JPWO2016006213A1 - 化粧板 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、機能を有する機能材を含有する樹脂塗膜で被覆されて機能材が表面近傍で固定化されていることを特徴とする機能性建材が提案されている。
特許文献2には、該紙の表面に抗菌性金属を担持させたカルシウム系セラミック焼成物粉末よりなる抗菌剤を添加した不飽和ポリエステル樹脂を塗布することで抗菌性ポリエステル化粧板を得る製造方法が提案されている。
本発明は、このような問題に鑑み、メラミン樹脂の劣化を防ぎ、機能性に優れた化粧板を提供するものである。特に、抗菌、抗ウィルス性に優れた化粧板を提供するものである。
実施形態におけるカチオン担体粒子とは、カチオン担体粒子に担持する機能性物質の等電点よりも高い等電点となる粒子を指す。ここで等電点とは、アニオンになる官能基とカチオンになる官能基の両方を持つ粒子において、溶液の水素イオン濃度を変化させたとき,溶質となる粒子の正と負の電荷が全体としてゼロになり,電場をかけても移動しないような状態で、粒子全体の電荷平均が0となるときの水素イオン指数であり、その値をpHとして表す。この等電点は物質により規定される値であり、その一例として、機能性物質の等電点はpH5〜6であるものが多く、それに対して、カチオン担体粒子は、機能性物質の等電点よりも高い等電点となるものを用いることができる。特に、カチオン担体粒子の等電点がpH7以上であることがより望ましい。なお、等電点の測定方法としては、電気泳動法、電気浸透法、流動電位法のいずれかの方法により行うことができる。
他の実施形態は、上記実施形態において、カチオン担体粒子は、前記表層樹脂層表面に対して0.1%以上の面積率で露出して存在する化粧板である。
他の実施形態は、上記実施形態において、機能性物質が可視光応答型光触媒である化粧板である。
他の実施形態は、上記実施形態において、前記表層樹脂層は、シリコーン樹脂およびシランカップリング剤の少なくとも少なくとも一つを含有する化粧板である。
上記実施形態に使用する基板は、特に限定されるものではなく、一般的に化粧板に使用されるコア紙やマグネシアセメント等の不燃基材等から構成されることができる。コア紙は単独でもよく複数枚のコア紙を積層した積層体とすることができる。コア紙の枚数は特に限定されないが1〜20枚とすることができる。コア紙としては、例えば、水酸化アルミニウム抄造紙を使用することができる。コア紙には、フェノール樹脂を含侵させることができる。また、コア紙とマグネシアセメント不燃基材を積層させて基板とすることもできる。
また、表層樹脂層に用いることができる樹脂としては、メラミン樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、グアナミン樹脂などを用いることができる、これらの中でもメラミン樹脂を用いることが望ましい。
本発明の実施形態の化粧板は、表層樹脂層を有する樹脂表面に、カチオン担体粒子を含むスプレー液を吹き付け、乾燥後、熱圧着することにより、樹脂表面上にカチオン担体粒子を露出して固定させ、次いで、カチオン担体粒子が配置された基板を機能性物質を含む溶液中に浸漬することにより機能性物質をカチオン担体粒子表面上に担持させることができる。
他の実施形態の製造方法としては、転写フィルムにカチオン担体粒子を含むスプレー液を吹き付け、次いで、表層樹脂層を有する基板の樹脂表面に転写フィルムの無機担体粒子付着面を対向させて、カチオン担体粒子を熱転写する方法がある。
表層樹脂がシリコーン樹脂を含有すると、メラミン樹脂表面に撥水性を付与することができ、機能性物質をカチオン担体粒子に担持させる際に、図3(a)に模式的に示されるように、カチオン担体粒子13表面だけでなく、樹脂表面に付着した機能性物質14が、図3(b)に示されるようにシリコーン樹脂またはカップリング剤を含有するメラミン樹脂表面の撥水性によって、樹脂表面を避け、極力、カチオン機担体表面に付着するようになり、樹脂表面に直接接触する機能性物質の量をさらに低減することができる。
表層樹脂がカップリング剤を含有すると、メラミン樹脂に硬化性を付与することができ、カチオン担体粒子を熱圧着する際に、メラミン樹脂中に埋没することを防ぐことが出来る。
(一次メラミン含侵工程)
厚さ0.2〜0.3mmの紙ロールをメラミン樹脂を含む溶液中に浸漬する、溶液の温度を20℃、浸漬時間を2分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、メラミン樹脂を含侵させた。
(乾燥工程)
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度100℃、乾燥時間30秒となるように乾燥させた。
乾燥工程を経た紙ロールを、メラミン樹脂、シリコーン、シランカップリング剤からなる溶液中に浸漬させる。溶液の温度を20℃、浸漬時間を30分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、メラミン樹脂、シリコーンおよびシランカップリング剤を含侵させた。
(乾燥・切断工程)
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度100℃、乾燥時間2となるように乾燥させた。乾燥後、910mm×1820mmに切断した。
平均粒径0.5μmのアルミナ粒子とエタノールからなるスプレー液を調整した。スプレー液を常温でスプレーに充填させて、切断したメラミン含侵紙に吹き付けた。
(乾燥工程)
アルミナ粒子を吹き付けたメラミン樹脂含浸紙を乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度110℃、乾燥時間2分となるように乾燥させた。
厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア材を4枚積層し、その上に上記工程により得られたアルミナ粒子を吹き付けたメラミン樹脂含浸紙をアルミナ粒子吹き付けた面が外面となるように積層し、プレス機のプレス面とメラミン樹脂含浸紙のアルミナ吹き付け面との間にPETからなる離形クッション材を介在させて、温度143℃、プレス圧80kg、プレス時間(昇温時間を含む)50分で、熱圧着した。これにより、メラミン樹脂含浸層上にアルミナ粒子が露出して固定された。
平均粒子径100nmのCu−TiO2の光触媒を10wt%を含むアンモニウム塩からなる分散剤中に分散させた光触媒担持溶液を調整した。上記工程で得られたアルミナ粒子が表面に配置されるメラミン樹脂含浸層を表面に有する基板を光触媒位担持液中で、20〜25℃、2分間浸漬することにより、アルミナ粒子上に光触媒を担持させた。
上記実施例1における(一次メラミン含侵工程)〜(組合せ工程)と同様にして、アルミナ粒子が露出して固定されたメラミン樹脂層を有する基板を得た。次いで、平均粒子径100nmのPt−TiO2の光触媒を10wt%を含むアンモニウム塩からなる分散剤中に分散させた光触媒担持溶液を調整した。上記工程で得られたアルミナ粒子が表面に配置されるメラミン樹脂含浸層を表面に有する基板を光触媒位担持液中で、20〜25℃、2分間浸漬することにより、アルミナ粒子上に光触媒を担持させた。
上記実施例1における(一次メラミン含侵工程)〜(乾燥・切断工程)と同様にして、メラミン樹脂含浸紙を得た。次いで、厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア材を4枚積層し、その上に上記工程により得られたメラミン樹脂含浸紙を載せ、プレス機により、温度143℃、プレス圧80kg、プレス時間(昇温時間を含む)50分で、熱圧着した。これにより、表面にメラミン樹脂含浸層を有する基板が得られた。
上記実施例1における(一次メラミン含侵工程)〜(乾燥・切断工程)と同様にして、メラミン樹脂含浸紙を得た。次いで、厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア材を4枚積層し、その上に上記工程により得られたメラミン樹脂含浸紙を載せ、プレス機により、温度134℃、プレス圧80kg、プレス時間(昇温時間を含む)50分で、熱圧着した。これにより、表面にメラミン樹脂含浸層を有する基板が得られた。
平均粒子径100nmのCu−TiO2の光触媒を10wt%を含むアンモニウム塩からなる分散剤中に分散させた光触媒担持溶液を調整した。上記工程で得られたメラミン樹脂含浸層を表面に有する基板を光触媒位担持液中で、20〜25℃、2分間浸漬することにより、メラミン樹脂含浸層に光触媒を担持させた。
実施例1、2および比較例1,2で得られた光触媒が担持された化粧板をJIS K6902 耐候性D4に準じて外観評価を行った。カーボンアークランプで規定の照射暴露量で照射させ、60±3℃の恒温槽に48時間保持した後のメラミン樹脂からなる表層樹脂層の変色、凹凸等の劣化を観察した。色差ΔEが3以下であることが問題なしと判断した。
実施例1および2の化粧板では、色差ΔEが2以下であり、問題がなかったが、比較例の化粧板は、色差ΔEが3を越えて、変色され、表面にざらつきが生じるなど、表面の劣化が観察された。
実施例1、2および比較例1,2で得られた光触媒が担持された化粧板の抗菌性を評価するために、JIS R1756 可視光応答形光触媒材料の抗ウィルス性試験方法に準じて行った。測定結果は、大腸菌に対して不活化されていないウィルス濃度で表し、その結果を表1に示した。
ここで、ウィルス濃度の指標として、ファージウィルス不活度を参照して、大腸菌に対して不活化されていないウィルスの濃度(非不活化度)を使用した。ファージウィルス不活度とは、バクテリオファージを用いた抗ウィルス試験で、ファージウィルスQβ濃度:830万個/mlを用いて、大腸菌に感染することができるウィルスの濃度を測定することにより、大腸菌に対して不活化されたウィルスの濃度を算出した結果である。すなわち、ファージウィルス不活度は、ファージウィルスQβ濃度に対して、大腸菌に感染することができない濃度の度合いであり、(ファージウィルスQβ濃度−大腸菌に感染することができるウィルスの濃度)/(ファージウィルスQβ濃度)で算出することができる。ファージウィルス不活度を参考にして、本実施例では、ファージウィルス不活度を参考にして、不活化されていないウィルス濃度の度合である、(大腸菌に感染することができるウィルスの濃度)/(ファージウィルスQβ濃度)の値を非不活度として算出した。非不活度の値が低いほど、抗菌性に優れるといえる。
12 表層樹脂層
13 カチオン担体
14 機能性物質
15 表層樹脂層面
16 シランカップリング剤含侵樹脂層面
3 従来の化粧板
A 樹脂表面面積(合計)
B カチオン担体粒子表面面積(合計)
Claims (9)
- 基板と、
前記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、
前記表層樹脂層上に露出して配置されるカチオン担体粒子と、
前記カチオン担体粒子上に担持される機能性物質と、
を有する化粧板。 - 前記カチオン担体粒子は、アルミナ含有粒子であることを特徴とする請求項1に記載の化粧板。
- 前記アルミナ含有粒子は、アルミナの含有量が5wt%以上であることを特徴とする請求項2に記載の化粧板。
- 前記カチオン担体粒子は、アルミナまたはアルミン酸ストロンチウムのいずれからなる粒子であることを特徴とする請求項1に記載の化粧板。
- 前記カチオン担体粒子の平均粒子径は、0.1μm〜55μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧板。
- 前記カチオン担体粒子は、前記表層樹脂層表面に対して0.1%以上の面積率で露出して存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧板。
- 前記機能性物質は、可視光応答型光触媒であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧板。
- 前記可視光応答型光触媒は、白金担持チタニア触媒、銅担持チタニア触媒、鉄担持チタニア触媒、窒素ドープチタニア触媒、硫黄ドープチタニア触媒、炭素ドープチタニア触媒、酸化タングステンのいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の化粧板。
- 前記表層樹脂層は、シリコーン樹脂および/またはシランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の化粧板。
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