JP2013124435A - 化粧用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】吸液性、保液性が高く、かつ、拭き取り性に優れる化粧用シートの提供。
【解決手段】繊維径が0.1〜10μmであるセルロース系繊維の不織布からなり、かつ、非貫孔部の凹凸差が200μm以上であることを特徴とする化粧用シート。
【選択図】なし
【解決手段】繊維径が0.1〜10μmであるセルロース系繊維の不織布からなり、かつ、非貫孔部の凹凸差が200μm以上であることを特徴とする化粧用シート。
【選択図】なし
Description
本発明は、吸液性、保液性が高く、かつ、拭き取り性に優れる化粧用シートに関する。
従来、化粧品としてメイクを落とすためのクレンジングシート、汗などを拭き取る拭き取りシート、メイクを施すための化粧用シート等においては、基材となるシート材として不織布シートが使用されている。例えば、以下の特許文献1、2に開示されるように、メイク汚れや皮脂汚れの拭き取り性に優れるセルロース連続長繊維不織布からなる化粧用基材が提供されている。
また、以下の特許文献3に開示されるように、素材にこだわらない極細繊維を使用した化粧品向け不織布も開発されており、柔軟性や拭き取り性など機能性の高い化粧品向け不織布として提供されている。
更に、以下の特許文献4に開示されるように、皮膚刺激性や拭き取り感を改良するために、表面に凹凸部又は開孔部を有するシートも開発されている。
更に、以下の特許文献4に開示されるように、皮膚刺激性や拭き取り感を改良するために、表面に凹凸部又は開孔部を有するシートも開発されている。
しかしながら、これらの従来技術の化粧用シートは、保液性、WET時の形態安定性、及び拭き取り性において、なお改善の余地があり、また、吸液に時間を要するなど吸液速度や爽快感に問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、前記した従来技術の化粧用シートに伴う問題のない、吸液性、保液性が高く、かつ、拭き取り性に優れる化粧用シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、実験を重ねた結果、繊維径が0.1〜10μmであるセルロース系繊維の不織布から構成し、かつ、非貫孔部の凹凸差を200μm以上とすることで、所望の化粧用シートを得ることができることを、予想外に見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]繊維径が0.1〜10μmであるセルロース系繊維の不織布からなり、かつ、非貫孔部の凹凸差が200μm以上であることを特徴とする化粧用シート。
[1]繊維径が0.1〜10μmであるセルロース系繊維の不織布からなり、かつ、非貫孔部の凹凸差が200μm以上であることを特徴とする化粧用シート。
[2]前記不織布の吸水速度が100mm以上であり、かつ、WET強度が7N/50mm以上である、前記[1]に記載の化粧用シート。
[3]前記不織布の厚みが230〜1000μmであり、かつ、目付が10〜150g/m2である、前記[1]又は[2]に記載の化粧用シート。
[4]前記セルロース系繊維が再生セルロース連続長繊維である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の化粧用シート。
[5]薬液が含浸された、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の化粧用シート。
本発明に係る化粧用シートは、吸液性、保液性が高く、拭き取り性、肌刺激性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧用シートは、繊維径が0.1〜10μmであるセルロース系繊維の不織布からなり、かつ、非貫孔部の凹凸差が200μm以上であることを特徴とする。
本発明の化粧用シートは、繊維径が0.1〜10μmであるセルロース系繊維の不織布からなり、かつ、非貫孔部の凹凸差が200μm以上であることを特徴とする。
前記セルロース系繊維の不織布から構成される化粧用シートにおいては、非貫孔部の凹凸差が200μm以上、好ましくは300〜700μm、より好ましくは400〜600μmの範囲内にある。非貫孔部の凹凸差が200μm未満であると、拭き取り性が低い点で、化粧用シートとしての機能が低下してしまう。
前記非貫通部の凹部とは、貫通していない孔部のことをいう。前記非貫孔部の凹部は、前記不織布の全表面積の5%〜50%で存在することが好ましく、10%〜40%の範囲内で存在することがより好ましい。前記非貫孔部の凹部面積が、前記不織布の全表面積の5%未満であると、拭き取り性や柔軟性が低下する点で、化粧用シートとしての機能が低下してしまうし、他方で、該非貫孔部の凹部面積が50%を超えると、強度や拭き取り性が低下する点で、化粧用シートとして機能が低下してしまう。
本願明細書中、発明の化粧用シートを構成する不織布を構成するセルロース系繊維の繊維径とは、該不織布の繊維集合体の表面を、走査型電子顕微鏡(日本電子製JSM−6380)を用いて10000倍の倍率で観察し、任意の50本の繊維を選び、1本につき任意の1箇所を選んで測定し、得られた測定値を平均して求めた繊維径(μm)をいう。本発明のセルロース系繊維の不織布からなる化粧用シートにおいては、繊維径は0.1〜10μmの範囲、好ましくは1〜8μmの範囲、より好ましくは3〜7μmの範囲内にある。繊維径が0.1μm未満であると、化粧用シートの柔軟性や液拡散性が低下してしまい、他方において繊維径が10μmを超えると、保水性や拭き取り性が低下する点で、化粧用シートとしての機能が低下してしまう。
本願明細書中、本発明の化粧用シートの非貫孔部の凹凸差とは、不織布繊維集合体の断面を、偏光顕微鏡(OLYMPUS製BH−2)を用いて10倍の倍率で観察し、任意の凹部と凸部を、それぞれ50箇所選んで厚みを測定し、得られた個々の凹部と凸部の測定値の差を平均したもの(μm)をいう。このとき、非貫通部の凹部とは、断面を観察した際に、厚みが小さい部分をいい、凸部とは、断面を観察した際に、厚みが大きい部分をいう。
本発明の化粧用シートの非貫孔部である凹部の面積とは、不織布繊維集合体の表面を、偏光顕微鏡(OLYMPUS製BH−2)を用いて10倍の倍率で観察し、15mm×12mmの面積内にある凹部の面積を測定した値をいう。
本願明細書中、本発明の化粧用シートの吸水速度とは、JIS−L1907準拠のバイレック試験にて、幅25mm×長さ250mm試験片を採取し、該試験片の下端10mmを10分間水に浸漬させ、水面からの上昇した水の高さを吸水速度とする。本発明に係るセルロース系繊維の不織布の吸水速度は、好ましくは100mm以上、より好ましくは120mm〜250mmである。吸水速度が100mm未満であると、吸液性や保液性が低下する点で、化粧用シートとしての機能が低下してしまう。
本願明細書中、本発明の化粧用シートを構成するセルロース系繊維の不織布のWET強度とは、JIS−L1096におけるWET時の引張強度をいう。本発明の化粧用シートを構成するセルロース系繊維の不織布のWET強度は、7N/50mm以上であることが好ましく、10N/50mm以上であればより好ましく、12〜40N/50mmの範囲内にあることが更に好ましい。WET強度が7N/50mm未満であると、化粧用シートに刺激を与えると容易に破れが発生する。
本願明細書中、本発明の化粧用シートを構成するセルロース系繊維の不織布の厚みとは、JIS−L1096準拠の厚み試験において、荷重を1.96kPaとして測定したときの厚みをいう。本発明の化粧用シートを構成するセルロース系繊維の不織布の厚みは、好ましくは230〜1000μmの範囲、より好ましくは250〜800μmの範囲、更に好ましくは280〜700μmの範囲内にある。厚みが1000μmを超えると、通気性が悪くなったり、加工し難くなったりする場合があり、他方で厚みが230μmより薄いと、貫孔部ができることで強度が極端に低くなり、取り扱い性が悪く、容易に破れが発生してしまう場合がある。
本願明細書中、本発明の化粧用シートを構成するセルロース系繊維の不織布の目付とは、0.05m2以上の面積の該不織布を105℃で一定質量になるまで乾燥した後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置し、その質量を測定して求めた、不織布1m2当たりの質量(g)をいう。本発明の化粧用シートを構成するセルロース系繊維の不織布の目付は、好ましくは10〜150g/m2、より好ましくは15〜80g/m2、更に好ましくは25〜60g/m2である。目付が150g/m2を超えると、通気性が悪くなったり、加工し難くなったりする場合があり、他方で目付が10g/m2未満であると、強度が低くなり、容易に破れが発生してしまう場合がある。
本願明細書中、本発明の化粧用シートを構成するセルロース系繊維の不織布とは、麻、綿等の天然セルロース繊維の不織布、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の再生セルロース繊維の不織布、リヨセル(テンセル)等の精製セルロース繊維の不織布などをいうが、好ましくは、繊維内の不純物が少ない再生セルロース繊維の不織布、精製セルロース繊維の不織布であり、より好ましくは、再生セルロース繊維の不織布である。該繊維の形態としては、短繊維又は長繊維のいずれであってもよいが、好ましくは長繊維、より好ましくは連続長繊維である。該繊維の形態が連続長繊維であると、脱落繊維等が発生し難い点で、化粧用シートとして機能性が向上する。
本発明の化粧用シートを構成するセルロース系繊維の不織布は、主としてセルロース繊維を含むが、セルロース繊維のみからなる不織布、すなわち、セルロース繊維100%の不織布であってもよく、化粧用シートを構成する際に、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維などの合成繊維を一部含むことができる。この場合には、本発明に係る不織布全体に対するセルロース繊維の含有率は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、更に好ましくは80〜100重量%である。本発明に係る不織布全体に対するセルロース繊維の含有率が50%未満であると、耐溶剤性といったセルロース繊維特有の性能が著しく低下する点で、該不織布は化粧用シートとして好ましくないものとなる。
本発明の化粧用シートは、薬液が含浸されたものであってもよいが、かかる薬液とは、通常のメイク落としのウエット商品に使用される薬液であることができる。かかる薬液としては、例えば、化粧落とし用の活性剤となるGラウリン酸PEG−12等の親油性乳化剤、保湿剤、抗菌剤、防腐剤、香料などが含有される水、アルコール溶液等が挙げられる。
本発明の化粧用シートの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の製造方法が挙げられる。
セルロース原料を、銅アンモニア溶液に溶解し、繊維径0.1〜10μm用の紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に紡糸し、シートを形成して不織布とする。セルロース原料は、特に限定されるものではないが、コットンリンターが好ましい。
セルロース原料を、銅アンモニア溶液に溶解し、繊維径0.1〜10μm用の紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に紡糸し、シートを形成して不織布とする。セルロース原料は、特に限定されるものではないが、コットンリンターが好ましい。
繊維径は、主に紡口径により制御することができる。繊維径0.1〜10μm用の紡口は、直径0.01〜0.45mmの紡口であることが好ましく、直径0.10〜0.40mmの紡口であることがより好ましい。
前記工程において、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させて得られるセルロース系繊維の不織布を化粧用シートとする。
前記セルロース系繊維の不織布の非貫孔部の凹凸差は、水流交絡時の条件により制御される。ネットの形状や水圧により凹凸差は形成され、水圧が高ければより顕著な凹凸差となる。
前記セルロース系繊維の不織布の非貫孔部の凹凸差は、水流交絡時の条件により制御される。ネットの形状や水圧により凹凸差は形成され、水圧が高ければより顕著な凹凸差となる。
本発明の化粧用シートは、セルロース系繊維の不織布は、メイクや汗などを素早く吸液する高い拭き取り性を有する。
本願明細書中、高い拭き取り性とは、下記操作手順にて得られた拭き残し率(%)が低いことをいう。
鏡の上に口紅を塗り、更にティッシュ等で塗り広げてできる限り均一な油膜を作製する。作製した油膜の重量A(g)を、重量B(g)の100mm×100mmの不織布1枚を用いて、人差し指と中指と薬指の腹で1回拭き取る。拭き取り後、油膜が付着した不織布の重量C(g)を測定し、下記式により拭き残し率(%)を算出する。
拭き残し率(%)={(A−(C−B))/A}×100
拭き残し率は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
本願明細書中、高い拭き取り性とは、下記操作手順にて得られた拭き残し率(%)が低いことをいう。
鏡の上に口紅を塗り、更にティッシュ等で塗り広げてできる限り均一な油膜を作製する。作製した油膜の重量A(g)を、重量B(g)の100mm×100mmの不織布1枚を用いて、人差し指と中指と薬指の腹で1回拭き取る。拭き取り後、油膜が付着した不織布の重量C(g)を測定し、下記式により拭き残し率(%)を算出する。
拭き残し率(%)={(A−(C−B))/A}×100
拭き残し率は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
本発明の化粧用シートは、クレンジングシート、拭き取りシート、化粧用パフ、フェイスマスク、ポイントシート、保湿シート、保温シート、除菌シート、消毒シート、防腐シートなどに使用しうる。前記したように、本発明の化粧用シートは拭き取り性に優れ、吸液速度が高いことから、クレンジングシート、拭き取りシート又は化粧用パフとして特に有用である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
以下、実施例において使用した測定方法を述べる。
以下、実施例において使用した測定方法を述べる。
(1)繊維径(μm)
セルロース系繊維の不織布を、走査型電子顕微鏡、日本電子製JSM−6380を用いて10000倍の倍率で観察し、任意の50本を選び測定した平均値を繊維径とした。
セルロース系繊維の不織布を、走査型電子顕微鏡、日本電子製JSM−6380を用いて10000倍の倍率で観察し、任意の50本を選び測定した平均値を繊維径とした。
(2)凹凸差(μm)
不織布を構成するセルロース系繊維の断面を、偏光顕微鏡(OLYMPUS製BH−2)を用いて10倍の倍率で観察し、任意の凹部と凸部をそれぞれ50本選び、厚みを測定し、それぞれの平均値の差を非貫孔部の凹凸差(μm)とした。
不織布を構成するセルロース系繊維の断面を、偏光顕微鏡(OLYMPUS製BH−2)を用いて10倍の倍率で観察し、任意の凹部と凸部をそれぞれ50本選び、厚みを測定し、それぞれの平均値の差を非貫孔部の凹凸差(μm)とした。
(3)非貫孔部の凹部面積率(%)
セルロース系繊維の不織布の表面を、偏光顕微鏡(OLYMPUS製BH−2)を用いて10倍の倍率で観察し、15mm×12mmの範囲内にある凹部の面積D(mm2)を測定し、下記式にて、非貫孔部の凹部面積率(%)を算出した。
非貫孔部である凹部面積率(%)={D/(15×12)}×100
セルロース系繊維の不織布の表面を、偏光顕微鏡(OLYMPUS製BH−2)を用いて10倍の倍率で観察し、15mm×12mmの範囲内にある凹部の面積D(mm2)を測定し、下記式にて、非貫孔部の凹部面積率(%)を算出した。
非貫孔部である凹部面積率(%)={D/(15×12)}×100
(4)吸水速度(mm)
セルロース系繊維の不織布を、幅25mm×長さ250mm試験片を採取し、JIS−L1907準拠のバイレック試験にて、該試験片の下端10mmを10分間水に浸漬させ、水面からの上昇した水の高さを吸水速度とした。
セルロース系繊維の不織布を、幅25mm×長さ250mm試験片を採取し、JIS−L1907準拠のバイレック試験にて、該試験片の下端10mmを10分間水に浸漬させ、水面からの上昇した水の高さを吸水速度とした。
(5)WET強度(N/50mm)
本発明に係るセルロース系繊維の不織布のWET強度とは、JIS−L1096に準拠するWET時の引張強度をいう。
本発明に係るセルロース系繊維の不織布のWET強度とは、JIS−L1096に準拠するWET時の引張強度をいう。
(6)厚み(μm)
本発明に係るセルロース系繊維不織布を、JIS−L1096に準拠する厚み試験にて、荷重を1.96kPaとして、測定した。
本発明に係るセルロース系繊維不織布を、JIS−L1096に準拠する厚み試験にて、荷重を1.96kPaとして、測定した。
(7)目付(g/m2)
0.05m2以上の面積のセルロース系繊維の不織布を、105℃で一定質量になるまで乾燥した後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置し、その質量を測定し、不織布のm2当たりの質量(g)を目付として求めた。
0.05m2以上の面積のセルロース系繊維の不織布を、105℃で一定質量になるまで乾燥した後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置し、その質量を測定し、不織布のm2当たりの質量(g)を目付として求めた。
(8)拭き取り性
(i)拭き残し率(%)
鏡の上に口紅を塗り、更にティッシュ等で塗り広げてできる限り均一な油膜を作製する。作製した油膜の重量A(g)を、重量B(g)の100mm×100mmの不織布1枚を用いて、人差し指と中指と薬指の腹で1回拭き取る。拭き取り後、油膜が付着した不織布の重量C(g)を測定し、下記式により拭き残し率(%)を算出した。
拭き残し率(%)={(A−(C−B))/A}×100
(ii)裏抜け性
裏抜け性を、以下の評価基準に基づき、評価した:
〇:裏抜けなし;
△:少し裏抜けがある;
×:裏抜けがあり手につく。
(i)拭き残し率(%)
鏡の上に口紅を塗り、更にティッシュ等で塗り広げてできる限り均一な油膜を作製する。作製した油膜の重量A(g)を、重量B(g)の100mm×100mmの不織布1枚を用いて、人差し指と中指と薬指の腹で1回拭き取る。拭き取り後、油膜が付着した不織布の重量C(g)を測定し、下記式により拭き残し率(%)を算出した。
拭き残し率(%)={(A−(C−B))/A}×100
(ii)裏抜け性
裏抜け性を、以下の評価基準に基づき、評価した:
〇:裏抜けなし;
△:少し裏抜けがある;
×:裏抜けがあり手につく。
(9)肌刺激性
市販の化粧液を250重量%含浸させた化粧用シートを用いて、女性10名に肌への刺激性を、以下の評価基準に従い判定してもらい、その平均値を肌刺激性とした:
5点:肌への物理的刺激がなく、繊維残りもない;
3点:肌への物理的刺激が多少あるが、繊維残りはない;
0点:肌への物理的刺激があり、繊維残りが多い。
市販の化粧液を250重量%含浸させた化粧用シートを用いて、女性10名に肌への刺激性を、以下の評価基準に従い判定してもらい、その平均値を肌刺激性とした:
5点:肌への物理的刺激がなく、繊維残りもない;
3点:肌への物理的刺激が多少あるが、繊維残りはない;
0点:肌への物理的刺激があり、繊維残りが多い。
[実施例1]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、直径0.3mmの原液吐出孔が180.9個/cm2である紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に5層重ねで紡糸してシートを形成させ、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させた。得られたセルロース系繊維の不織布からなる化粧用シートの繊維径は4.1μm、非貫孔部の凹凸差は460μmであった。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、直径0.3mmの原液吐出孔が180.9個/cm2である紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に5層重ねで紡糸してシートを形成させ、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させた。得られたセルロース系繊維の不織布からなる化粧用シートの繊維径は4.1μm、非貫孔部の凹凸差は460μmであった。
[実施例2]
実施例1において、紡糸されたシートを積層するネットのスピードを遅くした以外は実施例1と同様の方法でセルロース系繊維の不織布からなる化粧用シートを得た。得られたセルロース系繊維不織布は、繊維径は4.5μm、非貫孔部の凹凸差は482μmであった。
実施例1において、紡糸されたシートを積層するネットのスピードを遅くした以外は実施例1と同様の方法でセルロース系繊維の不織布からなる化粧用シートを得た。得られたセルロース系繊維不織布は、繊維径は4.5μm、非貫孔部の凹凸差は482μmであった。
[実施例3]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、直径0.3mmの原液吐出孔が180.9個/cm2である紡口を用いて得られたシートで、合成繊維であるポリエチレンテレフタラートのシートを挟み、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させた。得られたセルロース系繊維の不織布からなる化粧用シートの繊維径は平均で5.1μm(セルロースの繊維径は4.2μm、ポリエチレンテレフタレートの繊維径は8.7μm)、非貫孔部の凹凸差は465μmであった。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、直径0.3mmの原液吐出孔が180.9個/cm2である紡口を用いて得られたシートで、合成繊維であるポリエチレンテレフタラートのシートを挟み、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させた。得られたセルロース系繊維の不織布からなる化粧用シートの繊維径は平均で5.1μm(セルロースの繊維径は4.2μm、ポリエチレンテレフタレートの繊維径は8.7μm)、非貫孔部の凹凸差は465μmであった。
[比較例1]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、直径0.6mmの原液吐出孔が45.3個/cm2である紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に5層重ねで紡糸してシートを形成させ、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させた。得られた再生セルロース連続長繊維不織布である化粧用シートの繊維径は12.4μm、非貫孔部の凹凸差は459μmであった。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、直径0.6mmの原液吐出孔が45.3個/cm2である紡口を用いて、流下緊張下で連続してネット上に5層重ねで紡糸してシートを形成させ、高圧水流により繊維を交絡させながらシートに貫通孔及び凹部を形成させた後、乾燥させた。得られた再生セルロース連続長繊維不織布である化粧用シートの繊維径は12.4μm、非貫孔部の凹凸差は459μmであった。
[比較例2]
実施例1において、紡糸されたシートを積層するネットのスピードを速くし、高圧水流による繊維交絡をさせなかった以外は実施例1と同様の方法で再生セルロース連続長繊維不織布である化粧用シートを得た。得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、繊維径4.0μm、非貫孔部の凹凸差は51μmであった。
実施例1において、紡糸されたシートを積層するネットのスピードを速くし、高圧水流による繊維交絡をさせなかった以外は実施例1と同様の方法で再生セルロース連続長繊維不織布である化粧用シートを得た。得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、繊維径4.0μm、非貫孔部の凹凸差は51μmであった。
[比較例3]
天然セルロース繊維不織布(コットン製不織布)からなる化粧用シートで、繊維径11.2μm、非貫孔部の凹凸差は130μmであった。
天然セルロース繊維不織布(コットン製不織布)からなる化粧用シートで、繊維径11.2μm、非貫孔部の凹凸差は130μmであった。
[比較例4]
合成繊維不織布(ポリエチレンテレフタラート)からなる化粧用シートで、繊維径が2.2μm、非貫孔部の凹凸差は374μmであった。
合成繊維不織布(ポリエチレンテレフタラート)からなる化粧用シートで、繊維径が2.2μm、非貫孔部の凹凸差は374μmであった。
実施例1〜3、及び比較例1〜4で得た化粧用シートの物性、及び性能評価結果を、以下の表1に示す。
表1に示すように、本発明の化粧用シートは、優れた拭き取り性を示し、肌への刺激も低いことが分かる。
本発明の化粧用シートは、吸液性、保液性が高く、拭き取り性にも優れているので、クレンジングシート、拭き取りシート、化粧用パフ、フェイスマスク、ポイントシート、保湿シート、保温シート、除菌シート、消毒シート、防腐シートなどに好適に用いられる。
Claims (5)
- 繊維径が0.1〜10μmであるセルロース系繊維の不織布からなり、かつ、非貫孔部の凹凸差が200μm以上であることを特徴とする化粧用シート。
- 前記不織布の吸水速度が100mm以上であり、かつ、WET強度が7N/50mm以上である、請求項1に記載の化粧用シート。
- 前記不織布の厚みが230〜1000μmであり、かつ、目付が10〜150g/m2である、請求項1又は2に記載の化粧用シート。
- 前記セルロース系繊維が再生セルロース連続長繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧用シート。
- 薬液が含浸された、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011275576A JP2013124435A (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | 化粧用シート |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2011275576A JP2013124435A (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | 化粧用シート |
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