JP2003073585A - チタニア膜形成用液体、チタニア膜の形成法、チタニア膜及び光触媒性部材 - Google Patents

チタニア膜形成用液体、チタニア膜の形成法、チタニア膜及び光触媒性部材

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JP2003073585A
JP2003073585A JP2002077854A JP2002077854A JP2003073585A JP 2003073585 A JP2003073585 A JP 2003073585A JP 2002077854 A JP2002077854 A JP 2002077854A JP 2002077854 A JP2002077854 A JP 2002077854A JP 2003073585 A JP2003073585 A JP 2003073585A
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film
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titania film
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Yutaka Go
豊 郷
Makoto Murakami
誠 村上
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れ、中性であるために安全性
も高く、低温で従来のアナターゼ結晶/アモルファス混
合チタニアゾル溶液を用いたチタニア膜よりも光触媒能
が高く、干渉色の出にくい優れた特性を有するチタニア
膜を形成することができるチタニア膜形成用液体を提供
する。 【解決手段】 アモルファス型チタニアとアナターゼ型
結晶チタニア又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶
/アモルファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合
してなるチタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾
燥してなる膜に紫外線をあてた時に発現する光触媒能
が、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合チ
タニアゾル溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあ
てた時に発現する光触媒能よりも高いチタニア膜形成用
液体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保護皮膜、光触
媒、紫外線カット皮膜、着色コーティングなどの分野に
利用されるチタニア膜形成用液体、チタニア膜の形成
法、チタニア膜及び光触媒性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】チタニア膜形成方法は、酸化チタン粉体
スラリーあるいは塩化チタンや硫酸チタンの水溶液を基
体に塗布後、焼成する塗布法、金属アルコキシドの加水
分解で作製したゾルを基体に塗布後、焼成するゾルゲル
法、高真空中で酸化物のターゲットをスパッタリングし
基体上に成膜するスパッタ法、有機金属やハロゲン化物
を揮発させ電気炉の中で分解して基体上に膜を作製する
CVD法、固体粒子を大気中で発生させたプラズマ中で
溶融し基体表面にたたきつけるプラズマ溶射法等があ
る。酸化チタン粉末スラリーの塗布法は簡単ではある
が、緻密で密着性良好な膜は得られ難く、合成温度が一
般に高いため基体の種類にかなりの制限がある。塩化チ
タンや硫酸チタン等の水溶液を塗布する方法は有害なハ
ロゲン化合物を生成し、また、焼成温度も数百℃以上を
必要とし、前記の産業上の利用分野には使用されない。
プラズマ溶射は固体をプラズマ中で溶融し機体表面にた
たきつける成膜法で成膜速度は速いが、緻密な膜は得ら
れ難く、均一で密着性に富んだ酸化チタン膜を作製する
ことは出来なかった。また、スパッタ法やCVD法など
は減圧下でなければ良好な膜が得られず、真空排気でき
る反応容器が必要であり、一般に成膜速度が遅く、緻密
な膜を得るためには数百℃以上に基体を加熱しなければ
ならない欠点がある。
【0003】ゾルゲル法で作製された市販のチタニアゾ
ルは塗布や含浸処理が可能で、大面積コーティングが可
能で工業的な利点が多いが、チタンテトライソプロポキ
サイドやテトラブチルチタネイトなどの有機金属を利用
して合成しなければならなかったため、原料が高価で、
しかも原料が化学的に不安定で温度制御や雰囲気に影響
されやすく取り扱い難いという課題があった。また、ゾ
ルゲル法は原料ゾル中に酸や有機物を含むので焼成除去
するのに400℃以上の加熱が必要であり、酸に侵され
やすい材料には不向きで、低温焼成では多孔質になりや
すい。また、ゾルゲル法によって作製したチタニアゾル
中には酸やアルカリあるいは有機物が加えられており、
被コーティング材の腐食の問題や有機物焼却のための温
度(400℃以上)が必要で、加熱焼成中に有害なハロ
ゲン化物や窒素酸化物などが副成する等の欠点があっ
た。これらの欠点を改良するため、例えば特開平9−7
1418号公報に提案されるようにそれ自体は光触媒能
をもたないアモルファス型チタンゾルを基材に塗布後、
加熱処理することにより付着性に優れた緻密なチタニア
皮膜を形成する方法が提案されているが、加熱処理が必
要であるため使用できる基材、用途は限られている。さ
らに、アモルファス型チタンゾルを約100℃で2時間
以上加熱すると、一部のチタニアがその前駆体をへてア
ナターゼ結晶に結晶化してアナターゼ結晶/アモルファ
ス混合チタニアゾル溶液が得られるが、これを単独で塗
布すると基材上で液滴を形成しながら乾燥成膜されるた
め、緻密で密着性良好なチタニア皮膜を形成できず、干
渉色が出たり、光触媒能が上がらないという不具合があ
った。また、例えば特開平9−71418号公報に提案
されている比較的低温で加熱処理することにより良好な
密着性を有する緻密なチタニア皮膜を形成する方法が提
案されているが、この方法でも塗膜形成のためには最低
でも100℃程度の加熱が必要であるため使用できる基
材、用途は限られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、保存
安定性に優れ、中性であるために安全性も高く、低温で
従来のアナターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル
溶液を用いたチタニア膜よりも光触媒能が高く、干渉色
の出にくい優れた特性を有するチタニア膜を形成するこ
とができるチタニア膜形成用液体を提供することにあ
る。
【0005】本発明の他の目的は、従来のチタニア膜の
形成法では高温加熱することでしか発現しなかったチタ
ニアの有機物分解性、防汚染性、防曇性、防滴性を低温
で乾燥するだけで発現できるようにしたチタニア膜の形
成法を提供することにある。本発明の他の目的は、上記
の特性に優れたチタニア膜及びこのチタニア膜が設けら
れた上記の優れた特性を有する部材を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
問題に鑑み鋭意研究の結果、アナターゼ結晶/アモルフ
ァス混合チタニアゾル溶液に有機物質を添加、混合する
ことにより、有機物質を添加していない従来のアナター
ゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液よりも優れ
た光触媒活性を発現し、さらに100℃以上の加熱処理
をしなくとも光触媒能を有するチタニア膜が形成でき、
この膜は干渉色が出にくくなることを見いだし、この知
見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明は次のものに関する。 (1)アモルファス型チタニアとアナターゼ型結晶チタ
ニア又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶/アモル
ファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合してなる
チタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾燥してな
る膜に紫外線をあてた時に発現する光触媒能が、これに
用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル
溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあてた時に発
現する光触媒能よりも高いことを特徴とするチタニア膜
形成用液体。 (2)アモルファス型チタニアとアナターゼ型結晶チタ
ニア又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶/アモル
ファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合してなる
チタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾燥してな
る膜に紫外線をあてた時に発現する有機物分解能が、こ
れに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合チタニア
ゾル溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあてた時
に発現する有機物分解能よりも高いことを特徴とするチ
タニア膜形成用液体。 (3)アモルファス型チタニアとアナターゼ型結晶チタ
ニア又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶/アモル
ファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合してなる
チタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾燥してな
る膜に紫外線をあてた時に発生する電流値(A)が、こ
れに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合チタニア
ゾル溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあてた時
に発生する電流値(B)よりも大きいことを特徴とする
チタニア膜形成用液体。 (4)アモルファス型チタニアとアナターゼ型結晶チタ
ニア又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶/アモル
ファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合してなる
チタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾燥してな
る膜のバンドギャップ(A)が、これに用いたアナター
ゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液を塗布乾燥
してなる膜のバンドギャップ(B)よりも小さいことを
特徴とするチタニア膜形成用液体。 (5)(4)記載のアナターゼ結晶/アモルファス混合
チタニアゾル溶液と有機物質を混合してなるチタニア膜
形成用液体であって、これを塗布乾燥してなる膜のバン
ドギャップ(A)と、これに用いたアナターゼ結晶/ア
モルファス混合チタニアゾル溶液を塗布乾燥してなる膜
のバンドギャップ(B)との差(B−A)が0.1eV
以上であるチタニア膜形成用液体。 (6)アナターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル
溶液におけるチタニアのアナターゼ結晶/アモルファス
の割合が前者/後者の重量比で5/95〜95/5であ
る(1)〜(5)何れか記載のチタニア膜形成用液体。 (7)アナターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル
溶液におけるチタニアのアナターゼ結晶化率が5〜95
%である(1)〜(5)何れか記載のチタニア膜形成用
液体。 (8)有機物質がアルキルシリケート構造を有する
(1)〜(7)何れか記載のチタニア膜形成用液体。 (9)有機物質がポリエーテル構造を有する(1)〜
(8)何れか記載のチタニア膜形成用液体。 (10)有機物質がアルキルシリケート構造とポリエー
テル構造の両方を有する(1)〜(9)何れか記載のチ
タニア膜形成用液体。 (11)アルキルシリケート構造とポリエーテル構造の
両方を有する有機物質がポリエチレンオキサイド重合体
変性ポリジメチルシロキサン又はポリエチレンオキサイ
ド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポ
リジメチルシロキサンである(10)記載のチタニア膜
形成用液体。 (12)アナターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾ
ル溶液の固形分と有機物質の比が、前者:後者の重量比
で、1:0.01〜1:10である(1)〜(11)何
れか記載のチタニア膜形成用液体。 (13)(1)〜(12)何れか記載のチタニア膜形成
用液体に含まれる溶媒又は分散媒が、水、有機溶媒又は
水−有機溶媒混合物であるチタニア膜形成用液体。 (14)溶媒又は分散媒の総量のうち、水が30〜99
重量%、有機溶媒の量が1〜70重量%である(13)
記載のチタニア膜形成用液体。 (15)有機溶媒がアルコール類である(14)記載の
チタニア膜形成用液体。 (16)アルコール類がエタノールである(15)記載
のチタニア膜形成用液体。 (17)(1)〜(16)何れか記載の液体を、基材に
塗布あるいは含浸させ、乾燥して作製することを特徴と
するチタニア膜の形成法。 (18)(1)〜(16)何れか記載の液体を、基材に
塗布あるいは含浸させ、100℃以下の温度で乾燥して
作製することを特徴とする(17)記載のチタニア膜の
形成法。 (19)(17)又は(18)記載のチタニア膜形成法
で得られたチタニア膜に紫外線を照射することを特徴と
するチタニア膜の形成法。 (20)基材が透明基材である(17)〜(19)何れ
か記載のチタニア膜の形成法。 (21)基材がガラス基材である(17)〜(20)何
れか記載のチタニア膜の形成法。 (22)(17)〜(21)何れか記載のチタニア膜の
形成法により得られたチタニア膜。 (23)(22)記載のチタニア膜を有してなる光触媒
性部材。 (24)チタニア膜が、水若しくは空気の浄化用、防汚
染用、防結露用、防滴用、防氷結用、防着雪用、異物付
着防止用、抗菌用、防カビ用、防藻用、防臭用、及び有
害ガス分解用機能から選ばれる一つ若しくは二つ以上の
機能を有する膜である(23)記載の光触媒性部材。 (25)チタニア膜が干渉色を示さないものである(2
3)又は(24)記載の光触媒性部材。
【0008】
【発明の実施の形態】前述のような問題点を解決するた
めに、本発明では以下のような手段によってチタニア膜
形成用液体を得た。まず、本発明に用いるアモルファス
型チタニアとアナターゼ型結晶チタニア又はその前駆体
を含有するアナターゼ結晶/アモルファス混合チタニア
ゾル溶液は、次のようにして得られる。チタン化合物の
水溶液(アナターゼ結晶/チタン水溶液等)と塩基性物
質(アンモニアや苛性ソーダ等のアルカリ溶液等)から
オルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを作製す
る。次いで、水を用いたデカンテーションによって水酸
化チタンゲルの沈殿を水洗し、水酸化チタンゲルを分離
する。さらに過酸化水素(過酸化水素水等)を作用さ
せ、余分な過酸化水素を分解除去することにより透明粘
性液体、すなわちアモルファス型チタニアゾル溶液
(I)を得ることができる。この液体は、後述するよう
に、過酸化状態の水酸化チタンを含んでいると考えら
れ、市販のTiO2ゾルとは本質的に異なるものであ
る。このアモルファス型チタニアゾル溶液(I)をさら
に80〜120℃で加熱すると、一部のチタニアがその
前駆体をへてアナターゼ型結晶チタニアに結晶化して一
部のチタニアがアナターゼ型結晶又はその前駆体である
アナターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液が
得られる。また、アモルファス型チタニアゾル溶液
(I)をさらに80〜120℃で30分〜3時間加熱す
ると、一部又は全部のチタニアがアナターゼ型結晶又は
その前駆体となったアナターゼ型チタニアゾル溶液(I
I)が得られる。アモルファス型チタニアゾル溶液
(I)と上記で得られたアナターゼ型チタニアゾル溶液
(II)を適宜混合することによっても、本発明に用い
るアナターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液
を得ることができる。
【0009】アナターゼ結晶/アモルファス混合チタニ
アゾル溶液におけるチタニアのアナターゼ結晶(アナタ
ーゼ型結晶の前駆体を含む)/アモルファスの割合は、
前者/後者の重量比で5/95〜95/5が好ましく、
20/80〜90/10がより好ましく、50/50〜
80/20がさらに好ましい。また、アナターゼ結晶/
アモルファス混合チタニアゾル溶液におけるチタニアの
アナターゼ結晶化率で言えば、5〜95%が好ましく、
20〜90%がより好ましく、50〜80%がさらに好
ましい。アナターゼ結晶化率は、X線回折で得られるア
ナターゼ結晶ピークの積分強度について、既知のアモル
ファス型チタニアとアナターゼ型チタニアから得た検量
線より求める方法や、アモルファス型チタニアとアナタ
ーゼ型チタニアのピーク分離ソフトを用いて、それぞれ
の積分強度比から算出する方法等がある。チタン化合物
は安価で取扱が容易な硫酸塩や四塩化チタンなどの塩化
物、しゅう酸塩等が望ましく、また、水酸化物の沈殿を
起こす塩基性物質はアンモニア水、苛性ソーダ等が望ま
しい。反応によって副成する塩は安定で無害な塩化ナト
リウム、硫酸ナトリウムあるいは塩化アンモニウム等に
なるような組み合わせが望ましい。チタン化合物の濃度
は特に制限はないが、通常は5〜80重量%の濃度で市
販されている水溶液を0.3〜10重量%に希釈した水
溶液で反応が行われる。チタン化合物の濃度が0.3重
量%未満だと、沈殿の生成に時間がかかる傾向があり、
10重量%を超えると、沈殿生成時の温度管理が困難に
なる傾向がある。沈殿させるpHは好ましくは1〜3、
より好ましくは2程度で行い、Fe等の不純物が共沈し
ないようにすることが望ましい。また、沈殿の生成は5
〜40℃で1〜24時間行うことが好ましい。沈殿した
水酸化チタンゲル(オルトチタン酸と呼ばれる場合もあ
る)はOH同志の重合や水素結合によって高分子化した
ゲル状態にあり、このままではチタニア膜の塗布液とし
ては使用できない。このゲルに過酸化水素を添加すると
OHの一部が過酸化状態になりペルオキソチタン酸イオ
ンとして溶解、あるいは高分子鎖が低分子に分断された
一種のゾル状態になり、余分な過酸化水素は水と酸素に
なって分解し、チタニア膜形成用の粘性液体として使用
ができるようになる。このチタニアゾル溶液は、チタン
以外に酸素と水素しか含まないので、乾燥や焼成によっ
て酸化チタンに変化する場合に水と酸素しか発生しない
ため、ゾルゲル法や硫酸塩等の熱分解法に必要な炭素成
分やハロゲン成分の除去が必要でなく、従来より低温で
も比較的密度の高い結晶性のチタニア膜を作製すること
ができる。また、pHは中性なので、使用における人体
への影響や基体の腐食などを考慮する必要がない。さら
に、過酸化水素はゾル化剤としてだけではなく安定化剤
として働き、ゾルの室温域で安定性が極めて高く長期の
保存に耐える。
【0010】過酸化水素としては安全性の点から好まし
くは1〜40重量%過酸化水素水が用いられ、その添加
量は水酸化チタンゲル固形分に対して重量比で、水酸化
チタンゲル/過酸化水素=1/0.7〜1/1.5の割
合で加えて、好ましくは0〜50℃、より好ましくは1
0〜30℃で、好ましくは0.5〜6時間攪拌させて作
用させる。その後、酸化チタンの濃度が好ましくは0.
5〜3重量%になるように蒸留水を加え、チタニアゾル
溶液とすることができる。これらチタニアゾルの平均粒
子径は、緻密で密着性良好な膜を作るため、好ましくは
100nm以下とされ、より好ましくは50nm以下、
さらに好ましくは20nm以下とされる。
【0011】本発明に用いる有機物質は、アナターゼ結
晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液に混合すること
で、これを塗布乾燥してなる膜に紫外線をあてた時に発
生する電流値(A)が、これに用いたアナターゼ結晶/
アモルファス混合チタニアゾル溶液を塗布乾燥してなる
膜に同じ紫外線をあてた時に発生する電流値(B)より
も大きくなるもの、又はアナターゼ結晶/アモルファス
混合チタニアゾル溶液に混合することで、これを塗布乾
燥してなる膜のバンドギャップ(A)が、これに用いた
アナターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液を
塗布乾燥してなる膜のバンドギャップ(B)よりも小さ
くなるものであって、例えば、芳香族炭化水素、脂肪族
炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族系、脂肪族系及び脂
環式の、アルコール類、ケトン類、エステル類及びエー
テル類、複素環含有化合物、これらのアミン変性化合
物、シリコーン変性化合物、各種重合体等が挙げられる
が、本発明はそれらに限定したものではない。これらの
内、酸化チタンゾル等の水分散体に混合することや、撥
水性基材への濡れ性を向上させること等の観点から、分
子中にアルキルシリケート構造を有する有機物質やポリ
エーテル構造を有する有機物質が好ましく、特に分子中
にアルキルシリケート構造と、ポリエーテル構造の双方
を有する有機物質がより好ましい。ここで、アルキルシ
リケート構造とは、シロキサン骨格のシラン原子にアル
キル基が付加した構造をさす。具体的には、ポリジメチ
ルシロキサンに代表されるシロキサン結合(−Si−O
−)を主鎖とするものが好適であるがそれらに限定され
るものではない。また、エーテル構造とは、ポリアルキ
レンオキサイド等の、アルキレン基をエーテル結合で結
合した構造をさす。具体的には、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオ
キサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオ
キサイドブロック共重合体、ポリエチレンポリテトラメ
チレングリコール共重合体、ポリテトラメチレングリコ
ール−ポリプロピレンオキサイド共重合体等の構造を有
するものが挙げられる。その中でも、ポリエチレンオキ
サイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体
は、そのブロック度や分子量により、濡れ性を制御でき
る観点からもさらに好適であるが、それらに限定される
わけではない。
【0012】特に好ましいものである、分子中にアルキ
ルシリケート構造と、ポリエーテル構造の双方を有する
有機物質としては、具体的には、ポリエーテル変性ポリ
ジメチルシロキサン等のポリエーテル変性ポリシロキサ
ン系塗料用添加剤が使用でき、例えば、両末端メタリル
ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブ
ロック共重合体とジヒドロポリジメチルシロキサンとを
反応させて得られるポリエチレンオキサイド−ポリプロ
ピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシ
ロキサンが好適に用いられる。アルキルシリケート構造
と、ポリエーテル構造の双方を有する有機物質の分子量
としては重量平均分子量で100〜10,000が好ま
しく1,000〜7,000がより好ましい。分子量が
100未満では基材との濡れ性が劣る傾向があり、分子
量が10,000を超えるとチタンゾルの安定性に悪影
響を与える傾向がある。このようなアルキルシリケート
構造と、ポリエーテル構造の双方を有する有機物質は、
例えばポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとして
日本ユニカ(株)より商品名FZ−2161、FZ−3
751で販売されているものを使用することができる。
いずれにせよ、アナターゼ結晶/アモルファス混合チタ
ニアゾル溶液に混合する有機物質は、アナターゼ結晶/
アモルファス混合チタニアゾル溶液の溶媒又は分散媒
に、可溶であることが好ましい。ここで、アナターゼ結
晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液の固形分と有機
物質の比は、前者:後者の重量比で、1:0.01〜
1:10であることが好ましく、1:0.05〜1:2
がより好ましく、1:0.1〜1:0.5がさらに好ま
しい。有機物質の割合がアナターゼ結晶/アモルファス
混合チタニアゾル溶液の固形分1に対して0.01未満
の場合、濡れ性が悪く基材に塗布できないことがあり、
また塗布できたものでも干渉色があり、光触媒能の向上
効果に劣る傾向がある。一方、有機物質の割合がアナタ
ーゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液の固形分
1に対して10を超える場合、常温での造膜性が悪くな
ったり、塗膜の耐久性が劣ったりする傾向がある。
【0013】本発明のチタニア膜形成用液体に含まれる
溶媒又は分散媒としては、特に制限はないが、チタニア
膜形成用液体の安定性の意味で水が最も好ましい。チタ
ニアゾル分散性に優れる意味では、水、有機溶媒又は水
−有機溶媒混合物が好ましい。水/有機溶媒混合割合と
しては、総量のうち、水が好ましくは30〜99重量
%、より好ましくは50〜95重量%、有機溶媒の量が
好ましくは1〜70重量%、より好ましくは5〜50重
量%であることがゲル化が起こり難く好ましい。溶媒又
は分散媒となる水は、本発明になるチタニア膜形成用液
体の安定性の意味で、イオン等の不純物を含んでいない
ことが好ましく、例えばイオン交換水が好ましく、蒸留
水がより好ましい。また、溶媒又は分散媒となる有機溶
媒としては、アルコール類やγ−ブチロラクトン等のラ
クトン類が好適に使用される。前記アルコール類とは、
常温で液体でかつ水酸基を持つ炭化水素化合物を指し、
その例としては、エタノール、メタノール、イソプロパ
ノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビ
トール等が挙げられるがそれらに限定するものではな
い。上記溶媒の中でも水が安全性、貯蔵安定性の点から
適している。この意味でアルコール類としては、エタノ
ールが適している。
【0014】本発明のチタニア膜形成用液体には必要に
応じて公知の界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、カッ
プリング剤、防腐剤、染料、顔料、充填剤等をチタニア
膜の特性を損なわない程度に添加することも出来る。ま
た、必要に応じて、前記有機物質以外の、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ケトン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、
シリコーン樹脂、セルロース等の多糖類及びそれらのシ
リコーン、アミン、エポキシ変性樹脂等の有機物質をチ
タニア膜の特性を損なわない程度に添加することも出来
る。
【0015】本発明に用いられる材料を混合し、本発明
のチタニア膜形成用液体を製造する方法としては、均一
に分散混合させうる方法であれば特に制限は無いが、例
えば、デゾルバー、スタテックミキサー、ホモジナイザ
ー、ペイントシェイキング等の攪拌装置が挙げられる。
本発明のチタニア膜形成用液体は、アナターゼ結晶/ア
モルファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合して
なるチタニア膜形成用液体を塗布乾燥してなる膜に紫外
線をあてた時に発現する光触媒能が、これに用いたアナ
ターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液のみを
塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあてた時に発現する
光触媒能よりも高いことを特徴とすること以外、特に制
限は無く、一般に知られている、光触媒による水若しく
は空気の浄化、防汚染、防結露、防滴、防氷結、防着
雪、異物付着防止、抗菌、防カビ、防藻、防臭及び有害
ガス分解等の機能から選ばれる一つ若しくは二つ以上の
機能が向上したチタニア膜を形成することができる。
【0016】次に具体的な光触媒能の評価方法について
説明する。まず有機物分解性としては、例えば、チタニ
ア膜に水で適宜希釈した水溶性インキ、メチレンブルー
水溶液等の染料をスプレー、ディップ等で塗装し、常温
で乾燥させた後、ブラックライトブルー等で紫外線を照
射して、その消失の度合いを目視観察又は色差、吸光度
等を測定することで確認することができる。次に、チタ
ニア膜に紫外線をあてた時に発生する電流値すなわち光
起電流値を測定する方法としては、例えば、ITO(イ
ンジウムチンオキサイド)等の導電性塗膜を有する基材
上に、チタニア膜を形成し作用電極とし、さらに銀/塩
化銀電極等の参照電極、白金電極等の対極を、石英等の
透明セルに入れた硫酸ナトリウム水溶液等の電解液に浸
漬させて、それぞれの電極をポテンシオスタットに接続
し、チタニア膜に紫外線を照射することで測定すること
ができる。また、バンドギャップとは、チタニア等の半
導体金属のもつ電子伝導帯と価電子帯との間のエネルギ
ーの幅、すなわち禁制帯幅を差す。ここで光触媒機能の
発現とは、バンドギャップ以上の紫外線等の光エネルギ
ーを用いて、励起条件におかれることにより、電子が価
電子帯から電子伝導帯に移動し、電子が抜けた価電子帯
には正孔が生じ、空気中の水と酸素から・OH(ヒドロ
キシルラジカル)、O2 -(スーパーオキシドイオン)
等の活性酸素種を生じせしめ、これら活性酸素種及び正
孔自身の酸化作用によって有機物化合物等を分解するこ
とが、一般的に理解されている原理である。
【0017】このバンドギャップを測定する方法として
は、例えば、上述の光起電流値を測定する方法と同様な
装置に、光源とチタニア膜の間にモノクロメーター等の
波長を変化させうる装置を介して、波長を変化させたと
きに起電流が発生する波長を測定し得られた波長を、光
量子のエネルギーEの式(式1)から求めたバンドギャ
ップ値E(eV)と波長λ(nm)の関係式(式2)に
代入して求められる。 式1:E=hν=h(c/λ) [h;プランク定数(6.63×10-34J・s)、ν;振動数
(1/s)、c;光速度(3×10 8 m/s)、λ;波長
(m)、1(eV)=1.6×10-19(J)] 式2:バンドギャップ値E(eV)=1240/λ(n
m) この際、アモルファス型チタニアが多い場合のように、
起電流が著しく弱く、正確に測定し難い場合には、当該
試験片に任意に印可電圧を変化させて与えながら、電流
値を測定し、印可電圧とそれぞれの印可電圧値で求めら
れたエネルギーギャップ値の関係から、印可電圧を与え
ないときのエネルギーギャップ値(真のエネルギーギャ
ップ値)を外挿する方法を用いることができる。ここで
バンドギャップが小さいと、光触媒能が高いということ
については、更なる原理解明を要するところではある
が、発明者等は、電子伝導帯と価電子帯との間のエネル
ギーの幅が小さくなることで、光励起すなわち電子が価
電子帯から電子伝導帯に移動し易くなるためだと解釈し
ている。この意味で、本発明となるアナターゼ結晶/ア
モルファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合して
なるチタニア膜形成用液体を塗布乾燥してなる膜のバン
ドギャップ(A)と、これに用いたアナターゼ結晶/ア
モルファス混合チタニアゾル溶液のみを塗布乾燥してな
る膜のバンドギャップ(B)との差(B−A)は、0.
1eV以上であることが好ましい。
【0018】次に本発明となるチタニア膜の形成法につ
いて説明する。本発明となるチタニア膜の形成法は、本
発明となるチタニア膜形成用液体を基材に塗布あるいは
含浸させ、乾燥して作製することを特徴とし、特に制限
はないが、チタニア膜形成用液体を基材に塗布又は含浸
後、100℃以下の低温で乾燥することにより付着性に
優れた緻密なチタニア膜を形成できることを一つの特徴
としている。この意味で、乾燥温度は、10〜50℃の
室温域でも十分可能であり、乾燥時間は膜の厚さや、溶
媒又は分散媒にもよるが、0.5〜24時間で十分であ
る。ここで、乾燥を速める生産性を考慮した場合、乾燥
温度を高めることもでき、この場合、基材がダメージを
受けない温度でかつチタニアの結晶性が変化しない温
度、かつ、水等の常温での揮発等を考慮すると、300
℃以下が好ましい。湿度は、本発明の組成物中に含まれ
る溶剤が水、アルコール類、水−アルコール類が好適で
あることからその揮発性及びスプレーコーティング時の
多層コーティングを考慮すると、20〜60%であるこ
とが好ましい。
【0019】具体的な塗布あるいは含浸させる方法とし
ては、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、カーテンコーティング法、バーコ
ーティング法、超音波コーティング法、スクリーン印刷
法、刷毛塗り、スポンジ塗り等が適用できるが、粘度の
低いチタニア膜形成用液体の場合、スプレーコーティン
グ法が好ましい。塗布あるいは含浸し、乾燥させたチタ
ニア膜は、紫外線を照射することで、塗膜強度を向上す
ることができる。紫外線の照射量としては、2J/cm
2以上、好ましくは2.2〜5.4J/cm2で十分な塗
膜強度を得ることができる。紫外線照射の方法として
は、太陽光、蛍光灯、ブラックライト、高圧水銀灯など
を用いることができるが、短時間で大量の紫外線が照射
できること、装置の簡便さの点からブラックライトブル
ーが好ましい。また、チタニア膜の厚さは、特に制限は
ないが、0.05〜1.5μmが好ましく、0.05μ
m未満では、十分な光触媒能が得られない場合があり、
また1.5μmを超えるとチタニアの色がでて透明性を
低下させたり、基材との密着性が低下して剥がれ易くな
る場合がある。この意味で0.1〜1.0μmがより好
ましく、0.2〜0.5μmがさらに好ましい。
【0020】本発明の光触媒性被膜を形成する基材とし
ては、特に制限はなく、ガラス、石英板、セラミック
ス、各種金属、これらの複合材などの耐熱性基材が挙げ
られるが、塗布、乾燥するだけで良好な被膜が形成で
き、焼成(熱をかけて膜等の固体にならしめること又は
熱をかける行為)等をする必要がないため、熱可塑性樹
脂や熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹
脂等の有機物質の基材上に塗布することもできる。前記
熱可塑性樹脂の基材としては、例えば、ポリカーボネー
ト樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹
脂、ポリ塩化ビニル、これらの複合材等の一般的にプラ
スチックと総称される基材が挙げられる。またこれらの
複合材を用いることもできる。但し、本発明のチタニア
膜は、光触媒能が高く、酸化分解の能力が高いと考えら
れるため、有機物基材に用いる場合には、その耐久性等
に注意を要する。有機物の酸化分解を避ける方法として
は、シリコーン系被膜、アモルファス型チタニア被膜等
の既知光触媒活性に耐えうる被膜をバリア層として設
け、その上に本発明のチタニア膜を形成することができ
る。また、本発明で造膜されてなる被膜は干渉色を示さ
ないため、濃色の基材や、ガラス、ポリカーボネート、
アクリル樹脂等の透明な基材に対し、特に有用である。
耐熱性の基材を用いた場合には、その耐熱温度以下で焼
成を行ってもよい。本発明になる光触媒性部材は、本発
明になるチタニア膜を有してなる光触媒性部材であるこ
とを特徴とし特に制限はないが、光触媒能による、水若
しくは空気の浄化、防汚染染、防結露、防滴、防氷結、
防着雪、異物付着防止、抗菌、防カビ、防藻、防臭、有
害ガス分解等の機能の何れか一つ若しくは、二つ以上の
機能を有することができる全ての部材が挙げられる。具
体的な例としては、例えば、道路壁パネル、反射板、交
通標識、案内表示板等の各種道路部材、建築用内外装
材、車両、船舶、航空機等の内外部材、空調機、清掃
機、冷蔵庫、洗濯機等の家電品、浄水器、浄水場処理槽
等の水処理施設、板ガラス、ガラス繊維、ガラス粉等の
各種ガラス、鏡、照明器具、タイル等が挙げられる。さ
らには、干渉色がない被膜を与えることから、視認性の
要求される車輌、船舶、航空機、建築物の窓部材や、意
匠性の要求される車輌、建築の内外装が好適である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明は実施例に何ら制限されるものではない。な
お実施例中、特にことわりのないかぎり、「%」は「重
量%」、「部」は「重量部」を示す。 (チタニアゾル溶液(T1):合成例1)原料として四
塩化チタン60%溶液5cm3を蒸留水で500cm3
した溶液に2.5%アンモニア水を滴下し、水酸化チタ
ンを沈殿させた。蒸留水で洗浄後、過酸化水素水30%
溶液を10cm3加えかき混ぜ、直後は酸素が発生し発
泡するが、余分な過酸化水素が分解した後は発泡はおさ
まった。その後、110℃で30分加温して、チタンを
含む黄色粘稠ゾル液体(TP1)70cm3を作製し
た。その後、酸化チタンの濃度が1.7%になるように
蒸留水を加えチタニアゾル溶液を調整しT1を得た。T
1は、pHは6.8のほぼ中性で、常温常圧下で6ヶ月
経っても分離、ゲル化はなかった。T1を常温乾燥して
得た酸化チタンのアナターゼ結晶化率は、(株)リガク
製広角X線回折装置RU−200BHを用いて、X線源
Cu、X線出力50kV−150mA、スリット角度
0.5deg、スリット幅0.15mmで、走査範囲2
θ=2〜90degを0.1deg毎に積算時間10秒
で積算測定し、得られた回折プロファイルをピーク分離
処理して得たアナターゼ結晶の回折ピークの積分強度を
全体の積分強度で除して算出した結果、56%であっ
た。
【0022】(チタニアゾル溶液(T2):合成例2)
原料として四塩化チタン60%溶液5cm3を蒸留水で
500cm3とした溶液に2.5%アンモニア水を滴下
し、水酸化チタンを沈殿させた。蒸留水で洗浄後、過酸
化水素水30%溶液を10cm3加えかき混ぜ、直後は
酸素が発生し発泡するが、余分な過酸化水素が分解した
後は発泡はおさまった。その後、110℃で4時間加温
して、チタンを含む黄色粘稠ゾル液体(TP2)70c
3を作製した。その後、酸化チタンの濃度が1.7%
になるように蒸留水を加えチタニアゾル溶液を調整しT
2を得た。T2は、pHは7.2のほぼ中性で、常温常
圧下で6ヶ月経っても分離、ゲル化はなかった。T2を
常温乾燥して得た酸化チタンのアナターゼ結晶化率は、
78%であった。
【0023】(ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレ
ンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキ
サン(A1):合成例3)原料として、下記構造式
【化1】 で示されるジメタアリルポリエーテル29g、トルエン
350g及び白金含量が20ppmになるようにクロル
白金酸を3つ口フラスコ中に仕込み十分撹拌後、窒素を
20ml/minを流通しつつ100℃に30分で昇温
した。その後100℃に保持しつつ、次に下記構造式
【化2】 で示されるジヒドロポリジメチルシロキサン73gを徐
々に加え2時間反応させた。その後、室温に冷却し、炭
酸水素ナトリウムを加えて中和した。その後、ロータリ
ーエバポレータによりこの内容物からトルエンを留去
し、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイ
ドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサン(A
1)96gを得た。A1のゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ法により測定したところ重量平均分子量は、
ポリスチレン換算で2,100であった。
【0024】(チタニア膜形成用液体の調製) 実施例1 チタニアゾル溶液(T1)100gにポリエチレンオキ
サイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変
性ポリジメチルシロキサン(A1)0.5g、エタノー
ル100gを加え、室温でA1が均一に溶解するまで十
分攪拌してチタニア膜形成用液体(C1)を調製した。
C1は、pHは6.5のほぼ中性で、常温常圧下で6ヶ
月経っても分離、ゲル化はなかった。
【0025】実施例2 チタニアゾル溶液(T2)100gにポリエチレンオキ
サイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変
性ポリジメチルシロキサン(A1)0.5g、エタノー
ル100gを加え、室温でA1が均一に溶解するまで十
分攪拌してチタニア膜形成用液体(C2)を調製した。
C2は、pHは6.9のほぼ中性で、常温常圧下で6ヶ
月経っても分離、ゲル化はなかった。
【0026】比較例1 チタニアゾル溶液(T1)100gにエタノール100
gを加え、十分攪拌してチタニア膜形成用液体(C3)
を調製した。C3は、pHは6.5のほぼ中性で、常温
常圧下で6ヶ月経っても分離、ゲル化はなかった。
【0027】比較例2 チタニアゾル溶液(T2)100gにエタノール100
gを加え、十分攪拌してチタニア膜形成用液体(C4)
を調製した。C4は、pHは6.9のほぼ中性で、常温
常圧下で6ヶ月経っても分離、ゲル化はなかった。
【0028】比較例3 エタノール100gに、ポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチ
ルシロキサン(A1)0.5gを加え、室温でA1が均
一に溶解するまで十分攪拌して比較用液体(C5)を調
製した。C5は、pHは4.9の弱酸性で、常温常圧下
で6ヶ月経っても分離、ゲル化はなかった。
【0029】チタニア膜の評価 (チタニア膜形成試験板の作製、液の弾きの有無)チタ
ニア膜形成用液体C1〜5をエタノールで脱脂し乾燥し
た厚さ1.7mmガラス平板に乾燥膜厚が約0.4μm
になるようにエアーガン(アネスト岩田社製RG−2、
口径0.4mm)を用い、空気圧0.098MPaでス
プレー塗装した。この時、基材表面でのチタニア膜形成
用液体の弾き(表面に液滴が出来る現象)の有無を目視
観察し結果を表1に示した。また、20℃で1時間乾燥
した後、5cmの距離から20Wのブラックライト(松
下電工株式会社製、型番FL20S・SL−B)を30
分間照射して、得られたチタニア膜形成試験板を下記の
試験に供した。 (干渉色の有無)上記チタニア膜形成試験板の作製方法
で得られたチタニア膜形成試験板のチタニア膜を目視観
察して、干渉色(ギラツキ)の有無を評価し結果を表1
示した。 (密着性)上記チタニア膜形成試験板の作製方法で得ら
れたチタニア膜形成試験板のチタニア膜をJIS K
5400の碁盤目試験法に準じ、基材との密着性を評価
し結果を表1に示した。 (水接触)上記チタニア膜形成試験板の作製方法で得ら
れたチタニア膜形成試験板のチタニア膜の蒸留水接触角
を、FACE社製接触角計CA−X型で測定し結果を表
1示した。 (有機物分解性)上記チタニア膜形成試験板の作製方法
で得られたチタニア膜形成試験板のチタニア膜に蒸留水
で20倍に希釈した赤インキ(パイロット株式会社製)
が1.5gのるようにスプレー塗装し、25℃で1時間
乾燥させた。その後、5cmの距離から20Wのブラッ
クライト(松下電工株式会社製、型番FL20S・SL
−B)を照射して、赤インキの退色の度合いを目視によ
り観察し結果を表1に示した。
【0030】光起電流値及びバンドギャップ (試験片(作用電極)の作成)チタニア膜形成用液体C
1〜4をエアーガン(アネスト岩田社製RG−2、口径
0.4mm)を用い、空気圧0.098MPaで、IT
O(インジウムチンオキサイド)を1500Å付着させ
た長さ60mm、幅10mm、厚さ1.1mmのガラス
板のITO表面に、長さ20mmをマスキングして、長
さ40mm、幅10mmの部分にスプレー塗装した。2
0℃で1時間乾燥した後、5cmの距離から20Wのブ
ラックライト(松下電工株式会社製、型番FL20S・
SL−B)を30分間照射して、膜厚約0.7μmの図
1のような試験片を作成することが出来た。 (光起電流値)これら試験片は、図1のように酸化チタ
ン塗装部2を有するITO付きガラス板1の酸化チタン
未塗装部のITO表面に、金線4をインジウム3を溶か
して接着して作用電極5とし、さらに参照電極6として
銀/塩化銀電極、対極7として白金電極を、電解液8と
して0.1モル硫酸ナトリウム水溶液を入れた石英セル
9に図2のようにセットした。10はシリコン製のふた
である。それぞれの電極は、ポテンシオスタット11
(北斗電工(株)製ポテンシオスタットHAB−15
1)に接続し電流値を測定するように図3のようにセッ
トした。この石英セル9中のITO付きガラス板の酸化
チタン塗装面12に光を照射するため、光源13(ウシ
オ電機(株)製UI−50型500Wキセノンランプ)
からの照射光14をモノクロメーター15(Actio
n ResearchCroporation製モノク
ロメーターSPECTRA、Pro−150型)に導入
し、波長を変化できるようにして図3のようにセットし
た。乾燥窒素ガス導入管16を石英セル9中の電解液8
に差し込み、乾燥窒素ガス17を20分間バブリングさ
せ溶存酸素を抜いた後、乾燥窒素ガス導入管16を電解
液8液面より引き上げ、気相中に流しながら、波長32
0nmの照射光14を照射し光起電流値を測定し結果を
表1に示した。 (バンドギャップ)光起電流値の測定と全く同様にし
て、モノクロメーター15により波長を500〜200
nmに変化させて電流値を測定し、起電流が発生する波
長を測定した。得られた波長を、光量子のエネルギーE
の式(式1)から求めたバンドギャップ値E(eV)と
波長λ(nm)の関係式(式2)に代入し結果を表1に
示した。 式1:E=hν=h(c/λ) [h;プランク定数(6.63×10-34J・s)、ν;振動数
(1/s)、 c;光速度(3×10 8 m/s)、λ;波長(m)、1
(eV)=1.6×10-19(J)] 式2:バンドギャップ値E(eV)=1240/λ(n
m)
【0031】
【表1】
【0032】表1の評価結果のように、本発明のチタニ
ア膜形成用液体は、基材へ塗布する際、弾きがなく均一
に塗工可能であり、これらを塗布して形成されたチタニ
ア膜は、基材との密着性に優れ、干渉色が無く透明な基
材に有用である。また水接触角も小さくなり防曇、防滴
効果も期待できる。さらに有機物分解性に優れることか
ら、汚染防止効果が高いと言える。さらに、ポリエチレ
ンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重
合体変性ポリジメチルシロキサン(A1)添加しないも
のより光起電流値は高く、バンドギャップは0.15e
V以上小さいことから、ポリエチレンオキサイド−ポリ
プロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチ
ルシロキサン(A1)添加しないものより光触媒能が高
いと言える。
【0033】
【発明の効果】本発明により得られるチタニア膜形成用
液体は保存安定性に優れ、中性であるために安全性も高
く、室温域の低温で従来のアナターゼ結晶/アモルファ
ス混合チタニアゾル溶液を用いたチタニア膜よりも有機
物分解性等の光触媒能が高く、基材上で弾き等の液滴を
形成せず緻密で密着性に優れた、干渉色の出にくい特性
を有するチタニア膜を形成することができる。このこと
から、水若しくは空気の浄化用、防汚染用、防結露用、
防滴用、防氷結用、防着雪用、異物付着防止用、抗菌
用、防カビ用、防藻用、防臭用、有害ガス分解用機能等
に優れるチタニア膜を有する光触媒性部材を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の光触媒性のチタニア被膜を形成
した試験片の説明図である。
【図2】図2はエネルギーギャップを測定する装置のセ
ルに図1の試験片をセットする状態を示す説明図であ
る。
【図3】図3はエネルギーギャップを測定する装置の全
体を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ITO付きガラス板 2 酸化チタン塗装部 3 インジウム 4 金線 5 作用電極 6 参照電極 7 対極 8 電解液 9 石英セル 10 シリコン製ふた 11 ポテンシオスタット 12 酸化チタン塗装面 13 光源 14 照射光 15 モノクロメーター 16 乾燥窒素ガス導入管 17 乾燥窒素ガス
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/02 C02F 1/32 4G069 37/02 301 1/72 101 4J038 C02F 1/32 C03C 17/25 4K022 1/72 101 C09D 5/00 Z 4K044 C03C 17/25 C23C 18/12 C09D 5/00 20/08 C23C 18/12 26/00 K 20/08 B01D 53/36 ZABJ 26/00 H Fターム(参考) 4C080 AA07 AA10 BB02 BB04 BB05 BB08 CC01 HH08 JJ03 KK08 LL10 MM02 NN01 4D037 AA01 AA13 AB03 AB04 BA18 CA11 4D048 AA21 AA22 AB03 BA07X BA41X BA45X EA01 4D050 AA01 AA12 AB04 AB06 BB20 BC06 BC09 BD02 BD06 4G059 AA01 AB09 AC22 EA04 EB06 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA21A BA22A BA22B BA48A BE32A BE32B CA01 CA05 CA10 CA11 CA17 CD10 DA06 EC22X EC26 EC27 FA03 FB23 FC08 4J038 AA011 HA211 PA18 4K022 AA03 AA13 AA31 AA41 BA15 BA22 BA33 DA06 DB01 4K044 AA12 AA16 AB02 AB10 BA12 BC00 BC02 BC14 CA15 CA53 CA62

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス型チタニアとアナターゼ型
    結晶チタニア又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶
    /アモルファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合
    してなるチタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾
    燥してなる膜に紫外線をあてた時に発現する光触媒能
    が、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合チ
    タニアゾル溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあ
    てた時に発現する光触媒能よりも高いことを特徴とする
    チタニア膜形成用液体。
  2. 【請求項2】 アモルファス型チタニアとアナターゼ型
    結晶チタニア又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶
    /アモルファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合
    してなるチタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾
    燥してなる膜に紫外線をあてた時に発現する有機物分解
    能が、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合
    チタニアゾル溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線を
    あてた時に発現する有機物分解能よりも高いことを特徴
    とするチタニア膜形成用液体。
  3. 【請求項3】 アモルファス型チタニアとアナターゼ型
    結晶チタニア又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶
    /アモルファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合
    してなるチタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾
    燥してなる膜に紫外線をあてた時に発生する電流値
    (A)が、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス
    混合チタニアゾル溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外
    線をあてた時に発生する電流値(B)よりも大きいこと
    を特徴とするチタニア膜形成用液体。
  4. 【請求項4】 アモルファス型チタニアとアナターゼ型
    結晶チタニア又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶
    /アモルファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合
    してなるチタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾
    燥してなる膜のバンドギャップ(A)が、これに用いた
    アナターゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液を
    塗布乾燥してなる膜のバンドギャップ(B)よりも小さ
    いことを特徴とするチタニア膜形成用液体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のアナターゼ結晶/アモル
    ファス混合チタニアゾル溶液と有機物質を混合してなる
    チタニア膜形成用液体であって、これを塗布乾燥してな
    る膜のバンドギャップ(A)と、これに用いたアナター
    ゼ結晶/アモルファス混合チタニアゾル溶液を塗布乾燥
    してなる膜のバンドギャップ(B)との差(B−A)が
    0.1eV以上であるチタニア膜形成用液体。
  6. 【請求項6】 アナターゼ結晶/アモルファス混合チタ
    ニアゾル溶液におけるチタニアのアナターゼ結晶/アモ
    ルファスの割合が前者/後者の重量比で5/95〜95
    /5である請求項1〜5何れか記載のチタニア膜形成用
    液体。
  7. 【請求項7】 アナターゼ結晶/アモルファス混合チタ
    ニアゾル溶液におけるチタニアのアナターゼ結晶化率が
    5〜95%である請求項1〜5何れか記載のチタニア膜
    形成用液体。
  8. 【請求項8】 有機物質がアルキルシリケート構造を有
    する請求項1〜7何れか記載のチタニア膜形成用液体。
  9. 【請求項9】 有機物質がポリエーテル構造を有する請
    求項1〜8何れか記載のチタニア膜形成用液体。
  10. 【請求項10】 有機物質がアルキルシリケート構造と
    ポリエーテル構造の両方を有する請求項1〜9何れか記
    載のチタニア膜形成用液体。
  11. 【請求項11】 アルキルシリケート構造とポリエーテ
    ル構造の両方を有する有機物質がポリエチレンオキサイ
    ド重合体変性ポリジメチルシロキサン又はポリエチレン
    オキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合
    体変性ポリジメチルシロキサンである請求項10記載の
    チタニア膜形成用液体。
  12. 【請求項12】 アナターゼ結晶/アモルファス混合チ
    タニアゾル溶液の固形分と有機物質の比が、前者:後者
    の重量比で、1:0.01〜1:10である請求項1〜
    11何れか記載のチタニア膜形成用液体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12何れか記載のチタニア
    膜形成用液体に含まれる溶媒又は分散媒が、水、有機溶
    媒又は水−有機溶媒混合物であるチタニア膜形成用液
    体。
  14. 【請求項14】 溶媒又は分散媒の総量のうち、水が3
    0〜99重量%、有機溶媒の量が1〜70重量%である
    請求項13記載のチタニア膜形成用液体。
  15. 【請求項15】 有機溶媒がアルコール類である請求項
    14記載のチタニア膜形成用液体。
  16. 【請求項16】 アルコール類がエタノールである請求
    項15記載のチタニア膜形成用液体。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16何れか記載の液体を、
    基材に塗布あるいは含浸させ、乾燥して作製することを
    特徴とするチタニア膜の形成法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜16何れか記載の液体を、
    基材に塗布あるいは含浸させ、100℃以下の温度で乾
    燥して作製することを特徴とする請求項17記載のチタ
    ニア膜の形成法。
  19. 【請求項19】 請求項17又は18記載のチタニア膜
    形成法で得られたチタニア膜に紫外線を照射することを
    特徴とするチタニア膜の形成法。
  20. 【請求項20】 基材が透明基材である請求項17〜1
    9何れか記載のチタニア膜の形成法。
  21. 【請求項21】 基材がガラス基材である請求項17〜
    20何れか記載のチタニア膜の形成法。
  22. 【請求項22】 請求項17〜21何れか記載のチタニ
    ア膜の形成法により得られたチタニア膜。
  23. 【請求項23】 請求項22記載のチタニア膜を有して
    なる光触媒性部材。
  24. 【請求項24】 チタニア膜が、水若しくは空気の浄化
    用、防汚染用、防結露用、防滴用、防氷結用、防着雪
    用、異物付着防止用、抗菌用、防カビ用、防藻用、防臭
    用及び有害ガス分解用機能から選ばれる何れか一つ若し
    くは二つ以上の機能を有する膜である請求項23記載の
    光触媒性部材。
  25. 【請求項25】 チタニア膜が干渉色を示さないもので
    ある請求項23又は24記載の光触媒性部材。
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