JP2004501701A - クリーニングシート - Google Patents
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Abstract
乾式クリーニングシートが提供される。このクリーニングシートは、複数の微小繊維から形成された布地層を含む。この布地層は、シートの湿式クリーニング性能を向上するために繊維の少なくとも一部に付着された比較的低水準の表面活性剤を含む。この布地層は、織布又は不織布材料から形成してもよい。表面活性剤は、室温で固体又はペースト状であり、比較的低い水溶性を有する。クリーニングシートを使用して表面をクリーニングするクリーニング器具及びクリーニングシートも説明される。
Description
【0001】
(発明の背景)
テーブルのようなきれいにすべき表面からほこりを取り除くためのちりふき布が一般に知られている。このようなちりふき布は、織布または不織布からつくられ、ほこりを保持するために濡れた油のような物質がスプレーされるか、その物質でコーティングされる。このような布は、使用後に表面に油のような薄膜を残す傾向があり、通常、表面活性剤はあまり含んでいない。
【0002】
他の公知のちりふき布は、ほこりを保持するために、からまった繊維の間にスペースを有する湿式からみ合い処理された不織繊維を含む。エンタングル繊維は、このような布にさらに強度を付与する網目格子又はスクリム構造体によって支持されうる。この種の布は、使用中にほこりでいっぱいになり(すなわち、ほこりの付着)、及び/又は密集した粒子、大きな粒子又は他のほこりを取り除く時に完全に有効ではない。このような布は、主に乾燥したちりふき布として使用されるように構成されている。
【0003】
一般に、濡れたクリーニングパッドとして使用される布が知られている。このような布は、織布、または不織布を使用して形成される。このような布は、水及び石鹸が予め含浸されるか、又は、例えば、石鹸パッドのような乾燥したものとして販売される。これらの布は、水がパッドと接触するとき、放出される表面活性剤の相対的な含有量により一般に特徴づけられる。このような布の主な使用法は、皿を洗うときのような濡れたクリーニングで使用される。洗浄液で予め含浸された他のふきんが、カーウオッシングのような用途に使用されることが報告されている。石鹸パッド及びこれらの濡れたふきんは、乾式クリーニングで使用されるようには設計されていない。
【0004】
したがって、乾式クリーニングでごみをつまみ、それを保持して、湿式クリーニングで使用するとき、表面活性剤を放出しその効率を向上することができるクリーニングシートを提供することが有利である。このようなクリーニングシートは、大きな粒子、及び毛や糸くずのような他のごみを保持することができると同時に、細かなごみの粒子をつまみ、それを保持するために非常に有効である。また、このようなクリーニングシートは、湿式クリーニングでの使用を向上するために好適な特性を有して、繊維上に付着された表面活性剤を放出することができるようにする。
【0005】
(発明の要約)
本発明は、家庭または作業環境におけるようなクリーニング表面で使用するためのクリーニングシートに関する。さらに詳細には、本発明は、ほこり、大きな粒子及び/又は他のごみを収集し、保持するために、また濡れている間、表面をクリーニングするために乾燥形態で使用される湿式クリーニング性能を有する乾式クリーニングシートに関する。このクリーニングシートは、毛や糸くずのような粒状物質及び他のごみをつまみ、保持することができる布地材料でカバーされた表面を含む。この布地材料は、任意選択的にその効率を向上するために、ほこり付着剤で処理され、及び/又はそれを中に任意選択的に組み込むことができる。湿式クリーニングで使用されるシートの性能を向上させるために比較的に低い水準の表面活性剤が織物の少なくともいくつかの繊維に付着される。表面活性剤を含むことによって、水で濡らした後、ごみ、汚れ及び/又は表面の付着物を除去する際の補助として使用するクリーニングシートの性能を向上することができる。
【0006】
クリーニングシートは、少なくとも一部の繊維上に付着された比較的低い水準の表面活性剤を有する布地層を含む。布地材料は、毛及びリントのような粒状の物質及び他のごみをつまみ、保持する乾式の形態であるよう選択される。また、このシートは、煩わしい汚れや付着物を除去することを容易にするために、水又は他のクリーニング溶液でシートを含浸することによって濡れたふきんとして使用されることができる。クリーニングシートは、一般に、少なくとも500g/30mmの破壊強度を有する。モップヘッドのような器具に取り付けられて使用されるようになっているクリーニングシートは、一般に、500g/30mmの負荷で、約25%以下の伸長を有する。
【0007】
表面活性剤は、室温でペースト状又は固体であり、比較的に低い水溶性、例えば、25℃で約20%以下の水溶性を有する。この後者の特性は、約10乃至18の親水性/親油性のバランス(HLB)を有する表面活性剤によって満たされる。このような特性を有する表面活性剤の例は、広い範囲の市販されている非イオン性及び陰イオン性の表面活性剤を含む。
【0008】
表面活性剤は、連続したやり方又はランダムに又は繰り返しパターンでシートの繊維に付着される。この表面活性剤は、乾式クリーニング方法でクリーニングシートの使用中に残留物がすり落とされない量で選択及び付着される。この表面活性剤は、ロール法、スプレー法又は他の方法によって布地層に付着される。この表面活性剤は、余り大きな堅さ及び/又は剛性をシートに与えないように布地層に付着される。表面活性剤のタイプ及び付着の態様に依存して、表面活性剤が繊維上及び/又はその周りに種々の深さに付着される。この表面活性剤の付着の結果は、シートが濡れているとき表面活性剤の一部を放出することができる可撓性クリーニング布になる。
【0009】
1つの実施形態において、クリーニングシートは、ゆるくからんだ繊維ウエブから形成された不織布繊維集合体層を含む。このような繊維ウエブは、典型的には、50乃至150g/m2の基礎重量と800m以下のCD初期係数(「エンタングル係数」)とを有する。表面活性剤は、ウエブをつくる繊維の約20%以下に付着され、さらに一般的には、繊維の10%以下に付着される。好ましくは、不織布集合体は、3以下のデニールを有するマイクロファイバーから形成される。粒子及び油をつまみ保持する繊維ウエブの能力を向上するために、適度に細かなマイクロファイバーと非常に細かいマイクロファイバーの混合物、例えば、1〜2デニールのマイクロファイバー及び0.5乃至0.9デニールを有するマイクロファイバーの混合物から不織布集合体を形成することが有利である。
【0010】
ミネソタ州セントポール(St. Paul)3M社から市販されているスコッチブライト(Scotchbright(登録商標))のシートのようなマイクロファイバーから形成された織布もまた、表面活性剤と共に処理され、本クリーニングシートの布地層として使用される。このような織布ウエブは、この明細書で説明した不織布ウエブと同じタイプのマイクロファイバーから形成される。この織布は、約3以下のデニールを有するマイクロファイバーから形成される。
【0011】
本クリーニングシートは、表面活性剤のパターンを、例えば溶融物として又は比較的に揮発性の溶剤との混合物として付着することによって製造することができる。溶剤を含む混合物が使用される場合、処理されたシートは、残留溶剤を揮発するために(熱源に露出するか、露出せずに)空気流に当てられる。
【0012】
この明細書で使用する「エンタングル係数」という用語は、繊維集合体の繊維の方向に直角な方向(機械横断方向)に対して測定された応力ひずみ曲線の初期勾配を言う。エンタングル係数は、また本明細書で「CD初期係数」とも称される。本発明のクリーニングシートを形成する際に使用する好適な不織布繊維集合体は、(補強フィラメント又は網目が不織繊維ウエブから除かれた後に測定して)20乃至800m、さらに典型的には、約300m以下のエンタングル係数を有する。
【0013】
この明細書で使用されるエンタングル係数(又は「CD初期係数」と称される)は、繊維集合体の繊維のからみ合いの度合いを表す値である。このエンタングル係数は、不織布繊維集合体の繊維の向きと直角の方向、すなわち、機械横断方向(「横断方向」又は「CD」)について測定された応力ひずみ曲線の初期勾配によって表される。小さい値のエンタングル係数は、繊維のからみ合いが小さいことを示す。この明細書で使用する「応力」という用語は、チャッキング幅(すなわち、引張強度の測定中の試験ストリップの幅)及び不織繊維集合体の基礎重量によって引張負荷値を割算することによって得られる値を意味する。この明細書で使用する「ひずみ」という用語は、クリーニングシート材料の伸長の値である。
【0014】
この明細書で使用される「破壊強度」という用語は、引張負荷がクリーニングシートに加えられるときに、クリーニングシートが破壊し始める時の負荷の値(ひっぱり強度の測定中の第1のピーク値)を言う。
【0015】
この明細書で使用されるような「伸長」という用語は、500gの引張負荷がストリップに加えられるとき、30mmのクリーニングシート材料のストリップの長さの相対的な増大(%)を言う。このストリップは、繊維の向きに直角な向き(すなわち、機械横断方向)で30mm/分の速度で伸長される。
【0016】
この明細書で使用される「不織ウエブ」という用語は、間に挟まれるが、編み物のような規則的な又は識別可能な態様でない個々の繊維又はスレッド構造を有するウエブを意味する。この明細書で使用される「不織布」という用語は、不織ウエブ並びに繊維化され、穴を有し、さもなければ、布状の特性を付与するように処理された個々のフィラメント及びストランド、ヤーン又はトウ並びにフォーム及びフィルムを含む。不織布又は不織ウエブは、例えばメルトブロウ加工、スパンボンド加工、及びボンドカード加工など多くの加工法により形成される。この出願を通して、本明細書で使用する「不織繊維集合体」は、「繊維ウエブ」及び「不織集合体」という用語は、「不織ウエブ」と互換性があるように使用される。
【0017】
不織布の基礎重量は、平方ヤード当たりの材料のオンス(「osy」)又は平方メートル当たりのグラム(「gsm」)で表され、使用できる繊維の直径はミクロンで表される。基礎重量は、osyの値に33.91を掛けることによってosyからgsmに簡単に変換することができる。
【0018】
この明細書で使用される「マイクロファイバー」という用語は、約75ミクロン以下、例えば、約0.5ミクロン乃至約50ミクロンの平均直径を有する小さい直径の繊維を意味するが、さらに詳細には約2ミクロン乃至約40ミクロンの平均直径を有していてもよい。繊維の直径の他の往々にして使用される表現は、デニールであり、このデニールは、繊維の9000メートル毎のグラム数として定義され、ミクロンで表される繊維直径を二乗し、グラム/ccの密度を掛け、0.00707が掛けられて計算される。小さいデニールが細い繊維を示し、大きなデニールが太く重い繊維を示す。例えば、15ミクロンとして表されたポリプロピレンの繊維の直径は、二乗し、その結果に0.89g/ccを掛け、さらに0.00707を掛けることによってデニールに変換される。したがって、15ミクロンのポリプロピレンの繊維は、約1.42(152×0.89×0.00707=1.415)のデニールを有する。米国以外では、測定の単位が一般に「tex」であり、これは、繊維の1キロメートル毎のグラムとして定義される。Texは、デニール/9として計算される。
【0019】
この明細書に使用される「平均断面寸法」という用語は、本発明のクリーニングシートの外側織物面の領域の平均寸法を言う。「平均断面寸法」(ACSD)は、空所の最も長い断面軸線の長さ(「Ll」)と最も長い断面の軸線と直角な断面軸線の長さ(「Ls」)の合計の1/2に等しい。
【0020】
ACSD=(Ll+Ls)/2
この明細書で使用する「断面積」という用語は、織物表面の外側平面の領域(すなわち、クリーニング面)の面積を称する。
【0021】
この明細書で使用する「表面」及び「清浄にすべき表面」という用語は、広い意味であり、制限することを意図するものではない。この用語の表面は、かなり堅いか剛性の表面(例えば、家具、テーブル、棚、フロア、天井、堅い家具、家庭用器具等)並びに、比較的柔らかく半剛性の表面(例えば、敷物、カーペット、柔らかい家具、リネン、布等)を含む。
【0022】
この明細書で使用する「ごみ」という用語は、広い意味であり、制限することを意図するものではないことに留意することが重要である。ごみ及び他の細かな粒状物質に加えて、用語のごみは、比較的大きな寸法の粒状物質、例えば、約1mmより大きい平均直径を有する大きな寸法の土、泥、糸くず、及び従来のごみ用ぼろきれでは収集できない、繊維及び毛髪の廃物片、並びにごみ、及び他の細かなほこり粒子を含む。
【0023】
この明細書で使用する「融点」という用語は、融解熱を含む位相の変化を生じるとき、材料が固体から液体に変換する温度を表現するために使用される。この明細書で使用する「流動点」という用語は、(ASTM法D97によって測定されるような)材料が流れを停止する温度を意味する。従って、流動点は、位相変化を含むが、材料の粘度特性の変化に基づいている特性である。
【0024】
本出願を通じて、テキストは、クリーニングシートの種々の実施形態を述べた。上述した種々の実施形態は、示した例を提供することを意味し、必ずしも代替形態の説明として考える必要はない。本明細書で説明した種々の実施形態の説明は、重複する範囲のものであることを理解すべきである。この明細書で説明した実施形態は、単なる例示であり、本発明の範囲を制限することを意味するものではない。
【0025】
(詳細説明)
本クリーニングシートは、表面から油、粒子、糸くず、毛及び他のごみを集め、保持するための乾式ほこり布として使用されるとき非常に有効である。さらに、これらのシートは、湿式クリーニングの用途で使用されることができる。例えば、シートは、表面からごみ、汚れ及び/又はくずを取り除く際に補助となるように水を含ませることができる。このクリーニングシートは、少なくとも一部の繊維に付着された比較的低水準の表面活性剤を有する布地層を含む。この布地材料は、油、粒状物質、及び/又は毛及び糸くずのような他の糸くずを取り、それを保持する乾式形態であることができるように選択される。また、シートは、わずらわしい汚れや付着物の除去を容易にするために必要なら、水又は、他のクリーニング溶液でシートを浸すことによって、湿式ふきんとして使用することができる。
【0026】
クリーニングシートは、典型的には堅い表面用クリーナとして分類される種の比較的低水準の表面活性剤を含む。表面活性剤は、シートの不織布地層を通して均一に分配されることができる。さらに一般的には、表面活性剤は、同じ水準の表面活性剤によって未処理である領域の間に散在される不織布層の離散した領域に配分される。この非連続の表面活性剤を含む領域は、種々の形状を含むことができる離散した領域であってもよい。例えば、表面活性剤を含む領域は、丸い(「点」)か、多角形形状であるか、又は不規則(「無定形」)な形状を有する。図1は、複数の丸い表面活性剤領域2を含む不織布繊維集合体1から形成されたクリーニングシートの一部を示す。別の例として、非連続表面活性剤を含む領域は、図3に示すような線形、例えば、曲線10であり得る。表面活性剤は、シートの外面の繊維に付着されるのみである。しかしながら、さらに一般的には、表面活性剤は、ウエブの内側繊維並びに外側表面近くの繊維に付着される態様で付着される。図2は、外面からウエブの内側に延びる表面活性剤を含む領域3を含む繊維ウエブを示す。このタイプの繊維ウエブは、表面活性剤がウエブに搬送されるように十分に低い粘度を有する溶融または溶剤を含む混合物として表面活性剤を適用することによって製造されることができる。表面活性剤を含む領域は、規則正しい、繰り返しのパターンで配置されるか、またはランダムに分配される。
【0027】
表面活性剤を含むすべての領域の断面積は、一般的に、布地層の外面の全表面積の少なくとも約2〜3%である。これらの領域の全断面積は、全表面積の約25%以下である。これは、乾式ちりふき布として使用するとき、シートの特性全体を実質的に変えることなく、堅固な付着物等の除去を容易にするために、十分な表面活性剤を含むことができる。特に、好適なクリーニングシートの例は、全表面積に対して、表面活性剤を含むすべての領域の断面積が、約5%乃至10%である場合のものを含むが、ある場合には、表面活性剤を含む領域は、クリーニングシートの全表面積のもっと大きな割合、例えば、全表面積の約40%までを占める。別の所で述べたように、他の実施形態において、低水準の表面活性剤は、布地層の全体層上に均一に分散されてもよい。
表面活性剤
表面活性剤は、コーティングすべき表面にプリントされるか、スプレーされる。クリーニングシートの構成に依存して表面活性剤は、連続層として、例えば、シートを形成するために使用される繊維ウエブ又は、可撓性バッキング層の一方の側に付着されるか、又は非連着される。例えば、表面活性剤は、シートの外側織物面の特定の領域に(溶液又は溶融物として)ロール加工されるか、スプレーされるようにしてもよい。他の実施形態として、クリーニングシートは、表面活性剤の不連続なパッチを可撓性バッキング層に広げるか、スプレーし、表面活性剤の少なくとも一部がウエブの繊維上に付着されるように、繊維ウエブがバッキング層に接触されるようにすることによって形成される。
【0028】
好適なタイプの表面活性剤の例は、陰イオン及び非イオンの表面活性剤を含む。この表面活性剤は、通常の室温(すなわち、25℃に近い温度)でペースト状か固体であるように選択される。さらに一般的には、表面活性剤は、少なくとも約35℃、及び好ましくは少なくとも約40℃の融点を有する。また、表面活性剤は、比較的に低い水溶性を有する。これにより、少なくとも2つの目的を達成することができる。クリーニングシートが濡れた状態で使用されるとき、シートに含まれる水に溶解される表面活性剤の量が低くく、清浄にされる表面への表面活性剤の用量が低くなる。これは、表面に残留する表面活性剤の付着を避ける。さらに、表面活性剤が、比較的非水溶性である場合には、通常一回の使用の間には、シートの表面活性剤全体が溶解しない。これは、廃棄する前に一回以上、好ましくは複数回シートを使用できるようにする。また、この表面活性剤は、親水性/親油性のバランス(「HLB」)によって特徴づけられる。これは、所定の表面活性剤の親水性及び親油性物質の相対量を特徴づけるために表面活性剤の技術分野で通常使用されるパラメータである。低いHLBを有する表面活性剤は、より親油性がある。より高いHLBを有する表面活性剤は、より親水性であり、さらに水溶性である傾向がある。本シートの濡れたクリーニング性能を向上するために、10乃至18、好ましくは13乃至16のHLBを有する表面活性剤を使用することが有利である。
【0029】
本シートの濡れたクリーニング機能を向上するために使用されることができる好適な非イオン系の表面活性剤の例は、エトキシ化アルカノル、エトキシ化アルケノル、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール モノエステル、アルキルフェノキシ−ポリエチレンオキシド、脂肪酸グリコールモノエステル、パラフィニックエトキシ化カルボキシレート、アルキルジメチルアミンオキシド、及び脂肪酸ヒドロキシアルキルアミドを含む。好適なポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーの例は、12乃至18のHLBを有するコポリマーを含む。好適なポリエチレングリコールモノエステルの例は、脂肪酸モノエステル、特に、脂肪酸が、12乃至18の炭素原子を含み、エトキシ化脂肪酸アルコールは、16乃至18の炭素原子を有するアルキルグループを有するモノエステルを含む。
【0030】
上述したように、また、表面活性剤は、陰イオン表面活性剤を含むことができる。本クリーニングシートの一部として使用される好適な陰イオン表面活性剤の例は、脂肪酸塩類、アルカネスルホネート塩類、アルキルベンゼンスルホネート塩類、アルカノールスルフェート塩類等を含む。好適な脂肪酸塩類の例は、脂肪酸のカルシウム及び/又はマグネシウム塩類を含む。このような塩類は、アルキル側鎖で少なくとも11乃至17の炭素原子を有する脂肪酸の塩類を含む。
【0031】
本クリーニングシートは、連続したすすぎのない濡れたシートで汚れた表面がふかれるか、ふき取られる、濡れたクリーニングの用途においてしばしば使用されるので、比較的低い泡立ち性能を有する表面活性剤を使用することが通常好ましい。例えば、50℃での試験で約100mm以下、好ましくは約75mm以下の(ロスマイルスフォームスハイト(Ross Miles forms height)と称される)ロスマイルスフォームでのフォーム高さを有する表面活性剤を使用することが好ましい。
【0032】
典型的には、クリーニングシートは、少なくとも約1mmの全体の厚さを有し、好適なクリーニングシートは、約1.5mm乃至3mm又はそれ以上の厚さを有する。本クリーニングシートの実施形態は、通常可撓性バッキング層を含まない。この場合において、布地層は、一般にいくぶん厚い。例えば、このようなシートは、わずかに厚い布地層から形成される(例えば、約3mm乃至5mm)。クリーニングシートの他の実施形態に存在する可撓性バッキング層は、シートに強度と寸法上の安定性を提供するように作用する。また、これらの機能は、好適に構成された布地層によって提供される。このようなシートは、層内に複数の支持フィラメント及び/又は支持網目状シートを含むような十分な厚さである。
【0033】
特に好適な実施形態によれば、クリーニングシートは、マイクロファイバーから形成された不織布層を含む。典型的には、不織布層は、マイクロファイバーのゆるい集合体である。繊維集合体の繊維のデニール、不織布繊維集合体に使用される繊維の長さ、断面形状、強度は、とりわけ、加工性、コストに対する観点で決定される。マイクロファイバーは、通常、約0.1乃至5デニールを有し、さらに典型的には、約0.5乃至2デニールを有する。クリーニングシートの外側層として使用される好適な不織布の1つの例は、1乃至2のデニールを有する比較的太いマイクロファイバーと、約0.9以下、一般には、少なくとも約0.2(好ましくは約0.5乃至0.9)デニールを有する細かな繊維との混合物から形成される。本クリーニングシートを製造する際に使用されるこのような不織集合体は、より太い繊維とより細かな繊維が約50:50乃至約20:80の重量比に存在する。
【0034】
図2は、本クリーニングシートの1つの実施形態の断面図を示す。複数の表面活性剤を含む領域3を有する不織布繊維1の湿式からみ合いエンタングル処理された網目からつくられたクリーニングシートの不織布集合体層が示されている。不織布層のからみ合い処理された繊維の間のスペースによってごみを補足する穴が形成される(すなわち、ごみは、不織布集合体層を形成する繊維の間に保持されることができる)。典型的には、表面活性剤は、繊維の間の穴が、対応する未処理の織物の穴とほぼ同様であるように領域4上の繊維に付着される。
【0035】
他の実施形態において、(スクリムとして示す)ウエブまたは格子は、不織布層の繊維に埋め込まれ、それらを支持する。このスクリムは、層についての一様な構造を形成するように不織布集合体層の繊維内に一体的に埋め込まれる。通常、このスクリムは、「網目」形状に配置された垂直部材に取り付けられた水平部材を有する網を有する。(穴として示す)スペースは、垂直部材と水平部材との間に形成され、スクリムに網目又は格子状の構造体を与える。種々の実施形態によれば、スクリムの垂直部材及び水平部材は、織り、スポット溶接、締め、結び等のような種々の方法で一緒に接続される。加工及び使用中に不織布層の支持体を提供するために使用されるこのような格子の一例が、図4に示される。
【0036】
この繊維をスクリムに取り付け、一体の構造として不織布繊維集合体層を形成するために、繊維は、スクリムの各側に重ねられるようにしてもよい。低圧の水ジェットが不織布繊維集合体の繊維がからまるようにスクリム(すなわち、ヒドロエンタングルメント(hydroentanglement))に当てられ、比較的にゆるい不織布繊維のもつれを形成する。繊維の湿式からみ合いは、水ジェットから水の除去の間(例えば、乾燥中)増大される。繊維は、まだ当業者に知られた他の方法(例、エアレイド(air laid)接着、織)により、網目シートに取付けられる。また、繊維は、典型的に、ウエブにからみ合わされ一体の本体を形成し、これは、クリーニング中にウエブから繊維が「離れる」ことを防止する際の補助となることができる。図5は、スクリム支持不織布層11の1つの例を示し、これは、本クリーニングシートを形成する際の布地層として使用することができる。スクリム支持不織布集合体11の断面図は、湿式エンタングルされた不織繊維ウエブ13内に埋め込まれたフィラメント12を示す。
【0037】
大きな自由度及び十分な強度の繊維を有する不織布集合体層が、本クリーニングシートを形成するために使用される布地層として、クリーニングシート内にほこり及び大きな粒子を効率よく集め、保持するために有利である。通常、繊維のもつれ合いによって形成された不織布は、繊維の融合又は接着によってのみ形成される不織布よりも構成繊維の高度な自由度を有する。繊維のからみ合いによって形成された不織布は、ほこりと不織布の織物の繊維との間のもつれ合いを通して、さらによいほこり収集性能を示すことができる。繊維のからみ合いの度合いは、ほこりの保持について大きな効果を有する。すなわち、からみ合いの度合いがあまりにも強い場合には、繊維が移動する自由度が小さくなり、一般にほこりの保持が減少する。それに対して、繊維のからみ合いが非常に弱い場合には、不織布の強度が非常に低くなり、不織布の処理性は、強度の欠如によって問題となる。また、不織布から繊維が離れることは、非常に低い程度のもつれ合いを有する不織布集合体から生じやすい傾向がある。
【0038】
本クリーニングシートを製造する際に使用する好適な不織布集合体は、比較的に低い圧力で(埋められた支持フィラメントまたは網目状シートを有するか、有しない)繊維ウエブを湿式にからみ合わせることによって形成することができる。例えば、梳毛ポリエステル不織ウエブの繊維は、25〜50kg/cm3の圧力で、高速で射出された水によって不織ウエブの繊維を加工することにより、網目状シートと十分にからまることができる。水は、ウエブが非常に円滑で無穴性の支持ドラム又はベルト上を通過するときウエブ上に配置されたオリフィスから噴射される。このオリフィスは、典型的には、0.05mm乃至0.2mmの範囲の直径を有し、2メートル以下の間隔で水供給パイプの下に列をなすように好適に配列される。
【0039】
支持フィラメント及び/又は網目状シートは、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等のような種々の材料から形成されることができる。米国特許第5,525,397号には、例示的なウエブ(すなわち、スクリム)が開示されており、その内容は、参照によりこの明細書に組み込まれる。網目シートを形成するために使用される好適な材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテンのようなポリオレフィン;エチレン、プロピレン及びブテンのようなモノマーから形成されたオレフィンコポリマー;エチレン−ビニルアセテートコポリマーのようなオレフィンビニルエステルコポリマー;アクリロニトリルポリマー及びコポリマー;ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル;ナイロン6及びナイロン66のようなポリアミド;アクリロニトリル;ポリビニルクロライドのようなビニルポリマー;ポリビニリデンクロライドのようなビニリデンポリマー;変性されたポリマー;及びそれの混合物から選択される。
【0040】
本クリーニングシートを形成するために使用される不織層は、一般に、支持網目に直ぐに隣接した部分にマイクロファイバーのいくつかの集まりは別として、比較的円滑な表面を有する(例えば、図5に示す断面図参照)。しかしながら、これは、比較的「波形の」表面を有する、すなわち、表面の空所の寸法より小さい寸法の複数の山及び谷を有する不織シートが使用されるとき、要求されるものではない。このような材料の例は、米国特許第5,310,590号、国際特許出願98/52458号、及び日本の特許公開公報、特開平5−25763(1993年2月2日公開)に説明されており、その開示内容は参照によりこの明細書に組み込まれている。このような波形表面のシートを形成する1つの方法は、熱収縮性支持スクリムで不織布繊維の1つまたは複数の層を湿式でからみ合わせることである。支持スクリムと不織布ウエブを湿式にからみ合わせた後、得られる構造体は、スクリムが同時に収縮したとき、構造体が乾燥されるように熱処理を受けさせることができる。このようなシートを製造する方法の1つの例は、日本の特許公開公報、特開平5−25763号に説明されている。
【0041】
布地層1の外側クリーニング表面は、微細な表面(例えば、木、ガラス、プラスチック等)又は堅い表面を清浄にするために一般に円滑で柔軟な(例えば、可撓性のある)平坦なシートである。このクリーニングシートは、バッキング層を含み、このバッキング層は、さらに剛性であり、支持と構造をクリーニングシートに提供するために布地層よりも大きな基礎重量を有してもよい。他の実施形態によれば、スペーサ又は他の中間層がバッキング層と外側布地層との間に配置されることもできる。
【0042】
その層が所望の程度可撓性を有し、全体としてシートに十分な支持を与えることができる限り、本発明のクリーニングシートにおけるバッキング層として種々の材料が使用することに適している。バッキング層として使用するために好適な材料は、使用中破断又は伸長しないようにシートに十分な強度を与えることができる軽量(例えば、約10乃至75g/m2の基礎重量を有する)で可撓性のある広範な材料を含む。バッキング層は、比較的薄く、例えば、約0.05mm乃至約0.5mmの厚さを有し、比較的無穴性である。好適な材料の例は、合成及び/又は天然ポリマーから形成されたスパンボンド及びサーマルボンド不織布シートを含む。本発明のクリーニングシートを製造するために使用できる他のバッキング材料は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン又はそれらの混合物から形成された比較的無孔性で可撓性の層を含む。また、バッキング層は、特別な用途に必要な性能基準に合致する限り湿式でからみ合った不織繊維からつくることができる。好適なバッキング層の1つの特別な例が、約20乃至50g/m2の基礎重量を有するスパンボンドポリプロピレンシートである。
クリーニングシートの物理パラメータ
クリーニングシートは、典型的には、相対量の可撓性を保存するために比較的低い総合破壊強度を有する。この明細書で使用する「破壊強度」という用語は、引張負荷がクリーニングシートに加えられるとき、クリーニングシートが破れ始める負荷の値(すなわち、引張強度の測定中の第1のピーク値)を意味する。しかしながら、シートの破壊強度は、使用中にクリーニングシートの「シェッディング」又は破れを防止するのに、十分に大きくなければならない。クリーニングシートの破壊強度は、典型的には少なくとも約500g/30cmであり、1,500g/30cm乃至3,000g/30cmの破壊強度を有するクリーニングシートは、本明細書に記載するクリーニング器具とともに使用する場合に特に適している。
【0043】
典型的には、クリーニングシートは、不織繊維層を含み、この繊維層は、表面活性剤処理粒子保持層(すなわち、シートのクリーニング表面の材料)として比較的に低い基礎重量を有する。特に好適な実施形態によれば、不織布層は、約30乃至250g/m2、好ましくは、50乃至150g/m2の範囲の基礎重量を有する。低い基礎重量は、クリーニングシートに対する「ストリームライン」又はコンパクトな外観及び感じを提供するのに助けとなる。
【0044】
クリーニング用品、取付構造等と共に使用される場合には、クリーニングシートは、通常は、クリーニングシートの「数珠繋ぎ(bunching)」又は「ひだになること(puckering)」を防止するために比較的低い全体的な伸長を有する。この明細書で使用する「伸長」という用語は、500g/30mmの引張負荷が加えられるときのクリーニングシートの伸長%を意味するものである。例えば、クリーニングシートが固定されるモップ又は同様のクリーニング器具とともに使用されることが望ましいときは、本クリーニングシートは、典型的には、約25%以下、好ましくは、約15%以下の伸長性を有する。
【0045】
一般的に不織布繊維集合体の基礎重量は、50乃至250g/m2の範囲内であり、典型的には150g/m2以下である。不織布繊維集合体層の基礎重量が約30g/m2未満である場合、ほこりは、クリーニング動作中、不織布繊維集合体を非常に容易に通過し、そのほこり収集性能は、制限される。不織布繊維集合体の基礎重量が大きすぎ、例えば、250g/m2より実質的に大きい場合、集合体及び網目状シートの繊維を互いに絡ませ、所望の程度のからみ合いを達成することはさらに困難になる。さらに、不織布集合体の加工性が悪化し、クリーニングシートからの繊維の剥がれが、さらに頻繁に起こる。一般に不織布繊維集合体に使用される繊維集合体の繊維のデニール、長さ、断面形状及び強度は、性能に関する要因に加えて、加工性及びコストに対する観点で決定される。
【0046】
本発明によるクリーニングシートにおける場合のように、繊維の方向に直角な向きに関して測定された応力ひずみ曲線の初期勾配によって表される繊維集合体のエンタングル係数(すなわち「CD初期係数」)が、800m以下の値に設定されるべきである場合、繊維集合体のみで構成されるシートの場合、上述した破壊強度及び伸長の値を達成することは困難である。エンタングル係数を800m以下の値に設定するために、網目状シート及び繊維集合体が互いに絡み合わされ組み合わされて、クリーニングシートの繊維層として使用するために一体とすることができる。繊維集合体が網目状シートとからみ合わされ一体の本体とすることによって、この層の伸長は、低く保持され、その加工性は、向上されることができる。本発明によるクリーニングシートの繊維集合体とほぼ同じエンタングル状態で繊維集合体のみから構成される従来のエンタングルシートと比較して、本発明によるクリーニングシートからの繊維の剥がれは、しばしば大きく防止することができる。
【0047】
エンタングル係数が非常に小さい場合、例えば約10乃至20m以下であるとき、繊維はあまり十分にはからみ合っていない。さらに、繊維と網目状シートとの間のからみ合いは、同様に小さくなる。その結果、繊維の剥がれが、頻繁に起こる。エンタングル係数が大きすぎる場合、例えば、約700乃至800mより大きい場合、十分強力なからみ合いのため十分な程度の繊維の自由度を達成することができない。これは、繊維のほこり、毛髪及び/又は他のくずとの容易なからみ合いを阻止し、シートのクリーニング性能が満足すべきものではない。好ましくは、クリーニングシートは、500以下、さらに好ましくは約50乃至300mのエンタングル係数を備えた不織繊維集合体から形成される。
【0048】
繊維のからみ合いの度合いは、エンタングル処理の間、繊維ウエブに加えられるエンタングルエネルギーに依存する。例えば、水ニードリング処理において、繊維ウエブに加えられるエンタングルエネルギーは、とりわけ、繊維のタイプ、繊維ウエブの基礎重量、水ジェットノズルの数及び位置、水圧及びライン速度によって制御されることができる。
【0049】
網目状シートが、図4に示すような、熱可塑性材料のフィラメントから形成されたネットである場合、網目、繊維径、繊維間の距離(したがって、穴の寸法)及び穴の形状は、不織布繊維集合体の局所的なからみ合いの観点から決定される。特に、穴(ギャップ)の直径は、典型的に5mm乃至30mmの範囲である。言い換えれば、繊維の隣り合う並行な列間の距離は、一般に5mm乃至30mmさらに好ましくは、10mm乃至20mmの範囲内にある。
【0050】
繊維集合体を形成するために使用される繊維は、ポリエステル(例えば、ポリエチレン、テレフタレート及び/又はポリアクテート)、ポリアミド(例えば、ナイロン)及びポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)のような多数の熱可塑性繊維;メルトブロウン処理によって製造されるようなそれらの複合繊維、それらの分割繊維、非常に細い繊維;アセテート繊維のような半合成繊維;レーヨンのような再生繊維;及び木綿及び木綿及び他の繊維の混合物のような天然繊維から好適につくられる。繊維は、典型的には、約5以下、さらに好ましくは、0.5ないし3デニールを有する。
ほこり接着剤
本クリーニングシートに必要な性能機能によれば、それが乾式のちりふき布として使用するときに、クリーニングシートのほこり収集性能を向上するために、布地層にある形態のほこり付着剤を組み合わせることが有利である。ある形態のクリーニングシートのほこり収集性能を向上させる薬品は、「ほこり付着剤」と称される。例えば、布地層は、潤滑剤及び/又は表面活性剤を含む不織繊維集合体層である。表面活性剤は、繊維集合体の表面の物理的特性を改良し、ほこりを吸収するクリーニングシートの性能を向上することができる。潤滑剤を含むことは、シートで清浄にされる表面につやを与えると同時に、クリーニングシートのほこり収集効率を向上させることができる。
【0051】
一般に、布地層全体は、ほこり付着剤で処理される。ほこり付着剤及び表面活性剤による処理は、どのような順序で付着されてもよいが、一般に、ほこり付着剤が布地層全体及び表面活性剤に塗布され、普通0.1乃至20重量%の量(処理される布地層の重量に基づくアドオン重量%)のほこり付着剤が付加される。さらに詳細には、ほこり付着剤の約10重量%(アドオンベース)が布地層に加えられる。本クリーニングシートの特に好適な実施形態は、ほこり付着剤の約3乃至10%重量%(アドオンベース)で処理された布地層を含む。当業者によって理解されるように、ほこり付着剤の量は、処理される特定の布地材料、使用される特定のほこり付着剤及びクリーニングシートが利用される用途の種類に依る。
【0052】
本クリーニングシートにほこり付着剤として使用される好適な潤滑剤は、鉱物油、合成油、シリコンオイルを含む。使用される鉱物油の例は、パラフィン炭化水素、ナフテン炭化水素、芳香族炭化水素を含む。好適な合成油は、アルキルベンゼン油、ポリオレフィン油、ポリグリコール油等を含む。好適なシリコン油は、アクリルジメチルポリシロキサン、環式ジメチルポリシロキサン、メチルヒドロゲンポリシロキサン及び種々の変性されたシリコンオイルを含む。
【0053】
鉱物油、合成油、及びシリコン油は、一般に、(25℃で)5乃至1000cps、特に5乃至200cpsの粘度を有する。この粘度が約5cpsより低い場合、ほこり吸収特性を減少する。粘度が約1000cpsより大きい場合には、潤滑剤は、時々、繊維上で均一に拡がらないことがある。さらに、清浄にすべき表面に対する摩擦係数が増大し、清浄にすべき表面を損傷する可能性がある。一般に鉱物油、合成油及びシリコン油は、一般に(25℃で)15乃至45dyn/cm、好ましくは、20乃至35dyn/cmの表面張力を有する。表面張力が15dyn/cmより小さい場合は、処理された織物のほこり吸収特性は、より悪くなり、45dyn/cmより大きい場合は、不織布を構成する繊維上に均一には拡がらないことがある。
【0054】
上述したように、ほこり付着剤は、表面活性剤を含む。この表面活性剤は、湿式クリーニング性能を向上するためにシートに存在する表面活性剤に付加されるか、それと異なるものであってもよい。典型的には、ほこり付着剤の表面活性剤の成分は、陰イオン及び/又は非イオン系の表面活性剤を含む。一般的に、表面活性剤成分は、ほこり付着剤の5〜10重量%以下に調整される。したがって、5重量%のほこり付着剤(処理される布地層の乾燥重量に基づくアドオン重量%)を含む典型的なクリーニングシートは、ほこり接着シートの構成成分として存在する約0.5重量%以下の表面活性剤を含む。好適な陽イオン性表面活性剤の例は、モノ(長鎖アルキル/アルケニル)トリメチルアンモニウム塩、ジ(長鎖アルキル/アルケニル)ジメチル−アンモニウム塩、及びモノ(長鎖アルキル/アルケニル)ジメチルベンジルアンモニウム塩を含み、各々は、10乃至22の炭素原子を含むアルキル又はアルケニルグループを有する。ほこり付着剤として含まれる好適な非イオン性表面活性剤の例は、ポリエチレングリコールエーテル、例えば、ポリオキシエチレン(6乃至35モル)第1又は第2長鎖(C8−C22)アルキル又はアルケニルエーテル類、ポリオキシエチレン(6乃至35モル)、(C8−C18)アルキルフェニールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー及び多価アルコール種、例えば、グリセロール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びアルキルグリコサイドを含む。表面活性剤は、クリーニングの効率を高めるために5重量%以下の水を含むことが好ましい。
【0055】
ほこり付着剤は、典型的には潤滑剤と共に少量の表面活性剤を含む。典型的には、ほこり付着剤は、少なくとも約70重量%及び好ましくは、少なくとも約80重量%の鉱物油、合成油及び/又はシリコン油からつくられた潤滑剤を含む。好適なほこり付着剤の一例は、5〜10重量%の非イオン性の表面活性剤、例えば、平均3−5オキシエチレンサブユニットを有するポリオキシエチレン(C12−C14)アルキルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテルと共に90〜95重量%の石油のような鉱物油、又は、関連するパラフィン炭化水素からつくられる。
【0056】
本クリーニングシートは、典型的には、少なくとも約15g/m2のほこりをつかみ、それを保持することができる。換言すれば、クリーニングシートは、少なくとも約15g/m2の粒子保持性能を有する。好ましくは、クリーニングシートは、少なくとも約20g/m2の粒子保持性能、さらに好ましくは、少なくとも約25g/m2の粒子保持性能を有する。
【0057】
クリーニングシートは、表面をきれいにするために、単独で(例えば、ぼろとして)又は他の器具と組合せて使用されることができる。本クリーニングシートを含むことができる好適なクリーニング器具の例は、モップ、手袋、ダスター、ローラ又はふきんを含む。例えば、クリーニングシートは、モップのヘッドのような取付構造体に取り付けられることができる。典型的にはヘッドは、シートを取り付けるファスナを提供するキャリッジを含む。(セグメントハンドルのような)細長い剛性部材が取付構造体によってキャリッジに取り付けられる。取付構造体は、ソケット(例えば、ボールジョイント)に回転可能に取り付けられるy形状の端部を備えたヨークを含む。アダプタがハンドルのアームにねじによって取り付けられることができる。他の実施形態によれば、クリーニング用品は、クリーニングシートを固定するほうき、ぶらし、ポリッシャ、ハンドル等のようなものである。
【0058】
クリーニングシートは、ほこりモップのようなクリーニング用品のヘッドにも取り付けられる。クリーニングパッドは、典型的には、表面活性剤がシートの濡れたクリーニング性能を向上するためにマイクロファイバーに付着された領域の不連続パターンを有する不織マイクロファイバーの層を含む。ごみは、外側のクリーニング表面の穴に押されるか及び/又は引かれ、パッドが清浄にすべき表面に沿って動かされるとき、不織集合体層の繊維間に補促されることができる。この明細書に説明したように、クリーニングシートは、異なる輪郭(例えば、円滑、不規則、裂け目等)を有する表面をきれいにすることができるようにいくぶん可撓性を有する。他の実施形態によれば、クリーニングシートは、半剛性であり、例えば、平坦な表面を清浄にするのに使用されるようになっている。
【0059】
クリーニングシートは、この明細書を検証する当業者によって知られているように種々のファスナ(例えば、摩擦クリップ、ねじ、接着剤、保持フィンガ等)によってクリーニング器具に取り付けられることができる。他の実施形態によれば、クリーニングシートは、単一のユニットとして、又は複数のシート(例えば、モップのストリップ又は「毛」)として取り付けられることができる。
【0060】
他の実施形態によれば、クリーニング器具の部品、すなわち、取付構造体、アダプタ、ハンドルが個々に、又はキット又はパッケージと組み合わされて提供される。クリーニング器具の部品は、コンパクト性及び迅速な交換のために現場(例えば、作業現場、家庭、事務所等)で簡易で容易、しかも迅速に組立、分解することができる。また、クリーニング器具の部品は、予め組み立てられるか、及び/又は一体の状態で提供される。1つの特に好適な実施形態において、クリーニングシートは、ウイスコンシン州、ラシンのS.Cジョンソン&ソン(S.C.Johnson&Son)から市販されているプレッジ(Pledge(登録商標))Grab−It(登録商標)掃除機と共に使用する形状である。
【0061】
表面をきれいにするために、モップのヘッドにクリーニングシートを取り付けることができる。シートは、表面に接触され、この表面に沿って(例えば、水平方向、垂直方向、回転運動、直線運動等)移動される。表面からのごみは、一般に布地層の空所に捕捉される。細かな粒子材料が布地の繊維の間の穴内に補足される。使用後、シートは、廃棄又は再使用の前にクリーニング(洗浄、シェイキング、ごみの取り除き等)のためにモップから取り除かれる。他の実施形態によれば、クリーニングシートは、表面を清浄にするために単独で(例えば手で持って)使用されることができる。
試験方法
(1)破壊強度(機械横断方向)
各シートから、30mmの幅を有する試料が、シートの繊維方向に直角な方向に、すなわち、機械横断方向に、切断された。試料は、引張試験機械でチャックからチャックまで100mmの距離でチャックで支持され、繊維の向きに直角な方向に300mm/minの速度で伸長される。シートが破壊し始める負荷の値(応力/ひずみ測定値によって得られる連続曲線の第1のピーク値)は、破壊強度としてとられる。
(2)500g/30mmの負荷による伸長
上述した機械横断方向の破壊強度の測定で500gの負荷での試料の伸長が測定された。この用途の目的のために、「伸長」は、500gの引張負荷がストリップに加えられたとき、クリーニングシート材料の30mm片の長さの相対的増加(%)として定義される。
【0062】
(3)エンタングル効率
網目状シートは、不織繊維集合体から取り除かれる。網目状シートが格子状の網目構造体である場合、これは、典型的には、それらの接合点で網目状シートをつくる繊維を切断し、ツイーザで不織繊維集合体から網目状シートの部分を注意深く取り除くことによって達成される。15mmの幅を有する試料がシートの繊維方向と直角な方向(すなわち、機械横断方向)に切断される。試料は、引張試験の機械で50mmのチャックからチャックへの距離で取り付けられ、繊維方向に直角な方向(すなわち、機械横断方向)に30mm/minの速度で伸長される。試料の伸長に対して引張負荷値F(g)が測定される。試料の幅(メートル)及び不織繊維集合体の基礎重量W(g/m2)で引張負荷値Fを割算することによって得られる値は、応力S(メートル)として得られる。応力ひずみ曲線が伸長(「ひずみ」%)に対する応力(S)をプロットすることによって得られる。
【0063】
応力S[m]=(F/0.015)/W
繊維のからみ合いのみを通してのみ一緒に保持される不織繊維集合体において、応力ひずみ(伸長)曲線の初期段階で直線的な関係が得られる。直線の勾配は、エンタングル係数E(m)として計算される。例えば、図6に示した図示した応力ひずみ曲線(垂直軸が応力を表し、水平軸がひずみを表し、Oは、始点を表す)において、直線関係の限界は、Pで表され、Pでの応力は、Spによって表され、Pでのひずみは、γpによって表される。この場合において、エンタングル効率は、E=Sp/γpとして計算される。例えば、Sp=60m及びγp=86%のとき、Eは、E=60/0.86=70mとして計算される。線OPは、常に厳密には直線ではないことに留意すべきである。この場合において、線OPは、直線で近似される。
【0064】
本発明の製品及び方法は、次の例によって示され、この例は、本発明を図示し、本発明をどのようにつくり使用するか当業者に知らせる補助となる。これらの実施例はいかなる場合も、本発明の範囲を限定又は減縮するものではない。
【0065】
(実施例1)
スクリムで支持したポリエステル繊維不織布は、2つの梳毛されたポリエステル繊維ウエブの間に挟まれたポリプロピレンスクリムを湿式からみ合わせを行うことによって形成することができる。ポリプロピレンスクリムは、隣接する繊維の間の9mmのスペースを有し、5g/m2の基礎重量を有する0.2mmの直径の繊維の格子である。2つの梳毛されたポリエステルウエブは、長さが51mmの1.5デニールのポリエチレンテレフタレート(「PET」)から形成される。梳毛されたポリエステルウエブの各々は、24g/m2の基礎重量を有する。ポリプロピレンスクリム及び2つの梳毛されたポリエステルウエブの組み合わせは、低いエネルギー状態で水ニードリング(湿式からみ合わせ)が施され、1500乃至2500g/30mmの破壊強度(CD)及び(500g/30mmで)4%の伸長を有する一体の不織布シートを製造する。湿式絡み合わせは、一体の不織布シートから支持スクリムを除去した後、残りの湿式絡み合わせポリエステルウエブが、65〜70mのエンタングル係数を有するように行われる。
【0066】
95%の液体パラフィンと5%の非イオン性表面活性剤(ポリオキシエチレン(平均モル数:3.3)(C12−C13)アルキルエーテル)とからなるほこり付着剤(粘度、125cps、表面張力:30dyn/cm)が、そのほこり収集性能を向上させるために補強不織布集合体に適用される。ほこり付着剤は、集合体の繊維に付着され(繊維集合体の乾燥重量に基づいて)5重量%のほこり付着剤になる量で不織布集合体の1つの表面に均一に付着される。
【0067】
エタノールのような揮発性溶媒とニュージャージー州、マウントオリーブのBASF社から商品名プルロニック(Pluronic(登録商標)P105)として市販されているポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーの混合物が図1に示すような不連続の点のパターンで織物の一方の表面に付着される。布地に適用される混合物の量は、(不織布織物の乾燥重量に基づいて)3重量%コポリマーが揮発性溶剤が除去された後にシートに残るように、布地にある量の混合物が加えられる。「点領域」は、(図2に示すような)布地層の内側繊維並びに集合体の表面の繊維に付着されたコポリマーを含む。この溶剤は、織物の表面上に空気流を通過することによって除去される。
【0068】
(実施例2)
クリーニングシートの他の実施例を、エタノールなどの揮発性溶剤及び、ヒドロキシアルキルアミド表面活性剤、例えば、(イリノイ州ノースフィールドのステパン(Stepan)社から商品名ニノール(Ninol)96−SL(登録商標)の名称で販売されている)ラウラミド(lauramide)DEAとの混合物を(ミネソタ州、セントポール(St.Paul)の3M社から市販されている)スコッチブライト(Scotchbrite)(登録商標)のシートのようなマイクロファイバー織布に付着することによって製造することができる。(不織布の乾燥重量に基づいて)5重量%のニノール(Ninol)96−SL(登録商標)がシートに存在するのに十分なニノール(Ninol)96−SLの50重量%の溶液量が、図3に示すような波形ラインの規則的なパターンで織物の1つの面に貼り付けされる。揮発性溶剤(エタノール)は、織物の重量が、加えられるエタノールの量に対応した量だけ減少されるまで空気流をシート上に通過させることによって取り除かれる。所望ならば、処理された布地層は、エタノールの除去の速度を上げるために加熱されてもよい。
【0069】
(実施例3)
10g/m2の基礎重量を有するポリエステル繊維は、長さが51mm及び直径が1.5デニールのポリエステル繊維から従来のカーディング機械によって用意される。繊維ウエブは、3層(30g/m2)に重ねられ、重なった繊維ウエブの層は、二軸的に収縮可能なポリプロピレンネット(メッシュ:5,繊維直径:0.215mm)の上側及び下側にそれぞれ重ねられる。その結果の組み合わされたウエブには、繊維ウエブとネットを絡み合わせるために水ニードリング処理が施される。水ニードリング処理に使用される水圧は、繊維ウエブとポリプロピレンネットの組み合わせ対が5m/分の直線速度でノズルを移動する間、1.6mmのノズルピッチで約35〜40kg/cm2である。湿式絡み合わせした組合せ物は、ウエブを乾燥すると同時にポリプロピレンネットを収縮するために約1〜2分の間高温の空気(130℃)で熱処理が行われる。これにより、主な表面にくぼみ及び突出部が形成される10%の面積収縮率を有する補強不織布集合体を製造する。所望ならば、95%の液体パラフィン及び5%の非イオン性表面活性剤(ポリオキシレン(平均モル数;3.3)(C12−C13)のアルキルエーテル)から成るほこり付着剤(粘度:125cps、表面張力:30dny/cm)の5重量%(繊維集合体の乾重量に基づいて)を、そのほこり収集性能を向上するために補強不織布集合体に適用することができる。次にPEG−20ステアレート(stearate)(イリノイ州、ノースフィールドのステパン(Stepan)社から市販されているmp41℃:HLB15.7)の60℃の溶融物が、表面の6%をカバーする点の不連続の規則的パターンでウエブの一方の表面に付着される。表面活性剤は、不織布ウエブの全重量の5重量%をつくるような量が付着される。
【0070】
(産業上の利用性)
本発明のクリーニングシートは、市販されている技術、設備及び材料を使用して製造することができる。さらに、布は、プラスチック、木材、カーペット、織物、ガラス等のような種々の表面に使用されることができる。
【0071】
クリーニングシートを使用して表面をクリーニングするクリーニング器具及び方法が提供される。クリーニング器具は、完成した器具として、又はクリーニング用品のキット形態で製造される。完成した器具は、手袋、ダスタ、ローラを含む。クリーニング表面のために使用されるよう構成される、本発明によるキットは、一般的にクリーニングヘッドと、クリーニングヘッドに結合されることができるクリーニングシートとを含む。さらに、キットは、クリーニングヘッドに取り付けることができるヨークと、ヨークに取り付ける細長いハンドルとを含む。完全に組み立てられたクリーニング器具として又はキットとして提供されるか否かによって、クリーニング器具は、クリーニングシートをクリーニングヘッドに取り外し可能に取り付けることができるクリーニングヘッドを含む。
【0072】
種々の実施形態の製造及び使用をこの明細書に詳細に説明するが、本発明は、広範な特別の実施例において実施することができる発明概念を提供することを理解しなければならない。この明細書で説明した特別の実施例は、クリーニングシートの製造及び使用を単に例示したものであり、本発明の範囲を制限することを意味するものではない。図示した実施形態の種々の変形例及びその組み合わせ並びに本発明の他の実施例は、詳細な説明を参照するとき当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーニングシートを形成するために使用することができる、繊維上に付着された表面活性剤を有する不織布繊維層の一部の平面図である。
【図2】図1に示す不織布繊維層の一部の断面図である。
【図3】クリーニングシートを形成するため用いることができる、繊維上に付着された表面活性剤を有する織布繊維層の一部の平面図である。
【図4】本クリーニングシートの1つの例をつくるために使用される不織布繊維集合体層を補強するために使用することができる格子状網目シートの平面図である。
【図5】クリーニングシートを製造するために使用することができる格子支持不織布繊維集合体層の断面図である。
【図6】クリーニングシートを形成するために使用することができる典型的な不織布繊維集合体層の応力ひずみ曲線を示すグラフである。
(発明の背景)
テーブルのようなきれいにすべき表面からほこりを取り除くためのちりふき布が一般に知られている。このようなちりふき布は、織布または不織布からつくられ、ほこりを保持するために濡れた油のような物質がスプレーされるか、その物質でコーティングされる。このような布は、使用後に表面に油のような薄膜を残す傾向があり、通常、表面活性剤はあまり含んでいない。
【0002】
他の公知のちりふき布は、ほこりを保持するために、からまった繊維の間にスペースを有する湿式からみ合い処理された不織繊維を含む。エンタングル繊維は、このような布にさらに強度を付与する網目格子又はスクリム構造体によって支持されうる。この種の布は、使用中にほこりでいっぱいになり(すなわち、ほこりの付着)、及び/又は密集した粒子、大きな粒子又は他のほこりを取り除く時に完全に有効ではない。このような布は、主に乾燥したちりふき布として使用されるように構成されている。
【0003】
一般に、濡れたクリーニングパッドとして使用される布が知られている。このような布は、織布、または不織布を使用して形成される。このような布は、水及び石鹸が予め含浸されるか、又は、例えば、石鹸パッドのような乾燥したものとして販売される。これらの布は、水がパッドと接触するとき、放出される表面活性剤の相対的な含有量により一般に特徴づけられる。このような布の主な使用法は、皿を洗うときのような濡れたクリーニングで使用される。洗浄液で予め含浸された他のふきんが、カーウオッシングのような用途に使用されることが報告されている。石鹸パッド及びこれらの濡れたふきんは、乾式クリーニングで使用されるようには設計されていない。
【0004】
したがって、乾式クリーニングでごみをつまみ、それを保持して、湿式クリーニングで使用するとき、表面活性剤を放出しその効率を向上することができるクリーニングシートを提供することが有利である。このようなクリーニングシートは、大きな粒子、及び毛や糸くずのような他のごみを保持することができると同時に、細かなごみの粒子をつまみ、それを保持するために非常に有効である。また、このようなクリーニングシートは、湿式クリーニングでの使用を向上するために好適な特性を有して、繊維上に付着された表面活性剤を放出することができるようにする。
【0005】
(発明の要約)
本発明は、家庭または作業環境におけるようなクリーニング表面で使用するためのクリーニングシートに関する。さらに詳細には、本発明は、ほこり、大きな粒子及び/又は他のごみを収集し、保持するために、また濡れている間、表面をクリーニングするために乾燥形態で使用される湿式クリーニング性能を有する乾式クリーニングシートに関する。このクリーニングシートは、毛や糸くずのような粒状物質及び他のごみをつまみ、保持することができる布地材料でカバーされた表面を含む。この布地材料は、任意選択的にその効率を向上するために、ほこり付着剤で処理され、及び/又はそれを中に任意選択的に組み込むことができる。湿式クリーニングで使用されるシートの性能を向上させるために比較的に低い水準の表面活性剤が織物の少なくともいくつかの繊維に付着される。表面活性剤を含むことによって、水で濡らした後、ごみ、汚れ及び/又は表面の付着物を除去する際の補助として使用するクリーニングシートの性能を向上することができる。
【0006】
クリーニングシートは、少なくとも一部の繊維上に付着された比較的低い水準の表面活性剤を有する布地層を含む。布地材料は、毛及びリントのような粒状の物質及び他のごみをつまみ、保持する乾式の形態であるよう選択される。また、このシートは、煩わしい汚れや付着物を除去することを容易にするために、水又は他のクリーニング溶液でシートを含浸することによって濡れたふきんとして使用されることができる。クリーニングシートは、一般に、少なくとも500g/30mmの破壊強度を有する。モップヘッドのような器具に取り付けられて使用されるようになっているクリーニングシートは、一般に、500g/30mmの負荷で、約25%以下の伸長を有する。
【0007】
表面活性剤は、室温でペースト状又は固体であり、比較的に低い水溶性、例えば、25℃で約20%以下の水溶性を有する。この後者の特性は、約10乃至18の親水性/親油性のバランス(HLB)を有する表面活性剤によって満たされる。このような特性を有する表面活性剤の例は、広い範囲の市販されている非イオン性及び陰イオン性の表面活性剤を含む。
【0008】
表面活性剤は、連続したやり方又はランダムに又は繰り返しパターンでシートの繊維に付着される。この表面活性剤は、乾式クリーニング方法でクリーニングシートの使用中に残留物がすり落とされない量で選択及び付着される。この表面活性剤は、ロール法、スプレー法又は他の方法によって布地層に付着される。この表面活性剤は、余り大きな堅さ及び/又は剛性をシートに与えないように布地層に付着される。表面活性剤のタイプ及び付着の態様に依存して、表面活性剤が繊維上及び/又はその周りに種々の深さに付着される。この表面活性剤の付着の結果は、シートが濡れているとき表面活性剤の一部を放出することができる可撓性クリーニング布になる。
【0009】
1つの実施形態において、クリーニングシートは、ゆるくからんだ繊維ウエブから形成された不織布繊維集合体層を含む。このような繊維ウエブは、典型的には、50乃至150g/m2の基礎重量と800m以下のCD初期係数(「エンタングル係数」)とを有する。表面活性剤は、ウエブをつくる繊維の約20%以下に付着され、さらに一般的には、繊維の10%以下に付着される。好ましくは、不織布集合体は、3以下のデニールを有するマイクロファイバーから形成される。粒子及び油をつまみ保持する繊維ウエブの能力を向上するために、適度に細かなマイクロファイバーと非常に細かいマイクロファイバーの混合物、例えば、1〜2デニールのマイクロファイバー及び0.5乃至0.9デニールを有するマイクロファイバーの混合物から不織布集合体を形成することが有利である。
【0010】
ミネソタ州セントポール(St. Paul)3M社から市販されているスコッチブライト(Scotchbright(登録商標))のシートのようなマイクロファイバーから形成された織布もまた、表面活性剤と共に処理され、本クリーニングシートの布地層として使用される。このような織布ウエブは、この明細書で説明した不織布ウエブと同じタイプのマイクロファイバーから形成される。この織布は、約3以下のデニールを有するマイクロファイバーから形成される。
【0011】
本クリーニングシートは、表面活性剤のパターンを、例えば溶融物として又は比較的に揮発性の溶剤との混合物として付着することによって製造することができる。溶剤を含む混合物が使用される場合、処理されたシートは、残留溶剤を揮発するために(熱源に露出するか、露出せずに)空気流に当てられる。
【0012】
この明細書で使用する「エンタングル係数」という用語は、繊維集合体の繊維の方向に直角な方向(機械横断方向)に対して測定された応力ひずみ曲線の初期勾配を言う。エンタングル係数は、また本明細書で「CD初期係数」とも称される。本発明のクリーニングシートを形成する際に使用する好適な不織布繊維集合体は、(補強フィラメント又は網目が不織繊維ウエブから除かれた後に測定して)20乃至800m、さらに典型的には、約300m以下のエンタングル係数を有する。
【0013】
この明細書で使用されるエンタングル係数(又は「CD初期係数」と称される)は、繊維集合体の繊維のからみ合いの度合いを表す値である。このエンタングル係数は、不織布繊維集合体の繊維の向きと直角の方向、すなわち、機械横断方向(「横断方向」又は「CD」)について測定された応力ひずみ曲線の初期勾配によって表される。小さい値のエンタングル係数は、繊維のからみ合いが小さいことを示す。この明細書で使用する「応力」という用語は、チャッキング幅(すなわち、引張強度の測定中の試験ストリップの幅)及び不織繊維集合体の基礎重量によって引張負荷値を割算することによって得られる値を意味する。この明細書で使用する「ひずみ」という用語は、クリーニングシート材料の伸長の値である。
【0014】
この明細書で使用される「破壊強度」という用語は、引張負荷がクリーニングシートに加えられるときに、クリーニングシートが破壊し始める時の負荷の値(ひっぱり強度の測定中の第1のピーク値)を言う。
【0015】
この明細書で使用されるような「伸長」という用語は、500gの引張負荷がストリップに加えられるとき、30mmのクリーニングシート材料のストリップの長さの相対的な増大(%)を言う。このストリップは、繊維の向きに直角な向き(すなわち、機械横断方向)で30mm/分の速度で伸長される。
【0016】
この明細書で使用される「不織ウエブ」という用語は、間に挟まれるが、編み物のような規則的な又は識別可能な態様でない個々の繊維又はスレッド構造を有するウエブを意味する。この明細書で使用される「不織布」という用語は、不織ウエブ並びに繊維化され、穴を有し、さもなければ、布状の特性を付与するように処理された個々のフィラメント及びストランド、ヤーン又はトウ並びにフォーム及びフィルムを含む。不織布又は不織ウエブは、例えばメルトブロウ加工、スパンボンド加工、及びボンドカード加工など多くの加工法により形成される。この出願を通して、本明細書で使用する「不織繊維集合体」は、「繊維ウエブ」及び「不織集合体」という用語は、「不織ウエブ」と互換性があるように使用される。
【0017】
不織布の基礎重量は、平方ヤード当たりの材料のオンス(「osy」)又は平方メートル当たりのグラム(「gsm」)で表され、使用できる繊維の直径はミクロンで表される。基礎重量は、osyの値に33.91を掛けることによってosyからgsmに簡単に変換することができる。
【0018】
この明細書で使用される「マイクロファイバー」という用語は、約75ミクロン以下、例えば、約0.5ミクロン乃至約50ミクロンの平均直径を有する小さい直径の繊維を意味するが、さらに詳細には約2ミクロン乃至約40ミクロンの平均直径を有していてもよい。繊維の直径の他の往々にして使用される表現は、デニールであり、このデニールは、繊維の9000メートル毎のグラム数として定義され、ミクロンで表される繊維直径を二乗し、グラム/ccの密度を掛け、0.00707が掛けられて計算される。小さいデニールが細い繊維を示し、大きなデニールが太く重い繊維を示す。例えば、15ミクロンとして表されたポリプロピレンの繊維の直径は、二乗し、その結果に0.89g/ccを掛け、さらに0.00707を掛けることによってデニールに変換される。したがって、15ミクロンのポリプロピレンの繊維は、約1.42(152×0.89×0.00707=1.415)のデニールを有する。米国以外では、測定の単位が一般に「tex」であり、これは、繊維の1キロメートル毎のグラムとして定義される。Texは、デニール/9として計算される。
【0019】
この明細書に使用される「平均断面寸法」という用語は、本発明のクリーニングシートの外側織物面の領域の平均寸法を言う。「平均断面寸法」(ACSD)は、空所の最も長い断面軸線の長さ(「Ll」)と最も長い断面の軸線と直角な断面軸線の長さ(「Ls」)の合計の1/2に等しい。
【0020】
ACSD=(Ll+Ls)/2
この明細書で使用する「断面積」という用語は、織物表面の外側平面の領域(すなわち、クリーニング面)の面積を称する。
【0021】
この明細書で使用する「表面」及び「清浄にすべき表面」という用語は、広い意味であり、制限することを意図するものではない。この用語の表面は、かなり堅いか剛性の表面(例えば、家具、テーブル、棚、フロア、天井、堅い家具、家庭用器具等)並びに、比較的柔らかく半剛性の表面(例えば、敷物、カーペット、柔らかい家具、リネン、布等)を含む。
【0022】
この明細書で使用する「ごみ」という用語は、広い意味であり、制限することを意図するものではないことに留意することが重要である。ごみ及び他の細かな粒状物質に加えて、用語のごみは、比較的大きな寸法の粒状物質、例えば、約1mmより大きい平均直径を有する大きな寸法の土、泥、糸くず、及び従来のごみ用ぼろきれでは収集できない、繊維及び毛髪の廃物片、並びにごみ、及び他の細かなほこり粒子を含む。
【0023】
この明細書で使用する「融点」という用語は、融解熱を含む位相の変化を生じるとき、材料が固体から液体に変換する温度を表現するために使用される。この明細書で使用する「流動点」という用語は、(ASTM法D97によって測定されるような)材料が流れを停止する温度を意味する。従って、流動点は、位相変化を含むが、材料の粘度特性の変化に基づいている特性である。
【0024】
本出願を通じて、テキストは、クリーニングシートの種々の実施形態を述べた。上述した種々の実施形態は、示した例を提供することを意味し、必ずしも代替形態の説明として考える必要はない。本明細書で説明した種々の実施形態の説明は、重複する範囲のものであることを理解すべきである。この明細書で説明した実施形態は、単なる例示であり、本発明の範囲を制限することを意味するものではない。
【0025】
(詳細説明)
本クリーニングシートは、表面から油、粒子、糸くず、毛及び他のごみを集め、保持するための乾式ほこり布として使用されるとき非常に有効である。さらに、これらのシートは、湿式クリーニングの用途で使用されることができる。例えば、シートは、表面からごみ、汚れ及び/又はくずを取り除く際に補助となるように水を含ませることができる。このクリーニングシートは、少なくとも一部の繊維に付着された比較的低水準の表面活性剤を有する布地層を含む。この布地材料は、油、粒状物質、及び/又は毛及び糸くずのような他の糸くずを取り、それを保持する乾式形態であることができるように選択される。また、シートは、わずらわしい汚れや付着物の除去を容易にするために必要なら、水又は、他のクリーニング溶液でシートを浸すことによって、湿式ふきんとして使用することができる。
【0026】
クリーニングシートは、典型的には堅い表面用クリーナとして分類される種の比較的低水準の表面活性剤を含む。表面活性剤は、シートの不織布地層を通して均一に分配されることができる。さらに一般的には、表面活性剤は、同じ水準の表面活性剤によって未処理である領域の間に散在される不織布層の離散した領域に配分される。この非連続の表面活性剤を含む領域は、種々の形状を含むことができる離散した領域であってもよい。例えば、表面活性剤を含む領域は、丸い(「点」)か、多角形形状であるか、又は不規則(「無定形」)な形状を有する。図1は、複数の丸い表面活性剤領域2を含む不織布繊維集合体1から形成されたクリーニングシートの一部を示す。別の例として、非連続表面活性剤を含む領域は、図3に示すような線形、例えば、曲線10であり得る。表面活性剤は、シートの外面の繊維に付着されるのみである。しかしながら、さらに一般的には、表面活性剤は、ウエブの内側繊維並びに外側表面近くの繊維に付着される態様で付着される。図2は、外面からウエブの内側に延びる表面活性剤を含む領域3を含む繊維ウエブを示す。このタイプの繊維ウエブは、表面活性剤がウエブに搬送されるように十分に低い粘度を有する溶融または溶剤を含む混合物として表面活性剤を適用することによって製造されることができる。表面活性剤を含む領域は、規則正しい、繰り返しのパターンで配置されるか、またはランダムに分配される。
【0027】
表面活性剤を含むすべての領域の断面積は、一般的に、布地層の外面の全表面積の少なくとも約2〜3%である。これらの領域の全断面積は、全表面積の約25%以下である。これは、乾式ちりふき布として使用するとき、シートの特性全体を実質的に変えることなく、堅固な付着物等の除去を容易にするために、十分な表面活性剤を含むことができる。特に、好適なクリーニングシートの例は、全表面積に対して、表面活性剤を含むすべての領域の断面積が、約5%乃至10%である場合のものを含むが、ある場合には、表面活性剤を含む領域は、クリーニングシートの全表面積のもっと大きな割合、例えば、全表面積の約40%までを占める。別の所で述べたように、他の実施形態において、低水準の表面活性剤は、布地層の全体層上に均一に分散されてもよい。
表面活性剤
表面活性剤は、コーティングすべき表面にプリントされるか、スプレーされる。クリーニングシートの構成に依存して表面活性剤は、連続層として、例えば、シートを形成するために使用される繊維ウエブ又は、可撓性バッキング層の一方の側に付着されるか、又は非連着される。例えば、表面活性剤は、シートの外側織物面の特定の領域に(溶液又は溶融物として)ロール加工されるか、スプレーされるようにしてもよい。他の実施形態として、クリーニングシートは、表面活性剤の不連続なパッチを可撓性バッキング層に広げるか、スプレーし、表面活性剤の少なくとも一部がウエブの繊維上に付着されるように、繊維ウエブがバッキング層に接触されるようにすることによって形成される。
【0028】
好適なタイプの表面活性剤の例は、陰イオン及び非イオンの表面活性剤を含む。この表面活性剤は、通常の室温(すなわち、25℃に近い温度)でペースト状か固体であるように選択される。さらに一般的には、表面活性剤は、少なくとも約35℃、及び好ましくは少なくとも約40℃の融点を有する。また、表面活性剤は、比較的に低い水溶性を有する。これにより、少なくとも2つの目的を達成することができる。クリーニングシートが濡れた状態で使用されるとき、シートに含まれる水に溶解される表面活性剤の量が低くく、清浄にされる表面への表面活性剤の用量が低くなる。これは、表面に残留する表面活性剤の付着を避ける。さらに、表面活性剤が、比較的非水溶性である場合には、通常一回の使用の間には、シートの表面活性剤全体が溶解しない。これは、廃棄する前に一回以上、好ましくは複数回シートを使用できるようにする。また、この表面活性剤は、親水性/親油性のバランス(「HLB」)によって特徴づけられる。これは、所定の表面活性剤の親水性及び親油性物質の相対量を特徴づけるために表面活性剤の技術分野で通常使用されるパラメータである。低いHLBを有する表面活性剤は、より親油性がある。より高いHLBを有する表面活性剤は、より親水性であり、さらに水溶性である傾向がある。本シートの濡れたクリーニング性能を向上するために、10乃至18、好ましくは13乃至16のHLBを有する表面活性剤を使用することが有利である。
【0029】
本シートの濡れたクリーニング機能を向上するために使用されることができる好適な非イオン系の表面活性剤の例は、エトキシ化アルカノル、エトキシ化アルケノル、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール モノエステル、アルキルフェノキシ−ポリエチレンオキシド、脂肪酸グリコールモノエステル、パラフィニックエトキシ化カルボキシレート、アルキルジメチルアミンオキシド、及び脂肪酸ヒドロキシアルキルアミドを含む。好適なポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーの例は、12乃至18のHLBを有するコポリマーを含む。好適なポリエチレングリコールモノエステルの例は、脂肪酸モノエステル、特に、脂肪酸が、12乃至18の炭素原子を含み、エトキシ化脂肪酸アルコールは、16乃至18の炭素原子を有するアルキルグループを有するモノエステルを含む。
【0030】
上述したように、また、表面活性剤は、陰イオン表面活性剤を含むことができる。本クリーニングシートの一部として使用される好適な陰イオン表面活性剤の例は、脂肪酸塩類、アルカネスルホネート塩類、アルキルベンゼンスルホネート塩類、アルカノールスルフェート塩類等を含む。好適な脂肪酸塩類の例は、脂肪酸のカルシウム及び/又はマグネシウム塩類を含む。このような塩類は、アルキル側鎖で少なくとも11乃至17の炭素原子を有する脂肪酸の塩類を含む。
【0031】
本クリーニングシートは、連続したすすぎのない濡れたシートで汚れた表面がふかれるか、ふき取られる、濡れたクリーニングの用途においてしばしば使用されるので、比較的低い泡立ち性能を有する表面活性剤を使用することが通常好ましい。例えば、50℃での試験で約100mm以下、好ましくは約75mm以下の(ロスマイルスフォームスハイト(Ross Miles forms height)と称される)ロスマイルスフォームでのフォーム高さを有する表面活性剤を使用することが好ましい。
【0032】
典型的には、クリーニングシートは、少なくとも約1mmの全体の厚さを有し、好適なクリーニングシートは、約1.5mm乃至3mm又はそれ以上の厚さを有する。本クリーニングシートの実施形態は、通常可撓性バッキング層を含まない。この場合において、布地層は、一般にいくぶん厚い。例えば、このようなシートは、わずかに厚い布地層から形成される(例えば、約3mm乃至5mm)。クリーニングシートの他の実施形態に存在する可撓性バッキング層は、シートに強度と寸法上の安定性を提供するように作用する。また、これらの機能は、好適に構成された布地層によって提供される。このようなシートは、層内に複数の支持フィラメント及び/又は支持網目状シートを含むような十分な厚さである。
【0033】
特に好適な実施形態によれば、クリーニングシートは、マイクロファイバーから形成された不織布層を含む。典型的には、不織布層は、マイクロファイバーのゆるい集合体である。繊維集合体の繊維のデニール、不織布繊維集合体に使用される繊維の長さ、断面形状、強度は、とりわけ、加工性、コストに対する観点で決定される。マイクロファイバーは、通常、約0.1乃至5デニールを有し、さらに典型的には、約0.5乃至2デニールを有する。クリーニングシートの外側層として使用される好適な不織布の1つの例は、1乃至2のデニールを有する比較的太いマイクロファイバーと、約0.9以下、一般には、少なくとも約0.2(好ましくは約0.5乃至0.9)デニールを有する細かな繊維との混合物から形成される。本クリーニングシートを製造する際に使用されるこのような不織集合体は、より太い繊維とより細かな繊維が約50:50乃至約20:80の重量比に存在する。
【0034】
図2は、本クリーニングシートの1つの実施形態の断面図を示す。複数の表面活性剤を含む領域3を有する不織布繊維1の湿式からみ合いエンタングル処理された網目からつくられたクリーニングシートの不織布集合体層が示されている。不織布層のからみ合い処理された繊維の間のスペースによってごみを補足する穴が形成される(すなわち、ごみは、不織布集合体層を形成する繊維の間に保持されることができる)。典型的には、表面活性剤は、繊維の間の穴が、対応する未処理の織物の穴とほぼ同様であるように領域4上の繊維に付着される。
【0035】
他の実施形態において、(スクリムとして示す)ウエブまたは格子は、不織布層の繊維に埋め込まれ、それらを支持する。このスクリムは、層についての一様な構造を形成するように不織布集合体層の繊維内に一体的に埋め込まれる。通常、このスクリムは、「網目」形状に配置された垂直部材に取り付けられた水平部材を有する網を有する。(穴として示す)スペースは、垂直部材と水平部材との間に形成され、スクリムに網目又は格子状の構造体を与える。種々の実施形態によれば、スクリムの垂直部材及び水平部材は、織り、スポット溶接、締め、結び等のような種々の方法で一緒に接続される。加工及び使用中に不織布層の支持体を提供するために使用されるこのような格子の一例が、図4に示される。
【0036】
この繊維をスクリムに取り付け、一体の構造として不織布繊維集合体層を形成するために、繊維は、スクリムの各側に重ねられるようにしてもよい。低圧の水ジェットが不織布繊維集合体の繊維がからまるようにスクリム(すなわち、ヒドロエンタングルメント(hydroentanglement))に当てられ、比較的にゆるい不織布繊維のもつれを形成する。繊維の湿式からみ合いは、水ジェットから水の除去の間(例えば、乾燥中)増大される。繊維は、まだ当業者に知られた他の方法(例、エアレイド(air laid)接着、織)により、網目シートに取付けられる。また、繊維は、典型的に、ウエブにからみ合わされ一体の本体を形成し、これは、クリーニング中にウエブから繊維が「離れる」ことを防止する際の補助となることができる。図5は、スクリム支持不織布層11の1つの例を示し、これは、本クリーニングシートを形成する際の布地層として使用することができる。スクリム支持不織布集合体11の断面図は、湿式エンタングルされた不織繊維ウエブ13内に埋め込まれたフィラメント12を示す。
【0037】
大きな自由度及び十分な強度の繊維を有する不織布集合体層が、本クリーニングシートを形成するために使用される布地層として、クリーニングシート内にほこり及び大きな粒子を効率よく集め、保持するために有利である。通常、繊維のもつれ合いによって形成された不織布は、繊維の融合又は接着によってのみ形成される不織布よりも構成繊維の高度な自由度を有する。繊維のからみ合いによって形成された不織布は、ほこりと不織布の織物の繊維との間のもつれ合いを通して、さらによいほこり収集性能を示すことができる。繊維のからみ合いの度合いは、ほこりの保持について大きな効果を有する。すなわち、からみ合いの度合いがあまりにも強い場合には、繊維が移動する自由度が小さくなり、一般にほこりの保持が減少する。それに対して、繊維のからみ合いが非常に弱い場合には、不織布の強度が非常に低くなり、不織布の処理性は、強度の欠如によって問題となる。また、不織布から繊維が離れることは、非常に低い程度のもつれ合いを有する不織布集合体から生じやすい傾向がある。
【0038】
本クリーニングシートを製造する際に使用する好適な不織布集合体は、比較的に低い圧力で(埋められた支持フィラメントまたは網目状シートを有するか、有しない)繊維ウエブを湿式にからみ合わせることによって形成することができる。例えば、梳毛ポリエステル不織ウエブの繊維は、25〜50kg/cm3の圧力で、高速で射出された水によって不織ウエブの繊維を加工することにより、網目状シートと十分にからまることができる。水は、ウエブが非常に円滑で無穴性の支持ドラム又はベルト上を通過するときウエブ上に配置されたオリフィスから噴射される。このオリフィスは、典型的には、0.05mm乃至0.2mmの範囲の直径を有し、2メートル以下の間隔で水供給パイプの下に列をなすように好適に配列される。
【0039】
支持フィラメント及び/又は網目状シートは、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等のような種々の材料から形成されることができる。米国特許第5,525,397号には、例示的なウエブ(すなわち、スクリム)が開示されており、その内容は、参照によりこの明細書に組み込まれる。網目シートを形成するために使用される好適な材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテンのようなポリオレフィン;エチレン、プロピレン及びブテンのようなモノマーから形成されたオレフィンコポリマー;エチレン−ビニルアセテートコポリマーのようなオレフィンビニルエステルコポリマー;アクリロニトリルポリマー及びコポリマー;ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル;ナイロン6及びナイロン66のようなポリアミド;アクリロニトリル;ポリビニルクロライドのようなビニルポリマー;ポリビニリデンクロライドのようなビニリデンポリマー;変性されたポリマー;及びそれの混合物から選択される。
【0040】
本クリーニングシートを形成するために使用される不織層は、一般に、支持網目に直ぐに隣接した部分にマイクロファイバーのいくつかの集まりは別として、比較的円滑な表面を有する(例えば、図5に示す断面図参照)。しかしながら、これは、比較的「波形の」表面を有する、すなわち、表面の空所の寸法より小さい寸法の複数の山及び谷を有する不織シートが使用されるとき、要求されるものではない。このような材料の例は、米国特許第5,310,590号、国際特許出願98/52458号、及び日本の特許公開公報、特開平5−25763(1993年2月2日公開)に説明されており、その開示内容は参照によりこの明細書に組み込まれている。このような波形表面のシートを形成する1つの方法は、熱収縮性支持スクリムで不織布繊維の1つまたは複数の層を湿式でからみ合わせることである。支持スクリムと不織布ウエブを湿式にからみ合わせた後、得られる構造体は、スクリムが同時に収縮したとき、構造体が乾燥されるように熱処理を受けさせることができる。このようなシートを製造する方法の1つの例は、日本の特許公開公報、特開平5−25763号に説明されている。
【0041】
布地層1の外側クリーニング表面は、微細な表面(例えば、木、ガラス、プラスチック等)又は堅い表面を清浄にするために一般に円滑で柔軟な(例えば、可撓性のある)平坦なシートである。このクリーニングシートは、バッキング層を含み、このバッキング層は、さらに剛性であり、支持と構造をクリーニングシートに提供するために布地層よりも大きな基礎重量を有してもよい。他の実施形態によれば、スペーサ又は他の中間層がバッキング層と外側布地層との間に配置されることもできる。
【0042】
その層が所望の程度可撓性を有し、全体としてシートに十分な支持を与えることができる限り、本発明のクリーニングシートにおけるバッキング層として種々の材料が使用することに適している。バッキング層として使用するために好適な材料は、使用中破断又は伸長しないようにシートに十分な強度を与えることができる軽量(例えば、約10乃至75g/m2の基礎重量を有する)で可撓性のある広範な材料を含む。バッキング層は、比較的薄く、例えば、約0.05mm乃至約0.5mmの厚さを有し、比較的無穴性である。好適な材料の例は、合成及び/又は天然ポリマーから形成されたスパンボンド及びサーマルボンド不織布シートを含む。本発明のクリーニングシートを製造するために使用できる他のバッキング材料は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン又はそれらの混合物から形成された比較的無孔性で可撓性の層を含む。また、バッキング層は、特別な用途に必要な性能基準に合致する限り湿式でからみ合った不織繊維からつくることができる。好適なバッキング層の1つの特別な例が、約20乃至50g/m2の基礎重量を有するスパンボンドポリプロピレンシートである。
クリーニングシートの物理パラメータ
クリーニングシートは、典型的には、相対量の可撓性を保存するために比較的低い総合破壊強度を有する。この明細書で使用する「破壊強度」という用語は、引張負荷がクリーニングシートに加えられるとき、クリーニングシートが破れ始める負荷の値(すなわち、引張強度の測定中の第1のピーク値)を意味する。しかしながら、シートの破壊強度は、使用中にクリーニングシートの「シェッディング」又は破れを防止するのに、十分に大きくなければならない。クリーニングシートの破壊強度は、典型的には少なくとも約500g/30cmであり、1,500g/30cm乃至3,000g/30cmの破壊強度を有するクリーニングシートは、本明細書に記載するクリーニング器具とともに使用する場合に特に適している。
【0043】
典型的には、クリーニングシートは、不織繊維層を含み、この繊維層は、表面活性剤処理粒子保持層(すなわち、シートのクリーニング表面の材料)として比較的に低い基礎重量を有する。特に好適な実施形態によれば、不織布層は、約30乃至250g/m2、好ましくは、50乃至150g/m2の範囲の基礎重量を有する。低い基礎重量は、クリーニングシートに対する「ストリームライン」又はコンパクトな外観及び感じを提供するのに助けとなる。
【0044】
クリーニング用品、取付構造等と共に使用される場合には、クリーニングシートは、通常は、クリーニングシートの「数珠繋ぎ(bunching)」又は「ひだになること(puckering)」を防止するために比較的低い全体的な伸長を有する。この明細書で使用する「伸長」という用語は、500g/30mmの引張負荷が加えられるときのクリーニングシートの伸長%を意味するものである。例えば、クリーニングシートが固定されるモップ又は同様のクリーニング器具とともに使用されることが望ましいときは、本クリーニングシートは、典型的には、約25%以下、好ましくは、約15%以下の伸長性を有する。
【0045】
一般的に不織布繊維集合体の基礎重量は、50乃至250g/m2の範囲内であり、典型的には150g/m2以下である。不織布繊維集合体層の基礎重量が約30g/m2未満である場合、ほこりは、クリーニング動作中、不織布繊維集合体を非常に容易に通過し、そのほこり収集性能は、制限される。不織布繊維集合体の基礎重量が大きすぎ、例えば、250g/m2より実質的に大きい場合、集合体及び網目状シートの繊維を互いに絡ませ、所望の程度のからみ合いを達成することはさらに困難になる。さらに、不織布集合体の加工性が悪化し、クリーニングシートからの繊維の剥がれが、さらに頻繁に起こる。一般に不織布繊維集合体に使用される繊維集合体の繊維のデニール、長さ、断面形状及び強度は、性能に関する要因に加えて、加工性及びコストに対する観点で決定される。
【0046】
本発明によるクリーニングシートにおける場合のように、繊維の方向に直角な向きに関して測定された応力ひずみ曲線の初期勾配によって表される繊維集合体のエンタングル係数(すなわち「CD初期係数」)が、800m以下の値に設定されるべきである場合、繊維集合体のみで構成されるシートの場合、上述した破壊強度及び伸長の値を達成することは困難である。エンタングル係数を800m以下の値に設定するために、網目状シート及び繊維集合体が互いに絡み合わされ組み合わされて、クリーニングシートの繊維層として使用するために一体とすることができる。繊維集合体が網目状シートとからみ合わされ一体の本体とすることによって、この層の伸長は、低く保持され、その加工性は、向上されることができる。本発明によるクリーニングシートの繊維集合体とほぼ同じエンタングル状態で繊維集合体のみから構成される従来のエンタングルシートと比較して、本発明によるクリーニングシートからの繊維の剥がれは、しばしば大きく防止することができる。
【0047】
エンタングル係数が非常に小さい場合、例えば約10乃至20m以下であるとき、繊維はあまり十分にはからみ合っていない。さらに、繊維と網目状シートとの間のからみ合いは、同様に小さくなる。その結果、繊維の剥がれが、頻繁に起こる。エンタングル係数が大きすぎる場合、例えば、約700乃至800mより大きい場合、十分強力なからみ合いのため十分な程度の繊維の自由度を達成することができない。これは、繊維のほこり、毛髪及び/又は他のくずとの容易なからみ合いを阻止し、シートのクリーニング性能が満足すべきものではない。好ましくは、クリーニングシートは、500以下、さらに好ましくは約50乃至300mのエンタングル係数を備えた不織繊維集合体から形成される。
【0048】
繊維のからみ合いの度合いは、エンタングル処理の間、繊維ウエブに加えられるエンタングルエネルギーに依存する。例えば、水ニードリング処理において、繊維ウエブに加えられるエンタングルエネルギーは、とりわけ、繊維のタイプ、繊維ウエブの基礎重量、水ジェットノズルの数及び位置、水圧及びライン速度によって制御されることができる。
【0049】
網目状シートが、図4に示すような、熱可塑性材料のフィラメントから形成されたネットである場合、網目、繊維径、繊維間の距離(したがって、穴の寸法)及び穴の形状は、不織布繊維集合体の局所的なからみ合いの観点から決定される。特に、穴(ギャップ)の直径は、典型的に5mm乃至30mmの範囲である。言い換えれば、繊維の隣り合う並行な列間の距離は、一般に5mm乃至30mmさらに好ましくは、10mm乃至20mmの範囲内にある。
【0050】
繊維集合体を形成するために使用される繊維は、ポリエステル(例えば、ポリエチレン、テレフタレート及び/又はポリアクテート)、ポリアミド(例えば、ナイロン)及びポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)のような多数の熱可塑性繊維;メルトブロウン処理によって製造されるようなそれらの複合繊維、それらの分割繊維、非常に細い繊維;アセテート繊維のような半合成繊維;レーヨンのような再生繊維;及び木綿及び木綿及び他の繊維の混合物のような天然繊維から好適につくられる。繊維は、典型的には、約5以下、さらに好ましくは、0.5ないし3デニールを有する。
ほこり接着剤
本クリーニングシートに必要な性能機能によれば、それが乾式のちりふき布として使用するときに、クリーニングシートのほこり収集性能を向上するために、布地層にある形態のほこり付着剤を組み合わせることが有利である。ある形態のクリーニングシートのほこり収集性能を向上させる薬品は、「ほこり付着剤」と称される。例えば、布地層は、潤滑剤及び/又は表面活性剤を含む不織繊維集合体層である。表面活性剤は、繊維集合体の表面の物理的特性を改良し、ほこりを吸収するクリーニングシートの性能を向上することができる。潤滑剤を含むことは、シートで清浄にされる表面につやを与えると同時に、クリーニングシートのほこり収集効率を向上させることができる。
【0051】
一般に、布地層全体は、ほこり付着剤で処理される。ほこり付着剤及び表面活性剤による処理は、どのような順序で付着されてもよいが、一般に、ほこり付着剤が布地層全体及び表面活性剤に塗布され、普通0.1乃至20重量%の量(処理される布地層の重量に基づくアドオン重量%)のほこり付着剤が付加される。さらに詳細には、ほこり付着剤の約10重量%(アドオンベース)が布地層に加えられる。本クリーニングシートの特に好適な実施形態は、ほこり付着剤の約3乃至10%重量%(アドオンベース)で処理された布地層を含む。当業者によって理解されるように、ほこり付着剤の量は、処理される特定の布地材料、使用される特定のほこり付着剤及びクリーニングシートが利用される用途の種類に依る。
【0052】
本クリーニングシートにほこり付着剤として使用される好適な潤滑剤は、鉱物油、合成油、シリコンオイルを含む。使用される鉱物油の例は、パラフィン炭化水素、ナフテン炭化水素、芳香族炭化水素を含む。好適な合成油は、アルキルベンゼン油、ポリオレフィン油、ポリグリコール油等を含む。好適なシリコン油は、アクリルジメチルポリシロキサン、環式ジメチルポリシロキサン、メチルヒドロゲンポリシロキサン及び種々の変性されたシリコンオイルを含む。
【0053】
鉱物油、合成油、及びシリコン油は、一般に、(25℃で)5乃至1000cps、特に5乃至200cpsの粘度を有する。この粘度が約5cpsより低い場合、ほこり吸収特性を減少する。粘度が約1000cpsより大きい場合には、潤滑剤は、時々、繊維上で均一に拡がらないことがある。さらに、清浄にすべき表面に対する摩擦係数が増大し、清浄にすべき表面を損傷する可能性がある。一般に鉱物油、合成油及びシリコン油は、一般に(25℃で)15乃至45dyn/cm、好ましくは、20乃至35dyn/cmの表面張力を有する。表面張力が15dyn/cmより小さい場合は、処理された織物のほこり吸収特性は、より悪くなり、45dyn/cmより大きい場合は、不織布を構成する繊維上に均一には拡がらないことがある。
【0054】
上述したように、ほこり付着剤は、表面活性剤を含む。この表面活性剤は、湿式クリーニング性能を向上するためにシートに存在する表面活性剤に付加されるか、それと異なるものであってもよい。典型的には、ほこり付着剤の表面活性剤の成分は、陰イオン及び/又は非イオン系の表面活性剤を含む。一般的に、表面活性剤成分は、ほこり付着剤の5〜10重量%以下に調整される。したがって、5重量%のほこり付着剤(処理される布地層の乾燥重量に基づくアドオン重量%)を含む典型的なクリーニングシートは、ほこり接着シートの構成成分として存在する約0.5重量%以下の表面活性剤を含む。好適な陽イオン性表面活性剤の例は、モノ(長鎖アルキル/アルケニル)トリメチルアンモニウム塩、ジ(長鎖アルキル/アルケニル)ジメチル−アンモニウム塩、及びモノ(長鎖アルキル/アルケニル)ジメチルベンジルアンモニウム塩を含み、各々は、10乃至22の炭素原子を含むアルキル又はアルケニルグループを有する。ほこり付着剤として含まれる好適な非イオン性表面活性剤の例は、ポリエチレングリコールエーテル、例えば、ポリオキシエチレン(6乃至35モル)第1又は第2長鎖(C8−C22)アルキル又はアルケニルエーテル類、ポリオキシエチレン(6乃至35モル)、(C8−C18)アルキルフェニールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー及び多価アルコール種、例えば、グリセロール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びアルキルグリコサイドを含む。表面活性剤は、クリーニングの効率を高めるために5重量%以下の水を含むことが好ましい。
【0055】
ほこり付着剤は、典型的には潤滑剤と共に少量の表面活性剤を含む。典型的には、ほこり付着剤は、少なくとも約70重量%及び好ましくは、少なくとも約80重量%の鉱物油、合成油及び/又はシリコン油からつくられた潤滑剤を含む。好適なほこり付着剤の一例は、5〜10重量%の非イオン性の表面活性剤、例えば、平均3−5オキシエチレンサブユニットを有するポリオキシエチレン(C12−C14)アルキルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテルと共に90〜95重量%の石油のような鉱物油、又は、関連するパラフィン炭化水素からつくられる。
【0056】
本クリーニングシートは、典型的には、少なくとも約15g/m2のほこりをつかみ、それを保持することができる。換言すれば、クリーニングシートは、少なくとも約15g/m2の粒子保持性能を有する。好ましくは、クリーニングシートは、少なくとも約20g/m2の粒子保持性能、さらに好ましくは、少なくとも約25g/m2の粒子保持性能を有する。
【0057】
クリーニングシートは、表面をきれいにするために、単独で(例えば、ぼろとして)又は他の器具と組合せて使用されることができる。本クリーニングシートを含むことができる好適なクリーニング器具の例は、モップ、手袋、ダスター、ローラ又はふきんを含む。例えば、クリーニングシートは、モップのヘッドのような取付構造体に取り付けられることができる。典型的にはヘッドは、シートを取り付けるファスナを提供するキャリッジを含む。(セグメントハンドルのような)細長い剛性部材が取付構造体によってキャリッジに取り付けられる。取付構造体は、ソケット(例えば、ボールジョイント)に回転可能に取り付けられるy形状の端部を備えたヨークを含む。アダプタがハンドルのアームにねじによって取り付けられることができる。他の実施形態によれば、クリーニング用品は、クリーニングシートを固定するほうき、ぶらし、ポリッシャ、ハンドル等のようなものである。
【0058】
クリーニングシートは、ほこりモップのようなクリーニング用品のヘッドにも取り付けられる。クリーニングパッドは、典型的には、表面活性剤がシートの濡れたクリーニング性能を向上するためにマイクロファイバーに付着された領域の不連続パターンを有する不織マイクロファイバーの層を含む。ごみは、外側のクリーニング表面の穴に押されるか及び/又は引かれ、パッドが清浄にすべき表面に沿って動かされるとき、不織集合体層の繊維間に補促されることができる。この明細書に説明したように、クリーニングシートは、異なる輪郭(例えば、円滑、不規則、裂け目等)を有する表面をきれいにすることができるようにいくぶん可撓性を有する。他の実施形態によれば、クリーニングシートは、半剛性であり、例えば、平坦な表面を清浄にするのに使用されるようになっている。
【0059】
クリーニングシートは、この明細書を検証する当業者によって知られているように種々のファスナ(例えば、摩擦クリップ、ねじ、接着剤、保持フィンガ等)によってクリーニング器具に取り付けられることができる。他の実施形態によれば、クリーニングシートは、単一のユニットとして、又は複数のシート(例えば、モップのストリップ又は「毛」)として取り付けられることができる。
【0060】
他の実施形態によれば、クリーニング器具の部品、すなわち、取付構造体、アダプタ、ハンドルが個々に、又はキット又はパッケージと組み合わされて提供される。クリーニング器具の部品は、コンパクト性及び迅速な交換のために現場(例えば、作業現場、家庭、事務所等)で簡易で容易、しかも迅速に組立、分解することができる。また、クリーニング器具の部品は、予め組み立てられるか、及び/又は一体の状態で提供される。1つの特に好適な実施形態において、クリーニングシートは、ウイスコンシン州、ラシンのS.Cジョンソン&ソン(S.C.Johnson&Son)から市販されているプレッジ(Pledge(登録商標))Grab−It(登録商標)掃除機と共に使用する形状である。
【0061】
表面をきれいにするために、モップのヘッドにクリーニングシートを取り付けることができる。シートは、表面に接触され、この表面に沿って(例えば、水平方向、垂直方向、回転運動、直線運動等)移動される。表面からのごみは、一般に布地層の空所に捕捉される。細かな粒子材料が布地の繊維の間の穴内に補足される。使用後、シートは、廃棄又は再使用の前にクリーニング(洗浄、シェイキング、ごみの取り除き等)のためにモップから取り除かれる。他の実施形態によれば、クリーニングシートは、表面を清浄にするために単独で(例えば手で持って)使用されることができる。
試験方法
(1)破壊強度(機械横断方向)
各シートから、30mmの幅を有する試料が、シートの繊維方向に直角な方向に、すなわち、機械横断方向に、切断された。試料は、引張試験機械でチャックからチャックまで100mmの距離でチャックで支持され、繊維の向きに直角な方向に300mm/minの速度で伸長される。シートが破壊し始める負荷の値(応力/ひずみ測定値によって得られる連続曲線の第1のピーク値)は、破壊強度としてとられる。
(2)500g/30mmの負荷による伸長
上述した機械横断方向の破壊強度の測定で500gの負荷での試料の伸長が測定された。この用途の目的のために、「伸長」は、500gの引張負荷がストリップに加えられたとき、クリーニングシート材料の30mm片の長さの相対的増加(%)として定義される。
【0062】
(3)エンタングル効率
網目状シートは、不織繊維集合体から取り除かれる。網目状シートが格子状の網目構造体である場合、これは、典型的には、それらの接合点で網目状シートをつくる繊維を切断し、ツイーザで不織繊維集合体から網目状シートの部分を注意深く取り除くことによって達成される。15mmの幅を有する試料がシートの繊維方向と直角な方向(すなわち、機械横断方向)に切断される。試料は、引張試験の機械で50mmのチャックからチャックへの距離で取り付けられ、繊維方向に直角な方向(すなわち、機械横断方向)に30mm/minの速度で伸長される。試料の伸長に対して引張負荷値F(g)が測定される。試料の幅(メートル)及び不織繊維集合体の基礎重量W(g/m2)で引張負荷値Fを割算することによって得られる値は、応力S(メートル)として得られる。応力ひずみ曲線が伸長(「ひずみ」%)に対する応力(S)をプロットすることによって得られる。
【0063】
応力S[m]=(F/0.015)/W
繊維のからみ合いのみを通してのみ一緒に保持される不織繊維集合体において、応力ひずみ(伸長)曲線の初期段階で直線的な関係が得られる。直線の勾配は、エンタングル係数E(m)として計算される。例えば、図6に示した図示した応力ひずみ曲線(垂直軸が応力を表し、水平軸がひずみを表し、Oは、始点を表す)において、直線関係の限界は、Pで表され、Pでの応力は、Spによって表され、Pでのひずみは、γpによって表される。この場合において、エンタングル効率は、E=Sp/γpとして計算される。例えば、Sp=60m及びγp=86%のとき、Eは、E=60/0.86=70mとして計算される。線OPは、常に厳密には直線ではないことに留意すべきである。この場合において、線OPは、直線で近似される。
【0064】
本発明の製品及び方法は、次の例によって示され、この例は、本発明を図示し、本発明をどのようにつくり使用するか当業者に知らせる補助となる。これらの実施例はいかなる場合も、本発明の範囲を限定又は減縮するものではない。
【0065】
(実施例1)
スクリムで支持したポリエステル繊維不織布は、2つの梳毛されたポリエステル繊維ウエブの間に挟まれたポリプロピレンスクリムを湿式からみ合わせを行うことによって形成することができる。ポリプロピレンスクリムは、隣接する繊維の間の9mmのスペースを有し、5g/m2の基礎重量を有する0.2mmの直径の繊維の格子である。2つの梳毛されたポリエステルウエブは、長さが51mmの1.5デニールのポリエチレンテレフタレート(「PET」)から形成される。梳毛されたポリエステルウエブの各々は、24g/m2の基礎重量を有する。ポリプロピレンスクリム及び2つの梳毛されたポリエステルウエブの組み合わせは、低いエネルギー状態で水ニードリング(湿式からみ合わせ)が施され、1500乃至2500g/30mmの破壊強度(CD)及び(500g/30mmで)4%の伸長を有する一体の不織布シートを製造する。湿式絡み合わせは、一体の不織布シートから支持スクリムを除去した後、残りの湿式絡み合わせポリエステルウエブが、65〜70mのエンタングル係数を有するように行われる。
【0066】
95%の液体パラフィンと5%の非イオン性表面活性剤(ポリオキシエチレン(平均モル数:3.3)(C12−C13)アルキルエーテル)とからなるほこり付着剤(粘度、125cps、表面張力:30dyn/cm)が、そのほこり収集性能を向上させるために補強不織布集合体に適用される。ほこり付着剤は、集合体の繊維に付着され(繊維集合体の乾燥重量に基づいて)5重量%のほこり付着剤になる量で不織布集合体の1つの表面に均一に付着される。
【0067】
エタノールのような揮発性溶媒とニュージャージー州、マウントオリーブのBASF社から商品名プルロニック(Pluronic(登録商標)P105)として市販されているポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーの混合物が図1に示すような不連続の点のパターンで織物の一方の表面に付着される。布地に適用される混合物の量は、(不織布織物の乾燥重量に基づいて)3重量%コポリマーが揮発性溶剤が除去された後にシートに残るように、布地にある量の混合物が加えられる。「点領域」は、(図2に示すような)布地層の内側繊維並びに集合体の表面の繊維に付着されたコポリマーを含む。この溶剤は、織物の表面上に空気流を通過することによって除去される。
【0068】
(実施例2)
クリーニングシートの他の実施例を、エタノールなどの揮発性溶剤及び、ヒドロキシアルキルアミド表面活性剤、例えば、(イリノイ州ノースフィールドのステパン(Stepan)社から商品名ニノール(Ninol)96−SL(登録商標)の名称で販売されている)ラウラミド(lauramide)DEAとの混合物を(ミネソタ州、セントポール(St.Paul)の3M社から市販されている)スコッチブライト(Scotchbrite)(登録商標)のシートのようなマイクロファイバー織布に付着することによって製造することができる。(不織布の乾燥重量に基づいて)5重量%のニノール(Ninol)96−SL(登録商標)がシートに存在するのに十分なニノール(Ninol)96−SLの50重量%の溶液量が、図3に示すような波形ラインの規則的なパターンで織物の1つの面に貼り付けされる。揮発性溶剤(エタノール)は、織物の重量が、加えられるエタノールの量に対応した量だけ減少されるまで空気流をシート上に通過させることによって取り除かれる。所望ならば、処理された布地層は、エタノールの除去の速度を上げるために加熱されてもよい。
【0069】
(実施例3)
10g/m2の基礎重量を有するポリエステル繊維は、長さが51mm及び直径が1.5デニールのポリエステル繊維から従来のカーディング機械によって用意される。繊維ウエブは、3層(30g/m2)に重ねられ、重なった繊維ウエブの層は、二軸的に収縮可能なポリプロピレンネット(メッシュ:5,繊維直径:0.215mm)の上側及び下側にそれぞれ重ねられる。その結果の組み合わされたウエブには、繊維ウエブとネットを絡み合わせるために水ニードリング処理が施される。水ニードリング処理に使用される水圧は、繊維ウエブとポリプロピレンネットの組み合わせ対が5m/分の直線速度でノズルを移動する間、1.6mmのノズルピッチで約35〜40kg/cm2である。湿式絡み合わせした組合せ物は、ウエブを乾燥すると同時にポリプロピレンネットを収縮するために約1〜2分の間高温の空気(130℃)で熱処理が行われる。これにより、主な表面にくぼみ及び突出部が形成される10%の面積収縮率を有する補強不織布集合体を製造する。所望ならば、95%の液体パラフィン及び5%の非イオン性表面活性剤(ポリオキシレン(平均モル数;3.3)(C12−C13)のアルキルエーテル)から成るほこり付着剤(粘度:125cps、表面張力:30dny/cm)の5重量%(繊維集合体の乾重量に基づいて)を、そのほこり収集性能を向上するために補強不織布集合体に適用することができる。次にPEG−20ステアレート(stearate)(イリノイ州、ノースフィールドのステパン(Stepan)社から市販されているmp41℃:HLB15.7)の60℃の溶融物が、表面の6%をカバーする点の不連続の規則的パターンでウエブの一方の表面に付着される。表面活性剤は、不織布ウエブの全重量の5重量%をつくるような量が付着される。
【0070】
(産業上の利用性)
本発明のクリーニングシートは、市販されている技術、設備及び材料を使用して製造することができる。さらに、布は、プラスチック、木材、カーペット、織物、ガラス等のような種々の表面に使用されることができる。
【0071】
クリーニングシートを使用して表面をクリーニングするクリーニング器具及び方法が提供される。クリーニング器具は、完成した器具として、又はクリーニング用品のキット形態で製造される。完成した器具は、手袋、ダスタ、ローラを含む。クリーニング表面のために使用されるよう構成される、本発明によるキットは、一般的にクリーニングヘッドと、クリーニングヘッドに結合されることができるクリーニングシートとを含む。さらに、キットは、クリーニングヘッドに取り付けることができるヨークと、ヨークに取り付ける細長いハンドルとを含む。完全に組み立てられたクリーニング器具として又はキットとして提供されるか否かによって、クリーニング器具は、クリーニングシートをクリーニングヘッドに取り外し可能に取り付けることができるクリーニングヘッドを含む。
【0072】
種々の実施形態の製造及び使用をこの明細書に詳細に説明するが、本発明は、広範な特別の実施例において実施することができる発明概念を提供することを理解しなければならない。この明細書で説明した特別の実施例は、クリーニングシートの製造及び使用を単に例示したものであり、本発明の範囲を制限することを意味するものではない。図示した実施形態の種々の変形例及びその組み合わせ並びに本発明の他の実施例は、詳細な説明を参照するとき当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーニングシートを形成するために使用することができる、繊維上に付着された表面活性剤を有する不織布繊維層の一部の平面図である。
【図2】図1に示す不織布繊維層の一部の断面図である。
【図3】クリーニングシートを形成するため用いることができる、繊維上に付着された表面活性剤を有する織布繊維層の一部の平面図である。
【図4】本クリーニングシートの1つの例をつくるために使用される不織布繊維集合体層を補強するために使用することができる格子状網目シートの平面図である。
【図5】クリーニングシートを製造するために使用することができる格子支持不織布繊維集合体層の断面図である。
【図6】クリーニングシートを形成するために使用することができる典型的な不織布繊維集合体層の応力ひずみ曲線を示すグラフである。
Claims (28)
- 1乃至10重量%の表面活性剤及び複数のマイクロファイバーから成る布地層を含み、前記布地層は、30乃至250g/m2の基礎重量を有し、前記表面活性剤は、25℃で固体又はペースト状であり、25℃で20重量%以下の水溶性を有する湿式クリーニング性能を有する乾式クリーニングシート。
- 前記マイクロファイバーは、0.1乃至2のデニールを有する請求項1に記載のクリーニングシート。
- 前記布地層は、織布層である請求項1に記載のクリーニングシート。
- 前記布地層は、不織布層である請求項1に記載のクリーニングシート。
- 前記不織布層は、20乃至800mのエンタングル係数を有する請求項4に記載のクリーニングシート。
- 前記不織布層は、網目状シートを含む請求項4に記載のクリーニングシート。
- 前記表面活性剤の0.1重量%の水溶液は、100mm以下のロスマイルスフォーム高さを有する請求項1に記載のクリーニングシート。
- 前記表面活性剤は、非イオン性表面活性剤、陰イオン性表面活性剤又はその混合物である請求項1に記載のクリーニングシート。
- 非イオン性表面活性剤は、エトキシ化アルカノール、エトキシ化アルケノール、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコールモノエステル、アルキルフェノキシ−ポリエチレンオキシド、脂肪酸グリコールモノエステル、パラフィンエトキシレートカルボキシレート、アルキルジメチルアミンオキシド、脂肪酸ヒドロキシアルキルアミド、又はそれらの混合物を含む請求項8に記載のクリーニングシート。
- 前記非イオン性表面活性剤は、10乃至18のHLBを有する請求項8に記載のクリーニングシート。
- 前記非イオン性表面活性剤は、16乃至18炭素原子を有するアルキルグループを有するエトキシ化脂肪アルコールを含む請求項8に記載のクリーニングシート。
- 前記非イオン性表面活性剤は、12乃至18のHLBを有するポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーを含む請求項8に記載のクリーニングシート。
- 前記非イオン性表面活性剤は、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルを含み該脂肪酸は12乃至18の炭素原子を含む請求項8に記載のクリーニングシート。
- 前記陰イオン性表面活性剤は、脂肪酸塩、アルカネスルホネート塩、アルキルベンゼンスルホネート塩、アルカノールサルフェート塩又はその混合物を含む請求項8に記載のクリーニングシート。
- 前記脂肪酸塩は、脂肪酸のカルシウム塩、脂肪酸のマグネシウム塩またはそれらの混合物を含む請求項14に記載のクリーニングシート。
- 前記布地層は、複数の凹所を有する少なくとも1つのほこり保持面を含む請求項1に記載のクリーニングシート。
- 前記表面活性剤は、20%以下の前記マイクロファイバーに付着される請求項1に記載のクリーニングシート。
- 前記表面活性剤は、前記布地層の不連続領域のマイクロファイバーに付着されている請求項1に記載のクリーニングシート。
- 取付構造体に結合された請求項1に記載のクリーニングシート。
- 500乃至3000g/mmの破壊強度を有する請求項1に記載のクリーニングシート。
- 500g/30mmの負荷で25%以下の伸長を有する請求項1に記載のクリーニングシート。
- 前記布地層は、少なくとも20g/m2の粒子保持性能を有する請求項1に記載のクリーニングシート。
- 前記表面活性剤は、少なくとも35℃の融点を有する請求項1に記載のクリーニングシート。
- 1乃至10重量%の表面活性剤及び複数のマイクロファイバーを含む布地層を含み、前記マイクロファイバーは3以下のデニールを有し、前記表面活性剤は、25℃で固体又はペースト状であり、10乃至18のHLBを有する湿式クリーニング性能を有する乾式クリーニングシート。
- 2乃至7重量%の表面活性剤及び2以下のデニールを有する複数のマイクロファイバーを有する不織布地層を含み、前記不織布地層は、50乃至150g/m2の基礎重量を有し、前記表面活性剤は、少なくとも35℃の融点及び25℃で20重量%以下の水溶性を有し、前記表面活性剤は、少なくとも50重量%のエトキシ化アルカノールを含む乾式クリーニング性能を有する乾式クリーニングシート。
- クリーニングヘッドと、1乃至10重量%の表面活性剤及び複数のマイクロファイバーを含む、布地層を含むヘッドに結合するための乾式クリーニングシートとを有し、前記布地層は、30乃至250g/m2の基礎重量を有し、前記表面活性剤は、25℃で固体またはペーストであり低い水溶性を有する、表面をクリーニングするクリーニング用品キット。
- 布地層が、1乃至10重量%の表面活性剤及び複数のマイクロファイバーを含む、ヘッドに結合するための乾式クリーニングシートを有し、前記布地層は、30乃至250g/m2の基礎重量を有し、前記表面活性剤は、25℃で固体またはペーストであり低い水溶性を有する、表面をクリーニングするクリーニング器具。
- 1乃至10重量%の表面活性剤及び複数のマイクロファイバーを含む布地層を含有する乾式クリーニングシートを表面に接触させ、前記布地層は、30乃至250g/m2の基礎重量を有し、前記表面活性剤は、25℃で固体またはペーストであり低い水溶性を有する、表面をクリーニングする方法。
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