JP2014004264A6 - ネールエナメル落とし用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】リムーバーに対して優れた吸液性と放液性を発現し、適度な腰があって、型崩れがしにくく拭き取り性や掻き取り性に優れたネールエナメル落とし用シートを提供する。
【解決手段】パルプ繊維および熱融着性合成繊維を主成分とするエアレイドウェブを熱処理した不織布(A)からなる吸収層の少なくとも一方の面に、異なる不織布(B)からなる表層が設けられたネールエナメル落とし用シート。不織布(A)の熱融着性合成繊維が前記吸収層全体の20乃至80質量%である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ネールエナメル落とし用に使用されるシートに関し、詳しくはエナメルリムーバー液(以下、単に「リムーバー」という)をシートに含浸させ、これによって爪に塗布されたネールエナメルの皮膜を拭き取り除去する目的で使用されるネールエナメル落とし用シートに関する。
従来、爪に塗布されたネールエナメルの皮膜を除去するため、リムーバーが使用されている。このリムーバーでネールエナメルの皮膜を除去する際には、まず化粧用コットンにリムーバーを含浸させ、この状態のコットンで爪の表面を拭き取ることにより爪からネールエナメルの皮膜を除去していた。
このリムーバーは、一般にニトロセルロースや樹脂を溶解する溶剤類の混合物が用いられており、この溶剤類でネールエナメルを溶解させるので、ネールエナメルの皮膜を容易に爪から除去できる。
上述の様に、ネールエナメルの皮膜を除去するために、化粧用コットンが用いられてきたが、ネールエナメルのなかには、見栄えを良くする目的から光沢用ラメを配合させたものがあり、このようなネールエナメルの皮膜の除去を効率的に行うために、化粧用コットンの表面に複数の孔を形成したもの(特許文献1)や、繊維質シートの表面に凹凸模様を施したもの(特許文献2)などが提案されている。また、ラメを落としやすい不織布層と、リムーバーを含浸しやすいコットン層とを組み合わせて、使い勝手の良いネールエナメル落としコットンとするため、不織布層と、リムーバーを含浸しやすいコットン層とを熱融着ネットを介在して一体接合する(特許文献3)などの提案もなされている。
特開2002−262931号公報 特開2005−245714号公報 特開2009−273596号公報
しかしながら、これら特許文献に記載されたネールエナメル落としコットンも、爪の甘皮部分や爪の周辺の隙間部分を拭き取る際に、腰(曲げに対する剛性)が弱く、うまく拭き取り難いことがあり、必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は、リムーバーに対して優れた吸液性と放液性を有し、型崩れがしにくく拭き取り性や掻き取り性に優れたネールエナメル落とし用不織布の提供を目的とする。
本発明のネールエナメル落とし用シートは、パルプ繊維および熱融着性合成繊維を主成分とするエアレイドウェブを熱処理した不織布(A)からなる吸収層の少なくとも一方の面に、異なる不織布(B)からなる表層が設けられたネールエナメル落とし用シートであって、前記熱融着性合成繊維が前記吸収層全体の30乃至80質量%であることを特徴とする。
また、前記不織布(A)の一方の面に異なる不織布(B)の表層を設け、他方の面には更に別の異なる不織布(C)の表層を設けたものが好ましい。
前記不織布(B)および不織布(C)は、前記不織布(A)に対して熱融着により接着されていることが好ましい。
前記不織布(B)および不織布(C)は、ネット上に配置されたウェブに対して高圧水流を噴射して、該ウェブ中の原料繊維を絡めるスパンレース法、熱可塑性高分子を溶融させ、連続した長繊維状に吐出しながら繊維を交絡させる事によってシートを形成させるスパンボンド法、ウェブに対してニードルを突き刺して、前記ウェブ中の原料繊維を絡めるニードルパンチ法より選ばれるいずれか一の方法により製造されたものが好ましい。
また、本発明のネールエナメル落とし用シートの見かけ密度は、0.1〜0.5g/cmであることが好ましい。
本発明によれば、リムーバーに対して優れた吸液性と放液性を発現し、適度な腰があって、型崩れがしにくく拭き取り性や掻き取り性に優れたネールエナメル落とし用シートを提供できる。
ネールエナメル落とし用シートの一例を示す縦断面図である。 本発明のネールエナメル落とし用シートの使用形態の一例を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<ネールエナメル落とし用シート>
図1は、本発明のネールエナメル落とし用シートの構成を示す縦断面図である。
このネールエナメル落とし用シートは、不織布(A)からなる吸収層1の一方の面に、不織布(B)からなる表層2が、他方の面に不織布(C)からなる表層3が設けられた不織布積層体4からなる。
[吸収層(不織布(A))]
吸収層1を構成する不織布(A)は、パルプ繊維と熱融着性合成繊維とを主成分とする原料繊維から形成されたエアレイドウェブを熱処理して得られるものである。
不織布は、一般に、原料繊維を積層してシート状のウェブとするウェブ形成工程と、得られたウェブ中の原料繊維を結合する繊維結合工程とを経て製造される。
本発明で用いられる不織布(A)は、ウェブ形成工程としてエアレイド法を採用して得られたエアレイドウェブに対して、熱処理によりエアレイドウェブ中の熱融着性合成繊維を溶融させて繊維間に結合を形成する、いわゆるサーマルボンド法を繊維結合工程として採用し、製造されたものである。エアレイド法とは、空気流を利用して原料繊維を3次元的にランダムに積層させるウェブの形成方法である。エアレイド法及びサーマルボンド法を採用することによって、吸収性に優れたパルプ繊維を用い、有機溶剤を含むリムーバーを吸収させても繊維がばらばらになる事がないため、毛羽立ち難く、連続使用した際にも型崩れし難い不織布(A)を製造することができる。
繊維結合工程では、サーマルボンド法とともに、ラテックスボンド法を併用する方法(マルチボンド法)も採用できる。ラテックスボンド法とは、ウェブ中の原料繊維を接着剤で結合させる方法であり、エマルション系の接着剤を用いることが多い。接着剤の添加方法には、スプレー法と浸漬法がある。
不織布(A)に用いられるパルプ繊維としては、木材パルプ(針葉樹、広葉樹)、ラグパルプ、リンターパルプ、リネンパルプ、楮・三椏・雁皮パルプなどの非木材パルプ、古紙パルプなどの原料パルプから得られたものが例示できる。また、原料パルプとしては、機械パルプ(GP、RGP、TMPなど。)、化学パルプ(亜硫酸パルプ、クラフトパルプなど。)のいずれも使用できる。これらのなかでは、供給量、品質の安定性、コストなどの点から、クラフトパルプが好ましい。
また、パルプ繊維としては、長さ加重平均繊維長(繊維長測定装置FS−200(カヤーニ社製)による測定。)が好ましくは10mm以下、より好ましくは6mm以下の短繊維を使用することが好ましい。
不織布(A)に用いられる熱融着性合成繊維は、繊維結合工程での熱処理により、少なくとも一部が溶融し、バインダーとして作用するものであって、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、アクリル樹脂系、酢酸ビニル系(PVAc)の樹脂からなるものも採用することが出来る。
ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)は疎水性が高く、放液性に優れた不織布(A)が得られる。熱融着性合成繊維としては、融点の異なる2種類の樹脂を複合化させて得られ、繊維の表面のみが溶融する芯鞘型構造の熱融着性複合合成繊維が好ましい。芯鞘型構造の熱融着性複合合成繊維は、融点の高い樹脂からなる芯の外周上に、融点の低い樹脂からなる鞘が形成された構造を有し、具体的には、融点が異なる2種の樹脂を組み合わせた形態(PET/PET複合繊維、PE/PE複合繊維、PP/PP複合繊維、PE/PET複合繊維、PP/PET複合繊維、PE/PP複合繊維、PVAc/ 複合樹脂 )が挙げられる。また、本発明のネールエナメル落とし用不織布に用いる熱融着繊維としては、融点の低い樹脂を用いたり、常温でゴム状態をの樹脂を用いると、しなやかに折り曲げられる特性に優れることためより好ましい態様である。 しかしながら、融点が低すぎたり、ゴム状態で柔軟すぎる樹脂を用いると、シートの腰が低下し、爪の甘皮部分や爪の周辺の隙間部分をうまく拭き取り難くなる。 適度な腰が得られ、且つしなやかさにも優れるため、酢酸ビニル系の熱融着繊維を好適に用いる事が出来る。
熱融着性合成繊維の繊維長は、2〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、さらに好ましくは2〜6mmである。このような繊維長であると、エアレイド法によってエアレイドウェブを形成する際に、これらの繊維が3次元的にランダムに積層し、その結果、均質でネールエナメル落とし用シートとして連続使用した場合に型崩れしにくい不織布(A)となる。繊維長がこの範囲の上限値を超えると、繊維長が長すぎるために、エアレイド法に供してもほとんどの繊維がウェブの面方向に沿って2次元的に配向してしまい、3次元的に積層させることが難しくなる。その場合、得られた不織布(A)は吸液性が不充分となったり地合が劣ったり、型崩れが生じやすくなる傾向がある。一方、下限値未満では、不織布(A)において繊維が密になって吸液性が低下するとともに、肌に触れた際の肌触りが硬くなるなどの傾向がある。
熱融着性合成繊維の繊維径は、0.5〜20dtexが好ましく、0.5〜3dtexがより好ましく、さらに好ましくは1〜2.5dtexである。このような繊維径であると、吸液性の優れる不織布(A)が得られる。また、不織布(A)の嵩が適度となり、感触にも優れる。繊維径がこの範囲の上限値を超えると、嵩高い不織布(A)が得られるものの、ポアサイズが大きくなり過ぎて毛細管力が低下し、吸液性が低下するとともに、繊維自体が剛直になるためにちくちく感が増し、肌触りが悪くなる。一方、繊維径がこの範囲の下限値未満では、ポアサイズが小さくなるために毛細管力は上昇する。しかしながら、吸収したリムーバーを保持するスペース(ポア)も小さいために、結果的に、吸液性は劣る傾向があり、肌触りも硬くなる傾向がある。
なお、本明細書において、繊維径は、単位「dtex(デシテックス)」で表す。1dtexとは、長さ10000mで1gの重さの糸の太さである。繊維長は、任意に選択した50本以上の繊維をサンプルとし、これらについて電子顕微鏡観察により測定した長さの平均値である。
不織布(A)に使用される原料繊維は、上述したパルプ繊維および熱融着性合成繊維を主成分とするが、上述したパルプ繊維および熱融着性合成繊維以外の合繊繊維を含んでもよい。 例えば、縮合成繊維や、熱処理により捲縮(クリンプ、カール、スパイラル)が顕在化する潜在捲縮合成繊維を併用することも出来る。
不織布(A)に使用する熱融着性合成繊維の割合は、吸収層全体を100質量%とした場合に、熱融着合成繊維30乃至80質量%である。 即ち、30質量%未満ではネールエナメル落とし用シートとしての腰が弱く爪の甘皮部分や爪の周辺の隙間部分をうまく拭き取り難くなり、一方、80質量%を越えると、リムーバーを吸収、保持する性能が低下し、腰は強くなるもののシートのしなやかさが低下して、折り曲げ難くなり、拭き取り適性が劣る。
吸収層を構成する不織布(A)の嵩(密度)としては、0.1〜0.5g/cmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.4g/cmである。このような嵩であれば、リムーバーに対する良好な吸収性と、適切なシートの腰を両立することが出来る。本明細書において、嵩は、TECLOCK製定圧厚さ測定器、PG−02による8g/cm加重条件により測定した。
また、厚さは0.5〜5mmであることが好ましく、この範囲であれば、充分なリムーバー吸収性が得られるとともに、ネールエナメル落とし用シートとしてより取扱いやすい。より好ましい範囲としては0.5〜3mmである。また、坪量としては50〜300g/mで適宜調節される。
[表層(不織布(B))]
上述した不織布(A)から構成される吸収層1の少なくとも一方の面には、異なる不織布(B)からなる表層2が設けられる。
不織布(A)は、パルプ繊維と熱融着性合成繊維を主成分としてエアレイド法を経て製造されたものであり、吸収層としてネールエナメルを溶解するために必要な量のリムーバーを吸収し保持するのに好適な性質を有しているが、繊維長2〜20mm程度の繊維から構成されているため、リムーバーによって膨潤されて軟らかくなったネールエナメルの塗膜を拭き取ったり掻き取ったりする際に、繰返し擦ったり、折り曲げたりすると繊維が脱落したり毛羽立ちを生じ易い。そこで、表層2として異なる不織布(B)を配置し、中層1を被覆することにより、吸収層に充分なリムーバーを保持できるとともに、拭き取り性や掻き取り性に優れたネールエナメル落とし用シートとする事が出来る。
不織布は一般に、原料繊維を積層してシート状のウェブとするウェブ形成工程と、得られたウェブ中の原料繊維を結合する繊維結合工程とを経て製造される。本発明のネールエナメル落とし用シートに用いられる不織布(B)としては、どのようなウェブ形成工程と繊維結合工程を経て製造されたものでも使用できる。例えば、熱可塑性樹脂を溶融させて繊維状に吐出し、吐出された長繊維を重ね合わせてウェブを形成し(ウェブ形成工程)、ついで、このウェブを熱ロールなどで加熱して、長繊維同士を熱融着する(繊維結合工程)製法で得られた不織布、いわゆるスパンボンド法による不織布や、肌触りのよいウェブが得られるカーディング法(ウェブ形成工程)などのウェブを形成方法を用いたものが使用でき、ついで、このウェブに対して、熱処理による結合(サーマルボンド法)や接着剤による結合(ケミカルボンド法)による繊維結合工程として採用した不織布をも散ることが出来る。 また、長繊維を用いたウェブを形成させ、水流を用いたり機械的に繊維を交絡させてシート化する結合方法を繊維結合工程として採用した不織布も用いることが出来る。このような繊維結合工程としては、具体的には、スパンレース法、ニードルパンチ法が挙げられる。
繊維結合工程として、熱処理により繊維を結合させる方法や、接着剤を用いて繊維を結合させる方法を採用した場合、得られた不織布(B)は、風合いが硬く、がさがさした肌触りとなる傾向にある。これに対して、繊維結合工程として、ネット(金網など。)上に配されたウェブに対してノズルから高圧水流を噴射して繊維同士を絡めるスパンレース法は、肌触りが優れるため、表層2への使用に適している。
不織布(B)の原料繊維の材質としては、特に限定するものではないが、例えばレーヨン、コットン、リヨセルなどの天然系繊維、アクリル、PET、PP、PE/PETなどの合成繊維を適宜使用することが出来、これらのうちの1種からなる原料繊維が単独で使用されても、2種以上の原料繊維が併用されてもよい。レーヨンは、これらのなかでも肌触りの良好な不織布(B)が得られやすく好ましい。 原料繊維の繊維径、繊維長は、不織布の製造において一般的に採用される範囲内で適宜設定できる。
表面層を構成する不織布(B)の嵩(密度)としては、0.1〜0.5g/cmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.4g/cmである。このような嵩であれば、肌触りや腰の面で好ましい。
また、厚さは0.5〜5mmであることが好ましく、この範囲であれば、充分なリムーバー吸収性が得られるとともに、ネールエナメル落とし用シートとしてより取扱いやすい。より好ましい範囲としては0.5〜3mmである。また、坪量としては50〜300g/mで適宜調節される。
不織布(B)からなる表層2は、不織布(A)からなる中層1の両面に設けられる。その際、中層1と表層2とは、例えば接着剤により接着されることが出来る。 接着剤としては、熱融着することにより接着作用を発揮する物質(ホットメルト系接着剤;PE粉体などの熱融着性物質など。)が使用される。接着剤の使用量は、例えば3〜15g/mである。あるいは、熱融着性合成繊維の作用により融着されてもよい。
また、前記不織布(A)の一方の面に異なる不織布(B)の表層を設け、他方の面には更に別の異なる不織布(C)の表層を設ける事も出来る。 例えば、不織布(B)を拭き取り性に優れたスパンレース不織布とし、不織布(C)をより繊維径の大きい繊維を用いて掻き取り性に優れた異なるスパンレース不織布とする事により、さらに使い勝手の良好なネールエナメル落とし用シートとする事が出来る。 また、この場合、一方の不織布に着色したり、両方の不織布に異なる色を着色することにより、機能や特性の異なる面を識別できるため好ましい。
<ネールエナメル落とし用シートの製造方法>
次にネールエナメル落とし用シートの製造方法について、一例を挙げて具体的に説明する。
まず、表層1を構成する不織布(B)を用意し、コンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に、製造された不織布(B)を繰り出す。
ついで、この不織布(B)上に、PE粉体などからなる接着剤を散布し、その上にエアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、原料繊維を構成するパルプ繊維と熱融着性合成繊維とを空気中で均一に混合しつつ、メッシュ状無端ベルト側に吸気流とともに下降させ、不織布(B)上に落下堆積させる。これにより、不織布(B)上に、原料繊維からなるエアレイドウェブを形成する(不織布(A)のウェブ形成工程)。
その後、エアレイドウェブ上にPE粉体などからなる接着剤を散布してから、不織布(C)を積層し、不織布(A)の一方の面に不織布(B)、他方の面に不織布(C)からなる表層3が設けられた積層ウェブを得る。
ついで、この積層ウェブを、例えば、周面が通気性を有する回転ドラムを備えたスルーエアードライヤーや、熱風を積層ウェブに貫通させることのできるボックスタイプドライヤーを通過させて、潜在捲縮合成繊維の捲縮性を発現させるとともに、熱融着性合成繊維によって、不織布(A)のエアレイドウェブを構成している原料繊維を嵩高の状態で接着して、不織布(A)からなる中層1を形成する(不織布(A)の繊維結合工程)。また、これと同時に、不織布(A)と表層2である不織布(B)及び表層3である不織布(C)とを接着させることができる。その結果、不織布(A)からなる中層1の一方の面に接着剤を介して不織布(B)からなる表層2が、他方の面に表層3である不織布(C)が積層した不織布積層体4が得られる。
ここで、不織布(A)と不織布(B)及び不織布(C)は、不織布(A)を構成している熱融着性合成繊維の溶融により融着(接着)させてもよいが、不織布(A)と不織布(B)との接着強度が充分に得られ、ネールエナメル落とし用シートとしての実用性に優れる観点から、上述のように、PE粉体などからなる接着剤を用いて、接着させることが好ましい。
また、スルーエアードライヤーの回転ドラムやボックスタイプドライヤーの通過後に、表面性の向上などの目的でプレスを行うと、シートの密度を適度に高めることにより、腰の強いネールエナメル落とし用シートとする事が出来るため好ましい。
ネールエナメル落とし用シートを構成する不織布積層体4としての嵩(密度)は、0.1〜0.5g/cmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.4g/cmである。厚さは0.5〜5mm、坪量は50〜500g/mが好ましい。
以上説明したように、本発明のネールエナメル落とし用シートは、吸収層1を構成する不織布(A)として、原料繊維が3次元的にランダムに積層したエアレイドウェブを熱処理して得られた嵩高い不織布を備えている。そのため、充分な量のリムーバーを吸収、保持する事が出来る。ここで仮に、吸収層1を構成する不織布(A)が、カーディング法を経て製造された不織布であると、この不織布は嵩が低く、そのため、充分な量のリムーバーを保持することはできない。また、非常にかたいため、ネールエナメル落とし用シートには適さない。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
コンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に、不織布(B)として、スパンレース法により製造されたレーヨン製の不織布(商品名:ルベナLO30S/A01、ユニチカ株式会社製、坪量30g/m)を繰り出した。
ついで、この不織布(B)上に、接着剤となるPE粉体の8g/mを散布してから、エアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、針葉樹化学パルプと熱融着性合成繊維とを50:50の質量比で空気中で均一に混合しつつ、メッシュ状無端ベルト側に吸気流とともに下降させて不織布(B)上に落下堆積させ、不織布(A)となるエアレイドウェブを不織布(B)上に形成した。
ついで、この積層ウェブを、周面
が通気性を有する回転ドラムを備えたスルーエアドライヤーを通過させて熱処理し、直後にプレスロールに通して圧着した。熱処理温度(ドラム温度)は、145℃とした。
これにより、不織布(A)からなる中層の方面に、接着剤を介して不織布(B)からなる表層が積層した不織布積層体(1)(坪量155g/m、厚さ3mm、密度0.05g/cm)を得た。そして、これを50×50mmの大きさに裁断し、実施例1のネールエナメル落とし用シートとし、(1)リムーバー吸収性、(2)腰の評価を行った。結果を表に示す。
(1)リムーバー吸収性
実施例で得られたネールエナメル落とし用シートの表面に、市販のネールエナメルリムーバー2gを滴下して吸収させた。リムーバーがネールエナメル落とし用シートに吸液されたかどうかを目視で確認し、以下の2段階で評価した。
○:全リムーバーが吸収されていた。
×:少なくとも一部のリムーバーが吸収されずに、表面に吸収できなかったリムーバーが残っていることが確認できた。
(2)腰
実施例で得られたネールエナメル落とし用シートを、二つ折りにして拭き取り易さを官能評価した。
○:適度な腰があり、拭き取り易い。
×:腰が弱すぎてシートが折れ曲がり、拭き取り難い。
[実施例2]
前記、実施例1において、不織布(A)となるエアレイドウェブを不織布(B)上に形成し その後、エアレイドウェブ上に先に用いたものと同じ接着剤の8g/mを散布してから、不織布(C)としてスパンボンド法により製造されたPET製の不織布(商品名:エクーレ3301A、東洋紡績株式会社製、坪量30g/m)を積層し、エアレイドウェブの方面に、不織布(B)からなる表層が、もう一方の面に不織布Cからなる表層が設けられた積層ウェブを得た。これを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2のネールエナメル落とし用シートを得、実施例1と同様に評価した。結果を表に示す。
[比較例1]
天然繊維であるコットン100%からなる市販の化粧用パフを用い、実施例1と同様に50×50mmの大きさに裁断し、比較例1のネールエナメル落とし用シートとして評価した。結果を表1に示す。
Figure 2014004264
表中、不織布(A)の原料繊維の構成を示す数値は、「質量%」である。
各評価により、以下のことが明らかとなった。
本発明実施例1のネールエナメル落とし用シートは、リムーバーの吸収性が良好で、かつ適度な腰があり、リムーバー液で溶解したネールエナメルを落とす際の使い心地が良好であった。 また、表層の不織布(B)によって、シートに吸収したリムーバーによって溶解したネールエナメルを拭き取って容易に落とすことが出来た。
本発明実施例2のネールエナメル落とし用シートは、リムーバーの吸収性が良好で、かつ適度な腰があり、リムーバー液で溶解したネールエナメルを落とす際の使い故国が良好であった。 また、表層の不織布(B)によって、シートに吸収したリムーバーによって溶解したネールエナメルを拭き取って容易に落とすことが出来、更に表層の不織布(C)によって、シートに吸収したリムーバーによって溶解しないまでも膨潤して軟化したネールエナメル塗膜を容易にかき落とすことも出来た。
比較例1のネールエナメル落とし用シートは、リムーバーの吸収性は良好であったが、腰が弱いため、使い心地に劣った。 また、繰返し拭き取りを繰り返すと繊維の毛羽立ちが生じた。

Claims (5)

  1. パルプ繊維および熱融着性合成繊維を主成分とするエアレイドウェブを熱処理した不織布(A)からなる吸収層の少なくとも一方の面に、異なる不織布(B)からなる表層が設けられたネールエナメル落とし用シートであって、
    前記熱融着性合成繊維が前記吸収層全体の20乃至80質量%であることを特徴とするネールエナメル落とし用シート。
  2. 前記不織布(A)の一方の面に異なる不織布(B)の表層を設け、他方の面には更に別の異なる不織布(C)の表層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のネールエナメル落とし用シート。
  3. 前記不織布(B)および/または不織布(C)が、前記不織布(A)に対して熱融着により接着されていることを特徴とする請求項1または2に記載のネールエナメル落とし用シート。
  4. 前記不織布(B)および/または前記不織布(C)は、ネット上に配置されたウェブに対して高圧水流を噴射して、該ウェブ中の原料繊維を絡めるスパンレース法、熱可塑性高分子を溶融させ、連続した長繊維状に吐出しながら繊維を交絡させる事によってシートを形成させるスパンボンド法、ウェブに対してニードルを突き刺して、前記ウェブ中の原料繊維を絡めるニードルパンチ法より選ばれるいずれか一の方法により製造されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のネールエナメル落とし用シート。
  5. 見かけ密度は、0.1〜0.5g/cm3であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のネールエナメル落とし用シート。
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