JP6242463B2 - 化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧板に関する。
従来から、メラミン化粧板等の化粧板の表層に、光触媒、抗菌性組成物などの機能性物質を添加もしくは塗布することで、防汚性、抗菌性等の機能性を付与した化粧板が提供されている。
特許文献1には、紙の表面に抗菌性金属を担持させたカルシウム系セラミックス焼成物粉末よりなる抗菌剤を添加した不飽和ポリエステル樹脂を塗布することで抗菌性ポリエステル化粧板を得る製造方法が提案されている。
特許文献2には、抗菌性金属を担持させた、カルシウム系セラミックス焼成物粉末を添加した熱硬化性樹脂液を化粧紙に含浸、乾燥させて得た含浸紙を、該含浸紙が化粧板表面層を構成するように基材に重ね、熱圧成形されていることを特徴とする熱硬化性樹脂化粧板が提案されている。
特開平07−304619号公報 特開平6−279218号公報
特許文献1及び特許文献2に記載された化粧板では、以下のような問題があった。
特許文献1及び特許文献2ではセラミックなどの無機物質に抗菌性金属を担持させて用いられている。これらの化粧板を抗ウィルス、抗菌の目的で使用することができる。しかしながら、ウィルスや細菌が液体や気体などの流体などに含まれている場合、ウィルスや細菌が運動エネルギーを持つため、表面の抗菌性金属に接触して失活する前に、化粧板表面から脱離してしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、意匠性へ与える影響を小さくとどめながら、ウィルスや細菌が液体や気体などの流体などに含まれていても、抗菌性、抗ウィルス性等の効果に優れた化粧板を提供することを目的とする。
第一の本発明の化粧板は、基板と、上記基板の一方面又は両面上に積層された表層樹脂層と、上記表層樹脂層上に固定されたAg、Cu、Zn及びPtの少なくとも1種からなる金属粒子を有することを特徴とする。
第一の本発明の化粧板では、表層樹脂層にAg、Cu、Zn及びPtの少なくとも1種からなる金属粒子が固定されており、セラミック粒子などの余分な成分を表層樹脂層に含有しない。また、金属粒子は、表層樹脂層上に固定されているので、細菌、ウィルスと接触しやすい。このため、これらの金属粒子は、抗菌性、抗ウィルス性を効率よく発揮することができ、しかも、金属粒子が表層樹脂層上に点在しているため、表層樹脂層が化粧層の場合であっても、表層樹脂層がオーバーレイ層であり、その下に化粧層が設けられている場合でも、化粧層を視認でき、余分な成分により白濁するなど化粧板の意匠への影響を小さくすることができる。従って、第一の本発明の化粧板は、抗菌性、抗ウィルス性等の効果を有し、かつ、化粧板の意匠性への影響を小さくすることができる。
第一の本発明の化粧板において、上記金属粒子は、上記表層樹脂層に直接固定され、上記金属粒子の一部は、上記表層樹脂層から露出していることが望ましい。
第一の本発明の化粧板において、金属粒子の一部が表層樹脂層から露出していると、抗菌性、抗ウィルス性等の効果がより大きくなり、かつ、長期間に渡って、その効果が持続する。
第一の本発明の化粧板において、上記金属粒子の平均粒子径は、0.1〜55μmが望ましい。上記金属粒子の平均粒子径は、0.1〜55μmであると、表層樹脂層上に固定され易く、かつ、表層樹脂層の外観等に不具合が生じにくい。
第二の本発明の化粧板は、基板と、
上記基板の一方面又は両面上に積層された表層樹脂層と、
上記表層樹脂層上に担持された抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属とからなり、上記表層樹脂層には、凹陥模様を有してなることを特徴とする化粧板である。
第二の本発明の化粧板では、ウィルスや細菌が凹陥没模様を構成する凹溝部にトラップされて、凹溝部表面に担持された抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属に十分な時間接触するため、流体中の運動エネルギーを持っているウィルスや細菌でも失活させることができる。
第二の本発明の化粧板において、上記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、表層樹脂層上に担持されていることが望ましい。
上記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属が表層樹脂層上に担持されていると、細菌、ウィルスと接触しやすいので、抗菌性、抗ウィルス性を効率よく発揮することができる。
第二の本発明の化粧板において、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、Ag、Cu、Zn及びPtの少なくとも1種であることが望ましい。
第二の本発明の化粧板において、これらの金属は、強い抗菌性、抗ウィルス性を有しているからである。
第二の本発明の化粧板において、上記凹陥模様を構成する凹溝部の表面に抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属が担持されていることが望ましい。凹溝部にウィルス、細菌がトラップされると、トラップされたウィルスや細菌が凹溝部の表面の抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属と十分な時間接触するため、これらを失活させることができる。
第二の本発明の化粧板において、上記凹陥模様を構成する凹溝部の深さは、10〜50μmであることが望ましい。
第二の本発明の化粧板において、上記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、金属化合物からなることが望ましい。金属化合物としては、例えば抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属がイオン結合した塩化物、硫酸塩、硝酸塩などのほか抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属の錯イオンがイオン結合した化合物などが挙げられる。具体的には、硝酸銀、硝酸銅、塩化銀、塩化銅、硫酸亜鉛、cis-ジエチルビス(TPPTS)白金(II)錯体cis-PtEt(TPPTS)などを使用することができる。
上記金属もしくは上記金属化合物は、ゼオライト、アパタイトまたは六方晶リン酸ジルコニウムなどの無機粒子に担持されているか、無機粒子に含有されていることが望ましい。また、イオン交換により無機粒子に担持もしくは含有されていてもよい。単位面積当たりの抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属の担持量を増やすことができるからである。
上記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属が担持された無機粒子、もしくは、上記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属を含む無機粒子は、表面樹脂層上に固定されていてもよく、当該無機粒子は、表面樹脂層の内部に含有されるともに、表面樹脂層の表面からその一部が露出するように担持されていてもよい。
第二の本発明の化粧板において、金属化合物は、容易に微細粒子を形成することができるので、光の影響を受けにくくすることができ、より意匠性への影響を小さくすることができる。
第二の本発明の化粧板において、上記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、金属粒子からなることが望ましい。
第二の本発明の化粧板において、金属粒子は、抗ウィルス、抗菌の成分そのものであるので、少ない含有量でより効果的に抗ウィルス性、抗菌性を発揮することができる。
第二の本発明の化粧板において、金属粒子は、表層樹脂層に直接固定され、金属粒子の一部は、表層樹脂層から露出していることが望ましい。
第二の本発明の化粧板において、金属粒子の一部が表層樹脂層から露出していると、抗菌性、抗ウィルス性等の効果がより大きくなり、かつ、長期間に渡って、その効果が持続する。
第二の本発明の化粧板において、上記金属粒子の平均粒子径は、0.1〜55μmであることが望ましい。
第二の本発明の化粧板において、上記金属粒子の平均粒子径が0.1〜55μmであると、表層樹脂層上に固定され易く、かつ、表層樹脂層の外観等に不具合が生じにくい。
第二の本発明の化粧板において、上記表層樹脂層は、化粧層もしくはオーバーレイ層を構成していることが望ましい。
図1は、本発明の実施形態1に係る化粧板を模式的に示す概略断面図である。 図2(a)および(b)は、本発明の実施形態2に係る化粧板の断面図である。
以下、本発明の化粧板について詳細に説明する。
なお、第一の本発明の化粧板は、本発明の実施形態1に係る化粧板を含む発明であり、第二の本発明の化粧板は、本発明の実施形態2に係る化粧板を含む発明である。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る化粧板を模式的に示す概略断面図である。
本発明の実施形態1に係る化粧板10は、基板(図示せず)と、基板の表面上に積層されたメラミン樹脂等からなる表層樹脂層12を有し、金属粒子13が表層樹脂層12上に固定されるとともに、その一部が表層樹脂層12より露出して配置された構造を有する。
本発明の実施形態1に係る化粧板では、表層樹脂層にAg、Cu、Zn及びPtの少なくとも1種からなる金属粒子が固定されており、セラミック粒子などの余分な成分を表層樹脂層に含有しない。また、金属粒子は、表層樹脂層上に固定されているので、細菌、ウィルスと接触しやすい。このため、これらの金属粒子は、抗菌性、抗ウィルス性を効率よく発揮することができ、しかも余分な成分により白濁するなど化粧板の意匠への影響を小さくすることができる。従って、本発明の実施形態1に係る化粧板は、抗菌性、抗ウィルス性等の効果を有し、かつ、金属粒子が点在しているため、化粧板の意匠性への影響を小さくすることができる。
本発明の実施形態1に係る化粧板に使用する基板は、特に限定されるものではなく、一般的に化粧板に使用されるコア紙やマグネシアセメント等の不燃基材等を使用することができる。コア紙は単独でもよく複数枚のコア紙を積層した積層体としてもよい。コア紙の枚数は特に限定されないが、1〜20枚とすることができる。コア紙としては、例えば、水酸化アルミニウム抄造紙を使用することができる。コア紙には、フェノール樹脂を含浸させることができる。また、コア紙とマグネシアセメント不燃基材を積層させて基板とすることもできる。
マグネシアセメント不燃基材は、単独で使用することにより、又は、コア紙の中心部に積層して配置させることにより基板を構成することができる。マグネシアセメント不燃板は、酸化マグネシウム(MgO)と塩化マグネシウム(MgCl)を混合し、さらに骨材と水を加えて混練し、板状に成形することにより製造されるものである。骨材としては、ロックウール、グラスウール等の無機質繊維、ウッドチップ、パルプ等の有機質繊維を用いることができる。また、マグネシアセメント不燃板の強度を高めるため、中間層として網目状等に形成されたガラス繊維層を設けることができる。
複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材からなる基板表面上に表層樹脂層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことができる。例えば、基板の片面又は両面にメラミン樹脂含浸紙を積層し、熱圧成形する方法を用いることができる。上記方法を用いると、メラミン樹脂含浸紙のメラミン樹脂がコア紙に浸透し、そこで硬化反応が進行して、コア紙に対するメラミン樹脂含浸紙の接着力が発現する。
また、本発明の実施形態1に係る化粧板を構成する表層樹脂層に用いることができる樹脂としては、メラミン樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、グアナミン樹脂などが挙げられる。これらの中では、メラミン樹脂を用いることが望ましい。
メラミン樹脂は、透光性などの光学的、視覚的特性を損なうことなく、寸法安定性や靭性を改善した樹脂である。メラミン樹脂としては、メラミン及びその誘導体をモノマーとする樹脂であれば公知のものを採用することができる。また、メラミン樹脂は、単一のモノマーからなる樹脂であってもよく、複数のモノマーからなる共重合体であってもよい。メラミンの誘導体としては、例えば、イミノ基やメチロール基、メトキシメチル基、ブトキシメチル基等のアルコキシメチル基などの官能基を有する誘導体が挙げられる。また、メチロール基を有するメラミン誘導体に低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物をモノマーとして用いることができる。モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメチロール基を有する誘導体(以下、「メチロール化メラミン」という。)を架橋剤としてメラミンと共重合させてなるメラミン樹脂を用いることができる。
メラミン樹脂含浸紙は、パターン紙にメラミン樹脂を所定の含浸率で含浸させた後、加熱、乾燥させることにより作製される。メラミン樹脂をパターン紙に含浸させるには、溶媒として、例えば、ホルムアルデヒド水溶液を使用したメラミン樹脂含有溶液中にパターン紙を浸漬することにより行うことができる。また、メラミン樹脂含浸紙に曲げ加工性を付与するために、メラミン樹脂と共に可塑剤を含む溶液を含浸させることができる。可塑剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、パラトルエンスルフォン酸アミド、尿素等を使用することができる。パターン紙としては、例えばチタン紙が用いられる。パターン紙の坪量は、パターン紙の厚みや重さを考慮して80〜150g/mとすることができる。加熱、乾燥の温度は、パターン紙にメラミン樹脂を強固に固着させるために100〜150℃に設定することができる。
本発明の実施形態1に係る化粧板を構成する表層樹脂層は、模様や色彩が印刷された印刷紙に樹脂が含浸された化粧層であってもよく、填料の量が15%以下で樹脂を含浸した場合には透光性となるオーバーレイ紙に樹脂が含浸されたオーバーレイ層でもよい。表層樹脂層がオーバーレイ層である場合には、化粧層はオーバーレイ層の下に設けられる。
なお、填料とは紙に添加して、白色度や平滑度を調製するための無機粒子(フィラー)であり、炭酸カルシウム、タルク、クレーおよびカオリンから選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。填料は無機粒子であるため、填料の含有量は紙の重量と紙を強熱して残存する灰分の重量から計算することができる。
本発明の実施形態1に係る化粧板を構成する金属粒子は、Ag、Cu、Zn及びPtの少なくとも1種からなる。
表層樹脂層上には、単独のAg粒子、Cu粒子、Zn粒子又はPt粒子が固定されていてもよく、Ag粒子、Cu粒子、Zn粒子及びPt粒子の2種以上が固定されていてもよく、Ag、Cu、Zn及びPtのうち、少なくとも2種を含む合金の金属粒子が固定されていてもよい。金属粒子は、表層樹脂層12中に埋設されていてもよいが、図1に示すように、金属粒子13の一部が表層樹脂層12より露出していることが望ましい。金属粒子13が表層樹脂層12中に埋設されている場合であって、表層樹脂層12が摩耗した場合、金属粒子13が露出するため、長期間に亘って抗菌、抗ウィルス性能を維持できる。
また、上記金属粒子の形状は、表面に多数の凹凸が形成されていることが好ましい。金属粒子の表面の凹凸が表層樹脂層に食い込み、金属粒子が表層樹脂層に止まり、脱落しにくいからである。
本発明の実施形態1に係る化粧板において、金属粒子の平均粒子径は0.1〜55μmであることが望ましく、0.5〜5μmであることがより望ましい。金属粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、本発明の実施形態1に係る化粧板を構成する表層樹脂層から金属粒子が露出しにくくなり、抗菌性、抗ウィルス性の効果を充分に発揮することが難しくなる。一方、金属粒子の平均粒子径が55μmを超えると、表層樹脂層の外観に不具合が生じる傾向にあり、また、清掃等により、表層樹脂層から脱落し易くなる。金属粒子の平均粒子径が0.5〜5μmであると、抗菌性、抗ウィルス性の効果を充分に発揮することができ、外観及び意匠性においても問題とならない。
本発明の実施形態1に係る化粧板では、上述のように、表層樹脂層上に金属粒子が固定され、上記金属粒子の一部は、上記表層樹脂層から露出していてもよい。
本発明の実施形態1に係る化粧板において、表層樹脂層は、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有することが望ましい。表層樹脂層がシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有すると、メラミン樹脂等に硬化性を付与することができる。表層樹脂層上に金属粒子を固定する際には、金属粒子を表層樹脂層に熱圧着する方法が有効であるが、表層樹脂層がより硬化するので、金属粒子を熱圧着する際に、表層樹脂層中に埋没するのを防ぐことができる。
次に、本発明の実施形態1に係る化粧板の製造方法について説明する。
最初に、複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材等からなる基板表面上に表層樹脂層を形成する。上記基板やその製造方法、上記表層樹脂層については、本発明の実施形態1に係る化粧板の説明において説明したので、ここでは省略する。
本発明の実施形態1に係る化粧板においても説明したが、基板表面上に表層樹脂層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことができる。具体的な表層樹脂層の形成方法としては、例えば、コア紙の積層体からなる基板の片面又は両面にメラミン樹脂等の樹脂含浸紙を積層する積層工程と、メラミン樹脂等の樹脂含浸紙が積層された基板を熱圧成形する熱圧成形工程を含む方法が挙げられる。上記方法を用いると、メラミン樹脂含浸紙のメラミン樹脂がコア紙に浸透し、そこで硬化反応が進行して、コア紙に対するメラミン樹脂含浸紙の接着力が発現する。
熱圧成形する際の加熱条件としては、化粧板の温度を125〜150℃とすることができ、加圧条件としては、1.96〜9.80MPa(20〜100kg/cm)とすることができる。温度が125℃未満の場合又は圧力が1.96MPa未満の場合には、基板に対する樹脂含浸紙の密着性が不足し、剥離が発生しやすくなる。一方、温度が150℃を超える場合又は圧力が9.80MPaを超える場合には、亀裂が発生するおそれがある。
基板上に表層樹脂層を有する表層樹脂層表面に、金属粒子を固定する方法としては、例えば、金属粒子と分散媒とを含む塗布液を表層樹脂層表面に塗布し、上記金属粒子を表層樹脂層上に分散させた後、乾燥を行い、その上に平板状のプレス板を載置し、圧力を加えることにより熱圧着する方法をとることができる。上記方法により、樹脂表面上に金属粒子を露出して固定させることができる。上記金属粒子が表層樹脂層にしっかりと固定されるためには、上述したように、金属粒子の表面に多数の凹凸が形成されていることが望ましい。
本発明の実施形態1に係る化粧板の製造方法においては、金属粒子を表層樹脂層表面に熱圧着する際、金属粒子の塗布面と熱圧着プレス面との間にポリエチレンテレフタレート(PET)からなる離形クッション材を介在させて行うことができる。これによって、金属粒子が表層樹脂層内に埋没するのを防止することができ、表層樹脂層の表面上に露出して固定することができる。
他の化粧板の製造方法としては、転写フィルムに金属粒子と分散媒とを含む塗布液を塗布し、次いで、表層樹脂層を有する基板の表層樹脂層の表面に、転写フィルムの金属粒子付着面を対向させて、金属粒子を熱転写する方法が挙げられる。
表層樹脂層を硬くするために、表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有させる際には、メラミン樹脂溶液中に、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含ませることによって、表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含浸する方法を用いることができる。
<実施形態2>
図2(a)および(b)は、本発明の実施形態2に係る化粧板の断面図である。
本発明の実施形態2に係る化粧板2Aは、図2(a)に示すように、基材21上に、模様等が印刷された化粧紙にメラミン樹脂を含浸した化粧層24が設けられて一体化された化粧板である。
この実施形態にかかる化粧板2Aでは、化粧層24が表層樹脂層22となっており、表面に凹陥模様26が形成されてなる。この化粧層24(表層樹脂層22)の表面に、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属23が担持されている。
本発明の実施形態2に係る別の化粧板2Bは、図2(b)に示すように、基材21上に、模様等が印刷された化粧紙にメラミン樹脂を含浸した化粧層24が設けられて、この化粧層24の上に、無機粒子からなる填料の量が15%以下の透光性の高いオーバーレイ紙にメラミン樹脂を含浸させたオーバーレイ層25を積層して一体化したものである。オーバーレイ層25は、表層樹脂層22となっており、オーバーレイ層25には、凹陥模様26が設けられている。このオーバーレイ層25(表層樹脂層22)の表面に、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属23が担持されている。
流体中に含まれるウィルスや細菌が、凹陥模様26を構成する凹溝部にトラップされると、この凹溝部の表面に担持された抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属とウィルスもしくは細菌が十分な時間接触して、ウィルスもしくは細菌を失活させることができる。
上記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、化粧層24やオーバーレイ層25の内部に含有されていてもよい。化粧層やオーバーレイ層が摩耗しても、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属が新たに表出するため、抗ウィルス性、抗菌性を持続させることができるからである。
本発明の実施形態2に係る化粧板に使用する基材21は、特に限定されるものではなく、一般的に化粧板に使用されるコア紙やマグネシアセメント等の不燃基材等を使用することができる。コア紙は単独でもよく複数枚のコア紙を積層した積層体としてもよい。コア紙の枚数は特に限定されないが、1〜20枚とすることができる。コア紙としては、例えば、水酸化アルミニウム抄造紙を使用することができる。コア紙には、フェノール樹脂を含浸させることができる。また、コア紙とマグネシアセメント不燃基材を積層させて基板とすることもできる。
マグネシアセメント不燃基材は、単独で使用することにより、又は、コア紙の中心部に積層して配置させることにより基板を構成することができる。マグネシアセメント不燃板は、酸化マグネシウム(MgO)と塩化マグネシウム(MgCl)を混合し、さらに骨材と水を加えて混練し、板状に成形することにより製造されるものである。骨材としては、ロックウール、グラスウール等の無機質繊維、ウッドチップ、パルプ等の有機質繊維を用いることができる。また、マグネシアセメント不燃板の強度を高めるため、中間層として網目状等に形成されたガラス繊維層を設けることができる。
複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材からなる基板表面上に表層樹脂層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことができる。例えば、基板の片面又は両面にメラミン樹脂含浸紙を積層し、熱圧成形する方法を用いることができる。上記方法を用いると、メラミン樹脂含浸紙のメラミン樹脂がコア紙に浸透し、そこで硬化反応が進行して、コア紙に対するメラミン樹脂含浸紙の接着力が発現する。
また、本発明の実施形態2に係る化粧板を構成する表層樹脂層に用いることができる樹脂としては、メラミン樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、グアナミン樹脂などが挙げられる。これらの中では、メラミン樹脂を用いることが望ましい。
メラミン樹脂は、透光性などの光学的、視覚的特性を損なうことなく、寸法安定性や靭性を改善した樹脂である。メラミン樹脂としては、メラミン及びその誘導体をモノマーとする樹脂であれば公知のものを採用することができる。また、メラミン樹脂は、単一のモノマーからなる樹脂であってもよく、複数のモノマーからなる共重合体であってもよい。メラミンの誘導体としては、例えば、イミノ基やメチロール基、メトキシメチル基、ブトキシメチル基等のアルコキシメチル基などの官能基を有する誘導体が挙げられる。また、メチロール基を有するメラミン誘導体に低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物をモノマーとして用いることができる。モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメチロール基を有する誘導体(以下、「メチロール化メラミン」という。)を架橋剤としてメラミンと共重合させてなるメラミン樹脂を用いることができる。
メラミン樹脂含浸紙は、パターン紙にメラミン樹脂を所定の含浸率で含浸させた後、加熱、乾燥させることにより作製される。メラミン樹脂をパターン紙に含浸させるには、溶媒として、例えば、ホルムアルデヒド水溶液を使用したメラミン樹脂含有溶液中にパターン紙を浸漬することにより行うことができる。また、メラミン樹脂含浸紙に曲げ加工性を付与するために、メラミン樹脂と共に可塑剤を含む溶液を含浸させることができる。可塑剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、パラトルエンスルフォン酸アミド、尿素等を使用することができる。パターン紙としては、例えばチタン紙が用いられる。パターン紙の坪量は、パターン紙の厚みや重さを考慮して80〜150g/mとすることができる。加熱、乾燥の温度は、パターン紙にメラミン樹脂を強固に固着させるために100〜150℃に設定することができる。
本発明の実施形態2に係る化粧板において、表層樹脂層は、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有することが望ましい。シリコーン樹脂としては、例えば、シリコーンレジン、変性シリコーンオイル等を用いることができる。変性シリコーンオイルとしては、分子内に1個以上の官能基を有するシリコーンオイルを用いることができる。官能基を導入する位置は特に限定されず、ポリシロキサン主鎖の片末端、両末端あるいは側鎖のいずれの位置に導入してもよい。また、官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基、メトキシ基、ヒドラジノ基、エポキシ基、メタクリル基、カルボキシル基、カルビノール基等を導入することができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基といった官能基を持ったものが望ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、ジアリルジメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネ−トプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明の実施形態2に係る化粧板おいて、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、Ag、Cu、Zn及びPtの少なくとも1種であることが望ましく、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属に含まれる金属化合物としては、上記金属化合物、イオン化合物などが挙げられる。抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、金属イオンの状態でもよい。
また、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、無機粒子に担持されるか、もしくは無機粒子に含有されていることが望ましい。単位面積当たりの抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属の量を増やすことができ、高い抗ウィルス性、抗菌性を発現させることができるからである。上記無機粒子は、ゼオライトもしくはアパタイトであることが望ましい。
上記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、表層樹脂層の表面に担持されていてもよく、表層樹脂層中に含まれており、その一部が表層樹脂層の表面から露出していてもよい。
後者の場合は、表層樹脂層が摩耗しても抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属が新たに露出するため、抗ウィルス性、抗菌性を持続させることができる。
次に、本発明の実施形態2に係る化粧板の製造方法について説明する。
最初に、複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材等からなる基材表面上に表層樹脂層を形成する。
基材表面上に表層樹脂層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことができる。具体的な表層樹脂層の形成方法としては、例えば、コア紙の積層体からなる基板の片面又は両面にメラミン樹脂等の樹脂含浸紙を積層する積層工程と、メラミン樹脂等の樹脂含浸紙が積層された基板を熱圧成形する熱圧成形工程を含む方法が挙げられる。上記方法を用いると、メラミン樹脂含浸紙のメラミン樹脂がコア紙に浸透し、そこで硬化反応が進行して、コア紙に対するメラミン樹脂含浸紙の接着力が発現する。
熱圧成形の際には、所望する凹陥模様に対応する凸部が設けられた賦型板を使用し、凸部がメラミン樹脂含浸紙に接するように、メラミン樹脂含浸紙の上に載置して熱圧して、凹陥模様を形成する。上記賦型板はステンレス製が望ましい。
上記メラミン樹脂含浸紙は、化粧層もしくはオーバーレイ層を構成する。オーバーレイ層を構成する場合は、化粧層上にオーバーレイ層が積層されて一体化される。
熱圧成形する際の加熱条件としては、化粧板の温度を125〜150℃とすることができ、加圧条件としては、1.96〜9.80MPa(20〜100kg/cm)とすることができる。温度が125℃未満の場合又は圧力が1.96MPa未満の場合には、基板に対する樹脂含浸紙の密着性が不足し、剥離が発生しやすくなる。一方、温度が150℃を超える場合又は圧力が9.80MPaを超える場合には、亀裂が発生するおそれがある。
表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有させる際には、メラミン樹脂溶液中に、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含ませることによって、表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含浸する方法を用いることができる。
抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属を付与する方法は特に限定されないが、表層樹脂層に含浸する未硬化の樹脂溶液中に、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属の化合物を分散もしくは溶解させておいてもよい。また、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属の化合物の分散液もしくは溶液を積層前のメラミン樹脂含浸紙に塗布して熱圧成形して凹陥模様を形成してもよく、熱圧成形により硬化して凹陥模様が形成された表層樹脂層に抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属の化合物の分散液もしくは溶液を塗布してもよい。さらに、ハイドロキシアパタイトやゼオライトなどの無機粒子原料を抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属の化合物と混合し、これを乾燥、焼成した後、粉砕することで抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属を含有する無機粒子として、この無機粒子を溶媒に分散させて塗布したり、表層樹脂層に含浸する未硬化の樹脂溶液中に含有させてもよい。この場合、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は多孔質の無機粒子の内部の細孔に担持されているか、もしくは、表面に担持されている。
上記凹陥模様を構成する凹溝部の深さは、10〜50μmであることが望ましい。深すぎると、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属が局在化して抗ウィルス性、抗菌性が低下し、逆に浅すぎるとウィルス等をトラップできず、抗ウィルス性、抗菌性が低下するからである。
なお、本発明の実施形態2に係る化粧板の製造方法においても、化粧板を構成する基板、及び、表層樹脂層に用いる樹脂は、本発明の実施形態1と同様である。また、本発明の実施形態2に係る化粧板おいて、抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属として金属粒子を用いる場合にも、金属粒子は、本発明の実施形態1と同様である。
(実施例1)
(一次メラミン含浸工程)
厚さ0.2〜0.3mmのロール紙を、メラミン樹脂を含む溶液中に浸漬する。溶液の温度20℃、浸漬時間2分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、ロール紙にメラミン樹脂を含浸させる。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒である。
(乾燥工程)
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度100℃、乾燥時間30秒となるように乾燥させる。
(二次メラミン含浸工程)
乾燥工程を経たロール紙を、メラミン樹脂からなる溶液中に浸漬させた。溶液の温度20℃、浸漬時間30分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、メラミン樹脂をロール紙に含浸させる。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒である。
(乾燥・切断工程)
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機により、温度100℃、乾燥時間2時間となるように乾燥させる。乾燥後、910mm×1820mmに切断する。
(Ag粒子スプレー工程)
平均粒子径2μmのAg粒子とエタノールからなる塗布液を調製する。塗布液をスプレーを用いて切断したメラミン含浸紙の表面に塗布する。
(乾燥工程)
Ag粒子を含む塗布液を塗布したメラミン樹脂含浸紙を乾燥機により、温度110℃、乾燥時間2分となるように乾燥させる。
(組合せ工程)
厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、上記工程により得られたAg粒子を含む塗布液をメラミン樹脂含浸紙に塗布した塗布面が外面となるように積層し、プレス機のプレス面とメラミン樹脂含浸紙の塗布面との間にPETからなる離形クッション材を介在させて、温度143℃、プレス圧80kg/cm、プレス時間(昇温時間を含む)50分で熱圧着する。これにより、メラミン樹脂含浸層上にAg粒子が露出した状態で固定することができる。
実施例1にかかる化粧板は、銀粒子が点在しており、化粧層の意匠性を損なうことがない。
(実施例2)
(一次メラミン含浸工程)
表面に木目模様が印刷された厚さ0.2〜0.3mmの含浸紙を、メラミン樹脂を含む溶液中に浸漬する。溶液の温度20℃、浸漬時間2分となるように、含浸紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、含浸紙にメラミン樹脂を含浸させる。
(乾燥工程)
メラミン溶液中を通過した含浸紙は、乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度100℃、乾燥時間30秒となるように乾燥させる。
(抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属の塗布)
1リットルの純水にハイドロキシアパタイト100g、硝酸銀3g、硝酸亜鉛7gを加え撹拌した後水洗乾燥し、約1100℃で焼成して、ボールミルで平均粒子径が1μmになるよう粉砕して、銀の量が約2%、亜鉛が約1.5%になるように担持された抗菌性ハイドロキシアパタイト焼成粉末を得る。ハイドロキシアパタイト粉末をエタノールに分散させて、スプレーにてメラミン樹脂含浸紙に塗布する。
(切断工程)
乾燥後、910mm×1820mmに切断する。
(組み付け工程)
厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、上記工程により得られたメラミン樹脂含浸紙を抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属を含むハイドロキシアパタイト粉末が塗布された側をコア紙の反対側となるように積層する。さらに、木目の導管模様の凹凸を化粧板の表面に形成するために、導管の凹溝に対応する凸部が形成されたステンレス製の賦型板を、凸部がメラミン樹脂含浸紙に対面するように、フッ素樹脂フィルムを介して載置し、さらにプレス機のプレス面と賦型板との間にPETからなる離形クッション材を介在させて、温度143℃、プレス圧80kg/cm、プレス時間(昇温時間を含む)50分で熱圧着する。これにより、メラミン樹脂含浸紙の表面に、深さ23.6〜45.3μmの凹溝部からなる導管模様(凹陥模様)が形成される。また、AgとCuからなる抗ウィルス性もしくは抗ウィルス性を示す金属もハイドロキシアパタイトを介してメラミン含浸紙の表面に担持される。
この化粧板は、表面に凹溝部が形成されており、液体や気体などの流体中のウィルスや細菌をトラップすることができ、流体中の運動エネルギーを持っているウィルスや細菌を失活させることができる。
(実施例3)
実施例2と同様であるが、cis-. ジエチルビス(TPPTS)白金(II)錯体cis-PtEt(TPPTS)の粉末をメラミン樹脂液中に分散させて、含浸紙に上記白金錯体含有のメラミン樹脂を含浸させる。銀、亜鉛含有ハイドロキシアパタイト粉末を塗布することなく、メラミン樹脂含浸紙とフェノール樹脂含浸紙を積層し、加熱加圧して、メラミン樹脂含浸紙の表面に、深さ23.6〜45.3μmの凹溝部からなる導管模様(凹陥模様)が形成された化粧板を製造し、表面に高圧水蒸気を吹き付けて、メラミン樹脂の表層スキン層を加水分解させて除去して上記した白金錯体化合物を露出させる。
(比較例1)
実施例2と同様であるが、凹陥模様を設けない。
(抗菌評価試験)
1.試験菌株:大腸菌(E.coli lfo 3301)
2.抗菌力測定方法:
(a)TWEEN80を0.2%添加したリン酸緩衝液(PH7.0)に、大腸菌を懸濁して、菌数を約1.0×10 個/mlに調整する。この菌数を大腸菌試験液として用いる。
(b)キャップ付容器に、実施例2及び比較例1の化粧板を1cm×1cmに切った試験材料を30枚入れて、(a)で調整した大腸菌試験液を10ml加える。
(c)(b)の試験材料の入った大腸菌試験液を25℃で、24時間マグネティックスターラーを120rpmの回転速度で回転させ水流を起こす。
(d)試験開始時、および24時間後に、試験試料の入った大腸菌試験液の菌数を混釈平板培養法により求める。
(e)(a)の大腸菌試験液について、化粧板を入れず、上記と同様の試験を行ないコントロールとする。
結果は、実施例2の24時間後の生菌数は1.5×10個/ml、比較例1の24時間後の生菌数は1.2×10個/mlである。また、実施例3の24時間後の生菌数は5.1×10個/mlである。菌液は、1.0×10個/mlである。
(耐摩耗性)
実施例1と比較例1の化粧板を荷重1000Paで耐水研磨紙を用いて200回摩耗させた。この摩耗試験後の化粧板について、前述の抗菌評価試験を行う。結果は、実施例1の24時間後の生菌数は1.5×10個/ml、比較例1の24時間後の生菌数は1.1×10個/mlである。
本発明では、表面樹脂層に凹溝が形成されているため、細菌やウィルスが化粧板表面で流体とともに流動している場合でも、抗菌、抗ウィルス機能は低下しない。
また、実施例2では多孔質の無機粒子に抗菌性金属を担持させて表面樹脂層に固定させているため、無機粒子中の細孔に起因する毛管現象と凹陥模様との相乗効果で、ウィルスを確実にトラップして失活させることができると考えられる。
また、実施例1の化粧板は、銀粒子が樹脂に直接固定されており、ふき取り試験でも銀粒子の脱落がない。一方、比較例1では多孔質のハイドロキシアパタイトに銀、亜鉛が担持されており、耐摩耗性が低いと考えられる。
10、2A、2B 化粧板
12、22 表層樹脂層
13 金属粒子
21 基材
23 金属(金属粒子、金属化合物)
24 化粧層
25 オーバーレイ層
26 凹陥模様

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板の一方面又は両面上に積層された表層樹脂層と、
    前記表層樹脂層上に担持された抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属とからなり、
    前記表層樹脂層には、凹陥模様を有してなり、
    前記凹陥模様を構成する凹溝部の深さは、10〜50μmであり、
    前記凹陥模様を構成する凹溝部の表面に抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属が担持されていることを特徴とする抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  2. 前記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、金属化合物からなる請求項1に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  3. 前記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、金属粒子からなる請求項1に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  4. 前記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は金属粒子であって、当該金属粒子は、前記表層樹脂層に直接固定され、前記金属粒子の一部は、前記表層樹脂層から露出している請求項1又は3に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  5. 前記金属粒子の平均粒子径は、0.1〜55μmである請求項3又は4に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  6. 前記表層樹脂層は、化粧層もしくはオーバーレイ層を構成する請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  7. 前記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、表層樹脂層上に担持されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  8. 前記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、表層樹脂層中に含まれており、その一部が表層樹脂層から露出している請求項1〜7のいずれか一項に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  9. 前記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、無機粒子に担持されているか、もしくは、無機粒子に含まれている請求項1〜8のいずれか一項に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  10. 前記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属は、Ag、Cu、Zn及びPtの少なくとも1種からなる請求項1〜9のいずれか一項に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
  11. 前記抗ウィルス性もしくは抗菌性を示す金属が、無機粒子に担持されているか、もしくは、無機粒子に含まれてなり、当該無機粒子が表面樹脂層に担持されてなる請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗菌性、抗ウィルス性の化粧板。
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