JP2002191918A - フィルター - Google Patents

フィルター

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JP2002191918A
JP2002191918A JP2000395101A JP2000395101A JP2002191918A JP 2002191918 A JP2002191918 A JP 2002191918A JP 2000395101 A JP2000395101 A JP 2000395101A JP 2000395101 A JP2000395101 A JP 2000395101A JP 2002191918 A JP2002191918 A JP 2002191918A
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filter
acid
polyamide
fiber
fibers
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JP2000395101A
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Takashi Katayama
隆 片山
Shuhei Yorimitsu
周平 頼光
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性、耐熱性に優れたフィルターを提供
する。 【解決手段】 60モル%以上が芳香族ジカルボン酸で
あるジカルボン酸成分と60モル%以上が炭素数6〜1
2の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とか
ら合成されるポリアミド(a)からなる繊維(A)を含
むフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルターに関し、
エアフィルター、液体フィルター、バッグフィルター、
精密ろ過フィルター等のフィルターとその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】フィルターには繊維製品からなるものが
多く使用され、その繊維素材としては従来、ポリオレフ
ィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維な
どが多く使用されてきた。一般に繊維を素材とするフィ
ルターは安価であり、構成繊維の繊維径を選択すること
によってろ過精度をコントロールでき、またフィルター
表面だけでなく、繊維間の空隙部に多くの粒子を捕捉す
ることができるためにろ過ライフが長い、という長所を
有している。しかしながら、そのフィルターの耐熱性や
耐薬品性は構成繊維の特性に依存するため、これまでの
ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミ
ド系繊維などを素材とするフィルターでは高温溶液、高
温酸性溶液、高温アルカリ溶液などの、溶解性、反応性
の高い溶液によっては問題を生じることがあった。ポリ
エチレンやポリプロピレンのようなオレフィン系繊維は
耐熱性が低く、ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステル系繊維は耐アルカリ性が低い。またポリアミド
系は耐酸性が低い。これらの繊維はそれぞれ短所と長所
を併せ持っているが、耐熱性、耐薬品性、価格の面でバ
ランスの取れた素材を用いたフィルターがなく、その開
発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐薬品性を有し、また耐熱性にも優れたポリアミド繊
維(A)を主成分とする不織布で形成されたフィルター
とその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、60モ
ル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分
と60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレン
ジアミンであるジアミン成分とから合成されるポリアミ
ド(a)からなる繊維(A)を含むことを特徴とするフ
ィルターである。
【0005】
【発明の実施の形態】まず、本発明のフィルターを構成
するポリアミド(a)について説明する。該ポリアミド
はジカルボン酸成分とジアミン成分とからなり、ジカル
ボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であ
ること、およびジアミン成分の60モル%以上が炭素数
6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであることに特徴
を有する。
【0006】芳香族ジカルボン酸としてフィルターの耐
熱性、耐薬品性の点でテレフタル酸が好ましく、イソフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナ
フタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン
酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェ
ニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,
4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’
−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカ
ルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸を1種類以上併用して使用することも
できる。かかる芳香族ジカルボン酸の含有量はジカルボ
ン酸成分の60モル%以上であり、75モル%以上であ
ることが好ましい。上記芳香族ジカルボン酸以外のジカ
ルボン酸としてはマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク
酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−
ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン
酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙
げることができ、これらの酸は1種類のみならず2種類
以上用いることができる。なかでも不織布の強度、耐薬
品性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%芳香
族ジカルボン酸であることが好ましい。さらにトリメト
リット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カル
ボン酸を繊維化・不織布化が容易な範囲内で含有させる
こともできる。
【0007】また、ジアミン成分の60モル%以上は炭
素数が6〜12のアルキレンジアミンで構成され、かか
る脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサ
ンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナ
ンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウ
ンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−
メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,
5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,
6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,
6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタン
ジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、等の
直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンなどを挙げるこ
とができる。なかでも耐薬品性の点で1,9−ノナンジ
アミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8
−オクタンジアミンとの併用が好ましい。この脂肪族ア
ルキレンジアミンの含有量はジアミン成分の60モル%
以上であるが、75モル%以上、特に90モル%以上で
あることが、耐熱性の点で好ましい。
【0008】上述の脂肪族アルキレンジアミン以外のジ
アミンとしてはエチレンジアミン、1,4−ブタンジア
ミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メ
チルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノ
ルボルナンジメチルジアミン、トリシクロデカンジメチ
ルジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キ
シレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン、あ
るいはこれらの混合物を挙げることができ、これらは1
種類にみならず2種類以上を用いることができる。
【0009】脂肪族アルキレンジアミンとして1,9−
ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミ
ンとを併用する場合、ジアミン成分の60〜100モル
%が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オ
クタンジアミンからなり、そのモル比は前者:後者=3
0:70〜99:1、とくに前者:後者=40:60〜
95:5であることが好ましい。
【0010】また、本発明に使用されるポリアミドはそ
の分子鎖における〔CONH/CH 2〕の比が1/2〜
1/8、とくに1/3〜1/5であることが好ましい。
この範囲のポリアミドを使用することにより耐薬品性お
よび耐熱性に優れたフィルターが得られるのである。
【0011】上述のポリアミドの極限粘度(濃硫酸30
℃で測定した値)は0.6〜2.0dl/gであること
が好ましく、とくに0.6〜1.8dl/g、0.7〜
1.6dl/gが好ましい。該極限粘度の範囲内のポリ
アミドは、繊維化および不織布化する際の溶融粘度特性
が良好であり、さらに得られるフィルターの強度、耐薬
品性、耐熱性が優れたものとなる。
【0012】さらに上述のポリアミドはその分子鎖の末
端基の10%以上が末端封止剤により封止されているこ
とが好ましく、末端の40%以上、さらには末端の70
%以上が封止されていることが好ましい。分子鎖の末端
を封止することにより、得られるセパレータの強度、耐
薬品性、耐熱性等が優れたものとなる。末端封止剤とし
ては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基
と反応性を有する単官能性の化合物であればとくに制限
はないが、反応性および封止末端の安定性などの点から
モノカルボン酸、モノアミンが好ましい。取り扱いの容
易さ、反応性、封止末端の安定性、価格の点でモノカル
ボン酸が好ましい。モノカルボン酸としては、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、
ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、安息香酸などを挙げることができ
る。なお、末端の封止率は1H−NMRにより、各末端
基に対応する特性シグナルの積分値より求めることがで
きる。
【0013】本発明に係わるポリアミドの製造方法は特
に限定されず、結晶性ポリアミドを製造する方法として
公知の任意の方法を用いることができる。たとえば、酸
クロライドとジアミンとを原料とする溶液重合法あるい
は界面重合法、ジカルボン酸またはジカルボン酸のアル
キルエステルとジアミンとを原料とする溶融重合法、固
相重合法などの方法により製造できる。
【0014】一例を挙げると、末端封止剤、触媒、ジア
ミン成分およびジカルボン酸成分を一括して反応させ、
ナイロン塩を製造した後、一旦280℃以下の温度にお
いて極限粘度が0.15〜0.30dl/gのプレポリ
マーとし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機
を用いて重合を行うことにより容易に製造することがで
きる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧
下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合温
度が200〜250℃の範囲であれば、重合速度が大き
く、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制すること
ができるので好ましい。重合の最終段階を溶融押出機に
より行う場合、重合温度が370℃以下であるとポリア
ミドの分解がほとんどなく、劣化の少ないポリアミドが
得られるので好ましい。
【0015】重合触媒としてはリン酸、亜リン酸、次亜
リン酸またはそれらのアンモニウム塩、それらの金属
塩、それらのエステル類を挙げることができ、なかでも
次亜リン酸ナトリウムが入手のし易さ、取扱性の点で好
ましい。また、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを
重縮合反応時、またはその後に添加することができる。
特に熱安定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安
定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウ
ム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊
維化の際の溶融滞留安定性が向上し、またフィルターと
して用いる場合の耐熱性が向上するので好ましい。
【0016】本発明のポリアミド(a)を用いた繊維
(A)の製造は、公知の溶融紡糸装置を用いることがで
きる。単独紡糸、複合紡糸のいずれの方法で繊維化して
も構わないが、たとえば、複合紡糸であればポリアミド
(a)と他の熱可塑性樹脂とを夫々別の押出機で溶融混
練し、引き続き同一の紡糸ノズルから吐出させればよ
い。この場合、あらかじめポリアミド(a)と複数のポ
リマーを混合しておいたものを複合成分の一つに用いて
もよい。単繊維繊度0.5dtex以下の極細繊維を得
る手法としては海島方式、直紡方式、分割方式に大別さ
れる。0.5dtex以下の極細ポリアミド繊維(A)
を得る方法としては直紡方式、海島方式、分割方式が挙
げられるが、0.01〜0.5dtexの繊度の極細繊
維を得るためには直紡方式、分割方式が好ましく、0.
0001〜0.01dtexの繊度のものを得る場合に
は海島方式が好ましい。分割方式を採用する場合には、
剪断力等の機械的応力により複合型分割繊維を分割細化
するため、他の熱可塑性樹脂としては、特に限定される
ものではないが、たとえばポリエステル系樹脂、ポリア
ミド系、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイ
ド、フッ素樹脂などが好適に使用できる。特にポリエチ
レンテレフタレート、芳香族ポリエステル、ポリメチル
ペンテン、ポリフェニレンサルファイドの樹脂を用いる
ことにより、補集性、耐薬品性、耐熱性に優れたフィル
ターが得られる。
【0017】該フィルターを構成する繊維(A)の繊度
(分割されている場合には分割後の繊維繊度)はフィル
ターの用途によって適宜決められるが、0.0001〜
0.5dtexであることが好ましい。繊維繊度の小さ
なフィルターを用いることにより液体あるいは気体中の
極小さな異物を取り除くことができる。また繊度の異な
る不織布を積層すると広い範囲のサイズの粒子を補足で
き、またフィルターの寿命も長くなるので好ましい。
【0018】また、本発明においては、ポリアミド繊維
(A)以外に他の繊維を配合してフィルターを得てもか
まわない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステルなどの
ポリエステル系、ポリフェニレンサルファイド、ナイロ
ン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド、アラミド、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、フェノー
ル;エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン
共重合体、などのポリオレフィン系樹脂単独または2種
類以上からなる複合形態の繊維;天然セルロース繊維を
マーセル化したセルロース系繊維;マーセル化されたパ
ルプ、繊度の異なるポリアミド(a)からなる繊維、ガ
ラス繊維、セラミックス繊維、金属繊維などを挙げるこ
とができる。また、公知の熱溶融性バインダー、特にバ
インダー繊維、糊剤等を使用することにより、不織布の
形態安定性を向上させることも可能である。これらの繊
維の単繊維繊度は、異物の補集性、強力等の点から0.
01〜3dtexであることが好ましく、耐電解液性、
耐熱性の点からはポリエステル系、ポリオレフィン系繊
維、ポリフェニレンサルファイド系繊維、フッ素樹脂系
繊維またはポリアミド(a)の単独繊維を配合するのが
好ましい。繊維横断面は丸型、繭型、中空型,T型等特
に限定されるものではない。さらにフィルターの強力・
形態安定性等を高めるために、バインダー、特にバイン
ダー繊維をさらに配合してもよい。繊維状バインダーを
配合した場合にはろ過抵抗を必要以上に高めることなく
上記の効果が得られる。フィルター強力、均質性、製造
工程性等の点からはバインダー繊維の繊度は0.5〜6
dtex程度であるのが好ましい。なお、繊維状バイン
ダーは不織布化した後に繊維の形状を明確に保持してい
る必要はなく、繊維状バインダーを用いて不織布を製造
することにより上記の効果が得られる。
【0019】バインダー繊維は単一成分により構成され
ていてもよいが、接着効果を奏すると同時に十分な強力
を保持できることから、2以上の成分により構成されて
いるのが好ましい。芯鞘型、サイドバイサイド型、層状
分割型、放射状分割型等の複合繊維や海島繊維が好適に
使用できる。繊維横断面は丸型、偏平型、繭型、中空
型,T型等特に限定されるものではない。
【0020】このようにして得られるポリアミド(a)
を繊維化し、フィルター用部材として用いることによ
り、耐薬品性、耐熱性等の点で顕著な効果が得られる。
フィルターの製造に際しては、かかる繊維を用いてシー
ト化すればよく、織編物、乾式不織布、湿式不織布等の
シートにすることができる。またメルトブローン法やス
パンボンド法により繊維化後すぐにシート化することも
可能である。さらにはワインドカートリッジフィルター
のように繊維を多孔支持体に巻き付けた繊維形態でも良
い。異物の補集性、通水抵抗、通気抵抗、機械的性能等
の点からフィルターの形態は適宜決めることができる。
【0021】かかるフィルター用シートをそのまま用い
て、またはプリーツ状、筒状、袋状や渦巻状等の所望の
形状に加工することによりフィルターとすることができ
る。もちろん該シート以外のものと組み合せてフィルタ
ーを製造してもよい。たとえば他のシート(不織布、フ
ィルム等)と積層したり、継ぎ合せることができる。し
かしながら、本発明の効果を効率的に得る点からは実質
的に前述のシート、特に不織布のみからフィルターを製
造するのが好ましい。本発明のフィルターを組込むこと
によって諸性能に優れたろ過機が得られる。
【0022】このようなフィルター素材は、エアフィル
ター、液体フィルター、バッグフィルター、精密ろ過フ
ィルター等のフィルターのみならず、篩、電池セパレー
タ、キャパシタセパレータ、電機絶縁材料、プリント基
板基材、ワイパー、ガスケット、摺動部材、断熱材、抄
紙用キャンバス、樹脂補強材、ゴム補強材、セメント補
強材、包装材、スクリーンメッシュ、音響振動板、研磨
材、人工皮革用基布等の幅広い用途に適用することがで
きる。
【0023】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例により何等限定されるものではな
い。なお実施例中の各測定値は以下の方法により測定さ
れた値である。 [厚み(mm)]JIS P 8118「紙及び板紙の
厚さと密度の試験方法」に準じて測定した。 [目付(g/m2)]JIS P 8124「紙のメー
トル坪量測定方法」に準じて測定した。 [通気度(cm3/cm2/sec)]JIS L 10
96ー1996「一般織物試験方法」の通気度測定方法
に準じ、株式会社東洋精機製作所製フラジール型通気度
試験機により測定した。 [耐薬品性(%)]JIS P 8113に準じて、薬
品処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、
その強力保持率で表した。 [耐熱性(%)]JIS P 8113に準じて、熱風
乾燥機中で150℃で100時間保持する処理前後の試
験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率
で表した。 [耐熱水性(%)]JIS P 8113に準じて、8
0℃で100時間保持する処理前後の試験片の強力(N
/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
【0024】[参考例1][1,9−ノナンジアミンと
2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン成分
とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分とするポリアミ
ド(a)の製造]テレフタル酸19.5モル、1,9−
ノナンジアミン10.0モル、2−メチル−1,8−オ
クタンジアミン10.0モル、安息香酸1.0モル、次
亜リン酸ナトリウム−水和物0.06モルおよび蒸留水
2.2リットルを、内容積20リットルのオートクレー
ブに添加し、窒素置換を行った。ついで100℃で30
分間攪拌し、2時間かけて内温を210℃に昇温した。
この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。
そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、そ
の後2時間230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力
を2.2MPaに保持しながら反応を続けた。次に、3
0分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、さらに1時間
反応を続けてプレポリマーを得た。このプレポリマーを
100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大き
さまで粉砕した。この粉砕物を230℃、10Pa下に
て10時間固相重合することによりポリマーを得た。得
られたポリマーの極限粘度は0.9dl/gであった。
【0025】[実施例1]参考例1で製造したポリアミ
ド(a)を押出機を用いて溶融押出しし、穴径0.25
mmのノズルより吐出し、巻取速度1,000m/分で
巻き取り、未延伸糸を得た。ついで、水浴温度90℃の
水浴を用いて未延伸糸を延伸し、引き続き捲縮・カット
して、繊度3.0dtex、カット長51mmのポリア
ミド(a)単独繊維の原綿とした。この原綿をカーディ
ング、ニードリングして目付500g/m2のフェルト
状のフィルターを作製した。得られたフィルターは耐熱
性、耐薬品性に優れた性能を有するものであった。性能
を表1に示す。
【0026】[実施例2]参考例1と同様にして作製し
た極限粘度0.6dl/gのポリアミド(a)を溶融押
出機を用いて溶融混練し、溶融ポリマー流をメルトブロ
ーダイヘッドに導き、穴径0.3mmのメルトブローン
ノズルより吐出させ、同時に熱風を噴射して吐出した繊
維を形成コンベア上に補集し、引き続き室温のフラット
なゴムロールと230℃の金属ロールとの間で熱圧着し
たメルトブローン不織布を作製し、フィルターとした。
得られたメルトブローン不織布からなるフィルターは目
付50g/m2、繊維径2μm、通気度130cc/c
2/secであり、耐熱性、耐薬品性に優れた性能を
有するものであった。性能を表1に示す。
【0027】[実施例3]参考例1で製造したポリアミ
ド(a)と固有粘度0.51(フェノール/テトラクロ
ロエタンの等重量混合溶媒にて30℃で測定)でスルホ
イソフタル酸5モル%、エチレングリコール4モル%変
性のポリエチレンテレフタレートをそれぞれ溶融押出し
機で溶融混練し、ポリアミドが島成分に、変性ポリエチ
レンテレフタレートが海成分になるようにそれぞれのポ
リマー流を紡糸パックに導いて、16島の海島繊維を巻
取り速度1,000m/分で巻き取り、未延伸糸を得
た。ついで、水浴温度90℃の水浴を用いて未延伸糸を
延伸し、引き続きカットし、さらに98℃の40g/L
のNaOHを用いて海成分の変性ポリエチレンテレフタ
レートを分解除去して、繊度0.1dtex、カット長
5mmのポリアミド(a)単独繊維の極細ショートカッ
トファイバーとした。このポリアミド(a)からなる極
細ショートカット70重量%、ポリアミド(a)の未延
伸糸からなるショートカット30重量%を手抄き抄紙機
(角型25cm×25cm)で抄紙して坪量約40g/
2の湿式不織布を作成し、ついでカレンダー(ロール
温度250℃、線圧40kg/cm)で熱プレスし、紙
状のフィルターを作製した。得られたフィルターは耐薬
品性、耐熱性が高く、フィルターとして優れた性能を有
するものであった。性能を表1に示す。
【0028】[実施例4]参考例1で得られたポリアミ
ド(a)を67重量%(X層)と、ポリメチルペンテン
(三井化学、DX820)を33重量%(Y層)の配合
比で複合し、押出機で溶融押出しし、0.25mmΦの
丸孔ノズルより吐出し、X層Y層が交互に積層されてな
る多層型分割型複合繊維を製造した。該複合型分割繊維
の層の数はX層が6層、Y層が5層の合計11層であ
る。ついで、水浴温度90℃の水浴を用いて延伸し、繊
度3.0dtexのトウを得た。得られたトウをカット
長5mmに切断し、ポリアミド(a)とポリメチルペン
テンからなる複合分割繊維のショートカットにした。ま
たポリメチルペンテンを実施例1と同様に繊維化し、未
延伸糸を得、5mmカットのショ−トカットにした。こ
のポリアミド(a)とポリメチルペンテンとからなる分
割繊維のショートカット70重量%、ポリメチルペンテ
ンの未延伸糸からなるショートカット30重量%を手抄
き抄紙機(角型25cm×25cm)で抄紙して坪量約
40g/m2の湿式不織布を作成し、ついでカレンダー
(ロール温度210℃、線圧40kg/cm)で熱プレ
スし、紙状のフィルターを作製した。得られたフィルタ
ーは耐薬品性、耐熱性が高く、フィルターとして優れた
性能を有するものであった。性能を表1に示す。
【0029】[実施例5]分割繊維にポリメチルペンテ
ンを用いる代りにポリフェニレンサルファイド(株式会
社東レ:フォートロンE2481)を用いること以外は
実施例4と同様にして紙状のフィルターを作製した。得
られたフィルターは耐薬品性、耐熱性が高く、フィルタ
ーとして優れた性能を有するものであった。性能を表1
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明により、耐薬品性、耐熱性に優れ
たフィルターを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA01 AA03 BA13 BB03 CB06 DA03 DA06 4J001 DA01 DB01 EB36 EB37 EB44 EB46 EC08 EC09 FB03 FB05 FC03 FC05 FD01 HA02 JA10 JB18 JB21 JB32 JC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 60モル%以上が芳香族ジカルボン酸で
    あるジカルボン酸成分と60モル%以上が炭素数6〜1
    2の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とか
    ら合成されるポリアミド(a)からなる繊維(A)を含
    むことを特徴とするフィルター。
  2. 【請求項2】 請求項1の繊維(A)の単繊維繊度が
    0.0001〜0.5dtexであることを特徴とする
    請求項1に記載のフィルター。
  3. 【請求項3】 ポリアミド繊維(A)が、ポリアミド
    (a)と他の熱可塑性樹脂からなる分割型複合繊維に由
    来するものである請求項1又は2に記載のフィルター。
  4. 【請求項4】 他の熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹
    脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニルサルファイ
    ド、フッ素樹脂である請求項3のフィルター。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフ
    ィルターを用いたろ過機。
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