JP4999299B2 - ワイパー用不織布 - Google Patents
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Description
本発明で言うフィブリル化とは、繊維内部のフィブリル(小繊維)が、摩擦や衝撃作用等により、表面に現れて、より細い超極細繊維を形成すると同時に、それらの超極細繊維が毛羽立ちささくれて、繊維状ネットワーク構造を生じる現象を言う。細かい微細塵埃や油膜を除去するために、ワイパー用不織布には極細繊維を使用した方が有利であり、物理的な衝撃により細分化する割繊性繊維や分割繊維が用いられるケースがあるが、本発明のフィブリル化した繊維を用いる場合、ワイパー用不織布表面に、適切な空隙を有した超極細繊維の繊維状ネットワーク構造を形成する事ができるので、これにより、極めて優れた拭き取り性能とダスト補足能を発揮する事ができる。
(1)拭き取り性(液体):ガラス板上にオリーブオイル(油性汚れ)をパスツールピペットで1滴量滴下し、100mm×100mm角の試験片でで1回拭き取った後に、ガラス板上のオイルの残存程度を目視観察し、評価した。拭き取り性の評価基準としては、以下の通りである。
◎:オイルが全く残らず良好。
○:オイルが殆ど残らず良好。
△:オイルが僅かに残るものの、効果は認められる。
×:オイルが殆ど残り、実用上問題がある。
(2)拭き取り性(固体):ガラス板状にベビーパウダー(粉体汚れ)を耳かきで軽く1杯滴下し、100mm×100mm角の試験片でで1回拭き取った後に、ガラス板上の粉体の残存程度を目視観察し、評価した。拭き取り性の評価基準としては、以下の通りである。
◎:粉体が全く残らず良好。
○:粉体が殆ど残らず良好。
△:粉体が僅かに残るものの、効果は認められる。
×:粉体が殆ど残り、実用上問題がある。
(3)吸水速度(単位:秒):本実施例中に記載されるワイパー用不織布の吸液性の指標として吸水速度を求めた。吸水速度は、水を滴下して試験片が水滴を吸収するにつれて鏡面反射が消え、湿潤だけが残った状態の時間を目視観察するもので、単位は秒である。試験方法は、以下の通りである。200×200mmの試験片を用意する。JIS L1907に規定する試験片保持枠に試験片を取り付ける。試験片の表面からビュレットの先端までが10mmの高さになるように調整し、ビュレットから水を1滴滴下させ、水滴が試験片の表面に達した時からその水滴が特別な反射をしなくなるまでの時間をストップウォッチで測定する。この操作を試験片5枚について行い、その平均した値を吸水速度とした。(4)保液性(単位:%):本実施例中に記載されるワイパー用不織布の吸液性の指標として保液性を求めた。保液性は、同量の灯油と水を混合した液体をワイパー用不織布に浸漬し、保持率(%)として測定した。まず、100mm×100mmの大きさの試験片について、質量W1(g)を測定する。次に、灯油と水の混合液中に試験片を広げて浸漬し、10分間放置したのち液体中から取り出し、直ちに濾紙(アドバンテックNo.26)で挟み、軽く押さえて表面の液体を吸い取り、その試験片の質量W2(g)を測定した。質量W2から質量W1を引いた差をW1で除して、百分率を求め保持率(%)を算出した。
(5)風合い:ドライ状態及びウェット状態におけるワイパー用不織布を手で握り、その時の触感を判断した。評価はモニター10名によって行い、各人がそれぞれ判断した評価の最多数を評価結果とした。風合いの評価基準としては、以下の通りである。
○:柔軟であるが、程良くコシがあり、拭き易くて良好。
△:普通。
×:硬い、もしくは柔らかすぎて拭きにくく、実用上問題がある。
(6)破断強度(単位:N/50mm):JIS L 1096記載の方法に準拠して、縦方向の破断強度を測定した。ただし、試料は幅50mm、長さ200mmとして、つかみ間隔100mmでそれぞれ5本測定し、平均値であらわした。単位は、N/50mmである。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ50/50とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを用いて乾燥質量30g/m2のウェブを傾斜短網抄紙機で抄造した。次に、この抄造ウェブを76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(8×106Pa)、加工速度20m/分で絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、70℃で乾燥を行い、参考例1のワイパー用不織布を作製した。なお、参考例で使用したフィブリル化したアクリル繊維(A1)であるボンネルM.V.P C300はアクリロニトリルポリマーとメタクリル酸メチルポリマーとをブレンドしており、両者が相分離状態にあるアクリル繊維であり、メタクリル酸メチルポリマーのガラス転移点は約70℃で、明確な軟化点はないが、140℃付近で熱変形するものであった。参考例1の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ50/50とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例2のワイパー用不織布を得た。参考例2の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ50/50とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例3のワイパー用不織布を得た。参考例3の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)、フィブリル化したアクリル繊維(E)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ30/20/50とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例4のワイパー用不織布を得た。参考例4の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μmにフィブリル化したアクリル繊維と繊維径5μmの幹部から繊維径2.5μmの枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)、帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTM04PN 0.3デシテックス×5mm:繊維径 約5.5μm)をそれぞれ50/30/20とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例5のワイパー用不織布を得た。参考例5の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)、帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTT04N 3.3デシテックス×10mm:繊維径 約18μm)をそれぞれ50/30/20とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例6のワイパー用不織布を得た。参考例6の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)、帝人ファイバー社製PET繊維(テピルスTJ04CN 1.7デシテックス×5mm、芯鞘複合熱融着繊維:繊維径 約13μm)をそれぞれ50/40/10とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例7のワイパー用不織布を得た。参考例7の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A2)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ50/50とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、実施例1のワイパー用不織布を得た。なお、本実施例で使用したフィブリル化したアクリル繊維(A2)であるA.H.Fはアクリロニトリルポリマーとセルロースアセテートポリマーとをブレンドしたアクリル繊維であり、セルロースアセテートポリマーのガラス転移点は160〜180℃で、融点も200℃以上と高く、熱に対しては安定なものであった。実施例1の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、セルロースアセテートポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下にフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(B2)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ50/50とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、実施例2のワイパー用不織布を得た。実施例2の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、セルロースアセテートポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A2)とフィブリル化したアクリル繊維(B2)の混合繊維(A2+B2)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ50/50とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、実施例3のワイパー用不織布を得た。実施例3の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、セルロースアセテートポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下にフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)のみを配合した以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、比較例1のワイパー用不織布を得た。比較例1の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下にフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(B1)のみを配合した以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、比較例2のワイパー用不織布を得た。比較例2の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)のみを配合した以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、比較例3のワイパー用不織布を得た。比較例3の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下にフィブリル化したアクリル繊維及び繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)のみを配合した以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、比較例4のワイパー用不織布を得た。比較例4の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、フィブリル化したアクリル繊維の存在は観察されなかった。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)の替わりに、フィブリル化したアクリル繊維(D)を配合した以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、比較例5のワイパー用不織布を得た。比較例5の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1.5〜2μmにフィブリル化したアクリル繊維の存在のみが観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)の替わりに、フィブリル化したアクリル繊維(E)を配合した以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、比較例6のワイパー用不織布を得た。比較例6の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、繊維径5μmの幹部から繊維径2〜2.5μmの枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在のみが観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)の替わりに、フィブリル化していない三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P C300、3デシテックス×3mm)を叩解処理しないでそのままの状態で配合した以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、比較例7のワイパー用不織布を得た。比較例7の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、繊維径16〜18μmの幹部から繊維径5〜7μmの枝部が発生したアクリル繊維の存在のみが観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)としてダイワボウレーヨン社製レーヨン繊維(SBタイプ 11デシテックス×10mm:繊維径 約31μm)をそれぞれ50/50とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、比較例8のワイパー用不織布を得た。比較例8の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下にフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)の替わりに、フィブリル化していない三菱レイヨン社製アクリル繊維(A.H.F、3デシテックス×6mm)を叩解処理しないでそのままの状態で配合した以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、比較例9のワイパー用不織布を得た。比較例9の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、繊維径15〜17μmの幹部から繊維径4〜7μmの枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在のみが観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ1/99とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例8のワイパー用不織布を得た。参考例8の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ2/98とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例9のワイパー用不織布を得た。参考例9の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ10/90とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例10のワイパー用不織布を得た。参考例10の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ90/10とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例11のワイパー用不織布を得た。参考例11の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ98/2とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例12のワイパー用不織布を得た。参考例12の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ99/1とする配合とした以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例13のワイパー用不織布を得た。参考例13の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ50/50とする配合とし、高圧柱状水流による3次元絡合後のエアドライヤーを用いた乾燥を120℃で行った以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例14のワイパー用不織布を作製した。また、エアドライヤーを用いた乾燥を150℃で行った以外は、参考例1と同じ方法で加工を行い、参考例15のワイパー用不織布を作製した。参考例14、15の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は、参考例14の不織布では僅かに、参考例15の不織布では、頻繁に観察された。また、参考例14、15共に、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ90/10とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。次に、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)を100とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した。拭き取り層、支持体層の乾燥質量が15g/m2の各ウェブを連続して設置されている2台の傾斜短網抄紙機で抄造し、拭き取り層と支持体層との2層が抄き合わされた乾燥質量30g/m2のウェブを抄造した。次に、この抄造ウェブを、76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(8×106Pa)、加工速度20m/分で、絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、70℃で乾燥を行い、参考例16の2層構造のワイパー用不織布を作製した。参考例16の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ1/99とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。次に、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)を100とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した。拭き取り層、支持体層の乾燥質量が15g/m2の各ウェブを連続して設置されている2台の傾斜短網抄紙機で抄造し、拭き取り層と支持体層との2層が抄き合わされた乾燥質量30g/m2のウェブを抄造した。次に、この抄造ウェブを、76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(8×106Pa)、加工速度20m/分で、絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、70℃で乾燥を行い、参考例17の2層構造のワイパー用不織布を作製した。参考例17の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ2/98とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。次に、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)を100とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した。拭き取り層、支持体層の乾燥質量が15g/m2の各ウェブを連続して設置されている2台の傾斜短網抄紙機で抄造し、拭き取り層と支持体層との2層が抄き合わされた乾燥質量30g/m2のウェブを抄造した。次に、この抄造ウェブを、76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(8×106Pa)、加工速度20m/分で、絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、70℃で乾燥を行い、参考例18の2層構造のワイパー用不織布を作製した。参考例18の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ90/10とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。次に、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)を100とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した。拭き取り層、支持体層、拭き取り層の乾燥質量が10g/m2の各ウェブを、連続して設置されている3台の傾斜短網抄紙機で抄造し、2層の拭き取り層の中間に支持体層が構成される3層が抄き合わされた乾燥質量30g/m2のウェブを抄造した。次に、この抄造ウェブを、76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(8×106Pa)、加工速度20m/分で、絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、70℃で乾燥を行い、参考例19の3層構造のワイパー用不織布を作製した。参考例19の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ1/99とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。次に、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)を100とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した。拭き取り層、支持体層、拭き取り層の乾燥質量が10g/m2の各ウェブを、連続して設置されている3台の傾斜短網抄紙機で抄造し、2層の拭き取り層の中間に支持体層が構成される3層が抄き合わされた乾燥質量30g/m2のウェブを抄造した。次に、この抄造ウェブを、76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(8×106Pa)、加工速度20m/分で、絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、70℃で乾燥を行い、参考例20の3層構造のワイパー用不織布を作製した。参考例20の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
フィブリル化したアクリル繊維(A1)とフィブリル化したアクリル繊維(B1)の混合繊維(A1+B1)、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)をそれぞれ2/98とする配合で、1%濃度の拭き取り層用スラリーを調製した。次に、有機繊維(C)として三菱レイヨン社製アクリル繊維(ボンネルM.V.P 0.1デシテックス×6mm:繊維径 約3.5μm)を100とする配合で、1%濃度の支持体層用スラリーを調製した。拭き取り層、支持体層、拭き取り層の乾燥質量が10g/m2の各ウェブを、連続して設置されている3台の傾斜短網抄紙機で抄造し、2層の拭き取り層の中間に支持体層が構成される3層が抄き合わされた乾燥質量30g/m2のウェブを抄造した。次に、この抄造ウェブを、76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(8×106Pa)、加工速度20m/分で、絡合を行った。更にウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、70℃で乾燥を行い、参考例21の3層構造のワイパー用不織布を作製した。参考例21の不織布表面を電子顕微鏡で観察した結果、メタクリル酸メチルポリマーの皮膜形成は観察されなかった。また、不織布表面には、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化したアクリル繊維と繊維径3μmの幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維の存在が観察された。
Claims (1)
- 予め剪断力を加えて、幹部から離脱した繊維径1μm以下にフィブリル化したアクリル繊維(A)、予め剪断力を加えて、繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化したアクリル繊維(B)の両方もしくはどちらか一方と繊維径1〜30μmの1種以上の有機繊維(C)とを含有する湿式抄造ウェブの各繊維同士が、高圧柱状水流により3次元的に絡合され、
フィブリル化したアクリル繊維(A)と(B)の総和が、不織布に対して2〜98質量%の範囲内で含有し、有機繊維(C)が、不織布に対して2〜98質量%の範囲内で含有し、(A)と(B)と(C)の総和が、80〜100質量%となり、
フィブリル化したアクリル繊維がアクリロニトリル系ポリマーと、少なくとも1種類以上の添加剤ポリマーとから構成された多成分のアクリル繊維であり、不織布製造後において、該添加剤ポリマーが不織布表面に皮膜を形成していない事を特徴とし、
フィブリル化したアクリル繊維を構成する添加剤ポリマーがセルロースアセテートである事を特徴とするワイパー用不織布。
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