JP6462758B2 - スパンレース不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、スパンレース不織布に関する。
生理用ナプキンや使い捨ておむつのような吸収性物品、ウェットワイパーのような清掃用品、ティシュペーパーのような日用品、マスクのような医療用品などの各種の衛生用品で使用されるスパンレース不織布が知られている。このようなスパンレース不織布には、意匠性や機能性を向上させるために、凹凸部や開孔部で形成された模様が付される場合がある。例えば特許文献1には、凹凸部や開孔部で形成されたストライプ模様が付されたスパンレース不織布の製造方法が開示されている。
この製造方法は、繊維ウェブの構成繊維を交絡(第1交絡)させた後、その繊維ウェブの構成繊維の一部を、規則的な模様(凹凸又は開孔)を有する支持体上で水流交絡(第2交絡)させる。その構成繊維の一部が再配列して、規則的な模様を有する複数のストライプが発現する。すなわち、ストライプ模様を有するスパンレース不織布が形成される。
特開2013−64226号公報
スパンレース不織布の模様は、主に、凹凸部の模様及び/又は開孔部の模様で表現される。凹凸部の模様は、凹部と凸部との高さの差や、凹凸部と非凹凸部での厚さの差で表現される。しかし、スパンレース不織布の厚さは薄いため、凹部と凸部との高さの差や、凹凸部と非凹凸部での厚さの差は小さい。それゆえ、凹凸部の模様は視認性が高いとはいえない。一方、開孔部の模様は、開孔部の形状、すなわち開孔部と非開孔部との色差で表現される。そのため、凹凸部の模様よりも視認性が高いことが期待される。そこで、用途によっては、スパンレース不織布の模様を、開孔部の模様で表現することが望まれている。
しかし、特許文献1の製造方法で形成される開孔部の模様には以下の問題がある。開孔部による模様を形成する場合、構成繊維を繊細に移動させる必要があるが、第2交絡時の水流の圧力を低くすると、構成繊維があまり移動できず、開孔部となるべき部分に残ってしまう。一方、水流の圧力を高くすると、移動され易い繊維長の短い繊維が開孔部の周囲の領域から離れてしまい、相対的に繊維長の長い繊維が開孔部の周囲に多くなる。そうなると開孔部の周囲では、凹凸が増えて、凹凸の陰影が見え易くなり、繊細な模様の形成も難くなる。そのためいずれの場合にも、開孔が十分な開孔部だけでなく、開孔が不十分な開孔部や、開孔部の周囲で凹凸の陰影が見え易い部分が形成されてしまう。それゆえ開孔部と非開孔部との境界がくすんで見えて不明瞭になり、模様の視認性も低下するおそれがある。スパンレース不織布の模様の開孔部の境界や模様の視認性には改善の余地がある。
本発明の目的は、模様を有するスパンレース不織布において、複数の開孔部を含む模様における、開孔部と非開孔部との境界を明瞭にして、模様の視認性を確保することが可能なスパンレース不織布を提供することにある。
本発明のスパンレース不織布は以下のとおりである。(1)長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、模様を有するスパンレース不織布であって、前記模様が存在する模様存在領域と、前記模様存在領域以外の模様非存在領域と、を有し、前記模様は、平面視で、前記スパンレース不織布を前記厚さ方向に貫通する複数の開孔部を含んでおり、前記スパンレース不織布を前記厚さ方向の上方から撮影した画像において、前記画像のうちの前記模様存在領域を示す部分における所定面積の領域を複数の画素に分割し、各画素の色を、黒色から白色までの複数の階調を有するグレースケールで表現したとき、ただし、前記グレースケールは、黒色側の黒色階調領域と、白色側の白色階調領域と、前記黒色階調領域と前記白色階調領域との間の中間階調領域と、を有しており、前記模様存在領域を示す部分において、前記黒色階調領域及び前記白色階調領域は、それぞれ画素数の極大値のピークを有する階調を含み、前記黒色階調領域の画素数の極大値に対する、前記中間階調領域の中心の階調における画素数の比は2以下である、スパンレース不織布。ただし黒色階調領域は黒色又は黒色に近い灰色の領域であり、白色階調領域は白色又は白色に近い灰色の領域であり、中間階調領域は灰色の領域である。なお黒色に近い灰色及び白色に近い灰色も灰色ではあるが、中間階調領域の灰色よりもそれぞれ黒色及び白色に近いため、ここでは中間階調領域の灰色と区別するためにそれぞれ黒色に近い灰色及び白色に近い灰色と記す。
上述のように、開孔部の境界の不明瞭や模様の視認性の低下の原因として、スパンレース不織布の模様を含む所定面積の領域において、開孔が不十分な開孔部や、開孔部の周囲で凹凸の陰影が見え易い部分の存在が挙げられる。言い換えると、原因として、開孔による黒色に近い灰色の部分、及び、開孔のない白色に近い灰色の部分、の他に、開孔が不十分な開孔部又は開孔部の周囲で凹凸の陰影が見え易い部分などのような、くすんで見える部分、すなわち灰色の部分の存在が挙げられる。したがって、開孔による模様を含むスパンレース不織布は、開孔による模様を含まないスパンレース不織布と比較して、灰色の部分が多く生じ得る。そこで、開孔部の境界の明瞭化のために、灰色の部分を相対的に削減するべく、本スパンレース不織布では、模様存在領域において、黒色階調領域及び白色階調領域の階調に、それぞれ画素数の極大値(ピーク)を有し、黒色階調領域の画素数の極大値に対する、中間階調領域の中心階調の画素数の比が2以下としている。すなわち、本スパンレース不織布では、模様存在領域を、黒色に近い灰色と白色に近い灰色とに二極化し、かつ開孔部の形成時に開孔部と非開孔部との境界付近に形成される灰色の、黒色に近い灰色に対する割合を相対的に小さくしている。そのため、本スパンレース不織布では、使用者に対して、灰色よりも黒色に近い灰色を、白色に近い灰色と共により強く感じ易くさせることができる。それにより、開孔部と非開孔部との境界を明瞭にすることができ、全体として模様を明瞭に視認させ易くする、すなわち模様の視認性を確保できる。
本発明のスパンレース不織布は、(2)前記模様存在領域を示す部分において、前記黒色階調領域及び前記白色階調領域の画素数の極大値の和に対する、前記黒色階調領域及び前記白色階調領域のピーク同士を結ぶ直線における前記中間階調領域の中心階調での値と前記中心階調における画素数との差、の比は0.1以上である、上記(1)に記載のスパンレース不織布、であってもよい。
本スパンレース不織布では、模様存在領域において、黒色階調領域及び白色階調領域における画素数の極大値のピーク同士を結ぶ直線における中間階調領域の中心階調での値と中心階調における画素数との差の、黒色階調領域及び白色階調領域の極大値の画素数の和に対する比は0.1以上としている。すなわち、本スパンレース不織布では、模様存在領域において、開孔部の形成時に開孔部と非開孔部との境界付近に形成される灰色の、黒色に近い灰色及び白色に近い灰色の両方に対する割合を相対的に小さくしている。そのため、本スパンレース不織布では、使用者に対して、灰色よりも黒色に近い灰色及び白色に近い灰色の両方をより強く感じ易くさせることができる。それにより、開孔部と非開孔部との境界をより明瞭にすることができ、全体として模様をより明瞭に視認させ易くする、すなわち模様の視認性を確保することができる。
本発明のスパンレース不織布は、(3)前記スパンレース不織布は、パルプ繊維を含み、前記複数の開孔部の各々は、前記長手方向及び前記幅方向と平行な面内方向に前記開孔部の貫通孔を所定の幅で囲み、前記厚さ方向に延びる輪郭領域を有し、前記輪郭領域のパルプ繊維の繊維密度が、前記模様非存在領域におけるパルプ繊維の繊維密度よりも高い、上記(1)又は(2)に記載のスパンレース不織布、であってもよい。
スパンレース不織布の構成繊維として、パルプ繊維を含んでいる場合、パルプ繊維は繊維長が短く細いため、上記第2交絡の水流の圧力を高くしたときの開孔部での悪影響は顕著である。更に、スパンレース不織布は、製造後に、ロールに巻き取られたり、包装体に詰め込まれて狭い取り出し口から取り出されたりする場合がある。その場合、スパンレース不織布には応力が生じることになり、その応力により、凹凸部や開孔部の形状が崩れるおそれがある。そこで、本スパンレース不織布では、開孔部を囲む輪郭領域のパルプ繊維の繊維密度(例示:単位体積当たりの繊維本数)が、模様非存在領域のパルプ繊維の繊維密度と比較して高い、という特徴を有する。そのため、本スパンレース不織布では、輪郭領域では、繊維長が短いパプル繊維が、パルプ繊維以外の繊維長が長い構成繊維の隙間を埋めるので、輪郭領域が稠密になる。それにより、開孔部の開孔形状が崩れ難く、すなわち開孔形状を維持し易くすることができる。それと共に、輪郭領域では、パプル繊維が凹凸を埋めて、よって光を反射し易くなるので、輪郭領域の白色の度合を高めることができる。それにより、開孔部の輪郭、すなわち非開孔部と開孔部との境界をより明瞭にすることができるので、模様を明瞭に視認させ易くすることが可能となる。すなわち、開孔部の境界を明瞭にし、模様の視認性を確保しつつ、開孔部の形状を維持することができる。
本発明のスパンレース不織布は、(4)第1の外層と、第2の外層と、前記第1の外層と前記第2の外層との間に位置し、前記パルプ繊維を含む中間層とを備える、上記(3)に記載のスパンレース不織布、であってもよい。
本スパンレース不織布では、パルプ繊維を含む中間層を第1の外層と第2の外層との間に挟持している。そのため、パルプ繊維を開孔部の輪郭領域に安定的に保持することができる。それにより、開孔部の境界を明瞭にし、模様の視認性を安定的に確保しつつ、開孔部の形状を安定的に維持することが可能となる。
本発明のスパンレース不織布は、(5)前記中間層は、前記第1の外層及び前記第2の外層よりも高い繊維密度を有する、上記(4)に記載のスパンレース不織布、でもよい。
本スパンレース不織布では、パルプ繊維を含む中間層が、第1の外層及び第2の外層よりも高い繊維密度(例示:単位体積当たりの繊維本数)を有する。そのため、パルプ繊維を開孔部の輪郭領域に、より安定的に保持できる。それにより、開孔部の境界を明瞭にし、模様の視認性をより安定的に確保しつつ、開孔部の形状をより安定的に維持できる。
本発明のスパンレース不織布は、(6)前記中間階調領域は、画素数の極小値を有する階調を含み、前記極小値は、前記黒色階調領域及び前記白色階調領域の画素数の極大値よりも小さい、上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のスパンレース不織布、であってもよい。
本スパンレース不織布では、中間階調領域の階調(灰色)に、黒色階調領域及び白色階調領域の画素数の極大値よりも小さい、画素数の極小値(下向きのピーク)を有している。そのため、本スパンレース不織布では、使用者に対して、灰色をより感じ難くさせることができ、相対的に黒色に近い灰色や白色に近い灰色を、より強く感じ易くさせることができる。それにより、開孔部と非開孔部との境界を明瞭にすることができ、全体として模様を明瞭に視認させ易くする、すなわち模様の視認性を確保することができる。
本発明のスパンレース不織布は、(7)前記複数の開孔部は、互いに形状が異なる少なくとも二種類の開孔部を含み、前記少なくとも二種類の開孔部の各々の形状は、円、楕円、多角形、直線、曲線、又は、これらの組み合わせから選択される、上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のスパンレース不織布、であってもよい。
本スパンレース不織布では、開孔部の形状が限定されず、円、楕円、多角形、直線、曲線、又は、これらの組み合わせのような種々の形状を取り得る。これらの形状は、開孔部と非開孔部との境界を明瞭に形成し易いため、これらの形状を適宜選択することで、開孔部の境界をより明瞭にでき、全体として模様を視認させ易くすることができる。
本発明のスパンレース不織布は、(8)前記模様非存在領域は、前記スパンレース不織布の前記幅方向の中央部に位置し、前記長手方向に延びる中央部模様非存在領域と、前記スパンレース不織布の前記幅方向の端部に位置し、前記長手方向に延びる端部模様非存在領域と、を含み、前記模様存在領域は、前記中央部模様非存在領域と前記端部模様非存在領域との間に位置し、前記長手方向に延びる端部模様存在領域を含む、上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載のスパンレース不織布、であってもよい。
本スパンレース不織布では、中央部模様非存在領域の端部模様非存在領域との間に、端部模様存在領域を有している。すなわち、模様の存在しない領域の間に模様を配置しているので、模様をより際立たせることができ、開孔部の視認性をより安定的に確保できる。
本発明によれば、模様を有するスパンレース不織布において、複数の開孔部を含む模様における、開孔部と非開孔部との境界を明瞭にして、模様の視認性を確保することが可能なスパンレース不織布を提供できる。
実施の形態に係るスパンレース不織布の構成例を示す模式図である。 実施の形態に係るスパンレース不織布の模様の例を示す模式図である。 実施例に係るスパンレース不織布をグレースケールで表現した画像における階調と画素数との関係を示すグラフである。 比較例に係るスパンレース不織布をグレースケールで表現した画像における階調と画素数との関係を示すグラフである。 実施の形態に係るスパンレース不織布の製造方法に使用される製造装置の構成例を示す模式図である。 実施の形態に係るスパンレース不織布の製造方法に使用される製造装置の構成例の一部を示す模式図である。 図6の製造装置の第1のサクションドラムの支持体の構成例の一部を示す断面模式図である。 図6の製造装置の水供給装置の構成例を示す模式図である。 図6の製造装置の第1の噴射ノズルの構成例を示す模式図である。 実施の形態に係る半製品の構成例を示す模式図である。 図6の製造装置の第2の噴射ノズルの構成例を示す模式図である。 図8の水供給装置でのウェブの処理を示す断面模式図である。 図12の処理における支持体上のウェブの様子を示す断面模式図である。 図9の第1の噴射ノズルで処理された支持体上の半製品の構成例の一部を示す断面模式図である。
以下、実施の形態に係るスパンレース不織布について説明する。スパンレース不織布の用途は特に限定されるものではなく、例えば、生理用ナプキンや使い捨ておむつのような吸収性物品、ウェットワイパーのような清掃用品、ティシュペーパーのような日用品、マスクのような医療用品などの各種の衛生用品が挙げられる。
図1は実施の形態に係るスパンレース不織布9の構成の例を示す模式図である。図1(a)は模様40を有するスパンレース不織布9の部分的な平面図を示し、図1(b)は図1(a)の模様40の部分断面図を示す。ただし、スパンレース不織布9は、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有する。「平面視」とはスパンレース不織布9を上面側から厚さ方向Tに見ることをいう。「面内方向」とは幅方向W及び長手方向Lを含む面と平行な方向である。
スパンレース不織布9は模様40を含み、模様40が存在する模様存在領域9gと模様存在領域9g以外の模様非存在領域9hとを更に有する。模様40は平面視でスパンレース不織布9を厚さ方向Tに貫通する複数の開孔部40aを含む。以下、詳細に説明する。
スパンレース不織布9の構成繊維は、特に制限はないが、本実施の形態では、繊維長の短い繊維(以下、「短繊維」という。)と、それ以外の繊維とを含んでいる。短繊維の平均繊維長は、液体の吸収や保持などの観点から例えば1〜30mmであり、好ましくは2〜10mmであり、より好ましくは、2〜5mmである。一方、短繊維以外の繊維の平均繊維長は、短繊維と比較して長く、構造の維持の観点などから例えば30〜80mmであり、好ましくは30〜60mmである。短繊維以外の繊維の繊度は、例えば、1〜6dtexが挙げられる。
短繊維としては、特に制限はないが、合成繊維や天然繊維が挙げられ、本実施の形態では液体の吸収性の観点などから天然繊維のパルプ繊維が挙げられる。パルプ繊維としては、特に制限はないが、木材パルプ、非木材パルプが挙げられる。木材パルプとしては、例えば針葉樹パルプ、及び広葉樹パルプが挙げられる。非木材パルプとしては、例えばワラパルプ、バガスパルプ、ヨシパルプ、ケナフパルプ、クワパルプ、竹パルプ、麻パルプ、及び綿パルプが挙げられる。
一方、短繊維(本実施の形態ではパルプ繊維)以外の繊維としては、特に制限はないが、合成繊維(例示:熱可塑性樹脂繊維)、天然繊維、再生繊維、又はこれらの少なくとも二種類の組み合わせが挙げられる。熱可塑性樹脂繊維の材料としては、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、及びアクリルが挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びこれらを主体とした共重合体が挙げられる。ポリエステルとしては、例えばポリエチレンタレフタレート(PET)、ポリブチレンテレタレート(PBT)、及びこれらを主体とした共重合体が挙げられる。ポリアミドとしては、例えばナイロン6、ナイロン6,6が挙げられる。アクリルとしては、ポリアクリルニトリル(PAN)が挙げられる。熱可塑性樹脂繊維を用いるときには親水化処理を行ってもよく、親水化処理としては例えば界面活性剤や親水剤等を利用した処理等が挙げられる。天然繊維としては、例えば羊毛、及びコットンが挙げられる。再生繊維としては、例えばレーヨン、及びアセテートが挙げられる。また、構成繊維の一部又は全部が、芯・鞘型繊維、サイド・バイ・サイド型繊維、島/海型繊維等の複合繊維、中空タイプの繊維、潜在捲縮又は顕在捲縮の立体捲縮繊維であってもよい。
スパンレース不織布9のパルプ繊維の割合は、液体の吸収性の観点から20質量%以上であり、構造の維持の観点から70質量%未満である。スパンレース不織布9の厚さとしては例えば0.2〜5mmが挙げられる。坪量としては例えば10〜200g/mが挙げられる。繊維密度としては例えば0.05〜0.3g/cmが挙げられる。本実施の形態では、これらの値は、模様非存在領域9hで測定される値とする。
スパンレース不織布9の層構造は、単層でも複数層でも制限はないが、本実施の形態では三層構造(図示されず)を採る。すなわちスパンレース不織布9は、第1の外層と、第2の外層と、第1の外層と第2の外層との間に位置する中間層と、を含む三層構造を有する。第1の外層及び第2の外層の構成繊維としては、特に制限はないが、主に構造の維持の観点から例えば上述のパルプ繊維以外の繊維を用いることができる。第1の外層及び第2の外層の構成繊維の繊維密度としては、例えば0.02〜0.06g/cmが挙げられる。第1の外層及び第2の外層は、構成、例えば繊維の種類や配合率及び層の構造が同じであってもよいし、少なくとも一つが異なっていてもよい。一方、中間層の構成繊維としては、特に制限はないが、主に液体の吸収性や保持性の観点から、上述のパルプ繊維とパルプ繊維以外の繊維とを組み合わせて用いることができる。中間層のパルプ繊維の割合は、液体の吸収性や保持性の観点から20質量%以上、100質量%以下である。本実施の形態では、中間層は、第1の外層及び第2の外層よりも高い繊維密度を有する。中間層の構成繊維の繊維密度としては、例えば0.03〜0.25g/cmが挙げられる。
スパンレース不織布の模様40は、主に複数の凹凸部及び/又は複数の開孔部で形成されており、本実施の形態では、主に複数の開孔部40aで形成されている。開孔部40aは、スパンレース不織布9を厚さ方向Tに貫通する貫通孔である。複数の開孔部40aは、互いに形状が異なる複数の種類の開孔部を含む。複数の種類の開孔部の各々の形状は、円、楕円、多角形、直線、曲線、又は、これらの組み合わせ、を含む。ただし、直線(線分)や曲線は一定の太さを有する。本実施の形態では、模様40は、図1(a)に示すように種々の形状が複雑に組み合わされたレースのような透かし模様である。ただし、模様40はこの例に限定されるものではない。一つの開孔部40aの大きさとしては、内寸で0.4〜20mmが挙げられ、面積で0.12〜100mmが挙げられ、隣り合う開孔部40a間の距離は、0.2〜10mmが挙げられる。
開孔部40aは、面内方向に貫通孔を所定の幅で囲み、厚さ方向Tに延びる輪郭領域41を有している。言い換えると、輪郭領域41は、開孔部40aを囲む側壁40aHに沿う、面内方向に所定の幅を有する管状の領域である。ここで、所定の幅は、スパンレース不織布9の厚さDの半分、すなわちD/2が挙げられる。ただし、厚さ方向Tの任意の厚さにおける開孔部40aの輪郭は、面内方向における最も開孔側の繊維の端(繊維の側面の場合を含む)を、開孔を囲むように結んだ線とする。そして側壁40aHは、厚さ方向Tの各厚さでの輪郭を、厚さ方向Tに結んで形成される開孔の周面である。なお互いに隣り合う開孔部40a同士の距離が近く、両者の所定の幅が互いに重なる場合には、所定の幅を両者の間の距離の半分とする。ただし、所定の幅は、上記の例に限定されず他の値、例えばD/n(nは2より大きい数値)であってもよいし、あるいは開孔部の面内方向の内寸dの1/m(mは2以上の数値)であってもよい。また、輪郭領域41のパルプ繊維の繊維密度(単位体積当たりの本数)は、模様非存在領域9hにおけるパルプ繊維の繊維密度(単位体積当たりの本数)、言い換えると輪郭領域41以外の領域のパルプ繊維の繊維密度(単位体積当たりの本数)よりも多い。なおスパンレース不織布9が複数層構造、例えば三層構造の場合には、厚さ方向Tの三層で平均された繊維密度で評価される。
模様存在領域9gは、平面視で、スパンレース不織布9における、大部分を模様40に占有された、すなわち模様40を含む領域であり、例えば模様40の輪郭からある範囲だけ外側に拡張した領域である。一方、模様非存在領域9hは、平面視で、スパンレース不織布9における模様存在領域9gを除いた領域である。本実施の形態では、模様存在領域9g及び模様非存在領域9hは、それぞれ後述される前交絡・転写工程において水流交絡される領域及び水流交絡されない領域である。本実施の形態では、模様非存在領域9hは、スパンレース不織布9の幅方向Wの中央部に位置し、長手方向Lに延びる中央部模様非存在領域9h−aと、スパンレース不織布9の幅方向Wの端部に位置し、長手方向Lに延びる端部模様非存在領域9h−bと、を含んでおり、端部模様非存在領域9h−bは、スパンレース不織布9の幅方向Wの両端部に配置されてもよい。模様存在領域9gは、中央部模様非存在領域9h−aと端部模様非存在領域9h−bとの間に位置し、長手方向Lに延びる端部模様存在領域9g−aを含んでいる。
本実施の形態では、模様40として、種々の形状が複雑に組み合わされたレースのような透かし模様を用いるが、その例に限定されるものではない。図2は、実施の形態に係るスパンレース不織布の模様40の他の例を示す模式図である。この模様40yは、図1(a)のスパンレース不織布9の端部模様存在領域9g−aの模様40の代わりに用いることができる。この模様は、種々の形状の小さい開孔部で構成された透かし模様である。
次に、模様40の開孔部40aと非開孔部との境界の明瞭化について説明する。
図3及び図4は、それぞれ後述される実施例1及び比較例1に係るスパンレース不織布9をグレースケールで表現した画像における階調と画素数との関係を示すグラフである。図3(a)は、スパンレース不織布を撮影した画像のうちの模様存在領域9gを示す部分から抽出される所定面積の領域Sを模式的に示す図である。図3(b)及び図4はそれぞれ実施例1及び比較例1のスパンレース不織布を同一の条件で厚さ方向Tの上方から撮影した画像における所定面積の領域Sを複数の画素に分割し、各画素の色を、黒色から白色までの複数の階調を有するグレースケールで表現したときの、階調(横軸)と画素数(縦軸)との関係を示すグラフである。画素数は最大値のピークを1として規格化されている。グレースケールは、黒色側の黒色階調領域Aと、白色側の白色階調領域Aと、黒色階調領域Aと白色階調領域Aとの間の中間階調領域Aと、を有するものとし、よって黒色階調領域Aは黒色又は黒色に近い灰色の領域であり、白色階調領域Aは白色又は白色に近い灰色(半透明を含む)の領域であり、中間階調領域Aは灰色の領域である。本実施の形態では、全階調を略三等分して、黒色側の1/3分の階調を黒色階調領域Aとし、白色側の1/3分の階調を白色階調領域Aとし、中間の1/3分の階調を中間階調領域Aとする。具体的には、本実施の形態では、階調を0〜255の256階調とし、0〜84/85〜170/171〜255階調をそれぞれ黒色/中間/白色階調領域とする。なお、図3及び図4の具体的なデータ取得方法については後述される。
図3(a)の実施例1の模様存在領域9gを示す部分における所定面積の領域S1では、図3(b)に示すように、黒色階調領域A及び白色階調領域Aは、それぞれ画素数の極大値PBM1、PWM1のピークを有する階調GBM1、GWM1を含んでいる。ここで、黒色階調領域A及び白色階調領域Aは、いずれも明瞭な画素数の極大値のピークを有している、といえる。そして、黒色階調領域Aの画素数の極大値PBM1に対する、中間階調領域の中心の階調GMM1における画素数PMM1の比RG1は2.0以下である。具体的には、図3(b)では、(GBM1、PBM1)、(GWM1、PWM1)、(GMM1、PMM1)は、それぞれ(77、0.43)、(191、1.00)、(127、0.57)である。そして、RG1=PMM1/PBM1=0.57/0.43=1.3≦2.0である。
一方、図4(a)の比較例1の模様存在領域を示す部分における所定面積の領域S2(=S1)では、図4(b)に示すように、白色階調領域Aは、画素数の極大値PWM2のピークを有する階調GWM2を含んでいる。しかし、黒色階調領域Aは、画素数の極大値のピークを有する階調を含んでいるとはいえない。仮に、黒色階調領域Aが、不明瞭ながらも、画素数の極大値PBM2のピークを有する階調GBM2を含む、ということができたとしても、黒色階調領域Aの画素数の極大値PBM2に対する、中間階調領域の中心の階調GMM2における画素数PMM2の比RG1は2.0を超えており、2以下ではない。具体的には、図4(b)では、(GBM2、PBM2)、(GWM2、PWM2)、(GMM2、PMM2)は、それぞれ(81、0.20)、(191、1.00)、(127、0.42)である。そして、RG1=PMM2/PBM2=0.42/0.20=2.1>2.0である。
既述のように、模様を有するスパンレース不織布は、開孔による黒色に近い灰色の部分、及び、開孔されていない白色に近い灰色の部分、の他に、開孔が不十分な開孔部又は開孔部の周囲で凹凸の陰影が見え易い部分によるくすんで見える部分、すなわち灰色の部分が更に存在する。すなわち、開孔による模様を含むスパンレース不織布は、開孔による模様を含まないスパンレース不織布と比較して、灰色の部分が多く生じ得る。そこで、スパンレース不織布9では、灰色の部分を相対的に削減するべく、模様存在領域9gにおいて、黒色階調領域A及び白色階調領域Aの階調に、それぞれ画素数の極大値PBM1、PWM1(ピーク)を有し、黒色階調領域Aの画素数の極大値PBM1に対する、中間階調領域Aの中心階調の画素数PMM1の比RG1が2以下としている。すなわちスパンレース不織布9では、模様存在領域9gが、黒色に近い灰色と白色に近い灰色とに二極化されており、かつ黒色に近い灰色の部分に対する、開孔部40aと非開孔部との境界付近に形成される灰色の部分の比を相対的に小さくしている。そのため、スパンレース不織布9では、使用者に対して、灰色よりも、黒色に近い灰色を、白色に近い灰色と共により強く感じ易くさせることができる。それにより開孔部40aと非開孔部との境界を明瞭にすることができ、全体として模様を明瞭に視認させ易くする、すなわち模様の視認性を確保できる。
また、本実施の形態の好ましい態様として、図3(a)の領域S1では、図3(b)に示すように、黒色階調領域A及び白色階調領域Aの画素数の極大値の和(PBM1+PWM1)に対する、黒色階調領域A及び白色階調領域Aのピーク同士を結ぶ直線E1における中間階調領域の中心階調GMM1での値PMM1’と中心階調GMM1における画素数PMM1との差Δ1、の比RG2は0.10以上である。具体的には、図3(b)では、(GBM1、PBM1)、(GWM1、PWM1)、(GMM1、PMM1)、(GMM1、PMM1’)は、それぞれ(77、0.43)、(191、1.00)、(127、0.57)、(127、0.76)である。そして、RG2=Δ1/(PBM1+PWM1)=(0.76−0.57)/(0.43+1.00)=0.13≧0.10である。
一方、図4(a)の領域S2(=S1)では、図4(b)に示すように、黒色階調領域A及び白色階調領域Aの画素数の極大値の和(PBM2+PWM2)に対する、黒色階調領域A及び白色階調領域Aのピーク同士を結ぶ直線E2における中間階調領域の中心階調GMM2での値PMM2’と中心階調GMM2における画素数PMM2との差Δ2、の比RG2は0.10未満であり、0.10以上ではない。具体的には、図4(b)では、(GBM2、PBM2)、(GWM2、PWM2)、(GMM2、PMM2)、(GMM2、PMM2’)は、それぞれ(81、0.20)、(191、1.00)、(127、0.42)、(127、0.53)である。そして、RG2=Δ2/(PBM2+PWM2)=(0.53−0.42)/(0.20+1.00)=0.092<0.10である。
このように、スパンレース不織布9では、模様存在領域9gにおいて、黒色階調領域A及び白色階調領域Aにおける画素数の極大値PBM1、PWM1のピーク同士を結ぶ直線E1における中間階調領域Aの中心階調での値PMM1’と中心階調における画素数PMM1との差Δ1の、黒色階調領域A及び白色階調領域Aの極大値の画素数の和(PBM1+PWM1に対する比を0.10以上としている。すなわち、スパンレース不織布9では、模様存在領域9gにおいて、黒色に近い灰色及び白色に近い灰色の両方の部分に対する、開孔部40aと非開孔部との境界付近に形成される灰色の部分の比を相対的に小さくしている。そのため、スパンレース不織布9では、使用者に対して、灰色よりも、黒色に近い灰色及び白色に近い灰色の両方をより強く感じ易くさせることができる。それにより、開孔部40aと非開孔部との境界をより明瞭にすることができ、全体として模様をより明瞭に視認させ易くする、すなわち模様の視認性を確保することができる。
また、本実施の形態の好ましい態様として、図3(b)に示すように、中間階調領域Aは、画素数の極小値PMMIN1(ここでは、下向きのピーク)を有する階調GMMIN1を含む。極小値PMMIN1は、黒色階調領域A及び白色階調領域Aの画素数の極大値PBM1、PWM1よりも小さい。具体的には、図3(b)では、(GBM1、PBM1)、(GWM1、PWM1)、(GMMIN1、PMMIN1)は、それぞれ(77、0.43)、(191、1.00)、(94、0.42)である。そして、PBM1、PWM1=0.43、1.00>0.42=PMMIN1である。
一方、図4(b)に示すように、中間階調領域Aは、画素数の極小値PMMIN2(ここでは、下向きのピーク)を有する階調GMMIN2を含んでいるとはいえない。言い換えると、黒色階調領域A及び白色階調領域Aの画素数の極大値PBM1、PWM1よりも小さい極小値PMMIN2は存在しない。
このように、スパンレース不織布9では、中間階調領域Aの階調(灰色)に、黒色階調領域A及び白色階調領域Aの極大値PBM1、PWM1よりも小さい、画素数の極小値PMMIN1(下向きのピーク)を有している。そのため、スパンレース不織布9では、使用者に対して、灰色をより感じ難くさせることができ、相対的に黒色に近い灰色や白色に近い灰色を、より強く感じ易くさせることができる。それにより、開孔部40aと非開孔部との境界を明瞭にすることができ、全体として模様を明瞭に視認させ易くする、すなわち模様の視認性を確保することができる。
また、スパンレース不織布9の構成繊維としてパルプ繊維が含まれている場合、水流交絡の水流の圧力が高くされると、パルプ繊維は、繊維長が短く細く軽いため、開孔部の周囲から容易に他の場所へ動かされてしまうため、開孔部の境界が不明瞭になり易い。更に、スパンレース不織布9は、製造後に、ロールに巻き取られたり、包装体に詰め込まれて狭い取り出し口から取り出されたりする場合があり、そのときに生じる応力により、開孔部40aの形状が崩れるおそれがある。そこで、本実施の形態の好ましい態様として、スパンレース不織布9では、開孔部40aを囲む輪郭領域41のパルプ繊維の繊維密度(単位体積当たりの本数)が、模様非存在領域9hのパルプ繊維の繊維密度(単位体積当たりの本数)と比較して高い、という特徴を有している。そのため、スパンレース不織布9では、輪郭領域41では、繊維長が短いパプル繊維が、パルプ繊維以外の繊維長が長い構成繊維の隙間を埋めていているので、輪郭領域41が稠密になっている。それにより、開孔部40aの開孔形状が崩れ難く、すなわち開孔形状を維持し易くすることが可能となる。それと共に、輪郭領域41では、凹凸をパルプ繊維が埋めて、よって光が反射し易くなるので、輪郭領域41の白色の度合を高めることができる。それにより、開孔部40aの輪郭、すなわち非開孔部と開孔部40aとの境界をより明瞭にすることができ、よって模様を明瞭に視認させ易くすることが可能となる。すなわち、開孔部40aの境界を明瞭にし、模様40の視認性を確保しつつ、開孔部40aの形状を維持することが可能となる。
また、本実施の形態の好ましい態様として、スパンレース不織布9では、開孔部40aの形状が、円、楕円、多角形、直線、曲線、又は、これらの組み合わせのような種々の形状を取り得る。これらの形状は、開孔部40aと非開孔部との境界を明瞭に形成し易いため、これらの形状を適宜選択することにより、開孔部40aの境界をより明瞭にすることができ、全体として模様40を視認させ易くすることが可能となる。
また、本実施の形態の好ましい態様として、スパンレース不織布9では、中央部模様非存在領域9h−aと端部模様非存在領域9h−bとの間に、端部模様存在領域9g−aを有している。すなわち、模様40の存在しない二つの領域の間に模様を配置しているので、模様40をより際立たせることができる。それにより、開孔部40aの境界をより明瞭にすることができると共に、模様40の視認性をより安定的に確保できる。
また、本実施の形態の好ましい態様として、スパンレース不織布9では、パルプ繊維を含む中間層を第1の外層と第2の外層との間に挟持している。そのため、パルプ繊維を開孔部40aの輪郭領域41に安定的に保持することができる。それにより、開孔部40aの境界を明瞭にし、模様40の視認性を安定的に確保しつつ、開孔部40aの形状を安定的に維持することが可能となる。
また、本実施の形態の好ましい態様として、スパンレース不織布9では、パルプ繊維を含む中間層が、第1の外層及び第2の外層よりも高い繊維密度(単位体積当たりの本数)を有している。そのため、パルプ繊維を開孔部40aの輪郭領域41に、より安定的に保持することができる。それにより、開孔部40aの境界を明瞭にし、模様40の視認性をより安定的に確保しつつ、開孔部40aの形状をより安定的に維持することができる。
次に、本実施の形態に係る、模様40を有するスパンレース不織布9の製造方法について説明する。
模様40を有するスパンレース不織布9の製造方法は、ウェブ7を製造するウェブ形成工程と、ウェブ7を湿潤にして、脱水する湿潤・脱水工程と、ウェブ7を交絡しつつ凹凸パターンを転写して模様40を有する半製品8を形成する前交絡・転写工程と、半製品8を更に交絡して模様40を有するスパンレース不織布9を形成する後交絡工程と、スパンレース不織布9の後処理工程と、を備える。
図5は実施の形態に係るスパンレース不織布の製造方法に使用される製造装置の構成例を示す模式図である。製造装置1は、ウェブ形成装置110と、不織布形成装置120と、不織布後処理装置130と、を備える。製造装置1において、ウェブ7や半製品8やスパンレース不織布9の搬送方向をMDとし、搬送方向MDに垂直な方向、すなわちウェブ7等の幅方向を横断方向CDとする。搬送方向MD及び横断方向CDは、スパンレース不織布9の長手方向L及び幅方向Wと同じである。
まず、ウェブ形成装置110によりウェブ形成工程が実行される。
ウェブ形成装置110は、繊維からウェブ7を形成する装置であり、第1のカード機21と、エアレイド機22と、第2のカード機23と、ウェブ搬送装置11と、を備えている。第1のカード機21は、第1の繊維積層体7−1を構成する繊維をフィーダーから投入して第1の繊維積層体7−1を形成する。第1の繊維積層体7−1は最終的に第1の外層となる。エアレイド機22は、第2の繊維積層体7−2を構成する繊維をフィーダーから投入して、第1の繊維積層体7−1上に第2の繊維積層体7−2を形成する。第2の繊維積層体7−2は最終的に中間層となる。第2のカード機23は、第3の繊維積層体7−3を構成する繊維をフィーダーから投入して、第2の繊維積層体7−2上に第3の繊維積層体7−3を形成する。第3の繊維積層体7−3は最終的に第2の外層となる。そして、これらの第1〜第3の繊維積層体7−1〜7−3が積層されることによりウェブ7が形成される。ウェブ7は、ウェブ搬送装置11のウェブ搬送ベルト11aから不織布形成装置120へ受け渡される。ただし、ウェブ7は、複数の繊維積層体を積層したものであるが、繊維同士を交絡させるための交絡処理は施されていない。なお、ウェブ7を構成する各繊維積層体は、製造される不織布の用途等によって任意に選択することができる。
ウェブ7の繊維としては、製造される不織布の用途等によって任意に選択することができる。ウェブ7の繊維密度は、例えば2〜4×10−3g/cm程度である。そのウェブ7の坪量は、例えば20〜70g/m2程度である。そのウェブ7の厚みは、例えば7〜20mm程度である。
次に、不織布形成装置120により湿潤・脱水工程と、前交絡・転写工程と、後交絡工程とが実行される。図6は図5の製造装置の構成例のうちの不織布形成装置120を示す模式図である。不織布形成装置120は、上流側搬送装置13と、第1のサクションドラム5と、水供給装置2と、第1の噴射ノズル3と、第2のサクションドラム6と、第2の噴射ノズル4と、下流側搬送装置14と、脱水機25と、を備えている。
まず、上流側搬送装置13と第1のサクションドラム5と水供給装置2とが湿潤・脱水工程を実行する。上流側搬送装置13は、ウェブ形成装置110で形成されたウェブ7を上流側搬送ベルト13aにより搬送し、方向転換用ロール12により搬送方向を上方向きに転換させて、第1のサクションドラム5へ搬送する。このとき、ウェブ7は、ウェブ7の第1の面7aが上流側搬送装置13の外側に向き、第1の面7aと反対側の第2の面7bが上流側搬送ベルト13aに接するように搬送される。
次いで、第1のサクションドラム5は、表面に凹凸パターンを有する支持体を外周面5aに備える。第1のサクションドラム5は、その支持体を軸線A1まわりに回転させながら、上流側搬送装置13により搬送されたウェブ7を、支持体を介して吸引し、外周面5aに保持しつつ、第2のサクションドラム6へ搬送する。このとき、ウェブ7は、第1の面7aが第1のサクションドラム5の外側に向き、第2の面7bが第1のサクションドラム5の内側に向いて外周面5aに接するようにして支持体の表面に沿って搬送される。
図7は支持体54の構成例の断面の一部を模式的に示す図である。図7に示すように支持体54は、基材56と、基材56の表面に形成された凹凸パターン55とを備える。基材56は、外周面5aに配置されており、液体や気体が通過可能なメッシュ状の複数の孔を有する。凹凸パターン55は、模様の形状を有する凹部や凸部であり、本実施の形態では所定の模様の形状を有する凸部である。ここで凸部の高さhは、製造される不織布の用途や模様の形状等によって任意に選択できるが、例えば0.1〜10mmが挙げられる。
次いで、図6を参照すると、水供給装置2は、第1のサクションドラム5の外周面5aに保持されたウェブ7に対して第1の面7a側から水を掛けて、ウェブ7の繊維間に存在する空間を水で埋めて、ウェブ7を湿潤にする。第1のサクションドラム5は、湿潤にされたウェブ7に対して第2の面7b側から、概ね水供給装置2と対向する位置において水を吸引して脱水する。すなわち、ウェブ7の繊維間の空間を埋める水は、第1のサクションドラム5により吸引されて概ね取り除かれる。
図8は製造装置1の水供給装置2の構成例を模式的に示す図である。水供給装置2は、例えば横断方向CDと平行な方向に直線的に設けられた開口2aを備えており、図示しない流体源から送られてきた低圧の水を加圧せずにそのまま開口2aから水30として放出する。この水30はそのまま自由落下によりウェブ7に掛けられる。なお、水供給装置2は、ウェブ7の繊維同士を水で交絡させることが目的でなく、ウェブ7に水を含ませることが目的であるため、水供給装置2は水を高圧で噴射することはせず、ウェブ7に水を掛けるようにしている。したがって、図8に示すようにウェブ7近傍の位置からウェブ7に水を自由落下させてもよいし、スプレーで噴霧された水をウェブ7に掛けてもよい。
ここで、水供給装置2により掛けられる水の圧力(水供給装置2の開口から放出される時の水圧)は、ウェブ7の厚さや構造繊維の種類によって決定されるが、ウェブ7を湿潤にすればよく、ウェブ7を実質的に交絡させないため、0.1MPa(大気圧)より大きく、0.8MPa以下が挙げられ、好ましくは0.1MPa(大気圧)より大きく、0.5MPaである。ウェブ7に供給する水の量は、ウェブ7の厚さや構造繊維の種類により決定されるが、ウェブ7を湿潤にすればよく、100〜150L/minが挙げられる。このように水供給装置2から掛けられる水の圧力を低く抑えることで、繊維同士を交絡させる処理をしていないウェブ7から水供給装置2の水により繊維が飛散したり地合が乱れたりすることを防止できる。
図12はウェブ7が水供給装置2で湿潤にされ第1のサクションドラム5で脱水される様子を模式的に示す断面図である。まず、図12の(a)において、ウェブ7は、第1のサクションドラム5の外周面5a上に配置される。このとき、ウェブ7は、繊維間に空間を多く含んでおり、嵩高い状態、すなわち厚い状態にある。次に、図12(b)において、水供給装置2によりウェブ7に水が掛けられる。このとき、ウェブ7の繊維間の空間が水で満たされるが、嵩高い状態(厚い状態)は変わらない。そして、図12(c)において、第1のサクションドラム5によりウェブ7に含まれる水が吸引されることにより、ウェブ7が脱水される。このとき、ウェブ7に含まれる水とウェブ7の繊維とは化学的に結合(水素結合)しているため、第1のサクションドラム5内へ吸引される水にウェブ7の繊維が引っ張られて第1のサクションドラム5側へ向かう。あるいは第1のサクションドラム5内に吸引される水にウェブ7の繊維が物理的に押されて第1のサクションドラム5側へ向かう。このようにウェブ7の繊維が水の移動に伴って第1のサクションドラム5側に引き付けられて、ウェブ7の繊維間の空間が急激に減少して、全体としてウェブ7の嵩が減少する(厚みが減少する)ことにより、ウェブ7の繊維密度が高まる。
水供給装置2で湿潤にされ、第1のサクションドラム5で脱水された直後のウェブ7の繊維密度は、4〜8×10−2g/cm程度である。繊維密度が高過ぎると、後工程の第1の噴射ノズル3の水流によるウェブ7の繊維の移動が難くなる。繊維密度が低過ぎると、第1の噴射ノズル3の水流の衝撃でウェブ7の繊維が飛散して地合が乱れる等の悪影響がある。この繊維密度は、水供給装置2で処理される前の繊維密度よりも高い。ウェブ7の坪量は20〜70g/m程度であり、ウェブ7の厚みは1〜5mm程度である。
このように水供給装置2からウェブ7に水を供給し、第1のサクションドラム5でウェブ7を脱水することで、ウェブ7を薄くして、ウェブ7の繊維密度を上記の所定範囲に容易に高めることが可能となる。また、ウェブ7が脱水され、ウェブ7に含まれる水が非常に少なくなることで、後工程において第1の噴射ノズル3から噴出される水のエネルギーをウェブ7に効率よく伝達することができる。このようにウェブ7の繊維密度を上記の所定範囲にすると、繊維同士が密接することにより、ウェブ7を形成した直後よりは繊維同士の結合が強くなる(ただしウェブ7を交絡した場合と比べると結合は弱い)。加えて、ウェブ7の表面の繊維はほとんど毛羽立たずに表面に沿うように寝ている状態になる。そのため、後工程においてウェブ7の繊維同士を交絡しつつウェブ7に凹凸パターンを転写するとき、第1の噴射ノズル3から噴射される水流の衝撃でウェブ7の繊維が飛散してウェブ7の繊維密度が不均一になり、ウェブ7の地合が乱れる、ということを抑制できる。
図13は図12の湿潤及び脱水の工程における凹凸パターン55上のウェブ7の様子を模式的に示す断面図である。ウェブ7が支持体54の凹凸パターン55上に配置されているとき、水供給装置2で湿潤にされ第1のサクションドラム5で吸引、脱水されることで、ウェブ7は凹凸パターン55の形状におおよそ対応した変形をされ、それによりウェブ7には仮パターン42が形成される。仮パターン42では、凹凸パターン55とウェブ7との間に隙間SGなどが存在し、凹凸パターン55がウェブ7に転写されたとは言えない。しかし、仮パターン42と凹凸パターン55とは互いに概ね嵌り合う形状を有しているので、凹凸パターン55の上にウェブ7を固定した状態にすることができる。それにより、後工程において、第1の噴射ノズル3により水流をウェブ7に噴射するときには、噴流によりウェブ7が移動することを防止できる。
次に、第1のサクションドラム5と第1の噴射ノズル3とが前交絡・転写工程を実行する。図6を参照して、第1の噴射ノズル3は、第1のサクションドラム5の外周面5aに保持されたウェブ7に対して第1の面7a側から水(第1の水流)を噴射する。すなわち、第1の噴射ノズル3は、ウェブ7の繊維同士を交絡させつつ、ウェブ7を支持体54の凹凸パターン55に押し付けて、凹凸パターン55をウェブ7に転写する。それにより模様(複数の開孔部)40を有する半製品8が形成される。本実施の形態では、第1の噴射ノズル3として、ウェブ7の搬送方向に沿って上流側から順に2台の第1の噴射ノズル3−1及び3−2が設けられているが、その数には特に制限はない。第1の噴射ノズル3−1及び3−2は、横断方向CDに沿って直線的且つ一定のピッチで配設された一列の複数のノズル穴から水を噴射する。第1のサクションドラム5は、交絡及び転写中のウェブ7に対して第2の面7b側から、概ね第1の噴射ノズル3−1〜3−2と対向する位置にて水を吸引しつつ、ウェブ7を確実に吸引して安定的に保持する。半製品8には、模様が存在する領域の模様存在領域と、模様が存在しない領域の模様非存在領域とが形成される。
第1の噴射ノズル3−1〜3−2の水流の噴射圧は、ウェブ7の搬送方向MDに進むに連れて高くなる。具体的には、第1の噴射ノズル3−1の水流の噴射圧(第1の噴射ノズル3−1のノズル穴から放出される時の水圧)P11としては、凹凸パターン55を有する支持体54上において、ウェブ7の交絡を開始しつつ、ウェブ7に凹凸パターン55の転写を開始するために、水供給装置2の水の圧力より高くし、1.0MPa≦P11≦6.0MPaが好ましい。第1の噴射ノズル3−2の水流の噴射圧(第1の噴射ノズル3−2のノズル穴から放出される時の水圧)P12としては、凹凸パターン55を有する支持体54上で、ウェブ7の交絡を進めつつ、ウェブ7に凹凸パターン55の転写を進めるため、3.0MPa≦P12≦7.0MPaが好ましい。ただし、P11<P12である。
図9は製造装置1の第1の噴射ノズル3の構成例を模式的に示す図である。図9では最も上流側の第1の噴射ノズル3−1のみを示し、第1の噴射ノズル3−2を省略している。第1の噴射ノズル3−1及び3−2は、第1のサクションドラム5の外周面5aに保持されているウェブ7に対して、ウェブ7の第1の面7a側から水を高圧で噴射し、凹凸パターン55が転写された模様40をウェブ7上に形成すると共に、ウェブ7の繊維同士を交絡させる。それにより、ウェブ7は、模様40を有する半製品8となる。
図10は模様40を有する半製品8の構成例を模式的に示す図である。半製品8は、搬送方向MDに沿って延びる模様40を有する模様存在領域8gと、搬送方向MDに沿って延びる模様40を有さない模様非存在領域8hとを有している。この図の例では、横断方向CDの中央部及び両端部に模様非存在領域8hが形成され、中央部の模様非存在領域8hと両端部の模様非存在領域8hとの間に模様存在領域8gが形成されている。
このように第1の噴射ノズル3−1〜3−2の水流の噴射圧を搬送方向MDに沿って上流側から下流側に向かって段階的に上げることで、繊維同士の交絡の処理をしていない強度の弱い初期的なウェブ7に対しては交絡の程度を低く抑えつつ凹凸パターンの転写を進めることができ、交絡が進み強度が増加してきたウェブ7に対しては交絡の程度を高めつつ凹凸パターンの転写を更に進めることができる。それにより、凹凸パターンの転写(形成)と、繊維同士の交絡とを両立できる。言い換えると、水流の噴射圧を低圧から高圧に徐々に増加させることで、急激に高圧な水流がウェブ7に噴射されてウェブ7の繊維が飛散してしまうなどウェブ7が損傷することがないようにしながら、凹凸パターン55の転写を無理なく少しずつ進めて視認性の高い模様40を形成することができる。
図14は、支持体54上の半製品8の構成例の一部の断面を模式的に示す図である。半製品8において、支持体54の凹凸パターン55が転写されて、凹凸パターン55に沿って模様40(開孔部)が形成される。模様40(開孔部)には、半製品8と凹凸パターン55との間に、図13のような隙間SGが存在しなくなる。それにより、半製品8と凹凸パターン55との境界、すなわち非開口部と開孔部との境界が明瞭になる。よって視認性の高い模様40が形成される。また、製造条件(例示:水供給装置2の位置、第1の噴射ノズル3の数や水流の圧力)の調整により、模様40の開孔部を囲む輪郭領域8p(輪郭領域41に対応)において繊維密度を相対的に高くすることができる。すなわち非開口部と開孔部との境界をより明瞭にでき、よって模様40の視認性をより高くできる。
ウェブを交絡した後よりもウェブを交絡する前の方が、ウェブに含まれる繊維の移動の自由度が高い。そのため、ウェブを交絡した後に支持体の凹凸パターン(模様)をウェブに転写するよりも、ウェブを交絡しながら支持体の凹凸パターンをウェブに転写する方が、凹凸パターンに応じてウェブの繊維が移動し易く凹凸パターンの転写が容易である。本実施の形態では、ウェブ7を交絡しながら支持体の凹凸パターンをウェブ7に転写するので、転写された開孔部40aの境界を明瞭にでき、よって模様40の視認性を高くできる。更に第1の噴射ノズル3の水流のエネルギーを小さくでき、生産効率を向上できる。
次に、第2のサクションドラム6と第2の噴射ノズル4と下流側搬送装置14と脱水機25とが後交絡工程を実行する。
図6を参照すると、第2のサクションドラム6は、表面に凹凸パターンを有さない支持体を外周面6aに備える。第2のサクションドラム6は、その支持体を軸線A2まわりに回転させながら、第1のサクションドラム5から搬送された半製品8を、支持体を介して吸引して、外周面6aに保持しつつ、下流側搬送装置14へ搬送する。このとき、半製品8は、第1の面8aが第2のサクションドラム6の内側に向いて外周面6aに接し、第1の面8aと反対側の第2の面8bが第2のサクションドラム6の外側に向くようにして、支持体の表面に沿って搬送される。ただし、半製品8の第1の面8aがウェブ7の第1の面7aに対応し、半製品8の第2の面8bがウェブ7の第2の面7bに対応する。
第2の噴射ノズル4は、第2のサクションドラム6の外周面6aに保持された半製品8における模様存在領域8gに対して水(第2の水流)を噴射せずに、模様非存在領域8hに対して第2の面8b側から水(第2の水流)を噴射する。それにより、第2の噴射ノズル4は、転写された模様(複数の開孔部)40を乱さずに、開孔部40aの境界の名両性や、模様40の視認性を維持しつつ、半製品8の繊維同士を更に交絡させて、模様40を有するスパンレース不織布9を形成する。本実施の形態では、第2の噴射ノズル4として、1台の第2の噴射ノズル4が設けられているが、その数には特に制限はない。第2の噴射ノズル4は、横断方向CDに沿って直線的且つ一定のピッチで配設された一列の複数のノズル穴から水を噴射する。第2のサクションドラム6は、交絡中の半製品8に対して第2の面8b側から、概ね第2の噴射ノズル4と対向する位置において水を吸引しつつ、半製品8を確実に吸引して安定的に保持する。
図11は製造装置1の第2の噴射ノズル4の構成例を模式的に示す図である。本実施の形態では、第2の噴射ノズル4としては、1台の第2の噴射ノズル4が設けられる。第2の噴射ノズル4は、第2のサクションドラム6の外周面6aに保持されている半製品8の模様非存在領域8h(図10)に対して、半製品8の第2の面8b側から水を高圧で噴射し、半製品8の繊維同士を更に交絡させる。それにより、半製品8は、強度を高められて、模様を有するスパンレース不織布9となる。なお、上述のように、模様存在領域8g(図10)に向けては水を噴射しない。
第2の噴射ノズル4の水流の噴射圧(第2の噴射ノズル4のノズル穴から放出される時の水圧)P21については、半製品8の模様非存在領域8hの交絡を進めるために、5.0MPa≦P21≦10.0MPaが好ましい。ただし、P12≦P21である。
また、第1の噴射ノズル3の水流の噴射圧を第2の噴射ノズル4の水流の噴射圧よりも低くすると、第2の噴射ノズル4の水流と比較して、第1の噴射ノズル3の水流によるウェブ7の繊維同士の交絡の動きが小さくなる。そのため、繊維同士の交絡は少ないが、凹凸パターンに対応して繊維が繊細に移動して再配置できる。すなわち、交絡の程度を抑えながら模様の形成を進めることができる。一方、その後の第2の噴射ノズル4の水流の噴射圧は高いため、繊維同士の交絡の動きが大きくなる。そのため、繊維同士の交絡は多くなり、すなわち交絡を更に進めることができる。それにより、開孔部の境界の明瞭性や、模様の視認性を落とすことなく、適切なシート強度を有するように繊維を交絡できる。
このように、第2のサクションドラム6に保持された半製品8の模様存在領域に対して水を噴射せず模様非存在領域に対して水を噴射することにより、模様存在領域の模様(開孔部)を乱さずに、半製品8に含まれる構成繊維同士を交絡してその強度を高めることが可能となる。すなわち、転写された開孔部の境界の明瞭性や、模様の視認性を落とすことなく、適切なシート強度を有する模様40を有するスパンレース不織布9を製造できる。
次いで、図6を参照すると、下流側搬送装置14は、下流側搬送ベルト14aを備えている。下流側搬送装置14は、第2のサクションドラム6によって搬送されたスパンレース不織布9を、第2のサクションドラム6の略上方側における第1のサクションドラム5寄りの位置において受け取って、下流側搬送ベルト14aにより脱水機25に搬送する。
脱水機25は、搬送ベルト25aと複数のサクションボックス25bとを備えている。脱水機25は、下流側搬送装置14から搬送されてきたスパンレース不織布9を搬送ベルト25aにより次工程の設備へ搬送しつつ、複数のサクションボックス25bにより搬送ベルト25a上のスパンレース不織布9から水分を吸引する。
次に、不織布後処理装置130が後処理工程を実行する。
図5に示すように、不織布後処理装置130は、脱水機25よりも下流側に、更に乾燥機26と、巻取機28と、を備えている。乾燥機26は、脱水機25により水分が吸引されたスパンレース不織布9を乾燥させると共に、スパンレース不織布9中の構成繊維を熱融着させる。巻取機28は、乾燥機26から搬出されたスパンレース不織布9を巻き取る。なお、巻取機28で巻き取られたスパンレース不織布9は、例えば、巻き出されて切断された後に所定の処理を行い、吸収性物品、清掃用品及び医療用品などの衛生用品にて使用される。なお、巻取機28を有さず、そのまま吸収性物品、清掃用品及び医療用品などの衛生用品を製造する工程にスパンレース不織布9を搬送してもよい。
以上のようにして、模様40を有するスパンレース不織布9が製造される。
なお、上記各実施の形態並びに下記実施例及び比較例において、ウェブなどの繊維シートの坪量、厚み及び繊維密度は以下の方法で測定又は算出している。
(繊維シートの坪量)
ウェブや半製品やスパンレース不織布などの測定対象物を、それぞれ30cm×30cmの大きさに切り出して試料とする。その試料につき、100℃以上の空気雰囲気中で乾燥処理を行った後、質量を測定する。測定した質量を試料の面積で割り算して試料の坪量を算出する。ここでは、10個の試料の坪量の平均値を測定対象物の坪量とする。
(繊維シートの厚み)
15cmの測定子を備えた厚み計((株)大栄化学精器製作所製 型式FS−60DS)を使用し、3g/cmの測定荷重の測定条件で、測定対象物の厚みを測定する。ここでは、1つの測定用試料について3か所の厚みを測定し、それら3か所の厚みの平均値を測定対象物の厚みとする。
(繊維シートの繊維密度(単位体積当たりの質量:g/cm))
上記方法で求めた繊維シートの秤量を、上記方法で求めた繊維シートの厚みで割り算して測定対象物の繊維密度(単位体積当たりの質量:g/cm)を算出する。
(繊維シートの繊維密度(単位体積当たりの本:本/cm))
測定対象物における測定対象の領域を中心に5mm×5mmの大きさに切り出して試料とする。その試料につき、X線透視装置(Bruker Corporation製 型式SKYSCAN 1272)を使用して、360度スキャンを行う。具体的には試料を0.5度回転させるごとにX線透視画像を撮影して、360度分、すなわち720枚のX線透視画像を取得し、取得した720枚のX線透視画像をつなぎ合わせて3D画像を作成する。その3D画像から測定対象の領域について、単位体積当たりの構成繊維の本数を抽出し、測定対象の領域の繊維密度(単位体積当たりの本:本/cm)とする。
上記の実施の形態に係る模様を有するスパンレース不織布の効果を確認するため、上記実施の形態の製造方法によるスパンレース不織と、上記実施の形態と異なる製造方法によるスパンレース不織布について、比較実験を行った。
(1)試料の作製
(1−1)実施例1、2の試料
ウェブ7として、繊維密度3.0×10−3g/cm程度(坪量40g/m程度、厚み10mm程度)のレーヨン・PET/パルプ繊維/レーヨン・PETで形成された繊維積層体を準備した。次に、製造装置1において、第1のサクションドラム5上で、水供給装置2から水圧0.5MPaでウェブ7に水を供給した。続いて、第1の噴射ノズル3−1及び3−2から、実施例1では噴射圧3.0MPa及び6.0MPaで、実施例2では噴射圧3.0MPa及び0MPa(第1の噴射ノズル3−2を使用しない)で、それぞれウェブ7に水を供給した。それにより、ウェブ7の繊維同士が交絡されつつ凹凸パターン55がウェブ7に転写されて、模様存在領域8gに模様40が付された半製品8が形成された。その後、第2のサクションドラム6上では、模様存在領域9gでの模様40の形成に影響を与えないように、第2の噴射ノズル4からの水の噴射を省略して、形成された半製品8をそのまま実施例1、2のスパンレース不織布9とした。
(1−2)比較例1の試料
実施例1と同じウェブ7を準備し、製造装置1において、第1のサクションドラム5の支持体54に凹凸パターン55を配置しないで、第2のサクションドラム6の支持体に凹凸パターン55を配置した。そのような状態の製造装置1において、第1のサクションドラム5上で、水供給装置2から水圧0.5MPaでウェブ7に水を供給し、第1の噴射ノズル3−1及び3−2から噴射圧3.0MPa及び6.0MPaでウェブ7に水を供給した。それにより、ウェブ7の繊維同士は交絡されたが、模様は付されていない半製品が形成された。その後、第2のサクションドラム6上で、第2の噴射ノズル4から噴射圧9.0MPaで半製品に水を噴射した。それにより、半製品の繊維同士が交絡されつつ凹凸パターン55が半製品に転写されて、模様存在領域に模様が付された比較例1の不織布が形成された。したがって、比較例1では繊維同士の交絡が既に行われた半製品に対して、第2のサクションドラム6上で第2の噴射ノズル4により凹凸パターンの転写が行われた。すなわち、比較例1は上記実施の形態の製造方法とは異なる製造方法といえる。
(2)模様40の出来栄えの評価方法
製造装置1を用いて形成された模様(複数の開孔部)を有するスパンレース不織布の試料について、そのスパンレース不織布の模様の出来栄えの評価を以下の方法で行った。ここでは凹凸パターンとして、不織布を貫通する開孔で構成されたパターンを用いた。
まず、試料をスキャナ(スキャナ:Canon image Runner ADVANCE iR−ADVC 5255F(画素数:600dpi)、二値化ソフト:スカラ株式会社 USB Digital Scale 1,1J)で同一条件で読み込んで画像化する。ただし、スキャンでは、試料における光が照射される面とは反対側の面に接するように黒色紙が配置される。各画素の色を、黒色から白色までの複数の階調を有するグレースケール(256階調)で表現する。この場合、開孔部がより適切に形成される程、画像はより黒くなる。次に、得られた画像のうち、模様を含む所定領域(模様存在領域)の所定面積(100mm×25mm=2500mm)の領域にき、中心階調の階調を閾値として、その画像を二値化処理する。そして二値化された画像のうち、黒色部分を開孔部、すなわち模様が形成された箇所と定義し、所定面積(2500mm)に対する黒色部分の面積の割合、すなわち面積率を求める。その不織布の黒色部分の面積率を、支持体での凹凸パターンの面積率と比較して、その不織布の出来栄えとした。すなわち(不織布の模様の出来栄え率)=(不織布の黒色部分の面積率)/(支持体での凹凸パターンの面積率)×100(%)である。例えば(不織布の模様の出来栄え)が高い場合、出来栄えが良く、不織布の模様が支持体の凹凸パターンに近くなる、すなわち視認性が高まる。
(3)模様の境界の評価方法。(図3、図4)
(3−1)黒色階調領域の画素数の極大値を用いた評価
上記(2)で取得されたグレースケールで表現された画像について、模様を含む所定領域(模様存在領域)の所定面積(100mm×25mm=2500mm)の領域について、階調と画素数との関係を示すグラフを求める。そして、そのグラフにおいて、黒色階調領域Aについて、画素数の極大値PBM1(ピーク)を求める。更に、中間階調領域の中心階調GMM1における画素数PMM1を求める。それらに基づいて、黒色階調領域Aの画素数の極大値PBM1に対する、中間階調領域の中心の階調GMM1における画素数PMM1の比RG1を算出する。すなわち、RG1=PMM1/PBM1、を求める。その値を、2.0と比較する。
(3−2)黒色階調領域及び白色階調領域の画素数の極大値を用いた評価
上記(3−1)で取得された階調と画素数との関係を示すグラフにおいて、黒色階調領域A及び白色階調領域Aについて、画素数の極大値PBM1、PWM1(ピーク)と階調GBM1、GWM1とを求める。更に、中間階調領域の中心の階調GMM1における画素数PMM1を求める。それらに基づいて、黒色階調領域A及び白色階調領域Aの画素数の極大値の和(PBM1+PWM1)に対する、黒色階調領域A及び白色階調領域Aのピーク同士を結ぶ直線Eにおける中間階調領域の中心階調GMM1での値PMM1’と中心階調GMM1における画素数PMM1との差、の比RG2を算出する。すなわち、RG2=(PMM1’−PMM1)/(PBM1+PWM1)、を求める。その値を、0.1と比較する。
(4)評価結果
(4−1)出来栄えの評価の結果
実施例1、2及び比較例1の模様(開孔部)の出来栄えの評価結果を下記の表1に示す。ただし「黒色面積率」は不織布の黒色部分の面積率を示し、「出来栄え率」は上記の式で計算される、不織布の模様の出来栄え率を示す。表1に示すように、黒色面積率は、実施例1、2の試料では11.1%、9.23%であるのに対して、比較例1の試料では2.83%であった。出来栄え率は、実施例1、2の試料では29.6%、24.6%であるのに対して、比較例1の試料では7.54%であった。したがって実施例1、2の試料は、比較例1の試料と比較して、黒色面積率が極めて高く、よって出来栄え率も極めて高いことが分った。言い換えると、実施例1、2の試料は、比較例1の試料と比較して、極めて視認性の良い模様が形成されていることが分った。
(4−2)黒色階調領域の画素数の極大値を用いた評価の結果
実施例1、2及び比較例1の模様(開孔部)の境界の評価結果を下記の表1に示す。ただし「RG1」は黒色階調領域Aの画素数の極大値PBM1に対する、中間階調領域の中心階調GMM1における画素数PMM1の比RG1を示し、上記の式で計算される。表1に示すように、比RG1は、実施例1、2の試料では1.3、1.7で2以下であるのに対して、比較例1の試料では2.1で2よりも大きかった。したがって実施例1、2の試料は、比較例1の試料と比較して、黒色に近い灰色の画素の割合が、灰色の画素の割合よりも多いことが分った。言い換えると、実施例1、2の試料は、比較例1の試料と比較して、開孔部(模様)と非開孔部との境界が明瞭であり、視認性の良い模様が形成されていることが分った。
(4−3)黒色階調領域及び白色階調領域の画素数の極大値を用いた評価の結果
実施例1、2及び比較例1の模様(開孔部)の境界の評価結果を下記の表1に示す。ただし「RG2」は黒色階調領域A及び白色階調領域Aの画素数の極大値の和(PBM1+PWM1)に対する、黒色階調領域A及び白色階調領域Aのピーク同士を結ぶ直線Eにおける中間階調領域の中心階調GMM1での値PMM1’と中心階調GMM1における画素数PMM1との差、の比を示し、上記の式で計算される。表1に示すように、比RG2は、実施例1、2の試料では0.13、0.10で0.1以上であるのに対して、比較例1の試料では0.096で0.1よりも小さかった。したがって実施例1、2の試料は、比較例1の試料と比較して、黒色に近い灰色及び白色に近い灰色の画素の割合が、灰色の画素の割合よりも多いことが分った。言い換えると、実施例1、2の試料は、比較例1の試料と比較して、開孔部(模様)と非開孔部との境界が明瞭であり、視認性の良い模様が形成されていることが分った。
Figure 0006462758
9 スパンレース不織布
9g 模様存在領域
9h 模様非存在領域
40 模様
40a 開孔部

Claims (8)

  1. 長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、模様を有するスパンレース不織布であって、
    前記模様が存在する模様存在領域と、
    前記模様存在領域以外の模様非存在領域と、を有し、
    前記模様は、平面視で、前記スパンレース不織布を前記厚さ方向に貫通する複数の開孔部を含んでおり、
    前記スパンレース不織布を前記厚さ方向の上方から撮影した画像において、
    前記画像のうちの前記模様存在領域を示す部分における所定面積の領域を複数の画素に分割し、各画素の色を、黒色から白色までの複数の階調を有するグレースケールで表現したとき、ただし、前記グレースケールは、黒色側の黒色階調領域と、白色側の白色階調領域と、前記黒色階調領域と前記白色階調領域との間の中間階調領域と、を有しており、
    前記模様存在領域を示す部分において、
    前記黒色階調領域及び前記白色階調領域は、それぞれ画素数の極大値のピークを有する階調を含み、
    前記黒色階調領域の画素数の極大値に対する、前記中間階調領域の中心の階調における画素数の比は2以下である、
    スパンレース不織布。
  2. 前記模様存在領域を示す部分において、
    前記黒色階調領域及び前記白色階調領域の画素数の極大値の和に対する、前記黒色階調領域及び前記白色階調領域のピーク同士を結ぶ直線における前記中間階調領域の中心階調での値と前記中心階調における画素数との差、の比は0.1以上である、
    請求項1に記載のスパンレース不織布。
  3. 前記スパンレース不織布は、パルプ繊維を含み、
    前記複数の開孔部の各々は、前記長手方向及び前記幅方向と平行な面内方向に前記開孔部の貫通孔を所定の幅で囲み、前記厚さ方向に延びる輪郭領域を有し、
    前記輪郭領域のパルプ繊維の繊維密度が、前記模様非存在領域におけるパルプ繊維の繊維密度よりも高い、
    請求項1又は2に記載のスパンレース不織布。
  4. 第1の外層と、第2の外層と、前記第1の外層と前記第2の外層との間に位置し、前記パルプ繊維を含む中間層とを備える、
    請求項3に記載のスパンレース不織布。
  5. 前記中間層は、前記第1の外層及び前記第2の外層よりも高い繊維密度を有する、
    請求項4に記載のスパンレース不織布。
  6. 前記中間階調領域は、画素数の極小値を有する階調を含み、
    前記極小値は、前記黒色階調領域及び前記白色階調領域の画素数の極大値よりも小さい、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスパンレース不織布。
  7. 前記複数の開孔部は、互いに形状が異なる少なくとも二種類の開孔部を含み、
    前記少なくとも二種類の開孔部の各々の形状は、円、楕円、多角形、直線、曲線、又は、これらの組み合わせから選択される、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスパンレース不織布。
  8. 前記模様非存在領域は、
    前記スパンレース不織布の前記幅方向の中央部に位置し、前記長手方向に延びる中央部模様非存在領域と、
    前記スパンレース不織布の前記幅方向の端部に位置し、前記長手方向に延びる端部模様非存在領域と、を含み、
    前記模様存在領域は、
    前記中央部模様非存在領域と前記端部模様非存在領域との間に位置し、前記長手方向に延びる端部模様存在領域を含む、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載のスパンレース不織布。
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