JP2001131353A - 実質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物及びその積層シート - Google Patents

実質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物及びその積層シート

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JP2001131353A
JP2001131353A JP31522199A JP31522199A JP2001131353A JP 2001131353 A JP2001131353 A JP 2001131353A JP 31522199 A JP31522199 A JP 31522199A JP 31522199 A JP31522199 A JP 31522199A JP 2001131353 A JP2001131353 A JP 2001131353A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ塩化ビニル系樹脂及びその積層シートに
代ることができ、加工性、可撓性、機械的強度及び着色
自在性に優れ、実用性の高い実質的に無色のノンハロゲ
ン難燃性ポリオレフィン樹脂組成物及びその積層シート
の提供。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂100重量部、ノン
ハロゲン系難燃剤10〜200重量部、及び熱分解性N
2 ガス発生剤(例えば、アゾ系、スルホヒドラジド系又
はニトロソ系化合物)1〜50重量部を含む実質的に無
色の樹脂組成物、そのフィルム、及びこのフィルムを布
帛からなる基布に積層した積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は実質的に無色のノン
ハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、及びその
積層シートに関するものである。更に詳しく述べるなら
ば、本発明は、建築物、構築物などに好適に用いられ、
着色性、可撓性、機械的特性に優れ、かつ燃焼時にハロ
ゲンガスを発生させない実質的に無色のノンハロゲン難
燃性ポリオレフィン系の樹脂組成物、及び実質的に無色
のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系の樹脂組成物を
積層したシートに関するものである。本発明において
「実質的に無色」というのは無色及び実用的着色を施し
たとき、得られる色相に与える影響が、実用上許容でき
る程度の淡い色を包含する。無色及び実質的に無色の樹
脂組成物は、任意の色相に、実用上支障なく自在に着色
することができる。
【0002】
【従来の技術】従来テント、シート倉庫、建築養生シー
トなどの建築物、構築物などを構成するシート材料の用
途には、塩化ビニル樹脂を繊維織物と積層したものが使
用されているが、近年、塩化ビニル樹脂中に含まれるハ
ロゲンが、燃焼時に有毒ガスの発生源になることから、
廃棄物処理あるいは火災時の安全性の面で問題が提起さ
れている。このような社会的背景から、ハロゲンの含有
量を可能な限り削減する方策が種々検討されている。た
とえば、塩化ビニル樹脂の代替品としては、ポリオレフ
ィン樹脂を用いてノンハロゲン系難燃剤(たとえば金属
水和物、金属酸化物、リン系難燃剤など)を添加したノ
ンハロゲン難燃性樹脂が提案されている(特開昭63−
20348号公報、特開昭63−61055号公報、特
開昭63−128038号公報、特開昭63−1547
60号公報、特開平3−20342号公報など)。
【0003】しかし、これらの方法の場合、ポリオレフ
ィン樹脂に充分な難燃性を付与するためには金属水和物
(たとえば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムな
ど)または金属酸化物(たとえば三酸化アンチモン、酸
化マグネシウム、二酸化チタンなど)を、例えば、20
0〜300重量部という大量に添加する必要があり、そ
の結果ポリオレフィン樹脂組成物の加工性を損ねたり、
加工品の機械的強度の著しい低下を招くなどの問題を生
じている。特にシート状の加工製品に応用した場合には
風合いが硬くなるだけでなく、折り曲げによる疲労劣化
及び表面キズ付きなどの問題があり、実用性と難燃性と
をバランスよく両立することができない状態にある。
【0004】そこで、ノンハロゲン難燃剤の添加量を削
減するために、赤リンや加熱膨張性黒鉛をノンハロゲン
難燃剤と併用したものが提案されている(特開平1−4
632号公報、特開平6−184330号公報、特開平
6−73251号公報、特開平6−25476号公報、
特開平8−302202号公報)。これらの方法では確
かにノンハロゲン難燃剤の添加量を減らして高度の難燃
性を得ることが可能であるが、赤リン添加による成型物
の赤褐色着色、及び加熱膨張性黒鉛添加による成型物の
黒色着色のため、成型物の着色の自在性が損なわれ、彩
色性、調色性を要求される用途に対しては使用できるも
のではなかった。
【0005】更に、赤リンは消防法の第二類危険物に該
当し、取り扱いに特別な注意を必要とするだけでなく、
加水分解による難燃効果の経時的低下の問題や、燃焼時
に有毒ホスフィンガスを発生する可能性が高いとして、
実用上敬遠されているのが実情である。これに対し、加
熱膨張性黒鉛は、安全性は高いものの、成形加工時に加
工機を汚染する問題があり、加工後の加工機のクリーニ
ングに手間と時間を要するという欠点がある。
【0006】また、赤リンや加熱膨張性黒鉛などを使用
せずに高度の難燃性をポリオレフィン樹脂に付与する方
法としてポリリン酸アンモニウムと金属酸化物との組み
合わせ(特開平7−330968)、リン酸塩化合物と
金属水和物との組み合わせ(実開平6−29830)、
などが提案されているが、これらの方法では確かに金属
酸化物や、金属水和物の添加配合量を低く設定しなが
ら、高度の難燃性を得ることができる配合組成もある
が、燃焼時にこれらの金属化合物の脆い燃焼灰化残査
が、ポリリン酸アンモニウムやリン酸塩化合物の特性で
ある熱分解発泡層の形成を阻害するために、2種類の難
燃剤の併用系としての相乗効果に乏しく、非効率的であ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するために赤リンや加熱膨張性黒鉛を用い
ることなく、優れた難燃性を発現するとともに、加工性
や可撓性、機械的強度にも優れ、更に、実質的に無色で
あって、着色自在性のノンハロゲン難燃性ポリオレフィ
ン系樹脂組成物、及びノンハロゲン難燃性樹脂組成物の
積層シートを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による実質的に無
色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、
及び実質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン
系樹脂組成物を積層したシートは、ポリオレフィン系樹
脂に対しノンハロゲン系難燃剤と熱分解性N2ガス発生
剤が含有される配合系において、熱分解性N2 ガス発生
剤を加工中にも加工後にも熱分解発泡させずにポリオレ
フィン系樹脂中に保持することにより、燃焼時にノンハ
ロゲン系難燃剤と熱分解性N2 ガス発生剤とが相乗効果
をもたらし優れた難燃性を発現する事を見いだして完成
させるに至った。
【0009】本発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂組成物はポリオレフィン系樹脂
と、その100重量部に対し、10〜200重量部のノ
ンハロゲン系難燃剤、及び1〜50重量部の熱分解性N
2 ガス発生剤とを含むことを特徴とするものである。本
発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィ
ン系樹脂組成物において、前記熱分解性N2 ガス発生剤
がアゾ系化合物、スルホヒドラジド系化合物、及びニト
ロソ系化合物から選ばれることが好ましい。本発明の実
質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂
組成物において、前記ノンハロゲン系難燃剤は、リン酸
エステル類、リン酸塩類、リン酸エステル塩類及び縮合
リン酸塩類から選ばれた少なくとも1種を含むものであ
ってもよい。本発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂組成物において、前記ノンハロ
ゲン系難燃剤が、ポリリン酸アンモニウム、熱硬化性樹
脂被覆粒子状ポリリン酸アンモニウム、及びポリリン酸
メラミンから選ばれた少なくとも1種を含むものであっ
てもよい。本発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃剤
ポリオレフィン系樹脂組成物において、前記ノンハロゲ
ン系難燃剤は、金属水和物、金属酸化物、金属炭酸塩、
及びホウ酸化合物から選ばれる1種以上を含むものであ
ってもよい。本発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂組成物積層シートは、前記本発
明の実質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン
系樹脂組成物を含む少なくとも1層のシート層と、この
シート層に積層された少なくとも1層の、繊維布帛から
なる基布とを含むことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による実質的に無色のノン
ハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物、及び実質
的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組
成物積層シートに用いられるポリオレフィン系樹脂の種
類には、特に限定はないが、例えば、エチレン−α−オ
レフィン共重合体、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸
共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体
など、及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
勿論これらの樹脂は、実質上無色である。
【0011】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
は、ラジカル重合法又はイオン重合法により製造された
物が使用できる。ラジカル重合法で得られるポリエチレ
ン系樹脂は、エチレン単独又はエチレンとラジカル重合
し得る単量体と共重合して得られるもので、ラジカル重
合し得る単量体としては、例えばアクリル酸、メタアク
リル酸などの不飽和カルボン酸及びそのエステル化物や
酸無水物、酢酸ビニルなどのビニルエステル類などが挙
げられる。
【0012】不飽和カルボン酸のエステル化物として
は、例えばアクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸グリシジルなどが挙げられる。これらの単量
体は、1種のみならず2種以上用いることができる。イ
オン重合法で得られるポリエチレン系樹脂は、エチレン
単独又はエチレンと炭素原子数3〜18のα−オレフィ
ンを遷移金属固体触媒又はメタロセン系均一触媒を使用
して重合することにより得られ、α−オレフィンとして
は、例えばプロピレン、ブテン−1,4−メチルペンテ
ン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、オ
クタデセン−1などが用いられるが、炭素数4〜10の
α−オレフィンを用いることが好ましい。また、これら
のα−オレフィンは、1種または2種以上用いても良
い。
【0013】本発明に使用されるポリオレフィン系樹脂
の中で、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、及びエチレ
ン−メタアクリル酸エステル共重合体が好ましく使用で
きる。
【0014】更に、これらのエチレン系共重合体は、単
独使用又は2種以上のブレンド組成に於いてメルトイン
デックスが、0.5〜20g/10min 、共重合モノマ
ー含有量が、5〜30重量%のものが本発明により好適
に使用できる。メルトインデックスが、0.5g/10
min 未満であると、本発明のシートの成形加工が極めて
困難になることがある。また20g/10min よりも高
いと、得られるシートの強度及び耐熱性が劣るだけでな
く、粘着性を増してブロッキングを生ずることがある。
また共重合モノマー含有量が5重量%未満であると高周
波ウエルダー性が不十分になることがあり、また、共重
合モノマー含有量が30重量%よりも多いと、加工時の
粘着性が増し、成形加工が極めて困難になることがあ
る。
【0015】本発明において用いられる実質的に無色の
熱分解性N2 ガス発生剤としては、アゾジカルボンアミ
ド(A.D.C.A)、ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン(D.P.T)、4,4′−オキシビスベンゼン
スルホニルヒドラジド(O.B.S.H)の1種又は2
種以上を用いることができ、この熱分解性N2 ガス発生
剤は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1〜
30重量部使用する。特にアゾジカルボンアミドの単独
使用又は熱分解性N2 ガス発生剤添加量の50重量%以
上にアゾジカルボンアミドを使用することが好ましい。
アゾジカルボンアミドは、熱分解生成ガス(N2 ,C
O,CO2 ,NH3 )以外にウラゾール、ビウレア、イ
ソシアヌル酸、シアメリドなどの含窒素分解固形物及び
昇華物を副生し、これらの含窒素分解固形物及び昇華物
が、本発明に用いられるノンハロゲン難燃剤との相乗効
果によって高度の難燃性を発現し、その相乗効果は特に
リン酸エステル、リン酸塩、リン酸エステル塩、ポリリ
ン酸アンモニウム、熱硬化性樹脂被覆粒状ポリリン酸ア
ンモニウム、ポリリン酸メラミンなどのリン酸化合物、
及びそれらの誘導体化合物との併用によって、より高度
に発揮される。
【0016】また、熱分解性N2 ガス発生剤の分解助剤
として、成形加工に支障のない範囲で、酸化亜鉛、酸化
鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛などの無機
塩、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリ
ン酸カルシウムなどの金属石鹸、及び尿素などの適量を
使用して燃焼時の熱分解速度をコントロールすることが
できる。
【0017】本発明に使用されるリン酸エステルとして
は、例えば、リン酸ビニル、リン酸ビニルフェニル、ト
リメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ
オクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェ
ートなどが挙げられ、リン酸塩としては、例えば、リン
酸アンモニウム、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウ
ム、リン酸亜鉛などが挙げられる。本発明に使用される
縮合リン酸塩化合物は、例えば、ポリリン酸アンモニウ
ム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム、及びポリリ
ン酸メラミンの1種又は2種以上を用いることができ、
これをポリオレフィン系樹脂100重量部に対して10
〜100重量部使用する。ポリリン酸アンモニウムは、
重合度が200以上のものが好適に用いられ、更にポリ
リン酸アンモニウム粒子の表面が、メラミン系樹脂、尿
素樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化
樹脂で被覆処理されて水に難溶化されたものが好適に用
いられる。ポリリン酸アンモニウムの重合度が200未
満であると、当該ポリリン酸アンモニウムが水溶性とな
り、ノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を
積層して得られるシートの耐水性が低下したり、難燃化
効果の持続性が乏しくなるなどして屋外での使用に不適
切な物となることがある。
【0018】本発明に使用される縮合リン化合物として
は、メラミン樹脂で表面処理された重合度600〜12
00の粒状ポリリン酸アンモニウムが好ましく使用でき
る。
【0019】本発明において、実質的に無色のノンハロ
ゲン難燃剤として使用できる金属水和物としては、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、塩基性炭酸
マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、ヒド
ロキシスズ酸亜鉛、酸化スズの水和物、及びホウ砂等の
無機金属化合物の水和物などが挙げられる。また金属酸
化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、
酸化バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化
ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化アンチモン、ジル
コニウム−アンチモン複合酸化物などの金属複合酸化物
などが挙げられる。さらに金属炭酸塩としては、炭酸亜
鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、及び炭酸マグネシウム−カルシウムなどが挙げられ
る。さらにホウ酸化合物としては、ホウ酸亜鉛、メタホ
ウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、及びホウ酸アルミニウ
ムなどが挙げられる。
【0020】これらのノンハロゲン難燃剤は、1種また
は2種以上併用しても良い。これらのノンハロゲン難燃
剤の中でも特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、ホウ酸亜鉛、酸化アンチモン、及びジルコニウム−
アンチモン複合酸化物などが難燃効果が高く、経済的に
も有利である。また、これらのノンハロゲン難燃剤の粒
径は、化合物の種類によって異なるが例えば水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウムの場合、平均粒径が、2
0μm以下、特に10μm以下であるものが加工性、分
散性のうえで好ましい。更に本発明において使用される
ノンハロゲン難燃剤は、ノンハロゲン難燃剤粒子の表面
を、ステアリン酸、オレイン酸、パルチミン酸、などの
脂肪酸またはその金属塩、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス、またはこれらの変性物、有機ボラン、
有機チタネート、又はシランカップリング剤などで被覆
もしくは表面処理、改質された物であることが好まし
い。
【0021】本発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂組成物は、必要に応じてハロゲ
ン原子非含有の添加剤、例えば帯電防止剤、酸化防止
剤、ヒンダードアミン系化合物などの耐候安定剤、紫外
線吸収剤、滑剤、着色剤などを添加する事ができる。ま
た、得られるノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂
組成物、その積層シートの諸特性を損なわない範囲であ
れば、製造コストの低減のために、無機系充填剤を添加
併用する事もできる。この無機系充填剤としては、シリ
カ、タルク、クレー、ガラスパウダー、シリコーンパウ
ダーなどが挙げられる。
【0022】本発明のノンハロゲン難燃性ポリオレフィ
ン系樹脂組成物は、実質的に無色である。この実質的に
無色とは、前述のように、無色及び、この樹脂組成物に
実用的着色が施されたとき、得られる色相に与える影響
が、実用上許容できる程度の淡い色を包含する。この淡
い色とは、例えば、未漂白綿布の色、未漂白羊毛布の
色、未漂白和紙の色、象牙色(淡い黄色など)などを包
含する。本発明のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系
樹脂組成物は、実質的に無色であるため、これを任意の
色相及び色濃度に自在に着色することができる。
【0023】本発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂組成物、及びその積層したシー
トの製造方法には特に限定はなく、例えば、本発明の樹
脂組成物に含まれるべき各成分を均一に分散、混合する
方法であればよい。このための混合方法としては、各成
分を前記範囲で公知の方法、例えば、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、又は二軸混練機などを用いて溶融混練後
造粒する方法、あるいはバンバリーミキサーなどで各成
分の高濃度のマスターバッチを作製しておき、タンブラ
ーブレンダー、タンブルミキサー、又はヘンシェルミキ
サーのような混合機を用いてドライブレンドする方法、
混合後、及び単軸押出機、又は二軸押出機などで溶融混
練造粒する方法を採用する事ができる。
【0024】本発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂組成物から積層シート層フィル
ムを形成するには、T−ダイ法、インフレーション法、
カレンダー法など公知のフィルム加工技術を用いること
ができるが、本発明において、熱分解性N2 ガス発生剤
はフィルムの加工中に熱分解発泡されることなくノンハ
ロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物中に保持され
ることを必要とするために、フィルムの成形加工温度
が、T−ダイ法、インフレーション法に較べて低温でも
よいカレンダー法が適している。本発明のノンハロゲン
難燃性ポリオレフィン系樹脂積層シートの製造には、カ
レンダー法により、80〜200℃の温度範囲内で実質
的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組
成物フィルムを繊維布帛に積層することが好ましい。
【0025】本発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂組成物積層シートに用いる実質
的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組
成物フィルムの厚さは、80〜800μmであることが
好ましく特に130〜450μmであることが好まし
い。厚さがこの範囲よりも薄いと成型加工が困難な上に
繊維布帛とラミネートした時に、繊維布帛面の凹凸部と
の熱圧着によりフィルムの頭切れを起こし、防水性を損
なうため、屋外用のテント・シート用途に使用できない
ことがある。また、厚さが上記範囲よりも厚いと、カレ
ンダー加工が困難となるだけでなく、重くて柔軟性を欠
き、取り扱い性が不良になることがある。また、本発明
の実質的に無色の難燃性ポリオレフィン系樹脂層(フィ
ルム)の形成には、ポリオレフィン系樹脂エマルジョン
に、ノンハロゲン系難燃剤と熱分解性N2 ガス発生剤及
び水性着色剤とを配合した難燃性組成物を、コーティン
グ塗布−乾燥させる事によって実施する事が出来る。こ
のポリオレフィン系樹脂エマルジョンを用いた実質的に
無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物
フィルムの形成方法としては、直接、繊維布帛に本発明
のポリオレフィン系難燃性組成物エマルジョンをコーテ
ィング塗布−乾燥してもよいし、または、離型紙、離型
フィルムに本発明の実質的に無色のポリオレフィン系難
燃性組成物エマルジョンをコーティング塗布−乾燥した
ものを繊維布帛とラミネート転写して積層してもよい。
ポリオレフィン系樹脂のエマルジョンとしては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重
合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−
アクリル酸共重合アイオノマー樹脂、又はエチレン−プ
ロピレン共重合樹脂などの水性エマルジョンが使用でき
る。
【0026】本発明の実質的に無色のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂組成物積層シートに使用できる
繊維布帛は、織布、編布、不織布のいずれでもよく、織
布の織組織には特別の限定はないが、平織を用いると得
られる難燃性シートの縦緯物性バランスに優れるため好
ましい。編布としてはラッセル編の緯糸挿入トリコット
が好ましく、不織布としては長繊維を用いた不織布が好
ましく、特にスパンボンド不織布などが使用できる。ま
た、基布用織物の縦糸・緯糸は合成繊維、天然繊維、半
合成繊維、またはこれらの2種以上から成る混合繊維の
いずれによって製織されてもよいが、加工性及び汎用性
を考慮すると、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊
維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、また
は、これらの混合繊維などの合成繊維の長繊維糸条、短
繊維紡績糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどが
用いられ、そのうちでも引張強力、引裂強力、耐熱クリ
ープ特性などに優れているポリエステルマルチフィラメ
ント(長繊維糸条)糸、ポリアミドマルチフィラメント
(長繊維糸条)糸、これらの混合繊維や、複合繊維など
から形成される平織の繊維布帛を用いるのが好ましい。
【0027】これらの繊維布帛基布と実質的に無色のノ
ンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物フィルム
との積層物において、フィルムが基布の片面に積層され
ていてもよいし、両面に積層されていてもよいが、屋外
用途の耐久性を考慮すると、基布の両面に実質的に無色
のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物フィ
ルム積層されていることが好ましい。また、積層の方法
として、フィルムと基布との間に接着剤層を設けてもよ
いし、接着剤なしに積層してもよい。本発明の実質的に
無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物
積層シートの製造に用いる基布と実質的に無色のノンハ
ロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物フィルムとの
積層方法は、フィルムの成型加工時に同時に基布とフィ
ルムとを熱ラミネートするカレンダートッピング法、又
はT−ダイラミネート法、或は、カレンダー法、T−ダ
イ法、インフレーション法などによりフィルムを成型加
工した後に、ラミネーターによる熱圧着により前記フィ
ルムと基布との積層を行う方法などがある。本発明によ
る実質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系
樹脂組成物積層シートの製造には、カレンダー法によっ
て成型加工された前記フィルムと、ポリエステル繊維平
織基布とを熱圧着する方法が、効率的かつ経済的であり
好ましい。このとき、平織基布の織組織は、目抜け平織
であると、難燃効果を阻害せず、積層シートの物性との
バランスがよく好ましく用いられる。
【0028】また、この平織基布に使用されるポリエス
テル繊維には、リン化合物を含む難燃性のポリエステル
繊維を使用することもできる。また、本発明の実質的に
無色の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物シートに積層
される難燃性ポリオレフィン系樹脂層(フィルム)の形
成方法が、ポリオレフィン型樹脂エマルジョンを使用し
た配合組成物のコーティング塗布−乾燥方法である場合
には、平織基布の織組織は、高糸密度の非目抜け平織り
であることが好ましい。
【0029】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらの例により、限定され
ない。
【0030】実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(1) (商標:エバテー
トK−2010:住友化学工業(株):酢酸ビニル含量
25wt%、メルトフローレート3g/10min、密度
0.95)100重量部に対し、難燃剤としてメラミン
樹脂コーティングタイプのポリリン酸アンモニウム(7)
(商標:ホスタフラムAP−745(EXOLIT I
FR−23):クラリアント社:重合度n=1000)
40重量部と、熱分解性N2 ガス発生剤としてアゾジカ
ルボンアミド(A.D.C.A)(4 ) (商標:ユニホー
ムAZ L−10:大塚化学(株):分解温度199
℃:ガス発生量240ml/g)10重量部と、滑剤(9)
としてジンクステアリルホスフェート(商標:JP−5
18ZN:城北化学(株))1.0重量部と、紫外線吸
収剤(10)(商標:チヌビンP:チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ(株))0.3重量部と、白色顔料(8) (商
標:ハイコンクマスターHCM2060:大日精化工業
(株))5重量部とを配合したコンパウンドを、140
℃に設定した熱ロール(2本ロール)で10分間混練
し、この混練組成物から0.2mm厚のフィルムを、カレ
ンダー圧延成形した。このフィルムの酸素指数(LO
I)は、36.3であった(JIS K−7201)。
また、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−0であっ
た。また、この混練組成物のロール混練及び、カレンダ
ー成形において粘着性及びプレートアウトは認められず
良好であった。
【0031】次にこの混練組成物から得られた0.2mm
のフィルムを、ポリエステル繊維平織目開き基布(25
0デニールポリエステルマルチフィラメント:糸密度縦
糸25本/2.54cm×横糸24本/2.54cm)の両
面に、130℃に設定したラミネーターで熱圧着して貼
り合わせ、厚さ0.5mm、重量540g/m2 のノンハ
ロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。この
シートのJIS L−1091(A−2法区分3)によ
る45度防炎試験の結果は合格であった。また、得られ
たシートの色相は配合された顔料の白が鮮やかであっ
た。試験結果を表1に示す。
【0032】実施例2 実施例1の配合組成において、そのアゾジカルボンアミ
ド(A.D.C.A) (4) の配合量を5重量部に減量
し、新たにジニトロソペンタメチレンテトラミン(D.
P.T)(5) (商標:セルラーD:永和化成工業
(株):分解温度205℃:ガス発生量242ml/g)
5重量部を追加配合し、熱分解性N2 ガス発生剤の合計
配合量を10重量部としたことを除き、その他は実施例
1と同様にして樹脂組成物及びその積層シートを作製
し、実施例1と同様の評価をおこなった。得られたフィ
ルムの酸素指数(LOI)は、35.0であり、また、
UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−0であった。ま
た、この混練組成物のロール混練及び、カレンダー成形
において粘着性及びプレートアウトは認められず良好で
あった。この混練組成物から得られた厚さ0.5mm、重
量540g/m2 のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン
系樹脂シートのJIS L−1091(A−2法区分
3)による45度防炎試験の結果は合格であった。ま
た、得られたフィルムの色相はそれに含まれている顔料
による白が鮮やかであった。試験結果を表1に示す。
【0033】実施例3 実施例1と同様にして、樹脂組成物、そのフィルム及び
その積層シートを作製し評価した。但し、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂100重量部の代りにエチレン−メ
チルメタアクリル酸共重合樹脂(2) (商標:アクリフト
WH−202:住友化学工業(株):メチルメタアクリ
ル酸含量20wt%:メルトフローレート2g/10min
、密度0.95)100重量部を用い、更に顔料
(白)(8) 5重量部の代りに顔料(青)(17)(商標:ハ
イコンクマスターHCM1615:大日精化工業
(株))5重量部を用いた。得られたフィルムの酸素指
数(LOI)は、37.8であり、また、UL−94垂
直燃焼性試験の成績はV−0であった。また、この混練
組成物のロール混練及び、カレンダー成形において粘着
性及びプレートアウトは認められず良好であった。この
混練組成物から得られた厚さ0.5mm、重量540g/
2 のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シート
のJIS L−1091(A−2法区分3)による45
度防炎試験の結果は合格であった。また、得られたシー
トの色相は、配合された顔料による青が鮮やかであっ
た。試験結果を表1に示す。
【0034】実施例4 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂100重量部の代りにエチレン−メチ
ルメタアクリル酸共重合樹脂(2) 100重量部を用い、
更にアゾジカルボンアミド(A.D.C.A)(4) の配
合量を5重量部に減量し、新たに4,4′−オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジド(O.B.S.H)(6)
(商標:ネオセルボン:永和化成工業(株):分解温度
159℃:ガス発生量125ml/g)5重量部を追加配
合し、熱分解性N2 ガス発生剤の合計配合量を10重量
部とし、更に顔料(白)(8) 5重量部の代りに顔料
(青)(17)5重量部を用いた。得られたフィルムの酸素
指数(LOI)は、34.6であり、また、UL−94
垂直燃焼性試験の成績はV−0であった。また、この混
練組成物のロール混練及び、カレンダー成形において、
粘着性及びプレートアウトは認められず良好であった。
この混練組成物から得られた厚さ0.5mm、重量540
g/m2 のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シ
ートの、JIS L−1091(A−2法区分3)によ
る45度防炎試験の結果は合格であった。また、得られ
たシートの色相は、配合に用いられた顔料による青が鮮
やかであった。試験結果を表1に示す。
【0035】実施例5 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂100重量部のうち、その50重量部
の代りに、超低密度ポリエチレン樹脂(3) (商標:ジェ
イレクスLLBF1350:メルトフローレート0.5
g/10min :密度0.92)50重量部を用いた。得
られたフィルムの酸素指数(LOI)は、35.9であ
り、また、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−0で
あった。また、この混練組成物のロール混練及び、カレ
ンダー成形においては粘着性及びプレートアウトは認め
られず良好であった。この混練組成物から得られた厚さ
0.5mm、重量540g/m2 のノンハロゲン難燃性ポ
リオレフィン系樹脂シートの、JIS L−1091
(A−2法区分3)による45度防炎試験の結果は合格
であった。また、得られたシートの色相は、配合された
顔料による白が鮮やかであった。試験結果を表1に示
す。
【0036】実施例6 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂100重量部のうちの50重量部の代
りに超低密度ポリエチレン樹脂(3) 50重量部を用い、
アゾジカルボンアミド(A.D.C.A)(4) の配合量
を5重量部に減量し、新たにジニトロソペンタメチレン
テトラミン(D.P.T)(5) 5重量部を追加配合し、
熱分解性N2 ガス発生剤の合計配合量を10重量部とし
た。得られたフィルムの酸素指数(LOI)は、34.
3であり、また、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV
−0であった。また、この混練組成物のロール混練及
び、カレンダー成形において粘着性及びプレートアウト
は認められず良好であった。この混練組成物から得られ
た厚さ0.5mm、重量540g/m2 のノンハロゲン難
燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS L−10
91(A−2法区分3)による45度防炎試験の結果は
合格であった。また、得られたシートの色相は、配合さ
れた顔料による白が鮮やかであった。試験結果を表1に
示す。
【0037】実施例7 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、アゾジカルボン
アミド(A.D.C.A)(4) の配合量を10重量部か
ら20重量部に増量した。得られたフィルムの酸素指数
(LOI)は、38.4であり、また、UL−94垂直
燃焼性試験の成績はV−0であった。また、この混練組
成物のロール混練及び、カレンダー成形において、粘着
性及びプレートアウトは認められず良好であった。この
混練組成物から得られた厚さ0.5mm、重量540g/
2 のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シート
の、JIS L−1091(A−2法区分3)による4
5度防炎試験の結果は合格であった。また、得られたシ
ートの色相は、配合された顔料による白が鮮やかであっ
た。試験結果を表1に示す。
【0038】実施例8 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) の配合量を40重量部から80重量部に増
量した。得られたフィルムの酸素指数(LOI)は、4
4.2であり、また、UL−94垂直燃焼性試験の成績
はV−0であった。また、この混練組成物のロール混練
及び、カレンダー成形において粘着性及びプレートアウ
トは認められず良好であった。この混練組成物から得ら
れた厚さ0.5mm、重量545g/m2 のノンハロゲン
難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS L−1
091(A−2法区分3)による45度防炎試験の結果
は合格であった。また、得られたシートの色相は、配合
された顔料による白が鮮やかであった。試験結果を表1
に示す。
【0039】実施例9 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) 40重量部の代りにポリリン酸メラミン4
0重量部を用い、更に顔料(白)(8) 5重量部の代りに
顔料(赤)(18)(商標:ハイコンクマスターHCM11
74:大日精化工業(株))5重量部を用いた。得られ
たフィルムの酸素指数(LOI)は、34.3であり、
また、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−0であっ
た。また、この混練組成物のロール混練及び、カレンダ
ー成形において粘着性及びプレートアウトは認められず
良好であった。この混練組成物から得られた厚さ0.5
mm、重量540g/m2 のノンハロゲン難燃性ポリオレ
フィン系樹脂シートの、JIS L−1091(A−2
法区分3)による45度防炎試験の結果は合格であっ
た。また、得られたシートの色相は、配合された顔料に
よる赤が鮮やかであった。試験結果を表2に示す。
【0040】実施例10 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) の配合量を40重量部から20重量部に減
量し、新たにポリリン酸メラミン20重量部を追加配合
し、更に顔料(白)(8) 5重量部の代りに顔料(赤)
(18)5重量部を用いた。得られたフィルムの酸素指数
(LOI)は、35.1であり、また、UL−94垂直
燃焼性試験の成績はV−0であった。また、この混練組
成物のロール混練及び、カレンダー成形において粘着性
及びプレートアウトは認められず良好であった。この混
練組成物から得られた厚さ0.5mm、重量540g/m
2 のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シート
の、JIS L−1091(A−2法区分3)による4
5度防炎試験の結果は合格であった。また、得られたシ
ートの色相は、配合された顔料による赤が鮮やかであっ
た。試験結果を表2に示す。
【0041】実施例11 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) の配合量を40重量部から20重量部に減
量し、新たに水酸化マグネシウム(12)(商標:キスマ5
A:協和化学工業(株))50重量部を追加配合した。
得られたフィルムの酸素指数(LOI)は、38.8で
あり、また、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−0
であった。また、この混練組成物のロール混練及び、カ
レンダー成形において粘着性及びプレートアウトは認め
られず良好であった。この混練組成物から得られた厚さ
0.5mm、重量550g/m2 のノンハロゲン難燃性ポ
リオレフィン系樹脂シートの、JIS L−1091
(A−2法区分3)による45度防炎試験の結果は合格
であった。また、得られたシートの色相は、配合された
顔料による白が鮮やかであった。試験結果を表2に示
す。
【0042】実施例12 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) の配合量を40重量部から20重量部に減
量し、新たに三酸化アンチモン(13)(商標:アトックス
S:日本精鉱(株))50重量部を追加配合した。得ら
れたフィルムの酸素指数(LOI)は、37.6であ
り、また、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−0で
あった。また、この混練組成物のロール混練及び、カレ
ンダー成形において粘着性及びプレートアウトは認めら
れず良好であった。この混練組成物から得られた厚さ
0.5mm、重量550g/m2 のノンハロゲン難燃性ポ
リオレフィン系樹脂シートの、JIS L−1091
(A−2法区分3)による45度防炎試験の結果は合格
であった。また、得られたシートの色相は、配合された
顔料による白が鮮やかであった。試験結果を表2に示
す。
【0043】実施例13 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) の配合量を40重量部から20重量部に減
量し、新たにホウ酸アルミニウム(14)(商標:アルボラ
イトPF03:四国化成工業(株))50重量部を追加
配合した。得られたフィルムの酸素指数(LOI)は、
37.9であり、また、UL−94垂直燃焼性試験の成
績はV−0であった。また、この混練組成物のロール混
練及び、カレンダー成形において粘着性及びプレートア
ウトは認められず良好であった。この混練組成物から得
られた厚さ0.5mm、重量540g/m2 のノンハロゲ
ン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS L−
1091(A−2法区分3)による45度防炎試験の結
果は合格であった。また、得られたシートの色相は、配
合された顔料による白が鮮やかであった。試験結果を表
2に示す。
【0044】実施例14 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) 40重量部の使用を省略し、新たに水酸化
マグネシウム(12)100重量部を追加配合した。得られ
たフィルムの酸素指数(LOI)は、34.1であり、
また、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−0であっ
た。また、この混練組成物のロール混練及び、カレンダ
ー成形において粘着性及びプレートアウトは認められず
良好であった。この混練組成物から得られた厚さ0.5
mm、重量560g/m2 のノンハロゲン難燃性ポリオレ
フィン系樹脂シートの、JIS L−1091(A−2
法区分3)による45度防炎試験の結果は合格であっ
た。また、得られたシートの色相は、配合された顔料に
よる白が鮮やかであった。試験結果を表2に示す。
【0045】実施例15 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) 40重量部の配合を省略し、新たに三酸化
アンチモン(13)100重量部を追加配合した。得られた
フィルムの酸素指数(LOI)は、33.4であり、ま
た、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−0であっ
た。また、この混練組成物のロール混練及び、カレンダ
ー成形において粘着性及びプレートアウトは認められず
良好であった。この混練組成物から得られた厚さ0.5
mm、重量580g/m2 のノンハロゲン難燃性ポリオレ
フィン系樹脂シートの、JIS L−1091(A−2
法区分3)による45度防炎試験の結果は合格であっ
た。また、得られたシートの色相は、配合された顔料に
よる白が鮮やかであった。試験結果を表2に示す。
【0046】実施例16 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) 40重量部の配合を省略し、新たにホウ酸
アルミニウム(14)100重量部を追加配合した。得られ
たフィルムの酸素指数(LOI)は、34.7であり、
また、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−0であっ
た。また、この混練組成物のロール混練及び、カレンダ
ー成形において粘着性及びプレートアウトは認められず
良好であった。この混練組成物から得られた厚さ0.5
mm、重量560g/m2 のノンハロゲン難燃性ポリオレ
フィン系樹脂シートの、JIS L−1091(A−2
法区分3)による45度防炎試験の結果は合格であっ
た。また、得られたシートの色相は、配合された顔料に
よる白が鮮やかであった。試験結果を表2に示す。
【0047】比較例1 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) 40重量部の配合を省略した。得られたフ
ィルムの酸素指数(LOI)は、18.4であり、UL
−94垂直燃焼性試験の成績はNR(V−0,V−1,
V−2のいずれにも不合格)であった。また、この混練
組成物から得られた厚さ0.5mm、重量510g/m2
のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、
JIS L−1091(A−2法区分3)による45度
防炎試験は不合格であった。試験結果を表3に示す。
【0048】比較例2 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、N2 ガス発生剤
A.D.C.A(4) 10重量部の配合を省略した。得ら
れたフィルムの酸素指数(LOI)は、24.8であ
り、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−2であっ
た。また、この混練組成物から得られた厚さ0.5mm、
重量540g/m2 のノンハロゲン難燃性ポリオレフィ
ン系樹脂シートの、JIS L−1091(A−2法区
分3)による45度防炎試験は不合格であった。試験結
果を表3に示す。
【0049】比較例3 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、A.D.C.A
(4) 10重量部及びポリリン酸アンモニウム(7 ) 40重
量部の配合を省略し、新たにポリリン酸メラミン(11)
40重量部を追加配合した。得られたフィルムの酸素指
数(LOI)は、23.4であり、UL−94垂直燃焼
性試験の成績はV−2であった。また、この混練組成物
から得られた厚さ0.5mm、重量540g/m2 のノン
ハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS
L−1091(A−2法区分3)による45度防炎試
験は不合格であった。試験結果を表3に示す。
【0050】比較例4 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、A.D.C.A
(4) 10重量部とポリリン酸アンモニウム(7)40重量
部の配合を省略し、新たに水酸化マグネシウム(12)10
0重量部を追加配合した。得られたフィルムの酸素指数
(LOI)は、24.6であり、UL−94垂直燃焼性
試験の成績はV−2であった。また、この混練組成物か
ら得られた厚さ0.5mm、重量560g/m2 のノンハ
ロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS
L−1091(A−2法区分3)による45度防炎試験
は不合格であった。試験結果を表3に示す。
【0051】比較例5 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、A.D.C.A
(4) 10重量部とポリリン酸アンモニウム(7)40重量
部の配合を省略し、新たに三酸化アンチモン(13)100
重量部を追加配合した。得られたフィルムの酸素指数
(LOI)は、22.9であり、UL−94垂直燃焼性
試験の成績はV−2であった。また、この混練組成物か
ら得られた厚さ0.5mm、重量580g/m2 のノンハ
ロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS
L−1091(A−2法区分3)による45度防炎試験
は不合格であった。試験結果を表3に示す。
【0052】比較例6 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、A.D.C.A
(4) 10重量部とポリリン酸アンモニウム(7)40重量
部の配合を省略し、新たにホウ酸アルミニウム(14)10
0重量部を追加配合した。得られたフィルムの酸素指数
(LOI)は、25.3であり、UL−94垂直燃焼性
試験の成績はV−2であった。また、この混練組成物か
ら得られた厚さ0.5mm、重量550g/m2 のノンハ
ロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS
L−1091(A−2法区分3)による45度防炎試験
は不合格であった。試験結果を表3に示す。
【0053】比較例7 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂(1) 100重量部の代りにエチレン−
メチルメタアクリレート共重合樹脂(2) 100重量部を
用い、ポリリン酸アンモニウム(7) の配合量40重量部
を250重量部に増量した。得られたフィルムの酸素指
数(LOI)は、46.4であり、UL−94垂直燃焼
性試験の成績はV−0であった。しかし、この混練組成
物のカレンダー加工における、プレートアウト及び混練
性不良などで加工性が著しく不良であり、ノンハロゲン
難燃性ポリオレフィン系樹脂シートを作製することがで
きなかった。従ってJISL−1091(A−2法区分
3)による45度防炎試験は評価できなかった。試験結
果を表3に示す。
【0054】比較例8 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂(1) 100重量部の代りにエチレン−
メチルメタアクリレート共重合樹脂(2) 100重量部を
用い、A.D.C.A(4) の配合量を10重量部から1
00重量部に増量した。得られたフィルムの酸素指数
(LOI)は、24.9であり、UL−94垂直燃焼性
試験の成績はV−2であった。この混練組成物のカレン
ダー加工は、混練性が不良で加工性が著しく不良であ
り、このためノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂
シートを作製することができなかった。従ってJIS
L−1091(A−2法区分3)による45度防炎試験
は評価できなかった。試験結果を表3に示す。
【0055】比較例9 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、A.D.C.A
(4) 10重量部の配合を省略し、新たに赤リン (15)(商
標:ノーバレッド120UF:燐化学工業(株))10
重量部を添加した。得られたフィルムの酸素指数(LO
I)は、34.3であり、UL−94垂直燃焼性試験の
成績はV−0であった。また、この混練組成物から得ら
れた厚さ0.5mm、重量540g/m2 のノンハロゲン
難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS L−1
091(A−2法区分3)による45度防炎試験は合格
であったが、シートの色が白色顔料による着色にも係わ
らず、あずき色に着色してしまうという欠点があり、着
色の自在性を欠くもので、カラフルさと意匠性が重要視
されるテント用途には不向きなものであった。試験結果
を表4に示す。
【0056】比較例10 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、新たに赤リン
(15)10重量部を添加した。得られたフィルムの酸素指
数(LOI)は、45.8であり、UL−94垂直燃焼
性試験の成績はV−0であった。また、この混練組成物
から得られた厚さ0.5mm、重量540g/m2 のノン
ハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS
L−1091(A−2法区分3)による45度防炎試
験は合格であったが、シートの色が白色顔料による着色
にも係わらず、あずき色に着色してしまうという欠点が
あり、着色の自在性を欠くもので、カラフルさと意匠性
が重要視されるテント用途には不向きなものであった。
試験結果を表4に示す。
【0057】比較例11 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) 40重量部の配合を省略し、新たに赤リン
(15)10重量部を添加し、更に顔料(白)(8) 5重量部
の代りに顔料(青)(17)5重量部を用いた。得られたフ
ィルムの酸素指数(LOI)は、23.4であり、UL
−94垂直燃焼性試験の成績はV−2であった。また、
この混練組成物から得られた厚さ0.5mm、重量540
g/m2 のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シ
ートの、JIS L−1091(A−2法区分3)によ
る45度防炎試験は不合格であった。また、シートの色
が青色顔料による着色にも係わらず、黒紫色に着色して
しまうという欠点があり、着色の自在性を欠くもので、
カラフルさと意匠性が重要視されるテント用途には防炎
性を含めて不向きなものであった。試験結果を表4に示
す。
【0058】比較例12 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、A.D.C.A
(4) 10重量部の配合を省略し、新たに加熱膨張性黒鉛
(16)(商標:GREP−EG:東ソー(株))20重量
部を添加した。得られたフィルムの酸素指数(LOI)
は、31.5であり、UL−94垂直燃焼性試験の成績
はV−0であった。また、この混練組成物から得られた
厚さ0.5mm、重量540g/m2 のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS L−109
1(A−2法区分3)による45度防炎試験は合格であ
ったが、カレンダー加工時のプレートアウトが著しく、
加工機の熱ロールを黒色に汚染するなどの問題を生じ
た。また、シートの色が白色顔料による着色にも係わら
ず、黒灰色に着色してしまうという欠点があり、着色の
自在性を欠くもので、カラフルさと意匠性が重要視され
るテント用途には加工性を含めて不向きなものであっ
た。試験結果を表4に示す。
【0059】比較例13 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、新たに加熱膨張
性黒鉛(16)20重量部を添加した。得られたフィルムの
酸素指数(LOI)は、47.3であり、UL−94垂
直燃焼性試験の成績はV−0であった。また、この混練
組成物から得られた厚さ0.5mm、重量540g/m2
のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、
JISL−1091(A−2法区分3)による45度防
炎試験は合格であったが、カレンダー加工時のプレート
アウトが著しく、加工機の熱ロールを黒色に汚染した。
また、シートの色が白色顔料による着色にも係わらず、
黒灰色に着色してしまうという欠点があり、着色の自在
性を欠くもので、カラフルさと意匠性が重要視されるテ
ント用途には加工性を含めて不向きなものであった。試
験結果を表4に示す。
【0060】比較例14 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) 40重量部の配合を省略し、新たに加熱膨
張性黒鉛(16)20重量部を添加し、更に顔料(白)(8)
5重量部の代りに顔料(青)(17)5重量部を用いた。得
られたフィルムの酸素指数(LOI)は、25.1であ
り、UL−94垂直燃焼性試験の成績はV−2であっ
た。また、この混練組成物から得られた厚さ0.5mm、
重量540g/m2 のノンハロゲン難燃性ポリオレフィ
ン系樹脂シートの、JIS L−1091(A−2法区
分3)による45度防炎試験は不合格であった。この混
練組成物のカレンダー加工時のプレートアウトが著し
く、加工機の熱ロールを黒色に汚染した。また、シート
の色が青色顔料による着色にも係わらず、黒青色に着色
してしまうという欠点があり、着色の自在性を欠くもの
で、カラフルさと意匠性が重要視されるテント用途には
加工性を含めて不向きなものであった。試験結果を表4
に示す。
【0061】比較例15 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) 40重量部の配合を省略し、新たに水酸化
マグネシウム(12)100重量部と赤リン(15)10重量部
とを添加した。得られたフィルムの酸素指数(LOI)
は、33.6であり、UL−94垂直燃焼性試験の成績
はV−0であった。また、この混練組成物から得られた
厚さ0.5mm、重量565g/m2 のノンハロゲン難燃
性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS L−109
1(A−2法区分3)による45度防炎試験は合格であ
ったが、この混練組成物のカレンダー加工時の混練性が
不良で、加工性が著しく不良であった。また、シートの
色が白色顔料による着色にも係わらず、あずき色に着色
されてしまうという欠点があり、着色の自在性を欠くも
ので、カラフルさと意匠性が重要視されるテント用途に
は加工性を含めて不向きなものであった。試験結果を表
4に示す。
【0062】比較例16 実施例1と同様にして樹脂組成物、そのフィルム及びそ
の積層シートを作製し評価した。但し、ポリリン酸アン
モニウム(7) 40重量部の配合を省略し、新たに水酸化
マグネシウム(12)100重量部と加熱膨張性黒鉛(16)
0重量部とを添加した。得られたフィルムの酸素指数
(LOI)は、34.2であり、UL−94垂直燃焼性
試験の成績はV−0であった。また、この混練組成物か
ら得られた厚さ0.5mm、重量570g/m2 のノンハ
ロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの、JIS
L−1091(A−2法区分3)による45度防炎試験
は合格であったが、この混練組成物のカレンダー加工時
の混練性が不良で、しかもプレートアウトが著しく、加
工機の熱ロールを黒色に汚染した。また、シートの色が
白の顔料による着色にも係わらず、黒灰色に着色してし
まうという欠点があり、着色の自在性を欠くもので、カ
ラフルさと意匠性が重要視されるテント用途には加工性
を含めて不向きなものであった。試験結果を表4に示
す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【発明の効果】本発明の積層シートは、上記実施例及
び、比較例によって明らかなように、ポリオレフィン系
樹脂に対して高度の難燃性を付与しながら、それ自体が
実質的に無色であるため、所望の色相に着色する自在性
を有し、さらに、成形加工性にも優れているため、中大
型テント、日除けテント、テント倉庫、養生シートなど
の防炎性を必要とする用途において、従来の塩化ビニル
樹脂製シートに代るシートとして極めて有用なものであ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA03 AB80 AB81 4J002 BB031 BB051 BB061 BB071 BB081 BF031 BG011 BG041 BG051 DE066 DE076 DE086 DE096 DE146 DE236 DE286 DH046 DH056 EQ017 EQ027 ES007 EW046 FD010 FD136 FD137 GF00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂と、その100重
    量部に対し、10〜200重量部のノンハロゲン系難燃
    剤、及び1〜50重量部の熱分解性N2 ガス発生剤とを
    含むことを特徴とする実質的に無色のノンハロゲン難燃
    性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記熱分解性N2 ガス発生剤がアゾ系化
    合物、スルホヒドラジド系化合物、及びニトロソ系化合
    物から選ばれた1種以上を含む、請求項1に記載の実質
    的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記ノンハロゲン系難燃剤が、リン酸エ
    ステル類、リン酸塩類、リン酸エステル塩類及び縮合リ
    ン酸塩類から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1
    に記載の実質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフ
    ィン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記ノンハロゲン系難燃剤が、ポリリン
    酸アンモニウム、熱硬化性樹脂被覆粒子状ポリリン酸ア
    ンモニウム、及びポリリン酸メラミンから選ばれた少な
    くとも1種を含む、請求項1又は3に記載の実質的に無
    色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記ノンハロゲン系難燃剤が、金属水和
    物、金属酸化物、金属炭酸塩、及びホウ酸化合物から選
    ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の実質的に無色
    のノンハロゲン難燃剤ポリオレフィン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の実
    質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂
    組成物を含む少なくとも1層のシート層と、このシート
    層に積層された少なくとも1層の、繊維布帛からなる基
    布とを含むことを特徴とする、実質的に無色のノンハロ
    ゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物積層シート。
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