JP2005330608A - ウェットシート用シート基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 風合いが良好であり、しかも液体を含浸させて複数枚を積層状態で保存しても、液体の移動が少ないウェットシート用のシート基材を提供すること。
【解決手段】 本発明のウェットシート用シート基材は、液体が含浸されてウェットシートとなされるものである。シート基材は、一種又は二種以上の親水性繊維を55重量%以上含む繊維シートからなる。繊維の繊維径は0.2〜5.5dtexで且つ前記シートを構成する繊維の繊維間距離は10〜35μmである。シート基材は好ましくはスパンレース不織布からなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液体が含浸されたウェットシートに用いられるシート基材に関する。
シート基材に液体を含浸させてなるウェットシートを複数枚重ねて容器中に保存すると、重力の影響で液体は下の方に移動する傾向にあり、液体の含有量がシート毎に異なってしまう場合がある。これに起因して、ウェットシートの使用時に、液体の性能が十分に発揮されないことがある。また液体の含有量が少ないことによる使用感の低下も起こりやすい。更に、場合によっては、容器の底に液体が溜まってしまい、液が無駄になってしまう。例えばウェットシートがメイク落としシートの場合、重ねたシートのうちの上の方のシートは洗浄性に劣り、下の方のシートはべたついて感触が悪くなる。
ウェットシートを複数枚重ねて保存しても液体の移動が起こらないようにするために、坪量が15〜200g/m2であるポリオレフィン樹脂のメルトブローン不織布を用いることが提案されている(特許文献1参照)。このメルトブローン不織布は、孔の少なくとも65%が、20〜60μmのサイズを持つ孔で占められていることを特徴としている。
特開昭63−54137号公報
しかし、ポリオレフィン樹脂は疎水性であることから、これを原料とするメルトブローン不織布に水性液を含浸させる場合には、該不織布を親水化処理する必要があり、製造に手間がかかる。また、製造条件にもよるが、メルトブローン不織布は一般に風合いが良好でなく、特にこれを皮膚の清拭に用いると拭き心地が良くない場合がある。
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得るウェットシート用シート基材を提供することにある。
本発明は、液体が含浸されてウェットシートとなされるウェットシート用シート基材であって、
一種又は二種以上の親水性繊維を55重量%以上含む繊維シートからなり、前記親水性繊維の繊維径が0.2〜5.5dtexで且つ前記シートを構成する繊維の繊維間距離が10〜35μmであるウェットシート用シート基材を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明のシート基材によれば、感触が良好であり、しかも液体を含浸させて複数枚を積層状態で保存しても、液体の移動が少なくなる。従って、含浸された液体の性能を十分に発揮させることができる。また液体が適正な量でシートから放出されるので、洗浄性が良好になる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のシート基材は、液体が含浸されてウェットシートとなされるものであり、液体の含浸前はドライな状態のものである。シート基材は繊維材料を含む繊維シートからなる。繊維シートとしては、各種織布、不織布、編布、それらの複合体などを用いることができる。液体の保持性能や製造経費を考慮すると、各種不織布を用いることが好ましい。
繊維シートとして不織布を用いる場合には、例えば乾式スパンレース不織布、湿式スパンレース不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布などの各種不織布を用いることができる。これらの不織布のうち、液体の含浸性能、保持性能、風合い等の点から乾式スパンレース不織布又は湿式スパンレース不織布等を用いることが好ましい。
特に繊維シートとして乾式スパンレース不織布又は湿式スパンレース不織布を用いる場合には、ウェブを水流交絡させて含水状態のスパンレース不織布を得、該スパンレース不織布をプレスロールに通してプレスした後に乾燥させて得られたものを用いることが、ウェットシート保存時の液体の移動を抑制できる点から好ましい。
繊維シートとしてスパンレース不織布を用いる場合には、ウェブを水流交絡させるときの水圧を通常の製造条件よりも高くすることが好ましい。これによって繊維間距離の小さい不織布を得ることができ、それによって液体の移動を抑制することが可能になるからである。水流交絡するときの水圧は、ウェブの坪量に応じて適切に調整される。例えばウェブの坪量が20〜150g/m2のときには、水圧は3〜35MPa、特に10〜30MPa、とりわけ15〜25MPaであることが好ましい。水流交絡は目的に応じて何回かに分けて行われてもよい。水圧はウェブの表若しくは裏からかけられてもよく、又は両面からかけられても良い。また、水圧は何段階かに調整してもよく、その際には最大水圧が前述の水圧になるように調整すればよい。
さらに、繊維シートとしてスパンレース不織布を用いる場合には、水流交絡後の含水状態のスパンレース不織布に対して行われるプレスに用いられるプレスロールのプレス圧を、通常の条件よりも高くすることが好ましい。プレスロールによるプレスの条件は、線圧で好ましくは1〜60kg/cm、更に好ましくは5〜55kg/cm、一層好ましくは10〜50kg/cmとすることができる。なお、プレスロールによるプレスは、含水状態のスパンレース不織布を乾燥させた後に、線圧30〜55kg/cmの条件で行うこともできる。しかしながら、液体の移動を抑制できる点や風合いの良好さ、製造工程の簡単さ、コストなどの点から、含水状態のスパンレース不織布をプレスロールによってプレスすることが好ましい。
プレスロールによるプレスで液体の移動を抑制できる理由については十分に明らかになってはいないが、繊維間距離が小さくなり、液体の毛細管力が上がり、重力による液体の移動が抑制されることが一因になっているのではないかと本発明者らは推測している。
以上の説明から明らかなように、本発明においてはシート基材としてその繊維間距離が小さいものを用いることが重要である。具体的には繊維間距離が10〜35μmであるものを用いることが重要である。繊維間距離がこの範囲内であれば、ウェットシートの積層保存中における液体の移動が起こりにくくなり、また良好な風合いが保たれる。液体の移動を一層抑制する観点から、繊維間距離は好ましくは12〜34μm、更に好ましくは14〜33μmである。繊維間距離は次式から算出される。
Figure 2005330608
本発明のシート基材は液体の拡散性向上のため、配向が2.5〜4.0であることが好ましい。ここでいう配向とは分子配向のことであり、例えば王子計測機器株式会社 MOA−2001Aによって測定することができる。
本発明のシート基材は、ドライ時の反射率が58〜99%であることが好ましい。58%以上にすることで使用時の汚れを視認し易くなり、99%以下にすることでシートが硬くならずに感触を良くすることができる。反射率は日本電色工業製SE−2000分光式色差計を使用し、480nmの波長で5箇所を測定し、その平均を算出する。
本発明のシート基材は、KES摩擦係数のSMD値が、CD方向で3.60μm以上であることが好ましく、MD方向で1.42μm以下であることが好ましい。CD方向のSMD値を3.60μm以上とすることで汚れの掻き取り性が向上し、MD方向のSMD値を1.42μm以下とすることで、使用時の感触を優れたものにすることができる。SMD値を前述の値にするためには、例えばスパンレース法の場合、水圧やプレスロールの圧力を調整すればよい。
KES摩擦係数のSMD値はカトーテック(株)製KES−SE測定機にシート基材をセットして、直径0.5mmのピアノ線を50gfの接触力の下、速度1mm/秒でシート基材の表面を移動させ表面特性を測定することで求める。1サンプルにつき3回測定し、その平均値を求める。KES法についての詳細は「風合い評価の標準化解析法(第2版)」;社団法人日本繊維機械学会発行に詳述されている。
本発明のシート基材は、清拭用基材が400%含浸され、5g/cm2の荷重を10秒間加えた状態での清拭用基材の徐放率が280%以上であることが好ましい。徐放率を280%以上とすることでシートから十分な量の清拭用基材を徐放させることができ、汚れの除去性能を高めることができる。シートから徐放された清拭用基材は、肌の汚れやメイク汚れを溶解・肌から除去した後、シート基材に吸い戻されることにより肌の汚れを除去することが可能になる。
徐放率の測定条件を「5g/cm2の荷重を10秒間加えた状態」とする理由は、当該荷重と時間が人が肌を清拭する際の条件とほぼ一致することによる。徐放率は以下の方法で測定される。50mm×200mmの大きさに調整したシート基材の重量Aを測定し、重量Aの4倍に相当する重量の清拭用基材を含浸させる。含浸後の重量をBとする。次に清拭用基材を含浸させたシート基材をキムタオル(クレシア社製)で全体を包み込む。次に、キムタオルで包んだシート基材の上に、100mm×100mmのアクリル板を載せ、その上に合計500gの荷重がかかるように重りを載せる。10秒後に重り及びアクリル板を取り除いた後に、シート基材の重量Cを測定し、以下の式により徐放率を算出する。
徐放率(%)=(B−C)/A×100
シート基材は、単層の繊維シートから構成されていてもよく、或いは同一又は異なる種類の複数の繊維シートを積層一体化してなる多層構造のものであってもよい。ウェットシートにおける液体の移動を抑制する点からは、シート基材は単層の繊維シート、特に単層の不織布から構成されていることが好ましい。
シート基材を構成する繊維シートは、親水性繊維を55重量%以上含み、好ましくは65%以上、更に好ましくは75%以上含む。勿論、親水性繊維100%から繊維シートが構成されていてもよい。
親水性繊維としては、本来親水性を有する繊維、及び本来は親水性でないが親水化処理によって親水性になされた繊維の双方を用いることができる。本来親水性を有する繊維としては、例えばコットン等の天然繊維や、パルプ、レーヨン、アクリル、キュプラ等が挙げられる。本来は親水性でないが親水化処理によって親水性になされた繊維としては、例えばポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂等の疎水性樹脂からなる繊維に親水化処理を施した繊維が挙げられる。これらの繊維のうち、風合いの良好さの点からコットン、レーヨン、キュプラを用いることが好ましく、特にコットンを用いることが好ましい。親水性繊維は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において用いられる親水性繊維は、その太さが0.2〜5.5dtexであり、好ましくは0.8〜4.4dtex、更に好ましくは1.3〜3.3dtexである。天然繊維であるコットンを用いた場合は、断面形状が真円でないので、断面の縦横比を3として計算した場合に、上記の太さ範囲に入ることが好ましい。この範囲の繊維径の繊維を用いると、先に述べた繊維間距離を適正にコントロールすることが容易となる。親水性繊維を二種以上用いる場合には、少なくとも一種の親水性繊維の太さが前記の範囲内であることを要する。好ましくはすべての親水性繊維の太さが前記の範囲内とする。
親水性繊維としてコットンを用いた場合、マイクロネア繊度(μg/in)は2.5〜6.0μg/inが好ましく、3.1〜4.4μg/inが感触も良好になりより好ましい。
親水性繊維の繊維長については特に制限はされないが、使用時の感触及び生産性の点から5〜70mmが好ましい。
シート基材には、液体の移動を抑制したり、掻き取り性を向上させるために極細繊維(例えば分割前の太さ0.2〜1.2dtex)を配合しても良い。極細繊維としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ナイロン、アセテートからなる極細繊維又は分割繊維が好ましい。分割繊維の場合は分割後の繊維径が前記範囲に入れば分割前の繊維径や分割数は制限されない。また、該シート基材の各種特性を高める目的で、親水性繊維以外の繊維を配合してもよい。例えば強度を上げることを目的として熱融着繊維を配合してもよい。シート基材における親水性繊維以外の繊維の配合量は10〜45重量%、特に15〜40重量%であることが好ましい。
シート基材はその坪量にもよるが、その厚みが0.22〜0.85mm、特に0.24〜0.45mm、とりわけ0.26〜0.37mmであることが好ましい。またシート基材はその坪量が20〜150g/m2、特に50〜100g/m2であることが好ましい。厚み及び坪量がこの範囲内であれば、液体の保持性能を十分に高めることが可能となる。坪量は、シート基材を100mm×100mmの寸法に切り出してその重量を測定し、これを1m2の重量に換算して求める。厚みは、シート基材を100mm×100mmの寸法に切り出して、20gf/cm2の荷重下で測定する。
シート基材は、そのシート密度が好ましくは0.05〜0.40g/m3であり、更に好ましくは0.10〜0.36g/m3、一層好ましくは0.15〜0.32g/m3である。シート密度を0.05g/m3以上にすることで、シート内の液体の保持能力を高めることが可能になり、ウェットシートの積載保存中の液体の移動を抑えることができる。シート密度を0.40g/m3以下にすることで風合いが良くなり、使用感を良くすることができる。
シート密度は以下のようにして測定される。シート基材を100mm×100mmの寸法に切り出してその重量を測定し、これを1m2の重量に換算して坪量を求める。また、切り出したシート基材の厚みを20gf/cm2の荷重下で測定する。得られた坪量を厚みで除してシート密度を求める。
シート基材は、その飽和液量が単位重量当たり50〜1000%、特に100〜600%であることが好ましい。これによって十分な量の液体を保持することができる。飽和液量は、シート基材を構成する繊維によって形成される空間と、繊維自身の材質に依存するものである。従って、シート基材の厚みを単に薄くすれば液体の保持性能が向上するというものではなく、該性能を向上させるためには飽和液量も考慮する必要がある。飽和液量はシート基材を100mm×100mmの寸法に切り出してその重量を測定する。イオン交換水にシート基材を15分以上浸漬し、取り出し後に1分以上液をしたたり落とし、重量を測定し、浸漬前後の重量の差を計算することにより求めることができる。
シート基材の空隙率は70〜99%が好ましく、特に85〜99%が好ましい。70%以上とすることで含浸させる液体を十分保持することが可能になる。また、99%以下にすることで生産性を向上させることができる。空隙率は以下の式により算出される。
空隙率(%)=(ρ−ρ’)/ρ×100
(式中ρ;シートの比重、ρ’;シートの見かけの比重)
本発明のシート基材には各種液体が含浸されウェットシートとなされる。含浸する液体の種類は、ウェットシートの具体的な用途に応じて適切なものが選択される。例えばウェットシートをメイク落としシートとして用いる場合には、液体として、界面活性剤を含む水性液、O/W乳化系エマルション、W/O乳化系エマルション、油剤のジェル、クリーム、オイルを用いることができる。特に非イオン系界面活性剤とグリセリンを含有する水溶液が好ましく、さらに前記非イオン系界面活性剤がモノラウリン酸ポリエチレングリコールであることが好ましい。マスカラ等の皮膚付着性の高い、水性及び油性メイクアップ化粧料の洗浄を目的とする場合には、水系増粘剤0.01〜0.5質量%、沸点が160〜300℃の油剤5〜30重量%、および水を含有するO/W乳化系エマルジョンが好ましく、前記油剤が沸点160〜300℃のイソパラフィンであるO/W乳化系エマルジョンがより好ましい。イソパラフィンとしては商品マルガゾールR(丸善石油化学株式会社)やIPソルベント1620、2028(出光石油化学株式会社)等を用いることができる。
シート基材への液体の含浸量は、ウェットシートの具体的な用途にもよるが、シート基材の単位重量当たり100〜600%、特に200〜450%であることが好ましい。
このようにして得られたウェットシートは、これを複数枚重ねて保存しても、液体の移動が抑制される。液体を含浸させたことによって、ウェットシートにおけるシート密度は、液体を含浸させる前のシート基材におけるシート密度とは異なるものの、両シート密度に大きな差はない。それ故、ウェットシートにおける液体の移動が抑制される。具体的には、ウェットシートのシート密度は0.05〜0.40g/cm3、特に0.15〜0.32g/cm3であることが好ましい。またウェットシートの繊維間距離に関しても、液体を含浸させる前のシート基材における繊維間距離と大きな差はない。具体的には、ウェットシートの繊維間距離は10〜35μm、特に14〜33μmであることが好ましい。
本発明のシート基材を備えたウェットシートは、対人や対動物、対物の各種の清拭用途に好適に用いられる。例えば、メイク落としシート、制汗シート、おしりふき、ペット清拭用シート、床用清拭シート等として好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
繊維径1.7dtexのコットンを原料として用い、カード機によって坪量60g/m2のウェブを製造した。得られたウェブを高圧水流で交絡させて、含水状態のスパンレース不織布を得た。水流の圧力は20MPaであった。含水状態のウェブを、一対のプレスロール間に通してプレスした。プレスの条件は線圧30kg/cmであった。プレス後、乾燥工程に付してスパンレース不織布からなるシート基材を得た。このシート基材の坪量、厚み、シート密度、繊維間距離は表3に示す通りであった。こうして得られたシート基材に洗浄液として処方1に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。洗浄液の含浸率は380重量%であった。
〔実施例2〕
プレスの線圧を35kg/cmとし、組成をコットン70%、PET・PE分割繊維30%とする以外は実施例1と同様にしてウェットシートを得た。
〔実施例3〕
処方を処方2とし、プレスの線圧を40kg/cmする以外は実施例1と同様にしてウェットシートを得た。
〔実施例4〕
繊維径1.7dtexのコットン70重量%と、繊維径1.7dtexのPET繊維30重量%とを原料として用い、カード機によって坪量70g/m2のウェブを製造した。得られたウェブを実施例1と同じ条件で高圧水流で交絡させて含水状態のスパンレース不織布を得た。得られた不織布を実施例1と同じ条件でプレス・乾燥してシート基材を得た。こうして得られたシート基材に、洗浄液として処方2に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。含浸率も実施例1と同等であった。
〔比較例1〕
繊維径9.0dtexのPET/PE繊維60重量%と、3.3dtexのPP/PP繊維40重量%とを原料として用い、坪量40g/m2のエアスルー不織布シートを製造し、処方1に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。洗浄液の含浸率は380重量%であった。
〔比較例2〕
繊維径4.4dtexのPET/PE繊維を原料として用い、坪量50g/m2のヒートエンボス不織布を製造し、処方2に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。洗浄液の含浸率は380重量%であった。
〔比較例3〕
繊維径2.2dtexのレーヨン繊維を原料として用い、カード機によって坪量45g/m2のウェブを製造した。得られたウェブを高圧水流で交絡させて、含水状態のスパンレース不織布を得た。水流の圧力は5MPaであった。含水状態のウェブを、一対のプレスロール間に通してプレスした。プレスの条件は線圧4kg/cmであった。プレス後、乾燥工程に付してスパンレース不織布からなるシート基材を得た。こうして得られたシート基材に洗浄液として処方1に示す洗浄液を含浸させてウェットシートを得た。洗浄液の含浸率は380重量%であった。
Figure 2005330608
Figure 2005330608
〔性能評価〕
得られたシート基材について以下の方法で保存前後の含浸率の差、感触、洗浄力を評価した。更に総合評価も行った。これらの結果を以下の表3に示す。
〔保存前後の含浸率の差〕
シート基材を縦75mm×横200mmの寸法に裁断し、これに処方1の洗浄液を含浸させた。含浸率は380重量%とした。このようにして得られたウェットシートを50枚重ねてピロー袋に入れ密封し、50℃で1ヶ月保存した。保存後に、室温に戻るまで放置した。ウェットシートをピロー袋から取り出し、上から2枚目のシート及び上から49枚目のシートそれぞれの含浸率を測定した。両者の差を算出し、その値を上下の含浸率の差とした。また保存前後での2枚目及び49枚目のシートそれぞれの含浸率の差も求めた。なお最も下のシート及び最も上のシートは、ピロー袋の影響を受けているおそれがあるので、測定の対象としなかった。含浸率は、各ウェットシートの重量を測定した後、洗剤にてシートを洗浄し、蒸留水ですすいだ後に乾燥したシートの重量を測定し、次式から算出した。
含浸率(%)=(ウェットシート重量―乾燥シート重量)×100/乾燥シート重量
評価
・2枚目及び49枚目のシートについて
◎;調製直後の含浸率に対し、保存後の含浸率の差が±25%以内
○;同 ±40%以内
△;同 ±60%以内
×;同 ±60%より大きい
・2枚目及び49枚目のシートの保存後の含浸率の差について
◎;±25%以内
○;±40%以内
△;±60%以内
×;±60%より大きい
〔感触〕
10人のモニターにウェットシートで顔を拭き取らせ、その際の肌の感触を官能評価させた。
評価
◎;10人中8人以上が感触が良いと答えた。
○;10人中6人〜7人が感触が良いと答えた。
△;10人中4人〜5人が感触が良いと答えた。
×;10人中感触が良いと答えた人が3人以下
〔洗浄力〕
洗浄力の評価には、一般的なメイク汚れのうちで、最も強固な汚れである油性マスカラと口紅汚れを用いた。
〔油性マスカラ洗浄性の評価〕
油性マスカラ(商品名 コーセー、スポーツ ビューティ ファシオ パワーステイマスカラ(カールロング)BK001、株式会社コーセー製)0.0045gを、スライドガラス上に直径1.2cmの円状に均一に塗布して12時間放置して乾燥させ、モデル汚れを得た。各ウエットシートをモデル汚れ上にあてて、5秒間軽く押さえてから一定圧(100g/cm2)で拭き取りを行い、モデル汚れを完全に除去できるまでに必要な拭き取り回数を測定した。
評価
◎;5回以下
○;6回以上、10回以下
△;11回以上、15回以下
×;16回以上
〔口紅洗浄性の評価〕
人下腕内側に、一定量の口紅(商品名 オーブ口紅RS151、花王株式会社製)を円形状に0.02g塗布し、色差測定を行った。30分後に含浸率380%の各ウエットシートを口紅汚れ上にあてて、5回拭き取り後に洗浄した。洗浄後に色差を測定し、洗浄前後の色差の値から下式により洗浄率を算出した。
洗浄率(%)=(1−洗浄後の色差/洗浄前の色差)×100
色差計はミノルタ色彩色差計CR−300(ミノルタカメラ)を使用した。
評価
◎;80%以上
○;75%以上 80%未満
△;50%以上 70%未満
×;50%未満
〔総合評価〕
2枚目の保存前後の含浸率差、49枚目の保存前後の含浸率差、2枚目と49枚目の含浸率差、感触、洗浄力の5項目について以下の基準で評価した。
◎;◎が3つ以上
○;◎が2つ
△;◎が1つ
×;◎が0
Figure 2005330608
表3に示す結果から明らかなように、各実施例のシート基材を用いたウェットシートは、各比較例のシート基材を用いたウェットシートに比較して2枚目と49枚目との含浸率の差が小さく、液体の移動が抑制されていることが判る。また各実施例のシート基材を用いたウェットシートは、感触が良好で、しかも洗浄力に優れていることも判る。

Claims (5)

  1. 液体が含浸されてウェットシートとなされるウェットシート用シート基材であって、
    一種又は二種以上の親水性繊維を55重量%以上含む繊維シートからなり、前記親水性繊維の繊維径が0.2〜5.5dtexで且つ前記シートを構成する繊維の繊維間距離が10〜35μmであるウェットシート用シート基材。
  2. スパンレース不織布からなる請求項1記載のシート基材。
  3. 前記親水性繊維を含むウェブを水流交絡させて含水状態のスパンレース不織布を得、該スパンレース不織布をプレスロールに通してプレスした後に乾燥させて得られたものである請求項2記載のシート基材。
  4. 前記繊維シートが単層の不織布からなる請求項1ないし3の何れかに記載のシート基材。
  5. 厚みが0.22〜0.85mmであり坪量が20〜150g/m2である請求項1ないし4の何れかに記載のシート基材。
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