JP4592948B2 - ワイパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成繊維を用いた繊維製ワイパーに関する。本発明のワイパーは、ガラス製品、プラスチック製品、木製品等の払拭清掃用、消毒清掃用に適したワイパーである。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維は、性質が均一であること、生産性に優れていること等の種々の利点を有している。しかし、合成繊維の種類によっては親水性に優れているが、耐薬品性に劣る、又は耐薬品性には優れてはいるが、親水性に乏しいといった問題があり、これらの繊維から構成されるワイパーの用途は限定され、このような欠点を補うべく多くの研究が行われている。
【0003】
耐薬品性には優れるものの、親水性に乏しいポリオレフィン系繊維を構成成分とするシートに親水性を付与する手法として、界面活性剤を付与する方法があるが、かかるシートをワイパーとして用いた場合、シートと水、洗浄液などの液体が接触することによって、界面活性剤が流出し、洗浄面を汚染する、親水性の効果が激減するといった問題がある。またポリオレフィンシートにプラズマ放電処理を施し、親水性を向上させる手法も提案されている(特開平8−311765号公報)。この手法による親水化処理方法では、処理直後には良好な親水化効果が得られるが、長時間の経過により親水性が徐々に低下するという問題を有している。
【0004】
ナイロン繊維からなるシートは親水性に優れているものの耐薬品性、特に耐酸性に劣り、酸性条件下での使用により著しくシートの強力が低下してしまうといった問題があった。ナイロン繊維の耐酸性を向上させるために、半芳香族ポリアミドまたは全芳香族ポリアミドからなるシートも提案されている。しかしながら、これらの含芳香族ポリアミドは一般的に親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性に優れているが、融点が高いがために該繊維のみからなるシートはそれ自身接着性が低く、破断強力に問題があり、また一般の熱接着可塑性バインダー繊維との接着性も低く、この場合も破断強度に問題がある。バインダー効果を得るために樹脂接着を行う方法もあるが、かかる方法により接着されたシートをワイパーとして使用した場合、接着樹脂が溶出してしまうといった問題がある。
また、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とからなるMXD−6繊維で構成されるワイパーは、高温での耐酸性に劣り、従来ナイロンの欠点を補うことはできない。
【0005】
またポリエステル繊維からなるシートは親水化処理を施していない状態では吸液性が低く、高温での耐アルカリ性が低いため、アルカリ性条件下での使用によりシートの強力が著しく低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来ナイロン並みの親水性、すなわちシートの吸液性を有しながら、ポリオレフィン繊維からなるシートが有する耐薬品性をも有した、ポリアミド繊維を主成分とするシートで形成されたワイパーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、芳香族ジカルボン酸を60モル%以上含むジカルボン酸成分と炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンを60モル%以上含むジアミン成分とから合成されるポリアミド(a)からなる繊維(A)を30%以上含むワイパーであって、同繊維(A)が、ポリアミド(a)とオレフィン系熱可塑性重合体からなる分割型複合繊維に由来する単繊維繊度0.0001〜2.0dtexのポリアミド繊維であることを特徴とするワイパーである。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のワイパーを構成するポリアミド(a)について説明する。
該ポリアミド(a)はジカルボン酸成分とジアミン成分とから合成されるものであって、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であり、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであることが重要である。
【0009】
芳香族ジカルボン酸としては、各種薬品を含侵させて使用するワイパーであり、耐アルカリ性、耐酸性が要求される点でテレフタル酸が好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を1種類以上併用して使用することもできる。かかる芳香族ジカルボン酸の含有量はジカルボン酸成分の60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましい。
上記芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としてはマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることができ、これらの酸は1種類のみならず2種類以上用いることができる。
なかでもシートの強度、耐薬品性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
さらにトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を繊維化・シート化が容易な範囲内で含有させることもできる。
【0010】
また、ジアミン成分の60モル%以上は炭素数が6〜12のアルキレンジアミンで構成され、かかる脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンなどを挙げることができる。
なかでも耐薬品性の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併用が好ましい。
この脂肪族アルキレンジアミンの含有量はジアミン成分の60モル%以上であるが、75モル%以上、特に90モル%以上であることが、ワイパーの優れた吸液性を発現させるために好ましい。
【0011】
上述の脂肪族アルキレンジアミン以外のジアミンとしてはエチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルジアミン、トリシクロデカンジメチルジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、これらは1種類のみならず2種類以上を用いることができる。
【0012】
脂肪族アルキレンジアミンとして1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとを併用する場合、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、そのモル比は前者:後者=30:70〜99:1、とくに前者:後者=40:60〜95:5であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に使用されるポリアミドはその分子鎖における〔CONH/CH2〕の比が1/2〜1/8、とくに1/3〜1/5であることが好ましい。この範囲のポリアミドを使用することにより耐薬品性、および保液性に優れたワイパーが得られるのである。
【0014】
上述のポリアミドの極限粘度(濃硫酸30℃で測定した値)は0.6〜2.0dl/gであることが好ましく、とくに0.6〜1.8dl/g、0.7〜1.6dl/gが好ましい。該極限粘度の範囲内のポリアミドは、繊維化および不織布化する際の溶融粘度特性が良好であり、さらに得られるワイピングクロスの強度、耐薬品性が優れたものとなる。
【0015】
さらに上述のポリアミドはその分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端の40%以上、さらには末端の70%以上が封止されていることが好ましい。分子鎖の末端を封止することにより、得られるワイパーの強度、耐薬品性等が優れたものとなる。
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であればとくに制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。取り扱いの容易さ、反応性、封止末端の安定性、価格の点でモノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などを挙げることができる。なお、末端の封止率は1H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めることができる。
【0016】
本発明に係わるポリアミドの製造方法は特に限定されず、結晶性ポリアミドを製造する方法として公知の任意の方法を用いることができる。たとえば、酸クロライドとジアミンとを原料とする溶液重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸またはジカルボン酸のアルキルエステルとジアミンとを原料とする溶融重合法、固相重合法などの方法により製造できる。
【0017】
一例を挙げると、末端封止剤、触媒、ジアミン成分およびジカルボン酸成分を一括して反応させ、ナイロン塩を製造した後、一旦280℃以下の温度において極限粘度が0.15〜0.30dl/gのプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機を用いて重合を行うことにより容易に製造することができる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合温度が200〜250℃の範囲であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制することができるので好ましい。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合、重合温度が370℃以下であるとポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の少ないポリアミドが得られるので好ましい。
【0018】
重合触媒としてはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらのアンモニウム塩、それらの金属塩、それらのエステル類を挙げることができ、なかでも次亜リン酸ナトリウムが入手のし易さ、取扱性の点で好ましい。
また、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを重縮合反応時、またはその後に添加することができる。特に熱安定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊維化の際の溶融滞留安定性が向上するので好ましい。
【0019】
本発明のポリアミド(a)を主体成分とする繊維(A)の製造は、公知の溶融紡糸装置を用いることができる。単独紡糸、複合紡糸のいずれの方法で繊維化しても構わないが、たとえば、複合紡糸であればポリアミド(a)と他の熱可塑性重合体とを夫々別の押出機で溶融混練し、引き続き同一の紡糸ノズルから吐出させればよい。この場合、あらかじめポリアミド(a)と複数のポリマーを混合しておいたものを複合成分の一つに用いてもよい。該ポリアミド繊維の繊度はワイパーの用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、より高い吸液性、拭き取り性を発揮するために表面積を大きくする必要があるため、2.0dtex以下であるのが好ましく、より好ましくは0.5dtex以下である。0.5dtex以下の極細ポリアミド(A)繊維を得る方法としては直紡方式、海島方式、分割方式が挙げられるが、いずれの手法で極細繊維を得てもよい。
分割型複合繊維の場合、3種以上の成分により構成されていてもかまわないが、紡糸性、分割性等の点からは2成分系繊維であるのが好ましい。
該ポリアミド(a)を1成分とする場合、繊維横断面においてポリアミド(a)が他の熱可塑性重合体により2以上、特に8〜200の領域に分割されている繊維が好ましい。また、ポリアミド(a)が繊維長さ方向に実質的に連続している繊維が好ましい。より具体的には、図1の(1)〜(6)に示すような多層状分割型、放射状分割型等の複合繊維が好適に使用できる。
また繊維長も特に限定されるものではないが、シートの形成方法よって適宜設定することができる。たとえば、湿式法によってシート化する場合は1〜30mmであることが好ましく、カード法やエアレイ法等の乾式法によってシート化する場合には10〜70mmであることが好ましい。
【0020】
剪断力等の機械的応力により複合型分割繊維を分割細化するため、他の熱可塑性重合体としては、特に限定されるものではないが、たとえばオレフィン系熱可塑性重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが好適に使用できる。特にオレフィン系熱可塑性重合体を用いた場合、ポリアミド(a)とオレフィン系熱可塑性重合体との相溶性が乏しいために、分割性に優れた繊維が得られる。この場合、湿式抄造時のパルパーやミキサーによる叩解力で実質的に完全に分割する繊維が得られる。このため分割細化のための高圧の水流絡合を行う必要がなく、水流絡合痕によるピンホールが生じない、また実質的に完全分割した繊維を抄造できるため、加圧などの抄造後の処理によって繊維が分割細化された湿式シートに比べて均一な地合のシートが得られるといった利点がある。またオレフィン系熱可塑性重合体を用いることにより、耐薬品性に優れたワイパーが得られる。
【0021】
本発明のワイパーは上述のポリアミド(a)を構成成分とする繊維を主体成分として形成したシートからなり、該シートは、優れた耐薬品性、保液性能を発揮するようにポリアミド(a)を30質量%以上/ワイパーが好ましく、とくに50質量%以上/ワイパーであることが好ましい。30質量%未満であると優れた吸液性、耐薬品性を同時に発現させることが困難である。さらに本発明においては特定のポリアミド(A)繊維を用いていることから、吸水性に優れたワイパーが得られる。より具体的には、本発明のワイパーの吸水率は、好ましくは、300%以上であり、より好ましくは400%以上である。
【0022】
また、本発明においては、ポリアミド繊維(A)以外に他の繊維を配合してワイパーを得てもかまわない。例えば、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド;エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、などのポリオレフィン系樹脂単独または2種類以上からなる複合形態の繊維;天然セルロース繊維をマーセル化したセルロース系繊維;マーセル化されたパルプなどを挙げることができる。また、公知の熱溶融性バインダー、特にバインダー繊維、糊剤等を使用することにより、シートの形態安定性を向上させることも可能である。これらの繊維の単繊維繊度は、拭き取り性、保液性、強力等の点から0.01〜3dtexであることが好ましく、耐薬品性等の点からはポリオレフィン系繊維が好ましい。繊維横断面は丸型、繭型、中空型,T型等特に限定されるものではない。
さらにワイパーの強力・形態安定性等を高めるために、バインダー、特にバインダー繊維をさらに配合してもよい。バインダー繊維を配合する場合には内部抵抗を必要以上に高めることなく上記の効果が得られる。ワイパーの強力、均質性、製造工程性等の点からはバインダー繊維の繊度は0.5〜6dtex程度であるのが好ましい。なお、バインダー繊維はシート化した後に繊維の形状を明確に保持している必要はなく、バインダー繊維を用いてシートを製造することにより上記の効果が得られる。
【0023】
バインダー繊維は単一ポリマー成分により構成されていてもよいが、接着効果を奏すると同時に十分な強力を保持できることから、2以上のポリマー成分により構成されているのが好ましく、例えば芯鞘型、サイドバイサイド型、層状分割型、放射状分割型等の複合繊維や海島繊維が好適に使用できる。繊維横断面は丸型、偏平型、繭型、中空型,T型等特に限定されるものではない。
中でも耐薬品性が高いこと、低融点であるなどの点から、ポリオレフィン系バインダー繊維であるのが好ましく、特にポリエチレン系重合体及び/又はポリプロピレン系重合体を少なくとも用いたバインダー繊維が好ましい。特にポリエチレン系樹脂を鞘成分、ポリプロピレン系樹脂を芯成分とする鞘芯型複合繊維がより好適に使用できる。バインダー繊維の配合量は1〜30重量%/ワイパー、特に3〜20重量%/ワイパーとするのがシート強力、地合等の点から好ましい。
【0024】
本発明においては、ワイパー用素材としてポリアミド(a)を主体成分とする繊維を用いることにより、親水性等の点で顕著な効果が得られる。ワイパーの製造に際しては、かかる繊維を用いてシート化すればよいが、生産性、吸液性、拭き取り性、機械的性能等の点からは布帛(織編物,不織布)、特に不織布であるのが好ましい。
【0025】
本発明に係わる不織布は任意の製造方法で得ることができる。まず繊維ウェッブ(不織布の絡合または結合前のもの)を形成して、繊維ウェッブ内の繊維を接着または絡合させることにより不織布化する一般的な手法で製造することができる。得られた不織布はそのまま使用しても良いし、複数枚の積層体として使用してもよい。
繊維ウェッブの形成方法としては、例えばカード法やエアレイ法等の乾式法、抄紙法などの湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法等があり、いずれの手法でウェッブを得ることができる。
【0026】
具体的に各方法を説明する。
乾式法によるウェッブの形成はローラーカード、ランダムカード、ウェッバー等を用いて繊維ウェッブを製造することができ、該ウェッブは繊維の方向性によりパラレルウェッブ、クロスウェッブ、クリスクロスウェッブ、セミランダムウェッブ、ランダムウェッブに種別されるが、繊維の配向方向が交差した形状のウェッブが、たて方向とよこ方向の布帛の強力差が小さくなるので好適である。
【0027】
このような繊維ウェッブから不織布を形成する方法としては、たとえば、繊維ウェッブを水流やニードル等の作用によって絡合させる方法、バインダーによって接着させる方法、縫糸でウェッブを縦網状に縫合する方法等があり、これらの方法は単独で、あるいは組み合わせることができる。
【0028】
湿式法による繊維ウェッブの形成は抄紙法が一般的であるが、かかる方法は生産性が高く、同一装置で繊維径の異なる繊維や複数の種類の繊維を任意の割合で混合できる利点がある。すなわち、繊維の形態もステープル状、パルプ状等と選択の幅が広く、使用繊維径も極細繊維から太い繊維まで使用可能といった極めて応用範囲が広く、地合の良好なウェッブが得られる。
該方法はまず、溶融紡糸して得られた繊維をカットして水中に分散して緩やかに攪拌のもと均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを丸網、長網、傾斜式などのワイヤーの少なくとも1つを有する抄紙機を用いて抄紙する方法である。またこのようにして得られた湿紙あるいは乾燥後の紙を単独、または積層したシートに水流を当て絡合させてもよい。
カットされた繊維はビーターあるいはリファイナーなどで叩解処理が施された後に抄紙スラリーとしてもよく、抄紙の際に粘剤、分散剤等を添加してもよい。
【0029】
ポリアミド繊維(A)100%の実質的に接着剤や他の繊維を含まないシートを形成する場合には、溶融紡糸しながら周囲から高温気流を噴出して繊維を細化し、これを捕集面上に集積するメルトブロー法が好適である。また、紡出された繊維を冷却しながら細化−延伸−ウェッブ形成工程が直結したスパンボンド法も使用でき、延伸方法はエアジェットによってもローラーによってもよく、開繊は摩擦帯電法、強制帯電法、衝突拡散法、気流拡散法などによって行うことができる。
【0030】
以上の手法でウェッブ形成を行った後に乾燥を施すことにより所望の不織布が得られる。乾燥手段は熱風、熱カレンダー処理等により行えばよい。特に表面平滑性の向上、シートの厚さ調整、強度、高密度化の発現のためには熱カレンダー処理を行うことが好ましい。
【0031】
上述の手法以外では、スプリットフィルム法や発泡フィルム法等の手法でもシート化は可能である。
【0032】
本発明のワイパーは特に親水化処理を行わなくても、十分な吸液性能を有しており良好な拭き取り性能を有してはいるが、さらに高い吸液性が必要とされる用途に使用する場合、親水化処理を施してもよい。親水化処理法としては、グラフト重合処理、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、フッ素ガス処理、樹脂コーティング、スルホン化処理等が挙げられ、これらの処理のいずれの手法で処理を行っても構わない。
【0033】
上述の手法で得られたシートをそのまま用いて、ワイパーとすることができる。もちろん該シート以外のものと組み合せてワイパーを製造してもよい。たとえば他のシート(不織布、フィルム等)と積層したり、継ぎ合せることができる。しかしながら、本発明の効果を効率的に得る点からは実質的に前述のシート、特に不織布のみからワイパーを製造するのが好ましい。
【0034】
【実施例】
以下に実施例により本発明を説明するが、本実施例により何等限定されるものではない。なお実施例中の各測定値は以下の方法により測定された値である。
[シートの厚さ(mm)、密度(g/cm3)]
JIS P 8118「紙及び板紙の厚さと密度の試験方法」に準じて測定した。
[シートの坪量(g/m2)]
JIS P 8124「紙のメートル坪量測定方法」に準じて、シートを10cm角に裁断し、その質量Wを電子天秤(メトラー社製、AE160型)で測定し、W/0.01により算出した。
[シートの強力・裂断長(km)]
JIS P 8113「紙及び板紙の引張強さ試験方法」に準じて、シートを15mm×250mmに裁断し、強力を測定し、裂断長を算出した。
[吸水率(%)]
50mm×50mmの紙試料を20℃、蒸留水に浴比1/100の条件で30分間浸漬し、30秒間自然液切りを行った。処理前の試験片の重量をW0、処理後の試験片の重量をW1とし、次の式により吸水率(%)を算出した。
吸水率(%)=(W1−W0)/W0×100
[吸水速度(秒)]
吸水速度は、蒸留水を試験片シートに滴下して、シートが水滴を吸収するにつれて鏡面反射が消え、湿潤だけが残った状態までに達する時間を目視観察するものであり、単位は(秒)で表される。試験方法としては、200mm×200mmの試験片シートをJIS L1907に規定する試験片保持枠に固定し、試験片の表面からビュレットの先端が10mmになるようにする。ビュレットから蒸留水を1滴滴下させ、試験片上の水滴の鏡面反射が消えるまでの時間を測定する。試験は試験片1種につき5回行い、測定値は5回の平均時間で算出される。試験片に蒸留水を滴下したとき、瞬時にその鏡面反射がなくなるときには測定値は0.1以下とし、10分間経過しても、水滴の鏡面反射が残っているときには、600以上とした。
[拭き取り性]
ガラス板上に蒸留水を1.5cc滴下し、10cm×10cm、坪量が120〜130g/m2の試験片で軽く拭き取り、拭き取り後のガラス板上の蒸留水の残存度合いを目視確認した。水が実質的に完全に拭き取られたものを◎、ほぼ完全に拭き取られているものを○、わずかに残るものを△、かなり残るものを×、ほぼ完全に残るものを××とした。
[バインダー繊維]
鞘成分がポリエチレン、芯成分がポリプロピレンである2.2dtexの芯鞘型複合繊維(株式会社クラレ製「N−740」)を用いた。乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
【0035】
[耐薬品性]
(1)水酸化ナトリウム水溶液に対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%NaOH水溶液に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
(2)硫酸に対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%硫酸に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
(3)塩酸に対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%塩酸に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
(4)次亜塩素酸ソーダ水溶液に対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%次亜塩素酸ソーダ水溶液に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
(5)アンモニア水に対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%アンモニア水に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
【0036】
[参考例1]
[1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分とするポリアミド(a)の製造]
テレフタル酸19.5モル、1,9−ノナンジアミン10.0モル、2−メチル−1,8−オクタンジアミン10.0モル、安息香酸1.0モル、次亜リン酸ナトリウム−水和物0.06モルおよび蒸留水2.2リットルを、内容積20リットルのオートクレーブに添加し、窒素置換を行った。ついで100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内温を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。
この粉砕物を230℃、10Pa下にて10時間固相重合することによりポリマーを得た。得られたポリマーの極限粘度は0.9dl/gであった。
【0037】
[参考例2]
[ポリアミド(a)からなる単独繊維の製造]
参考例1で製造したポリアミド(a)を押出機を用いて溶融押出しし、0.125mmΦ×100ホールの丸孔ノズルより吐出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が10〜100の範囲になるようにそれぞれの速度を調節し、巻取速度500〜2000m/分の範囲で巻き取った。
ついで、1浴が90℃、2浴が95℃の水浴を用いて延伸し、続いて200℃で熱収縮処理を行い、約1500dtex/1000フィラメントの延伸糸を得た。延伸倍率は最大延伸倍率の0.8倍で行った。
得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
【0038】
[参考例3]
[ポリアミド(a)とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維の製造]
参考例1で得られたポリアミド(a)を67重量%(X層)と、ポリプロピレン(日本ポリケム、SA01、Y層)を33重量%の配合比で複合し、押出機で溶融押出しし、0.25mmΦ×24ホールの丸孔ノズルより吐出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が10〜100の範囲になるようにそれぞれの速度を調節し、図1の(1)に示すような、X層Y層が交互に積層されてなるだ円形状の多層分割型複合繊維を製造した。該多層分割型複合繊維の層の数はX層が6層、Y層が5層の合計11層である。この多層分割型複合繊維を、1浴90℃、2浴が95℃の水浴を用いて延伸処理を行い、約200dtex/60フィラメントの延伸糸を得た(3.3dtex、各層の平均繊度0.3dtex)。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
【0039】
[参考例4]
[ポリアミド(a)とポリエチレンとからなる多層分割型複合繊維の製造]
参考例3において、多層分割型複合繊維を構成するポリプロピレンをポリエチレン(日本ポリケム、HE483)に変更したこと以外は参考例3と同様に繊維化を行い、約200dtex/60フィラメントの延伸糸を得た(3.3dtex、各層の平均繊度0.3dtex)。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
【0040】
[参考例5]
[ポリプロピレン単独繊維の製造]
ポリプロピレン(日本ポリケム、SA03A)を用いたこと以外は参考例2と同様に繊維化を行い、約1500dtex/1000フィラメントの延伸糸を得た。延伸倍率は最大延伸倍率の0.8倍で行った。
得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
【0041】
[参考例6]
[ナイロン66単独繊維の製造]
ヘキサメチレンジアミン(脂肪族ジアミン)とアジピン酸(脂肪族ジカルボン酸)とからなるナイロン66(宇部興産、UBEナイロン66)を用いたこと以外は参考例2と同様に繊維化を行い、約1500dtex/1000フィラメントの延伸糸を得た。延伸倍率は最大延伸倍率の0.8倍で行った。
得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
【0042】
[参考例7]
[ポリエステル単独繊維の製造]
ポリエチレンテレフタレートを用いたこと以外は参考例2と同様に繊維化を行い、約1500dtex/1000フィラメントの延伸糸を得た。延伸倍率は最大延伸倍率の0.8倍で行った。
得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
【0043】
[参考例8]
[ナイロン66とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維の製造]
参考例3において、多層分割型複合繊維を構成するポリアミド(a)をナイロン66に変更したこと以外は参考例3と同様に繊維化を行い、約200dtex/60フィラメントの延伸糸を得た(3.3dtex、各層の平均繊度0.3dtex)。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
【0044】
[参考例9]
[ポリエステルとポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維の製造]
参考例3において、多層分割型複合繊維を構成するポリアミド(a)をポリエステルに変更したこと以外は参考例3と同様に繊維化を行い、約200dtex/60フィラメントの延伸糸を得た(3.3dtex、各層の平均繊度0.3dtex)。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
【0045】
[実施例1]
参考例2のポリアミド(a)からなる単独繊維の51mmカット捲縮糸90重量部、上記の51mmカットされたバインダー繊維10重量部を混合し、ローラーカードを用いて目付130g/m2のウェブを製造した。次いで、ノズル径0.1mm、ピッチ0.6mm、1列のノズルプレートを使用し、水圧20kg/cm2−80kg/cm2−60kg/cm2−40kg/cm2の水流で裏表各1回水流絡合処理を行った後、110℃に加熱したエンボスロールにて部分的に熱圧着し、厚みが0.35mmのシートを得た。得られたシートは吸水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れたものであった。得られたシートの物性、諸性能を表1に示す。
【0046】
[実施例2]
参考例3のポリアミド(a)とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にシート化を行った。得られたシートは吸水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れたものであった。得られたシートの物性、諸性能を表1に示す。
【0047】
[実施例3]
参考例4のポリアミド(a)とポリエチレンとからなる多層分割型複合繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にシート化を行った。得られたシートは吸水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れたものであった。得られたシートの物性、諸性能を表1に示す。
【0048】
[実施例4]
参考例3のポリアミド(a)とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維の5mmカット糸80重量部、上記の5mmカットされたバインダー繊維20重量部を混合し、この紙料を抄紙機(角型25cm×25cm)で抄紙して坪量約100g/m2の不織布を作成した。次いで、ノズル径0.1mm、ピッチ0.6mm、1列のノズルプレートを使用し、水圧10kg/cm2−30kg/cm2−50kg/cm2−30kg/cm2の水流で裏表各1回水流絡合処理を行った後、110℃に加熱したエンボスロールにて部分的に熱圧着し、厚みが0.25mmのシートを得た。得られたシートは地合が良好であり、吸水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れたものであった。得られたシートの物性、諸性能を表1に示す。
【0049】
[実施例5]
実施例2で得られたワイパーの両面に、それぞれ2回ずつ単位面積当たりの総放電量が30.0KvA/cm2となるようにプラズマ放電処理を施した。得られたワイパーは実施例2と比較し、さらに保液率の高いものであり、ワイパーとして非常に優れた性能を有するものであった。得られたワイパーの物性、諸性能を表1に示す。
【0050】
[実施例6]
実施例4で得られたワイパーの両面に、それぞれ2回ずつ単位面積当たりの総放電量が30.0KvA/cm2となるようにプラズマ放電処理を施した。得られたワイパーは実施例4と比較し、さらに保液率の高いものであり、ワイパーとして非常に優れた性能を有するものであった。得られたワイパーの物性、諸性能を表1に示す。
【0051】
[比較例1]
ポリアミド(a)からなる単独繊維を参考例5のポリプロピレン単独繊維に変更したこと以外は実施例1と同様にシート化を行い、PP単独繊維を主体構成成分とするワイパーを得た。得られたシートは耐薬品性に優れているものの、吸水率、吸水速度、拭き取り性、に劣るものであった。得られたシートの物性、諸性能を表2に示す。
【0052】
[比較例2]
ポリアミド(a)からなる単独繊維を参考例6のナイロン66単独繊維に変更したこと以外は実施例1と同様にシート化を行い、ナイロン66単独繊維を主体構成成分とするワイパーを得た。得られたシートは、吸水率、吸水速度、拭き取り性に優れているものの、耐薬品性、特に耐酸性に劣るものであった。得られたシートの物性、諸性能を表2に示す。
【0053】
[比較例3]
ポリアミド(a)からなる単独繊維を参考例7のポリエステル単独繊維に変更したこと以外は実施例1と同様にシート化を行い、ポリエステル単独繊維を主体構成成分とするワイパーを得た。得られたシートは、吸水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性、特に耐アルカリ性に劣るものであった。得られたシートの物性、諸性能を表2に示す。
【0054】
[比較例4]
ポリアミド(a)からなる単独繊維を参考例8のナイロン66とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維に変更したこと以外は、実施例1と同様にシート化を行い、ナイロン66とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維を主体構成成分とするワイパーを得た。得られたシートは、吸水率、吸水速度、拭き取り性、に優れているものの、耐薬品性、特に耐酸性に劣るものであった。得られたシートの物性、諸性能を表2に示す。
【0055】
[比較例5]
ポリアミド(a)からなる単独繊維を参考例9のポリエステルとポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維に変更したこと以外は、実施例1と同様にシート化を行い、ポリエステルとポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維を主体構成成分とするワイパーを得た。得られたシートは、吸水率、吸水速度、拭き取り性、に優れているものの、耐薬品性、特に耐アルカリ性に劣るものであった。得られたシートの物性、諸性能を表2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用できる分割型複合繊維の一例の断面拡大図である。
【符号の説明】
X:ポリアミド(a)
Y:他の熱可塑性重合体
Claims (2)
- 芳香族ジカルボン酸を60モル%以上含むジカルボン酸成分と炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンを60モル%以上含むジアミン成分とから合成されるポリアミド(a)からなる繊維(A)を30%以上含むワイパーであって、同繊維(A)が、ポリアミド(a)とオレフィン系熱可塑性重合体からなる分割型複合繊維に由来する単繊維繊度0.0001〜2.0dtexのポリアミド繊維であることを特徴とするワイパー。
- 親水化処理が施されてなる請求項1に記載のワイパー。
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