JP2005067209A - 溶融接着強度に優れた耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ及び/又はシランカップリング剤を含む処理剤により下処理された繊維布帛を含む基布上に、(A)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブレンド(メタロセン系触媒を用いて得られた直鎖状低密度エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(a)と、エチレン−酢酸ビニル又は(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂(b)とのブレンド)と(B)20〜200重量部の熱硬化性樹脂含有表面被覆層付きハロゲン非含有難燃剤粒子とを含むポリオレフィン系樹脂被覆層を形成し、共重合樹脂(b)中の酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の合計量を、樹脂ブレンド(A)の重量の5〜30%とする。
【選択図】 なし
Description
前記基布用繊維布帛が、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤から選ばれた1種以上からなるケイ素化合物成分を含有する処理剤によって下処理されたものであり、
前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が、
(A)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブレンドと
(B)20〜200重量部の、難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、かつ熱硬化性樹脂を含む表面被覆層を有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、
を含み、
前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)が、
(a)メタロセン系触媒の存在下で、エチレンと、少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られた直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂と、
(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体から選ばれた少なくとも1種からなるエチレン系共重合体樹脂と、
を含み、
前記共重合体樹脂(b)に含まれる酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の合計量が、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)の合計重量に対して、5〜30重量%の範囲内にある、
ことを特徴とするものである。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が前記下処理基布の表面を被覆しており、さらに、前記下処理基布の裏面が、熱可塑性樹脂層により被覆されていて、前記裏面熱可塑性樹脂層が、
(C)100重量部の熱可塑性樹脂と
(B)20〜200重量部の、難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、かつ、熱硬化性樹脂を含む表面被覆層とを有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、
を含むことが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂から選ばれた1種以上の熱硬化性樹脂を含み、かつその被覆層が、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子の重量に対し、2〜15重量%であることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層用熱硬化性樹脂に、更に金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物及びシリコーン系化合物から選ばれた1種以上の添加剤が混合されていて、この添加剤の混合量が、熱硬化性樹脂の重量に対して、1〜30重量%であることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層中に、耐光安定剤(D)がさらに含有されていてもよい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記耐光安定剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物、ヒンダードアミン系化合物から選ばれた1種以上を含むことが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体が、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物の1種以上を含むことが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用リン含有化合物が、赤リン、(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリン酸アンモニウムから選ばれることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、グアニジン系化合物、尿素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から選ばれることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、金属複合水酸化物から選ばれることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記基布用繊維布帛が、フィラメント糸条からなり、かつその空隙率が5〜40%であることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記基布用繊維布帛の下処理用処理剤が、前記ケイ素化合物成分に加えて、熱可塑性樹脂をさらに含有していてもよい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記基布用繊維布帛が、繊維形成時に難燃剤を練り込み或いはドーピングすることにより、又は、繊維形成後に後処理により難燃化処理されているものであることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂製造用メタロセン系触媒が、シクロペンタジエニル誘導体、及びインデニル誘導体の少なくとも1種を含有する有機遷移金属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含むことが好ましい。
裏面熱可塑性樹脂層を有する本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記裏面熱可塑性樹脂層用熱可塑性樹脂(C)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた1種以上を含むことが好ましい。
裏面熱可塑性樹脂層を有する本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記裏面熱可塑性樹脂用熱可塑性樹脂(C)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた少なくとも1種と、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂及びアリルフタレート系樹脂から選ばれた少なくとも1種とのブレンドを含むものであってもよい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が、0.05〜3.0重量部の耐光安定剤(D)をさらに含んでいてもよい。
(1)前記エチレン系共重合体樹脂(b)中に、前記難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、かつ熱硬化性樹脂を含む表面被覆層とを有するハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の少なくとも1種を高濃度で含む1種以上の(b)+(B)ペレットを製造し、
(2)前記(b)+(B)ペレットの全種と、前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)とを混合して被覆用樹脂コンパウンドを調製し、
(3)前記樹脂コンパウンドを、カレンダー成形又はT−ダイ押出成形に供して、ポリオレフィン系樹脂フィルムを成形し、
(4)前記ポリオレフィン系樹脂フィルムを、合成シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤から選ばれた1種以上からなるケイ素化合物成分を含有する処理剤により下処理された繊維布帛からなる基布の少なくとも1面に、積層・貼着する、
ことを特徴とするものである。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記下処理基布の表面に前記ポリオレフィン系樹脂フィルムを積層貼着する工程と、さらに、前記下処理基布の裏面に、熱可塑性樹脂層を形成する工程とを含み、
前記裏面熱可塑性樹脂層が、
(C)100重量部の熱可塑性樹脂と
(B)20〜200重量部の、難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、熱硬化性樹脂を含む表面被覆層を有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、
を含み、
前記裏面熱可塑性樹脂層の形成工程において、
(a′)熱可塑性樹脂(C)の水性エマルジョン及び水性ディスパージョンから選ばれた少なくとも1種からなる水系の樹脂液、或は
(b′)熱可塑性樹脂(C)を有機溶剤中に溶解して得られた溶液、
の中に、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)を含有させて塗布液を調製し、この塗布液を前記下処理基布の裏面に塗布し、乾燥することが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)が、その難燃剤粒子本体の組成、及び/又はその表面被覆層の組成において異る2種以上からなり、
前記(b)+(B)ペレット製造工程において、前記2種以上のハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の全種を、前記エチレン系共重合体樹脂(b)中に混合して単1種の(b)+(B)ペレットを製造してもよい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)が、その難燃剤粒子本体の組成及び/又はその表面被覆層の組成において異る2種以上からなり、
前記(b)+(B)ペレット製造工程において、前記2種以上のハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の少なくとも1種と、前記エチレン系共重合体樹脂(b)とを混合して少なくとも2種の(b)+(B)ペレットを製造し、
前記被覆用樹脂コンパウンド調製工程において、前記2種以上の(b)+(B)ペレットの全種と、前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)とを混合して被覆用樹脂コンパウンドを調製してもよい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂から選ばれた1種以上の熱硬化性樹脂を含み、かつその被覆率が、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子の重量に対し、2〜15重量%であることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層用熱硬化性樹脂に、更に金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物及びシリコーン系化合物から選ばれた1種以上の添加剤が混合されていて、この添加剤の混合量が、熱硬化性樹脂の重量に対して、1〜30重量%であることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層中に、耐光安定剤(D)がさらに含有されていてもよい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記耐光安定剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物、ヒンダードアミン系化合物から選ばれた1種以上を含むことが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体が、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物の1種以上を含むことが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用リン含有化合物が、赤リン、(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリン酸アンモニウムから選ばれることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、グアニジン系化合物、尿素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から選ばれることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、金属複合水酸化物から選ばれることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記基布用繊維布帛が、フィラメント糸条からなり、かつその空隙率が5〜40%であることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記基布用繊維布帛の下処理用処理剤が、前記ケイ素化合物成分に加えて、熱可塑性樹脂をさらに含有していてもよい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記基布用繊維布帛が、繊維形成時に難燃剤を練り込み或いはドーピングすることにより、又は、繊維形成後に後処理により難燃化処理されているものであることが好ましい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂の製造用メタロセン系触媒が、シクロペンタジエニル誘導体、及びインデニル誘導体の少なくとも1種を含有する有機遷移金属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含むことが好ましい。
裏面熱可塑性樹脂層を有する本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記裏面熱可塑性樹脂層用熱可塑性樹脂(C)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた1種以上を含むことが好ましい。
裏面熱可塑性樹脂層を有する本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記裏面熱可塑性樹脂用熱可塑性樹脂(C)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた少なくとも1種と、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂及びアリルフタレート系樹脂から選ばれた少なくとも1種とのブレンドを含むものであってもよい。
本発明の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法において、前記被覆用樹脂コンパウンドに、0.05〜3.0重量部の耐光安定剤(D)をさらに含有させてもよい。
(A)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブレンドと
(B)20〜200重量部の、難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、熱硬化性樹脂を含む表面被覆層を有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、
を含み、
前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)は、
(a)メタロセン系触媒の存在下で、エチレンと、少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られた直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂と、
(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなるエチレン系共重合体樹脂と、
を含み、
前記共重合体樹脂(b)に含まれる酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の合計量は、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)の合計重量に対して、5〜30重量%の範囲内にある。
本発明において用いられる(メタ)アクリル酸(エステル)とは、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルを包含するものである。
(C)100重量部の熱可塑性樹脂と
(B)20〜200重量部の、難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、熱可塑性樹脂と、必要により耐光安定剤(D)を含む表面被覆層とを有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、
を含むものであって、前記熱可塑性樹脂層を形成するには、
(a′)熱可塑性樹脂(C)の水性エマルジョン及び水性ディスパージョンから選ばれた少なくとも1種からなる水系の樹脂液、
あるいは、
(b′)熱可塑性樹脂(C)を有機溶剤中に溶解して得られた溶液、
の中に、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)と、必要により耐光安定剤(D)とを含有させて塗布液(コート液)を調製し、この塗布液を、下処理基布の裏面に塗布し乾燥する。これらの熱可塑性樹脂としては、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂などの少なくとも1種を含むものが使用できる。また必要に応じ上記熱可塑性樹脂の1種以上にフェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂、アリルフタレート系樹脂などの少なくとも1種の熱硬化性樹脂をブレンドして使用することもできる。
下記実施例、及び比較例において本発明のポリオレフィン系樹脂シートの防炎性の評価、耐光性の評価、加工性の評価、及び高周波ウエルダー融着性の評価、接合部強度の評価など試験方法は以下の通りである。
消防法施工規則第4条(JIS L−1091:A−2法区分3:2分加熱)に従い試験し、下記の判定基準により評価した。
○:炭化面積40cm2 以下、残炎時間5秒以下、
残じん時間20秒以下、炭化距離20cm以下である。
×:炭化面積、残炎時間、残じん時間、炭化距離の項目の
1項目以上が規格数値を超えている。
(II)ポリオレフィン系樹脂シートの耐酸性の評価
ポリオレフィン系樹脂コンパウンドを140℃に設定した2本ロールで5分間均一に溶融混練し、次に東洋精機制作所(株)製のプレス機(2段自動式ラボプレス:15ton )を用い、温度150℃×圧縮圧100 kgf/cm2 ×(加熱圧縮時間3min +水冷圧縮時間2min )の成型条件で表面が平滑な1.0mm厚×150mm×150mmサイズのポリオレフィン系樹脂プレスシートを得た。このプレスシートと、プレスシートよりJIS K−6301に規定の3号型試験片を採取し、1規定(N)濃度の硝酸水溶液と0.1規定(N)濃度の硫酸水溶液との混合水溶液中に20℃、24時間浸漬した後、これを室温で自然乾燥させ、そのまま6日間放置した。この浸漬−乾燥を1サイクルとして、5サイクルの試験を行い、試験片の限界酸素指数(JIS K−7231)及び、残存強度(JIS K−6301)を測定した。
○:80%以上の限界酸素指数保持率と、80%以上の残存強度保持率を有する。
△:80%以上の限界酸素指数保持率または、80%以上の残存強度保持率を有する。
×:限界酸素指数保持率、残存強度保持率ともに80%に満たない。
供試試料に対してサンシャインカーボンウエザーメーターによる耐光促進試験(JIS L−0842)を1000時間行い、促進前の試料を基準とし、供試試料の表面の変退色度合いを、色差ΔE(JIS Z−8729)を測定として数値化し、下記の判定基準にて耐光性を評価した。
ΔE=0〜2.9:○=変色がなく良好。初期の状態を維持している。
ΔE=3〜7.9:△=多少変色があるが、問題ない。
ΔE=8〜 :×=変色が、著しく目立ち実用性に問題がある。
また、耐光促進試験1000時間後の試料を、上記試験(II)の耐酸性試験に供し、その限界酸素指数(JIS K−7231)及び、残存強度(JIS K−6301)を測定した。
○:80%以上の限界酸素指数保持率と、80%以上の残存強度保持率を有する。
△:80%以上の限界酸素指数保持率または、80%以上の残存強度保持率を有する。
×:限界酸素指数保持率、残存強度保持率ともに80%に満たない。
2枚のポリオレフィン系樹脂シートの端末を4cm幅で直線状に重ね合わせ、4cm×30cmのウエルドバー(歯形:凸部は等間隔4cm幅直線状賦型9本/25.4mm、凸部高さ0.5mm:凹部は等間隔4cm幅直線状賦型9本/25.4mm、凹部深さ0.5mm)を装着した高周波ウエルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000型:出力7KW)を用いて融着接合を行った。この接合体から4cm重ね合わせ接合部を含む3cm幅×30cmの試料を採取し、接合部の剪断試験(JIS L−1096)を行い、接合部の破壊状態を下記の判定基準によって評価した。
<高周波融着性>
○:融着が容易である。
※ウエルダー融着条件:融着時間5秒、冷却時間5秒
陽極電流0.8A、ウエルドバー温度40〜50℃
△:融着条件を強く、かつ長くすることで融着可能である。
※ウエルダー融着条件:融着時間10秒、冷却時間5秒
陽極電流1.0A、ウエルドバー温度40〜60℃
×:融着条件を強く、かつ長く設定しても融着しない。
※ウエルダー融着条件:融着時間10秒、冷却時間5秒
陽極電流1.3A、ウエルドバー温度40〜60℃
(IV)のウエルダー融着シートより重ね合わせ幅4cmを含む、試験片幅3cm、試験片長30cmの試験片を採取し、引張試験機(東洋精機製作所(株)製:ストログラフV10型)を使用して試験片が破壊するまで引張した。
○:接合部以外で破壊した。
△:接合部で一部糸抜け破壊した。
×:接合部の糸抜け破壊した。
ロール間ギャップを1mmに設定した140℃設定の6インチ径の2本ロール(テストロール)に、ポリオレフィン系樹脂コンパウンドを100g投入し、コンパウンドの混練を5分間行った。次に混練で得られた1mm厚のシートを用いてJIS K−7231に規定される限界酸素指数を測定した。
○:混練が容易で5分以内に完了した。得られたコンパウンドの酸素指数は設計値の ±2%以内であった。
△:5分以内では完全な混練が困難で、ロールの下に粉体がこぼれ落ちていた。得ら れたコンパウンドの酸素指数は設計値の±2〜5%であった。
×:5分以内では完全な混練が困難で、ロールの下に粉体がこぼれ落ちていた。得ら れたコンパウンドの酸素指数は設計値の±5%以上であった。
(VI)のシートから10cm×10cmサイズの試料を採取し、これを0℃の冷蔵庫中に24時間静置し、次に40℃に設定したギアーオーブン中に24時間静置した。これを1サイクルとして、0℃→40度→0度→40℃→0度の環境温度変化を連続させて5サイクル目の試料の表面を目視観察した。
○:ブルームが確認されない(外観がたもたれている)
△:わずかにブルームが認められる(外観が曇っている)
×:ブルームが著しい(表面が白くなっている)
メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)(商標:カーネルKF360:MFR2.0:密度0.898:日本ポリケム(株))30重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−1)(商標:エバテートK2010:MFR3.0:VA含有量25重量%:住友化学工業(株))40重量部からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に対し、下記表面被覆を施した無機系化合物粒子(B−1)100重量部を配合してコンパウンドを調製した。
このコンパウンドを2軸押出し機(サーモ・プラスティックス工業(株):TPP−20F:ホットカットペレタイジング装置)を用いて無機系化合物粒子(B−1)を58.8重量%濃度で含有する3.5mm角立方体状のペレットを造粒した。
次に得られた無機系化合物(1−a)含有の造粒ペレット170重量部に対し、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a−1)(商標:カーネルKF360:MFR2.0:密度0.898:日本ポリケム(株))30重量部と、耐光安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール:共同薬品(株))を0.5重量部、耐光安定剤(D−2)(商標:チヌビン765:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))を0.5重量部と、リン酸エステル系滑剤(商標:LTP−2:川研ファインケミカル(株))1.0重量部と、着色顔料として〔(有機系顔料カラードペレット:商標:HCM1617ブルー:シアニンブルー(α)含有率20重量%:大日精化工業(株))1重量部+無機系顔料カラードペレット:商標:HCM2060ホワイト:二酸化チタン(R)60重量%:大日精化工業(株)〕2重量部〕3重量部とを配合したコンパウンドを調製した。
このコンパウンドを150℃に設定したテストロール(西村製作所(株):6インチ径2本ロール)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を10重量%含有し、LOI値28.4の、ポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを作製した。
次に得られたフィルムをポリエステル平織織布(250デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率20%:質量55g/m2 )の両面に、140℃に設定した熱ロールと圧着ロール対、及び赤外線ヒーターを有するラミネーターで貼り合わせ、厚さ0.45mm、質量485g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
i)蒸留水400重量部とメタノール100重量部との合計500部量に、有機シラン化合物(商標:SH6040:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)3重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機系化合物粒子(B−1’)100.6gを得た。
メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−2)(商標:エボリューSP2020:MFR1.7:密度0.917:三井化学(株))20重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−2)(商標:エバフレックスP1905:MFR2.5:VA含有量19重量%:三井デュポンポリケミカル(株))50重量部からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に対し、下記表面被覆を施した無機系化合物(B−2)100重量部を配合したコンパウンドを調製した。このコンパウンドを2軸押出し機(比較例1と同一)を用いて無機系化合物(B−2)を58.8重量%濃度で含有する3.5mm角立方体状のペレットを造粒した。次に得られた無機系化合物(B−2)含有の造粒ペレット170重量部に対し、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−2)(商標:エボリューSP2020:MFR1.7:密度0.917:三井化学(株))30重量部と、耐光安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール:共同薬品(株))0.5重量部と、耐光安定剤(D−2)(商標:チヌビン765:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.5重量部と、リン酸エステル系滑剤(商標:LTP−2:川研ファインケミカル(株))1.0重量部と、着色顔料として〔(有機系顔料カラードペレット:商標:HCM1617ブルー:シアニンブルー(α)含有率20重量%:大日精化工業(株))1重量部+無機系顔料カラードペレット:商標:HCM2060ホワイト:二酸化チタン(R)60重量%:大日精化工業(株)〕2重量部〕3重量部とを配合してコンパウンドを調製した。このコンパウンドを150℃に設定したテストロール(比較例1と同一)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を10重量%含有するLOI値29.3のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られたフィルムをポリプロピレン平織織布(340デニールポリプロピレンマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率18%:質量65g/m2 )の両面に140℃に設定した赤外線ヒーターを有するラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.46mm、質量490g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
i)メタノール400重量部と蒸留水100重量部との合計500部量に、金属アルコキシド化合物(商標:テトラ−n−ブトキシシリコン:有効量100%:住友セメント(株)5重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B−315:水酸化アルミニウム:平均粒径15μm:アルコア化成(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機系化合物粒子(B−2’)100.6gを得た。
メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)30重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−1)40重量部からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に対し、下記表面被覆を施した無機系化合物(B−3)粒子50重量部と、下記表面被覆を施した窒素含有化合物粒子30重量部とを配合したコンパウンドを調製した。このコンパウンドを2軸押出し機(比較例1と同一)を用いて無機系化合物(B−3)と窒素含有化合物との合計量を53.3重量%濃度で含有する3.5mm角立方体状のペレットを造粒した。次に得られた造粒ペレット150重量部に対し、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(1)30重量部と、耐光安定剤(D−1)0.5重量部と、耐光安定剤(D−3)(商標:チヌビン114:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ブチルマロネート:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.5重量部と、リン酸エステル系滑剤(比較例1と同一)を1.0重量部と、着色顔料として(顔料カラードペレット:比較例1と同一)3重量部とを配合したコンパウンドを調製した。このコンパウンドをテストロール(比較例1と同一)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を10重量%含有するLOI値32.6のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次に得られたフィルムを実施例1と同一のポリエステル平織織布(250デニールポリエステルマルチフィラメント)の両面に実施例1と同様にラミネーターで貼り合わせ、厚さ0.46mm、質量485g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
i)イソプロピルアルコール500重量部に、有機チタネート化合物(商標:B−1:テトラ−n−ブトキシチタン(TBT):分子量340:有効量100%:日本曹達(株))5重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株)100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機系化合物粒子(B−3’)100.6gを得た。
蒸留水500重量部に、エポキシ樹脂(商標:デナキャストEM−101:変性ビスフェノールA型エポキシエマルジョン:エポキシ当量520:固形分濃度50重量%:ナガセ化成(株))20重量部と、触媒としてトリエタノールアミン0.5重量部、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部とを添加して、5分間撹拌した後、窒素含有化合物粒子本体(商標:MC−610:メラミン・シアヌレート:平均粒子径1〜5μm:日産化学(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する窒素含有化合物104.78gを得た。窒素含有化合物に対する表面被覆層の被覆率は4.56%であり、また表面被覆層に対する耐光安定剤の含有量は1.47重量%であった。
メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−2)20重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−2)50重量部からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に対し、下記表面被覆を施した無機系化合物粒子(B−4)50重量部と、下記表面被覆を施したリン含有化合物粒子を30重量部配合したコンパウンドを調製した。このコンパウンドを2軸押出し機(比較例1と同一)を用いて無機系化合物粒子(B−4)とリン含有化合物粒子とを53.3重量%濃度で含有する3.5mm角立方体状のペレットを造粒した。次に得られた造粒ペレット150重量部に対し、メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−2)30重量部と、耐光安定剤(D−1)0.5重量部と、耐光安定剤(D−3)(商標:チヌビン114:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ブチルマロネート:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.5重量部と、リン酸エステル系滑剤(比較例1と同一)1.0重量部と、着色顔料として(顔料カラードペレット:比較例1と同一)3重量部とを配合したコンパウンドを調製した。このコンパウンドをテストロール(比較例1と同一)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を10重量%含有するLOI値33.5のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られたフィルムを比較例2と同一のポリプロピレン平織織布(340デニールポリプロピレンマルチフィラメント)の両面に実施例2と同様にラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.47mm、質量512g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
i)蒸留水400重量部とメタノール100重量部との合計500部量に、有機シラン化合物(商標:SH6040:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)3重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B−315:水酸化アルミニウム:平均粒径15μm:アルコア化成(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機系化合物(B−4’)100.6gを得た。
蒸留水500重量部に、ベンゾグアナミン樹脂(商標:ポリフィックスPG−251:変性ベンゾグアナミン:固形分54重量%:昭和高分子(株))20重量部と、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部とを添加して、5分間撹拌した後、リン含有化合物粒子本体(商標:エクソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3 )n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:平均粒度分布40μm以下:クラリアント・ジャパン(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有するリン含有化合物粒子104.65gを得た。リン含有化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.44%であり、また表面被覆層に対する耐光安定剤の含有量は1.29重量%であった。
メタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)50重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−1)20重量部からなるポリオレフィン系樹脂ブレンド70重量部に対し、下記表面被覆を施した窒素含有化合物粒子(商標:MC−610:メラミン・シアヌレート:平均粒子径1〜5μm:日産化学(株))30重量部と、下記表面被覆を施したリン含有化合物粒子30重量部を配合したコンパウンドを調製した。このコンパウンドを2軸押出し機(比較例1と同一)を用いて窒素含有化合物とリン含有化合物とを46.1重量%濃度で含有する3.5mm角立方体状のペレットを造粒した。次に得られた造粒ペレット130重量部に対し、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂(商標:アクリフトWH206:MFR2.0:MMA含有量20重量%:住友化学工業(株))30重量と、耐光安定剤(D−1)0.5重量部と、耐光安定剤(D−2)0.5重量部と、リン酸エステル系滑剤(比較例1と同一)1.0重量部と、着色顔料として(顔料カラードペレット:比較例1と同一)を3重量部とを配合したコンパウンドを調製した。このコンパウンドをテストロール(比較例1と同一)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分とメチルメタアクリレート成分の合計として11重量%含有し、LOI値32.2のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られたフィルムをポリエステル平織織布(500デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率19%:質量75g/m2 )の両面に140℃に設定した熱ロールと圧着ロール対を有するラミネーターで貼り合わせ、厚さ0.48mm、質量515g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
<窒素含有化合物粒子本体の表面被覆>……比較例3と同一
<リン含有化合物粒子本体の表面被覆>……比較例4と同一
比較例5の表面被覆を施した窒素含有化合物粒子30重量部を、下記表面被覆を施した無機系化合物粒子(B−5)50重量部に変更し、比較例5と同様にコンパウンドをテストロール(比較例1と同一)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.20mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.20mmの酢酸ビニル成分とメチルメタアクリレート成分の合計として11重量%含有し、LOI値32.1のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られたフィルムをポリエステル平織織布(750デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率22%:質量95g/m2 )の両面に140℃に設定した熱ロールと圧着ロール対を有するラミネーターで貼り合わせ、厚さ0.52mm、質量545g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
i)メタノール400重量部と蒸留水100重量部との合計500部量に、金属アルコキシド化合物(商標:テトラ−n−ブトキシシリコン:有効量100%:住友セメント(株)5重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機系化合物粒子(B−5’)100.6gを得た。
ii)次にメチルエチルケトン500重量部に、ジアリルフタレート樹脂(商標:イソダップ:イソフタル酸ジアリルエステルの重合体:大阪曹達(株))10重量部と、耐光安定剤(A−1)(商標:バイオソーブ510:2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール:共同薬品(株))を0.15重量部を加えて撹拌し、前記工程i)で得た無機系化合物粒子(B−5’)100.6gを加えて10分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合物(B−5)104.55gを得た。無機系化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.35%であり、ジアリルフタレート樹脂に対する金属アルコキシド化合物の含有量は15.2重量%であった。また表面被覆層に対する耐光安定剤の含有量は1.29重量%であった。
<リン含有化合物粒子本体の表面被覆>……比較例4と同一
比較例5のハロゲン非含有難燃剤の組成を、表面被覆を施した窒素含有化合物粒子20重量部、表面被覆を施したリン含有化合物粒子20重量部、下記表面被覆を施した無機系化合物粒子(B−6)30重量部に変更した。また比較例5の耐光安定剤(D−2)0.5重量部を耐光安定剤(D−3)0.5重量部に変更したこと以外は比較例5と同一とした。このコンパウンドをテストロール(比較例1と同一)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.17mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分とメチルメタアクリレート成分の合計として11重量%含有し、LOI値34.3のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。次に得られたフィルムを比較例5と同一のポリエステル平織織布(500デニールポリエステルマルチフィラメント)の両面に140℃に設定した熱ロールと圧着ロール対を有するラミネーターで貼り合わせ、厚さ0.48mm、質量515g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
i)イソプロピルアルコール500重量部に、有機チタネート化合物(商標:B−1:テトラ−n−ブトキシチタン(TBT):分子量340:有効量100%:日本曹達(株))5重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機系化合物粒子(B−6’)100.6gを得た。
<窒素含有化合物粒子本体の表面被覆>……比較例3と同一
<リン含有化合物粒子本体の表面被覆>……比較例4と同一
比較例6のハロゲン非含有難燃剤の組成を、表面被覆を施したリン含有化合物20重量部、表面被覆を施した無機系化合物粒子(B−1)40重量部、表面被覆を施した無機系化合物粒子(B−2)40重量部に変更した。また比較例6の耐光安定剤(D−2)0.5重量部を耐光安定剤(D−3)0.5重量部に変更したこと以外は比較例6と同一とした。このコンパウンドをテストロール(比較例1と同一)で5分間混練した後、テストロールのロール間隔を0.20mmに調整し、カレンダー圧延により厚さ0.20mmの酢酸ビニル成分とメチルメタアクリレート成分の合計として11重量%含有するLOI値31.7のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次に得られたフィルムを比較例6と同一のポリエステル平織織布(750デニールポリエステルマルチフィラメント)の両面に140℃に設定した熱ロールと圧着ロール対を有するラミネーターで貼り合わせ、厚さ0.52mm、質量545g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
<無機系化合物粒子本体(1)の表面被覆:(B−1)>…比較例1と同一
<無機系化合物粒子本体(2)の表面被覆:(B−2)>…比較例2と同一
<リン含有化合物粒子本体の表面被覆>…比較例4と同一
比較例1の表面被覆層付き無機系化合物粒子(B−1)処理方法を下記工程に変更した。
蒸留水400重量部とメタノール100重量部との合計500部量に、メラミン樹脂(商標:ポリフィックスLFl1:変性メラミン:固形分55重量%:昭和高分子(株))20重量部と、有機シラン化合物(商標:SH6040:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株))3重量部、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合物(B−1)104.66gを得た。無機系化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.45%であった。
<下処理剤(1)の組成>
商標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株):
合成非晶質シリカ:含水率6重量%:平均粒子径3μm 10重量部
商標:アクアテックスE−1800:中央理化工業(株):
エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルジョン
(固形分40重量%) 50重量部
希釈剤:蒸留水 150重量部
上記下処理剤(1)の浴中にポリエステル平織織布を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポリエステル平織織布の質量は58g/m2 であった。(合成非晶質シリカ:熱可塑性樹脂/10:20)
比較例2の表面被覆層付無機系化合物粒子の(B−2)の処理工程を下記工程に変更した。
蒸留水400重量部とメタノール100重量部の合計500部量に、ベンゾグアナミン樹脂(商標:ポリフィックスPG−251:変性ベンゾグアナミン:固形分54重量%:昭和高分子(株))20重量部と、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部、及び金属アルコキシド化合物(商標:テトラ−n−ブトキシシリコン:有効量100%:住友セメント(株))5重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(商標:B−315:水酸化アルミニウム:平均粒径15μm:アルコア化成(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合物(B−2)104.6gを得た。無機系化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.4%であった。
比較例3の表面被覆層付無機系化合物粒子の(B−3)の処理工程を下記工程に変更した。
イソプロピルアルコール500重量部に、有機チタネート化合物(商標:B−1:テトラ−n−ブトキシチタン(TBT):分子量340:有効量100%:日本曹達(株))5重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。次に、尿素樹脂(商標:ポリフィックスLF20:高縮合尿素:固形分55重量%:昭和高分子(株))20重量部と、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部を加えて10分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合物粒子(B−3’)104.47gを得た。無機系化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.28%であった。
また、比較例3のポリエステル平織織布(250デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率17%:質量55g/m2 )に下記下処理剤(2)による処理を施したこと以外は実施例3と同一の配合及び、手順に従って厚さ0.46mm、質量488g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
<下処理剤(2)の組成>
商標:スノーテックスC:日本シリカ工業(株):
無水ケイ酸含有率20重量%:平均粒子径10〜20nm 100重量部
商標:KBM303:信越化学工業(株):
エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部
希釈剤:蒸留水 50量部
上記下処理剤(2)の浴中にポリエステル平織織布を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポリエステル平織織布の質量は58g/m2 であった。(無水ケイ酸:シランカップリング剤/20:3)
比較例4の無機系化合物(2)の表面被覆(B−4)処理工程を下記工程に変更した。
蒸留水400重量部とメタノール100重量部との合計500部量に、フェノール樹脂(商標:タマノル720:レゾール型フェノール樹脂水溶液:固形分45重量%:荒川化学(株))20重量部と、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部、有機シラン化合物(商標:SH6040:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)3重量部を添加して、30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B−315:水酸化アルミニウム:平均粒径15μm:アルコア化成(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、無機系化合物粒子(B−4)105.1gを得た。無機系化合物粒子本体に対する表面被覆層の被覆率は4.85%であった。リン含有化合物(商標:エクソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3 )n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:クラリアント・ジャパン(株))の表面被覆処理は比較例4と同一である。
比較例5のポリエステル平織織布(500デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率19%:質量75g/m2 :帝人(株))に下記下処理剤(3)による処理を施したこと以外は比較例5と同一の配合及び、手順に従って厚さ0.48mm、質量518g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
<下処理剤(3)の組成>
商標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株):
合成非晶質シリカ:含水率6重量%:平均粒子径3μm 10重量部
商標:KBM303:信越化学工業(株):
エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部
希釈剤:蒸留水 150量部
上記下処理剤(3)の浴中にポリエステル平織織布を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポリエステル平織織布の質量は78g/m2 であった。(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤/10:3)
比較例6の表面被覆層付無機系化合物粒子(B−5)処理工程を下記工程に変更した。
メチルエチルケトン500重量部に、ジアリルフタレート樹脂(商標:イソダップ:イソフタル酸ジアリルエステルの重合体:大阪曹達(株))10重量部と、金属アルコキシド化合物(商標:テトラ−n−ブトキシシリコン:有効量100%:住友セメント(株))5重量部、耐光安定剤(A−1)(商標:バイオソーブ510:2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール:共同薬品(株))を0.15重量部を加えて30分間撹拌した後、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合物粒子(B−5)104.50gを得た。無機系化合物粒子本体(1)に対する表面被覆層の被覆率は4.30%であった。
リン含有化合物(商標:エクソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3 )n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:クラリアント:ジャパン(株))の表面被覆は比較例4と同一である。
比較例7の表面被覆層付き無機系化合物粒子の(B−6)の処理工程を下記工程に変更した。
イソプロピルアルコール500重量部に、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部、有機チタネート化合物(商標:B−1:テトラ−n−ブトキシチタン(TBT):分子量340:有効量100%:日本曹達(株))5重量部を添加して、30分間撹拌した後、エポキシ樹脂(商標:デナキャストEM−101:変性ビスフェノールA型エポキシエマルジョン:エポキシ当量520:固形分濃度50重量%:ナガセ化成(株))20重量部と、触媒としてトリエタノールアミン0.5重量部、及び無機系化合物粒子本体(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2分間乾燥し、表面被覆層を有する無機系化合物粒子(B−6)104.27gを得た。無機系化合物粒子本体(1)に対する表面被覆層の被覆率は4.14%であった。窒素含有化合物の表面被覆は比較例3と同一、リン含有化合物の表面被覆は比較例4と同一である。
<下処理剤(4)の組成>
商標:ニップシールE200:日本シリカ工業(株):
合成非晶質シリカ:含水率6重量%:平均粒子径3μm 10重量部
商標:KBM303:信越化学工業(株):
エポキシ系シランカップリング剤(有効成分100重量%) 3重量部
商標:アクアテックスE−1800:中央理化工業(株):
エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂エマルジョン
(固形分40重量%) 50重量%
希釈剤:蒸留水 150量部
上記下処理剤(4)の浴中にポリエステル平織織布を浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポリエステル平織織布の質量は78g/m2 であった。(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤:熱可塑性樹脂/10:3:20)
比較例8の表面被覆層付き無機系化合物粒子の(B−1)処理方法を実施例1と同一とし、また表面被覆層付き無機系化合物粒子の(B−2)は実施例2と同一に変更した。リン含有化合物の表面被覆は比較例4と同一であった。また、比較例8のポリエステル平織織布(750デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率22%:質量:95g/m2 :)に実施例7と同一の下処理剤(4)に浸漬し、織布を引き上げると同時にニップロールで絞り、(wet付着質量30g/m2 )次いで100℃の熱風炉中2分間の乾燥を行った。下処理によって得られたポリエステル平織織布の質量は98g/m2 であった。(合成非晶質シリカ:シランカップリング剤:熱可塑性樹脂/10:3:20)これ以外は比較例8と同一の配合及び、手順に従って厚さ0.52mm、質量548g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
比較例1〜8のポリオレフィン系樹脂シートの構成及び性能を表1に示す。
実施例1〜8のポリオレフィン系樹脂シートの構成及び性能を表2に示す。
比較例1〜8及び実施例1〜8のポリオレフィン系樹脂シートに用いられたハロゲン非含有難燃剤粒子の組成を表3に示す。
また、実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シートで同一の耐酸試験を実施したところ、フィルムと同様に良好な耐酸性を有し、しかも消防法に適合可能な防炎性を有しているものであった。更に実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シートに用いたポリオレフィン系樹脂層のフィルムをカーボンアーク式サンシャインウエザーメーターで1000時間の耐候促進試験を実施し、その外観の色差を測定した結果、色差ΔEは全て2.0以下であった。また、この1000時間耐候促進したフィルムの耐酸試験を行った結果、(試験II)80%以上の限界酸素指数保持率と、85%以上の残存強度保持率を示すなど、耐候試験後にも優れた難燃性と耐酸性をも有するものであった。
また、高周波ウエルダー性に関しては、ポリ塩化ビニル樹脂専用の従来の高周波ウエルダー機での融着接合が容易に可能であった。(陽極電流値が0.8A、融着時間5秒、冷却時間5秒、ウエルドバー温度40〜50℃条件)また、比較例1〜8の接合部の剪断破壊の状態には、糸抜け破壊が含まれていた。
また実施例1〜実施例8の繊維織物基布にケイ素化合物を含有する下処理を施したポリオレフィン系樹脂シートでは、接合部の剪断破壊試験において本体が破壊する程に安定して向上した。特にこれらのケイ素化合物を含有する下処理は、従来の接着剤による接着処理の問題であった風合い硬化の問題及び、引裂強度低下の問題がなく、比較例1〜比較例8のポリオレフィン系樹脂シートの接合部糸抜け破壊を改善可能とする有効な繊維織物基布の下処理であった。
また更に、耐熱クリープ性試験を評価したところ、実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シートは何れも60℃×25kgf 荷重×24時間の耐熱クリープ試験に合格した。また、実施例1〜実施例8のシートは全て風合いが柔らかく、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製のシートの風合いに遜色のないもので、しかも耐候性、耐酸性にも優れるため、従ってこれらのポリオレフィン系樹脂シートは酸性雨が多い環境下でも使用できるものであると判断された。
特にこれら実施例1〜実施例8のポリオレフィン系樹脂シートは、製造時の加工性に優れていて、窒素含有化合物、リン含有化合物、及び、無機系化合物などのハロゲン非含有難燃剤を予め高濃度化した予備造粒を行うことによって、ポリオレフィン系樹脂への混練性が容易で効率的であった。そしてしかも、その混練が極めて正確に実施可能なため得られるシートの防炎性にバラツキがなく、防炎性に信頼がおけるものであった。
比較例1のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム(株))60重量部を、チーグラー・ナッタ系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセンα・FZ2203−0:MFR2.0:密度0.932:住友化学工業(株))90重量部に変更し、またエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−1)(商標:エバテートK2010:VA含有量25重量%:住友化学工業(株))の配合量40重量部を10重量部に変更した。またさらに耐候安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(D−1)(商標:チヌビン765:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))の配合量を0.5重量部から1.5重量部に変更した。上記組成の変更以外は比較例1と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:神島化学工業(株))の表面被覆処理を省略した。また、本比較例9では上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定したテストロール(西村製作所(株):6インチ径2本ロール)で5分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を2.5重量%含有するLOI値29.4のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以外は比較例1と同様の手順に従ってポリエステル平織織布(250デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率17%:質量55g/m2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.45mm、質量485g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
比較例2のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−2)(商標:エボリューSP2020:三井化学(株))の配合量50重量部を90重量部に変更し、またエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−2)(商標:エバフレックスP1905:VA含有量19重量%:三井デュポンポリケミカル(株))の配合量50重量部を10重量部に変更した。またさらに耐光安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から1.5重量部に変更し耐光安定剤(D−2)(商標:チヌビン765:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))の配合量を0.5重量部から1.5重量部に変更した。上記組成の変更以外は比較例2と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B−315:水酸化アルミニウム:アルコア化成(株))の表面被覆処理を省略した。また、本比較例10では上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定したテストロール(西村製作所(株):6インチ径2本ロール)で5分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を2重量%含有するLOI値30.3のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以外は比較例2と同様の手順に従ってポリプロピレン平織織布(340デニールポリプロピレンマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率18%:質量65g/m2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.46mm、質量488g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
比較例3のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム(株))60重量部を、チーグラー・ナッタ系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度0.932:住友化学工業(株))10重量部に変更し、またエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−1)(商標:エバテートK2010:VA含有量25重量%:住友化学工業(株))の配合量40重量部を90重量部に変更した。またさらに耐光安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))、耐光安定剤(D−3)(商標:チヌビン114:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))の配合量の配合を全て省略した。上記組成変更以外は比較例3と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:神島化学工業(株))の表面被覆処理と、窒素含有化合物粒子本体(商標:MC−610:メラミン・シアヌレート:日産化学(株))の表面被覆処理を省略した。また、本比較例11では上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定したテストロールで5分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を22重量%含有するLOI値31.4のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以外は比較例1と同様の手順に従ってポリエステル平織織布(250デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率17%:質量55g/m2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.46mm、質量484g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
比較例4のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−2)(商標:エボリューSP2020:三井化学(株))の配合量50重量部を10重量部に変更し、またエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b−2)(商標:エバフレックスP1905:VA含有量19重量%:三井デュポンポリケミカル(株))の配合量50重量部を90重量部に変更した。またさらに耐光安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))、耐光安定剤(D−3)(商標:チヌビン114:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))の配合を全て省略した。上記組成変更以外は比較例4と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B−315:水酸化アルミニウム:アルコア化成(株))の表面被覆処理と、リン含有化合物粒子本体(商標:エクソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3 )n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:クラリアント・ジャパン(株))の表面被覆処理とを省略した。また本比較例12では上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定したテストロールで5分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を18重量%含有し、LOI値31.7のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以外は比較例2と同様の手順に従ってポリプロピレン平織織布(340デニールポリプロピレンマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率18%:質量65g/m2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.47mm、質量514g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
比較例5のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム(株))50重量部をチーグラー・ナッタ系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度0.932:住友化学工業(株))50重量部に変更した。またポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの組成において、耐光安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(D−2)(商標:チヌビン765:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))の配合を全て省略した。上記組成変更以外は比較例5と同一の配合としたが、窒素含有化合物粒子本体(商標:MC−610:メラミン・シアヌレート:日産化学(株))と、リン含有化合物粒子本体(商標:エクソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3 )n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:クラリアント・ジャパン(株))の表面被覆処理を省略した。また本比較例13では上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定したテストロールで5分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を11重量%含有し、LOI値33.5のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以外は比較例5と同様の手順に従ってポリエステル平織織布(500デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率19%:質量75g/m2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.48mm、質量513g/m2 のポリイレフィン系樹脂シートを得た。
比較例6のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム(株))50重量部をチーグラー・ナッタ系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度0.932:住友化学工業(株))50重量部に変更した。またポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの組成において耐光安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(D−2)(商標:チヌビン765:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))の配合を全て省略した。上記組成変更以外は比較例6と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:神島化学工業(株))の表面被覆処理(1−c)と、リン含有化合物粒子本体(商標:エクソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3 )n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:クラリアント・ジャパン(株))の表面被覆処理を省略した。また本比較例14では上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定したテストロールで5分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.20mmの酢酸ビニル成分を11重量%含有し、LOI値32.7のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以外は比較例6と同様の手順に従ってポリエステル平織織布(750デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率22%:質量95g/m2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.52mm、質量542g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
比較例7のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム(株))50重量部を、チーグラー・ナッタ系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度0.932:住友化学工業(株))50重量部に変更した。またポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの組成において、耐光安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(D−3)(商標:チヌビン114:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))の配合を全て省略した。上記組成変更以外は比較例7と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:神島化学工業(株))の表面被覆処理と、リン含有化合物粒子本体(商標:エクソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3 )n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:クラリアント・ジャパン(株))及び、窒素含有化合物粒子本体(商標:MC−610:メラミン・シアヌレート:日産化学(株))の表面被覆処理を省略した。また本比較例15では上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定したテストロールで5分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.17mmの酢酸ビニル成分を11重量%含有し、LOI値33.8のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以外は比較例7と同様の手順に従ってポリエステル平織織布(500デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸20本/2.54cm×緯糸21本/2.54cm:空隙率19%:質量75g/m2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.48mm、質量515g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
比較例8のメタロセン系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a−1)(商標:カーネルKF360:日本ポリケム(株))50重量部を、チーグラー・ナッタ系触媒の存在下重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:スミカセンα・FZ203−0:MFR2.0:密度0.932:住友化学工業(株))50重量部に変更した。またポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムの組成において、耐光安定剤(D−1)(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))の配合量を0.5重量部から1.5重量部に変更し、耐光安定剤(D−3)(商標:チヌビン114:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))を全て省略した。上記組成変更以外は比較例7と同一の配合としたが、無機系化合物粒子本体(1)(商標:マグシーズN−3:水酸化マグネシウム:神島化学工業(株))の表面被覆処理と、無機系化合物粒子本体(2)(商標:B−315:水酸化アルミニウム:アルコア化成(株)の表面被覆処理及び、リン含有化合物粒子本体(商標:エクソリットAP422:ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3 )n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:クラリアント・ジャパン(株))の表面被覆処理を省略した。また本比較例14では上記配合コンパウンドを一括投入により150℃に設定したテストロールで5分間混練(5分間で練りきれない配合資材は配合系から除外とした)した。次にこのコンパウンドからカレンダー圧延により厚さ0.20mmの酢酸ビニル成分を11重量%含有するLOI値28.6のポリオレフィン系樹脂被覆層用フィルムを得た。これ以外は比較例8と同様の手順に従ってポリエステル平織織布(750デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度経糸19本/2.54cm×緯糸20本/2.54cm:空隙率22%:質量95g/m2 )の両面に上記フィルムが積層された、厚さ0.52mm、質量547g/m2 のポリオレフィン系樹脂シートを得た。
比較例9〜16のポリオレフィン系樹脂シートに用いられたハロゲン非含有難燃剤粒子の組成を表5に示す。
比較例9と比較例10では直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(a)の配合比率を90重量%としたため、高周波ウエルダー融着性が不十分であり、かつ、接合部の破壊強度も不十分であった。また比較例9、比較例10では耐光安定剤(D−1)、(D−2)の配合量を増量したため、製造から3日目にはシートの表面にこれら耐光安定剤がブルーム(粉ふき)していた。比較例11、比較例12ではエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(b)の配合比率を90重量%に増量したため、高周波ウエルダー融着性は十分であったが耐摩耗性が悪いものとなり、かつ接合部の破壊強度も不十分なものであった。また比較例9〜比較例16のポリオレフィン系樹脂シートのフィルムの防炎性は、消防法に適合可能な防炎性能を初期的に有していたが、耐酸試験の結果、1規定(N)濃度の硝酸水溶液と0.1規定(N)濃度の硫酸水溶液との混合水溶液中に20℃、24時間浸漬した後、室温で自然乾燥させ、その状態で6日間放置し、シートの樹脂内部に酸を濃縮させる過酷な試験において、限界酸素指数は15〜25%低下し、残存強度は30〜50%低下するなど耐酸性に劣るものであった。
また比較例11〜比較例16の耐光安定剤を含まないポリオレフィン系樹脂層のフィルムをカーボンアーク式サンシャインウエザーメーターで1000時間の耐候促進試験を実施し、その耐酸試験を行った結果、残存強度保持率は、その保持率が16〜21%でしかなかった。また樹脂の劣化に伴って、酸性溶液が、ポリオレフィン系樹脂フィルム内部にまで浸透することによってハロゲン非含有難燃剤が腐食されて限界酸素指数値が更に低下するなど、酸性雨を前提とした環境下では、これらの比較例9〜16の難燃化ポリオレフィン系樹脂シートは全く使用できるレベルのものではなかった。また比較例9〜比較例16ではシートの製造方法、特にポリオレフィン樹脂とハロゲン非含有難燃剤(無機系化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物)との混練方法を一括混練としたために、極めて混練効率が悪く、しかも混練設定時間の5分間以内にハロゲン非含有難燃剤を樹脂中に完全に練り込むことができず、テストロールのロール下にはこれらのハロゲン非含有難燃剤が多量にこぼれ落ちた状態であった。従ってハロゲン非含有難燃剤を規定量含むことができない比較例9〜比較例16のシートの防炎性試験は不安定で一部不適合となる例が存在した。また確認のためロール下にこぼれ落ちたこれらの化合物を回収して再度テストロール混練を続けたが、それでも尚ロール下にはこれらの化合物がこぼれ落ちていた。この動作を繰り返すことによってやがてこれらのハロゲン非含有難燃剤を樹脂中に混練することができたが、この動作の繰り返しの間にこれらのハロゲン非含有難燃剤が飛散して大きなロスを生じる結果となった。この結果は表4、表5に示されているとおりである。
Claims (36)
- 繊維布帛を含む基布と、前記基布の少なくとも1面を被覆しているポリオレフィン系樹脂被覆層とを有し、
前記基布用繊維布帛が、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤から選ばれた1種以上からなるケイ素化合物成分を含有する処理剤によって下処理されたものであり、
前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が、
(A)100重量部のポリオレフィン系樹脂ブレンドと
(B)20〜200重量部の、難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、かつ熱硬化性樹脂を含む表面被覆層を有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、
を含み、
前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)が、
(a)メタロセン系触媒の存在下で、エチレンと、少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られた直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂と、
(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなるエチレン系共重合体樹脂と、
を含み、
前記エチレン系共重合体樹脂(b)に含まれる酢酸ビニル及び(メタ)アクリル酸(エステル)の合計重量が、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド(A)の合計重量に対して、5〜30重量%の範囲内にある、
ことを特徴とする、溶融接着強度に優れた耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。 - 前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が前記下処理基布の表面を被覆しており、さらに、前記下処理基布の裏面が、熱可塑性樹脂層により被覆されていて、前記裏面熱可塑性樹脂層が、
(C)100重量部の熱可塑性樹脂と
(B)20〜200重量部の、難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、かつ、熱硬化樹脂を含む表面被覆層とを有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、
を含む、
請求項1に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。 - 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂から選ばれた1種以上の熱硬化性樹脂を含み、かつその被覆層が、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子の重量に対し、2〜15重量%である、請求項1又は2に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層用熱硬化性樹脂に、更に金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物及びシリコーン系化合物から選ばれた1種以上の添加剤が混合されていて、この添加剤の混合量が、熱硬化性樹脂の重量に対して、1〜30重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層中に、耐光安定剤(D)がさらに含有されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記耐光安定剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物、ヒンダードアミン系化合物から選ばれた1種以上を含む、請求項5に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体が、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物の1種以上を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用リン含有化合物が、赤リン、(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリン酸アンモニウムから選ばれる、請求項7に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、グアニジン系化合物、尿素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から選ばれる、請求項7に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、金属複合水酸化物から選ばれる、請求項7に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記基布用繊維布帛が、フィラメント糸条からなり、かつその空隙率が5〜40%である、請求項1又は2に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記基布用繊維布帛の下処理用処理剤が、前記ケイ素化合物成分に加えて、熱可塑性樹脂をさらに含有する、請求項1,2及び11のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記基布用繊維布帛が、繊維形成時に難燃剤を練り込み或いはドーピングすることにより、又は、繊維形成後に後処理により難燃化処理されている、請求項1,2,11及び12のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂製造用メタロセン系触媒が、シクロペンタジエニル誘導体、及びインデニル誘導体の少なくとも1種を含有する有機遷移金属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含む、請求項1又は2に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記裏面熱可塑性樹脂層用熱可塑性樹脂(C)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた1種以上を含む、請求項2に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記裏面熱可塑性樹脂用熱可塑性樹脂(C)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた少なくとも1種と、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂及びアリルフタレート系樹脂から選ばれた少なくとも1種とのブレンドを含む、請求項2に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 前記ポリオレフィン系樹脂被覆層が、0.05〜3.0重量部の耐光安定剤(D)をさらに含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シート。
- 請求項1に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートを製造するために、
(1)前記エチレン系共重合体樹脂(b)中に、前記難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、かつ熱硬化性樹脂を含む表面被覆層とを有するハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の少なくとも1種を高濃度で含む1種以上の(b)+(B)ペレットを製造し、
(2)前記(b)+(B)ペレットの全種と、前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)とを混合して被覆用樹脂コンパウンドを調製し、
(3)前記被覆用樹脂コンパウンドを、カレンダー成形又はT−ダイ押出成形に供して、ポリオレフィン系樹脂フィルムを成形し、
(4)前記ポリオレフィン系樹脂フィルムを、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤から選ばれた1種以上からなるケイ素化合物成分を含有する処理剤によって下処理された繊維布帛からなる基布の少なくとも1面に、積層・貼着する、
ことを特徴とする、溶融接着強度に優れた耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。 - 前記下処理基布の表面に前記ポリオレフィン系樹脂フィルムを積層貼着する工程と、さらに、前記基布の裏面に、熱可塑性樹脂層を形成する工程とを含み、
前記裏面熱可塑性樹脂層が、
(C)100重量部の熱可塑性樹脂と、
(B)20〜200重量部の、難燃剤粒子本体と、その表面に形成され、熱硬化性樹脂を含む表面被覆層を有する少なくとも1種のハロゲン非含有難燃剤粒子と、
を含み、
前記裏面熱可塑性樹脂層の形成工程において、
(a′)前記熱可塑性樹脂(C)の水性エマルジョン及び水性ディスパージョンから選ばれた少なくとも1種からなる水系の樹脂液、或は、
(b′)前記熱可塑性樹脂(C)を有機溶剤中に溶解して得られた溶液、
の中に、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)を含有させて調製された塗布液を前記下処理基布の裏面に塗布し、乾燥する、請求項18に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。 - 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)が、その難燃剤粒子本体の組成、及び/又はその表面被覆層の組成において異る2種以上からなり、
前記(b)+(B)ペレット製造工程において、前記2種以上のハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の全種を、前記エチレン系共重合体樹脂(b)中に混合して単1種の(b)+(B)ペレットを製造する、
請求項18又は19に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。 - 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)が、その難燃剤粒子本体の組成及び/又はその表面被覆層の組成において異る2種以上からなり、
前記(b)+(B)ペレット製造工程において、前記2種以上のハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の少なくとも1種と、前記エチレン系共重合体樹脂(b)とを混合して少なくとも2種の(b)+(B)ペレットを製造し、
前記被覆用樹脂コンパウンド調製工程において、前記2種以上の(b)+(B)ペレットの全種と、前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(a)とを混合して被覆用樹脂コンパウンドを調製する、請求項18又は19に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。 - 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂から選ばれた1種以上の熱硬化性樹脂を含み、かつその被覆率が、前記ハロゲン非含有難燃剤粒子の重量に対し、2〜15重量%である、請求項18〜21のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層用熱硬化性樹脂に、更に金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物及びシリコーン系化合物から選ばれた1種以上の添加剤が混合されていて、この添加剤の混合量が、熱硬化性樹脂の重量に対して、1〜30重量%である請求項18〜22のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の表面被覆層中に、耐光安定剤(D)がさらに含有されている、請求項18〜23のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記耐光安定剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物、ヒンダードアミン系化合物から選ばれた1種以上を含む請求項18〜24のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体が、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物の1種以上を含む、請求項18〜25のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用リン含有化合物が、赤リン、(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリン酸アンモニウムから選ばれる、請求項26に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、グアニジン系化合物、尿素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から選ばれる、請求項26に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記ハロゲン非含有難燃剤粒子(B)の難燃剤粒子本体用無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、金属複合水酸化物から選ばれる、請求項26に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記基布用繊維布帛が、フィラメント糸条からなり、かつその空隙率が5〜40%である、請求項18又は19に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記基布用繊維布帛の下処理用処理剤が、前記ケイ素化合物成分に加えて、熱可塑性樹脂をさらに含有する、請求項18,19及び30のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記基布用繊維布帛が、繊維形成時に難燃剤を練り込み或いはドーピングすることにより、又は、繊維形成後に後処理により難燃化処理されている、請求項18,19,30及び31のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂製造用メタロセン系触媒が、シクロペンタジエニル誘導体、及びインデニル誘導体の少なくとも1種を含有する有機遷移金属化合物と、アルキルアルミノキサンとを含む、請求項18又は19に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記裏面熱可塑性樹脂層用熱可塑性樹脂(C)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた1種以上を含む、請求項19に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記裏面熱可塑性樹脂用熱可塑性樹脂(C)が、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの変性体樹脂から選ばれた少なくとも1種と、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂及びアリルフタレート系樹脂から選ばれた少なくとも1種とのブレンドを含む、請求項19に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
- 前記被覆用樹脂コンパウンドに、0.05〜3.0重量部の耐光安定剤(D)をさらに含有させる、請求項18〜35のいずれか1項に記載の耐酸性雨性難燃化ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
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