JPH10211406A - エアフィルタ装置 - Google Patents

エアフィルタ装置

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JPH10211406A
JPH10211406A JP9266167A JP26616797A JPH10211406A JP H10211406 A JPH10211406 A JP H10211406A JP 9266167 A JP9266167 A JP 9266167A JP 26616797 A JP26616797 A JP 26616797A JP H10211406 A JPH10211406 A JP H10211406A
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air filter
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄を極めて簡単に行なうことのできるフィ
ルタ材を用いたエアフィルタ装置を提供すること。 【解決手段】 エアフィルタ装置30において、フィル
タ材34の表面に光触媒性材料含む層をコートし、紫外
線ランプ39から紫外線を照射することによりフィルタ
材34表面の親水性を飛躍的に向上させる。この状態
で、給水装置60からフィルタ材34の表面に水を流す
ことにより、付着していた汚れを自動的に洗い落とす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品工場などに設
置される空気調和システム、あるいはクリーンルームな
どを構成するのに用いられるエアフィルタ装置に関する
ものである。さらに詳しくは、エアフィルタ装置のフィ
ルタ材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気調和システムは現在、オフィスや工
場、家庭など使用状況が広範なものとなっている。空気
調和の目的としては、物の加工や製造、保存などを目的
とする産業用空気調和と、労働者や居住者、輸送車両内
の乗員の快適性を維持するための快適空気調和の二つに
大別できる。空気調和とは、目的とする空間内の空気の
温度、湿度、気流、清浄度をその目的に合った条件に調
整し、これを室内に均一に分散させることと言える。
【0003】空気調和システムに用いられるエアフィル
タ装置としては各種のものがあり、たとえば、図1
(A)、(B)に示すファンコイル型のエアフィルタ装
置10(エアコン)では、送風機12によってケーシン
グ11の下面から吸い込んだ空気をフィルタ材13を通
して汚染物質を捕捉した後、冷温水コイル14を通して
吹き出し口15からそのまま吹き出す。また、図1
(C)に示すエアフィルタ装置20(エアコン)でも同
様、送風機22によってケーシング21の下面から吸い
込んだ空気を蒸発器24と一体に構成されたフィルタ材
23を通して汚染物質を捕捉した後、吹き出しグリル2
5からそのまま吹き出す。
【0004】これに対して、図1(D)に示す空気誘引
型のエアフィルタ装置30(エアコン)では、ケーシン
グ31内に吸い込んだ一次空気をノズル32から吹き出
し口33を介して吹き出す際に、その負圧によって室内
空気を吸い込み、この室内空気については、フィルタ材
34および冷温水コイル35を介して吹き出し口33か
ら吹き出すようになっている。
【0005】このようなエアフィルタ装置を空気調和シ
ステムとして食品工場などに配置する際には、図2に示
すように、フィルタ材13、23、34を冷温水コイル
14、35や蒸発器24とともにハウジング内に着脱可
能な状態に収納し、定期整備の際にはそれを外して洗浄
などを施す。
【0006】また、図3(A)、(B)に示されるクリ
ーンルームにも、フィルタ材41、42を備えるフィル
タ装置が配置されるが、図3(A)に示すフィルタ材4
1はソックチリングシステムのソックフィルタと言われ
るもので、繊維製の筒形状をもって吹き出し口に取り付
けられる。このフィルタ材41(ソックフィルタ)は、
図3(B)に示される一般的なフィルタ材42(強制対
流方式の空気調和システム用)を用いた場合と比較し
て、室内気流を均一で低風速な状態に制御できるという
利点がある。このようなフィルタ材41(ソックフィル
タ)も、繊維間を気流が通過することからやはり汚染物
質を捕捉できる。
【0007】このようなエアフィルタ装置は、たとえば
図4(A)、(B)に示すように、クリーンルームの各
部屋毎にクリーンセルCCとして配置され、リターンダ
クトから吸い込んだ室内空気を清浄化して再び、各部屋
に戻す。ここに示すクリーンルームは、図4(C)、
(D)に示すように、各部屋がシリコンシーラーなどで
壁パネルを介して実質的に密封状態に仕切られる。ま
た、図5(A)、(B)に示すタイプのものは、図6
(A)、(B)、(C)に示すように、フィルタ材66
と一体に送風装置FFUを天井にアルミフレームおよび
吊りボルトなどで固定して縦横に配列する一方、図5
(A)、(B)に示すように、床面をグレーチングで底
上げし、天井から床面に向けて清浄な空気を流すもの
で、エアシャワーを発生させる。
【0008】このような空気調和システム(エアフィル
タ装置)は、外気導入型と循環型とに大きく区別するこ
ともできる。前者は外部より外気ダクトを通じて空気を
室内に給気するもので、その中でも、例えば冷房用空気
調和システムであれば、その給気した空気を直接冷却し
てから室内に導入するか、あるいは空気を導入しながら
独立して室内を冷却するものの二つのタイプがある。後
者の循環冷却型は、外気を取り入れることなく、室内の
空気の冷却が行われる。家庭用のエアコンがその代表例
である。
【0009】外気導入型の空気調和システムは室内の空
気が何らかの原因によって著しく汚染される工場などで
用いられている。たとえば、食品工場では小麦粉などの
粉末製造工場、醤油や酢などの調味料製造工場などが挙
げられる。その理由として、一つには工場内の空気が汚
れるため、外気を導入して清浄化する必要があるからで
ある。さらには空気調和システムはその多くが熱効率を
良くするために一部銅管を用いており、その銅管が塩分
や酸、硫化水素などを含むガスに弱いため、外気を導入
しないと頻繁に故障してしまうためである。
【0010】給排気は、以下に示す (1)給気、排気ともに強制的に行われるタイプ、
(2)給気は強制的に行われ、排気は自然にまかされる
タイプ、(3)給気は自然にまかされ、排気は強制的に
行われるタイプ、の三つのタイプに大別できる。
【0011】このように幾種類もの空気調和システムが
あるが、それに用いるいずれのエアフィルタ装置も、外
気を導入する吸気部もしくは空気を吐出する給気部にフ
ィルタ材(空気濾過器)が必ず取り付けられている。フ
ィルタ材は、綿、ガラス繊維、不織布、プラスチックス
ポンジなどから構成され、通過する空気中から粉塵等の
汚染物質を捕集するものである。特に、外気導入型の吸
気には外気の粉塵が大量に含まれており、それらを高度
に取り除くため孔の密度が異なる複数種類のフィルタ材
が使用されている。基本的な組み合わせは、外気側から
孔の密度が低い順に、プレフィルタ、中性能フィルタ、
高性能フィルタと重ねられる。
【0012】このようなエアフィルタ装置に用いるフィ
ルタ材に多量の粉塵などが付着すると、フィルタ材の孔
が詰まり、給気効率が落ちて結果として冷房効率などが
低下する。また、フィルタ材に細菌や黴、酵母などが付
着すると、粉塵や埃を温床としてこれらが繁殖する。そ
のまま放置しておけばフィルタ材として捕集するにも限
界が訪れ、これらをエアフィルタ装置が逆に汚染物質を
空間内に撒き散らしてしまい、由々しき事態となる。さ
らに、給気がされにくくなると吸気圧力が増加し、モー
ターに過剰な負荷がかかる。このため、フィルタ材を定
期的に洗浄、再生する必要がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィル
タ材を洗浄するのはたとえ1枚でも極めて手間のかかる
作業であり、その上、工場内に設置されているエアフィ
ルタ装置のエアフィルタや吸気用プレフィルタなどのフ
ィルタ材は極めて多数ある。従って、フィルタ材の洗浄
には工場の規模によっては多くの時間と作業人員が必要
であり、通常の生産業務に追われて敬遠されがちにさ
れ、そのまま洗浄作業が行なわれずにいたりする。
【0014】また、天井に取り付けられている天井型エ
アフィルタ装置のエアフィルタや外気導入型の外気ダク
トに取り付けられているプレフィルタは、その位置が高
いため、人が脚立などに上って取り外さなければ洗浄で
きない。それらの作業が煩雑であるため、やはりフィル
タ材の洗浄は敬遠されてしまう。特に、接客業や終日営
業している店舗に取り付けられたエアフィルタ装置のフ
ィルタ材は、客がいる間は取り外しにくいため、手間の
かかるフィルタ材の洗浄はどうしても後回しにされがち
である。さらに、外気導入型の吸気用フィルタ材は、中
性能フィルタ及び高性能フィルタは現状のものは洗浄が
不可能であり、孔が詰まるほど汚れた時点で廃棄されて
いる。
【0015】しかも、中性能フィルタや高性能フィルタ
を使用している場合には、季節や天候、立地の違いによ
って外気の粉塵等の含有率が変動し、フィルタ材の汚染
度合いが様々であるため、フィルタの孔が詰まる時期が
一定でない。従って、交換時期が一定とならず、やはり
放置されて細菌の繁殖後になってはじめて交換されてい
るのが現状である。これらの行為は、特に物の加工や製
造、保存などを目的とする産業用空気調和システムにお
いては許されるものではない。
【0016】このような洗浄や監視を省略できるといわ
れているものとして、巻取り型のフィルタ材がある。こ
れは、図7および図8に示すように、フィルタ材51が
ロール状に巻かれており、給気状態もしくは吸気状態を
風量で検知し、給気側と排気側の圧力差が所定の値にな
ると自動的に減速モータ53が作動する。その結果、停
止位置スイッチ57および濾材送りカム562の監視の
下で、汚れた部分がガイドロール54、56を介してロ
ーラ55に所定の長さ分、巻き取られ、新たな濾材集塵
面52が間欠的に繰り出される。そして、濾材押さえカ
ム59を介して濾材押さえ板561および濾材終了スイ
ッチ58が新たなフィルタ材51が終了したことを検知
したときには、その旨の報知が行なわれる。
【0017】しかしながら、このタイプのフィルタ材5
1でもそれを使用してしまえば、新しいロールに交換し
なければならず、ロール交換を忘れ、巻取りの終点部分
をそのまま継続使用していると、やはり細菌などの繁殖
と撒き散らしとが起きてしまう。すなわち、巻き取り型
フィルタでは洗浄工程が省略されてはいるものの、やは
り常にフィルタ材の状況を頻繁に管理していなければな
らない。
【0018】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
まず、洗浄作業を極めて簡単に行なうことのできるフィ
ルタ材を用いたエアフィルタ装置を提供することにあ
る。
【0019】また、本発明の課題は、フィルタ材の洗浄
が容易であることを利用して、この洗浄を自動的に行な
うことのできるエアフィルタ装置を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るエアフィルタ装置では、通過する空気
から汚染物質を捕捉するフィルタ材の表面に、酸化チタ
ンなどの光触媒性材料を含む層を形成することを特徴と
する。
【0021】フィルタ材において、光触媒性材料を含む
層を形成しないものは、水の接触角が70度から90度
であり、この他の材料も数度程度にしかならない。しか
るに、本形態では、エアフィルタ装置のフィルタ材の表
面に光触媒性材料を含む層を形成して、十分に紫外線を
照射することにより、表面の水の接触角をほぼ0度とし
てある。従って、フィルタ材の表面に薄い水分子の層が
形成され、その表面に汚染物質が捕捉されると考えられ
る。それ故、フィルタ材を水洗いするだけで、あるいは
紫外線を照射した後の水洗いだけで汚染物質を簡単に洗
い落とすことができる。
【0022】本発明において、前記フィルタ材としては
各種のものを使用でき、たとえば、不織布、金属繊維、
天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維な
どから構成されたものを使用できる。
【0023】本発明では、さらに、前記フィルタ材に対
して紫外線を照射する紫外線照射装置を設けることが好
ましい。さらに、前記フィルタ材に対して水を供給する
給水装置を設けることが好ましい。このように構成する
と、フィルタ材に紫外線を照射した後、水を流すだけで
フィルタ材から汚染物質を自動的に洗い落とすことがで
きる。
【0024】本発明において、前記フィルタ材は、たと
えば、ソックチリングシステムのソックフィルタであ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明によるフィルタ材一実施の
形態について説明する。
【0026】[実施の形態1]本発明の実施の形態1に
係るエアフィルタ装置は、それを構成する各構成要素と
しては、図1ないし図6を参照して説明したものと概ね
同一であるが、これらのいずれのエアフィルタ装置にお
いても、本形態では、不織布、金属繊維、天然繊維、合
成繊維、ガラス繊維、およびセラミックス繊維からなる
フィルタ材、あるいはそれらを複合的に使用したフィル
タ材の表面に対して、酸化チタンなどの光触媒性材料を
含む層を形成したことを特徴とする。かかる光触媒性材
料を含む層は、たとえば、シリコン樹脂と酸化チタンと
を組み合わせたコート剤を、フィルタ材を構成する各繊
維の表面に薄くコーティングすることによって構成でき
る。
【0027】フィルタ材において、光触媒性材料を含む
層を形成しないものは、水の接触角は70度から90度
であり、この他の材料においても数度程度にしかならな
い。しかるに、本形態では、エアフィルタ装置のフィル
タ材の表面に、光触媒性材料である酸化チタンとシリコ
ーン樹脂を組み合わせたコート剤を用いて光触媒性材料
を含む層を形成して、十分に紫外線を照射すると、表面
の水の接触角がほぼ0度となる。このような現象を超親
水化現象といい、このような性質を超親水性という。こ
の理由は、図9に示すように、基材Rの表面が疎水性物
質R0で覆われ水分を弾く性質をもっているのに対し
て、光触媒性材料を含む層Tに紫外線を照射することに
より、この疎水性物質R0を分解し、表面に薄い水分子
の層を安定的に形成するためと考えられる。その結果、
フィルタ材の表面では薄い水分子の層の表面に汚染物質
が捕捉されると考えられる。
【0028】このように、超親水性を付与したフィルタ
材では、表面の親水性が飛躍的に向上している。従っ
て、従来であれば、フィルタ材表面などに付着した汚れ
や埃などの汚染物質は、吸引して除去するか洗剤などを
用いて洗い落とすしか方法がなく、しかも、フィルタは
小さな孔が密集しているため、孔の内部などの細部の汚
染物質を全て取り除くのは困難であったが、本形態で
は、フィルタ材に超親水性を付与してあるため、例えば
合成樹脂表面に光触媒性材料をコートした基材Rに油滴
を付着させた場合でも、これを水中に沈めるだけで油が
離脱するほどである。従って、本形態によれば、エアフ
ィルタ装置から取り外したフィルタ材をそのまま水洗い
するか、あるいは紫外線を照射してから水洗いするだけ
で、汚染物質を全て簡単に洗い落とすことができる。し
かも、自動車排気ガスや油分を多く含んだ空気から付着
した油汚れは、従来であれば、洗剤を用いて洗い落とす
しか方法がなかったが、本形態であれば、フィルタ材に
超親水性を付与してあるため、このような油汚れであっ
ても、フィルタ材をそのまま水洗いするか、あるいは紫
外線を照射してから水洗いするだけで、油汚れも簡単に
洗い落とすことができる。
【0029】しかも、光触媒性材料を含む層Tは、紫外
線照射により一旦超親水化されると、その効果が長時間
維持され、かつ、たとえ超親水性が低下してもそれを紫
外線ランプからの光や太陽光に晒して紫外線を照射すれ
ば、低下した超親水性が復帰するという利点がある。
【0030】また、この光触媒性材料技術による洗浄方
法はこれまで廃棄されていた中性能フィルタなどの洗浄
も可能とし、その使用限界が大幅に延長される。また、
従来のエアフィルタ装置を改良するといっても、超親水
性を付与したフォルタ材を採用するだけのことなので、
改良に要する費用はかからない。また、フィルタ材34
に光触媒性材料をコートするといっても、酸化チタンお
よびシリコーン樹脂の双方が安価であるため、材料コス
トの上昇はほとんどない。
【0031】[実施の形態2]図10(A)、(B)は
それぞれ、実施の形態2に係るエアフィルタ装置の構成
を模式的に示す外観図および概略構成図である。ここで
は、図1(D)に示した誘引型のエアコン用のエアフィ
ルタ装置に本発明を適用した例を説明する。なお、図1
(D)に示した構成部分と共通する機能を有する部分に
は同一の符号を付してある。
【0032】図10(A)、(B)において、このエア
フィルタ装置30では、ケーシング31内に吸い込んだ
一次空気をノズル32から吹き出し口33を介して吹き
出す際に室内空気も吸い込み、この室内空気について
は、フィルタ材34および冷温水コイル35を通して吹
き出し口33から吹き出すようになっている。
【0033】このように構成したエアフィルタ装置30
でも、実施の形態1と同様、フィルタ材34を構成する
各繊維表面には、酸化チタンなどの光触媒性材料を含む
層を形成し、それに紫外線を照射して超親水性を付与し
てある。
【0034】また、本形態では、フィルタ材34の下方
位置には、それに向けて紫外線を照射する紫外線ランプ
39(紫外線照射装置/ 殺菌灯)を配置してあり、この
紫外線ランプ39からはフィルタ材34に向けて定期的
に紫外線が照射される。
【0035】このように構成すると、フィルタ材34が
ハウジング内で紫外線が自然には届かない状態にあって
も、フィルタ材34には紫外線ランプ39から紫外線が
照射される。従って、フィルタ材34の表面は常時、高
いレベルの超親水性を有するとともに、紫外線照射によ
って、そこに繁殖しようとする細菌や黴に対して殺菌処
理を施すことができる。
【0036】また、酸化チタン自身には抗菌作用がある
ことが認められており、酸化チタンによる光触媒性材料
を含む層自身の細菌や黴の付着防止も期待できるので、
紫外線による殺菌と併せて細菌や黴などの繁殖抑制によ
り一層の効果がある。
【0037】なお、紫外線照射はフィルタ材34の両面
から行なう方がよいことは勿論である。
【0038】[実施の形態3]図11(A)、(B)は
それぞれ、実施の形態2に係るエアフィルタ装置の構成
を模式的に示す外観図および概略構成図である。ここで
も、図1(D)に示した誘引型のエアコン用のエアフィ
ルタ装置に本発明を適用した例を説明する。なお、図1
(D)に示した構成部分と共通する機能を有する部分に
は同一の符号を付してある。
【0039】図11(A)、(B)において、このエア
フィルタ装置30でも、ケーシング31内に吸い込んだ
一次空気をノズル32から吹き出し口33を介して吹き
出す際に、室内空気も吸い込み、この室内空気について
は、フィルタ材34および冷温水コイル35を通して吹
き出し口33から吹き出すようになっている。
【0040】このようなエアフィルタ装置30におい
て、フィルタ材34の洗浄が敬遠される大きな理由とし
ては、その取り外し作業の煩雑さがある。
【0041】そこで、本形態では、まず、実施の形態
1、2と同様、フィルタ材34を構成する各繊維表面に
は、酸化チタンなどの光触媒性材料を含む層を形成し、
それに紫外線を照射して超親水性を付与してある。ま
た、本形態では、実施の形態2と同様、フィルタ材34
の下方位置には、それに向けて紫外線を照射する紫外線
ランプ39(紫外線照射装置/ 殺菌灯)を配置してあ
り、この紫外線ランプ39からはフィルタ材34に向け
て定期的に紫外線が照射される。従って、フィルタ材3
4の表面は、紫外線を受けて高いレベルの超親水性を有
する。
【0042】さらに、本形態では、超親水化したフィル
タ材34の表面に定期的あるいは必要に応じて水を適量
ずつかける給水装置60を構成してある。本形態では、
この給水装置60については、給水配管61の途中位置
に電磁弁62を介挿させたもので構成し、制御装置63
が電磁弁62を開閉する。ここで、制御装置63は、フ
ィルタ材34の汚れ度合いを監視するセンサーや一定時
間毎に給水を指令するタイマーなどを備え、これらのセ
ンサーやタイマーの指令に基づいて電磁弁62を開閉す
る。
【0043】また、本形態では、冷温水コイル35の表
面にも前記の超親水化処理を施してその集水機能を高
め、そこで集めた水をフィルタ材34に上に通水治具6
4で自動的に導くようになっている。この通水治具64
にも前記の超親水化処理を施してある。
【0044】このように構成したエアフィルタ装置30
では、紫外線ランプ39からの紫外線の照射によってフ
ィルタ材34の表面は高いレベルの超親水性を有する。
このため、給水装置60を構成する給水配管61から供
給される水、あるいは給水装置60を構成する通水治具
64を伝ってくる冷温水コイル35からの水によって、
フィルタ材34の表面は洗浄され、常に清浄に保たれ
る。それ故、フィルタ材34を取り外して洗剤に漬け置
いたりブラシなどを用いて洗浄しなくても、小さな孔や
凸凹などの複雑な形状の部分に保持された汚染物質も自
動的に完全に除去される。なお、フィルタ材34の表面
を洗浄し終えた水は透明なドレン65によって受け、所
定の位置から排出すればよい。
【0045】また、紫外線ランプ39や給水装置60自
身は決して高価なものでないので、従来のエアフィルタ
装置を改良するにも、多大な費用が発生しない。
【0046】[その他の実施の形態]なお、給水装置6
0としては、空気調和システムで回収された凝結ドレン
水などを利用することも十分に可能であり、この場合に
は、特別な配管を追加する必要がない。例えば、図11
に示す冷温水コイル4に凝結した凝結水は、一旦ドレン
パン(図示せず。)に集められるので、凝結ドレン水を
くみ上げてフィルタ材34の表面に適量ずつ流してもよ
い。なお、洗浄し終えたフィルタ材34の表面は、給排
気により空気の流れがある限り、自然に乾燥する。
【0047】また、光触媒性材料と有機酸などの嫌菌材
料との組み合わせにより、フィルタ材34の表面に嫌菌
性も付与してもよい。この嫌菌性は、各種細菌が存在し
がたい環境を形成することにより、細菌が繁殖しない環
境を形成するものであり、それ自体が必ずしも殺菌作用
を有するものではない。具体的な態様としては、シリコ
ン樹脂に光触媒性材料と嫌菌材料とを混練りする等の方
法がある。
【0048】さらに、上記形態で説明したフィルタ材に
ついてはエアコン用に限らず、空気清浄器用に用いても
よい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るエア
フィルタ装置では、フィルタ材表面を超親水化すること
で、フィルタ材からの汚れは紫外線照射と水洗いのみで
容易に除去できる。また、フィルタ材に水をかけるだけ
で汚れを簡単に除去できるので、エアフィルタ装置内に
フィルタ材表面に紫外線照射装置と給水装置を設けてお
けば、フィルタ材を取り外さなくても、フィルタ材の洗
浄を自動的に行うことができ、便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はファンコイル型のエアフィル
タ装置の説明図、(C)は別のファンコイル型のエアフ
ィルタ装置の説明図、(D)は空気誘引型のエアフィル
タ装置の説明図である。
【図2】図1に示すエアフィルタ装置を大型化したとき
のフィルタ装置の説明図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、ソックチリングタ
イプの空気調和システムの説明図、および強制対流式の
空気調和システムの説明図である。
【図4】空気調和システムの説明図である。
【図5】別の空気調和システム全体の説明図である。
【図6】(A)、(B)はいずれも、図5に示す空気調
和システムのフィルタ材の固定方法を示す説明図、
(C)はこのフィルタ材の配置を示す平面図である。
【図7】ロール状のフィルタ材を用いたエアフィルタ装
置の説明図である。
【図8】ロール状のフィルタ材の使用形態を示す説明図
である。
【図9】本発明に用いた光触媒性材料を含む層の作用を
説明するための図である。
【図10】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の実施の
形態2に係るエアフィルタ装置の構成を模式的に示す外
観図および概略構成図である。
【図11】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の実施の
形態3に係るエアフィルタ装置の構成を模式的に示す外
観図および概略構成図である。
【符号の説明】
10、20、30 エアフィルタ装置 11、21、31 ケーシング 12、22 送風機 13、23、34、41、42、51、66 フィルタ
材 14、35 冷温水コイル 15、33 吹き出し口 24 蒸発器 25 グリル 32 ノズル 39 紫外線ランプ(紫外線照射装置/ 殺菌灯) 52 新たな濾材集塵面 53 減速モータ 54、56 ガイドロール 55 ローラ 60 給水装置 61 給水配管 62 電磁弁 63 制御装置 64 通水治具 65 ドレン CC クリーンセル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通過する空気から汚染物質を捕捉するフ
    ィルタ材を有し、該フィルタ材の表面には光触媒性材料
    を含む層が形成されていることを特徴とするエアフィル
    タ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記光触媒性材料が
    酸化チタンであることを特徴とするエアフィルタ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記フィル
    タ材は、不織布、金属繊維、天然繊維、合成繊維、ガラ
    ス繊維、およびセラミックス繊維からなる群から選ばれ
    た1種もしくは2種以上の繊維からなることを特徴とす
    るエアフィルタ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    さらに、前記フィルタ材に紫外線を照射する紫外線照射
    装置を有することを特徴とするエアフィルタ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、さらに、前記フィル
    タ材に水を供給する給水装置を有することを特徴とする
    エアフィルタ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記フィルタ材は、ソックチリングシステムのソックフ
    ィルタであることを特徴とするエアフィルタ装置。
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