JPH08103631A - 光触媒フィルター及びその製造方法 - Google Patents

光触媒フィルター及びその製造方法

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JPH08103631A
JPH08103631A JP5341564A JP34156493A JPH08103631A JP H08103631 A JPH08103631 A JP H08103631A JP 5341564 A JP5341564 A JP 5341564A JP 34156493 A JP34156493 A JP 34156493A JP H08103631 A JPH08103631 A JP H08103631A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 悪臭や空気中の有害物質除去あるいは廃水処
理や浄水処理などを連続的に効率良く行うことができ、
しかも経済性、安全性、耐水性、耐熱性、耐光性、耐候
性、安定性などの面からも優れた特性を有する光触媒フ
ィルター及びその製造方法を提供する。 【構成】 本発明の光触媒フィルターは、球状の耐熱ガ
ラスを融着して作ったガラスフィルターに、チタンのア
ルコキシドとアルコールアミン類などから調製されたチ
タニアゾルあるいはそれにポリエチレングリコールまた
はポリエチレンオキサイドを添加したものをコーティン
グした後、室温から徐々に600℃から700℃の最終
温度にまで加熱昇温して焼成して製造され、表面が孔径
の揃った細孔を有するアナターゼの酸化チタン膜で覆わ
れていることを特徴としており、環境汚染物質を吸着
し、光の照射によって迅速かつ効果的にしかも連続的に
分解除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、悪臭や空気中の有害物
質除去あるいは廃水処理や浄水処理などの環境浄化材料
として用いられる光触媒フィルター及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、居住空間や作業空間での悪臭や自
動車の排気ガスなどの有害物質による汚染が深刻な問題
となっている。また、生活排水や産業廃水などによる水
質汚染、特に、現在行われている活性汚泥法などの水処
理法では処理が難しい有機塩素系の溶剤やゴルフ場の農
薬などによる水源の汚染なども広範囲に進んでおり、環
境の汚染が重大な社会問題となっている。
【0003】従来、悪臭防止法あるいは空気中の有害物
質の除去法として、酸やアルカリなどの吸収液や、吸着
剤、土壌などに吸収あるいは吸着させる方法がよく行わ
れているが、この方法は廃液や使用済みの吸着剤や土壌
の処理が問題で、二次公害を起こす恐れがある。また、
芳香剤を使用して悪臭を隠ぺいする方法や、活性汚泥で
分解する方法もあるが、芳香剤の場合には芳香剤自体の
臭いによる被害が出る恐れがあり、活性汚泥の場合には
処理能力が低く、かつ汚泥臭の発散が避けられないとい
う欠点を持っている(例えば、西田耕之助、平凡社「大
百科事典」1巻、p136 (1984))。
【0004】半導体に光を照射すると強い還元作用を持
つ電子と強い酸化作用を持つ正孔が生成し、半導体に接
触した分子種を酸化還元作用により分解する。半導体の
このような作用、すなわち光触媒作用を利用することに
よって、水中に溶解している有機溶剤や農薬、界面活性
剤などの環境汚染物質や空気中の有害物質の分解除去を
行うことができる。この方法は半導体と光を利用するだ
けであり、微生物を用いる生物処理などの方法に比べ
て、温度、pH、ガス雰囲気、毒性などの反応条件の制
約が少なく、しかも生物処理法では処理しにくい有機ハ
ロゲン化合物や有機リン化合物のようなものでも容易に
分解・除去できるという長所を持っている。しかし、こ
れまで行われてきた光触媒による有機物の分解除去の研
究では、光触媒として半導体粉末が用いられていた(例
えば、A. L. Pruden and D. F. Ollis, Journal of Cat
alysis, Vol.82, 404 (1983)、H. Hidaka, H. Jou, K.
Nohara, J. Zhao, Chemosphere, Vol.25, 1589 (199
2)、久永輝明、原田賢二、田中啓一、工業用水、第379
号、12 (1990))。そのため、光触媒としての取扱いや
使用が難しく、水処理の場合、光触媒粉末を回収するた
め、処理した水を濾過しなければならないが、光触媒が
微粉末であるため目詰まりを起こしたりして、濾過が容
易でなく、処理物と光触媒との分離や回収が困難で、連
続的に水処理できないなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、悪臭や空気中の有害物質除去あるいは廃水処理や浄
水処理などを連続的に効率良く行うことができ、しかも
経済性、安全性、耐水性、耐熱性、耐光性、耐候性、安
定性などの面からも優れた特性を有する光触媒フィルタ
ー及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するため、鋭意研究を重ねた結果、耐熱ガラスのペ
レットを融着して作ったガラスフィルターにチタニアゾ
ルをコーティングした後、加熱焼成することによって製
造した光触媒フィルターが、光の照射によって生成した
電子と正孔の酸化還元作用により、悪臭や空気中の有害
物質あるいは水中に溶解している有機溶剤や農薬などの
環境を汚染している有機化合物を容易に分解除去し、し
かもメンテナンスフリーでその効果を持続させることが
でき、さらにポリエチレングリコールまたはポリエチレ
ンオキサイドを添加したチタニアゾルを用いた場合には
光触媒フィルター表面の酸化チタン膜が表面に孔径の揃
った細孔を有するため環境汚染物質を吸着して迅速に分
解除去できることを見い出し、本発明をなすに至った。
【0007】本発明に用いられる耐熱ガラスとしては石
英ガラス、ケイ酸ガラス、アルミナケイ酸ガラス、ホウ
ケイ酸ガラスなどが挙げられる。本発明に用いられる耐
熱ガラスのペレットは、透明なものが好ましく、その形
は塊状や円筒状、角柱状、円錐状、瓢箪型、ラグビーボ
ール型、円管状、角管状、フィラメント状などでも良い
が、表面積の大きさから特に球状が好ましい。また、そ
の大きさは直径数mmから数cmが好ましいが、悪臭や
空気中の有害物質除去の場合には小さいものにし、水中
に溶解している有機溶剤や農薬などを処理する場合には
大きいものにするなど、処理する有害物質の種類や処理
量、処理速度などによって適当な大きさを選ぶことがで
きる。これを耐熱ガラスや金属、カーボンなどの型に入
れ、軟化点以上に昇温することによってガラスフィルタ
ーを製造することができる。ガラスフィルターの大きさ
や形、厚さなども処理する有害物質の種類や処理量、処
理速度などによって適当なものを選ぶことができる。
【0008】本発明の光触媒フィルターは、こうして得
られたガラスフィルターに、チタニアゾルあるいはそれ
にポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキサイ
ドを添加したものを、ディップコーティング法やスピン
コーティング法、塗布法、スプレー法などによってコー
ティングした後、加熱焼成することによって得られる。
【0009】本発明に用いられるチタニアゾルは、超微
粒子の酸化チタンを水に懸濁させたり、アルコールと四
塩化チタンや金属チタンとの反応などによって得られる
チタンのアルコキシドを加水分解したりすることによっ
て調製される。その際、モノエタノールアミンやジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエ
タノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,
N−ジメチルジアミノエタノール、ジイソプロパノール
アミンなどのアルコールアミン類やジエチレングリコー
ルなどのグリコール類を添加すると均一で透明なチタニ
アゾルが得られ、それを用いることによって高性能の光
触媒フィルターを製造することができる。
【0010】本発明の光触媒フィルターを製造するた
め、ガラスフィルターにチタニアゾルあるいはそれにポ
リエチレングリコールまたはポリエチレンオキサイドを
添加したものをコーティングした後、加熱焼成する場
合、室温から徐々に加熱昇温して焼成することが望まし
い。また、この時の昇温の最終温度、つまり焼成温度は
600℃から700℃が好ましい。この操作によって、
基板にコーティングされたチタニアゾルは、光触媒とし
て高性能の、結晶形がアナターゼである酸化チタン膜に
変わる。この時、直接、600℃から700℃の温度で
焼成したり、焼成温度が600℃より低かったり、70
0℃より高かったりした場合には、光触媒として低活性
なルチルや非晶質の混じった酸化チタン膜しか得られな
い。また、丈夫で高性能の酸化チタン膜を得るために
は、チタニアゾル液を薄く均一に塗布あるいはスプレー
あるいはスピンコートしたり、粘度の小さいチタニアゾ
ル液を用いてディップコーティングで引き上げ速度を遅
くして引き上げたり、コーティングしてから空気を吹き
付けて余分なチタニアゾル液をふるい落としたりした
後、それを加熱焼成することによって、酸化チタンの薄
膜を作り、この作業を繰り返すことによって多層膜を作
製することが望ましい。それにより、厚くて丈夫で光触
媒作用の大きな透明で多孔質の酸化チタン膜を得ること
ができ、高性能の光触媒フィルターを製造することがで
きる。さもなければ、ガラスフィルターに白い酸化チタ
ンが析出して酸化チタンがボロボロと剥がれる耐久性の
劣った光触媒フィルターが得られる。
【0011】本発明に用いられるチタニアゾルに添加す
るポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキサイ
ドは、分子量が1000以上のものが好ましく、その中
でも特に、分子量が1000、1500、2000、3
000、6000、8000、11000、1300
0、2万、10万、30万、200万、250万のもの
等が好ましい。分子量が1000未満のものを用いた場
合には、出来上がった酸化チタン多孔質薄膜が基板から
剥離しやすくなり、きれいで丈夫な膜ができない。
【0012】本発明に用いられるチタニアゾルに添加す
るポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキサイ
ドの量は、その溶解度以下であることが好ましい。溶解
度以上に添加した場合には、孔径の揃った細孔になら
ず、また、きれいな膜ができない。
【0013】本発明の光触媒フィルターの表面を被覆し
ている酸化チタン膜表面の細孔の径の大きさや細孔分布
の密度は、ポリエチレングリコールまたはポリエチレン
オキサイドの添加量や分子量を変えることによって制御
することができる。添加量を少なくしたり、分子量の小
さいものを使用した場合には小さな細孔が揃った酸化チ
タン多孔質膜が、添加量を多くしたり、分子量の大きな
ものを使用した場合には大きな細孔が揃った酸化チタン
多孔質膜が得られる。そして、添加量が少ない場合には
細孔の分布の密度のまばらな酸化チタン多孔質膜が、添
加量が多い場合には細孔の分布が密な酸化チタン多孔質
膜が得られる。また、分子量分布の広いポリエチレング
リコールまたはポリエチレンオキサイドを添加した場合
には、色々な孔径の細孔を持った酸化チタン多孔質膜が
得られる。さらに、薄膜を積層することにより、特異な
三次元構造を持った酸化チタン多孔質膜を得ることがで
きる。
【0014】こうして得られた本発明による光触媒フィ
ルターは多孔質であるため、悪臭やNOxなどの空気中
の有害物質あるいは水中に溶解している有機溶剤や農薬
などの環境を汚染している有機化合物を吸着し、太陽光
や蛍光灯、白熱灯、ブラックライト、UVランプ、水銀
灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライド
ランプなどからの人工光の照射によって酸化チタン膜に
生成した電子と正孔の酸化還元作用によって迅速に、か
つ連続的に分解除去することができる。しかも、光を照
射するだけで、低コスト・省エネルギー的でかつメンテ
ナンスフリーで使用できる。そして、その酸化チタン膜
の上に白金あるいはロジウム、ルテニウム、パラジウ
ム、銀、銅、鉄、亜鉛の金属皮膜を被覆した場合には、
その触媒作用により有機化合物の分解除去効果が一層増
大する。
【0015】
【実施例】本発明の実施例の内で特に代表的なものを以
下に示す。
【0016】実施例1 まず、直径2mmのアルミナケイ酸ガラスの玉を直径3
cm長さ20cm厚さ1mmのアルミナケイ酸ガラス管
に一杯に入れ、軟化点以上に加熱して融着させて、アル
ミナケイ酸ガラスフィルターを作った。次に、チタンテ
トライソプロポキシド120gを1000mlのイソプ
ロパノールで希釈し、攪拌しながら、ジイソプロパノー
ルアミン40gと水10gを添加し、さらに分子量10
00のポリエチレングリコール10gを添加して透明な
ゾル液を調製し、ディップコーティング法により得られ
たアルミナケイ酸ガラスフィルターの表面に酸化チタン
膜をコーティングした。すなわち、このゾル液に石英ガ
ラス板を浸漬して引き上げ、ゾル液を充分に落とした
後、乾燥し、室温から徐々に680℃の温度にまで加熱
昇温して焼成した。これを7回繰り返して石英ガラス板
の表面に酸化チタン膜を作った。得られた酸化チタン膜
の結晶構造をX線回折によって調べた結果、アナターゼ
100%であった。また、その表面を電子顕微鏡で観察
したところ、約10nmの大きさの細孔で覆われてい
た。この光触媒フィルターを用いて、NOxの分解除去
を行った。500Wの高圧水銀ランプを光触媒フィルタ
ーに照射しながら、NOx100ppmを30ml/m
imの流速で流し、出口の空気中に含まれるNOxの濃
度をガスクロマトグラフを用いて分析した。その結果、
NOxの濃度は5ppmに減少していた。光触媒フィル
ターを用いなかった場合には、NOxの濃度はほとんど
減少しなかった。
【0017】実施例2 まず、直径3mmの石英ガラス玉を直径5cm長さ30
cm厚さ2mmの石英ガラス管に一杯に入れ、軟化点以
上に加熱して融着させて、石英ガラスフィルターを作っ
た。次に、チタンテトライソプロポキシド135gを1
200mlの無水エタノールで希釈し、攪拌しながら、
N−エチルジエタノールアミン45gと水12gを添加
し、さらに分子量1500のポリエチレングリコール1
2gを添加して透明なゾル液を調製した。このゾル液を
得られた石英ガラスフィルターの口から入れて流し、ゾ
ル液を充分に振り落とした後、乾燥し、室温から徐々に
640℃の温度にまで加熱昇温して焼成した。これを7
回繰り返して石英ガラスフィルターの表面に酸化チタン
膜を作った。得られた酸化チタン膜の結晶構造をX線回
折によって調べた結果、アナターゼ100%であった。
また、その表面を電子顕微鏡で観察したところ、約20
nmの大きさの細孔で覆われていた。この光触媒フィル
ターを用いて、悪臭物質の分解除去を行った。500W
のキセノンランプを光触媒フィルターに照射しながら、
悪臭物質としてトリメチルアミン80ppmを50ml
/mimの流速で流し、出口の空気中に含まれるトリメ
チルアミンの濃度をガスクロマトグラフを用いて分析し
た。その結果、トリメチルアミンの濃度は5ppmに減
少していた。光触媒フィルターを用いなかった場合に
は、トリメチルアミンの濃度はほとんど減少しなかっ
た。
【0018】実施例3 まず、直径5mmの96%ケイ酸ガラスの玉を直径10
cm長さ50cmの円筒形の金型に一杯に入れ、軟化点
以上に加熱して融着させて、96%ケイ酸ガラスフィル
ターを作った。次にチタンテトラエトキシド60gを4
00mlの無水エタノールで希釈し、攪拌しながら、ジ
エタノールアミン20gと水4gを添加し、さらに分子
量2万のポリエチレングリコール0.8gを添加して透
明なゾル液を調製し、ディップコーティング法により得
られた96%ケイ酸ガラスフィルターの表面に酸化チタ
ン膜をコーティングした。すなわち、このゾル液に96
%ケイ酸ガラスフィルターを浸漬して引き上げ、ゾル液
を充分に落とした後、乾燥し、室温から徐々に630℃
にまで加熱昇温して焼成した。これを7回繰り返して9
6%ケイ酸ガラスフィルターの表面に酸化チタン膜を作
った。得られた酸化チタン膜の結晶構造をX線回折によ
って調べた結果、アナターゼ100%であった。また、
その表面を電子顕微鏡で観察したところ、約350nm
の大きさの細孔で覆われていた。この光触媒フィルター
を用いて、現在、ハイテク産業やクリーニング業で溶剤
や洗浄剤として広く使用され、地下水や土壌を汚染して
問題となっているテトラクロロエチレンの分解を行っ
た。内径10cmの石英管に光触媒フィルターを入れ、
500Wの高圧水銀ランプの光を照射しながら、酸素を
バブリングした100ppmの濃度のテトラクロロエチ
レンの水溶液を50ml/mimの流速で流し、出口濃
度をガスクロマトグラフを用いて分析した結果、テトラ
クロロエチレンの量は96%減少していた。光触媒フィ
ルターを用いなかった場合には、反応液に含まれるテト
ラクロロエチレンの量はほとんど減少しなかった。
【0019】実施例4 まず、直径6mmのホウケイ酸ガラスの玉を直径8cm
長さ50cmの円筒形のカーボンの型に一杯に入れ、軟
化点以上に加熱して融着させて、ホウケイ酸ガラスフィ
ルターを作った。次にチタンテトラブトキシド80gを
600mlのt−ブチルアルコールで希釈し、攪拌しな
がら、トリエタノールアミン28gと水6gを添加し、
さらに分子量2000のポリエチレンオキサイド6gを
添加して透明なゾル液を調製し、ディップコーティング
法により得られたホウケイ酸ガラスフィルターの表面に
酸化チタン膜をコーティングした。すなわち、このゾル
液に石英ガラス板を浸漬して引き上げ、ゾル液を充分に
落とした後、乾燥し、室温から徐々に690℃の温度に
まで加熱昇温して焼成した。これを7回繰り返してホウ
ケイ酸ガラスフィルターの表面に酸化チタン膜を作っ
た。得られた酸化チタン膜の結晶構造をX線回折によっ
て調べた結果、アナターゼ100%であった。また、そ
の表面を電子顕微鏡で観察したところ、約50nmの大
きさの細孔で覆われていた。得られた光触媒フィルター
を用いて、有機リン系の農薬である4−ニトロフェニル
エチルフェニルホスフィナートの分解を行った。内径8
cmの石英管に光触媒フィルターを入れ、500Wのキ
セノンランプの光を照射しながら、酸素をバブリングし
た500ppmの濃度の4−ニトロフェニルエチルフェ
ニルホスフィナートの水溶液を40ml/mimの流速
で流し、出口濃度をガスクロマトグラフを用いて分析し
た結果、4−ニトロフェニルエチルフェニルホスフィナ
ートの量は90%減少していた。光触媒フィルターを用
いなかった場合には、反応液に含まれる4−ニトロフェ
ニルエチルフェニルホスフィナートテトラクロロエチレ
ンの量はほとんど減少しなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、悪臭や空
気中の有害物質あるいは水中に溶解している有機化合物
などの環境汚染物質の分解除去などを連続的に効率良く
行うことができ、しかも経済性、安全性、耐水性、耐熱
性、耐光性、耐候性、安定性などの面からも優れた特性
を有する光触媒フィルター及びその製造方法の提供を目
的としたものである。本発明に用いられる酸化チタンは
塗料や化粧品、歯磨き粉などにも使われており、安価で
耐候性や耐久性に優れ、無毒かつ安全など、数多くの利
点を持っている。本発明による光触媒フィルターは、電
灯あるいは太陽光などの外部からの光を受けてフィルタ
ー表面の酸化チタンに生成した電子と正孔の酸化還元作
用により、悪臭やNOx、SOxなどの空気中の有害物
質あるいは水中に溶解している有機溶剤や農薬などの環
境を汚染している有機化合物を分解する。本発明による
光触媒フィルターは透明な耐熱ガラスのペレットを融着
してできているため、表面積が大きく、しかもその表面
を被覆している酸化チタンが透明で入射した光がフィル
ター表面の酸化チタン全体に当たるため、光触媒作用に
より環境汚染物質を迅速かつ効果的に分解除去すること
ができる。さらにフィルター表面の酸化チタンが多孔質
であるため、環境汚染物質の濃度が薄い場合でも吸着し
て、迅速に、かつ効率良く分解除去することができる。
また、従来のオゾン処理などの方法に比べ、オゾンのよ
うな有毒な物質を使用せず、光を照射するだけでよく、
電灯の光や自然光でもよいため、低コスト・省エネルギ
ー的、かつ安全に、メンテナンスフリーで長期間使用で
きる。本発明による光触媒フィルターは、自動車の車内
や居間や台所、トイレなどの脱臭、廃水処理、プールや
貯水の浄化だけでなく、菌やカビの繁殖防止を効果的に
行うことができるなど、幅広い用途に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 39/20 ZAB B B01J 21/06 ZAB 35/02 ZAB J C01G 23/053 C02F 1/30 ZAB

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が酸化チタン膜で被覆され、かつ球
    状の耐熱ガラスが融着してできていることを特徴とする
    光触媒フィルター。
  2. 【請求項2】 酸化チタン膜が表面に孔径の揃った細孔
    を有することを特徴とする請求項1記載の光触媒フィル
    ター。
  3. 【請求項3】 酸化チタン膜の細孔の孔径が1nm〜2
    μmであることを特徴とする請求項1記載の光触媒フィ
    ルター。
  4. 【請求項4】 酸化チタン膜の結晶形がアナターゼであ
    ることを特徴とする請求項1記載の光触媒フィルター。
  5. 【請求項5】 耐熱ガラスのペレットを融着し、チタニ
    アゾルをコーティングした後、加熱焼成することを特徴
    とする光触媒フィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 チタニアゾルにポリエチレングリコール
    またはポリエチレンオキサイドが添加されていることを
    特徴とする請求項5記載の光触媒フィルターの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 ポリエチレングリコールまたはポリエチ
    レンオキサイドの分子量が1000以上であることを特
    徴とする請求項6記載の光触媒フィルターの製造方法。
  8. 【請求項8】 チタニアゾルに対するポリエチレングリ
    コールまたはポリエチレンオキサイドの添加量がその溶
    解度以下であることを特徴とする請求項6記載の光触媒
    フィルターの製造方法。
  9. 【請求項9】 室温から徐々に600℃から700℃の
    最終温度にまで加熱昇温して焼成することを特徴とする
    請求項5記載の光触媒フィルターの製造方法。
  10. 【請求項10】 チタニアゾルがチタンのアルコキシドと
    アルコールアミン類から調製されたものであることを特
    徴とする請求項5及び6記載の光触媒フィルターの製造
    方法。
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