JP2003510117A - 床及びその他の大表面の清掃方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ハンドル及びハンドルに取り付けられたモップヘッド、並びに清掃用組成物で濡らされた使い捨てモップから成り、前記モップは当初は少なくとも或る程度折り畳まれて前記モップの束を含む箱に入れられ、前記モップは清掃前及び清掃中は前記モップヘッドに取り外し可能で固定される清掃器具で床及びその他の大表面を清掃する方法において、前記方法が：i）前記箱を開けて−前記箱は前記モップヘッドの表面より僅かに大きい幅と長さ寸法を有すること−前記モップの束の最上部にあるモップを露出させること：その後（ii）前記モップヘッドの表面より僅かに大きい幅及び長さを有する前記最上部モップの第１表面が現われるように、前記最上部モップを手で広げる段階、その後（iii）前記モップヘッドの下部表面が前記最上部ワイプの前記第１表面に接触するように、用具のモップヘッドを前記箱の中に入れる段階、その後（iv）前記清掃用組成物の蒸発を防ぐために前記ワイプが前記用具に取り付けられたままの前記用具を取り出して箱の蓋を閉める段階、（v）前記清掃器具を使って前記床を拭き取ったのち、一度使用された前記ワイプを取り外す段階、の各段階から成ることを特徴とする前記方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の分野） 本発明は、液体と共に組成物を含む液体清掃用組成物を基材に使用する、床及
びはその他の大表面の清掃方法に関し、硬い表面を清掃する際に及び／又はその
表面の外観及び良い衛生状態を維持する際に使用するために最適化された基材設
計物及び用具、並びに前記組成物を含む物品に重点を置き、基材等を使って優れ
た性能を発現する方法についての指示書と関連して、基材等に重点を置いている
。これらの組成物、基材及び用具設計物を、具体的使用指示書と一緒に使用する
清掃方法は、浴室表面、ガラス表面、カウンター天板、壁及び床を含む硬い表面
の清掃には有用であるが、床及びその他の大表面の清掃方法であること、更に特
に目的とする。

【０００２】 （発明の背景） 例えば、浴室の中の硬い表面を清掃する場合に、有機水溶性合成洗剤組成物、
ポリマー及び清掃用溶剤を含む洗剤組成物を使用することはよく確立されている
。この目的に対する周知の液体洗剤組成物は、有機清掃用溶剤、洗剤界面活性剤
、及び必要に応じて洗剤ビルダー及び／又は研磨剤を含む。この組成物は、硬い
表面の堆積物を旨く取り除くために酸性が可能である。

【０００３】 液体清掃用組成物は、比較的高い濃度、例えば界面活性剤材料及び／又は有機
溶剤が直接汚れに供給される程の稀釈しない又は濃厚な形態で硬い表面に適用す
ることが出来る長所を有するので、この組成物は通常は好ましい。しかしながら
、固体組成物も使用して水で稀釈すると、清掃溶液を形成することが出来る。濃
厚製品が、更に稀釈状態で使用されることになっている場合、濃厚液体清掃用組
成物は、包装コストでの節約により、消費者には価値方程式（ｖａｌｕｅ ｅｑ
ｕａｔｉｏｎ）を改善する手助けも可能である。濃厚な、例えば１０倍詰め替え
品も、１倍製品よりも長持ちし、軽量で、占めるスペースは少なくて済むと言う
点で、消費者には更に好都合である。“ワイプ（ｗｉｐｅ）”の形態の液体清掃
用組成物も、消費者が一度、ワイプを使用してそれを処分出来ることから、利便
性をもたらすことが出来る。

【０００４】 用具は、液体組成物の性能を旨く改善するのに使用出来ると言う点で重要であ
る。ワイプ、パッド、モップ等を含めて、用具は、重要な機械的清掃諸特性を提
供して液体組成物の選択を完全なものにすることが出来る。逆に、用具の選択に
マッチするような液体組成物を選ぶことが出来る。従って、用具を適切に選択す
ることにより、優れた清掃結果を達成するのに必要な非揮発性界面活性剤及びそ
の他の補助剤の濃度を大幅に減らすことが出来る。また、用具、有機清掃用溶剤
及び揮発性緩衝液を適切に組み合わせると、相乗的に作用して処理された表面に
は低レベルの残渣が残されるが、優れた清掃結果を得ることが出来る。

【０００５】 清掃用具のモップヘッドに固定されるモップ（即ち、ワイプ）は、使用者によ
り慎重に取り扱われなければならない。或る時は、清掃される表面を拭き取る前
にモップをある程度広げて清掃用具に固定しなければならない。使用前にモップ
を取り扱うこの段階が、清掃作業の１つの段階を占める。モップと使用者の手が
よく接触することは、或る場合には避けるべきであることが判っている。このこ
とは、清掃用具に取り付けられるモップが予め濡れた（即ち、濡らされている）
場合には、特に重要である。実際に、濡れ清掃用組成物の中に含まれる化合物の
なかには、消費者の肌に好ましくない効果（乾燥、白化等）を及ぼす可能性があ
る。従って、ハンドル及びそのハンドルに取り付けられたモップヘッド、並びに
清掃用組成物で濡れた使い捨てモップを含み、使用者の手と、そのモップの表面
との間の接触を最小限に抑える、又は接触さえさせない清掃用具装置（即ち、清
掃用具）で、床及びその他の大表面を清掃する方法を提供することが本発明の目
的である。

【０００６】 予め濡れたとは、清掃用組成物を染み込ませたままパケージの中に一緒に保管
されているワイプ又はモップを意味するので、使用者は使用度毎に清掃用組成物
のビンを開ける必要はない。ワイプは、製造プロセスの中の包装工程で溶液を直
接加えられて予め濡らされることが出来る、それとは別に、初回の使用時に使用
者がこの組成物を一度、加えたのち、次回使用用に染み込ませたままにして置く
ことが出来る。

【０００７】 発明の概要 本発明は、ハンドル及びハンドルに取り付けられたモップヘッド、並びに清掃
用組成物で濡らされた使い捨てモップを含み、前記モップは当初は少なくとも或
る程度折り畳まれて前記モップの束を含む箱に入れられ、前記モップは清掃前及
び清掃中は前記モップヘッドに取り外し可能で固定される清掃器具で床及びその
他の大表面を清掃する方法において、前記方法が： （i） 前記箱を開けて、前記モップの束の最上部にあるモップを露出さ
せ、ただし前記箱は前記モップヘッドの表面より僅かに大きい幅と長さ寸法を有
し、その後 （ii） 前記モップヘッドの表面より僅かに大きい幅及び長さを有する前
記最上部モップの第１表面が現われるように、前記最上部モップを手で広げる段
階、その後 （iii） 前記モップヘッドの下部表面が前記最上部ワイプの前記第１表
面に接触するように、用具のモップヘッドを前記箱の中に入れる段階、その後 （iv） 前記清掃用組成物の蒸発を防ぐために前記ワイプが前記用具に取
り付けられたままの前記用具を取り出して箱の蓋を閉める段階、 （v） 前記清掃器具を使って前記床を拭き取ったのち、一度使用された
前記ワイプを取り外す段階、 の各段階から成ることを特徴とする前記方法に関する。

【０００８】 発明の詳細な説明 以下において、本発明の清掃方法で使用する組成物の説明を先ず行ない、その
後で用具ばかりでなく、これらの組成物が使用される清掃ワイプ又はモップを説
明する。最後に、本発明の清掃方法の詳細な説明を行なう。

【０００９】 組成物 本発明の清掃方法で使用される組成物は、硬い表面の外観、並びに床
及び／又は浴室でよく見かける除去し難い汚れの付着物を保守するのに特に有用
である。これらには、硬水汚れ、脂肪酸、トリグリセリド、脂質、不活性脂肪酸
石鹸、食い込んだ微粒子、潰された食物等が挙げられる。洗剤組成物は、なかで
も、セラミック、ファイバーグラス、ガラス、ポリウレタン、金属表面、プラス
チック表面及びラミネートのような多くのいろいろな表面のタイプに使用するこ
とが出来る。

【００１０】 （親水性ポリマー） 本発明の局面では、処理対象の表面の親水性を改善する
ポリマー材料が重要である。親水性が大きくなると、表面から水の“被膜（ｓｈ
ｅｅｔｉｎｇ）”が現われること及び／又は表面で水が拡がることにより、改善
された最終外観が得られ、この効果は表面が再び濡れる場合、及び再び濡れた後
に引き続いて乾燥する時でさえ好ましく見える。

【００１１】 日常シャワーの製品として使用される様に考えられた製品のなかでは、処理さ
れる大抵の表面が垂直な表面なので、“被膜”効果は特に目立つ。従って、ガラ
ス、セラミック、そしてはるかに濡らすのが難しいほうろうのような表面に関し
ては効果が注目されている。水が表面に平らに“被膜を作る”及び／又は表面に
拡がると、乾燥時に形成する、例えば“硬水スポット”の形成が最小限に抑えら
れる。床の局面で使用されることになる製品の場合には、このポリマーは表面濡
れを改善し、清掃性能を補う。

【００１２】 ポリマーの実体は、被膜や清掃効果を延長するのに有用である。好ましいポリ
マーのもう１つの重要な特徴は、乾燥時の残渣が減ることである。好ましいポリ
マーから成る組成物は、床上で比較的均等に乾燥し、同時にヘイズが殆どないか
又は全くない最終結果を促進する。

【００１３】 多くの材料が、被膜及び汚れ防止効果を発現することが出来るが、好ましい材
料は、アミンオキシド親水基を含むポリマーである。スルホネート、ピロリドン
及び／又はカルボキシレート基のような別の親水基を含むポリマーも使用出来る
。所望のポリスルホネートポリマーの例には、ポリビニルスルホネート、更に好
ましくはＭｏｎｍｅｒ−Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｄａｊａｃ（１６７５ Ｂｕｓｔｌｅｔ
ｏｎ Ｐｉｋｅ、Ｆｅａｓｔｅｒｖｉｌｌｅ、ペンシルベニア州、１９０５３）
より発売されているようなポリスチレンスルホネートが挙げられる。一般式は次
の通りである。 −［ＣＨ（Ｃ₆Ｈ₄ＳＯ₃Ｎａ）−ＣＨ₂］_n−ＣＨ（Ｃ₆Ｈ₅）−ＣＨ₂− 式中、ｎは下記に開示されているような適切な分子量となる数である。

【００１４】 典型的分子量は、約１０，０００ないし約１，０００，０００、好ましくは約
２００，０００ないし約７００，０００である。ピロリドン官能基も含む好まし
いポリマーには、ポリビニルピロリドン、第四級化ピロリドン誘導体（Ｉｎｔｅ
ｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ製Ｇａｆｑｕａｔ
７５５Ｎのような）、並びにポリビニルピロリドン／ジメチルアミノエチルメタ
クリレート（ＩＳＰから購入可能）及びポリビニルピロリドン／アクリレート（
ＢＡＳＦから購入可能）のような、ピロリドンを含むコポリマーが挙げられる。
親水基も含むカチオン材料及び多くのエーテル結合を含むポリマーを含めて、そ
の他の材料も本質性及び親水性を発現することが出来る。カチオン材料には、カ
チオン糖及び／又デンプン誘導体が挙げられ、ポリプロピレンオキシドとエチレ
ンオキシドとの混合物を主成分とする典型的ブロックコポリマー洗剤界面活性剤
は、ポリエーテル材料を代表する。しかしながら、このポリエーテル材料は殆ど
重要でない。

【００１５】 好ましいポリマーは水溶性アミンオキシド部分を含む。アミンオキシド基の部
分陽電荷は、ポリマーを表面基材の表面に付着することにより、水を更に容易に
“被膜”させる作用をすることが出来ると考えられる。アミンオキシド部分は、
セラミックタイル、ガラス、ファイバーガラス、ほうろう、リノリウム、ノーワ
ックスタイル、及び消費者の家庭によく見受けるその他の硬い表面基材と水素結
合もすることが出来る。ポリマーの固定が、より良い“被膜”を促進する程度ま
での高分子量の材料が好ましい。分子量が増と、アミンオキシド系ポリマーの効
率と効果が改善される。本発明の好ましいポリマーは、少なくとも１個のＮ−酸
化物基を含む１個以上のモノマー単位を有する。前記ポリマーを形成する前記モ
ノマーの少なくとも約１０％、好ましくは約５０％超、更に好ましくは約９０％
超がアミンオキシド基を含む。これらのポリマーは、次の一般式で説明すること
が出来る： Ｐ（Ｂ） 式中、各Ｐは、付加してポリマー主鎖を形成する単純重合性部分及び共重合性部
分、好ましくはビニル部分、例えばＣ（Ｒ）２−Ｃ（Ｒ）２から選ばれ、式中、
各ＲはＨ、Ｃ₁−Ｃ₁₂（好ましくはＣ₁−Ｃ₄）アルキル（アルキレン）、Ｃ₆−Ｃ ₁₂ アリール（アリーレン）及び／又はＢである：Ｂは、置換及び非置換、線状及
び環状Ｃ₁−Ｃ₁₂アルキル、Ｃ₁−Ｃ₁₂アルキレン、Ｃ₁−Ｃ₁₂複素環、芳香族Ｃ₆ −Ｃ₁₂基から選ばれる部分であり、式中、前記Ｂ部分の少なくとも１個は、少な
くとも１個のアミンオキシド（−Ｎ→Ｏ）基を含み；ｕはアミンオキシドを含む
少なくとも約１０％から約９０％までのモノマーを付与する数であり；そしてｔ
はポリマーの平均分子量が約２，０００ないし約５００，０００、好ましくは約
５，０００ないし約２５０，０００、更に好ましくは約７，５００ないし約２０
０，０００となるような数である。

【００１６】 本発明の好ましいポリマーは、表面基材を消費者には気にかけさせない目視出
来る残留物を残すことなく、実質的と言う予期しない特性を有する。好ましいポ
リマーにはポリ（４−ビニルピリジンＮ−オキシド）ポリマー（ＰＶＮＯ）が挙
げられ、例えばこれは次の部分を含むモノマーの重合によって形成される。

【００１７】

【化１】

【００１８】 この場合、ポリマーの分子量は、約２，０００ないし約５００，０００、好ま
しくは約５，０００ないし約４００，０００、及び更に好ましくは約７，５００
ないし約３００，０００である。一般的により高分子量のポリマーが好ましい。
ポリマーの分子量が高くなると比較的低い濃度の濡れポリマーを使用することが
出来、これによって床クリーナー用途で長所を発現することが出来る。本発明で
有用なポリマーの所望の分子量範囲は、４００，０００ないし１，５００，００
０の範囲の分子量を好むポリカルボキシレート、ポリスチレンスルホネート及び
ポリエーテル系添加剤に関する業界で見られる分子量範囲とは対照的である。本
発明の好ましいポリアミンオキシドポリマーの低い方の分子量は、高分子量側で
これらのポリマーを製造する際にかなり難しいためである。

【００１９】 アミンオキシドポリマーの濃度は、最終使用組成物／溶液の重量で、通常は約
０．５％未満、好ましくは約０．００５％ないし約０．４％、更に好ましくは約
０．０１％ないし約０．３％である。

【００２０】 本発明の水溶性ポリマーとして使用出来る幾つかのホモポリマー及びコポリマ
ーの非限定例は次である：アジピン酸／ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエ
チレントリアミンコポリマー；アジピン酸／エポキシプロピルジエチレントリア
ミンコポリマー；ポリビニルアルコール；メタクリロイルエチルベタイン／メタ
クリレートコポリマー；エチルアクリレート／メチルメタクリレート／メタクリ
ル酸／アクリル酸コポリマー；ポリアミン樹脂；及びポリ第四級アミン樹脂；ポ
リ（エテニルホルムアミド）；ポリ（ビニルアミン）ヒドロクロリド；ポリ（ビ
ニルアルコール−ｃｏ−６％ビニルアミン）；ポリ（ビニルアルコール−ｃｏ−
１２％ビニルアミン）；ポリ（ビニルアルコール−ｃｏ−６％ビニルアミンヒド
ロクロリド）；及びポリ（ビニルアルコール−ｃｏ−１２％ビニルアミンヒドロ
クロリド）。好ましくは、前記コポリマー及び／又はホモポリマーは、アジピン
酸／ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンコポリマー；ポリ
（ビニルピロリドン／ジメチルアミノエチルメタクリレート）；ビニルビニルア
ルコール；エチルアクリレート／メチルメタクリレート／メタクリル酸／アクリ
ル酸コポリマー；メタクリロイルエチルベタイン／メタクリレートコポリマー；
ポリ第四級アミン樹脂；ポリ（エテニルホルムアミド）；ポリ（ビニルアミン）
ヒドロクロリド；ポリ（ビニルアルコール−ｃｏ−６％ビニルアミン）；ポリ（
ビニルアルコール−ｃｏ−１２％ビニルアミン）；ポリ（ビニルアルコール−ｃ
ｏ−６％ビニルアミンヒドロクロリド）；及びポリ（ビニルアルコール−ｃｏ−
１２％ビニルアミンヒドロクロリド）から成る群から選ばれる。

【００２１】 本発明で有用なポリマーは、親水性コポリマーから成る群から選ばれることが
出来る。このポリマーは線状のランダム又はブロックコポリマー及びそれらの混
合物が可能である。用語“親水性”は，水に対する親和性を有すると言う普通の
意味に沿って本明細書で使用される。コポリマーを含めて、モノマー単位及び高
分子材料に関して本明細書で使用されるように、“親水性”は、実質的に水溶性
であることを意味する。これに関して、“実質的に水溶性”は、２５℃で蒸留（
又は等価の）水に約０．２重量％の濃度で可溶性であって、好ましくは約１重量
％で可溶性である材料を指すこととする。本明細書の目的に対する用語“可溶性
”、“溶解度”等は、当業者によってよく理解されているように、適用可能とし
て水又はその他の溶剤に溶解して均一な溶液を形成出来る、モノマー又はポリマ
ーの最大濃度に対応する。

【００２２】 有用な親水性モノマーの非限定例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸
、マレイン酸及びその半エステル、イタコン酸のような不飽和有機モノ−及びポ
リカルボン酸；ビニルアルコール、アリルアルコールのような不飽和アルコール
；ビニルカプロラクタム、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールのような極性ビ
ニル複素環式化合物；ビニルアミン；ビニルスルホネート；アクリルアミド、例
えばＮ，Ｎ−ジメチルアクリルアミド、Ｎ−ｔ−ブチルアクリルアミドのような
不飽和アミド；ヒドロキシエチルメタクリレート；ジメチルアミノエチルメタク
リレート；前記酸及びアミンの塩；及び同類物；並びにそれらの混合物。幾つか
の好ましい親水性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、Ｎ，Ｎ−ジメチルア
クリルアミド、Ｎ，Ｎ−ジメチルメタクリルアミド、Ｎ−ｔ−ブチルアクリルア
ミド；ジメチルアミノエチルメタクリレートそれ自体及びそれらの混合物である
。

【００２３】 ポリカルボキシレートポリマーは、モノマーのうちの少なくとも幾つかはカル
ボキシル官能性を含むモノマーの重合によって形成されるポリマーである。よく
使用されるモノマーには、アクリル酸、マレイン酸、エチレン、ビニルピロリド
ン、メタクリル酸、メタクロイルエチレンベタイン等が挙げられる。重要な好ま
しいポリマーは、比較的高い分子量を有するポリマーである。例えば、約１０，
０００未満の分子量を有するポリアクリル酸は、特に重要ではなく、従って、全
ての組成物によって３回の濡れの繰り返しに対しても通常は親水性を発現しない
けれども、両親媒性及び／又は対イオン洗剤界面活性剤のような比較的高濃度及
び／又は或る界面活性剤では約１０００より小さい分子量も同じ結果を発現する
ことがある。一般的に、ポリマーは、約１０，０００超、好ましくは約２０，０
００超、更に好ましくは約３００，０００超、そして尚、好ましくは約４００，
０００超の分子量を持つべきである。例えば約３，０００，０００超の分子量を
有する比較的高い分子量のポリマーは、極めて配合し難く、比較的低分子量ポリ
マーよりも汚れ防止（ａｎｔｉ−ｓｐｏｔｔｉｎｇ）効果を発現する際に殆ど効
果がないことも判った。従って、特にポリアクリレートの場合、分子量は約２０
，０００ないし約３，０００，０００が普通であり；好ましくは約２０，０００
ないし約２，５００，０００；更に好ましくは約３００，０００ないし約２，０
００，０００；そして尚、更に好ましくは約４００，０００ないし約１，５００
，０００であるべきである。

【００２４】 幾つかのポリカルボキシレートポリマーの長所は、前記ポリマーの洗剤ビルダ
ーの効果である。前記ポリマーはその他の洗剤ビルダーのように被膜／縞形成を
損なうけれども、微粒子を含む典型的なありふれた”取り除き難い”汚れには向
上した清掃効果を発現する。

【００２５】 幾つかのポリマー、特にポリカルボキシレートポリマー、は水性液体である組
成物を増粘する。このことは望ましいことがある。しかしながら、この組成物が
、トリガースプレー（ｔｒｉｇｇｅｒ ｓｐｒａｙ）付き装置に入れられると、
この組成物は過剰のトリガー圧力を必要とする程濃厚ではないのが望ましい。一
般的に、せん断を受ける粘度は、約２００ｃｐ未満、好ましくは約１００ｃｐ未
満、更に好ましくは約５０ｃｐ未満にすべきである。しかしながら、この組成物
の流れが表面に、特に垂直表面から逸れない程の濃度の組成物にすることが望ま
しいことがある。

【００２６】 本発明で使用されるポリマーの非限定例には次が挙げられる：ＩＳＰより商品
名“Ａｃｒｙｌｉｄｏｎ”（商標）で発売されているポリ（ビニルピロリドン／
アクリル酸）、及びＲｏｈｍ＆Ｈａａｓより商品名“Ａｃｃｕｍｅｒ”（商標）
で発売されているポリ（アクリル酸）。その他の材料には、Ｎａｔｉｏｎａｌ
Ｓｔａｒｃｈ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙより商品名“Ｖａｒｓ
ａｆｌｅｘ”（商標）で発売されている”スルホン化ポリスチレンポリマー、特
にＶａｒｓａｆｌｅｘ ７０００が挙げられる。

【００２７】 ポリマー材料の濃度は、普通は約０．５％未満であり、好ましくは約０．０１
％ないし約０．４％、更に好ましくは約０．０１％ないし約０．３％である。一
般的に、低分子量ポリ（アクリル酸）のような低分子量材料、例えば、約１０，
０００未満、特に約２，０００未満の分子量を有する材料は、特に低い含量、例
えば約０．０２％では、特に再度濡らした時に優れた汚れ防止効果を発現しない
。低い濃度では更に有効な材料だけを使用すべきである。低分子量材料を使用す
るには、例えば表面への改善された付加を発現する、例えばカチオン基のような
基を加えることにより実質を向上すべきであり、或いは例えば約０．０５％超の
、より高濃度で材料を使用すべきである。

【００２８】 （界面活性剤） ポリマーが本明細書の組成物に含まれない場合、この組成物
には１種類の好ましい界面活性剤を含ませるのが普通である。本明細書で使用す
るのに好ましい界面活性剤は、１９９８年７月７日にＧｉｒｅｔ Ｍｉｃｈｅｌ
Ｊｏｓｅｐｈ；Ｌａｎｇｏｉｓ，Ａｎｎｅ；及びＤｕｋｅ，ＲｏｌａｎｄＰｈｉ
ｌｉｉｐに発行された、Ｃｌｅａｎｓｉｎ ｃｏｍｐｏｓｉｔｏｎの米国特許第
５，７７６，８７２号；１９９９年３月１６日にＦｕｒｍａｎ，Ｃｈｓｉｓｔｏ
ｐｈｅｒ Ａｌｌｅｎ；Ｇｉｒｅｔ Ｍｉｃｈｅｌ Ｊｏｓｅｐｈに発行された、
Ｔｈｒｅｅ ｉｎ ｏｎｅ ｕｌｔｒａ ｍｉｌｄ ｌａｔｈｅｒｉｎｇ ａｎｔｉｂ
ａｃｔｅｒｉａｌ ｌｉｑｕｉｄ ｐｅｒｓｏｎａｌ ｃｌｅａｎｓｉｎｇの米国
特許第５，８８３，０５９号；１９９９年３月１６日にＡｄｄｉｓｏｎ，Ｍｉｃ
ｈａｅｌ Ｃｒｏｍｂｉｅ；Ｆｏｌｅｙ Ｐｅｔｅｒ Ｒｏｂｅｒｔ；及びＡｌｌ
ｓｅ Ｂｒｏｏｋ，Ａｎｄｒｅｗ Ｍａｃｈｅａｌに発行された、Ｍａｎｕａｌ
ｄｉｓｈｗａｓｈｉｎｇ ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎｓの米国特許第５，８８３，
０６２号；並びに１９９９年５月２５日にＯｕｑｏｕｎｉｓ，Ｄｉｍｉｔｒｉｏ
ｓ及びＮｉｅｒｈａｕｓ，Ｗｏｌｆｇａｎｇに発行された、Ｐｒｏｃｅｓｓ ｆ
ｏｒ ｃｌｅａｎｉｎｇ ｖｅｒｔｉｃａｌ ｏｒ ｉｎｃｌｉｎｅｄ ｈａｒｄ ｓ
ｕｒｆａｃｅｓの米国特許第５，９０６，９７３号；に開示されアルキル多糖類
である。

【００２９】 本明細書での使用に好適なアルキル多糖類は、１９８６年１月２１日にＬｌｅ
ｎａｄｏに発行された米国特許第４，５６５，６４７号に開示されていて、約６
ないし約３０個の炭素原子、好ましくは約１０ないし約１６個の炭素原子を含む
疎水基、及び多糖、例えばポリグリコシド、親水基を有する。すすぎのない方法
で使用するのに好適な酸性又はアルカリ性清掃用組成物／溶液には、好ましいア
ルキルポリサッカライドは広い鎖長分布を含むのが好ましく、これらは濡れ、清
掃及び乾燥した時の残留物が少ないと言う最良の組み合わせを発現するからであ
る。この“広い分布”は、約１０個の炭素原子ないし約１６個の炭素原子から成
る鎖長混合物の少なくとも約５０％により定義される。好ましくはアルキルポリ
サッカライドのアルキル基が、好ましくは約６ないし約１８個の炭素原子、更に
好ましくは約８ないし約１６個の炭素原子の鎖長の混合物から成り、親水基が、
分子当たり約１．５個のサッカライド、好ましくはグルコシド基を含む。この“
広い鎖長分布”は、約１０個の炭素原子ないし約１６個の炭素原子から成る鎖長
混合物の少なくとも約５０％により定義される。鎖長、具体的にはＣ₈−Ｃ₁₆の
広い混合物は、狭い範囲の鎖長混合物、特に低級（即ち、Ｃ₈−Ｃ₁₀又はＣ₈−Ｃ ₁₂ ）鎖長アルキルポリグリコシド混合物と比べて強く望まれる。好ましいＣ_8-16 アルキルポリグルコシドは低級で狭い鎖長アルキルポリグルコシドばかりでなく
、Ｃ₈−Ｃ₁₄アルキルエトキシレートを含めて、その他の好ましい界面活性剤と
比べて、大幅に改善された香料安定性を発現することも判った。５又は６個の炭
素原子を含むいずれの還元性サッカライドも使用出来、例えばグルコース、ガラ
クトース及びガラクトシル部分はグルコシル部分で置換することが出来る。（必
要に応じて、疎水基は２−、３−、４−等の位置で付加されるのでグルコシド又
はガラクトシドとは対照的にグルコース又はガラクトースが生成する）サッカラ
イド間結合（ｉｎｔｅｒｓａｃｃｈａｒｉｄｅ ｂｏｎｄ）は、例えば追加サッ
カライド単位の１つの位置と先行のサッカライド単位の２−、３−、４−、及び
／又は６−位置との間で可能である。グリコシルは、グルコースから誘導される
のが好ましい。

【００３０】 必要に応じて、そしてさほど望まれないが、疎水性部分とポリサッカライド部
分とを結合するポリアルキレンオキシド鎖が存在することがある。好ましいアル
キレンオキシドはエチレンオキシドである。典型的な疎水基には、８ないし１８
、好ましくは１０ないし１６個の炭素原子を含む飽和でも不飽和でも、分岐でも
非分岐でもよいアルキル基が挙げられる。好ましくは、アルキル基は直鎖飽和ア
ルキル基である。このアルキル基は、最大約３個のヒドロキシル基を含むことが
出来る及び、又はポリアルキレンオキシド鎖は最大約１０個、好ましくは５個未
満のアルキレンオキシド部分を含むことが出来る。好適なアルキルポリサッカラ
イドは、オクチル、ノニルデシル、ウンデシルドデシル、トリデシル、テトラデ
シル、ペンタデシル、ヘクサデシル、ヘプタデシル、及びオクタデシル、ジ−、
トリ−、テトラ−、ペンタ−及びヘキサグルコシド及び／又はガラクトースであ
る。好適な混合物には、ココナツアルキル、ジ−、トリ−、テトラ−、及びペン
タ−グルコシド並びにタロウアルキルテトラ−、ペンタ−及びヘキサグルコシド
が挙げられる。

【００３１】 これらの化合物を調製するために、アルコール又はアルキルポリエトキシアル
コールを先ず生成したのち、グルコース又はグルコース源と反応させるとグルコ
シドが生成する（１の位置で付加）。次に追加のグルコシル単位はこれらの１の
位置と、前記のグリコシル単位の２−、３−、４−及び／又は６−の位置、好ま
しくは主として２の位置との間に付加することが出来る。

【００３２】 アルキルポリグルコシドでは、アルキル部分は、脂肪、油又は化学的に生成さ
れたアルコールのようなありふれた発生源から誘導され、一方、その糖部分は、
加水分解されたポリサッカライドから生成される。アルキルポリグルコシドは、
脂肪アルコールと、相対親水性を定義するグルコース単位の数を含むグルコース
のような糖との縮合生成物である。前述のように、糖単位は脂肪アルコールとの
反応の前でも後でも追加的にアルコキシル化出来る。そのようなアルキルポリグ
ルコシドは、例えばＷＯ８６／０５１９９に詳細に記載されている。工業的アル
キルポリグルコシドは、大抵、分子的に均一な生成物と言う訳にはいかず、アル
キル基の混合物及びモノサッカライドといろいろなオリゴサッカライドとの混合
物を表す。アルキルポリグルコシドは、その他の界面活性剤と比較して表面外観
を更に改善するので、このポリグルコシド（“ＡＰＧ”と呼ばれることがおおい
）は本発明の目的には好ましい。グリコシド部分はグルコース部分が好ましい。
アルキル置換基は、約８ないし約１８個の炭素原子、好ましくは約８ないし約１
０個の炭素原子、又はそのようなアルキル部分の混合物を含む飽和又は不飽和ア
ルキル部分が好ましい。Ｃ₈−Ｃ₁₆アルキルポリグルコシドは市販されている（
例えば、Ｓｅｐｐｉｃ社（７５ Ｑｕａｉ ｄ’Ｏｒｓａｙ ７５３２１ Ｐａｒｉ
ｓ，Ｃｅｄｅｘ ７ フランス国）からのＳｉｍｕｓｏｌ（商標）、及びＨｅｎｋ
ｅｌから市販されているＧｌｕｃｏｐｏｎ（商標）４２５がある。）しかしなが
ら、アルキルポリグルコシドの純度は、性能、特に日常シャワーの製品技術を含
めて、或る用途の最終結果に影響を及ぼすこともあることが判った。本発明では
、好ましいアルキルポリグルコシドは、パーソナルクレンジングで使用するため
に充分に精製されたアルキルポリグルコシドである。最も好ましくは、“化粧品
グレード”アルキルポリグルコシド、特にＣ₈ないしＣ₁₆アルキルポリグルコシ
ドであり、例えばＨｅｎｋｅｌ社（Ｐｏｓｔｆａｃｈ １０１１００，Ｄ４０１
９１ Ｄｕｓｓｅｌｄｏｒｆ、ドイツ国）から市販されている、Ｐｌａｎｔａｒ
ｅｎ ２０００（商標）、Ｐｌａｎｔａｒｅｎ ２０００ Ｎ（商標）、及びＰｌ
ａｎｔａｒｅｎ ２０００ Ｎ ＵＰ（商標）である。

【００３３】 床、カウンター、壁等の用途の局面では、別の部類の好ましいノニオン界面活
性剤はアルキルエトキシレートである。本発明のアルキルエトキシレートは、線
状でも分岐状でもよい約８個の炭素原子ないし約１４個の炭素原子、及び約４個
のエチレンオキシド単位ないし約２５個のエチレンオキシド単位を含む。アルキ
ルエトキシレートの例には、Ｓｈｅｌｌ社（私書箱２４６３、１ Ｓｈｅｌｌ Ｐ
ｌａｚａ、Ｈｕｓｔｏｎ、テキサス州）により供給されるＮｅｏｄｏｌ（商標）
９１−６、Ｎｅｏｄｏｌ（商標）９１−８）、及びＶｉｓｔａ社（９００Ｔｈｒ
ｅａｄｎｅｅｄｌｅ、私書箱１９２０２９、Ｈｕｓｔｏｎ、テキサス州）により
供給されるＡｌｆｏｎｉｃ（商標）８１０−６０が挙げられる。更に好ましい界
面活性剤は、約９ないし約１２個の炭素原子、及び約４ないし約８個のエチレン
オキシドから成るアルキルエトキシレートである。これらの界面活性剤は、優れ
た洗浄効果を発現し、所要の親水性ポリマーと相乗的に作用する。最も好ましい
アルキルエトキシレートは、Ｃ₁₁ＥＯ₅であり、Ｓｈｅｌｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌ社
から商標Ｎｅｏｄｏｌ（商標）１−５で購入可能である。この界面活性剤は、所
望の濡れ及び洗浄特性を発現することが判っており、本発明の湿潤用ポリマーを
含むマトリックスの中で好ましいＣ_8-16アルキルポリグルコシドと旨く組み合わ
せることが出来る。理論に制約されたくないが、特に好ましいアルキルエトキシ
レートが優れた洗浄に求めらるとき、好ましいアルキルエトキシレートを更に含
む組成物の中で、Ｃ_8-16アルキルポリグルコシドが優れた最終結果（即ち、ヘイ
ズを減らす）を発現出来ると思われる。この好ましいＣ_8-16アルキルポリグルコ
シドは、アルキルエトキシレートを含む組成物の香料溶解度を改善することも判
っている。香料の濃度を高めると消費者が受け入れするには有利となることが出
来る。

【００３４】 本発明による液体組成物の使用は、比較的低濃度の活性剤で調製される。一般
的に、組成物は硬い表面クリーナーとして充分有効である界面活性剤及び本明細
書で後述する随意溶剤を含み、しかも尚、経済性を保持している；従って、組成
物は、組成物の重量で、好ましくはアルキルポリグルコシド及び／又はＣ_8-14ア
ルキルエトキシレート界面活性剤、一般的に約０．００５％ないし約０．５％、
更に好ましくは約０．０１％ないし約０．４％、尚、更に好ましくは約０．０１
％ないし約０．３％の界面活性剤を含む。高濃度よりもむしろ低濃度の界面活性
剤を使用することが総合的最終結果の性能に有用であることが判った。主な界面
活性剤系が好ましいアルキルエトキシレートを含むと、その最終結果のヘイズは
特定の共界面活性剤より少なくなることも判っている。これらの好ましい界面活
性剤は、Ｃ₈界面活性剤及びＰｏｌｙ Ｔｅｒｇｅｎｔ ＣＳ−１であり、更に後
述されている。

【００３５】 （随意有機清掃用溶剤） 組成物は、必要に応じて、有効濃度で１種以上の有
機清掃用溶剤も含むことが出来、一般的に組成物の重量で、約０．２５％以上で
あり、そして優先順位で言うと約０．５％と約３．０％及び優先順位で僅かに約
７％と約５％以下である。

【００３６】 界面活性剤は、疎水性清掃用溶剤を含まなくても洗浄及び／又は濡れを発現す
る。しかしながら、洗浄は、適切な有機清掃用溶剤を使用することにより更に改
善されることが普通である。有機清掃用溶剤とは、浴室でよく見かけるような汚
れを取り除くために界面活性剤を補佐する試剤を意味する。この有機清掃用溶剤
も、必要に応じて粘度の増加及び組成物の安定性の向上に関与することが出来る
。この溶剤が含まれると、Ｃ_8-16アルキルポリグルコシド及びＣ_8-14アルキルエ
トキシレートを含む組成物も起泡を抑える。従って、起泡状態は、配合物の中の
疎水性溶剤の濃度を単に制御することによって大半は制御することが出来る。

【００３７】 前記溶剤は、一般的に、末端Ｃ₃−Ｃ₆炭化水素が１ないし３個のエチレングリ
コール又はプロピレングリコール部分に付加されると、適度の疎水性及び好まし
い表面活性を発現する。エチレングリコール化学系の購入可能な疎水性清掃用溶
剤の例には、モノ−エチレングリコールｎ−ヘキシルエーテル（Ｕｎｉｏｎ Ｃ
ａｒ ｂｉｄｅ から購入可能なＨｅｘｙｌＣｅｌｌｏｓｏｌｖｅ（商標））が挙
げられる。プロピレングリコール化学系の購入可能な疎水性清掃用溶剤の例には
、プロピル及びブチルアルコールのジ−及びトリ−プロピルグリコール誘導体が
挙げられ、これら誘導体はＡｒｃｏ Ｃｈｅｍｉｃａｌ、３８０１ Ｗｅｓｔ Ｃ
ｈｅｓｔｅｒ Ｐｉｋｅ Ｎｅｗｔｏｗｎ Ｓｑｕａｒｅ、ペンシルベニア州、１
９０７３）、及びＤｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ（１６９１Ｎ、Ｓｗｅｄｅ Ｒｏａｄ
Ｍｉｄｌａｎｄ、ミシガン州）からＡｒｃｏｓｏｌｖｅ（商標）及びＤｏｗａ
ｎｏｌ（商標）の商品名で購入可能である。

【００３８】 本発明の局面では、好ましい溶剤は、モノ−プロピレングリコールモノ−プロ
ピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、モノ−プロ
ピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロ
ピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル；トリ−プロピ
レングリコールモノ−ブチルエーテル；エチレングリコールモノ−ブチルエーテ
ル；ジ−エチレングリコールモノ−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−
ヘキシルエーテル及びジ−エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル、並びに
それらの混合物から成る群から選ばれる。“ブチル”は、ノルマルブチル基、イ
ソブチル基もターシャリ−ブチル基も含む。モノ−プロピレングリコール及びモ
ノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテルは最も好ましい清掃用溶剤であ
り、商品名Ｄｏｗａｎｏｌ ＤＰｎＰ（商標）及びＤｏｗａｎｏｌ ＤＰｎＢ（商
標）で購入可能である。ジ−プロピレングリコールモノ−ｔ．ブチルエーテルは
Ａｒｃｏ Ｃｈｅｍｉｃａｌから商品名Ａｒｃｏｓｏｌｖ ＰＴＢ（商標）で市販
されている。

【００３９】 有機清掃用溶剤の量は、組成物に含まれるその他の成分によって変更出来る。
疎水性清掃用溶剤は、例えば床清掃用途で、優れた清掃を提供する際にいつもの
通り有用である。

【００４０】 閉めた空間で清掃する場合、この溶剤が吸い込まれると望ましくない微細な小
液滴を発生することがあるので、そのような空間を処理する際に使用する組成物
／溶液はそのような溶剤を実質的に含まない、更に好ましくは完全に含まないの
が望ましい。

【００４１】 （随意追加共界面活性剤） 本発明の清掃方法で使用される液体組成物は、必
要に応じて少量の追加アニオン及び／又はノニオン洗剤界面活性剤を含むことが
出来る。前記のノニオン界面活性剤は一般的に約８個の炭素原子ないし１８、好
ましくは約８ないし約１６個の炭素原子を含む疎水性鎖を含み、一般的にスルホ
ネート又はカルボキシレート親水性先頭部基を含む。一般的に、本発明の組成物
中の随意の、例えばアニオン、界面活性剤の濃度は、組成物の重量で、約０．０
１％ないし約０．２５％、更に好ましくは約０．０１％ないし約０．２％、最も
好ましくは約０．０１％ないし約０．１％である。

【００４２】 床、カウンター及びその他の表面用途の局面では、共界面活性剤の選択は、種
類の選択も含量の選択も重要となることがある。Ｃ₈−Ｃ₁₄アルキルエトキシレ
ートから成る組成物では、低濃度のＣ₈スルホネートは“トーニング（ｔｏｎｉ
ｎｇ）”効果を発現することにより最終結果を改善出来ることが判っている。ト
ーニングとはヘイズが少なくなることにより最終結果の外観が改善されることを
意味する。Ｃ₈スルホネートを含む場合、スルホネートは主界面活性剤（類）に
対して、約１：１０ないし約１：１重量比で使用されるのが好ましい。Ｃ₈スル
ホネートは、Ｓｔｅｐａｎから商品名Ｂｉｏ−Ｔｅｒｇｅ ＰＡＳ−８（商標）
ばかりでなく、Ｗｉｔｃｏ社から商品名Ｗｉｔｃｏｎａｔｅ ＮＡＳ−８（商標
）で市販されている。本発明にとって有用なその他の注目される“トーニング”
界面活性剤はＢＡＳＦから購入可能なＰｏｌｙ−Ｔｅｒｇｅｎｔ ＣＳ−１であ
る。Ｐｏｌｙ−Ｔｅｒｇｅｎｔ ＣＳ−１を入れる場合、主界面活性剤（類）に
対して約１：２０ないし約１：１の重量比で使用されるのが好ましい。

【００４３】 好ましさは殆どなく、一般的に低濃度ではあるけれども、使用出来るその他の
界面活性剤には、Ｃ₈−Ｃ₁₈アルキルスルホネート（Ｈｏｅｃｈｓｔ社製のＨｏ
ｓｔａｐｕｒ ＳＡＳ（商標）、Ｄ−６２３０ Ｆｒａｎｋｆｕｒｔ、ドイツ国）
、Ｃ₁₀−Ｃ₁₄線状又は分岐状アルキルベンゼンスルホネート、Ｃ₉−Ｃ₁₅アルキ
ルエトキシカルボキシレート洗剤界面活性剤（Ｓｈｅｌｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌ社
から購入可能なＮｅｏｄｏｘ（商標）界面活性剤）、Ｃ₁₀−Ｃ₁₄アルキルサルフ
ェート及びエトキシサルフェート（例えば、Ｓｔｅｐａｎ製Ｓｔｅｐａｎｏｌ
ＡＭ（商標））が挙げられる。アルキルエトキシカルボキシレートは、香料を溶
解するのに極めて低濃度（約０．０１％以下）で旨く使用出来る。このことは、
本発明を最も有用にするのに必要な低濃度の活性剤の重要なメリットとすること
が出来る。

【００４４】 本発明で使用する代替のノニオン洗剤界面活性剤は、アルコールの疎水性アル
キル鎖の中で概ね、約６ないし約１６個の炭素原子を含むアルコキシル化アルコ
ールである。典型的なアルコキシル化基は、プロポキシ基、又はエトキシ基と組
み合わせたプロポキシ基である。前記の化合物は、Ｒｈｏｄｉａ（私書箱 ４２
５、Ｃｒａｎｂｅｒｒｙ、ニュージャージー州、０８５１２）から商品名Ａｎｔ
ａｒｏｘ（商標）で市販されていて、広範囲の鎖長とアルコキシル化度を有する
。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーも使用される
ことが出来、ＢＡＳＦから商品名Ｐｌｕｒｏｎｉｃ（商標）で購入可能である。
本発明で使用するのに好ましいノニオン洗剤界面活性剤は、式Ｒ（Ｘ）_nＨによ
るものであり、式中、Ｒは約６ないし約１６個の炭素原子、好ましくは約８ない
し１２個の炭素原子を有するアルキル鎖であり、Ｘはプロポキシ、又はエトキシ
基とプロポキシ基との混合物であり、ｎは約４ないし約３０、好ましくは約５な
いし約８の整数である。使用出来るその他のノニオン界面活性剤には、糖のよう
な天然資源から誘導される界面活性剤が挙げられ、Ｃ₈−Ｃ₁₆Ｎ−アルキルグル
コースアミド界面活性剤が挙げられる。代替のノニオン界面活性剤を入れる場合
、この濃度は、組成物の重量で、約０．０１％ないし約０．２％、更に好ましく
は約０．０１％ないし０．１％である。

【００４５】 （モノ−又はポリカルボン酸） 石鹸垢及び硬水汚れを取り除くために、組成
物は約２ないし約５、更に好ましくは約３のｐＨの酸性にすることが出来る。約
５未満、好ましくは約４未満のｐＫａを有する１種以上の有機酸を使用すること
により少なくとも或る程度の酸性を得ることが出来る。そのような有機酸は、必
要に応じて増粘のための相形成を促進出来るばかりでなく硬水汚れの除去特性も
発現することも出来る。有機酸は、本発明の組成物の構成骨格内で優れた硬水除
去特性を促進するのに極めて有用であることが判っている。低いｐＨ及び１種以
上の好適な酸を使用すると、消毒効果に有用であることも判っている。

【００４６】 好適なモノ−カルボン酸の例には、酢酸、グリコール酸又はβ−ヒドロキシプ
ロピオン酸等が挙げられる。好適なポリカルボン酸の例には、クエン酸、酒石酸
、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。前
記の酸類は市場で容易に購入可能である。更に好ましいポリカルボン酸、特に非
高分子系ポリカルボン酸の例には、クエン酸（Ａｌｄｒｉｃｈ社から購入可能、
１００１Ｗｅｓｔ Ｓａｉｎｔ ＰａｕｌＡｖｅｎｕｅ、Ｍｉｌｗａｕｋｅｅ、ウ
イスコンシン州）、“精製ＡＧＳ二塩基酸”として発売されて、ＤｕＰｏｎｔ（
Ｗｉｌｍｉｎｇｔｏｎ、デラウェア州）から購入可能なコハク酸とグルタミン酸
とアジピン酸との混合物、マレイン酸（これもＡｌｄｒｉｃｈから購入可能）、
及びそれらの混合物が挙げられる。クエン酸は、特に石鹸垢の洗浄を必要とする
用途には最も好ましい。グリコール酸、並びにアジピン酸とグルタミン酸とコハ
ク酸との混合物は硬水除去には更に優れた効果を発現する。本発明の組成物の中
の有機酸の量は、組成物の重量で、約０．０１％ないし約１％、更に好ましくは
約０．０１％ないし約０．５％、最も好ましくは約０．０２５％ないし約０．２
５％が可能である。

【００４７】 （臭気抑制剤） 本明細書で使用するように、用語“シクロデキストリン”に
は、６ないし１２個のグルコース単位を含む非置換シクロデキストリン、特にア
ルファーシクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデ
キストリン及び／又はそれらの誘導体及び／又はそれらの混合物のような任意の
周知のシクロデキストリンが挙げられる。アルファーシクロデキストリンは６個
のグルコース単位から成り、ベータ−シクロデキストリンは７個のグルコース単
位から成り、そしてガンマ−シクロデキストリンはドーナツ形環状に配列された
８個のグルコース単位から成る。グルコース単位の特定の結合及びコンフォメー
ションによって、シクロデキストリンは特定の容量の中空内部を有する堅い円錐
の分子構造となる。各内部空洞の“ライニング（ｌｉｎｉｎｇ）”は、水素原子
とグルコシド架橋酸素原子によって形成される；従って、この表面は、かなり疎
水性である。この空洞の特異な形状及び物理的−化学的特性によって、シクロデ
キストリン分子は空洞の中に嵌ることが出来る有機分子又は有機分子の一部分を
吸収することが出来る（内包錯体を形成する）。多くの悪臭分子や香料分子を含
む空洞の中に多くの臭気を出す分子が嵌りこむことが出来る。従って、シクロデ
キストリン、及び特にいろいろ寸法の空洞を有するシクロデキストリンの混合物
は、反応性官能基を含むこともあり、含まないこともある広範囲の臭気を出す有
機材料によって、発生する臭気を制御するのに使用することが出来る。シクロデ
キストリンと臭気を出す分子との間の錯化は水の存在で急速に起こる。しかしな
がら、錯体形成の程度も吸収される分子の極性によって決まる。水溶液の中では
、強い親水性分子（高度の水溶性である分子）は、もし吸収されるとしても極く
一部分が吸収されるだけである。従って、シクロデキストリンは、或る極めて低
分子量の有機アミン及び酸が、濡れ表面に低濃度で含まれる場合、これらのアミ
ン及び酸と効率よく錯化しない。しかしながら、水が除去されつつある、例えば
表面が乾燥されつつある場合、或る低分子量、有機アミン及び酸は親和性を高め
て、シクロデキストリンと比較的簡単に錯化する。

【００４８】 本発明の溶液中のシクロデキストリンの内部の空洞は、本質的に未充填のまま
のはずである（このシクロデキストリンは未錯化のままである）、一方、溶液中
ではシクロデキストリンは、この溶液が表面に塗布されると、いろいろな臭気を
出す分子を吸収することが出来るようになる。非誘導型（ノーマル）ベータ−シ
クロデキストリンは、室温では約１．８５％（水１００グラム中に約１．８５ｇ
）の溶解最大限度までの濃度で存在することが出来る。ベータシクロデキストリ
ンは、この水溶解限度より高いシクロデキストリンの濃度を必要とする組成物で
は好ましくない。非誘導体型ベータシクロデキストリンは、誘導体型シクロデキ
ストリンと相溶性のある大抵の好ましい界面活性剤の表面活性に影響を与えるの
で、組成物が界面活性剤を含む場合は、このシクロデキストリンは何時も好まれ
るとは限らない。

【００４９】 本発明の水性洗浄溶液は透明であるのが好ましい。本明細書で定義される用語
“透明である”は、約１０ｃｍ未満の厚さを有する層を見通すと“透き通った水
”の中のように透明又は透光性、好ましくは透明であることを意味する。

【００５０】 本発明で使用されるシクロデキストリンは、アルファ−シクロデキストリン及
び／又はその誘導体、ガンマ−シクロデキストリン及び／又はその誘導体、誘導
体型ベータ−シクロデキストリン及び／又はそれらの混合物のような高度の水溶
性を有するのが好ましい。シクロデキストリンの誘導体は、ＯＨ基の幾つかがＯ
Ｒ基に転換されている分子から主に成る。シクロデキストリン誘導体には、次が
挙げられる：例えば、メチル化シクロデキストリン及びエチル化シクロデキスト
リンのような短鎖アルキル基を含むシクロデキストリン誘導体であって、式中、
Ｒはメチル又はエチル基である；ヒドロキシルプロピルシクロデキストリン及び
／又はヒドロキシルエチルシクロデキストリンのようなヒドロキシルアルキル置
換基を含むシクロデキストリン誘導体であって、式中、Ｒは、−ＣＨ₂−ＣＨ（
ＯＨ）−ＣＨ₃又は−ＣＨ₂−ＣＨ₂−ＯＨ基である；マルトース結合型シクロデ
キストリンのような分岐型シクロデキストリン；２−ヒドロキシ−３−（ジメチ
ルアミノ）プロピルエーテルを含むシクロデキストリン誘導体のようなカチオン
性シクロデキストリンであって、式中、Ｒは−ＣＨ₂−ＣＨ（ＯＨ）−ＣＨ₂−Ｎ
（ＣＨ₃）₂であり、低いｐＨではカチオン性である；第四級アンモニウム、例え
ば２−ヒドロキシ−３−（トリエチルアンモノ）プロピルエーテルクロリド基で
あり、式中、Ｒは−ＣＨ₂−ＣＨ（ＯＨ）−ＣＨ₂−Ｎ⁺（ＣＨ₃）₃Ｃｌ^-である；
カルボキシメチルシクロデキストリン、シクロデキストリンサルフェート及びシ
クロデキストリンスクシニレート（ｓｕｃｃｉｎｙｌａｔｅ）のようなアニオン
性シクロデキストリン；カルボキシメチル／第四級アンモニウムシクロデキスト
リンのような両性シクロデキストリン；少なくとも１個のグルコピラノース単位
が３−６−アンヒドロ−シクロマルト構造を有するシクロデキストリン、例えば
モノ−３−６−アンヒドロシクロシクロデキストリンであり、これは１９９４年
４月の第７回国際シクロデキストリンシンポジウムの要旨集（Ｔｈｅ ７ｔｈ Ｉ
ｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｃｙｃｌｏｄｅｘｔｒｉｎ Ｓｙｍｐｏｓｉｕｍ Ａ
ｂｓｔｒａｃｔｓ、４９頁のＦ．Ｄｉｅｄａｉｎｉ−Ｐｉｌａｒｄ及びＢ．Ｐｅ
ｒｌｙの“Ｏｐｔｉｍａｌ Ｐｅｒｆｏｒｍａｎｃｅｓ ｗｉｔｈ Ｍｉｎｉｍａ
ｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｍｏｄｉｆｉｃａｔｉｏｎ ｏｆ Ｃｙｃｌｏｄｅｘｔｒｉ
ｎ”）に開示されていて、前記引用文献は引用文献によって本明細書に組み入れ
られている；並びにそれらの混合物。その他のシクロデキストリン誘導体は次の
通り開示されている：１９６９年２月４日にＰａｒｍｅｒｔｅｒ等に発行された
米国特許第３，４２６，０１１号；１９６９年７月１日に全てＰａｒｍｅｒｔｅ
ｒ等の名義に発行された米国特許第３，４５３，２５７号；第３，４５３，２５
８号；第３，４５３，２５９号；及び第３，４５３，２６０号；１９６９年８月
５日にＧｒａｍｅｒａ等に発行された米国特許第３，４５９，７３１号；１９７
１年１月５日にＰａｒｍｅｒｔｅｒ等に発行された米国特許第３，５５３，１９
１号；１９７１年２月２３日にＰａｒｍｅｒｔｅｒ等に発行された米国特許第３
，５６５，８８７号；１９８５年８月１３日にＳｚｅｊｔｌｉ等に発行された米
国特許第４，５３５，１５２号；１９８６年１０月７日にＨｉｒａｉ等に発行さ
れた米国特許第４，６１６，００８号；１９８７年７月７日にＯｇｉｎｏ等に発
行された米国特許第４，６７８，５９８号；１９８７年１月２０日にＢｒａｎｔ
ｒ等に発行された米国特許第４，６３８，０５８号；及び１９８８年５月２４日
にＴｓｕｃｈｉｙａｍａ等に発行された米国特許第４，７４６，７３４号であり
、前記特許は全て引用文献によって本明細書に組み入れられている。

【００５１】 高度水溶性シクロデキストリンは、室温で水１００ｍｌに少なくとも約１０ｇ
の、好ましくは水１００ｍｌに少なくとも約２０ｇ、更に好ましくは室温で水１
００ｍｌに少なくとも約２５ｇの水溶性を有するシクロデキストリンである。可
溶化型であり非錯化型シクロデキストリンの有用性は、効果的で且つ効率的な臭
気抑制性能には必須である。可溶化型であり水溶性のシクロデキストリンは、表
面に置かれた時に非水溶性シクロデキストリンより効率的な臭気抑制性能を発現
することが出来る。

【００５２】 本発明で使用するのに好適な好ましい水溶性シクロデキストリン誘導体の例は
、ヒドロキシプロピレンアルファ−シクロデキストリン、メチル化アルファ−シ
クロデキストリン、メチル化ベータ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルベ
ータ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルベータ−シクロデキストリンで
ある。ヒドロキシアルキルシクロデキストリン誘導体は、好ましくは約１ないし
約１４、更に好ましくは約１．５ないし約７の置換度を有し、この場合、シクロ
デキストリン当たりＯＲ基の合計数が置換度として定義される。メチル化シクロ
デキストリン誘導体は、一般的には約１ないし約１８、好ましくは約３ないし約
１６の置換度を有する。既知のメチル化ベータ−シクロデキストリンは、ＤＩＭ
ＥＢとして公知のヘプタキス−２，６−ジ−Ｏ−メチル−β−シクロデキストリ
ンであり、このシクロデキストリンでは、各グルコース単位は約１４の置換度を
有する約２個のメチル基を有する。好ましくて広く市販されているメチル化ベー
タ−シクロデキストリンは、約１２．６を基準として、いろいろな置換度を有す
るＲＡＭＥＢとして公知であるランダムメチル化ベータ−シクロデキストリンで
ある。ＲＡＭＥＢはＤＩＭＥＢより好ましい、と言うのは、ＤＩＭＥＢは、好ま
しい界面活性剤の表面活性にＲＡＭＥＢより大きい影響を及ぼすからである。好
ましいシクロデキストリンは、例えば、Ｃｅｒｅｓｔａｒ ＵＳＡ社及びＷａｃ
ｋｅｒ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ（ＵＳＡ）社から購入可能である。

【００５３】 シクロデキストリンの混合物を使用することも好ましい。そのような混合物は
、広範囲の分子サイズを有して種々の臭気を出す分子と錯化することにより比較
的広く臭気を吸収する。好ましくはシクロデキストリンの少なくとも１部分が、
アルファ−シクロデキストリン及び／又はその誘導体、ガンマ−シクロデキスト
リン及び／又はその誘導体、及び／又は変性ベータ−シクロデキストリンであり
、更に好ましくはアルファ−シクロデキストリン、又はアルファ−シクロデキス
トリン誘導体と変性ベータ−シクロデキストリンとの混合物、尚、更に好ましく
は変性アルファ−シクロデキストリンと変性ベータ−シクロデキストリンとの混
合物、最も好ましくはヒドロキシプロピルアルファ−シクロデキストリンとヒド
ロキシプロピルベータ−シクロデキストリンとの混合物、及び／又はメチル化ア
ルファ−シクロデキストリンとメチル化ベータ−シクロデキストリンとの混合物
である。

【００５４】 本発明の局面で使用される組成物は、通常の使用濃度で目視可能な残渣が現わ
れないような低濃度のシクロデキストリンを含むことが好ましい。使用条件のも
とで表面を処理するのに使用される溶液は、乾燥時には実質的に認識出来ないの
が好ましい。使用条件のもとでの使用する組成物の中のシクロデキストリンの一
般的濃度は、組成物の重量で、約０．０１％ないし約１％、好ましくは約０．０
５％ないし約０．７５％、更に好ましくは約０．１％ないし約０．５％である。
これ以上の濃度の組成物は許容出来ない目視残渣が残ることがある。

【００５５】 （随意過酸化物源） 本発明の局面で使用される組成物は、更なる消毒効果、
真菌増殖抑止効果及び殺菌効果のために、過酸化水素、又は過酸化水素源のよう
な過酸化物を含むことが出来る。本発明の組成物は、過酸化物の使用を実質的に
相容れることが出来る。好ましい過酸化物には、ベイゾイルペルオキシド、及び
過酸化水素が挙げられる。これらは必要に応じて約０．０５％ないし約５％、好
ましくは約０．１％ないし約３％、最も好ましくは約０．２％ないし約１．５％
で本明細書の中に存在することが出来る。

【００５６】 過酸化物が存在すると、安定化系を提供することが望ましい。好適な安定化系
は知られている。好ましい安定化系は、組成物の重量で、約０．０１％ないし約
０．５％、更に好ましくは約０．０１％ないし約０．２５％、最も好ましくは約
０．０１％ないし約０．１％の濃度で存在するラジカル捕捉剤及び／又は金属キ
レート化剤から成る。ラジカル捕捉剤の例には、没食子酸プロピル、ブチル化ヒ
ドロキシトルエン（ＢＨＴ）、ブチル化ヒドロキシアニソール（ＢＨＡ）等のよ
うな抗酸化剤が挙げられる。好適な金属キレート化剤には、ジエチレントリアミ
ンペンタ−アセテート、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、ヒ
ドロキシエチルジホスホネート等が挙げられる。

【００５７】 （随意増粘ポリマー） 本発明の局面で使用される好ましい水性組成物を増粘
するために低濃度のポリマーを使用することが出来る。一般的に、増粘ポリマー
の濃度は、生成物の最終結果の諸特性を損なうことがないように可能な限り低く
保たれる。キサンタンゴムは、特に低濃度で使用されると最終結果の諸特性も高
めることが出来るので、特に好ましい増粘剤である。増粘ポリマーは、組成物の
重量で、約０．００１％ないし約０．１％、更に好ましくは約０．００２５％な
いし約０．０５％、最も好ましくは約０．００５％ないし約０．０２５％で含ま
れる。

【００５８】 （水性溶剤系） 水性である組成物は、組成物の重量で、少なくとも約８０％
、更に好ましくは組成物の重量で、約８０％ないし９９％超の水性溶剤を含む。
水性組成物は一般的にミセル形態であり、著しいミセル状膨潤を引起す高濃度の
水不溶性成分を取り込まない。

【００５９】 水性溶剤系では、洗剤組成物で一般的に求められる低分子量、高水溶性溶剤、
例えばエタノール、イソプロパノール等も含むことが出来る。これらの溶剤を使
用すると、使用しなければ活性が低下する組成物に消毒特性を付与することが出
来る。更に、これらの溶剤は、香料の合計濃度が極めて低い場合の組成物で特に
有用となることが出来る。実際に、高揮発性溶剤により、“消散（ｌｉｆｔ）”
が可能となり、香料の性質が向上する。含まれる場合、高揮発性溶剤は組成物の
重量で、約０．２５％ないし約５％、更に好ましくは約０．５％ないし約３％、
最も好ましくは約０．５％ないし約２％含まれる。前記溶剤の例には、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ｎ−ブタノール、イソ−ブタノール、２−
ブタノール、ペンタノール、２−メチル−１−ブタノール、メトキシメタノール
、メトキシエタノール、メトキシプロパノール、及びそれらの混合物が挙げられ
る。

【００６０】 本発明の局面で使用される組成物には、その他の溶剤、及び特にパラフィン及
びイソパラフィンが挙げられ、これらは組成物によって生じる起泡を実質的に減
らすことが出来る。

【００６１】 （随意抑泡剤） 本発明で使用するのに好適なシリコーン抑泡剤には、任意の
シリコーン及びシリカ−シリコーン混合物が挙げられる。シリコーンはアルキル
化ポリシロキサン材料によって概ね代表することが出来、一方、シリカはシリカ
エーロゲル、及びキセロゲル、並びにいろいろなタイプの疎水性シリカによって
例示される微粉砕された形態で使用されのが普通である。工業的現場では、用語
“シリコーン”は、シロキサン単位、及びいろいろタイプのヒドロカルビル基を
含むいろいろな比較的高分子量ポリマーを包含する包括的用語となっている。実
際に、シリコーン化合物は、当業界で広範囲に記載されていて、例えば、次の米
国特許：米国特許第４，０７６，６４８号；米国特許第４，０２１，３６５号；
米国特許第４，７４９，７４０号；米国特許第４，９８３，３１６号；及び欧州
特許：ＥＰ１５０，８７２；ＥＰ２１７，５０１及びＥＰ４９９，３６４を参照
されたい；前記の特許は、全て引用文献によって本明細書に組み入れられている
。好ましいのは、トリメチルシリル末端停止単位を有し、２５℃で５×１０^-5ｍ ² ／秒ないし０．１ｍ²／秒の粘度、即ち４０ないし１５００の範囲のｎ値を有す
るポリジメチルシロキサンのようなポリジオルガノシロキサンである。これは直
ちに使用出来る有用性、そして比較的低コストなので好ましい。

【００６２】 本発明の組成物で有用な好ましいタイプのシリコーン化合物は、前記で開示さ
れたタイプのアルキル化シロキサンと固体シリカの混合物を含む。固体シリカは
、ヒュームドシリカ、沈降シリカ又はゲル形成技術により作られるシリカが可能
である。シリカに直接結合するにしろ、シリコーン樹脂によるにしろシリカ粒子
をジアルキルシリル基及び／又はトリアルキルシラン基で処理することによりこ
の粒子を疎水性にすることが出来る。好ましいシリコーン化合物は、疎水性シラ
ン化シリカ、最も好ましくは１０ｍｍないし２０ｍｍの範囲の粒度と５０ｍ²／
ｇの比表面積を有するトリメチルシラン化シリカを含む。本発明の組成物で使用
されるシリコーン化合物は、２×１０^-4ｍ²／秒ないし１ｍ²／秒の範囲の粘度を
有するシリコーン化合物となるシリコーン化合物の合計重量の重量で、１ないし
３０％（最も好ましくは２．０ないし１５％）の範囲の量のシリカを有するのが
好適である。好ましいシリコーン化合物は５×１０^-3ｍ²／秒ないし０．１ｍ²／
秒の範囲の粘度を有することが出来る。特に好適なのは２×１０^-2ｍ²／秒又は
４．５×１０^-2ｍ²／秒の粘度を有するシリコーン化合物である。

【００６３】 本発明で使用に好適なシリコーン化合物は、Ｒｈｏｎｅ Ｐｏｕｌｅｎｃ、Ｆ
ｕｅｌｌｅｒ及びＤｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇを含めて、各社から市販されている。
本発明で使用の場合のシリコーン化合物の例は、両方ともＤｏｗ Ｃｏｒｎｉｎ
ｇから市販されている、Ｓｉｌｉｃｏｎｅ ＤＢ（商標）１００及びＳｉｌｉｃ
ｏｎｅ Ｅｍｕｌｓｉｏｎ ２−３５９７（商標）である。

【００６４】 （随意香料及び／又は追加補助剤） 香料及び／又はその他の従来の補助剤の
ような随意成分も含めることが出来る。

【００６５】 （香料） 随意であるが、極めて好ましい成分は香料であり、通常は香料成分
の混合物である。本明細書で使用されるように、香料は主として香料成分の嗅覚
の寄与のために加られ、エタノールのような揮発性有機溶剤の使用によって補わ
れることがおおい香料成分を含む。

【００６６】 大抵の硬い表面クリーナー製品は、幾種類の香料を含むことにより嗅覚による
美的効果を発現して、この製品が持つことがある僅かな“化学薬品的”臭いを覆
う。この香料の中の極く少分量の高揮発性、低温沸騰の（低沸点を有すること）
香料成分の主な機能は、清掃された表面の付随的臭気に影響を与えるよりも製品
それ自体の香気を高めることである。しかしながら、或る低揮発性の高沸点香料
成分は、表面に新鮮で、クリーンな感じを与えることが出来、乾燥した表面にこ
れの成分が置かれて残されていることが望ましいことが時にはある。

【００６７】 香料は、汚れや被膜を最小限に抑えるために、より水溶性及び／又は揮発性で
ある香料が好ましい。本明細書で有用な香料は、１９９２年４月２８日にＭｉｃ
ｈａｅｌに発行された米国特許第５，１０８，６６０号の８カラム４８ないし６
８行、及び９カラム１ないし６８行、及び１０カラム１ないし２４行に、更に詳
細に記載されていて、前記特許及びが特に前記具体的部分は引用文献によって組
み入れられている。

【００６８】 香料成分は、精油、無水アルコール、レジノイド、樹脂、凝固物、等のような
天然産物、及び／又は飽和及び不飽和化合物、脂肪族、炭素環式及び複素環式化
合物を含めて、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、酸、ア
セタール、ケタール、ニトリル等のような合成香料成分が可能である。前記香料
成分の例は次の通りである：ゲラニオール、酢酸ゲラニル、リナロール、酢酸リ
ナリル、テトラヒドロリナロール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、ジヒド
ロミルセノール、酢酸ジヒドロミルセニル、テルピネオール、酢酸テルピニル、
酢酸、２−フェニルエタノール、酢酸２−フェニルエチル、ベンジルアルコール
、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、安息香酸ベンジル、酢酸スチラリル、サ
リチル酸アミル、ジメチルベンジルカルビノール、酢酸トリクロロメチルフェニ
ルカルビニル、酢酸ｐ−ｔｅｒｔ．ブチル−シクロヘキシル、酢酸イソボニル、
アルファ−ｎ−アミルシンナムアルデヒド、アルファ−ヘキシル−シンナムアル
デヒド、２−メチル−３−（ｐ−ｔｅｒｔ．ブチルフェニル）−プロパノール、
２−メチル−３（ｐ−イソプロピルフェニル）プロパノール、３−（ｐ−ｔｅｒ
ｔ．ブチルフェニル）プロパノール、酢酸トリシクロデセニル、プロピオン酸ト
リシクロデセニル、４−（４−ヒドロキシ−４−メチルフェニル）−３−シクロ
ヘキセンカルバルデヒド、４−（４−メチル−３−ペンテニル）−３シクロヘキ
センカルバルデヒド、４−アセトキシ−３−ペンチル−テトラヒドロピラン、メ
チルジヒドロジャスモネート、２−ｎ−ペプチル−シクロペンタノン、３−メチ
ル−２−ペンチル−シクロペンタノン、ｎ−デカナール、ｎ−ドデナカール、９
−デセノール−１、フェノキシエチルイソブチレート、フェニルアセトアルデヒ
ドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジセチルアセタール、ゲラノ
ニトリル、シトロネロニトリル、酢酸セドリル、３−イソカンフィル−シクロヘ
キサノール、セドリルエーテル、イソロンギホラノン、オーベピンニトリル、オ
ーベピン、ヘリオトロピン、クマリン、オイゲノール、バニリン、ジフェニルオ
キシド、ヒドロキシシトロネラル、イオノン、メチルイオノン、イソメチルイオ
ノン、イロン、シス−３−ヘキセノール及びそのエステル、インダンじゃこう、
テトラリンじゃこう、イソクロマンじゃこう、大環式ケトン、マクロラクトンじ
ゃこう、ブラシル酸エチレン、芳香族ニトロじゃこう。本明細書の組成物は、香
料成分又はその混合物の合計組成物の重量で、一般的に約０．１ないし約２％、
好ましくは約０．１％ないし約１％を含む。過酸化物を含む好ましい実施態様の
場合には、香料は酸化剤と適合するように選ばれなければならない。

【００６９】 好ましい実施では、香料成分は疎水性であり、高度の揮発性、例えば成分は、
約２６０℃未満、好ましくは約２５５℃未満；更に好ましくは２５０℃未満の沸
点を有し、少なくとも約３、好ましくは約３．１超、尚、更に好ましくは約３．
２超のＣｌｏｇＰを有する。

【００７０】 多くの成分のｌｏｇＰが報告されている：例えば、Ｄａｙｌｉｇｈｔ Ｃｈｅ
ｍｉｃａｌ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍｓ社（Ｄａｙｌｉｇｈｔ Ｃ
ＩＳ、Ｉｒｖｉｎｅ、カリフォルニア州）から購入可能なＰｏｍｏｎａ９２デー
タベースは、原報の引用も併せて多数収集している。しかしながら、ｌｏｇＰ値
は、これもＤａｙｌｉｇｈｔＣＩＳから購入可能な“ＣＬＯＧＰ”プログラムに
より計算するのが、最も便利である。ｌｏｇＰをＰｏｍｏｎａ９２データベース
で利用する時は、このプログラムは、実験的ｌｏｇＰ値も登録する。“計算型（
ｃａｌｃｕｌａｔｅｄ）ｌｏｇＰ”（ＣｌｏｇＰ）は、Ｈａｎｓｃｈ及びＬｅｏ
の部分アプローチ（ｆｒａｇｍｅｎｔ ａｐｐｒｏａｃｈ）によって決められる
（Ｃ．Ｈａｎｓｃｈ、Ｐ．Ｇ．Ｓａｍｍｅｎｓ，Ｊ．Ｂ．Ｔａｙｌｏｒ及びＣ．
Ａ．Ｒａｍｓｄｅｎ編のＣｏｍｐｒｅｈｅｎｓｉｖｅ Ｍｅｄｉｃｉｎａｌ Ｃｈ
ｅｍｉｓｔｒｙ、第４巻Ｐｅｒｇａｍｏｎ Ｐｒｅｓｓ、１９９０、２９５頁の
Ａ．Ｌｅｏを参照されたい。引用文献によって本明細書に組み入れられている）
。部分アプローチは、各成分の化学構造に基づいていて、原子の数と種類、原子
の連結性及び化学結合を考慮している。このような物理化学特性用に最も信頼性
があり、広く使用されている推奨値であるＣｌｏｇＰ値は、本発明で有用である
主要な溶剤成分を選択する際に実験的ｌｏｇＰ値に代わって、使用されるのが好
ましい。ＣｌｏｇＰを計算するのに使用出来るその他の方法には、例えば、Ｊ．
Ｃｈｅｍ．Ｉｎｆ．Ｃｏｍｐｕｔ．Ｓｃｉ．２７、２１（１９８７）に開示され
たＣｒｉｐｐｅｎの部分化（ｆｒａｇｍｅｎｔａｔｉｏｎ）方法；Ｊ．Ｃｈｅｍ
．Ｉｎｆ．Ｃｏｍｐｕｔ．Ｓｃｉ．２９、１６３（１９８９）に開示されている
Ｖｉｓｗａｎａｄｈａｎの部分化方法；及びＥｕｒ．Ｊ．Ｍｅｄ．Ｃｈｅｍ．−
Ｃｈｉｍ．Ｔｈｅｏｒ．１９、７１（１９８４）の開示されたＢｒｏｔｏの方法
が挙げられる。

【００７１】 （その他の補助剤） 本発明の組成物は、追加の活性剤及び洗剤ビルダーばか
りでなく主なエステティック成分を含めて、いろいろなその他の随意成分を含む
ことが出来る。

【００７２】 特に、本発明の組成物のレオロジーが組成物の中の懸濁粒子、例えば研磨剤粒
子に好適となることが出来る。

【００７３】 （洗剤ビルダー） 硬い表面クリーナーにとって効率がよく、臨界含量で被膜
／縞形成特性を低下させる洗剤ビルダーは別の随意成分である。好ましい洗剤ビ
ルダーは、クエン酸及び酒石酸を含めて、ポリカルボン酸開示の一部として前述
したカルボン酸洗剤ビルダーである。酒石酸は、清掃を改善し、洗剤ビルダーが
硬い表面クリーナーに加えられると通常は発生する被膜／縞形成の問題を最小限
に抑えることが出来る。

【００７４】 洗剤ビルダーは、洗剤ビルダー性能を発現する濃度で含まれ、前述の酸ｐＨ調
整の一部ではないビルダーは、約０．０１％ないし約０．３％、更に好ましくは
約０．００５％ないし約０．２％、そして最も好ましくは約０．０５％ないし約
０．１％の濃度で含まれるのが一般的である。

【００７５】 （緩衝液） 本発明の組成物は、洗剤組成物の当業界で周知のその他のいろい
ろな補助剤も含むことが出来る。それらの補助剤は、許容されない被膜／縞形成
を引き起こす濃度で使用されないのが好ましい。緩衝液は、この用途では重要な
部類の補助剤である。主に、使用される活性剤が低濃度である結果として、この
ようなことが起こる。理想的な緩衝液系は、所望の狭い範囲でｐＨを維持すると
同時に被膜／縞形成の問題を引起さない。本発明の局面では、好ましい緩衝液は
、高い揮発性であり、しかも使用中は清掃効果を発現出来る緩衝液である。従っ
て、好ましい緩衝液が低揮発性の対応する緩衝液より高濃度で使用出来ると言う
点でこの緩衝液が有用である。そのような緩衝液は、低分子量、即ち約１５０ｇ
未満／分子を有して、概ね、僅かに１個のヒドロキシ基だけを含む傾向がある。
好ましい緩衝液の例には、アンモニア、メタノールアミン、エタノールアミン、
２−アミノ−２−メチル−１−プロパノール、２−ジメチルアミノ−２−メチル
−１−プロパノール、酢酸、及びグリコール酸等が挙げられる。これらの緩衝液
の中で最も好ましいのが、アンモニア、２−ジメチルアミノ−２−メチル−１−
プロパノール及び酢酸である。これらの緩衝液を使用する場合、約０．００５％
ないし約０．５％で含まれ、化学薬品の揮発性が大きければ大きいほど高含量に
するのが好ましい。

【００７６】 非揮発性緩衝液も本発明で使用出来る。そのような緩衝液は、被膜／縞形成の
傾向が大きいので、好ましい濃度より概ね低い濃度で使用しなければならない。
そのような緩衝液の例には、限定はされないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
及び炭酸水素カリウム、１，３−ビス（アミノメチル）シクロヘキサン、クエン
酸ナトリウム、クエン酸、マレイン酸、酒石酸等が挙げられる。マレイン酸は、
表面の損傷を起こさせ難いので、緩衝液として特に好ましい。クエン酸は、ＥＰ
Ａ登録活性剤として殺菌効果をもたらすので、この酸も望ましい。更に、日常シ
ャワーの製品用途用の、本発明の親水性ポリマーを含む組成物では、酸性は濡れ
を良くし、“被膜”を長く続かせる効果を発現することが判った。非揮発性緩衝
液が使用される時は、組成物の重量で、約０．００１％ないし約０．０５％が含
まれる。

【００７７】 その他の補助剤の非限定例は：プロテアーゼのような酵素；トルエンスルホン
酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウムの
ようなヒドロトロープ；約０．０１％ないし約０．５％、好ましくは約０．０１
％ないし約０．１％の濃度の親水性ポリマー以外の増粘剤；及び被膜／縞形成に
悪影響を及ぼさないような着色剤のような美的向上成分である。

【００７８】 （防腐剤及び抗菌剤） 防腐剤は高濃度の水を含むので、防腐剤も使用するこ
とが出来て、本発明の多くの組成物で必要とされる。防腐剤の例には、Ａｎｇｕ
ｓ Ｃｈｅｍｉｃａｌ（２１１ Ｓａｎｄｅｒｓ Ｒｏａｄ、Ｎｏｒｔｈｂｒｏｏ
ｋ、イリノイ州、米国）により発売されているブロノポール、ヘキシチジンが挙
げられる。その他の防腐剤には、Ｋａｔｈｏｎ、２−（（ヒドロキシメチル）（
アミノ）エタノール、プロピレングリコール、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナト
リウム、ホルムアルデヒド及びグルタルデヒド、ジクロロ−ｓ−トリアジントリ
オン、トリクロロ−ｓ−トリアジントリオン、及びジオクチルジメチルアンモニ
ウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含めた第四級アンモニ
ウム塩、Ｃ₁₂、Ｃ₁₄及びＣ₁₆ジメチルベンジルが挙げられる。好ましい防腐剤に
は、Ａｖｉｃａ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ（Ｗｉｌｌｉｎｇｔｏｎ、デラウェア州、
１９８９７）より発売されている１，２−ベンズイソチアゾリン−３−オン及び
ポリヘキサメチレンビグアニド、Ａｌｄｒｉｃｈ−Ｓｉｇｍａ（１００１、Ｗｅ
ｓｔ Ｓａｉｎｔ Ｐａｕｌ Ａｖｅｎｕｅ、ミルウォーキー州、ＷＩ５３２３３
）より発売されているクロルヘキシジンジアセテート、Ａｒｃｈ Ｃｈｅｍｉｃ
ａｌｓより発売されているＡｒｃｈ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ（５０１ Ｍｅｒｒｉｔ
ｔ Ｓｅｖｅｎ 私書箱５２０４、Ｎｏｒｗａｌｋ ＣＴ０６８５６）より発売さ
れているナトリウムピリチオンが挙げられる。防腐剤が使用される場合、防腐剤
は約０．０００１％ないし約０．０１％の濃度で含まれるのが優先する。これら
同じ防腐剤は、表面上に抗菌抑制をもたらす作用をすることが出来るが、約０．
００５ないし約０．１％の比較的高い濃度で使用する必要がある。第四級アンモ
ニウム塩を含めて、その他の抗菌剤を入れることが出来るが、本発明の局面では
高い濃度、即ち約０．０５％超の濃度は好ましくない。そのような化合物は好ま
しいポリマーの効果と干渉することが多いことが判った。特に、第四級アンモニ
ウム界面活性剤は硬い表面を疎水性的に変性する傾向がある。従って、好ましい
ポリマーは、高濃度の第四級アンモニウム界面活性剤を含む組成物では、有効で
はないことが判っている。同じ様な結果は、ラウリルベタイン及びココアミドベ
タインを含めて、両性界面活性剤を使用して判った。カチオン又は両性界面活性
剤を含める場合、それらの濃度は、約０．１％未満、好ましくは約０．０５％未
満の濃度にすべきである。オルトベンジル−パラ−クロロフェニールのような疎
水性の強い抗菌／殺菌剤は避けられる。このような物質が含まれる場合、この物
質は約０．０５％未満の濃度で保つべきである。

【００７９】 浴室、床、カウンター、壁清掃を含めた組成物及びガラス組成物の例 本発明は、床、並びにカウンター、壁、及びすすぎは不必要又は僅かで済むそ
の他の表面のようなその他の大表面の清掃方法に関する。そのような方法で使用
する組成物の例には、すぐに使用出来る水性クリーナー、及び稀釈可能な水性、
汎用のクリーナーが挙げられる。本発明の局面では、これらの組成物は、後述の
ように、清掃用具のモップヘッドに取り付けられることになっている予め濡れた
ワイプ又はモップを調製するのに使用されることとする。予め濡れたワイプとは
清掃用組成物を染み込ませたままそのパッケージの中で一緒に保管されるので、
使用者は使用時毎に清掃用組成物のビンを開ける必要がないワイプ又はモップを
意味する。製造プロセスの中の包装工程で直接溶液を加えることによりワイプを
予め濡らすことが出来る、或いはそれとは別に、清掃用組成物は、初回の使用時
に使用者により一度加えられのち、次回使用には染み込まされたままにすること
が出来る。

【００８０】 （“日常シャワー”の組成物） 定期的に浴室及び／又はシャワーで使用する
組成物は、大量の堆積した汚れを取り除かなければならない以外に清潔さと外観
を保つ効果を発現する。このような組成物は、シャワー、入浴、洗い落としの後
、等に使用され、表面を保護してその後の僅かな汚れも容易に取り除くことが出
来るように残されたままにされる。前記組成物は、本質的に稀釈して“常用する
”組成物である。

【００８１】 これらの組成物は、一般的に次を含む： ａ． 接触角を小さくする及び／又は表面親水性を高める有効量の処理さ
れた表面を親水性にする好ましくは比較的実質的な親水性ポリマーであって、最
大約０．５％、好ましくは約０．００５％ないし約０．４％、更に好ましくは約
０．０１２５％ないし約０．３％であり、例えばポリマーは次から成る群から選
ばれる：ポリスチレンスルホネート；ポリビニルピロリドン；ポリビニルピロリ
ドンアクリル酸コポリマー；ポリビニルピロリドンアクリル酸コポリマーナトリ
ウム塩；ポリビニルピロリドンアクリル酸コポリマーカリウム塩；ポリビニルピ
ロリドン−ビニルイミダゾリン；ポリビニルピリジン；ポリビニルピリジンｎ−
オキシド；及びそれらの混合物、好ましくはポリビニルピリジンｎ−オキシド； ｂ． 必要に応じてであるが好ましくは、有効量の洗剤界面活性剤であっ
て、組成物の重量で、好ましくは約０．００５％ないし約０．５％、更に好まし
くは約０．０１％ないし約０．４％、最も好ましくは約０．０２５％ないし約０
．３％であり、前記洗剤界面活性剤は、好ましくは約８ないし１８個の炭素原子
、更に好ましくは８ないし１６個の炭素原子を含むアルキル基、及び分子当たり
約１ないし４個、好ましくは約１ないし１．５個のサッカライド部分を有するア
ルキルポリサッカライド洗剤界面活性剤並びに／又は約８ないし１８個の炭素原
子、更に好ましくは約８ないし約１６個の炭素原子を含むアルキル基、及び分子
当たり約１ないし４、好ましくは約１ないし約１．５個サッカライド部分と約８
ないし約１６個の炭素原子及び約４ないし約２５個のオキシエチレン単位を含む
アルキルエトキシレートとから一緒に成る組み合わせ物を含む； ｃ． 必要に応じて、向上した清掃を発現する有効量の１種以上の有機清
掃用溶剤であって、約０．５％ないし約５％、好ましくは約０．５％ないし約４
％、更に好ましくは約０．５％ないし約３％であり、前記溶剤は好ましくは次か
ら成る群から選ばれる：モノ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、
モノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコール
モノ−プロピルエーテルジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−
プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル；トリ−プロピレングリコールモノ
−ブチルエーテル；エチレングリコールモノ−ブチルエーテル；ジエチレングリ
コールモノ−ブチルエーテル；エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル、ジ
エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル、及びそれらの混合物； ｄ． 必要に応じて、主要界面活性剤の量より少ない少量の共界面活性剤
、好ましくはアニオン及び／又はノニオン洗剤界面活性剤であって、例えば約０
．００５％ないし約０．５％、好ましくは約０．０１％ないし約０．４％、更に
好ましくは約０．０２５％ないし約０．３％であり、例えば好ましくは次から成
る群から選ばれる：Ｃ₈−Ｃ₁₂線状スルホネート、Ｃ₈−Ｃ₁₈アルキルベンゼンス
ルホネート；Ｃ₈−Ｃ₁₈アルキルスルフェート；Ｃ₈−Ｃ₁₈アルキルポリエトキシ
スルフェート；及びそれらの混合物； ｅ． 必要に応じて、清掃及び／又は殺菌作用を改善する有効量の水溶性
モノ−又はポリカルボン酸であって、例えば約０．０１％ないし約１％、好まし
くは約０．０１％ないし約０．５％、更に好ましくは約０．０１％ないし約０．
２５％； ｆ． 必要に応じて、有効量の非置換型又は置換型のどちらかのシクロデ
キストリン、必要に応じて短鎖（１−４個の炭素原子）アルキル又はヒドロキシ
ルアルキル基で置換されたアルファ−、ベータ−又はガンマ−のどれかのシクロ
デキストリン、好ましくはベータ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシ
クロデキストリン又はそれらの混合物であって、最大１％、好ましくは約０．０
１％ないし約０．５％、更に好ましくは約０．０２５％ないし約０．２５％； ｇ． 必要に応じて、漂白、清掃及び／又は抗菌作用を発現する有効量の
過酸化水素であって、最大約５％、好ましくは約０．１％ないし約４％、更に好
ましくは約１％ないし約３％； ｈ． 必要に応じて、ポリアクリレート、ガム及びそれらの混合物から成
る群から選ばれる増粘ポリマーの約０．００５％ないし約１％、好ましくは約０
．００５％ないし約０．５％、更に好ましくは約０．０１％ないし約０．１％； ｉ． 必要に応じて、香気効果を発現する有効量の香料及び／又は追加補
助剤； ｊ． 必要に応じて、有効量の抑泡剤、好ましくはシリコーン抑泡剤であ
って、約０．０００１％ないし約０．１％、更に好ましくは約０．０００２５％
ないし約０．０５％、最も好ましくは約０．００１％ないし約０．０１％、そし
て 必要に応じて、しかし好ましくは残部は、水及び必要に応じて水溶性溶剤を含む
水性溶剤系であり、その系では、約２ないし約６、好ましくは約３ないし約５の
ｐＨを有する酸性組成物により、前記組成物は使用条件のもとで約２ないし約１
２、好ましくは約３ないし約１１．５のｐＨを有する。

【００８２】 処理された表面が、必ずしも完全にすすがれない、又は拭き取られないで乾燥
状態になった時でさえ、この表面に被膜／縞が現れないように、これらの組成物
の成分は選ばれる。負荷がかる状態の場合、最適の外観のためには、ポリビニル
ピリジンアミンオキシド、又はポリビニルピリジンポリマーもアルキルポリサッ
カライド洗剤界面活性剤も選択することが必要である。

【００８３】 （ガラスクリーナー組成物） ガラス組成物の残渣は、比較的容易に目立つの
で、ガラスクリーナー組成物は、その他の組成物と比較して殆ど材料を含まない
。これらの組成物に対して、少なくとも或る程度の擦る作用を発現する最良のポ
リマー及び界面活性剤、並びに方法だけが必要である。

【００８４】 ガラスクリーナー組成物は次を含む： ａ． 接触角を小さくする及び／又は表面親水性を高める有効量の処理さ
れた表面を親水性にする好ましくは比較的実質的な親水性ポリマーであって、最
大約０．５％、好ましくは約０．００１％ないし約０．４％、更に好ましくは約
０．００５％ないし約０．２５％であり、例えばポリマーは次から成る群から選
ばれる：ポリスチレンスルホネート；ポリビニルピロリドン；ポリビニルピロリ
ドンアクリル酸コポリマー；ポリビニルピロリドンアクリル酸コポリマーナトリ
ウム塩；ポリビニルピロリドンアクリル酸コポリマーカリウム塩；ポリビニルピ
ロリドン−ビニルイミダゾリン；ポリビニルピリジン；ポリビニルピリジンｎ−
オキシド；及びそれらの混合物、好ましくはポリビニルピリジンｎ−オキシド； ｂ． 有効量の洗剤界面活性剤であって、組成物の重量で、好ましくは約
０．００１％ないし約０．５％、更に好ましくは約０．００５％ないし約０．３
％、最も好ましくは約０．０２５％ないし約０．３％であって、前記洗剤界面活
性剤は、主要界面活性剤として、約８ないし約１８個の炭素原子、更に好ましく
は約８ないし約１６個の炭素原子を含むアルキル基を有するアルキルポリサッカ
ライド洗剤界面活性剤を含み、その中でアルキル分布は、少なくとも約５０％の
鎖長混合物は、必要に応じて主界面活性剤して約１０個の炭素原子ないし約１６
個の炭素原子を含むが、好ましくは共界面活性剤として主界面活性剤の量より少
ない少量を含み、例えば約０．０００１％ないし約０．３％、好ましくは約０．
００１％ないし約０．２％、更に好ましくは約０．０５％ないし約０．２％の共
界面活性剤： ｃ． 必要に応じて、向上した清掃を発現する有効量の１種以上の有機清
掃用溶剤であって、約０．５％ないし約７％、好ましくは約０．５％ないし約５
％、更に好ましくは約０．５％ないし約３％であり、前記溶剤は好ましくは次か
ら成る群から選ばれる：モノ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、
モノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコール
モノ−プロピルエーテルジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−
プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル；トリ−プロピレングリコールモノ
−ブチルエーテル；エチレングリコールモノ−ブチルエーテル；ジエチレングリ
コールモノ−ブチルエーテル；エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル、ジ
エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル、及びそれらの混合物； ｄ． 必要に応じて、漂白、清掃及び／又は抗菌作用を発現する有効量の
過酸化水素であって、最大約５％、好ましくは約０．１％ないし約４％、更に好
ましくは約１％ないし約３％； ｅ． 必要に応じて、香気効果を発現する有効量の香料及び／又は追加補
助剤；そして 残部は、水、及び必要に応じて水溶性溶剤を含む水性溶剤系であり、その系では
、前記処理溶液は、使用条件のもとで約３ないし約１１．５、更に好ましくは約
４ないし約１０のｐＨを有する。

【００８５】 前記のガラス清掃用組成物は、いろいろな方法で可能であるが、本発明の局面
では、この組成物は、予め濡れたワイプ又はモップを調製するのに使用されるこ
とになっていて、前記モップは清掃用具のモップヘッドに取り付けられることに
なっている。そのような局面では、ポリビニルアミンオキシドのような或る好ま
しいポリマーは防曇効果を発現することが判った。好ましいポリマーの吸湿特性
がこの効果の原因であると考えられる。

【００８６】 （汎用の及び従来型床クリーナー） 汎用の及び従来型床クリーナーは、液体
でも固体でもよく、液体で稀釈しても又は高濃度でも使用することが出来る。こ
れらの組成物は次を含む： ａ． 接触角を小さくする及び／又は表面親水性を高める有効量の処理さ
れた表面を親水性にする好ましくは比較的実質的な親水性ポリマーであって、最
大約０．５％、好ましくは約０．００５％ないし約０．２％、更に好ましくは約
０．０１２５％ないし約０．１％であり、例えばポリマーは次から成る群から選
ばれる：ポリスチレンスルホネート；ポリビニルピロリドン；ポリビニルピロリ
ドンアクリル酸コポリマー；ポリビニルピロリドンアクリル酸コポリマーナトリ
ウム塩；ポリビニルピロリドンアクリル酸コポリマーカリウム塩；ポリビニルピ
ロリドン−ビニルイミダゾリン；ポリビニルピリジン；ポリビニルピリジンｎ−
オキシド；及びそれらの混合物、好ましくはポリビニルピリジンｎ−オキシド； ｂ．有効量の好ましくは洗剤界面活性剤であって、組成物の重量で、好ま
しくは約０．００５％ないし約１０％、更に好ましくは約０．０１％ないし約８
％、最も好ましくは約０．０２５％ないし約４％であり、前記洗剤界面活性剤は
、好ましくは次を含む：約８ないし１８個の炭素原子、好ましくは８ないし１６
個の炭素原子を有するアルキル基、及び分子当たり約１ないし約４個、好ましく
は約１ないし１．５個のサッカライド部分を有するアルキルポリサッカライド洗
剤界面活性剤、並びに必要に応じて共界面活性剤であって、好ましくはアニオン
及び／又はノニオン洗剤界面活性剤、例えば好ましくは次から成る群から選ばれ
る：Ｃ₈−Ｃ₁₂線状スルホネート、Ｃ₈−Ｃ₁₈アルキルベンゼンスルホネート；Ｃ ₈ −Ｃ₁₈アルキルフルフェート；Ｃ₈−Ｃ₁₈アルキルエトキシスルフェート；及び
それらの混合物； ｃ． 必要に応じて、向上した清掃を発現する有効量の１種以上の有機清
掃用溶剤であって、約０．５％ないし約１０％、好ましくは約０．５％ないし約
６％、更に好ましくは約０．５％ないし約５％であり、前記溶剤は好ましくは次
から成る群から選ばれる：モノ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル
、モノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコー
ルモノ−プロピルエーテルジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ
−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル；トリ−プロピレングリコールモ
ノ−ブチルエーテル；エチレングリコールモノ−ブチルエーテル；ジエチレング
リコールモノ−ブチルエーテル；エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル、
ジエチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル、及びそれらの混合物； ｄ． 必要に応じて、清掃及び／又は殺菌作用を改善する有効量の水溶性
モノ−又はポリカルボン酸であって、例えば約０．０１％ないし約１％、好まし
くは約０．０１％ないし約０．５％、更に好ましくは約０．０１％ないし約０．
２５％； ｅ． 必要に応じて、有効量の非置換型又は置換型のどちらかのシクロデ
キストリン、必要に応じて短鎖（１−４個の炭素原子）アルキル又はヒドロキシ
ルアルキル基で置換されたアルファ−、ベータ−又はガンマ−のどれかのシクロ
デキストリン、好ましくはベータ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシ
クロデキストリン又はそれらの混合物であって、最大１％、好ましくは約０．０
１％ないし約０．５％、更に好ましくは約０．０２５％ないし約０．２５％； ｆ． 必要に応じて、漂白、清掃及び／又は抗菌作用を発現する有効量の
過酸化水素であって、最大約５％、好ましくは約０．１％ないし約４％、更に好
ましくは約１％ないし約３％； ｇ． 必要に応じて、ポリアクリレート、ガム及びそれらの混合物から成る
群から選ばれる増粘ポリマーの約０．００５％ないし約１％、好ましくは約０．
００５％ないし約０．５％、更に好ましくは約０．０１％ないし約０．１％； ｈ． 必要に応じて、香気効果を発現する有効量の香料及び／又は追加補
助剤； ｉ． 必要に応じて、有効量の抑泡剤、好ましくはシリコーン抑泡剤であ
って、約０．０００１％ないし約０．１％、更に好ましくは約０．０００２５％
ないし約０．０５％、最も好ましくは約０．００１％ないし約０．０１％、そし
て 残部は、水及び必要に応じて水溶性溶剤を含む水性溶剤系であり、さほど好まし
くはないが、残部は水、及び洗剤ビルダー及び／又は不活性塩及び／又は研磨剤
を含めて、無機塩を含み、その系では、約２ないし約６、好ましくは約３ないし
約５のｐＨを有する酸性組成物により、前記組成物は使用条件のもとで約２ない
し約１２、好ましくは約３ないし約１１．５のｐＨを有する。

【００８７】 （ガラス及び光沢表面、床カウンター壁、並びにその他の表面用濡れワイプ） 前述のガラス清掃用組成物、並びに汎用及び床組成物は、予め濡れたワイプで
使用されることになっている。予め濡れたとは、清掃用組成物を染み込ませたま
ま包装物の中に一緒に保管されるワイプ又はモップを意味するので、消費者は使
用度毎に清掃用組成物のビンを開ける必要はない。このワイプは、製造過程の包
装工程で直接溶液を加えて予め濡れさすことが出来るし、又はそれとは別に、初
回使用される時に消費者が清掃用組成物を一度加えたのち、次の使用時用に染み
込ませたままにすることが出来る。ワイプ基材は、木綿、エスパルトグラス（Ｅ
ｓｐａｒｔｏｇｒａｓｓ）、バガス、麻、亜麻、絹、羊毛、木材パルプ、化学修
飾木材パルプ、ジュート、エチルセルロース、及び／又は酢酸セルロースを含め
て、好適な未修飾型及び／又は修飾型天然産繊維から成ることが出来る。好適な
合成繊維は、１種以上のポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ＯＲＬＯＮ（商標）のようなポリアクリル系
、ポリ酢酸ビニル、Ｒａｙｏｎ（商標）、ポリ酢酸エチルビニル、非溶解性又は
溶解性ポリビニルアルコール、ポリエチレン（例えば、ＰＵＬＰＥＸ（商標））
及びポリプロピレンのようなポリオレフィン、ナイロンのようなポリアミド、Ｄ
ＡＣＲＯＮ（商標）又はＫＯＤＥＬ（商標）のようなポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、２種類以上のモノマーを含むポリマーから成る繊維を含めた
その他を含むことが出来る。吸収層は、天然繊維だけ、合成繊維だけ、又は天然
繊維と合成繊維との任意の適合した組み合わせ物を含むことが出来る。

【００８８】 本発明で有用な繊維は、親水性、疎水性が可能であり、又は親水性繊維と疎水
性繊維の両方の組み合わせ物も可能である。前述のように、親水性繊維又は疎水
性繊維の具体的選択は、後述の吸収性（及び或る程度）擦り層に含まれるその他
の材料によって決まる。本発明で使用するのに好適な親水性繊維には、セルロー
ス繊維、変性セルロース繊維、レーヨン、木綿、親水性ナイロン（ＨＹＤＲＯＦ
ＩＬ（商標））のようなポリエステル繊維が挙げられる。好適な親水性繊維は、
例えばポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリアクリル
系、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン等から誘導される界面活性剤処理
型又はシリカ処理型熱可塑性繊維のような疎水性繊維を親水化することによって
も得ることが出来る。

【００８９】 好適な木材パルプ繊維は、クラフト及び亜硫酸法のような公知の化学プロセス
から得ることが出来る。貴重な吸収特性により南方軟材からこれらの木材パルプ
繊維を誘導することは特に好ましい。このような木材パルプ繊維は、砕木パルプ
、リファイナ砕木、熱機械、化学機械及び化学熱機械パルプ法のような機械法か
らも得る事が出来る。再生又は二次木材パルプ繊維ばかりでなく晒し及び未晒し
木材パルプ繊維も使用出来る。

【００９０】 本発明で使用される別のタイプの親水性繊維は、化学強化型セルロース繊維で
ある。本明細書で使用するように、用語“化学強化型セルロース繊維”は、化学
的手段によって強化されて乾燥条件のもとでも水性条件のもとでも繊維の靭性が
向上したセルロース繊維を意味する。そのような手段には、繊維を、例えば被覆
及び／又は含浸する化学強化剤の添加手段を挙げることが出来る。そのような手
段には、化学構造を変えることなく、例えばポリマー鎖を架橋することによる繊
維の強化を挙げることが出来る。

【００９１】 繊維を吸収層（又はそれの構成成分）として使用出来る場合、繊維は必要に応
じて熱可塑性材料と組み合わせることが出来る。溶融すると、この熱可塑性材料
の少なくとも１部分は、熱可塑性繊維間の毛管勾配（ｉｎｔｅｒｆｉｂｅｒ ｃ
ａｐｉｌｌａｒｙ ｇｒａｄｉｅｎｔ）によって繊維の交差部に移行する。この
交差部は熱可塑性材料の結合部位となる。冷却すると、この交差部の熱可塑性材
料は凝固して、各層の各々で繊維のマトリックス又はウェブを取りまとめる結合
部位を形成する。このことは、更なる総合的結合性を清掃ワイプに付与するのに
有用とすることが出来る。

【００９２】 そのいろいろな効果のなかで繊維交差部での結合によって生成する熱結合部材
の総合的（圧縮弾性率及び強度）が向上する。化学的に強化されたセルロース繊
維の場合、熱可塑性材料の溶融及び移行も生成するウェブの平均孔径を高める効
果を持ち、同時に当初形成したウェブの密度及び坪量を維持している。このこと
は、最初の曝露の時に流体への改善された流体透過性により、そして次の曝露の
時には、濡れた時に強化繊維がその靭性を維持する能力と、濡れた時及び濡れ圧
縮を受けた時に熱可塑性材料が繊維交差部での結合を維持する能力との組み合わ
せにより、熱結合ウェブの流体受け入れ特性を改善することが出来る。事実、強
化繊維の熱結合ウェブ部はその当初の全容量を保持するが、熱可塑性材料によっ
て既に占められている容積範囲では開放となるので、平均繊維間毛管孔径は大き
くなる。

【００９３】 本発明で有用な熱可塑性材料は、微粒子、繊維又は微粒子と繊維との組み合わ
せ物を含めて、任意のいろいろな形態が可能である。熱可塑性繊維はいろいろな
繊維間結合部位を形成する能力があるので、この繊維は特に好ましい。好適な熱
可塑性材料は、一次ウェブ又は各層のマトリックスを含む繊維を激しく損傷しな
い温度で溶融出来る任意の熱可塑性ポリマーから作ることが出来る。好ましくは
、この熱可塑性材料の融点は約１９０℃未満、そして好ましくは約７５℃と約１
７５℃との間である。いずれにしても、この熱可塑性材料の融点は、熱的に結合
された吸収性構造体が清掃パッドで使用される時に保管される可能性のある温度
以上でなければならない。この熱可塑性材料の融点は一般的に約５０℃以上であ
る。

【００９４】 熱可塑性材料、そして特に熱可塑性繊維は、次を含めて、いろいろなタイプの
熱可塑性ポリマーから作ることが出来る、即ちポリエチレン（例えば、ＰＵＬＰ
ＥＸ（商標））及びポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエステル、コ
ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸エチルビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリアクリル系、ポリアミド、コポリアミド、ポリスチレン、
ポリウレタン及び塩化ビニル／酢酸ビニルのような前記のいずれかのコポリマー
等。生成する熱結合型吸収性部材に対する望ましい特性によるが、好適な熱可塑
性材料には、例えばポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリオレフィン、
ポリアクリル系、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン等から誘導される界
面活性剤処理又はシリカ処理型熱可塑性繊維のように親水性にされた疎水性繊維
が挙げられる。疎水性熱可塑性繊維の表面には、ノニオン又はアニオン界面活性
剤のような界面活性剤で処理された、例えば繊維に界面活性剤をスプレーするこ
と、繊維を界面活性剤に浸漬すること又は熱可塑性繊維を製造する際にポリマー
溶融物の一部として界面活性剤を入れることにより親水性にすることが出来る。
溶融及び再凝固の時に、界面活性剤は熱可塑性繊維の表面に残り易い。好適な界
面活性剤には、ＩＣＩ Ａｍｅｒｉｃａｓ（Ｗｉｌｍｉｎｇｔｏｎの会社、デラ
ウェア州）により製造されているＢｒｉｊ（商標）７６のようなノニオン界面活
性剤、及びＧｌｙｃｏ Ｃｈｅｍｉｃａｌ（Ｇｒｅｅｎｗｉｃｈの会社、コネテ
ィカット州）によるＰｅｇｏｓｐｅｒｓｅ（商標）で発売されている各種界面活
性剤が挙げられる。ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤以外にも使用出来
る。これらの界面活性剤は、例えば熱可塑性繊維の平方センチメートル当たり約
０．２ないし約１ｇの濃度で熱可塑性繊維に適用することが出来る。

【００９５】 好適な熱可塑性繊維は、単一ポリマー（単一成分繊維）から作ることが出来る
、或いは２種類以上のポリマー（例えば、複合繊維）から作ることが出来る。本
明細書で使用するように、用語“複合繊維”は、或るポリマーから作られた熱可
塑性シースの内部に取り囲まれてた別のポリマーから作られたコア繊維を含む熱
可塑性繊維を指す。このシースを含むポリマーは、このコアを含むポリマーより
とは違った、一般的に低い温度で溶融することがおおい。結果として、これらの
複合繊維は、コアポリマーの所望の強度特性を維持しながらシースポリマーの溶
融により熱的結合が行なわれる

【００９６】 本発明で使用するのに好適な複合繊維には、次のポリマー組み合わせを有する
シース／コア繊維を挙げることが出来る：ポリエチレン／ポリプロピレン、ポリ
酢酸エチルビニル／ポリプロピレン、ポリエチレン／ポリエステル、ポリプロピ
レン／ポリエステル、コポリエステル／ポリエステル等。本発明で使用するのに
特に好適な複合熱可塑性繊維は、ポリプロピレン又はポリエステルコア、及び低
融点コポリエステル、ポリ酢酸エチルビニル又はポリエチレンシース（例えば、
Ｄａｎａｋｌｏｎ ａ／ｓ、Ｃｈｉｓｓｏ Ｃｏｒｐから購入可能な繊維及びＨｅ
ｒｃｕｌｅｓから購入可能なＣＥＬＢＯＮＤ（商標））。これらの複合繊維は、
同心性でも異心性でもよい。本明細書で使用されるように、用語“同心性”及び
“異心性”は、このシースの厚さが複合繊維の断面積全体で均一か不均一かのど
ちらかを指す。異心性複合繊維は、薄い繊維厚さで比較的大きい圧縮強度を発現
する際に望ましいことがある。

【００９７】 熱接合繊維質材料の作製方法は、１９９５年７月３日に出願された米国特許出
願書第０８／４７９，０９６号（Ｒｉｃｈａｒｄｓ等）（特に、１６−２０頁を
参照されたい）、及び１９９６年８月２７日に発行された米国特許第５，５４９
，５８９号（Ｈｏｒｎｅｙ等）（特に、９ないし１０カラムを参照されたい）に
記載されている。これら両引用文献の開示内容は引用文献によって本明細書に組
み入れられている。

【００９８】 吸収性層も、ＨＩＰＥ−誘導型親水性、高分子発泡体、ユーシーエッチ（ｕｃ
ｈ）発泡体を含み、それの作製方法は、１９９６年８月２７日に発行された米国
特許第５，５５０，１６７号（ＤｅｓＭａｒａｉｓ）；及び１９９５年１月１０
日に発行され、広く譲渡された米国特許出願書第０８／３７０，６９５号（Ｓｔ
ｏｎｅ等）に記載されている（これらの両方とも引用文献によって本明細書に組
み入れられている）。

【００９９】 ワイプは、最大限の清掃効率のために必要に応じて擦り層を含む１層以上の層
から成ることが出来る。単一基材を使用する予め濡れたワイプの場合、この基材
は、親水性繊維と疎水性繊維との或る組み合わせ物から成る繊維から成るのが好
ましく、水流交絡型ウェブ（ｈｙｄｒｏｅｎｔａｎｇｌｅｄ ｗｅｂ）の中では
、更に好ましくは少なくとも約３０％の疎水性繊維、尚、更に好ましくは少なく
とも約５０％の疎水性繊維から成る組成物から成る繊維から成る。疎水性繊維と
は、ポリエステルモノマーばかりでなくポリエチレン、ポリプロピレン等のよう
なポリオレフィンから誘導される繊維も意味する。吸収性成分、一般的にセルロ
ース、は、表面に付着する塵及びその他の汚れを引き離して取り除くのを促進す
るので、疎水性繊維と吸収性親水性繊維の組み合わせ物は、単一シートの予め濡
れたワイプには特に好ましい実施態様を代表している。疎水性繊維は、油脂状汚
れを清掃する際に、予め濡れたワイプを改善する場合、そして基材と硬い表面と
の間の摩擦を少なくする（滑ること）場合に、特に有用である。滑りを改善する
ための繊維の化学的組成物を順位付けするについては、本発明者は、ポリプロピ
レンと並んでポリエステル、特にポリエステルは優れた滑りを発現するのに最も
有効であり、次いでポリエチレンであることが判った。セルロース（又はレーヨ
ン）系の予め濡れたワイプは大きい吸収性を持つが、基材と清掃対象の表面との
間に大きい摩擦を発生する。繊維ブレンド物を滑りの観点から順位付けするのは
比較的難しいけれども、本発明者は、ポリエステル又はポリプロピレン含量が低
レベルであっても実質的に全ての場合、滑り性能を大幅に改善出来ることを見出
した。一般的に、ガラスとの摩擦係数を有する繊維組成物は、摩擦を減らすこと
が知られている低含量のシリコーン又はその他の化学薬品をワイプに染み込ませ
る又はこれらを化学的に結合させることによって、必要に応じて改善することが
出来る。シリコーンは組成物の起泡を抑えて改善された結果をもたらすので好ま
しい。

【０１００】 いろいろな形成方法を使って好適な繊維ウェブを形成することが出来る。例え
ば、エアレイのような不織布の乾式形成技術により、又は製紙機械によるような
湿式堆積によって作ることが出来る。メルトフロー、スパンボンド、ニードルパ
ンチ及び水流交絡法のような技術を含めるが、限定されないその他の不織布製造
技術も使用出来る。

【０１０１】 或る実施態様では、乾燥繊維ウェブは、天然繊維、ステープル、合成繊維及び
ラテックスバインダーの組み合わせ物から成るエアレイ型不織布が可能である。
この乾燥繊維ウェブは、約２０−８０重量パーセントのパルプ繊維、１０−６０
重量パーセントのステープルポリエステル繊維、及び約１０−２５重量パーセン
トのバインダーが可能である。

【０１０２】 乾燥繊維ウェブの坪量は、平方メートル当たり、約３０ないし約１００グラム
が可能である。乾燥ウェブの密度は、予め濡れたワイプから液体を蒸発させたの
ち測定することが出来、この密度は、立方センチメートル当たり約０．１５グラ
ムより小さくすることが出来る。密度は、一致した単位で測定して乾燥ウェブの
坪量を乾燥ウェブの厚さで除したものであり、乾燥ウェブの厚さは、約２平方イ
ンチの面積を持ち、平方インチ当たり約９５グラムの封圧を発生する円形荷重フ
ート（ｌａｏｄ ｆｏｏｔ）を使って測定される。或る実施態様では、乾燥ウェ
ブは、平方メートル当たり約６４グラムの坪量、約０．０６ｃｍの厚さ、及び立
方センチメートル当たり約０．１１グラムの密度を有する。

【０１０３】 或る実施態様では、乾燥繊維質ウェブは、少なくとも約５０重量パーセントの
木材パルプ繊維、そして更に好ましくは少なくとも約７０重量パーセントの木材
パルプ繊維を含むことが出来る。本発明での使用に好適な或る具体的エアレイ法
不織布ウェブは、約７３．５重量パーセントのセルロース繊維（約２．６ｍｍの
平均繊維長を有する南方軟木クラフト）；繊維長さ９０００メートル当たり約１
．３５デニール及びステープル長さ約０．８５インチを有する約１０．５重量パ
ーセントのポリエステル繊維；及びスチレンブタジエンコポリマーから成る約１
６重量パーセントのバインダー組成物を含む。このバインダー組成物は、Ｃｈａ
ｒｌｏｔｔｅ、ノースカロライナ州のＭａｌｌａｒｄ Ｇｒｅｅｋ Ｐｏｌｙｍｅ
ｒｓから購入出来るＲｏｖｅｎｅ５５５０（スチレンブタジエン固形分 ４９パ
ーセント）として市販されているラテックス接着剤を使って作ることが出来る。

【０１０４】 本発明での使用に好適な１つのエアレイ法不織布ウェブは、Ｔｈｅ Ｐｒｏｃ
ｔｅｒ＆Ｇａｍｂｌｅ Ｃｏ．（Ｃｉｎｃｉｎｎａｔｉ、オハイオ州）により上
市されているＰＡＭＰＥＲＳ ＢＡＢＹ ＦＲＥＳＨブランドのベビーワイプに使
用されているエアレイ法不織布ウェブである。

【０１０５】 次の特許は、ウェブに関しての開示内容が引用文献によって本明細書に組み入
れられている：１９７５年１月２８日発行の米国特許第３，８６２，４７２号；
１９７６年９月２８日発行の米国特許第３，９８２，３０２号；１９７７年１月
２５日発行の米国特許第４，００４，３２３号；１９７７年１１月８日発行の米
国特許第４，０５７，６６９号；１９７８年７月４日発行の米国特許第４，０９
７，９６５号；１９７９年１２月４日発行の米国特許第４，１７６，４２７号；
１９７８年１２月２６日発行の米国特許第４，１３０，９１５号；１９７９年１
月１６日発行の米国特許第４，１３５，０２４号；１９８０年２月２６日発行の
米国特許第４，１８９，８９６号；１９８０年６月１０日発行の米国特許第４，
２０７，３６７号；１９８１年１０月２０日発行の米国特許第４，２９６，１６
１号；１９８２年１月２５日発行の米国特許第４，３０９，４６９号；１９８７
年７月２８日発行の米国特許第４，６８２，９４２号及び米国特許第４，６３７
，８５９号；第５，２２３，０９６号；第５，２４０，５６２号；第５，５５６
，５０９号；及び第５，５８０，４２３号。

【０１０６】 当業界では、微粒子塵を捕捉したのち保持するのに効果的なものとして、次の
米国特許に記載されている塵拭きシートの使用が知られている：米国特許第３，
６２９，０４７号、米国特許第３，４９４，４２１号、米国特許第４，１４４，
３７０号、米国特許第４，８０８，４６７号、米国特許第５，１４４，７２９号
、及び米国特許第５，５２５，３９７号、これらは全て引用文献によって本明細
書に組み入れられている。このようなシートでは効果を出すために、強化されて
、しかも定形でない繊維を提供する構造が必要である。本発明の出願人は、塵拭
きの場合に乾燥状態で使用される同様な構造体は、乾燥基材グラム当たり化学薬
品溶液の約０．５グラム以上の濃度の液体で予め濡らされると、旨く使用出来る
ことも判った。この濃度は、性能を高めるために従来の塵拭きシートに適用され
ることが多い鉱油、ワックス等のような化学添加剤の場合に使用される濃度より
遥かに高い。本発明のワイプは、水性組成物で予め濡らして使用されることを特
に目的としている。

【０１０７】 １つの好ましい実施態様では、清掃シートは、領域が坪量によって区別される
少なくとも２つの領域を有する。坪量の測定法は、米国仮出願書第６０／０５５
，３３０号及び第６０／０４７，６１９号に記載されている。簡潔に言うと、こ
の方法は、暗い網状領域（小さい坪量）と、明るい網状領域（大きい坪量）を区
別することにより写真撮影によって行なわれる。特に、清掃シートは、１個以上
の小さい坪量領域を有していて、その場合は、小さい坪量（類）は、大きい坪量
領域の約８０％以下の坪量である坪量を有する。１つの好ましい局面では、第１
領域は比較的大きい坪量であり、本質的に連続状、網状構造を含む。第２領域は
比較的小さい坪量の複数の互いに個々の坪量領域を含み、その複数の領域は第１
領域の大きい坪量により取り囲まれている。特に、好ましい清掃シートは、平方
メートル当たり約３０ないし約１２０グラムの坪量を有する連続領域及びその大
きい坪量によって取り囲まれている複数の不連続の領域を含み、この場合、不連
続領域はランダムな繰り返しパターンで配列され、連続領域の坪量の約８０％以
下の坪量を有する。

【０１０８】 或る実施態様では、清掃シートは、坪量に関して異なる領域の他に、実質的な
巨視的三次元性を有する。用語“巨視的三次元性”は、三次元清掃シートを説明
するのに使用すると、監視者の目とこのシートの平面との垂直距離が約１２イン
チの時に、三次元パターンが肉眼によく見えることを意味する。換言すれば、本
発明の予め濡れたシートの三次元構造は、シートの片面又は両面が多くの面を成
して存在していると言う点で平坦でない清掃シートである。対照的に、用語“平
坦な”は、片面又は両面に微細な表面収差を有するシートを指すのであって、こ
の表面収差は、監視者の肉眼とシートの平面との間の垂直距離が約１２インチの
場合は肉眼では容易に見えない。換言すれば、巨視的には、シートの片面又は両
面の表面が多重面で存在していて、三次元的であるとは監視者には見えない。

【０１０９】 三次元性の測定は、米国特許仮出願書第６０／０５５，３３０号及び第６０／
０４７，６１９号に記載されている。簡潔に言うと、巨視的三次元性は、シート
の所定の表面の隣接の最上部と谷部との間の平均距離としてばかりでなく、所定
の表面の隣接最上部間の平均距離である最上部と最上部との平均距離としても定
義される。巨視的三次元性は、清掃シートの外面の表面トポグラフィー指数に関
しても説明される：シートトポグラフィー指数は、表面の平均高さの差をそのシ
ートの最上部と最上部との平均距離で除して得られる比率である。好ましい実施
態様では、巨視的三次元清掃シートは、第１外面及び第２外面とを持ち、その場
合、その外面の少なくとも１面が少なくとも約１ｍｍの最上部と最上部との距離
、及び約０．０１ｍｍないし約１０ｍｍの表面トポグラフィー指数を有する。本
発明の予め濡れたワイプの巨視的三次元構造は、必要に応じてスクリムを含み、
加熱及び冷却されると更に巨視的三次元構造を発現するように収縮する。

【０１１０】 別の代替実施態様では、基材は、平方メートル当たり約１０ないし約６０グラ
ムの坪量を有するポリエステル、レーヨン繊維又はそれらのブレンド物不織布ウ
ェブのような２個の外部の水流交絡法ウェブが、内部の拘束層に接着されたラミ
ネートを含み、加熱すると収縮して外部層の表面組織を発現するネット状スクリ
ム材料の形が可能である。

【０１１１】 予め濡れたワイプは、乾燥繊維質ウェブのグラム当たり少なくとも約１．０グ
ラムの液体組成物で乾燥基材を濡らすことによって作られる。好ましくは、乾燥
基材は、乾燥繊維質ウェブのグラム当たり少なくとも約１．５、そして更に好ま
しくは少なくとも約２．０グラムの液体組成物で濡らされる。ワイプに染み込ま
せる溶液の正確な量は製品の目的用途によって決まる。カウンター天板、ストー
ブ天板、ガラス等を清掃するのに使用する目的の予め濡れたワイプの場合、最適
の濡れ性は、ワイプのグラム当たり溶液約１グラムないし溶液約５グラムである
。床の清掃ワイプの場合には、予め濡れた基材は、流体を吸収して保持するほど
大きい容量を持つ吸収性コア貯留部を含むのが好ましい。好ましくは吸収性貯留
部は吸収性材料のグラム当たり約５グラムないし約１５グラムの流体容量を有す
る。壁、外装表面等の清掃用の使用を目的とする予め濡れたワイプは、約２グラ
ムないし約１０グラムの乾燥繊維質ウェブの容量を有する。

【０１１２】 （ガラスワイプ） ガラスで使用するための予め濡れたワイプは単層でも多層
ラミネートでもよい。単一ラミネートの場合には、表面が予め濡れたワイプの場
合とでは、乾燥するまで拭き取れないので、非揮発性含量を最小限に保つことが
必須である。従って、前述の活性剤は、最良の最終結果のためには極めて低い濃
度で使用されるのが好ましい。また、有機疎水性清掃溶剤だけから成る組成物は
、予め濡れたワイプの優れた清掃に加えて、優れた最終結果をもたらすことが出
来ることが判った。これらの溶剤は、エタノール、イソプロパノール等のような
水性親水性溶剤とは対照的に、遥かに均一な表面濡れを発現することが判った。
そのことにより、より一様な乾燥が得られるので、このことは重要であり、それ
によって消費者は、被膜／縞が生成する筈はないと言う安心感が得られる。更に
、理論に制約されたくはないが、汚れた環境の中で疎水性有機清掃用溶剤は、よ
り小さい縞で乾燥するだろうと考えられる。例えば、ガラスワイプの場合には、
現在の単層ガラスワイプ、例えばＲｅｃｋｉｔｔ＆Ｃｏｌｍａｎにより製造され
ているＧｌａｓｓｍａｔｅｓは親水性溶剤だけを使用していて（即ち、この溶剤
は、疎水性有機清掃用溶剤を含まない）、乾燥すると汚れとなる。予め濡れたワ
イプの場合には、清掃用溶剤は０．５％ないし約１０％、更に好ましくは約１な
いし５％の濃度で使用される。好ましい疎水性有機清掃用溶剤には、モノ−プロ
ピレングリコールプロピルエーテル、モノ−プロピレングリコールブチルエーテ
ル、モノ−エチレングリコールブチルエーテル及びそれらの混合物が挙げられる
。エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、２−ブタノール、メトキシ
プロパノール等のようなその他の水性親水性溶剤を使って香気を高めることが出
来る。前述の約１５０ｇ未満／モルの分子量を持つ緩衝液を使って、最終結果性
能を損なうことなく清掃を旨く改善することが出来る。好ましい緩衝液の例には
、アンモニア、メタノールアミン、エタノールアミン、２−アミノ−２−メチル
−１−プロパノール、２−ジメチルアミノ−２−メチル−１−プロパノール、酢
酸、グリコール酸等が挙げられる。これらのうちで最も好ましいのは、アンモニ
ア、２−ジメチルアミノ−２−メチル−１−プロパノール及び酢酸である。使用
時には、これらの緩衝液が、約０．００５％ないし約０．５％含まれ、化学薬品
の揮発性が大きければ大きいほど、濃度は高いのが好ましい。ガラスワイプの場
合には、低濃度の非揮発性界面活性剤を好ましい高濃度の好ましい有機清掃用溶
剤と一緒に使った単純な組成物は、親水性ポリマーが存在しなくても、充分優れ
た清掃及び濡れ性能を発現する。しかしながら、ポリマーを加えて使用すると、
汚れ防止、防曇及び次の清掃のし易さのような別の利点を旨く発現することが出
来る。

【０１１３】 当業界では、予め濡れたワイプの使用が知られている。例えば、米国特許第４
，２７６，３３８号は、ウィッキング（ｗｉｃｋｉｎｇ）を改善するために一緒
に保持される隣接する第１層と第２層から成る多層ラミネート吸収性物品を開示
している。米国特許第４，１７８，７０４号は、液体不浸透性内層を追加して含
む吸収性表面を両面の有する単一タオルを開示している。このタオルは、濡れ強
度は殆ど持たないように設計されていて、吸収性材料の層は緩い繊維から成る。
当業界は、ガラスクリーナー用途で使用する予め濡れたワイプも開示している。
米国特許第４，４４８，４０７号は、ガラスのような硬い表面を清掃するのに好
適な物品を開示している。この物品は、濡れていてもよく、破断型パウチの内部
に入れられていてもよい。米国特許第４，４４８，７０４号の物品は、脱イオン
水で予備洗浄されるか、又は溶液を使って前記物品を含浸する；液体組成物は、
３５ダイン／ｃｍ未満の表面張力を有し、表面活性剤及び部分エステル化された
スチレン／無水マレイン酸コポリマーのような部分エステル化樹脂を含むのが好
ましい。前記特許は全て引用文献によって本明細書に組み入れられている。

【０１１４】 本発明の局面で使用される濡れワイプは、予備洗浄されないのが好ましく、し
かも本発明者は、この予め濡れたワイプが単一層型シートとしてさえも優れた最
終結果をもたらすことを見出した。予め濡れたガラスワイプの更なる利点は、毛
羽立ちを最小限に抑えることである。予備洗浄のような段階は、一般的に繊維を
緩めるので基材は毛羽立ちし易くなる。具体的には、水流交絡型構造体の場合で
は、繊維の全体的緊張は、繊維材料の加工時に最適で達成されるのであって、予
め濡れたワイプの製造又は製作の過程ではない。結果として、本発明の好ましい
組成物は、改善された毛羽立ちを示す。更に、予め濡れたワイプで使用される液
体組成物は、表面活性剤を実質的に含まないのが好ましい。従って、液体の表面
張力は、表面張力を３５ダイン／ｃｍより小さくする必要はない。本発明の多層
のシートの局面では、機能上異なるる２つの面を有する。１つの面は予め濡らさ
れて液体を送り出す作用をする、一方、もう１つの面は、好ましくは濡れること
なくバフ磨き又は仕上げ用に設計される。

【０１１５】 ガラス、並びに表面に残された液体の量を減らすために更に低濃度の液体が必
要である、及びグリース清掃効率が必要であるその他の局面では、好ましい実施
態様は、少なくとも約６５％の乾燥繊維質ウェブがポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等のような疎水性繊維から成り、そして木材パルプ、木綿のよ
うな低含量の親水性繊維が約３５％未満の濃度である乾燥繊維質ウェブ基材を含
む。親水性の繊維の含量が下がるとワイプが保持出来る液体量が幾らか減り、一
方、疎水性繊維の含量が高くなるとグリースの多く吸収し易くなる。改善された
グリース清掃で受ける効果とは別に、本発明者は、疎水性繊維はガラス及びその
他の硬い表面でのワイプの感触も改善されることから、消費者にも、処理対象の
表面にも清掃のし易い感触をもたらすことが判った。このような改善された清掃
のし易さ、滑性、即ち“滑り（ｇｌｉｄｅ）”は、当該の硬い表面の摩擦測定に
よって実験的に定量化出来る。ワイプによる改善された滑りによって液体組成物
の配合に更なる自由さが得られる。ワイプが完全に予め濡れていたとしても、そ
してワイプが完全に乾燥していても、疎水性繊維は、滑り効果を発現する。この
ことは、ワイプが使用される時は益々乾燥するので重要である。従って、滑り効
果を発現することが知られているＣ₁₄以上の鎖長の界面活性剤の濃度は、予め濡
れたワイプで使用される液体組成物から実質的に減らすか、又は好ましくは全部
と言う訳ではないが、無くすことが出来るが、それでも尚、優れた滑り（低摩擦
）特性を維持することが出来る。或る含量の疎水性繊維、特にポリエステル、を
含むワイプを使用すると酸性のｐＨではガラス用の予め濡れたワイプを配合する
際に向上した融通性が得られる。酸性清掃用組成物は、普通紙タオル又はセルロ
ース系の予め濡れたワイプのようなセルロース系基材の滑りを著しく妨げること
が判った。

【０１１６】 材料組成物を使用することの他に、ワイプの寸法は、供給量を制御するばかり
でなく、人間工学的魅力人気を発現するためにも利用出来る。好ましいワイプ寸
法は、手に気持ちよく嵌るには、長さが約５ １／２インチないし９インチで、
幅が約５ １／２インチないし９インチである。従って、ワイプの寸法は、長さ
と幅が約２インチだけ違うようなのが好ましい。激しい汚れの清掃の場合には、
ワイプを一度か二度は使用した後に折り畳んで、折り畳んだ内側に塵を入れ、次
にワイプを再使用出来るような大きさが好ましい。この使用目的には、ワイプの
長さは約５ １／２インチないし１３インチで幅が約１０インチないし約１３イ
ンチである。こうすると、ワイプは、一度か二度は折り畳むことが出来、しかも
尚、手には気持ち良く嵌る。

【０１１７】 単層基材を使ってワイプを製作するのに加えて、或る状況では、多層の中に予
め濡れたワイプを組み込ませることが有用である。好ましい実施態様では、ワイ
プは、予め濡れた外層、不浸透性フィルム、即ち膜の内層、及び実質的に乾燥し
た第２外層を含む多層ラミネート構造から成る。ワイプの濡れ容量を改善するた
め、及び裏側層の湿りが早過ぎないようにするために、必要に応じて吸収性貯留
部を、予め濡れた第１外層と、不浸透性フィルム、即ち膜の間に取り付けること
が出来る。この貯留部の寸法は、液体が前記層から裏側層へ吸い込まれないよう
に、２つの外側層の寸法より小さいのが好ましい。

【０１１８】 本明細書に記載するように、多層ラミネートを使用することは、ガラス上に残
った大半の液体を実質的に取り除くのに続いて、予め濡れたワイプの濡れ側をガ
ラスに適用することを目的とする乾燥バフ仕上げ段階が可能であると言う点で極
めて望ましい。本発明者は、バフ仕上げ段階でもワイプの親水性ポリマーは含ま
れるならば、ガラス上に残って防曇特性をガラスに付与することを見出した。バ
フ仕上げ段階も、液体組成物で使用される固形分の濃度の総合的適応性を改善す
ることが出来る、と言うのは大半の固形分は、このバフ仕上げ段階の過程で、水
性組成物の残りと一緒に拭き取られるからである。事実、当業者は、極めて低濃
度、好ましくは約０．０２％未満、の水溶性であるが、結晶性界面活性剤を使用
すると有用である、と言うのは、乾燥した基材は、ガラス構造体からそのような
結晶性固形分を取り除く性質が強いからであること知ることが出来る。

【０１１９】 多層ラミネートは、屋外側窓や自動車ガラスで見かけるような激しく汚れた状
況で使用すると更に有用である。新鮮で、清潔な表面をバフ仕上げに使用出来る
ことにより、多層ラミネート構造体では、予め濡れたワイプによって何回も繰り
返されて汚される液体の量は減る。

【０１２０】 多層ラミネートが使用される場合、予め濡れた外側の層は、油を取り除いて滑
りをつける為には少なくとも約３０％の疎水性繊維を含むことが好ましい。不浸
透性内層は、ポリエチレン、ポリプロピレン及びそれらの混合物が最も好ましい
。不浸透性層の組成物の混合物及び厚さは、予め濡れた第１外層から乾燥した第
２外層への液体の滲出が最小に、更に好ましくは僅かの滲出もないように選ばれ
る。当業者は、貯留部又は高度の液体容量の予め濡れた外層を使用して不浸透性
層を試験すると、ワイプの第２外層に充分な乾燥性を保証するためには２層以上
の不浸透性層が必要であるかも知れないと考えるだろう。もし使用されるとすれ
ば、貯留部は自立型材料としても疎水性繊維との混成体としても処理型又は非処
理型セルロースから成るのが好ましい。貯留部の疎水含量は、層の全繊維含量の
重量で、好ましくは約３０％未満、更に好ましくは約２０％未満である。好まし
い実施態様では、この貯留部は、エアレイ法セルロースから成る。第２外層は、
手触りでは実質的に乾燥していて、高度の吸収性セルロース、又はセルロースと
合成繊維とのブレンド物から成るのが好ましい。

【０１２１】 予め濡れた側と乾燥側を含むワイプを包装すると問題となることがある、と本
発明者は考えた。この包装問題を解決するために、好ましい折り畳み方式が開発
された。ワイプは、半分に、又は３つに、或いは、各ワイプの予め濡れた側全て
を内側に、互いに内側に折り畳まれるような別のその他の好適な方法で折り畳ま
れる。結果として、パウチ、容器、又は箱の中に重ねて入れられた連続状のワイ
プの外側層全てはいずれの予め濡れたワイプ側と直接接触する。“直接接触する
”とは、ワイプの予め濡れた側全てが、液体不浸透性層によって乾燥側から分離
されることを意味する。このような好ましい方法でワイプを包装することにより
、ワイプの乾燥側は、ワイプ容器の中で保管期間中及び使用前に液体で汚される
ことは決してない事が保証される。包装材料は、プラスチック又はセロファンを
含めて、任意の好適な材料で作ることが出来る。必要に応じて、バフ仕上げ層に
滲出する可能性のある液体を更に取り扱う別の手段は、単に、超吸収性樹脂をバ
フ仕上げ層に加えるか、又は不浸透性層とバフ仕上げ層との間に加えることによ
る。

【０１２２】 好ましい実施態様では、手始めのキットは、少なくとも一度折り畳まれた約８
個ないし約２４個のワイプを収容出来る頑丈な箱又は別の容器から成り、一方、
約５個ないし約１２個を収容出来る低コスト包装容器は詰め替え容器として使用
する。

【０１２３】 本発明の局面では、予め濡れたワイプは、ハンドル及びワイプの取り付け器具
（即ち、モップヘッド）から成る用具と一緒に使用することになっている。本明
細書で使用するように、用具は、パッド、乾燥ワイプ、予め濡れたワイプ等のよ
うな基材取り付け用のあらゆる物理的手段を意味する。必要に応じてであるが、
好ましいのは、予め濡れたワイプは、真菌増殖抑制効果を確実にするような１種
以上の防腐剤を含む。本発明の予め濡れたワイプと関連して使用される防腐剤の
例には、約０．０２％未満の濃度の、メチルペラベン、ブロノポール、ヘキサチ
ジン、ジクロロ−ｓ−トリアジントリオン、トリクロロ−ｓ−トリアジントリオ
ン、並びにジオクチルジメチアンモニウムクロリド、ジデシルジメチアンモニウ
ムクロリドを含めた第四級アンモニウム塩、Ｃ１２、Ｃ１４及びＣ１６ジメチベ
ンジル（Ｌｏｎｚａより発売されているＢａｒｄａｃ（商標）２２８０及びＢａ
ｒｑｕａｔ（商標）ＭＢ−８０）、等が挙げられる。好ましい防腐剤には、クエ
ン酸、テトラキス（ヒドロキシメチルホスホニウムスルフェート（ＴＨＰＳ）、
ナトリウムピリチオン、Ａｖｉｃｉａ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓより発売されている
Ｋａｔｈｏｎ（商標）及び１，２−ベンズイソチアゾリン−３−オンが挙げられ
る。使用する場合には、防腐剤は、約０．００１％ないし約０．０５％、更に好
ましくは約０．００５％ないし約０．０２％の濃度である。それとは別に、防腐
は、予め濡れたワイプから絞り出される水性ローションのｐＨを約１０．５超か
又は約３．０未満のどちらかにすることによるｐＨ製品を使って達成出来る。好
ましいｐＨ系防腐剤には、アンモニア（高ｐＨの場合）及び酢酸（低ｐＨの場合
）のような高揮発性の防腐剤が挙げられる。ｐＨ系防腐剤が使用される場合、特
に揮発性防腐剤が使用される場合、防腐剤の濃度は、実質的に０．０２％超が可
能である。疎水性繊維を含むワイプを使用すると、表面に酸性防腐剤の使用さえ
出来るほどの充分な滑りが発現される。更に、防腐剤の組み合わせ物を使うと、
所望の防腐効果を得ることが出来る。いずれにしても、防腐剤（類）は、溶液の
前にワイプに直接適用することも、それとは別に、ワイプを濡らす前に溶液に分
散することも出来る。

【０１２４】 それとは別に、殺菌剤を直接基材に組み入れることは有用であろう。この局面
では、重金属から誘導されるような高度の水不溶性殺菌活性物質を使用するのが
好ましい。不溶性殺菌剤の例には、亜鉛ピリチオン、ビスマスピリチオン、ナフ
テン酸銅、銅ヒドロキシキノリン、等が挙げられる。重金属を使用しない活性剤
のその他の例には、ジクロロ−ｓ−トリアジントリオン、トリクロロ−ｓ−トリ
アジントリオンが挙げられる。

【０１２５】 （床及び／又はカウンター及び壁用“濡れワイプ”） 床ワイプの局面では、
三次元性を含む構造体であることが特に有用である。前述の基材の三次元構造体
は、平坦なシートに比較して毛髪の拭き取りが改善されることが判り、それは濡
れ表面環境では驚くべきことである。好ましい実施態様では、使用者は、毛髪の
拭き取りを最大限にするためには、凹凸の大きい拭き取りパターンで、ややジグ
ザグ行動をとるのが有用である。

【０１２６】 最適の濡れは、ワイプグラム当たり溶液約１グラムないし溶液約５グラムであ
る。床清掃ワイプの場合、予め濡れた基材は、必要に応じて流体を吸収して保管
するための大きさの容量の吸収性コア貯留部を含むことが出来る。吸収性貯留部
は、吸収性材料のグラム当たり約５グラムないし約１５グラムの流体容量を有す
るのが好ましい。壁、外装表面等の清掃に使用されるのが目的の予め濡れたワイ
プは、乾燥繊維質ウェブの約２グラムないし約１０グラム容量を有する。

【０１２７】 汎用の予め濡れたワイプの局面では、すすぎ段階はないので、被膜／縞形成の
残りが製品に付かないように、非揮発性含有物を最小限に抑えることが必須であ
る。また、予め濡れたガラスワイプで説明したのと同様な理由から、重要な有機
疎水性清掃用溶剤から成る組成物は、汎用の予め濡れたワイプの局面では、優れ
た清掃と一緒に優れ最終結果をもたらすことが出来ることが判った。約１５０ｇ
未満／モルの分子量を有する緩衝液を使用すると最終結果の性能を損なうことな
く有利に清掃を改善することが出来る。好ましい緩衝液の例には、アンモニア、
メタノールアミン、エタノールアミン、２−アミノ−２−メチル−１−プロパノ
ール、２−ジメチルアミノ−２−メチル−１−プロパノール、酢酸、及びグリコ
ール酸、等が挙げられる。このうちで最も好ましいのは、アンモニア、２−ジメ
チルアミノ−２−メチル−１−プロパノール及び酢酸である。使用時に、これら
の緩衝液は約０．００５％ないし約０．５％で含まれるが、比較的揮発性化学薬
品の場合、更に高濃度が、より好ましい。ガラスワイプの場合のように、本発明
者は、低濃度の非揮発性界面活性剤を好ましくは高濃度の好ましい有機清掃用溶
剤と一緒に使用する単純な組成物は、親水性ポリマーがなくても優れた清掃及び
濡れ性能を充分に発現することが判った。しかしながら、ポリマーを加えて使用
すると、汚れ防止、防曇及び次回清掃が容易になるような別の利点を旨く発現す
ることが出来る。

【０１２８】 更に便利となるように、汎用の予め濡れたワイプがハンドル付きのモップヘッ
ドに取り付けられる。こうして、予め濡れたワイプは、軽度の清掃及び消毒には
理想的である。このワイプから放出される溶液の量は、従来の清掃によって供給
される量より遥かに制約されているので、極めて有効な殺菌システムを使用する
必要がある。そのような組成物の中に、汎用の及び床の予め濡れたワイプは、有
効濃度の洗剤界面活性剤及び約０．５％ないし約５％のクエン酸を含む溶液を含
むことが出来る。このような溶液の効能を高めるために、過酸化水素又は過酸化
水素源を約０．５％ないし約３％加えることが出来る。代替の組成物は、ジオク
チルジメチアンモニウムクロリド、ジデシルジメチアンモニウムクロリド、Ｃ₁₂ 、Ｃ₁₄及びＣ₁₆ジメチルベンジルアンモニウムクロリドであり，約０．０５％超
の濃度で使用することが出来る。このような化合物は好ましいポリマーの利点と
干渉することが多いことが判っている。これの溶液（例えば、過酸化水素源、第
四級アンモニウム化合物及びクエン酸を含む溶液）は、高度の殺菌効能をもたら
すけれども、この溶液は、フィルム状表面を残すことがある、と言うのはこれら
の化合物は固体であり高濃度で使用する必要があるからである。

【０１２９】 清掃性及び濡れ性を付与するための、より良好な最終結果の性能は、約０．２
５％ないし約１０％、更に好ましくは約０．５％ないし約５％で含む主に前述の
清掃用溶剤を、前述の非揮発性緩衝液と組み合わせた組成物によってもたらされ
る。親水性ポリマーを含む低濃度の非揮発性物質は、香料と殺菌剤を除いた非揮
発性物質の合計濃度が、約０％ないし約０．０８％、更に好ましくは約０％ない
し約０．０５５％、最も好ましくは約０％ないし約０．０２５％になるように組
み入れることが出来るのが有利である。好ましい実施態様では、界面活性剤、濡
れポリマー、緩衝液及び疎水性有機清掃用溶剤の組み合わせ物は、水（７２ダイ
ン／ｃｍ）から、約２５ダイン／ｃｍ超、更に好ましくは約３０ダイン／ｃｍ超
、最も好ましくは３５ダイン／ｃｍ超の表面張力低下を発現するように選ばれる
。必要に応じて、約０．００１％ないし約０．１％、更に好ましくは約０．００
５％ないし約０．０５％の低濃度の比較的有効な次の物質のような殺菌成分が殺
菌効果を維持し及び／又は発現するように加えられる：ブロノポール、Ａｎｇｕ
ｓ ｃｈｅｍｉｃａｌ（２１１ Ｓａｎｄｅｒｓ Ｒｏａｄ，Ｎｏｔｈｂｒｏｏｋ
，イリノイ州、米国）より発売されているヘキシチジン、Ｋａｔｈｏｎ（商標）
、２−（（ヒドロキシルメチル）（アミノ）エタノール、プロピレングリコール
、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、及びグルタルデ
ヒド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドのような第四級アンモニウム塩
、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、Ｃ１２、Ｃ１４及びＣ１６ジメチル
ベンジル（Ｌｏｎｚａより発売されているＢａｒｄａｃ（商標）２２８０及びＢ
ａｒｑｕａｔ（商標）ＭＢ−８０）、ジクロロ−ｓ−トリアジントリオン、トリ
クロロ−ｓ−トリアジントリオン、及び更に好ましくはＡｖｉｃｉａ Ｃｈｅｍ
ｉｃａｌｓより発売されている１，２−ベンズイソチアアゾリン−３−オン、Ａ
ｌｄｒｉｃｈ−Ｓｉｇｍａより発売されているクロルヘキシジン二酢酸、ナトリ
ウムピリチオン及びポリヘキサメチレンビグアニド。

【０１３０】 本発明の局面で使用される濡れワイプの重要な利点は、本発明によって要求さ
れるすすぎ段階の不要なこと、及びバフ仕上げ段階の不要と組み合わせた殺菌活
性剤の賢明な選択によって（消費者には、床及びカウンター天板を清掃して濡れ
た最終結果にすると言う習慣がある）、残留消毒効果が得られると言う事実であ
る。残留消毒とは、濡れワイプによって硬い表面に供給された残留殺菌活性剤が
約８ないし約７２時間、更に好ましくは約１２ないし４８時間、最も好ましくは
少なくとも約２４時間でバクテリアやその他の微生物を少なくとも約９９．９％
殺すことを意味する。残留消毒は、従来の方法（即ち、ペーパータオル、スポン
ジ、布切れ等）を使って達成することが出来るけれども、予め濡れたワイプは１
つのパッケージの中で清掃と消毒効果をもたらす更なる便利さを有する。残留特
性は、低い蒸気圧と、本発明の組成物が関係する殺菌活性剤の高い殺生能力との
組み合わせから生じる。極めて低い濃度の界面活性剤を含む組成物の局面で存在
するならば、残留消毒効果は、界面活性剤の濃度が増すにつれて組成物の中にか
なり容易に達成されると、当業者は考えられるだろう。優れた最終結果に加えて
、残留消毒は、消費者に濡れワイプの効果について再保証を与えることが出来る
。そのような再保証は、細菌が特に棲み易い表面、極めて具体的には、カウンタ
ー天板、ストーブ天板、家庭用電気ガス器具、シンク、家具、シャワー、ガラス
、そして台所又は浴室（類）の近く又は内部にあるその他の装備品、を清掃する
ような作業には極めて重要である。

【０１３１】 清掃作業過程で水組成物と接触する結果として濡れワイプ又は乾燥ワイプから
もたらされる残りの利点に好ましい殺菌活性剤には、約０．００１％ないし約０
．１％、更に好ましくは約０．００５％ないし約０．０５％の次の物質が挙げら
れる：Ｋａｔｈｏｎ（商標）２−（（ヒドロキシルメチル）（アミノ）エタノー
ル、プロピレングリコール、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、ホルムア
ルデヒド、及びグルタルデヒド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドのよ
う第四級アンモニウム塩、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジデ
シルジメチルアンモニウムクロリド、Ｃ１２、Ｃ１４及びＣ１６ジメチルベンジ
ル（Ｌｏｎｚａより発売されているＢａｒｄａｃ（商標）２２８０及びＢａｒｑ
ｕａｔ（商標）ＭＢ−８０）、ジクロロ−ｓ−トリアジントリオン、トリクロロ
−ｓ−トリアジントリオン、及び更に好ましくはテトラキス（ヒドロキシメチル
）ホスホニウムサルフェート（ＴＨＰＳ）、Ａｖｉｃｉａ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ
より発売されている１，２−ベンズイソトリアゾリン−３−オン、Ａｌｄｒｉｃ
ｈ−Ｓｉｇｍａより発売されているクロルヘキシジン二酢酸、ナトリウムピリチ
オン及びポリヘキサメチレンビグアニド。特定の殺菌活性剤及びそれらの組み合
わせ物は、配合業者によって所望されるように特定のバクテリアに対して有効で
あるように選ばれる。殺菌活性剤は、グラム陽性及びグラム陰性バクテリア、外
被及び非外被ウイルス、並びに消費者の家庭、ホテル、レストラン、店舗及び病
院で普通に存在するカビに対して有効であるように選ばれるのが好ましい。殺菌
剤は、ブタコレラ菌、緑膿菌、黄色ぶどう菌、大腸菌及びそれらの組み合わせ体
に対する残留消毒が可能であるのが最も好ましい。可能ならどんな場合でも、殺
菌活性剤は２種以上のバクテリア生物体に対して、そして更に好ましくは少なく
とも１種類のグラム陰性生物体及び少なくとも１種類のグラム陽性生物体に対し
て残留消毒効果を有するように選ばれる。

【０１３２】 残留消毒はｐＨを使って達成することも、向上させることも出来ることを、本
発明者は見出した。更に、約２５ダイン超／ｃｍ、好ましくは約３０ダイン超／
ｃｍで表面張力を下げる低濃度の界面活性剤の使用は、予め濡れたワイプの局面
では、ｐＨ効果と組み合わせると旨く使用することが出来る。従って、１０．５
以上のｐＨ又は３以下のｐＨの組成物は、所望の残留効能をもたらすことが判る
。好ましい親水性実質ポリマーを使うと、特に酢酸のような揮発性活性剤の場合
、残留性を改善する。ｐＨを使用すると、残留を達成するのに必要な前記活性剤
の濃度を下げる役割を助長することも出来る。ｐＨの結果として、有用である好
ましいｐＨ活性剤には、乳酸、グリコール酸、Ｃ₈、Ｃ₉、Ｃ₁₀脂肪酸、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムが挙げられる。

【０１３３】 本発明の局面で使用される組成物の中に低濃度の非揮発性化合物を使用するこ
とは、香料の組み入れに対する難問を意味する。香料の溶解を向上する幾つかの
方法は下記の開示に示されている。しかしながら、或る場合には、特に疎水性香
料が所望される場合、香料の組み入れは問題となることがある。この問題を避け
るために、本発明者は、濃厚な香料をワイプ（又は、パッド）のどちらかに直接
適用することにより、香料の供給を達成出来ることを旨く見出した。この方法で
は、実質的にあらゆる香料を使用出来る。濃厚な香料によって生じることがある
あらゆる残りのマイナス面を最小限に抑えるために、香料は、ワイプ、若しくは
パッドの外周部、又は処理対象の表面と直接接触しない領域に優先的に適用され
る。別の実施態様では、香料はワイプを入れる容器の中に加えることも出来る。
同じ様な方法で、低濃度の非揮発性活性剤を使用すると、有効な抑泡剤を水性組
成物に組み入れることは更に難しくなる。抑泡剤をワイプに比較的簡単にそして
比較的効果的に直接適用すると、起泡の抑制を防ぐことが出来ることが判った。
このことは、多すぎる起泡についての消費者の考え方を表すばかりでなく、驚く
ことには、表面乾燥時の改善される最終結果も示していることが判った。更に、
抑泡剤をワイプに直接適用することは、製造及び包装過程で起泡を、より良く制
御することにより、工程を著しく円滑にすることも判った。好ましい抑泡剤は、
基材のグラム当たり僅か約０．１グラムの抑泡剤の濃度で、更に好ましくは基材
のグラム当たり約０．０１グラム未満の抑泡剤の濃度で、最も好ましくは基材の
グラム当たり約０．００５グラム未満の抑泡剤の濃度で有効である抑泡剤である
。本発明の局面では、で最も好ましい抑泡剤は、Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇにより
製造されているＤＣ ＡＦである。表面外観を改善するために抑泡剤を使用する
ことは、これらの物質が低濃度で有効なので特に重要である。

【０１３４】 （製造プロセス） 本発明の局面で使用される全ての成分を一緒に混合して製
造することが出来る。活性剤が低濃度で存在する組成物の中で香料の可溶化を最
大限にするには、好ましい添加順序が必要であることが判った。このことは、前
記で開示している香料組成物のようなプレミックスを作ることを意味し、次にそ
のプレミックスを“支持体（ｂａｓｅ）”生成物に加える。プレミックスは、次
の順序で加えられる原料を含む：界面活性剤（類）、もし含まれるとすれば、約
２５％以上の活性で、次に香料、次にポリマー、次は必要に応じた抑泡剤。或る
ケースでは、必要に応じた抑泡剤の後に溶剤（類）及び／又は必要に応じた緩衝
液をプレミックスに加えることが有利である。プレミックスを完全混合すると最
良の結果が得られる。次いで、水及びその他の成分を含む支持体にプレミックス
を加える。次には、組み合わせ物（即ち、支持体に入れられたプレミックス）を
混合すると均一な溶液が得られる。

【０１３５】 最大量の香料を、限定された界面活性剤と一緒に組成物に組み入れるその他の
好ましい方法は、香料が水性媒体の中でシクロデキストリン混合物に加えられた
プレミックスを生成することである。それとは別に、香料−シクロデキストリン
混合物は、プレミックスに先立って予備生成することが出来る。この方法による
と、最大量の香料を組成物に組み入れることが確実に行なわれ、界面活性剤を殆
ど使用しないか、又は全く使用しないで香料を組成物に供給することが出来る。

【０１３６】 或るケースでは、好ましい加工方法を使っても香料の可溶化を達成することが
出来ない。しかしながら、限定はされないが、カウンター及び床クリーナーのよ
うな用途では、全体的に不均一な組成物を使用物品に直接加えて予め濡れたワイ
プ又はモップを作ったのち、次に予め濡れたワイプ又はモップの束としてこれら
のワイプ又はモップを包装するか、それとは別に、前記の組成物を清掃溶液のビ
ンに入れて、初回の使用時に使用者がワイプの束に注ぐことにより、初回の使用
時に予め濡れたモップの束を作り出すことが出来る。

【０１３７】 界面活性剤活性剤が組成物の中で香料の溶解性を制限しない場合には、単一段
階製造プロセスを続けることが出来る。例えば、許容される添加順序は、最初が
水、任意の洗剤界面活性剤及び／又は有機酸に続いて任意の疎水性清掃用溶剤を
組み入れることである。この溶剤を加えたら、ｐＨは配合業者によって所望され
るように調整されて最適化される。次にポリマーを加えたのち、必要に応じて過
酸化物、香料及び／又は染料を続けることが出来る。

【０１３８】 （“香料”組成物） 前述の大抵の組成物は、濃縮形態で有利に使用出来る、
と言うのは、親水性ポリマーによってかなりの含量の香料を可溶化出来るからで
ある。例えば、１００万部当たり１００部で水に必ずしも完全に可溶とは限らな
い香料は、約０．０５％以上の親水性ポリマーを使うと溶解することが出来る。
更に、低濃度の好ましいアルキルポリグルコシドを使うと、香料の溶解性を改善
出来る。低濃度とは、約０．０５％未満のポリグルコシドの濃度を意味する。好
ましいポリグルコシドは、水中で重量基準で３ないし１０倍の香料を溶解するこ
とが出来、香料を溶解／分散するポリマーの能力はもっと改善される。ポリグル
コシドは、非揮発性材料の量を残渣が最小限に抑えられるほどの低さに保つので
、このことは有用である。例えば、０．５％の好ましいアルキルポリグルコシド
を０．５％のＰＶＮＯと一緒に使用すると、最大約０．５％の香料を溶解するこ
とが出来る。低濃度の界面活性剤及び親水性ポリマーでは、香料対活性剤は比較
的大きい比率で溶解することが出来る。従って、０．０３％のアルキルポリグル
コシドと０．０１５％を組み合わせると最大約０．１％の香料を溶解することが
出来る。この場合、その他のノニオン系はほぼ半分の濃度の香料しか溶解出来な
い。

【０１３９】 （モップ及びモップ保持清掃用具のキット） 定期的、例えば、日常、隔週、
又は毎週、を基準として本明細書で定義される製品を使用する局面では、浴室、
シャワー、壁、カウンター天板、ガラス床等の清潔さを保つために製品をすすぎ
を使用することなく、好ましくはシャワー使用及び／又は入浴後に定期的に使用
するための指示書と一緒に容器に入れた製品が市販されることは極めて望ましい
。指示事項は、容器自体に直接印刷することが出来、或いは限定はされないが、
パンフレット、印刷広告文、電子広告文及び／又はその他の広告文を含めて、い
ろいろな方法で表示して消費者に製品の一連の指示事項を伝えることが出来る。
消費者は、使用方法、及びその使用方法に従うと本発明の全価値が得られること
からの利点を知ることが必要である。

【０１４０】 本発明の局面で使用される組成物は、使用過程でモップのすすぎが少なくて済
む着脱式の予め濡れた清掃モップを含む清掃用具を使って使用されることになっ
ている。このことは、清掃モップのグラム当たり１グラムの吸収流体を基準とし
て、充分な吸収容量を有する着脱式清掃モップを含み、典型的な硬い表面又は壁
（例えば、８０−１００平方フィート）の清掃のように、モップを取り替える必
要がなく大面積を清掃出来る清掃用具を包含するのが好ましい。このことは、更
に、好ましくは前述の米国特許出願明細書第０８／７５６，５０７号（引用文献
によって本明細書に組み入れられている）に開示されているタイプの超吸収性材
料の使用が必要である。

【０１４１】 前述の液体組成物は、表面を清掃する用具で使用することになっていて、この
用具は、好ましくは次から成る： ａ． 有効量の超吸収性材料を含み、複数の実質的に平坦な表面を有する
、好ましく着脱式清掃パッドであって、前記実質的に平坦な各表面は清掃される
表面と接触し、更に好ましくは前記パッドは或る長さと或る幅を有する着脱式清
掃パッドであり、前記パッドは、 i． 擦り層；及び ii． 必要に応じて、第１層及び第２層を含む吸収性層であって、前記
第１層は、前記擦り層と第２層（即ち、第１層は第２層より下にある）の間に配
置され、前記第２層より狭い幅を有する；及び ｂ． 必要に応じて、ハンドル。

【０１４２】 必要に応じて、清掃パッドの好ましい局面は、清掃作業の過程で汚れた表面と
接触する多数の平坦な表面を使用することである。モップのような清掃用具の局
面では、これらの平坦な表面は、一般的な清掃作業の過程で（即ち、ここでは清
掃用具はパッドの幅に対して実質的に垂直な方向に前後に動かされる）、各々の
平坦な表面は清掃パッドの“揺動（ｒｏｃｋｉｎｇ）”の結果として、清掃され
る表面と接触するように調整される。

【０１４３】 好ましい清掃用具は、汚れた表面と接触する縁部を絶えず提供することにより
、例えば清掃作業の過程で、汚れた表面と接触する新規の表面、及び／又は複数
の表面を提供することにより、有用な汚れ除去特性を発現するパッドを有する。

【０１４４】 洗剤界面活性剤は好ましくは線状であり、例えば分岐状物及び芳香族を含んで
はならない、そして洗剤界面活性剤は好ましくは比較的水溶性であり、例えば約
８ないし約１６個の炭素原子を含む疎水性鎖を有する、例えばノニオン洗剤界面
活性剤の場合には、約９ないし約１５、好ましくは約１０ないし約１３．５のＨ
ＬＢを有する。最も好ましい界面活性剤は、前述のアルキルポリグルコシドであ
る。その他の好ましい界面活性剤は、約９ないし約１２個の炭素原子と、約４な
いし約８個のエチレンオキシド単位を含むアルキルエトキシレートである。この
ような界面活性剤は、優れた清掃効果点を発現し、所要の親水性ポリマーと相乗
的に作用する。最も好ましいアルキルエトキシレートは、商標Ｎｅｏｄｏｌ（商
標）１−５でＳｈｅｌｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙから市販されている
Ｃ₁₁ＯＥ₅である。このＣ₁₁ＯＥ₅は、好ましい共界面活性剤Ｃ₈スルホネート及
び／又はＰｏｌｙ−ＴｅｒｇｅｎｔＣＳ−１と組み合わせて使用する時に特に好
ましい。更に、この好ましいアルキルエトキシレート界面活性剤は、優れた清掃
特性を発現することが判っていて、本発明の濡れポリマーを含むマトリックスの
中で好ましくいＣ_8-16アルキルポリグルコシドと有利に組み合わせることが出来
る。理論に制約されたくはないが、このＣ_8-16アルキルポリグルコシドは、優れ
た清掃に好ましいアルキルエトキシレートが更に求められる時に、好ましいアル
キルエトキシレートを含む組成物の中で優れた最終結果（即ち、ヘイズ（ｈａｚ
ｉｎｇ）を減らす）を発現することが出来ると考えられる。この好ましいＣ_8-16 アルキルポリグルコシドも、アルキルエトキシレートを含む組成物の香料溶解性
を改善することが判っている。香料の濃度が高くなると、消費者からの支持には
有利になることが出来る。

【０１４５】 本発明も、本明細書で開示した洗剤組成物を、その組成物を使用するための指
示書と関連して容器の中に含む。この容器は、一緒に梱包されるか、又は別々に
して１個以上のユニットの組立体を有することが出来る。例えば、この容器は清
掃溶液と一緒にパッド又は乾燥ワイプを含むことが出来るので、使用者は、この
清掃溶液を、ワイプの束を含むパッケージに注入することにより、将来の使用の
ために、初回使用で一度ワイプを事前に濡らす。第２の例は、用具の有無、ハン
ドルの有無によるが、予め濡れたモップ又はワイプの入った容器である。

【０１４６】 洗剤組成物（清掃用溶液）は、必要に応じてであるが、好ましくは親水性ポリ
マー、及び随意の１種以上の洗剤界面活性剤、親水性ポリマーが含まれない場合
に含まれるのが好ましいアルキルポリグルコシド、随意の溶剤、ビルダー、キレ
ート化剤、抑泡剤、酵素等を含む水性系溶液である。好適なポリマーは、本明細
書で前述のポリマーである。好適な界面活性剤は市販されていて、ＭｃＣｕｔｃ
ｈｅｏｎの第１巻：Ｅｍｕｌｓｉｆｉｅｒｓ ａｎｄ Ｄｅｔｅｒｇｅｎｔｓ，北
アメリカ版、ＭｃＣｕｔｃｈｅｏｎの部門、ＭＣ出版社、１９９９年、に記載さ
れている。繰り返すが、最も好ましいポリマーは、アミンオキシド部分を含むポ
リマーである。最も好ましい界面活性剤は、Ｃ₈−Ｃ₁₆ポリアルキルグルコシド
、及び約４ないし約８個のオキシエチレン単位を含むＣ₉−Ｃ₁₂ エトキシレート
、及びそれらの混合物である。これらの組成物は本明細書の既に開示されている
。

【０１４７】 本発明により、使い捨ての予め濡れたワイプ、パッド、モップ等を使った、床
、カウンター、壁の清掃方法で使用するのに好適で好ましい清掃溶液は次を含む
：約０．００１％ないし約０．２５％、好ましくは約０．００５％ないし約０．
１５％、更に好ましくは約０．０１％ないし約０．０７％の親水性ポリマー。選
ばれるポリマーの濃度は用途によって決まる。例えば、親水性ポリマーの濃度が
高くなると、床には、粘着性の感触が残ることがある。そのような粘着性は、カ
ウンター、ストーブ天板及び壁のような用途には比較的簡単に容認される。組成
物はポリマーだけを含むことが出来るが、次を含むのも好ましい。約０．００１
％ないし約０．５％、好ましくは約０．００５％ないし約０．２５％、更に好ま
しくは約０．００５％ないし約０．１％の洗剤界面活性剤であって、好ましくは
前記アルキルポリグルコシド、更に好ましくはＣ_8-16アルキル基、及び約１ない
し約１．５、好ましくは約１．１ないし約１．４個のグリコシルグラムを含む好
ましいアルキルポリグルコシド、及び／又は線状アルキルエトキシレート洗剤界
面活性剤（例えば、Ｓｈｅｌｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．から市販されているＮ
ｅｏｄｏｌ １−５^TM）及び／又はアルキルスルホネート（例えば、Ｓｔｅｐａ
ｎ Ｃｏ．から市販されている線状Ｃ₈スルホネート、Ｂｉｏｔｅｒｇｅ ＰＡＳ
−８ｓ^TM）を含むこと：必要に応じて、約０．００１％ないし約０．５％、好ま
しくは約０．０１％ないし約０．３％の揮発性緩衝液物質、例えばアンモニア、
２−ジメチルアミノ−２−メチル−１−プルパノール；必要に応じて、約０．０
０１％ないし約０．０５％、好ましくは約０％ないし約０．０２％の非揮発性緩
衝液物質、例えば水酸化カリウム、炭酸カリウム、及び／又は炭酸水素塩；必要
に応じて、約０．００１％ないし約０．５％、好ましくは約０．０５％ないし約
０．２５％；染料及び／又は香料のような随意補助剤；並びに約９９．９％ない
し約８０％、好ましくは約９９％ないし約８５％、更に好ましくは約９８％ない
し約９０％の脱イオン水又は軟化水。脱イオン水又は軟化水の正確な含量は用途
の特質によって決まる。濃縮物は、濃縮係数（例えば、５倍、１０倍、２０倍）
によるが、８０％未満の脱イオン水又は軟化水を有することが出来る。

【０１４８】 （モップ用具及び予め濡れたモップを使う清掃方法） 本発明による床及びその他の大表面の清掃方法は数段階を含む。数タイプのモ
ップ（即ち、ワイプ）及び／又はいろいろなタイプの用具を使用出来るが、モッ
プをハンドル及びモップヘッドを含む用具と一緒に使用すること、並びにモップ
が予め濡らされる（工場で、又は使用者自身が初回に使用する時）ことが本発明
の方法の本質的特徴である。本発明による清掃方法の第１段階は、モップ（又は
ワイプ）を用具に取り付けることであり、次に、モップを使って表面を清掃する
別の段階が続く。清掃用溶液の分配は実質的に均一であるのが好ましい。すすぎ
は必要でなく、実際に、この方法の効率はすすぎがないことによって改善されて
いるので、逆効果となることがあるのが、本明細書の製品のタイプの長所である
。ポリマーは表面上に留まることにより親水性となる結果として、極めて有効で
ある。事実、本方法は、ポリマーの水溶液だけを表面に適用するか、又は香料を
加えたポリマーを表面に適用することを含むことが出来る。

【０１４９】 使用の指示事項は、包装物及び／又は広告（例えば、リーフレット、クーポン
、画面等）に消費者に分かり易い言葉で行なわれる。消費者に分かり易い言葉と
は、消費者が、この製品をどのように好ましく使用して最良の結果を得るかを教
えられると言う意味である。消費者に提供される測定単位は、消費者の理解を反
映し、例えば、英国の計量単位は米国で好ましく、メートル単位は大抵の欧州国
家で使用される。指示書を消費者に分かり易くするのに役立たせるに当たって、
絵は、言葉の有無に拘らず使用出来る。特別の包装デザインも使用すると、消費
者に分かり易い方法で指示事項を有利に伝えることが出来る。人間工学的アピー
ルも使うと、言葉や絵の有無に拘らず、製品を、より直感視することも出来る。
特に、適切な配達が容易になるように包装を設計することが出来る。

【０１５０】 （床の清掃方法） 床表面のクリーナー（そればかりでなく、その他のタイプ
のクリーナー、例えば壁クリーナー、ガラス、クリーナー、シャワークリーナー
等も）の局面では、予め濡れたモップを使って組成物は分配される。床クリーナ
ーとは、家庭又は事務所の内部又は外部の普通の床板を清掃して維持することを
目的とする組成物を意味する。前述の組成物で清掃出来る床には、限定はされな
いが、居間、食堂、台所、寝室、地下室、屋根裏、パティオ等が挙げられる。こ
れらの床は、セラミック、陶器、大理石、Ｆｏｒｍｉｃａ（商標）、無ワックス
系ビニル、リノリウム、木材、陶製床タイル、レンガ又はセメント等から成るこ
とが出来る。

【０１５１】 （ガラス清掃モップ） 更に便宜を拡大するために、本発明の局面で使用され
るガラスクリーナー組成物は、予め濡れたモップ（即ち、ワイプ）の形態で供給
される。予め濡れたワイプは、特に、届き難い範囲（例えば、屋内又は屋外の窓
、２階以上の窓、大きいガラス）には、モップヘッド及びハンドルに取り付けら
れる。使い易さ及び汎用性に対しては、ハンドルは、１個以上の短い伸長式取り
付け具又は入れ子式棒から成ることが出来る。最良の結果を得るには、モップヘ
ッドユニットは、必要に応じて、バフ仕上げ用のスキージーを含む。１つの作業
の中で予め濡れたワイプが液体及び擦りを全て提供する。最良の結果を得るには
、即ち汚れの除去と同時に、すすぎが要らないように、処理された範囲を高度の
光沢及び無条痕にするために、供給量は、好ましくは平方メートル当たり約１ミ
リリットルないし約１０ミリリットル、更に好ましくは平方メートル当たり約３
ミリリットルないし約５ミリリットルでなければならない。最良の結果を得るに
は、好ましい拭き取りパターンは、ガラスの左上（又は右上）隅部で始まる両辺
間のオーバーラップ動作パターンを始めて、並べたパターンを続けて、ガラスの
下部までこの拭き取りパターンを進行させ、左又は右下隅部で終わることから成
る。次に、予め濡れたモップを反転させて、ガラスの左（又は、右）端部から始
める上下パターンでガラスを清掃し、この拭き取りの動作がガラス全面に行きわ
たるように、右（又は、左）まで続ける。それとは別の拭き取りパターンは、上
下拭き取り動作を始めて、予め濡れたモップを反転させたのち、両辺拭き取り動
作で完了する。それとは別の拭き取り方法は、両辺拭き取りパターンと上下拭き
取りパターンのタイミングを単純に入れ替える。両辺型と上下型の組み合わせパ
ターンによる効果は、溶液の拡がりが改善され、条痕の線がペーパータオルの線
状運動から消える結果として、条痕を最小限に抑える（即ち、ペーパータオル又
は布類の縁部によって拭き取りが行なわれる場所の明瞭な境界設定が行なわれる
）。付着した溶液は、拭き取りパターンが完了したのち、素早く蒸発するのが好
ましい。 最良の最終結果を得るには、予め濡れたワイプにかる圧力は、最終拭き取り段
階過程では減らされる。この方法では、溶液の滴下は減少し、ワイプは最終拭き
取り段階で或る程度の液体を再吸収するのに有効に使用することが出来る。本発
明の局面で使用される組成物は、窓ガラス、自動車ガラス、鏡、クロムめっき製
品、銀めっき製品、ストーブ天板、ガラステーブル、家庭用電気ガス器具、等の
すすぎのない用途の家庭用電気ガス器具では、特に良好に機能する。従来のガラ
スクリーナーと違って、予め濡れたワイプは、余分のバフ仕上げを必要とせず、
特に、軽度の清掃作業の場合、被膜／縞の優れた最終結果をもたらす。更に、親
水性ポリマーは、防曇及び汚れ防止特性を含めて、消費者に幾つかの重要なメリ
ットをもたらす。この組成物は、軽度の作業、即ち、ストーブ天板の清掃、即ち
、毎週の保守、には理想的に適している。重要なのは、親水性ポリマーの残留レ
ベルによって光沢及び汚れ防止が発現される。溶剤、特に揮発性溶剤、は必要に
応じて、すすぎのない用途で縞を作ることなく追加の清掃を行なうことが出来る
ので、これらの組成物に組み入れるのが好ましい。この組成物は、表面に付着し
た残留ポリマーによって、グリース、外被付きの食物及び汚れを、次回では比較
的簡単に清掃する長所ももたらす。更に、この組成物は、研磨剤パッド、加熱及
びスチーム並びにそれらの組み合わせのような清掃を改善する物品と一緒に使用
出来る。取り除くのが特に難しい汚れ又はひどく汚れた表面の場合、多層ラミネ
ートワイプを使用するのは更に有用である。同じ濃度の液体及び拭き取りパター
ン（類）は前述のように使用されるが、潜在的に汚い液体を取り除きガラスへの
汚れの再付着を防止するために、指示書には追加のバフ仕上げ又は研磨段階が含
まれている。

【０１５２】 （予め濡れたモップ使う汎用の及び床清掃） 前述の汎用の及び床清掃用組成
物は、前述のように、モップヘッド及び／又はハンドルに取り付けられた予め濡
れたモップ（即ち、ワイプ）の形態で供給されることは、本発明の方法の本質的
な特徴である。予め濡れたモップは、１つの作業で液体及び擦りを全て提供する
。ハンドルを使い予め濡れたモップによるモップのパターンは、上下オーバーラ
ップ動作を左から右へ（又は、右から左へ）行ない、次に上下オーバーラップ動
作を使って左から右へ（又は、右から左へ）繰り返すのが好ましい。この上下動
作は、優先的に約０．５メートルないし約１メートルをカバーする。左から右へ
の距離は優先的に約１ないし約２メートルである。次に、ワイプが実質的に使い
果たされるか又は乾ききるまで、このようなモップによるパターン化を繰り返す
。特に、一般的な浴室で見受けられるような小さい面積を清掃には、予め濡れた
ワイプが有用である。予め濡れたワイプは、いろいろなその他の液体及び／又は
用具を使用する必要がなく、カウンター天板、壁等のような床以外の表面を清掃
するのに使用出来ると言う点で、この予め濡れたワイプは簡単に利用出来、しか
も融通性もある。このような方法は、スポンジ、帯紐状モップのような従来の再
使用型でよく見受けられる用具の無菌処理を最小限に抑えて、微生物を効果的に
取り除き抑制もする。用具の無菌処理が不足しても、より清潔で、より無微生物
の最終結果が得られる。

【０１５３】 モップと、使用者の手との接触を避けることが出来ることが判った。このこと
は、前述の清掃用具に取り付けられるモップが予め濡れている（即ち、濡らされ
ている）場合には、特に重要である。実際に、濡れている清掃用組成物の中に含
まれる化合物のなかには、消費者の肌に好ましくない影響（乾燥、漂白）を及ぼ
すかも知れない。従って、ハンドル及びハンドルに取り付けられたモップヘッド
、並びに清掃用組成物（前記説明の化合物を参照されたい）で濡らされた使い捨
てモップから成り、前記モップは当初は少なくとも或る程度折り畳まれて前記モ
ップの束（即ち、ワイプ）を含む箱に入れられ、前記モップは清掃前及び清掃中
は前記モップヘッドに取り外し可能で固定される清掃器具（即ち、清掃用具）で
床及びその他の大表面を清掃する方法において、前記方法が： （i） 前記箱を開けて−前記箱は前記モップヘッドの表面より僅かに大
きい幅と長さ寸法を有すること−前記モップの束の最上部にあるモップを露出さ
せること：その後 （ii） 前記モップヘッドの表面より僅かに大きい幅及び長さを有する前
記最上部モップの第１表面が現われるように、前記最上部モップを手で広げる段
階、その後 （iii） 前記モップヘッドの下部表面が前記最上部ワイプの前記第１表
面に接触するように、用具のモップヘッドを前記箱の中に入れる段階、その後 （iv） 前記清掃用組成物の蒸発を防ぐために前記ワイプが前記用具に取
り付けられたままの前記用具を取り出して箱の蓋を閉める段階、 （v） 前記清掃器具を使って前記床を拭き取ったのち、一度使用された
前記ワイプを取り外す段階、の各段階から成ることを特徴とする前記方法を提供
することが本発明の目的である。

【０１５４】 前記の方法によって、手で濡れたモップに触れる必要は著しく減り、従って、
肌が傷付く恐れは大幅に少なくなるのは好ましい。加えて、しかも更に重要なこ
とは、このことによって、モップをモップヘッドに固定する段階で濡れ溶液をこ
ぼすことなく全体の作業は、より清潔になる。

【０１５５】 好ましくは、前記の広げられた最上部モップは、モップヘッドの周りで折り畳
まれ、モップヘッドに着脱式に取り付けられ少なくとも２個の第２表面を含むの
が好ましい。また、好ましくは前記剥離フィルムは、初回使用時に箱から完全に
取り外されて、廃棄されることになっているのが好ましい。 前述の方法で使用するための、 （i） 濡れモップ（即ち、ワイプ）の束を含む箱、 （ii） ハンドル及びそのハンドルに取り付けられるモップヘッドを含む
用具、 を含むキットを提供することが本発明のもう１つの目的である。 前述の方法のいろいろな段階を消費者に更に説明するために、モップを含む箱及
び／又は用具若しくは清掃キットを含むパッケージ−モップと一緒に用具を含む
−は、図１に示すように、いろいろな方法、段階を図解する図面付きラベルを含
むのが好ましい。

【０１５６】 清掃用具 本発明では、床及びその他の大表面を清掃する方法は、前述で開示
されたタイプ表面を清掃する用具を使って、必要に応じて隠顕染料を含む前記の
洗剤組成物のいずれかを使用するのであって、この用具は： ａ． 好ましくは超吸収性材料を含み、複数の実質的に平坦な表面を有する
着脱式清掃パッドを有し、前記実質的に平坦な表面の各々は、清掃される表面と
接触し、好ましくは第１層も第２層も有するパッド構造体では、第１層は擦り層
と第２層との間に配置されて、第２層より狭い幅を有すること；並びに ｂ． ハンドル、 を含む。

【０１５７】 前述のように、本発明の好ましい局面では、パッドは好ましくは超吸収性材料
を含み、好ましくは顕著な清掃効果も発現する。好ましい清掃性能の利点は、可
溶化された汚れを取り除くパッドの能力と組み合わされた、下記の好ましい構造
特性と関連がある。本明細書で説明している好ましい清掃用パッドは、前述のよ
うに好ましい洗剤組成物と一緒に使用されると、最適の性能を発現する。

【０１５８】 好ましいパッドは、前述のような多数の平坦な表面を提供する。

【０１５９】 本明細書で使用されるように、全ての数値は、正規変動に基づいた近似法であ
る；全ての部、パーセンテージ、及び比率は、別に明記しない限り重量によるも
のであり、組成物の重量による。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ， ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，Ｋ Ｅ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 メニ，ラシュ ベルギー国、1325 ロングヴィル、リュ、 ダメル 22 (72)発明者 ステュラン，マリエル ジャニヌ コレッ タ ベルギー国、3320 メルデルト、シント− ロウレンティスストラート 16 Ｆターム(参考） 3B074 AA02 AA08 AB01 CC00 EE01 【要約の続き】 前記ワイプを取り外す段階、の各段階から成ることを特 徴とする前記方法に関する。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハンドル及びハンドルに取り付けられたモップヘッド、並び
   に清掃用組成物で濡らされた使い捨てモップを含み、前記モップは当初は少なく
   とも或る程度折り畳まれて前記モップの束を含む箱に入れられ、前記モップは清
   掃前及び清掃中は前記モップヘッドに取り外し可能で固定される清掃器具で床及
   びその他の大表面を清掃する方法において、前記方法が： （i） 前記箱を開けて、前記モップの束の最上部にあるモップを露出さ
   せ、ただし前記箱は前記モップヘッドの表面より僅かに大きい幅と長さ寸法を有
   し、その後 （ii） 前記モップヘッドの表面より僅かに大きい幅及び長さを有する前
   記最上部モップの第１表面が現われるように、前記最上部モップを手で広げる段
   階、その後 （iii） 前記モップヘッドの下部表面が前記最上部ワイプの前記第１表
   面に接触するように、用具のモップヘッドを前記箱の中に入れる段階、その後 （iv） 前記清掃用組成物の蒸発を防ぐために前記ワイプが前記用具に取
   り付けられたままの前記用具を取り出して箱の蓋を閉める段階、 （v） 前記清掃器具を使って前記床を拭き取ったのち、一度使用された
   前記ワイプを取り外す段階、 の各段階から成ることを特徴とする前記方法。
2. 【請求項２】 前記モップヘッドに固定される前に、前記広げられた最上部
   モップが、前記モップヘッドの周りに折り畳まれて前記モップヘッドに着脱式に
   取り付けられる少なくとも２個の第２表面を含むことを特徴とする請求項１記載
   の方法。
3. 【請求項３】 剥離フィルムが、前記箱を閉めて初回使用時に前記箱から完
   全に離されて廃棄されることになることを特徴とする請求項１または２記載の方
   法。
4. 【請求項４】 （i） 濡れワイパーの束を含む箱、 （ii） 請求項１に記載の方法で使用するための、ハンドル及びハンドル
   に取り付けられるモップヘッドを含む用具、 を含むことを特徴とするキット。
5. 【請求項５】 更に、請求の範囲第１項に記載の方法の各段階を説明する使
   用指示書を含むことを特徴とする請求項４記載のキット。
6. 【請求項６】 請求項１に記載の清掃方法用の使用指示書と一緒に、モップ
   又はワイパーの束を含む箱。