JPH0614858A - 清掃用物品 - Google Patents

清掃用物品

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Publication number
JPH0614858A
JPH0614858A JP17354292A JP17354292A JPH0614858A JP H0614858 A JPH0614858 A JP H0614858A JP 17354292 A JP17354292 A JP 17354292A JP 17354292 A JP17354292 A JP 17354292A JP H0614858 A JPH0614858 A JP H0614858A
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JP
Japan
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sheet
base
cleaning
fibers
fabric
Prior art date
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Application number
JP17354292A
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English (en)
Inventor
Kiyoko Ikoma
聖子 生駒
Akihito Shizuno
聡仁 静野
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Publication of JPH0614858A publication Critical patent/JPH0614858A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細かなダスト等の汚れはもとよりパン粉等の
比較的大きな汚れまで、広範囲なダストの捕集能力に優
れ、且つ捕集能力が被清掃面の形状に左右されにくいと
共に、汚水の付着した被清掃面を払拭しても、ダストの
捕集能力を維持したまま且つ手を汚水で汚すことなく乾
式清掃を続行することができ、またガラスの拭き作業を
スムースに行うことができ、乾式清掃及び湿式清掃の何
れにも良好に用いることができる清掃用物品の提供。 【構成】 本発明の清掃用物品は、基台シートの片面あ
るいは両面に、繊維の絡合で形成された不織布状の基布
が部分的な接合により一体化されており、上記基布はそ
の接合部分が凹状部を形成し且つその非接合部分が凸状
部を形成しており、全体として表面に凹凸形状を有する
清掃用物品であって、上記基台シートの少なくとも片面
に接合されている不織布状の基布の構成繊維が親水性繊
維を含んでいることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不織布を利用した業務
用又は家庭用の清掃用物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、清掃用具として、繊維材料を基体
とする数多くの清掃用物品が提示されている。例えば、
織布あるいは不織布を基体とする湿式あるいは乾式の清
掃用拭布である雑巾、平面状の織布あるいは不織布に油
状物質を含浸させた化学雑巾、又はモップに代表される
糸状のものを束ねた形のものを湿式あるいは乾式の状態
で用いるもの等があり、それらの清掃用物品は、目的に
応じて家庭、事務所、店舗、ビル、工場などで広く用い
られている。
【0003】一方、化学雑巾等の平面状シートからなる
清掃用物品は、モップ状の清掃用物品と比較すると、被
清掃面の凹凸部における払拭性が良くないという欠点が
ある。かかる欠点を解消するため、特開昭64−615
46号公報には、清掃用物品としての不織布に立体形状
を付与し、不織布形成後、弾力性を有する糸でステッチ
されることによりギャザリングを付与する技術が開示さ
れている。また、特開平2−160962号公報には、
伸縮性繊維を用いてギャザリング加工することにより清
掃用シート(清掃用物品)を立体化して平面状シートよ
り払拭性能を向上させた技術が開示されている。更に、
特開平2−124122号公報、特開平2−99641
号公報には、清掃用シート表面を起毛させることにより
払拭性を向上させた技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たシート状あるいはモップ状の清掃用物品は、次のよう
な問題を抱えている。
【0005】一般に、被清掃面に存在するパン屑等の比
較的大きなダストに対しては、モップ状の清掃用物品が
有効で、例えば、特開昭53−144156号公報に記
載のように、モップコードとモップコードの間に、比較
的大きなダストを取り込んで捕らえることができる。但
し、かかるダストはモップコードを構成する繊維に絡ん
でいないために、モップを持ち上げた時に捕らえたダス
トの脱落が発生する等の欠点がある他、基材が多く必要
なこと、清掃時の操作性が簡単なシート状の物より劣っ
ていること、壁あるいは天井等に対する清掃性がシート
状物に比べ劣る等の欠点がある。
【0006】また、不織布等のシート状のものにステッ
チ等により立体形状を付与したものは比較的被清掃面の
形状に左右されにくいものの、広範囲の被清掃面に対応
できる程の形状コントロールは困難であり、また、ステ
ッチにより構成繊維の自由度が低下するために糸屑や綿
塵等の捕集性が低下するという課題がある。
【0007】更に、前述のいずれの方法によってもシー
トの払拭方向に異方性が生じるためにダストの有効な捕
捉ができない。また、パン屑等の比較的大きなダストに
対しては保持能力が低いという課題がある。即ち、砂塵
等のような細かな汚れを拭き取る効果は向上してきて
も、比較的大きなダストに対しては捕捉不能となり、取
り残し等が発生するという課題があった。
【0008】また、従来の平面状シートからなる清掃用
物品は、汚水の付着した被清掃面を払拭する場合、該汚
水を吸収して手が汚れる惧れがあり、またガラスを清掃
する場合、ガラスとの摩擦抵抗が大きく、ガラスを拭き
にくいという欠点がある。ガラス清掃用物品としては、
紙や不織布に液体洗浄剤を含浸させたガラス用ウエット
クリーナーが市販されているが、このものも同様な欠点
を有している。
【0009】また、掃除用シートとしては、汚水の付着
した被清掃面を払拭する場合、該被清掃面及び該シート
の表面に汚水が広がってダストの捕集が阻害されること
がないことが要求される。
【0010】従って、本発明の目的は、細かなダスト等
の汚れはもとよりパン粉等の比較的大きな汚れまで、広
範囲なダストの捕集能力に優れ、且つ捕集能力が被清掃
面の形状に左右されにくいと共に、汚水の付着した被清
掃面を払拭しても、ダストの捕集能力を維持したまま且
つ手を汚水で汚すことなく乾式清掃を続行することがで
き、またガラスの拭き作業をスムースに行うことがで
き、乾式清掃及び湿式清掃の何れにも良好に用いること
ができる清掃用物品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、基台シートの
片面あるいは両面に、繊維の絡合で形成された不織布状
の基布が部分的な接合により一体化されており、上記基
布はその接合部分が凹状部を形成し且つその非接合部分
が凸状部を形成しており、全体として表面に凹凸形状を
有する清掃用物品であって、上記基台シートの少なくと
も片面に接合されている不織布状の基布の構成繊維が親
水性繊維を含んでいることを特徴とする清掃用物品を提
供することにより、上記目的を達成したものである。
【0012】本発明において、基台シートは収縮性の孔
を持たないシートをいい、特に、特願平3ー29748
9号に記載の網状シートあるいは有孔シートを除く概念
である。
【0013】
【作用】本発明の清掃用物品は、基布である払拭面に多
数の柔軟な凹凸形状を有しているため、被清掃面の形状
に容易にフィットし、拭き残りを生じ難い。本発明の清
掃用物品は、不織布状からなる基布が、基台シートに部
分的に接合されて一体化されて基布の払拭面に多数の凹
凸形状が付与されて嵩高となっているため、小さなダス
トから、パン屑等や髪毛等の比較的大きなダストまで絡
め、広い範囲のダストを確実に捕集する。
【0014】本発明の清掃用物品は、基布である払拭面
に多数の柔軟な凹凸形状を有しているため、複雑な凹凸
面を有する被清掃面の形状に容易にフィットし、拭き残
りを生じ難い。
【0015】本発明の清掃用物品は、乾式清掃中に汚水
の付着した被清掃面を払拭すると、汚水と接触した部分
が濡れた状態になるが、その部分で水を吸収してしまう
ので、被清掃面及び清掃用物品の表面に水が広がること
がなく、ダストの捕集能力を維持したまま清掃用物品の
乾いた部分で良好な乾式清掃を続行できる。
【0016】また、本発明の清掃用物品は、基布の払拭
面に多数の凹凸形状が付与されて嵩高となっているた
め、ガラス等の拭き作業をスムースに行える。
【0017】
【実施例】以下に添付図面を参照しながら、本発明の実
施例を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例の
清掃用シートを示す平面図である。図2は、図1に示す
清掃用シートの一部を切断して示す拡大斜視図である。
図3は、第1実施例の清掃用シートの製造に好適に用い
られる製造装置全体を示す概略図である。図4は、第2
実施例の清掃用シートの一部を切断して示す拡大斜視図
である。図5は、第3実施例の清掃用シートを示す平面
図である。図6は、図5に示す清掃用シートの一部を切
断して示す拡大斜視図である。図7は、第4実施例の清
掃用シートの一部を切断して示す拡大斜視図である。図
8は、第5実施例の清掃用シートを示す平面図である。
図9は、第6実施例の清掃用シートを示す平面図であ
る。
【0018】先ず、図1〜図3を参照して、本発明の第
1実施例による清掃用シート(清掃用物品)10Aにつ
いて説明する。
【0019】本実施例の清掃用シート10Aは、基台シ
ート11の片面に、繊維の絡合で形成された不織布状の
基布12が部分的な接合により一体化されており、上記
基布12はその接合部分が凹状部12Bを形成し且つそ
の非接合部分が凸状部12Aを形成し、全体として表面
に凹凸形状を有する清掃用シート10Aであって、上記
基布12の構成繊維が親水性繊維を含んでいるものであ
る。更に、清掃用シート10Aは、上記基布12の外側
に、上記基布12より繊維間距離が大きい繊維の絡合に
より一体化された不織布ネット16が積層されている。
尚、本発明の清掃用シート(清掃用物品)においては、
不織布ネット16は具備していなくてもよい。
【0020】基台シート11としては、熱収縮性のもの
が用いられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエ
ステル系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリ
塩化ビニリデン等のビニリデン系樹脂、これらの合成樹
脂の変性物、2種以上の混合物、これらの合成樹脂を用
いた複合素材等からなるフィルムまたはシートで、1軸
または2軸方向に収縮して、基布12に上記凸状部12
A及び凹状部12Bを形成する収縮力を有するものが好
ましい。
【0021】基台シート11の厚みは、その収縮力、収
縮率による凹凸状部の形状、凹凸の度合い及び基布12
との部分的な接合加工性等を考慮して適宜設定すること
ができる。
【0022】基布12は、不織布であり、親水性繊維を
含む構成繊維が交絡することによって一体化したもので
あれば特に限定されないが、構成繊維同士が融着あるい
は接着されたものよりも構成繊維同士が交絡することに
より形成された構成繊維の自由度の高いものを用いる方
が、細かい塵埃等を繊維間に捕捉する上で好ましいが、
構成繊維の自由度が高すぎると、構成繊維が脱落するこ
とがあって好ましくない。
【0023】また、基布12は、交絡した繊維によって
構成されており、これらの構成繊維間で被清掃面に付着
した細かい塵埃が捕捉されるようになっている。更に、
毛髪等のような剛直且つ比較的長いものも不織布の構成
繊維との絡みで捕捉することができる。
【0024】上記基布12にその構成繊維として含まれ
る上記親水性繊維としては、パルプ、綿繊維等の天然繊
維、レーヨン等の再生繊維等が好ましいが、疎水性合成
繊維に、親水物質による表面処理を施したもの、親水基
を導入したもの、微多孔繊維化処理を施したものを適宜
使用しても良い。
【0025】上記基布12における上記親水性繊維の含
有量は、好ましくは1〜99重量%、より好ましくは5
〜95重量%、特に好ましくは10〜90重量%であ
る。上記親水性繊維の含有量が1重量%未満では、充分
な吸水効果が得難く、また99重量%超では、髪の毛の
捕集性が低下する。
【0026】また、上記親水性繊維以外の上記基布12
の構成繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポ
リアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊
維等の合成繊維、これらの各繊維の樹脂を用いた複合化
繊維、アセテート系繊維等の半合成繊維あるいは混綿が
用いられるが、基台シート11と基布12との接合をヒ
ートロール等の熱処理により行う場合には、熱可塑性繊
維が存在すると接着性が高められる点において好まし
い。
【0027】これらの構成繊維は自由度が高い方が好ま
しいが、基布12とした場合に多量の毛羽抜けを防止し
たり、実用強度を高めるためにはバインダー繊維等を混
綿し、構成繊維の一部を融着あるいは接着してもよい。
また、パウダーボンドを適量用いることにより繊維の脱
落を防ぐことも可能である。但し、細かい塵埃の捕捉性
と基布12の強度とを勘案して設定する必要がある。
【0028】また、基布12の坪量は構成繊維の絡合
度、強度、加工性、コスト等を総合的に勘案して設定す
ることができるが、30〜150g/m2 の範囲が好ま
しい。30g/m2 未満では絡合度、強度が充分でな
く、また150g/m2 を越えるとコスト高になるおそ
れがあって好ましくない。
【0029】基布12の構成繊維の繊度は、0.5〜
6.0デニールの範囲のものが好ましい。繊度が0.5
デニール未満になると繊維のウェブ形成能が悪くなり、
6.0デニールを越えると繊維が絡合しにくいと共に、
細かい塵埃の捕捉性が悪くなって好ましくない。
【0030】上記基布12には、該格子状の接合部分1
3により囲まれた、基台シート11との非接合部分が、
凸状部12Aとして形成されており、清掃用シート全体
として清掃面に凹凸形状が形成されている。これらの多
数の凸状部12Aと、これらの間の凹状部12Bとでク
ッション製の高い清掃面を形成し、被清掃面の形状に左
右されにくい清掃面を形成している。
【0031】清掃面に形成された凹凸状部12A、12
Bの大きさは、基台シート11の中心から基布12の中
心までの寸法が1〜30mmが好ましい。1mm未満ではク
ッション性及び被清掃面のフィット性が悪く、30mmを
越えると基布を多く必要とするためコスト高になり好ま
しくないからである。
【0032】尚、凸状部12Aには、下記する第3実施
例に示すようなスリット開口12Cを形成してもよい。
【0033】図2に示すように、基布12の外側(基台
シート11と反対側)には、繊維間距離の大きい不織布
ネット16が配置されており、接合部分13にて該不織
布ネット16は基布12に部分的に接合されている。即
ち、基台シート11と不織布ネット16との非接合部分
が凸状部12Aとして形成され、接合部分13が凹状部
12Bとして形成されている。そして、上記基布12と
でクッション性の高い清掃面を形成している。このよう
に不織布ネット16を配置することにより、パン屑等の
比較的大きなダストをより効果的に捕捉することができ
る。
【0034】基台シート11と基布12とを部分的に接
合した接合部分13は、連続したドットパターンであ
り、図1に示す如く全体として格子状に形成されてい
る。この基台シート11と、基布12及び不織布ネット
16との接合部分13は、上記基布12のみ、あるいは
基布12及び不織布ネット16によって凸状部12Aを
形成できるような形状であればよいが、シートの柔軟性
を損なわなくするためには、その接合形式は線による接
合よりドットのような点による接合の方が有利である。
【0035】この接合部分13のドットの大きさは小さ
い方が柔軟性を損なうことがない。このため、基台シー
ト11、基布12及び不織布ネット16が実用的な強度
で接合される範囲において、接合部分のドット面積及び
数が勘案される。
【0036】不織布ネット16は基布12に用いられる
不織布に比べ繊維間距離が大きい必要がある。構成繊維
の種類及び繊度は上述した基布12と同様であり、繊維
の絡合には、水流をウェブにあてることによりおこなう
のが好適である。この際に絡合の度合いは、一般にダス
トの捕捉性と相関関係にある。また構成繊維の種類、物
性、坪量等により不織布強度が変化する。
【0037】また、次式(1)で定義される繊維間距離
(a)が不織布の強度に大きく影響する。
【0038】
【数1】a=(DV/9000W)1/2 ………(1) 但し、D:繊度(d) V:不織布の体積(m3 ) W:不織布の重量(g) ここで、不織布の体積Vは無荷重のときの厚さと面積か
ら求めることができる。
【0039】繊維間距離があまりに大きいと強度が弱く
なり、繊維間距離が小さすぎると繊維の自由度が低下
し、パン屑等の比較的大きな固形物との絡みが悪化す
る。具体的には、基布12の繊維間距離は80μm 以下
であり、不織布ネット16の繊維間距離は50μm 以上
であり、基布12の繊維間距離と不織布ネット16の繊
維間距離とは下式(2)の関係にあることが必要であ
る。
【0040】
【数2】 基布12の繊維間距離<不織布ネット16の繊維間距離……(2)
【0041】また、不織布ネット16の目の開き方には
制限がなく、繊維の存在する場所と孔の場所が規則的に
なっていても良いし、不織布の構成繊維がランダムに存
在するようなものでもよい。しかし、あまり目開きが大
きいとパン屑等の比較的大きなダストが絡み難く、目開
きが小さすぎたり、坪量が大きいときには、基布12の
拭き取り効果を阻害する可能性があるので、適宜設定す
る必要がある。さらに不織布ネット16は基布12の表
面に不織布ネット16の構成繊維ウェブを筋状、格子状
等の、パターンに積層した後、ウォータージェット交絡
(ウォーターニードリング)等の方法により基布12の
表面に不織布ネット16を形成させてもよい。
【0042】また、不織布ネット16は比較的繊維間距
離が大きいため不織布としての強度が低くなり、リント
(糸屑)が発生する可能性がある。従って、不織布ネッ
ト16の表面特性を低下させず、強度を向上させるため
に清掃面には、バインダー繊維等の熱融着繊維が殆ど存
在せず、清掃面とは反対の面すなわち基布12側の面に
は、充分な熱融着繊維により接合されたものが好まし
い。
【0043】具体的には、不織布ネット16は熱融着繊
維を含む繊維ウェブ層Aと熱融着繊維を含まない、即ち
清掃特性の充分な繊維からなる繊維ウェブ層Bとを積層
した後、ウォータージェット交絡の方法により絡合一体
化させる。この際、一般的なウォータージェット交絡等
の方法においては、ウェブ層Aとウェブ層Bとは完全に
ランダムに入り交わることは少なく、ウォータージェッ
ト交絡の水圧等の調節により絡合状態等を選定すれば良
い。
【0044】その後、加熱処理により繊維ウェブ層Aに
含まれる熱融着繊維により繊維ウェブ層Bの構成繊維の
一部を接合する。
【0045】尚、目開きは、上記不織布等に部分的に打
ち抜いて形成しても良いし、ウォータージェット交絡の
方法で不織布を形成する場合には、ウェブの繊維絡合の
際、支持体のネットに粗いメッシュを用いることによっ
て形成しても良い。
【0046】本発明の清掃用シート10Aの寸法は、被
清掃面によって、もしくは清掃を施す面積、形状等によ
って適宜設定すればよいが、本発明を使用する際の払拭
方向と直交する一辺の長さは5〜150cm、好ましく
は、家庭用にあっては10〜140cm、業務用にあって
は10〜150cmである。
【0047】清掃用シート10Aは、図1に示すよう
に、本体15とその周延部に自由端領域14とを有して
いるが、自由端領域14は本体15の境界から外側に本
体15の寸法の1/30〜1/2の範囲が好ましい。1
/30未満でも1/2を越えても被清掃面の構成する角
の様な場所へのフィット性が悪くなり塵埃の捕捉性が低
下して好ましくない。
【0048】本発明の清掃用物品には、基布に、要求機
能に応じた薬剤を0.1〜500重量%(基布重量基
準)担持させることができる。このような薬剤として
は、実質的にドライな乾式清掃を目的とした油剤成分を
主とするものと、実質的にウェットな湿式清掃を目的と
した洗浄剤等が挙げられる。
【0049】上記油剤成分としては、鉱物油、合成油、
シリコーン油及び界面活性剤の内少なくとも1種類以上
を含んでいるものが好ましい。上記鉱物油としては、パ
ラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族炭化
水素等が用いられる。
【0050】上記合成油としては、アルキルベンゼン
油、ポリオレフィン油、ポリグリコール油等、シリコー
ン油としては鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメチ
ルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサ
ン又は各種変性シリコーン等が用いられる。
【0051】上記界面活性剤は、陽イオン系としては、
炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を有す
るモノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖
アルキルジメチルアンモニウム塩、モノ長鎖アルキルジ
メチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ、非イオン
系としては、ポリオキシエチレン(6〜35モル)長鎖
アルキル又はアルケニル(第1級又は第2級C8
22)エーテル、ポリオキシエチレン(6〜35モル)
アルキル(C8 〜C18)フェニルエーテル等のポリエチ
レングリコールエーテル型、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックコポリマー、あるいはグリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキ
ルグリコシド等の多価アルコール型等が挙げられる。
尚、上記界面活性剤は、洗浄を効果的に行うためには水
を5重量%以下含んでいることが好ましい。
【0052】上記油剤成分の粘度(25℃)は、5〜1
000cps が好ましく、5〜200cps が特に好まし
い。5cps より少ないとダストの吸着性が悪く、100
0cpsより大であると油剤成分が繊維上に均等に広がり
にくく、又、清掃面との摩擦係数が増加するため、清掃
面を傷つける原因となる。表面張力(25℃)は、15
〜45dyn /cmが好ましく、特に好ましくは20〜35
dyn /cmである。15dyn /cmより少ないとダストの吸
着性が悪く、45dyn /cmより大きいと不織布を構成す
る繊維上に均等に広がりにくくなるからである。
【0053】上記油剤成分の坦持量は、基布の重量に対
して0.1〜80%、好ましは0.5〜40%、特に好
ましくは1〜20%とするのが良く、この割合で坦持さ
せることにより、吸塵能、保塵能を増加させることがで
きる。油剤成分の坦持量が0.1%より少ないと吸塵、
保塵能の油剤成分の添加による上昇が充分でなく、80
%より大きくなると手へのべたつき感が著しく悪化する
からである。本発明の清掃用物品は、繊維集合体の表面
に凹凸状部が形成されているため、基布に油剤成分を担
持させても、触った時の手への油剤成分の付着が少な
く、べたつき感の少ないものである。
【0054】該油剤成分は、上述したように、鉱物油、
合成油、シリコーン油、界面活性剤の内少なくとも一種
類以上を含むことが好ましいが、その割合や種類、該油
剤成分の粘度、表面張力等は、清掃の目的及び不織布の
構成繊維の種類に応じて適宜決められる。また、上記油
剤成分には、必要に応じて抗菌剤、防カビ剤、殺菌剤等
を含めることができる。
【0055】また、上記洗浄剤としては、界面活性剤、
溶剤及びアルカリ剤の少なくとも一種類以上を含む水溶
液であることが好ましい。
【0056】上記界面活性剤としては、非イオン系、陽
イオン系、陰イオン系、両性系等の各種活性剤が挙げら
れる。上記陰イオン系界面活性剤としては、通常のスル
ホネート系陰イオン系界面活性剤、サルフェート系陰イ
オン系界面活性剤が使用される。スルホネート系陰イオ
ン系界面活性剤としては、直鎖又は分枝アルキル(C 8
〜C22)ベンゼンスルホン酸塩、長鎖アルキル(C8
22)スルホン酸塩、長鎖オレフィン(C8 〜C22)ス
ルホン酸塩等がある。また、サルフェート系陰イオン系
界面活性剤としては、長鎖モノアルキル(C8 〜C22
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン(1〜6モル)長
鎖アルキル(C8 〜C22)エーテル硫酸エステル塩、ポ
リオキシエチレン(1〜6モル)アルキル(C8
18)フェニルエーテル硫酸エステル塩等がある。これ
ら陰イオン系界面活性剤の対イオンとしての陽イオン
は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等のアルカノールアミンイオン等である。加
水分解に対する抵抗が強い等の点から、陰イオン系界面
活性剤としては、スルホネート系界面活性剤が好まし
い。更に洗浄力の点から長鎖又は分枝鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩が好ましい。また、上記両性系界面活性
剤としては、炭素数8〜22のアルキル基を有するカル
ボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイ
ン等が挙げられる。また、上記非イオン系界面活性剤及
び上記陽イオン系界面活性剤としては、上記油剤成分に
含まれるものと同様なものが挙げられる。また、上記溶
剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等
のグリコール類、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリ
コールエーテル類が挙げられ、又、上記アルカリ剤とし
ては、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等
が挙げられる。又、上記洗浄剤には、必要に応じて殺菌
剤、消臭剤、香料等の成分を含有させることができる。
これらの洗浄剤の担持量は、基布の重量に対して50〜
500%、好ましくは100〜300%とするのが良
く、この割合で担持させることにより、手あか、汚れな
どの洗浄効果を増加させることができる。洗浄剤の担持
量が50%より少ないと清掃可能面積が少なすぎ、又、
500%を超えると清掃中にシート中に保持しきれない
洗浄活性物質がしたたり落ちて好ましくない。
【0057】上述の本発明の清掃用シート(清掃用物
品)10Aは、例えば次のようにして製造される。図3
に示すように、熱収縮性の基台シート11の片面あるい
は両面(本実施例では片面)に基布12を部分的に接合
して一体化した後、上記基台シート11を加熱処理して
熱収縮させて、上記接合部分に凹状部12Bを、非接合
部分に凸状部12Aを形成し、全体として表面に凹凸状
を有する清掃用シートを形成し、薬剤を基布12に担持
させる場合には、該清掃用シートの加熱処理前もしくは
加熱処理後に、薬剤を該清掃用シートに含浸させる。
【0058】最初に、ロール状に巻かれた基布12が繰
り出しロール21によって巻き出される。巻き出された
基布12には、必要によって、開口機23によって、ス
リット開口12C(後述する)が形成されるようになっ
ている。開口機23はロータリーダイカッター23Aと
アンビルロール23Bとを備え、基布12がロータリー
ダイカッター23Bとの間を通過する際にロータリーダ
イカッター23Aによって多数のスリット開口12Cを
設けるようにしてある。しかし、この開口機23は、ス
リット開口12Cを形成しない場合には、必要でない。
尚、開口機械23は、後述する不織布ネット16を配置
した後の工程に設けられ、スリット開口12Cを形成す
るものであってもよい。
【0059】一方、基布12の搬送ラインの途中には、
基台シート11及び不織布ネット16がそれぞれロール
状に巻かれて配置されており、各ロールから繰り出され
た基台シート11及び不織布ネット16がガイドロール
24A及び24Bにより基布12に重ね合わされるよう
になっている。ここで、基布12を挟むようにして基台
シート11と不織布ネット16とが配置され、その後、
接合機25により全体として格子状を形成ドットパター
ンによる接合される。
【0060】接合機25は、超音波を発振するホーン2
5Aと、所定ドットパターンに形成された型を有するエ
ンボスロール25Bとを備え、重ね合わされた基台シー
ト11、基布12及び不織布ネット16が通過する間
に、図1に示すように、これらのシート11、12、1
6を接合して格子状の接合部分13を形成するようにし
てある。
【0061】尚、上記接合機25による接合方法には、
接着剤を基台シート11及び基布12のすくなくとも一
方にパターン塗布する方法や加熱、加圧する方法等があ
るが、接着剤で接合する場合には、基台シート11が熱
収縮する時に剥がれないように、充分な接着力を有する
接着剤を使用する必要があると同時に、安定な加工のた
めには基布12の非接合面に接着剤がにじみださないこ
とが必要である。
【0062】加熱、加圧する方法では、基台シート11
と基布12で相互に融着あるいはアンカー効果で接合す
るような素材を選定することが可能である。具体的に
は、ヒートエンボス方式と超音波方式とがあるが、加工
速度、素材によって適宜選定すればよい。超音波方式に
限らず、加熱方式であってもよく、かかる方式は加工速
度、素材の選定によって適宜選択する。
【0063】次に、基台シート11に基布12及び不織
布ネット16が一体化された後、該基布12及び不織布
ネット16は薬剤塗工機26へ搬送され、基布12及び
不織布ネット16に薬剤が塗布される。
【0064】薬剤塗工機26は、適量の薬剤を一体化さ
れたシートまで運ぶグラビアロール26A、一体化され
たシートをグラビアロール26Aに押し付けるバックア
ップロール26B及び薬剤を蓄えておく液パン26Cか
ら構成されている。
【0065】尚、図3には、塗工機26としてロールコ
ーターを用いられているが、スプレー方式等であっても
よく、かかる方式は加工速度、素材の選定、薬剤の種類
等によって適宜選択する。また、スプレー方式による薬
剤塗工は熱収縮させた後において薬剤を付与する際に有
効な方式である。薬剤塗工後のシートは、ニップロール
27によって引き出され、熱処理機28へ引き渡され
る。
【0066】この熱処理機28は、基台シート11を熱
収縮させるものであり、基台シート11を熱収縮させる
温度に設定させている。基台シート11と基布12とが
接合されたシートが、この熱処理機28を通過する間
に、基台シート11のみのを収縮させ、基布12及び不
織布ネット16が収縮しないことにより基布12及び不
織布ネット16には凹凸形状の隆起がエンボスパターン
に合わせて形成される。この際、目的の面積収縮率を発
現する温度と時間とに設定処理すればよいが、熱処理機
28の蒸留側のニップロール27及び下流側ニップロー
ル29の速度比を目的の面積収縮率にあわせることが望
ましい。
【0067】尚、面積収縮率は下記式(3)で表され
る。
【0068】
【数3】 面積収縮率(%)=100−A×B×100 (3) 但し、A及びBは次の通りである。 A=(縦方向の熱収縮後の一辺の長さ)/(縦方向の熱
収縮前の一辺の長さ) B=(横方向の熱収縮後の一辺の長さ)/(横方向の熱
収縮前の一辺の長さ)
【0069】熱処理機28を通過した後、ニップロール
29により引き出されて、巻き取り機30により巻きと
られる。
【0070】次に、図4〜図9を参照して、本発明の他
の実施例について説明する。図4に本発明の第2実施例
による清掃用シート10Bを示すが、この第2実施例
は、基台シート11の両側に基布12を配置し、それぞ
れの基布12の外側に不織布ネット16を配置した構成
となっている。即ち、上述した第1実施例の基布12と
不織布ネット16を基台シート11の両側に配置したも
のである。
【0071】この第2実施例のように基布が基台シート
の両面に配置された清掃用物品の場合、シート両面の基
布としては、同一のものでも良く、異なったものでも良
い。シート両面の基布として異なったもの、例えば親水
性繊維の含有割合の異なったもの同士又は構成繊維の種
類の異なったもの同士を用いることにより、使用目的に
応じてシートの両面で使い分けのできる製品としたり、
シートの両面で風合いの異なる製品とすることが可能で
ある。
【0072】図5及び図6に本発明の第3実施例による
清掃用シート10Cを示すが、この第3実施例は、基台
シート11の片面側に基布12のみを配置し、不織布ネ
ット16を具備してない。また、各凸状部12Aには、
それぞれスリット開口12Cが形成されており、上記構
成繊維によって捕捉し難い比較的大きなダストをこれら
のスリット開口12Cを介してそれぞれの凸状部12A
の内部に取り込むように構成されている。
【0073】この第3実施例の場合、スリット開口12
Cの開口面積は1〜100mm2 に形成されていることが
好ましい。1mm2 より小さいとスリット開口12Cに取
り込めるダストが限定され、パン屑等のダストを取り込
み難くなり、100mm2 を越えると捕集したダストが脱
落し易くなり好ましくないからである。
【0074】スリット開口12Cが清掃面に占める割合
は、5〜60%が好ましい。5%未満になると、ダスト
を捕捉し難くなり、60%を越えると基布による細かい
埃を捕捉する能力が低下して実用的でないからである。
【0075】上記基台シート11と上記不織布12との
非接合部分の少なくともいずれか一方の内面に低タック
性の粘着剤が塗布されておれば、上記スリット開口12
Cを介して捕捉されたダストの脱落を抑制することがで
きる。尚、スリット開口12Cは上記不織布12をシー
ト状に形成後に部分的にスリット状に切断して形成する
が、これ以外に、例えば、打ち抜いて形成しても良い。
また、ウォータージェット交絡の方法で不織布を形成す
る場合には、ウェブの繊維絡合の際、支持体のネットに
粗いメッシュを用いることによって上記スリット開口1
2Cを形成してもよい。
【0076】図7に本発明の第4実施例による清掃用シ
ート10Dを示すが、第4実施例は基台シート11の両
側に基布12が配置されており、凸状部12Aが基台シ
ート11の両面にランダムに形成されている。
【0077】図8に本発明の第4実施例による清掃用シ
ート10Eを示すが、この第4実施例では、本体15の
周延部に基台シート11と接合していない領域である自
由末端14を有している。すなわち、基布12より面積
が小さい基台シート11の片面もしくは両面に繊維の絡
合で形成された基布12が部分的接合してなっており、
基台シート11に対応する領域に本体15が形成されて
おり、その両側(2側)に自由末端14が形成されてい
る。
【0078】図9に本発明の第5実施例による清掃用シ
ート10Fを示すが、この第5実施例では、上記の第4
実施例が本体15の両側(2側)に自由末端14が形成
されていたのに対して、この第5実施例では、周囲全般
に亘って(4側)に自由末端14が形成されている。
【0079】以下に、本発明の具体的な実施品を、比較
品との比較において説明する。 (実施品1:図2に示すように基台シートの片面にのみ
基布を配置したもので、不織布ネットを具備したもの)
基布として、ポリエステル繊維1.5デニール、51mm
及びレーヨン繊維1.5デニール、51mmをポリエステ
ル繊維/レーヨン繊維=3/7の重量割合で混綿したも
のを用いて、常法のカードで坪量10g/m2 の繊維ウ
ェブを形成し、その繊維ウェブを6層(60g/m2
にラッピングし、ウォータージェット交絡で絡合させた
ものを用いた。その際、ウォータージェット交絡は、ノ
ズルピッチ1.6mmのノズルヘッドがMD方向に対し4
ブロックを備えたもので、水圧は、40kg/cm2 、速度
5m/min で行った。
【0080】不織布ネットとして、ポリエステル繊維
(帝人(株))3デニール、76mmを常法のカードで坪
量10g/m2 の繊維ウェブを形成し、ポリプロピレン
/ポリエチレンの芯鞘繊維(チッソ(株))3デニー
ル、51mmを常法のカードで坪量10g/m2 の繊維ウ
ェブを形成したものを積層した後ウォータージェット交
絡で絡合させ、直径15mmの円形を中心間距離20mmに
なるように多数打ち抜きしたものを用いた。その際、ウ
ォータージェット交絡は上記のもので、水圧は、20kg
/cm2 とした以外は同条件である。
【0081】基台シートとして、厚さ15μm で、基布
と同じ面積のポリプロピレン製2軸延伸シュリンクフィ
ルム(グンゼ(株))を用い、上記基布及び上記不織布
ネットと重合わせた後、超音波エンボス装置を用いて接
合した。その際、接合パターンは直径2mmの円形が1.
84mmの間隔で線状をなして配列され、該線状パターン
が対角線39.27mm及び24.17mmのひし型を連続
して形成するように配列し、その後、110℃で30秒
間熱処理することにより、約20%の面積収縮率を有す
る清掃用シートを得た。
【0082】該清掃用シートにスプレー塗工によって流
動パラフィン95%と非イオン性界面活性剤〔ポリオキ
シエチレン(平均付加モル数3.3)アルキル(C12
13)エーテル〕5%とからなる油剤成分(粘度125
cps 、表面張力30dyn /cm)を繊維重量(基布の重
量)に対して5%の割合で付与し実施品1を得た。
【0083】(比較品1:基布が親水性繊維を含んでい
ないもの)基布を構成する繊維ウェブの原料として、ポ
リエステル繊維1.5デニール、51mmのみを用いた以
外は、実施品1の場合と同様にして比較品1を得た。
【0084】上述した実施品1及び比較品1のそれぞれ
について、以下のような評価を行った。その結果を下記
表1に示す。尚、評価する際のサンプルの大きさは7×
11cmに調製した。
【0085】1.ダスト吸着量(ダスト捕集能) 30×30cmの広さに土、砂ぼこりの組成に近い試験用
ダスト7種(JIS Z8901 )を1g均一にまき、7×11
cmの大きさのスポンジにサンプルを貼り付けて固定し、
10往復してサンプルに吸着したダストの量を測定し
た。
【0086】2.水の拭き取り性 ガラス面上に1ccの水滴を落とし、それをサンプルで拭
き取った後の水の残り具合を目視で評価した。目視評価
の判定基準は、以下の通りである。 ○:ガラス面上に殆ど水が残っていない。 ×:ガラス面上に水が広がって残っている。
【0087】
【表1】
【0088】(実施品2:図2に示すように基台シート
の片面にのみ基布を配置したもので、不織布ネットを具
備したもの)基布を構成する繊維ウェブの原料として、
ポリエステル繊維2デニール、51mm、レーヨン繊維3
デニール、51mm及びポリプロピレン/ポリエチレンの
芯鞘繊維3デニール、51mmをポリエステル繊維/レー
ヨン繊維/芯鞘繊維=2/6/2の重量割合で混綿した
ものを用いた以外は、実施品1の場合と同様にして約2
5%の面積収縮率を有する清掃用シートを得た。
【0089】該清掃用シートに実施品1の場合と同様に
して非イオン性界面活性剤〔ポリオキシエチレン(平均
付加モル数7)アルキル(C12〜C13)エーテル〕0.
1%、エタノール3%及びポリエチレングリコールモノ
メチルエーテル2%を含む水溶液からなる薬剤を繊維重
量(基布の重量)に対して200%の割合で付与し実施
品2を得た。
【0090】(比較品2:平面状の清掃用物品)ポリエ
ステル繊維1.5デニール、51mmを用いて、常法のカ
ードで坪量10g/m2 の繊維ウェブを形成し、その繊
維ウェブを7層(70g/m2 )にラッピングし、ウォ
ータージェット交絡で絡合させた。その際、ウォーター
ジェット交絡は、水圧40kg/cm2 、ノズルピッチ1.
6mm、速度5m/min で行った。その後、スプレーによ
り実施品2と同様の薬剤を同割合で付与し、平面状の
(表面に凹凸のない)比較品2を得た。
【0091】上述した実施品2及び比較品2のそれぞれ
について、以下のような評価を行った。その結果を下記
表2に示す。尚、評価する際のサンプルの大きさは7×
11cmに調製した。
【0092】ガラス上の拭きやすさ ガラス面上をサンプルで清拭した際の拭きやすさを下記
基準により評価した。 ○:清拭時に手とサンプルとが離れることなく、楽に清
拭が行える。 ×:清拭時に手からサンプルが離れてしまうことがあ
る。
【0093】
【表2】
【0094】(実施品3:図4に示すように基台シート
の両面に基布を配置したもので、不織布ネットを具備し
たもの)実施品1で用いたものと同様の基台シートを中
間層にし、その上層繊維ウェブ原料としてポリエステル
繊維1.5デニール、51mmの繊維を、その下層繊維ウ
ェブ原料としてレーヨン繊維1.5デニール、51mmの
繊維を用い、それ以外は実施品1と同じ条件で、約15
%の面積収縮率を有する実施品3を得た。
【0095】(比較品3:基布が親水性繊維を含んでい
ないもの)上下層の繊維ウェブ原料として、ポリエステ
ル繊維1.5デニール、51mmの繊維のみを用いた以外
は、実施品3の場合と同様にして比較品3を得た。
【0096】(比較品4:基布が親水性繊維のみからな
るもの)上下層の繊維ウェブ原料として、レーヨン繊維
1.5デニール、51mmの繊維のみを用いた以外は、実
施品3の場合と同様にして比較品4を得た。
【0097】上述した実施品3並びに比較品3及び4の
それぞれについて、以下のような評価を行った。その結
果を下記表3に示す。尚、評価する際のサンプルの大き
さは7×11cmに調製した。
【0098】1.髪の毛捕集性 人頭髪10cmくらいを10本密に重ならないように散布
し、7×11cmの大きさのスポンジに上記各実施品と比
較品を張り付けて固定したものをその上に3往復させ、
髪の毛の取れ易さ、落とし難さについて官能評価を行っ
た。
【0099】官能評価の判定基準は以下の通りである。 ◎:髪毛10〜8本を確実に取り、且つ取った髪の毛を
落とし難い。 ○:髪毛10〜8本を確実に取るが、取ったものが落ち
ることがある。 △:髪毛7〜5本を取るが、取った髪の毛は落とし易
い。 ×:髪毛を5本以上取らない。
【0100】2.水の拭き取り性 上記実施品1における場合と同様にして評価した。
【0101】
【表3】
【0102】表1〜3から明らかなように、本発明の清
掃用物品である実施品は、ダスト捕集能及び水の拭き取
り性に優れ、且つガラスの拭き作業をスムースに行うこ
とができるものである。これに対し、比較品1及び3
は、水の拭き取り性が悪いものであり、又比較品2は、
ガラスの拭き作業をスムースに行うことができないもの
であり、又比較品4は、髪の毛捕集性が劣るものであ
る。
【0103】本発明は、上述した実施例に限定されるこ
となく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能
である。例えば、清掃用シートに対する薬剤の担持方法
は、該清掃用シートを薬剤中に浸漬等させるものであっ
てもよい。
【0104】また、清掃用シートを直接手を使って操作
して清掃する他に、柄付き道具に取り付けて清掃用物品
として使用することができる。柄付き道具とは、特にそ
の形態は限定されないが、モップ様、ハンディーモップ
様、ハタキ様のものが挙げられ、特に清掃部が巨視的に
見て平面状のものが好ましい。
【0105】
【発明の効果】本発明の清掃用物品は、細かなダスト等
の汚れはもとよりパン粉等の比較的大きな汚れまで、広
範囲なダストの捕集能力に優れ、且つ捕集能力が被清掃
面の形状に左右されにくいと共に、汚水の付着した被清
掃面を払拭しても、ダストの捕集能力を維持したまま且
つ手を汚水で汚すことなく乾式清掃を続行することがで
き、またガラスの拭き作業をスムースに行うことがで
き、乾式清掃及び湿式清掃の何れにも良好に用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の清掃用シートを示す平面
図である。
【図2】図1に示す清掃用シートの一部を切断して示す
拡大斜視図である。
【図3】第1実施例の清掃用シートの製造に好適に用い
られる製造装置全体を示す概略図である。
【図4】第2実施例の清掃用シートの一部を切断して示
す拡大斜視図である。
【図5】第3実施例の清掃用シートを示す平面図であ
る。
【図6】図5に示す清掃用シートの一部を切断して示す
拡大斜視図である。
【図7】第4実施例の清掃用シートの一部を切断して示
す拡大斜視図である。
【図8】第5実施例の清掃用シートを示す平面図であ
る。
【図9】第6実施例の清掃用シートを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
10A〜10F 清掃用シート(清掃用物品) 11 基台シート 12 基布 12A 凸状部 12C 開口(スリット開口) 16 不織布ネット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台シートの片面あるいは両面に、繊維
    の絡合で形成された不織布状の基布が部分的な接合によ
    り一体化されており、上記基布はその接合部分が凹状部
    を形成し且つその非接合部分が凸状部を形成しており、
    全体として表面に凹凸形状を有する清掃用物品であっ
    て、上記基台シートの少なくとも片面に接合されている
    不織布状の基布の構成繊維が親水性繊維を含んでいるこ
    とを特徴とする清掃用物品。
  2. 【請求項2】 上記基台シートの少なくとも片面に接合
    されている、上記基布の構成繊維が親水性繊維を1〜9
    9重量%含んでいることを特徴とする請求項1記載の清
    掃用物品。
  3. 【請求項3】 上記基布に薬剤が0.1〜500重量%
    (基布重量基準)担持されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の清掃用物品。
  4. 【請求項4】 上記基台シートが熱収縮性シートであ
    り、上記基布は、上記基台シートの熱処理による熱収縮
    により、その接合部分が凹状部を形成し且つその非接合
    部分が凸状部を形成していることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の清掃用物品。
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