JPH10167727A - 変性酸化チタンゾル、光触媒組成物及びその形成剤 - Google Patents

変性酸化チタンゾル、光触媒組成物及びその形成剤

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JPH10167727A
JPH10167727A JP8272689A JP27268996A JPH10167727A JP H10167727 A JPH10167727 A JP H10167727A JP 8272689 A JP8272689 A JP 8272689A JP 27268996 A JP27268996 A JP 27268996A JP H10167727 A JPH10167727 A JP H10167727A
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titanium oxide
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oxide sol
compound
sol
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Ryoji Yamada
亮治 山田
Iwakichi Sugiyama
岩吉 杉山
Hiroshi Suzuki
博 鈴木
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Matsumoto Seiyaku Kogyo KK
AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
Matsumoto Seiyaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機溶媒又は有機溶媒の溶液等の中に任意の割
合で安定に配合、分散できる変性酸化チタンゾル及び該
変性酸化チタンゾルから形成される酸化チタン粒子を含
有する光触媒組成物とその形成剤の提供。 【解決手段】水性酸化チタンゾルを相間移動活性を有す
る化合物で処理した変性酸化チタンゾルと該変性酸化チ
タンゾルから形成される酸化チタン粒子を含有する光触
媒組成物とその形成剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変性酸化チタンゾ
ル、光触媒組成物及びその形成剤に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンは隠蔽性に優れた白色顔料と
して知られ、繊維、塗料等多くの産業分野に広く利用さ
れている。また酸化チタン粒子は、一般の半導体微粒子
と同様、そのエネルギバンド構造に量子サイズ効果が見
られる。
【0003】この量子サイズ効果によりもたらされる光
吸収波長域の粒子径依存性と高い屈折率とから、粒径
0.1μm以下の酸化チタン微粒子は可視光を透過させ
るが紫外線を遮断する性能を発現する。かかる性能は、
透明性、美観、外観を損なうことなく、紫外線による悪
影響を防止し、紫外線を和らげる効果的な手段として知
られ、樹脂、繊維、塗料、食品、農業、化粧品等様々な
分野に広く利用されている。
【0004】一方酸化チタンは、光触媒として利用でき
ることも知られている〔Nature 237,37
(1972)〕。酸化チタンのような半導体微粒子が禁
制帯ギャップを超えるエネルギの光を吸収すると、電子
−正孔対が励起子を作る。この励起子がその構造緩和の
過程で電荷移動や表面捕捉反応を起すと、それぞれ還元
反応・酸化反応を進行させ、光エネルギと化学エネルギ
の変換が行われる。かかる半導体を用いた光触媒反応
は、太陽エネルギから直接燃料を作る方法として注目さ
れたが、最近は環境浄化への応用を目指す動き〔化学と
工業48,167(1995)〕を強めている。
【0005】酸化チタンはそれ自体無害であるうえ、そ
の光触媒反応においては光源に太陽光が利用でき、固体
表面で強い酸化力を発現して多くの有機物をその最終状
態にまで酸化させる。それゆえ、防汚、防臭、抗菌又は
有害物の無毒化といった、環境浄化の目的にも有効に機
能すると考えられ、これまでにも種々の具体的提案がな
されている。また、本来親水性である酸化チタンのクリ
ーンな表面を防汚効果によって常に露出させることにな
る〔日本化学会誌8(1986)〕から、親水性が維持
され、防曇性発現にも寄与することが知られている。
【0006】例えば酸化チタン粒子を水中に分散させた
系で、トリクロロエチレンが二酸化炭素や塩素イオン等
に分解されることが報告されている〔J.Catal.
82,404(1983)〕。しかしこのような系では
分散された酸化チタンの分離、回収が困難なため、工業
的利用には進展していない。
【0007】酸化チタンを固定化させる手法も種々提案
されている。例えば水中に解膠させた酸化チタンゾルを
基板上に施し、乾燥後、500℃程度で熱処理して調製
した酸化チタン被膜は、高い触媒活性を持つ粒子と同等
の触媒効果を発現したことが報告されている〔Che
m.Lett.,723(1994)、特開平6−27
8241〕。しかしこのようにして形成された酸化チタ
ン被膜は、一時的に膜状形態を持つが、脆く、容易に破
壊されて触媒効果を失う欠点があった。
【0008】またシリカゲルに酸化チタン粒子を担持さ
せる試みもなされている〔Bull.Chem.So
c.Jpn.61,359(1988)、J.Cera
m.Soc.Jpn.102,702(1994)〕
が、実質的に触媒濃度を下げてしまい、実用的ではなか
った。
【0009】さらに、酸化チタン粒子を加えたり、ある
いは釉薬で酸化チタン粒子を固定する等の方法で製造さ
れた抗菌タイルも提案されている〔国際公開WO94/
11092〕。しかしこのような方法も、触媒粒子の表
面を広く遮蔽してしまうことから触媒活性は低く、実用
的ではなかった。
【0010】この活性の低さを補うため、さらに銀イオ
ン等を担持させて抗菌性を改良した衛生陶器の提案〔日
経マテリアルズ&テクノロジー(144)57(199
4)、工業材料43,96(1995)〕もなされた
が、防汚性は乏しいものであった。
【0011】一方、ゾル・ゲル法による金属酸化物膜の
形成方法を用い、基板上に酸化チタンの被膜を設ける試
みもなされている。例えば酸化チタンをコートした石英
板や石英管を用い、水中のトリクロロエチレンを分解で
きることが報告されている〔特開平7−100378、
水環境学会誌17,324(1994)〕。しかしこれ
らの酸化チタンコート層は、製膜工程を数回〜20回程
繰返して初めて光触媒活性を発現できるもので、工業的
な利用はほとんど行われていない。
【0012】さらに微細粒子を重ねた形状で被膜形成で
きるCVD膜〔J.Chem.Soc.,Farada
y Trans.1,81,3117(1985)〕を
用い、粒子同等の高い触媒活性を発現しようとした試み
〔J.Photochem.Photobiol.A,
50,283(1989)〕や、たばこのヤニを光分解
したとする発表〔日刊工業新聞1995年1月5日〕も
なされたが、ゾル・ゲル法膜と同様、厚膜にして初めて
触媒活性が発現される〔光触媒反応の最近の展開、12
(1994)〕もので、工業的利用は困難なものであっ
た。
【0013】このように、無尽蔵な太陽光を利用して環
境浄化の働きを発揮しうる酸化チタンではあるが、その
工業的利用はあまり進んでいない。
【0014】酸化チタンは通常、大きく分けてアナター
ゼ型とルチル型の2つの結晶相を持ち、両相ともに光触
媒活性を示すことが知られている。一般にはアナターゼ
型の方が高い効果を持つものと考えられてはいるが、活
性化の因子は結晶系以外にも多く、一概には決められな
い。
【0015】酸化チタンのような半導体微粒子のエネル
ギバンド構造には量子サイズ効果が見られ、その光吸収
波長域は粒子径にも依存する。かかる酸化チタン粒子の
種々の特性を目的通り効率良く引出すためには、調製さ
れた粒子を一つ一つの状態に分散させる技術と、分散状
態を保持又は固定させる技術が重要となる。
【0016】光触媒向けとして市販されている酸化チタ
ン粒子は、粒径、活性表面等を制御して高い触媒活性を
発現できた。しかし上述のように有効な固定化方法が見
出せない状況にあった。
【0017】ところで、一般に微粒子は、複数の粒子が
強力に凝集した二次粒子を形成するため、一つ一つの一
次粒子にまで分散させるのは非常に困難である。一方、
酸化チタン微粒子の場合は、酸やアルカリの作用の下で
容易に解膠し、ミクロに分散された水性ゾルの得られる
ことが公知である。しかし、かかる水性酸化チタンゾル
は、pH3以下又はpH10以上の領域でのみ安定であ
ることから、塗料、化粧品、樹脂等への配合は困難なも
のであった。
【0018】特公平7−33255には、中性域でも安
定な水性酸化チタンゾルが開示されている。これは、ポ
リビニルアルコール等で粒子を被覆した後、酸性物質を
透析するなどして除去したもので、水溶性樹脂等に配合
できると記載されている。しかし、水溶性樹脂は産業上
特異な材料で用途は限定されており、広範な用途に応用
できる一般の樹脂や溶剤系塗料等へは、応用できない欠
点があった。
【0019】有機溶剤と混合可能であるとされる水性酸
化チタンゾルも提案されている。例えば特開昭62−2
83817、特開平7−232925等には、特定物性
領域のゾルに特殊な処理を施すことにより、有機溶剤と
混合できる水性ゾルの得られることが記載されている。
しかし、これらも適用できる溶剤の種類や添加量が限ら
れるうえ、適用可能な溶剤であっても、それが樹脂の溶
液や溶剤系塗料等の形態である場合には、配合できない
欠点があった。
【0020】一方、ガラス等の基板上にゾル・ゲル法や
スパッタリング等で酸化チタン膜を設けると、通常アナ
ターゼ型相が得られる。これらのアナターゼ型の酸化チ
タン膜のUVスペクトルを観察すると、400nm近傍
の光とはほとんど相互作用を持たないことが報告されて
いる〔J.Mater.Sci.23,2259(19
88)、Bull.Chem.Soc.Jpn.67,
843(1994)〕。したがって太陽光からは励起に
必要なエネルギは得られず、触媒活性はほとんど見られ
なかった。
【0021】ゾル・ゲル法で得られたアナターゼ型を1
000℃で焼成すると、ルチル型相に転移する〔J.M
ater.Sci.28,2353(1993)〕。ま
た、チタンアルコキシドとジエタノールアミンのアルコ
ール溶液から調製されたゾルを用い、650℃で焼成し
てもルチル型相が得られる〔溶融塩31,158(19
88)〕。
【0022】これらのルチル型は白濁状を呈するもの
の、400nm近傍の光と強い相互作用を持つことから
太陽光下でも強い活性を発現するものと期待されたが、
実際はこれらの膜もほとんど触媒効果を発現しなかっ
た。これは、ルチル型膜が触媒活性の小さい(110)
面に配向するためと考えられている〔化学工業 198
8,482、Chem.Lett.,1994,85
5〕。
【0023】このように、従来の酸化チタンゾルを用い
たゾル・ゲル法による固定化方法においては、アナター
ゼ型では太陽光を吸収せず、ルチル型では活性を持たな
いうえに白濁してしまうといった課題があった。したが
って、従来はかかる酸化チタン膜を太陽光下で有効に利
用できなかった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機溶媒又
は有機溶媒の溶液等の中に任意の割合で安定に配合、分
散できる変性酸化チタンゾルの提供を目的とする。本発
明は、また、優れた防汚、防臭、防曇、抗菌性と、耐久
性を発現する光触媒組成物の提供を目的とする。本発明
は、また、酸化チタン粒子の固定化が容易にでき、実用
的な光触媒組成物を製造できる光触媒組成物形成剤の提
供を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、水性酸化チタ
ンゾルを、相間移動活性を有する化合物で処理したこと
を特徴とする変性酸化チタンゾルを提供する。
【0026】一般に微細な粒子からなる粉体は複数粒子
の凝結した集合体となるため、無駄にする表面特性も多
く、取扱も困難であった。酸化チタン粒子も同様ではあ
るが、これは特定の助剤のもとで解膠され、安定な酸化
チタンゾルを形成することが知られていた。また、広く
市販もされており、容易に入手可能であった。しかしこ
れらの酸化チタンゾルは、水を分散媒とした水性の酸化
チタンゾルであり、有機溶剤等が存在すると、容易に凝
集し、壊れてしまうものであった。
【0027】本発明者らは、かかる水性酸化チタンゾル
を任意の割合で有機溶媒に混合できる手法を確立した。
すなわち本発明の変性酸化チタンゾルは、水性酸化チタ
ンゾルと、相間移動活性を持つ化合物とを混合、撹拌し
て製造される。
【0028】かかる変性酸化チタンゾルは、有機溶媒中
であっても凝集せず、安定に存在する。金属酸化物の前
駆体化合物の、溶液及び/又は分散液中にあっても同様
で、粒子の凝集や前駆体化合物のゲル化等を起さず、長
期に安定に存在する。
【0029】本発明に使用できる水性酸化チタンゾルと
しては、水を分散媒とし、その中に酸化チタン粒子が解
膠されたゾルが挙げられる。酸化チタン粒子としては、
アナターゼ、ルチル等の結晶質、又は非晶質ともに使用
できる。かかるゾルの調製は公知であり、容易に製造で
きる。例えば、硫酸チタンや塩化チタンの水溶液を加熱
加水分解して生成したメタチタン酸をアンモニア水で中
和し、析出した含水酸化チタンを濾別、洗浄、脱水させ
ると酸化チタン粒子の凝集物が得られる。この凝集物
を、硝酸、塩酸、又はアンモニア等の作用の下に解膠さ
せると、水性酸化チタンゾルが得られる。
【0030】本発明においては、かかる酸やアルカリを
使用せず、凝集物を強力なずり応力の下で水中に分散さ
せたゾルをも用いうる。さらに水性酸化チタンゾルは、
チタニアゾルとして市販もされており、容易に入手でき
る。
【0031】水性酸化チタンゾルはまた、市販の酸化チ
タン粒子を酸やアルカリの作用の下に解膠したり、強力
なずり応力の下に水中に分散させることによっても調製
でき、そのようにして調製されたゾルも用いうる。
【0032】水性酸化チタンゾルは、平均粒径が1〜3
00nmの酸化チタン粒子が分散されてなる水性酸化チ
タンゾルであることが好ましい。該酸化チタン粒子は光
触媒組成物を構成する。平均粒径が1nmより小さいと
相互作用を持つ光の波長域が小さくなり、太陽光エネル
ギでは活性を持たなくなる。300nmよりも大きいと
高い活性を得にくくなる。特に、1〜100nmである
ことが好ましい。なお、本発明における平均粒径とは、
一次粒子と凝集粒子との混合物の平均粒径の意である。
【0033】相間移動活性を有する化合物としては、公
知のものが使用でき、例えば、「相間移動触媒」(W.
P.Weberら)等に記載されている。本発明におい
て「相間移動活性を有する化合物」とは、異なる第1の
相と第2相との界面に第3の相を形成し、第1の相、第
2の相、第3の相を相互に溶解及び/又は可溶化する化
合物と定義される。
【0034】具体的には、クラウンエーテル類、第四級
アンモニウム化合物類、第四級ホスホニウム化合物類、
シクロデキストリン類、又は、ポリエチレングリコール
類やポリプロピレングリコール類等のポリアルキレング
リコール類が好ましく挙げられる。
【0035】相間移動活性を有する化合物としては、処
理された水性酸化チタンゾルが、より長期間安定な分散
性を発現できることから、可溶性で非イオン性化合物で
あることが好ましい。特に、クラウンエーテル類、ポリ
エチレングリコール類、シクロデキストリン類が好まし
い。
【0036】かかる相間移動活性を有する化合物で水性
酸化チタンゾルを処理し、調製された前記変性酸化チタ
ンゾルは、粒子の分散状態が広範囲の環境下でより安定
になる。
【0037】変性酸化チタンゾルは、水性酸化チタンゾ
ルと相間移動活性を有する化合物と混合・撹拌して得ら
れる。特に、水性酸化チタンゾルを撹拌しながら相間移
動活性を有する化合物を徐々に加えることが好ましい。
これは、水性酸化チタンゾルの良好な分散性を保持した
まま変性できるからである。
【0038】本発明の変性酸化チタンゾルは、実用上
は、バインダーの溶媒又は分散液、あるいはバインダー
前駆体の溶媒又は分散媒(これらをまとめて単に、バイ
ンダー用溶媒という)に混合されて用いられる。バイン
ダー用溶媒としては、有機溶媒が好ましい。これは、有
機溶媒が、多くの金属酸化物の前駆体化合物の溶媒とし
て用いられているからである。従来の酸化チタンゾル
を、有機系のバインダー用溶媒に添加すると、粒子の凝
集と、バインダーのゲル化が起きたが、本発明の変性酸
化チタンゾルを用いることにより、これらの凝集やゲル
化を回避できる。
【0039】本発明における相間移動活性を有する化合
物は、バインダー用溶媒として有機溶媒が好ましいこと
から、やはり有機溶媒に可溶であることが好ましい。特
にアルコール可溶であるものは、多くの有機溶媒の下で
安定であることからより好ましい。
【0040】相間移動活性を有する化合物として、例え
ば、ポリアルキレングリコール類である、ジエチレング
リコールやトリエチレングリコール等の低分子量体を用
いる場合、有機溶媒と混合後しばらくは安定であるが、
数日を経て沈殿を生じたり、ゲル化してしまうことが多
い。
【0041】したがって、相間移動活性を有する化合物
としてポリエチレングリコールを使用する場合は、有機
溶媒の中にあっても安定した分散状態を保持できること
から、分子量は平均して300以上が好ましい。
【0042】一方、平均分子量6000程度のものや8
000程度のもの又はそれを超えるものといった高分子
量体のポリエチレングリコールも使用できる。
【0043】しかし、これらの場合は、有機溶媒等を一
度に混合してしまうと分離し、沈殿してしまうことが多
く見られる。したがって平均分子量は5000以下が好
ましい。
【0044】こうして得られた変性酸化チタンゾルは、
メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコ
ールにも、任意の割合で容易に混合でき、安定な分散液
が調製できる。
【0045】さらにはヘキサン、シクロヘキサン、ヘプ
タン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類、ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グ
リセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチル
エーテル等のグリコール誘導体類、アセトン、メチルエ
チルケトン、アセトフェノン等のケトン類、酢酸エチ
ル、安息香酸メチル等のエステル類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルアミ
ン、トリエタノールアミン等のアミン類、クロロホル
ム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、
その他、酸類、アルカリ類、ジアセトンアルコール、ジ
メチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ニトロ
ベンゼン等が分散媒として例示でき、これらの1種以上
を分散媒として用いうる。
【0046】このように、前記変性酸化チタンゾルは、
種々な樹脂の有機溶液や溶剤系塗料等に容易に配合で
き、安定な分散液を形成できる。
【0047】本発明は、また、水性酸化チタンゾルを相
間移動活性を有する化合物で処理した変性酸化チタンゾ
ルから形成される酸化チタンを含有する光触媒組成物及
びその形成剤を提供する。
【0048】本発明の光触媒組成物は、変性酸化チタン
ゾルから形成される酸化チタン粒子(第1成分)と、金
属酸化物の前駆体化合物から形成される金属酸化物(第
2成分)とから構成されることが好ましい。こうした構
成とすることで、高い触媒活性と優れた形態保持性が得
られる。
【0049】本発明の光触媒組成物は、触媒活性の高い
第1成分を、第2成分で固定したもので、相互に補完し
あって、高い触媒活性と形態安定性、耐久性を発現す
る。
【0050】本発明において「組成物」とは、第1成分
と第2成分とから構成されるものであればその形態は特
に限定されない。
【0051】光触媒の作用部位は前述の如く表面である
ことから、粒子状形態が最も効果的であるが、反応の場
のみならず反応後の取扱も含め、粒子の取扱は困難であ
る。一方、バルクなブロック形態では表面の利用効率が
低い。したがって成形加工性、取扱性、利用効率等の点
から、膜の形態であるのが最も有効である。
【0052】膜状の形態をとる場合、その膜厚は薄いほ
ど利用効率は高いが、成形性の観点から、膜厚は5nm
以上であることが好ましい。また厚くしても利用効率の
さらなる向上は望めないことから、膜厚は100μm以
下であることが好ましい。
【0053】第1成分の酸化チタン粒子は、太陽光等か
らの光を吸収して励起され、光触媒活性を発現する。第
1成分の酸化チタン粒子は、ほぼ一次粒子の形状で存在
し、高い触媒効果を実現している。
【0054】第1成分の酸化チタン粒子は、高い光触媒
効果を発現できることから結晶性であることが好まし
い。特に、酸化チタン粒子の60%以上がアナターゼ型
であることが好ましい。
【0055】第1成分の酸化チタン粒子中には、40%
を超えない範囲でルチル型結晶を含有し得る。ルチル型
結晶は、アナターゼ型より低いエネルギの光でも励起さ
れることから、ルチル相に形成された励起子がアナター
ゼ相に作用し、本発明の光触媒組成物をより高活性にで
きるものと期待される。
【0056】第2成分の金属酸化物は、少なくとも酸化
チタンを含有してなることが好ましい。これは、第1成
分の酸化チタン粒子を固定して形態を保持するバインダ
ーの働きを担うとともに、光触媒効果の発現にも寄与す
るからである。
【0057】第2成分の金属酸化物中の酸化チタンの含
有量は、第1成分の酸化チタン粒子含有量にも依存する
が、高い触媒活性を発現できることから20重量%以上
であることが好ましい。
【0058】通常、第2成分における酸化チタンは、ゾ
ル・ゲル法で形成された薄膜同様、ほとんど触媒作用を
持たないものと考えられる。しかし本発明においては、
ミクロに分散された第1成分の酸化チタン粒子に吸収さ
れた光エネルギの一部が第2成分の酸化チタンに伝達さ
れ、これが励起エネルギとなって触媒活性を発現させて
いるものと判断される。
【0059】酸化チタン以外の酸化物としては、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、酸化銀、酸化ケイ素、酸化ジル
コニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化タングステ
ン、酸化鉄、酸化銅、チタン酸ストロンチウム、チタン
酸バリウム等が挙げられる。
【0060】本発明の金属酸化物を形成するための前駆
体化合物としては、最終的に金属酸化物となる化合物で
あれば限定されない。取扱が容易であることから、金属
アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボ
キシレート及び金属キレートからなる群から選ばれる1
種以上が好ましい。
【0061】本発明の光触媒組成物を構成する第1成分
の酸化チタン粒子の平均粒径は、1〜300nmである
ことが好ましい。1nmより小さいと相互作用を持つ光
の波長域が小さくなり、太陽光エネルギでは活性を持た
なくなる。一方、300nmよりも大きいと、強靱な光
触媒組成物の成形体が得にくくなる。
【0062】第1成分の酸化チタン粒子の含有量は、光
触媒組成物に対し0.5〜75重量%であることが好ま
しい。0.5重量%以上で限られた光エネルギを有効に
取込むことができ、75重量%以下で粒子が強力に固定
され、高い光活性と耐久性がともに実現される。
【0063】第2成分の金属酸化物の含有量は、優れた
形態保持性が得られることから、光触媒組成物に対し2
5重量%以上であることが好ましい。
【0064】本発明の変性酸化チタンゾルと金属酸化物
の前駆体化合物とを含有する光触媒組成物形成剤(以
下、本発明の光触媒組成物形成剤という)を用いること
で本発明の光触媒組成物を形成できる。
【0065】本発明の変性酸化チタンゾルと金属酸化物
の前駆体化合物とを、共通の溶媒及び/又は共通の分散
媒に混合して用いることが有効である。溶媒及び/又は
分散媒には、有機溶剤を使用できる。金属酸化物の前駆
体化合物の多くは、有機溶剤に容易に溶解及び/又は分
散される。また、金属酸化物の前駆体化合物の有機溶液
及び/又は分散液には、変性酸化チタンゾルを安定に混
合させうる。
【0066】こうして得られた本発明の光触媒組成物形
成剤を基板上に塗布し、乾燥させ、熱処理すること等に
より、本発明の光触媒組成物からなる膜を形成できる。
塗布方法としては、スプレーコート、ディップコート、
スピンコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷などが挙
げられる。
【0067】本発明の光触媒組成物形成剤を用いると薄
膜成形が容易となり、得られる薄膜の触媒活性も高い。
また、透明膜又は半透明膜も容易に成形できるため、光
エネルギを有効に取込むことができる。
【0068】第1成分の酸化チタン粒子の平均粒径、第
2成分の金属酸化物の組成や屈折率と、製膜プロセス等
を制御して、平均粒径を100nm以下に保持すること
により透明膜を調製できる。かかる透明膜は、透明材料
からなる基体にも適用でき、基体の持つ外観、表情を損
なうことなく、新たな機能を付与できる。透明材料から
なる基体としては、ガラスが好適である。
【0069】本発明の光触媒組成物は、多くの有機物を
その最終段階にまで酸化し、抗菌、防汚、防臭、防曇性
等を発現する。膜状に成形された本発明の光触媒組成物
は、種々の形状の基体に適用できることから、さまざま
な製品に抗菌、防汚、防臭、防曇性等を付与できる。
【0070】本発明の光触媒組成物を表面に施したガラ
ス、セラミックス、タイル、セメント、コンクリート等
は、窓、鏡、壁、屋根、床、天井、内装材等に用いられ
る。汚れの付着や藻の発生を防止できることから、ソー
ラー電池、ソーラー温水器の受光面に用いるのも効果的
である。さらにガラスビーズ、バルーン等の表面に施
し、水中、水面に設置して、水の浄化等に用いるのも有
効である。
【0071】
【作用】本発明の変性酸化チタンゾルは、有機溶媒中で
も長期に安定な分散状態を保持できる。
【0072】水性酸化チタンゾルが有機溶媒中に分散で
きないのは粒子の分散性の問題ではなく、水和したチタ
ンヒドロニウムイオン及びその近傍の水が形成していた
構造が、相転換の際、接近してきた有機溶媒で破壊され
るためによると判断された。
【0073】したがって、かかる構造を環境の変化にも
耐えうるように補強できれば、有機溶媒中にあっても分
散安定になるものと期待された。
【0074】かかる補強剤としては上述の相間移動活性
を有する化合物が特に有効であった。すなわち本発明に
おいて用いる相間移動活性を有する化合物は、チタンヒ
ドロニウムイオンの水和水及び/又はその近傍の水周辺
にあって、これらが形成する構造を補強する作用を担っ
ている。さらに近接する有機溶媒に対しては、その形態
等を変化させて攻撃力を和らげるように作用し、前記の
構造を維持させる働きを担う。
【0075】本発明の光触媒組成物は、太陽光等の一般
住環境下で得られる光エネルギでもって励起され、高い
触媒活性を示す。光エネルギ源としては、一般の室内照
明灯である蛍光灯の発する光においても有効である。さ
らにブラックライト、フィラメントランプ、キセノンラ
ンプ、水銀灯からの光等に対しても有効である。
【0076】本発明の光触媒組成物は、光エネルギの取
込みと触媒活性作用を機能的に結び付け、高効率の光触
媒作用を発現している。
【0077】触媒がその機能を発現するためには、a)
光エネルギを吸収する、b)吸収したエネルギで励起子
を形成する、c)励起子は反応の場に移動してその触媒
機能を発現する、といった経路を経る。酸化チタンは現
在最も実用的で優れた光触媒であると考えられている。
【0078】しかもバンドギャップに相当するエネルギ
を持つ光の波長が400nm前後であることから、酸化
チタン微粒子は、太陽光からも充分な励起エネルギを吸
収し、形成された励起子が表面に移動して触媒作用を発
現する。
【0079】本発明の光触媒組成物を構成する第1成分
である酸化チタン粒子は、酸化チタン粒子の持つ光活性
を損なうことなく固定化されたもので、かかる作用を担
い、きわめて高い触媒効果を発揮する。
【0080】一方、本発明の光触媒組成物を構成する第
2成分である金属酸化物は、第1成分である酸化チタン
粒子を利用しようとする位置、形態に固定する作用を担
っている。しかも第2成分中の酸化チタンは、従来有効
にその触媒活性を引出せなかった薄膜形状にあっても、
高活性を発現する。
【0081】これは、第1成分の酸化チタン粒子が薄膜
中の第2成分の酸化チタンと相互作用し、活性化させた
ためと判断される。すなわち前記の経路c)における励
起子は、粒子/膜界面に移動して膜中の第2成分の酸化
チタンに作用し、新たな励起子を形成する。かかる励起
子が膜表面に移動し、高い触媒効果を発現する。
【0082】
【実施例】以下の例において、例1〜8は実施例、例9
〜12は比較例に相当する。
【0083】〔例1〕平均粒径7nm(カタログ値)の
アナターゼ型酸化チタンを30重量%含有する市販の水
性酸化チタンゾル(該ゾルを用いて成膜したときの膜中
の酸化チタン粒子の平均粒径の実測値は20〜30n
m)200重量部を500mlのフラスコに取り、撹拌
しながら、平均分子量600であるポリエチレングリコ
ール100重量部を加えて混合した。このとき液温は4
9℃まで上昇した。15分間撹拌を続けて液温32℃と
なった後取出し、乳白色の変性酸化チタンゾル(a)を
得た。(a)は、室温で6ヶ月放置後も安定であった。
また、ゾル(a)を用いて成膜したときの膜中の酸化チ
タン粒子の平均粒径は20〜30nmであった。また、
(a)の100重量部に100重量部のエタノールを混
合して調製した分散液も、室温で6ヶ月放置したが、何
ら変化は観察されなかった。
【0084】〔例2〕チタンブトキシド340重量部、
アセチルアセトン200重量部、ヘキシレングリコール
264重量部を混合撹拌して調製した溶液にエタノール
を加え、淡褐色透明な酸化チタンの前駆体(キレート)
溶液(A)を得た。(A)の酸化チタン換算濃度は8重
量%であった。
【0085】この(A)の50重量部と例1の(a)2
0重量部を混合撹拌して酸化チタン膜形成剤(1)を得
た。(1)は、室温で6ヶ月放置しても何ら変化は観察
されず、安定であった。
【0086】この(1)を市販のフロートガラスにスピ
ンコートして120℃で乾燥後、500℃で10分間焼
成すると、ゾル(a)から形成された酸化チタン粒子
(平均粒径は30〜40nm)と、(A)から形成され
た酸化チタンバインダーとが、均質に配置された、透明
酸化チタン膜付きガラスが得られた。
【0087】〔例3〕酸化チタン濃度15%で、500
℃焼成でアナターゼ型に変換できる市販の酸化チタンゾ
ル(酸化チタン粒子の平均粒径:10nm)100重量
部にβ−シクロデキストリン40重量部を加えて混合撹
拌し、乳白色の変性酸化チタンゾル(b)を得た。
【0088】続いて例2における(a)の20重量部の
代りに(b)の40重量部を用いたことを除き例2と同
様にして、酸化チタン膜形成剤(2)を得た。(2)
は、室温で6ヶ月放置しても何ら変化は観察されず、安
定であった。この(2)を市販のフロートガラスにスピ
ンコートし、例2と同様にして透明酸化チタン膜付きガ
ラスを得た。
【0089】〔例4〕チタンイソプロポキシド284重
量部、アセチルアセトン130重量部、ヘキシレングリ
コール1000重量部を混合撹拌して調製した溶液にさ
らにヘキシレングリコールを加え、淡褐色透明な酸化チ
タンの前駆体溶液(B)を得た。(B)の酸化チタン換
算濃度は5重量%であった。次に(B)の100重量部
と(b)の26重量部を混合撹拌して酸化チタン膜形成
剤(3)を得た。この(3)を市販のフロートガラスに
フレキソ印刷でコートし、120℃で乾燥後、500℃
で10分間焼成して、透明酸化チタン膜付きガラスを得
た。
【0090】〔例5〕平均粒径24nmでアナターゼ型
である市販の超微粒子酸化チタン40重量部と蒸留水2
00重量部をボールミルに取り、80時間強力に撹拌し
解膠処理した後メッシュを通して水性酸化チタンゾルを
得た。このゾル100重量部にPEG400の40重量
部を加えて混合撹拌し、乳白色の変性酸化チタンゾル
(c)を得た。次に(B)の100重量部と(c)の4
5重量部を混合撹拌して酸化チタン膜形成剤(4)を得
た。例4における(3)を(4)に代えたことを除き例
4と同様にして、透明酸化チタン膜付きガラスを得た。
【0091】〔例6〕例5における平均粒径24nmで
アナターゼ型である市販の超微粒子酸化チタン40重量
部の代りに、平均粒径26nmでアナターゼ型である市
販の超微粒子酸化チタン30重量部と平均粒径40nm
でルチル型である市販の超微粒子酸化チタン10重量部
とを用いて変性酸化チタンゾル(d)を得た。(c)に
代えて(d)を用いた以外は、例5と同様にして透明酸
化チタン膜付きガラスを得た。
【0092】〔例7〕チタンイソプロポキシド284重
量部、テトラエトキシシラン31重量部、アセチルアセ
トン200重量部、ヘキシレングリコール300重量部
を混合撹拌して調製した溶液にエタノールを加え、淡褐
色透明な酸化チタンを含有する金属酸化物の前駆体溶液
(C)を得た。(C)の金属酸化物換算濃度は10重量
%であった。次に(C)の50重量部と(b)の50重
量部を混合撹拌して酸化チタン膜形成剤(5)を得た。
例2における(1)を(5)に代えたことを除き例2と
同様にして、透明酸化チタン膜付きガラスを得た。
【0093】〔例8〕例5における平均粒径24nmで
アナターゼ型である市販の超微粒子酸化チタンの代り
に、平均粒径40nmでルチル型である市販の超微粒子
酸化チタンを用いて変性酸化チタンゾル(e)を得た。
(c)に代えて(e)を用いた以外は、例5と同様にし
て透明酸化チタン膜付きガラスを得た。
【0094】〔例9〕例2における(a)の20重量部
の代わりに、例3における市販の酸化チタンゾルの28
重量部をそのまま用いたことを除き、例2と同様にして
酸化チタン膜形成剤(7)の調製を試みた。しかし、撹
拌を止めると白い析出物が沈殿し、さらに室温に1日放
置したらゲル化してしまった。
【0095】〔例10〕例2における酸化チタン膜形成
剤として、(A)のみをそのまま使用したことを除き、
例2と同様にして透明酸化チタン膜付きガラスを得た。
【0096】〔例11〕例10におけるスピンコートと
乾燥とからなる工程を3回繰返して行い膜厚を厚くした
ことを除き、例10と同様にして透明酸化チタン膜付き
ガラスを得た。
【0097】〔例12〕膜を付けない市販のフロートガ
ラスを用意した。
【0098】以上の例2〜8及び10〜12のガラスに
ついて、汚染物除去率と水の接触角を測定した。結果を
表1に示す。なお、汚染物除去率は、市販水溶性染料の
5%エタノール溶液でマーク後、10時〜16時の間太
陽光下に暴露し、次式で求めた。
【0099】汚染物除去率(%)=100(△E1 −△
2 )/△E1 、ここで、△E1 は汚染物マークガラス
の膜付きガラスに対する色差、△E2 は汚染物マークガ
ラスを6時間太陽光下に暴露した後の膜付きガラスに対
する色差を示す。
【0100】水の接触角は、1ヶ月間室温に放置した試
験片にブラックライトを1時間照射後、協和界面化学
(株)製の接触角メーターで測定した。
【0101】表1より明らかなように、本発明の光触媒
組成物からなる膜付きガラスは高い汚染物除去率と親水
性表面を有していた。また以上の評価とは別に、防臭
性、防曇性、抗菌性、基材への密着性、強度、耐久性に
ついても評価した結果、例2〜8のガラスは、いずれの
性能も実用上問題ない充分な性能を有することが確認さ
れた。
【0102】
【表1】
【0103】
【発明の効果】発明の変性酸化チタンゾルは、有機溶媒
と任意の割合で混合できることから、樹脂の有機溶媒や
分散媒にも任意の割合で分散できる。
【0104】本発明の変性酸化チタンゾルを用いること
により、種々の樹脂のフィルム、シート、繊維、又は、
種々の塗料、コート剤、化粧品等に、酸化チタン粒子を
均質に添加でき、光の隠蔽と透過の制御、紫外線カッ
ト、光活性等といった機能を、有効に付与できる。
【0105】さらに本発明の変性酸化チタンゾルは、金
属酸化物の膜形成能を有する溶液又は分散液に配合でき
る。
【0106】また、本発明の光触媒組成物形成剤を用い
ると、酸化チタン粒子の固定化が容易にでき、実用的な
光触媒組成物を製造できる。また、透明膜の製造が容易
であり、種々の形状への加工も可能である。さらに得ら
れる組成物の基材への密着性も高く、強度、耐久性等に
も優れる。
【0107】また、本発明の光触媒組成物は、太陽光や
室内照明光の下で、優れた防汚、防臭、防曇、抗菌性及
び耐久性を有する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性酸化チタンゾルを、相間移動活性を有
    する化合物で処理したことを特徴とする変性酸化チタン
    ゾル。
  2. 【請求項2】相間移動活性を有する化合物が、可溶性の
    非イオン性化合物である請求項1の変性酸化チタンゾ
    ル。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の変性酸化チタンゾルと、
    金属酸化物の前駆体化合物とを含有する光触媒組成物形
    成剤。
  4. 【請求項4】金属酸化物の前駆体化合物が、酸化チタン
    の前駆体化合物を含有する金属酸化物の前駆体化合物で
    ある請求項3の光触媒組成物形成剤。
  5. 【請求項5】前記金属酸化物の前駆体化合物が、金属ア
    ルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキ
    シレート及び金属キレートからなる群から選ばれる1種
    以上である請求項3又は4の光触媒組成物形成剤。
  6. 【請求項6】請求項1又は2の変性酸化チタンゾルから
    形成される酸化チタンを含有する光触媒組成物。
  7. 【請求項7】請求項3、4、5又は6の光触媒組成物形
    成剤を用いて形成されることを特徴とする光触媒組成
    物。
  8. 【請求項8】前記光触媒組成物の形態が膜状の形態であ
    る請求項6又は7の光触媒組成物。
  9. 【請求項9】ガラス基体上に、請求項6又は7の光触媒
    組成物が形成された光触媒組成物付きガラス物品。
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