JP4540413B2 - ウエットシート - Google Patents

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Description

本発明は、液体が含浸されたウェットシートに関する。
シート基材に液体を含浸させてなるウェットシートを複数枚重ねて容器中に保存すると、重力の影響で液体は下の方に移動する傾向にあり、液体の含有量がシート毎に異なってしまう場合がある。これに起因して、ウェットシートの使用時に、液体の性能が十分に発揮されないことがある。また液体の含有量が少ないことによる使用感の低下も起こりやすい。更に、場合によっては、容器の底に液体が溜まってしまい、液が無駄になってしまう。例えばウェットシートがメイク落としシートの場合、重ねたシートのうちの上の方のシートは洗浄性に劣り、下の方のシートはべたついて感触が悪くなる。
ウェットシートを複数枚重ねて保存しても液体の移動が起こらないようにするために、坪量が15〜200g/m2であるポリオレフィン樹脂のメルトブローン不織布を用いることが提案されている(特許文献1参照)。このメルトブローン不織布は、孔の少なくとも65%が、20〜60μmのサイズを持つ孔で占められていることを特徴としている。
これとは別に、本出願人は先に、少なくとも1層のシートが親水性繊維を含有する、異種又は同種の、エンボス加工により凹凸賦形された2層以上の凹凸シートを重ね合わせ、隣り合う該凹凸シート同士が接合された領域を有するように該凹凸シートを部分的に圧着又は融着させてなる多層構造からなり、前記エンボス加工により凹凸賦形されているウェットシート用基材を提案した(特許文献2参照)。
特開昭63−54137号公報 特開2000−290899号公報
しかし特許文献1記載の技術においては、ポリオレフィン樹脂は疎水性であることから、これを原料とするメルトブローン不織布に水性液を含浸させる場合には、該不織布を親水化処理する必要があり、製造に手間がかかる。また、製造条件にもよるが、メルトブローン不織布は一般に風合いが良好でなく、特にこれを皮膚の清拭に用いると拭き心地が良くない場合がある。
特許文献2記載の技術によれば、ウェットシートを複数枚重ねて保存しても液体の移動が起こりにくくなる。しかし、液体の移動が一層起こりにくいウェットシート用の基材シートが求められている。
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得るウェットシート用シート基材を提供することにある。
本発明は、一対の外層と、該外層間に位置する内層とを備えた 3層構造の繊維シートからなり、液体が含浸されて身体の清拭に用いられるウェットシート用シート基材であって、各外層の平均繊維間距離が何れも3〜35μmであり、内層の平均繊維間距離は1〜25μmであり、また各外層は何れも内層よりも平均繊維間距離が大きいウェットシート用シート基材を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明のシート基材によれば、感触が良好であり、しかも液体を含浸させて複数枚を積層状態で保存しても、液体の移動が少なくなる。従って、含浸された液体の性能を十分に発揮させることができる。また液体が適正な量でシートから放出されるので、身体の洗浄性が良好になる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のシート基材は、液体が含浸されてウェットシートとなされるものであり、液体の含浸前はドライな状態のものである。シート基材は、繊維材料を含む3層構造の繊維シートからなる。各層としては、各種織布、不織布、編布、それらの複合体などを用いることができる。液体の保持性能や製造経費を考慮すると、各種不織布を用いることが好ましい。
本発明のシート基材においては、各外層は何れも内層よりも平均繊維間距離が大きくなっている。それによって、内層と外層における毛管力に差を生じさせている。この結果、ウェットシートの積層保存中における液体の移動が起こりにくくなり、また良好な風合いが保たれる。
ウェットシートの積層保存中における液体の移動を起こりにくくする観点から、各外層はその平均繊維間距離が3〜35μmであり、好ましくは3.5〜33μm、更に好ましくは4〜31μmとなっている。平均繊維間距離が3μm未満では、内層の平均繊維間距離との差を十分につけることができない。35μm超では、液体の移動が起こりやすくなる。各外層における平均繊維間距離は同一でもよく或いは異なっていてもよい。平均繊維間距離は次式から算出される。
Figure 0004540413
液体の移動を起こりにくくするために、本発明においては、前述した外層の平均繊維間距離に加えて、内層の平均繊維間距離が1〜25μmであり、好ましくは2〜23μmとなっている。外層の平均繊維間距離は内層の平均繊維間距離よりも大きく、具体的には内層の平均繊維間距離の101〜1000%、特に120〜750%になっていることが、ウェットシートの積層保存中における液体の移動を起こりにくくする観点から好ましい
前述した内外層の平均繊維間距に加えて、各外層と内層との見掛け密度の差の絶対値が好ましくは0〜0.32g/cm3、更に好ましくは0〜0.12g/cm3であると、ウェットシートの積層保存中における液体の移動が一層起こりにくくなる。この場合、各外層の見掛け密度の方が内層の見掛け密度よりも大きくてもよく、或いは逆に内層の見掛け密度の方が各外層の見掛け密度よりも大きくてもよい。
見掛け密度は以下のようにして測定される。積層一体化させる前の各層を100mm×100mmの寸法に切り出してその重量を測定し、これを1m2の重量に換算して坪量を求める。また、切り出した各層の厚みを20gf/cm2の荷重下で測定する。得られた坪量を厚みで除して見掛け密度を求める。
外層と内層との見掛け密度の差は前述の通りであり、各層の見掛け密度は次の通りであることが好ましい。外層に関しては、その見掛け密度が0.04〜0.50g/cm3、特に0.05〜0.21g/cm3であることが好ましい。この場合、両外層は、その見掛け密度が同じでもよく、或いは異なっていてもよい。一方、内層に関しては、その見掛け密度が0.05〜0.40g/cm3、特に0.08〜0.18g/cm3であることが好ましい。特に各外層の見かけ密度を内層の見掛け密度よりも小さくすることにより、内層で液の移動を抑制しつつ、嵩高でふっくらとした柔らかい感触のシート基材ができるため好ましい。
本発明のシート基材は液体の拡散性向上のため、配向が2.5〜4.0であることが好ましい。2.5以上にすることで液の拡散性が好ましくなり、4.0以下にすることで製造が容易になる。ここでいう配向とは分子配向のことであり、例えば王子計測機器株式会社 MOA−2001Aによって測定することができる。
本発明のシート基材は、液体が400%含浸され、5g/cm2の荷重を10秒間加えた状態での液体の徐放率が280%以上であることが、シート基材から十分な量の液体を徐放させることができ、汚れの除去性能を高め得る点から好ましい。シートから徐放された液体は、肌の汚れやメイク汚れを溶解・肌から除去した後、シート基材に吸い戻されることにより肌の汚れを除去することが可能になる。
徐放率の測定条件を「5g/cm2の荷重を10秒間加えた状態」とする理由は、当該荷重と時間が人が肌を清拭する際の条件とほぼ一致することによる。徐放率は以下の方法で測定される。50mm×200mmの大きさに調整したシート基材の重量Aを測定し、重量Aの4倍に相当する重量の液体を含浸させる。含浸後の重量をBとする。次に液体を含浸させたシート基材をキムタオル(商品名;クレシア(株)社製)で全体を包み込む。次に、キムタオルで包んだシート基材の上に、100mm×100mmのアクリル板を載せ、その上に合計500gの荷重がかかるように重りを載せる。10秒後に重り及びアクリル板を取り除いた後に、シート基材の重量Cを測定し、以下の式により徐放率を算出する。
徐放率(%)=(B−C)/A×100
先に述べた通り、外層及び内層は何れも不織布から構成されていることが好ましい。内層は疎水性繊維を30重量%以上含んでいることが液体の下方への移動を抑える点から好ましい。内層は疎水性繊維100%からなっていることが特に好ましい。内層はメルトブローン不織布、スパンボンド不織布、経緯直交不織布、スパンレース不織などから構成されていることが好ましい。経緯直交不織布としてはミライフ(商品名;新日石プラスト(株))の縦だけ又は縦横の不織布が好ましい。内層がメルトブローン不織布から構成されていると、該内層が、液体の下方への移動を妨げる遮断層として作用する効果が極めて大きくなるので特に好ましい。メルトブローン不織布は極細繊維から構成されているので、平均繊維間距離が短く、毛管力によって液体を保持する能力が高いからである。
液体の下方への移動を妨げる効果は、メルトブローン不織布の坪量にも関係する。坪量が低すぎると、液体を十分に保持することができず、液体が下方へ移動しやすくなる傾向にある。一方、坪量が高すぎると、液を保持する能力は十分であるものの、ウェットシートの使用感が低下する傾向にある。本発明のシート基材は、身体の清拭用のウェットシートに用いられるものであるから、商品の要求特性上、使用感は重要な項目である。これらを勘案すると、内層として用いられるメルトブローン不織布の坪量は、1〜60g/m2、特に2〜40g/m2であることが好ましい。
前記の坪量の値、及び先に述べた見掛け密度の値との関係から、内層として用いられるメルトブローン不織布の厚みは0.02〜0.30mm、特に0.03〜0.25mmであることが好ましい。
内層として用いられるメルトブローン不織布を構成する繊維としては、各種熱可塑性樹脂の繊維を用いることができる。繊維が本来的に疎水性である場合には、各種親水化処理を施して親水性にすることが好ましい。メルトブローン不織布は、繊維が極めて細いことによって特徴付けられる。本発明に用いられるメルトブローン不織布は、その繊度が0.001〜0.1dtex、特に0.008〜0.08dtexであることが、内層の平均繊維間距離を先に述べた範囲内にコントロールしやすいので好ましい。
一方、外層を構成する不織布としては、例えば湿式スパンレース不織布、乾式スパンレース不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布などの各種不織布を用いることができる。これらの不織布のうち、液体の含浸性能、保持性能、風合い等の点から湿式スパンレース不織布又は乾式スパンレース不織布等を用いることが好ましい。
各外層をスパンレース不織布から構成する場合、その繊維間距離をコントロールするためには、使用する繊維の種類を適宜選択したり、ウェブを水流交絡させるときの水圧を適宜コントロールすればよい。例えば水圧を高めに設定すると繊維間距離は小さくなる傾向にある。逆に水圧を低めに設定すると繊維間距離は大きくなる傾向にある。先に述べた平均繊維間距離を有する外層を得るためには、水流交絡の水圧は、ウェブの坪量にもよるが、一般に3〜35MPa、特に10〜30MPaであることが好ましい。水流交絡は目的に応じて何回かに分けて行われてもよい。水圧はウェブの表若しくは裏からかけられてもよく、又は両面からかけられても良い。また、水圧は何段階かに調整してもよく、その際には最大水圧が前述の水圧になるように調整すればよい。また、必要に応じて、水流交絡後にプレスロールでプレスしたり、水流交絡した後に乾燥を行い、その後プレスを行うこともできる。プレスの条件としては線圧で1〜60kg/cmが好ましく、さらに好ましくは10〜50kg/cmである。
各外層を構成するスパンレース不織布には、親水性繊維が55重量%以上含まれていることが好ましい。更に好ましくは65重量%以上、一層好ましくは75重量%以上親水性繊維が含まれている。勿論、親水性繊維100%から外層が構成されていてもよい。各外層における繊維の配合は同じでもよく、或いは異なっていてもよい。
親水性繊維としては、本来親水性を有する繊維、及び本来は親水性でないが親水化処理によって親水性になされた繊維の双方を用いることができる。本来親水性を有する繊維としては、例えばコットン等の天然繊維や、パルプ、レーヨン、アクリル、キュプラ、テンセル、リヨセル等が挙げられる。本来は親水性でないが親水化処理によって親水性になされた繊維としては、例えばポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂等の疎水性樹脂からなる繊維に親水化処理を施した繊維が挙げられる。これらの繊維のうち、風合いの良好さの点からコットン、レーヨン、アクリル、テンセル、リヨセルを用いることが好ましく、特にコットンを用いることが好ましい。親水性繊維は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
親水性繊維として、前述のコットン繊維に加えて、嵩高性を向上させるために潜在捲縮繊維を配合しても良い。潜在捲縮繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルからなる繊維で芯鞘構造や偏芯構造、サイドバイサイド構造のものを使用できる。これによって、外層の各種特性を高めることが可能となる。
外層に用いられる親水性繊維は、その繊度が好ましくは0.2〜5.5dtexであり、更に好ましくは0.8〜4.4dtex、一層好ましくは1.3〜3.3dtexである。この範囲の繊度の繊維を用いると、先に述べた繊維間距離を適正にコントロールすることが容易となる。親水性繊維を二種以上用いる場合には、少なくとも一種の親水性繊維の繊度が前記の範囲内であることが好ましい。特に、すべての親水性繊維の繊度が前記の範囲内であることが好ましい。
天然繊維であるコットンを用いた場合は断面形状が真円でないので、断面の縦横比を3として計算した場合に、前記の太さ範囲に入ることが好ましい。この範囲の繊維径の繊維を用いると、先に述べた繊維間距離を適正にコントロールすることが容易となる。親水性繊維を二種以上用いる場合には、少なくとも一種の親水性繊維の太さが前記の範囲内であることが好ましい。更に好ましくはすべての親水性繊維の太さが前記の範囲内とする。
親水性繊維としてコットンを用いた場合、マイクロネア繊度(μg/in)は2.5〜6.0μg/inが好ましく、3.1〜4.4μg/inが感触も良好になりより好ましい。
親水性繊維の繊維長については特に制限はされないが、使用時の感触及び生産性の点から5〜70mmが好ましい。
各外層は、その坪量が10〜100g/m2、特に20〜50g/m2であることが、感触や柔らかさの点から好ましい。各外層の厚みは、前記の坪量の値、及び先に述べた見掛け密度の値との関係から、0.05〜0.60mm、特に0.10〜0.50mmであることが好ましい。各外層の坪量及び厚みは同じでもよく、或いは異なっていてもよい。
各外層と内層とは、各種方法によって一体化させることができる。一体化の手段としては例えばヒートエンボス等による熱融着、接着剤による接着、水流による繊維交絡などが挙げられる。内層がメルトブローン不織布からなり、外層がスパンレース不織布からなる場合には、メルトブローン不織布の一面にウェブを積層し、その上から高圧水流を噴射して、ウェブの構成繊維どうし及び該構成繊維とメルトブローン不織布の構成繊維とを繊維交絡させ、次いでメルトブローン不織布の他面にも同様の処理を施してシート基材を得ることが、簡便且つ経済的である。
シート基材はその坪量にもよるが、その厚みが0.22〜1.20mm、特に0.24〜1.00mm、とりわけ0.26〜0.80mmであることが好ましい。またシート基材はその坪量が20〜150g/m2、特に50〜100g/m2であることが好ましい。厚みおよび坪量がこの範囲内であれば、液体の保持性能を十分に高めることが可能となる。坪量は、シート基材を100mm×100mmの寸法に切り出してその重量を測定し、これを1m2の重量に換算して求める。厚みは、シート基材を100mm×100mmの寸法に切り出して、20gf/cm2の荷重下で測定する。
シート基材は、その飽和液量が単位重量当たり50〜1000%、特に100〜600%であることが好ましい。これによって十分な量の液体を保持することができる。飽和液量は、シート基材を構成する繊維によって形成される空間と、繊維自身の材質に依存するものである。従って、シート基材の厚みを単に薄くすれば液体の保持性能が向上するというものではなく、該性能を向上させるためには飽和液量も考慮する必要がある。飽和液量はシート基材を100mm×100mmの寸法に切り出してその重量を測定する。イオン交換水にシート基材を15分以上浸漬し、取り出し後に1分以上液をしたたり落とし、重量を測定し、浸漬前後の重量の差を計算することにより求めることができる。
本発明のシート基材には各種液体を含浸保持させるために、親水性繊維を55重量%以上含む他に、次式で示す空隙率を70〜99%、特に85〜99%とするのが好ましい。空隙率を70%以上とすることで、液体を十分保持することが可能になり、99%以下にすることで生産性を向上させることができる。
空隙率(%)=(ρ−ρ’)/ρ×100
式中、ρはシートの比重を表し、ρ’はシートの見かけ比重を示す。
本発明のシート基材には各種液体が含浸されウェットシートとなされる。含浸する液体の種類は、ウェットシートの具体的な用途に応じて適切なものが選択される。例えばウェットシートをメイク落としシートとして用いる場合には、液体として、界面活性剤を含む水性液、O/W乳化系エマルョン、W/O乳化系エマルョン、油剤のジェル、クリーム、オイルを用いることができる。特に非イオン系界面活性剤とグリセリンを含有する水溶液が好ましく、さらに前記非イオン系界面活性剤がモノラウリン酸ポリエチレングリコールであることが好ましい。マスカラ等の皮膚付着性の高い、水性及び油性メイクアップ化粧料の洗浄を目的とする場合には、水系増粘剤0.01〜0.5質量%、沸点が160〜300℃の油剤5〜30重量%、および水を含有するO/W乳化系エマルジョンが好ましく、前記油剤が沸点160〜300℃のイソパラフィンであるO/W乳化系エマルジョンがより好ましい。イソパラフィンとしては商品マルカゾールR(丸善石油化学株式会社)やIPソルベント1620、2028(出光石油化学株式会社)等を用いることができる。
シート基材への液体の含浸量は、ウェットシートの具体的な用途にもよるが、シート基材の単位重量当たり100〜600%、特に200〜450%であることが好ましい。また、液体の粘度は1〜1000000mPa・sであることが好ましく、塗工性を考慮すると1〜70000mPa・sであることが更に好ましい。
このようにして得られたウェットシートは、これを複数枚重ねて保存しても、液体の移動が抑制される。液体を含浸させたことによって、ウェットシートにおける各層の見掛け密度は、液体を含浸させる前のシート基材における各層の見掛け密度とは異なるものの、両密度に大きな差はない。またウェットシートの各層の繊維間距離に関しても、液体を含浸させる前のシート基材における各層の繊維間距離と大きな差はない。それ故、ウェットシートにおける液体の移動が抑制される。
本発明のシート基材を備えたウェットシートは、身体の清拭用シートとして用いられる。例えば、メイク落としシート、制汗シート、おしりふき等として好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
コットン繊維100%、レーヨン繊維100%、コットン繊維100%それぞれを原料として用い、3台のカード機で3層構造のカードウエブを作製した。その上から高圧水流を噴射して、カードウエブの構成繊維どうしを繊維交絡させた。これによって3層構造のシート基材を得た。各外層における平均繊維間距離は19.1μm、見掛け密度は0.177g/cm3であった。コットン繊維の繊度は1.7dtex相当であった。坪量は19.7g/m2、厚みは0.11mmであった。
このようにして得られたシート基材に洗浄液として以下の処方1に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。洗浄液の含浸率は380%であった。
〔実施例2〕
レーヨン繊維からなる内層に代えて、ポリプロピレンのメルトブローン不織布からなる内層を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行いシート基材を得た。このようにして得られたシート基材に洗浄液として以下の処方1に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。洗浄液の含浸率は380%であった。
〔実施例3〕
内層をPET100%の経緯直交不織布とする以外は、実施例2と同様の操作を行いシート基材を得た。このようにして得られたシート基材に洗浄液として以下の処方2に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。洗浄液の含浸率は380%であった。
Figure 0004540413
Figure 0004540413
〔比較例1〕
内層をPET繊維(繊度1.6dtex)100%とする以外は実施例1と同様の操作を行いシート基材を得た。このようにして得られたシート基材に洗浄液として処方2に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。洗浄液の含浸率は380%であった。
〔比較例2〕
内層をレーヨン繊維(繊度3.3dtex)100%とする以外は実施例と同様の操作を行いシート機材を得た。このようにして得られたシート基材に洗浄液として処方1に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。洗浄液の含浸率は380%であった。
〔性能評価〕
得られた種のシート基材について以下の方法で保存前後の含浸率の差、感触、洗浄力を評価した。これらの結果を以下の表3に示す。
〔保存前後の含浸率の差〕
シート基材を縦75mm×横200mmの寸法に裁断し、これに処方1又は2の洗浄液を含浸させた。含浸率は380重量%とした。このようにして得られたウェットシートを50枚重ねてピロー袋に入れ密封し、50℃で1ヶ月保存した。保存後に、室温に戻るまで放置した。ウェットシートをピロー袋から取り出し、上から2枚目のシートおよび上から49枚目のシートそれぞれの含浸率を測定した。両者の差を算出し、その値を上下の含浸率の差とした。また保存前後での2枚目及び49枚目のシートそれぞれの含浸率の差も求めた。なお最も下のシート及び最も上のシートは、ピロー袋の影響を受けているおそれがあるので、測定の対象としなかった。含浸率は、各ウェットシートの重量を測定した後、洗剤にてシートを洗浄し、蒸留水ですすいだ後に乾燥したシートの重量を測定し、次式から算出した。
含浸率(%)=(ウェットシート重量―乾燥シート重量)×100/乾燥シート重量
評価基準
・2枚目及び49枚目のシートについて
◎;調製直後の含浸率に対し、保存後の含浸率の差が±25%以内
○;同 ±40%以内
△;同 ±60%以内
×;同 ±60%より大きい
・2枚目及び49枚目のシートの保存後の含浸率の差について
◎;±25%以内
○;±40%以内
△;±60%以内
×;±60%より大きい
〔感触〕
10人のモニターにウェットシートで顔を拭き取らせ、その際の肌の感触を官能評価させた。
評価基準
◎;10人中8人以上が感触が良いと答えた。
○;10人中6人〜7人が感触が良いと答えた。
△;10人中4人〜5人が感触が良いと答えた。
×;10人中感触が良いと答えた人が3人以下
〔洗浄力〕
洗浄力の評価には、一般的なメイク汚れのうちで、最も強固な汚れである油性マスカラ及び口紅汚れの2種類を用いた。
〔油性マスカラ汚れ落とし評価〕
油性マスカラ(商品名 コーセー、スポーツ ビューティ ファシオ パワーステイマスカラ(カールロング)BK001、株式会社コーセー製)0.0045gを、スライドガラス上に直径1.2cmの円状に均一に塗布して12時間放置して乾燥させ、モデル汚れを得た。各ウエットシートをモデル汚れ上にあてて、5秒間軽く押さえてから一定圧(100g/cm2)で拭き取りを行い、モデル汚れを完全に除去できるまでに必要な拭き取り回数を測定した。
評価基準
◎;5回以下
○;6回以上、10回以下
△;11回以上、15回以下
×;16回以上
〔口紅汚れ落とし評価〕
口紅(商品名 オーブ口紅RS151 花王(株)製)を人下腕内側に円形状に0.02g塗布し、色差測定を行った(E1)。30分放置後に、各実施例及び比較例のウェットシートを用い、5回拭き取り操作を行った。拭き取り後に再度色差測定を行った(E2)。次式より洗浄率を算出した。色差の測定にはミノルタ色彩色差計CR−300(ミノルタカメラ(株)製)を使用した。以下の基準に従って評価を行った。
洗浄率(%)=(1−E2/E1)×100
評価基準
◎;洗浄率80%以上
○;洗浄率70%以上、80%未満
△;洗浄率50%以上、70%未満
×;洗浄率洗浄率50%未満
〔総合評価〕
2枚目の保存前後の含浸率の差、49枚目の保存前後の含浸率の差、2枚目と49枚目の含浸率の差、感触、洗浄力の5項目について以下の基準で評価を行った。
評価基準
◎;◎が3つ以上
○;◎が2つ
△;◎が1つ
×;◎が0
Figure 0004540413
表3に示す結果から明らかなように、各実施例のシート基材を用いたウェットシートは、比較例1及び2のシート基材を用いたウェットシートに比較して2枚目と49枚目との含浸率の差が小さく、液体の移動が抑制されていることが判る。また各実施例のシート基材を用いたウェットシートは、感触が良好で、しかも洗浄力に優れていることも判る。

Claims (7)

  1. 一対の外層と、該外層間に位置する内層とを備えた3層構造の繊維シートからなるシート基材に液体が含浸されており、身体の清拭に用いられるウェットシートであって、
    各外層の平均繊維間距離が何れも4〜31μmであり、内層の平均繊維間距離は1〜25μmであり、また各外層は何れも内層よりも平均繊維間距離が大きく、
    複数枚が重ねられているウェットシー
  2. 外層の平均繊維間距離は、内層の平均繊維間距離の101〜1000%である請求項1記載のウェットシート
  3. 内層の繊維シートが疎水性繊維を30重量%以上含んでいる請求項1又は2記載のウェットシート
  4. 内層がメルトブローン不織布からなる請求項1ないし3の何れかに記載のウェットシート
  5. 外層が親水性繊維を55重量%以上含んでいる請求項1ないし4の何れかに記載のウェットシート
  6. 外層が、親水性繊維としてコットン繊維を含んでいる請求項5記載のウェットシート
  7. シート基材の単位重量当たり100〜600%の液体が含浸されている請求項1ないし4のいずれかに記載のウェットシート。
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