JPH09256219A - ポリアミド繊維 - Google Patents

ポリアミド繊維

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JPH09256219A
JPH09256219A JP8062558A JP6255896A JPH09256219A JP H09256219 A JPH09256219 A JP H09256219A JP 8062558 A JP8062558 A JP 8062558A JP 6255896 A JP6255896 A JP 6255896A JP H09256219 A JPH09256219 A JP H09256219A
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JP
Japan
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acid
polyamide
resistance
dicarboxylic acid
mol
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Application number
JP8062558A
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English (en)
Inventor
Takashi Katayama
隆 片山
Junyo Nakagawa
潤洋 中川
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性、耐アルカリ性等汎用のポリアミド繊
維が有する特性を有するとともに、耐酸化劣化性をも有
したポリアミド繊維を提供する。 【解決手段】 ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳
香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分とジアミン成
分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレ
ンジアミンであるジアミン成分とからなるポリアミド繊
維であって、耐酸化劣化性が85%以上であることを特
徴とするポリアミド繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は特定の半芳香族ポリ
アミドからなる繊維に関する。本発明のポリアミド繊維
は親水性、耐アルカリ性のみならず、耐酸化劣化性にも
優れているので、電池用セパレ−タ、絶縁ガスケット等
の電池構造部品、液体フィルタ−、エアフィルタ−、プ
ラスチック用補強材(FRP)、セメント用補強材(F
RC)、ゴム用補強材(FRR)、スクリ−ン紗、エア
−バッグ、ジオテキスタイル、抄紙用カンバス、タイヤ
コ−ド等に好適なポリアミド繊維に関する。
【0002】従来ポリアミド繊維としてはナイロン6、
ナイロン66がよく知られており、高強力で強靭性、耐
久性に優れているため、種々の産業用途に用いられてき
た。とくにアルカリ電池用セパレ−タとしてナイロン
6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド繊維からなる不
織布が使用されている。しかしながら、かかる脂肪族ポ
リアミド繊維からなる不織布は耐アルカリ性に優れ、親
水性に優れていることから電解液の保液性が良好であ
り、放電容量も大きい利点を有してはいるが、高温にお
ける耐酸化劣化性に劣るので、電池に使用した場合、充
電時に発生する酸素ガスによって酸化されて劣化すると
いう欠点がある。とくに、高温で充放電が繰り返される
二次電池に使用した場合、高温(60〜80℃)での電
解液中における激しい電池反応に対する耐酸化劣化性に
劣ることから、早期に劣化現象が生じるいう問題があっ
た。
【0003】上記ポリアミド繊維の耐酸化劣化性を改善
するためにポリアミド繊維とポリオレフィン繊維とを混
合または複合化することが提案されているが(特開昭5
5−25921号公報、特開昭55−66864号公報
など)、酸化分解する繊維の混合率が全体として減少す
るので劣化を軽減できるという程度に止まり、根本的な
解決には至っていない。
【0004】このような状況下において、芳香族ポリア
ミド繊維または全芳香族ポリアミド繊維からなる不織布
を用いた電池用セパレ−タも提案されている(特開平5
−283054号公報、特開昭53−58636号公
報、特開昭58−147956号公報など)。かかる芳
香族ポリアミド繊維または全芳香族ポリアミド繊維は一
般に親水性に優れ、耐アルカリ性、耐酸化劣化性に優れ
るが、耐熱性が高いがために該繊維のみからなる不織布
は接着性が低く、強度的に問題がある。またこのような
耐熱性のある芳香族ポリアミド繊維または全芳香族ポリ
アミド繊維は溶液紡糸により繊維化されるため、ナイロ
ン6やナイロン66等の脂肪族ポリアミドの溶融紡糸に
比較し、工程数が多くなり価格の点で汎用ではない。ま
た、芳香族ジアミンと肪族ジカルボン酸とからなるMX
D−6繊維で構成されるセパレ−タは、高温での耐酸化
性に劣り、充電時に発生する酸素ガスによって酸化され
て劣化する場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、親水
性、耐アルカリ性等汎用のポリアミド繊維が有する特性
を有するとともに、電池構造部品用途として必要な耐酸
化劣化性をも有したポリアミド繊維を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジカルボン酸
成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカ
ルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数
6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成
分とからなるポリアミド繊維であって、耐酸化劣化性が
85%以上であることを特徴とするポリアミド繊維であ
る。耐酸化劣化性とは、1〜10デニ−ルの単繊維を5
%KMnO4 と30%水酸化カリウムの混合溶液(前者
/後者=250/50cc、50℃)に1時間浸漬後、
JIS L 1015に準拠して測定した処理前後の強
度の保持率で示した値である。
【0007】本発明に用いられるポリアミドはジカルボ
ン酸成分とジアミン成分とからなり、ジカルボン酸成分
の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であること、お
よびジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の
脂肪族アルキレンジアミンであることに特徴を有する。
【0008】芳香族ジカルボン酸としては電池構造部品
用途としての耐アルカリ性、耐酸化劣化性の点でテレフ
タル酸が好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,
4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオ
キシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフ
ェン酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジ
フェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニル
スルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェ
ニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を1種類、ま
たは2種類以上併用して使用することもできる。かかる
芳香族ジカルボン酸の含有量はジカルボン酸成分の60
モル%以上であり、75モル%以上であることが好まし
い。上記芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸として
はマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジ
エチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタ
ル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチル
アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペ
ンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることができ、これ
らの酸は1種類のみならず2種類以上を用いることがで
きる。なかでも不織布の強度、耐薬品性、耐酸化劣化
性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%芳香族
ジカルボン酸であることが好ましい。さらにトリメリッ
ト酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン
酸を、繊維化・不織布化が容易な範囲内で含有させるこ
ともできる。
【0009】また、ジアミン成分の60モル%以上は炭
素数が6〜12の脂肪族アルキレンジアミンで構成さ
れ、かかる脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6
−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,
9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,
11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミ
ン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチ
ル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチ
ル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−
オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミ
ン等の脂肪族ジアミンを挙げることができる。なかでも
耐酸化劣化性の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−
ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミ
ンとの併用が好ましい。この脂肪族アルキレンジアミン
の含有量はジアミン成分の60モル%以上であるが、7
5モル%以上、とくに90モル%以上であることが、電
池構造部品用途における電解液保液性の点で好ましい。
【0010】上述の脂肪族アルキレンジアミン以外のジ
アミンとしてはエチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン;シク
ロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、
イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルジアミン、
トリシクロデカンジメチルジアミン等の脂環式ジアミ
ン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テ
ル等の芳香族ジアミン、あるいはこれらの混合物を挙げ
ることができ、これらは1種類のみならず2種類以上を
用いることができる。
【0011】脂肪族アルキレンジアミンとして1,9−
ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミ
ンとを併用する場合、ジアミン成分の60〜100モル
%が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オ
クタンジアミンからなり、そのモル比は前者:後者=3
0:70〜99:1、とくに前者:後者=40:60〜
95:5であることが好ましい。
【0012】また、本発明に用いられるポリアミドはそ
の分子鎖における〔CONH/CH2 〕の比が1/2〜
1/8、とくに1/3〜1/5であることが好ましい。
この範囲のポリアミドからなる不織布は、とくに耐アル
カリ性、耐酸化劣化性および電解液の保液性に優れるこ
とが要求される電池用セパレ−タに好適である。
【0013】上述のポリアミドの極限粘度(濃硫酸中3
0℃で測定した値)は0.6〜2.0dl/gであることが
好ましく、とくに0.6〜1.8dl/g、0.7〜1.6
dl/gが好ましい。該極限粘度の範囲内のポリアミドは、
繊維化および不織布化する際の溶融粘度特性が良好であ
り、さらに得られる繊維、不織布等の布帛の強度、耐ア
ルカリ性、耐酸化劣化性等が優れたものとなる。
【0014】さらに上述のポリアミドはその分子鎖の末
端基の10%以上が末端封止剤により封止されているこ
とが好ましく、末端の40%以上、さらには末端の70
%以上が封止されていることが好ましい。分子鎖の末端
を封止することにより、得られる繊維、不織布を含む布
帛の強度、耐アルカリ性、耐酸化劣化性等が優れたもの
となる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ
基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化
合物であればとくに制限はないが、反応性および封止末
端の安定性等の点からモノカルボン酸、モノアミンが好
ましい。取扱性の容易さ、反応性、封止末端の安定性、
価格等の点でモノカルボン酸が好ましい。モノカルボン
酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロ
ン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などを
挙げることができる。なお、末端の封止率は1 H−NM
Rにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値よ
り求めることができる。
【0015】上述のポリアミドの製造方法はとくに制限
されず、結晶性ポリアミドを製造する方法として公知の
任意の方法を用いることができる。たとえば、酸クロラ
イドとジアミンとを原料とする溶液重合法あるいは界面
重合法、ジカルボン酸またはジカルボン酸のアルキルエ
ステルとジアミンとを原料とする溶融重合法、固相重合
法等の方法により製造できる。
【0016】一例を挙げると、末端封止剤、触媒、ジア
ミン成分およびジカルボン酸成分を一括して反応させ、
ナイロン塩を製造した後、一旦280℃以下の温度にお
いて極限粘度が0.15〜0.30dl/gのプレポリ
マ−とし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機
を用いて重合を行うことにより、容易に製造することが
できる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減
圧下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合
温度が200〜250℃の範囲であれば、重合速度が大
きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制するこ
とができるので好ましい。重合の最終段階を溶融押出機
により行う場合、重合温度が370℃以下であるとポリ
アミドの分解がほとんどなく、劣化のないポリアミドが
得られるので好ましい。
【0017】重合触媒としてはリン酸、亜リン酸、次亜
リン酸またはそれらのアンモニウム塩、それらの金属
塩、それらのエステル類を挙げることができ、なかでも
次亜リン酸ナトリウムが入手のし易さ、取扱性等の点で
好ましい。また、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着
色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤等を重
縮合反応時、またはその後に添加することができる。と
くに熱安定剤としてヒンダ−ドフェノ−ル等の有機系安
定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウ
ム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊
維化の際の溶融滞留安定性が向上するので好ましい。
【0018】上述のようにして得られたポリアミドは、
通常、溶融押出機を用いて溶融紡糸され、延伸が施され
るが、スクリュ−型押出機を使用することが好ましい。
ポリアミドの融点以上、360℃以下の温度で溶融し、
30分以内の溶融滞留時間で口金ノズルより紡出するこ
とにより繊維化することができる。溶融温度、滞留時間
が上記の範囲内であれば、紡糸時のポリアミドの熱分解
を抑制することができる。
【0019】前述のごとく紡出した糸条を引取りロ−ラ
等により引き取る。この時、必要に応じてノズル直下に
加熱または保温ゾ−ンを設けたり、吹き付けチャンバ−
等による冷却ゾ−ンを設けたり、紡出した糸条に油剤を
塗布してもよい。延伸は加熱浴、加熱蒸気吹き付け、ロ
−ラヒ−タ−、接触プレ−トヒ−タ−、非接触プレ−ト
ヒ−タ−等を使用して270℃以下で行うことが好まし
く、120〜230℃の範囲で行うことがより好まし
い。さらに延伸倍率は2倍以上が好ましく、3倍以上が
より好ましい。この時、270℃より高い温度で延伸を
行うとポリアミドの劣化や結晶の再組織化等が起こり繊
維強度が低下する。必要に応じて、延伸に引き続いて、
さらに120〜270℃で定長熱処理、緊張熱処理また
は弛緩熱処理を行うことができる。上記の方法以外にも
紡糸直結延伸を行うことも可能である。
【0020】このようにして得られたポリアミド繊維は
耐酸化劣化性が85%以上であり、耐アルカリ性、親水
性にも優れていることからとくにアルカリ電池用セパレ
−タ等の電池構造部品として最適である。上述のポリア
ミド繊維はその特性を生かして繊維の形態のままでプラ
スチック用補強材(FRP)、セメント用補強材(FR
C)、ゴム用補強材(FRR)、タイヤコ−ド、スクリ
−ン紗、エア−バッグ等の用途に好適に用いられる。ま
た不織布の形態に作成され、アルカリ電池用セパレ−タ
等のアルカリ電池構造品、液体フィルタ−、エアフィル
タ−、ジオテキスタイル、抄紙用カンバス等に好適に使
用される。アルカリ電池用セパレ−タ−用途には、電解
液の保液性に優れるように不織布中50重量%以上が該
ポリアミド繊維であることが好ましく、とくに70重量
%以上であることが好ましい。
【0021】なお、セパレ−タを構成する繊維として、
上述のポリアミド繊維以外の繊維としてはナイロン6、
ナイロン66等の汎用の脂肪族ポリアミド;エチレン−
ビニルアルコ−ル系共重合体、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のポ
リオレフィン系樹脂単独または2種類からなる複合形態
の繊維;天然セルロ−ス繊維をマ−セル化したセルロ−
ス系繊維;マ−セル化されたパルプなどを挙げることが
できる。また、上述のポリアミド繊維よりも融点が低い
繊維、公知の熱溶融性バインダ−繊維、糊剤などを使用
することにより、不織布の形態安定性を向上させること
もできる。
【0022】上述のポリアミド繊維からなる不織布は任
意の製造方法で得ることができる。まず繊維ウエッブ
(不織布の絡合または結合前のもの)を形成して、繊維
ウエッブ内の繊維を接着または絡合させることにより不
織布化するといった一般的な手段で製造することができ
る。得られた不織布はそのまま使用してもよいし、複数
枚の積層体として使用してもよい。繊維ウエッブの形成
方法としては、たとえばカ−ド法やエアレイ法等の乾式
法、抄紙法等の湿式法、スパンボンド法、メルトブロ−
法などがあり、これらの中でも湿式法やメルトブロ−法
によって得られる繊維ウエッブは緻密で、均一な表面状
態を有し、電池用セパレ−タとして使用すると、金属の
析出や電極活物質の移動を防止できるため、好適な繊維
ウエッブの形成方法である。また、上記各々の方法によ
り形成された繊維ウエッブを組み合わせて積層して使用
することもできる。
【0023】上述した以外に、スプリットフィルム法や
発泡フィルム法とのバ−スとファイバ−法で不織布を形
成することも可能である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の測定値は以下の方法により測定し
た値である。 (1)繊維の強度(g/デニ−ル) JIS L 1013準拠して測定した。 (2)耐アルカリ性 延伸糸を70℃、10%の水酸化ナトリウム水溶液中に
60時間浸漬処理した。処理前後の延伸糸の強度を測定
し、その強度保持率で表した。また、不織布についても
JIS P 8113に準じて同じ条件にて行い強力
(Kg/15mm)保持率で表した。 (3)耐酸化劣化性 1〜10デニ−ルの単繊維を5%KMnO4 と30%水
酸化カリウムの混合溶液(前者/後者=250/50c
c、50℃)に1時間浸漬後、JIS L1015に準
拠して測定した処理前後の強度の保持率で示した。不織
布についてもJIS P 8113に準じて同じ条件に
て行い強力(Kg/15mm)保持率で表した。 (4)耐酸性 延伸糸を70℃、10%の硫酸水溶液中に100時間浸
漬処理した。処理前後の延伸糸の強度を測定し、その強
度保持率で表した。
【0025】(5)不織布の坪量(g/m2 ) JIS P 8124に準じて、不織布を10cm角に
裁断し、その重量Wを電子天秤(メトラ−社製、AE1
60型)で測定し、W/0.01により算出した。 (6)不織布の強力・裂断長(km) JIS P 8113に準じて、不織布を15mm×2
50mmに裁断した試験片を用いて強力(kg/15m
m)を測定し、裂断長を算出した。 (7)透気度(cc/m2 /sec) JIS L 1096に準じて、不織布を20cm角に
裁断して試験片とし、フラジ−ル型試験機を用いて試験
片を通過する空気量を求めた。 (8)電解液保液性 不織布を5cm角に切断した試験片を20℃、30%の
水酸化カリウム溶液に30分間浸漬処理し、30秒間空
気中で自然落下による液切りを行った。処理前の試験片
の重量をW0 、処理後の試験片の重量をW1 とし、その
重量比(W1 /W0 )を総合吸液量(g/g)として算
出した。
【0026】参考例1〜7 表1に示す量のテレフタル酸、1,9−ノナンジアミ
ン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、安息香
酸、次亜リン酸ナトリウム−水和物(原料に対して0.
1重量%)および蒸留水2.2リットルを、内容積20
リットルのオ−トクレ−ブに添加し、窒素置換を行っ
た。ついで100℃で30分間撹拌し、2時間かけて内
温を210℃に昇温した。この時、オ−トクレ−ブは2
2kg/cm2まで昇圧した。そのまま1時間反応を続
けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に
保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/cm2
保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を
10kg/cm2 まで下げ、さらに1時間反応を続けて
プレポリマ−を得た。このプレポリマ−を100℃、減
圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕し
た。粉砕物を230℃、0.1mmHg下にて10時間
固相重合することによりポリマ−を得た。得られたポリ
マ−の極限粘度を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例1〜7 参考例1〜7で得られたポリマ−を押出機を用いて溶融
押出しし、0.2mmΦ×200ホ−ルの丸孔ノズルよ
り吐出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が1
0〜50の範囲になるようにそれぞれの速度を調節し、
巻取速度500〜2000m/分の範囲で巻き取った。
ついで、1浴が85℃、2浴が95℃の水浴を用いて延
伸・収縮処理を行い、約600デニ−ル/200フィラ
メントのトウを得た。延伸倍率は最大延伸倍率の0.8
倍で行った。得られた延伸糸の評価を行い結果を表2に
示す。このトウを5mmの長さに切断したものを60重
量%、ポリエチレンからなる合成パルプSWP(三井石
油化学社製:E−400)を10重量%、ポリエチレン
/ポリプロピレンの熱溶融性バインダ−繊維(大和紡績
社製:NBF)を30重量%混合して原料とした。この
原料を丸網抄紙機で抄紙して、坪量約70g/m2 の不
織布を作成した。該不織布を120℃で熱プレスして電
池用セパレ−タを得た。これらのセパレ−タ(不織布)
の評価を行い、結果を表2に示す。
【0029】実施例8 ポリマ−として、テレフタル酸2159.8g(13.
0モル)、イソフタル酸830.2g(5.0モル)、
アジピン酸292.3g(2.0モル)、1,6−ヘキ
サンジアミン2324.2g(20.0モル)、安息香
酸24.43g(0.2モル)、次亜リン酸ナトリウム
−水和物6.6g、蒸留水2.2リットルを使用した以
外は参考例1と同様にしてポリマ−(PA66ITと称
する)を重合した(極限粘度=0.8、CONH/CH
2 =1/3.6)。得られたPA66ITを用いて実施
例1と同様にして紡糸・延伸を行った。延伸糸の評価結
果を表2に示す。また実施例1と同様にして抄紙法によ
り不織布を作成した。この不織布の評価を行い、結果を
表2に示す。
【0030】実施例9 ポリマ−として、テレフタル酸1960.3g(11.
8モル)、イソフタル酸1302.5g(7.8モ
ル)、1,10−デカンジアミン3446.2g(2
0.0モル)、安息香酸97.7g(0.8モル)、次
亜リン酸ナトリウム−水和物6.2g、蒸留水6リット
ルを使用した以外は参考例1と同様にしてポリマ−(P
A10ITと称する)を重合した(極限粘度=0.8、
CONH/CH2 =1/5)。得られたPA10ITを
用いて実施例1と同様にして紡糸・延伸を行った。延伸
糸の評価結果を表2に示す。また実施例1と同様にして
抄紙法により不織布を作成した。この不織布の評価を行
い、結果を表2に示す。
【0031】比較例1 カプロラクタムを開環重合させたナイロン6(宇部興産
社製:UBEナイロン6、極限粘度=1.4)を用いた
以外は実施例1と同様にして、抄紙法により不織布を作
成した。この不織布の評価を行い、結果を表2に示す。
ナイロン6は耐アルカリ性には優れるものの、耐酸性、
耐酸化劣化性に劣り、長期に亘ってのセパレ−タ用途と
しての使用には問題があった。
【0032】比較例2 ヘキサメチレンジアミン(脂肪族ジアミン)とアジピン
酸(脂肪族ジカルボン酸)とからなるナイロン66(宇
部興産社製:UBEナイロン66、極限粘度=1.4
1)を用いた以外は実施例1と同様にして、抄紙法によ
り不織布を作成した。この不織布の評価を行い、結果を
表2に示す。ナイロン66は耐アルカリ性には優れるも
のの、耐酸性、耐酸化劣化性に劣り、長期に亘ってのセ
パレ−タ用途としての使用には問題があった。
【0033】比較例3 メタキシリレンジアミン(芳香族ジアミン)とアジピン
酸(脂肪族ジカルボン酸)とからなるポリアミド(三菱
ガス化学社製:MXナイロン6007)を用いた以外は
実施例1と同様にして、抄紙法により不織布を作成し
た。この不織布の評価を行い、結果を表2に示す。ポリ
アミドが脂肪族ジカルボンで構成されていたので構造的
にアミド結合が弱く、また結晶性が低いためと思われる
が、耐酸化劣化試験において試験液中で著しく酸化劣化
して試験片の形状が残らなかった。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明のポリアミド繊維は汎用の脂肪族
ポリアミド繊維に比較し、親水性、耐アルカリ性に優れ
るとともに、耐酸化劣化性、耐酸性に優れ、電池用セパ
レ−タ等の電池用構造品、液体フィルタ−、エアフィル
タ−、プラスチック用補強材(FRP)、セメント用補
強材(FRC)、ゴム用補強材(FRR)、スクリ−ン
紗、エア−バッグ、ジオテキスタイル、抄紙用カンバ
ス、タイヤコ−ド等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01M 2/16 D21H 5/20 E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香
    族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分とジアミン成分
    の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレン
    ジアミンであるジアミン成分とからなるポリアミド繊維
    であって、耐酸化劣化性が85%以上であることを特徴
    とするポリアミド繊維。
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