JP2015167700A - ワイパー - Google Patents

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和之 中山
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Abstract

【課題】吸液性、保液性、耐薬品性に加えて、繊維の損傷を防ぎ、低発塵性を有する高強力ワイパーを提供する。【解決手段】ジカルボン酸成分が蓚酸からなり、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂を含有する繊維を構成繊維として含むワイパー。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス製品、プラスチック製品、木製品等の払拭清掃用、消毒清掃用に適した、合成繊維を用いたワイパーに関する。
合成繊維は、性質が均一であること、生産性に優れていること等種々の利点を有しており、合成繊維を用いたワイパーが各種開発されている。例えば、耐薬品性、吸水性、保液性に優れたワイパー(例えば、特許文献1)やパーティクルフリー性、吸水性、吸油性に優れたワイパー(特許文献2)、自己発塵を起こさず、耐薬品性に優れた例(特許文献3)が挙げられる。ワイパーは一般的に、付着物などの異物を取り除く目的で使用されるため、拭き取る過程においてワイパーを構成する繊維から発塵しないことは重要な要求性能の一つである。しかし、吸液性、保液性、耐薬品性に加えて低発塵性を同時に満たすようなワイパーは未だに存在していない。
特開2002−191537号公報 特開平8−71025号公報 特開平10−88451号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、吸液性、保液性、耐薬品性に加えて、繊維の損傷を防ぎ、低発塵性を有する高強力ワイパーを提供することにある。
本発明は、ジカルボン酸成分が蓚酸からなり、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂を含有する繊維を構成繊維として含むワイパーである。
本発明のワイパーは、単繊維繊度が0.0001〜5.0dtexである前記ポリアミド繊維を30重量%以上含み、保水率が300%以上であってもよい。
前記ポリアミド繊維は、前記ポリアミド樹脂と他の熱可塑性重合体とからなる分割型複合繊維に由来する繊維であってもよい。
前記他の熱可塑性重合体はポリオレフィンであってもよい。
本発明によれば、吸液性、保液性、耐薬品性に加えて、低発塵性を兼ね備えたワイパーを提供することができる。
図1は本発明における分割型複合繊維の一例の断面拡大図である。
本発明によるワイパーは、ジカルボン酸成分が蓚酸からなり、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂を含有する繊維を構成繊維として含むことが重要である。
前記ポリアミド樹脂のジカルボン酸源としての蓚酸源としては、蓚酸ジエステルが用いられ、これらはアミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、蓚酸ジメチル、蓚酸ジエチル、蓚酸ジn−(又はi−)プロピル、蓚酸ジn−(又はi−、又はt−)ブチル等の脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステル、蓚酸ジシクロヘキシル等の脂環式アルコールの蓚酸ジエステル、蓚酸ジフェニル等の芳香族アルコールの蓚酸ジエステル等が挙げられる。上記の蓚酸ジエステルの中でも炭素原子数が3を超える脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステル、脂環式アルコールの蓚酸ジエステル、芳香族アルコールの蓚酸ジエステルが好ましく、その中でも蓚酸ジブチル及び蓚酸ジフェニルが特に好ましい。
前記ポリアミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、蓚酸以外の他のジカルボン酸成分を含むことができる。蓚酸以外の他のジカルボン酸成分としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸、また、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、さらにテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等を単独で、あるいはこれらの任意の混合物を重縮合反応時に添加することもできる。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。上記のジカルボン酸の配合量としては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、一般的には、ジカルボン酸の総量に対して、5モル%以下であることが好ましい。
前記ポリアミド樹脂のジアミン成分としては1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物を用いることが重要である。更に、1,9−ノナンジアミン成分と2−メチル−1,8−オクタンジアミン成分のモル比は、1:99〜99:1であることが重要であり、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは5:95〜40:60又は60:40〜95:5、特に好ましくは5:95〜30:70又は70:30〜90:10である。
前記ポリアミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他のジアミン成分を含むことができる。1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン以外の他のジアミン成分としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン、更にシクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン、更にp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどを単独で、あるいはこれらの任意の混合物を重縮合反応時に添加することもできる。他のジアミン成分の使用量は、ジアミン成分全体の5モル%以下であることがワイパーの優れた吸液性、保液性、耐薬品性、低発塵性を発現させる点で好ましい。
前記ポリアミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、一部が他のポリマー成分で置き換えられたものであってもよい。他のポリマー成分としては、ジカルボン酸成分が蓚酸からなり、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド以外のポリアミドとしての、ポリオキサミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドなどのポリアミド類や、ポリアミド以外の熱可塑性ポリマーなどが挙げられる。前記ポリアミド樹脂中の、ジカルボン酸成分が蓚酸からなり、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1であるポリアミドの割合は、50質量%超、更に70質量%以上が好ましい。
前記ポリアミド樹脂は、その分子鎖における〔CONH/CH2 〕の比が1/2〜1/8であることが好ましく、1/3〜1/5であることがより好ましい。この範囲のポリアミド樹脂を使用することによって、吸液性、保液性、低発塵性に優れたワイパーが得られる。
前記ポリアミド樹脂は、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端の40%以上であることがより好ましく、末端の70%以上であることが特に好ましい。分子鎖の末端を封止することにより、得られるワイパーの強度、耐薬品性等が優れたものとなる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であればとくに制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。取り扱いの容易さ、反応性、封止末端の安定性、価格の点でモノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などを挙げることができる。なお、末端の封止率はH−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めることができる。
前記ポリアミド樹脂の分子量に特別の制限はないが、ポリアミド樹脂濃度が1.0g/dlの96%濃硫酸溶液を用い、25℃で測定した相対粘度ηrが1.8〜6.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2.0〜5.5であり、2.5〜4.5が特に好ましい。
前記ポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分として蓚酸を用い、ジアミン成分として1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンを共重合することで、蓚酸と1,9−ノナンジアミンからなるポリアミドと比べて、上記相対粘度を増加させること、すなわち分子量を増加させることが可能である。また、実質的な熱分解の指標である1%重量減少温度(以下、Tdと略す)と融点(以下、Tmと略す)の差(Td−Tm)で表される成形可能温度範囲が、蓚酸と1,9−ノナンジアミンからなるポリアミドと比べて拡大し、成形可能温度範囲が好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であることができ、更には90℃以上も可能である。上記ポリアミド樹脂は、Tdが好ましくは280℃、より好ましくは300℃以上、更に好ましくは320℃以上であり、高い耐熱性も有している。
本発明においては、上記ポリアミド樹脂に加えて、必要に応じて各種添加剤を組合せることができ、これらはポリアミド重縮合反応時、またはその後に組合せることができる。
各種添加剤としては、補強剤、フィラー、銅化合物などの安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ガラス繊維、可塑剤、潤滑剤、耐熱剤などが挙げられる。
補強剤としては、例えば層状珪酸塩を好ましく使用できる。層状珪酸塩は、一辺の長さが0.002〜1μmで、厚さが6〜20Åである平板状のものを用いることが好ましい。また、上記層状珪酸塩は、ポリアミド樹脂中に分散した際に、各層が約18Å以上の層間距離を保ち、均一に分散されるものであることが好ましい。ここで、「層間距離」とは、平板状をなす層状珪酸塩の各重心の間の距離をいい、「均一に分散する」とは、各層が主にランダムな状態で存在し、層状珪酸塩の50質量%以上、好ましくは70質量%以上が、複層物を形成することなく単層に分散していることをいうものとする。
上記層状珪酸塩の原料としては、珪酸マグネシウムまたは珪酸アルミニウムの層から構成される層状フィロ珪酸鉱物、すなわち、珪酸アルミニウム質フィロ珪酸塩または珪酸マグネシウム質フィロ珪酸塩を例示することができる。具体的には、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、スティブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト等を例示することができ、これらは天然のものであっても、合成されたものであってもよい。
なお、上記層状珪酸塩は、ミキサー、ボールミル、振動ミル、ピンミル、ジェットミル、叩解機等を用いて粉砕し、予め所望の形状及びサイズのものとしておくことが好ましい。
上記層状珪酸塩の量は、機械的強度や風合の向上効果が得られる量であれば特に制限されるものではないが、本発明で用いるポリアミド樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.05〜8質量部、特に好ましくは0.05〜5質量部である。層状珪酸塩の割合が低くなると、上記向上効果が小さくなる傾向があり、上記割合が高くなると、樹脂組成物の流動性や得られる成形物の物性、特に衝撃強度が低くなる傾向がある。
上記層状珪酸塩をポリアミド樹脂に分散させるために、通常、膨潤化剤が用いられる。該膨潤化剤は、粘土鉱物の層間を拡げる役割と、粘土鉱物に層間ポリマーを取り込む力を与える役割とを有するものであり、本発明の場合には、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンを用いることが好ましい。
上記層状珪酸塩をポリアミド樹脂中に均一に分散させる方法としては、例えば以下の方法を例示できる。層状珪酸塩の原料が多層状粘土鉱物である場合、層状珪酸塩を塩酸等によりイオン化し、ここに膨潤化剤として1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンを添加して、予め層状珪酸塩の各層の間隔を広げる。次いで、当該層の間にポリアミド原料を導入し、さらに当該層の間で上記原料を重合させることができる。
また、膨潤化剤として高分子化合物を用いて層間を約100Å以上に予め広げ、これをポリアミド樹脂と溶融混合して、各層をポリアミド樹脂に分散させてもよい。
前記ポリアミド樹脂を構成成分とするポリアミド繊維の製造には、公知の溶融紡糸装置を用いることができ、単独紡糸、複合紡糸のいずれの方法で繊維化しても構わないが、たとえば、複合紡糸であれば前記ポリアミド樹脂と他の熱可塑性樹脂とをそれぞれ別の押出機で溶融混練し、引き続き同一の紡糸ノズルから吐出させればよい。この場合、あらかじめ前記ポリアミド樹脂と他の樹脂を混合しておいたものを複合成分の一つに用いてもよい。
前記ポリアミド繊維の繊度はワイパーの用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、より高い吸液性、保液性、拭き取り性を発揮するために表面積を大きくする必要があるため、5.0dtex以下であることが好ましく、3.0dtex 以下であることがより好ましく、0.5dtex以下であることが更に好ましい。一方、発塵性を抑える観点から、単繊維繊度は0.0001dtex以上であることが好ましい。0.5dtex以下のポリアミド繊維を得る方法としては、たとえば直紡方式、海島方式、分割方式等が挙げられるが、特に限定されるものではない。分割型複合繊維の場合、3種以上の成分により構成されていてもかまわないが、紡糸性、分割性等の点からは2成分系繊維であるのが好ましい。前記ポリアミド樹脂を1成分とする場合、繊維横断面においてポリアミド樹脂が他の熱可塑性重合体により2以上、特に8〜200の領域に分割されている繊維が好ましい。
剪断力等の機械的応力により複合型分割繊維を分割細化するため、他の熱可塑性重合体としては、特に限定されるものではないが、たとえばオレフィン系熱可塑性重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが好適に使用できる。特にオレフィン系熱可塑性重合体を用いた場合、ポリアミド樹脂とオレフィン系熱可塑性重合体との相溶性が乏しいために、分割性に優れた繊維が得られる。この場合、湿式抄造時のパルパーやミキサーによる叩解力で実質的に完全に分割する繊維が得られる。このため分割細化のための高圧の水流絡合を行う必要がなく、水流絡合痕によるピンホールが生じない、また実質的に完全分割した繊維を抄造できるため、加圧などの抄造後の処理によって繊維が分割細化された湿式シートに比べて均一な地合のシートが得られるといった利点がある。またオレフィン系熱可塑性重合体を用いることにより、耐薬品性に優れたワイパーが得られる。
前記ポリアミド繊維は繊維長さ方向に実質的に連続している繊維が好ましい。より具体的には、図1の(1)〜(6)に示すような多層状分割型、放射状分割型等の複合繊維が好適に使用できる。また繊維長も特に限定されるものではないが、シートの形成方法よって適宜設定することができる。たとえば、湿式法によってシート化する場合は1〜30mmであることが好ましく、カード法やエアレイ法等の乾式法によってシート化する場合には10〜70mmであることが好ましい。
本発明のワイパーは上記ポリアミド樹脂を構成成分とする繊維を含んだシートからなり、該シートは、優れた吸液性、保液性、耐薬品性、発塵性を発揮するように前記ポリアミド繊維を30質量%以上含むことが好ましく、とくに50質量%以上含むことが好ましい。前記ポリアミド繊維の含有量が30質量%未満であると吸液性、保液性、耐薬品性、低発塵性を同時に発現させることが困難な場合がある。
本発明のワイパーは、前記ポリアミド繊維以外に他の繊維を配合されていてもよい。例えば、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド;エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、などのポリオレフィン系樹脂単独または2種類以上からなる複合形態の繊維;天然セルロース繊維をマーセル化したセルロース系繊維;マーセル化されたパルプなどを挙げることができる。
本発明のワイパーは、公知の熱溶融性バインダー、特にバインダー繊維、糊剤等を使用することにより、シートの形態安定性を向上させることも可能である。このバインダー繊維の単繊維繊度は、発塵性、拭き取り性、保液性、吸液性、強力等の点から0.01〜3dtexであることが好ましく、耐薬品性等の点からはポリオレフィン系繊維が好ましい。繊維横断面は丸型、繭型、中空型,T型等特に限定されるものではない。さらにワイパーの強力・形態安定性等を高めるために、バインダー、特にバインダー繊維をさらに配合してもよい。ワイパーの強力、均質性、製造工程性等の点からはバインダー繊維の繊度は0.5〜6dtex程度であるのが好ましい。なお、バインダー繊維はシート化した後に繊維の形状を明確に保持している必要はなく、バインダー繊維を用いてシートを製造することにより上記の効果が得られる。
前記バインダー繊維は単一ポリマー成分により構成されていてもよいが、接着効果を奏すると同時に十分な強力を保持できることから、2つ以上のポリマー成分により構成されているのが好ましく、例えば芯鞘型、サイドバイサイド型、層状分割型、放射状分割型等の複合繊維や海島繊維が好適に使用できる。繊維横断面は丸型、偏平型、繭型、中空型,T型等特に限定されるものではない。中でも耐薬品性が高いこと、低融点であるなどの点から、ポリオレフィン系バインダー繊維であるのが好ましく、特にポリエチレン系重合体及び/又はポリプロピレン系重合体を少なくとも用いたバインダー繊維が好ましい。特にポリエチレン系樹脂を鞘成分、ポリプロピレン系樹脂を芯成分とする鞘芯型複合繊維がより好適に使用できる。バインダー繊維の配合量は1〜30重量%、特に3〜20重量%とするのがシート強力、地合等の点から好ましい。
本発明によれば、ワイパー用素材として前記ポリアミド樹脂を含有する繊維を用いることにより、低発塵性の点で顕著な効果が得られる。本発明における発塵性の評価は、試料を回転するドラム内に投入し、ドラム内の羽根によって掻き揚げる動作と、重力によって落下する動作を与えて発塵させ、試料を投入した試験機からの単位体積あたりの発塵数(パーティクル/立方フィート(p/cf))によって行い、その発塵数は、好ましくは4000p/cf、より好ましくは3900p/cf以下、更に好ましくは3700p/cf以下、特に好ましくは3500p/cf以下である。発塵数が4000p/cfを超えると、拭き取りを行なった対象物上に発塵物が多数残存する可能性があり、好ましくない。
ワイパーの製造に際しては、かかる繊維を用いてシート化すればよいが、生産性、吸液性、保液性、拭き取り性、機械的性能等の点からは布帛(織編物,不織布)、特に不織布であることが好ましい。
また本発明によれば、ワイパー用素材として前記ポリアミド樹脂を含有する繊維を用いることにより、保水性に優れたワイパーが得られる。より具体的には、本発明のワイパーの保水率は、好ましくは300質量%以上、より好ましくは400質量%以上である。
本発明に係わる不織布は任意の製造方法で得ることができる。例えば繊維ウェッブ(不織布の絡合または結合前のもの)を形成して、繊維ウェッブ内の繊維を接着または絡合させることにより不織布化する一般的な手法等で製造することができる。得られた不織布はそのまま使用しても良いし、複数枚の積層体として使用してもよい。繊維ウェッブの形成方法としては、例えばカード法やエアレイ法等の乾式法、抄紙法などの湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法等があり、いずれかの手法でウェッブを得ることができる。
具体的に各方法を説明する。乾式法によるウェッブの形成はローラーカード、ランダムカード、ウェッバー等を用いて繊維ウェッブを製造することができ、該ウェッブは繊維の方向性によりパラレルウェッブ、クロスウェッブ、クリスクロスウェッブ、セミランダムウェッブ、ランダムウェッブに種別されるが、繊維の配向方向が交差した形状のウェッブが、たて方向とよこ方向の布帛の強力差が小さくなるので好適である。
このような繊維ウェッブから不織布を形成する方法としては、たとえば、繊維ウェッブを水流やニードル等の作用によって絡合させる方法、バインダーによって接着させる方法、縫糸でウェッブを縦網状に縫合する方法等があり、これらの方法は単独で、あるいは組み合わせて行うことができる。
湿式法による繊維ウェッブの形成は抄紙法が一般的であるが、かかる方法は生産性が高く、同一装置で繊維径の異なる繊維や複数の種類の繊維を任意の割合で混合できる利点がある。すなわち、繊維の形態もステープル状、パルプ状等と選択の幅が広く、使用繊維径も極細繊維から太い繊維まで使用可能といった極めて応用範囲が広く、地合の良好なウェッブが得られる。該方法はまず、溶融紡糸して得られた繊維をカットして水中に分散して緩やかに攪拌のもと均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを丸網、長網、傾斜式などのワイヤーの少なくとも1つを有する抄紙機を用いて抄紙する方法である。またこのようにして得られた湿紙あるいは乾燥後の紙を単独、または積層したシートに水流を当て絡合させてもよい。カットされた繊維はビーターあるいはリファイナーなどで叩解処理が施された後に抄紙スラリーとしてもよく、抄紙の際に粘剤、分散剤等を添加してもよい。
前記ポリアミド繊維100%の実質的に接着剤や他の繊維を含まないシートを形成する場合には、溶融紡糸しながら周囲から高温気流を噴出して繊維を細化し、これを捕集面上に集積するメルトブロー法が好適である。また、紡出された繊維を冷却しながら細化−延伸−ウェッブ形成工程が直結したスパンボンド法も使用でき、延伸方法はエアジェットによってもローラーによってもよく、開繊は摩擦帯電法、強制帯電法、衝突拡散法、気流拡散法などによって行うことができる。
以上の手法でウェッブ形成を行った後に乾燥を施すことにより所望の不織布が得られる。乾燥手段は熱風、熱カレンダー処理等により行えばよい。特に表面平滑性の向上、シートの厚さ調整、強度、高密度化の発現のためには熱カレンダー処理を行うことが好ましい。
上述の手法以外では、スプリットフィルム法や発泡フィルム法等の手法でもシート化は可能である。
本発明のワイパーは特に親水化処理を行わなくても、十分な吸液性能を有しており良好な拭き取り性能を有してはいるが、さらに高い吸液性が必要とされる用途に使用する場合、親水化処理を施してもよい。親水化処理法としては、グラフト重合処理、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、フッ素ガス処理、樹脂コーティング、スルホン化処理等が挙げられ、これらの処理のいずれの手法で処理を行っても構わない。
上述の手法で得られたシートはそのまま用いて、ワイパーとすることができる。もちろん該シート以外のものと組み合せてワイパーを製造してもよい。たとえば他のシート(不織布、フィルム等)と積層したり、継ぎ合せることができる。しかしながら、本発明の効果を効率的に得る点からは実質的に前述のシート、特に不織布のみからワイパーを製造するのが好ましい。
以下に実施例により本発明を説明するが、本実施例により何等限定されるものではない。なお実施例中の各測定値は以下の方法により測定された値である。
[シートの厚さ(mm)、密度(g/cm3 )]
JIS P 8118「紙及び板紙の厚さと密度の試験方法」に準じて測定した。
[シートの坪量(g/m2 )]
JIS P 8124「紙のメートル坪量測定方法」に準じて、シートを10 cm角に裁断し、その質量Wを電子天秤(メトラー社製、AE160型)で測定し、W/0.01により算出した。
[シートの強力・裂断長(km)]
JIS P 8113「紙及び板紙の引張強さ試験方法」に準じて、シートを15mm×250mmに裁断し、強力を測定し、裂断長を算出した。
[保水率(%)]
50mm×50mmの紙試料を20℃、蒸留水に浴比1/100の条件で30分間浸漬し、30秒間自然液切りを行った。処理前の試験片の重量W0 、処理後の試験片の重量をW1 とし、次の式により保水率(%)を算出した。
保水率(%)=(W1 −W0 )/W0 ×100
[吸水速度(秒)]
吸水速度は、蒸留水を試験片シートに滴下して、シートが水滴を吸収するにつれて鏡面反射が消え、湿潤だけが残った状態までに達する時間を目視観察するものであり、単位は(秒)で表される。試験方法としては、200mm×200mmの試験片シートをJIS L1907に規定する試験片保持枠に固定し、試験片の表面からビュレットの先端が10mmになるようにする。ビュレットから蒸留水を1滴滴下させ、試験片上の水滴の鏡面反射が消えるまでの時間を測定する。試験は試験片1種につき5回行い、測定値は5回の平均時間で算出される。試験片に蒸留水を滴下したとき、瞬時にその鏡面反射がなくなるときには測定値は0.1以下とし、10分間経過しても、水滴の鏡面反射が残っているときには、600以上とした。
[拭き取り性]
ガラス板上に蒸留水を1.5cc滴下し、10cm×10cm、坪量が120〜130g/m2 の試験片で軽く拭き取り、拭き取り後のガラス板上の蒸留水の残存度合いを目視確認した。水が実質的に完全に拭き取られたものを◎、ほぼ完全に拭き取られているものを○、わずかに残るものを△、かなり残るものを×、ほぼ完全に残るものを××とした。
[発塵数(発塵性)]
JIS B 9923(タンブリング法)に準じて、25cm×25cmに裁断した試料10枚の0.3μm以上の発塵数(p/cf)を測定した。
[耐薬品性]
(1)水酸化ナトリウムに対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%水酸化ナトリウム水溶液に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
(2)硫酸に対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%硫酸に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
(3)塩酸に対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%塩酸に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
(4)次亜塩素酸ナトリウム水溶液に対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
(5)アンモニア水に対する耐性
JIS P 8113に準じて、不織布の試験片を70℃の10%アンモニア水に1時間浸漬処理した。処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測定し、その強力保持率で表した。
(6)強力保持率
下記式により強力保持率を計算した。
強力保持率=(薬品処理後の試験片の強力)×100/(薬品処理前の試験片の強力)
[参考例1]
[ポリアミド樹脂(a)の製造]蓚酸19.5モル、1,9−ノナンジアミン10.0モル、2−メチル−1,8−オクタンジアミン10.0モル、安息香酸1.0モル、次亜リン酸ナトリウム−水和物0.06モルおよび蒸留水2.2リットルを、内容積20リットルのオートクレーブに添加し、窒素置換を行った。ついで100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内温を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。この粉砕物を230℃、10Pa下にて10時間固相重合することによりポリマーを得た。
[参考例2]
[ポリアミド樹脂(a)からなる単独繊維の製造]
参考例1で製造したポリアミド樹脂(a)を押出機を用いて溶融押出しし、0.125mmΦ×100ホールの丸孔ノズルより吐出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が10〜100の範囲になるようにそれぞれの速度を調節し、巻取速度500〜2000m/分の範囲で巻き取った。ついで、1浴が90℃、2浴が95℃の水浴を用いて延伸し、続いて200℃で熱収縮処理を行い、約1500dtex/1000フィラメントの延伸糸を得た(単繊維繊度2.2dtex)。延伸倍率は最大延伸倍率の0.8倍で行った。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
[参考例3]
[ポリアミド樹脂(a)とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維の製造]
参考例1で得られたポリアミド樹脂(a)を67重量%(X層)と、ポリプロピレン(日本ポリケム、SA01、Y層)を33重量%の配合比で複合し、押出機で溶融押出しし、0.25mmΦ×24ホールの丸孔ノズルより吐出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が10〜100の範囲になるようにそれぞれの速度を調節し、図1の(1)に示すような、X層Y層が交互に積層されてなるだ円形状の多層分割型複合繊維を製造した。該多層分割型複合繊維の層の数はX層が6層、Y層が5層の合計11層である。この多層分型複合繊維を、1浴90℃、2浴が95℃の水浴を用いて延伸処理を行い、約200dtex/60フィラメントの延伸糸を得た(単繊維繊度3.3dtex、各層の平均繊度0.3dtex)。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
[参考例4]
[ポリアミド樹脂(a)とポリエチレンとからなる多層分割型複合繊維の製造]
参考例3において、多層分割型複合繊維を構成するポリプロピレンをポリエチレン(日本ポリケム、HE483)に変更したこと以外は参考例3と同様に繊維化を行い、約200dtex/60フィラメントの延伸糸を得た(単繊維繊度3.3dtex、各層の平均繊度0.3dtex)。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
[参考例5]
[ポリアミド樹脂(b)の製造]
テレフタル酸19.5モル、1,9−ノナンジアミン10.0モル、2−メチル−1,8−オクタンジアミン10.0モル、安息香酸1.0モル、次亜リン酸ナトリウム−水和物0.06モルおよび蒸留水2.2リットルを、内容積20リットルのオートクレーブに添加し、窒素置換を行った。ついで100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内温を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。この粉砕物を230℃、10Pa下にて10時間固相重合することによりポリマーを得た。
[参考例6]
[ポリアミド樹脂(b)からなる単独繊維の製造]
参考例5で製造したポリアミド樹脂(b)を押出機を用いて溶融押出しし、0.125mmΦ×100ホールの丸孔ノズルより吐出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が10〜100の範囲になるようにそれぞれの速度を調節し、巻取速度500〜2000m/分の範囲で巻き取った。ついで、1浴が90℃、2浴が95℃の水浴を用いて延伸し、続いて200℃で熱収縮処理を行い、約1500dtex/1000フィラメントの延伸糸を得た(単繊維繊度2.2dtex)。延伸倍率は最大延伸倍率の0.8倍で行った。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51 mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
[参考例7]
[ポリアミド樹脂(b)とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維の製造]
参考例5で得られたポリアミド樹脂(b)を67質量%(X層)と、ポリプロピレン(日本ポリケム、SA01、Y層)を3重量%の配合比で複合し、押出機で溶融押出しし、0.25mmΦ×24ホールの丸孔ノズルより吐出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフト)が10〜100の範囲になるようにそれぞれの速度を調節し、図1の(1)に示すような、X層Y層が交互に積層されてなるだ円形状の多層分割型複合繊維を製造した。該多層分割型複合繊維の層の数はX層が6層、Y層が5層の合計11層である。この多層分型複合繊維を、1浴90℃、2浴が95℃の水浴を用いて延伸処理を行い、約200dtex/60フィラメントの延伸糸を得た(単繊維繊度3.3dtex、各層の平均繊度0.3dtex)。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
[参考例8]
[ポリアミド樹脂(b)とポリエチレンとからなる多層分割型複合繊維の製造]
参考例7において、多層分割型複合繊維を構成するポリプロピレンをポリエチレン(日本ポリケム、HE483)に変更したこと以外は参考例3と同様に繊維化を行い、約200dtex/60フィラメントの延伸糸を得た(単繊維繊度3.3dtex、各層の平均繊度0.3dtex)。得られた延伸糸は、乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
[参考例9]
[バインダー繊維]
鞘成分がポリエチレン、芯成分がポリプロピレンである2.2dtexの芯鞘型複合繊維(株式会社クラレ製「N−740」)を用いた。乾式法によるウェッブ形成を行う際には51mmにカットした捲縮糸を用い、湿式法によるウェッブの形成を行う際には繊維長が5mmになるようにカットし、シートの原綿として使用した。
[実施例1]
参考例2のポリアミド樹脂(a)からなる単独繊維の51mmカット捲縮糸90質量%、参考例9のバインダー繊維10質量%を混合し、ローラーカードを用いて目付130g/m2のウェブを製造した。次いで、ノズル径0.1mm、ピッチ0.6mm、1列のノズルプレートを使用し、水圧20kg/cm2 −80kg/cm2 −60kg/cm2−40kg/cm2 の水流で裏表各1回水流絡合処理を行った後、110℃に加熱したエンボスロールにて部分的に熱圧着し、厚みが0.35mmのシートを得た。得られたシートは保水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れ、低発塵性であった。得られたシートの物性、性能を表1に示す。
[実施例2]
参考例3のポリアミド樹脂(a)とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にシート化を行った。得られたシートは保水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れ、低発塵性であった。得られたシートの物性、性能を表1に示す。
[実施例3]
参考例4のポリアミド樹脂(a)とポリエチレンとからなる多層分割型複合繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にシート化を行った。得られたシートは吸水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れ、低発塵性であった。得られたシートの物性、性能を表1に示す。
[実施例4]
参考例3のポリアミド樹脂(a)とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維の5mmカット糸80重量部、参考例10のバインダー繊維20質量%を混合し、この紙料を抄紙機(角型25cm×25cm)で抄紙して坪量約100g/m2 の不織布を作成した。次いで、ノズル径0.1mm、ピッチ0.6mm、1列のノズルプレートを使用し、水圧10kg/cm2−30kg/cm2−50kg/cm2−30kg/cm2 の水流で裏表各1回水流絡合処理を行った後、110℃に加熱したエンボスロールにて部分的に熱圧着し、厚みが0.25mmのシートを得た。得られたシートは地合が良好であり、保水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れ、低発塵性であった。得られたシートの物性、性能を表1に示す。
[比較例1]
参考例6のポリアミド樹脂(b)からなる単独繊維の51mmカット捲縮糸90質量%、参考例9のバインダー繊維10質量%を混合し、ローラーカードを用いて目付130g/m2のウェブを製造した。次いで、ノズル径0.1mm、ピッチ0.6mm、1列のノズルプレートを使用し、水圧20kg/cm2 −80kg/cm2 −60kg/cm2−40kg/cm2 の水流で裏表各1回水流絡合処理を行った後、110℃に加熱したエンボスロールにて部分的に熱圧着し、厚みが0.35mmのシートを得た。得られたシートは保水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れているものの発塵性に関しては劣る結果となった。得られたシートの物性、性能を表2に示す。
[比較例2]
参考例7のポリアミド樹脂(b)とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にシート化を行った。得られたシートは保水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れているものの、発塵性に関しては劣る結果となった。得られたシートの物性、性能を表2に示す。
[比較例3]
参考例8のポリアミド樹脂(b)とポリエチレンとからなる多層分割型複合繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にシート化を行った。得られたシートは吸水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れているものの、発塵性に関しては劣る結果となった。得られたシートの物性、性能を表2に示す。
[比較例4]
参考例7のポリアミド樹脂(b)とポリプロピレンとからなる多層分割型複合繊維の5mmカット糸80質量%、参考例9のバインダー繊維20質量%を混合し、この紙料を抄紙機(角型25cm×25cm)で抄紙して坪量約100g/m2 の不織布を作成した。次いで、ノズル径0.1mm、ピッチ0.6mm、1列のノズルプレートを使用し、水圧10kg/cm2−30kg/cm2−50kg/cm2−30kg/cm2 の水流で裏表各1回水流絡合処理を行った後、110℃に加熱したエンボスロールにて部分的に熱圧着し、厚みが0.25mmのシートを得た。得られたシートは地合が良好であり、保水率、吸水速度、拭き取り性、耐薬品性に優れているものの、発塵性に関しては劣る結果となった。得られたシートの物性、性能を表2に示す。
Figure 2015167700
Figure 2015167700
X:ポリアミド樹脂(a)
Y:他の熱可塑性重合体

Claims (4)

  1. ジカルボン酸成分が蓚酸からなり、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂を含有する繊維を構成繊維として含むワイパー。
  2. 単繊維繊度が0.0001〜5.0dtexである前記ポリアミド繊維を30重量%以上含み、保水率が300%以上である請求項1に記載のワイパー。
  3. 前記ポリアミド繊維が、前記ポリアミド樹脂と他の熱可塑性重合体とからなる分割型複合繊維に由来する繊維である請求項1又は2に記載のワイパー。
  4. 前記他の熱可塑性重合体がポリオレフィンである請求項3に記載のワイパー。
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