JP2002058619A - 開口部を有する対象面の拭き取りに適した清掃シートおよび網戸用清掃シート - Google Patents

開口部を有する対象面の拭き取りに適した清掃シートおよび網戸用清掃シート

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JP2002058619A
JP2002058619A JP2000248981A JP2000248981A JP2002058619A JP 2002058619 A JP2002058619 A JP 2002058619A JP 2000248981 A JP2000248981 A JP 2000248981A JP 2000248981 A JP2000248981 A JP 2000248981A JP 2002058619 A JP2002058619 A JP 2002058619A
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fiber
heat
cleaning sheet
nonwoven fabric
shrinkable
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JP2000248981A
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Akihiko Kawanaka
彰彦 川中
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Daiwa Boseki KK
Daiwabo Co Ltd
Daiwabo Polytec Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Boseki KK
Daiwabo Co Ltd
Daiwabo Polytec Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水口などのスリット状開口部や網戸などの
メッシュ状開口部を有する対象面の拭き取りに適した、
特には網戸の清掃に好適な清掃シートを提供することを
目的とする。 【解決手段】 最大熱収縮率を少なくとも50%とする
熱収縮性繊維と、前記熱収縮性繊維が収縮する温度では
実質的に収縮しない非熱収縮性繊維とを含有する繊維ウ
ェブに水流交絡処理を施し、繊維同士を交絡させた後、
加熱処理を施して熱収縮性繊維を収縮させて不織布の表
面に不規則な多数の皺を形成させて、開孔部を有する対
象面の拭き取りに適した清掃シートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水口などのスリ
ット状開口部や網戸などのメッシュ状開口部を有する対
象面の拭き取りに適した、特には網戸の清掃に好適な清
掃シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、清掃シートとして様々な不織
布が提案されている。例えば、親水性繊維や疎水性繊維
からなる繊維ウェブを水流交絡処理した平面状の清掃シ
ートが提案されている。また、凹凸のある清掃シートと
して、特開平5−192285号公報には、繊維ウェブ
と網状シートを絡合し、表面に多数の凹凸を形成させ、
薬剤を担持させた清掃用物品が提案されている。特開2
000−34659号公報には、熱収縮性繊維と非収縮
性繊維を含有し、熱収縮により不織布表面に多皺を形成
させて、硬質表面に付着したペースト状物やクリーム状
物を形成する汚れを拭き取るのに好適なトラップシート
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平面状
の清掃シートでは、網戸などのメッシュ状開口部や排水
口などのスリット状開口部を有する対象面では、開口部
の角や壁面を拭き取ることが困難であるだけでなく、網
戸のような比較的柔らかい材質からなるメッシュ状開口
部であると、不織布を構成している繊維がメッシュ間に
引っかかったりして容易に毛羽立ったり、逆に脱落した
繊維が対象面に付着したりする。一方、特開平5−19
2285号公報あるいは特開2000−34659号公
報は、床、ガラス、車のボディなどの硬質表面の清掃を
主眼としており、網戸などのメッシュ状開口部や排水口
などのスリット状開口部を有する対象面については何ら
検討がなされていないのが実情である。本発明は、排水
口などのスリット状開口部や網戸などのメッシュ状開口
部を有する対象面の拭き取りに適した、特には網戸の清
掃に好適な清掃シートを提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、拭き取り面に不規則な多数の皺を形成させた不織布
を用いることにより、排水口などのスリット状開口部や
網戸などのメッシュ状開口部を有する対象面の拭き取り
性に優れた清掃シートを得ることが判り、本発明に至っ
た。
【0005】前記不規則な皺の数は、不織布2.5cm四
方あたりに20〜100個であることが好ましい。ま
た、不規則な多数の皺において、長さ2〜5mmの範囲の
皺は、20%以上の数を占めることが好ましい。さら
に、不織布の1cm2あたり29.4mN荷重時の厚みは、
0.9mm以上であることが好ましい。
【0006】前記不規則な多数の皺は、不織布の両面に
形成されていることが好ましい。
【0007】前記不織布は、最大熱収縮率を少なくとも
50%とする熱収縮性繊維10〜50mass%と、前記熱
収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しない非熱
収縮性繊維90〜10mass%とを含有し、繊維同士が交
絡した不織布からなることが好ましい。さらに、非熱収
縮性繊維は、親水性繊維であることがより好ましい。
【0008】前記不織布は、最大熱収縮率を少なくとも
50%とする熱収縮性繊維を少なくとも20mass%含有
する第1繊維層とし、前記第1繊維層の少なくとも片面
に前記熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮し
ない非熱収縮性繊維からなる第2繊維層を積層し、これ
ら2層を交絡一体化した不織布からなることが好まし
い。さらに、第2繊維層は、親水性繊維を30%以上含
有することがより好ましい。
【0009】そして、本発明の清掃シートは、不織布に
湿潤成分を含有させることが好ましい。
【0010】また、得られた清掃シートは、網戸の清掃
に用いることが好ましい。以下、本発明の内容を具体的
に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の開孔部を有する対象面の
拭き取りに適した清掃シートは、拭き取り面に不規則な
多数の皺が形成された不織布を用いたものである。ここ
でいう不規則な多数の皺とは規則的に熱圧着加工等によ
りパターン付けした不織布とは異なり、凹凸の長さ、高
さ、幅が不均一であり、また、凹凸を形成している方向
も不織布製造時の機械の配列方向(以下、MD方向とい
う)と直交する方向(以下、CD方向という)に完全に
整列しているのではなく、CD方向ではあるが様々な方
向に延びているものをいう。また、拭き取り対象面でい
う開口部とは、排水口などのスリット状開口部や網戸な
どのメッシュ状開口部などプラスチックや金属などの成
型品、織物、編物、ネット状物で構成されたものを指
し、本発明の清掃シートの拭き取り能力を十分に発揮さ
せる開口部の大きさとしては、差し渡し長さが6mm以
下、好ましくは3mm以下、さらに好ましくは網戸のメッ
シュの大きさのものを対象とするのがよい。
【0012】本発明のおける前記不規則な皺の具体的な
数としては、不織布2.5cm四方あたりに20〜100
個であることが好ましい。より好ましくは、40〜80
個である。皺の数が20個未満であると、拭き取り対象
面の角や壁面に皺が入り込みにくく拭き取り性に劣り、
100個を超えると、皺自体が小さくなるだけでなく、
皺同士の空間が少なくなるため、対象面の開口部に皺が
入り込みにくくなり拭き取り性に劣るからである。
【0013】また、不規則な多数の皺における具体的な
長さとしては、長さ2〜5mmの範囲の皺が20%以上の
数を占めることが好ましい。より好ましくは、長さ2〜
5mmの皺が40%以上の数を占めることである。本発明
でいう長さ2〜5mmの範囲の皺の数は、不織布表面から
任意に縦2.5cm、横2.5cm四方を3カ所選択し、
2.5cm四方中に形成される皺の長さをそれぞれ測定
し、長さ2〜5mmの範囲の皺の数から全皺の数を除し
て、100を乗じて算出して求める。皺の長さが2〜5
mmの範囲の皺が20%未満であると、開口部、特に網戸
のような差し渡し長さの小さい開口部には皺が入り込み
にくく、拭き取り性に劣るからである。また、皺の長さ
があまり長すぎると、皺の配列に方向性が生じるため、
皺の配列に直交する方向に対しては拭き取り性がよい
が、皺の配列方向に対しては皺の凹凸が寄与せず、拭き
取り性が低下するからである。
【0014】また、不織布の1cm2あたり29.4mN荷
重時の厚みが0.9mm以上であることが好ましい。より
好ましくは、1.1mm以上である。本発明でいう厚み
は、不織布を任意に10カ所測定し、その平均値を求め
る。不織布の厚みが0.9mm未満であると、皺の凹凸が
不十分なため、開口部の壁面にまで皺が入り込むことが
できず、拭き取り性に劣るからである。
【0015】次に、前記不織布は、熱収縮性繊維を含有
させることにより製造することができる。本発明に用い
られる熱収縮性繊維は、潜在的に熱収縮性能を有する繊
維であれば特に限定されない。潜在的に熱収縮性能を有
する繊維としては、例えば、ポリエステル/共重合ポリ
エステル、ポリプロピレン/エチレン−プロピレン共重
合体、ポリプロピレン/エチレン−ブテン−プロピレン
三元共重合体などの組み合わせからなる見かけ上熱収縮
するサイドバイサイド型複合繊維または偏心芯鞘型複合
繊維、あるいは共重合ポリエステル、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−ブテン−プロピレン三元共重
合体からなる潜在熱収縮性繊維が挙げられる。特に、本
発明においては、最大熱収縮率が少なくとも50%であ
る熱収縮性繊維を含有することが好ましい。ここでいう
最大熱収縮率とは、加熱された繊維が繊維形状を保った
ままの収縮状態での最高の収縮率をいう。なお、繊維の
熱収縮率は、JIS−L−1013 7.16.2(熱
収縮温度)に準じ、試料長を10cm、初荷重を2mg/dte
xとして所定の温度における試料長を測定し、収縮前の
試料長(10cm)から収縮後の試料長を差し引いた値を
収縮前の試料長で除して、100を乗じて求めることが
できる。熱収縮性繊維の最大熱収縮率が50%未満であ
ると収縮が不十分となり、不規則な多数の皺が形成され
ないからである。
【0016】上記を満たす熱収縮性繊維としては、例え
ば融点が130〜145℃のエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体(EP)を少なくとも70mass%以上含む
ポリマーからなる繊維が好適である。上記融点とは、ポ
リマーの示差熱熱量測定(DSC)をおこなうときのD
SC曲線が最高値を示すときの温度をいう。融点が13
0℃未満であるとポリマーがゴム的弾性を示すようにな
り、繊維のカード通過性が悪くなる。逆に145℃を超
えると、繊維の熱収縮性が通常のポリプロピレン程度と
なってしまうために好ましくない。また、エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体の占める割合が70mass%未
満となると、得られる繊維の最大熱収縮率が50%未満
となり、好ましくない。エチレン−プロピレンランダム
共重合体と混合するポリマーとしては、エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1三元共重合体やポリプロピレン等の
ポリオレフィン系ポリマーを用いることが好ましい。
【0017】前記熱収縮性繊維の繊度は、0.9〜7dt
exであることが好ましい。繊度が0.9dtex未満である
と、繊維ウェブとしてカードウェブを採用した場合、カ
ード通過性に劣り、また後述する水流交絡処理での繊維
同士の交絡性が高くなりすぎ、皺の大きさが細かくなり
すぎるからである。また、7dtexを超えると、水流交絡
処理での繊維同士の交絡性に劣り、大きな畝状の皺しか
形成させることができないからである。
【0018】そして、前記熱収縮性繊維を含有する繊維
ウェブの形態としては、前記熱収縮性繊維と、前記熱収
縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しない非熱収
縮性繊維とを混合した混合ウェブ形態、あるいは熱収縮
性繊維を第1繊維層とし、前記第1繊維層の少なくとも
片面に前記熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収
縮しない非熱収縮性繊維からなる第2繊維層を積層した
積層ウェブ形態が挙げられる。まず、熱収縮性繊維と非
熱収縮性繊維との混合ウェブとする場合、具体的には、
最大熱収縮率を少なくとも50%とする熱収縮性繊維1
0〜50mass%と、非熱収縮性繊維90〜50mass%と
を含有させることが好ましい。より好ましくは、熱収縮
性繊維20〜40mass%と、非熱収縮性繊維80〜60
mass%の範囲である。熱収縮性繊維が10mass%未満で
あると、熱処理後の収縮が不十分であり、大きな畝状の
皺しか形成することができない。熱収縮性繊維が50ma
ss%を超えると、微細な皺が多数形成されるが凹凸が不
明瞭となり、拭き取り性に劣るからである。
【0019】また、熱収縮性繊維と混合する非熱収縮性
繊維は、熱収縮性繊維が収縮する温度において実質的に
収縮しないものであれば素材等は特に限定されない。こ
こでいう実質的に収縮しないとは、熱収縮性繊維が収縮
する温度での熱収縮率が10%以下のものを指す。例え
ば、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊
維、コットン、ウール、シルク、パルプ等の天然繊維、
アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステ
ル、ナイロン、塩化ビニル、ビニロン等の合成繊維等の
中から任意に一あるいは二以上選択して使用することが
できる。また、その繊維形状等も限定されず、単一繊
維、鞘芯型複合繊維、並列型複合繊維、分割型複合繊
維、あるいは異形断面を有する繊維等を任意に使用する
ことができる。なかでも、非熱収縮性繊維としてレーヨ
ン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、コット
ン、ウール、シルク、パルプ等の天然繊維からなる親水
性繊維を用いると、水流交絡性がよく、皺形状が明瞭と
なるだけでなく、薬液含浸性に優れ、薬液保持性に優れ
る点で好ましい。また、非熱収縮性繊維として熱接着性
繊維を用いると、耐摩耗性を向上させることができ、分
割型複合繊維を分割発現させた繊維などの極細繊維を用
いると、拭き取り効果が向上し、好ましい。
【0020】前記混合ウェブの繊維ウェブ形態は特に限
定はされず、パラレルウェブ、セミランダムウェブ、ラ
ンダムウェブ、クリスクロスウェブ、クロスレイウェブ
などのカードウェブ、エアレイウェブ、湿式抄紙ウェ
ブ、スパンボンドウェブ、メルトブローウェブなどが挙
げられる。特には、パラレルウェブあるいはセミランダ
ムウェブが、不織布の縦方向に収縮しやすく、長い畝状
の皺が形成される点で好ましい。また、上記繊維ウェブ
は、一旦熱などで仮接着を施しておいてもよい。
【0021】一方、熱収縮性繊維を第1繊維層とし、前
記第1繊維層の少なくとも片面に前記熱収縮性繊維が収
縮する温度では実質的に収縮しない非熱収縮性繊維から
なる第2繊維層を積層した積層ウェブとする場合、具体
的には、最大熱収縮率を少なくとも50%とする熱収縮
性繊維を少なくとも20mass%含有する第1繊維層と
し、前記第1繊維層の少なくとも片面に前記熱収縮性繊
維が収縮する温度では実質的に収縮しない非熱収縮性繊
維からなる第2繊維層を積層することが好ましい。第1
繊維層における熱収縮性繊維のより好ましい含有量は、
50mass%以上である。第1繊維層における熱収縮性繊
維の含有量が20mass%未満であると、十分な収縮が得
られず、多数の皺が形成されにくくなるからである。ま
た、本発明においては、第1繊維層の両面に非熱収縮性
繊維からなる第2繊維層を積層した積層ウェブの方が、
両面を拭き取り面とすることができ、経済的である。
【0022】また、第1繊維層と積層する第2繊維層に
用いる非熱収縮性繊維としては、熱収縮性繊維が収縮す
る温度において実質的に収縮しないものであれば素材等
は特に限定されない。例えば、レーヨン等の再生繊維、
アセテート等の半合成繊維、コットン、ウール、シル
ク、パルプ等の天然繊維、アクリル、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニル、
ビニロン等の合成繊維等の中から任意に一あるいは二以
上選択して使用することができる。また、その繊維形状
等も限定されず、単一繊維、鞘芯型複合繊維、並列型複
合繊維、分割型複合繊維、あるいは異形断面を有する繊
維等を任意に使用することができる。なかでも、非熱収
縮性繊維としてレーヨン等の再生繊維、アセテート等の
半合成繊維、コットン、ウール、シルク、パルプ等の天
然繊維からなる親水性繊維を用いると、水流交絡性がよ
く、皺形状が明瞭となるだけでなく、薬液含浸性に優
れ、薬液保持性に優れる点で好ましい。第2繊維層にお
ける前記親水性繊維の含有量は、30mass%以上である
ことが好ましい。より好ましくは、50mass%以上であ
る。親水性繊維が30mass%未満であると、後述する湿
潤性分を含有させることが困難となるからである。ま
た、非熱収縮性繊維として熱接着性繊維を用いると、耐
摩耗性を向上させることができ、分割型複合繊維を分割
発現させた繊維などの極細繊維を用いると、拭き取り効
果が向上し、好ましい。
【0023】前記積層ウェブの繊維ウェブ形態は特に限
定はされず、パラレルウェブ、セミランダムウェブ、ラ
ンダムウェブ、クリスクロスウェブ、クロスレイウェブ
などのカードウェブ、エアレイウェブ、湿式抄紙ウェ
ブ、スパンボンドウェブ、メルトブローウェブなどが挙
げられる。特には、パラレルウェブあるいはセミランダ
ムウェブが、不織布の縦方向に収縮しやすく、長い畝状
の皺が形成される点で好ましい。また、上記繊維ウェブ
は、一旦熱などで仮接着を施しておいてもよい。
【0024】前記非熱収縮性繊維の繊度は、0.9〜7
dtexであることが好ましい。より好ましくは、1.5〜
4dtexである。繊度が0.9dtex未満であると、水流交
絡が進みすぎて皺が小さくなりすぎ、7dtexを超える
と、大きな畝状の皺は形成できるが、繊維間空隙が大き
くなりすぎ、埃、砂、ゴミ、髪の毛などの保持性に劣る
だけでなく、水流交絡処理での繊維同士の交絡性にも劣
り、耐摩耗性に劣るからである。ここで非熱収縮性繊維
として分割型複合繊維を用いた場合、分割発現後の極細
繊維の繊度を0.1〜0.8dtexの範囲となるように分
割数を調整するとよい。
【0025】そして、前記混合ウェブあるいは積層ウェ
ブは、繊維同士が交絡される。繊維同士を交絡させる方
法としては、ニードルパンチ法あるいは水流交絡処理法
が用いられるが、目付60g/m2以下の繊維ウェブを処理
するには、水流交絡処理法を採用するのが好ましい。水
流交絡処理は、従来からよく知られている方法で行うこ
とができ、その条件は最終的に得ようとする不織布の目
付や皺の形態等に応じて設定すればよい。例えば、孔径
0.05〜0.5mmのオリフィスが0.5〜1.5mm間
隔で設けられたノズルから水圧2〜4MPaの柱状水流を
繊維ウェブの表裏面側よりそれぞれ1〜4回ずつ噴射す
るとよい。
【0026】次いで、加熱処理を施して熱収縮性繊維を
収縮させて不織布の表面に不規則な多数の皺を形成させ
る。加熱処理温度は、不織布の面積収縮率が25〜85
%となるように調整される。具体的には、最大熱収縮率
が少なくとも50%である熱収縮性繊維を用いる場合
は、加熱処理温度を熱収縮性繊維が50%以上収縮する
温度で処理することが好ましい。さらに、熱収縮性繊維
が70%以上収縮し、熱収縮性繊維自体が熱接着する温
度とすると、繊維ウェブの毛羽立ちを抑制することがで
き耐摩耗性に優れ、明瞭な皺を得ることができ好まし
い。加熱処理温度が低すぎると、繊維ウェブの熱収縮が
不十分であり、加熱処理温度が高すぎると、繊維の収縮
が進行しすぎて不織布が硬いものとなるからである。
【0027】このようにして得られた不織布には、目的
に応じて、水、エチレングリコール、プロピレングリコ
ールなどの湿潤剤、アルコール類、抗菌剤、防かび剤、
香料など薬剤等の所望の湿潤成分を公知の方法によって
付与させるとよい。湿潤成分の保液率としても、その目
的に応じて適宜設定すればよいが、不織布質量に対して
通常100〜300mass%で湿潤させるとよい。特に、
網戸用に用いる場合であれば、上記湿潤成分以外に防虫
剤を含有させると、虫よけ効果も同時に有することがで
き好ましい。
【0028】
【実施例】以下、本発明の内容について実施例を挙げて
説明する。なお、得られた清掃シートのワイピング性能
は、以下のとおり測定した。 [ワイピング性能]縦15cm×横15cmの大きさに切断
した不織布を、スポンジ状パッド(商品名:ガラスクイ
ックル「らく〜にふけるパッド」、花王(株)製)に巻
き付け、50cm四方の大きさの汚れの付いた網戸(開口
部の大きさ:縦1mm、横1mm)を10回均一に拭き上
げ、網戸の汚れの落ち具合を下記のとおり評価した。 ◎:網の表面、壁面とも汚れがよく落ちていた。 ○:網の表面はよく落ちていたが、壁面は汚れが若干残
っていた。 △:網の表面、壁面とも汚れが若干残っていた。 ×:網の表面、壁面とも汚れが残っていた。
【0029】[実施例1]熱収縮性繊維として、繊度
2.2dtex、繊維長51mm、最大熱収縮率80%(14
0℃)、融点140℃のエチレン−プロピレン共重合体
からなる単一繊維(大和紡績(株)製、PNE)を30
mass%と、繊度1.7dtex、繊維長40mmのレーヨン繊
維(ダイワボウレーヨン(株)製)を70mass%とを混
合して目付30g/m2のパラレルウェブを作製した。次い
で前記ウェブに、孔径0.12mmのオリフィスが0.6
mm間隔で設けられたノズルから水圧2MPaの柱状水流を
表裏面側よりそれぞれ2回ずつ噴射して、繊維同士を交
絡させ一体化した後、熱風貫通型乾燥機を用いて80℃
で乾燥させた。次いで、前記不織布を熱風貫通型乾燥機
を用いて140℃で30秒間加熱処理を施し、熱収縮性
繊維を収縮させて不織布の両面に不規則な多数の皺が形
成された清掃シートを得た。
【0030】[実施例2]第1繊維層として、実施例1
の熱収縮性繊維を用い、目付10g/m2のパラレルウェブ
を作製した。第2繊維層として、実施例1のレーヨン繊
維を80mass%と鞘成分を高密度ポリエチレンとし、芯
成分をポリプロピレンとした繊度2.2dtex、繊維長5
1mmの鞘芯型熱接着性複合繊維(大和紡績(株)製、N
BF(H))を20mass%とを混合し、目付20g/m2
パラレルウェブを作製し、第1繊維層の両面に第2繊維
層を積層して積層ウェブとした。次いで、前記積層ウェ
ブを孔径0.12mmのオリフィスが0.6mm間隔で設け
られているノズルを用いて、第1繊維層を表面側として
水圧2MPaの柱状水流を2回、裏面側に水圧2MPaの柱状
水流を2回噴射して、繊維同士を交絡させ一体化した
後、熱風貫通型乾燥機を用いて80℃で乾燥させた。次
いで、前記不織布を熱風貫通型乾燥機を用いて140℃
で30秒間加熱処理を施し、熱収縮性繊維を収縮させて
不織布の両面に不規則な多数の皺が形成された清掃シー
トを得た。
【0031】[比較例1]熱接着性繊維として、実施例
2の鞘芯型熱接着性複合繊維を30mass%と、親水性繊
維として、実施例1のレーヨン繊維を70mass%とを混
合して目付60g/m2のパラレルウェブを作製した。次い
で前記ウェブに、孔径0.12mmのオリフィスが0.6
mm間隔で設けられたノズルから水圧3MPaの柱状水流を
表裏面側よりそれぞれ2回ずつ噴射して、繊維同士を交
絡させ一体化した後、熱風貫通型乾燥機を用いて140
℃で乾燥と同時に熱接着性繊維を溶融させて、繊維同士
を熱接着させて不織布を得た。実施例1、2、および比
較例1の物性を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の清掃用不織布は、拭き取り面に
不規則な多数の皺が形成された不織布を用いることによ
り、排水口などのスリット状開口部や網戸などのメッシ
ュ状開口部を有する対象面において対象面の表面だけで
なく、開口部にも多数の皺が入り込みやすく、開口部の
壁面部分の拭き取り性に優れる。また、本発明の不織布
によれば、皺自体の自由度に優れ、それぞれの繊維自身
も比較的自由度があるので、汚れを拭き取りやすく、拭
き取った汚れを皺と皺の間や繊維間空隙に取り込み、保
持することができる。熱収縮性繊維を10mass%以上含
有させると、前記不規則な多数の皺が形成された不織布
を得ることができる。さらに、非熱収縮性繊維として親
水性繊維を含有させると、湿潤成分の保液性に優れる。
そして、本発明の清掃用不織布は、網戸、排水口、三角
コーナー、茶こし、ざる、電話機、テレビ、パソコンな
ど電化製品のスピーカー部や冷却口、エアコンなどのフ
ィルター、扇風機カバー、工業用コンベアネットなどの
スリット状開口部やメッシュ状開口部など開口部を有す
る対象面の拭き取りに適しており、特には網戸の清掃に
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B074 AA08 AB01 AC02 4L047 AA12 AA14 AB02 AB10 BA04 CA02 CA19 CB04 CB10 CC16 DA00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拭き取り面に不規則な多数の皺が形成さ
    れた不織布からなる開孔部を有する対象面の拭き取りに
    適した清掃シート。
  2. 【請求項2】 不規則な皺の数が不織布2.5cm四方あ
    たりに20〜100個である請求項1に記載の清掃シー
    ト。
  3. 【請求項3】 不規則な多数の皺において、長さ2〜5
    mmの範囲の皺が皺全体の20%以上の数を占める請求項
    1または2に記載の清掃シート。
  4. 【請求項4】 不織布の1cm2あたり29.4mN荷重時
    の厚みが0.9mm以上である請求項1〜3のいずれかに
    記載の清掃シート。
  5. 【請求項5】 不規則な多数の皺が不織布の両面に形成
    されている請求項1〜4のいずれかに記載の清掃シー
    ト。
  6. 【請求項6】 不織布が最大熱収縮率を少なくとも50
    %とする熱収縮性繊維10〜50mass%と、前記熱収縮
    性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しない非熱収縮
    性繊維90〜50mass%とを含有し、繊維同士が交絡し
    た不織布からなる請求項1〜5のいずれかに記載の清掃
    シート。
  7. 【請求項7】 非熱収縮性繊維が親水性繊維である請求
    項6記載の清掃シート。
  8. 【請求項8】 不織布が最大熱収縮率を少なくとも50
    %とする熱収縮性繊維を少なくとも20mass%含有する
    第1繊維層とし、前記第1繊維層の少なくとも片面に前
    記熱収縮性繊維が収縮する温度では実質的に収縮しない
    非熱収縮性繊維からなる第2繊維層を積層し、これら2
    層を交絡一体化した不織布からなる請求項1〜5のいず
    れかに記載の清掃シート。
  9. 【請求項9】 第2繊維層が親水性繊維を30mass%以
    上含有する請求項8記載の清掃シート。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の不織
    布に湿潤成分を含有させた開孔部を有する対象面の拭き
    取りに適した清掃シート。
  11. 【請求項11】 開孔部を有する対象面が網戸である請
    求項1〜10のいずれかに記載の網戸用清掃シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005029923A (ja) * 2003-07-14 2005-02-03 Uni Charm Corp 複合シートおよびその製造方法
JP2014196585A (ja) * 2013-03-04 2014-10-16 株式会社finetrack 長繊維不織布およびその長繊維不織布を有する積層生地

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