JPH0617356A - 嵩高性シート - Google Patents

嵩高性シート

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JPH0617356A
JPH0617356A JP4173545A JP17354592A JPH0617356A JP H0617356 A JPH0617356 A JP H0617356A JP 4173545 A JP4173545 A JP 4173545A JP 17354592 A JP17354592 A JP 17354592A JP H0617356 A JPH0617356 A JP H0617356A
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JP
Japan
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sheet
fiber
fibers
cleaning
bulky
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JP4173545A
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English (en)
Inventor
Kiyoko Ikoma
聖子 生駒
Akihito Shizuno
聡仁 静野
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細かなダスト等の汚れの吸着能及び保持能に
優れることはもとより、不織布の凹凸性を利用したパン
粉等の大きな汚れの捕獲や自由度の高い不織布繊維の絡
み効果によってもたらされる綿ぼこり、糸くず、髪の毛
等の捕集能に優れ、且つ柔軟性及び風合い等が良好であ
ると共に、掃除用シートとして用いた場合、汚水の付着
した被清掃面を払拭しても、ダストの捕集能力を維持し
たまま且つ手を汚水で汚すことなく乾式清掃を続行する
ことができ、またガラスの拭き作業をスムースに行うこ
とができ、乾式清掃及び湿式清掃の何れにも良好に用い
ることができる嵩高性シートの提供。 【構成】 本発明の嵩高性シートは、網状シートの片面
あるいは両面に、繊維の絡合で形成された不織布状の繊
維集合体がその構成繊維間の絡合と共に該網状シートに
対しても絡合状態で一体化されており、上記繊維集合体
の表面に多数の凹凸状部が形成されており、上記網状シ
ートの少なくとも片面に絡合されている繊維集合体の構
成繊維が親水性繊維を含んでいることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シートの表面が凹凸形
状を形成している嵩高性シート、特に、業務用あるいは
家庭用の清掃用物品(掃除用シート)、清拭材、衛生用
品における表面材あるいはクッション材等に用いられる
嵩高性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】清掃用物品(掃除用シート)としては、
例えば、織布あるいは不織布を基体とする湿式あるいは
乾式の清掃用拭布である雑巾、平面状の織布あるいは不
織布に油状物質を含浸させた化学雑巾、又はモップに代
表される糸状のものを束ねた形のものを湿式あるいは乾
式の状態で用いるもの等があり、これらの清掃用物品
は、目的に応じて家庭、事務所、店舗、ビル、工場等で
広く用いられている。
【0003】従来の清掃用物品である化学雑巾は、上記
の如く平面状の織布及び不織布に油状物質を含浸させた
ものが一般的であったが、被清掃面上の汚れを吸着し、
除去する吸塵能と、取った汚れを保持する保塵能及び清
掃面の傷付き防止性等の高性能化のため、より柔軟で嵩
高な不織布を清掃用物品の材料として用いることが提案
されている。
【0004】清掃用物品としての不織布の嵩高化の方法
としては、特開昭64ー61546号公報に記載のよう
に、一般的な不織布形成後、ステッチ等の後加工をする
もの、特開平2ー124122号公報に記載のように、
起毛させるもの、又、特開平2ー160962号公報、
特開平2ー191422号公報記載のように、不織布を
構成する繊維の全部あるいは一部に伸縮性あるいは捲縮
性繊維を用いるもの等があげられる。
【0005】又、嵩高性不織布の開発は、特開平1ー1
64312号公報等のように、その用途を清掃用物品に
限らず、クッション材、包装材料、あるいは衛生用品の
表面材等についても行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、上述した
嵩高性不織布は次のような課題を抱えている。一般的な
不織布の後加工による嵩高化や起毛による嵩高化では、
嵩高化の発現のために、より多量の不織布及び繊維原料
を使用しなければならず、一旦圧力をかけて清掃を行う
と、被清掃面との接触面が固定されてしまい、清掃物品
としての不織布の見掛けの厚さを構成している内層の不
織布ならびに繊維は、被清掃面と接触することができな
いので、基体である不織布の利用度が非効率的である。
【0007】又、繊維自体の伸縮性、捲縮性を利用して
嵩高性の凹凸を生じさせる方法は、細かなダスト等の汚
れの吸着能及び保持能は一般的な平面状不織布に比べて
向上するが、不織布の凹凸性を利用したパン粉等大きな
汚れの捕獲に充分な程の凹凸性は得られない。
【0008】又、該不織布に油状物質を含浸させた場
合、一般的な平面状不織布に油状物質を含浸させた場合
と同等にべたつき感を与え易く、使用者に不快感を与え
てしまい易い。
【0009】不織布を用いたクッション材の嵩高化は、
嵩高付与性をもつフィルム等と不織布の一体化時に接
着、溶着が行なわれて、不織布繊維の自由度が著しく低
下している。一般的に清掃物品としての不織布は、清掃
時に繊維屑を出したり破れたりしないように、繊維同士
の接合を強固にしている傾向があるが、不織布繊維の自
由度の低下は、不織布繊維の絡み効果によってもたらさ
れる綿ぼこり、糸くず、髪の毛等の捕集能を減少させる
問題がある。
【0010】又、従来の平面状シートからなる清掃用物
品は、汚水の付着した被清掃面を払拭する場合、該汚水
を吸収して手が汚れる惧れがあり、又ガラスを清掃する
場合、ガラスとの摩擦抵抗が大きく、ガラスを拭きにく
いという欠点がある。ガラス清掃用物品としては、紙や
不織布に液体洗浄剤を含浸させたガラス用ウエットクリ
ーナーが市販されているが、このものも同様な欠点を有
している。
【0011】又、掃除用シートとしては、汚水の付着し
た被清掃面を払拭する場合、該被清掃面及び該シートの
表面に汚水が広がってダストの捕集が阻害されることが
ないことが要求される。
【0012】従って、本発明の目的は、細かなダスト等
の汚れの吸着能及び保持能に優れることはもとより、不
織布の凹凸性を利用したパン粉等の大きな汚れの捕獲や
自由度の高い不織布繊維の絡み効果によってもたらされ
る綿ぼこり、糸くず、髪の毛等の捕集能に優れ、且つ柔
軟性及び風合い等が良好であると共に、掃除用シートと
して用いた場合、汚水の付着した被清掃面を払拭して
も、ダストの捕集能力を維持したまま且つ手を汚水で汚
すことなく乾式清掃を続行することができ、またガラス
の拭き作業をスムースに行うことができ、乾式清掃及び
湿式清掃の何れにも良好に用いることができる嵩高性シ
ートを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、網状シートの
片面あるいは両面に、繊維の絡合で形成された不織布状
の繊維集合体がその構成繊維間の絡合と共に該網状シー
トに対しても絡合状態で一体化されており、上記繊維集
合体の表面に多数の凹凸状部が形成されており、上記網
状シートの少なくとも片面に絡合されている繊維集合体
の構成繊維が親水性繊維を含んでいることを特徴とする
嵩高性シートを提供することにより、上記目的を達成し
たものである。
【0014】本発明において、網状シートは収縮するの
みで実質的には凹凸が形成されず、繊維集合体は実質的
に収縮はせず、且つ網状シートと一体化されているの
で、網状シートより大きな多数の凹凸部が形成される。
尚、本発明で繊維集合体とは、構成繊維が絡合している
ものをさし、繊維ウェブとは、絡合される前のものをさ
す。
【0015】
【作用】本発明の嵩高性シートは、不織布状の繊維集合
体を構成している繊維が波状に隆起配列して繊維の自由
度が高く、シート全体としては多数の凹凸形状が付与さ
れて嵩高となっているため、掃除用シートとして用いた
場合、小さなダストから、パンくず等や髪の毛等の比較
的大きなダストまで絡め、広い範囲のダストを確実に捕
集する。又、本発明の嵩高性シートは、乾式清掃中に汚
水の付着した被清掃面を払拭すると、汚水と接触した部
分が濡れた状態になるが、その部分で水を吸収してしま
うので、被清掃面及びシートの表面に水が広がることが
なく、ダストの捕集能力を維持したまま嵩高性シートの
乾いた部分で良好な乾式清掃を続行できる。又、本発明
の嵩高性シートは、基布の払拭面に多数の凹凸形状が付
与されて嵩高となっているため、ガラス等の拭き作業を
スムースに行える。
【0016】
【実施例】以下に添付図面を参照しながら、本発明の実
施例を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例の嵩
高性シートの製造初期における網状シートと繊維ウェブ
とを重ね合わせた状態を示す断面図、図2は本発明の第
2実施例の嵩高性シートの製造初期における網状シート
と繊維ウェブとを重ね合わせた状態を示す断面図、図3
は図1に示す嵩高性シートの完成品の一例の断面図、図
4は図2に示す嵩高性シートの完成品の一例の断面図、
図5は図4に示す嵩高性シートを製造する際に好適に用
いられる製造装置全体を示す概略図、図6は網状シート
として用いられるネットの平面図、図7は網状シートと
して用いられる網状ウェブの平面図、図8は網状シート
として用いられる有孔フィルムの平面図、図9は清掃用
シートを柄付き道具に取り付けた状態を示す平面図であ
る。
【0017】先ず、図3に示す本発明の第1実施例の嵩
高性シート10について説明する。この第1実施例の嵩
高性シート10は、網状シート11(13、14)の片
面に、繊維の絡合で形成された不織布状の繊維集合体1
2がその構成繊維間の絡合と共に該網状シート11(1
3、14)に対しても絡合状態で一体化されており、且
つ上記繊維集合体12の表面に多数の凹凸状部12A、
12Bが形成されており、上記繊維集合体12の構成繊
維が親水性繊維を含んでいることを特徴とする。
【0018】上記網状シート11(13、14)は、孔
を多数有する有孔フィルムを含む広い概念であって、例
えば、図6に示すようなネット11、図7に示すような
孔を形成した潜在捲縮発現繊維集合体からなる網状ウェ
ブ13、及び図8に示すような孔を多数有する有孔フィ
ルム14を含むものである。
【0019】上記網状シートとしての上記ネット11と
しては、図6に示す如く、全体として格子状に形成され
たものが用いられるが、網状シート11(13、14)
に形成される孔の形状は種々変形が可能であり、例え
ば、図8に示す如く、有孔フィルム14の孔の形状は、
(a)に示すように星型形状であってもよく、(b)に
示すように丸型形状であってもよく、更に(c)に示す
ように丸型と星型とを組み合わせたものであってもよ
い。
【0020】又、上記繊維集合体12は、図3に示す如
く、網状シート11(13、14)との非接合部分が凸
状部12Aとして形成され、網状シート11(13、1
4)との接合部分が凹状部12Bとして形成されてい
る。そして、上記繊維集合体12には、多数の凸状部1
2Aと、これらの間の凹状部12Bとでクッション製の
ある凹凸面が形成されている。
【0021】上記繊維集合体12の表面は、交絡した繊
維によって構成されており、特に、掃除用シートとして
用いられている場合には、これらの構成繊維間で被清掃
面に付着した細かい塵埃等を捕捉するようになってい
る。
【0022】上記繊維集合体12にその構成繊維として
含まれる上記親水性繊維としては、パルプ、綿繊維等の
天然繊維、レーヨン等の再生繊維等が好ましいが、疎水
性合成繊維に、親水物質による表面処理を施したもの、
親水基を導入したもの、微多孔繊維化処理を施したもの
を適宜使用しても良い。
【0023】上記繊維集合体12における上記親水性繊
維の含有量は、好ましくは1〜99重量%、より好まし
くは5〜95重量%、特に好ましくは10〜90重量%
である。上記親水性繊維の含有量が1重量%未満では、
充分な吸水効果が得難く、また99重量%超では、髪の
毛の捕集性が低下する。
【0024】又、上記親水性繊維以外の上記繊維集合体
12の構成繊維としては、例えば、ポリエステル系繊
維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリ
ル系繊維等の合成繊維、これらの各繊維の樹脂を用いた
複合化繊維、アセテート系繊維等の半合成繊維あるいは
混綿が用いられるが、網状シート11と繊維集合体12
との接合をヒートロール等の熱処理により行う場合に
は、熱可塑性繊維が存在すると接着性が高められる点に
おいて好ましい。
【0025】これらの構成繊維は自由度が高い方が好ま
しいが、繊維集合体12とした場合に多量の毛羽抜けを
防止したり、実用強度を高めるためにはバインダー繊維
等を混綿し、構成繊維の一部を融着あるいは接着しても
よい。また、パウダーボンドを適量用いることにより繊
維の脱落を防ぐことも可能である。但し、細かい塵埃の
捕捉性と繊維集合体12の強度とを勘案して設定する必
要がある。
【0026】又、上記繊維集合体12の坪量、並びに構
成繊維の繊度、繊維長、断面形状、絡合度及び強度は、
加工性、コスト等を総合的に勘案して使用目的にあわせ
て決定される。
【0027】又、上記網状シートとしてのネット11
は、熱収縮性のものを用いることが好ましく、かかる熱
収縮性のネットを用いることにより、嵩高性シート10
の製造に際し、上記熱収縮性のネットの熱処理による熱
収縮により、上記繊維集合体の表面に多数の凹凸状部を
形成できる。上記熱収縮性のネットとしては、ポリオレ
フィン系、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン等、ポリエステル系、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等、ポリア
ミド系、例えば、ナイロン6、ナイロン66等、アクリ
ロニトリル系及びビニル系、ビニリデン系、例えば、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等あるいはそれらの
変性物、アロイ、これらの混合物等の熱可塑性ポリマー
で構成されたネットであって、目的とする嵩高性シート
の凹凸形状に応じて1軸又は2軸方向に収縮するもの、
若しくは上記熱可塑性ポリマーで熱収縮するフィラメン
トを経糸若しくは緯糸の少なくとも一方に用いて製織ま
たは編成したネットが好ましく、目的とする嵩高性シー
トの凹凸形状により適宜選定する。
【0028】又、上記網状シートとしての上記有孔フィ
ルム14としては、上記熱可塑性ポリマーで1軸又は2
軸方向に収縮するフィルムに打ち抜き等により開孔を付
与したものが使用できる。
【0029】又、上記網状シートとしての上記網状ウェ
ブ13としては、エチレン、プロピレン、ブテン等のモ
ノオレフィン重合体及び共重合体、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体等、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のエステル系重合体
及び共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等
のビニル系、ビニリデン系重合体及び共重合体、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミド系重合体及び共重合
体、アクリロニトリル系重合体及び共重合体、若しくは
これらの混合物からなる熱収縮性の繊維、又は加熱する
ことによって捲縮が発現する潜在捲縮発現繊維、又は、
これらの繊維の混合物から構成され、それらの繊維が互
いに絡合状態で一体化されたものであって、例えば、上
記構成繊維からなる繊維ウェブを高速液体流あるいは空
気流によって、網状の形態に形成すると共に構成繊維同
士を互いに絡合させた、網状のパターンを有する繊維集
合体シート、及び上記構成繊維を互いに絡合させて一体
化させたシート状物に特定の孔径、孔ピッチ、孔パター
ンで打ち抜き等により孔空けした繊維集合体シート等が
用いられる。
【0030】上記網状シートとして上記ネット11を用
いる場合、その線径、線間距離、孔径、孔ピッチ、孔パ
ターン等は、ネット11の収縮力、ネット11の収縮に
より形成される凹凸状部12A、12Bの形状及び度合
並びに上記繊維集合体12との部分的な絡合性等を考慮
して決定する必要があるが、通常、線径は、好ましくは
20μm 〜500μm 、更に好ましくは100μm 〜2
00μm とすると良く、また線間距離は、好ましくは2
mm〜30mm、更に好ましくは4mm〜20mmとすると良
い。
【0031】又、上記網状シートとして上記網状ウェブ
13又は上記有孔フィルム14を用いる場合には、それ
らの開孔径は、好ましくは4mm〜40mm、更に好ましく
は8mm〜20mmであり、またそれらの開孔間の隙間は、
好ましくは2mm〜20mm、更に好ましくは4mm〜10mm
である。尚、上記網状シートとして上記以外のものを用
いる場合には、上記網状シートに準じて孔径等を選択す
ることができる。
【0032】次に、図4に示す本発明の第2実施例の嵩
高性シート10について説明する。この第2実施例の嵩
高性シート10は、網状シート11(13、14)の両
面に、繊維集合体12を配置したもので、繊維集合体1
2が網状シート11(13、14)の両面に配置されて
いる以外は、上述の第1実施例と同様の構成となってい
る。
【0033】この第2実施例のように繊維集合体が網状
シートの両面に配置された嵩高性シートの場合、シート
両面の繊維集合体としては、同一のものでも良く、異な
ったものでも良い。シート両面の繊維集合体として異な
ったもの、例えば親水性繊維の含有割合の異なったもの
同士又は構成繊維の種類の異なったもの同士を用いるこ
とにより、使用目的に応じてシートの両面で使い分けの
できる製品としたり、シートの両面で風合いの異なる製
品とすることが可能である。
【0034】本発明の嵩高性シートには、繊維集合体
に、薬剤を0.1〜500重量%(繊維集合体重量基
準)担持させることができる。特に、本発明の嵩高性シ
ートを掃除用シートとして用いる場合には、要求機能に
応じた薬剤を適宜繊維集合体に担持させることが好まし
い。このような薬剤としては、実質的にドライな乾式清
掃を目的とした油剤成分を主とするものと、実質的にウ
ェットな湿式清掃を目的とした洗浄剤等が挙げられる。
【0035】上記油剤成分としては、鉱物油、合成油、
シリコーン油及び界面活性剤の内少なくとも1種類以上
を含んでいるものが好ましい。上記鉱物油としては、パ
ラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族炭化
水素等が用いられる。
【0036】上記合成油としては、アルキルベンゼン
油、ポリオレフィン油、ポリグリコール油等、シリコー
ン油としては鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメチ
ルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサ
ン又は各種変性シリコーン等が用いられる。
【0037】上記界面活性剤は、陽イオン系としては、
炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を有す
るモノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖
アルキルジメチルアンモニウム塩、モノ長鎖アルキルジ
メチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ、非イオン
系としては、ポリオキシエチレン(6〜35モル)長鎖
アルキル又はアルケニル(第1級又は第2級C8
22)エーテル、ポリオキシエチレン(6〜35モル)
アルキル(C8 〜C18)フェニルエーテル等のポリエチ
レングリコールエーテル型、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックコポリマー、あるいはグリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキ
ルグリコシド等の多価アルコール型等が挙げられる。
尚、上記界面活性剤は、洗浄を効果的に行うためには水
を5重量%以下含んでいることが好ましい。
【0038】上記油剤成分の粘度(25℃)は、5〜1
000cps が好ましく、5〜200cps が特に好まし
い。5cps より少ないとダストの吸着性が悪く、100
0cpsより大であると油剤成分が繊維上に均等に広がり
にくく、又、清掃面との摩擦係数が増加するため、清掃
面を傷つける原因となる。表面張力(25℃)は、15
〜45dyn /cmが好ましく、特に好ましくは20〜35
dyn /cmである。15dyn /cmより少ないとダストの吸
着性が悪く、45dyn /cmより大きいと不織布を構成す
る繊維上に均等に広がりにくくなるからである。
【0039】上記油剤成分の坦持量は、繊維集合体の重
量に対して0.1〜80%、好ましは0.5〜40%、
特に好ましくは1〜20%とするのが良く、この割合で
坦持させることにより、吸塵能、保塵能を増加させるこ
とができる。油剤成分の坦持量が0.1%より少ないと
吸塵、保塵能の油剤成分の添加による上昇が充分でな
く、80%より大きくなると手へのべたつき感が著しく
悪化するからである。本発明の嵩高性シートは、繊維集
合体の表面に凹凸状部が形成されているため、繊維集合
体に油剤成分を担持させても、触った時の手への油剤成
分の付着が少なく、べたつき感の少ないものである。
【0040】該油剤成分は、上述したように、鉱物油、
合成油、シリコーン油、界面活性剤の内少なくとも一種
類以上を含むことが好ましいが、その割合や種類、該油
剤の粘度、表面張力等は、清掃の目的及び不織布の構成
繊維の種類に応じて適宜決められる。又、上記油剤成分
には、必要に応じて抗菌剤、防カビ剤、殺菌剤等を含め
ることができる。
【0041】又、上記洗浄剤としては、界面活性剤、溶
剤及びアルカリ剤の少なくとも一種類以上を含む水溶液
であることが好ましい。
【0042】上記界面活性剤としては、非イオン系、陽
イオン系、陰イオン系、両性系等の各種活性剤が挙げら
れる。上記陰イオン系界面活性剤としては、通常のスル
ホネート系陰イオン系界面活性剤、サルフェート系陰イ
オン系界面活性剤が使用される。スルホネート系陰イオ
ン系界面活性剤としては、直鎖又は分枝アルキル(C 8
〜C22)ベンゼンスルホン酸塩、長鎖アルキル(C8
22)スルホン酸塩、長鎖オレフィン(C8 〜C22)ス
ルホン酸塩等がある。また、サルフェート系陰イオン系
界面活性剤としては、長鎖モノアルキル(C8 〜C22
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン(1〜6モル)長
鎖アルキル(C8 〜C22)エーテル硫酸エステル塩、ポ
リオキシエチレン(1〜6モル)アルキル(C8
18)フェニルエーテル硫酸エステル塩等がある。これ
ら陰イオン系界面活性剤の対イオンとしての陽イオン
は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等のアルカノールアミンイオン等である。加
水分解に対する抵抗が強い等の点から、陰イオン系界面
活性剤としては、スルホネート系界面活性剤が好まし
い。更に洗浄力の点から長鎖又は分枝鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩が好ましい。また、上記両性系界面活性
剤としては、炭素数8〜22のアルキル基を有するカル
ボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイ
ン等が挙げられる。また、上記非イオン系界面活性剤及
び上記陽イオン系界面活性剤としては、上記油剤成分に
含まれるものと同様なものが挙げられる。また、上記溶
剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等
のグリコール類、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリ
コールエーテル類が挙げられ、又、上記アルカリ剤とし
ては、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等
が挙げられる。又、上記洗浄剤には、必要に応じて殺菌
剤、消臭剤、香料等の成分を含有させることができる。
これらの洗浄剤の担持量は、繊維集合体の重量に対して
50〜500%、好ましくは100〜300%とするの
が良く、この割合で担持させることにより、手あか、汚
れなどの洗浄効果を増加させることができる。洗浄剤の
担持量が50%より少ないと清掃可能面積が少なすぎ、
又、500%を超えると清掃中にシート中に保持しきれ
ない洗浄活性物質がしたたり落ちて好ましくない。
【0043】更に、本発明の嵩高性シートは、清掃用シ
ートとして用いる場合、シートを直接手を使って操作し
て清掃する他に、柄付き道具に取り付けて清掃用物品と
して使用することができる。柄付き道具とは、特にその
形態は限定されないが、モップ様、ハンディーモップ
様、ハタキ様のものが挙げられ、特に清掃部が巨視的に
見て平面状のものが好ましい。図9は、上記柄付き道具
の一例を示すもので、図中の符号40はその清掃部であ
る。このように、柄付き道具に該清掃シートを装着させ
ることにより、家具等の隙間や天井などの手の届き難い
場所を該清掃用シートにて清掃することができ、一度捕
集した細かいダストやパン屑、髪の毛、綿ぼこり等を保
持することに優れた該清掃シートの性能を充分に発揮さ
せることができる。
【0044】上述の本発明の嵩高性シートは、例えば、
網状シートとして熱収縮性シートを用いた場合、次のよ
うにして製造される。
【0045】図1及び図2に示すように、1軸又は2軸
方向に熱収縮する網状シート11(13、14)の片面
又は両面に繊維ウェブ12を積層した後、水流により網
状シート11(13、14)の片面側にある繊維ウェブ
12の繊維と他面側にある繊維ウェブ12の繊維、及び
繊維ウェブ12の繊維と網状シート11(13、14)
を絡合一体化させるのと同時に、各繊維ウェブ12、1
2を絡合による不織布状の繊維集合体にする。その後、
得られた繊維集合体を、乾燥と同時又は乾燥工程とは別
に熱収縮性の網状シート11(13、14)を熱収縮さ
せることにより、該不織布状の繊維集合体の構成繊維を
波状に隆起配列させ全体として凹凸形状を付与する。
【0046】即ち、図5に示すように、繊維ウェブ12
を作るカード機21A、21Bの各々から連続的に繊維
ウェブ12がその繰り出し装置22を介して繰り出され
る。一方、カード機21A、21Bの間には網状シート
11(13、14)のロール23が配設され、ロール2
3の繰り出しロール25から網状シート11(13、1
4)が繰り出される。
【0047】そして、網状シート11(13、14)の
両側に上記繰り出しロール22にて、繊維ウェブ12が
重ね合わされ、ウォーターニードリング装置26へ搬入
される。ここで、ジェット水流により、繊維ウェブ12
の繊維を網状シートと絡合させ及び網状シート11(1
3、14)の両面側にある繊維集合体12同士を絡合さ
せ、図2に示すようなシートを作製する。
【0048】絡合後の繊維集合体12及び網状シート1
1(13、14)は、ニップロール27を通って、乾燥
及び熱収縮させるための加熱装置28に搬入されて熱処
理される。この熱処理により、網状シート11(13、
14)が熱収縮し、一例として図4に示すように、網状
シート11(13、14)に絡合した不織布状の繊維集
合体12に凸状部12Aと凹状部12Bを形成する。加
熱装置28による加熱工程では、不織布状の繊維集合体
12と熱収縮性の網状シート11(13、14)を一体
化したものに適度な温度・時間で処理する。それらの条
件は、熱収縮性の網状シート11(13、14)によっ
て異なるが、必要とする凹凸形状を得るための収縮率に
なるようにすればよい。ただし、連続的な接合シート状
態では、該シートの流れ方向に収縮させる際には、熱処
理部の入口側と出口側の速度差が重要なポイントにな
る。即ち、収縮応力よりも引張力が大きい場合は、前後
の速度比は必要とする収縮率に近いものに合わせること
が望ましい。
【0049】薬剤を嵩高性シートの繊維集合体に坦持さ
せる場合、その方法としては、特に、限定されるもので
はないが、例えば、図5に示すように、ニップロール2
9とワインダ30との間に配されたスプレー装置31に
よって付与される。薬剤の付与は熱処理前に行っても、
熱処理後に行っても良いが、熱処理前に行う時は、ニッ
プロール27と加熱装置28との間に予備乾燥装置を設
け、該装置による乾燥後に薬剤を坦持させるのが望まし
い。特に、薬剤として洗浄剤を用いる場合は、熱処理後
に行うのが望ましい。
【0050】嵩高性シートが連続シート状態の場合は、
ロール状に巻き取ってもよいし、引き続き必要な長さに
切断して、必要に応じて折りたたんで、包装してもよ
い。薬剤付与後の嵩高性シートは、ニップロール29を
介して、ワインダー30に巻き取られる。
【0051】尚、図1に示すように網状シート11(1
3、14)の片面に繊維ウェブ12を積層した場合にお
いて、網状シート11(13、14)との非接合部分が
凸状部12Aとして形成される際、凸状部12Aが図3
のように網状シート11(13、14)の片面にのみ形
成される場合のみならず、凸状部12Aが、網状シート
11(13、14)の両面にランダムに形成され、全体
として凹凸面が形成される場合も一般的にあり、同様
に、図2に示すように網状シート11(13、14)の
両面に繊維ウェブ12を積層した場合においても、網状
シート11(13、14)の両面に配された繊維集合体
間の構成繊維が網状シート11(13、14)との非接
合部分においても絡合している場合は、図4の網状シー
ト11(13、14)の両面に出ている凸状部12A同
士が一体となって該シートのいずれかの面側に凸状部1
2Aが形成されることになり、網状シート11(13、
14)の両面にランダムに凸状部12Aが形成され、全
体として凹凸面が形成されることとなり、これらはいず
れも本発明の実施例に含まれるものである。
【0052】また、網状シートとして、開孔を有するフ
ィルムを用いる場合、及び線径の太いあるいは開孔の小
さなネットを用いる場合、孔を通して表裏面に存在する
繊維集合体同士が強く絡合し、フィルム上あるいは格子
上の繊維が開孔フィルムあるいはネットに絡合しにくい
ため、上記の場合とは逆にフィルム上あるいは格子上の
繊維が隆起することにより凹凸形状を形成する。特に、
網状シートとしてネットを用い、その両面に繊維集合体
を積層して絡合させる場合には、ネットの孔を挟んで繊
維集合体の繊維同士が強く絡合するため凹部を形成しや
すい。
【0053】更に、具体的実施例に基づいて、本発明の
嵩高性シートについて説明する。 (実施品1:網状シートの両面に同一の繊維集合体を配
置したもの)ポリエステル繊維1.5デニール、51mm
及びレーヨン繊維1.5デニール、51mmをポリエステ
ル繊維/レーヨン繊維=3/7の重量割合で混綿したも
のを用いて、常法のカードで坪量10g/m2 の繊維ウ
ェブを形成し、その繊維ウェブを3層(30g/m2
にラッピング(図示せず)し、網状シートとしてポリプ
ロピレンの2軸収縮するネット(5メッシュ/線径0.
2mm)を中間層に該繊維ウェブを上下層に積層した後、
ウォーターニードリングで絡合させた。その際、ウォー
ターニードリングは、水圧40kg/cm2 、ノズルピッチ
1.6mm、速度5m/min で行った。その後、130℃
の熱風により、50秒間熱処理することにより、乾燥と
同時にネットを収縮させた後、スプレーによって流動パ
ラフィン95%と非イオン性界面活性剤〔ポリオキシエ
チレン(平均付加モル数3.3)アルキル(C12
13)エーテル〕5%とからなる油剤成分(粘度125
cps 、表面張力30dyn /cm)を繊維重量に対して5%
の割合で付与し、面積収縮率が20%の表面に凹凸を有
する実施品1を得た。
【0054】尚、面積収縮率は下記式(1)により算出
したものである。
【0055】
【数1】 面積収縮率(%)=100−A×B×100 (1) 但し、A及びBは次の通りである。 A=(縦方向の熱収縮後の一辺の長さ)/(縦方向の熱
収縮前の一辺の長さ) B=(横方向の熱収縮後の一辺の長さ)/(横方向の熱
収縮前の一辺の長さ)
【0056】(比較品1:繊維集合体が親水性繊維を含
んでいないもの)繊維集合体を構成する繊維ウェブの原
料として、ポリエステル繊維1.5デニール、51mmの
みを用いた以外は、実施品1の場合と同様にして比較品
1を得た。
【0057】上述した実施品1及び比較品1のそれぞれ
について、以下のような評価を行った。その結果を下記
表1に示す。尚、評価する際のサンプルの大きさは7×
11cmに調製した。
【0058】1.ダスト吸着量(ダスト捕集能) 30×30cmの広さに土、砂ぼこりの組成に近い試験用
ダスト7種(JIS Z8901 )を1g均一にまき、7×11
cmの大きさのスポンジにサンプルを貼り付けて固定し、
10往復してサンプルに吸着したダストの量を測定し
た。
【0059】2.水の拭き取り性 ガラス面上に1ccの水滴を落とし、それをサンプルで拭
き取った後の水の残り具合を目視で評価した。 目視評価の判定基準は、以下の通りである。 ○:ガラス面上に殆ど水が残っていない。 ×:ガラス面上に水が広がって残っている。
【0060】
【表1】
【0061】(実施品2:網状シートの片面に繊維集合
体を配置したもの)ポリエステル繊維2デニール、51
mm、レーヨン繊維3デニール、51mm及びポリプロピレ
ン/ポリエチレンの芯鞘繊維3デニール、51mmをポリ
エステル繊維/レーヨン繊維/芯鞘繊維=2/6/2の
重量割合で混綿したものを用いて、常法のカードで坪量
10g/m2 の繊維ウェブを形成し、その繊維ウェブを
5層(50g/m2 )にラッピング(図示せず)し、網
状シートとしてポリプロピレンの2軸収縮するネット
(5メッシュ/線径0.2mm)を下層に該繊維ウェブを
上層に積層した後、ウォーターニードリングで絡合させ
た。その際、ウォーターニードリングは、水圧40kg/
cm2 、ノズルピッチ1.6mm、速度5m/min で行っ
た。その後、熱処理することにより、乾燥と同時にネッ
トを収縮させ、面積収縮率が25%の表面に凹凸を有す
る清掃用シートを得た。
【0062】該清掃用シートに実施品1の場合と同様に
して非イオン性界面活性剤〔ポリオキシエチレン(平均
付加モル数7)アルキル(C12〜C13)エーテル〕0.
1%、エタノール3%及びポリエチレングリコールモノ
メチルエーテル2%を含む水溶液からなる薬剤を繊維重
量(繊維集合体の重量)に対して200%の割合で付与
し実施品2を得た。
【0063】(実施品3:網状シートの片面に繊維集合
体を配置したもの)面積収縮率が10%となるようにネ
ットを収縮させた以外は、実施品2の場合と同様にして
実施品3を得た。
【0064】(比較品2:平面状の清掃用物品)ポリエ
ステル繊維1.5デニール、51mmを用いて、常法のカ
ードで坪量10g/m2 の繊維ウェブを形成し、その繊
維ウェブを7層(70g/m2 )にラッピングし、ウォ
ーターニードリングで絡合させた。その際、ウォーター
ニードリングは、水圧40kg/cm2 、ノズルピッチ1.
6mm、速度5m/min で行った。その後、スプレーによ
り実施品2と同様の薬剤を同割合で付与し、平面状の
(表面に凹凸のない)比較品2を得た。
【0065】上述した実施品2及び3並びに比較品2の
それぞれについて、以下のような評価を行った。その結
果を下記表2に示す。尚、評価する際のサンプルの大き
さは7×11cmに調製した。
【0066】ガラス上の拭きやすさ ガラス面上をサンプルで清拭した際の拭きやすさを下記
基準により評価した。 ○:清拭時に手とサンプルとが離れることなく、楽に清
拭が行える。 ×:清拭時に手からサンプルが離れてしまうことがあ
る。
【0067】
【表2】
【0068】(実施品4:網状シートの両面に繊維集合
体を配置したもの)実施品1で用いたものと同様の網状
シートを中間層にし、その上層にポリエステル繊維1.
5デニール、51mmの繊維ウェブを、その下層にレーヨ
ン繊維1.5デニール、51mmの繊維ウェブを積層し、
ウォーターニードリングで絡合させて、約15%の面積
収縮率を有する実施品4を得た。
【0069】(比較品3:繊維集合体が親水性繊維を含
んでいないもの)上下層の繊維ウェブとして、ポリエス
テル繊維1.5デニール、51mmの繊維ウェブをのみを
用いた以外は、実施品4の場合と同様にして比較品3を
得た。
【0070】(比較品4:繊維集合体が親水性繊維のみ
からなるもの)上下層の繊維ウェブとして、レーヨン繊
維1.5デニール、51mmの繊維ウェブをのみを用いた
以外は、実施品4の場合と同様にして比較品4を得た。
【0071】上述した実施品4並びに比較品3及び4の
それぞれについて、以下のような評価を行った。その結
果を下記表3に示す。尚、評価する際のサンプルの大き
さは7×11cmに調製した。
【0072】1.髪の毛捕集性 人頭髪10cmくらいを10本密に重ならないように散布
し、7×11cmの大きさのスポンジに上記各実施品と比
較品を張り付けて固定したものをその上に3往復させ、
髪の毛の取れ易さ、落とし難さについて官能評価を行っ
た。
【0073】官能評価の判定基準は以下の通りである。 ◎:髪毛10〜8本を確実に取り、且つ取った髪の毛を
落とし難い。 ○:髪毛10〜8本を確実に取るが、取ったものが落ち
ることがある。 △:髪毛7〜5本を取るが、取った髪の毛は落とし易
い。 ×:髪毛を5本以上取らない。
【0074】2.水の拭き取り性 上記実施品1における場合と同様にして評価した。
【0075】
【表3】
【0076】表1〜3から明らかなように、本発明の清
掃用物品である実施品は、ダスト捕集能及び水の拭き取
り性に優れ、且つガラスの拭き作業をスムースに行うこ
とができるものである。これに対し、比較品1及び3
は、水の拭き取り性が悪いものであり、又比較品2は、
ガラスの拭き作業をスムースに行うことができないもの
であり、又比較品4は、髪の毛捕集性が劣るものであ
る。
【0077】尚、本発明の嵩高性シートは、上述の実施
例に制限されるものではなく、またその用途も掃除用シ
ートに制限されず、清拭材、衛生用品における表面材あ
るいはクッション材等に適用し得るものであり、必要に
応じ担持される薬剤も用途に応じて適宜選択される。
【0078】
【発明の効果】本発明の嵩高性シートは、細かなダスト
等の汚れの吸着能及び保持能に優れることはもとより、
不織布の凹凸性を利用したパン粉等の大きな汚れの捕獲
や自由度の高い不織布繊維の絡み効果によってもたらさ
れる綿ぼこり、糸くず、髪の毛等の捕集能に優れ、且つ
柔軟性及び風合い等が良好であると共に、掃除用シート
として用いた場合、汚水の付着した被清掃面を払拭して
も、ダストの捕集能力を維持したまま且つ手を汚水で汚
すことなく乾式清掃を続行することができ、またガラス
の拭き作業をスムースに行うことができ、乾式清掃及び
湿式清掃の何れにも良好に用いることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例の嵩高性シートの
製造初期における網状シートと繊維ウェブとを重ね合わ
せた状態を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施例の嵩高性シートの
製造初期における網状シートと繊維ウェブとを重ね合わ
せた状態を示す断面図である。
【図3】図3は、図1に示す嵩高性シートの完成品の一
例の断面図である。
【図4】図4は、図2に示す嵩高性シートの完成品の一
例の断面図である。
【図5】図5は、図4に示す嵩高性シートを製造する際
に好適に用いられる製造装置全体を示す概略図である。
【図6】図6は、網状シートとして用いられるネットの
平面図である。
【図7】図7は、網状シートとして用いられる網状ウェ
ブの平面図である。
【図8】図8は、網状シートとして用いられる有孔フィ
ルムの平面図である。
【図9】図9は、清掃用シートを柄付き道具に取り付け
た状態を示す平面図である
【符号の説明】
10 嵩高性シート 11(13、14) 網状シート 12 繊維集合体(又は繊維ウェブ) 12A 凸状部 12B 凹状部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網状シートの片面あるいは両面に、繊維
    の絡合で形成された不織布状の繊維集合体がその構成繊
    維間の絡合と共に該網状シートに対しても絡合状態で一
    体化されており、上記繊維集合体の表面に多数の凹凸状
    部が形成されており、上記網状シートの少なくとも片面
    に絡合されている繊維集合体の構成繊維が親水性繊維を
    含んでいることを特徴とする嵩高性シート。
  2. 【請求項2】 上記網状シートの少なくとも片面に絡合
    されている上記繊維集合体の構成繊維が親水性繊維を1
    〜99重量%含んでいることを特徴とする請求項1記載
    の嵩高性シート。
  3. 【請求項3】 上記繊維集合体に薬剤が0.1〜500
    重量%(繊維集合体重量基準)担持されていることを特
    徴とする請求項1又は2記載の嵩高性シート。
  4. 【請求項4】 上記網状シートが熱収縮性シートであ
    り、上記繊維集合体は、上記網状シートの熱処理による
    熱収縮により、その表面に多数の凹凸状部が形成されて
    いることを特徴とする請求項1、2又は3記載の嵩高性
    シート。
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