JP4006394B2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

本発明は、室外空気を室内へ供給する給気機構又は熱交換用とは別に室内空気を循環する専用の空気循環機構を有する空気調和機に関するものである。

従来の空気調和機は、冷房や暖房時に室内空気の熱交換をする為の室内空気吸込側の一部に空気清浄用のフィルターを備えていた（例えば、特許文献１参照。）。

また、吸気及び排気の機構が備えられているものにおいては、吸気機構により室外の空気を取り入れる際には、室外の空気を清浄化することなく、室内の空気と直接混合していた（例えば、特許文献２参照。）。

特開２００１−２０８４１８号公報

特開２００２−５４７２号公報

しかし、上記従来技術においては、冷房や暖房時での熱交換の為の室内空気吸込側の一部分に空気清浄用のフィルター等を備えているものについては、フィルター部分での通風抵抗が大きい為、空気の殆どがフィルターの存在しない部分に流れ、吸込む室内の空気の一部しかフィルターを通過しない。この為、菌やシックハウス症候群の要因物質である建材や家財等より生ずる揮発性有機物質(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等)を含む空気を清浄化する効率が悪かった。

また、室外の空気を室内に取り入れる給気機構の備わっているものにおいては、給気専用のフィルターを有しておらず、室外の空気をそのまま取り入れるため、室外の空気が汚染されている場合には、汚染されている空気が直接室内へ導入され、清浄で新鮮な空気を取り入れることが出来ず、室内空気をも汚染してしまった。

本発明の目的は、給気運転時に室内へ吹出される空気に含まれる菌や有害物質を効率よく除去することである。また、循環運転時に室内へ吹出される空気に含まれる菌や室内の建材や家具等からシックハウス症候群の要因である有害な揮発性有機物質を効率よく除去することである。

上記目的は、
室外ユニットと、
該室外ユニットと協働して室内の空気を調和する室内ユニットと、
該室内ユニットに形成された空気吸込口および空気吹出口と、それらを接続する通風路上に設けられた熱交換器および主ファンと、室外空気を室内に取り込む給気運転および室内空気を室外に排出する排気運転を行う、前記室内ユニット内に構成された換気装置と
を備えたセパレート型の空気調和機において、
前記換気装置は、サブファンと、前記給気運転時に前記サブファンよりも下流に配設されることとなる除菌手段と、前記給気運転時に前記サブファンよりも上流に配設されることとなる空清フィルタと、室内の空気を取り込むサブ吸込口と、前記空気吹出口の上方に設けられ室内に空気を吹き出すサブ吹出口と、室外に開口する室外開口とを備え、
前記給気運転は前記室外開口から給気し、前記空清フィルタ、前記サブファン、前記除菌手段の順に此れ等を介して前記サブ吹出口から吹き出させるものであり、前記排気運転は前記サブ吸込口から空気を取り込み、前記除菌手段および前記空清フィルタを介さずに前記サブファンを介して前記室外開口から排気することを特徴とする空気調和機
により達成される。

本発明によれば、給気運転時に室内へ吹出される空気に含まれる菌や有害物質を効率よく除去することができる。

また、循環運転時に室内へ吹出される空気に含まれる菌や室内の建材や家具等からシックハウス症候群の要因である有害な揮発性有機物質を効率よく除去することができる。

以下、本発明の実施例を各図に基づき説明する。

図１は本発明の実施例の空気調和機の縦断面図である。本発明の空気調和機は、室内ユニット１、室外ユニット２及びスリーブ３を備えるセパレート形である。室内ユニット１は熱交換器４、主ファン５、換気装置６を備えている。室外ユニット２は室外熱交換器７、室外ファン８及び圧縮機９を備えている。スリーブ３は換気装置６と室外とを連通する給排気管１０、冷媒管１１、ドレン管１２より構成している。また、給排気管１０には、虫や異物の侵入を防止する為の防虫網１３を備えている。

排気運転は、室内の空気が汚染されている場合に、換気用吸込口１５より室内空気を取り入れ、給排気管１０より室外へ強制的に排出することが出来るものである。

給気運転は、室外からの新鮮な空気を取り入れたい場合に、給排気管１０より外気を取り込んで、換気用吹出口１６より室内へ供給することが出来るものである。

循環運転は、冷房運転時は冷却された空気が床面に局在し、部屋の一部分のみ寒い現象が生じるが、この場合室内換気用吸込口１５より室内空気を取り入れ、風速を高めて換気用吹出口１６より室内へ吹出すことで、室内空気を循環させ、均一に冷却することが出来るものである。

また、暖房運転時には暖められた空気が上昇し、床面が寒いという現象が生じるが、室内換気用吸込口１５より室内空気を取り入れ、風速を高めて換気用吹出口１６より室内へ吹出すことで、暖気の上昇を抑制し、床面を暖めることが可能となる。

図２に示すように、換気装置６は給排気管１０、ダクト１７及び吸気口１５と接続しており、ダクト１７の出口付近には除菌手段１８が設置されている。

除菌手段１８には取っ手２５を備えており、室内ユニット１より取り外して、清掃又は交換が可能である。

給気時又は室内空気循環時には、給排気管１０又は吸気口１５より取り込まれた空気が、換気装置６及びダクト１７を通過し、換気用吹出口１６より室内へ供給される。この際、取り入れられた空気は、ダクト１７に設置した除菌手段１８と接触する為、清浄化される。

更に、センサー２６等により室内空気の汚染が検出された場合には、自動的に室内空気を循環させ、室内を常時清浄に保つことが出来る。

図３〜５は換気装置６の機構を説明する模式図である。換気装置６は、サブファン２１、空清フィルター２２、ダンパー１９及び２０より構成されており、給排気管１０、ダクト１７及び吸気口１５と接続している。

図３は排気時の機構を示すものである。室内空気を室外へ排出する場合には、換気装置６内において、ダンパー１９をＣの位置、ダンパー２０をＤの位置に切り替えて、サブファン２１を運転させることにより、室内換気用吸込口１５より室内の空気を取り入れ、給排気管１０より室外へ排出する。尚、排気運転時は、除菌手段１８に空気が通風することはないので、排気する空気流の通風抵抗を少なくすることができる。

図４は給気時の機構を示すものである。室外空気を室内へ取り入れる場合には、換気装置６内において、ダンパー１９をＢの位置、ダンパー２０をＥの位置に切り替えて、サブファン２１を回転させることにより、給排気管１０より室外の空気を吸込み、空清フィルター２２にて空気中の塵埃を除去し、ダクト１７を通り、除菌手段１８を通過して菌や揮発性有機物質を除去した後、室内へ供給される。

図５は循環時の機構を示すものである。室内の空気を循環させる場合には、換気装置６内において、ダンパー１９をＣの位置、ダンパー２０をＥの位置に切り替えて、サブファン２１を回転させることにより、換気用吸込口１５より空気を取り入れ、ダクト１７を通り、除菌手段１８を通過して空気清浄処理した後、室内へ供給される。

このように、空気の除菌を行い室内に新鮮な空気を供給したい場合のみ、つまり給気運転時および循環運転時に、除菌手段１８を通過するようにダンパー１９、２０が制御されている。

本実施例において、除菌手段１８は、室外空気の給気時及び室内空気循環時に室内へ空気を送るダクト１７出口付近に設置されているが、この位置は、吸気時及び空気循環時に空気が通る通路であれば、空気を取り込むファンの吸込み側でも、吐出し側でも良いし、またファンそのものの羽根やダクト部分に抗菌剤あるいは揮発性有機物質除去剤を練り込みあるいは塗布等の加工を施したものでもよい。

図６−ａに除菌手段１８の構造を示す。除菌手段１８はフィルターケース２４にフィルター２３を嵌め込んだもので、空気の通路に設置されている。フィルター２３は、抗菌剤あるいは揮発性有機物質除去剤を基材に加工したものである。

抗菌剤は、銀、亜鉛、銅の抗菌性金属及びこれら抗菌性金属をゼオライト、セラミックス、シリカゲル等の担体に担持した無機系抗菌剤や、有機シリコン第４級アンモニウム塩等の含窒素化合物、ポピドンヨード等の含ヨウ素化合物、その他の有機系抗菌剤を用いる。

揮発性有機物質除去剤には、揮発性有機物質を吸着する作用のある吸着剤や分解する作用のある分解剤を用いる。吸着剤としては、活性炭や活性炭を繊維状に加工したもの、珪素等のセラミックス原料と混合し焼成したもの、ゼオライト、化学吸着剤等を用いる。また、分解剤としては、酸化マンガン等の金属酸化物や白金等、光触媒等の触媒、化学分解剤を用いる。また、これら吸着剤と触媒を組み合せて用いるとより効果的である。

基材は紙や高分子樹脂の不織布、セラミックス、アルミニウム板等であり、形状は基材をハニカムやコルゲート、プリーツ状等に加工したフィルターである。また、活性炭繊維の場合は、この繊維の不織布を加工したものをそのまま用いる事が出来る。しかしながら、形状はフィルター状に限らず、図６−ｂに示す様に、通風路１７の部品に抗菌剤や揮発性有機物質除去剤を練りこんだもの又は塗布した抗菌加工面３１や、図６−ｃに示す様に、抗菌剤や揮発性有機物質除去剤を担持した板状の抗菌板２８を通風路側面又は断面に設置したものでも良い。また、この板状の基材は、抗菌ステンレス、キュプロニッケル等の抗菌効果を有する金属板をそのまま使用しても良い。

図６−ｄに示す様に、抗菌手段２９と揮発性有機物質除去手段３０を組み合わせることで、同時に二つの効果を得ることが出来る。

図７に示す様に、空清フィルター２３の吸込み側又は吐出し側に、紫外線を発生する光源２７を設置すると、紫外線は殺菌効果がある為、除菌フィルターのみ設置する場合よりも抗菌効果を向上させることが可能である。光源２７としては、紫外線を発生する発光ダイオードの他、紫外線ランプ等がある。より高い抗菌活性を求める場合は紫外線ランプを、高寿命及び低コスト化を図る場合には紫外線を発生する発光ダイオードを用いると良い。

光源２７は、給気機構作動時、室内空気循環機構作動時、及びセンサー２６等により室内の汚染を検知した場合に通電し、紫外線を発して通過する空気を清浄化する。

図８に示すように、除菌手段１８は、フロントパネル３２を開けた状態で、室内ユニット１の正面に位置する取っ手２５を持って引き出すことで、ダクト１７内から取り外しができ、洗浄や交換が容易な構造となっている。
以上の通り本実施例によれば、室内の空気を強制的に吸込み循環させる、又は室外の空気を取り入れ室内へ給気する為の専用の通路を設け、その通路内部に空気中に含まれる有害物質を除去する手段を備えることで、室内もしくは室外から吸込んだ空気のほぼ全てを除菌手段に取り入れることが可能である。その為、空気中に含まれる室内の建材や家具等から生ずるシックハウス症候群の要因となる有害な揮発性有機物質や菌を効率よく除去することが出来る。
更に、除菌手段は、室内ユニットの正面から着脱が可能なので清掃や交換が容易である。

本発明の実施例の概要説明図。 本発明の実施例の室内ユニットの換気機構のＡ−Ａ断面図。 本発明の実施例の排気時の換気装置の機構説明図。 本発明の実施例の給気時の換気装置の機構説明図。 本発明の実施例の循環時の換気装置の機構説明図。 本発明の実施例の除菌手段の構造説明図。 本発明の実施例の光源を用いた除菌手段の構造説明図。 本発明の実施例の除菌手段の着脱の説明図。

符号の説明

１…室内ユニット、２…室外ユニット、３…スリーブ、４…室内熱交換器、５…主ファン、６…換気装置、７…室外熱交換器、８…室外ファン、９…圧縮機、１０…給排気管、１１…冷媒管、１２…ドレン管、１３…防虫網、１４…冷暖房時吹出口、１５…換気用吸込口、１６…換気用吹出口、１７…ダクト、１８…除菌手段、１９…ダンパー、２０…ダンパー、２１…サブファン、２２…空清フィルター、２３…フィルター、２４…フィルターケース、２５…取っ手、２６…臭気センサー、２７…光源、２８…抗菌板、２９…抗菌ユニット、３０…揮発性有機物質除去ユニット、３１…抗菌加工面、３２…フロントパネル。

Claims (5)

1. 室外ユニットと、
   該室外ユニットと協働して室内の空気を調和する室内ユニットと、
   該室内ユニットに形成された空気吸込口および空気吹出口と、それらを接続する通風路上に設けられた熱交換器および主ファンと、室外空気を室内に取り込む給気運転および室内空気を室外に排出する排気運転を行う、前記室内ユニット内に構成された換気装置と
   を備えたセパレート型の空気調和機において、
   前記換気装置は、サブファンと、前記給気運転時に前記サブファンよりも下流に配設されることとなる除菌手段と、前記給気運転時に前記サブファンよりも上流に配設されることとなる空清フィルタと、室内の空気を取り込むサブ吸込口と、前記空気吹出口の上方に設けられ室内に空気を吹き出すサブ吹出口と、室外に開口する室外開口とを備え、
   前記給気運転は前記室外開口から給気し、前記空清フィルタ、前記サブファン、前記除菌手段の順に此れ等を介して前記サブ吹出口から吹き出させるものであり、前記排気運転は前記サブ吸込口から空気を取り込み、前記除菌手段および前記空清フィルタを介さずに前記サブファンを介して前記室外開口から排気することを特徴とする空気調和機。
2. 前記除菌手段は、前記室内ユニットの正面から前記通風路より着脱可能に構成した請求項１記載の空気調和機。
3. 前記除菌手段は、フィルターである請求項１乃至２記載の空気調和機。
4. 紫外線を発する発光源を、前記給気運転時に前記フィルタの上流側に配設した請求項３記載の空気調和機。
5. 請求項１において、
   前記換気装置は、室内空気を吸い込み室内に吹き出す循環運転を有するものであり、
   前記循環運転は前記サブ吸込口から空気を取り込み、前記除菌手段を介して前記サブ吹出口から吹き出させるものである空気調和機。

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