JP2013215939A - 車輛用軽量防水床シート - Google Patents

車輛用軽量防水床シート Download PDF

Info

Publication number
JP2013215939A
JP2013215939A JP2012087067A JP2012087067A JP2013215939A JP 2013215939 A JP2013215939 A JP 2013215939A JP 2012087067 A JP2012087067 A JP 2012087067A JP 2012087067 A JP2012087067 A JP 2012087067A JP 2013215939 A JP2013215939 A JP 2013215939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
flame retardant
waterproof floor
resin layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012087067A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Shibayama
誉宏 柴山
Koji Nishitani
浩二 西谷
Takeshi Imada
武志 今田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suminoe Textile Co Ltd
Original Assignee
Suminoe Textile Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suminoe Textile Co Ltd filed Critical Suminoe Textile Co Ltd
Priority to JP2012087067A priority Critical patent/JP2013215939A/ja
Publication of JP2013215939A publication Critical patent/JP2013215939A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】軽量で、しかも燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、難燃性、施工性に優れた車輛用軽量防水床シートを提供することを目的とする。
【解決手段】車輛用防水床シートにおいて、樹脂層と、裏打層とが積層一体化されてなり、前記樹脂層は、オレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーから選択される1種又は複数の樹脂と、前記樹脂層の樹脂成分100重量部に対し難燃剤5〜80重量部を含有し、前記裏打層は、織布または不織布からなり、前記樹脂層と前記裏打層とを積層した重量が650〜1500g/mの範囲にある車輛用軽量防水床シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車輛において、カーペット等の床材の下側に敷設される防水床シートに関するもので、特に軽量で、しかも燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、難燃性、施工性に優れた車輛用軽量防水床シートに関するものである。
従来から、車輌用床材としてカーペット等の通水性のある床材を使用した場合は、水分が床鉄板にまで到達し鉄板が腐蝕する事から、水分の侵入を防止する目的で、塩化ビニル樹脂(PVC)製の防水床シートをカーペット等の下に敷設してきた。
しかしながら、PVC製防水床シートは燃焼時において、多量の発煙と共に塩化水素等の有毒ガスを発生することから、火災時において避難者が有毒ガス等を吸入してしまう等の防災上の問題、また廃材を焼却処理する場合においても環境汚染をもたらすという問題があった。
さらに、近年の鉄道車輛では、環境の問題から車体の軽量化が強く求められており、特に厳しい難燃性能を要求される部材においては、優秀な難燃材料である塩化ビニル樹脂(PVC)といえども、他の難燃剤を併用しなければ基準値に到達することは困難で、結果として製品重量が重くならざるを得ない傾向にあるという欠点もあった。
そこで、例えば、PVC材料に代えて、燃焼時に有毒ガスの発生が少ないポリオレフィン系樹脂を基材とする車輛用内装材料が提案(特許文献1)されている。
しかしながら、上記の従来技術では、製品の軽量化を行ない、良好な施工性を持ちつつ鉄道車輌等で要求される特に厳しい難燃性能を付与することが難しく、更には前記樹脂は柔軟性が劣り施工時の接着性が悪いといった問題もあり、総じてPVC製防水床シートに比べて、難燃性、施工性、軽量化に劣るという難点があった。
そこで、出願人は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100重量部に対して無機充填剤50〜250重量部と、難燃剤20〜100重量部とを含有する樹脂層と、前記樹脂層の上面及び/又は下面に積層一体化する補強層と、さらに前記樹脂層の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されてなる裏打層とからなるノンハロゲン系車輛用防水床シートに関して技術を開示している(特許文献2)。
特開平9−39169号公報 特開2005−161533号公報
しかしながら、上記の従来技術は、製品の軽量化を行ない、良好な施工性を持ちつつ鉄道車輌等で要求される特に厳しい難燃性能を付与することができるが、さらに軽量化が求められている。本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、軽量で、しかも燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、難燃性、施工性に優れた車輛用軽量防水床シートを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]車輛用防水床シートにおいて、樹脂層と、裏打層とが積層一体化されてなり、前記樹脂層は、オレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーから選択される1種又は複数の樹脂と、前記樹脂層の樹脂成分100重量部に対し難燃剤5〜80重量部を含有し、前記裏打層は、織布または不織布からなり、前記樹脂層と前記裏打層とを積層した重量が650〜1500g/mの範囲にある車輛用軽量防水床シート。
[2]前記難燃剤は、リン系難燃剤と窒素含有化合物系難燃剤を含有し、前記難燃剤中に合わせて5重量%以上配合された前項1に記載の車輛用軽量防水床シート。
[3]前記裏打層の目付が50〜300g/mの範囲であり、前記裏打層が前記樹脂層の加熱溶融により前記樹脂層に積層一体化された前項1または2に記載の車輛用軽量防水床シート。
[1]の発明では、車輛用防水床シートにおいて、樹脂層と、裏打層とが積層一体化されており、前記樹脂層は、オレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーから選択される1種又は複数の樹脂なので、燃焼時に有毒ガスの発生が少なく低発煙性であり燃焼安全性に優れていることから防災という点で有益である。そして、鉄道車輌用材料の燃焼性試験などの厳しい燃焼試験において、前記樹脂層と前記裏打層とを積層した重量が650〜1500g/m、かつ厚さが0.6〜1.5mmの範囲という難燃性を発揮するには薄くて不利であるのにもかかわらず、難燃剤5〜80重量部を含有する樹脂組成物が燃焼時に炭化し、炭化してもなお積層一体化され裏打層に保持されながら火炎の広がりを遮断するので、防水床シートがドリップしてしまうことを抑制し、貫通穴の発生を遅らせることができ、優れた難燃性を発揮することができる。また、前記裏打層は織布または不織布からなるので、樹脂層の機械的強度を補強するとともに防水床シートの寸法を安定させることができる。さらに、前記樹脂層と前記裏打層とを積層した重量が650〜1500g/mの範囲に規定されているので車輛の軽量化に大きく貢献できる。したがって、鉄道車両に求められる厚さが薄く、軽量で、しかも燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、難燃性、施工性に優れた車輛用軽量防水床シートを得ることができる。
[2]の発明では、前記難燃剤は、リン系難燃剤と窒素含有化合物系難燃剤を含有するので、燃焼時にリン系難燃剤が炭化し、窒素含有化合物系難燃剤が発泡し、その結果発泡炭化層が形成され、炎を遮断するので一段と難燃性が向上する。また、前記難燃剤中に合わせて5重量%以上配合されているので、発泡炭化層が十分形成され、難燃性が一段と向上される。
[3]の発明では、前記裏打層の目付が50〜300g/mの範囲であので、樹脂層の機械的強度を補強し、寸法を安定させながら一段と軽量化することができる。
この発明に係る車輛用軽量防水床シートの一実施形態を示す断面図である。
この発明に係る車輛用軽量防水床シート1の一実施形態を図1に示す。この車輛用軽量防水床シート1は、樹脂層2と、裏打層3とが積層一体化されてなり、前記樹脂層2は、オレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーから選択される1種又は複数の樹脂と、前記樹脂層2の樹脂成分100重量部に対し難燃剤5〜80重量部を含有し、前記裏打層3は、織布または不織布からなり、前記樹脂層2と前記裏打層3とを積層した重量が650〜1500g/m、かつ厚さが0.6〜1.5mmの範囲に規定された防水床シートである。
前記樹脂層2は、オレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーから選択される1種又は複数の樹脂である。オレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン−αオレフィン共重合体、ランダム型ポリプロピレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリエチレン、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−ブテン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、エチレン−ブテン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体等が挙げられる。中でも、ランダム型ポリプロピレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体が好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。中でも、エチレン−プロピレンゴム(EPR)が好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、水素添加スチレン−ブタジエンゴム(HSBR)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等が挙げられる。中でも、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)が好ましい。
前記樹脂層2を構成する難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤としてリン酸とジアミンとの塩、窒素含有化合物系難燃剤としてリン酸とメラミンとの塩又はポリリン酸アンモニウム化合物が好ましい。リン系難燃剤は燃焼時に生成したリン酸層が、不揮発性の保護被膜を形成し酸素供給を遮断され、炭化する。窒素含有化合物系難燃剤は燃焼時に発泡し、炎を遮断、断熱効果を発揮する。また、難燃剤は、樹脂層2の樹脂成分100重量部に対し5〜80重量部含有する。この範囲にすることで、樹脂組成物が燃焼時に炭化し、炭化してもなお積層一体化され裏打層に保持されながら火炎の広がりを遮断するので、防水床シートがドリップしてしまうことを抑制し、貫通穴の発生を遅らせることができ、優れた難燃性を発揮することができる。5重量部未満では発泡炭化層の形成が少なく、優れた難燃性を得ることができない。逆に80重量部を超えても樹脂層2としての機械的強度が損なわれ好ましくなく、しかも徒に重量増になるばかりである。また、難燃剤に配合するリン系難燃剤と窒素含有化合物系難燃剤との割合としては80/20〜50/50の範囲が好ましい。リン系難燃剤による燃焼時の炭化と窒素含有化合物系難燃剤による燃焼時の発泡とが相俟って一層優れた難燃効果を発揮する。
前記樹脂層2には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、滑剤、加工助剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤等の成分を、本発明の作用効果の阻害されない程度に添加することができる。
また、前記樹脂層2の裏打層3側の反対側の面に、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系のシートやフィルムを積層することができる。これらのシートやフィルムを積層することによって、耐傷付き性、耐候性、機械的強度を向上させることができる。
前記樹脂層2を構成する樹脂組成物が、燃焼時に炭化し、炭化した樹脂組成物は前記裏打層3によって保持される。また、前記裏打層3は、防水床シートの機械的強度を向上させることができる。
前記裏打層3は、織布または不織布からなる。織布の形態は、縦糸と緯糸を織ったものや、織らずに直交させているもの、緯糸を二本の縦糸で上下より挟んで固着させたもの、緯糸と縦糸が一本ずつ固着されたもの等の種々の形態があり、いずれも本発明に使用することができる。織布の縦糸と縦糸、緯糸と緯糸の間隔は、その布目を通して樹脂が含浸し、前記樹脂層3の表層部に留まるものが好ましい。
不織布は、繊維等を織らずに物理的、あるいは化学的に結合させて布状にし固定したものであり、製法は特に限定されない。織布の場合と同様に繊維の間を通して樹脂が含浸し、前記樹脂層2の表層部に留まるものが好ましい。
また、前記裏打層3を構成する素材は特に限定されるものではないが、ポリエステル繊維と、綿及び/またはレーヨンとを含有するのが好ましい。こうすることで、炭化した樹脂組成物を一層保持するので、防水床シートの難燃性を一段と向上させることができる。前記綿及び/またはレーヨンが前記裏打層3に40〜100質量%含有するのが好ましい。また、前記ポリオレフィン系樹脂繊維としは、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。中でもポリプロピレンが好ましい。
前記裏打層3は、樹脂層2に加熱溶融により積層一体化されて形成されるもので、目付が50〜200g/mの範囲のものが好ましい。さらに好ましくは、50〜170g/mの範囲である。裏打層3は軽量化を行ないつつも、難燃性、施工性に優れた車輛用軽量防水床シートを提供することができる。
本発明の車輛用軽量防水床シートの厚さは、0.6〜1.5mmが好ましい。また、シート状床材の幅についても特に限定されないが、通常600〜2,500mm程度の長尺シート状の製品形態をなす。また、表面に凹凸を付与することにより滑り止めの加工を施してもよい。
さらに、車輛に施工した時のシート同士の接合方法については、熱融着、あるいは、オレフィン用の溶接棒や接着剤で簡単に接合することができ、防水性も持たすことができる。
なお、この本発明の車輛用軽量防水床シートの製造方法としては、特に限定されず、例えばカレンダ加工機、押出加工機等の公知の装置や、ホットラミネート加工機等の公知の積層技術を用いて積層することにより製造することができる。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
表1に示すように、ポリプロピレン樹脂60重量部、エチレン‐プロピレンゴム(EPR)40重量部、難燃剤34重量部(リン系難燃剤24重量部、窒素含有化合物系難燃剤10重量部)からなる組成物を押出加工機により溶融混錬し、シート(樹脂層)状に押出しながら前記シート(樹脂層)の下面側に裏打層として織布(綿50%、ポリエステル50%、目付150g/m)を積層ラミネートし、厚さ0.9mm、製品重量850g/mの車輛用軽量防水床シートを得た。
<実施例2>
実施例1において、エチレン‐プロピレンゴム(EPR)40重量部に替えて、スチレン‐エチレン‐ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)40重量部を用い、難燃剤34重量部(リン系難燃剤20重量部、窒素含有化合物系難燃剤14重量部)とした以外は実施例1と同様にして厚さ0.9mm、製品重量850g/mの車輛用軽量防水床シートを得た。
<実施例3>
実施例1において、ポリプロピレン樹脂60重量部に替えて、ランダムポリプロピレン樹脂60重量部を用い、難燃剤8重量部(リン系難燃剤6重量部、窒素含有化合物系難燃剤2重量部)とした以外は実施例1と同様にして厚さ0.9mm、製品重量830g/mの車輛用軽量防水床シートを得た。
<実施例4>
実施例1において、ポリプロピレン樹脂60重量部に替えて、エチレン−プロピレン−ジエン樹脂60重量部を用い、エチレン‐プロピレンゴム(EPR)40重量部に替えて、スチレン‐エチレン‐ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)40重量部を用い、難燃剤75重量部(リン系難燃剤40重量部、窒素含有化合物系難燃剤35重量部)とした以外は実施例1と同様にして厚さ0.9mm、製品重量940g/mの車輛用軽量防水床シートを得た。
<実施例5>
実施例1において、難燃剤34重量部(リン系難燃剤18重量部、窒素含有化合物系難燃剤16重量部)とし、押出加工機から押出されたシート(樹脂層)の下面側に裏打層を積層ラミネートするときのライン速度を調整した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.75mm、製品重量700g/mの車輛用軽量防水床シートを得た。
<実施例6>
実施例1において、押出加工機から押出されたシート(樹脂層)の下面側に裏打層を積層ラミネートするときのライン速度を調整した以外は実施例1と同様にして、厚さ1.5mm、製品重量1400g/mの車輛用軽量防水床シートを得た。
<実施例7>
実施例1において、裏打層として織布(レーヨン70%、ポリエステル30%、目付55g/m)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ0.8mm、製品重量700g/mの車輛用軽量防水床シートを得た。
<比較例1>
実施例1において、シート(樹脂層)の下面側に裏打層をラミネートしていない厚さ0.7mm、製品重量700g/mの防水床シートを得た。
<比較例2>
実施例1の組成物に替えて、非晶質ポリオレフィン樹脂23重量部、スチレン‐エチレン‐ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)43重量部、難燃剤160重量部(水酸化マグネシウム難燃剤130重量部、水酸化アルミニウム難燃剤30重量部)からなる組成物を用い、押出加工機から押出されたシート(樹脂層)の下面側に裏打層を積層ラミネートするライン速度を調整した以外は、実施例1と同様にして厚さ1.3mm、製品重量850g/mの防水床シートを得た。
<比較例3>
実施例1の組成物に替えて、ポリカーボネート樹脂100重量部を用い、押出加工機から押出されたシート(樹脂層)の下面側に裏打層を積層ラミネートするライン速度を調整した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.9mm、製品重量1100g/mの防水床シートを得た。
<比較例4>
実施例1において、難燃剤3重量部(リン系難燃剤2重量部、窒素含有化合物系難燃剤1重量部)とし、押出加工機から押出されたシート(樹脂層)の下面側に裏打層を積層ラミネートするのライン速度を調整した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.8mm、製品重量850g/mの防水床シートを得た。
<比較例5>
実施例1において、裏打層として織布(ポリエステル100%、目付100g/m)に替えた以外は実施例1と同様にして、厚さ0.8mm、製品重量750g/mの防水床シートを得た。
<寸法安定性試験>
JIS A 1454による高分子系張り床材試験方法の加熱による長さ変化試験方法に準じ、各防水床シートを80℃で6時間加熱した後、室内に1時間静置し、加熱前の長さに対する寸法変化率を測定した。寸法変化率が0.5%未満のものを「◎」、0.5〜1.0%のものを「○」、1.0%を超えるものを「×」とした。
<施工性試験>
施工作業性に優れると共に下地(施工床面)への収まりが良く、巻き癖が残らないものを「◎」とし、施工作業性が悪いと共に下地(施工床面)への収まりも悪く、巻き癖が残るものを「×」とした。
<難燃性試験>
社団法人日本鉄道車輌機械技術協会が定めた「鉄道車輌用材料の燃焼性試験及び規格」に準じた試験方法(45度傾斜、アルコール燃焼試験)により、燃焼判定基準の区分が「難燃性」であるものを「◎」とし、同「緩燃性」または「可燃性」であるものを「×」とした。
<疲労試験>
疲労試験に万能引張圧縮試験機(ミネベア株式会社製 TGE−5kN)を用い、チャック間距離を10mmとして、20%の歪が発生するように引張荷重を連続的にかけて、1万回の定歪による繰り返し試験を実施し、試験直後の試験片において破断していないものを「◎」とし、一部破れが見られるものを「△」、破断しているものを「×」とした。
上記表1及び2から明らかなように、この発明の実施例1〜7においては、優れた難燃性、施工性、寸法安定性を持っていた。
これに対し、裏打ち層をラミネートしていない比較例1の防水床シートは、疲労試験では問題ないものの、難燃性、施工性、寸法安定性とも不合格であった。また、比較例2の防水床シートは、従来技術の水酸化アルミニウム難燃剤により難燃性は合格であるものの、疲労試験では一部破れが見られる問題があるとともに、下地(施工床面)への収まりも悪く、巻き癖が残り施工性は不合格であった。また、樹脂層にポリカーボネート樹脂のみを用いた比較例3の防水床シートは、難燃性は合格であるものの、施工性は不合格であった。さらに、難燃剤の配合量がこの発明の規定範囲を逸脱する比較例4の防水床シートと、裏打層にポリエステル100%の不織布を積層した比較例5の防水床シートは、共に難燃性は不合格であった。
更に、実施例1の車輛用防水床シートについて、NBS燃焼試験を行った。これらの結果を表3に示す。
なお、NBS燃焼試験法とは、密閉した発煙箱の中に試料を垂直に置き、その正面にあるヒーターから輻射熱を当てながらバーナーの炎も当て有炎燃焼させ、発煙箱中に発生した煙に対して光電管により光透過率を測定し、この光透過率(T)から下記算出式に基づいて煙濃度(Ds)を算出するものである。
Ds=132log(100/T)
試験開始後4分のDs値及び最大Ds値を求めた。更に、発煙箱中のガスをガス捕集袋に採取し、検知管で分析を行った。
表3から明らかなように、この発明の車輛用軽量防水床シートは、軽量で、しかも燃焼時の発煙性が低く、有毒なガスもほとんど発生しないことが確認できた。
鉄道車輛において、カーペット等の床材の下側に敷設される軽量で難燃性、施工性に優れた防水床シートとして好適に利用される。
1・・・車輛用軽量防水床シート
2・・・樹脂層
3・・・裏打層

Claims (3)

  1. 車輛用防水床シートにおいて、樹脂層と、裏打層とが積層一体化されてなり、前記樹脂層は、オレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーから選択される1種又は複数の樹脂と、前記樹脂層の樹脂成分100重量部に対し難燃剤5〜80重量部を含有し、前記裏打層は、織布または不織布からなり、前記樹脂層と前記裏打層とを積層した重量が650〜1500g/mの範囲にある車輛用軽量防水床シート。
  2. 前記難燃剤は、リン系難燃剤と窒素含有化合物系難燃剤を含有し、前記難燃剤中に合わせて5重量%以上配合された請求項1に記載の車輛用軽量防水床シート。
  3. 前記裏打層の目付が50〜300g/mの範囲であり、前記裏打層が前記樹脂層の加熱溶融により前記樹脂層に積層一体化された請求項1または2に記載の車輛用軽量防水床シート。
JP2012087067A 2012-04-06 2012-04-06 車輛用軽量防水床シート Pending JP2013215939A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012087067A JP2013215939A (ja) 2012-04-06 2012-04-06 車輛用軽量防水床シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012087067A JP2013215939A (ja) 2012-04-06 2012-04-06 車輛用軽量防水床シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013215939A true JP2013215939A (ja) 2013-10-24

Family

ID=49588679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012087067A Pending JP2013215939A (ja) 2012-04-06 2012-04-06 車輛用軽量防水床シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013215939A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105751638A (zh) * 2016-03-22 2016-07-13 江阴祥泰家纺面料研发有限公司 抗菌、耐磨、高色牢度、阻燃家纺面料

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07241948A (ja) * 1994-03-02 1995-09-19 Sekisui Chem Co Ltd 難燃ポリオレフィン系積層体
JP2000154324A (ja) * 1998-11-20 2000-06-06 Tosoh Corp 熱安定性の良好な難燃性樹脂組成物
JP2001131353A (ja) * 1999-11-05 2001-05-15 Hiraoka & Co Ltd 実質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物及びその積層シート
JP2001261899A (ja) * 2000-03-15 2001-09-26 Daihachi Chemical Industry Co Ltd 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
JP2004174869A (ja) * 2002-11-27 2004-06-24 Kanbo Pras Corp 難燃性積層体
JP2004238568A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Asahi Denka Kogyo Kk 難燃性合成樹脂組成物
JP2005161533A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Suminoe Textile Co Ltd ノンハロゲン系車輛用防水床シート
JP2006097210A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Dainippon Printing Co Ltd 壁紙
JP2008045064A (ja) * 2006-08-18 2008-02-28 Suminoe Textile Co Ltd ノンハロゲン系車両用防水床シート
JP2008126713A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Suminoe Textile Co Ltd ノンハロゲン系車両用クッション床シート
WO2009147830A1 (ja) * 2008-06-06 2009-12-10 株式会社Adeka 難燃性熱可塑性樹脂組成物

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07241948A (ja) * 1994-03-02 1995-09-19 Sekisui Chem Co Ltd 難燃ポリオレフィン系積層体
JP2000154324A (ja) * 1998-11-20 2000-06-06 Tosoh Corp 熱安定性の良好な難燃性樹脂組成物
JP2001131353A (ja) * 1999-11-05 2001-05-15 Hiraoka & Co Ltd 実質的に無色のノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物及びその積層シート
JP2001261899A (ja) * 2000-03-15 2001-09-26 Daihachi Chemical Industry Co Ltd 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
JP2004174869A (ja) * 2002-11-27 2004-06-24 Kanbo Pras Corp 難燃性積層体
JP2004238568A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Asahi Denka Kogyo Kk 難燃性合成樹脂組成物
JP2005161533A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Suminoe Textile Co Ltd ノンハロゲン系車輛用防水床シート
JP2006097210A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Dainippon Printing Co Ltd 壁紙
JP2008045064A (ja) * 2006-08-18 2008-02-28 Suminoe Textile Co Ltd ノンハロゲン系車両用防水床シート
JP2008126713A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Suminoe Textile Co Ltd ノンハロゲン系車両用クッション床シート
WO2009147830A1 (ja) * 2008-06-06 2009-12-10 株式会社Adeka 難燃性熱可塑性樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105751638A (zh) * 2016-03-22 2016-07-13 江阴祥泰家纺面料研发有限公司 抗菌、耐磨、高色牢度、阻燃家纺面料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6634643B2 (ja) 有害ガス難発生敷物用の難燃性面状体
JP6698517B2 (ja) 架橋ポリオレフィン系発泡体
JP5057506B2 (ja) ノンハロゲン系車両用防水床シート
JP2011144253A (ja) ターポリン用架橋性樹脂組成物及びそれを用いたターポリン
JP2006240207A (ja) 難燃防音材
JP2013215939A (ja) 車輛用軽量防水床シート
JP4822242B2 (ja) ノンハロゲン系車輛用防水床シート
JP4009117B2 (ja) オレフィン複合シートおよび強化複合不織布
JP4974216B2 (ja) ノンハロゲン系車両用クッション床シート
JP2004174869A (ja) 難燃性積層体
KR100643003B1 (ko) 새집 증후군을 감소시키기 위한 난연성 벽지
JP2012149713A (ja) 積層断熱材及び鉄道車両の空調ダクト用断熱材
JP4806482B2 (ja) 建築物用難燃シート
JPH07188487A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物、シート状物及び壁装材
JP6974578B1 (ja) 耐火性樹脂組成物、耐火シート及び建具
JP3877429B2 (ja) 耐火性多層シート
JP2004232334A (ja) 難燃性ノンハロゲン系床材
JP2003251771A (ja) ポリオレフィン防炎性ラミネートシート
JP2004315544A (ja) ポリオレフィンフイルムまたはラミネートシート
JP2019001038A (ja) ターポリン、その製造方法及びフレキシブルコンテナバッグ
JP2005193524A (ja) 車両内装材用ポリオレフィン系シート
JP4022957B2 (ja) 難燃発泡性シート、難燃発泡シート及びそれよりなる壁紙並びに床材
JP2003276103A (ja) 防水透湿シート
JP2004058367A (ja) ポリオレフィン製防音シート
JP2017197639A (ja) 表面保護フィルム及びその製造方法並びに該表面保護フィルムを最表面に積層した床材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160331

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160930