JP3910738B2 - 開孔不織布およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、独特な開孔パターンを有する不織布であって、吸収性物品の表面シート、ガーゼなどのメディカル資材、テーブルクロス等にも有用であり、特に精密ワイパー、清掃用ワイパー、ウェットワイパー、ウェットティッシュ、ふきんなどの拭き取り材に好適な開孔不織布およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、開孔不織布として様々なものが提案され実用に供されている。特に、不織布の用途に応じた機能性や意匠性を得るため、開孔と非開孔が列状に存在した独特な開孔パターンを有する不織布が提案されている。例えば特開昭61−6355号公報には、一定の反復間隔の開孔模様を有する不織布が提案されている。特開平1−321961号公報には、不織布の長尺方向および幅方向に開孔列を形成させた格子模様開孔不織布が提案されており、特開平4−82948号公報には、少なくとも2条の開孔が互いに接して並ぶ開孔列を形成している不織布が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの開孔不織布には以下の問題点がある。これらの不織布をウェットティッシュやワイパーなどの拭き取り材として使用した場合、小さい汚物は非開孔部分で捕捉し、比較的大きい汚物は選択的に開孔部分で捕捉されるが、不織布の厚みが薄いと汚物が開孔を通過して手などを汚すこととなる。
【0004】
したがって、不織布の用途に応じた機能性と意匠性を兼ね備えた独特な開孔パターンを有する不織布が得られていないのが実情である。本発明はかかる実情を鑑みてなされたものであり、吸収性物品の表面シート、ガーゼなどのメディカル資材、ウェットティッシュ、ふきん、ワイパー他の拭き取り材等の様々な用途に対して機能性を有し、かつ意匠性に優れた独特の開孔パターンを有する不織布を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の開孔不織布は、高圧流体流の作用により繊維ウェブが交絡するとともに繊維ウェブが再配列されて表面から裏面にかけて貫通した開孔を形成した不織布において、開孔列と非開孔列とが交互に存在しており、かつ列数をn(n=1〜4の整数)としたとき、開孔列にはn列およびn+1列以上の連続開孔が混在して形成されていることを特徴とする。かかる構成を採ることにより、様々な用途に対して機能性を有し、かつ意匠性に優れた独特の開孔パターンを有する不織布が得られる。
【0006】
そして、本発明の開孔不織布の開孔列において、1列の連続開孔と2列以上の連続開孔とが混在していることが望ましい。また前記開孔列において、1列の連続開孔と2列の連続開孔とが混在していることが望ましい。さらに、前記開孔列において、2列の連続開孔が千鳥状に配列していることが望ましい。
【0007】
本発明の開孔不織布における非開孔列の幅は、3〜15mmであることが望ましい。
【0008】
本発明の開孔不織布における繊維ウェブは、親水性繊維を30重量%以上含有することが望ましい。かかる繊維を用いることにより、ウェットワイパー、ウェットティッシュ、あるいは使い捨ておしぼりなどの湿潤性拭き取り材に好適である。
【0009】
本発明の開孔不織布における繊維ウェブは、非相溶性の2成分の樹脂からなり、繊維断面において少なくとも1成分が2個以上に分割されてなる分割型複合繊維を50重量%以上含有することが望ましい。かかる繊維を用いることにより、OA機器用ワイパー、精密ワイパーなどの高性能拭き取り材に好適である。
【0010】
本発明の開孔不織布は、繊維ウェブを開孔形成用支持体上に載置し、高圧流体流を筋状に噴射して繊維同士を交絡させると同時に繊維を再配列させて、開孔列と非開孔列とが交互に存在し、列数をn(n=1〜4の整数)としたときの開孔列にn列およびn+1列以上の連続開孔を形成させることにより製造することができる。
以下、本発明の内容を具体的に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の開孔不織布の好ましい実施の形態の一例を図1に示す。1は本発明の開孔不織布、2は開孔列、3は非開孔列、4は開孔である。本発明の開孔不織布は、高圧流体流の作用により繊維ウェブが交絡するとともに繊維ウェブが再配列されて表面から裏面にかけて貫通した開孔を形成した不織布において、開孔が長手方向に少なくとも3個連なった部分(以下、連続開孔という)からなる列(以下、開孔列という)と開孔が実質的に存在しない列(以下、非開孔列という)が並列しながら交互に存在しており、開孔列はn列およびn+1列以上の連続開孔が混在して形成されている。例えば、列数n=1の場合であれば、図1に示した形態を示す。
【0012】
本発明の開孔不織布に用いられる繊維ウェブとしては、特に限定されず、例えば、綿、絹等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、アクリル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維等から使用する用途に応じて任意に一あるいは二以上選択して使用することができる。また、繊維形状等も特に限定されず、単一繊維、鞘芯型複合繊維、分割型複合繊維あるいは異形断面を有する繊維等を任意に使用することができる。
【0013】
例えば、最終的に得られる不織布を細かな埃、ごみなどを拭き取ることを目的とするフローリング用ワイパーや精密ワイパーなどの乾式拭き取り材として使用する場合には、繊度が3.5dtex以下の合成繊維やナイロン/ポリエステル、ポリエステル/ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン、ポリエステル/ポリエチレン等の組み合わせからなる非相溶性の2成分からなり、繊維断面において少なくとも1成分が2個以上に分割されてなる分割型複合繊維を50重量%以上、より好ましくは70重量%以上含有させるとよい。分割型複合繊維の他に混綿する繊維としては、例えば繊度が2.2dtex以下のポリエステル繊維やレーヨン繊維を混綿してもよい。
【0014】
また、ウェットワイパー、ウェットティッシュ、あるいは使い捨ておしぼりなどの湿潤性拭き取り材として使用する場合には、綿、絹等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、アクリル系繊維などの親水性繊維を30重量%以上、より好ましくは50重量%以上含有させるとよい。さらに、親水性繊維を使用すると、鮮明な開孔が形成され易い点でも都合がよい。
【0015】
前記繊維からなる繊維ウェブの形態は特に限定されず、ステープル繊維からなるパラレルウェブやクロスウェブ、セミランダムウェブ、連続フィラメントからなる長繊維ウェブ、短繊維を湿式抄紙したウェブ、あるいはメルトブロー不織布等を任意に使用することができるが、中でもステープル繊維からなる繊維ウェブを用いると、繊維同士の交絡が強固に形成できるので好ましい。また繊維ウェブは単層に限らず、素材の異なる繊維層を2層以上に積層した積層体であってもよい。例えば、2層の繊維ウェブの間にティッシュなどのパルプ層を挿入すると、繊維同士の交絡性もよく、鮮明な開孔が形成できるので都合がよい。
【0016】
そして、得られた繊維ウェブは、開孔形成用支持体上に載置され、高圧流体流を筋状に噴射され、繊維同士を交絡されると同時に繊維を再配列される。本発明で用いる「流体」は、繊維同士を交絡させ、かつ繊維を再配列させ得るものであれば限定されないが、工程管理上、特に水を用いることが望ましい。高圧流体流の噴射は、ウェブの繊維が再配列されて不織布に開孔が形成されるような条件で行う。具体的には、開孔形成用の支持体に繊維ウェブを置き、繊維ウェブに高圧流体流を噴射して行う。開孔形成用の支持体の形態は特に限定されず、モノフィラメントや金属線を織成して形成したパターンネットや、突起物を設けたロール等、汎用されているものを任意に使用することができる。このとき、開孔形成用の支持体における開孔形成部分同士の間隔は、1〜5mmであることが好ましい。
【0017】
高圧流体流の噴射は、開孔形成用の支持体上でのみ行ってもよいし、予め低圧の流体流で予備的に交絡させた後、開孔形成用の支持体上で流体流を噴射してもよい。予備的に交絡させると、得られる不織布の強力は高くなる。開孔形成用の支持体上に噴射する流体流の圧力は、処理するウェブの目付や予備交絡の有無に応じて設定する必要がある。例えば、20〜100g/m2のウェブを処理する場合、孔径0.05〜0.5mmのオリフィスが機械方向と直交する方向(幅方向)に等間隔で1または2以上配列されたノズルを機械方向(長手方向)に1本以上用い、流体流の圧力は15〜100kg/cm2で処理することが好ましい。ノズルの孔径が0.05mm未満であると、鮮明な開孔が得にくく、0.5mmを超えると、開孔列の地合が悪くなる。また、流体流の圧力が15kg/cm2未満であると、流体流のエネルギーが不十分で開孔を形成させることが難しい。100kg/cm2を超えると、繊維が飛散して地合が悪くなり、また支持体の素材、形状等によっては支持体の損傷を招くおそれがある。また、予備的な交絡を行う場合は、透水性の支持体にウェブを載置し、20〜60kg/cm2の流体流を噴射させるとよい。
【0018】
また高圧流体流における流体の噴射間隔は、3〜15mmが好ましい。かかる流体の噴射間隔に調整することにより、非開孔列の幅を3〜15mmに調整することができる。噴射間隔が3mm未満であると、実質的に全面に開孔が形成されたようになり、15mmを超えると、開孔列が極端に少なくなるからである。
【0019】
不織布の開孔の形状、パターン、および開孔一つあたりの面積は、開孔形成用支持体の形態により決定される。本発明における開孔の形状は特に限定されず、円状、楕円状、長方形状、菱形状等いずれであってもよく、不織布の表面から裏面にかけて繊維の存在しない部分が一部でもあれば開孔とみなされる。一方、開孔パターンも特に限定はされず、格子状、千鳥状などいずれであってもよい。また、開孔一つあたりの面積は0.1〜5mm2 であることが望ましい。より好ましくは、0.2〜2mm2 である。開孔面積が0.1mm2 未満では、開孔の効果が十分に得られず、開孔面積が5mm2 を超えると、開孔列と非開孔列の空間の差が大きすぎ、例えば、拭き取り材で用いた場合、開孔から汚物が裏抜けしたり、対象物に対する接触面積が小さくなり、拭き残しが多くなるからである。
【0020】
例えば、1列の連続開孔と2列の連続開孔とが混在した開孔不織布を得ようとする場合、オリフィスが幅方向に1つずつ等間隔で配列されたノズルを長手方向に2本以上設置し、水流を噴射すると、1列に開孔面積が0.5mm2 以上の大きな開孔やそれ未満の小さな開孔が連続開孔として形成された部分と、開孔の大小はあるものの2列にほぼ整列した状態で連続開孔を形成される。理由は定かではないが、最初に噴射した水流で開孔した開孔に2番目の水流が衝突した際に、部分的に緩衝し合って、一部ではさらに大きな開孔を形成したり、別の部分では開孔が塞がり小さな開孔に再配列されたりするものと推定される。また、2列の連続開孔を千鳥状に配列させる場合、開孔形成用支持体としてパターンネットのナックル部あるいは突起物が千鳥状に配列したものを用いると容易に得られる。
【0021】
得られた開孔不織布は、開孔列と非開孔列とが交互に存在し、開孔列と非開孔列とが交互に存在し、列数をn(n=1〜4の整数)としたとき、開孔列はn列およびn+1列以上の連続開孔が混在して形成されている。列数nは、不織布の用途に応じて適宜設定すればよく、例えば、吸収性物品の表面シート、ガーゼなどのメディカル資材の場合、n=3〜4とすると液透過性や通気性の点で有利であり、拭き取り材の場合、n=1〜3とすると汚物の捕集性の点で有利である。列数がn>4となると、従来の開孔が全面に形成された不織布と機能性および意匠性に大差がない。例えば、拭き取り材として用いた場合、小さい汚物を非開孔列で捕捉し、比較的大きい汚物は選択的に開孔列で捕捉される。このとき、開孔列中に混在されたn列およびn+1列以上の連続開孔によって、比較的大きな汚物の中でも選択的に捕捉される。しかも、開孔の大きさが大小異なっていると、選択的な捕捉性が向上するので、好ましい。特に、開孔列において、1列の連続開孔と2列の連続開孔とが混在した不織布が、あらゆる大きさの汚物を効率よく捕捉することできる点で好ましい。
【0022】
さらに上記開孔列において、2列の連続開孔が千鳥状に配列していることが好ましい。千鳥状に配列させることにより、ワイピング方向に対して、2列のうち前列の連続開孔で捕集されずに通過した汚物を後列の連続開孔で捕集できるため、初期の拭き取り性が高い。
【0023】
また本発明の開孔不織布における非開孔列の幅は、高圧流体流における流体の噴射間隔に依存し、3〜15mmであることが好ましい。より好ましくは、5〜10mmである。ここでいう非開孔列の幅とは、長手方向の連続開孔に直交する方向における開孔と開孔の間で最も距離の大きい部分を開孔列の最大幅とし、その開孔列の最大幅の中心線から隣り合う開孔列の幅の中心線までの長さのことをいう。非開孔列の幅が3mm未満であると、従来の規則的に開孔が形成された開孔不織布と変わらず、小さい汚物の捕集性に劣る。また15mmを超えると、開孔列による捕集効果が得られないからである。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の内容について実施例を挙げて説明する。なお、得られた不織布の厚み、引張強力、破断伸度、および捕集率は以下の通り測定した。
【0025】
[厚み]
厚み測定機(商品名:THICKNESS GAUGE モデル CR-60A 株式会社大栄科学精器製作所製)を用い、試料1cm2 あたり20gの荷重を加えた状態で測定した。
【0026】
[引張強力、破断伸度]
JIS L 1096に準じ、幅5cm、長さ15cmの試料片をつかみ間隔10cmで把持し、定速伸長型引張試験機を用いて引張速度30cm/分で伸長し、切断時の荷重値および伸長率をそれぞれ引張強力、破断伸度とした。
【0027】
[捕集率]
(1)ドライ状不織布
ガラス面上に耐熱性潤滑ペースト(ダウ・コーニング・アジア社製 商品名モリコート)を1gまんべんなく塗布し、あらかじめ重量を測定しておいた3cm×3cmの不織布上に100gの荷重をかけた状態で、1往復させた後の不織布重量を測定し、元の重量で除した値に100倍したものを捕集率とした。
(2)ウェット状不織布
ガラス面上にJISダスト7種0.5gを10cm×30cmの広さに均一に散布し、あらかじめ重量を測定しておいた水分率150%に調整した7cm×10cmの不織布を7cm×10cmのスポンジに貼り付け、500gの荷重をかけた状態で、1回拭き取った後の不織布重量を測定し、元の重量で除した値に100倍したものを捕集率とした。
【0028】
[実施例1]
第1成分をポリエチレンテレフタレートとし、第2成分を高密度ポリエチレンとした放射状に8分割された断面形状を有する分割型複合繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)を用いて40g/m2 のカードウェブを作製し、カードウェブを100メッシュの通常の支持体上に載置し、孔径0.12mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられているノズルを用いて、水圧50kg/cm2の柱状水流を噴射した後、孔径0.15mmのオリフィスが5mm間隔で設けられているノズルを用いて、開孔形成用支持体(日本フィルコン(株)製の平織物、25メッシュ)上で水圧100kg/cm2の柱状水流を2回噴射し、100℃で乾燥してドライ状開孔不織布を得た。得られた不織布は、1列の連続開孔と2列の連続開孔とが混在しており、2列の連続開孔は千鳥状に配列していた。
【0029】
[実施例2]
繊度1.65dtex、繊維長40mmのレーヨン繊維70重量%、繊度2.2dtex、繊維長51mmの鞘成分がエチレン−プロピレン共重合体、芯成分がポリプロピレンからなる偏心鞘芯型複合繊維(大和紡績(株)製:CPP)30重量%のカードウェブを用いた以外は、実施例1と同様の方法で開孔を形成し、130℃の熱風乾燥機で熱処理を施し、偏心鞘芯型複合繊維をスパイラル発現させて開孔不織布を得た。得られた不織布は、実施例1と同様に1列の連続開孔と2列の連続開孔とが混在しており、2列の連続開孔は千鳥状に配列していた。そして、得られた開孔不織布に水分率150%となるように水を浸し、ウェット状開孔不織布となした。
【0030】
[比較例1]
実施例1の分割型複合繊維を用い、40g/m2 のカードウェブを作製し、カードウェブを100メッシュの通常の支持体上に載置し、孔径0.12mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられているノズルを用いて、水圧50kg/cm2の柱状水流を噴射し、100℃で乾燥してドライ状不織布を得た。得られた不織布は開孔が形成されていないフラットな不織布であった。
【0031】
[比較例2]
実施例2のカードウェブを用いた以外は、比較例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布は開孔が形成されていないフラットな不織布であった。 そして、得られた不織布に水分率150%となるように水を浸し、ウェット状不織布となした。
【0032】
[比較例3]
実施例2のカードウェブの支持体として、実施例1の開孔形成用支持体(日本フィルコン(株)製の平織物、25メッシュ)を用いた以外は、比較例1と同様の方法で開孔不織布を得た。得られた不織布は、全面に千鳥状の開孔が形成されていた。そして、得られた開孔不織布に水分率150%となるように水を浸し、ウェット状開孔不織布となした。
実施例1〜2および比較例1〜3の物性を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例1〜2の開孔不織布は、適度な間隔で開孔が形成されているので、ドライ状態、ウェット状態いずれであっても小さなゴミから粘着物まで幅広く捕捉することができた。比較例1、比較例2においては、開孔が形成されていないので、繊維交絡部に汚物が入り込み難く、捕集性は不十分であった。比較例3は、汚物の裏抜けが激しく、治具のスポンジに汚物がかなり付着していた。
【0035】
【発明の効果】
本発明の開孔不織布は、開孔列と非開孔列とが交互に存在し、開孔列はn列およびn+1列以上の連続開孔が混在して形成されているので、様々な用途に対して機能性を有し、かつ意匠性に優れ、従来には存在しなかった独特の開孔パターンを有する不織布が得られる。特に、開孔列において、1列の連続開孔と2列の連続開孔とが混在した不織布は、拭き取り材に用いた場合、あらゆる大きさの汚物を効率よく捕捉することできる。
【0036】
そして、本発明の開孔不織布は、吸収性物品の表面シート、ガーゼなどのメディカル資材、テーブルクロス等にも有用であり、特に精密ワイパー、清掃用ワイパー、ウェットワイパー、ふきんなどの拭き取り材に好適であり、本発明の開孔不織布に親水性繊維を30重量%含有させることにより、ウェットワイパー、ウェットティッシュ、あるいは使い捨ておしぼりなどの湿潤性拭き取り材に好適である。また、本発明の開孔不織布に非相溶性の2成分の樹脂からなり、繊維断面において少なくとも1成分が2個以上に分割されてなる分割型複合繊維を50重量%以上含有させることにより、OA機器用ワイパー、精密ワイパーなどの高性能拭き取り材に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開孔不織布の表面の一例を示す。
【符号の説明】
1.開孔不織布
2.開孔列
3.非開孔列
4.開孔
Claims (9)
- 高圧流体流の作用により繊維ウェブが交絡するとともに繊維ウェブが再配列されて表面から裏面にかけて貫通した開孔形成用支持体の開孔形成部に対応する開孔を筋状に形成した不織布であり、開孔列と非開孔列とが長手方向にのみ交互に存在しており、かつ非開孔列の幅が3〜15mmであり、かつ列数をn(n=1〜4の整数)としたとき、開孔列にはn列およびn+1列以上の連続開孔が混在して形成されていることを特徴とする開孔不織布。
- 開孔列において、1列の連続開孔と2列以上の連続開孔とが混在していることを特徴とする請求項1記載の開孔不織布。
- 開孔列において、1列の連続開孔と2列の連続開孔とが混在していることを特徴とする請求項1または2に記載の開孔不織布。
- 開孔列において、2列の連続開孔が千鳥状に配列していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の開孔不織布。
- 繊維ウェブが親水性繊維を30重量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の開孔不織布。
- 繊維ウェブが、非相溶性の2成分の樹脂からなり、繊維断面において少なくとも1成分が2個以上に分割されてなる分割型複合繊維を50重量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の開孔不織布。
- 繊維ウェブを開孔形成用支持体上に載置し、孔径が0.05〜0.5mmのオリフィスからなるノズルを用い、流体の噴射間隔が3〜15mmである高圧流体流を筋状に噴射して繊維ウェブを交絡させるとともに繊維ウェブを再配列させて、流体が噴射された長手方向の筋状に開孔形成用支持体の開孔形成部に対応する開孔を形成させて、開孔列と非開孔列とが交互に存在させ、列数をn(n=1〜4の整数)としたときの開孔列にn列およびn+1列以上の連続開孔を形成させることを特徴とする開孔不織布の製造方法。
- 前記開孔形成用支持体は、開孔形成部分同士の間隔が1〜5mmであることを特徴とする請求項7記載の開孔不織布の製造方法。
- 前記ノズルを長手方向に2本以上設置することを特徴とする、請求項7または8に記載の開孔不織布の製造方法。
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