JPH07324248A - 水拭き用極細繊維ワイピングクロス - Google Patents

水拭き用極細繊維ワイピングクロス

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JPH07324248A
JPH07324248A JP6119293A JP11929394A JPH07324248A JP H07324248 A JPH07324248 A JP H07324248A JP 6119293 A JP6119293 A JP 6119293A JP 11929394 A JP11929394 A JP 11929394A JP H07324248 A JPH07324248 A JP H07324248A
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JP
Japan
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wiping
water
cloth
resin
wiping cloth
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Application number
JP6119293A
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English (en)
Inventor
Shunji Imai
俊二 今井
Kayo Ochi
佳世 越智
Kazuhisa Takahashi
和久 高橋
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Duskin Co Ltd
Original Assignee
Duskin Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少量の水を含ませてテーブル等の面の拭き取
りに使用する水拭き用ワイピングクロスにおいて、該ワ
イピングクロスが、単繊維径4μm以下のナイロン、ポ
リエステル、又はポリプロピレンの極細繊維を使用した
目付量30乃至500g/m2 の織布、編地乃至不織布
から成ることを特徴とする水拭き用ワイピングクロス。 【効果】 従来の水拭きワイピングクロスにおける諸欠
点が解消され、柔軟、軽量で、風合いが良く、ダスト捕
集性に優れていると共に、水拭き後における拭き跡が残
らない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水拭き用ワイピングクロ
スに関し、更に詳細には、柔軟、軽量で且つ風合いが良
く、ダスト捕集性に優れていると共に、水拭きした後に
おける拭き跡が残らない水拭き用極細繊維ワイピングク
ロスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水拭き用ワイピングクロスとして
は、最も一般的な家庭用乃至業務用の雑巾をはじめとし
て、多種多様なワイピングクロスが市販されまた使用さ
れている。またワイピングクロスの内には、水を用いな
い、所謂、化学雑巾あるいはドライメインテナンス雑巾
なども広く使用されている。
【0003】上記ドライタイプの雑巾等は織布、編地乃
至不織布等に油剤等を含浸させたり、又は織布等の表面
に特殊な加工処理を施したものであり、水で手を濡らさ
ずに清掃することができ、非常に有用なものであるが、
なお汚れの種類によっては水拭きによる清掃が不可欠な
場合も多く、また水は最も安全且つ安価で最も容易に得
られ、取り扱いも容易であるため、水拭き用ワイピング
クロスは現在でも家庭用にもまた業務用分野においても
最も広く一般的に使用されている。
【0004】水拭き用ワイピングクロスの材料として
は、最も一般的な木綿布をはじめとして、各種の親水性
の天然繊維、人造繊維、合成繊維等の織布、編地乃至不
織布等が用いられているが、これら従来の水拭き用ワイ
ピングクロス、たとえば雑巾等は、これに水を含浸さ
せ、テーブル等を拭いて汚れを取り除く場合において、
殆どの場合、その清掃面に少量の水滴等が残留し、清掃
面に所謂水跡を残す。
【0005】従って通常このような水拭きの場合には、
その洗浄を完全なものとし、清掃面を完全に綺麗に仕上
げるために、乾拭き等により該水拭きした清掃面を再度
拭き取り、水跡による汚れの残りを完全に消去させると
いう手間をかける必要があった。
【0006】また水跡を残さないために、雑巾等のワイ
ピングクロスをあまり固く絞りすぎ、雑巾等に含浸させ
た水分量があまりにも少ない場合は、汚れの種類やその
程度によっては、汚れの拭き取りが完全でなくなってし
まい、水拭き本来の目的が十分に達成されないと言う不
都合を生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】従って、本発明の目
的は、上記した従来の水拭き用ワイピングクロスの欠点
が回避され、水拭き後に清掃面に水跡が残らず、従って
乾拭き等の重複拭き取りの手間を必要としない拭き取り
特性の良好な水拭き用ワイピングクロスを提供すること
にある。
【0008】本発明の他の目的は、柔軟、軽量で、しか
も風合いが良く且つ汚れ吸収性、ダスト吸着保持性に優
れ、反復使用しても、その機能が劣化せず、売切用及び
レンタル用(使用後の汚れたクロスを回収し、洗浄再生
後顧客に再び届ける)の両タイプのいずれにも使用でき
る水拭き用ワイピングクロスを提供することにある。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、少量
の水を含ませてテーブル等の面の拭き取りに使用する水
拭き用ワイピングクロスにおいて、該ワイピングクロス
が、単繊維径4μm以下のナイロン、ポリエステル、又
はポリプロピレンの極細繊維を使用した目付量30乃至
500g/m2 の織布、編地乃至不織布から成ることを
特徴とする水拭き用ワイピングクロスが提供される。
【0010】この極細繊維は、特にその単繊維径が3.
2μm以下の範囲にあることが好ましい。
【0011】
【作用】本発明では、特定範囲の単繊維径を有するナイ
ロン、ポリエステル又はポリプロピレンの極細繊維から
成る特定目付量の織布、編地乃至不織布を水拭き用ワイ
ピングクロスとして用いる点、及びこの水拭き用ワイピ
ングクロスが他の通常の水拭き用ワイピングクロス、た
とえば、木綿、レーヨン製等の所謂雑巾に比較して、比
較的少量の水を含浸させて使用される点が顕著な特徴で
ある。
【0012】極細繊維は、通常の天然繊維、人造繊維、
合成繊維に比較して著しく細い繊維径を有する単繊維か
ら構成されており、たとえば、天然繊維である絹では約
1乃至1.3デニール、ウールでは3乃至5デニール、
合成繊維であるナイロンにおいて代表的なストッキング
用フィラメントでは15デニール程度、テトロン繊維の
内、ワイシャツ用ステープル単繊維で1.5デニール程
度の単繊維太さであるのに対し、極細繊維は少なくとも
1デニール以下、通常0.1デニールから細いものは
0.00001デニール程度の単繊維太さを有してい
る。
【0013】このような極細繊維より成る織布、編地乃
至不織布は、軽く、柔らかで、表面感触がソフトである
等の特徴のほか、微粒子ダスト当の吸着性に優れている
ことが知られ、、超微細ゴミ除去用のフィルター素材
や、眼鏡拭き等の用途にも既に利用されている。
【0014】しかしながら、特定単繊維径より成るナイ
ロン、ポリエステル、またはポリプロピレンの極細繊維
を使用した、特定目付量の織布、編地乃至不織布を選択
し、これに少量の水を含ませてテーブル等の拭き取りに
使用する水拭き用ワイピングクロスは未だ知られていな
い。
【0015】本発明のワイピングクロスは、水拭き清掃
に際して、清掃面に水滴を残すことがほとんどなく、従
って清掃後に水跡を残さないと云う顕著な特徴を有す
る。
【0016】これは、本発明のワイピングクロスが、極
細繊維の内でも、特にその単繊維径が特定範囲、すなわ
ち、4μm以下であるナイロン、ポリエステル、または
ポリプロピレンの極細繊維を使用し、且つ生地組織が高
密度化された織布、編地乃至不織布で構成されているこ
とに基因するものと考えられる。
【0017】上記した、本発明の極細繊維布は、通常の
織布たとえば綿布、レーヨン布等に比べて著しく繊維径
が小さく、しかも、本発明のクロス(布)は組織が高密
度であるため単繊維間の空隙部分、即ち、細孔空間部分
の平均径が著しく小さく且つ該細孔群が密に分布してお
り、従って、水等の液体媒体に対し、毛管現象に基づく
吸水力が通常の他の繊維に比べて著しく強い。
【0018】このことのために、例えば本発明のクロス
に水を含浸させ、これでテーブル等の清掃面を清掃する
に際し、該クロス(布)を手等で抑圧すると、該クロス
内に保持されていた含水の少量がクロス表面に押出さ
れ、この少量の水分が清浄面に浸出し、汚れ物質の溶
解、懸濁作用と共にダストの吸収作用を奏するが、クロ
スの押圧を解除すると、該押出されたクロス表面の水分
は直ちに再びクロス内に大部分再吸収され、従って清掃
面に大きな水滴等の水跡を残すことがない。
【0019】更に、該クロスは極く細い単繊維より構成
されているものであるため、クロスの清掃時における前
記抑圧解除の瞬時において、該テーブル等の清掃面上に
わずかに残留する水滴も、その水滴粒の個々の大きさが
ごく微少なものとなっており、その水滴粒質量と水滴表
面積との関係から清掃後すぐに蒸発飛散してしまうた
め、清掃後すぐに実質的に水跡を残さない状態となる。
【0020】この現象は、おそらく水拭き時において、
清掃面上に残留する水滴の大きさが、前記清掃時の抑圧
解除、クロス除去の瞬時における、清掃面とクロス面と
の間の接触状態に依存するためと考えられる。
【0021】即ち、清掃時において清掃面とクロス面と
の間には、浸出水の層が介在するが、これがクロス面と
清掃面とが離される瞬時においては、該クロス表面上に
分布する極細繊維よりなるクロスの微小凸部に、その表
面張力の作用により各々分離集合して行き、最終的に
は、該極細繊維の単繊維により形成される各微細凸部群
の各相当直径にほぼ対応する相当直径の水滴群として残
留分離されるため、残留水滴の径が微細となるものと考
えられる。
【0022】又本発明のワイピングクロスは、極細繊維
の微細構造に基づき、特にミクロな微粒ダストの吸収、
吸着性に優れている点も顕著な利点であり、清掃後に水
跡を残さない点と相俟って、本発明のワイピングクロス
によって水拭き清掃した場合は、後に乾拭き等の二重清
浄の手間をかけなくとも十分にきれいな清掃面に仕上げ
ることができる。
【0023】
【発明の好適態様】
(極細繊維)本発明においては、水拭き用ワイピングク
ロスの織布、編時乃至不織布素材として、単繊維径4μ
m以下のナイロン、ポリエステル、又はポリプロピレン
の極細繊維を使用する。
【0024】本発明で用いる該極細繊維の一つであるナ
イロン極細繊維の素材樹脂は、ナイロン樹脂、すなわ
ち、ポリアミド系樹脂であれば特に限定されることな
く、各種のホモポリアミド、コポリアミドが使用され得
る。
【0025】これらのナイロン樹脂としては、例えば、
ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイ
ロン9、ナイロン11、ナイロン12等の他、ポリメタ
キシレンアジポアミド(MXD)、パラシクロヘキシル
ジアミンアジパミド等の各種ナイロンを挙げることが出
来、、又各種の共縮合ポリアミド、ポリアミドブレンド
も使用することが出来る。
【0026】又、ポリエステル極細繊維の素材樹脂であ
るポリエステル樹脂としては、これも繊維用に使用され
る飽和ポリエステル樹脂であれば、特に限定されること
なくいずれの樹脂でも使用され得るが、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のホモポリエステルの他、ポリエチレンテレフタレート
・イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート・セバ
ケート、ポリエチレンテレフタレート・アジペート、ポ
リテトラメチレンテレフタレート・イソフタレート、そ
の他のコポリエステル及びこれらホモポリエステルとコ
ポリエステルのブレンド物等を挙げることができる。
【0027】又同様にポリプロピレン樹脂としては、繊
維形成用に供される、結晶性ポリプロピレンホモポリマ
ーすなわち、アイソタクチックポリプロピレン、シンジ
オタクチックポリプロピレンの他、プロピレン単位を主
体としこれに少量の他の単量体たとえば、エチレン、ブ
テン等のオレフィン類、又はアクリルニトリル、アクリ
ル酸、その他の共重合性単量体を共重合させたプロピレ
ン主体の繊維用共重合体樹脂を挙げることが出来る。
【0028】本発明で用いる上記、ナイロン、ポリエス
テル、ポリプロピレン樹脂よりなる極細繊維自体は、既
に公知であり、例えば、高分子相互配列体繊維海成分溶
解法、剥離型複合繊維の剥離法、メルトブロー法、フラ
ッシュ紡糸法、スーパードロー法等の方法で製造されて
いる。
【0029】本発明でクロス構成材料として使用する極
細繊維の単繊維径は、4μm以下、好ましくは0.1乃
至3.2μmの範囲、特に好ましくは0.3乃至3.2
μmの範囲のものを使用する。
【0030】該単繊維径が4μm以上では、本発明のワ
イピングクロスとしての諸特性、すなわち、優れた吸水
性、含水性、含水保持性が達成されないだけでなく、特
に、水拭きによる拭き取り特性が改善されず、水拭き後
の残留水滴の微細化が十分でなく見苦しい拭き跡を残す
ことになる。
【0031】又、単繊維径があまり小さい繊維は、製作
が困難でありコスト高となるため、ワイピングクロス用
としてはコスト的に適当でないと共に、上記諸特性の改
善効果も、それほど顕著でなく、又、その諸特性のバラ
ンス、たとえば汚れの吸着性と汚れの移行性のバランス
等においてもやや劣ったものとなる。
【0032】又本発明においては、該極細繊維に汚れの
付着を防止し、洗浄再生時の汚れ落ち性を更に向上させ
るためそれ自体公知の防汚剤を添加してもよい。
【0033】(ワイピングクロス用織布、編地乃至不織
布)本発明では、前記特定単繊維径のナイロン、ポリエ
ステル乃至ポリプロピレン極細繊維よりなる織布、編地
乃至不織布をワイピングクロスとして用いるが、該クロ
スは、目付量として30乃至500g/m2 、好ましく
は40乃至400g/m2 の範囲のものを用いる。クロ
スの目付量が上記範囲より少ない織布、編地乃至不織布
では、良好な拭取特性が達成できず、一方上記範囲より
多い目付量のものでは、ワイピングクロスとしての軽量
性、柔軟性にやや欠ける。
【0034】本発明のワイピングクロスは、前記極細繊
維よりなる織布、編地であっても不織布であってもよい
が、本発明のワイピングクロス用布として好適なものの
一例として、前記極細繊維をハイゲージの編み機で編
み、さらに高収縮加工によって収縮させた編地を例示す
ることができる。
【0035】本発明のワイピングクロスとして極細繊維
よりなる不織布を用いる場合は、極細繊維の不織布に樹
脂を含浸させ樹脂加工処理したものを用いることが好ま
しく、このような樹脂を含浸させて得られた不織布を本
発明の水拭きワイピングクロスとして用いた場合、その
吸水性、風合い等がより優れたものとなるだけでなく、
水拭きに際して、水跡の水滴がより細かくなるという顕
著な効果を奏する。
【0036】又不織布の切断端縁部乃至はその近傍が樹
脂含浸処理されることにより該樹脂がその端縁部乃至近
傍の極細繊維同志を接着させ、又繊維のほつれや、ばら
け、毛ば立ち等が防止できワイピングクロスの形状安定
性や耐久性が著しく向上する。
【0037】該含浸させる樹脂としては、ウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等の他、SBR,N
BR等を例示することが出来、発泡性、非発泡性のいず
れでも使用出来る。これらの樹脂の内、ウレタン樹脂、
アクリル樹脂又はSBRが好ましい。
【0038】含浸用樹脂としてウレタン樹脂を用いる場
合、使用するポリウレタン樹脂は、一般に人工皮革等の
製造に用いられているポリウレタン樹脂であり、このも
のはポリエーテル、ポリエステルの如き軟質のセグメン
トと、ポリアミド、ポリ尿素の如き硬質のセグメントと
から成っており、例えば末端水酸基を有するポリエーテ
ル又はポリエステルと有機ジイソシアネートとを反応さ
せて得られた末端にイソシアネート基を有するポリエー
テル又はポリエステルを、水或いはジアミン等と反応さ
せ鎖長延長せしめるか、或いはこのイソシアネート末端
ポリエーテル又はポリエステルと、末端に1級アミノ基
を有するポリアミド或いはポリアミノ或いはポリ尿素と
を反応させることにより容易に得られる。ポリエーテル
の適当な例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール或いはこれらの共重合体等であり、ポリエ
ステルの適当な例は、ポリエチレンアジペート、ポリエ
チレンセバケート、ポリエチレンセバケート/テレフタ
レート等である。有機ジイソシアネートとしては、2,
4−トリレンジイソシアネート、ジフェニル−4,4´
−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4´−ジ
イソシアネート等があげられる。鎖長延長に用いるもの
としてはジアミン類及びグリコール類がある。ジアミン
類としては例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ベンジジン、ジフェニルメタン−4,4−ジアミン
等が、またポリアミドとしてはポリヘキサメチレンアジ
パミド、ポリカプロラクタム、或いはその共重合体のよ
うなオリゴマーが使用される。グリコール類としてはエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール及びキシレングリコール等が使用される。
【0039】本発明で使用するポリウレタン樹脂は、耐
水、耐洗濯性に優れた適当分子量範囲のポリウレタン樹
脂であることが望ましい。又、ウレタン樹脂は、ミクロ
発泡させた発泡ウレタンがより好ましいが、非発泡性ウ
レタンを含浸させたものも十分に本発明の目的を達成で
きる。
【0040】本発明の目的に特に好適なポリウレタン樹
脂は、ニッポラン5110の商品名で日本ポリウレタン
工業(株)から市販されている。ニッポラン5110は
アルキル基末端のポリウレタン樹脂でN,N−ジメチル
ホルムアミドに溶解してあり、水と混合した時にN,N
−ジメチルホルムアミド溶液からポリウレタン樹脂を凝
析する際にミクロフォームを形成させることができる。
【0041】含浸用樹脂としてアクリル系樹脂を用いる
場合、使用するアクリル系樹脂は、一般に、革、紙、繊
維の加工用に用いられるものが好適であり、たとえば、
Rがアルキル基の一般式
【0042】
【化1】
【0043】で表されるアクリル酸エステル重合体、又
はアクリル酸乃至アクリル酸エステルを主体とし、これ
に他の単量体、例えばスチレン、酢酸ビニル等を共重合
させた共重合体、又は、たとえばRがアルキル基の一般
【0044】
【化2】
【0045】で表されるメタアクリル酸エステル重合体
又はその共重合体が用いられる。具体的には、上記アク
リル酸エステル乃至メタアクリル酸エステル重合体樹脂
の例として、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オク
チル、(メタ)アクリル酸・2エチル−ヘキシル等を例
示することが出来、共重合体樹脂としては、上記した
(メタ)アクリル酸エステル類を組合せた共重合体の
外、メタクリル酸エステル乃至アクリル酸エステルと酢
酸ビニルとの共重合体、(メタ)アクリル酸エステルと
スチレン共重合体、メタクリル酸エステル、スチレン、
酢酸ビニル、アクリル酸共重合体、あるいはアクリル酸
エステル、アクリル酸、メタクリル酸メチル、酢酸ビニ
ルなどの共重合体を例示することができる。
【0046】本発明で使用するアクリル系樹脂は、耐
水、耐洗濯性に優れた適当分子量範囲のアクリル系樹脂
であることが望ましい。
【0047】含浸用樹脂としてSBR(スチレン・ブタ
ジエン・ゴム)を用いる場合、使用するSBRは革、繊
維等の加工用に用いられるグレードのものが好ましく、
いわゆるハイスチレンゴム等が好適に使用される。
【0048】本発明の不織布にこのような樹脂を含浸さ
せる方法としては、特にこれに限定されるものではない
が、例えば不織布の全面乃至は少なくともその端縁部乃
至その近傍に、樹脂の有機溶剤溶液、又は樹脂のエマル
ジョン等を塗布含浸させる方法或いは不織布全面を処理
する場合は、樹脂溶液乃至エマルジョン中に不織布を浸
漬する方法等を用いることができる。塗布の場合は、ロ
ーラー塗布、スプレー塗布、ハケ塗り等の任意の方法を
用いることができる。
【0049】樹脂の有機溶剤溶液を調製するのに用いる
有機溶媒としては、用いる樹脂を均一に溶解し、且つ調
製溶液が上記含浸乃至塗布処理に適した粘度に調整出来
得る低乃至中沸点の溶剤が好ましく、その溶媒の選択は
用いる樹脂により異なり、適宜、選択されるが、例えば
アクリル系樹脂の場合、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、アセトニトリル、マロニトリル、2−ヒ
ロリドン、ジメチルスルホキシド等を挙げることが出
来、ポリウレタン樹脂の場合は例えば、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テト
ラメチル尿素、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、
マロニトリル等を挙げることが出来る。SBRの場合に
は、芳香族系等の炭化水素系溶剤に溶解させた溶液とし
て施用してもよいが、例えば、水性ラテックス等の形で
施用するのがより好ましい。
【0050】塗布用乃至浸漬用溶液の濃度乃至エマルジ
ョンの固形分濃度は、該不織布に施す樹脂の種類及びそ
の量等を考慮して適宜調節するが、通常0.5乃至25
%の範囲に調製するのが好ましい。
【0051】不織布当りの樹脂の使用量も、施用樹脂の
種類、使用の態様その他により変動するが、樹脂が例え
ばアクリル系樹脂の場合であって、全面処理する場合
は、固形樹脂分重量として、エマルジョン塗布乃至浸漬
では、不織布重量当り0.1乃至2、溶剤塗布乃至浸漬
では、0.2乃至1.5の範囲が好ましく、特にワイピ
ングクロスとしての性能上からは、不織布重量/樹脂重
量比、95/5乃至50/50、好ましくは90/10
乃至70/30、特に好ましくは、85/15を中心に
した範囲の重量比で実施されることが好ましい。
【0052】又、ポリウレタン樹脂の場合は、固形樹脂
分重量として、エマルジョン塗布乃至浸漬では、不織布
重量当り0.1乃至2溶剤塗布乃至浸漬では、0.2乃
至1.5の範囲が好ましく、特にワイピングクロスとし
ての性能上からは、不織布重量/樹脂重量比、90/1
0乃至30/70、好ましくは80/20乃至60/4
0、特に好ましくは、70/30を中心にした範囲の重
量比で実施されることが好ましい。
【0053】本発明の水拭き用ワイピングクロスは上記
した極細繊維織布、編地乃至不織布に小量の水を含浸さ
せて使用する。
【0054】該水分含浸量は必ずしも臨界的でなく、該
クロスを水中に浸し、後取り出して適度に絞り過剰水分
を除去する程度でよいが、通常クロス(乾量)重量に対
し150%乃至350%程度で使用するのがよい。
【0055】
【実施例】本発明を次の実施例で更に詳しく説明する。
尚実施例中の試験方法は下記の通りである。
【0056】(試験方法) 1 吸水速度 改良ラローズ法 ドーナツ板使用せず 条件 ヘッド差 3cm 加 重 480g 2 保水率 試料(布)5×5cmの質量を測定する(W)。水に2
分間浸漬後、金網上に2分間放置し重量を測定する(W
x)。次式で保水率を計算する。 3 拭き取り性(拭き取り直後の水滴の残留量) 水拭き直後に清掃面上に残留した水滴の大きさ、量を目
視により観察した。 4 クロスの引張強さ JIS L 1096 ストリップ法 定速伸長形 引張速度:30cm/分 試験片の幅×掴む間隔:5×20cm 5 その他の実用特性 水拭きクロスの拭きやすさ、絞りやすさ、汚れ除去の程
度を実際の水拭き作業において評価した。なお試料とし
てのクロスの大きさは、各サンプルクロスにより若干異
なるがほぼ30cm×30cm程度のものを用いた。
【0057】(試験サンプル布)本発明のワイピングク
ロスとして、下記の3種のクロスを用意した。 実施例(試料A) ナイロン 100% 単繊維径 2μm 目付量 90g/m2 の不織布にアクリル系樹脂(不織布:樹脂=85:1
5)を含浸させたもの 実施例(試料B) ポリエステル 100% ハイゲージK高収縮編地 単繊維径 2.2μm 目付量 180g/m2 実施例(試料C) ポリプロピレン 100% 高収縮高密度織布 単繊維径 2.5μm 目付量 170g/m2 又、比較例クロスとして下記の市販のワイピングクロス
4種を用意した。 比較例(D) レーヨン製不織布 単繊維径 15μm 目付量 60g/m2 比較例(E) 綿布 単繊維径 13μm 目付量 150g/m2 比較例(F) 合成セーム皮 単繊維径 12.6μm 目付量 290g/m2 比較例(G) ポリエステル 100% ハイゲージ高収縮編地(吸水加工品) 単繊維径 7.3μm 目付量 380g/m2
【0058】(評価試験) 1 吸水速度(吸水量) 本発明のワイピングクロス(試料A,B,C)及び比較
例のクロス(試料D,E,F,G)について、クロスの
吸水速度を測定した。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】なお、表1における10秒後及び20秒後
の吸水量(ml)から、本発明のワイピングクロス(試
料A,B,C)の吸水速度は、比較例のレーヨンクロス
(試料D)よりやや高く、代表的な水拭きワイピングク
ロスである綿布クロス(試料E)とほぼ同等の吸水速度
を有することが判る。
【0061】2 保水率(保水量) 上記試験1と同様の試料について、クロスの保水率を測
定した。結果を表2に示す。
【表2】
【0062】本発明のクロスの保水率は綿布に比べて同
等乃至やや低いが、本発明においては、使用時における
水の含浸量が少なくてよいので、上記保水量は実用上十
分な値である。
【0063】3 クロスの引張り強さ 本発明のワイピングクロス(試料A,B,C)及び比較
例としての本発明以外の市販ワイピングクロス(試料
D,E,F,G)の引張り強度を測定した。結果を表3
に示す。
【0064】
【表3】
【0065】表3の結果より本発明のワイピングクロス
は比較例のクロスに比較して、たて、よこ、の引張り強
さが綜合的に強く、清掃作業における水絞り等の引張
り、ねじりに対して十分強力、且つ十分な耐久性を有す
ることが判る。
【0066】4 拭き取り性及びその他の実用特性 本発明のワイピングクロス(試料A,B,C)及び比較
例ワイピングクロス(試料D,E,F,G)について、
水拭き操作時の拭き取り性能を、水拭き直後に清掃面上
に残留した水滴の大きさ、量を目視により観察して評価
した。又実際の水拭き操作における拭きやすさ、絞りや
すさ、汚れ除去の程度を比較評価した。結果を表4に示
す。
【0067】
【表4】
【0068】表4の結果から、本発明のワイピングクロ
スは、水拭き後に水滴を殆んど残さず、わずかに残留し
た水滴も、その滴粒が著しく小さく、しかも拭き易さや
絞り易さ等の実用特性に優れていることが判る。
【0069】又、上記表1乃至表4の結果の綜合的評価
から、従来の綿のような親水性繊維を素材としたワイピ
ングクロスは、水吸収速度や保水量は大きいが、クロス
の比較的表面に近い部分に水分を多く保持し、且つ水を
保持する繊維組織内の空隙(細孔)の径が大きいため保
持水の吸着坦持力が小さく、清掃面に滲出した水分の大
部分を再吸収することが出来ない結果、残留水滴を多く
残し、しかも水滴径が大きく、拭き取り性が悪い傾向を
有するが、これに対し、本発明のワイピングクロスは、
水吸収速度や保水量はそれほど大きくないが、残留水滴
を殆ど残さず拭き取り性に優れていると共に、拭きやす
さ、絞りやすさ等の実用特性に顕著に優れ汚れ除去性能
がきわめて良好であることが判る。特に本発明のワイピ
ングクロスの内、極細繊維不織布にアクリル系樹脂を含
浸させ樹脂加工処理を施したものは、特に風合いが良
く、しかも水拭きに際し、ごく少量残る水滴が著るしく
微細であるという特徴を有する。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、ナイロン、ポリエステ
ル、又はポリプロピレンの単繊維径4μmの極細繊維よ
りなる目付量30乃至500g/m2 の織布、編地乃至
不織布に少量の水を含ませて水拭きワイピングクロスと
したことにより、従来の水拭きワイピングクロスにおけ
る諸欠点が解消され、柔軟、軽量で風合いが良く、ダス
ト捕集性に優れていると共に、水拭きした後における残
留水滴が少なく、しかも水滴が微細であるため水拭き直
後に該残留水滴が蒸発飛散し、水拭き後における拭き後
が残らない水拭き用ワイピングクロスを提供することが
できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/60 321 C 6/62 303 J D06M 15/693

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少量の水を含ませてテーブル等の面の拭
    き取りに使用する水拭き用ワイピングクロスにおいて該
    ワイピングクロスが、単繊維径4μm以下のナイロン、
    ポリエステル、又はポリプロピレンの極細繊維を使用し
    た目付量30乃至500g/m2 の織布、編地乃至不織
    布から成ることを特徴とする水拭き用ワイピングクロ
    ス。
  2. 【請求項2】 前記水拭き用ワイピングクロスを形成す
    る不織布が樹脂含浸不織布である請求項1記載の水拭き
    用ワイピングクロス。
  3. 【請求項3】 前記不織布含浸用樹脂がアクリル系樹
    脂、ウレタン系樹脂、またはSBRである請求項2記載
    の水拭き用ワイピングクロス。
  4. 【請求項4】 極細繊維の単繊維径が0.1乃至3.2
    μmの範囲にある請求項1乃至3記載の水拭き用ワイピ
    ングクロス。
JP6119293A 1994-05-31 1994-05-31 水拭き用極細繊維ワイピングクロス Pending JPH07324248A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001048292A1 (de) * 1999-12-23 2001-07-05 Carl Freudenberg Kg Sanitärwäsche
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