が飛散し、表面性が悪くなるばかりでなく、非開孔部においても損傷を受け、十分な強度を得られない事がある。予備的に絡合させた場合は、繊維ウェブを反転して開孔処理を行う事が好ましい。
本発明において用いるワイパー用不織布には、熱エンボスロールで形成されるような、点熱融着部を有しないため、1つの開孔面積が非常に小さい開孔形成用支持体を用いても、鮮明な開孔部及び開孔パターンを得る事が出来る。開孔面積の小さい開孔形成用支持体を用いる事によって、地合の乱れの無い均一な開孔部及び開孔パターンを持ったワイパー用不織布を得る事が出来る。
このようにして得られた絡合ウェブは、余分な水分を吸引あるいはウェットプレスなどの方法で取り除いた後、乾燥させる。乾燥させる装置としては、シリンダードライヤー、エアドライヤー、エアスルードライヤー、サクションドライヤー等が好ましく、水が実質上完全に除去される温度で使用する事ができる。
本発明におけるワイパー用不織布は、一般工場用ワイパー、クリーンルーム用ワイパー、印刷用ブランケットワイパーと言った産業用分野、おしぼり、ハンドタオルと言った業務用分野、対人ワイパー、対物用ワイパー、眼鏡拭き、自動車洗車用ワイパー、ダストワイパーと言った家庭用分野といった様々な分野で用いる事ができる。また、商品としてドライの状態であっても良いし、ウェットの状態であっても良い。
例えば、ウェットタイプで用いる場合、通常のウェットワイパーに用いられる添加剤、すなわち、界面活性剤、殺菌剤や乾燥速度の向上剤としてのエタノールやイソプロピルアルコール、保湿剤としてのグリセリン、プロピレングリコールやポリエチレングリコール、また香料やその他の防腐効果のある抗菌剤、除菌剤、色素、酸化防止剤が適量添加されていても良い。ウェットタイプワイパーの形態は内部が密封可能に形成された容器に収納されて、この容器からウェットタイプワイパー用の不織布を1枚ずつ引き出し可能な包装体の形態であれば、特に限定されない。例えば、ロール状に巻かれたウェットワイパー用の不織布を収納した筒状のプラスチック容器や1枚ずつ折り重ねた状態で収納したピロー包装体や紙容器でも良く、これらが複合された形態でも良い。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を示す。実施例及び比較例に記載した物性の測定方法を以下に示した。
(1)拭き取り性(液体):ガラス板上にオリーブオイル(油性汚れ)をパスツールピペットで1滴量滴下し、100mm×100mm角の試験片で1回拭き取った後に、ガラス板上のオイルの残存程度を目視観察し、評価した。拭き取り性の評価基準としては、以下の通りである。
◎:オイルが全く残らず良好。
○:オイルが殆ど残らず良好。
△:オイルが僅かに残るものの、効果は認められる。
×:オイルが殆ど残り、実用上問題がある。
(2)拭き取り性(固体):ガラス板状にベビーパウダー(粉体汚れ)を耳かきで軽く1杯滴下し、100mm×100mm角の試験片で1回拭き取った後に、ガラス板上の粉体の残存程度を目視観察し、評価した。拭き取り性の評価基準としては、以下の通りである。
◎:粉体が全く残らず良好。
○:粉体が殆ど残らず良好。
△:粉体が僅かに残るものの、効果は認められる。
×:粉体が殆ど残り、実用上問題がある。
(3)吸水速度(単位:秒):本実施例中に記載されるワイパー用不織布の吸液性の指標として吸水速度を求めた。吸水速度は、純水を滴下して試験片が水滴を吸収するにつれて鏡面反射が消え、湿潤だけが残った状態の時間を目視観察するもので、単位は秒である。試験方法は、以下の通りである。200×200mmの試験片を用意する。JIS L1907に規定する試験片保持枠に試験片を取り付ける。試験片の表面からビュレットの先端までが10mmの高さになるように調整し、ビュレットから純水を1滴滴下させ、水滴が試験片の表面に達した時からその水滴が特別な反射をしなくなるまでの時間をストップウォッチで測定する。この操作を試験片5枚について行い、その平均した値を吸水速度とした。
(4)保液性(単位:%):本実施例中に記載されるワイパー用不織布の吸液性の指標として保液性を求めた。保液性は、純水をワイパー用不織布に浸漬し、保持率(%)として測定した。まず、100mm×100mmの大きさの試験片について、質量W1(g)を測定する。次に、純水中に試験片を広げて浸漬し、10分間放置したのち液体中から取り出し、直ちに濾紙(アドバンテックNo.26)で挟み、軽く押さえて表面の液体を吸い取り、その試験片の質量W2(g)を測定した。質量W2から質量W1を引いた差をW1で除して、百分率を求め保持率(%)を算出した。
(5)風合い:ドライ状態及びウェット状態におけるワイパー用不織布を手で握り、その時の触感を判断した。評価はモニター10名によって行い、各人がそれぞれ判断した評価の最多数を評価結果とした。風合いの評価基準としては、以下の通りである。
○:柔軟であるが、程良くコシがあり、拭き易くて良好。
△:普通
×:硬い、もしくは柔らかすぎて拭きにくく、実用上問題がある。
(6)破断強度(単位:N/50mm):JIS L 1096記載の方法に準拠して、縦方向の破断強度を測定した。ただし、試料は幅50mm、長さ200mmとして、つかみ間隔100mmでそれぞれ5本測定し、平均値であらわした。単位は、N/50mmである。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をダブルディスクリファイナーを用いて15回繰り返し処理し、幹部から離脱した平均繊維径0.9μmのフィブリル化リヨセル繊維(A)を調製した。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をシングルディスクリファイナーを用いて40回繰り返し処理し、平均繊維径3.0μmの幹部から平均繊維径1.0μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維(B)を調製した。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をPFIミルを用いて4万回転処理し、幹部から離脱した繊維径1.0μm以下のフィブリル化リヨセル繊維(A)と、平均繊維径4.0μmの幹部から平均繊維径1.0μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)を調製した。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をPFIミルを用いて4000回転処理し、幹部から離脱した平均繊維径2.0μmのフィブリル化リヨセル繊維(D)を調製した。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をPFIミルを用いて2000回転処理し、平均繊維径5.0μmの幹部から平均繊維径2.5μmの枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維(E)を調製した。
参考実施例1)
フィブリル化リヨセル繊維(A)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ30/70とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを用いて乾燥質量30g/mのウェブを傾斜短網抄紙機で抄造した。次に、この抄造ウェブを76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(9×10Pa)、加工速度25m/分で絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、120℃で乾燥を行い、参考実施例1のワイパー用不織布を作製した。
参考実施例2)
フィブリル化リヨセル繊維(B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ30/70とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、参考実施例2のワイパー用不織布を得た。
(実施例3)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ30/70とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例3のワイパー用不織布を得た。
参考実施例4)
フィブリル化リヨセル繊維(A)、フィブリル化リヨセル繊維(E)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ30/20/50とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、参考実施例4のワイパー用不織布を得た。
(実施例5)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)、帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.3デシテックス×5mm:繊維径 約5.5μm)をそれぞれ30/40/30とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例5のワイパー用不織布を得た。
(実施例6)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)、帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTT04N 3.3デシテックス×10mm:繊維径 約18.0μm)をそれぞれ30/40/30とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例6のワイパー用不織布を得た。
(実施例7)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)、ユニチカファイバー社製PET繊維(メルティ4080 1.1デシテックス×3mm、芯鞘複合熱融着繊維:繊維径 約10.0μm)をそれぞれ30/50/20とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例7のワイパー用不織布を得た。
(実施例8)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、フィブリル化リヨセル繊維(E)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)、をそれぞれ30/30/40とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例8のワイパー用不織布を得た。
(比較例1)
フィブリル化リヨセル繊維(A)のみを配合した以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例1のワイパー用不織布を得た。
(比較例2)
フィブリル化リヨセル繊維(B)のみを配合した以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例2のワイパー用不織布を得た。
(比較例3)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)のみを配合した以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例3のワイパー用不織布を得た。
(比較例4)
有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)のみを配合した以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例4のワイパー用不織布を得た。
(比較例5)
フィブリル化リヨセル繊維(A)の替わりに、フィブリル化リヨセル繊維(D)を配合した以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例5のワイパー用不織布を得た。
(比較例6)
フィブリル化リヨセル繊維(A)の替わりに、フィブリル化リヨセル繊維(E)を配合した以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例6のワイパー用不織布を得た。
(比較例7)
フィブリル化リヨセル繊維(A)の替わりに、フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)を叩解処理しないでそのままの状態で配合した以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例7のワイパー用不織布を得た。
(比較例8)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)としてダイワボウレーヨン社製レーヨン繊維(SBタイプ 11.0デシテックス×10mm:繊維径 約31.0μm)をそれぞれ50/50とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例8のワイパー用不織布を得た。
上記の参考実施例1、2、4、実施例3、5〜8、比較例1〜8で得られたワイパー用不織布について、上述した評価試験により評価し、その結果を表1に示す。
Figure 0004976675
上記表1より、参考実施例1、2、4、実施例3、5〜8に示す通り、本発明のワイパー用不織布は、油汚れや微粒子の拭き取り性、吸液性に優れるだけではなく、拭き取りに適した適度に柔軟な風合いと強度を用い合わせている事が判る。一方、比較例1〜8に示したように、不織布を構成する繊維の種類や配合が本発明の範囲外の場合、本発明のワイパー用不織布に比べて、拭き取り性、吸液性、風合い、強度の何れかが大きく劣る事が判る。
(実施例9)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ2/98とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例9のワイパー用不織布を得た。
(実施例10)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ10/90とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例10のワイパー用不織布を得た。
(実施例11)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ60/40とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例11のワイパー用不織布を得た。
(実施例12)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ70/30とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例12のワイパー用不織布を得た。
(実施例13)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ90/10とする配合とした以外は、参考実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例13のワイパー用不織布を得た。

(実施例14)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ30/70とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ10/90とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した。拭き取り層、支持体層の乾燥質量が15g/m2の各ウェブを連続して設置されている2台の傾斜短網抄紙機で抄造し、拭き取り層と支持体層との2層が抄き合わされた乾燥質量30g/m2のウェブを抄造した。次に、この抄造ウェブを、76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(9×106Pa)、加工速度25m/分で、絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、120℃で乾燥を行い、実施例14の2層構造のワイパー用不織布を作製した。
(実施例15)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ75/25とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ10/90とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した以外は実施例14と同じ方法で加工を行い、実施例15の2層構造のワイパー用不織布を得た。
(実施例16)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ1/99とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ10/90とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した以外は実施例14と同じ方法で加工を行い、実施例16の2層構造のワイパー用不織布を得た。
(実施例17)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ30/70とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ75/25とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した以外は実施例14と同じ方法で加工を行い、実施例17の2層構造のワイパー用不織布を得た。
(実施例18)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ30/70とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ10/90とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した。拭き取り層、支持体層、拭き取り層の乾燥質量が10g/m2の各ウェブを、連続して設置されている3台の傾斜短網抄紙機で抄造し、2層の拭き取り層の中間に支持体層が構成される3層が抄き合わされた乾燥質量30g/m2のウェブを抄造した。次に、この抄造ウェブを、76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(9×106Pa)、加工速度25m/分で、絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、130℃で乾燥を行い、実施例18の3層構造のワイパー用不織布を作製した。
(実施例19)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ75/25とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ10/90とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した以外は実施例18と同じ方法で加工を行い、実施例19の3層構造のワイパー用不織布を得た。
(実施例20)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ1/99とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ10/90とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した以外は実施例18と同じ方法で加工を行い、実施例20の3層構造のワイパー用不織布を得た。
(実施例21)
フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ30/70とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。フィブリル化リヨセル繊維(A)とフィブリル化リヨセル繊維(B)の混合繊維(A+B)、有機繊維(C)として帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.1デシテックス×3mm:繊維径 約3.2μm)をそれぞれ75/25とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した以外は実施例18と同じ方法で加工を行い、実施例21の3層構造のワイパー用不織布を得た。
上記の実施例9〜21で得られたワイパー用不織布について、上述した評価試験により評価し、その結果を表2に示す。
Figure 0004976675
上記表2より、実施例9〜21に示す通り、本発明のワイパー用不織布の場合、拭き取り性、吸液性、風合い、強度において良好なワイパー用不織布が得られる事が判る。また、実施例3、14、18の比較より、特に、2層構造、もしくは3層構造とした場合、優れた拭き取り性と強度を持ったワイパー用不織布を得る事ができる事が判る。
(実施例22)
繊維配合条件、スラリー調整条件、繊維ウェブ抄造条件においては、実施例3と同様とし得られた繊維ウェブを、多孔質支持体(76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー)上に積載し、高圧柱状水流にて圧力10×106Paにて予備絡合した後、更に繊維ウェブを反転し、開孔形成用支持体上にて圧力16×106Paにて水流噴射して加工速度25m/分にて開孔絡合処理を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、130℃で乾燥を行い、開孔面積率25%、開孔面積1.6mm2の貫通した多数の開孔からなる開孔パターンAが形成された実施例22のワイパー用不織布を作製した。
(実施例23)
開孔形成用支持体を変更した以外は、実施例22と同条件とし、開孔面積率1%、開孔面積1.6mm2の貫通した多数の開孔からなる開孔パターンBが形成された実施例23のワイパー用不織布を作製した。
(実施例24)
開孔形成用支持体を変更した以外は、実施例22と同条件とし、開孔面積率53%、開孔面積1.6mm2の貫通した多数の開孔からなる開孔パターンCが形成された実施例24のワイパー用不織布を作製した。
(実施例25)
繊維配合条件、スラリー調整条件、繊維ウェブ抄造条件においては、実施例14と同様とし得られた繊維ウェブを、多孔質支持体(76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー)上に支持体層側をノズル側になる様に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力10×106Paにて予備絡した後、更にウェブを反転し、拭き取り層側をノズル側になる様に積載し、開孔形成用支持体上にて圧力16×106Paにて水流噴射して、加工速度25m/分にて開孔絡合処理を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、130℃で乾燥を行い、開孔面積率25%、開孔面積1.6mm2の拭き取り層から支持体層にかけて貫通した多数の開孔からなる開孔パターンAが形成された実施例25の2層構造のワイパー用不織布を作製した。
(実施例26)
開孔形成用支持体を変更した以外は、実施例25と同条件とし、開孔面積率1%、開孔面積1.6mm2の拭き取り層から支持体層にかけて貫通した多数の開孔からなる開孔パターンBが形成された実施例26の2層構造のワイパー用不織布を作製した。
(実施例27)
開孔形成用支持体を変更した以外は、実施例25と同条件とし、開孔面積率53%、開孔面積1.6mm2の拭き取り層から支持体層にかけて貫通した多数の開孔からなる開孔パターンCが形成された実施例27の2層構造のワイパー用不織布を作製した。
(実施例28)
繊維配合条件、スラリー調整条件、繊維ウェブ抄造条件においては、実施例18と同様とし得られた繊維ウェブを、多孔質支持体(76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー)上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力10×106Paにて予備絡合した後、更にウェブを反転し、開孔形成用支持体上にて圧力16×106Paにて水流噴射して、加工速度25m/分にて開孔絡合処理を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、130℃で乾燥を行い、開孔面積率25%、開孔面積1.6mm2の貫通した多数の開孔からなる開孔パターンAが形成された実施例28の3層構造のワイパー用不織布を作製した。
(実施例29)
開孔形成用支持体を変更した以外は、実施例28と同条件とし、開孔面積率1%、開孔面積1.6mm2の貫通した多数の開孔からなる開孔パターンBが形成された実施例29の3層構造のワイパー用不織布を作製した。
(実施例30)
開孔形成用支持体を変更した以外は、実施例28と同条件とし、開孔面積率53%、開孔面積1.6mm2の貫通した多数の開孔からなる開孔パターンCが形成された実施例30の3層構造のワイパー用不織布を作製した。
上記の実施例22〜30で得られたワイパー用開孔不織布について、上述した評価試験により評価し、その結果を表3に示す。
Figure 0004976675
上記表3より、実施例22〜30に示す通り、本発明のワイパー用不織布の場合、拭き取り性、吸液性、風合い、強度において良好なワイパー用不織布が得られる事が判る。また、実施例3、14、18と実施例22、25、28との比較より、開孔部及び開孔パターンを施した場合、開孔部と非開孔部の境界部による掻き取り効果及び開孔部による汚れの取り込み効果により、拭き取り性が更に向上すると共に、保液性、吸水性に優れたワイパー用不織布を得られる事が判る。
本発明のワイパー用不織布は、拭き取り性、吸液性、適度に柔軟な風合い、強度に優れており、一般工場用ワイパー、クリーンルーム用ワイパー、印刷用ブランケットワイパーと言った産業用分野、おしぼり、ハンドタオルと言った業務用分野、対人ワイパー、対物用ワイパー、眼鏡拭き、自動車洗車用ワイパー、ダストワイパーと言った家庭用分野といった各種の用途に用いる事ができる。

Claims (7)

  1. 剪断力を加えて、幹部から離脱した繊維径1.0μm以下にフィブリル化したリヨセル繊維(A)、剪断力を加えて、繊維径2.0μm以上の幹部から繊維径1.0μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維(B)の方と繊維径1.0〜30.0μmの1種以上の有機繊維(C)を含有し、単層又は多層からなるこれらの各繊維同士が、高圧柱状水流により3次元的に絡合された事を特徴とするワイパー用不織布。
  2. リヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が、不織布に対して2〜70質量%であり、有機繊維(C)の含有量が、不織布に対して30〜98質量%であり、(A)と(B)と(C)の総含有量が、80〜100質量%である事を特徴とする請求項1に記載のワイパー用不織布。
  3. 有機繊維の一部又は全てが熱融着性バインダー繊維である事を特徴とする請求項1又は2に記載のワイパー用不織布。
  4. 拭き取り層と支持体層とからなる2層構造不織布であって、拭き取り層構成不織布に対してフィブリル化リヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が2〜70質量%であり、支持体層構成不織布に対して有機繊維(C)が30〜100質量%である事を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のワイパー用不織布。
  5. 2層の拭き取り層とその中間の支持体層とからなる3層構造不織布であって、拭き取り層構成不織布に対してフィブリル化リヨセル繊維(A)と(B)の総含有量が2〜70質量%であり、支持体層構成不織布に対して有機繊維(C)が30〜100質量%である事を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のワイパー用不織布。
  6. 高圧柱状水流により、不織布を形成する繊維同士が三次元的に絡合一体化されると共に、該不織布に開孔部及び開孔パターンが形成されている事を特徴とする、請求項1から5の何れか1項記載のワイパー用不織布。
  7. 該不織布の開孔面積率が3〜50%である事を特徴とする請求項6に記載のワイパー用不織布。
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